JP4968714B2 - 椅子及び講義ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、机とともに多数配列して使用する際に有用となる椅子及びこれを利用した講義ユニットに関するものである。
講義室などでは、長机を多数配列固定するとともに、各机の適宜箇所に椅子を固定し、利用者が入れ替わり立ち替わり頻繁に離着席を繰り返しても整然とした配列状態が維持されるようにしている。
このような講義室では、1つの机に複数の椅子が付帯するのが通例であるため、端部以外の席を利用するためには利用者が端部から椅子と後席の机との間を通って奥に入っていく必要がある。
そのため、例えば特許文献1に示されるように、離席時に椅子全体がベースを支点に前方に倒れるように構成し、利用時にこの椅子を後方に回動させ、座を略水平な状態にして着座できるようにしている。
しかしながら、これだと着席時に後方を移動する者があるとき、通路を確保しようとして着座したまま座を前傾させると、大腿部が机に当たって極めて窮屈な姿勢を強いられ、また十分な通路も確保されないことになる。
そこで、離着席が容易で不使用時はコンパクトに収納され、着席中に後ろを通行する者があるときは座をスムーズに前方へ移動できるものとして、例えば特許文献2に示されるものが提案されている。このものは、座受けをベースに連結された前後方向へ所定角度移動可能な脚で支持し、該脚を前傾させるとともに座の後方を上昇させて収納されるようにしたもので、脚を前脚及び後脚から構成し、前脚は使用時にほぼ垂直または前傾状態に連結され、後脚には背もたれを固設するとともに不使用時に座を上昇させる付勢手段を備え、かつ、ベースとは後脚の軸線より後方の位置で連結しているものである。
また、座受けに前脚および後脚の上端を連結し、椅子の使用時の状態が、前脚がほぼ垂直または前傾しており、後脚も垂直な線に対してあまり後傾しないように構成して、着座中に後を通行する者があるときに、簡便に椅子を前へ移動できるようにしているものである。
特許第2927712号公報 特開2004−230068号公報
しかしながら、このように脚を前脚及び後脚から構成し、これら前脚、後脚並びにベース及び座を含み全体で4点リンク機構を構成すると、座を前後移動させるための後脚と座の枢着点が後方に位置することになり、しかも座を前傾させるために後脚にガススプリング等を仕込まなければならず、更にこの後脚から後上方の適切な位置に背支桿を延出させて背を取り付けなければならない。このように、後脚や背支桿の形状、取付位置等が大きく制約を受けるため、収納時の座の位置も机の下肢空間に対して中途半端な入りとなり、背を含めて後脚全体を十分に前方に移動させることができない。その結果、収納時における後方通路の確保が不十分となり、さらにこのような大掛かりな4点リンク機構が露出することで、利用者に物々しい威嚇的な印象を与えることにもなる。
本発明は、これらの原因が着座姿勢において座を前後動させる構造が前脚や後脚に依存し、これが脚や背支桿等の設計自由度を制限する結果となっている点に着目して、先ずもって着席時における後方通路の確保を設計自由度を損なわずに実現し、その上で離着席時の便や離席時における後方通路の確保を適切に両立させ得るようにした椅子及び講義ユニットを提供しようとするものである。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の椅子は、床に設置されるベース近傍に作動体を配置して当該作動体とベースとの間に4点リンク機構を構成するとともに、この作動体に少なくとも座支持体の基端をマウントし、前記4点リンク機構の作動により作動体を介して座支持体を移動させた際に、着座姿勢にある座を略水平方向に前後動作させ得るようにし、さらに、前記4点リンク機構を構成する4点のうち、ベース側の1点に背支桿の基端を枢着し、作動体側の1点に背支桿の基端近傍部位を枢着し、背支桿の上端側を座支持体と切り離した状態で構成して、座の前後動作に背の回動動作を連動させ得るようにしたことを特徴とする。
このように構成すると、座は4点リンク機構及び作動体に支持された座支持体のみによって前後動作を実現され、特許文献の後脚に相当する別異の座支持体や背支桿等の関与を必要とすることがない。このため、周辺部位の設計自由度を低下させることなく、また利用者が着座姿勢において窮屈な姿勢を強いることなく、座を略水平方向に前動させて後方通路を適切に確保することができる。しかも、作動体及び4点リンク機構はベース近傍に配置され、座に向かって大きく迫り出すことがないので、この点においても周辺部位の設計自由度が確保され、また利用者に物々しい印象を与えることを有効に回避することができる。また、このように背支桿を座支持体と切り離して構成しても、背支桿を座の前後動作に連動させて適切に回動させることができる。しかも、背支桿の取付位置はベースの近傍であるため、設計の自由度を確保し、機構部品も上方に迫り出させないという上記コンセプトを有効に担保することができる。作動体に座支持体の基端をマウントする際には、4点リンク機構の上部に位置する2軸よりも上方において作動体に座支持体の基端をマウントする態様のほか、4点リンク機構の上部に位置する2軸を共用して作動体に座支持体の基端をマウントする態様もとり得る。
具体的には、座を着座姿勢で前後動作させるに際して、4点リンク機構を構成する上方2点の中点が略水平に動くように設定しておくことが有効である。
離着席の容易なものにするためには、座支持体が、補助4点リンク機構を具備し、この補助4点リンク機構の作動により、着座姿勢にある座を支持する座支持体を背支桿側に傾倒させるに従い座に倒立前傾した退避姿勢を与え得るようにしているものが挙げられる。具体的には、補助4点リンク機構が4点リンク機構とは別個独立に構成される態様や、補助4点リンク機構の2軸と4点リンク機構の2軸とが共通軸により構成される態様等によって実施することが可能である。
