JP4970172B2 - 照明器具 - Google Patents

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本発明は照明器具に係り、特に照明用光源および間接光用光源を備えた照明器具に関するものである。
照明器具は照明を目的とするものであるから蛍光ランプ等の一般の照明用光源を備えているが、最近、一般照明以外の目的のために別の光源を付け加えた照明器具が提案されている。例えば、引用文献1には、主照明用のランプ以外に別の光源を用いて演出効果を高めることが可能な照明器具が開示されている。この器具は、発光ユニットからの光が、ランプとは対向しない方向に出射し、かつ、光拡散部材によって拡散されるので、照明器具の外周方向へ照射されるとともに、その一部は設置壁を照射するため、主照明とは異なる演出効果が得られるというものである。発光体としては例えばLEDが用いられる。この場合、多数のLEDがランプを取り囲み、LEDの光出射面が器具本体の外周側に向くように配置される。
特開2006−236782号公報
上記従来技術はランプを取り囲む多数のLED等の光源を用いるものである。別法として、器具本体の周りに導光板を配置し、その導光板に光を導入することにより導光板から間接光を発生させることが考えられる。この方法によれば、上記従来技術よりも少数の光源で演出効果あるいは装飾性を上げることが期待できるが、実際には導光板から十分に明るい間接光を得ることは難しく、また間接光が得られたとしても均一性に欠けるという問題があった。
従って本発明の目的は、器具本体の外周部に沿って配置された導光板から十分に明るく且つ均一性の良好な間接光を得ることができる照明器具を提供することにある。
上記目的は、器具本体と、前記器具本体の下面側に配置された照明用光源と、前記照明用光源を覆う透光カバーと、前記器具本体の外周部に沿って間接光用光源収容部を介して配置された複数の導光板と、前記導光板の端面から内部に光を導入するための前記間接光用光源収容部に収容された間接光用光源と、光が導入される前記導光板の端面から離れるに従って前記導光板上面に粗から密に配置された乱反射機構とを備えた照明器具により達成される。
ここで、前記乱反射機構は、前記導光板の上面に平面的パターンとして、または凹凸部として形成することができる。また、前記導光板の上面側に光反射板を備えることができる。前記光反射板は、前記導光板との間に空隙を介して配置されることが望ましい。さらに、前記光反射板は、前記器具本体の少なくとも上面周辺部を覆い、かつ前記器具本体に固定されるように構成することができる。
前記導光板1枚の長さは前記器具本体の外周部の1/3以下とすることが好ましい。前記導光板の形状が円弧状の場合、前記導光板の屈折率をnとしたとき、前記円弧状の導光板の外周側面への入光角度θがθ≧sin−1(1/n)を満足するように、前記円弧状の導光板の外径寸法を設定することが好ましい。前記間接光用光源収容部に下方をスポット的に照らすスポット光用光源を備えることができる。前記間接光用光源はLEDとすることができる。
本発明によれば、照明器具において器具本体の外周部に沿って配置された導光板から十分に明るく且つ均一性の良好な間接光を得ることができる。これにより照明器具による演出効果あるいは装飾性等を十分上げることができる。
図1は本発明に係る照明器具の一実施例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は下面図、(c)は分解斜視図である。図2は、図1の照明器具の断面図である。図3は、図2の断面図の両端部拡大図である。
本実施例は円形形状の照明器具で、図示のように、器具本体10と、器具本体10の下面側に配置された照明用光源としての環状蛍光ランプ20と、環状蛍光ランプ20を覆う透光カバー30と、器具本体10の外周部に沿って間接光用光源収容部60を介して配置された複数の円弧状の導光板40と、間接光用光源収容部60に収容され導光板40の端面から内部に光を導入する間接光用光源としてのLED(発光ダイオード)70と、光が導入される導光板40の端面から離れるに従って前記導光板40上面に粗から密に配置された乱反射機構としてのドット51とを備える。さらに、間接光用光源収容部60の下部には、図示のように、下方をスポット的に照らすスポット光用光源としてのLED75を備えることができる。間接光用光源およびスポット光用光源はLEDに限定されるものではなく、例えば豆電球やEL光源等を用いることができる。
