JP4973592B2 - 電気接触子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、電磁開閉器や電磁接触器、回路遮断器に用いられる、電気接触子の製造方法に関する。
例えば、電磁開閉器や電磁接触器等の電気接触子は、可動側接点と固定側接点とが接離して、電気回路が開閉することにより、電気的接続のON,OFF動作がなされるようになっている。これらの各接点は、所定形状をなした可動側台金及び固定側台金にそれぞれ接合されて、支持されている。
従来、台金と接点とを接合させるにあたり、溶接による接合や、機械的な手段による接合などが行われていた。
機械的な手段による接合としては、例えば、かしめ方法やクラッド方法などが挙げられるが、機械的な手段による接合では、接点と台金の接合面積を十分確保しにくいので、電流容量が小さいものに限られる傾向があった。
これに対し、溶接による接合であれば、接点と台金の接合面積を十分確保できる。このため、電流容量が大きなものに対しては、溶接による接合が用いられる傾向にある。溶接方法としては、例えば、超音波溶接、抵抗加熱ろう付、抵抗スポットろう付、抵抗スポット溶接、炉中ろう付、高周波加熱ろう付などが挙げられる。これらの溶接方法のうち、比較的小型の接点(例えば、5mm角(縦5mm×横5mm)の面積)の接合では、超音波溶接、抵抗スポット溶接などが一般的に用いられている。
しかしながら、超音波溶接の場合、接点及び台金の材質の組み合わせによっては、接点と台金との接合性が変わり、接合強度のばらつきが生じてしまうことがあった。接点と台金との接合強度にばらつきが発生すると、接点の電気的開閉寿命に影響が及ぶ。
また、抵抗スポット溶接では、極めて短時間で大電流を流して接合するために、接合面積が大きくなるほど接合強度がばらつき易いという問題があった。
ところで、金属部材同士を接合するための接合方法として、近年、摩擦攪拌接合という接合技術が用いられつつある。摩擦攪拌接合は、先端にピンを突設したツールを、回転させながら接合すべき部材同士の接合部に押し込み、摩擦熱で部材を加熱・軟化させつつ、ピンでツール周囲の部材を攪拌して塑性流動を生じさせて、この塑性流動を介して部材同士を接合させる方法である。
この種の摩擦攪拌接合を行うための装置として、下記特許文献1には、先端部に、軸線に沿って突出するピンを有する接合ツールと、接合ツールをその軸線まわりに回転させる回転用モータと、接合ツールをその軸線方向に移動させる移動用モータとを有し、回転用モータで接合ツールを回転させながら、移動用モータで接合ツールをその軸線方向に移動させ、重ねられた被接合物の所定の接合点に、ピンを押しつけ、摩擦熱でピン周囲の被接合物を加熱、軟化させてピンを挿入し、回転するピンで接合点付近の被接合物を攪拌し、被接合物を接合点で一体化させた後、移動用モータで接合ツールを軸線に沿って引き抜くことによって、被接合物を接合点でスポット接合する接合装置が開示されている。
特開2001−314982号公報
上記の摩擦攪拌接合では、ツール周囲の部材を攪拌して塑性流動を生じさせて、この塑性流動を介して部材同士を接合させるため、これを台金と接点との接合に利用しようとすると、台金が変形、軟化してしまうという問題があった。
また、上記の摩擦攪拌接合では、塑性流動した部材が、接合面からはみ出す場合があるため、はみ出した部分が邪魔になって被取付け部品への取付けが困難になってしまう可能性があった。
更に、塑性流動により両部材を接合するには、ツールの先端を両部材の接合面近傍まで挿入する必要があるので、ツール先端部による被接合物の排除される体積が増え、被接合物の幅方向への変形や厚さ方向への盛上りなどが目立ちはじめ、後工程での部品組立において本来の組立許容精度を満足しないことがあった。