この場合、外観を整えるためには、補助4点リンク機構が、作動体から座の前部に向かって略平行に立ち上がる一対のリンク要素を具備し、一方のリンク要素を中空体状若しくは前方及び側方に閉じたチャネル状にして他方のリンク要素を内部に収容しておくことが望ましい。
離席時における後方通路を有効に確保するためには、前記4点リンク機構の作動により、退避姿勢をとる座を背支桿とともに前方に移動させ、背支桿の基端を略起立させた段階で座により深く倒立前傾した収納姿勢を与え得るようにしていることが望ましい。
本発明は、上記補助4点リンク機構を拘束することにより、座に着座姿勢における略水平方向の前後動作及びその前後動作の延長線上の第2収納姿勢のみを許容するように構成しても椅子として機能させ得る。
或いは、本発明は、上記4点リンク機構を拘束することにより、座の着座姿勢における前後動作を禁止して着座姿勢及び退避姿勢のみを許容するように構成しても椅子として機能させ得る。
したがって、本発明の構造は、仕様の異なる椅子を簡素に構成する上で有用なものとなる。なお、拘束するとは、固定具や溶接等を用いて固定する態様のほか、固定した状態と等価な剛体(リンク構造をもたないもの)で置き換える態様も含まれる。
椅子と机を適切に組み合わせるためには、座支持体が背支桿側に倒れ座が前傾して退避姿勢をとった際に机の使用縁と座の前縁との間に前後方向に所定のクリアランスが生じるように設定しておくことが、離席時における適切な動作空間の確保の観点から好ましい。
或いは、座支持体が前方に倒れるに従い前傾した座が机の下肢空間に完全に入り込んで収納姿勢をとるように設定しておくことが、収納時における後方通路の確保の観点から有効である。特にこの場合、背支桿の基端を机の下肢空間に極接近させた状態で支持させ、座が収納姿勢をとった際に背支桿の基端が略鉛直な起立姿勢をとり、背支桿の上端側が背もたれを含めて基端よりも前方に位置するように設定しておくことがより顕著な効果をもたらす。
本発明は、以上説明した構成であるから、着席時における後方通路の確保を設計自由度を損なわずに実現することができ、同時に、立ち上がり易さや座り易さに配慮した離着席時の便や離席時における後方通路の確保を適切に両立させ得るようにした優れた椅子及び講義ユニットを提供することが可能となる。
以下、本発明の第1実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。
この実施形態の椅子は、長机と組み合わせて講義ユニットを構成するもので、図1及び図2に示すように、床に設置されるベース1の近傍に作動体2を配置して当該作動体2とベース1との間に4点リンク機構3を構成するとともに、この作動体2に、補助4点リンク機構4を擁して座6を支持する座支持体5の基端5aをマウントし、前記4点リンク機構3のうち2点を利用して背支桿7を取り付けている。
具体的に説明すると、ベース1は、床に固定される基台11と、この基台11から平行に立設した対をなす固定ブラケット12とを具備するもので、固定ブラケット12の内側に第1リンクメンバ31及び第2リンクメンバ32を配置して、固定ブラケット12の前上方に軸31aを介して第1リンクメンバ31の基端を、またその後下方に軸32aを介して第2リンクメンバ32の基端をそれぞれ枢着している。
作動体2は、概略台形をなす板状のもので、前記ベース1の近傍において前記両リンクメンバ31、32の内側に配置され、その前下方の頂部付近に軸31bを介して前記第1リンクメンバ31の先端を、後下方の頂部付近に軸32bを介して前記第2リンクメンバ32の先端をそれぞれ枢着している。すなわち、これら第1リンクメンバ31及び第2リンクメンバ32がベース1及び作動体2と協働して、軸31a、32a、31b、32bからなる4点リンク機構3を構成している。
座支持体5は、前方及び側方に閉じたチャネル状をなす外リンク要素41と、この外リンク要素41の溝内に収容した板状の内リンク要素42とを備えたもので、内リンク要素42の基端を軸42aを介して前記作動体2の前上方の頂部近傍に、外リンク要素41の基端を軸41aを介して前記作動体2の後上方の頂部近傍にそれぞれ枢着している。
座6は、対をなす座受けブラケット61に座本体62を支持させてなるもので、その座受けブラケット61の前方に軸42bを介して前記内リンク要素42の先端を、また後方に軸41bを介して前記外リンク要素41の先端をそれぞれ枢着している。すなわち、これら外リンク要素41及び内リンク要素42が作動体2及び座受けブラケット61と協働して、軸42a、41a、42b、41bからなる補助4点リンク機構4を構成している。
背支桿7は、下端を前記第2リンクメンバ32に固定して取り付けたもので、この第2リンクメンバ32を背支桿7の一部と見なせば、この背支桿7は前記4点リンク機構3を構成する4点のうち、ベース1側の後下方の1点に軸32aを介して背支桿7の基端を枢着し、作動体2側の後下方の頂部付近の1点に軸32bを介して背支桿7の基端よりやや上方よりの部位を枢着している。
以上において、座支持体5を構成する外リンク要素41と座受けブラケット61との間には、座受けブラケット61の後側の枢着点61aに作用して当該座受け61を前側の軸42bを支点に後上方に跳ね上げる方向に付勢する付勢手段たるガススプリング81が配置してあり、補助4点リンク機構4は外力を加えなければこのガススプリング81によって座6を起立前傾させながら座支持体5が背支桿7に近づくように変形する。
また、背支桿7とベース1との間には、背支桿7のベース1よりに
