JP4972921B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子の製造方法に関するものである。
近年、アモルファスシリコン太陽電池に代わるものとして、色素増感型太陽電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の太陽電池(光電変換素子)は、陽極と陰極との間に、正孔輸送層と、色素層と、電子輸送層とを介挿してなり、色素層で発生した正孔および電子を、それぞれ正孔輸送層および電子輸送層を介して取り出すよう構成されている。
このような太陽電池では、その特性(発電効率)の向上の観点から、色素層と、正孔輸送層や電子輸送層とが十分に接触していることが重要となる。
例えば、電子輸送層が多孔質である場合、その空孔内に正孔輸送層が十分に入り込んでいないと、色素層と正孔輸送層とが十分に接触せず、このため、色素層で発生した正孔が効率よく正孔輸送層に受け渡されないという問題が生じる。
かかる問題が生じた場合、太陽電池の発電効率が極端に低下してしまう。
特開2004−235240号公報
本発明の目的は、光電変換効率に優れる光電変換素子を製造し得る光電変換素子の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の光電変換素子の製造方法は、陽極と陰極との間に、電子輸送層と、色素層と、正孔輸送層とを介挿してなる光電変換素子を製造する方法であって、
前記電子輸送層を形成する第1の工程と、
前記電子輸送層に接触するように、前記色素層を形成する第2の工程と、
前記色素層に接触するように、前記正孔輸送層を形成する第3の工程とを有し、
前記第3の工程では、前記正孔輸送層を、前記電子輸送層の前記陰極と反対側から、第1の半導体材料を含有する第1の液状材料をスピンコート法にて供給した後、第2の半導体材料を含有し、前記第1の液状材料より常温での粘度が高い第2の液状材料をインクジェット法にて供給することにより形成することを特徴とする。
これにより、光電変換効率に優れる光電変換素子を製造し得る。また、大掛かりな設備を必要とせず、容易かつ安価にキャリア輸送層を形成することができる。また、光電変換効率により優れる光電変換素子を製造し得る。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第3の工程において、前記第1の半導体材料を、前記電子輸送層の空孔を埋めるように充填することが好ましい。
これにより、第2の液状材料として比較的粘度の高いものを用いた場合でも、色素層と正孔輸送層との接触面積を十分に確保することができる。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第1の液状材料の常温での粘度は、1〜5cPであることが好ましい。
これにより、第1の液状材料が電子輸送層の空孔の深い部分にまでより確実に到達するようになり、得られる光電変換素子は、その光電変換効率がより向上する。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第3の工程において、前記電子輸送層および/または前記第1の液状材料に対して振動を与えつつ、前記第1の液状材料を供給することが好ましい。
これにより、第1の液状材料が電子輸送層の空孔の深い部分にまでより確実に到達するようになり、得られる光電変換素子の光電変換効率の向上効果がより顕著に発揮されるようになる。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記振動を、超音波を用いて与えることが好ましい。
これにより、第1の液状材料を電子輸送層の空孔の深い部分にまでより容易に到達させることができるようになる。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第1の液状材料は、その第1の半導体材料の濃度上昇に伴う粘度上昇率が、前記第2の液状材料の前記第2の半導体材料の濃度上昇に伴う粘度上昇率より低いものであることが好ましい。
これにより、正孔輸送層を形成する際に、第1の液状材料中から溶媒が徐々に揮発しても、第1の液状材料の粘度を十分に低く保持することができ、第1の液状材料の取り扱いが容易となり、正孔輸送層をより容易かつ確実に形成することができる。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第1の半導体材料および前記第2の半導体材料は、いずれも、有機高分子であることが好ましい。
有機高分子は、正孔の輸送能力に優れる点、被覆性および成膜性に優れる点等で好ましい材料である。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第1の半導体材料と前記第2の半導体材料とは、同種の有機ポリマーであり、前記第1の半導体材料の重量平均分子量が前記第2の半導体材料の重量平均分子量より小さいことが好ましい。
これにより、正孔輸送層において界面が形成されないか、または、界面が形成された場合でも界面における2つの有機ポリマーの密着性が極めて高いものとなる。その結果、正孔輸送層全体における正孔の輸送がより円滑かつ確実に行われるようになる。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第1の半導体材料の重量平均分子量は、10000以下であることが好ましい。
これにより、第1の液体材料中の第1の半導体材料の濃度を比較的高くした場合や、不本意に濃度が高くなった場合でも、第1の液状材料の粘度を低く維持することが可能となる。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第2の半導体材料の重量平均分子量は、15000以上であることが好ましい。
このように分子量の大きい有機ポリマーは、特に、正孔の輸送能力に優れるものである。なお、前記上限値を超えて分子量が大きくなると、このものを溶解し得る溶媒の種類が極端に減少することから好ましくない。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記有機ポリマーは、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体またはこれらの誘導体であることが好ましい。
これらの有機ポリマーは、比較的低分子量のものでも、正孔の輸送能力に優れるため、得られる正孔輸送層も、特に正孔の輸送能力に優れたものとなる。
本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第1の半導体材料と前記第2の半導体材料は、同種のものであることが好ましい。
これにより、正孔輸送層において界面が形成されないか、または、界面が形成された場合でも界面における2つの半導体材料の密着性が極めて高いものとなる。その結果、正孔輸送層全体における正孔の輸送がより円滑かつ確実に行われるようになる。
以下、本発明の光電変換素子の製造方法、光電変換素子および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態について詳細に説明する。
まず、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合を一例に説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第1実施形態を示す部分断面図、図2は、図1に示す太陽電池の厚さ方向の中央部付近の断面を示す拡大図、図3は、電子輸送層および色素層の構成を示す模式図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図3中、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図1に示す太陽電池1は、基板2上に設けられた陰極(第1の電極)3と、陰極3と対向して設置された陽極(第2の電極)6と、これらの電極3、6間において、陰極3側に位置する電子輸送層(第1のキャリア輸送層)4と、電子輸送層4と接触する色素層Dと、色素層Dに接触する正孔輸送層(第2のキャリア輸送層)5とを有している。
以下、各部の構成について説明する。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図3中、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
基板2は、陰極3、電子輸送層4、色素層D、正孔輸送層5および陽極6を支持するためのものであり、平板状の部材で構成されている。
本実施形態の太陽電池1では、図1に示すように、基板2および後述する陰極3側から、例えば、太陽光等の光(以下、単に「光」と言う。)を入射させて(照射して)使用するものである。このため、基板2および陰極3は、それぞれ、好ましくは実質的に透明(無色透明、着色透明または半透明)とされる。これにより、光を、後述する色素層Dに効率よく到達させることができる。
基板2の構成材料としては、例えば、ガラス材料、セラミックス材料、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)のような樹脂材料、アルミニウムのような金属材料等が挙げられる。
基板2の平均厚さは、その構成材料、太陽電池1の用途等により適宜設定され、特に限定されないが、例えば、次のように設定することができる。
基板2を硬質材料で構成する場合、その平均厚さは、0.1〜1.5mm程度であるのが好ましく、0.8〜1.2mm程度であるのがより好ましい。また、基板2を可撓性材料で構成する場合、その平均厚さは、0.5〜150μm程度であるのが好ましく、10〜75μm程度であるのがより好ましい。