したがって、本発明の目的は、台金が圧延されても、その圧延された部分が台金周縁から大きくはみ出ることを抑制でき、台金と接点との接合強度の安定性が高い電気接触子を生産性よく製造できる、電気接触子の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の電気接触子の製造方法の第1は、治具によって接点及び台金を重ね合わせて支持し、前記台金の前記接点とは反対側の面の前記接点に対応する位置に、所定速度で回転しかつ治具に対して進退動作する回転ツールを回転させながら押し込んで、前記回転ツールと前記台金との摩擦熱により、前記接点と前記台金とを固相拡散接合又は液相拡散接合させた後、前記回転ツールを前記台金から後退させる電気接触子の製造方法であって、前記台金の前記接点とは反対側の面における、前記接点と前記台金との重なり部分の周縁に、段差を介して低くした切欠き面を設け、前記台金の前記回転ツールによって押圧されて圧延された部分を、前記切欠き面に逃がすことを特徴とする。
上記発明によれば、回転ツールと台金との摩擦熱により、接点と台金との接合面を局部的に加熱して、固相拡散接合又は液相拡散接合により接合させるので、台金の内部深くまで軟化又は溶融することはなく、台金の変形を最小限に抑えることができると共に、接合作業を比較的短時間で効率よく行うことができる。
また、台金の回転ツールによって押圧されて圧延された部分を、接点と台金との重なり部分の周縁に形成した切欠き面に逃がすようにしたので、回転ツールによって台金が圧延された部分が、台金の外方にはみ出すことをできるだけ抑制でき、台金が圧延された部分が外方に突出して被取付け部品に取付けられなくなってしまうことを防止できる。
本発明の電気接触子の製造方法の第2は、治具によって接点及び台金を重ね合わせて支持し、前記台金の前記接点とは反対側の面の前記接点に対応する位置に、所定速度で回転しかつ治具に対して進退動作する回転ツールを回転させながら押し込んで、前記回転ツールと前記台金との摩擦熱により、前記接点と前記台金とを固相拡散接合又は液相拡散接合させた後、前記回転ツールを前記台金から後退させる電気接触子の製造方法であって、前記台金の前記接点とは反対側の面における、前記接点と前記台金との重なり部分に、前記回転ツールの端面が入り込むことができる凹部を設け、前記台金の前記回転ツールによって押圧されて圧延された部分を、前記凹部によって保持することを特徴とする。
上記発明によれば、回転ツールと台金との摩擦熱により、接点と台金との接合面を局部的に加熱して、固相拡散接合又は液相拡散接合により接合させるので、台金の内部深くまで軟化又は溶融することはなく、台金の変形を最小限に抑えることができると共に、接合作業を比較的短時間で効率よく行うことができる。
また、台金の、回転ツールによって押圧されて圧延された部分が、前記凹部内に保持されるので、台金が圧延された部分が、台金の外方にはみ出すことを抑制でき、台金が圧延された部分が外方に突出して被取付け部品に取付けられなくなってしまうことを防止できる。
本発明の電気接触子の製造方法においては、前記回転ツールの端面と前記台金との接触面と、前記接点とが重なり合った部分の面積は、前記台金と前記接点とが重なり合った部分の面積の80%以上となるように設定されることが好ましい。これによれば、回転ツールの端面と台金との接触面において摩擦熱が発生し、この摩擦熱は接点と台金との接触面に伝達されて、接点と台金とを固相拡散接合又は液相拡散接合する。この場合、(a)回転ツールの端面と台金との接触面と、(b)接点とが重なり合った部分で両者が接合されるのであるが、その接合面の面積が台金と接点とが重なり合った部分の面積の80%以上となるように設定することにより、台金と接点とを強固に接合することができる。
本発明の電気接触子の製造方法においては、(1)前記接点と前記台金との間にろう材を介在させる、(2)前記接点と前記台金の少なくとも一方の接合面にめっき層を形成する、及び(3)前記接点の接合面にAg系板を接合させる、という手段の少なくとも1つを採用することにより、前記接点と前記台金との間に、ろう材、めっき層及びAg系板から選ばれた少なくとも1種のインサート金属を介在させて、前記接合作業を行うことが好ましい。これによれば、インサート金属を介在させることにより、接点と台金との接合強度の安定性が向上する。この場合、回転ツールと台金との摩擦熱により、インサート金属が溶融しない場合には固相拡散接合がなされ、インサート金属が溶融する場合には液相拡散接合がなされる。
