JP4975163B2 - 印刷装置及びその吐出制御方法 - Google Patents

印刷装置及びその吐出制御方法 Download PDF

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Description

本発明は印刷装置に係り、特に、無端状の搬送ベルトにより用紙を搬送し、搬送ベルト上の記録用紙上に複数の画像を形成する印刷装置、及びその吐出制御方法に関する。
従来、無端状の搬送ベルトを用いて、記録用紙を搬送する搬送機構を備えた印刷装置がある。この印刷装置では、搬送ベルトを用いて記録用紙を搬送し、その搬送方向に沿って配置された互いに異なる単色の画像を形成する複数のインクヘッドを順次通過させる。これにより、記録用紙上に各単色画像を重ね合わせてカラー画像を得ることができる。
ところで、搬送ベルトを一定の移動速度で移動させる高精度な駆動制御が要求されることから、従来、ベルトを駆動する駆動ローラの回転速度を一定とする仕組みとして、駆動ローラの回転を制御する駆動制御方法が知られている。この駆動制御方法としては、駆動源であるモータの回転角速度や、モータで発生する回転駆動力を駆動ローラに伝達させるギヤの回転角速度を一定に保持することにより、駆動ローラの回転速度を一定にするものがある。
しかしながら、ベルト周方向におけるベルト厚みムラがあり、このムラによりベルトの移動速度が変化するという問題がある。このベルト厚みムラは、例えば、円筒金型を用いて遠心焼成方式で作成されたベルトにみられるベルト周方向にわたる肉厚の偏りによって生じるものであり、このようなベルト厚みムラがベルトに存在すると、ベルトを駆動する駆動ローラ上にベルト厚の厚い部分が巻き付いているときにはベルト移動速度が速くなり、反対にベルト厚の薄い部分が巻き付いているときにはベルト移動速度が遅くなり、ベルト移動速度に変動が生じることとなる。
このように搬送ベルトの移動速度が一定速度に維持されないと、複数のインクヘッドによって記録用紙上に各単色画像を形成し、これらを複数色重ね合わせる際に、各単色画像の転写位置が相対的にずれる、いわゆる「着弾ずれ」が発生する。このような着弾ずれが発生すると、例えば、複数色の画像が重なって形成された細線画像がにじんで見えたり、複数色の画像が重なって形成された背景画像中に形成される黒の文字画像の輪郭周辺に白抜けが発生したりする。
このような着弾ずれを防止するために、ベルト速度変動を低減する技術として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に開示された技術では、予めベルト全周における厚みプロファイル(ベルト厚みムラ)を測定するとともに、その厚みプロファイルデータをデータ記憶手段に記憶しておき、その全周の厚みプロファイルデータと実際のベルト厚みムラとの位相を合わせ、ベルト速度変動による印字位置ずれが生じないように印字タイミングを変化させる。
詳述すると、この特許文献1に開示された技術では、搬送ベルトが掛け渡された2つのローラ(駆動ローラ及び従動ローラ)の回転角速度の差分データから、ベルト速度変動に対応した周波数を有する回転角速度の交流成分を抽出し、抽出した交流成分の振幅及び位相のデータからベルト厚みムラによるベルト速度変動を認識し、その認識したベルト速度変動に基づいて、複数の画像毎に、画像形成の開始タイミングや画像形成中の画像形成速度を調節している。
特開2006−227192号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、駆動ローラの回転角速度と、従動ローラの回転角速度の差分から、各インクヘッド直下におけるベルト移動速度を算出するものであることから、各インクヘッド直下におけるベルトの移動速度を算出する演算処理量が多く、そのためのメモリ使用量が増大するとともに、演算遅延により正確な着弾ずれの補正ができないという問題があった。
詳述すると、従来の駆動ローラ及び従動ローラの各速度の差分から着弾ずれを補正する場合には、速度が変動すると検出処理や演算処理の誤差の割合が変動することとなり、全ての速度に対するプロファイルが必要となるとともに、速度が変化する毎に演算処理をし直す必要が生じ、上述したように、メモリ使用量が増大するとともに、演算遅延が発生する。
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、搬送ベルトにより用紙を搬送する搬送機構を備えた印刷装置において、搬送ベルトの速度変化をプロファイルとして記録してこれを利用するとともに、メモリ使用量や演算処理負担を軽減することによって、印刷時の着弾ずれを精度よく防止することのできる印刷装置、及びその吐出制御方法を提供することにある。
(速度比によるプロファイル)
上記課題を解決するために、本発明は、複数の支持ローラ間に掛け渡された無端状の搬送ベルトと、支持ローラを回転駆動させて、搬送ベルトを無端移動させる駆動手段と、搬送ベルト上の記録媒体上に複数の画像を互いに重なり合うように形成する複数のインクヘッドとを有する印刷装置であって、搬送ベルト上又はその支持ローラ上に設定された任意の2測点における移動速度を測定する速度測定手段と、速度測定手段により測定された各測点における速度比の時間的変動から、速度比に対応した周波数を有する速度比データを抽出する抽出部と、抽出した、速度比データを記憶する記憶部と、記憶部に記憶されている速度比データに基づいて、搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御する印字制御手段とを有し、インクヘッドは、印字制御手段に従って、記録媒体上に複数の画像を形成することを特徴とする。
また、他の発明は、複数の支持ローラ間に掛け渡された無端状の搬送ベルトと、支持ローラを回転駆動させて、搬送ベルトを無端移動させる駆動手段と、搬送ベルト上の記録媒体上に複数の画像を互いに重なり合うように形成する複数のインクヘッドとを有する印刷装置における該インクヘッドの吐出制御方法であって、
(1)搬送ベルト上又は支持ローラ上における任意の2測点における移動速度を測定する速度測定ステップと、
(2)前記速度測定ステップで測定された各測点における速度比の時間的変動から、該速度比に対応した周波数を有する速度比データを抽出する速度抽出ステップと、
(3)印刷処理に際し、2測点のいずれか一つの移動速度を測定し、この測定結果を、速度比データに基づいて補正し、搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御する印字制御ステップと
を有することを特徴とする。
これらの発明では、搬送ベルト上又はその支持ローラ上に設定された任意の2測点における速度比を検出し、これをベルトの速度比データ(いわゆるプロファイル)として用いることにより、着弾ずれを確実に解消することができる。すなわち、プロファイルを生成する際、2測点の速度の比をパラメータとすることによって、誤差の割合を一定範囲に止めることができ、一つのプロファイルで全ての速度に対応することができる。この結果、本発明によれば、解像度や印刷モードに応じてベルトの速度が変動するような印刷装置であっても、プロファイルデータのサイズを縮小させて、各インクヘッド直下における芯材の移動速度を簡略的に算出することができ、メモリ容量の増大や処理遅延を回避することができる。
(第1のローラ及び第2のローラの速度比によるプロファイル)
上記印刷装置の発明では、速度測定手段が、搬送ベルト内において、芯材を周方向にわたって連続させて環状に形成された芯部の、任意の2測点における移動速度を測定する芯材速度測定手段であり、抽出部は、芯材速度測定手段により測定された各測点における速度比の時間的変動から、芯部の速度比に対応した周波数を有する速度比データを抽出することが好ましい。
同様に、上記印刷装置の吐出制御方法において、前記速度測定ステップ(上記(1))では、搬送ベルト内において、芯材を周方向にわたって連続させて環状に形成された芯部の、任意の2測点における移動速度を測定し、前記速度抽出ステップ(上記(2))では、速度測定ステップにより測定された各測点における速度比の時間的変動から、芯部の速度比に対応した周波数を有する速度比データを抽出することが好ましい。
そして、上記発明において、上記移動速度を測定する任意の2点としては、搬送ベルト表面のうちインクヘッドに対向する面の前端及び後端に配設された第1のローラ及び第2のローラのそれぞれにおける、搬送ベルト内周面との接触点の法線と、芯部との交点位置とすることができ、芯材速度測定手段は、これらの接触点における接線方向成分を、各交点位置における芯材の移動速度として測定することが好ましい。
また、本発明では、芯材速度測定手段は、各交点位置における芯材の移動速度として第1のローラ及び第2のローラそれぞれの回転角速度を検出する検出手段を有し、抽出部は、検出手段により検出された各回転角速度比の時間的変動から、速度比データを抽出するようにしてもよい。
さらに、上記発明において、第1のローラは駆動ローラであり、第2のローラは、搬送ベルトを介して駆動ローラの駆動力が伝達されて回転する従動ローラとすることができる。
これらの場合には、搬送ベルト内の芯部上における2点の速度比を検出し、これをプロファイルとして用いることにより、ベルト内における芯材のうねりなど、ベルトの表面からは把握できない事象の影響を考慮することができ、着弾ずれを確実に解消することができる。
(速度比累積によるプロファイル)
上記印刷装置の発明において抽出部は、搬送ベルト上の任意の点を基準点と定め、任意の2測点間の距離を基準相対距離とし、任意の2測点の一方の測点に対する他方の測点における速度比を相対速度比とし、任意の2測点のいずれかに基準点が位置した時点における速度を基準速度とし、以降、ベルトの周方向に沿って、基準点から基準相対距離おきに、任意の2測点間の相対速度比を、基準速度に順次累積させ、基準点に対する各点の速度比をベルトの全周にわたって算出することが好ましい。
同様に、上記印刷装置の吐出制御方法において、前記速度抽出ステップ(上記(2))では、搬送ベルト上の任意の点を基準点と定め、任意の2測点間の距離を基準相対距離とし、任意の2測点の一方の測点に対する他方の測点の速度比を相対速度比とし、任意の2測点のいずれかに基準点が位置した時点における速度を基準速度とし、以降、ベルトの周方向に沿って、基準点から基準相対距離おきに、任意の2測点間の相対速度比を、基準速度に順次累積させ、基準点に対する各点の速度比をベルトの全周にわたって算出することが好ましい。
これらの場合には、基準点から基準相対距離おきに、任意の2測点間の速度比を累積させることからベルト全体について基準点に対する速度比を求めることができ、一定の基準を持ってベルトの周回に伴う一連の挙動を線形的に扱うことが可能であり、着弾ずれの解消を適切に実行することができる。
なお、上記発明において、任意の2測点を第1の測点、及び第2の測点とした場合に、第1の測点の移動速度は搬送ベルト表面の移動速度であり、第2の測点は支持ローラの回転速度であり、ベルト速度抽出部及びローラ速度抽出部は、第1の測点における、任意の時間の移動速度を基準速度と定め、第1の測点における所定の時間経過後の速度比を相対速度比とし、基準速度に、相対速度比を順次累積させ、基準速度に対する各点の速度比をベルトの全周に渡って算出するようにしてもよい。
この場合には、速度比の変動を累積させた累積データとしているため、ベルト全体について基準点に対する速度比を求めることができ、演算処理を簡略化することができる。すなわち、着弾ずれを解消させるためには、適正着弾位置を基準とする絶対的な位置ずれを算出する必要があるが、ベルト上の2測点における瞬間々々の測定値は、これら2測点間の相対的な速度変動であることから、着弾ずれの修正に際して、所定の基準点に対する絶対的な速度変動を演算しなければならない。本発明では、相対的な速度変動を、所定の基準値からの累積させて絶対的な速度変動として予め累積データとしてプロファイルするため、印刷実行時における演算処理負担を低減させることができる。