ここで、器具本体10は金属製かつ円板状であり、図外の点灯装置が付属する。器具本体10は図外の天井面に着脱自在に装着される。蛍光ランプ20はランプホルダー21で着脱自在に保持される。透光カバー30は透光性で合成樹脂による成形品であり逆皿状を呈する。導光板40は合成樹脂による成形品で透明で光沢仕上げである。導光板40は、その端部が間接光用光源収容部60で保持される。導光板40の1枚の長さは本例では照明器具外周部の1/3以下とされる。導光板40の上面側には光反射板50を配置することができる。光反射板50は白色とすることで容易に光反射性を得ることができる。光反射板50は、導光板40との間に空隙を介して配置されることが望ましい。これについては後述する。光反射板50は、合成樹脂による筐体状の成形品とすることができ、器具本体10の少なくとも上面周辺部を覆うものであり、器具本体10にネジ止め等で固定される。反射板50を筐体構造とすることにより、器具としての強度を確保し、器具組立てを容易にし、部品点数を削減することができる。また、間接光用光源収容部60は、合成樹脂による成形品とすることができる。
図4は、図1の導光板の一例を示す概念図である。導光板40は、図示のように、その上面には、光が導入される端面から離れるに従って粗から密に配置された乱反射機構としてのドット51を備える。ここで、粗から密とは、単位面積当たりの乱反射機構(例えばドット51)の数を少数から徐々に多数にする場合のほか、乱反射機構の大きさを小から徐々に大にする場合も含む。また、乱反射機構はドット51に限定されず、導光板40の上面に形成された平面的パターンであればよく、例えば導光板40の端面から離れるに従って粗から密に形成された導光板長手方向に直角に引かれた複数のストライプでもよい。ドットやストライプ等の乱反射機構は、例えばシルク印刷あるいはスクリーン印刷等の印刷により形成することができる。また、乱反射機構は、導光板40の上面に形成された凹凸部とすることもできる。ここで凹凸部とは凹部および凸部の少なくとも一方を備えるものとする。また凹凸部はその形状が限定されるものではなく、例えばV字溝等の形状あるいは、しぼ等であってもよい。さらに、本例の場合は、光を導光板の両端面から導入するものであるが、導光板のいずれか一方の端面から導入することもできる。この場合も、導光板上面に配置される乱反射機構は、光が導入される端面から離れるに従って粗から密とされる。本例では、導光板40は3つであるが、複数であればよく、2つでもよいし4つ以上でもよい。導光板1枚の長さは器具本体10の外周部の1/3以下とすることが好ましい。この場合、導光板40の数は3つ以上となる。
器具本体10に付属する図外の点灯装置は、照明用光源としての環状蛍光ランプ20、間接光用光源としてのLED70、およびスポット光用光源としてのLED75の点灯および消灯あるいは調光を行うことができ、操作用に例えばリモコン装置を用いることができる。また、間接光用光源としてのLED70やスポット光用光源としてのLED75は、赤、緑および青の各色発光のLEDを備えることができ、各発光LEDの発光色の組み合わせにより白色を含む多色カラー光を得ることができる。
図5は本発明に係る照明器具の他の実施例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は下面図、である。本実施例は矩形形状の照明器具で、図示のように、図外の直管または環状蛍光ランプを覆う透光カバー30と、器具本体の外周部に沿って間接光用光源収容部60を介して配置された4つの矩形状の導光板40と、導光板40の上面側に配置された光反射板50と、間接光用光源収容部60に収容され導光板40の端面から内部に光を導入する図外の間接光用光源としてのLEDとを備える。さらに、間接光用光源収容部60の下部には、図示のように、下方をスポット的に照らすスポット光用光源としてのLED75を備えることができる。本例では、導光板40が4つの場合を示す。また、間接光用光源収容部60は矩形形状の照明器具の四隅に配置されているが、これに限定されない。
上記各実施例において、通常の照明に関する照明器具の動作作用は一般の蛍光ランプ20を用いる従来のものと変わらないので、以下、LED70を用いる間接光およびLED75を用いるスポット光について説明する。
