図1〜図3は、本発明の実施形態に係る投射型表示装置としてのプロジェクター1の外観を示す斜視図である。図1は、プロジェクター1を投射方向側(スクリーン側)且つプロジェクター1の天面側から見た斜視図である。図2は、プロジェクター1を投射方向側(スクリーン側)且つプロジェクター1の底面側から見た斜視図である。図3は、プロジェクター1を背後側(スクリーン側とは反対側)且つプロジェクター1の底面側から見た斜視図である。
なお、以下では、各色の光、すなわち、R光、G光、B光に対応する構成を示す符号に対して、R、G、Bの付加符号を付すことがあり、また、これらの付加符号を適宜に省略して説明することがある。
プロジェクター1は、筐体3と、筐体3に取り付けられたレンズ鏡筒5(図1)とを有している。レンズ鏡筒5内には、光をスクリーンに投射するための投射レンズ6(図1)が配置されている。なお、図2では、レンズ鏡筒5に、投射レンズ6を保護するためのキャップ35が被覆されている場合を例示している。なお、投射方向は、投射レンズ6の光軸LAに沿う方向である。
プロジェクター1は、天地を逆にして使用可能となっている。すなわち、プロジェクター1は、実際の上下方向を図1の上下方向と一致させて、テーブル等の載置面に載置して使用する載置状態と、実際の上下方向を図1の上下方向と逆にして、天井等の吊り下げ面から吊り下げて使用する吊り状態との双方で使用可能である。
なお、以下では、便宜上、基本的に、図1の上方側(載置状態の上方側)をプロジェクター1の上面側、図1の下方側(載置状態の下方側)をプロジェクター1の底面側として説明する。
筐体3は、例えば、上下方向に薄い直方体状に形成されており、上面部3a、底面部3b、前面部3c、背面部3d、第1側面部3e、及び、第2側面部3fを有している。上面部3aは、プロジェクター1の載置状態において上面となる面を構成している。底面部3bは、プロジェクター1の載置状態において底面となる面を構成している。前面部3cは、投射方向側の面を構成している。背面部3dは、投射方向とは反対側の面を構成している。第1側面部3e及び第2側面部3fは、投射方向に沿い、上面部3a及び底面部3bに交差する面を構成している。
底面部3bには、図2に示すように、プロジェクター1を載置面に載置するための複数の支持具7(一つのみ示す)を取付可能な雌ネジ部9が形成されている。雌ネジ部9は、例えば、底面部3bの四隅に形成されている。支持具7は、雄ネジ部7aを有しており、雄ネジ部7aが雌ネジ部9に螺合されることにより底面部3bに固定される。プロジェクター1は、雄ネジ部7aの雌ネジ部9へのねじ込み量を調整することにより、載置面からの高さ及び載置面に対する傾斜を調整可能となっている。プロジェクター1は、支持具7により、底面部3bを載置面から離間して載置面に載置される。
また、底面部3bには、図3に示すように、プロジェクター1を天井等から吊り下げるための吊り下げ具11(一部のみを抽象化して示す。)を取付可能な雌ネジ部10が形成されている。雌ネジ部10は、例えば、底面部3bの比較的広い範囲の3箇所に配置されている。吊り下げ具11は、吊り下げ具11に挿通されたネジ13(一つのみ示す)が雌ネジ部10に螺合されることにより、底面部3bに固定される。そして、吊り下げ具11が不図示のネジ等により天井に固定されることにより、プロジェクター1は、載置状態とは天地を逆にした吊り状態で使用される。
底面部3bには、図2及び図3に示すように、後述する吸気口のフィルターを交換するためのフィルター交換用蓋体15と、後述する光源としてのランプを交換するためのランプ交換用蓋体17が装着されている。なお、これらは、筐体3の一部として捉えることもできる。また、底面部3bには、筐体3への吸気を行うための複数の吸気口19及び複数の吸気口21、並びに、筐体3からの排気を行うための複数の排気口23が形成されている。
前面部3cには、図1に示すように、投射レンズ6を露出させるための開口25が形成されている。開口25は、前面部3cのうち、左右方向の一方側(図1の紙面左側、第2側面部3f側)に配置されている。
前面部3c及び第1側面部3eの交差する角部には、図1及び図2に示すように、筐体3外部へ排気を行うための排気部27が形成されている。排気部27は、前面部3cから第1側面部3eに亘って開口しており、前面部3cにおいて開口する前面側排気部27aと、第1側面部3eにおいて開口する側面側排気部27bとを有している。
排気部27は、排気ルーバー29を有している。排気ルーバー29は、例えば、筐体3と一体成形されている。排気ルーバー29は、複数の羽板を有し、その複数の羽板により形成される隙間は、投射方向側且つ投射レンズ6の光軸LAから離間する方向へ開口している。具体的には、以下に例示するとおりである。
排気ルーバー29は、前面側排気部27aに配置される前面側ルーバー29aと、側面側排気部27bに配置される側面側ルーバー29bとを有している。前面側ルーバー29aは、複数の前面側羽板29cを有している。側面側ルーバー29bは、複数の側面側羽板29dを有している。
複数の前面側羽板29cは、例えば、上下方向に長い長尺状の板状部材である。複数の前面側羽板29cは、互いに離間して概ね平行に配置されており、複数の前面側羽板29cの間には、筐体3の内外を連通する複数のスリット31a(隙間)が形成されている。複数の前面側羽板29cは、筐体外部側(投射方向側)ほど投射レンズ6の光軸LAから離間する方向へ傾斜して配置されている。従って、スリット31aは、投射方向側且つ投射レンズ6の光軸LAから離間する方向へ開口している。
複数の側面側羽板29dは、例えば、上下方向に長い長尺状の板状部材である。複数の側面側羽板29dは、互いに離間して概ね平行に配置されており、複数の側面側羽板29dの間には、筐体3の内外を連通する複数のスリット31b(隙間)が形成されている。複数の側面側羽板29dは、筐体外部側(投射レンズ6の光軸LAから離間する側)ほど投射方向側へ傾斜して配置されている。従って、スリット31bは、投射方向側且つ投射レンズ6の光軸LAから離間する方向へ開口している。