本発明によれば、回転ツールと台金との摩擦熱により、接点と台金との接合面を局部的に加熱して、固相拡散接合又は液相拡散接合により接合させるので、台金の変形を最小限に抑えて、接合作業を比較的短時間で効率よく行うことができる。
また、台金の回転ツールによって押圧されて圧延された部分を、台金周縁に設けた切欠き面に逃がすか、台金に設けた凹部内に保持させるようにしたので、台金の外方にはみ出すことをできるだけ抑制でき、被取付け部品に取付けられなくなってしまうことを防止できる。
以下、図面を参照して、本発明の電気接触子の製造方法について説明する。図1〜6には、本発明の電気接触子の製造方法の第1実施形態が示されている。
この電気接触子の製造方法は、台金1と接点3とを接合させてなる電気接触子を製造することを目的としたものである。図1(a),(b)に示すように、この実施形態における台金1は、略帯状に所定長さで伸びていると共に、その両側部1a,1aが中間部1bに対して外方に折り曲げられた形状をなしている。この実施形態の場合、台金1の両側部1a,1aの下面側に、四角形状をなした接点3,3が接合されるようになっている。それに対応して、台金1の両側部1a,1aの上面側から、回転ツール22が押し込まれるようになっている。
上記台金1の好ましい一態様について、図2を参照して説明する。同2(a)は台金及び接点の平面図、同図(b)は同正面図、同図(c)は(b)のB−B矢示線から見た場合における説明図である。
図2(a),(b)に示すように、台金1の、接点3とは反対側の面における、接点3と台金1との重なり部分の周縁に、段差を介して低くした切欠き面6が設けられている。この切欠き面6は、台金1の両側部1aの長さ方向に沿った両側面にそれぞれ設けられた側部切欠き面6a,6aと、台金1の長さ方向の端部に設けられた端部切欠き面6bとからなり、台金1の、側部切欠き面6aと端部切欠き面6bとの間の角部は切残された部分7,7となっている。なお、この実施形態の場合、各切欠き面6a,6bの、両側に配置された対向する両内面8,8は、それぞれ互いに平行となるように形成されている。
したがって、図2(c)に示すように、後述する回転ツール22は、切欠き面6には当接せず、切欠かれていない面に当接することになる。この場合、上記のように切欠き面6を設けた台金1と、それに接合される接点3とは、次のような関係を有することが好ましい。すなわち、回転ツール22の端面と台金1との接触面と、接点3とが重なり合った部分をK2(以下、「第2重なり部分K2」という)としたとき、その面積をS2とする。また、前述した台金1と接点3とが重なり合った、第1重なり部分K1の面積をS1としたとき、前記第2重なり部分K2の面積S2は、第1重なり部分K1の面積S1の80%以上となるように設定されることが好ましく、80〜150%となるように設定されることがより好ましい。第2重なり部分K2の面積S2が、第1重なり部分K1の面積S1の80%未満の場合は、台金1に形成された切欠き面6が大きすぎるため、台金1と接点3との接合強度を十分に確保できないことがある。
なお、切欠き面6の形状は特に限定されるものではなく、例えば、図3(a)に示すように、各切欠き面6a,6bの、両側に配置された対向する両内面8a,8aが、外方に向かって次第に拡開するようなテーパ状をなしていてもよい。また、図2では、台金1の角部7を切残したが、図3(b)に示すように、台金1の両側部1aの外周に沿って、略コ字状に切欠いた切欠き面6cを設けてもよく、台金1の角部に切り残し部を残さない形状にしてもよい。
図1(a),(b)に示すように、この製造方法では、治具50によって接点3と台金1とを重ね合わせて支持する。治具50は、基台部51と、該基台部51に着脱可能に装着され、台金1を治具50に押え付ける押え部55とを有している。基台部51には、台金1に沿った形状をなし、台金1を位置決め保持する保持凹部52が所定深さで形成されている。また、同保持凹部52の両側には、接点3が嵌め込まれる嵌合凹部53,53がそれぞれ形成されている。押え部55は、前記台金1の中間部1bの上面形状に適合した形状をなしている。そして、基台部51の嵌合凹部53に接点3を嵌め込むと共に、その上に台金1を重ね合わせて配置し、同台金1の中間部1b上面に押え部55を挿入配置して、図示しない固定手段で基台部51に装着することにより、台金1が浮かないように押え付けられて、台金1と接点3とを重ね合わせて支持させる。
