JP2004338657A - 車両用操舵装置 - Google Patents

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裕教 小山
Yoshie Sasaki
淑江 佐々木
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真秀樹 佐野
Atsuo Sakai
厚夫 酒井
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Abstract

【課題】バックアップ用電源の数にかかわらず供給電圧を監視する電圧監視手段を各個に設けるだけで、電圧降下等の異常時に、モータ駆動回路に対するバックアップと、制御ユニットへの電力の常時供給とを可能とした車両用操舵装置を提供する。
【解決手段】第一電圧モニタ51は、モータ駆動回路18に接続された操舵装置用電源41からモータ駆動回路18への供給電圧を検出し、第二電圧モニタ52は、操舵装置用電源41及び車両用電源42から制御ユニット200への供給電圧を検出している。そして、第一電圧モニタ51の電圧モニタ値が所定値を下回り、かつ第二電圧モニタ52の電圧モニタ値が所定値を上回っているとき、操舵装置用電源41に異常が発生していると判断し、制御ユニット200は切換回路5に対して切換制御指令を発する。切換回路5は、所定時間経過後に、モータ駆動回路18の電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換える。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車等の車両用操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用操舵装置、特に自動車の操舵装置において、パワーステアリング装置が広く一般に普及している(特許文献1,2参照)。また、車両用操舵装置の他の例として、ハンドル軸と車輪転舵軸とが機械的に連結されず操舵制御部を介して電気的に接続されたステアバイワイヤ(Steer By Wire)方式が知られている(特許文献3参照)。これら車両用操舵装置の操舵制御部においては、操舵用のハンドル軸に与えられる操舵トルクや操舵角といった操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべきアシストトルクや転舵角といった転舵出力を決定し、その転舵出力が車輪転舵軸に与えられるように転舵軸駆動モータの回転を制御する方式が採用されている。
【0003】
ところで、上記したような車両用操舵装置において、従来では、転舵軸駆動モータへのモータ駆動用電力の供給と、転舵軸駆動モータを除く車両用電装品等への電力の供給とは共通の電源から行われ、その共通の電源の電圧降下に備えて共通の予備電源(バックアップ用電源)が設けられていた。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−168597号公報
【特許文献2】
特開2001−341656号公報
【特許文献3】
特開2001−88727号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、主電源(操舵装置用電源)が電圧降下し、主電源から予備電源(バックアップ用電源)へ電源切換を行う際に、転舵軸駆動モータの回転を制御する制御ユニットへの電力供給が一時的にでも途絶えると、操舵制御が不安定になるおそれがある。そこで、制御ユニットへの供給電圧を常時監視する電圧モニタ(電圧監視手段)が設けられている。また、電源の異常によりモータ駆動回路の電源を主電源から予備電源へ(あるいは予備電源から主電源へ)切り換えるためには、モータ駆動回路へモータ駆動用電力を供給可能な電源毎に各電源の電圧を監視する電圧モニタが、制御ユニット側の電圧モニタとは別に必要となる。したがって、予備電源が1個の場合でも合計3つの電圧モニタを要することになり、予備電源が1個増加する毎に電圧モニタを1つずつ増やさなければならなくなるので、製造コスト・配置スペース両面において問題となる。なお、電源の異常としては、上述した電圧降下の他に断線等が考えられる。
【0006】
本発明の課題は、バックアップ用電源の数にかかわらずモータ駆動回路及び制御ユニットへの供給電圧を監視する電圧監視手段をそれぞれ1つずつ設けるだけで、操舵装置用電源に電圧降下等の異常が発生した場合に、モータ駆動回路に対するモータ駆動用電力のバックアップと、制御ユニットへのモータ制御用電力の常時供給とを可能とした車両用操舵装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記の課題を解決するために、本発明の車両用操舵装置は、
