JP4972140B2 - スカンジア安定化ジルコニアおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
この固体電解質のスカンジア安定化ジルコニアは、同様の固体電解質としてのイットリア安定化ジルコニアと比較して、酸素イオン導電率が高いうえ、機械的強度に優れているという特徴を有している。
この機械的強度を補強するためにスカンジア安定化ジルコニアにドーパントとしてアルミナを固溶した三元系の複合酸化物は、結晶相が立方晶相で安定化され、高温での相変化が現れにくい物質として知られている。例えば、(1−x−y)ZrO2−xSc2O3−yAl2O3(0.07≦x+y≦0.13、かつ0.005≦y<0.02)からなる組成を有し、室温から動作温度の間で立方晶相である酸素イオン導電体は、菱面体晶相のZrO2−Sc2O3系材料のような動作温度でのジルコニアの菱面体晶相から立方晶相への相変化がないため、熱サイクルによる燃料極や空気極との剥離がないことが知られている。(特許文献1参照)
しかし、アルミナは絶縁体であるためにアルミナを添加しないスカンジア安定化ジルコニアに比べて酸素イオン導電率が低下するという問題もあった。この問題を解決するために、アルミナ(Al2O3)に代えてセリア(CeO2)、イットリア(Y2O3)、ガドリニア(Gd2O3)、イッテルビア(Yb2O3)などの稀土類酸化物をスカンジア安定化ジルコニアに固溶させることにより、結晶相を安定化させ、高い酸素イオン導電率と高い機械的強度とを備えた固体電解質が提案されている。すなわち、ジルコニアを主成分とし、これにスカンジア5〜15モル%と、その他の1種または2種以上の上記稀土類酸化物0.5〜5モル%とが配合固溶されるとともに、スカンジアと上記稀土類酸化物との合計配合量を9〜15モル%の範囲にする立方晶相を有する高イオン導電性固体電解質材料が提案されている。(特許文献3参照)
固体電解質型燃料電池は、燃料極と固体電解質と空気極とを重ねた一つの単セルとし、単セルの複数個をインターコネクターによって接続し、積層して一つのモジュールとして使用する。燃料電池の動作温度600℃以上では、燃料極を構成する酸化物の熱膨張率と、固体電解質を構成する酸化物の熱膨張率と、空気極を構成する酸化物の熱膨張率が異なるため、繰り返し使用すると、それぞれの界面において接触抵抗を生じて、エネルギー発電効率が低下するという問題がある。
(1)(ZrO2)1−x−y(Sc2O3)x(AOz)y(ここで、Aはアルミニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、コバルト、マンガンおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、0.02≦x≦0.2、0.005≦y≦0.1、1.0≦z≦2.0である。)で表され、立方晶相と単斜晶相とを含有し、X線回折測定の結果から下記の式(1)より求めた単斜晶相率が1〜30%であり、かつ体積平均粒径が0.28〜3.0μmであることを特徴とするスカンジア安定化ジルコニア粉末。
(4)X線回折測定から求めた立方晶相の(111)面に垂直方向の結晶子の大きさが20〜50nmである、 (1)〜(3)のいずれかに記載のスカンジア安定化ジルコニア粉末。
(8)無機酸が塩酸、硝酸、硫酸、リン酸およびフッ化水素酸からなる群より選択される1種以上の酸である、(6)に記載のスカンジア安定化ジルコニアの製造方法。
(9)(ZrO2)1−x−y(Sc2O3)x(AOz)y(ここで、Aはアルミニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、コバルト、マンガンおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、0.02≦x≦0.2、0.005≦y≦0.1、1.0≦z≦2.0である。)で表され、かつ立方晶相と単斜晶相とを含有し、X線回折測定の結果から下記の式(2)より求めた単斜晶相率が30%超であるスカンジア安定化ジルコニアを、酸素含有雰囲気中600〜1200℃で熱処理することを特徴とする、熱処理されたスカンジア安定化ジルコニアの製造方法。
また、本発明に係る製造方法によれば比較的簡便な方法により、焼成後の粉砕工程で生じた酸素イオン導電率の低い単斜晶相のスカンジア安定化ジルコニアを低減でき、全結晶相中に占める立方晶相の割合が高くなるために酸素イオン導電率を高くすることができる。
したがって、本発明に係るスカンジア安定化ジルコニアは、単斜晶相率が低いため酸素イオン導電率が高く、燃料電池用の固体電解質として有用である。
上記組成式において、Aはアルミニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、マリウム、ガドリニウム、コバルト、マンガンおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、特にアルミニウム、ランタンまたはセリウムが好ましい。また、xは0.02≦x≦0.2であり、さらに好ましくは0.07≦x≦0.15である。yは0.005≦y≦0.1であり、好ましくは0.01≦y≦0.1である。また、zは1.0≦z≦2.0である。
特に環境的な側面、入手し易さの理由から炭酸塩、水酸化物、または酸化物が好ましい。また、原料は1つの元素につき炭酸塩、酸化物、水酸化物、硝酸塩またはアルコキシドなどから選ばれた任意の2種類以上の化合物を元素源として選択することもできる。
次に、秤量した各原料粉末を乾式法または湿式法により粉砕および混合する。
乾式法とは、例えばボールミルを用いて原料粉末を粉砕容器中で粉砕混合する方法である。具体的には、混合容器中に原料粉末を入れ、粉砕混合用のボールを加えて所定時間混合粉砕する。混合粉砕の時間は、粉体に対するボール量や、混合容器(ポット)の回転速度にもよるが、12〜24時間が好ましい。混合粉砕時間が12時間未満であると、均質な原料の混合粉末が得られないので好ましくない。また、24時間超であると原料混合粉末の均質性はそれ以上進まず、生産性が低下するので好ましくない。
また、原料を構成する元素が溶媒に溶出しないので、フッ素系溶剤などの有機溶剤も好ましい。
湿式法の中でも、より均質な原料混合が可能であるので、有機酸または無機酸共存化での粉砕混合が特に好ましい。
湿式法による粉砕混合を行った場合には、分散媒を取り除くために、乾燥処理が必要となる。この乾燥処理は、箱型(棚段)乾燥機またはスプレードライヤーなどを用いて行うことができる。
粗焼成工程においては、焼成炉の温度を20〜800℃/時の昇温速度で目的の焼成温度まで上げる。20℃/時未満であると、目的の焼成温度まで達成するのに時間を要し、生産性が低下するので好ましくない。また、800℃/時を超えると、各温度での反応物質の化学変化が十分に進行しないので好ましくない。
粗焼成時の焼成温度は、300〜500℃が好ましく、350〜450℃がより好ましい。300℃未満であると炭素成分が残留するので好ましくない。また、500℃を超えると構成元素が偏析するので好ましくない。