さらに、本発明では、速度比の変動を累積させた累積データとして扱うことにより、ベルト上の各点について、基準点に対する速度比を求めることができ、ベルト上の各点における瞬間々々の速度比をリアルタイムに算出したデータからでは予想できない、ベルト全体で蓄積された最大量のずれを即座に把握することが可能となる。この結果、例えば、工場出荷時における検査において、ずれの最大量が許容範囲を超える製品の判別を容易且つ迅速に行うことができる。
(プロファイルの再抽出)
上記発明では、搬送ベルトの長さを監視する監視部をさらに備え、抽出部は、搬送ベルトの長さの変化を検出した場合に、速度比データの抽出を実行することが好ましい。これによって、搬送ベルトが経年変化や温度変化によって伸縮した場合に、プロファイルを取得し直すことができ、搬送ベルトの経年変化や温度変化に追従させて、確実に着弾ずれを防止することができる。
上記発明において、搬送ベルト周辺の温度変化を監視する監視部をさらに備え、抽出部は、搬送ベルト周辺の温度変化を検出した場合に、速度比データの抽出を実行することが好ましい。これによって、搬送ベルトが周辺の温度変化によって伸縮するような場合に、プロファイルを取得し直すことができ、搬送ベルト周辺の温度変化に追従させて、確実に着弾ずれを防止することができる。
(ベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータの利用)
上記印刷装置の発明において、前記抽出部は、速度測定手段により測定された各測点における移動速度の時間的変動から、搬送ベルトの移動速度に対応した周波数を有するベルトプロファイルデータを抽出するベルト速度抽出部と、速度測定手段により測定された各測点における移動速度の時間的変動から、支持ローラの回転速度に対応した周波数を有するローラプロファイルデータを抽出するローラ速度抽出部とを有し、ベルト速度抽出部及びローラ速度抽出部は、各測点における移動速度の時間的変動として、各測点における速度比の時間的変動を算出し、算出された速度比に対応した周波数からベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを抽出し、記憶部は、抽出したベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを記憶し、印字制御手段は、印刷処理に際し、2測点のいずれか一つの移動速度を測定し、この測定結果を、ベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータに基づいて補正し、搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御し、インクヘッドは、印字制御手段に従って、記録媒体上に複数の画像を形成することを特徴とする。
同様に、上記印刷装置の吐出制御方法において、前記速度抽出ステップ(上記(2))では、前記速度測定ステップ(上記(1))で測定された各測点における移動速度の時間的変動から、搬送ベルトの移動速度に対応した周波数を有するベルトプロファイルデータを抽出するとともに、各測点における移動速度の時間的変動から、支持ローラの回転速度に対応した周波数を有するローラプロファイルデータを抽出し、印字制御ステップ(上記(3))では、印刷処理に際し、2測点のいずれか一つの移動速度を測定し、この測定結果を、ベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータに基づいて補正し、搬送ベルト上での複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御することが好ましい。
これらの発明によれば、搬送ベルト上における2測点の移動速度を検出し、これを搬送ベルト及び、この搬送ベルトを駆動する支持ローラのプロファイルとして用いる。すなわち、本発明では、予め搬送ベルト全周における厚みムラなどに起因する速度変動と、支持ローラの偏芯などに起因する速度変動を測定するとともに、それらをベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータとして記憶部に記憶しておく。そして、実際の印刷処理に際し、2測点のいずれかの移動速度を測定し、この測定結果に、プロファイルデータを反映させ、搬送ベルト速度の変動による印字位置ずれが生じないように印字タイミングを変化させ、着弾ずれを解消することができる。
特に、本発明では、ベルトプロファイルデータとローラプロファイルデータとを別々なファイルデータとして記憶して利用することから、例えば、搬送ベルトのみを交換するような場合、ベルトプロファイルデータのみを新規に作成し、印刷装置にインストールすることができ、印刷装置の設置現場のみでの作業・操作で対応することができ、メンテナンス作業の容易化を図ることができる。
詳述すると、搬送ベルトとこれの支持ローラとは、機械的な関係にあり、それぞれの部品特性や精度による誤差が相互に影響し合い、一方の誤差が全体に大きく影響することとなる。そのため、搬送ベルトと支持ローラとを同一のプロファイルとした場合に、例えば、搬送ベルトのみを交換した場合には、交換して新しくなった搬送ベルトと、既存の支持ローラとの機械的な関係を再度検査してプロファイルに反映させる必要が生じることとなる。この場合には、印刷装置の設置現場のみの作業では対応できず、メンテナンス作業の負担が増大することとなる。
上記発明において、ローラ速度抽出部は、各測点の移動速度の時間的変動から、支持ローラの回転周期に対応した周波数に基づいて、ローラプロファイルデータを抽出し、ベルト速度抽出部は、支持ローラの回転周期に対応した周波数を支持ローラの偏芯成分として算出するとともに、搬送ベルトの移動速度に対応した周波数から支持ローラの偏芯成分を除去して、ベルトプロファイルデータを抽出することが好ましい。
この場合には、測点における移動速度の測定量を増大させることなく、一つの測定結果から、ローラプロファイルデータとベルトプロファイルデータとを取得することができ、プロファイル作成時における負担を低減することができる。
上記発明において、任意の2測点を第1の測点、及び第2の測点とした場合に、第1の測点の移動速度は搬送ベルト表面の移動速度であり、第2の測点は支持ローラの回転速度であり、第1の測点に対する速度測定手段は、当該印刷装置に対して着脱自在に設けられ、搬送ベルト表面の移動速度を光学的に測定する非接触測定装置であることが好ましい。
この場合には、プロファイル作成時において第1の測点を測定する際、この測定装置として光学的に搬送ベルトの表面を測定する装置を用いることができる。このベルトプロファイルの作成は、例えば、工場出荷時などのように低頻度で行われることから、そのためのみに光学的なセンサのような高価な測定装置を内蔵させるのは不必要に製造コストを増大することとなる。本発明では、ベルトプロファイルの作成時のみ上記光学的な測定装置を取付け、プロファイル作成後には、この測定装置を取り外すことにより、製造コストの低廉化を図ることができる。なお、この光学的な測定装置としては、例えば、対象物との相対速度によって、入射光と反射光との波長の変化を測定することにより対象物の速度を測定するレーザードップラー速度測定器などがある。
上記発明において、前記任意の2測点を第1の測点、及び第2の測点とした場合に、第1の測点の移動速度を搬送ベルト表面の移動速度とし、第2の測点を支持ローラの回転速度とし、抽出部が、速度測定手段により測定された各測点における移動速度の時間的変動から、搬送ベルトの移動速度に対応した周波数を有するベルトプロファイルデータを抽出するベルト速度抽出部と、速度測定手段により測定された各測点における移動速度の時間的変動から、支持ローラの回転速度に対応した周波数を有するローラプロファイルデータを抽出するローラ速度抽出部とを有することが好ましい。
この場合において、ベルト速度抽出部及びローラ速度抽出部は、各測点における移動速度の時間的変動として、第1の測点における、任意の時間の移動速度を基準速度と定め、第1の測点における所定の時間経過後の速度比を相対速度比とし、基準速度に、相対速度比を順次累積させ、基準速度に対する各点の速度比をベルトの全周に渡った累積データを算出し、この累積データに対応した周波数からベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを抽出する。そして、前記記憶部は、抽出したベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを記憶し、前記印字制御手段は、印刷処理に際し、2測点のいずれか一つの移動速度を測定し、この測定結果を、ベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータに基づいて補正し、搬送ベルト上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御し、前記インクヘッドは、印字制御手段に従って、記録媒体上に複数の画像を形成することが好ましい。
この場合には、基準点における基準速度に対して、時間経過に伴う速度比を累積させることから、ベルト全体について基準点に対する速度比を求めることができ、ベルトの周回に伴う一連の挙動を、一定の基準速度からの絶対的な速度変動として扱うことが可能であり、着弾ずれの解消を適切に実行することができる。
以上の発明によれば、搬送ベルトにより用紙を搬送する搬送機構を備えた印刷装置において、ベルト内部の芯材の変化をプロファイルとして記録してこれを利用するとともに、メモリ使用量や演算処理負担を軽減することによって、印刷時の着弾ずれを精度よく防止することができる。
また、上記発明では、ベルトの厚みムラ情報のみならず、ローラ軸の偏芯情報による搬送ベルトの速度変動をプロファイルとして保持し、印刷処理時における補正データとして調整することで、ベルト移動速度の制御をより精度よく行うことができ、かつ、搬送ベルトとローラの情報をそれぞれ独立したプロファイルデータとすることにより、メンテナンス時のベルト移動速度の補正データを容易に交換することができる。
実施形態に係る印刷装置の印刷用紙搬送経路の概要を示す構成図である。 実施形態に係る給紙系搬送路FR、通常経路CR及び反転経路SRを模式的に示した図である。 実施形態に係る制御部の内部構成を示すブロック図である。 実施形態に係るインクの吐出タイミング制御の動作を示す説明図である。 実施形態に係る搬送ベルトにおける芯材ムラを示す断面図である。 実施形態に係るベルトプロファイルデータを生成する際の速度比に関する説明図である。 (a)は、実施形態に係るベルトプロファイルデータを生成する際に用いられる各エンコーダの値及び速度比を示すグラフ図であり、(b)はこれらにより生成されたベルトプロファイルデータの内容を示すグラフ図である。 実施形態に係るインクの吐出タイミングを制御する際の、エンコーダ信号の補正に関する説明図である。 実施形態による作用効果として着弾ずれの変化を示すグラフ図である。 実施形態に係るベルトプロファイルデータ生成の手順を示すフローチャート図である。 (a)はパルス幅データ(速度データ)を示すグラフ図であり、(b)は、累積データを示すグラフ図である。 実施形態に係るパルス幅データ速度データの平均化を示す説明図である。 実施形態に係るパルス幅データ速度データの平均化を示す説明図である。 実施形態に係るパルス幅データ速度データの平均化を示す説明図である。 実施形態に係る累積データの算出を示す説明図である。 実施形態に係る実施形態に係るデータのソートを示す説明図である。 実施形態に係る累積データの算出を示すフローチャート図である。 (a)は、平均化された累積データを示すグラフ図であり、(b)は平均化されたデータを示すグラフ図であり、(c)は、間引きされたデータを示すグラフ図である。 実施形態に係るベルトプロファイルの取得タイミングを測るための構成及び手順を示す説明図である。 実施形態に係るベルトプロファイルの取得タイミングを測るための構成及び手順を示す説明図である。 実施形態に係るベルトプロファイルの取得タイミングを測るための構成及び手順を示す説明図である。 変更例に係る位相反転データを抽出する手順を示すフローチャート図である。 変更例に係る位相反転データを抽出する手順を示す説明図である。 実施形態に係るヘッドユニットの吐出タイミング制御に関するモジュールを示す機能ブロック図である。 実施形態において、演算処理部内の処理と、印刷装置での印刷・搬送の駆動部との関係を示す機能ブロック図である。 実施形態に係るプロファイル生成に関するモジュールを示す機能ブロック図である。 実施形態に係るプロファイル生成の機能及び動作を模式的に示す説明図である。 実施形態に係るプロファイルデータの生成時における手順を示すフローチャート図である。 実施形態に係る速度比累積データに対する補正処理の手順を示すフローチャート図である。 実施形態に係る速度比率の差分に対する累積データ算出を示すグラフ図である。