操舵用のハンドル軸に与えられる操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべき転舵出力を決定し、その転舵出力が得られるように転舵軸駆動モータの回転を制御して前記車輪転舵軸を移動させる操舵制御部を有する車両用操舵装置において、
前記車両には複数の電源が装備され、それら複数の電源には、前記転舵軸駆動モータを回転駆動するモータ駆動回路にモータ駆動用電力を供給し、かつその転舵軸駆動モータの回転を制御する制御ユニットにモータ制御用電力を供給する操舵装置用電源と、その操舵装置用電源によるモータ駆動用電力をバックアップするバックアップ用電源とを少なくとも含み、
前記モータ駆動回路には、前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とが択一的にモータ駆動用電力を供給できるように切換手段を介して並列配置されるとともに、そのモータ駆動回路への供給電圧を監視する第一の電圧監視手段が前記切換手段と前記モータ駆動回路との間に設けられ、
一方、前記制御ユニットには、前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とが常時モータ制御用電力を供給できるように並列接続されるとともに、その制御ユニットへの供給電圧を監視する第二の電圧監視手段が並列接続部と前記制御ユニットとの間に設けられることを特徴とする。
【0008】
この車両用操舵装置によれば、通常時、転舵軸駆動モータは操舵装置用電源を専用電源としてモータ駆動用電力を供給される。したがって、操舵装置用電源の容量を転舵軸駆動モータに合わせて選定でき、モータ駆動用電力を安定して供給できる。また、制御ユニット(モータ制御回路)へは、操舵装置用電源とバックアップ用電源とから常時モータ制御用電力が供給されるので、操舵装置用電源に電圧降下等の異常が発生した場合でも、モータ制御用電力の供給停止等のトラブルを発生することなく、安定した操舵制御が保障される。しかも、バックアップ用電源の数にかかわらず、モータ駆動回路への供給電圧を監視する第一の電圧監視手段と、制御ユニットへの供給電圧を監視する第二の電圧監視手段とを設けるだけで、操舵装置用電源での異常発生時に、モータ駆動回路に対するモータ駆動用電力のバックアップと、制御ユニットへのモータ制御用電力の常時供給とがいずれも可能となる。したがって、電圧監視手段はモータ駆動回路及び制御ユニットに対してそれぞれ1つずつ設けるだけですむので、バックアップ用電源の数が増えるほど、製造コストや配置スペースの点で有利になる。
【0009】
このような車両用操舵装置において、第一及び第二の電圧監視手段による電圧監視結果に基づいて、操舵装置用電源又はバックアップ用電源での異常発生の有無を判定する判定手段を有する場合には、モータ駆動回路に対するモータ駆動用電力の切り換え等が容易に行なえる。したがって、ステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置においても、操舵不能状態を回避することができる。
【0010】
そして、第一及び第二の電圧監視手段には互いに等しい閾値を設定できるので、操舵装置用電源、バックアップ用電源等で通常使用される車載バッテリの定格電圧(例えばDC12V)に合わせて第一及び第二の電圧監視手段の閾値(例えばDC10V)を設定すればよい。ただし、第一及び第二の電圧監視手段に互いに異なる閾値を設定しても差し支えない。
【0011】
その際、操舵制御の安定性をさらに向上させるために、切換手段は、制御ユニットからの制御信号に基づき、第二の電圧監視手段が監視する制御ユニットへの供給電圧を駆動源として、モータ駆動回路の電源を切換作動することが望ましい。制御ユニットへの供給電圧は、操舵装置用電源及びバックアップ用電源から常時モータ制御用電力として供給され、しかも第二の電圧監視手段によって常時監視されている。したがって、制御ユニットへの供給電圧を駆動源とし、制御ユニットからの制御信号に基づいて切換手段を作動させることにより、モータ駆動回路の電源切換が安定して行なわれる。例えば、操舵装置用電源によるモータ駆動回路への供給電圧が第一の電圧監視手段の閾値を下回った場合であっても、制御ユニットへの供給電圧が途絶えないため、モータ駆動回路の電源を操舵装置用電源からバックアップ用電源へ切り換えることができる。
【0012】
