JP4975307B2 - 電機子の製造方法、巻線と端子部との接合方法 - Google Patents

電機子の製造方法、巻線と端子部との接合方法 Download PDF

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Description

本発明は電機子の製造方法、巻線と端子部との接合方法に係り、特に、巻線と整流用セグメントの接合方法としてヒュージング(抵抗溶接)を用いる電機子の製造方法と、ヒュージングによる巻線と端子部との接合方法に関する。
従来、モータの電機子コアに巻回される絶縁皮膜付き巻線を、整流子を構成する複数の整流用セグメントに接合するための接合方法として、ヒュージング(抵抗溶接)が一般的に用いられている(例えば、特許文献1参照)。ヒュージングは、各整流用セグメントの外周側にフック状に形成されたヒュージング用の端子片を設け、この端子片に巻線を係合し、抵抗溶接装置を用いて端子片に通電して発熱させ、この発熱によって巻線の絶縁皮膜を消失させて巻線と端子片とを導通させ、溶着している。
特開2000−84677号公報
このように、整流子にはヒュージング用の端子片が設けられるが、モータの小型化、高出力化を達成するためには、端子片を小型化したり、端子片に接合する巻線を大径化したり、あるいは1つの端子片に複数本の巻線を接合することなどが行われるようになっている。ところが、端子片を小型化したり、巻線の大径化や本数の増加を行うと、通電により端子片に発生した熱で巻線の絶縁皮膜が熱劣化して消失するよりも前に、端子片の屈曲部位が過電流によって溶断を起こしてしまうことがあり、接合に不具合が発生するという問題点があった。そこで、従来では、このような問題を解決するために、巻線の絶縁皮膜をあらかじめ除去してから端子片に係合し、通電して接合することにより対応している。
しかしながら、接合部における絶縁皮膜をあらかじめ除去するには手間がかかり、接合工程が複雑化されるという問題点があった。
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、モータの小型化、高出力化を達成し、かつ、絶縁皮膜の除去を行わなくても、ヒュージング時に端子部の溶断が発生しない整流子と、ヒュージング時に端子部の溶断が発生しない巻線と端子部との接合方法と、該接合方法を適用した電機子の製造方法と、を提供することにある。
前記課題は、本発明の電機子の製造方法によれば、巻線が巻回された電機子コアと、該電機子コアが固定されるシャフトと、互いに電気的に絶縁された複数の整流用セグメントを有し前記シャフトに固定される整流子と、を備えた電機子の製造方法であって、前記シャフトに前記電機子コア及び前記整流子を固定する固定工程と、前記電機子コアに巻回した巻線を前記整流用セグメントと電気的に導通可能な端子部に溶着接合する接合工程とを行い、該接合工程において、前記端子部に形成された対向面間に前記電機子コア側から延出された巻線を係合して該対向面に形成された凸部に当接させる係合工程と、前記凸部を前記巻線に圧接することにより前記巻線の絶縁皮膜の外側部分に圧入させて、前記絶縁被膜に両側より喰い込んだ状態として前記絶縁被膜を薄くし、その後、前記端子部に通電して発熱させることにより前記巻線の絶縁皮膜の内側部分を消失させて前記巻線の芯線を露出させ、該芯線と前記凸部とを溶着接合する溶着工程と、を行うことにより解決される。
また、本発明の電機子の製造方法では、前記溶着工程において、前記端子部を溶着電極間に挟んで押圧することにより、前記凸部が前記巻線に圧接されるように構成すると好適である。
上記構成によれば、本発明では、整流用セグメントと電気的に導通可能な端子部が対向面を有する形状とされており、この対向面間に巻線を係合したときに、対向面に形成された凸部に巻線を当接させることができるようになっている。つまり、巻線が係合された端子部を外側から押圧した場合に、巻線に対する加圧力が凸部に集中することとなる。従って、巻線と端子部とを溶着接合する接合工程において、この凸部を巻線に所定の加圧力で圧接して巻線の絶縁皮膜に容易に圧入させることができる。このように凸部を圧入すれば、圧入部分における絶縁皮膜の厚みを薄くすることができる。よって、端子部が通電されて発熱し、その熱が、凸部やその周辺の部位を介して絶縁皮膜の薄くなった部位に入熱されると、薄くなった部位の絶縁皮膜が熱劣化によって従来よりも短時間で消失して芯線が露出され、芯線と端子部とが溶着接合可能な状態となる。