粗焼成を行う際の焼成炉の雰囲気は、酸素含有雰囲気であり、空気中(大気中)または酸素濃度が20体積%以下の雰囲気中であることが好ましい。酸素濃度が20体積%超であると原料混合粉中の炭素成分が燃焼し、部分的に酸化反応が進む結果、生成物の構成元素が局在化する場合があるので好ましくない。酸素濃度は15体積%以下であるのが好ましい。
次いで、粗焼成工程で得られた酸化物を解砕する。解砕にはカッターミル、ジェットミル、アトマイザーなどの粉砕機を用い、一般に乾式法により行う。解砕後の体積平均粒径としては2〜100μmが好ましい。より好ましくは5〜50μmである。
仮焼成工程においては、焼成炉の温度を100〜800℃/時、好ましくは100〜400℃/時の昇温速度で目的の焼成温度まで上げる。100℃/時未満であると、目的の焼成温度まで達成するのに時間を要し、生産性が低下するので好ましくない。また、800℃/時を超えると、各温度での反応物質の化学変化が十分に進行しない可能性があるので好ましくない。
焼成時間は、4〜24時間が好ましく、8〜20時間がより好ましい。4時間未満であると、炭素成分が残留するので好ましくない。また、24時間超であっても、生成物に変化はないが、生産性が低下するので好ましくない。
仮焼成を所定時間行った後、室温まで降温する。降温速度は、100〜800℃/時が好ましく、100〜400℃/時がより好ましい。100℃/時未満であると生産性が落ちるので好ましくない。また、800℃/時超であると目的とする物質が生成しないので好ましくない。
さらに、この仮焼成粉を本焼成する。
本焼成工程においては、焼成炉の温度を50〜800℃/時、好ましくは100〜400℃/時の昇温速度で目的の焼成温度まで上げる。50℃/時未満であると、目的の焼成温度まで達成するのに時間を要し、生産性が低下するので好ましくない。また、800℃/時を超えると、各温度での反応物質の化学変化が十分に進行せずに、反応物質が不均一な状態で目的の焼成温度に到達するため、焼成物中に副生成物を生じる場合があるので好ましくない。
焼成時間は、4〜24時間が好ましく、5〜20時間がより好ましい。4時間未満であると、未反応物質が目的とする酸化物中に混在し、また、単一の結晶相であっても目的とする結晶相が得られないので好ましくない。また、24時間超であっても、生成物に変化はないが、生産性が低下するので好ましくない。
本焼成を所定時間行った後、室温まで降温する。降温速度は、50〜800℃/時が好ましい。50℃/時未満であると生産性が落ちるので好ましくない。また、800℃/時超であると目的とする物質が生成しないので好ましくない。
次いで、本焼成で得られた酸化物を粗焼成の後に行ったのと同様に解砕する。解砕にはカッターミル、ジェットミル、アトマイザーなどの粉砕機を用い、一般に乾式法により行う。解砕後の体積平均粒径としては2〜200μmが好ましい。より好ましくは5〜50μmである。
本焼成後の粉砕は、ジェットミル、ボールミルなどの粉砕機を用い、まずは乾式法により行うのが好ましい。ボールミルにおけるボールの材質はジルコニアまたはアルミナなどが利用できる。ボールの大きさは2〜20mmが好ましい。より好ましくは2〜5mmの範囲である。
湿式粉砕後の粉体の体積平均粒径は0.2〜20μmが好ましい。より好ましくは0.5〜15μmであり、更に好ましくは1〜10μmである。湿式での粉砕時間は、目的の粒度になるように適宜調整するが、1〜24時間が好ましい。
粉砕により、立方晶相のスカンジア安定化ジルコニアの一部が単斜晶相へと変化する。また、結晶子が一部破壊され、結晶子の大きさが小さくなる。
また、本発明に係るスカンジア安定化ジルコニアは単斜晶相と立方晶相とからなり、下記の式(1)で定義される単斜晶相率が1〜30%である。
単斜晶相の割合が1%未満であると熱膨張率が空気極または燃料極の電極材料と合わないため好ましくなく、30%を超えると酸素イオン導電率が低下するので好ましくない。好ましくは、2〜20%、特に好ましくは、2〜10%である。
D50が0.28μm未満であると高温での熱膨張または熱収縮が大きいので好ましくなく、3.0μmを超えると緻密な固体電解質膜が形成できないので好ましくない。
D50は、スカンジア安定化ジルコニア粉末をイオン交換水中に分散剤を用いて散させ、レーザー回折式の粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
また、本発明に係るスカンジア安定化ジルコニアの900℃における熱膨張率は0.5〜1.5%であることが好ましい。特に好ましくは、0.55〜0.9%である。熱膨張率が1.5%を超えるとその酸化物を成型して燃料電池の固体電解質として用いた場合に、成型体が大きな熱膨張を起こし、電極との間で膨張率が合わず、セル作製時に電極に亀裂が入ったり、大きな接触抵抗を生じるので好ましくない。
熱膨張率は、熱機械的分析装置を用いて測定することができる。
本発明に係るスカンジア安定化ジルコニアは、900℃における熱膨張率が0.5〜1.5%であり、かつ熱収縮開始温度は、860℃以上であるのが特に好ましい。
なお、本発明おいて、熱収縮開始温度とは、熱膨張率の温度依存曲線を温度に対して一次微分し、その値がプラスからマイナスに転じた温度と定義する。
また、本発明に係るスカンジア安定化ジルコニアの導電率は、750℃において、0.08±0.02S/cmであるのが好ましく、850℃において、0.16±0.04S/cmであるのが好ましく,950℃において、0.28±0.07S/cmであるのが好ましい。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウム(ZrO(CO3))と、Sc源としての炭酸スカンジウム(Sc2(CO3)3)と、Ce源としての炭酸セリウム(八水和物)(Ce(CO3)2)・8H2OとをZr:Sc:Ceが原子比で0.89:0.20:0.01となるように原料粉末の合計1614gを秤量した。一方で、原料粉末中に含まれる金属イオンのモル数とその価数の積の合計である当量数と等しい当量数のクエン酸1416gを55℃の純水1.5L(リットル)に加えてクエン酸溶液を調製した。
上記のクエン酸溶液に原料混合粉末を投入し、55℃で2時間反応させた。
反応終了後、得られたスラリーを105℃で48時間脱水乾燥して複合クエン酸塩を得た。
得られた粗焼成粉をカッタ−ミルで解砕し、その後、大気中において、600で10時間仮焼成した。室温から600℃までの昇温速度は300℃/時とし、600℃から室温までの降温速度は300℃/時とした。
得られた仮焼成粉をカッターミルで解砕し、その後、大気中において、1200℃で6時間本焼成した。室温から1200℃までの昇温速度は100℃/時とし、1200℃から室温までの降温速度は100℃/時とした。
この本焼成により得られた(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CeO2)0.01をカッターミルにて解砕した。この解砕粉100gを1L(リットル)のポットに分取した。このポットに直径5mmのジルコニアボールと、フッ素化合物系の有機溶剤である旭硝子社製のAK−225AEを入れて140回転/分の回転速度で20時間ボールミル粉砕した。粉砕したスラリーをステンレス製のバットにあけ、60℃で24時間乾燥した後、カッターミルで解砕した。得られた解砕粉をサンプル1とした。
