JP4967916B2 - 信号処理装置 - Google Patents
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Description
なお、上記の構成において、前記テンポラリー領域に記憶されるパラメータの各々を、複数設けられたグループのいずれか1または複数に対応付けるテーブルを記憶するテーブル記憶手段を有し、前記書込指定手段は、前記複数設けられたグループの中から1または複数のグループを指定し、前記更新手段は、前記テーブルにおいて、前記書込指定手段により指定されたグループと対応付けられたパラメータについて、前記設定パラメータ群記憶領域内の対応するパラメータの値を更新しても良い。
なお、上記の構成において、前記テンポラリー領域に記憶されるパラメータの各々を、複数設けられたグループのいずれか1または複数に対応付けるテーブルを記憶するテーブル記憶手段を有し、前記読出指定手段は、前記複数設けられたグループの中から1または複数のグループを指定し、前記設定手段は、前記テーブルにおいて、前記読出指定手段により指定されたグループと対応付けられたパラメータについて、前記テンポラリー領域の対応するパラメータの値を更新しても良い。
「音場」とは、視聴空間が持つ特有の音の響きを言う。視聴空間において音源により発音された音は、空気を介して直接リスナーの耳に届く「直接音」のほかに、床や壁や天井などに一回反射してから聞こえてくる「初期反射音」、さらに何回も反射を繰り返しながら次第に減衰してゆく「後部残響音」を生成する。視聴空間の形状や広さ、内装材料の種類などによって、初期反射音や後部残響音の構成は異なることから、その視聴空間特有の響きが生まれ、これを「音場」と呼ぶ。
(A;構成)
本発明に係るAVアンプ1の構成について説明する。
まず、AVアンプ1本体の構成について、図1を参照して説明する。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11AとROM(Read Only Memory)11BとRAM(Random Access Memory)11Cとを含む。CPU11Aは、RAM11Cをワーキングエリアとして、ROM11Bに格納された制御プログラムを実行することによりAVアンプ1の各部を制御する。
表示部12Aは、液晶パネルであり、制御部11の制御下でAVアンプ1の設定状態や動作状態を表示する。
操作部12Bは、AVアンプ1を操作するための各種の操作子である。該操作子には、AVアンプ1の電源の入/待機(スタンバイ)を切り換えるSTANDBY/ONスイッチ、後述する音場プログラムを選択するためのProgramme Selectorスイッチ、再生する入力ソースを選択するためのInput Selectorスイッチ、ボリュームつまみなどが含まれる。
リモコン信号受信部12Cは、後述する複数のリモコンから送信される操作信号(赤外線信号)を受信する。
チューナ14は、AM放送やFM放送などの電波を受信し、受信した電波を音声信号に変換し入力切替部22に出力する。
アナログ音声信号処理部15は、アナログ音声信号入力端子21と入力切替部22とボリューム調整部23とを備え、デジタル音声信号処理部17との間には、A/D(Analog/Digital)コンバータ24及びD/Aコンバータ25が設けられている。入力切替部22は、アナログ音声信号入力端子21及びチューナ14からの入力信号をボリューム調整部23またはA/Dコンバータ24に出力する。
ボリューム調整部23は、複数チャネル(2ch〜マルチチャネル)の各系統の音声信号のそれぞれについてボリュームを調整し、パワーアンプ26に出力する。パワーアンプ26は、マルチチャネルの信号に対応して複数並列で設けられており、各チャネルに対応するスピーカ5に増幅されたオーディオ信号を供給する。
デジタル音声入力端子29に入力された音声信号は、DIR30を介してデコーダ31に供給される。
デコーダ31は、A/Dコンバータ24とDIR30とHDMIリピータ35から入力されるマルチチャネル信号をデコードして、DSP(Digital Signal Processor)部32に出力する。
DSP部32は、デコーダ31から受取った音声信号に対し、各種の音響処理(音場効果の付加、スピーカ間の調整及び環境補正など)を行う。DSP部32から出力された音声信号は、D/Aコンバータ25でアナログ信号に変換され、ボリューム調整部23に出力される。