作用して第2リンクメンバ32を下側の軸32aを支点に前方へ回動する方向に付勢する付勢手段たるガススプリング82が配置してあり、外力を加えなければこのガススプリング82によって背支桿7は、そのとき後傾状態にあれば起立動作を行い、4点リンク機構3はこのガススプリング8によって座支持体5を前方へ移動させて前傾させるように変形する。
したがって、この椅子に人が着座しなければ、図2及び図3に示すように背支桿7はガススプリング82によって前方に回動して起立し、補助4点リンク機構4は4点リンク機構3及び作動体2によって前方に移動し、座支持体5はこの補助4点リンク機構4及びガススプリング81によって背支桿7に近づく方向に回動し、座6は起立前傾した収納姿勢をとる。このとき、4点リンク機構3の前2点となる軸31a、31bを結ぶ線は略水平となり、後2点となる軸32a、32bを結ぶ線は斜め前上方を向き、作動体2は前垂れ状態となる。この実施形態では、後述するように背支桿7が机9の天板使用縁91に当接した位置でその回動が停止されるように設定されている。
この状態から、利用者が図3に矢印Aで示すように操作力を加えてガススプリング82を圧縮しながら背支桿7を後方に回動させると、先ず第2リンクメンバ32が軸32aを支点に図3→図4のように後方へ回動し、その結果、第1リンクメンバ31が軸31a回りに回動して、軸31bが軸31aの上方に持ち上がるまで4点リンク機構3が変形し、その結果、作動体2が前垂れ状態から後上方に起き上がる。これに伴い、座支持体5は背支桿7との相対関係を保ったまま作動体2に付随して後方に回動することで後傾姿勢をとり、このとき座6の座面は図3の場合に比べて起立前傾角度が小さくなり、座6は離着席に適した退避姿勢をとる。
そして、利用者がこの座6に着座し、図4に矢印Bで示す荷重が作用すると、ガススプリング81が縮まりながら補助4点リンク機構4が変形する。すなわち、当初内リンク要素42の先端を枢着する軸42bに対してそれまで後上方に位置していた外リンク要素41の先端を枢着する軸41bが、図4→図5に示すように前記軸42bの後下方に位置するまで補助4点リンク機構4が変形し、その結果、座支持体5が前方へ回動して前傾状態となり、座6は略水平な着座姿勢をとることとなる。座支持体5とベース1或いは作動体2との間には、座支持体5を単独でそれ以上前傾させる方向に補助4点リンク機構4が変形することを禁止する適宜のストッパ機構(図示省略)が設けてあり、また、座支持体5と座6の間には、上載荷重を受けた座6を略水平な着座姿勢に保持する適宜のストッパ機構(図示省略)が設けてある。
さらに、この状態から着座者が着座したままで図5中矢印Cに示すように座6に前方への操作力を加えると、座支持体5及び座6が作動体2と一体となって、4点リンク機構3の作動の下に図5→図6のように前方へ移動するとともに、これに追従して背支桿7も前方に起立する方向に回動する。この実施形態では、4点リンク機構3の4点のうち上方2点となる軸31b、32bの中点が略水平移動するように当該4点リンク機構3の動作範囲を設定しており、これに伴い座6は、図6の前動時にやや前傾姿勢となり、図5の後動時に同時にやや後傾姿勢となり、その間を略水平な着座姿勢を保って前後動作することとなる。座6の角度変化はこの実施形態の場合、略9°程度に過ぎない。よって、座面から天板下までの図6に示す距離dが略一定に保たれ(むしろ座6がやや前傾することで広くなり)、大腿部が窮屈になる等の不都合を伴わずに後方通路を広げることができる。
なお、この椅子は机とともに床に固定して使用されるのは前述したところであるが、椅子と机の位置関係に言及するならば、座支持体6が背支桿7側に倒れ座6が前傾して退避姿勢をとった図4の状態で、机9の天板使用縁91と座6の前縁6aとの間には、前後方向に所定のクリアランスδ(20mm以上)が生じるように設定している。
また、座支持体4が前方に倒れるに従い、前傾した座6が図3に示すように机9の下肢空間Sに完全に入り込んで収納姿勢をとるように設定するとともに、背支桿7の基端7aを机9の下肢空間Sに極接近させた状態で支持して、座6が図3に示す収納姿勢をとった際に背支桿7の基端7aが略鉛直な起立姿勢をとり、背支桿7の上端側が背もたれ7xを含めて基端7aよりも前方に位置するように設定している。
なお、図6の前方着座姿勢から同図中矢印Dの方向に座6を水平移動させれば座6は図5の後方着座姿勢となり、そこから立ち上がればガススプリング81が働いて補助4点リンク機構4の作動の下に同図中矢印Eの方向に座6が跳ね上がるとともにこれに連動して座支持体5が後傾する結果、座6は図4の退避姿勢をとり、さらにこの位置から利用者が離席すればガススプリング82が働いて4点リンク機構3の作動の下に同図中矢印Fの方向に座支持体5、座6及び背支桿7が移動する結果、座6は図3の収納姿勢をとる。
以上のように、本実施形態の椅子は、床に設置されるベース1の近傍に作動体2を配置して当該作動体2とベース1との間に4点リンク機構3を構成するとともに、この作動体2に少なくとも座支持体5の基端5aをマウントし、4点リンク機構3の作動により作動体2を介して座支持体5を移動させた際に、着座姿勢にある座6を略水平方向に前後動作させ得るようにし、さらに、前記4点リンク機構3を構成する4点のうち、ベース側の1点(軸32a)に背支桿7の基端7aを枢着し、作動体2側の1点(軸32b)に背支桿7の基端近傍部位を枢着し、背支桿7の上端側を座支持体5と切り離した状態で構成して、座6の前後動作に背7の回動動作を連動させ得るようにしたものである。