このように、加圧による凸部の絶縁皮膜への圧入と、通電発熱による絶縁皮膜の熱劣化による消失とを組み合わせて行うことにより、従来の熱劣化のみで絶縁皮膜の除去を行う方法に比べて、より早く絶縁皮膜を除去することができる。従って、従来のように過電流によって端子部の屈曲部位が溶断するよりも前に、芯線を露出させて端子部との溶着接合を完了させることができる。つまり、巻線の絶縁皮膜を予め除去せずにヒュージングを行っても、端子部の溶断が発生する前に巻線と端子部との溶着接合を完了することができる。よって、整流用セグメントと巻線との接合の不具合が発生せず、好適である。
なお、本発明の接合工程において行われる凸部の巻線への圧接は、巻線に通電するための溶着電極間に端子部を挟んで加圧することにより、行うことができる。このように、加圧と通電をいずれも溶着電極を介して行うことができるようにすれば、接合工程に使用する装置の構成が簡易化され、好適である。
また、前記課題は、本発明の巻線と端子部との接合方法によれば、絶縁皮膜を有する巻線とモータに設けられた端子部とを溶着接合する接合方法であって、前記端子部に形成された対向面間に前記巻線を係合して該対向面に形成された凸部に当接させる係合工程と、前記凸部を前記巻線に圧接することにより前記巻線の絶縁皮膜の外側部分に圧入させて、前記絶縁被膜に両側より喰い込んだ状態として前記絶縁被膜を薄くし、その後、前記端子部に通電して発熱させることにより前記巻線の絶縁皮膜の内側部分を消失させて前記巻線の芯線を露出させ、該芯線と前記凸部とを溶着接合する溶着工程と、を行うことにより解決される。
このように、本発明は整流用セグメントに導通された端子部と電機子コアに巻回された巻線との接合に限定されず、絶縁皮膜を有する巻線とモータに設けられた端子部との接合方法として広く用いることができる。そして、これにより、巻線の絶縁皮膜を予め除去せずにヒュージングを行っても、端子部の溶断が発生する前に巻線と端子部との溶着接合を完了することができる。よって、端子部と巻線との接合の不具合が発生せず、好適である。
また本発明の整流子は、回転電機のシャフトに固定される固定部と、該固定部の外周面に周方向に配列され互いに電気的に絶縁された複数の整流用セグメントと、を備え、該整流用セグメントには巻線に接合するための端子部が設けられた整流子であって、前記端子部は所定寸法離間された対向面を有し、該対向面には凸部が形成され、該凸部は、前記対向面間に係合された巻線に所定の加圧力で圧接されることにより、巻線の絶縁皮膜に圧入される
また、本発明の整流子は、より具体的には、前記端子部は、前記整流用セグメントの電機子コア側の端部から延出形成された薄板状の端子片を略U字状に屈曲して形成され、前記対向面は、前記端子片の自由端側の板面と、前記端子片の基端部側の板面または前記整流用セグメントの外周面とによって形成された構成とすることができる。
上記構成によれば、本発明の整流子は、整流用セグメントと巻線とを接合するための端子部に対向面が形成されており、この対向面には、対向面間に係合した巻線に当接される凸部が形成されているので、この凸部を巻線に圧接し、巻線の絶縁皮膜に圧入させることができるようになっている。このように、本発明の整流子は上記電機子の製造方法に適用して凸部を巻線の絶縁皮膜に圧入させることができるものであり、これにより絶縁皮膜を除去していない巻線を使用してヒュージングを行っても、端子部の溶断が発生する前に巻線と端子部との溶着接合を完了することができる。よって、端子部と巻線との接合の不具合が発生せず、好適である。
本発明によれば、整流用セグメントに設けられた端子部に凸部を形成し、この凸部を、端子部に係合された巻線に圧接することができる。このように構成されていると、加圧力を凸部に集中させて巻線の絶縁皮膜に凸部を容易に圧入することができ、圧入部分における絶縁皮膜の厚みを薄くすることができる。そして、通電により端子部に発生したジュール熱を絶縁皮膜が薄くなった部位に入熱することにより、その部位の絶縁皮膜を、凸部が圧入されない場合よりも短時間で熱劣化により消失させ、芯線を露出させて端子部との溶着接合を完了させることができる。また、このように凸部を絶縁皮膜に圧入させる構成は絶縁皮膜を有する巻線とモータに設けられた端子部との接合方法として広く用いることができる。