サンプル1の比表面積を測定するに際して、窒素雰囲気中で300℃で10分間脱気処理を行った。その後、サンプル1の比表面積をMoubntech社製のMacsorb HM Model−1208を用いて窒素吸着法により測定した。サンプル1の比表面積は8.0m2/gであった。
28.26度と31.38度付近に観測された回折ピークは、それぞれ単斜晶相の(111)面と(1,1,−1)面に由来するピークである。一方、30.36度に観測されたピークは立方晶相の(111)面に由来する回折ピークである。単斜晶相の(111)回折ピークに由来するピーク強度(Im(111))と(1,1,−1)回折ピークに由来するピーク強度(Im(1,1,−1))は、それぞれ546cps、737cpsであった。また、立方晶相の(111)回折ピークに由来するピーク強度(Ic(111))は、2346cpsであった。したがって式(1)から計算すると単斜晶相率は35%であった。
また、立方晶相の(111)面の回折ピークの半価幅は0.484度であり、シェラーの式(2)から計算される結晶子の大きさは17nmであった。
サンプル1を平面が20mm×4mmの直方体状の金型に1g充填し、圧力25MPaで一軸成型したものを試料片とした。その試料片を熱機械的分析装置中に設置し、400ml/minの窒素ガス気流中で25℃から1200℃まで2℃/minの昇温速度で昇温することにより熱膨張率の温度依存性を測定した。
サンプル1の熱膨張率の温度依存性を図2に示す。900℃における熱膨張率は0.02%であり熱収縮開始温度は795℃であった。
サンプル1をアルミナ製の焼成容器に移し、大気中において、昇温速度100℃/hで800℃まで昇温し、800℃に達してから6時間熱処理した。その後、降温速度100℃/hで50℃以下まで降温した後に、サンプルを焼成容器から取り出して、カッターミルで粉砕し、サンプル2とした。
熱処理前と同様にしてサンプル2のX線回折測定を行った。サンプル2のX線回折パターンを図3に示す。回折ピーク強度から式(1)を用いて求めた単斜晶率は9%であり、(111)面に垂直方向の結晶子の大きさは28nmであった。
熱処理前と同様にして、サンプル2に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。その結果を図4に示す。サンプル2の900℃における熱膨張率は0.85%であり熱収縮開始温度は900℃であった。
本焼成温度を1025℃とした以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル3(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CeO2)0.01を作成した。
実施例1と同様にしてサンプル3の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル3のD50の値は、0.21μmであり、比表面積は19.0m2/gであった。
サンプル3のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル3の単斜晶率は49%であり、結晶子の大きさは11nmであった。
次いで、サンプル3に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル3の900℃における熱膨張率は−1.30%であり熱収縮開始温度は850℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル4の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル4のD50の値は0.28μmであり、比表面積は11.0m2/gであった。
サンプル4のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル4の単斜晶率は11%であり、結晶子の大きさは23nmであった。
次いで、サンプル4に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル4の900℃における熱膨張率は0.90%であり熱収縮開始温度は890℃であった。
本焼成温度を1130℃とした以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル5(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CeO2)0.01を作成した。
実施例1と同様にしてサンプル5の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル5のD50の値は、0.65μmであり、比表面積は9.2m2/gであった。
サンプル5のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル5の単斜晶率は33%であり、結晶子の大きさは20nmであった。
次いで、サンプル5に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル5の900℃における熱膨張率は0.25%であり熱収縮開始温度は825℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル6の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル6のD50の値は0.56μmであり、比表面積は6.2m2/gであった。
サンプル6のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル6の単斜晶率は8%であり、結晶子の大きさは30nmであった。
次いで、サンプル6に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル6の900℃における熱膨張率は0.89%であり熱収縮開始温度は890℃であった。
実施例1のサンプル1をサンプル7とし、熱処理温度を900℃とした以外は実施例1と同様にしてサンプル7を熱処理した試料をサンプル8とした。
実施例1と同様にしてサンプル8の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル8のD50の値は0.59μmであり、比表面積は5.4m2/gであった。
サンプル8のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル8の単斜晶率は4%であり、結晶子の大きさは36nmであった。
次いで、サンプル8に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル8の900℃における熱膨張率は0.86%であり熱収縮開始温度は950℃であった。
実施例2のサンプル3をサンプル9とし、熱処理温度を900℃とした以外は実施例1と同様にしてサンプル9を熱処理した試料をサンプル10とした。