治具50の材料としては、セラミックス又はステンレスが好ましく用いられる。これらの材料は耐熱性が高く、熱伝導度が低いので、回転ツール22の先端面が、台金1上を回転する際に生じる摩擦熱が、治具50に伝熱されにくくなる。このため、摩擦熱を、台金1と接点3との接触面に効率良く伝熱させることができ、後述する台金1と接点3との接合を迅速に行うことが可能となる。
本発明において、台金1及び接点3の金属材料としては、特に限定されない。例えば、台金1としては、回転ツールを押し込みやすい金属材料が好ましく用いることができ、Cu又はCu系合金等が一例として好ましく挙げられる。
また、接点3としては、下記表1に示す材料(Ag系材料、Ag-酸化系材料、W系材料、Cd系材料)などが挙げられる。
Figure 0004973592
また、図4に示すように、接点3と台金1との間にインサート金属Mを介在させた状態で、台金1に回転ツール22を押し込んで接点3と台金1とを接合させてもよい。このように、インサート金属Mを介在させることで、接点3と台金1とを比較的短時間で、効率よく接合することができる。
接点3と台金1との間にインサート金属Mを介在させる方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)接点3と台金1との間にろう材を介在させる方法
(2)接点3と台金1の少なくとも一方の接合面にめっき層を形成する方法
(3)接点3の接合面にAg又はAg合金板(以下、Ag系板と記す)を接合させる方法
これらは複数組み合わせて用いてもよい。例えば、めっき層からなるインサート金属と、ろう材からなるインサート金属とを併用する系が好ましく挙げられる。この態様によれば、ろう材の濡れ性をめっき層によって向上させることができるので、例えば、めっき層からなるインサート金属の全体に、ろう材からなるインサート金属が部分的に盛られている場合であっても、回転ツール22の摩擦熱によってろう材が溶融したとき、めっき層上をスムーズに流れて、接合面全体にろう材を行き渡らせることができるので、台金1と接点3との接合作業を迅速かつ安定して行うことができる。
上記(1)の方法において、ろう材としては、銀ろう、りん銅ろうなどを好適に用いることができる。これらのろう材は、回転ツール22の摩擦熱で容易に溶融するので、接点3と台金1とを液相拡散接合によって互いに接合させることができる。ここで、液相拡散接合とは、原子の拡散を利用して接合する拡散接合の一つで、接合すべき部材の接合面間を一時的に溶融・液化させ、液相状態で接合する方法である。
上記(2)の方法において、めっき層としては、銀系メッキ(例えば、銀メッキ)、金系メッキ(例えば、金メッキ)、錫系メッキ(例えば、錫メッキ)、ニッケル系メッキ(例えば、ニッケルメッキ、ニッケルリンメッキ)、クロム系メッキ(例えばクロムメッキ)、亜鉛系メッキ(例えば、亜鉛メッキ、亜鉛ニッケルメッキ)、はんだ系メッキ(例えば、錫銀メッキ、錫鉛メッキ)などを好適に用いることができる。なお、上記各系メッキには、各系の合金メッキも含まれる。例えば、銀系メッキであれば、銀を主成分として、その他の金属が含有された銀系合金からなるメッキを含む。これらのめっき層は、回転ツール22の摩擦熱によって、溶融しないものでも、溶融するものでもよい。摩擦熱によって溶融しないメッキ層(すなわち、融点の高いもの)を用いた場合は、固相拡散接合により接点3と台金1とを接合でき、摩擦熱によって溶融するメッキ層(すなわち、融点の低いもの)を用いた場合は、液相拡散接合により接点3と台金1とを接合できる。
上記(3)の方法において、Ag系板としては、Ag、Ag−Cdなどが挙げられる。また、上記Ag系板を接点3の接合面に接合する方法としては、従来周知の方法で接合方法で接合することができ、例えば、クラッド接合や接着剤等によって接合できる。Ag系板は、融点が高く、回転ツール22の摩擦熱によって溶融しないので、Ag系板を介在させた場合、固相拡散接合により接合される。