このように、本発明では、接合部位における巻線の絶縁皮膜を予め除去しなくても、端子部の屈曲部位が過電流によって溶断する前に絶縁皮膜を除去することができる。従って、端子部が溶断する前に、巻線と端子部との溶着接合を完了することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
図1〜図7は本発明の一実施形態に係るものであり、図1はモータの断面図、図2は電機子の斜視図、図3は整流子の断面斜視図、図4、図5は端子部の斜視図および断面図、図6、図7は端子部と巻線の接合方法を示す説明図である。また、図8〜図9は改変例に係る端子部の説明図であり、図10、図11は他の実施形態に係る整流子の端子部の斜視図および断面図である。
本発明の整流子20を備えた電機子10を、図1に示すモータMに適用した一実施形態について説明する。このモータMは、自動車用電装機器などの各種駆動装置として好適に用いることができるものである。
図1は、モータMの断面図である。本例のモータMは、一端側がモータMの出力軸となるシャフト11に巻線12が巻回された電機子コア13及び整流子20を固定してなる電機子10と、電機子コア13の外周を囲むように配設された磁石14と、電機子10および磁石14を内部に収納するヨークハウジング15と、シャフト11を回転可能に支承する軸受16A,16Bと、整流子20に摺接するブラシを備えたブラシ装置17と、ヨークハウジング15の整流子20側の開口を閉塞するエンドプレート18等を主要構成要素とする。
電機子10は、図2に示すようにシャフト11に電機子コア13と整流子20とが隣接して固定されている。電機子コア13は、シャフト11の径方向に突出する複数のスロットを有するコア部材であり、所定の巻式にて巻線12が巻回されている。なお、本例の電機子コア13は、巻線12との絶縁を良好とするために、巻線12側の表面に樹脂などにより形成されたインシュレータ13aが装着されているが、インシュレータ13aを省略した構成とすることも可能である。
整流子20は、図3に示すように、シャフト11を圧入固定するための貫通孔21を有する固定部22の外周に、複数の整流用セグメント23を配設して形成されている。整流用セグメント23は、シャフト11の軸方向に伸びる整流子溝24によって、隣接するセグメント同士が互いに電気的に絶縁されている。
整流子20の固定部22は例えば樹脂により形成され、整流用セグメント23は導電性の金属により形成されている。整流子20は、例えば、円筒形状の金属部材の内周側に樹脂を注入して中心に貫通孔21が形成された一体成型品を成形し、貫通孔21にシャフト11を圧入固定した後に外周側の金属部材を切削加工し、軸方向に整流子溝24を形成して複数の整流用セグメント23を分離形成することによって製造することができる。なお、シャフト11に一体成型品を圧入固定する前に整流子溝24を形成してもよい。また、一体成型でなく固定部22と整流用セグメント23とを組み立てて製造してもよい。
整流用セグメント23の外周面は、エンドプレート18側の部位が、ブラシが摺接される摺接面となっている。一方、各整流用セグメント23の電機子コア13側には、巻線12と電気的に接続するための端子片25がそれぞれ設けられている。端子片25は、整流用セグメント23の一端側を整流用セグメント23の幅よりも細く切削して薄板状に形成されている。この端子片25は、整流用セグメント23の外周側に向けて屈曲され折り返されることにより、略U字形のフック状に形成されている。このようにフック状に形成されていることにより、巻線12を容易に係合することができるようになっている。
ヨークハウジング15は有底円筒形状とされ、底部には軸受取付部15aが膨出するように形成されている。軸受取付部15aには、シャフト11の一端を支承する軸受16Aが配設されている。また、シャフト11の他端側を支承する軸受16Bは、ヨークハウジング15の整流子20側の開口を閉塞するエンドプレート18の中心部に配設されている。
ヨークハウジング15の円筒部の内周側には、モータMの固定子としての磁石14が固定されている。磁石14は、電機子コア13に巻回された巻線12と所定のギャップを介して対向するように配設されている。
ブラシ装置17は、複数の整流用セグメント23の表面に接触する状態で保持されたブラシを備えており、本例ではエンドプレート18の内側に固定されている。整流子20の回転時には、このブラシが整流用セグメント23の表面に摺接するようになっている。
次に、本発明の特徴的な構成について説明する。