実施例1と同様にしてサンプル10の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル10のD50の値は0.34μmであり、比表面積は9.0m2/gであった。
サンプル10のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル10の単斜晶率は4%であり、結晶子の大きさは30nmであった。
次いで、サンプル10に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル10の900℃における熱膨張率は0.87%であり熱収縮開始温度は930℃であった。
実施例3のサンプル5をサンプル11とし、熱処理温度を900℃とした以外は実施例1と同様にしてサンプル11を熱処理した試料をサンプル12とした。
実施例1と同様にしてサンプル12の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル12のD50の値は0.58μmであり、比表面積は5.6m2/gであった。
サンプル12のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル12の単斜晶率は2%であり、結晶子の大きさは41nmであった。
次いで、サンプル12に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル12の900℃における熱膨張率は0.91%であり熱収縮開始温度は950℃であった。
実施例1のサンプル1をサンプル13とし、熱処理温度を600℃とした以外は実施例1と同様にしてサンプル13を熱処理した試料をサンプル14とした。
実施例1と同様にしてサンプル14の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル14のD50の値は0.38μmであり、比表面積は7.1m2/gであった。
サンプル14のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル14の単斜晶率は2%であり、結晶子の大きさは21nmであった。
次いで、サンプル14に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル14の900℃における熱膨張率は0.90%であり熱収縮開始温度は850℃であった。
本焼成温度を1400℃とした以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル15を作成した。
実施例1と同様にしてサンプル15の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル15のD50の値は0.40μmであり、比表面積は8.0m2/gであった。
サンプル15のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル15の単斜晶率は31%であり、結晶子の大きさは17nmであった。
次いで、サンプル15に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル15の900℃における熱膨張率は0.02%であり熱収縮開始温度は815℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル16の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル16のD50の値は3.00μmであり、比表面積は2.4m2/gであった。
サンプル16のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル16の単斜晶率は2%であり、結晶子の大きさは27nmであった。
次いで、サンプル16に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル16の900℃における熱膨張率は0.81%であり熱収縮開始温度は893℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとCe源としての炭酸セリウム(八水和物)とをZr:Sc:Ceが原子比で0.975:0.04:0.005となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル17(ZrO2)0.975(Sc2O3)0.02(CeO2)0.005を作製した。
サンプル17のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル17の単斜晶率は33%であり、結晶子の大きさは18nmであった。
次いで、サンプル17に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル17の900℃における熱膨張率は0.02%であり熱収縮開始温度は802℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル18の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル18のD50の値は0.49μmであり、比表面積は6.5m2/gであった。
サンプル18のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル18の単斜晶率は9%であり、結晶子の大きさは30nmであった。
次いで、サンプル18に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル18の900℃における熱膨張率は0.64%であり熱収縮開始温度は910℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとCe源としての炭酸セリウム(八水和物)とをZr:Sc:Ceが原子比で0.88:0.04:0.10となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル19(ZrO2)0.88(Sc2O3)0.02(CeO2)0.10を作製した。
サンプル19のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル19の単斜晶率は35%であり、結晶子の大きさは19nmであった。
次いで、サンプル19に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル19の900℃における熱膨張率は0.10%であり熱収縮開始温度は805℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル20の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル20のD50の値は0.48μmであり、比表面積は6.2m2/gであった。
サンプル20のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル20の単斜晶率は8%であり、結晶子の大きさは24nmであった。