なお、基板2は、必要に応じて、省略することもできる。
基板2上(基板2の一方の面側)には、陰極3が設けられている。この陰極3は、後述する色素層Dで発生した電子を、電子輸送層4を介して受け取り、これに接続された外部回路10へ伝達する。
陰極3の構成材料としては、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素原子を含有する酸化錫(FTO)、酸化インジウム(IO)、酸化錫(SnO)のような金属酸化物材料、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、銀、金、銅、モリブデン、チタン、タンタルまたはこれらを含む合金のような金属材料、黒鉛のような炭素材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等として)用いることができる。
陰極3の平均厚さは、その構成材料、太陽電池1の用途等により適宜設定され、特に限定されないが、例えば、次のように設定することができる。
陰極3を金属酸化物材料(透明導電性金属酸化物材料)で構成する場合、その平均厚は、0.05〜5μm程度であるのが好ましく、0.1〜1.5μm程度であるのがより好ましい。また、陰極3を金属材料や炭素材料で構成する場合、その平均厚さは、0.01〜1μm程度であるのが好ましく、0.03〜0.1μm程度であるのがより好ましい。
なお、陰極3は、図示の形状に限定されず、例えば、複数の櫛歯を有する形状のもの等であってもよい。この場合、光は、複数の櫛歯同士の間を通過して、色素層Dに到達するので、陰極3は、実質的に透明でなくてもよい。これにより、陰極3の構成材料や形成方法(製造方法)等の選択の幅の拡大を図ることができる。
また、陰極3は、このような櫛歯状の電極と、層状の電極とを組み合わせて(例えば、積層等して)用いることもできる。
陰極3上には、膜状のバリヤ層8と多孔質な電子輸送層4とが、この順で設けられている。
電子輸送層4は、少なくとも色素層Dで発生した電子を輸送する機能を有するものである。
電子輸送層4の構成材料には、無機または有機の各種n型半導体材料を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このうち、無機のn型半導体材料としては、例えば、二酸化チタン(TiO)、一酸化チタン(TiO)、三酸化二チタン(Ti)等の酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)のような酸化物半導体材料が好適である。
これらの中でも、電子輸送層4の構成材料としては、二酸化チタン主成分とするものが好ましい。二酸化チタンは、特に、電子の輸送能力に優れ、また、光に対する感受性が高いので、電子輸送層4自体でも、電子を発生することができる。その結果、太陽電池1は、その発電効率(光電変換効率)がより向上する。
また、二酸化チタンは、その結晶構造が安定しているので、二酸化チタンを主材料とする電子輸送層4では、過酷な環境下に曝された場合でも、経年変化(劣化)が少なく、安定した性能が長期間継続して得られるという利点を有する。
さらに、二酸化チタンとしては、結晶構造がアナターゼ型のものを主成分とするもの、ルチル型のものを主成分とするもの、アナターゼ型のものとルチル型のものとの混合物のいずれであってもよい。
なお、ルチル型の二酸化チタンとアナターゼ型の二酸化チタンとを混合する場合、これらの混合比は、特に限定されないが、重量比で95:5〜5:95程度であるのが好ましく、80:20〜20:80程度であるのがより好ましい。
電子輸送層4は、例えば、前述したようなn型半導体材料の粒状体(粒子)、チューブ状体またはこれらの混合物等の集合体で構成されている。
特に、チューブ状体を用いることにより、電子輸送層4における電子の伝搬スピードを向上させ、その結果、電子と正孔との再結合をより確実に防止または抑制することができる。また、電子輸送層4の比表面積をより増大させることができ、その結果、色素の結合量がより増大する。このようなことから、太陽電池1の発電効率をより向上させることができる。
粒状体を用いる場合、その平均粒径は、1nm〜1μm程度であるのが好ましく、5〜50nm程度であるのがより好ましい。また、チューブ状体を用いる場合、その平均長さを前記範囲とするのが好ましい。これにより、前記効果をより向上させることができる。
また、電子輸送層4の外面および空孔41の内面には、色素層Dから受け取った電子が、再度、色素層Dに移行すること(逆電子移動)を防止または抑制する機能を有するコート層を形成するようにしてもよい。これにより、電子と正孔との再結合をより確実に防止または抑制することができる。
このコート層は、電子輸送層4を構成するn型半導体材料の伝導帯(Conduction Band)の下端電位よりも低い伝導帯の下端電位を有する物質、換言すれば、電子輸送層4を構成するn型半導体材料の伝導帯の下端電位よりも価電子帯(Valence Band)側に、伝導帯の下端電位を有する物質で構成することができる。
このような物質としては、n型半導体材料として二酸化チタンを主成分とするものを用いる場合、金属酸化物が好適であり、例えば、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化ニオブ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化錫等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなコート層の平均厚さは、0.1〜10nm程度であるのが好ましい。
また、粒状体同士、チューブ状体同士、粒状体とチューブ状体との接触界面では、これらが十分に拡散して結合していることが好ましい。これにより、電子輸送層4中において、電子の移動が抑制されるのが防止され、電子と正孔との再結合をより確実に防止または抑制することができる。
これは、例えば、電子輸送層4を形成した後に、粒状体やチューブ状体の表面付近を溶解した後、電子輸送層4を400〜500℃程度で再焼成すること等により行うことができる。
粒状体やチューブ状体の表面付近の溶解には、例えば、塩酸、硝酸、酢酸、フッ酸のような酸溶液や、水酸化ナトリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウムを含有するアルカリ溶液等を用いることができる。
このような電子輸送層4の空孔率は、特に限定されないが、5〜90%程度であるのが好ましく、15〜50%程度であるのがより好ましく、20〜40%程度であるのがさらに好ましい。電子輸送層4の空孔率を、このような範囲に設定することにより、電子輸送層4の比表面積を十分大きくすることができる。これにより、電子輸送層4の外面および空孔41の内面に形成される色素層D(後述参照)の形成面積(形成領域)も十分に大きくすることができる。このため、色素層Dでは、十分な電子を発生させることができるとともに、この電子を効率よく電子輸送層4へ受け渡すことができる。その結果、太陽電池1の発電効率をより向上させることができる。
また、電子輸送層4の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜300μm程度であるのが好ましく、0.5〜100μm程度であるのがより好ましく、1〜25μm程度であるのがさらに好ましい。
バリヤ層8は、電子輸送層4より空孔率が小さく設定されており、これにより、後述する正孔輸送層5(第1の半導体材料)と陰極3との接触を防止または抑制するよう機能する。これにより、漏れ電流の発生が増大するのを防止して、太陽電池1の発光効率の低下を防止することができる。
ここで、バリヤ層8の空孔率をA[%]とし、電子輸送層4の空孔率をB[%]としたとき、B/Aは、1.1以上であるのが好ましく、5以上であるのがより好ましく、10以上であるのがさらに好ましい。これにより、バリヤ層8と電子輸送層4とは、それぞれ、それらの機能をより好適に発揮することができる。
具体的には、バリヤ層8の空孔率Aは、20%以下であるのが好ましく、5%以下であるのがより好ましく、2%以下であるのがさらに好ましい。すなわち、バリヤ層8は、緻密層であるのが好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
さらに、バリヤ層8と電子輸送層4との厚さの比率は、特に限定されないが、1:99〜60:40程度であるのが好ましく、10:90〜40:60程度であるのがより好ましい。換言すれば、バリヤ層8と電子輸送層4との全体におけるバリヤ層8の占める厚さの割合は、1〜60%程度であるのが好ましく、10〜40%程度であるのがより好ましい。これにより、バリヤ層8は、陰極3と正孔輸送層5との接触等による短絡を、より確実に防止または抑制することができるとともに、色素層Dへの光の到達率が低下するのを好適に防止することができる。
具体的には、バリヤ層8の平均厚さ(膜厚)は、0.01〜10μm程度であるのが好ましく、0.1〜5μm程度であるのがより好ましく、0.5〜2μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、前記効果をより向上することができる。