図3に示すように、第2側面部3fには、筐体3への吸気及び/又は筐体3からの排気を行うための複数の吸排気口33が形成されている。また、背面部3dには、プロジェクター1と、電力供給源や他の機器とを接続するための種々の接続端子が配置されている。
筐体3は、例えば、下部ケース37と、上部ケース39とが組み合わされて構成されている。下部ケース37は、底面部3bの全面、並びに、前面部3c、背面部3d、第1側面部3e及び第2側面部3fの底面部3b側の一部を構成する部材である。上部ケース39は、上面部3aの全面、並びに、前面部3c、背面部3d、第1側面部3e及び第2側面部3fの上面部3a側の一部を構成する部材である。なお、前面部3c、背面部3d、第1側面部3e及び第2側面部3fの大部分は、上部ケース39により形成されている。上部ケース39は、下部ケース37に被せられる。上部ケース39及び下部ケース37は適宜な方法により互いに固定される。例えば、上部ケース39及び下部ケース37は、一方に設けられた係合部が他方に設けられた被係合部に係合したり、一方に挿通されたネジが他方に設けられたにネジボスに螺合させることにより互いに固定される。下部ケース37及び上部ケース39は、例えば、樹脂により形成されている。
図4は、プロジェクター1から上部ケース39を取り外してプロジェクター1内部を示す斜視図である。図5は、図4の状態から更に複数の部品を取り外してプロジェクター1内部を示す斜視図である。
図4及び図5に示すように、プロジェクター1は、筐体3の内部において、複数の部品が立体的に配置されている。
図6は、図4の状態のプロジェクター1内部を示す平面図である。図7は、図5の状態のプロジェクター1内部を示す平面図である。ただし、図6及び図7では、図解を容易にするために、各種の部品が省略されたり、各種の部品の形状が簡略化されている。また、一部は断面図のように示している。
まず、図4〜図7を参照して、プロジェクター1における、画像を投射するための構成について概略を説明する。
図4及び図6に示すように、プロジェクター1は、光源ユニット41と、光源ユニット41からの光をレンズ鏡筒5へ導く光学ユニット43と、光源ユニット41を駆動制御する光源駆動ブロック45と、光学ユニット43を含むプロジェクター1全体を駆動制御する制御駆動ブロック47とを有している。
レンズ鏡筒5及び制御駆動ブロック47は、筐体3内の前面部3c側(図4の紙面下方側、図6の紙面上方側)において、投射方向に対して並列に配置されている。なお、制御駆動ブロック47は、筐体3の前面部3cに隣接して配置されている。光学ユニット43及び光源ユニット41は、光学ユニット43がレンズ鏡筒5の背面部3d側(図4の紙面上方側、図6の紙面下方側)に位置し、光源ユニット41が制御駆動ブロック47の背面部3d側に位置するように、筐体3内の背面部3d側において、投射方向に対して並列に配置されている。なお、光学ユニット43はレンズ鏡筒5に隣接し、光源ユニット41は制御駆動ブロック47に隣接している。光源駆動ブロック45は、光源ユニット41の背面部3d側に配置されている。なお、光源駆動ブロック45は、光源ユニット41に隣接するとともに、筐体3の背面部3dに隣接している。
光源ユニット41は、ランプ49(図6)と、ランプ49を収容するランプハウス51とを有している。
ランプ49は、発光管53と、発光管53からの光を反射するリフレクタ55とを有している。なお、発光管53を光源と捉えることもできるし、ランプ49を光源として捉えることもできるし、光源ユニット41を光源として捉えることもできる。
発光管53は、例えば、ハロゲンランプ、メタルハイドランプ、キセノンランプにより構成されている。リフレクタ55は、例えば、横断面が円形、縦断面が概ねU字状に形成され、内側に反射面を有している。発光管53は、大部分がリフレクタ55内に配置されている。リフレクタ55は、開口を光学ユニット43側(図6の紙面右側)に向けて配置されている。
ランプハウス51は、図6に示すように、平面視において台形状に形成されている。具体的には、平面視において、前面部3c側(図6の紙面上方側)の、前面部3cに概ね平行な辺(第1ランプ側面部51s)と、レンズ鏡筒5とは反対側(図6の紙面左側)の第1側面部3eに概ね平行な辺(ランプ背面部51t)との角部が比較的大きく面取りされて、傾斜した辺(傾斜面部51u)が形成された形状となっている。図4に示すように、ランプハウスの高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さ(底面部3bの内側面から上面部3aの内側面までの高さ)に概ね等しい。
光学ユニット43は、複数の光学部品(図4及び図6ではほとんど図示省略)と、複数の光学部品を保持する光学ユニットケース57とを有している。光学ユニットケース57は、図4及び図6に示すように、ランプハウス51から投射方向に直交する方向(図4及び図6の紙面左右方向)へ延び、レンズ鏡筒5の背後側(図4の紙面上方側、図6の紙面下方側)に到達している。複数の光学部品は、光学ユニットケース57内、光学ユニットケース57とランプハウス51との間、光学ユニットケース57とレンズ鏡筒5との間に配置されている。
光源駆動ブロック45は、一又は複数の回路基板59(図6)と、回路基板59を収容する光源駆動ブロックケース61とを有している。回路基板59には、各種のIC等が実装され、発光管53へ供給する電力を制御する電源回路が構成されている。光源駆動ブロックケース61は、投射方向(図6の紙面上下方向)に薄い概ね直方体状に形成されている。図4及び図5に示すように、光源駆動ブロックケース61の高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さに概ね等しい。光源駆動ブロックケース61は、筐体3の背面部3dに沿うように(投射方向に直交するように)に配置されている。回路基板59は、筐体3の背面部3dに沿い、光源駆動ブロックケース61の内側面から離間するように光源駆動ブロックケース61内に配置されている。