次いで、サンプル20に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル20の900℃における熱膨張率は0.70%であり熱収縮開始温度は913℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとCe源としての炭酸セリウム(八水和物)とをZr:Sc:Ceが原子比で0.795:0.40:0.005のとなるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル21(ZrO2)0.795(Sc2O3)0.20(CeO2)0.005を作製した。
サンプル21のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル21の単斜晶率は40%であり、結晶子の大きさは19nmであった。
次いで、サンプル21に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル21の900℃における熱膨張率は0.20%であり熱収縮開始温度は798℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル22の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル22のD50の値は0.35μmであり、比表面積は5.8m2/gであった。
サンプル22のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル22の単斜晶率は10%であり、結晶子の大きさは22nmであった。
次いで、サンプル22に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル22の900℃における熱膨張率は0.55%であり熱収縮開始温度は920℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとAl源としての水酸化アルミニウム(Al(OH)3)とをZr:Sc:Alが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル23(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(AlO1.5)0.01を作製した。
サンプル23のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル23の単斜晶率は41%であり、結晶子の大きさは15nmであった。
次いで、サンプル23に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル23の900℃における熱膨張率は0.15%であり熱収縮開始温度は820℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル24の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル 4のD50の値は0.40μmであり、比表面積は7.0m2/gであった。
サンプル24のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル24の単斜晶率は12%であり、結晶子の大きさは22nmであった。
次いで、サンプル24に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル24の900℃における熱膨張率は0.80%であり熱収縮開始温度は900℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとLa源としての酸化ランタン(La2O3)とをZr:Sc:Laが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル25(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(LaO1.5)0.01を作製した。
サンプル25のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル25の単斜晶率は40%であり、結晶子の大きさは14nmであった。
次いで、サンプル25に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル25の900℃における熱膨張率は0.00%であり熱収縮開始温度は805℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル26の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル26のD50の値は0.42μmであり、比表面積は6.5m2/gであった。
サンプル26のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル26の単斜晶率は10%であり、結晶子の大きさは24nmであった。
次いで、サンプル26に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル26の900℃における熱膨張率は0.75%であり熱収縮開始温度は940℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとPr源としての炭酸プラセオジム(八水和物)(Pr2(CO3)3)・8H2OとをZr:Sc:Prが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル27(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(PrO1.5)0.01を作製した。
サンプル27のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル27の単斜晶率は31%であり、結晶子の大きさは15nmであった。
次いで、サンプル27に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル27の900℃における熱膨張率は0.40%であり熱収縮開始温度は792℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル28の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル28のD50の値は0.50μmであり、比表面積は5.9m2/gであった。
サンプル28のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル28の単斜晶率は9%であり、結晶子の大きさは29nmであった。