このバリヤ層8の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、電子輸送層4の主たる構成材料である酸化チタンの他、例えば、SrTiO、ZnO、SiO、Al、SnO、CdS、CdSe、TiC、Si、SiC、BN、BN等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、バリヤ層8の構成材料としては、電子輸送層4と同等の電気伝導性を有するものであるのが好ましく、特に、二酸化チタンを主成分とするものがより好ましい。バリヤ層8をこのような材料で構成することにより、色素層Dで発生した電子をより効率よく、電子輸送層4からバリヤ層8へ伝達することができ、その結果、太陽電池1の発電効率をより向上することができる。
このバリヤ層8および電子輸送層4の厚さ方向の抵抗値は、それぞれ、特に限定されないが、バリヤ層8と電子輸送層4との全体(これらの積層体)における厚さ方向の抵抗値が、100Ω/cm以上であるのが好ましく、1kΩ/cm以上であるのがより好ましい。これにより、陰極3と正孔輸送層5との間でのリーク(短絡)をより確実に防止または抑制することができ、太陽電池1の発電効率の低下をより確実に防止することができる。
また、バリヤ層8と電子輸送層4との界面は、明確でなくても、明確であってもよいが、明確でない(不明確である)のが好ましい。すなわち、バリヤ層8と電子輸送層4とは、一体的に形成され、互いに部分的に重なっているのが好ましい。これにより、バリヤ層8と電子輸送層4との間での電子の伝達(受け渡し)を、より確実に(効率よく)行うことができる。
さらに、バリヤ層8と電子輸送層4とは、同一の組成の材料(例えば、二酸化チタンを主とする材料)を用いて作成し、それらの空孔率のみが異なる構成、すなわち、電子輸送層4の一部が、前記バリヤ層8として機能するような構成であってもよい。
この場合、電子輸送層4は、その厚さ方向に、密な部分と粗な部分とを有し、このうち、密な部分がバリヤ層8として機能する。
また、この場合、密な部分は、電子輸送層4の陰極3側に形成されているのが好ましいが、厚さ方向の任意の位置に形成することもできる。
また、この場合、電子輸送層4は、密な部分で粗な部分を挟んだ部分を有する構成のものや、粗な部分で密な部分を挟んだ部分を有する構成のもの等であってもよい。
このような電子輸送層4には、色素を、例えば吸着、結合(共有結合、配位結合)等させることにより、色素層Dが接触して設けられている。
この色素層Dは、受光により、電子と正孔とを発生する受光層であり、図3に示すように、電子輸送層4の外面および空孔41の内面に沿って形成されている。これにより、色素層Dで発生した電子を効率よく電子輸送層4に受け渡すことができる。
この色素層Dを構成する色素としては、顔料および染料を単独または混合して使用することができる。なお、経時的変質、劣化がより少ないという点で顔料を、電子輸送層4への吸着性(電子輸送層4との結合性)がより優れるという点で染料を用いるのが好ましい。
ここで、顔料としては、例えば、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、ペンゾイミダゾロンイエロー、ジニトロアニリンオレンジ、ペンズイミダゾロンオレンジ、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、パーマネントレッド、ナフトールレッド、縮合アゾレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、ベンズイミダゾロンブラウン等のアゾ系顔料、アントラピリミジンイエロー、アントラキノニルレッド等のアントラキノン系顔料、銅アゾメチンイエロー等のアゾメチン系顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン系顔料、イソインドリンイエロー等のイソインドリン系顔料、ニッケルジオキシムイエロー等のニトロソ系顔料、ペリノンオレンジ等のペリノン系顔料、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレット、キナクリドンレッド等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンマルーン等のペリレン系顔料、ジケトピロロピロールレッド等のピロロピロール系顔料、ジオキサジンバイオレット等のジオキサジン系顔料のような有機顔料、カーボンブラック、ランプブラック、ファーネスブラック、アイボリーブラック、黒鉛、フラーレン等の炭素系顔料、黄鉛、モリブデートオレンジ等クロム酸塩系顔料、カドミウムイエロー、カドミウムリトポンイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリトポンオレンジ、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリトポンレッド、硫化等の硫化物系顔料、オーカー、チタンイエロー、チタンバリウムニッケルイエロー、べんがら、鉛丹、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、酸化クロム、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック等の酸化物系顔料、ビリジアン等の水酸化物系顔料、紺青等のフェロシアン化物系顔料、群青等のケイ酸塩系顔料、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット等のリン酸塩系顔料、その他(例えば硫化カドミウム、セレン化カドミウム等)のような無機顔料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、染料としては、例えば、RuL(SCN)、RuLCl、RuLCN、Rutenium535−bisTBA(Solaronics社製)、[RuL (NCSOのような金属錯体色素、シアン系色素、キサンテン系色素、アゾ系色素、ハイビスカス色素、ブラックベリー色素、ラズベリー色素、ザクロ果汁色素、クロロフィル色素等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、前記組成式中のLは、2,2’−bipyridineまたはその誘導体を示す。
色素層Dに接触して、正孔輸送層5が設けられている。この正孔輸送層5は、色素層Dで発生した正孔を捕捉し、輸送する機能を有する。
正孔輸送層5は、全体として層状をなしているが、図2に示すように、電子輸送層4側では、その一部が電子輸送層4の空孔41内に入り込んでいる。これにより、色素層Dと正孔輸送層5との接触面積を増大することができ、色素層Dで発生した正孔(ホール)を、より効率よく正孔輸送層5へ受け渡すことができる。その結果、太陽電池1の発電効率をより向上させることができる。
このような正孔輸送層5の構成材料としては、各種p型半導体材料が用いられ、例えば、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはこれらの誘導体のような有機ポリマーや、チオフェンを骨格に有するデンドリマー等の有機高分子、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、フタロシアニン、ペリレン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、スチルベン、アリールビニル、ピラゾリン、トリフェニルアミン、トリアリールアミン、オリゴチオフェン、フタロシアニンまたはこれらの誘導体等の有機低分子、CuI、AgI、AgBr、CuSCN等の無機材料などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記有機ポリマーは、他のポリマーとの混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
また、正孔輸送層5の平均厚さ(空孔41内に入り込んだ部分を除く)は、特に限定されないが、1〜500μm程度であるのが好ましく、10〜300μm程度であるのがより好ましく、10〜30μm程度であるのがさらに好ましい。
正孔輸送層5上(陰極3と反対側)には、陰極3に対向する陽極6が設けられている。
この陽極6の構成材料としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、銀、金、銅、モリブデン、チタン、タンタルのような金属またはこれらを含む合金、あるいは、黒鉛のような各種炭素材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
陽極6の平均厚さは、その構成材料、太陽電池1の用途等により適宜設定され、特に限定されない。
このような太陽電池1では、光が入射すると、主に色素層Dにおいて、電子が励起され、電子(e)と正孔(h)とが発生する。このうち、電子は、電子輸送層4へ、正孔は、正孔輸送層5へ移動し、陰極3と陽極6との間に、電位差(光起電力)が生じて、外部回路10に、電流(光励起電流)が流れる。
また、このような太陽電池1では、陰極3が正、陽極6が負となるようにして、0.5Vの電圧を印加したとき、その抵抗値が100Ω/cm以上(好ましくは1kΩ/cm以上)となる特性を有するのがより好ましい。このような特性を有する太陽電池1では、陰極3と正孔輸送層5との間での接触等による短絡(リーク)が好適に防止または抑制されていることを示すものであり、その発電効率(光電変換効率)をより向上させることができる。
このような太陽電池1は、例えば、次のようにして製造することができる。
[1] 基板2、陰極3、バリヤ層8および電子輸送層4が積層された積層体を用意する(第1の工程)。
[1−1] まず、基板2を用意し、この基板2上に、陰極3を形成する。
この陰極3は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等により形成することができる。