HDMI端子33から入力された信号は、入力選択部34を介してHDMIリピータ35に入力される。デジタルオーディオ信号はデコーダ31に入力され、ビデオ信号はトランスミッター36を介してHDMI端子33を介して外部機器に出力される。
デジタルビデオ処理及びGUI処理部37は、HDMIリピータ35とトランスミッター36とビデオエンコーダ38とビデオデコーダ39とに接続されており、HDMIリピータ35またはビデオデコーダ39からの入力信号に対して所定の処理を行い、HDMIリピータ35、トランスミッター36又はビデオエンコーダ38に出力する。
次に、AVアンプ1の周辺機器について説明する。図3に示すように、AVアンプ1には、モニタ2、再生装置3、オプティマイザーマイク4、スピーカ5が所定のケーブルで接続されている。また、リモコン6及びGUIリモコン7が設けられている。
図5は、GUIリモコン7のキー配置の一例を示す図である。GUIリモコン7には、AVアンプ1の電源を入れるためのPOWERキー、AVアンプ1の電源を待機状態(スタンバイ)にするためのSTANDBYキー、GUI画面におけるカーソルを操作するためのカーソルキー、音量を調整するためのVOLキー、GUI画面上で選んだ項目の設定に入ったり設定値を決定したりするためのENTERキー、GUIメニューから抜けるためのEXITキーなどが配置される。赤外線送信部は、操作信号をAVアンプ1本体のリモコン信号受信部12Cに赤外線で送信する。
再生装置3は信号をAVアンプ1に出力する装置であり、本実施形態においてはDVDプレーヤ53とゲーム機56とが含まれる。DVDプレーヤ53は、DVDなどの記録メディアから信号を読み出す装置であり、図1におけるアナログ音声信号入力端子21及びHDMI端子33を介してAVアンプ1に接続されている。ゲーム機56は、ゲームの内容を表す音声信号及び映像信号を出力する装置であり、図1に示すデジタル音声入力端子29及びアナログビデオ入出力端子40に接続されている。
オプティマイザーマイク4は、収音した音を表す信号を生成する。該生成された信号は、図1におけるアナログ音声信号入力端子21に入力される。
スピーカ5は、複数のスピーカを含む。各スピーカは、供給された音声信号に基づいて放音する。
ここで、AVアンプ1に接続されたスピーカ5の配置態様について説明する。図6に示すように、AVアンプ1には、フロントL/Rスピーカと、センタースピーカと、サラウンドL/Rスピーカと、サラウンドバックL/Rスピーカと、プレゼンスL/Rスピーカと、サブウーファーとの、計10個(サブウーファーは1つとカウントする)のスピーカが接続され、視聴空間Rにおいて図示した位置に配置される。ユーザ(図中L)は、図示した位置で音を聞き、この位置を以下ではリスニングポジションと呼ぶ。
図6に示したスピーカ配置は、AVアンプ1が最も性能を発揮することができるスピーカ配置であり、ITU−R基準配置に対応している。なお、ITU−R基準配置とは、マルチチャネルオーディオのミキシングスタジオで採用されている国際的な基準配置である。
ここで、AVアンプ1が有する「視聴空間最適化機能(以下、YPAOと称す)」について説明する。YPAOとは、あらゆる部屋の音響特性に最適化された設定を自動的にきめ細かく簡単に得る機能である。
オプティマイザーマイク4を上記リスニングポイントに設置し、YPAOの処理を開始させると、予め設定された音(テストトーン)がスピーカ5から種々の態様で出力される。該テストトーンは視聴空間Rの壁面などで反射した後、AVアンプ1本体に接続されたオプティマイザーマイク4により収音され、収音されたテストトーンが解析される。
AVアンプ1は、収音したテストトーンについて以下に挙げる5つの項目を解析し、最適なパラメータを算出する。
各スピーカの結線と位相やサブウーファーの位相を検出し、誤配線の確認をする。
(2)スピーカサイズの判定
フロントスピーカ、センタースピーカ、サラウンドスピーカ、サラウンドバックスピーカ、プレゼンススピーカの各スピーカサイズを測定する。サイズの判断はスピーカの低域再生能力を測ることにより行い、サブウーファーと最適につながるよう、各スピーカのクロスオーバー周波数を自動設定する。
(3)スピーカ距離の補正
リスニングポジションから各スピーカまでの距離を測定し、各スピーカから放音される信号の遅延時間を補正する。その際、各スピーカが視聴ポイントと同一円周状に均等距離になるよう遅延時間を調整する。