次いで、サンプル28に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル28の900℃における熱膨張率は0.74%であり熱収縮開始温度は931℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとSm源としての炭酸サマリウム(n水和物)(Sm2(CO3)3)・nH2OとをZr:Sc:Smが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル29(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(SmO1.5)0.01を作製した。
サンプル29のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル29の単斜晶率は35%であり、結晶子の大きさは17nmであった。
次いで、サンプル29に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル29の900℃における熱膨張率は0.30%であり熱収縮開始温度は801℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル30の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル30のD50の値は0.51μmであり、比表面積は6.1m2/gであった。
サンプル30のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル30の単斜晶率は7%であり、結晶子の大きさは30nmであった。
次いで、サンプル30に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル30の900℃における熱膨張率は0.70%であり熱収縮開始温度は925℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとGd源としての酸化ガドリニウム(Gd2O3)とをZr:Sc:Gdが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル31(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(GdO1.5)0.01を作製した。
サンプル31のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル31の単斜晶率は40%であり、結晶子の大きさは18nmであった。
次いで、サンプル31に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル31の900℃における熱膨張率は0.00%であり熱収縮開始温度は811℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル32の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル32のD50の値は0.49μmであり、比表面積は6.3m2/gであった。
サンプル32のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル32の単斜晶率は12%であり、結晶子の大きさは35nmであった。
次いで、サンプル32に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル32の900℃における熱膨張率は0.65%であり熱収縮開始温度は912℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとCo源としての炭酸コバルト(CoCO3)とをZr:Sc:Coが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル33(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CoO1.3)0.01を作製した。
サンプル33のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル33の単斜晶率は40%であり、結晶子の大きさは17nmであった。
次いで、サンプル33に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル33の900℃における熱膨張率は−0.03%であり熱収縮開始温度は790℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル34の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル34のD50の値は0.53μmであり、比表面積は5.4m2/gであった。
サンプル34のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル34の単斜晶率は5%であり、結晶子の大きさは40nmであった。
次いで、サンプル34に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル34の900℃における熱膨張率は0.55%であり熱収縮開始温度898℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムとMn源としての炭酸マンガン(Mn2(CO3)3)とをZr:Sc:Mnが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、クエン酸量を変化させた以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル35(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(MnO1.5)0.01を作製した。
サンプル35のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル35の単斜晶率は32%であり、結晶子の大きさは19nmであった。
次いで、サンプル35に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル35の900℃における熱膨張率は0.10%であり熱収縮開始温度は805℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル36の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル36のD50の値は0.48μmであり、比表面積は6.0m2/gであった。
サンプル36のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル36の単斜晶率は10%であり、結晶子の大きさは28nmであった。