[1−2] 次に、陰極3上に、バリヤ層8を形成する。
このバリヤ層8は、例えば、ゾル・ゲル法、蒸着(真空蒸着)法、スパッタリング法(高周波スパッタリング、DCスパッタリング)、スプレー熱分解法、ジェットモールド(プラズマ溶射)法、CVD法等により形成することができるが、これらの中でも、ゾル・ゲル法により形成するのが好ましい。
このゾル・ゲル法は、その操作が極めて簡単である。また、ゾル・ゲル法を用いることにより、バリヤ層8を形成するためのバリヤ層形成用材料を、例えば、ディッピング法、滴下、ドクターブレード法、スピンコート法、刷毛塗り、スプレーコート法、ロールコート法等の各種塗布法により供給することが可能であり、大掛かりな装置も必要とせず、所望の膜厚のバリヤ層8を比較的容易に形成することができる。
特に、バリヤ層8の形成には、ゾル・ゲル法の一種であるMetal Organic Deposition(またはDecomposition)法(以下、「MOD法」と略す。)を用いるのが好ましい。
このMOD法によれば、バリヤ層形成用材料中において、バリヤ層8の構成材料の前駆体の反応(例えば、加水分解、重縮合等)が防止されるため、バリヤ層8をより容易かつ確実に(再現性よく)形成することができる。また、得られるバリヤ層8を、緻密な(前記範囲内の空孔率の)ものとすることができる。
バリヤ層8を二酸化チタンを主材料として構成する場合、その前駆体としては、例えば、チタンテトライソプロポキシド(TPT)、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラブトキシド等の有機チタン化合物を用いることができる。
[1−3] 次に、バリヤ層8の上に、電子輸送層4を形成する。
この電子輸送層4は、例えば、前述したような粒状体および/またはチューブ状体を含有する電子輸送層形成用材料を、バリヤ層8上に供給し、脱分散媒の後、焼成すること等により形成することができる。
電子輸送層形成用材料の供給方法としては、前述したような各種塗布法を用いることができる。
[2] 次に、電子輸送層4に接触するように、色素層Dを形成する(第2の工程)。
この色素層Dは、例えば、電子輸送層4に色素を含む液を接触させた後、脱溶媒(または脱分散媒)すること等により形成することができる。
これにより、色素が電子輸送層4の外面および空孔41の内面に、例えば吸着、結合等して、これらの面に沿って色素層Dが形成される。
電子輸送層4に色素を含む液を接触させる方法としては、例えば、色素を含む液中に積層体を浸漬する方法(浸漬法)、電子輸送層4に色素を含む液を塗布する方法(塗布法)、電子輸送層4に色素を含む液をシャワー状に供給する方法等が挙げられる。
色素を含む液を調製する溶媒(または分散媒)としては、例えば、各種水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトニトリル、酢酸エチル、エーテル、塩化メチレン、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、脱溶媒の方法としては、例えば、大気圧または減圧下に放置する方法や、空気、窒素ガス等の気体を吹き付ける方法等が挙げられる。
なお、必要に応じて、積層体に対して、例えば60〜100℃程度の温度で、0.5〜2時間程度、熱処理を施してもよい。これにより、色素をより強固に電子輸送層4に吸着(結合)させることができる。
[3] 次に、色素層Dに接触するように正孔輸送層5を形成する(第3の工程)。
この正孔輸送層5は、色素層Dが形成された電子輸送層4の上側(電子輸送層4の陰極3と反対側)から、第1の半導体材料を含有する第1の液状材料を供給した後、第2の半導体材料を含有する第2の液状材料を供給して形成する。すなわち、正孔輸送層5を液相成膜法により形成する。液相成膜法を用いて正孔輸送層5を形成することにより、色素層Dと正孔輸送層5との接触面積を増大させることができ、色素層Dから正孔輸送層5へ効率よく正孔が受け渡されるようになり、正孔と電子との再結合を確実に防止することができる。このため、太陽電池1は、その発電効率(光電変換効率)が向上する。
このとき、本実施形態では、第1の液状材料として、第2の液状材料より常温での粘度が低いものを用いる。これにより、第1の液状材料(第1の半導体材料)が電子輸送層4の空孔41の深い部分、すなわち、バリヤ層8またはその近傍にまで到達するようになる。その結果、色素層Dと正孔輸送層5との接触面積をより増大させることができ、色素層Dから正孔輸送層5へより効率よく正孔が受け渡されるようになり、正孔と電子との再結合をより確実に防止することができる。このため、太陽電池1は、その発電効率(光電変換効率)がより向上する。
この第1の液状材料の常温での粘度は、1〜5cP程度であるのが好ましく、1〜3cP程度であるのがより好ましい。これにより、第1の液状材料が電子輸送層4の空孔41の深い部分にまでより確実に到達するようになり、前記効果がより顕著に発揮されるようになる。
第1の半導体材料の供給量は、任意であるが、第1の半導体材料は、電子輸送層4の空孔41を埋めるように充填するのが好ましい。これにより、第2の液状材料として比較的粘度の高いものを用いた場合でも、色素層Dと正孔輸送層5との接触面積を十分に確保することができる。
また、このとき、電子輸送層4および第1の液状材料の一方または双方に対して振動を与えつつ、第1の液状材料を供給するようにするのが好ましい。これにより、第1の液状材料が電子輸送層4の空孔41の深い部分にまでより確実に到達するようになり、前記効果がより顕著に発揮されるようになる。
この振動を与える方法としては、例えば、基板2(電子輸送層4)に超音波を与える方法や、超音波を与えた液滴(第1の液状材料)を塗布(供給)する方法のように超音波を用いる方法、機械的に衝撃を与える方法等が挙げられるが、特に、超音波を用いる方法が好ましい。これにより、第1の液状材料を電子輸送層4の空孔41の深い部分にまでより容易に到達させることができるようになる。
第1の液状材料は、第2の液状材料より常温での粘度が低いものであればよいが、特に、その第1の半導体材料の濃度上昇に伴う粘度上昇率が、第2の液状材料の第2の半導体材料の濃度上昇に伴う粘度上昇率より低いものであるのが好ましい。これにより、正孔輸送層5を形成する際に、第1の液状材料中から溶媒が徐々に揮発しても、第1の液状材料の粘度を十分に低く保持することができ、第1の液状材料の取り扱いが容易となり、正孔輸送層5をより容易かつ確実に形成することができる。
また、第1の半導体材料および第2の半導体材料としては、それぞれ、前述した材料の中から、正孔輸送層5に優れた特性が発揮されるように、その組み合わせは任意に選択されるが、第1の半導体材料および第2の半導体材料としては、いずれも、有機高分子を用いるのが好ましい。有機高分子は、正孔の輸送能力に優れる点、被覆性および成膜性に優れる点等で好ましい材料である。
第1の半導体材料および第2の半導体材料として、いずれも有機高分子を用いる場合、第1の液状材料と第2の液状材料との粘度の調製は、例えば、有機高分子の重量平均分子量、有機高分子の種類、有機高分子の濃度、溶媒の種類、塗布時のプロセス温度等のうちの少なくとも1つの条件を適宜設定することにより行うことができる。
一例としては、例えば、I:第1の半導体材料および第2の半導体材料として、同種の有機ポリマーを用い、かつ、第1の半導体材料の重量平均分子量が第2の半導体材料の重量平均分子量より小さいものを選択する方法、II:第1の半導体材料としてデンドリマーを選択し、第2の半導体材料として有機ポリマーを選択する方法等が挙げられるが、特に、Iの方法を用いるのが好ましい。
ここで、一般に、2種の異なる半導体材料を用いて正孔輸送層5を形成した場合、これらの半導体材料の間には界面が形成される。ところが、Iの方法によれば、第1の半導体材料および第2の半導体材料として、同種の有機ポリマーを用いるため、界面が形成されないか、または、界面が形成された場合でも界面における2つの有機ポリマー(半導体材料)の密着性が極めて高いものとなる。また、第2の半導体材料は、比較的分子量が大きいことから、成膜性に優れ、陽極6側において均一かつ均質な層が形成される。このようなことから、正孔輸送層5全体における正孔の輸送がより円滑かつ確実に行われるようになる。また、正孔輸送層5の機械的強度が低下するのを防止することができ、太陽電池1の耐久性および信頼性の向上を図ることができる。
また、Iの場合、第1の半導体材料の重量平均分子量は、10000以下であるのが好ましく、1000〜8000程度であるのがより好ましい。これにより、第1の液体材料中の第1の半導体材料の濃度を比較的高くした場合や、不本意に濃度が高くなった場合でも、第1の液状材料の粘度を低く維持することが可能となる。
一方、第2の半導体材料の重量平均分子量は、15000以上であるのが好ましく、17000〜25000程度であるのがより好ましい。このように分子量の大きい有機ポリマーは、特に、正孔の輸送能力に優れるものである。なお、前記上限値を超えて分子量が大きくなると、このものを溶解し得る溶媒の種類が極端に減少することから好ましくない。
このような有機ポリマーとしては、前述した中でも、特に、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体またはこれらの誘導体が好適に用いられる。これらの有機ポリマーは、比較的低分子量のものでも、正孔の輸送能力に優れるため、得られる正孔輸送層5も、特に正孔の輸送能力に優れたものとなる。