このように構成すると、座6は4点リンク機構3及び作動体2に支持された座支持体5のみによって前後動作を実現され、別異の座支持体や背支桿7等が関与することがない。このため、周辺部位の設計自由度を低下させることなく、また窮屈な姿勢を強いることなく、座6を略水平方向に前動させて図6に示すように着席時における椅子の後方通路L1を適切に確保することができる(この実施形態でL1は240mm前後)。しかも、作動体2及び4点リンク機構3はベース1の近傍に配置され、座6に向かって大きく迫り出すものではないので、この点においても設計自由度が確保され、また利用者に物々しい印象を与えることを有効に回避することができる。また、このように背支桿7を座支持体5と切り離して構成しても、背支桿7を座6の前後動作に連動させて適切に回動させることができる。しかも、背支桿7の取付位置はベース1の近傍であるため、設計の自由度を確保し、機構部品も上方に迫り出させないという上記コンセプトを有効に担保することができる。なお、図示の作動体2やリンクメンバ31、32等はカバーを用いて容易に覆うことができる。
特に、座6を着座姿勢で前後動作させるに際して、4点リンク機構3を構成する上方2点31b、32bの中点が略水平に動くように設定しており、座6の前動時にやや前傾姿勢を与え、後動時に同時にやや後傾姿勢を与え、全体として略同一高さ、略水平姿勢を保って座6を前後動作させるようにしているので、足元で構成される機構ながら、大掛かりな4点リンク機構と同等の効果を得ることができる。
さらに、座支持体5が、補助4点リンク機構4を具備するものであり、この補助4点リンク機構4の作動により、着座姿勢にある座6を支持する座支持体5を背支桿7側に傾倒させるに従い座6に倒立前傾した退避姿勢を与えるようにしているので、他の座支持体や背支桿7に依存することなく、座支持体6の機能のみで座6に退避姿勢を与えることができる。このため、設計自由度を損なうことなく、図4に示す下肢動作空間Pを十分に確保して、離席時に立ち上がり易く着席時に座り易い使い勝手に優れた椅子を提供することが可能となる。
また、補助4点リンク機構4が、作動体2から座6の前部に向かって略平行に立ち上がる一対のリンク要素41、42を具備するものであり、外リンク要素42を前方及び側方に閉じたチャネル状にして内リンク要素41を内部に収容しているので、補助4点リンク機構4を具備する座支持体5が単に支柱のような外観を呈するだけとなり、簡素で安心感のある椅子の外観を構成することができる。
さらにまた、4点リンク機構4の作動により、退避姿勢をとる座6を背支桿7とともに前方に移動させ、背支桿7の基端7aを略起立させた段階で座6により深く倒立前傾した収納姿勢を与えるようにしているので、他の座支持体や背支桿7に依存することなく、座支持体5の機能のみで座6に収納姿勢を与えることができる。このため、設計自由度を損なうことなく、離席時における椅子の後方通路L2を大きく確保して出入りの便を有効に向上させることが可能となる(この実施形態でL2は370mm以上)。
特に、机9との関係では、座支持体5が背支桿7側に倒れ座6が前傾して退避姿勢をとった際に、机9の使用縁91と座6の前縁6aとの間に前後方向に所定のクリアランスδが生じるように設定しているので、離着席時における上記下肢動作空間Pの確保を実効あらしめることができる。
また、座支持体5が前方に倒れるに従い、前傾した座6が机9の下肢空間Sに完全に入り込んで収納姿勢をとるように設定しているため、離席時における後方通路L2の確保を実効あらしめることができる。
とりわけ、背支桿7の基端7aが机9の下肢空間Sに極接近させた状態で支持させてあり、座6が収納姿勢をとった際に背支桿7の基端7aが略鉛直な起立姿勢をとり、背支桿7の上端側が背もたれ7xを含めて基端7aよりも前方に位置するようにしている点も、後方通路L2をより大きく確保することに奏功しているものである。
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。例えば、座支持体を作動体にマウントする態様には、座支持体と作動体とを一体に構成することも含まれるし、座支持体は補助4点リンク機構を含まない単なる剛体であっても着座姿勢における水平移動の効果は奏される。
また、上記実施形態において補助4点リンク機構4が作動しないように適宜の部位を拘束することによって、座3に着座姿勢における略水平方向の前後動作及びその前後動作の延長線上にある第2収納姿勢(図5→図6と回動し、更にそのまま回動した先の状態)のみを許容するように構成することもできる。このようにすれば、前後に略水平移動する着座姿勢、離着席時における退避姿勢、離席時における収納姿勢の各々を備えた図示実施形態に係る高機能タイプの椅子に対し、簡素な手法によって着座姿勢、及び座が折りたたまれない点で機能は若干劣るものの下肢空間への収納姿勢をとり得る廉価版仕様の椅子を有効に提供することができる。この場合、作動体と座支持体とはその前部又は一部が一体に構成されたものであってもよい。
さらに、上記実施形態において4点リンク機構3が作動しないように適宜の部位を拘束することによって、座の着座姿勢における前後動作を禁止して図5に示す着座姿勢及び図4に示す退避姿勢のみを許容するようにしてもよい。このようにすれば、前後に略水平移動する着座姿勢、離着席時における退避姿勢、離席時における収納姿勢の各々を備えた図示実施形態に係る高機能タイプの椅子に対し、簡素な手法によって退避姿勢のみをとり得る廉価版仕様の椅子を有効に提供することができる。
ここにおいて、拘束のためには、固定具や溶接等を用いることができるが、組み立て段階で対応できる場合には固定した状態と等価な剛体(リンク構造をもたないもの)で置き換えて部品点数の削減と更なるコストダウンを図ることも可能である。
また、図示背支桿は上半部がU字状をなすパイプ材で構成されているが、基端から先端までを単一の材料で構成する
