JP4970411B2 - ブロックマットの製造方法 - Google Patents
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Description
ブロックマットは、略四角錐台のコンクリートブロックを長尺矩形の基布シートの表面に、その縦横に沿わせて多数配列して設けたブロック一体型の地表侵食防止用マットである。
このブロックマットを用いて護岸を施工する場合、施工対象となる岸辺の法面に、ブロックマットを配置するだけで一挙に広い領域に渡って多数のコンクリートブロックが敷設できるため、極めて短期間で護岸の構築が可能である。
生コンが養生により硬化する際に、コンクリートブロックが基布シートの一部を噛み込むため、養生が完了しブロックマットが完成したときには基布シートと生コンとが一体化している。
この余剰水であるブリーディング水(不純物も含んでいる)は、基布シートを押し上げて基布シートと生コンとの間に隙間を形成し、いわゆる「浮き」現象を生じさせる。すなわち「浮き」現象は、製品となった場合のコンクリートブロックと基布シートとの結合強度(剥離強度)を低下させる欠点がある。
しかしながらこの方法は、ブロックマットに取り付けられた全てのコンクリートブロックに対してステープル等の留め具を打ち込む必要があるため、余分な手間がかかる。また使い捨ての留め具を使うためコストも嵩む。
すなわち、基布シートとコンクリートブロックとの結合力(剥離力)が強く、且つ効率の良いブロックマットの製造方法を提供することを目的とする。
を備えるブロックマットの製造方法において、シート敷設工程と養生工程との間に、基布シートに荷重部材を載置して荷重を与える荷重部材載置工程を加えるブロックマットの製造方法であって、荷重部材載置工程の前に、基布シートの上に通風性構造体を載置する通風性構造体載置工程を有するブロックマットの製造方法に存する。
方法。
従って、生コンの養生が完了するまでの間、基布シートは生コンに常に圧着した状態で維持されるため、強固にコンクリートブロックと結合される。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、ブロックマットの製造工程を示すフローチャートである。
(生コン投入工程)
先ず、生コン投入工程について説明する。
この生コン投入工程では、コンクリートブロックを製造するための型枠2(図8、図9参照)を用意し、それを水平に調節された作業架台1の上に載置する(図2A参照)。
作業架台1への型枠の載置が完了したら、ホッパー等の生コン投入機を用いて生コンを型枠2全体に満遍なく投入する(図2B参照)。
そしてこのとき、投入された生コンに振動を加えることにより、生コンの投入時に生コン内に形成された微細な空隙に閉じ込められた空気を外に逃がし、脱泡を行う。
なお作業架台1には振動機(図示略)が、例えば、作業架台1の対角線上に一対設けられており、その上に載置された型枠2全体に振動を与えることができる。
生コン投入工程が完了したら、次に生コンの表面を水平にする「均し」を行う(図2C参照)。
この均し工程では、前述の振動機により型枠に振動を与えて脱泡を行いながら、図示しない掻き等の均し具を用いて生コンの表面の盛り上がった箇所の生コンを窪んでいる箇所へ移動させて表面全体を水平に均す作業が行われる。
そして、生コンの表面全体が型枠全体に渡って水平に均されたら、この工程は完了する。
均し工程が完了した後、型枠2に投入された生コンの上に基布シート3を敷設する(図2D参照)。
この基布シート3の敷設は、生コン投入や均し工程とは別場所で行うことが好ましい。
その場合は、生コンの投入された型枠2を吊り上げて別場所に移動させる。
型枠2は型枠を受ける台材1Aを置いてその上に載せるとよい。
このシート敷設工程においては、型枠2には生コンの充填されたブロック用凹部21が多数並んでいるので、基布シート3は全てのブロック用凹部21をカバーするに十分な大きさ(幅、長さ)が必要である。
そして長さ方向に関しては型枠2の長さよりも長く(例えば約50cm以上)、使用する。