治具50によって重ね合わされた接点3及び台金1は、例えば、図5に示す製造装置10にセットされて、該製造装置10によって接合される。
図5(a)の製造装置の概略構成図を参照して説明すると、この製造装置10は、台金1及び接点3を重ね合わせて支持する治具50が固定される固定盤12と、該固定盤12から垂設した柱部14と、該柱部14に水平移動手段17及び昇降手段16を介して昇降可能に支持されたツール支持筒18と、該ツール支持筒18の下方に固定チャック20を介して固定された回転ツール22とを有している。前記ツール支持筒18の上方には、回転手段24が配置されており、その回転軸が固定チャック20を介して前記回転ツール22に連結されている。したがって、回転ツール22は、昇降手段16により、治具50に対して進退可能に昇降動作すると共に、回転手段24により所定速度で回転動作するように構成されている。
また、上記回転ツール22は、図5(b)に示すように、先端に向かって次第に縮径した円柱状をなし、その先端面が平坦な円形状となっている。そして、この回転ツール22は、台金1の接点3とは反対側の面(すなわち、接点3に当接していない面)の、接点3に対応する位置で回転することにより、台金1の上面と回転ツール22の先端面との間に摩擦熱を生じさせつつ、台金1内に押し込まれるようになっている。図2に示すように、回転ツール22の先端面の大きさは、接点3の全面積をカバーできる外径で形成されていることが好ましい。
上記回転ツールの形状は、例えば、図5(c)に示す形状のものでもよい。同図に示す回転ツール22aは、平坦な先端面25の中央から、所定高さで突出すると共に、前記先端面25よりも小径の突起26を有している。この回転ツール22aは、突起26が台金1内部に埋もれて摩擦熱を発生させるようになっているので、台金1の板厚が大きい場合に特に有効である。台金1の板厚が大きいと、接合面に摩擦熱を伝熱するため回転ツールの押込量が多くなるので、台金1が塑性変形することがあるが、先端面25に突起26を設けることで、回転ツールの突起26がより深く押し込まれて接合面に伝熱されるので、台金1の塑性変形をできるだけ抑えることができる。
次に、上記製造装置10を用いた場合における、本発明の電気接触子の製造方法の第一の実施形態について説明する。
まず、各接点3,3を、基台部51の嵌合凹部53,53にそれぞれ嵌め込む。次いで、保持凹部52に台金1を挿入配置して、その両側部1a,1aを各接点3の上面に載置する。そして、台金1の中間部1b上面に押え部55を嵌入して、図示しない固定手段で基台部51に押え部55に装着する。その結果、図1に示すように、接点3と台金1とが重ね合わされて支持される。
上記状態の台金1及び接点3を、製造装置10の固定盤12の所定位置に配置固定した後、回転ツール22を所定速度で回転させながら、台金1に向けて押し込んでいく。そして、回転ツール22の先端面が台金1に接触すると、回転ツール22と台金1との間に摩擦熱が生じ、更に、回転ツール22が回転しながら押し込まれていくことにより、図1(a)の矢印Hに示すように、前記摩擦熱が台金1を通って接点3と台金1との接合面に伝達されて、この接合面が加熱される。
こうして台金1と接点3との接触面に高温の熱と加圧力が付与され、図1に示したようなインサート金属Mが介在していない場合には、台金1と接点3との接合面において固相拡散接合がなされて、固相拡散接合部が生成され、この固相拡散接合部を介して、台金1と接点3とが互いに接合される。ここで、固相拡散接合とは、原子の拡散を利用して接合する拡散接合の一つで、接合面間を溶融させずに、固相状態で接合する方法である。
また、図4に示したようにインサート金属Mが介在している場合には、当該インサート金属Mが摩擦熱によって溶融しない場合には、固相拡散接合により接点3と台金1とを接合することができ、摩擦熱によって溶融する場合には、液相拡散接合により接点3と台金1とを接合することができる。