制御駆動ブロック47は、図4及び図6に示すように、一又は複数の回路基板63(図6)と、回路基板63を収容する制御駆動ブロックケース65とを有している。回路基板63には、各種のIC等が実装され、後述する液晶表示パネルの動作を制御する制御回路やファンへ供給する電力を制御する電源回路が構成されている。制御駆動ブロックケース65は、上下方向に薄い概ね直方体状に形成されている。制御駆動ブロックケース65の高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さの概ね半分程度である。制御駆動ブロックケース65は、筐体3内において、後述するファンケース99上に配置されることにより、筐体3の上面部3a側に配置されている。回路基板63は、筐体3の上面部3aに沿い、制御駆動ブロックケース65の内側面から離間するように制御駆動ブロックケース65内に配置されている。
次に、図4〜図7を参照して、プロジェクター1における、上記に説明した各種の部品を冷却するための構成について説明する。
図5及び図7に示すように、プロジェクター1は、筐体3の背面側(図5の紙面上方側、図7の紙面下方側)に配置された第1シロッコファン67、第2シロッコファン69と、第1シロッコファン67及び第2シロッコファン69からの空気を冷却対象へ導く第1導出ダクト71と、筐体3の第1側面部3e側(図5の紙面右側、図7の紙面左側)に配置された第1軸流ファン73と、第1軸流ファン73からの空気を筐体3の外部へ導く排気ダクト75と、筐体3の前面側(図5の紙面下方側、図7の紙面上方側)に配置された第3シロッコファン77と、第3シロッコファン77からの空気を冷却対象へ導く第2導出ダクト79と、第3シロッコファン77のレンズ鏡筒5側に配置された第2軸流ファン81とを有している。
第1シロッコファン67は、図4〜図7に示すように、光学ユニット43の背面側に隣接して配置されている。第1シロッコファン67は、図5及び図7に示すように、羽根部83と、羽根部83を収容するファンケース85とを有している。なお、図5では、羽根部83の羽根を省略して図示している。羽根部83は、投射方向を回転軸の方向としてファンケース85に軸支されている。羽根部83は、回転することにより、回転軸方向から吸気して径方向へ排気する。ファンケース85は、羽根部83の回転軸方向側、より具体的には、筐体3の前面側(図7の紙面上方側、光学ユニット43側)が吸気可能に開口している。ファンケース85は、羽根部83を回転軸周りに囲む外周部において第1導出ダクト71に連通している。第1シロッコファン67(ファンケース85)の高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さと概ね同等である。
第2シロッコファン69は、第1シロッコファン67の背面部3d側(図7の紙面下方側)に隣接して配置されている。また、第2シロッコファン69は、筐体3の背面部3dに隣接して配置されている。第2シロッコファン69は、第1シロッコファンと概ね同様の構成を有している。具体的には以下に例示するとおりである。第2シロッコファン69は、図7に示すように、羽根部87と、羽根部87を収容するファンケース89とを有している。羽根部87は、投射方向を回転軸の方向としてファンケース89に軸支されている。羽根部87は、回転することにより、回転軸方向から吸気して径方向へ排気する。ファンケース89は、羽根部87の回転軸方向側、より具体的には、背面部3d側が吸気可能に開口している。ファンケース89は、羽根部87を回転軸周りに囲む外周部において第1導出ダクト71に連通している。第2シロッコファン69(ファンケース89)の高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さと概ね同等である。
なお、図7に示すように、上述の筐体3の底面部3bに形成された複数の吸気口19は、第1シロッコファン67の吸気側の面に沿って配列されている。また、上述の筐体3の底面部3bに形成された複数の吸気口21は、第2シロッコファン69の吸気側の面に沿って配列されている。
第1導出ダクト71は、第1シロッコファン67及び第2シロッコファン69からの空気を光源ユニット41、光学ユニット43の一部の光学部品、及び、光源駆動ブロック45へ導くためのものである。具体的には以下に例示するとおりである。
第1導出ダクト71は、一端が、上述のように、第1シロッコファン67のファンケース85及び第2シロッコファン69のファンケース89に接続されている。そして、図5及び図7に示すように、第1導出ダクト71は、その一端から、光学ユニット43側(筐体中央側)へ延びる第1分岐ダクト71aと、光源駆動ブロック45側へ延びる第2分岐ダクト71bとに分岐している。
第1分岐ダクト71aは、図5に示すように、筐体3の内部空間に対して底面側に配置され、図6及び図7から読解されるように、光学ユニット43の下方側まで延びている。そして、図5及び図7に示すように、光学ユニット43の下方側に位置する、第1分岐ダクト71aの端部には、上方側、すなわち、光学ユニット43側へ開口する吹き出し口71cが形成されている。吹き出し口71cは、図6及び図7から読解されるように、平面視において、光学ユニットケース57とランプハウス51との間に位置している。吹き出し口71cから吐出された空気は、光学ユニット43の、光学ユニットケース57とランプハウス51との間に配置された光学部品に吹き付けられる。