このときのはみ出した部分31は、ブロックマットを吊り上げる際に治具によって把持される。
このシート敷設工程では、基布シート3を敷設した後、ローラー等で基布シート3の上をなぞって生コンに基布シート3を満遍なく馴染ませることが好ましい。
以上により、シート敷設工程が完了する。
シート敷設工程が完了し、打設した生コンの上に基布シート3が敷設されたら、次に基布シート3の上に通風性構造体4を載置する(図2E参照)。
通風性構造体4は、全てのブロック用凹部21に投入された生コンに当接した基布シート3に対応する十分な大きさ(幅、長さ)を有する。
そのため、通風性構造体4を型枠2上の基布シート3の全面に渡って当接することができる。
通風性構造体4の載置が完了したら、この工程は完了となる。
このような構造の通風性構造体4は、合成樹脂モノフィラメントFにより立体状に形成されているため厚み方向に一定の弾性を有し、しかも必然的に内部に空隙が多く形成されるため、その空隙が気体や液体の通る流通路の機能を果たすことができる。
より具体的には、養生中にこの空隙が生コンと基布シート3との境界部に発生するブリーディング水や不純物を型枠2の外に排出する排水し、基布シート3の浮きの発生を抑制することができるのである。
また空隙は後述する蒸気養生を行う際の蒸気の通路としても機能するため、ブロックマットの養生時間の短縮にも寄与するのである。
さらに、コンクリート面の保温を行う効果も得られる。
通風性構造体載置工程が完了し、通風性構造体4が載置されたら、通風性構造体4の上に荷重部材5を載せる(図2F参照)。
この荷重部材載置工程で用いられる荷重部材5は、通風性構造体4を型枠2に投入された生コン面に対し、通風性構造体4を押さえ付ける機能を果たす。
そのため通風性構造体4全体に均等に圧力が加わるように、極力、通風性構造体4と均等に接する荷重部材5を用いることが好ましい。
荷重部材5は通風性構造体4とほぼ同じ大きさのものが採用される。
この荷重部材5は、通風性構造体4の上に載置されて生コンと基布シート3との養生が完了するまでその状態が維持される。
従って、従来のような基布シート3の浮きの発生が極力抑えられ基布シート3とコンクリート面とがよく馴染むため、基布シート3と硬化したコンクリートブロックとの結合力が増大することとなる。
その結果、製品となった場合の基布シート3とコンクリートブロックとの間の結合強度が増大するのである。
荷重部材載置工程が完了し、通風性構造体4の上に荷重部材5が載置されたら、次に生コンの養生が行われる(図2G参照)。
この養生工程においては、蒸気養生を行えるように、養生中に外気と遮断するための図に示すような養生シートが使用される。
この養生シートを通風性構造体4の上から被せることによって、型枠2を含む全体が外気と遮断されるため、養生シートに囲まれた領域に加熱蒸気が吹き込まれることにより蒸気養生が可能となり生コンが効率良く硬化される。
なおこのとき、養生シートが型枠2からずれないように、養生シート上に押さえ用の錘を載せる場合もある。
この養生工程で用いられる養生シートは薄い通気遮断シート(例えば、ブルーシート等)が採用される。
脱型すると、基布シート3とコンクリートブロック7とが一体となったブロックマットMが完成する(図4参照)。
本発明のブロックマットの製造方法は、生コンの上に基布シート3及び通風性構造体4が載置された型枠2を複数個用いることも可能である。
この方法によって、積み上げた多数の型枠2の生コンを一挙に養生できるので、製造効率が極めて大となる。
この複数の型枠2を用いたブロックマットの製造方法について以下述べる。
図5は、ブロックマットの製造工程を示すフローチャートである。
ここで型枠2(第1段)は前述した図2A〜図2Eの工程を経たものである。
そして更に、その型枠2(第2段)に上に、同様に生コンが投入されて基布シート3及び通風性構造体が載置された更に別の型枠2(第3段)を載置する。
以下、これを繰り返し必要な段数まで型枠2を積み上げ載置する(図6C参照)(型枠積み上げ工程)。