[第1実施形態]
(印刷装置の全体構成)
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る印刷装置100における記録媒体の搬送経路の概要を示す図である。本実施形態では、印刷装置100は、用紙幅方向に伸び、多数のノズルが形成されたインクヘッドを複数備え、それぞれのインクヘッドから黒又はカラーインクを吐出してライン単位で印刷を行い、搬送ベルト上の記録用紙上に複数の画像を互いに重なり合うように形成するインクジェット方式のラインカラープリンタとする。
図1に示すように印刷装置100は、環状の搬送経路上を搬送される記録媒体表面に画像を形成する装置であり、記録媒体を搬送する経路として、記録媒体を供給する給紙系搬送路FRと、この給紙系搬送路FRからヘッドユニット110を経て排紙経路DRへ至る通常経路CRと、通常経路CRに分岐接続された反転経路SRとを有している。
給紙系搬送路FRは、記録媒体の供給を行う給紙機構として、筐体側面の外部に露出したサイド給紙台120と、筐体内部に設けられた複数の給紙トレイ(130a、130b、130c、130d)と、給紙経路において用紙の搬送を行う給紙駆動部183とを備えている。また、印刷済の記録媒体を排出する排紙機構として排紙口140を備えている。
サイド給紙台120、給紙トレイ130のいずれかの給紙機構から給紙された記録媒体は、ローラ等の駆動機構によって筐体内の給紙系搬送路FRに沿って搬送され、記録媒体の先頭部分の基準位置であるレジスト部Rに導かれる。レジスト部Rのさらに搬送方向側には、複数の印字ヘッドを備えたヘッドユニット110が設けられている。記録媒体は、ヘッドユニット110の対向面に設けられた搬送ベルト160によって印刷条件により定められる速度で搬送されながら、各印字ヘッドから吐出されたインクによりライン単位で画像形成される。
印刷済の記録媒体は、さらに、ローラ等の駆動機構によって通常経路CR上を搬送される。記録媒体の片側の面のみに印刷を行う片面印刷の場合は、そのまま排紙経路DRを経て、排紙口140に導かれて排紙され、排紙口140の受台として設けられた排紙台150に印刷面を下にして積載されていく。排紙台150は、筐体から突出したトレイ形状をしており、ある程度の厚みを有している。排紙台150は傾斜しており、傾斜の下位置に形成された壁により、排紙口140から排紙された記録媒体が自然に整えられて重なっていくようになっている。
一方、記録媒体の両面に印刷を行う両面印刷の場合は、表面(最初に印刷される面を「表面」、次に印刷される面を「裏面」とする)印刷終了時には排紙経路DR側に導かれずに、さらに筐体内を搬送され、反転経路SRに送出される。このため、印刷装置100は、裏面印刷用に搬送路を切り替えるための切替機構170を備えている。切替機構170によって排出されなかった記録媒体は、反転経路SRに引き込まれる。この反転経路SRでは、通常経路CRから記録媒体が受け渡され、記録媒体を往復させることにより記録媒体の表裏を反転させる、いわゆるスイッチバックを行う。そして、ローラ等の駆動機構によって、切替機構172を経由して再度レジスト部Rに導かれ、表面と同様の手順によって裏面の印刷が行われる。裏面の印刷が行われ、両面に画像が形成された記録媒体は、排紙口140に導かれて排紙され、排紙口140の受台として設けられた排紙台150に積載されていく。
なお、本実施形態では、両面印刷時におけるスイッチバックを、排紙台150内に設けられた空間を利用して行うようにしている。排紙台150内に設けられた空間は、スイッチバック時に記録媒体が外部から取り出せないように覆われた構成となっている。これにより、利用者が誤ってスイッチバック動作中の記録媒体を引き抜いてしまうことを防ぐことができる。また、排紙台150は、本来印刷装置100に備えられているものであり、排紙台150内の空間を利用してスイッチバックを行うことにより、印刷装置100内に、別途スイッチバック用の空間を設ける必要がなくなる。したがって、筐体のサイズが増大してしまうことを防ぐことができる。さらには、排紙口とスイッチバック経路とを共用しないため、スイッチバック処理と他の用紙の排紙とを並行して行うことができる。
印刷装置100では、供給された記録媒体の先頭部分の基準位置となるレジスト部Rには、両面印刷時に片面印刷済の記録媒体も搬送されてくる。このため、レジスト部Rの直前部分には、供給された記録媒体の搬送経路と、裏面印刷の用紙が循環して搬送されてくる経路とが合流する合流点が存在する。そして、レジスト部Rは、給紙系搬送路FRと通常経路CRとの合流点近傍において、記録媒体の送り出しを行う。
なお、本実施形態では、この合流点を基準に、給紙機構側の経路を給紙系搬送路FRとし、これより下流側を通常経路CRとする。搬送経路は環状をなし、上述したように通常経路CRと反転経路SRとが含まれる。図2は、給紙系搬送路FRと通常経路CRと反転経路SRとを模式的に示した図である。なお、同図では、駆動部を構成するローラの個数は適宜省略している。
給紙系搬送路FRには、サイド給紙台120からの給紙を行うためのサイド給紙駆動部220、給紙トレイ(130a、130b、130c、130d)からの給紙を行うためのトレイ1駆動部230a、トレイ2駆動部230b…が備えられている。これらによって、レジスト部Rに記録媒体を送り出す給紙手段が構成されている。
さらに、上述した給紙系搬送路FRにおけるいずれの駆動部(トレイ1駆動部230a、トレイ2駆動部230b…)も複数のローラ等で構成された駆動機構を備え、給紙台又は給紙トレイに積載された記録媒体を1枚ずつ取り込んで、レジスト部R方向に搬送する。各駆動部は独立に駆動することが可能であり、給紙を行う給紙機構に応じて必要な駆動部の動作が行われる。
また、給紙系搬送路FRには、搬送センサが複数個配置され、給紙系搬送路FRにおける搬送ジャムを検出できるようになっている。各搬送センサは記録媒体の有無又は記録媒体の先端を検出するためのセンサであり、例えば、搬送経路上に複数の搬送センサを適当な間隔で並べ、給紙側に設けられた搬送センサが記録媒体を検出してから所定時間内に搬送方向側の搬送センサが記録媒体を検出しない場合に、搬送ジャムが発生したと判断することができる。これら搬送センサのうち、記録媒体の送り出しを行うレジスト部R手前のレジストセンサは、搬送中の記録媒体サイズを計測し、例えば、記録媒体の通過速度及び通過時間に基づいて、通過中の記録媒体のサイズを測定したり、また、給紙部付近に搬送センサを設け、サイド給紙駆動部220、トレイ1駆動部230a等を駆動させてから所定時間内に搬送センサが記録媒体を検出しない場合に搬送ジャム(給紙エラー)が発生したと判断することができる。なお、搬送センサを各給紙部に対応して配置することで、給紙系搬送路FRにおいて搬送ジャムが発生したことのみならず、給紙系搬送路FRのどこで搬送ジャムが発生したかを特定することができるようになる。
通常経路CRは、循環搬送路の一部を構成し、記録媒体を供給する給紙系搬送路FRからヘッドユニット110を経て、排紙経路DRへ至る経路であり、この通常経路CR上において記録媒体上面に画像が形成される。この通常経路CRには、レジスト部Rに記録媒体を導くレジスト駆動部240、ヘッドユニット110の対向面に設けられた搬送ベルト160を無端移動させるために駆動するベルト駆動部250、搬送方向側に順に配置される第1上面搬送駆動部260及び第2上面搬送駆動部265、排紙口140に印刷済の用紙を導く上面排出駆動部270、裏面印刷用に記録媒体を反転経路SRに引き込む駆動手段が備えられている。いずれの駆動部も1又は複数のローラ等で構成された駆動機構を備え、搬送経路に沿って記録媒体を1枚ずつ搬送する。各駆動部は独立に駆動することが可能であり、記録媒体の搬送状況に応じて必要な駆動部の動作が行われる。
また、通常経路CRにも搬送センサが複数個配置され、通常経路CRにおける搬送ジャムを検出できるようになっている。また、レジスト部Rに適切に記録媒体が搬送されていることを確認できるようになっている。通常経路CRでは、駆動部対応に搬送センサが設けられており、通常経路CRのどの駆動部で搬送ジャムが発生したかを特定することができるようになっている。
反転経路SRは、通常経路CRに分岐接続され、通常経路CRから記録媒体が受け渡され、記録媒体を往復(スイッチバック)させて通常経路CRに戻すことにより記録媒体の表裏を反転させる反転経路及び搬送機構であり、この反転経路SRには、記録媒体を反転させて合流点に導く反転駆動部281及び再給紙駆動部282が備えられている。そして、反転経路SRでは、通常経路CRと異なる速度で搬送が可能であり、通常経路CRから記録媒体を引き継ぐ際に、加速・減速させたり、スイッチバックの際の停止時間を延長したり短縮したりすることができる。
なお、本実施形態においてある記録媒体を給紙した後、その記録媒体に印刷が施され排出されるのを待って次の記録媒体を給紙するのではなく、スケジューリングにより、先行する記録媒体が排出される前に、後続の記録媒体を供給して、所定の間隔で連続的に印刷することができるようになっている。したがって、両面印刷時の通常のスケジューリングでは、表面の記録媒体を給紙する際に、反転経路SRから戻ってきた記録媒体が挿入される位置を確保するように、予めスペースを確保しておく。これにより、本装置では、表面の印刷と裏面の印刷とを並行させることができ、片面印刷時に対して1/2の生産性を確保することができる。
搬送ベルト160は、ヘッドユニット110に対向する面の前端及び後端に配設された駆動ローラ161及び従動ローラ162に掛け渡されており、図中時計回り方向に回転移動する。また、搬送ベルト160の上面には、そのベルト移動方向に沿って、4色のインクヘッドが並べて配置され、複数の画像を互いに重なり合うようにしてカラー画像を形成するヘッドユニット110が対向配置されている。
さらに、図1に示すように、印刷装置100には、制御部300が備えられている。この制御部300は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、画像データに関する処理や、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行う。また、この制御部300には、操作パネル200が接続されており、この操作パネル200を通じて、ユーザーによる指示や設定操作を受け付けることができる。
(吐出タイミング制御)
次いで、上述したヘッドユニット110における吐出タイミングの制御について説明する。図3は、ヘッドユニット110の吐出タイミング制御に関するモジュールを示す機能ブロック図であり、図4は、その機能及び動作を模式的に示す説明図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
図3に示すように、ヘッドユニット110の各インクヘッドによるインクの吐出タイミングを調整するためのモジュールとして制御部300が設けられており、この制御部300は、プロファイル生成部320と、吐出制御部330とから構成されている。
プロファイル生成部320は、DSP321と、CPU322と、エンコーダデータメモリ323とを備えており、一方、吐出制御部330は、FPGA331を備えている。そして、このような制御部300では、ベルトプロファイルデータの算出をDSP321で行い、算出されたベルトプロファイルデータをCPU322からデータバスを通じて、FPGA331へ転送する。このFPGA331において、ベルトプロファイルデータに基づいてエンコーダの出力補正を行う。
DSP321は、駆動側エンコーダ及び従動側エンコーダのパルス幅データを速度データとして抽出するとともに、この速度データから、搬送ベルト160上の同一点において周期的に位相が反転している位相反転データを抽出する位相反転データ抽出部としての機能も果たす。