など特に限定されるものではない。また、背支桿には骨材のみからなるもの以外に骨材の周囲をカバーで覆ったものもあり、リンク回りも各種のカバーで覆う態様等が当然考えられるが、本発明にはこれらの態様も勿論含まれるものである。このように、背支桿を始めとして背もたれ、座の形状等も、本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変形実施することができる。
さらにまた、講義ユニットとは端的な例示名称に過ぎないものであって、講義に限定する意ではなく、例えば会議室や待合室等の他の用途にも適用できるものである。
その他、ガススプリング等の付勢手段を座支持体や背支桿の基端内部に収容して構成する等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
次に、本発明の第2実施形態を、図7〜図14を参照して説明する。
この実施形態の椅子も、長机と組み合わせて講義ユニットを構成するもので、図7〜図10に示すように、床に設置されるベース101の近傍に作動体102を配置して当該作動体102とベース101との間に4点リンク機構103を構成するとともに、この作動体102に、補助4点リンク機構104を擁して座106を支持する座支持体105の基端105aをマウントし、前記4点リンク機構103のうち2点を利用して背支桿107を取り付けている。
具体的に説明すると、ベース101は、床に固定される基台111と、この基台111から平行に立設した対をなす固定ブラケット112とを具備するもので、固定ブラケット112の内側に第1リンクメンバ131及び第2リンクメンバ132を配置して、固定ブラケット112の前上方に軸131aを介して第1リンクメンバ131の基端を、また固定ブラケット112の後下方に軸132aを介して第2リンクメンバ132の中間部をそれぞれ枢着している。
作動体102は、図8に示すように側面視まゆ形をなす側板102aの上縁間を連結板102bで連結した構成からなるもので、前記ベース101の近傍において前記第1リンクメンバ131の外側と前記第2リンクメンバ132の内側との間に配置され、その側板102aの前端付近に軸131bを介して前記第1リンクメンバ131の先端を、側板102aの後端付近に軸132bを介して前記第2リンクメンバ132の先端をそれぞれ枢着している。すなわち、これら第1リンクメンバ131及び第2リンクメンバ132がベース101及び作動体102と協働して、軸131a、132a、131b、132bからなる4点リンク機構103を構成している。
座支持体105は、四方が閉じた中空体状をなす外リンク要素141と、この外リンク要素141の中空部内に収容した板状の内リンク要素142とを備えたもので、外リンク要素141の基端には図8に示すように可動ブラケット141aが固定してある。そして、内リンク要素142の基端を前記軸131bを介して前記作動体102の前端近傍に、外リンク要素141の可動ブラケット141aを前記軸132bを介して前記作動体102の後端近傍にそれぞれ枢着している。
座106は、図9及び図10に示すように座受構造体161に座本体162を支持させてなるもので、その座受構造体161の前方に軸142bを介して前記内リンク要素142の先端を、また軸142bの後方に軸141bを介して前記外リンク要素141の先端をそれぞれ枢着している。すなわち、これら外リンク要素141及び内リンク要素142が作動体102及び座受構造体161と協働して、軸131b、132b、142b、141bからなる補助4点リンク機構104を構成している。つまり、この実施形態は、前記第1実施形態における4点リンク機構3の軸31b、32bと補助4点リンク機構4の軸41a、42aとに相当する共通軸131b、132bを用いることによって、4点リンク機構103及び補助4点リンク機構104を計6つの軸131a、132a、131b、132b、142b、141bによって構成しており、作動体102は軸131b、132b間を一定距離に保つ連結具の役割を果たすだけのものとなっている。
背支桿107は、下端を前記第2リンクメンバ132に固定して取り付けたもので、この第2リンクメンバ132を背支桿107の一部と見なせば、この背支桿107は前記4点リンク機構103を構成する4点のうち、ベース101側の後方の軸132aを介して背支桿107の基端107aを枢着し、作動体102側の後方の軸132bを介して背支桿107の基端107aよりやや上方よりの部位を枢着している。
以上において、座支持体105を構成する座受構造体161には、図9及び図10に示すように、軸141bまわりに巻回され一端181aを内リンク要素142に弾接させ他端181bを座本体162の下面に弾接させて、当該座受構造体161を前記141b回りに前傾方向に跳ね上げる付勢手段たるキックバネ181が配置してあり、補助4点リンク機構104は外力を加えなければこのキックバネ181によって座106を起立前傾させながら座支持体105が背支桿107に近づくように変形する。
また、背支桿107とベース101との間には、図8及び図10に示すように、軸132aまわりに巻回され一端182aをベース101の基台111に弾接させ他端182bを背支桿107の内壁に弾接させて、当該背支桿107を前記軸132a回りに付勢する付勢手段たるキックバネ182が配置してあり、外力を加えなければこのキックバネ182によって背支桿107は、そのとき後傾状態にあれば起立動作を行い、4点リンク機構103はこのキックバネ182によって座支持体105を前方へ移動させて前傾させるように変形する。