第2分岐ダクト71bは、図5及び図7に示すように、筐体3の背面部3dに沿って、光源駆動ブロック45へ延びている。図5に示すように、第2分岐ダクト71bの高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さと概ね同等である。ただし、筐体内部側の一部には、筐体3の内部空間の高さよりも低い部分が形成されている。例えば、第1シロッコファン67の下方側から上昇しつつ光源駆動ブロック45へ延びる部分、第2シロッコファン69の下方側から上下に拡径しつつ光源駆動ブロック45へ延びる部分が形成されている。
図6に示すように、第2分岐ダクト71bは、光源ユニット41の背後側まで延びている。そして、図5に示すように、第2分岐ダクト71bの光源ユニット41に対向する側(筐体内部側、前面部3c側)の面には、吹き出し口71dが形成されている。ランプハウス51の、吹き出し口71dと対向する位置には、導入口51a(図6)が形成されている。吹き出し口71dから吐出された空気は、導入口51aを介してランプハウス51内に導入される。ランプハウス51には、第1軸流ファン73側に排気口51b(図6)が形成されている。光源ユニット41のランプ49により熱せられた空気は、排気口51bから排出され、第1軸流ファン73側へ流れる。
図5及び図7に示すように、第2分岐ダクト71bは、光源駆動ブロック45の光源駆動ブロックケース61に接続され、内部が連通している。従って、第2分岐ダクト71bにより導かれた空気は、光源駆動ブロックケース61内部へ導入される。光源駆動ブロックケース61には、適宜な位置に、第2分岐ダクト71bにより導入された空気を排出するための排気口が形成されている。例えば、第2分岐ダクト71bとの接続位置とは反対側(図5の紙面右側、図6の紙面左側)において、筐体内部側に開口する不図示の排気口が形成されている。また、例えば、筐体3の底面部3bに対向する面に排気口が形成されている。なお、上述の筐体3の底面部3bに形成された複数の排気口23は、光源駆動ブロック45の下方側に位置している。
なお、第1シロッコファン67のファンケース85、第2シロッコファン69のファンケース89、第1導出ダクト71、光源駆動ブロックケース61は、これら全体が一体的に形成されたり、複数の部材が組み合わされて構成されたり、互いに一部が一体的に形成されるなどすることにより、適宜に構成されてよい。
また、第1導出ダクト71は、吹き出し口71cが形成される部分(第1分岐ダクト71a)、吹き出し口71dが形成される部分(第2分岐ダクト71bの一部)、第2シロッコファン69のファンケース89に連通する部分(第2分岐ダクト71bの一部)の全てが、第1シロッコファン67のファンケース85、第2シロッコファン69のファンケース89の双方に連通する(ひいては、全ての部分が互いに連通する)ものとして説明したが、第1導出ダクト71のうち、一部の部分が一方のシロッコファンにのみ、他の部分が他方のシロッコファンにのみ連通するように構成されてもよい。
第1軸流ファン73は、主として、光源ユニット41により熱せられた空気を筐体3外部へ排出するためのものである。第1軸流ファン73は、図4及び図6に示すように、光源ユニット41に隣接して配置されている。具体的には、光源ユニット41の第1側面部3e側(図4の紙面右側、図6の紙面左側、投射レンズ6とは反対側)、且つ、光源ユニット41の前面部3c側(図4の紙面下方側、図6の紙面上方側)に隣接している。第1軸流ファン73は、光源ユニット41のランプハウス51の傾斜面部51u(図6)に対向して配置されている。
第1軸流ファン73は、羽根部91(図6)と、羽根部91を収容するファンケース93とを有している。羽根部91は、平面視において、投射方向に対して傾斜した方向を回転軸の方向としてファンケース93に軸支されている。具体的には、羽根部91は、回転軸が、光源ユニット41側から、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する側へ延びるように、軸支されている。羽根部91の回転軸は、例えば、投射方向に対して、約45°の角度で傾斜している。羽根部91は、回転することにより、回転軸方向の一方側(光源ユニット41側)から吸気して、回転軸方向の他方側(筐体外部側)へ排気する。ファンケース93は、羽根部91の回転軸方向の両側が開口している。なお、ファンケース93は、例えば、ケージ状に形成されている。第1軸流ファン73(ファンケース93)の高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さと概ね同等である。
排気ダクト75は、第1軸流ファン73により送り出された空気を筐体3の外部へ導くためのものである。排気ダクト75には、第1軸流ファン73により空気が導入される導入口75aと、導入された空気を排出する導出口75bとが形成されている。排気ダクト75は、導入口75aから導出口75bまで、全体として、概ね、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する方向へ延びている。ただし、導出口75bは、導入口75aを、第1軸流ファン73の回転軸方向へ投影した位置よりも、前面部3c側(図6の紙面上方側)へずれている。すなわち、排気ダクト75は、排気ダクト75が設けられない場合に比較して、第1軸流ファン73により送り出される空気を前面部3c側へ導くように延びている。排気ダクト75の高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さと概ね同等である。
排気ダクト75を平面視したときの具体的な形状は、以下に例示するとおりである。排気ダクト75は、図6に示すように、第1軸流ファン73側の端部においては、第1軸流ファン73の回転軸方向へ若干延びる。すなわち、排気ダクト75の、筐体3外部側(第1側面部3e側、図6の紙面左側)の外部側面部75c、及び、筐体3内部側(レンズ鏡筒5側、図6の紙面右側)の内部側面部75dとも、第1軸流ファン73の回転軸方向に延びる。外部側面部75cは、第1側面部3eに到達する。その位置から、外部側面部75cは、屈曲して、第1側面部3eに沿って前面側(投射方向側、図6の紙面上方側)へ延びる。一方、内部側面部75dは、中途で屈曲して、制御駆動ブロック47の第1側面部3e側(図6の紙面左側)の面に沿って前面側へ延び、更に、逆方向へ屈曲して、第1軸流ファン73の回転軸方向(例えば投射方向に対して約45°の角度)へ再度延びる。