本実施形態では、図3に示すように、各整流用セグメント23に設けられた端子片25が、整流子20の外周側に略U字形に屈曲され折り返されてフック状に形成されている。より詳しく述べると、端子片25は、図4、図5に示すように、自由端側の板面と基端部側の板面とが対向するようになっており、所定寸法離間された略平行な対向面25a,25bを有して形成されている。そして、この対向面25a,25bには、図4、図5に示すように、対応する位置にそれぞれ凸部26が形成されている。図4、図5は図3の点線で囲んだ領域Aの拡大図(斜視図および断面図)であるが、図4は巻線12が係合されていない状態を示し、図5は端子片25に巻線12が係合された状態を示している。
凸部26は、図5(b)に示すように、対向面25a,25bの間に巻線12を係合したときに巻線12に両側から当接させることができる位置に形成されている。また、凸部26の形状は、対向面25a,25bの裏面側から打ち出し等によって略半球状に突起させた形状とされている。
また、本実施形態では、電機子10の製造方法として、巻線12が巻回された電機子コア13および整流子20をそれぞれシャフト11に固定する固定工程と、電機子コア13側から延出された巻線12を整流子20の各整流用セグメント23に設けられた端子片25に溶着接合する接合工程とを行うが、この接合工程において、端子片25と巻線12とのヒュージングによる接合が、端子片25に上記のような凸部26を設けたことにより、以下に説明する係合工程と溶着工程とを行うようになっている。
(係合工程) まず、電機子コア13側から延出された巻線12をフック状の端子片25の対向面25a,25b間に係合し、図5に示すように、巻線12に凸部26が両側から当接した状態にセットする。
(溶着工程−1) 次に、図6に示すように、抵抗溶接装置の溶着電極P1,P2によって凸部26の裏側の位置で端子片25を挟持し、溶着電極P1,P2を矢印B1,B2の方向にそれぞれ押圧することにより、挟持された端子片25を加圧する。これにより、巻線12に凸部26が両側から圧接される。これにより、加圧力が凸部26に集中して加えられる。
(溶着工程−2) そして、加圧力が所定の値に達すると、図7(a)に示すように、凸部26が巻線12の絶縁皮膜12aに圧入される。つまり、凸部26が巻線12の絶縁皮膜12aに両側から喰い込んだ状態となり、喰い込んだ部位では、絶縁皮膜12aが薄くなった状態となる。
(溶着工程−3) この状態で、溶着電極P1,P2に電気が供給されると、端子片25が通電されて発熱する。そして、凸部26が喰い込んだ部位では、絶縁皮膜12aが薄くなっているために、凸部26を含む発熱した端子片25からの入熱によって、端子片25の屈曲部が溶断するより前に絶縁皮膜12aが熱劣化して消失する。これにより、図7(b)に示すように、凸部26と、巻線12の中心部にある芯線12bとが接触し、矢印Cで示すように導通可能な状態となる。
(溶着工程−4) さらに通電を継続すると、凸部26と芯線12bとが溶着される。すなわち、図7(c)に示すように、凸部26が抵抗熱によって変形し、芯線12bと一体化される。このようにして、端子片25と芯線12bとが接合されてヒュージングによる接合が完了し、巻線12と整流用セグメント23とが導通される。
以上のように、本実施形態の電機子の製造方法では、接合工程において、溶着電極P1,P2から巻線12に加えられる加圧力を凸部26に集中させ、凸部26を絶縁皮膜12aの外側部分に圧入することができる。これにより、端子片25の屈曲部が過電流により溶断するよりも前に、絶縁皮膜12aを除去して芯線12bを露出させ、巻線12と端子片25との接合を完了することができる。
また、本実施形態によれば、凸部26は、絶縁皮膜12aの外側部分に圧入されるが、凸部26の圧入によって絶縁皮膜12aを全て除去するわけではなく、絶縁皮膜12aの内側部分は通電発熱によって除去される。従って、凸部26が芯線12bに喰い込んでしまって芯線12bが押しつぶされ、断線することがない。
なお、上記接合工程に用いられる抵抗溶接装置は、ヒュージングに一般的に用いられる装置であればよく、電源の制御方式や加圧方式には、公知の方式を用いることができる。
また、上記溶着工程は、最初に所定の加圧力で加圧して凸部26が圧入された後に通電を開始しているが、通電開始のタイミングを上記の方法と異ならせても良い。例えば、加圧と同時に通電を開始すれば、絶縁皮膜12aを熱によって軟化させながら凸部26を容易に圧入することができる。