CPU322は、データ処理部322aとしても動作し、このデータ処理部322aは、速度データから速度比データを算出したり、これらのデータに対して平均化やデジタル化等の処理を施すモジュールである。また、エンコーダデータメモリ323は、駆動側エンコーダ及び従動側エンコーダのパルス幅データを速度データとして記録するメモリ装置である。
第1のローラである駆動ローラ161、及び第2のローラである従動ローラ162それぞれの回転角速度を検出する検出手段として、駆動側エンコーダ311及び従動側エンコーダ312が設けられ、これらのエンコーダ311,312は、プロファイル生成部320又は吐出制御部330に接続されている。
図3に示すように、駆動側エンコーダ311からの検出信号は、DSP321に入力され、従動側エンコーダ312からの検出信号は、DSP321及びFPGA331の両方に入力される。また、DSP321には、ベルト1周に1ヶ所のマーク(基準マーク)を検知するベルトHPセンサ313で検知したホームポジション信号が入力される。
DSP321は、エンコーダ311,312で検出されたそれぞれの回転角速度の比から、搬送ベルト160の速度変動に対応した周波数を有する回転角速度の速度比データを抽出し、これをCPU322からデータバスを通じてプロファイルデータメモリ332送出する。プロファイルデータメモリ332は、ベルトプロファイルデータ(速度比データ)を記憶する記憶部であり、記憶したベルトプロファイルデータは、印刷時に読み出され、プロファイル補正部333に入力される。
プロファイル補正部333は、プロファイルデータメモリ332に記憶されている速度比データに基づいて、搬送ベルト160上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、従動側エンコーダ312から入力される検出信号を補正し、ヘッド制御部334に入力するモジュールである。ヘッド制御部334は、この補正された検出信号に基づいて、ヘッドユニット110による各画像形成のタイミングを制御する印字制御手段であり、ヘッドユニット110は、このヘッド制御部334による制御に従って、記録用紙上に複数の画像を形成する。
ここで、プロファイル生成部320が生成するベルトプロファイルについて詳述する。搬送ベルト160の駆動において、従動軸の回転速度を決めるのは搬送ベルト160内の芯材の位置に影響される。厳密に言うと、この「芯材の位置」とはベルト内部の芯材の中心位置ではなくベルト表面の速さと同じ速さを持つ位置であり、具体的には、図5及び6に示すように、搬送ベルト160のヘッドユニット110に対向する面の前端及び後端に配設された駆動ローラ161及び従動ローラ162のそれぞれにおける、搬送ベルト160内周面との接触点の法線と、連続する芯材(芯部)との交点位置である。そして、これらの接触点における接線方向成分を、各交点位置における芯材の移動速度として測定する。
かかる芯材の位置は、ベルト固有のパラメータであり、図7に示すように、測定された芯材上の2点における移動速度比をベルトプロファイルとして記録することで、芯材の位置による従動ローラ軸の角速度の変化による着弾ずれを推定することができ、図8に示すように、これに基づいて、インクヘッドの吐出タイミングを制御することによって、図9に示すように、着弾ずれを修正することができる。
このようなベルトプロファイルは、本実施形態では、駆動ローラ161と従動ローラ162の回転角速度比を用いて生成する。具体的には、従動側の回転角速度をω1、駆動側の回転角速度をω2、従動側の芯材までの半径をr1、駆動側の芯材までの半径をr2とし、搬送ベルト160の表面速度をvとすると、
駆動側 ω2=V/r2
従動側 ω1=V/r1
の関係が成り立ち、駆動側と従動側の比については、
ω1/ω2 = r2/r1
の関係が成り立ち、各ローラの速度比=芯材ムラの比となる。
プロファイルデータ生成時、DSP321では、駆動側エンコーダに対して従動側エンコーダの変動比を取得し、これらの速度比の時間的変化を記録することにより、芯材ムラの時間的変化(搬送ベルト160の長さ方向の変化)をプロファイルとして記録する。本実施形態では、速度比のデータをベルト1周分のデータとして記録する。なお、このベルトプロファイルデータを取得するタイミングとしては、例えば、工場出荷時 や印刷開始時、環境変化時、経時変化時、メンテナンス時、プラテン昇降時などを契機とすることができる。
そして、プロファイル補正部333は、印刷時に、プロファイルデータメモリ332に記録されたベルトプロファイルデータを呼び出し、これに基づいて、図8に示すように、従動側エンコーダの検出信号を、速度比に応じて早めたり遅めたりというように補正し、補正された信号をヘッド制御部334に入力する。ヘッド制御部334では、入力された信号に基づいて吐出タイミングを調整する。
(印刷装置の動作)
以上の構成を有する第1実施形態に係る印刷装置100の動作及び作用・効果について、上述の図4を参照しつつ説明する。
先ず、ベルトプロファイルデータの生成を行う。このベルトプロファイルデータを生成するタイミングとしては、例えば、工場出荷時 や印刷開始時、環境変化時、経時変化時、メンテナンス時、プラテン昇降時などを契機とすることができる。
具体的には、制御部300のプロファイル生成部320において、各エンコーダからの信号を検出する。このとき、駆動側エンコーダ311からの検出信号がDSP321に入力され(S101)、従動側エンコーダ312からの検出信号がDSP321に入力される(S102)。また、DSP321には、ベルトHPセンサ313で検知したホームポジション信号が入力され、位相補正がなされる(S103)。
次いで、DSP321で、エンコーダ311,312で検出されたそれぞれの回転角速度の比から、搬送ベルト160の速度変動に対応した周波数を有する回転角速度の速度比データ及び位相反転データを抽出し、これをCPU322においてデータ処理してベルトプロファイルとして生成した後、このベルトプロファイルをCPU322からデータバスを通じてプロファイルデータメモリ332送出し(S104)、プロファイルデータメモリ332は、受け取ったベルトプロファイルデータを記憶する(S105)。
そして、このように生成されたベルトプロファイルデータを用いた印刷処理は以下の手順により行う。先ず、印刷処理が開始される際、記憶したベルトプロファイルデータが、読み出され、プロファイル補正部333に入力される。
プロファイル補正部333は、プロファイルデータメモリ332に記憶されている速度比データに基づいて、搬送ベルト160上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、従動側エンコーダ312から入力されるエンコーダ検出信号を補正し、ヘッド制御部334に入力する(S106)。この補正では、ベルトプロファイルデータ内の補正値が、ホームポジション信号に基づいて、搬送ベルト160の回転周期に合わせて読み出され、図8に示すように、従動側エンコーダ312から入力されるエンコーダ検出信号が、補正値に応じて早められたり遅められたりして、ヘッド制御部334に入力される。
ヘッド制御部334では、この補正されたエンコーダ検出信号に基づいて、ヘッドユニット110による各画像形成のタイミングを制御し(S107)、ヘッドユニット110は、このヘッド制御部334による制御に従って、インクを吐出し、記録用紙上に複数の画像を形成する。
(ベルトプロファイルデータの生成)
次いで、上述したベルトプロファイルデータの生成における、位相補正(S103)及び速度比データの抽出(S104)について詳述する。図10は、上述した図4のステップS101〜S105において、ベルトプロファイルデータ生成の手順を示すフローチャート図である。
先ず、図4に示すように、ステップS101及びS102で、駆動側エンコーダ311及び従動側エンコーダ312の両方について所定量のパルス幅データ(速度データ)が蓄積されると、ステップS103で、これらからそれぞれのエンコーダに関する位相反転データを取得する。
具体的には、図10に示すように、ステップS201及びS202において、各エンコーダからのパルス幅データ(図11(a))をエンコーダデータメモリ323に蓄積し、ステップS203及びS204において、CPU322のデータ処理部322aにより搬送ベルト160上の同一点において周期的に位相が反転している位相反転データを抽出する。ここでは、図12に示すように、正規のデータとしてベルト1周分のパルス幅データを取得した後、一旦パルス幅データの記録を停止してそのまま距離D分だけベルトを周回させ、その後再度パルス幅データの記録を開始し、そこで得られたベルト1周分のデータを位相反転データとして取得する。この距離Dは、本実施形態では、実測値としてメモリ上に記憶されており、プロファイルデータの生成時に読み出される。
そして、図13(a)及び(b)に示すように、位相反転データを、正規のパルス幅データに対して、重ね合わせ、図14(a)及び(b)に示すように、元のエンコーダデータから位相反転による偏芯成分(位相反転データ)を相殺して、平均化する。
このようにして取得されたパルス幅データ及び位相反転データのそれぞれについて、図10に示すように、従動側エンコーダについて軸径補正を行う(S205,S206)。この軸径補正では、駆動ローラと従動ローラの軸径の違いによりベルト1周のパルス数が異なるため、パルス数の差分を調整する。具体的には、各エンコーダパルスの平均値の比率に従い、データのサンプル番号を補正する。
次いで、このように軸径補正を施されたデータについて、比率演算を行うとともに、図11(b)に示すような累積データの算出を行う(S207,S208)。この比率演算では、駆動側エンコーダパルス幅と従動側エンコーダパルス幅の比率を算出し、累積データの算出では、例えば、HP等の任意の点を基準点と定め、この基準点に対する速度比を搬送ベルト160全周にわたって求めるために、各パルス幅データの値を順次累積計算する。
具体的には、図15(a)〜(d)に示すように、搬送ベルト160上の任意の点を基準点Aと定め、任意の2測点AB間(ここでは、駆動側エンコーダ及び従動側エンコーダ間)の距離を基準相対距離とする。また、2測点のいずれか(図15では、従動側エンコーダ)に基準点Aが位置した時点における速度を基準速度V0とし、2測点の一方の測点に対する他方の測点における速度比を相対速度比Vn+1/Vnとする。
そして、搬送ベルト160の周方向に沿って、基準点Aから基準相対距離おきに、エンコーダ間の相対速度比Vn+1/Vnを基準速度V0に順次累積させ、基準点Aに対する各点の速度比を搬送ベルト160の全周にわたって算出する。これにより、基準点Aに対する点Bの速度比、点Bに対する点Cの速度比、点Cに対する点Dの速度比…というように、基準相対距離おきに、2測点間の速度比を累積させることによって、全ベルト上の点について基準点に対する速度比を求めることができる。
ところで、基準相対距離を移動する間にもエンコーダによるパルス幅の取得は継続して行われることから、表1に示すように、データは上述した累積演算処理をする順に出現しない。
Figure 0004975163
すなわち、図16に示すように、速度比R0=VA/VBの次には、速度比VC/VBではなくVD/VEが得られ、その次には、速度比R2=VF/VGが得られる、というように、累積演算処理順とはならない。このため、本実施形態では、図17に示すように、所定量のパルス幅データを出現する順に取得・蓄積した後、表2に示すように、基準相対距離おきのデータを順次取り出して並び換え(S401)、並び換えた順に速度比を掛け合わせて累積させる(S402)。その後、累積データを用いて所定のデータ処理を実行した後、表3に示すように、再度ソートを行い(S403)、ベルトプロファイルとして生成する。
Figure 0004975163

Figure 0004975163
上述した累積データに対する所定のデータ処理としては、傾き補正(S209,S210)、ゼロ補正が含まれる。次いで、位相反転データを用いて、軸偏芯補正を行い、元のエンコーダデータを平均化する(S311)。具体的には、図12及び図13に示すように、位相反転データを距離D分だけスライドさせて、重ね合わせ、図14に示すように、元のエンコーダデータから位相反転による偏芯成分(位相反転データ)を相殺して(図14(a))、平均化する(図14(b))。