上記のように本発明では、回転ツール22と台金1との摩擦熱により、接点3と台金1との接合面を局部的に加熱して、固相拡散接合により接合させるので、台金1の内部深くまで軟化又は溶融することはなく、台金1の変形を最小限に抑えることができると共に、接合作業を比較的短時間で効率よく行うことができる。
また、台金1は回転ツール22によって強く押圧されて圧延され、その圧延された部分が台金1の外周縁から大きくはみ出すことがあった。これに対し本発明では、台金1の接点3の反対面に段差を介して低くした切欠き面6を設けたことにより、上記のように回転ツール22によって、台金1が強く押圧されて圧延されても、その押圧された部分1fを、図6(c)に示すように、切欠き面6に入り込ませて逃がすことができるようになっている。その結果、図6(a),(b)に示すように、台金1の圧延された部分1fが、台金1の外周縁からはみ出ることをできるだけ抑制することができ、被取付け部品に取付けられなくなってしまうことを防止することができる。
また、この実施形態では、台金1の両側部1aを囲むようにして、一対の側部切欠き面6a,6aと、端部切欠き面6bとからなる切欠き面6を設けたので、上記の回転ツール22の押し込みにより生じる、台金1の圧延された部分1fを逃がす部分を増加させることができ、同圧延された部分1fをより多く受け入れて、台金1の外周からの出っ張りを効果的に抑制することができる。
なお、図3(a)に示すように、切欠き面6の両内面8a,8aを外方に向かって拡開するテーパ状に形成した場合や、同図(b)に示すように、台金1の両側部1aの外周に沿って、略コ字状に切欠いた切欠き面6cを設けた場合には、回転ツール22により押し潰されて圧延された部分1fを、より効果的に受け入れて逃がすことができる。
また、この実施形態では、回転ツール22の端面と台金1との接触面と、接点3とが重なり合った、第2重なり部分K2の面積S2を、台金1と接点3とが重なり合った、第1重なり部分K1の面積をS1の80%以上となるように設定されているので、台金1と接点3とを強固に接合することができるようになっている。
図7には、本発明の電気接触子の製造方法の第2実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
この実施形態の製造方法は、台金1の、回転ツール22により圧延された部分を、台金1の外方にはみ出すことを抑制するための構造が、前記実施形態と比べて異なっている。図7(a)は、この実施形態に用いられる台金の平面図、(b)は同正面図、(c)は(b)のD−D矢視線から見た場合における断面図、(d)は接合状態における接合部の説明図である。
同図7(a)〜(c)に示すように、この実施形態における台金1は、接点3とは反対側の面における、接点3と台金1との重なり部分に、回転ツール22の端面(先端面を意味する)が入り込むことができる凹部9が設けられている。すなわち、台金1の両側部1a,1aの上面側に、回転ツール22が嵌入可能な凹部9が所定深さで形成されている。
この実施形態により台金1及び接点3を接合する場合には、前記実施形態と同様に、治具50に接点3及び台金1を重ね合わせて支持して、回転ツール22を台金1に対して押し込んでいく。この実施形態では、回転ツール22が凹部9内に挿入されて、その底面に向かって押し込まれていく。すると、凹部9の底面に回転しながら圧入された回転ツール22によって、図7(d)に示すように、凹部9の、回転ツール22の外周部分が、上方にささくれ立つように盛り上がって、圧延された部分1fが生じるが、この圧延された部分1fは、凹部9内周によって保持される。その結果、台金1の圧延された部分1fが、台金1の外方にはみ出すことを抑制することができ、前記実施形態と同様に、被取付け部品に取付けられなくなってしまうことを防止することができる。