よって、上記接続電源からの供給電圧値として、第一の電圧監視手段で検出された電圧モニタ値が閾値を下回り、かつ第二の電圧監視手段で検出された電圧モニタ値が閾値を上回っているときに、判定手段は接続電源に異常が発生したと判定する。このような判定手法を採用することにより、バックアップ用電源の数が増えても上記2つの電圧監視手段によって接続電源での異常発生の判定が可能となる。
【0013】
そして、判定手段により接続電源に異常が発生したと判定されたとき、切換手段は、リレーの接点切換によりモータ駆動回路の電源を接続電源から非接続電源に切り換えるので、転舵軸駆動モータを安定して駆動でき、操舵制御の信頼性が保障される。
【0014】
一方で、接続電源からの供給電圧値として、第一の電圧監視手段で検出された電圧モニタ値が閾値を下回り、かつ第二の電圧監視手段で検出された電圧モニタ値も閾値を下回っているときに、判定手段は接続電源及び非接続電源に異常が発生したと判定する。このような判定手法を採用することにより、バックアップ用電源の数が増えても、バックアップ用電源を接続電源として順次切り換えながら上記2つの電圧監視手段によって電圧モニタ値と閾値とを比較することにより、接続電源及び非接続電源での異常発生の判定が可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施例)
図1は、本発明が適用される車両用操舵装置の一例としてのステアバイワイヤ方式操舵装置の全体構成を模式的に示したものである(なお、本実施形態において「車両」は自動車とするが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない)。この車両用操舵装置1は、操舵用ハンドル2に直結されたハンドル軸3と、車輪転舵軸11とが機械的に分離されたステアバイワイヤ方式に構成されている。車輪転舵軸11には、転舵軸駆動モータ(以下、単にモータともいう)6及び減速機構12が同軸状に組み付けられている。これにより、モータ6の回転が減速機構12を介して車輪転舵軸11に伝達され、車輪転舵軸11が軸線方向に往復動し、車輪13,13の転舵角が変化する。
【0016】
ハンドル軸3の角度位置φは、ロータリエンコーダ等の周知の角度検出部からなるハンドル軸角度検出部14により操舵角(操舵入力)として検出される。一方、同じくロータリエンコーダ等からなるモータ角度位置検出部15によりモータ6の回転角度位置θが転舵角(転舵出力)として検出される。そして、操舵制御部20が、検出されたハンドル軸3の角度位置φに基づいて、モータ6の目標回転角度位置θ’を決定し、モータ6の回転角度位置θが目標回転角度位置θ’に近づくように、モータ6の動作を制御する。
【0017】
図2は、車両用操舵装置1のブロック図である。車両(車両用操舵装置1)には複数の電源を有する電源部40が備えられている。この実施例では、電源部40は、モータ6にモータ駆動用電力を供給する操舵装置用電源41と、モータ6を除く車両用電装品(例えばランプ、メータ類等)に電力を供給する車両用電源42とを有している。操舵制御部20において、操舵装置用電源41とバックアップ用電源としての車両用電源42とは、モータ6を回転駆動するモータ駆動回路18に対して択一的にモータ駆動用電力を供給できるように並列配置されている。
【0018】
具体的には、操舵装置用電源41と車両用電源42とは、操舵制御部20の切換回路5(切換手段)、第一電圧モニタ51(第一の電圧監視手段)、電源フィルタ22を介してモータ6のモータ駆動回路18に択一的に接続されている。すなわち、第一電圧モニタ51は切換回路5とモータ駆動回路18との間に設けられる。切換回路5は、モータ駆動回路18に接続された操舵装置用電源41(接続電源)が所定値(下限閾値)を下回って電圧降下したとき、操舵装置用電源41をモータ駆動回路18と切断し、車両用電源42(非接続電源)が地絡及び電圧降下していないことを確認した後に、モータ駆動回路18の電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換えるものである。
【0019】
同様に、操舵装置用電源41と車両用電源42とは車両用供給部30の切換回路5’(切換手段)、電源フィルタ32を介してランプ、メータ類等の車両用電装品の駆動回路(図示せず)に択一的に接続されている。切換回路5’は、駆動回路に接続された車両用電源42が所定値(下限閾値)を下回って電圧降下したとき、車両用電源42を、駆動回路と切断し、操舵装置用電源41が地絡及び電圧降下していないことを確認した後に、駆動回路の電源を車両用電源42から操舵装置用電源41に切り換えるものである。
【0020】