次いで、サンプル36に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル36の900℃における熱膨張率は0.64%であり熱収縮開始温度は896℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウムとSc源としての炭酸スカンジウムと銅源としての酸化銅(CuO)とをZr:Sc:Cuが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、クエン酸量を変化させ、本焼成温度を1400℃とした以外は実施例1と同様にして熱処理前のサンプル37(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CuO)0.01を作製した。
サンプル37のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル37の単斜晶率は31%であり、結晶子の大きさは15nmであった。
次いで、サンプル37に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル37の900℃における熱膨張率は0.21%であり熱収縮開始温度は810℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル38の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル38のD50の値は0.50μmであり、比表面積は7.0m2/gであった。
サンプル38のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル38の単斜晶率は13%であり、結晶子の大きさは30nmであった。
次いで、サンプル38に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル38の900℃における熱膨張率は0.50%であり熱収縮開始温度は902℃であった。
クエン酸に代えてリンゴ酸を用いた以外は実施例1と同様にして(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CeO2)0.01である熱処理前のサンプル39を作製した。
実施例1と同様にしてサンプル39の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル39のD50の値は、0.43μmであり、比表面積は8.2m2/gであった。
サンプル39のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル39の単斜晶率は32%であり、結晶子の大きさは18nmであった。
次いで、サンプル39に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル39の900℃における熱膨張率は0.30%であり熱収縮開始温度は793℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル40の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル40のD50の値は0.48μmであり、比表面積は10.0m2/gであった。
サンプル40のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル40の単斜晶率は24%であり、結晶子の大きさは20nmであった。
次いで、サンプル40に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル40の900℃における熱膨張率は1.00%であり熱収縮開始温度は902℃であった。
クエン酸に代えてシュウ酸を用いた以外は実施例1と同様にして(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CeO2)0.01である熱処理前のサンプル41を作製した。
実施例1と同様にしてサンプル41の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル41のD50の値は、0.41μmであり、比表面積は9.0m2/gであった。
サンプル41のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル41の単斜晶率は32%であり、結晶子の大きさは13nmであった。
次いで、サンプル41に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル41の900℃における熱膨張率は0.21%であり熱収縮開始温度は762℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル42の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル42のD50の値は0.40μmであり、比表面積は11.0m2/gであった。
サンプル42のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル42の単斜晶率は25%であり、結晶子の大きさは20nmであった。
次いで、サンプル42に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル42の900℃における熱膨張率は0.92%であり熱収縮開始温度は873℃であった。
クエン酸に代えて硝酸を用い原料混合粉を溶解し、その溶液のpHをアンモニアで中和し十分に均質な原料混合溶液を作成した後、その溶液にシュウ酸を加え原料粉を沈殿させ、この沈殿した原料混合粉を含む溶液をろ過することにより得た原料混合粉を乾燥させ原料混合粉を作製した以外は実施例1と同様にして(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CeO2)0.01である熱処理前のサンプル43を作製した。
実施例1と同様にしてサンプル43の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル43のD50の値は、0.40μmであり、比表面積は8.5m2/gであった。
サンプル43のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル43の単斜晶率は31%であり、結晶子の大きさは12nmであった。
次いで、サンプル43に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル43の900℃における熱膨張率は0.45%であり熱収縮開始温度は792℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル44の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル44のD50の値は0.41μmであり、比表面積は12.0m2/gであった。
サンプル44のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル44の単斜晶率は12%であり、結晶子の大きさは20nmであった。
次いで、サンプル44に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル44の900℃における熱膨張率は1.00%であり熱収縮開始温度は912℃であった。