外部側面部75cは投射方向へ、内部側面部75dは投射方向に対して傾斜して延びているから、両者の延長線は交差することになる。換言すれば、外部側面部75cの、屈曲して前面側に延びる部分は、排気ダクト75の導出側の端面を構成している。そして、外部側面部75cには、導出口75bが形成されている。具体的には、排気ダクト75の外部側面部75cの第1側面部3e側(図6の紙面左側)且つ前面部3c側(図6の紙面上方側)は、切り欠かれたような形状になっており、平面視においてL字の導出口75bが形成されている。導出口75bは、上述の、側面側排気部27bに対向している。従って、導出口75bから排出された空気は、側面側排気部27bを介して筐体3外部へ排出される。
図6に示すように、排気ルーバー29の、側面側排気部27bに配置された側面側ルーバー29bの筐体3内部側には、内部ルーバー95が設けられている。具体的には、内部ルーバー95は、排気ダクト75の導出口75bに設けられている。内部ルーバー95は、排気ダクト75内において、導出口75bに沿って配列された複数の内部側羽板95aを有している。内部側羽板95aは、側面側羽板29dにより形成されるスリット31bの開口方向に対して交差するように配置されている。すなわち、前面部3c側(図6の紙面上方側)ほど、筐体内部側(図6の紙面右側)に位置するように配置されている。内部側羽板95aは、概ね排気ダクト75の高さ(上下方向の厚さ)に亘る高さを有している。従って、光源ユニット41等からの光は、スリット31bへ直接的に入射しないようになっている。
排気ダクト75は、図5に示すように、例えば、排気ダクト75の上面部分及び側面部分の上方側を構成する上部部材75eと、排気ダクト75の側面部分の下方側及び底面部分を構成する下部部材75fとが互いに固定されて構成されている。これらの固定は、例えばネジにより行われている。下部部材75fは、筐体3の下部ケース37にネジなどにより固定されている。内部ルーバー95は、下部部材75fの一部として一体成形されている。なお、排気ダクト75や内部ルーバー95の構成方法は、上記に限定されるものではなく、適宜に変更されてよい。例えば、排気ダクト75の底面が筐体3の底面部3bによって構成されるなど、排気ダクト75の一部が他の部材に共用されてもよい。
第3シロッコファン77は、図4〜図7に示すように(ただし、図6では制御駆動ブロック47に隠れて不図示)、制御駆動ブロック47の下方側(底面部3b側)に配置されている。換言すれば、制御駆動ブロック47及び第3シロッコファン77は、底面部3b上に積層されている。第3シロッコファン77は、図7に示すように、羽根部97と、羽根部97を収容するファンケース99とを有している。羽根部97は、上下方向を回転軸の方向としてファンケース99に軸支されている。羽根部97は、回転することにより、回転軸方向から吸気して径方向へ排気する。ファンケース99は、羽根部97の回転軸方向側、より具体的には、底面部3b側が吸気可能に開口している。なお、底面部3bのファンケース99に対向する位置には、上述のフィルター交換用蓋体15に覆われた、後述する吸気口が開口している。ファンケース99は、羽根部97を回転軸周りに囲む外周部において第2導出ダクト79に連通している。図5に示すように、第3シロッコファン77(ファンケース99)の高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さの半分程度である。
第2導出ダクト79は、第3シロッコファン77からの空気を光学ユニット43の光学部品へ導くためのものである。具体的には以下に例示するとおりである。
第2導出ダクト79は、一端が、上述のように、第3シロッコファン77のファンケース99に接続されている。そして、図5及び図7に示すように、第2導出ダクト79は、その一端から、概ね背面部3d側(図5の紙面上方側、図7の紙面下方側)に若干延びた後、背面部3d側へ延びる第3分岐ダクト79a(図5では、第2軸流ファン81に隠れてほとんど不図示。)と、第2側面部3f側(図5の紙面左側、図7の紙面右側)へ延びる第4分岐ダクト79bとに分岐している。
第3分岐ダクト79aは、第3シロッコファン77のファンケース99と同等の高さ(上下方向の厚さ)を有し、筐体3の内部空間の底面側において延びている。第3分岐ダクト79aの端部は、図6及び図7から読解されるように、光学ユニット43の、光源ユニット41側の端部の下方側に到達している。そして、図5及び図7に示すように、第3分岐ダクト79aの端部には、上方側、すなわち、光学ユニット43側へ開口する吹き出し口101が形成されている。吹き出し口101は、図7に示すように、光の入射側の吹き出し口102INと、光の出射側の吹き出し口102OUTとを有している。吹き出し口101は、図6及び図7から読解されるように、平面視において、光学ユニットケース57と光源ユニット41のランプハウス51との間に位置している。吹き出し口101から吐出された空気は、光学ユニット43の、光学ユニットケース57とランプハウス51との間に配置された光学部品に吹き付けられる。
第4分岐ダクト79bは、第3シロッコファン77のファンケース99と同等の高さ(上下方向の厚さ)を有し、筐体3の内部空間の底面側において延びている。第4分岐ダクト79bの端部は、図6及び図7から読解されるように、光学ユニット43の、レンズ鏡筒5側の端部の下方側に到達している。そして、図5及び図7に示すように、第4分岐ダクト79bの端部には、上方側、すなわち、光学ユニット43側へ開口する3つの吹き出し口103R(図5においては隠れて不図示)、103G、103Bが形成されている。吹き出し口103は、図6及び図7から読解されるように、平面視において、光学ユニットケース57とレンズ鏡筒5との間に位置している。吹き出し口103から吐出された空気は、光学ユニット43の、光学ユニットケース57とレンズ鏡筒5との間に配置された光学部品に吹き付けられる。