第1の液状材料および第2の液状材料を調製するための溶媒としては、それぞれ、第1の半導体材料および第2の半導体材料を溶解し得るものを適宜選択すればよく、特に限定されない。
なお、第1の半導体材料および第2の半導体材料として、それぞれ、前述したような有機ポリマーを用いる場合には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼンのような芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ブロモベンゼンのようなハロゲン化溶媒、クロロホルム等が挙げられ、これらを単独または混合して用いるのが好適である。
特に、第1の液状材料の調製には、第1の半導体材料の凝集を抑制することができ、第1の半導体材料の溶解度の高く、かつ、低沸点の溶媒を用いるのが好ましい。かかる溶媒としては、例えば、トルエン、クロロホルム、ベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロヘキセンまたはこれらを含む混合溶媒等が好適である。
また、第1の液状材料および第2の液状材料を供給する方法としては、例えば、ディッピング法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ワイヤーバーコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット法、インクジェット法、マイクロコンタクトプリンティング法等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、第1の液状材料の供給方法としては、乾燥時間の制御を行い易いスピンコート法を用いるのが好ましく、第2の液状材料の供給方法としては、先に供給された第1の半導体材料に影響を及ぼし難いインクジェット法を用いるのが好ましい。
また、第1の液状材料および第2の液状材料を供給した後、これらには、必要に応じて乾燥を行うようにしてもよい。
また、第1の液状材料および第2の液状材料は、それぞれ、複数回繰り返して供給するようにしてもよい。
本実施形態では、第1の半導体材料と第2の半導体材料との組み合わせとして、いずれも有機高分子を用いる場合を代表に説明したが、これらの組み合わせとしては、その他、例えば、前者が無機材料であり、後者が有機ポリマーである組み合わせ、前者および後者の双方が無機材料である組み合わせ等が挙げられる。
なお、第1の半導体材料および第2の半導体材料の双方に無機材料を用いる場合も、同種のものを用いるのが好ましい。
また、第2の半導体材料を含有する第2の液状材料を供給した後、さらに、第3の半導体材料を含有する第3の液状材料を供給するようにしてもよい。
[4] 次に、正孔輸送層5の上に、陽極6を形成する(第4の工程)。
この陽極6は、例えば、蒸着法、スパッタリング法、印刷法等を用いることにより、形成することができる。
[5] 次に、陰極3と陽極6とに、それぞれ、外部回路10の端部を接続する。
以上のような工程を経て、第1実施形態の太陽電池(本発明の光電変換素子)1が製造される。
なお、目的とする層を形成するのに先立って、第2実施形態で説明するように、当該層の形状を規定するバンクを形成するようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第2実施形態を示す縦断面図、図5は、図4に示す太陽電池の厚さ方向の中央部付近の断面を示す拡大図である。なお、以下では、説明の都合上、図4および図5中、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
図4に示す太陽電池1’は、基板2’上に、陽極3’と、正孔輸送層(第1のキャリア輸送層)4’と、色素層D’と、電子輸送層(第2のキャリア輸送層)5’と、陰極6’とが、この順で積層されて構成されている。
以下、各部の構成について説明する。
基板2’は、陽極3’と、正孔輸送層4’と、色素層D’と、電子輸送層5’と、陰極6’を支持するためのものであり、平板状の部材で構成されている。
本実施形態の太陽電池1’では、図4に示すように、陰極6’側から、例えば、太陽光等の光(以下、単に「光」と言う。)を入射させて(照射して)使用するものである。このため、基板2’および陽極3’には、特に、透明性は要求されない。
基板2’としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルサルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料や、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料等で構成される透明基板や、アルミナのようなセラミックス材料で構成された基板、ステンレス鋼のような金属基板の表面に酸化膜(絶縁膜)を形成したもの、不透明な樹脂材料で構成された基板のような不透明基板を用いることができる。
基板2’の平均厚さは、その構成材料、太陽電池1’の用途等により適宜設定され、特に限定されないが、例えば、次のように設定することができる。
基板2’を硬質材料で構成する場合、その平均厚さは、0.1〜1.5mm程度であるのが好ましく、0.8〜1.2mm程度であるのがより好ましい。また、基板2’を可撓性材料で構成する場合、その平均厚さは、0.5〜150μm程度であるのが好ましく、10〜75μm程度であるのがより好ましい。
なお、基板2’は、必要に応じて、省略することもできる。
基板2’上には、陽極3’が設けられている。
この陽極3’の構成材料としては、例えば、例えば、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、銀、金、銅、モリブデン、チタン、タンタルのような金属またはこれらを含む合金、あるいは、黒鉛のような各種炭素材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
陽極3’の平均厚さは、その構成材料、太陽電池1’の用途等により適宜設定され、特に限定されない。
陽極3’上には、正孔輸送層4’が設けられている。
正孔輸送層4’は、少なくとも色素層D’で発生した正孔を捕捉し、輸送する機能を有するものである。
正孔輸送層4’の構成材料としては、各種p型半導体材料が用いられ、例えば、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリチオフェン、ポリアルキルチオフェン、ポリヘキシルチオフェン、ポリ(p−フェニレンビニレン)、ポリチニレンビニレン、ピレンホルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾールホルムアルデヒド樹脂またはこれらの誘導体のような有機ポリマーや、チオフェンを骨格に有するデンドリマー等の有機高分子、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、ヘキサセン、フタロシアニン、ペリレン、ヒドラゾン、トリフェニルメタン、ジフェニルメタン、スチルベン、アリールビニル、ピラゾリン、トリフェニルアミン、トリアリールアミン、オリゴチオフェン、フタロシアニンまたはこれらの誘導体等の有機低分子、CuI、AgI、AgBr、CuSCN等の無機材料などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記有機ポリマーは、他のポリマーとの混合物として用いることもできる。一例として、ポリチオフェンを含有する混合物としては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン/スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等が挙げられる。
これらの中でも、正孔輸送層4’は、有機ポリマーを主材料として構成するのが好ましい。有機ポリマーは、正孔の輸送能力に優れることから好ましい。また、有機ポリマーは、比較的耐薬品性(耐溶剤性)に優れることから、後述するように、色素層D’を液相成膜法により形成する場合には、色素層形成用材料の調製に用いる液剤(溶媒または分散媒)の選択の幅が広がる。また、この液剤の選択の幅が広がることにより、色素層D’に用いる色素の選択の幅も広がる。
また、有機ポリマーは、その重量平均分子量が8000以上であるのが好ましく、10000〜15000程度であるのがより好ましい。このように、重量平均分子量が比較的大きいものを用いることにより、前記効果をより向上させることができる。なお、重量平均分子量が前記上限値を超えて大きくなると、有機ポリマーの種類によっては、これを溶解し得る溶剤の種類が極端に少なくなるおそれがある。
このような有機ポリマーとしては、前述したもの中でも、ポリアリールアミンのようなアリールアミン骨格を有するもの、フルオレン−ビチオフェン共重合体のようなフルオレン骨格を有するもの、フルオレン−アリールアミン共重合体のようなアリールアミン骨格およびフルオレン骨格の双方を有するものが好ましい。これらの有機ポリマーは、特に正孔の輸送能力に優れるとともに、耐薬品性にも優れることから好ましい。
また、正孔輸送層4’の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜100μm程度であるのが好ましく、1〜30μm程度であるのがより好ましい。
このような正孔輸送層4’に接触して、色素層D’が設けられている。
この色素層D’は、受光により、電子と正孔とを発生する受光層(感光層)である。
そして、色素層D’と正孔輸送層4’とは、図4に示すように、巨視的には、その界面が、陽極3’とほぼ平行となっており、図5に示すように、微視的には、その界面において、互いに凹凸状に入り込んだ(重なり合った)状態となっているのが好ましい。