間接光を用いる場合は、一般の照明操作と同様にリモコン装置を用いてLED70を点灯させる。LED70の発光面は導光板40の端面方向に配置されており、LED70が点灯すると導光板40の端面から内部に光が導入される。導入された光は導光板40の内部を全反射しながら導光板長手方向に伝達される。このとき、乱反射機構であるドット51の密度は光が導入される導光板40の端面から離れるに従って粗から密に形成されているので、光が導入される導光板40の端面に近いほどドット51により散乱反射される光の量は少なく、逆に光が導入される導光板40の端面から遠いほどドット51により散乱反射される光の量は多くなる。このように、導光板40の上面に配置するドット51等の乱反射機構の密度を調整することで導光板40の下面から十分に明るく且つ均一性の良好な間接光を得ることができる。さらに、導光板40の上面側には光反射板50が配置されているので、ドット51に反射して導光板上面から漏れた光が光反射板50で反射されて導光板40に戻されるので、光反射板50がない場合よりも一層明るい間接光を得ることができる。これらの点について以下さらに詳述する。
図6は、一般の導光板の断面の一例を示す図である。図示のように、LED70から出射された光が透明で光沢仕上げの導光板40の端面から導入されると、導光板40と空気間の屈折率差の結果、光は導光板長手方向の面で全反射を繰り返しながら内部を進む為、導光板の上面aや下面bから光は出射されない。したがって下方から導光板を見ても間接光を見ることはできない。導光板が例えば乳白色等の拡散性を有する場合は導光板の上面aや下面bから散乱光が出射されるがその量は少なく、十分に明るい間接光を得ることはできない。また、光が導入される導光板の端面から遠くなるほど伝達される光の量が少なくなるので、均一性の良好な間接光を得ることはできない。
図7は本発明で用いることができる導光板の断面の例を示す図で、(a)は導光板上面に乱反射機構として光散乱性のドットを形成した例、(b)は乱反射機構として凹凸部を形成した例である。本例では、図7(a)に示すように、導光板40の上面にドット51等の乱反射機構が配置されている。このドット51は、光が導入される端面から離れるに従って粗から密とされる。これはLED70から離れるほど光が減衰するのでドット51を少しずつ密にするものである。また、導光板40の上面側には光反射板50が設けられている。この場合、LED70から出射された光が透明で光沢仕上げの導光板40の端面から導入されると、導光板40と空気間の屈折率差の結果、光は導光板長手方向の面で全反射を繰り返しながら内部を進むが、ドット51に反射した光は反射角度が変わって散乱光となり、下面において臨界角を超えると、光は下方に出射される。これにより下方から導光板を見ると十分に明るい間接光を見ることができる。また、ドット51は、光が導入される端面から離れるに従って粗から密とされているので、導光板内を伝達される光が減少しても、密状態のドット51による反射散乱光が増加し、均一性の良好な間接光が得られる。乱反射機構としてドット51に代えて、図7(b)に示すように、導光板40の上面に形成された凹凸部52を用いてもよい。凹凸部52の役割は上述のドット51と同様に光の全反射を崩すものであり、凹凸部52に反射した光は反射角度が変わり、下面において臨界角を超えると、光は下方に出射される。
また、導光板40の上面側には光反射板50が配置されている。したがって、導光板40の上面においてドット51に反射した散乱光が漏れた場合、この漏れた光が光反射板50で反射されて導光板40に戻される。このため、光反射板50を設けた場合は、それがない場合に比べて一層明るい間接光を得ることができる。光反射板50は、図7に示すように、導光板40との間に空隙cを介して配置されることが好ましい。導光板40は、この空隙cのわずかな空気層により光反射板50の影響を受けない為、光をより導光板40の先まで伝達させることが出来る。
図8は、矩形状の導光板の一例を示す平面図である。本例では、図示のように、矩形状の導光板40の端面から入射された光は、器具本体の周りに配置される導光板の外周側面dおよび内周側面eで全反射が連続するので、外周側面dおよび内周側面eから光は漏れないので問題ない。
図9は、円弧状の導光板の一例を示す平面図である。本例では、図示のように、円弧状の導光板40の端面から入射された光は、器具本体の周りに配置される導光板の内周側面eでは入光角度が大きいので全反射して外に漏れないが、外周側面dでは入光角度が小さくなる場合があるので光が外に漏れやすい。その為に外周側面dに図外の反射シート等を設けることが望ましい。しかし、導光板40の材料がアクリルの場合、外周側面dへの入光角度θを42.2°以上になるように外径寸法を設定することにより反射シート等の反射機構を不要にすることが出来る。アクリルの屈折率を1.49、空気の屈折を1.00としたとき、臨界角θは、θ=sin−1(1/1.49)=42.2°となることから、上記の入光角度42.2°以上が導出される。したがって一般には、導光板40の材料の屈折率をnとした場合、入光角度θがθ≧sin−1(1/n)を満足するように円弧状の導光板の外径寸法を設定することで反射機構を不要にすることができる。以上により導光板40の表面に均一で明るい発光を得ることが出来る。