本発明の電気接触子の製造方法の第1実施形態において用いられる治具、及び、それに支持される台金と接点とを示しており、(a)は(b)のA−A矢示線における略断面説明図、(b)は平面図である。 同電気接触子の製造方法に用いられる台金及び接点を示しており、(a)はその平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のB−B矢示線から見た場合における説明図である。 本発明の電気接触子の製造方法で用いられる台金の他の例を示し、(a)は他の1例を示す部分拡大図、(b)は他の別の例を示す部分拡大図である。 本発明の電気接触子の製造方法において、台金と接点との間にインサート金属を介在させて接合する例を示す説明図である。 同電気接触子の製造方法に用いられる製造装置を示し、(a)は該製造装置の概略構成図、(b)は回転ツールの形状の一例を示す部分拡大図、(c)は回転ツールの形状の他の例を示す部分拡大図である。 同電気接触子の製造方法によって接合された台金と接点との接合部を示す要部拡大図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のC−C矢示線から見た断面図である。 本発明の電気接触子の製造方法の第2実施形態において用いられる治具、及び、それに支持される台金と接点とを示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(b)のD−D矢示線から見た断面図、(d)は接合状態における接合部の説明図である。
符号の説明
1 台金
1a,1a 両側部
1b 中間部
1f 圧延された部分
3 接点
6 切欠き面
6a 側部切欠き面
6b 端部切欠き面
6c コ字状の切欠き面
7 切残された部分
8,8a 両内面
9 凹部
10 製造装置
12 固定盤
14 柱部
16 昇降手段
18 ツール支持筒
20 固定チャック
22,22a 回転ツール
24 回転手段
25 先端面(端面)
26 突起
50 治具
51 基台部
52 保持凹部
53 嵌合凹部
55 押え部
K1 第1重なり部分(接点と台金との重なり部分)
K2 第2重なり部分(回転ツールの端面と台金との接触面と、接点とが重なり合った部分)
M インサート金属

Claims (4)

  1. 治具によって接点及び台金を重ね合わせて支持し、
    前記台金の前記接点とは反対側の面の前記接点に対応する位置に、所定速度で回転しかつ治具に対して進退動作する回転ツールを回転させながら押し込んで、前記回転ツールと前記台金との摩擦熱により、前記接点と前記台金とを固相拡散接合又は液相拡散接合させた後、前記回転ツールを前記台金から後退させる電気接触子の製造方法であって、
    前記台金の前記接点とは反対側の面における、前記接点と前記台金との重なり部分の周縁に、段差を介して低くした切欠き面を設け、前記台金の前記回転ツールによって押圧されて圧延された部分を、前記切欠き面に逃がすことを特徴とする電気接触子の製造方法。
  2. 治具によって接点及び台金を重ね合わせて支持し、
    前記台金の前記接点とは反対側の面の前記接点に対応する位置に、所定速度で回転しかつ治具に対して進退動作する回転ツールを回転させながら押し込んで、前記回転ツールと前記台金との摩擦熱により、前記接点と前記台金とを固相拡散接合又は液相拡散接合させた後、前記回転ツールを前記台金から後退させる電気接触子の製造方法であって、
    前記台金の前記接点とは反対側の面における、前記接点と前記台金との重なり部分に、前記回転ツールの端面が入り込むことができる凹部を設け、前記台金の前記回転ツールによって押圧されて圧延された部分を、前記凹部によって保持することを特徴とする電気接触子の製造方法。
  3. 前記回転ツールの端面と前記台金との接触面と、前記接点とが重なり合った部分の面積は、前記台金と前記接点とが重なり合った部分の面積の80%以上となるように設定される請求項1又は2記載の電気接触子の製造方法。
  4. (1)前記接点と前記台金との間にろう材を介在させる、(2)前記接点と前記台金の少なくとも一方の接合面にめっき層を形成する、及び(3)前記接点の接合面にAg系板を接合させる、という手段の少なくとも1つを採用することにより、前記接点と前記台金との間に、ろう材、めっき層及びAg系板から選ばれた少なくとも1種のインサート金属を介在させて、前記接合作業を行う請求項1〜3のいずれか1つに記載の電気接触子の製造方法。
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