JP4974426B2 - 情報通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用の情報通信装置に関し、より詳細には、このような情報通信装置における車両間通信に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ITS(高度道路交通システム)を構成するVICS(Vehicle Information Communication System)(登録商標)等の利用が拡大しつつある。VICS(登録商標)では、路側に設置されたインフラ(例えばビーコン)を介して、車両に情報が提供される。但し、車両が、路側に設置されたインフラから情報を得られるのは、路側に設置されたインフラの直下、或いはその100m程度の範囲内に入ったときに限られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、車両は、インフラの整備された都市部では、インフラから直に情報を得ることができるが、地方のインフラがあまり整備されていない地域では、容易に情報を得ることはできない。その為、このような地域で、インフラからの情報を受信可能な情報通信装置を車両に装備しても、その情報通信装置は十分には活用されないことになる。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、インフラから情報を直に得られない車両が、容易にインフラの情報を得ることができるような情報通信装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そのため発明は、車両に搭載される情報通信装置であって、車外に設置された、車両への情報提供を目的とする情報送信機から送信される情報を取得する情報受信手段と、情報受信手段で取得された情報を、他の車両に向けて送信する送信手段と、情報受信手段で取得された情報を報知する報知手段と、を備える。情報送信機からの情報を取得した車両から、情報が、送信手段を介して他の車両に渡される。したがって、車両は、情報送信機が設置された場所以外の場所でも、情報送信機からの情報を取得できることになる。
【0006】
また、情報通信装置は、車外に設置された、車両への情報提供を目的とする情報送信機から送信される情報を取得する情報受信手段と、情報受信手段で取得された情報を、他の車両との間で送受信する送受信手段と、情報受信手段又は送受信手段によって取得された情報を報知する為の報知手段と、を備える。情報送信機からの情報を取得した車両から、情報が、送受信機を介して他の車両に渡される。したがって、車両は、情報送信機が置かれた場所以外の場所でも、送受信機を介して、情報送信機からの情報を取得することができる。
【0007】
また、情報通信装置は、車外に設置された、車両への情報提供を目的とする情報送信機から送信される情報を取得する情報受信手段と、情報受信手段で取得された情報を、他の車両との間で送受信する送受信手段と、情報受信手段又は送受信手段で取得された情報を格納する記憶手段と、記憶手段に格納された情報の時間管理を行い、常に最新の情報を、送受信手段を介して送信する制御手段と、情報受信手段又は送受信手段によって取得された情報を報知する為の報知手段と、を備える。情報送信機からの情報を取得した車両から、最新の情報が、送受信機を介して他の車両に渡される。したがって、車両は、情報送信機の設置された場所以外の場所でも、送受信機を介して最新の情報を取得することができる。
【0008】
また、情報通信装置は、車外に設置された、車両への情報提供を目的とする情報送信機から送信される情報を取得する情報受信手段と、他の車両との間で信号を送受信する送受信手段と、情報受信手段で取得された情報又は送受信手段を介して他の車両から取得された情報を格納する為の記憶手段とを備える。さらに、この情報通信装置は、送信要求を送受信手段を介して定期的に送信させる一方で、送受信手段を介して他の車両から送信要求が受信された場合に、記憶手段に格納されている情報を、送受信手段を介して他の車両に対して送信する制御手段を備える。この制御手段によって定期的に送信要求が送信されることで、例えば2台の車両が遭遇した際に、それぞれの車両は、他の車両が接近していることを認識することができる。送信要求を受信した車両は、保有している情報を他の車両に送信するので、車両間での情報の受渡しが達成される。さらに、この情報通信装置は、情報受信手段又は送受信手段によって取得された情報を報知する為の報知手段を備えている。