(4)周波数特性の補正
視聴空間Rにおいて用いられる場合の各スピーカの周波数特性を測定し、イコライジング処理を行うことにより各スピーカ間で音色を統一する。
(5)チャネル間レベルの調整
テストトーンによるチャネル(スピーカ)ごとの音圧レベルを測定し、スピーカ間の音圧レベルが最適なバランスとなるよう設定する。
例えば視聴空間Rの形状や視聴空間Rを形成する部材の材質など容易には変更できないために、ITU-R推奨配置によるスピーカを設置することが難しい場合があるが、上記YPAOによれば、あたかもスピーカ5がITU-R推奨配置されているかのように音が再生される。
次に、AVアンプ1が有する「音場プログラム」機能について説明する。音場プログラムとは、再生される音に各種の音響効果を付与することにより、あたかもコンサートホールなど他の視聴空間で放音されているかのような効果を付与するプログラムである。
実在する各種の視聴空間において、反射音の方向、強さ、帯域特性、遅延時間など音場を特徴付ける特性が実際に測定され、その音場を実現するためのパラメータが上記各種の視聴空間と対応付けてROM11Bに格納されている。
(1)コンサートホール
本音場プログラムは、コンサートホールの音場を再現するためのパラメータが設定される。広く奥行きがある視聴空間であるかのような音響効果が付与される。
(2)チャーチ
本音場プログラムは、適度な残響感を伴う教会の音場を再現するためのパラメータが設定される。
(3)ジャズクラブ
本音場プログラムは、実在するある特定のジャズクラブの音場を再現するためのパラメータが設定される。
(4)ロックコンサート
本音場プログラムは、ロックコンサートにおける広大なアリーナの音場を再現するためのパラメータが設定される。
「ディレイ」により、直接音から初期反射音が始まるまでの時間(遅延時間)が制御される。初期反射音の遅れは、音源と反射面との距離によって決まることから、遅延時間を短くすると音源が壁面に近づいた感じになり、逆に遅延時間を長くすると音源は壁面から離れた感じになる。従って、ディレイを調節することにより、ソースの原音から周りの壁までの距離感、空間の大きさ感、音像の態様等が制御される。
「視聴空間の大きさ」により、空間の拡がり感がコントロールされる。音が反射を繰り返すとき、壁と壁との間が広い大きなホールほど、反射音と反射音との時間的な間隔が長くなる。従って、この値を大きくするほど広い空間(部屋)、値を小さくするほど狭い空間であるとの印象を生じさせる。
「響きの強さ」により、初期反射音の減衰特性が制御される。この値を大きくするほど、反響が多く「ライブ」な音場になり、値を小さくするほど反響が少ない「デッド」な音場になる。実際のホールでのライブ感/デッド感は、反射面の吸音特性によって決定され、反射音の減衰が早ければデッドに、遅ければライブに感じられる。
「残響時間」により、後部残響音が減衰していく時間がコントロールされる。残響時間を調整することにより、デッドな視聴空間において長めの残響時間を設定したり、逆にライブな視聴空間において短い残響時間を設定したりして、自然な残響音が生成できる。
「残響音の遅れ」により、後部残響音が発生し始めるまでの時間が制御される。この値を大きくするほど、後部残響音が最初の初期反射音より遅れて発生するようになる。同じ残響時間でも、残響音の遅れを大きくすると、大きな空間の残響感になる。
「残響音の強さ」により、後部残響音のレベルがコントロールされる。この値を大きくするほど後部残響音のレベルが大きくなり、余韻が強く感じられる。
また、上記の他にもスピーカごとの出力レベルの設定や、2チャネルソースをデコードするデコーダを指定するパラメータなどが設けられている。
AVアンプ1には、上記音場プログラムに加え、以下のような再生モードが設けられている。ユーザにより特定のモードが選択されると、該選択されたモードに対応するパラメータが自動的に設定される。
ピュアダイレクトモードとは、スーパーオーディオCD(Compact Disk)やDVDオーディオなどのマルチチャネルソースや、CDなどの2チャネルソースを、アナログのままで聴くときに、高音質で聴くことができるモードである。
ダイレクトモードとは、アナログ信号、PCM信号(2チャネル/マルチチャネル)、DSD(Direct Stream Digital)信号(2チャネル/マルチチャネル)を、原音に忠実な高音質ステレオ音声で再生するモードである。