この他、操舵制御部20には、CPU23、RAM24、ROM25、入出力インターフェース26等を有し、これらをバス27により送受信可能に接続した制御ユニット200(マイクロコンピュータ)を備えている。また、操舵装置用電源41と車両用電源42とは各々常閉スイッチ29,29及び逆流防止用ダイオード21,21を介して点A(並列接続部)で接続され、第二電圧モニタ52(第二の電圧監視手段)を介して電圧調整手段28に入力される。その後、電圧調整手段28によって電圧コントロール(例えば、DC+12V→DC+5Vに変換)された電圧が制御ユニット200の入出力インターフェース26等に入力される。そして、操舵装置用電源41と車両用電源42とは、操舵軸駆動モータ6の回転を制御する制御ユニット200に対して常時モータ制御用電力を供給できるように並列接続されている。
【0021】
なお、入出力インターフェース26には、ハンドル軸角度検出部14の角度位置φ、モータ角度位置検出部15の回転角度位置θ、第一電圧モニタ51及び第二電圧モニタ52で検出された各々の電圧モニタ値等が入力される。一方、入出力インターフェース26からは、モータ駆動回路18に対するモータ6の回転制御指令、切換回路5に対する切換制御指令(後述)等が出力される。制御ユニット200のCPU23は、ROM25に格納された電源異常判定プログラムを読み込み、RAM24をワークエリアとして用いつつ、このプログラムを実行して電源異常の有無を判定する判定手段としての機能を有する。
【0022】
図3及び図4により、切換回路5によるモータ駆動回路18に接続する電源回路の切換方法について詳述する。第一電圧モニタ51は、モータ駆動回路18に接続された操舵装置用電源41からモータ駆動回路18への供給電圧を検出(常時監視)し、第二電圧モニタ52は、操舵装置用電源41及び車両用電源42から制御ユニット200への供給電圧を検出(常時監視)している(図2参照)。そして、第一電圧モニタ51の電圧モニタ値が所定値(下限閾値;図4(b)参照;例えばDC+10V)を下回り、かつ第二電圧モニタ52の電圧モニタ値が所定値(下限閾値;図4(b)参照;例えばDC+10V)を上回っているとき、操舵装置用電源41に異常(電圧降下、断線等)が発生していると判断し、制御ユニット200(CPU23)は切換回路5に対して次のような切換制御指令を発する。つまり、切換回路5は、操舵装置用電源41をモータ駆動回路18と切断し、その所定時間(遅延時間;図4(b)参照;例えば1秒間)経過後に、モータ駆動回路18の電源を操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換える。
【0023】
具体的には図3に示すように、切換回路5は、第一電磁リレー5b(R1;リレー)と第一電磁リレードライバ5xとの直列回路及び第二電磁リレー5c(R2;リレー)と第二電磁リレードライバ5yとの直列回路とを有している。第一電磁リレー5b(R1)及び第二電磁リレー5c(R2)には、制御ユニット200への供給電圧調整前の電位(例えばDC+12V)が上記した接続点A(並列接続部;図2参照)より与えられている。第一電磁リレー5b(R1)に連動する常閉接点5d(R1−b)が操舵装置用電源41に接続された回路に設けられる。一方、第二電磁リレー5c(R2)に連動する常開接点5e(R2−a)が車両用電源42に接続された回路に設けられる。
【0024】
これによって、モータ駆動回路18(図2参照)に接続された操舵装置用電源41を検出する第一電圧モニタ51の電圧モニタ値が所定値以下に電圧降下し、かつ第二電圧モニタ52の電圧モニタ値が所定値を上回っているとき、第一電磁リレー5b(R1)の常閉接点5d(R1−b)が開状態に切り換えられて、操舵装置用電源41はモータ駆動回路18と切断される。その所定時間(予め設定され、CPU23からのクロック信号に基づく遅延時間)経過後に、第二電磁リレー5c(R2)の常開接点5e(R2−a)が閉状態に切り換えられて、モータ駆動回路18の電源が操舵装置用電源41から車両用電源42に切り換えられる。
【0025】
このように、切換回路5は、制御ユニット200からの制御信号(切換制御指令)に基づき、第二電圧モニタ52が監視する制御ユニット200への供給電圧を駆動源として、モータ駆動回路18の電源を切換作動することになる。この制御ユニット200への供給電圧は、操舵装置用電源41及び車両用電源42から常時モータ制御用電力として供給され、しかも第二電圧モニタ52によって常時監視されているから、モータ駆動回路18の電源切換が安定して行なわれ、操舵制御の安定性が向上する。つまり、操舵装置用電源41によるモータ駆動回路18への供給電圧が第一電圧モニタ51の下限閾値を下回った場合であっても、制御ユニット200への供給電圧が第二電圧モニタ52の下限閾値を下回らない限り、モータ駆動回路18の電源を操舵装置用電源41から車両用電源42へ切り換えることができる。