これにより、色素層D’と正孔輸送層4’との接触面積が増大し、色素層D’で発生した正孔を効率よく正孔輸送層4’に受け渡すことができる。
この色素層D’を構成する色素としては、顔料および染料を単独または混合して使用することができる。
ここで、顔料としては、例えば、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等のフタロシアニン系顔料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、縮合アゾイエロー、ペンゾイミダゾロンイエロー、ジニトロアニリンオレンジ、ペンズイミダゾロンオレンジ、トルイジンレッド、パーマネントカーミン、パーマネントレッド、ナフトールレッド、縮合アゾレッド、ベンズイミダゾロンカーミン、ベンズイミダゾロンブラウン等のアゾ系顔料、アントラピリミジンイエロー、アントラキノニルレッド等のアントラキノン系顔料、銅アゾメチンイエロー等のアゾメチン系顔料、キノフタロンイエロー等のキノフタロン系顔料、イソインドリンイエロー等のイソインドリン系顔料、ニッケルジオキシムイエロー等のニトロソ系顔料、ペリノンオレンジ等のペリノン系顔料、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンマルーン、キナクリドンスカーレット、キナクリドンレッド等のキナクリドン系顔料、ペリレンレッド、ペリレンマルーン等のペリレン系顔料、ジケトピロロピロールレッド等のピロロピロール系顔料、ジオキサジンバイオレット等のジオキサジン系顔料のような有機顔料、カーボンブラック、ランプブラック、ファーネスブラック、アイボリーブラック、黒鉛、フラーレン等の炭素系顔料、黄鉛、モリブデートオレンジ等クロム酸塩系顔料、カドミウムイエロー、カドミウムリトポンイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムリトポンオレンジ、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムリトポンレッド、硫化等の硫化物系顔料、オーカー、チタンイエロー、チタンバリウムニッケルイエロー、べんがら、鉛丹、アンバー、褐色酸化鉄、亜鉛鉄クロムブラウン、酸化クロム、コバルトグリーン、コバルトクロムグリーン、チタンコバルトグリーン、コバルトブルー、セルリアンブルー、コバルトアルミニウムクロムブルー、鉄黒、マンガンフェライトブラック、コバルトフェライトブラック、銅クロムブラック、銅クロムマンガンブラック等の酸化物系顔料、ビリジアン等の水酸化物系顔料、紺青等のフェロシアン化物系顔料、群青等のケイ酸塩系顔料、コバルトバイオレット、ミネラルバイオレット等のリン酸塩系顔料、その他(例えば硫化カドミウム、セレン化カドミウム等)のような無機顔料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
一方、染料としては、例えば、RuL(SCN)、RuLCl、RuLCN、Rutenium535−bisTBA(Solaronics社製)、[RuL (NCSOのような金属錯体色素、シアン系色素、キサンテン系色素、アゾ系色素、ハイビスカス色素、ブラックベリー色素、ラズベリー色素、ザクロ果汁色素、クロロフィル色素等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、前記組成式中のLは、2,2’−bipyridineまたはその誘導体を示す。
色素層D’の平均厚さは、特に限定されないが、1〜100nm程度であるのが好ましく、20〜50nm程度であるのがより好ましい。
このような色素層D’に接触して、電子輸送層5’が設けられている。
この電子輸送層5’は、色素層D’で発生した電子を捕捉し、輸送する機能を有するものである。
電子輸送層5’の構成材料には、各種n型無機半導体材料および各種n型有機半導体材料を1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
n型無機半導体材料としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al)、酸化スズ(SnO)、ScVO、YVO、LaVO、NdVO、EuVO、GdVO、ScNbO、ScTaO、YNbO、YTaO、ScPO、ScAsO、ScSbO、ScBiO、YPO、YSbO、BVO、AlVO、GaVO、InVO、TlVO、InNbO、InTaOのような金属酸化物、ZnS、CdSのような金属硫化物、CdSeのような金属セレン化物、TiC、SiCのような金属または半導体炭化物、BN、BNのような半導体窒化物等が挙げられる。
また、n型有機半導体材料としては、例えば、1,3,5−トリス[(3−フェニル−6−トリ−フルオロメチル)キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ1)、1,3,5−トリス[{3−(4−t−ブチルフェニル)−6−トリスフルオロメチル}キノキサリン−2−イル]ベンゼン(TPQ2)のようなベンゼン系化合物、フタロシアニン、銅フタロシアニン(CuPc)、鉄フタロシアニンのような金属または無金属のフタロシアニン系化合物、トリス(8−ヒドロキシキノリノレート)アルミニウム(Alq)のような低分子系のものや、オキサジアゾール系高分子、トリアゾール系高分子のような高分子系のもの等が挙げられる。
なお、酸化チタンは、特に、光に対する感受性が高いので、電子輸送層5’を酸化チタンを主材料として構成することにより、電子輸送層5’自体でも、電子を発生することができる。その結果、太陽電池1’の発電効率(光電変換効率)をより向上させることができる。
また、電子輸送層5’の平均厚さは、特に限定されないが、1〜50μm程度であるのが好ましく、5〜30μm程度であるのがより好ましい。
電子輸送層5’上には、陽極3’に対向する陰極6’が設けられている。
この陰極6’の構成材料としては、例えば、インジウムティンオキサイド(ITO)、フッ素原子を含有する酸化錫(FTO)、酸化インジウム(IO)、酸化錫(SnO)のような金属酸化物材料、アルミニウム、ニッケル、コバルト、白金、銀、金、銅、モリブデン、チタン、タンタルまたはこれらを含む合金のような金属材料、黒鉛のような炭素材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて(例えば、複数層の積層体等として)用いることができる。
陰極6’の平均厚さは、その構成材料、太陽電池1’の用途等により適宜設定され、特に限定されないが、例えば、次のように設定することができる。
陰極6’を金属酸化物材料(透明導電性金属酸化物材料)で構成する場合、その平均厚は、0.05〜5μm程度であるのが好ましく、0.1〜1.5μm程度であるのがより好ましい。また、陰極6’を金属材料や炭素材料で構成する場合、その平均厚さは、0.01〜1μm程度であるのが好ましく、0.03〜0.1μm程度であるのがより好ましい。
なお、陰極6’は、図示の形状に限定されず、例えば、複数の櫛歯を有する形状のもの等であってもよい。この場合、光は、複数の櫛歯同士の間を通過して、色素層D’に到達するので、陰極6’は、実質的に透明でなくてもよい。これにより、陰極6’の構成材料や形成方法(製造方法)等の選択の幅の拡大を図ることができる。
また、陰極6’は、このような櫛歯状の電極と、層状の電極とを組み合わせて(例えば、積層等して)用いることもできる。
このような太陽電池1’では、光が入射すると、主に色素層D’において、電子が励起され、電子(e)と正孔(h)とが発生する。このうち、電子は、電子輸送層5’へ、正孔は、正孔輸送層4’へ移動し、陽極3’と陰極6’との間に、電位差(光起電力)が生じて、外部回路10に、電流(光励起電流)が流れる。
このような太陽電池1’は、例えば、次のようにして製造することができる。
以下、本発明の光電変換素子の製造方法を適用した太陽電池1’の製造方法について説明する。
本実施形態では、陽極3’、正孔輸送層4’、色素層D’、電子輸送層5’および陰極6’を、この順で積層して形成する。
ここで、太陽電池を本実施形態とは逆に、電子輸送層から順に積層して製造する場合、
すなわち、電子輸送層を形成した後、さらに、色素層、正孔輸送層、陽極を形成する場合、電子輸送層の構成材料としては、色素層、正孔輸送層、陽極の成膜条件等に耐え得る材料を選択する。
このような太陽電池では、実際には、利用可能な電子輸送層の構成材料としては、化学的に安定な無機半導体材料が選択されている。
これに対して、本実施形態では、電子輸送層5’を形成した後、陰極6’を形成すれば、太陽電池1’が完成する。
したがって、電子輸送層5’の構成材料の選択に際しては、陰極6’の成膜条件を考慮するだけでよいか、または、陰極6’をシート材の接合等により設ける場合には、陰極6’の成膜条件をも考慮する必要がなくなるという利点がある。
このようなことから、本実施形態によれば、電子輸送層5’の構成材料の選択の幅が広がり、色素を適宜選択して組み合わせて用いることにより、発電効率に優れる太陽電池1’を得ることができる。
図6は、図4に示す太陽電池の製造工程を説明するための図(縦断面図)である。なお、以下では、説明の都合上、図6中、上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。
[1] まず、基板2’を用意し、図6(a)に示すように、この基板2’上に、陽極3’を形成する。