ストレートデコードモードとは、入力された信号に音場効果をかけずに再生するモードである。
ナイトリスニングモードとは、セリフなどは明瞭に、大きな効果音は抑えて再生するモードである。このため、夜間でも音量を気にせずに再生することができるモードである。
以上の各再生モードは、リモコン6に設けられたエフェクトキーを操作することによりON/OFFが設定される。
上述した音場プログラム及び再生モードは、ユーザが簡易に音場・音響効果を設定できるように予めパラメータがプリセットされた機能である。該機能に加え、ユーザごとにきめ細かく対応した音響効果を実現するため、「マニュアル設定」機能が設けられている。マニュアル設定においては、以下に説明する複数のパラメータがパラメータごとに設定可能である。
GUIリモコン7により、GUI画面における「マニュアル設定」を選択し、各パラメータの態様を表す選択肢の中からいずれかを選択することにより設定される。
THXの設定において、THXサラウンドモードについてのパラメータが設定される。具体的には、サブウーファーの低域出力やサラウンドバックL/Rスピーカ間の距離を調節して、最適なTHXサラウンドモードの条件が設定される。
スピーカの設定において、AVアンプ1に接続された各スピーカのサイズや有無などが設定される。音量設定においては、各スピーカからの音量レベルが最適なバランスとなるように、各スピーカからの出力レベルが個別に設定される。距離設定においては、各スピーカからリスニングポジションに音が到達するタイミングが設定される。サブウーファー設定においては、AVアンプ1に接続されたサブウーファーの数や配置などが設定される。
LFEレベルの設定において、ドルビーデジタル、DTS(Digital Theater Systems)及びAAC(Advanced Audio Coding)信号に含まれるLFE(爆発シーンなどで用いられる低域効果音)の再生レベルが調整される。
ダイナミックレンジの設定において、ドルビーデジタル、DTS及びAAC再生時のダイナミックレンジが調整される。
イコライジングの設定においては、グラフィックイコライザーを使って、フロントL/センター/フロントRチャネル、サラウンドL/Rチャネル、サラウンドバックL/Rチャネル、プレゼンスL/Rチャネルの音色が個別に調節される。
トーンコントロールの設定において、スピーカまたはヘッドホンから出力される音声の低音域と高音域が調整される。
その他の音声の設定において、音声と映像のずれを補正するいわゆるリップシンクに関する設定などがなされる。
デジタル映像処理の設定において、デジタル映像処理回路のON/OFFを切り換える処理がなされる。
映像モードの設定において、出力する映像の画質を調整する処理がなされる。画質パターン(シネマ、スタンダード、ダイナミック)の選択や、輪郭強調、ノイズ除去、明るさ、コントラスト、色の濃さなどが設定される。
解像度の設定において、出力する映像の解像度を設定する処理がなされる。
アスペクトの設定において、出力する映像のアスペクト比の設定がなされる。該設定においては、設定を変換しない、自動、16:9などの選択肢から選択される。
クロスカラーの設定において、クロスカラー(細かい模様などに発生する色のちらつき)除去機能のON/OFFが切り換えられる。
(A−8;システムメモリ)
同図に示すように、AVアンプ1に設定される各種パラメータは、Input/HDMI Out、Audio、Volume、SP Config/YPAO、Video、Optionの6グループにグループ分けされている。同図において、各パラメータは、対応する列の丸印が付けられたグループに割り当てられている。
なお、上記テーブルにおいては、各パラメータは1つのグループに割り当てられているが、複数のグループにまたがって割り当てられているものがあっても良い。以下、各グループについて説明する。
「Audio」には、音場プログラム、再生モード(ナイトモード、ピュアダイレクトモードなど)や各種エフェクトに関する設定、トーンコントロール、LFEレベル、ダイナミックレンジに関するパラメータ等が含まれる。
「Volume」には、各スピーカのデフォルトのボリュームを表すパラメータが含まれる。
「SP Config/YPAO」には、主にスピーカに関するパラメータが含まれる。該パラメータには、YPAOにより設定されるパラメータの全てを含む。また、前回実行されたYPAOの測定値も含まれる。