(改変例)
○ 上記実施形態では、対向面25a,25bにそれぞれ1カ所ずつ凸部26を設けていたが、図8(a)に示すように、対向面25a,25bのいずれかに凸部26を設けた構成であってもよい。巻線12の芯線12bと端子片25とは、少なくとも1カ所溶着されていれば電気的に導通されるので、少なくとも1カ所、絶縁皮膜12aに喰い込むような凸部26が設けられていれば良い。
○ また、図8(b)に示すように、対向面25a,25bにそれぞれ複数カ所ずつ凸部26を設けた構成であってもよい。このようにすれば、巻線12の係合位置が多少ずれても複数の凸部26のどれかに当接させることができ、より確実に凸部26を絶縁皮膜12aに喰い込ませることができる。
○ 上記実施形態では、凸部26の形状は、打ち出しなどの種々の方法によって略半球状に突起させた形状とされていたが、このような形状に限定されない。すなわち、巻線12の絶縁皮膜12aに圧入させることのできる形状であればどのような形状であってもよい。例えば、図9(a)に示すように先端が尖った凸部126や、図9(b)に示すような突条部226であってもよい。
○ 上記実施形態では、端子片25は、自由端側と基端部側が略平行となるように、自由端側を基端部側に折り返して略U字形に屈曲させて形成されていたが、このような形状に限定されず、巻線12を挟持する対向面を形成できる形状であればよい。
例えば、図10に示すように、端子片125を、整流用セグメント23から電機子コア13方向に延出せずシャフト11の径方向に延出し、自由端側がブラシ摺接部分の方向を向くように略L字形に屈曲させる。このようにすると、端子片125の自由端側と、整流用セグメント23の外周面とによって、対向面125a,125bが形成される。つまり、このようにすると、本発明の対向面を有する端子部が、整流用セグメント23の外周面と、端子片25とによって形成される。
このような構成であっても、上記実施形態と同様に対向面125a,125b間に巻線12を係合し、凸部26を絶縁皮膜12aに圧入させることができる。但し、この場合には、溶着電極P1,P2の一方を整流用セグメント23のブラシ摺接面に接触させておき、他方をシャフト11の径方向外側から端子片25の自由端に当接させ、径方向内側に向かって押圧する。これにより、巻線12がシャフト11に固定された固定部22によって反対側から支持されているために凸部26に加圧力が集中し、絶縁皮膜12aに圧入される。
○ 上記実施形態では、端子片25が整流子セグメント23の一端に一体的に形成されていたが、このような構成に限定されず、整流子セグメントと端子部とが電気的に導通可能に構成されていればよい。例えば、整流子セグメントと端子部とが別体で構成されていてもよい。具体的には、例えば4つのブラシを4方向から整流子セグメントに摺接させるブラシ装置を用いた場合に、対向するブラシ同士の整流子セグメントへの通電タイミングを同期させるために、整流子セグメントと電機子巻線との間にイコライザ部材を設ける。そして、このイコライザ部材に上記端子片25と同様な対向面および凸部を備えた端子部を形成し、電機子側から延出された巻線を係合して巻線の絶縁皮膜に凸部を圧入させ、通電して溶着接合する。以上のように、整流子セグメントと端子部とが電気的に導通可能に構成されていれば、本発明の電機子の製造方法により製造することができる。
○ 上述した電機子の製造方法において用いられている溶着工程は、上記実施形態で示したブラシ付きのモータMにおける整流子20と巻線12とを接合する接合工程に限らず、絶縁皮膜を有する巻線と、対向面を有し該対向面に凸部が形成された端子部との接合工程に広く用いることができる。例えば、ブラシレスモータの励磁回路に給電するための給電端子に巻線を接合する場合に、励磁回路に導通された給電端子を、上記端子片25と同様に対向面を有し該対向面に凸部が形成された形状とする。これにより、上記電機子の製造方法で用いた係合工程および接合工程を行って、巻線とブラシレスモータの端子部とを接合することができる。
(第2実施形態)
本例は、端子部を構成する薄板状の部材を複数枚重ねて板厚を大きくすることにより、ヒュージングの際における端子部の溶断の発生を防止したものである。以下、上記実施形態と異なる部分のみ説明する。