【0009】
また、情報通信装置は、車外に設置された、車両への情報提供を目的とする情報送信機から送信される情報を取得する情報受信手段と、他の車両との間で信号を送受信する送受信手段と、情報受信手段で取得された情報又は送受信手段を介して他の車両から取得された情報を格納する為の記憶手段と、を備える。さらに、この情報通信装置では、記憶手段に格納されている情報についての時間情報を含むインデックスが作成される。インデックスは、情報の新しさを知ることに利用することができる。さらに、この情報通信装置は、作成されたインデックスを送受信手段を介して定期的に送信させる一方で、送受信手段を介して他の車両からインデックスが受信された場合、インデックスに含まれる時間情報と、記憶手段に格納されている情報についての時間情報とを比較し、記憶手段に格納されている情報についての時間情報の方が、インデックスに含まれる時間情報よりも新しい場合には、記憶手段に格納されている情報を送受信手段を介して他の車両に対して送信する制御手段を備える。この制御手段によって定期的にインデックスが送信されるので、例えば2台の車両が遭遇した際に、それぞれの車両は、他の車両が接近していることを認識することができる。それぞれの車両では、インデックスの時間情報と、記憶手段内の情報の時間情報とが比較され、より新しい情報を持つ車両から、他の車両に対して情報が渡される。さらに、この情報通信装置は、情報受信手段又は送受信手段によって取得された情報を報知する為の報知手段を備えている。
【0010】
情報通信装置がさらに、内部時計を有する場合には、情報受信手段で取得された情報又は送受信手段を介して他の車両から取得された情報に時間情報が含まれていない場合に、内部時計から得られる時刻を、時間情報として、情報受信手段又は送受信手段で取得された情報に付加する様に構成することができる。
【0011】
情報送信機から送信される情報は、例えばVICS(登録商標)に関連する情報である。この場合、報知手段は、VICS(登録商標)に関する情報を表示するナビゲーション装置であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
始めに図1を参照して、本発明の情報通信装置を搭載した車両間における情報伝達の一例を説明する。図1において、車両Aは、路側に設置されたビーコン等のインフラCから直に情報を得る。次に、車両Aは、同じ道路の反対方向から来る車両Bと出合った際に、車両間通信を行い、車両Bに対して自己がインフラCから受信した情報を渡す。つまり、車両Bは、インフラが設置されていない場所であっても、車両Aからインフラの情報を得ることができる。
【0013】
図2は、本発明の実施形態としての情報通信装置100の構成を表すブロック図である。図2に示すように情報通信装置100は、電波、光などのインフラからの信号を受信するインフラ受信部10と、車両間で信号の送受信を行う車車間送受信部20と、情報の記憶、処理、及び各部の制御を行う情報処理部30と、ナビゲーション装置40とから構成されている。図2を参照して、情報通信装置100の各部の機能を詳細に説明する。
【0014】
インフラからの信号は、アンテナ11からインフラ受信部10のRf部12に入り、フィルタ処理、高周波信号増幅などを施された後、If部13で中間周波数信号に変換される。次に、データ復調部14で信号の復調が行われる。データ処理部15では、データ復調部14において復調して得られた受信データのエラー訂正処理等が行われ、さらに、受信データから交通、路面、天候等のそれぞれの情報が分離して抽出される。抽出された各情報は、データ処理部15から情報処理部30に渡される。
【0015】
車車間送受信部20において、アンテナ21は、車車間通信の為の信号の送信又は受信の為のアンテナである。Rf部22では、信号のフィルタ処理、高周波増幅処理が行われる。If部23では、高周波信号と中間周波数信号の間の周波数変換が行われる。また、データ変復調部24では、If部23からの中間周波数信号の復調処理又は無線制御部25から渡されたデータの変調処理が行われる。無線制御部25では、受信の場合には、データ変復調部24で復調された受信データが正しいか否かを判断すること、また、受信データに含まれる情報を情報処理部30に渡すことが行われる。送信の場合には、無線制御部25は、例えば定期的に、送信データをデータ変復調部24に渡し、送信データを変調及び増幅させてアンテナ21から送信させる。
【0016】