【0026】
ところで、図4(c)に示すように、第一電圧モニタ51の電圧モニタ値が所定値(下限閾値)を下回り、かつ第二電圧モニタ52の電圧モニタ値も所定値(下限閾値)を下回っているときには、操舵装置用電源41及び車両用電源42に異常(電圧降下、断線等)が発生していると判断し、制御ユニット200(CPU23)は警報出力(警告表示、警告音声等)を行なう。
【0027】
なお、図2に示す車両用供給部30の切換手段5’では、図3(a)の常閉接点5d(R1−b)と常開接点5e(R2−a)との接続位置を入れ換えて使用される。
【0028】
次に、図5のフローチャートに沿って、CPU23が主体となって実施される電源異常判定プログラムの内容を説明する。まず、第一電圧モニタ51(図2参照)により、モータ駆動回路18(図2参照)に供給される操舵装置用電源41(接続電源)の電圧値を監視し(S1)、その電圧モニタ値が設定された下限閾値を下回っていないかをチェックする(S2)。電圧モニタ値が下限閾値を下回っている場合には(S2でYES)、さらに、第二電圧モニタ52(図2参照)により、制御ユニット200への供給電圧値を監視し(S3)、その電圧モニタ値が設定された下限閾値を下回っていないかをチェックする(S4)。
【0029】
このとき、第二電圧モニタ52の電圧モニタ値が下限閾値を上回っている場合には(S4でNO)、操舵装置用電源41に電圧降下、断線等の異常が発生したと判定され、第一リレードライバ5xを介して第一電磁リレー5b(R1)が作動される(S5)。第一電磁リレー5b(R1)の励磁により、常閉接点5d(R1−b)が開き、操舵装置用電源41がモータ駆動回路18から切断される(S5;図4(a)(b)参照)。遅延時間経過後に第二リレードライバ5yを介して第二電磁リレー5c(R2)が作動される(S6)。第二電磁リレー5c(R2)の励磁により、常開接点5e(R2−a)が閉じられて、車両用電源42がモータ駆動回路18に接続される(S6;図4(a)(b)参照)。
【0030】
次いで、第一電圧モニタ51(図2参照)により、モータ駆動回路18(図2参照)に新たに接続された車両用電源42の電圧値を監視し(S7)、その電圧モニタ値が設定された下限閾値を下回っていないかをチェックする(S8)。電圧モニタ値が下限閾値を下回ったときには(S8でYES)、当初の接続電源であった操舵装置用電源41に続いて、バックアップ用電源としての車両用電源42にも電圧降下、断線等の異常が発生したと判定され、警報出力(警告表示、警告音声等)が行なわれる(S9)。
【0031】
なお、S4で第二電圧モニタ52の電圧モニタ値が設定された下限閾値を下回っている場合にも(S4でYES)、操舵装置用電源41及び車両用電源42の双方に電圧降下、断線等の異常が発生したと判定され、S9と同様に警報出力(警告表示、警告音声等)が行なわれる(S10)。
【0032】
このように、モータ駆動回路18への供給電圧を監視する第一電圧モニタ51と、制御ユニット200への供給電圧を監視する第二電圧モニタ52とを設けたことによって、下記▲1▼▲2▼のいずれも可能となった。
▲1▼操舵装置用電源41での電圧降下、断線等の異常発生時に、モータ駆動回路18に対するモータ駆動用電力のバックアップ;
▲2▼制御ユニット200へのモータ制御用電力の常時供給;
しかも、電圧モニタはモータ駆動回路18及び制御ユニット200に対してそれぞれ1つずつ設けるだけですむので、車両用電源42以外にバックアップ用電源を増設しても、製造コストや配置スペースを要しない。
【0033】
また、第一電圧モニタ51及び第二電圧モニタ52による電圧監視結果に基づいて、操舵装置用電源41又は車両用電源42(バックアップ用電源)での異常発生の有無を判定する判定手段を有するので、モータ駆動回路18に対するモータ駆動用電力の切り換えが確実かつ容易に行なえる。したがって、本実施例のようなステアバイワイヤ方式の車両用操舵装置においても、操舵不能状態を回避することができる。
【0034】
以上の説明は、ステアバイワイヤ方式操舵装置についてのみ行なったが、パワーステアリング装置にも適用できる。また、バックアップ用電源として車両用電源を使用する例を示したが、バックアップ用電源は車両用電源に接続されない純粋な(専用の)バックアップ用電源でも構わない。なお、これらの車両用操舵装置には、電動式、電動油圧式、速度感応型・回転数感応型等の転舵出力可変式等、種々のタイプが含まれる。なお、電源部40に設ける電源は複数であればよく、操舵制御部及びモータの数は、1又は複数のいずれでもよい。また、これらの数は適宜組合せることができる。例えば、2基の操舵制御部と1個のモータ、1基の操舵制御部と2個のモータ等の組合せを選択できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される車両用操舵装置の一例としてのステアバイワイヤ方式操舵装置の全体構成を示す模式図。