そして、このように平均化(軸偏芯補正)されたデータを、サンプル番号順に再配置することにより速度比データを生成し、これに基づいて厚みムラの演算を行う(S212)。このように得られた厚みムラをグラフ化したものを図18(a)に示す。
ところで、搬送ベルト160の芯の位置は急峻な変化は起こりえないと想定できることから、図18(b)に示すように、厚みムラ演算で得られたデータの平均化を行い、より搬送ベルト160の挙動に近いデータを生成する(S213)。ここの平均化では、演算時に生じた累積誤差によるオフセット値を低減させるために、データの平均化を行う。この平均化の手法としては、例えば、軸1周が780パルスであるとき、軸に掛け回される搬送ベルト160の面積の1/3とした場合、260パルス分のデータ平均化を行う。
次いで、図18(c)に示すように、処理の負荷を軽減させるために、データの間引きを行い、データ数の削減を図った後、デジタルデータ化し(S214)、ベルトプロファイルを生成し(S215)、記録する(S105)。
(ベルトプロファイルの取得タイミング)
なお、このベルトプロファイルデータを取得は、工場出荷時等に予め行うのが一般的であるが、ベルトプロファイルデータ再取得のタイミングは、本実施形態では、図19(a)〜21(a)に示すような前記プロファイル生成部320の監視部320aにより制御されている。
例えば、図19(a)に示すように、監視部320aに操作パネル200や各種センサからの信号を入力し、ユーザー操作や装置モードの変化を監視する。そして、同図(b)に示すように、電源投入時(S501)、待機状態時(S502)を経た印刷動作開始前(S503)、プラテン昇降時やカバー開閉時などのメンテナンス動作開始前後(S504)などを契機として、プロファイル取得処理(S505)を実行する。
上記発明において、搬送ベルト160の長さを監視する監視部をさらに備え、抽出部は、搬送ベルト160の長さの変化を検出した場合に、速度データの抽出を実行することが好ましい。これによって、搬送ベルト160が経年変化や温度変化によって伸縮した場合に、ベルトプロファイルを取得し直すことができ、搬送ベルト160の経年変化や温度変化に追従させて、確実に着弾ずれを防止することができる。
また、例えば、図20(a)に示すように、監視部320aにおいてベルトHPセンサ313からのパルス数を監視するようにし、同図(b)に示すように、通常動作時において(S601)、ベルトHPセンサ313からのパルス数を計測し(S602)、ベルト1周分のパルス数を最大設置及び最小設定値と比較し(S603及びS604)、パルス数が所定の範囲外となったときに(ステップS603又はS604における“Y”)は、搬送ベルト160が経年変化や温度変化によって伸縮したと判断し、前述したプロファイル取得処理を実行する(S605)。なお、このプロファイル取得処理は、設定値の回数繰り返され、所定回数以上リトライされた場合には、障害が発生していると判断し(ステップS606における“Y”)、エラー処理を実行する(S607)。
さらに、例えば、図21(a)に示すように、監視部320aにおいて温度センサ320bによる測定温度を監視するようにし、同図(b)に示すように、通常動作時において(S701)、温度センサを利用して周囲の温度を測定し(S702)、周囲温度が所定の範囲外となったときに(ステップS703又はS704における“Y”)は、搬送ベルト160が温度変化によって伸縮する可能性があると判断し、前述したプロファイル取得処理を実行する(S705)。なお、このプロファイル取得処理においても、設定値の回数繰り返され、所定回数以上リトライされた場合には、障害が発生していると判断し(ステップS706における“Y”)、エラー処理を実行する(S707)。
(変更例)
上述した実施形態では、位相反転データの抽出における距離Dを、予め実測値としてメモリに記憶保持させるようにしたが、上述したように搬送ベルト160の経年変化や温度変化が生じる場合に、ベルトプロファイルを取得し直すときには、搬送ベルト160の周長が変化するため、上記距離Dの値も変化することになる。したがって、ベルトプロファイルの再取得にあたっては、以下の手順のように距離Dを再計算したうえで、位相反転データの再取得を行い、これを用いて軸偏芯補正を行う。
詳述すると、この位相反転データの再取得は、図22に示すように、先ず、任意の基準点を選定する(S301)。この基準点は、例えばHPセンサによって検出されるHPとすることができる。次いで、エンコーダデータメモリ323に蓄積されたパルス幅データ内において、上記基準点における速度と、次の点における速度とを比較して(S302)、同じ値の点(比較点)を検出する(S303)。ここで、比較点としては、搬送ベルト160上の同一点であるが、例えばベルト長の整数倍の距離を移動した点など、ある程度予測をした上で検索するようにしてもよい。
そして、ステップS303において同一速度の比較点を検出したときには、図23(a)に示すように、基準点と比較点との距離である位相反転周期Dを測定し(S304)、このDが、概ねベルト周長の整数倍となっているか判断する(S305)。整数倍となっていないときには、ステップS302に戻り、引き続き比較点の検出を続行する。
一方、ステップS305で、Dがベルト周長の整数倍となっているときには、その点を比較点と決定し、図23(b)に示すように、基準点における速度変化と、この比較点における速度変化とを比較してゆき、これら基準点及び比較点にそれぞれ隣接し、各々の速度が一致する点(一致点)を検出する(S306及びS307)。
そして、ステップS307において一致点が検出されたら、基準点及び比較点からそれぞれの一致点までの距離である偏芯周期d(d1〜dn)を測定し(S309)、これらのdと閾値とを比較し、閾値の範囲内であるときには、これを次のdを検索する(S310)。この閾値としては、各エンコーダ毎に設定することができ、例えば、エンコーダの軸心の周長やベルト厚などに基づいて、複数種及びその出現順序を周期的なパターンとしても定めることができる。なお、ステップS309において、dが閾値の範囲内でなければ、ステップS306に戻り次の一致点の検索を続行する。
その後、図23(c)に示すように、所定個数の一致点が連続して検出され、その偏芯周期のパターン(d1〜dnの大きさ、出現順序等)から一定の周期性が認められたときには(S310)、距離Dをスライド量として記憶し、この距離Dを用いて、上述した実施形態と同様にして、位相反転データを抽出する(S311)。なお、この偏芯周期のパターンは、位相反転周期D、搬送ベルト160の全長とに基づいて実験的に求め、検出用データとしてメモリに保持しておく。
(作用・効果)
このような第1実施形態に係る印刷装置によれば、駆動ローラと従動ローラとの回転角速度の比をパラメータとし、これを搬送ベルト160の芯材ムラのベルトプロファイルデータとして用いることにより、搬送ベルト160内における芯材のうねりなど、搬送ベルト160の表面からは把握できない事象の影響を考慮することができ、着弾ずれを確実に解消することができる。
このプロファイルデータを生成する際、駆動ローラと従動ローラとの回転角速度の比をパラメータとすることによって、誤差の割合を一定範囲に止めることができ、一つのプロファイルデータで全ての速度に対応することができる。この結果、本実施形態によれば、解像度や印刷モードに応じてベルトの移動速度が変動するような印刷装置であっても、プロファイルデータのサイズを縮小させて、各インクヘッド直下における芯材の移動速度を簡略的に算出することができ、メモリ容量の増大や処理遅延を回避することができる。
また、本実施形態では、基準点から基準相対距離おきに、任意の2測点間の速度比を累積させることから、搬送ベルト160全体について基準点に対する速度比を求めることができ、一定の基準を持って搬送ベルト160の周回に伴う芯部の一連の挙動を線形的に扱うことが可能であり、着弾ずれの解消を適切に実行することができる。
さらに、本実施形態では、搬送ベルト160の移動速度データから搬送ベルト160上の同一点において周期的に位相が反転している位相反転データを抽出し、速度データから位相反転データを減算等することによって平均化することができ、速度データに重畳されたローラの偏芯成分を除去することができる。また、本実施形態では、蓄積した速度比データから位相反転データを切り出すため、位相反転データを取得するために再度、搬送ベルト160を周回させ、移動速度の計測を行う必要がない。
また、本実施形態では、監視部320aにより、操作パネル200や各種センサを監視し、ユーザー操作や装置モードの変化、搬送ベルト160の経年変化や温度変化が生じる場合に、ベルトプロファイルを取得し直すことができ、環境の変化や搬送ベルト160の経年変化に追従させて、確実に着弾ずれを防止することができる。
[第2実施形態]
次いで、第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、任意の2測点における移動速度を測定する手段として、駆動ローラ161及び従動ローラ162それぞれの回転角速度を検出する検出手段を用いたが、本実施形態では、速度を検出する検出手段の一方を、搬送ベルト表面の移動速度として検出する装置とするとともに、速度比データをベルトプロファイル及びローラプロファイルとしたことを要旨とする。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
(吐出タイミング制御)
本実施形態においても、上述したヘッドユニット110における吐出タイミングの制御は、上記制御部300によって行われる。図24は、制御部300におけるヘッドユニット110の吐出タイミング制御に関するモジュールを示す機能ブロック図であり、図25は、制御部300内の処理と、印刷装置100での印刷・搬送の駆動部との関係を示す機能ブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
図24に示すように、本実施形態に係る制御部300は、補正制御部1331と、記憶部1332と、吐出制御部1333と、駆動制御部1334と、システム制御部1335とを備えており、ベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを記憶部1332から補正制御部1331に転送し、補正制御部1331においてエンコーダの出力補正を行う。
記憶部1332は、生成されたベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを記録するメモリ装置であり、ベルトプロファイルデータを記憶する記憶メモリ1332bと、ローラプロファイルを記憶する記憶メモリ1332aとから構成されている。なお、本実施形態において、ベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータは、外部のプロファイル生成装置400等によって予め生成され、工場出荷時などにインストールされることによって、記憶メモリ1332a及び1332bに保存される。
補正制御部1331は、記憶部1332に記憶されているベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータに基づいて、搬送ベルト160上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、従動側エンコーダ312から入力される検出信号を補正し、各吐出制御部1333に入力するモジュールである。
本実施形態において補正制御部1331は、ベルトプロファイル補正制御部1331bと、ローラプロファイル補正制御部1331aとを備えている。ベルトプロファイル補正制御部1331bは、ベルトプロファイルデータに基づいて、従動側エンコーダ312からの検出信号を補正するモジュールであり、ベルトの厚みムラ成分による速度変動を補正する。一方、ローラプロファイル補正制御部1331aは、ローラプロファイルデータに基づいて、従動側エンコーダ312からの検出信号を補正するモジュールであり、主として従動ローラの偏芯成分による速度変動を補正する。なお、本実施形態では、支持ローラの偏芯成分を記録したローラプロファイルの対象として、従動ローラ162を選択したが、例えば、エンコーダーの偏芯や、駆動ローラ161等、他の支持ローラも対象とすることができる。