「Video」には、映像に関するパラメータが含まれる。上記マニュアル設定において説明した各種のパラメータが対応付けられる。
「Option」には、リップシンク設定(映像と音声のずれを補正するための設定)、などに関するパラメータが含まれる。
図7に示すように、ROM部10Aにおける各テンプレートT1〜nには、各種パラメータの値が図8のテーブルに従ってグループごとに格納される。各テンプレートT1〜nにおいては、上記複数のグループそれぞれにフラグが書き込まれている。該フラグは、上記6グループそれぞれについての書き込み及び読出しを許可するか否かを示すものである。なお、参照図において○は許可を表し×は不許可を表す。
次に、上記の構成を有するAVアンプ1の動作について説明する。なお、本動作例においては、DVDにより映像と音声が再生される場合について説明する。
まず、ユーザはAVアンプ1に対し、各種機器を接続する。具体的には、図3に示すように、モニタ2(モニタ2Aおよび2B)、DVDプレーヤなどの再生装置3、オプティマイザーマイク4、スピーカ5をAVアンプ1に接続する。そしてAVアンプ1本体の電源を入れる。
各装置の接続などのセットアップが完了すると、まずYPAOが実行される。YPAOの実行が指示されると、スピーカ5からテストトーンが放音され、該テストトーンはオプティマイザーマイク4により収音され、上述した所定の処理がなされる。
次にユーザは、リモコンの入力選択キーまたはAVアンプ1本体のInput selectorスイッチを押し、AVアンプ1へ信号を供給する再生装置3を選択する。ここでは、再生装置3としてDVDプレーヤ53が選択されたものとして以下の説明を続ける。AVアンプ1本体の表示部12Aには該選択された再生装置の名称(例えば「DVD」)が表示される。また、ユーザは、複数接続されたモニタ2A、2Bのいずれを用いるかを選択する。
また、例えばDVDオーディオなど、高音質な音を表す信号を再生する場合には、ピュアダイレクトモードに設定することも可能である。
また、入力された信号がアナログ信号、PCM(Pulse-Code Modulation)信号、DSD信号などである場合、「ダイレクト」機能を設定すれば、原音に忠実な高音質ステレオ音声で再生される。
以上に説明したように、AVアンプ1を用いてDVDを再生する場合などには、周辺機器を様々に接続すると共に、各種のパラメータを最適な値にする処理が行われる。該各種設定状態は、システムメモリ10のRAM部10Bにその都度書き込まれ記憶されている。
ここで、上記各種設定をシステムメモリ10へ書き込む方法について説明する。
上述したように、初期状態においてROM部10AのテンプレートT1〜nには、各パラメータのデフォルト値が書き込まれている。また、6つのグループに対応付けられたフラグには、許可(○)または不許可(×)がデフォルトで書き込まれている。
また、GUI画面には、該テンプレートTの名称の入力を促す表示がなされる。ユーザは、テンプレートの記憶内容を判定可能な名称を入力しておくことで、各テンプレートTを容易に識別可能とすることができる。
次に、テンプレートTからのパラメータの読出し方法について説明する。上述したように、RAM部10Bには、その時点でのAVアンプ1の設定を表すパラメータが書き込まれている。該RAM部10Bに書き込まれたパラメータは、ROM部10AのテンプレートTに書き込まれたパラメータにより更新することが可能である。
ユーザは、読み出したいテンプレートTを、各テンプレートTに付された名称を参照して選択すると共に、該テンプレートTにおいてRAM部10Bに設定したいグループを選択しそのフラグを「許可(○)」に設定する。「システムメモリ読出しボタン」がGUI画面において選択されると、該選択されたテンプレートTの選択されたグループに対応付けられたパラメータのデータが読み出され、RAM部10Bに書き込まれる。
以下では、2つの動作例について、システムメモリ10へのデータの格納状況を示しながら説明する。
本動作例においては、ユーザがYPAOによるパラメータの自動設定を複数回(本動作例では2度)実行し、いずれの設定結果が好みであるか、また、異なる条件で実行されたYPAOの設定によりどのように音が異なって聞こえるのかを聞き比べる場合について説明する。
なお、以降の参照図において、短い矢印は、該当する箇所が変更されたことを表し、長い矢印は、データが記憶領域間で転記されたことを表す。