この陽極3’は、例えば、プラズマCVD、熱CVD、レーザーCVD等の化学蒸着法(CVD)、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の乾式メッキ法、溶射法のような気相成膜法、電解メッキ、浸漬メッキ、無電解メッキ等の湿式メッキ法、ゾル・ゲル法、MOD法のような液相成膜法、シート材の接合等を用いて形成することができる。
[2] 次に、図6(b)に示すように、正孔輸送層4’を形成する領域を囲むように、陽極3’上にバンク7’を形成する。
本実施形態では、正孔輸送層4’および色素層D’を液相成膜法により形成するため、バンク7’の高さは、正孔輸送層4’および色素層D’の合計の厚さとほぼ等しいか、または、若干大きくなるように設定される。
このバンク7’を設けることにより、形成すべき層の形状を正確に規定することができ、高い寸法精度で、正孔輸送層4’および色素層D’を形成することができる。
バンク7’は、例えば、陽極3’上にレジスト材料を供給(塗布)した後、露光・現像してパターニングすること等により得ることができる。
用いるレジスト材料は、光照射部分が硬化するネガタイプ、光照射部分が溶解するポジタイプのいずれであってもよい。
ネガタイプのレジスト材料としては、例えば、ポリケイ皮酸ビニル、ポリビニルアジドベンザジル、アクリルアミド、ポリイミド、ノボラック樹脂を主成分とするもの(例えば、酸発生剤や架橋剤を含有するノボラック樹脂のような化学増幅型樹脂)等が挙げられ、一方、ポジタイプのレジスト材料としては、例えば、o−キノンジアジドノボラック樹脂、ポリイミド等が挙げられる。
また、照射する光としては、例えば、紫外線(g線、i線)、電子線等が挙げられる。
レジスト材料の供給方法としては、特に限定されず、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の各種塗布法を用いることができる。
なお、ネガ型のレジスト材料を各種印刷法により、形成すべきバンク7’に対応する形状となるように、陽極3’上に選択的に供給することにより、前記現像工程を省略することができる。
[3] 次に、図6(c)に示すように、陽極3’上のバンク7’内側の領域に、液相成膜法により正孔輸送層4’を形成する(第1の工程)。
液相成膜法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、容易かつ安価に正孔輸送層4’を形成することができる。
まず、前述したようなp型半導体材料を含有する液状材料(溶液または分散液)を調製する。
この液状材料の調製に用いる溶媒または分散媒としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素、エチレンカーボネイト等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アクリロニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒のような各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒等が挙げられる。
p型半導体材料として有機ポリマーを用いる場合、これらの中でも、非極性溶媒が好適であり、例えば、キシレン、トルエン、シクロヘキシルベンゼン、ジハイドロベンゾフラン、トリメチルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドン等の芳香族複素環化合物系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
次に、この液状材料を陽極3’上に供給して、液状被膜を形成する。
この液状材料の供給方法(液相成膜法)としては、前述したような塗布法の中でも、特に、インクジェット印刷法(液滴吐出法)を用いるのが好ましい。インクジェット印刷法を用いることにより、液状材料を無駄にすることなく、液状被膜を寸法精度よく形成することができる。
次に、液状被膜中から溶媒または分散媒を除去する。これにより、正孔輸送層4’が得られる。
溶媒または分散媒を除去する方法としては、例えば、大気圧下や減圧下での放置、加熱、不活性ガスの吹付け等が挙げられる。
なお、正孔輸送層4’は、前記第1実施形態で説明したような第1の液状材料および第2の液状材料を用いて形成するようにしてもよい。
[4] 次に、図6(d)に示すように、正孔輸送層4’上に、液体成膜法により色素層D’を形成する(第2の工程)。
液相成膜法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、容易かつ安価に色素層D’を形成することができる。
この色素層D’も、前記正孔輸送層4’と同様に形成することができる。
すなわち、色素層D’を形成する液相成膜法としても、インクジェット印刷法(液滴吐出法)を用いるのが好ましい。インクジェット印刷法を用いることにより、液状材料を無駄にすることなく、液状被膜を寸法精度よく形成することができる。
また、この場合、色素層形成用の液状材料の調製には、前述したような溶媒または分散媒(液剤)の中でも、正孔輸送層4’を膨潤し得るものを用いるのが好ましい。これにより、前述したように、色素層D’と正孔輸送層4’との界面を、微視的に、凹凸状に入り込んだ状態(図5参照)とすることができ、これらの層同士の接触面積を増大させることができる。このため、色素層D’から正孔輸送層4’への正孔の受け渡しがより円滑に行われるようになり、太陽電池1’の発電効率をより向上させることができる。
なお、バンク7’は、前記工程[3]の後、一旦除去した後、改めて新たなものを形成するようにしてもよい。
[5] 次に、図6(e)に示すように、色素層D’上に、電子輸送層5’を形成する(第3の工程)。
この電子輸送層5’は、前記陽極3’と同様にして形成することができる。
[6] 次に、図6(f)に示すように、電子輸送層5’上に、陰極6’を形成する。
この陰極6’も、前記陽極3’と同様にして形成することができる。
なお、電子輸送層5’および/または陰極6’を液相成膜法を用いて形成する場合には、それに応じて、形成するバンク7’の高さを設定するようにすればよい。
また、バンク7’は、太陽電池1’の完成品において、除去することなくそのまま残してもよいし、除去するようにしてもよい。
[7] 次に、陽極3’と陰極6’とに、それぞれ、外部回路10の端部を接続する。
以上のような工程を経て、第2実施形態の太陽電池(本発明の光電変換素子)1’が製造される。
なお、本実施形態では、正孔輸送層4’および色素層D’を液相成膜法により形成する場合について説明したが、本発明では、これらのうちのいずれか一方または双方を液相成膜法以外の方法、例えば、気相成膜法により形成するようにしてもよい。
本発明の電子機器は、このような太陽電池1(または1’)を備えるものである。
以下、図7および図8に基づいて、本発明の電子機器について説明する。
図7は、本発明の電子機器を適用した電卓を示す平面図、図8は、本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)を示す斜視図である。
図7に示す電卓100は、本体部101と、本体部101の上面(前面)に設けられた表示部102、複数の操作ボタン103および太陽電池設置部104とを備えている。
図7に示す構成では、太陽電池設置部104には、太陽電池1(または1’)が5つ直列に接続されて配置されている。
図8に示す携帯電話機200は、本体部201と、本体部201の前面に設けられた表示部202、複数の操作ボタン203、受話口204、送話口205および太陽電池設置部206とを備えている。
図8に示す構成では、太陽電池設置部206が、表示部202の周囲を囲むようにして、太陽電池1(または1’)が複数、直列に接続されて配置されている。
以上、本発明の光電変換素子の製造方法、光電変換素子および電子機器を図示の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、光電変換素子および電子機器を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
また、例えば、本発明の光電変換素子の製造方法では、前記第1および第2実施形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせるようにしてもよい。
なお、本発明の光電変換素子は、太陽電池のみならず、例えば、光センサー、光スイッチのような、光を受光して電気エネルギーに変換する各種素子(受光素子)に適用することができるものである。
また、本発明の光電変換素子では、光の入射方向は、図示のものとは異なり、逆方向からであってもよい。すなわち、光の入射方向は、任意である。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.太陽電池(光電変換素子)の製造
(実施例1)
次のようにして、図1に示す太陽電池を製造した。
−1− まず、寸法:縦30mm×横35mm×厚さ1.0mmのソーダガラス基板を用意した。
そして、このソーダガラス基板を85℃の洗浄液(硫酸と過酸化水素水との混合液)に浸漬して洗浄を行い、その表面を清浄化した。
−2− 次に、ソーダガラス基板上に、蒸着法により、寸法:縦30mm×横35mm×厚さ1μmのFTO電極(陰極:第1の電極)を形成した。
−3− 次に、FTO電極上に、縦30mm×横30mmの領域に、バリヤ層を形成した。これは、次のようにして行った。
まず、チタンテトライソプロポキシドを、2−n−ブトキシエタノールに0.5mol/Lとなるように溶解した。次いで、この溶液に、ジエタノールアミンを添加した。これにより、バリヤ層形成用材料を得た。