また、ベルトプロファイル補正制御部1331bには、従動側エンコーダ312からの検出信号と併せて、ベルト1周に1ヶ所のマーク(基準マーク)を検知するベルトHPセンサ313で検知したベルトホームポジション信号が入力される。一方、ローラプロファイル補正制御部1331aには、ベルトプロファイル補正制御部1331bで補正された検出信号が入力されるとともに、ローラ1周を検知するローラHPセンサ314で検知したローラホームポジション信号が入力される。
前記吐出制御部1333は、この補正された検出信号に基づいて、ヘッドユニット110による各画像形成のタイミングを制御する印字制御手段であり、ヘッドユニット110は、この吐出制御部1333による制御に従って、記録媒体10上に複数の画像を形成する。
システム制御部1335は、制御部300内の各モジュールの動作を制御する中央演算処理部であり、印刷時の画像処理の他、駆動制御部1334を通じて、搬送経路の各駆動部の動作を制御する。また、システム制御部1335は、外部との通信を行う通信インターフェースや、操作パネル200に対しデータの送受信を行うインターフェースの機能も果たす。
(印刷処理時における吐出タイミング制御方法)
そして、このように生成されたプロファイルデータを用いた吐出タイミング制御は以下の手順により行う。なお、ここでは、記憶部1332に、ローラプロファイルデータ及びベルトプロファイルデータが、それぞれ独立したプロファイルデータとして、既に記憶メモリ1332a及び1332bにそれぞれ保存されているものとする。
先ず、印刷処理が開始される際、記憶されたローラプロファイルデータ及びベルトプロファイルデータが、記憶メモリ1332a及び1332bから、それぞれ読み出され、補正制御部1331に入力される。
次いで、印刷処理が開始されると、従動側エンコーダ312による検出された角速度が入力されて、搬送ベルトの移動速度を測定し(S1201)、この測定結果に基づいて、ヘッドユニット110の吐出制御を行う。この吐出制御に際し、補正制御部1331は、記憶部1332に記憶されているローラプロファイルデータ及びベルトプロファイルデータに基づいて、搬送ベルト160上における複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、従動側エンコーダ312から入力されるエンコーダ検出信号を補正し(S1202、S1203)、吐出制御部1333に入力する。
この補正では、ベルトプロファイルデータ内の補正値が、ホームポジション信号に基づいて、搬送ベルト160の回転周期に合わせて読み出され、図8に示すように、従動側エンコーダ312から入力されるエンコーダ検出信号が、補正値に応じて早められたり遅められたりして、搬送ベルト160上における複数の画像間の位置ずれ(着弾ずれ)が小さくなるように調整されて吐出制御部1333に入力される。吐出制御部1333では、この補正されたエンコーダ検出信号に基づいて、ヘッドユニット110による各画像形成のタイミングを制御し(S1204)、ヘッドユニット110は、この吐出制御部1333による制御に従って、インクを吐出し、記録媒体上に複数の画像を形成する。
なお、本実施形態では、着弾ずれを解消させるためには、図8中Δdで示すような、適正着弾位置を基準とする絶対的な位置ずれを算出する必要があり、ベルト上の2測点における瞬間々々の測定値は、これら2測点間の相対的な速度変動であることから、着弾ずれの修正に際しては、所定の基準点に対する絶対的な速度変動を演算する必要がある。本実施形態では、各時点での2測点間の速度比を累積させ、各時点における絶対的な位置ずれであるΔdを予めプロファイルとして保持しておく。
(プロファイル生成装置)
本実施形態において、上述したベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータは、プロファイル生成装置400を用いて生成され、記憶部1332にインストールされる。図26は、プロファイル生成装置400の概略構成を示す説明図である。図26(a)に示すように、プロファイル生成装置400は、印刷装置100の製造時や工場出荷前、メンテナンス時などに一時的に印刷装置100に対して接続される外部装置であり、LDV装置400aと、PC400bとから概略構成される。
LDV装置400aは、速度測定手段であるレーザードップラー速度計315により、非接触で対象物の移動速度を計測する装置であり、搬送ベルト160の上面に取付けられたレーザードップラー速度計315と、従動ローラ162に設けられた従動側エンコーダ312と、搬送ベルト160の1周を検出するベルトHPセンサ313と、従動ローラ162の一回転を検出するローラHPセンサ314とが接続され、これら各センサからの入力信号を取得し、同期させつつプロファイル生成装置であるPC400bに受け渡す。
PC400bは、CPUを備えた演算処理装置であり、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、CPU上でソフトウェアを実行することによって、プロファイルデータ生成装置として機能する。具体的に、このプロファイルデータ生成装置としてのPC400bは、図26(b)に示すように、速度比演算部401と、データ処理部402と、データメモリ403とから構成されている。
速度比演算部401は、ベルト速度抽出部401b及びローラ速度抽出部401aによって、各測点における速度比の時間的変動を算出するモジュールであり、具体的には、ベルト速度抽出部401b及びローラ速度抽出部401aによって、搬送ベルト160上又はその駆動手段(駆動モータや支持ローラ等)に設定された任意の2測点における移動速度を、速度測定手段によって測定する。本実施形態では、この任意の2測点を第1の測点及び第2の測点とし、第1の測点の移動速度は、インクヘッド中央部直下の搬送ベルト表面の移動速度とし、第2の測点は従動ローラ162の回転速度(角速度)とする。
また、本実施形態では、第1の測点に対する速度測定手段は、搬送ベルト表面の移動速度を光学的に測定する非接触測定装置であり、本実施形態においては、レーザードップラー速度計315を用いる。レーザードップラー速度計315は、搬送ベルト160表面の移動速度を光学的に測定する速度測定手段であり、具体的には、対象物との相対速度によって、入射光と反射光との波長の変化を測定することにより対象物の速度を測定する。なお、レーザードップラー速度計315は、当該印刷装置100に対して着脱自在に設けられている。これにより、プロファイルデータ作成時においてのみ、レーザードップラー速度計315を設置することができ、高価な測定装置を画像形成装置に内蔵させることなく、製造コストの低廉化を図ることができる。
一方、第2の測点に対する速度測定手段は、従動ローラ162の回転速度を測定する従動側エンコーダ312を用いる。これらベルト速度抽出部401b及びローラ速度抽出部401aは、レーザードップラー速度計315により測定された移動速度と、従動側エンコーダ312の検出信号とから、搬送ベルト及びローラの速度データをそれぞれ抽出する。ここで、本実施形態においては、第2の測点を、従動ローラ162の回転速度として、駆動ローラ161を回転させるモータ等の駆動力による影響、例えば、駆動力とベルトの滑りなどによる速度ムラなどにより、ベルトの挙動と、エンコーダによる測定結果とに乖離が生じるのを低減している。なお、本発明は、これに限定されず、第2の測点を駆動ローラ161の回転速度とし、この駆動ローラ161の回転速度を測定する手段として駆動側エンコーダを用いてもよい。
そして、本実施形態では、図26(b)に示すように、レーザードップラー速度計315からの検出信号、及び従動側エンコーダ312からの検出信号は、速度比演算部401に入力される。また、この速度比演算部401には、ベルト1周に1ヶ所のマーク(基準マーク)を検知するベルトHPセンサ313と、ローラ1周で1ヶ所のマーク(基準マーク)を検知するローラHPセンサ314で検知したそれぞれのホームポジション信号が入力される。
データ処理部402は、速度比データに対して平均化やデジタル化等の処理を施すモジュールである。データメモリ403は、レーザードップラー速度計315により測定されたパルス幅データや、従動側エンコーダ312からの検出信号を速度データとして記録するメモリ装置である。
そして、速度比演算部401は、レーザードップラー速度計315によって検出された搬送ベルト表面の移動速度と、従動側エンコーダ312で検出された回転角速度とに基づいて、各測点における速度比の時間的変動を算出し、算出された速度比に対応した周波数からベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを抽出する。
これらのプロファイルデータは、データ処理部402からデータバスを通じてデータメモリ403に送出される。データメモリ403は、ベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを記憶する記憶部であり、記憶されたベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータは、通信インターフェース404等によって、印刷装置100に送信される。
このような構成のプロファイル生成装置400によるベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータの生成処理時の動作について詳述する。図27は、ベルトプロファイルを生成する際の動作手順を模式的に示すブロック図である。
先ず、ベルト速度抽出部401b及びローラ速度抽出部401aによって、各測点における速度比の時間的変動を算出する。具体的には、ベルト速度抽出部401b及びローラ速度抽出部401aは、ベルト上における任意の2測点における移動速度を、速度測定手段によって測定する(S1101及びS1102)。具体的には、第1の測点の移動速度は、レーザードップラー速度計315によって、対象物である搬送ベルト160表面に対して、入射光と反射光との波長の変化を測定し、第2の測点の速度は、従動ローラ162の回転速度を測定する。
速度比演算部401では、従動側エンコーダ312の回転速度に対してレーザードップラー速度計315によって光学的に測定されたベルト移動速度と、レーザードップラー速度計315からの角速度に基づいて速度比を算出し(S1103)、これらの速度比の時間的変化を記録することにより、移動速度の時間的変動をプロファイルとする(S1105及びS1104)。
ここで、移動速度の時間的変動は、搬送ベルト全周における厚みムラや、支持ローラの偏芯に起因する速度変動を含んでいる。ベルト速度抽出部401bは、これらの移動速度の時間的変動から、搬送ベルトの移動速度に対応した周波数を有するベルトプロファイルデータを抽出し、ローラ速度抽出部401aは、各測点における移動速度の時間的変動から、支持ローラの回転速度に対応した周波数を有するローラプロファイルデータを抽出する。本実施形態では、速度比のデータをベルト1周分のデータとして記録する。
なお、このベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを取得するタイミングとしては、本実施形態においては、工場出荷時としている。しかし、取得タイミングは、工場出荷時に限定されず、環境変化時、経時変化時やメンテナンス時などを契機とすることもできる。
(プロファイル生成時の動作)
以上の構成を有する本実施形態に係るプロファイル生成装置400におけるプロファイル生成時の動作について説明する。図28は、プロファイル生成時の動作を示すフローチャート図である。
先ず、プロファイル生成装置400において、各センサ及びエンコーダからの信号を検出する。具体的には、レーザードップラー速度計315からの検出信号、及び従動側エンコーダ312からの検出信号が速度比演算部401に入力される。また、速度比演算部401には、ベルトHPセンサ313及びローラHPセンサ314で検知したホームポジション信号が入力される。これらにより、ベルト1周のエンコーダ各パルス毎の移動速度が測定される(S1301,S1401)。