したがって、この椅子に人が着座しなければ、図10及び図11に示すように背支桿107はキックバネ182によって前方に回動して起立し、補助4点リンク機構104は4点リンク機構103及び作動体102によって前方に移動し、座支持体105はこの補助4点リンク機構104及びキックバネ181によって背支桿107に近づく方向に回動し、座106は起立前傾した収納姿勢をとる。このとき、4点リンク機構103の前2点となる軸131a、131bを結ぶ線は略水平となり、後2点となる軸132a、132bを結ぶ線は斜め前上方を向き、作動体102は前垂れ状態となる。この実施形態では、後述するように背支桿107が机109の天板使用縁191に当接するか或いは図10に示すように第2リンクメンバ132の下端がベース101の基台111に当接した位置でその回動が停止されるように設定されている。
この状態から、利用者が図11に矢印Aで示すように操作力を加えてキックバネ182を圧縮しながら背支桿107を後方に回動させると、先ず第2リンクメンバ132が軸132aを支点に図11→図12のように後方へ回動し、その結果、第1リンクメンバ131が軸131a回りに回動して、軸131bが軸131aの上方に持ち上がるまで4点リンク機構103が変形し、その結果、作動体102が前垂れ状態から頂板102bが略水平となるまで後上方に起き上がる。これに伴い、座支持体105は背支桿107との相対関係を保ったまま作動体102に付随して後方に回動することで後傾姿勢をとり、このとき座106の座面は図11の場合に比べて起立前傾角度が小さくなり、座106は離着席に適した退避姿勢をとる。
そして、利用者がこの座106に着座し、図12に矢印Bで示す荷重が作用すると、キックバネ181を圧縮しながら補助4点リンク機構104が変形する。すなわち、当初内リンク要素142の先端を枢着する軸142bに対してそれまで後上方に位置していた外リンク要素141の先端を枢着する軸141bが、図12→図13に示すように前記軸142bの後下方に位置するまで補助4点リンク機構104が変形し、その結果、座支持体105が前方へ回動して前傾状態となり、座106は略水平な着座姿勢をとることとなる。座支持体105とベース101或いは作動体102との間には、座支持体105を単独でそれ以上前傾させる方向に補助4点リンク機構104が変形することを禁止する適宜のストッパ機構(図示省略)が設けてあり、また、座支持体105と座106の間には、上載荷重を受けた座106を略水平な着座姿勢に保持する適宜のストッパ機構(図示省略)が設けてある。
さらに、この状態から着座者が着座したままで図13中矢印Cに示すように座106に前方への操作力を加えると、座支持体105及び座106が作動体102と一体となって、4点リンク機構103の作動の下に図13→図14のように前方へ移動するとともに、これに追従して背支桿107も前方に起立する方向に回動する。この実施形態では、4点リンク機構103の4点のうち上方2点となる軸131b、132bの中点が略水平移動するように当該4点リンク機構103の動作範囲を設定しており、これに伴い座106は、図14の前動時にやや前傾姿勢となり、図13の後動時に同時に水平ないしやや後傾姿勢となり、その間を前後動作することとなる。座106の角度変化はこの実施形態の場合も僅かなものに過ぎない。よって、座面から天板下までの図14に示す距離dが略一定に保たれ(むしろ座6がやや前傾することで図14の場合にはより広くなり)、大腿部が窮屈になる等の不都合を伴わずに後方通路を広げることができる。
なお、この椅子は机とともに床に固定して使用されるのは前述したところであるが、椅子と机の位置関係に言及するならば、座支持体106が背支桿107側に倒れ座106が前傾して退避姿勢をとった図12の状態で、机9の天板使用縁91と座106の前縁106aとの間には、前記実施形態と同様、前後方向に所定のクリアランスδが生じるように設定している。
また、座支持体104が前方に倒れるに従い、前傾した座106が図11に示すように机9の下肢空間Sに完全に入り込んで収納姿勢をとるように設定するとともに、背支桿107の基端107aを机109の下肢空間Sに極接近させた状態で支持して、座106が図3に示す収納姿勢をとった際に背支桿107の基端107aが略鉛直な起立姿勢をとるように設定している。
なお、図14の前方着座姿勢から同図中矢印Dの方向に座106を水平移動させれば座106は図13の後方着座姿勢となり、そこから立ち上がればキックバネ181が働いて補助4点リンク機構104の作動の下に同図中矢印Eの方向に座106が跳ね上がるとともにこれに連動して座支持体105が後傾する結果、座106は図12の退避姿勢をとり、さらにこの位置から利用者が離席すればキックバネ182が働いて4点リンク機構103の作動の下に同図中矢印Fの方向に座支持体105、座106及び背支桿107が移動する結果、座106は図11の収納姿勢をとる。
以上のように、本実施形態の椅子は、床に設置されるベース101の近傍に作動体102を配置して当該作動体102とベース101との間に4点リンク機構103を構成するとともに、この作動体102に少なくとも座支持体105の基端105aをマウントし、4点リンク機構103の作動により作動体102を介して座支持体105を移動させた際に、着座姿勢にある座106を略水平方向に前後動作させ得るようにし、さらに、前記4点リンク機構103を構成する4点のうち、ベース側の1点(軸132a)に背支桿107の基端を枢着し、作動体102側の1点(軸132b)に背支桿107の基端近傍部位を枢着し、背支桿107の上端側を座支持体106と切り離した状態で構成して、座106の前後動作に背107の回動動作を連動させるようにしたものである。