なお、ジエタノールアミンとチタンテトライソプロポキシドとの配合比は、2:1(モル比)となるようにした。また、得られたバリヤ層形成用材料の粘度は、3cP(常温)であった。
このバリヤ層形成用材料をスピンコートにより塗布し、塗膜を得た。なお、このスピンコートは、回転数を1500rpmで行った。
次いで、このものをホットプレート上に載置して、160℃で10分間、熱処理を施すことにより塗膜を乾燥した。さらに、480℃で30分間、オーブン内で熱処理を施すことにより、塗膜中に残存する有機成分を除去した。
この乾燥および有機成分の除去を1サイクルとして、10サイクル繰り返して行った。
これにより、空孔率が1%未満のバリヤ層を得た。なお、このバリヤ層の平均厚さは、0.9μmであった。
−4− 次に、バリヤ層上に、このバリヤ層と平面視での形状がほぼ等しい電子輸送層を形成した。これは、次のようにして行った。
まず、ルチル型の二酸化チタン粉末と、アナターゼ型の二酸化チタン粉末とを混合して、二酸化チタン粉末を用意した。
なお、二酸化チタン粉末の平均粒径は、40nmであり、ルチル型の二酸化チタン粉末とアナターゼ型の二酸化チタン粉末との配合比は、60:40(重量比)とした。
また、チタンテトライソプロポキシドを、2−プロパノールに1mol/Lとなるように溶解した。次いで、この溶液に、酢酸と蒸留水とを混合した。
なお、酢酸とチタンテトライソプロポキシドとの配合比は、1:1(モル比)となるように、また、蒸留水とチタンテトライソプロポキシドとの配合比は、1:1(モル比)となるようにした。
次いで、かかる溶液に、予め用意した二酸化チタン粉末を所定量で混合した。さらに、この懸濁液を2−プロパノールで2倍に希釈した。これにより、電子輸送層形成用材料を調製した。
そして、FTO電極およびバリヤ層を形成したソーダガラス基板を、140℃に加熱したホットプレート上に設置し、バリヤ層上に、電子輸送層形成用材料を滴下し、乾燥した。この操作を1サイクルとして、7サイクル繰り返し行った。
これにより、空孔率が34%の電子輸送層を得た。なお、この電子輸送層の平均厚さは、7.2μmであった。
なお、バリヤ層と電子輸送層との全体における厚さ方向の抵抗値は、1kΩ/cm以上であった。
−5− 次に、ソーダガラス基板、FTO電極、バリヤ層および電子輸送層の積層体を、ルテニウムトリスビピジル(色素)の飽和エタノール溶液に浸漬した後、かかるエタノール溶液から取り出し、自然乾燥により、エタノールを揮発した。さらに、80℃、0.5時間、クリーンオーブンで乾燥した後、一晩放置した。これにより、電子輸送層の外面および空孔の内面に沿って色素層を形成した。
−6− 次に、色素層に接触するように、電子輸送層と平面視での形状がほぼ等しい正孔輸送層を形成した。これは、次のようにして行った。
まず、第1の半導体材料としてポリフェニルアミン(重量平均分子量:2000)を、1重量%となるようにトルエンに溶解して第1の液状材料を調製した。また、第2の半導体材料としてポリフェニルアミン(重量平均分子量:20000)を、1重量%となるようにキシレンに溶解して第2の液状材料を調製した。
なお、第1の液状材料の粘度は、2cP(常温)であり、第2の液状材料の粘度は、7cP(常温)であった。また、第1の液状材料は、そのポリフェニルアミンの濃度上昇に伴う粘度上昇率が、第2の液状材料のポリフェニルアミンの濃度上昇に伴う粘度上昇率より低いものであった。
そして、まず、電子輸送層に超音波振動を与えつつ、電子輸送層のFTO電極と反対側から、第1の液状材料をスピンコート法(1000rpm×30秒)により、電子輸送層の空孔を埋めるように供給し、乾燥した。次いで、第2の液状材料をインクジェット法により供給し、乾燥した。
なお、得られた正孔輸送層の平均厚さ(電子輸送層の空孔に入り込んだ部分を除く)は、20μmであった。
−7− 次に、正孔輸送層上に、蒸着法により、寸法:縦30mm×横30mm×厚さ0.1mmの白金電極(陽極:第2の電極)を形成した。
−8− 次に、FTO電極と白金電極とに、それぞれ、外部回路の端部を接続して、太陽電池を完成した。
(実施例2)
第2の液状材料を用いなかった以外は、前記実施例1と同様にして、太陽電池を製造した。
(実施例3)
第1の液状材料を用いなかった以外は、前記実施例1と同様にして、太陽電池を製造した。
2.評価
各実施例で得られた太陽電池に、それぞれ、条件:AM1.5の擬似太陽光を照射して、光電変換効率を求めた。
その結果、実施例2の太陽電池における光電変換効率を「1」とした場合、実施例1の太陽電池における発電効率は約2倍であり、実施例3の太陽電池における発電効率は約0.7倍であった。
なお、第1の半導体材料および第2の半導体材料として、それぞれ、ポリフェニルアミン(ポリアリールアミン)に代えて、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体またはこれらの誘導体を用いて、前記各実施例と同様にして太陽電池を製造し、前記と同様にして評価すると、前記と同様の結果が得られる。
本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第1実施形態を示す部分断面図である。 図1に示す太陽電池の厚さ方向の中央部付近の断面を示す拡大図である。 電子輸送層および色素層の構成を示す模式図である。 本発明の光電変換素子を太陽電池に適用した場合の第2実施形態を示す縦断面図である。 図4に示す太陽電池の厚さ方向の中央部付近の断面を示す拡大図である。 図4に示す太陽電池の製造工程を説明するための図(縦断面図)である。 本発明の電子機器を適用した電卓を示す平面図である。 本発明の電子機器を適用した携帯電話機(PHSも含む)を示す斜視図である。
符号の説明
1……太陽電池 2……基板 3……陰極(第1の電極) 4……電子輸送層 41……空孔 5……正孔輸送層 6……陽極(第2の電極) 8……バリヤ層 10……外部回路 D……色素層 1’……太陽電池 2’……基板 3’……陽極 4’……正孔輸送層 D’……色素層 5’……電子輸送層 6’……陰極 7’……バンク 100……電卓 101……本体部 102……表示部 103……操作ボタン 104……太陽電池設置部 200……携帯電話機 201……本体部 202……表示部 203……操作ボタン 204……受話口 205……送話口 206……太陽電池設置部

Claims (12)

  1. 陽極と陰極との間に、電子輸送層と、色素層と、正孔輸送層とを介挿してなる光電変換素子を製造する方法であって、
    前記電子輸送層を形成する第1の工程と、
    前記電子輸送層に接触するように、前記色素層を形成する第2の工程と、
    前記色素層に接触するように、前記正孔輸送層を形成する第3の工程とを有し、
    前記第3の工程では、前記正孔輸送層を、前記電子輸送層の前記陰極と反対側から、第1の半導体材料を含有する第1の液状材料をスピンコート法にて供給した後、第2の半導体材料を含有し、前記第1の液状材料より常温での粘度が高い第2の液状材料をインクジェット法にて供給することにより形成することを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 前記第3の工程において、前記第1の半導体材料を、前記電子輸送層の空孔を埋めるように充填する請求項1に記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記第1の液状材料の常温での粘度は、1〜5cPである請求項1または2に記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記第3の工程において、前記電子輸送層および/または前記第1の液状材料に対して振動を与えつつ、前記第1の液状材料を供給する請求項1ないし3のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記振動を、超音波を用いて与える請求項4に記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記第1の液状材料は、その第1の半導体材料の濃度上昇に伴う粘度上昇率が、前記第2の液状材料の前記第2の半導体材料の濃度上昇に伴う粘度上昇率より低いものである請求項1ないし5のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 前記第1の半導体材料および前記第2の半導体材料は、いずれも、有機高分子である請求項1ないし6のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 前記第1の半導体材料と前記第2の半導体材料とは、同種の有機ポリマーであり、前記第1の半導体材料の重量平均分子量が前記第2の半導体材料の重量平均分子量より小さい請求項7に記載の光電変換素子の製造方法。
  9. 前記第1の半導体材料の重量平均分子量は、10000以下である請求項8に記載の光電変換素子の製造方法。
  10. 前記第2の半導体材料の重量平均分子量は、15000以上である請求項8または9に記載の光電変換素子の製造方法。
  11. 前記有機ポリマーは、ポリアリールアミン、フルオレン−アリールアミン共重合体、フルオレン−ビチオフェン共重合体またはこれらの誘導体である請求項8ないし10のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
  12. 前記第1の半導体材料と前記第2の半導体材料は、同種のものである請求項1ないし11のいずれかに記載の光電変換素子の製造方法。
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