次いで、速度比演算部401で、レーザードップラー速度計315及び従動側エンコーダ312で検出された移動速度及び回転角速度の比から、搬送ベルト160の速度変動に対応した周波数を有する移動速度の速度比データを抽出する(S1302,S1402)。
そして、ローラ速度抽出部401aは、各測点の移動速度の時間的変動から、支持ローラの回転周期に対応した周波数に基づいて、ローラプロファイルデータを抽出する。また、ベルト速度抽出部401bは、従動ローラ162の回転周期に対応した周波数を従動ローラ162の偏芯成分として算出するとともに、搬送ベルトの移動速度に対応した周波数から支持ローラの偏芯成分を除去して、ベルトプロファイルデータを抽出する。
具体的には、ローラ速度抽出部401aは、算出された各パルスの速度変動比データから従動ローラの1周分の周期データを分割し、ベルト1周分の周期データを平均化する(S1403)。これにより、ローラの偏芯成分を算出する(S1404)。そして、このローラの偏芯成分をデータ処理部402においてデータ処理して、ローラプロファイルデータとして生成する(S1405)。
ベルト速度抽出部401bでは、上記同様に、搬送ベルト160の速度変動に対応した周波数を有する移動速度の速度比データを算出する(S1301,S1302)。その後、速度比率データに対応した周波数から、先ほど算出したローラの偏芯成分を取り除き、このベルトの厚みムラ成分を算出する(S1303)。そして、このベルトの厚みムラ成分を、データ処理部402においてデータ処理して、ベルトプロファイルデータとして生成する(S1304)。
算出されたローラプロファイルデータ及びベルトプロファイルデータをデータ処理部402からデータバスを通じてデータメモリ403に送出し、データメモリ403は、受け取ったベルトプロファイルデータを記憶する。このように、ローラプロファイルデータ及びベルトプロファイルデータは、それぞれ独立したプロファイルデータとして、データメモリ403に保存される。
(プロファイルデータの累積)
さらに、本実施形態においても、上述したステップS1302及びS1402における速度比の算出に際し、累積データの算出を行う。図29は、プロファイル累積データ生成の手順を示すフローチャート図である。
先ず、累積データの算出では、HP等の任意の点を基準点と定め、この基準点に対する速度比を搬送ベルト160全周にわたって求めるために、エンコーダ1パルス毎の速度比データを取得し(S1501)、各速度比の値を順次累積計算する(S1502)。
具体的には、駆動側エンコーダ310の任意時間(t)の回転角度における角速度をωtと定め、ωtにおける、LDV315による測点におけるベルト表面の速度をVtとし、これら2測点の一方の測点に対する他方の測点に関する速度比を相対速度比Vt/ωtとする。
詳述すると、ある瞬間のLDV315による測点におけるベルト表面の速度を基準速度VAとし、そのときの駆動側エンコーダ310に巻き回された搬送ベルト160の移動速度をVBとする。また、任意時間(t)における従動側エンコーダ310地点のベルト移動速度VBは、そのときの回転半径をRtとすると、VB=ωt×Rtとなる。このRtの変化は、従動側エンコーダー310におけるベルトの厚みムラの時間変化であり、VB/ωt=Rtで得られる。ここで、搬送ベルト160の伸縮を無視すればVA=VBであり、任意時間(t)にLDV315により計測されるベルト表面は、速度Vtであることから、VA=VB=Vtであり、Vt/ωt=Rtの関係が得られる。よって、任意の時刻における厚みムラRtをプロファイルとして保持しておくことにより、その瞬間のVAを、ωtに基づいて補正し、着弾ずれを解消できるようになる。
そして、下表に示すように、搬送ベルト160上の基準点(例えば、t=0におけるホームポジション)での速度比を基準速度比V0/ω0=R0とし、搬送ベルト160の周方向に沿って、各時刻における速度比Rtを順次掛け合わせて累積させ、基準点に対する各点の速度比Ctを搬送ベルト160の全周に渡って算出する。
Figure 0004975163
なお、このように速度比の累積データが算出された後、次いで、この累積データに対してゼロ補正等の種々データ処理を施す。図30は、累積された速度比を示すグラフ図である。ここで、図30において、X軸は、任意の補正基準点を0地点としたベルト1周分の位置を表しており、Y軸は、その基準点に対する速度比率値を表し、X軸との交点(原点)では、比率値が1となっている。なお、図30(a)は、表1の測点における比率(R0,R1,R2…Rn)をプロットしたものであり、図30(b)は、図(a)における各プロットに対応する累積値(C0,C1,C2…Cn)をプロットしたものである。また、図30(c)は、図30(b)の全プロットが0以上となるように補正したものである。
ステップS1503における0補正では、先ず、図30(a)に示すような、各点における速度比について、搬送ベルト上又はその駆動手段の任意の測点を基準として、速度比率1(=R0)に、瞬間々々の速度比率(R1,R2…Rn)を順次掛け合わせて累積させると、図30(b)に示すように、速度比率が累積されたデータが算出される。
このように算出された累積データにおいて、負のデータがある場合には、速度変動の遅延となる最大値を基準とし、補正するため、図30(c)に示すように、全てのデータが0以上になるように、データを補正する(S1503)。このようにデータ処理を行い、速度比率の累積データをベルトプロファイルデータとする(S1504)。
このように算出されたベルトプロファイルデータに含まれる速度比率の累積データは、出荷時において、印刷装置100の記憶部1332に記憶され、印刷時のベルトプロファイルとして使用される。
(作用・効果)
このような本実施形態に係る印刷装置100によれば、印刷処理に際し、任意の2測点のいずれかの移動速度を測定し、この測定結果を、予め抽出及び記憶させているベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータに基づいて、インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御することにより、搬送ベルト速度の変動による印字位置ずれが生じないように印字タイミングを変化させ、着弾ずれを解消することができる。
また、本実施形態では、速度比の変動を累積させた累積データとしているため、ベルト全体について基準点に対する速度比を求めることができ、ベルトの周回に伴う一連の挙動を、図30(c)に示すような、基準点を原点とする絶対的な変化量として扱うことが可能となり、演算処理を簡略化することができる。すなわち、着弾ずれを解消させるためには、図8中Δdで示すような、適正着弾位置を基準とする絶対的な位置ずれを算出する必要があるが、ベルト上の2測点における瞬間々々の測定値は、これら2測点間の相対的な速度変動であることから、着弾ずれの修正に際しては、所定の基準点に対する絶対的な速度変動を演算しなければならない。本実施形態では、2測点間の速度比を累積させ、各時点でのΔdを予めプロファイルとして保持しておくことから、印刷実行時における演算処理負担を低減させることができる。
さらに、本実施形態では、速度比の変動を累積させた累積データとして扱うことにより、ベルト上の各点について基準点に対する速度比を求めることができ、ベルト上の各点における瞬間々々の速度比をリアルタイムに算出したデータからでは予想できない、ベルト全体で蓄積された最大量のずれを即座に把握することが可能となる。
詳述すると、ベルトプロファイルデータを累積データとすることにより、図30(c)に示すような、ベルト上の各点における速度比を、基準点を原点とするサインカーブとして得ることができ、このサインカーブの最大振幅を見つけることにより、ベルト全体で蓄積された最大量のずれを即座に把握することが可能となる。この結果、例えば、工場出荷時における検査において、ずれの最大量が許容範囲を超える製品の判別を容易且つ迅速に行うことができる。
また、本実施形態では、補正用データとして、ベルトプロファイルデータとローラプロファイルデータとを別々なファイルデータとして記憶して利用することから、例えば、搬送ベルトのみを交換するような場合、ベルトプロファイルデータのみを新規に作成し、印刷装置100にインストールすることができ、印刷装置100の設置現場のみでの作業・操作で対応することができ、メンテナンス作業の容易化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、ベルト速度抽出部401b及びローラ速度抽出部401aは、各測点における速度比の時間的変動を算出し、算出された速度比に対応した周波数からベルトプロファイルデータ及びローラプロファイルデータを抽出するので、プロファイルを生成する際、2測点における速度の比をパラメータとすることによって、誤差の割合を一定範囲に止めることができ、1種類のずつのプロファイルで全ての速度に対応することができる。これにより、解像度や印刷モードに応じてベルトの移動速度が変動するような印刷装置であっても、プロファイルデータのサイズを縮小させて、各インクヘッド直下に搬送ベルトの移動速度を簡略的に算出することができ、メモリ容量の増大や処理遅延を回避することができる。
さらに、本実施形態では、従動ローラ162の回転周期に対応した周波数に基づいて、ローラプロファイルデータを抽出し、搬送ベルトの移動速度に対応した周波数から従動ローラ162の偏芯成分を除去して、ベルトプロファイルデータを抽出するので、測点における移動速度の測定量を増大させることなく、一つの測定結果から、ローラプロファイルデータとベルトプロファイルデータとを取得することができ、プロファイル作成時における負担を低減することができる。
また、本実施形態では、第1の測点の移動速度を搬送ベルト表面の移動速度とし、第2の測点を支持ローラの回転速度とするとともに、第1の測点に対する速度測定手段を、当該印刷装置に対して着脱自在に設けられたレーザードップラー速度計315としたため、ベルトプロファイルの作成時のみレーザードップラー速度計315を印刷装置100に接続し、プロファイル作成後には取り外すことができ、高価な速度計を印刷装置に内蔵させる必要がなく、印刷装置の製造コストを低廉化することができる。
符号の説明
CR…通常経路
DR…排紙経路
FR…給紙系搬送路
R…レジスト部
SR…反転経路
10…記録媒体
100…印刷装置
110…ヘッドユニット
120…サイド給紙台
130…給紙トレイ
140…排紙口
150…排紙台
160…搬送ベルト
161…駆動ローラ
162…従動ローラ
170,172…切替機構
183…給紙駆動部
200…操作パネル
220…サイド給紙駆動部
230a,230b…トレイ駆動部
240…レジスト駆動部
250…ベルト駆動部
260…第1上面搬送駆動部
265…第2上面搬送駆動部
270…上面排出駆動部
281…反転駆動部
282…再給紙駆動部
300…制御部
311…駆動側エンコーダ
312…従動側エンコーダ
313…ベルトHPセンサ
314…ローラHPセンサ
315…レーザードップラー速度計
320…プロファイル生成部
320a…監視部
320b…温度センサ
321…DSP
322…CPU
322a…データ処理部
323…エンコーダデータメモリ
330…吐出制御部
331…FPGA
332…プロファイルデータメモリ
333…プロファイル補正部
334…ヘッド制御部
400…プロファイル生成装置
400a…LDV装置
400b…PC
401…速度比演算部
401a…ローラ速度抽出部
401b…ベルト速度抽出部
402…データ処理部
403…データメモリ
404…通信インターフェース
1331…補正制御部
1331b…ベルトプロファイル補正制御部
1331a…ローラプロファイル補正制御部
1332…記憶部
1332a,1332b…記憶メモリ
1333…吐出制御部
1334…駆動制御部
1335…システム制御部

Claims (16)

  1. 複数の支持ローラ間に掛け渡された無端状の搬送ベルトと、