情報処理部30は、記憶部31と情報管理用のマイコン32から構成される。記憶部31は、インフラ受信部10からの情報と、車車間送受信部20からの情報を格納する為の記憶装置である。マイコン32の機能の一つは、記憶部31に格納された情報、つまりインフラ受信部10によって取得された情報、及び、車車間送受信部20によって取得された情報について、取得された情報内に時間情報が含まれている場合にはその時間情報を基に、含まれていなかった場合には、自己の持つ時刻を基に、各情報の新旧を管理することである。
【0017】
マイコン32によって、記憶部31に格納されている情報のうちの、例えば最新の交通情報が、情報報知手段としてのナビゲーション装置40に渡される。ナビゲーション装置40では、受け取った最新の交通情報等が、ナビゲーション装置40に設けられた表示装置上に表示される。
【0018】
図3は、情報通信装置100のマイコン32による制御の下で行われる、情報の送受信の制御を示すフローチャートである。情報通信装置100において、インフラ受信部10及び車車間送受信部20は、常に受信状態にあるものとする。また、車車間送受信部20からは、情報通信装置100が保有する情報、すなわち、記憶部31に格納されている情報の見出し情報であるインデックスが定期的に送信されるものとする。このことにより、以下で述べるように、インフラ受信部10は、自車がインフラに接近したときにインフラから情報を受信し、また、車車間送受信部20は、自車が他車と出合ったときに、車両間で情報の受渡しを行うことができる様に構成されている。
【0019】
インフラ受信部10で取得された情報(受信情報)は、時間管理できる情報(作成時間など)を持たない場合には、情報通信装置100が持っている時刻を時間情報として付加される(S1)。次に、インフラからの情報と時間情報は、記憶部31に格納される(S5)。
【0020】
一方、車車間送受信部20で取得される情報、つまり車両間で受渡しされた情報は、インフラからの情報そのものである場合と、情報通信装置100内で作成されたインデックスである場合とがあり、受信データがどちらであるかが、ステップS2において判別される。受信データが、インフラの情報である場合には、処理はステップS3に進む。ステップS3では、インフラの情報が時間情報を含むかどうかが判定され、時間情報を含まない場合に(S3:NO)、ステップS4において、ステップS1と同様に時間情報が付加される。次にステップS5では、インフラの情報と時間情報が記憶部31へ格納される。一方、インフラの情報が時間情報を含む場合には(S3:YES)、スタップS5において、インフラの情報が記憶部31に格納される(S5)。
【0021】
記憶部31内にインフラ受信部10又は車車間送受信部21によって取得された情報及び時間情報が格納されると、次にステップS6では、インデックスの作成が行われる。ここでインデックスとは、インフラの情報についての見出し情報であり、例えば、インフラの情報についての時間情報、情報の種類(交通情報、天気情報など)、及び受信ポスト番号から成る。ここで作成されるインデックスは、車車間送受信部20を介して定期的に送信される。
【0022】
車両同士が出合い、情報通信装置100の車車間送受信部20で他車からのインデックスが受信されると(S2)、処理はステップS11に進み、自車の保有する(記憶部31に格納された)情報の時間情報と、受け取った他車のインデックスの時間情報との照合が行われる。ステップS11における照合の結果、自車の保有する情報の方が新しい場合には、自車の保有する情報が、車車間送受信部20を介して他車に送信される(S12)。
【0023】
スッテプS6におけるインデックス作成の後、ステップS7では、記憶部31に格納されている情報が、一定の時間期限を経過して古くなっていないかどうかが判定される。一定時間内の情報である場合には(S7:YES)、ステップS7において処理はループする。一定の時間期限を超えると(S7:NO)、記憶部31に格納されている情報及び時間情報は破棄され(S8)、受信情報の更新が行われる(S9)。受信情報が更新されることにより、ステップS10ではインデックスが更新される。
【0024】
なお、情報通信装置100は、インフラの情報を未だ取得しておらずインデックスを作成していない場合には、インデックスに代えて、単なる送信要求を定期的に送信しても良い。この場合、インフラの情報を保有する車両が、送信要求を受信した場合には、その車両は自己の保有する情報を、送信要求を発した車両に対して送信する。
【0025】