さて、ユーザは、上記視聴空間Rを変更する前と後とで、それぞれ最適化されたYPAOの設定が、どのように音の違いを生むかを聞き比べようとしている。そこで、ユーザの指示に従い、設定の変更後においてRAM部10Bに書き込まれているパラメータの値をテンプレートTに転記する処理が行われる。
このことにより、必要最低限のパラメータの読出しが可能となり、途中で変更した他のパラメータについては不必要に変更されてしまうことがない。また、所望のパラメータに限って変更することができるため、純粋に該パラメータに由来する効果を確認することができる。また、テンプレートTの読出しに際し、各テンプレートTには名称が対応付けられて記憶されているため、パラメータの読出しが正確かつ容易となる。
本動作例においては、接続された2つのモニタ2A、2Bを切り換えて用いる場合について説明する。なお、動作例2は、上記動作例1の動作が行われた後に実行されるものとする。すなわち、ROM部10AのテンプレートT1、2には、既に上述のデータが書き込まれているものとする。ただし、参照する図面においては、テンプレート1、2は必要に応じて示す。
本動作開始時には、モニタ2Aが出力機器として選択されているものとする。
また、この場合、「Input/HDMI Out」の設定のみを読出したい場合には、図20に示すように、「Input/HDMI Out」のフラグのみが「許可」となるように、「Video」に対応するフラグを「不許可(×)」と変更し、システムメモリの読出しを行えば良い(図20参照)。
従来のAVアンプにおいては、その使用条件(視聴空間、用いられる周辺機器など)に応じて種々のパラメータを最適化して用いることが必要であり、従来は、使用条件ごとのパラメータを組み合わせてシステムメモリに記憶させておき、該パラメータが読み出されて設定されていた。しかし、該システムメモリには、パラメータが予め決められた組み合わせで記憶されていることから、該システムメモリが読み出される場合には、それら全てのパラメータが読み出され、その時点での使用条件に最適化されており変更を望まないパラメータをも更新されてしまっていた。
また、相互に関連しているパラメータが相互に関連付けてグループ化されているため、ユーザはそのグループを選択するだけで、書き込み/読み出しを行うパラメータを簡易に選択することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は以下のように種々の態様で実施することができる。なお、以下に説明する種々の実施形態を、適宜組み合わせて実施することも可能である。
主なゾーン(メインゾーン)において再生される信号を、他のゾーン(サブゾーン)においても再生する場合、再生の対象となる信号はメインゾーンに設けられた各スピーカに供給される。それと共に、同信号(すなわちメインゾーン用の信号)は、そのチャネル数が各サブゾーンに対して割り当てられた出力端子の数と一致するようにダウンミキシング処理され、ダウンミキシング処理が施された信号は、サブゾーンに設けられたスピーカへ供給される。
このような場合に、メインゾーン及びサブゾーンにおける各種設定は、ゾーンごとに設定されるのが望ましい。各種設定とは、例えば各ゾーンにおける各スピーカのボリューム、トーンコントロール設定(画像のトーンスケールを調整するための調整値)、各種音響設定(音場プログラム、各種エフェクト)などである。これらのパラメータを、ゾーンごとに設定しシステムメモリに記憶させておき、必要時には該システムメモリを読み出して各ゾーンに対して設定するようにする。その際、上記実施形態に記載したように、ゾーンごとに、又、パラメータごとにパラメータ値の書き込み/読み出しを実行可能としておけば良い。そのようにすれば、上記実施形態において説明したように、各ゾーンにおける各パラメータが所望の組み合わせで記憶されると共に、読出しの際にも所望の組み合わせで読み出され各ゾーンにおいて所望のパラメータが更新される。
(a)リカバリー機能
上記実施形態において、特定の1つのテンプレートTにおいて、上記に記載の全ての設定項目を保存することができるようにしても良い。例えば、AVアンプ1を初期化する際にメインテナンスを行う者が該テンプレートTを読み出して用いるなどすれば良い。なお、該テンプレートTに記憶されたパラメータがユーザにより容易に変更されないように、GUIリモコンからは書き込み及び読み出しの操作ができず、特別なメニュー画面(Advanced Setup)からのみ制御可能としても良い。