    前記支持ローラを回転駆動させて、前記搬送ベルトを無端移動させる駆動手段と、
    前記搬送ベルト上の記録媒体上に複数の画像を互いに重なり合うように形成する複数のインクヘッドと
    を有する印刷装置であって、
    前記搬送ベルト上又は前記支持ローラ上に設定された任意の2測点における移動速度を測定する速度測定手段と、
    前記速度測定手段により測定された各測点における速度比の時間的変動から、該速度比に対応した周波数を有する速度比データを抽出する抽出部と、
    前記抽出した、速度比データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部に記憶されている速度比データに基づいて、前記搬送ベルト上での前記複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、前記インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御する印字制御手段と
    を有し、
    前記インクヘッドは、印字制御手段に従って、前記記録媒体上に前記複数の画像を形成することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記速度測定手段は、前記搬送ベルト内において、芯材を周方向にわたって連続させて環状に形成された芯部の、任意の2測点における移動速度を測定する芯材速度測定手段であり、
    前記抽出部は、前記芯材速度測定手段により測定された各測点における速度比の時間的変動から、前記芯部の速度比に対応した周波数を有する速度比データを抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 移動速度を測定する前記任意の2測点として、前記搬送ベルト表面のうち前記インクヘッドに対向する面の前端及び後端に配設された第1のローラ及び第2のローラのそれぞれにおける、前記搬送ベルト内周面との接触点の法線と、前記芯部との交点位置であり、
    前記芯材速度測定手段は、前記接触点における接線方向成分を、前記各交点位置における前記芯材の移動速度として測定する
    ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記芯材速度測定手段は、前記各交点位置における前記芯材の移動速度として、前記第1のローラ及び第2のローラそれぞれの回転角速度を検出する検出手段を有し、
    前記抽出部は、前記検出手段により検出された各回転角速度の比の時間的変動から、前記速度比データを抽出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記第1のローラは駆動ローラであり、前記第2のローラは、前記搬送ベルトを介して該駆動ローラの駆動力が伝達されて回転する従動ローラであることを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  6. 前記抽出部は、
    前記搬送ベルト上の任意の点を基準点と定め、
    前記任意の2測点間の距離を基準相対距離とし、
    前記任意の2測点の一方の測点に対する他方の測点の速度比を相対速度比とし、
    前記任意の2測点のいずれかに前記基準点が位置した時点における速度を基準速度とし、
    以降、ベルトの周方向に沿って、前記基準点から前記基準相対距離おきに、前記任意の2測点間の相対速度比を、前記基準速度に順次累積させ、該基準点に対する各点の速度比をベルトの全周にわたって算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  7. 前記搬送ベルトの長さを監視する監視部をさらに備え、
    前記抽出部は、前記搬送ベルトの長さの変化を検出した場合に、前記速度比データの抽出を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  8. 前記搬送ベルト周辺の温度変化を監視する監視部をさらに備え、
    前記抽出部は、前記搬送ベルト周辺の温度変化を検出した場合に、前記速度比データの抽出を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  9. 前記抽出部は、
    前記速度測定手段により測定された各測点における移動速度の時間的変動から、前記搬送ベルトの移動速度に対応した周波数を有するベルトプロファイルデータを抽出するベルト速度抽出部と、
    前記速度測定手段により測定された各測点における移動速度の時間的変動から、前記支持ローラの回転速度に対応した周波数を有するローラプロファイルデータを抽出するローラ速度抽出部と
    を有し、
    前記ベルト速度抽出部及び前記ローラ速度抽出部は、前記各測点における移動速度の時間的変動として、各測点における速度比の時間的変動を算出し、算出された速度比に対応した周波数から前記ベルトプロファイルデータ及び前記ローラプロファイルデータを抽出し、
    前記記憶部は、抽出した前記ベルトプロファイルデータ及び前記ローラプロファイルデータを記憶し、
    前記印字制御手段は、印刷処理に際し、前記2測点のいずれか一つの移動速度を測定し、この測定結果を、前記ベルトプロファイルデータ及び前記ローラプロファイルデータに基づいて補正し、前記搬送ベルト上での前記複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、前記インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御し、
    前記インクヘッドは、印字制御手段に従って、前記記録媒体上に前記複数の画像を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  10. 前記ローラ速度抽出部は、前記各測点の移動速度の時間的変動から、前記支持ローラの回転周期に対応した周波数に基づいて、前記ローラプロファイルデータを抽出し、
    前記ベルト速度抽出部は、前記支持ローラの回転周期に対応した周波数を前記支持ローラの偏芯成分として算出するとともに、前記搬送ベルトの移動速度に対応した周波数から該支持ローラの偏芯成分を除去して、前記ベルトプロファイルデータを抽出する
    ことを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
  11. 前記任意の2測点を第1の測点、及び第2の測点とした場合に、前記第1の測点の移動速度は前記搬送ベルト表面の移動速度であり、前記第2の測点は前記支持ローラの回転速度であり、
    前記第1の測点に対する前記速度測定手段は、当該印刷装置に対して着脱自在に設けられ、前記搬送ベルト表面の移動速度を光学的に測定する非接触測定装置である
    ことを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
  12. 前記任意の2測点を第1の測点、及び第2の測点とした場合に、前記第1の測点の移動速度は前記搬送ベルト表面の移動速度であり、前記第2の測点は前記支持ローラの回転速度であり、
    前記抽出部は、
    前記速度測定手段により測定された各測点における移動速度の時間的変動から、前記搬送ベルトの移動速度に対応した周波数を有するベルトプロファイルデータを抽出するベルト速度抽出部と、
    前記速度測定手段により測定された各測点における移動速度の時間的変動から、前記支持ローラの回転速度に対応した周波数を有するローラプロファイルデータを抽出するローラ速度抽出部と
    を有し、
    前記ベルト速度抽出部及び前記ローラ速度抽出部は、
    前記各測点における移動速度の時間的変動として、前記第1の測点における、任意の時間の移動速度を基準速度と定め、
    前記第1の測点における所定の時間経過後の速度比を相対速度比とし、
    前記基準速度に、前記相対速度比を順次累積させ、該基準速度に対する各点の速度比をベルトの全周に渡った累積データを算出し、
    この累積データに対応した周波数から前記ベルトプロファイルデータ及び前記ローラプロファイルデータを抽出し、
    前記記憶部は、抽出した前記ベルトプロファイルデータ及び前記ローラプロファイルデータを記憶し、
    前記印字制御手段は、印刷処理に際し、前記2測点のいずれか一つの移動速度を測定し、この測定結果を、前記ベルトプロファイルデータ及び前記ローラプロファイルデータに基づいて補正し、前記搬送ベルト上での前記複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、前記インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御し、
    前記インクヘッドは、印字制御手段に従って、前記記録媒体上に前記複数の画像を形成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  13. 複数の支持ローラ間に掛け渡された無端状の搬送ベルトと、
    前記支持ローラを回転駆動させて、前記搬送ベルトを無端移動させる駆動手段と、
    前記搬送ベルト上の記録媒体上に複数の画像を互いに重なり合うように形成する複数のインクヘッドと
    を有する印刷装置における該インクヘッドの吐出制御方法であって、
    前記搬送ベルト上又は前記支持ローラ上に設定された任意の2測点における移動速度を測定する速度測定ステップと、
    前記速度測定ステップで測定された各測点における速度比の時間的変動から、該速度比に対応した周波数を有する速度比データを抽出する速度抽出ステップと、
    印刷処理に際し、前記2測点のいずれか一つの移動速度を測定し、この測定結果を、前記速度比データに基づいて補正し、前記搬送ベルト上での前記複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、前記インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御する印字制御ステップと
    を有することを特徴とする印刷装置の吐出制御方法。
  14. 前記速度測定ステップでは、前記搬送ベルト内において、芯材を周方向にわたって連続させて環状に形成された芯部の、任意の2測点における移動速度を測定し、
    前記速度抽出ステップでは、前記速度測定ステップにより測定された各測点における速度比の時間的変動から、前記芯部の速度比に対応した周波数を有する速度比データを抽出する
    ことを特徴とする請求項13に記載の印刷装置の吐出制御方法。
  15. 前記速度抽出ステップでは、
    前記搬送ベルト上の任意の点を基準点と定め、
    前記任意の2測点間の距離を基準相対距離とし、
    前記任意の2測点の一方の測点に対する他方の測点の速度比を相対速度比とし、
    前記任意の2測点のいずれかに前記基準点が位置した時点における速度を基準速度とし、
    以降、ベルトの周方向に沿って、前記基準点から前記基準相対距離おきに、前記任意の2測点間の相対速度比を、前記基準速度に順次累積させ、該基準点に対する各点の速度比をベルトの全周にわたって算出する
    ことを特徴とする請求項13に記載の印刷装置の吐出制御方法。
  16. 前記速度抽出ステップでは、前記速度測定ステップで測定された各測点における移動速度の時間的変動から、前記搬送ベルトの移動速度に対応した周波数を有するベルトプロファイルデータを抽出するとともに、前記各測点における移動速度の時間的変動から、前記支持ローラの回転速度に対応した周波数を有するローラプロファイルデータを抽出し、
    印字制御ステップでは、印刷処理に際し、前記2測点のいずれか一つの移動速度を測定し、この測定結果を、前記ベルトプロファイルデータ及び前記ローラプロファイルデータに基づいて補正し、前記搬送ベルト上での前記複数の画像間の位置ずれが小さくなるように、前記インクヘッドによる各画像形成のタイミングを制御する
    ことを特徴とする請求項13に記載の印刷装置の吐出制御方法。
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