このように構成すると、座106は4点リンク機構103及び作動体102に支持された座支持体105のみによって前後動作を実現され、別異の座支持体や背支桿107等が関与することがない。このため、周辺部位の設計自由度を低下させることなく、また窮屈な姿勢を強いることなく、座106を略水平方向に前動させて図14に示すように着席時における椅子の後方通路L1を適切に確保することができる。しかも、作動体102及び4点リンク機構103はベース101の近傍に配置され、座106に向かって大きく迫り出すものではないので、この点においても設計自由度が確保され、また利用者に物々しい印象を与えることを有効に回避することができる。また、このように背支桿107を座支持体105と切り離して構成しても、背支桿107を座106の前後動作に連動させて適切に回動させることができる。しかも、背支桿107の取付位置はベース101の近傍であるため、設計の自由度を確保し、機構部品も上方に迫り出させないという上記コンセプトを有効に担保することができる。なお、図示の作動体102やリンクメンバ131、132等はカバーを用いて容易に覆うことができる。
特に、座106を着座姿勢で前後動作させるに際して、4点リンク機構103を構成する上方2点131b、132bの中点が略水平に動くように設定しており、座106の前動時にやや前傾姿勢を与え、後動時に同時にやや後傾姿勢を与え、全体として略同一高さ、略水平姿勢を保って座106を前後動作させるようにしているので、足元で構成される機構ながら、大掛かりな4点リンク機構と同等の効果を得ることができる。
さらに、座支持体105が、補助4点リンク機構104を具備するものであり、この補助4点リンク機構104の作動により、着座姿勢にある座106を支持する座支持体105を背支桿107側に傾倒させるに従い座106に倒立前傾した退避姿勢を与えるようにしているので、他の座支持体や背支桿107に依存することなく、座支持体106の機能のみで座106に退避姿勢を与えることができる。このため、設計自由度を損なうことなく、図12に示す下肢動作空間Pを十分に確保して、離席時に立ち上がり易く着席時に座り易い使い勝手に優れた椅子を提供することが可能となる。
この場合、4点リンク機構103を構成する上2軸131b、132bが補助4点リンク機構104を構成する下2軸131b、132bでもある(すなわち、131b、132bは共通軸である)ため、補助4点リンク機構が4点リンク機構とは別個独立に構成される前記実施形態に比べて、椅子の構成要素を簡略化して部品点数及びコストの削減が図れるだけでなく、作動体102が小さい部品で済むため特にベース101付近の構成がよりコンパクトなものとなり、また多軸回転機構の軸の数を低減させることによりガタが生じる部位を減らしてスムーズで安定した作動を確保することができる。勿論、前記実施形態のように補助4点リンク機構4が4点リンク機構3とは別個独立に構成される場合には、軸41a、42aの設定位置(すなわち、軸41a、42a間の距離や軸41a、42aを結ぶ線の傾きなど)を通じて4点リンク機構3に対する補助4点リンク機構4のマウント状態を比較的自由に設定することができるので、座6の姿勢や移動軌跡等を細かく設定する上では有効なものとなる。
また、補助4点リンク機構104が、作動体102から座106の前部に向かって略平行に立ち上がる一対のリンク要素141、142を具備するものであり、外リンク要素142を四方が閉じた中空体状のものにして内リンク要素141を内部に収容しているので、補助4点リンク機構104を具備する座支持体105が単に支柱のような外観を呈するだけとなり、簡素で安心感のある椅子の外観を構成することができる。
さらにまた、4点リンク機構104の作動により、退避姿勢をとる座106を背支桿107とともに前方に移動させ、背支桿107の基端107aを略起立させた段階で座106により深く倒立前傾した収納姿勢を与えるようにしているので、他の座支持体や背支桿7に依存することなく、座支持体105の機能のみで座106に収納姿勢を与えることができる。このため、設計自由度を損なうことなく、離席時における椅子の後方通路L2を大きく確保して出入りの便を有効に向上させることが可能となる。
特に、机9との関係では、座支持体105が背支桿107側に倒れ座106が前傾して退避姿勢をとった際に、机9の使用縁91と座106の前縁106aとの間に前後方向に所定のクリアランスδが生じるように設定しているので、離着席時における上記下肢動作空間Pの確保を実効あらしめることができる。
また、座支持体105が前方に倒れるに従い、前傾した座106が机109の下肢空間Sに完全に入り込んで収納姿勢をとるように設定しているため、離席時における上述した後方通路L2の確保を実効あらしめることができる。
とりわけ、背支桿107の基端107aが机109の下肢空間Sに極接近させた状態で支持させてあり、座106が収納姿勢をとった際に背支桿107の基端107aが略鉛直な起立姿勢をとるようにしている点も、後方通路L2をより大きく確保することに奏功しているものである。
さらに、この実施形態の付勢手段であるキックバネ181は、座受構造体161の内部から外リンク要素141の内部に亘る位置にあって外観に殆ど現れない状態で収容されており、またキックバネ182は、背支桿107の基端107aの内部とベース1の基台111との間に亘る位置にあってやはり外観に殆ど現れない状態で収容されているので、椅子の見栄えを更に有効に向上させることが可能となる。
なお、この実施形態の場合にも、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。例えば、座支持体を作動体にマウントする態様には、座支持体と作動体とを一体に構成することも含まれるし、座支持体は補助4点リンク機構を含まない単なる剛体であっても着座姿勢における水平移動の効果は奏される。