【図2】図1の車両用操舵装置のブロック図。
【図3】切換回路の回路構成図。
【図4】(a)は切換回路のタイミングチャート、(b)と(c)は第一及び第二の電圧モニタによる電圧モニタ値の変化を表わすグラフ。
【図5】電源異常判定プログラムの内容を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 車両用操舵装置(ステアバイワイヤ方式操舵装置)
3 ハンドル軸
5 切換回路(切換手段)
6 モータ(転舵軸駆動モータ)
11 車輪転舵軸
18 モータ駆動回路
20 操舵制御部
23 CPU(判定手段)
200 制御ユニット
40 電源部
41 操舵装置用電源(接続電源)
42 車両用電源(バックアップ用電源;非接続電源)
51 第一電圧モニタ(第一の電圧監視手段)
52 第二電圧モニタ(第二の電圧監視手段)
A 接続点(並列接続部)

Claims (7)

  1. 操舵用のハンドル軸に与えられる操舵入力に応じて車輪転舵軸に与えるべき転舵出力を決定し、その転舵出力が得られるように転舵軸駆動モータの回転を制御して前記車輪転舵軸を移動させる操舵制御部を有する車両用操舵装置において、
    前記車両には複数の電源が装備され、それら複数の電源には、前記転舵軸駆動モータを回転駆動するモータ駆動回路にモータ駆動用電力を供給し、かつその転舵軸駆動モータの回転を制御する制御ユニットにモータ制御用電力を供給する操舵装置用電源と、その操舵装置用電源によるモータ駆動用電力をバックアップするバックアップ用電源とを少なくとも含み、
    前記モータ駆動回路には、前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とが択一的にモータ駆動用電力を供給できるように切換手段を介して並列配置されるとともに、そのモータ駆動回路への供給電圧を監視する第一の電圧監視手段が前記切換手段と前記モータ駆動回路との間に設けられ、
    一方、前記制御ユニットには、前記操舵装置用電源と前記バックアップ用電源とが常時モータ制御用電力を供給できるように並列接続されるとともに、その制御ユニットへの供給電圧を監視する第二の電圧監視手段が並列接続部と前記制御ユニットとの間に設けられることを特徴とする車両用操舵装置。
  2. 前記第一及び第二の電圧監視手段による電圧監視結果に基づいて、前記操舵装置用電源又は前記バックアップ用電源での異常発生の有無を判定する判定手段を有する請求項1に記載の車両用操舵装置。
  3. 前記操舵装置用電源及び前記バックアップ用電源のうち前記モータ駆動回路に接続された電源(以下、この電源を接続電源といい、他の電源を非接続電源という)からの供給電圧値として、前記第一の電圧監視手段で検出された電圧モニタ値が閾値を下回り、かつ前記第二の電圧監視手段で検出された電圧モニタ値が閾値を上回っているときに、前記判定手段は前記接続電源に異常が発生したと判定する請求項2に記載の車両用操舵装置。
  4. 前記判定手段により前記接続電源に異常が発生したと判定されたとき、
    前記切換手段は、リレーの接点切換により前記モータ駆動回路の電源を前記接続電源から前記非接続電源に切り換える請求項3に記載の車両用操舵装置。
  5. 前記接続電源からの供給電圧値として、前記第一の電圧監視手段で検出された電圧モニタ値が閾値を下回り、かつ前記第二の電圧監視手段で検出された電圧モニタ値も閾値を下回っているときに、前記判定手段は前記接続電源及び前記非接続電源に異常が発生したと判定する請求項3又は4に記載の車両用操舵装置。
  6. 前記第一及び第二の電圧監視手段には、互いに等しい閾値が設定されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
  7. 前記切換手段は、前記制御ユニットからの制御信号に基づき、前記第二の電圧監視手段が監視する前記制御ユニットへの供給電圧を駆動源として、前記モータ駆動回路の電源を切換作動する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の車両用操舵装置。
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