第2軸流ファン81は、制御駆動ブロック47へ送風して制御駆動ブロック47を冷却するためのものである。第2軸流ファン81は、図4及び図6に示すように、制御駆動ブロック47に隣接して配置されている。具体的には、第2軸流ファン81は、制御駆動ブロック47と、レンズ鏡筒5との間の比較的狭い隙間に配置されており、制御駆動ブロック47のレンズ鏡筒5側に対向及び隣接するとともに、レンズ鏡筒5の制御駆動ブロック47側に対向及び隣接している。
第2軸流ファン81は、羽根部105(図4及び図5においては、羽根部105のうち羽根が固定される軸部のみ示す。)と、羽根部105を収容するファンケース107を有している。羽根部105は、平面視において、投射方向に対して概ね直交する方向を回転軸の方向としてファンケース107に軸支されている。羽根部105は、回転することにより、回転軸方向の一方側(レンズ鏡筒5側)から吸気して、回転軸方向の他方側(制御駆動ブロック47側)へ排気する。ファンケース107は、羽根部105の回転軸方向の両側が開口している。第2軸流ファン81(ファンケース107)の高さ(上下方向の厚さ)は、筐体3の内部空間の高さと概ね同等である。
制御駆動ブロックケース65は、第2軸流ファン81に対向する面に開口65a(図6)が形成されるとともに、第1側面部3e側(図4の紙面右側、図6の紙面左側)の面に開口65bが形成されている。第2軸流ファン81により送り出された空気は、開口65aを介して制御駆動ブロックケース65内に導入され、開口65bを介して制御駆動ブロックケース65外へ排出される。
開口65bの外部側、且つ、筐体3の内部側は、開口65bから排出された空気を前面側排気部27aに導くことが可能に形成されている。具体的には、第2導出ダクト79の内部側面部75dのうち、筐体外部側の内部側面先端部75hが、開口65bからの排出方向に対して傾斜して配置されており、開口65bからの側面側排気部27bへの流れを遮断するとともに、開口65bからの空気の流れを前面側排気部27a側へ変化させている。
なお、開口65bの外部側、且つ、筐体3の内部側において、流路の上面は、筐体3の上面部3aにより構成されている。上記の流路の下面は、図5に示すように、排気ダクト75の下部部材75fの底面構成部75jにより構成されている。上記の流路の、開口65bの直下の面は、下部部材75fの壁部75gにより構成されている。なお、上記の流路は、上記の構成方法に限定されるものではなく、適宜に変更されてよい。例えば、底面は、筐体3の底面部3bによって構成されてもよいし、壁部75gが省略されて、第3シロッコファン77のファンケース99が上記の流路の一部を構成してもよい。
図8は、プロジェクター1の光学系の概略構成を示す平面図である。なお、図8において、光学ユニット43の光学部品は、代表的なもののみが抽象化して例示されている。光学ユニット43では、図8に示した以外にも適宜な光学部品が配置されてよく、また、図8に示した光学部品は適宜に変更、省略されてよい。
光学ユニット43は、光源ユニット41のランプハウス51と、光学ユニットケース57との間に、フライアイレンズ108と、PS変換素子109とを有している。ランプ49からの光は、フライアイレンズ108により均一化され、その均一化された光は、PS変換素子109により偏光方向が揃えられる。
光学ユニット43は、光学ユニットケース57内に、PS変換素子109からの光をR、G、Bの各色の光に分離して、光学ユニットケース57のレンズ鏡筒5側の端部へ導くための複数の光学部品が配置されている。具体的には以下に例示するとおりである。
PS変換素子109からの光は、ダイクロックミラー110により、B光が反射されるとともに、残りの光が透過される。反射されて投射方向(図8の紙面上方側)へ向かったB光は、反射ミラー111により反射されて投射方向に直交する方向へ進み、集光レンズ113により平行化されて光学ユニットケース57から出射される。
ダイクロックミラー110により透過された光は、ダイクロックミラー115により、G光が反射されるとともに、R光が透過される。反射されて投射方向へ向かったB光は、集光レンズ117により平行化されて光学ユニットケース57から出射される。
ダイクロックミラー110により透過されたR光は、リレーレンズ119を透過し、反射ミラー121により反射されて投射方向へ向かい、リレーレンズ123を透過し、反射ミラー125により反射されて投射方向に直交する方向へ進み、集光レンズ127により平行化されて光学ユニットケース57から出射される。
光学ユニット43は、光学ユニットケース57とレンズ鏡筒5との間に、入射側偏光板129R、129G、129Bと、ライトバルブとしての液晶パネル131R、131G、131Bと、出射側偏光板133R、133G、133Bと、クロスプリズム135とを有している。
光学ユニットケース57から出射された光は、入射側偏光板129により所定の偏光方向の光が透過され、液晶パネル131により変調され、出射側偏光板133により所定の偏光方向の光が透過され、クロスプリズム135に入射する。クロスプリズム135は、各色に対応する出射側偏光板133からの光を合成し、レンズ鏡筒5へ出射する。
なお、液晶パネル131は、制御駆動ブロック47の回路基板63において構成された電子回路から、所定の画像データに基づく映像信号が入力され、その映像信号に応じて液晶分子の配列方向を変化させることにより、液晶パネル131に入射した光を変調する。