硝酸に代えて濃度10%のフッ化水素水溶液と濃度50%の硝酸と濃度50%の塩酸との体積比30:40:30の混酸を用いた以外は実施例22と同様にして(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CeO2)0.01である熱処理前のサンプル45を作製した。
実施例1と同様にしてサンプル45の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル45のD50の値は、0.42μmであり、比表面積は8.3m2/gであった。
サンプル45のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル45の単斜晶率は31%であり、結晶子の大きさは15nmであった。
次いで、サンプル45に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル45の900℃における熱膨張率は0.30%であり熱収縮開始温度は765℃であった。
実施例1と同様にしてサンプル46の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル46のD50の値は0.52μmであり、比表面積は11.2m2/gであった。
サンプル46のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル46の単斜晶率は10%であり、結晶子の大きさは21nmであった。
次いで、サンプル46に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル46の900℃における熱膨張率は1.50%であり熱収縮開始温度は886℃であった。
Zr源としてのオキシ炭酸ジルコニウム(ZrO(CO3))と、Sc源としての炭酸スカンジウム(Sc2(CO3)3)と、Ce源としての炭酸セリウム(八水和物)(Ce(CO3)2)・8H2OとをZr:Sc:Ceが原子比で0.89:0.20:0.01となるように秤量し、ボールミルを用いて12時間粉砕混合した。
この本焼成により得られた(ZrO2)0.89(Sc2O3)0.10(CeO2)0.01を実施例1と同様にしてサンプル47とした。
サンプル47のX線回折測定を行った。式(1)を用いて求めたサンプル47の単斜晶相率は33%であり、(111)面に垂直方向の結晶子の大きさは19nmであった。
次いで、サンプル47に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。900℃における熱膨張率は0.40%であり、熱収縮開始温度は773℃であった。
サンプル47を実施例1と同様に800℃、6時間熱処理した試料をサンプル48とした。
実施例1と同様にしてサンプル48の粒度分布、比表面積を測定した。サンプル48のD50の値は0.60μmであり、比表面積は10.5m2/gであった。
次いで、サンプル48に対して熱膨張率の温度依存性を測定した。サンプル48の900℃における熱膨張率は1.20%であり、熱収縮開始温度は895℃であった。
D50は熱処理後大きくなる傾向があった。例えば、熱処理前のサンプル1のD50は0.40μmであったが、800℃で熱処理したサンプル2では0.48μmとなった。また、900℃で熱処理した実施例4のサンプル8では0.56μmとなった。
比表面積は熱処理により小さくなった。例えば、熱処理前のサンプル1の比表面積は8.0m2/gであったが、800℃で熱処理したサンプル2では6.0m2/gとなった。また、900℃で熱処理した実施例4のサンプル8では5.4μmとなった。
熱処理温度の上昇により、粒子が焼結したためにD50が増加し、比表面積が減少したものと考えられる。
結晶子の大きさは熱処理により大きくなった。例えば、熱処理前のサンプル1の結晶子は17nmであったが、800℃で熱処理したサンプル2では28nmとなった。熱処理により結晶性が高くなったと考えられる。
実施例1〜24において、最後の熱処理を行わなかった他は実施例1〜24と同様にして、熱処理前のスカンジア安定化ジルコニアを作製した。熱処理前のスカンジア安定化ジルコニアの、組成、本焼成の焼成温度、平均粒径、比表面積、単斜晶相率、結晶子の大きさ、900℃における熱膨張率、及び熱収縮開始温度を表1に示した。
Claims (9)
- 900℃における熱膨張率が0.5〜1.5%である、請求項1に記載のスカンジア安定化ジルコニア粉末。
- 熱収縮開始温度が860℃以上である、請求項1または2に記載のスカンジア安定化ジルコニア粉末。
- X線回折測定から求めた立方晶相の(111)面に垂直方向の結晶子の大きさが20〜50nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスカンジア安定化ジルコニア粉末。
- (ZrO2)1−x−y(Sc2O3)x(AOz)y(ここで、Aはアルミニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、コバルト、マンガンおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、0.02≦x≦0.2、0.005≦y≦0.1、1.0≦z≦2.0である。)で表されるスカンジア安定化ジルコニアの製造方法において、スカンジア安定化ジルコニアを構成する金属元素を含有する原料化合物を混合し、酸素含有雰囲気中1000〜1400℃で焼成した後、得られた焼成粉を粉砕し、酸素含有雰囲気中600〜1200℃で熱処理することを特徴とするスカンジア安定化ジルコニアの製造方法。
- (ZrO2)1−x−y(Sc2O3)x(AOz)y(ここで、Aはアルミニウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウム、コバルト、マンガンおよび銅からなる群より選択される少なくとも1種の元素であり、0.02≦x≦0.2、0.005≦y≦0.1、1.0≦z≦2.0である。)で表されるスカンジア安定化ジルコニアの製造方法において、水酸化物、酸化物または炭酸塩のいずれか1種以上であるスカンジア安定化ジルコニアを構成する金属元素を含有する原料化合物を有機酸または無機酸の溶液に加えて、該原料化合物と有機酸または無機酸とを反応させ、中間生成物である複合有機酸塩または複合無機酸塩を製造し、中間生成物を乾燥し、酸素含有雰囲気中1000〜1400℃で焼成した後、得られた焼成粉を粉砕し、酸素含有雰囲気中600〜1200℃で熱処理することを特徴とするスカンジア安定化ジルコニアの製造方法。
- 有機酸がクエン酸、リンゴ酸、ギ酸、酢酸およびシュウ酸からなる群より選択される1種以上の酸である、請求項6に記載のスカンジア安定化ジルコニアの製造方法。
- 無機酸が塩酸、硝酸、硫酸、リン酸およびフッ化水素酸からなる群より選択される1種以上の酸である、請求項6に記載のスカンジア安定化ジルコニアの製造方法。
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