また、上記実施形態において補助4点リンク機構104が作動しないように適宜の部位を拘束することによって、座106に着座姿勢における略水平方向の前後動作及びその前後動作の延長線上にある第2収納姿勢(図13→図14と回動し、更にそのまま回動した先の状態)のみを許容するように構成することもできる。このようにすれば、前後に略水平移動する着座姿勢、離着席時における退避姿勢、離席時における収納姿勢の各々を備えた図示実施形態に係る高機能タイプの椅子に対し、簡素な手法によって着座姿勢、及び座が折りたたまれない点で機能は若干劣るものの下肢空間への収納姿勢をとり得る廉価版仕様の椅子を有効に提供することができる。この場合、作動体と座支持体とはその前部又は一部が一体に構成されたものであってもよい。
さらに、上記実施形態において4点リンク機構103が作動しないように適宜の部位を拘束することによって、座の着座姿勢における前後動作を禁止して図13に示す着座姿勢及び図12に示す退避姿勢のみを許容するようにしてもよい。このようにすれば、前後に略水平移動する着座姿勢、離着席時における退避姿勢、離席時における収納姿勢の各々を備えた図示実施形態に係る高機能タイプの椅子に対し、簡素な手法によって退避姿勢のみをとり得る廉価版仕様の椅子を有効に提供することができる。
ここにおいて、拘束のためには、固定具や溶接等を用いることができるが、組み立て段階で対応できる場合には固定した状態と等価な剛体(リンク構造をもたないもの)で置き換えて部品点数の削減と更なるコストダウンを図ることも可能である。
また、図示背支桿は上半部がU字状をなすパイプ材で構成されているが、基端から先端までを単一の材料で構成するなど特に限定されるものではない。また、背支桿には骨材のみからなるもの以外に骨材の周囲をカバーで覆ったものもあり、リンク回りも各種のカバーで覆う態様等が当然考えられるが、本発明にはこれらの態様も勿論含まれるものである。このように、背支桿を始めとして背もたれ、座の形状等も、本発明の作用効果が奏される範囲で適宜変形実施することができる。
さらにまた、この実施形態の場合も、講義ユニットとは端的な例示名称に過ぎないものであって、講義に限定する意ではなく、例えば会議室や待合室等の他の用途にも適用できるものである。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明の第1実施形態を示す斜視図。 同拡大側面図。 座が収納姿勢をとるときの同実施形態の側面図。 座が退避姿勢をとるときの同実施形態の側面図。 座が着座姿勢をとるときの同実施形態の側面図。 座が着座姿勢で前方へ略水平移動したときの同実施形態の側面図。 本発明の第2実施形態を示す斜視図。 同実施形態を示す部分分解斜視図。 同一実施形態を示す部分分解斜視図。 同拡大側面図。 座が収納姿勢をとるときの同実施形態の側面図。 座が退避姿勢をとるときの同実施形態の側面図。 座が着座姿勢をとるときの同実施形態の側面図。 座が着座姿勢で前方へ略水平移動したときの同実施形態の側面図。
符号の説明
1、101…ベース 2、102…作動体 3、103…4点リンク機構 4、104…補助4点リンク機構 5、105…座支持体 6、106…座 7、107…背支桿

Claims (11)

  1. 床に設置されるベース近傍に作動体を配置して当該作動体とベースとの間に4点リンク機構を構成するとともに、この作動体に少なくとも座支持体の基端をマウントし、前記4点リンク機構の作動により作動体を介して座支持体を移動させた際に、着座姿勢にある座を略水平方向に前後動作させ得るようにし
    さらに、前記4点リンク機構を構成する4点のうち、ベース側の1点に背支桿の基端を枢着し、作動体側の1点に背支桿の基端近傍部位を枢着し、背支桿の上端側を座支持体と切り離した状態で構成して、座の前後動作に背の回動動作を連動させ得るようにしたことを特徴とする椅子。
  2. 座を着座姿勢で前後動作させるに際して、4点リンク機構を構成する上方2点の中点が略水平に動くように設定している請求項1記載の椅子。
  3. 座支持体が、補助4点リンク機構を具備するものであり、この補助4点リンク機構の作動により、着座姿勢にある座を支持する座支持体を背支桿側に傾倒させるに従い座に倒立前傾した退避姿勢を与え得るようにしている請求項記載の椅子。
  4. 補助4点リンク機構が4点リンク機構とは別個独立に構成されている請求項記載の椅子。
  5. 補助4点リンク機構の2軸と4点リンク機構の2軸とが共通軸により構成されている請求項記載の椅子。
  6. 前記4点リンク機構の作動により、退避姿勢をとる座を背支桿とともに前方に移動させ、背支桿の基端を略起立させた段階で座により深く倒立前傾した収納姿勢を与え得るようにしている請求項5のいずれかに記載の椅子。
  7. 補助4点リンク機構を拘束することにより、座に着座姿勢における略水平方向の前後動作及びその前後動作の延長線上の第2収納姿勢のみを許容するようにしている請求項6のいずれかに記載の椅子。
  8. 4点リンク機構を拘束することにより、座の着座姿勢における前後動作を禁止して着座姿勢及び退避姿勢のみを許容するようにしている請求項6のいずれかに記載の椅子。
  9. 請求項6のいずれかに記載の椅子を構成するベースを机とともに床に固定し、座支持体が背支桿側に倒れ座が前傾して退避姿勢をとった際に机の使用縁と座の前縁との間に前後方向に所定のクリアランスが生じるように設定していることを特徴とする講義ユニット。
  10. 請求項記載の椅子を構成するベースを机とともに床に固定し、座支持体が前方に倒れるに従い、前傾した座が机の下肢空間に完全に入り込んで収納姿勢をとるように設定していることを特徴とする講義ユニット。
  11. 背支桿の基端が机の下肢空間に極接近させた状態で支持させてあり、座が収納姿勢をとった際に背支桿の基端が略鉛直な起立姿勢をとり、背支桿の上端側が背もたれを含めて基端よりも前方に位置するようにしている請求項10記載の講義ユニット。
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