レンズ鏡筒5に入射した光は、投射レンズ6により不図示のスクリーンへ投射される。これにより、クロスプリズム135により合成された画像は、スクリーンに拡大表示される。なお、図8では、投射レンズ6が複数枚のレンズを有するレンズ群により構成されている場合を例示している。
以上の概略構成を有するプロジェクター1における、空気の流れを説明する。
図7において、矢印y1で示すように、第1シロッコファン67が回転すると、複数の吸気口19を介して筐体3外部から筐体3内部へ空気が導入される。導入された空気は、第1シロッコファン67に対して、その回転軸方向へ流れ込む。また、矢印y3で示すように、第2シロッコファン69が回転すると、複数の吸気口21を介して筐体3外部から筐体3内部へ空気が導入される。導入された空気は、第2シロッコファン69に対して、その回転軸方向へ流れ込む。第1シロッコファン67及び第2シロッコファン69に流れ込んだ空気は、矢印y5及びy7で示すように、第1導出ダクト71へ送り込まれる。
第1導出ダクト71へ送り込まれた空気の一部は、矢印y9で示すように、第1分岐ダクト71aに流れ込み、吹き出し口71cから吐出される。吐出された空気は、PS変換素子109(図8)等の、ランプハウス51(図6等)と光学ユニットケース57(図6等)との間に配置された光学部品に吹き付けられ、これらの光学部品を冷却する。
第1導出ダクト71へ送り込まれた空気の他の一部は、矢印y11で示すように、第2分岐ダクト71bに流れ込む。図6において、矢印y13で示すように、第2分岐ダクト71bに流れ込んだ空気の一部は、吹き出し口71d(図5)から吐出され、導入口51aを介してランプハウス51内に導入される。第2分岐ダクト71bに流れ込んだ空気の他の一部は、矢印y15で示すように、光源駆動ブロックケース61内に導入される。
矢印y17で示すように、ランプハウス51内に導入された空気は、ランプハウス51内を流れてランプ49を冷却した後、ランプハウス51から排出され、第1軸流ファン73に吸い込まれる。第1軸流ファン73に吸い込まれた空気は、矢印y19で示すように、排気ダクト75により、筐体3の、前面部3cと第1側面部3eとが交差する角部側へ導かれ、内部ルーバー95を通過するとともに側面側ルーバー29bを通過する。側面側ルーバー29bを通過した空気は、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する方向(例えば投射方向に対して約45°傾斜した方向)へ、排出される。
光源駆動ブロックケース61内に導入された空気は、光源駆動ブロックケース61内を流れて回路基板59を冷却する。回路基板59冷却後の空気は、矢印y21に示すように、光源駆動ブロックケース61の、第1側面部3e側に形成された不図示の開口を介して光源駆動ブロックケース61から排出される。そして、ランプハウス51から排出された空気と同様に、第1軸流ファン73により筐体3外部へ排出される。又は、回路基板59冷却後の空気は、光源駆動ブロックケース61の、底面部3b側に形成された不図示の開口を介して光源駆動ブロックケース61から排出され、複数の排気口23(図2)を介して筐体3外部へ排出される。
第3シロッコファン77(図7)が回転すると、筐体3外部の空気が筐体3の底面部3bの後述する吸気口から筐体3内部へ導入される。導入された空気は、第3シロッコファン77へ、その回転軸方向に流れ込み、図7において矢印y23で示すように、第3シロッコファン77の径方向外周部に接続された第2導出ダクト79に送り込まれる。
第2導出ダクト79に送り込まれた空気の一部は、矢印y25で示すように、第3分岐ダクト79aに流れ込み、吹き出し口101から吐出される。吐出された空気は、PS変換素子109(図8)等の、ランプハウス51(図6等)と光学ユニットケース57(図6等)との間に配置された光学部品に吹き付けられ、これらの光学部品を冷却する。
第2導出ダクト79に送り込まれた空気の他の一部は、矢印y27で示すように、第4分岐ダクト79bに流れ込み、吹き出し口103から吐出される。吐出された空気は、入射側偏光板129、液晶パネル131、出射側偏光板133(図8)等の、レンズ鏡筒5(図6等)と光学ユニットケース57(図6等)との間に配置された光学部品に吹き付けられ、これらの光学部品を冷却する。
図6において、矢印y29で示すように、第2軸流ファン81が回転すると、レンズ鏡筒5の周囲等の空気が、第2軸流ファン81に対して、その回転軸方向へ流れ込む。なお、この際、筐体3外部の空気が筐体3の底面部3bの後述する吸気口から筐体3内部へ導入される。第2軸流ファン81に流れ込んだ空気は、矢印y31で示すように、第2軸流ファン81により、開口65aを介して制御駆動ブロックケース65内へ送り込まれ、回路基板63を冷却する。回路基板63を冷却した空気は、矢印y33で示すように、開口65bを介して制御駆動ブロックケース65から排出される。排出された空気は、排気ダクト75の内部側面先端部75h等により前面側ルーバー29aに導かれ、前面側ルーバー29aを通過する。前面側ルーバー29aを通過した空気は、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する方向(例えば投射方向に対して約45°傾斜した方向)へ、排出される。
なお、排気ダクト75は、図6及び図7に示すように、部品の空冷に利用される第1空気流路AFR1を構成している。第1空気流路AFR1は、導入口75aを始端とし、側面側排気部27bを終端としている。側面側排気部27bは、導入口75aに対して、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する方向側に位置しているから、第1空気流路AFR1は、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する方向側に延びているといえ、また、少なくとも投射方向側へ延びているといえる。第1空気流路AFR1は、投射方向に沿う側面(第1側面部3e)側において延びている。