(b)ボリュームメモリ機能(イニシャルボリューム)
ボリュームメモリ機能とは、各ゾーンに設けられたスピーカのボリューム値のみをテンプレートTに保存する機能である。システムメモリ10において、図6に示した10個のスピーカ全てのボリューム値を書き込み可能とするのが好ましい。
Claims (5)
- 操作部の操作によって入力された各種パラメータの値を受け付けるパラメータ受付手段と、
前記パラメータ受付手段が受け付けた各種パラメータがリアルタイムに記憶されるテンポラリー領域が設定されるとともに、複数のパラメータを一組にして継続的に記憶する設定パラメータ群記憶領域が複数設定される記憶手段と、
外部機器から信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部が受信した信号に対して、前記テンポラリー領域に記憶されたパラメータに基づいて信号処理を施す信号処理部と、
前記信号処理部により信号処理が施された信号を出力する信号出力部と、
前記記憶手段に設定されたテンポラリー領域に含まれるパラメータの中から、いずれか1または複数のパラメータを指定すると共に、前記記憶手段に複数設定された設定パラメータ群記憶領域のいずれかを指定する書込指定手段と、
前記テンポラリー領域から、前記書込指定手段により指定された設定パラメータ群記憶領域に、前記書込指定手段により指定されたパラメータを転送することにより、前記設定パラメータ群記憶領域内の対応するパラメータの値を更新する更新手段と、
前記記憶手段に複数設定された設定パラメータ群記憶領域のいずれかを指定する読出指定手段と、
前記読出指定手段により指定された設定パラメータ群記憶領域からパラメータを読み出し前記テンポラリー領域内の対応するパラメータの値を更新する設定手段と
を有することを特徴とする信号処理装置。 - 操作部の操作によって入力された各種パラメータの値を受け付けるパラメータ受付手段と、
前記パラメータ受付手段が受け付けた各種パラメータがリアルタイムに記憶されるテンポラリー領域が設定されるとともに、複数のパラメータを一組にして継続的に記憶する設定パラメータ群記憶領域が複数設定される記憶手段と、
外部機器から信号を受信する信号受信部と、
前記信号受信部が受信した信号に対して、前記テンポラリー領域に記憶されたパラメータに基づいて信号処理を施す信号処理部と、
前記信号処理部により信号処理が施された信号を出力する信号出力部と、
前記記憶手段に複数設定された設定パラメータ群記憶領域のいずれかを指定すると共に、該指定した設定パラメータ群記憶領域に記憶されたパラメータの中から、いずれか1または複数のパラメータを指定する読出指定手段と、
前記読出指定手段により指定されたパラメータを当該設定パラメータ群記憶領域から読み出し前記テンポラリー領域内の対応するパラメータの値を更新する設定手段と
を有することを特徴とする信号処理装置。 - 前記テンポラリー領域に記憶されるパラメータの各々を、複数設けられたグループのいずれか1または複数に対応付けるテーブルを記憶するテーブル記憶手段を有し、
前記書込指定手段は、前記複数設けられたグループの中から1または複数のグループを指定し、
前記更新手段は、前記テーブルにおいて、前記書込指定手段により指定されたグループと対応付けられたパラメータについて、前記設定パラメータ群記憶領域内の対応するパラメータの値を更新する
ことを特徴とする請求項1に記載の信号処理装置。 - 前記テンポラリー領域に記憶されるパラメータの各々を、複数設けられたグループのいずれか1または複数に対応付けるテーブルを記憶するテーブル記憶手段を有し、
前記読出指定手段は、前記複数設けられたグループの中から1または複数のグループを指定し、
前記設定手段は、前記テーブルにおいて、前記読出指定手段により指定されたグループと対応付けられたパラメータについて、前記テンポラリー領域の対応するパラメータの値を更新する
ことを特徴とする請求項2に記載の信号処理装置。 - 前記信号処理部は、前記外部機器から受信した信号を増幅する処理を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の信号処理装置。
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