図11(a)に示すように、本例の端子片35は、上記実施形態の端子片25と同様にして整流用セグメント23の一端に切削形成された薄板片35Aに、同一形状で同一素材の薄板片35Bを重ねて溶接等により接合した後、端子片25と同様に略U字形に屈曲されてフック状に形成されたものである。このようにすると、薄板片35Bを重ねたことにより、端子片35は上記実施形態の倍の厚さとなり、板厚が確保される。
本実施形態では、端子片35に凸部26のような絶縁皮膜に喰い込む形状は形成されていない。しかし、端子片35の板厚が厚いため、通電発熱によって屈曲部が溶断された状態に至るまでに要する時間が長い。従って、巻線12を係合してヒュージングを行っても、端子片35の溶断が発生する前に絶縁皮膜12aを消失させ、芯線12bと端子片35との溶着接合を完了することができる。
また、図11(a)の構成では、整流用セグメント23から延出形成された薄板片35Aとは別体の薄板片35Bを準備して薄板片35Aに重ねて板厚を確保していたが、図11(b)に示すように、薄板片35Aを倍の長さに形成し、2つに折り曲げ重ねて接合して板厚を確保するように構成してもよい。
本発明の一実施形態に係るモータの断面図である。 本発明の一実施形態に係る電機子の斜視図である。 本発明の一実施形態に係る整流子の断面斜視図である。 本発明の一実施形態に係る端子部の斜視図および断面図である。 本発明の一実施形態に係る端子部の斜視図および断面図である。 本発明の一実施形態に係る端子部と巻線の接合方法を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る端子部と巻線の接合方法を示す説明図である。 改変例に係る端子部の断面説明図である。 改変例に係る端子部の断面説明図である。 本発明の他の実施形態に係る整流子の端子部の斜視図および断面図である。 本発明の他の実施形態に係る整流子の端子部の断面図である。
符号の説明
10‥電機子、11‥シャフト、12‥巻線、12a‥絶縁皮膜、12b‥芯線
13‥電機子コア、13a‥インシュレータ
14‥磁石、15‥ヨークハウジング、15a‥軸受取付部
16A,16B‥軸受、17‥ブラシ装置、18‥エンドプレート
20‥整流子、21‥貫通孔、22‥固定部、23‥整流用セグメント、24‥整流子溝
25‥端子片、25a,25b‥対向面、26‥凸部
35‥端子片、35A,35B‥薄板片
125‥端子片、125a,125b‥対向面、126‥凸部、226‥突条部
A‥領域、B1,B2,C‥矢印、M‥モータ、P1,P2‥溶着電極

Claims (3)

  1. 巻線が巻回された電機子コアと、該電機子コアが固定されるシャフトと、互いに電気的に絶縁された複数の整流用セグメントを有し前記シャフトに固定される整流子と、を備えた電機子の製造方法であって、
    前記シャフトに前記電機子コア及び前記整流子を固定する固定工程と、前記電機子コアに巻回した巻線を前記整流用セグメントと電気的に導通可能な端子部に溶着接合する接合工程とを行い、
    該接合工程において、
    前記端子部に形成された対向面間に前記電機子コア側から延出された巻線を係合して該対向面に形成された凸部に当接させる係合工程と、
    前記凸部を前記巻線に圧接することにより前記巻線の絶縁皮膜の外側部分に圧入させて、前記絶縁被膜に両側より喰い込んだ状態として前記絶縁被膜を薄くし、その後、前記端子部に通電して発熱させることにより前記巻線の絶縁皮膜の内側部分を消失させて前記巻線の芯線を露出させ、該芯線と前記凸部とを溶着接合する溶着工程と、を行うことを特徴とする電機子の製造方法。
  2. 前記溶着工程において、前記端子部を溶着電極間に挟んで押圧することにより、前記凸部が前記巻線に圧接されることを特徴とする請求項1に記載の電機子の製造方法。
  3. 絶縁皮膜を有する巻線とモータに設けられた端子部とを溶着接合する接合方法であって、
    前記端子部に形成された対向面間に前記巻線を係合して該対向面に形成された凸部に当接させる係合工程と、
    前記凸部を前記巻線に圧接することにより前記巻線の絶縁皮膜の外側部分に圧入させて、前記絶縁被膜に両側より喰い込んだ状態として前記絶縁被膜を薄くし、その後、前記端子部に通電して発熱させることにより前記巻線の絶縁皮膜の内側部分を消失させて前記巻線の芯線を露出させ、該芯線と前記凸部とを溶着接合する溶着工程と、を行うことを特徴とする巻線と端子部との接合方法。
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