その後、最上段の型枠2において基布シート3の上に荷重部材5を載置して荷重を与える(図6D参照)(荷重部材載置工程)。
型枠2積み上げ工程が完了すると養生が行われる。
この養生工程においては、図に示すように養生中に外気と遮断するための養生シートを通風性構造体4の上から被せる(図6E参照)。
これにより蒸気養生が可能となり養生が促進されることは、前述の実施の形態と同じである。
以上、述べたブロックマットの製造方法では、型枠2を積み上げる方式のため、型枠2一つ分のスペースで複数個のブロックマットを一度に製造することが可能となる。
積み上げる型枠2に応じたブロックマット数を効率良く製造できる利点は大きい。
また、基布シート3に対する通風性構造体4の押圧力も下段に位置する程大きなものとなる。
その結果、排水能力や蒸気の通り易さに差が生じたり、或いは基布シート3とコンクリートブロックとの結合強度に差が出たりして均一な製品とならない場合が生じる。
規制突起22が設けられているため、一定の大きさ以上の荷重が通風性構造体4に加わると、図7の説明図に示すように、当初、通風性構造体4によって支持されていた上段の型枠2はその下にある下段の型枠2に接し、規制突起22によって支持されるようになる(7A→7B)。
なお図は型枠の幅方向から見た状態で説明しているが、この場合、基布シート3と通風性構造体を面一に示したが、基布シート3は通風性構造体より横長にすることも当然可能である。
この状態になると、多数の型枠2が積み上げられても通風性構造体4に加わる圧力はどの段でも常に一定となる。
そのため、各段とも、通風性構造体4の排水能力や基布シート3に対する通風性構造体4の押圧力も一定となり、各段によるブロックマットの品質のバラツキがなくなる。
また、通風性構造体については、荷重部材側が基布シート側より高密度である構造がより好ましい。
通風性構造体の高密度の部分は、変形が少なく荷重部材からの荷重を極力均等に受けることができるからであり、他方の基布シート側はブリーディング水や不純物の浮き上がりを助けるために密度が少なくて良いからである。
また型枠の周縁部下面に設けた規制突起は、通風性構造体に加わる圧力がどの段でも常に一定となればよく、その意味で型枠と別体のものとすることも可能である
2…型枠
21…ブロック用凹部
22…規制突起
3…基布シート
31…はみ出した部分
4…通風性構造体
5…荷重部材
6…養生シート
7…コンクリートブロック
F…合成樹脂モノフィラメント
M…ブロックマット
Claims (6)
- 型枠に生コンを投入する生コン投入工程と、
型枠に投入した生コンの表面を水平に均す均し工程と、
型枠に投入した生コンの上に基布シートを敷くシート敷設工程と、
型枠に投入した生コンを養生させる養生工程と、
を備えるブロックマットの製造方法において、
シート敷設工程と養生工程との間に、基布シートに荷重部材を載置して荷重を与える荷重部材載置工程を加えるブロックマットの製造方法であって、
荷重部材載置工程の前に、基布シートの上に通風性構造体を載置する通風性構造体載置工程を有することを特徴とするブロックマットの製造方法。 - 生コンが投入され基布シート及び通風性構造体が載置された型枠を複数個としたことを特徴とする、請求項1記載のブロックマットの製造方法。
- 通風性構造体が、合成樹脂モノフィラメントにより形成されていることを特徴とする、請求項1記載のブロックマットの製造方法。
- 通風性構造体は、荷重部材側が基布シート側より高密度であることを特徴とする、請求項1記載のブロックマットの製造方法。
- 前記型枠の周縁部下面に、通風性構造体の厚みより小さい規制突起を設けて、通風性構造体の圧縮規制を行うことを特徴とする、請求項1記載のブロックマットの製造方法。
- 養生工程において、生コン投入した型枠、基布シート、通風性構造体の全体に養生シートを被せて養生させることを特徴とする、請求項1記載のブロックマットの製造方法。
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