次に、間接光用光源収容部60の下部に設けたスポット光を用いる場合は、一般の照明操作と同様にリモコン装置を用いてスポット光用光源としてのLED75を点灯させることができる。
上述した照明用光源、間接光用光源およびスポット光用光源の点灯はそれぞれ単独に点灯させることができ、また2つ以上を組み合わせて点灯させることもできる。また、間接光用光源やスポット光用光源は、赤、緑および青の各色発光のLEDを備えることができ、各発光LEDの発光色の組み合わせにより白色を含む多色カラー光を得ることができる。例えば、間接光用光源を構成するLEDの発光を調整することで、導光板からの間接光を477色に変化させることができる。この結果、演出効果あるいは装飾性に優れた間接光を実現する照明器具を得ることができる。
本発明は照明器具に係り、特に照明用光源および間接光用光源を備えた照明器具に関するものであり、産業上の利用可能性がある。
本発明に係る照明器具の一実施例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は下面図、(c)は分解斜視図である。 図1の照明器具の断面図である。 図2の断面図の両端部拡大図である。 図1の導光板の一例を示す概念図である。 本発明に係る照明器具の他の実施例を示す図で、(a)は斜視図、(b)は下面図、である。 一般の導光板の断面の一例を示す図である。 本発明で用いることができる導光板の断面の例を示す図で、(a)は導光板上面に反射性のドットを形成した例、(b)は凹凸部を形成した例である。 矩形状の導光板の一例を示す平面図である。 円弧状の導光板の一例を示す平面図である。
符号の説明
10 器具本体
20 照明用光源(蛍光ランプ)
21 ランプホルダー
30 透光カバー
40 導光板
50 光反射板
51 乱反射機構(ドット)
52 凹凸部
60 間接光用光源収容部
70 間接光用光源(LED)
75 スポット光用光源(LED)

Claims (9)

  1. 器具本体と、前記器具本体の下面側に配置された照明用光源と、前記照明用光源を覆う透光カバーと、前記器具本体の外周部に沿って間接光用光源収容部を介して配置された複数の導光板と、前記導光板の端面から内部に光を導入するための前記間接光用光源収容部に収容された間接光用光源と、光が導入される前記導光板の端面から離れるに従って前記導光板上面に粗から密に配置された乱反射機構とを備え、前記導光板の形状が円弧状の場合、前記導光板の屈折率をnとしたとき、前記円弧状の導光板の外周側面への入光角度θがθ≧sin −1 (1/n)を満足するように、前記円弧状の導光板の外径寸法を設定したことを特徴とする照明器具。
  2. 前記乱反射機構が、前記導光板の上面に平面的パターンとして形成されることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
  3. 前記乱反射機構が、前記導光板の上面に凹凸部として形成されることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
  4. 前記導光板の上面側に光反射板を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明器具。
  5. 前記光反射板が、前記導光板との間に空隙を介して配置されたことを特徴とする請求項4記載の照明器具。
  6. 前記光反射板が、前記器具本体の少なくとも上面周辺部を覆い、かつ前記器具本体に固定されたことを特徴とする請求項4または5記載の照明器具。
  7. 前記導光板1枚の長さが前記器具本体の外周部の1/3以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の照明器具。
  8. 前記間接光用光源収容部に下方をスポット的に照らすスポット光用光源を備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の照明器具。
  9. 前記間接光用光源がLEDであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の照明器具。
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