以上、図3を参照して説明した送受信の制御によれば、情報通信装置100を搭載する車両同士が出合った際に、最新の情報が一方の車両から他方の車両に伝達される。このことが、情報通信装置100を搭載する全ての車両間で行われるので、最新の情報を各車両に次々と伝達することができる。
【0026】
上述の実施形態では、情報通信装置はインデックスまたは送信要求を定期的に送信し、それにより、最新の情報を保有する車両から他の車両へ、最新の情報が渡されるものであった。この変形例として、車両が、自己の保有する情報そのものを定期的に送信する例もあり得る。この場合、出合ったそれぞれの車両は、相手方の車両から一旦情報を受け取り、その後、受け取った情報が最新であるか否かを判定して利用することができる。
【0027】
また、インフラ受信部、車車間受信部、情報処理部、ナビゲーション装置等の各構成ユニットは、情報通信装置内に一体として構成されている場合の他、それぞれの構成ユニットが分かれた装置であり、それぞれの装置が接続されことによって、本発明の情報通信装置がシステムとして構成される場合があることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、車両は、インフラから情報を直に得られなくても、インフラの情報を保有する車両から、インフラの情報の送信を受けることができる。したがって、車両は、インフラの設置されていない場所でも、インフラの情報を取得して活用することができる。
【0029】
本発明の情報通信装置を多くの車両に搭載することで、インフラの設置されていない地域でも、多くの車両にインフラの情報を渡すことができる。このことは、インフラの設置数そのものを減らすことができることを意味する。つまり、本発明の情報通信装置を多くの車両に搭載することで、インフラ整備のコストを削減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、インフラの情報の伝達の一例を説明する為の図である。
【図2】本発明の実施形態としての、情報通信装置の構成を表すブロック図である。
【図3】図2の情報通信装置で実行される、情報の送受信の制御を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 インフラ受信部
14 データ復調部
15 データ処理部
20 車車間送受信部
24 データ変復調部
25 無線制御部
30 情報処理部
31 記憶部
32 マイコン
40 ナビゲーション装置
Claims (4)
- 車両に搭載される情報通信装置であって、
車外に設置された、車両への情報提供を目的とする情報送信機から送信される情報を取得する情報受信手段と、
他の車両との間で信号を送受信する送受信手段と、
前記情報受信手段で取得された前記情報又は前記送受信手段を介して他の車両から取得された前記情報を格納する為の記憶手段と、
前記記憶手段に格納されている前記情報についての時間情報を含むインデックスを作成するインデックス作成手段と、
作成された前記インデックスを前記送受信手段を介して定期的に送信させる一方で、前記送受信手段を介して他の車両から前記インデックスが受信された場合、前記インデックスに含まれる時間情報と、前記記憶手段に格納されている前記情報についての時間情報とを比較し、前記記憶手段に格納されている前記情報についての時間情報の方が、前記インデックスに含まれる時間情報よりも新しい場合には、前記記憶手段に格納されている前記情報を前記送受信手段を介して前記他の車両に対して送信する制御手段と、
前記情報受信手段又は前記送受信手段によって取得された情報を報知する為の報知手段と、
を備えることを特徴とする情報通信装置。 - 内部時計と、
前記情報受信手段で取得された前記情報又は前記送受信手段を介して他の車両から取得された前記情報に時間情報が含まれていない場合に、前記内部時計から得られる時刻を前記時間情報として、前記情報受信手段又は前記送受信手段で取得された前記情報に付加する手段と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報通信装置。 - 前記情報送信機から送信される情報は、VICS(登録商標)に関連する情報であること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報通信装置。
- 前記報知手段は、VICS(登録商標)に関する情報を表示するナビゲーション装置であること、を特徴とする請求項3に記載の情報通信装置。
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