また、制御駆動ブロックケース65と、制御駆動ブロックケース65の第1側面部3e側(図6の紙面左側)における各種の部材(排気ダクト75の内部側面先端部75h、筐体3の上面部3a、下部部材75fの底面構成部75j(図4)、下部部材75fの壁部75g(図4))とは、部品の空冷に利用される第2空気流路AFR2を構成している。第2空気流路AFR2は、開口65aを始点とし、前面側排気部27aを終点としている。第2空気流路AFR2は、筐体3内の、前面部3c側(投射方向側)において、投射レンズ6側から第2空気流路AFR2が配された第1側面部3e側へ延びている。
第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2は、互いに異なる方向に延び、下流端において隣接している。そして、排気ダクト75の内部側面部75dや排気ルーバー29の作用により、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する側の方向へ、ランプ49や制御駆動ブロック47の回路基板63により熱せられた空気を排気可能である。
図9〜図11を参照して、光源ユニット41の構成を説明し、その後、光源ユニット41内部における空気の流れを説明する。
図9は、光源ユニット41を示す透視図である。図9は、第1軸流ファン73側且つ筐体3の上面部3a側から見た斜視図である。
光源ユニット41は、上述したランプ49及びランプハウス51と、ランプ49をランプハウス51に対して着脱するための保持部材137と、ランプハウス51の排気口51bの開口面積を調整するための調整機構138とを有している。
ランプハウス51は、筐体3の底面部3b側(図9の紙面下方側)の面が開放され、開放部51xが形成されている。ランプハウス51は、上述のように、平面視において台形状に形成されている。ただし、ランプ49が対向する面は開放されており、開放部51wが形成されている。ランプハウス51の、筐体3の背面部3d側(図9の紙面右側)の第2ランプ側面部51vには、開放部51w側に、上述した導入口51aが形成されている。
上述した排気口51bは、ランプハウス51の、筐体3の前面部3c側(図9の紙面左側)の第1ランプ側面部51sと、第1ランプ側面部51sに連続する傾斜面部51uとに亘って形成されており、第1ランプ側面部51sに形成された側面側排気口51cと、傾斜面部51uに形成された傾斜面側排気口51dとを有している。側面側排気口51cは、第1ランプ側面部51sの傾斜面部51u側に形成されている。傾斜面側排気口51dは、傾斜面部51uの略全面に亘って形成されている。
排気口51bの上下方向の径は、排気口51bがランプ49の中央よりも上方側から中央よりも下方側に亘るように設定されている。具体的には、排気口51bは、ランプ49の概ね上端から下端に亘る大きさを有している。なお、ランプハウス51は、ランプ49を収容可能な大きさであって、種々の目的に照らして必要最小限の大きさに設定されているから、排気口51bは、ランプハウス51の上端付近から下端付近に亘って開口している。側面側排気口51c及び傾斜面側排気口51dの上下方向の径は、異なっていてもよいが、本実施形態では、同一の場合について例示している。
なお、排気口51bは、一の開口により構成されるものであってもよいし、複数のスリットにより構成されるものであってもよいし、縦横に配置された格子の複数の隙間やパンチグメタルの複数の開口のような適宜な大きさの複数の開口により構成されるものであってもよい。なお、図9では、排気口51bの範囲を分かりやすく図示するために、上下方向に延びる格子により形成された複数のスリットにより、排気口51bが構成されている場合を例示している。
保持部材137は、ランプ49の、筐体3の底面部3b側(図9の紙面下方側)に配置される保持基部137aと、保持基部137aともにランプ49のリフレクタ55の外周を囲む第1保持側面部137b、保持上面部137c、第2保持側面部137dと、リフレクタ55の開口を塞ぐ保持前面部137e(図11参照)を有している。
保持基部137aは、平面視においてランプ49よりも広い面積を有する板状部材により構成されている。保持上面部137cは、リフレクタ55の上方側を、少なくともリフレクタ55の開口側において覆っている。
第1保持側面部137bは、リフレクタ55の、第2ランプ側面部51v側を、少なくともリフレクタ55の開口側において覆っている。第1保持側面部137bには、導入口51aからの空気をリフレクタ55内へ導くための導入口137fが形成されている。
第2保持側面部137dは、リフレクタ55の、第1ランプ側面部51s側を、少なくともリフレクタ55の開口側において覆っている。第2保持側面部137dには、リフレクタ55内の空気を排出するための排気口137gが形成されている。
保持前面部137eには、発光管53がリフレクタ55内部で生じた光を透過させるための開口137h(図11参照)が形成されている。開口137hは、透光部材137j(図11参照)により塞がれている。
ランプ49は、係合部やネジ等の適宜な手段により保持部材137に固定されている。ランプ49を保持した保持部材137は、ランプハウス51の開放部51xからランプハウス51内に収納され、係合部やネジ等の適宜な手段によりランプハウス51に対して固定されている。
なお、図6及び図7から読解されるように、筐体3の底面部3bには、光源ユニット41(図6)の直下に、ランプ交換用蓋体17(図7)により塞がれたランプ交換用開口3g(図7)が形成されている。ランプ交換用蓋体17は、例えば、係合部及びネジにより筐体3の底面部3bに固定されており、底面部3bに対して着脱可能である。ランプ49の交換の際には、ランプ交換用蓋体17が底面部3bから取り外される。そして、ランプ49を保持した保持部材137は、ランプ交換用開口3gを介して、筐体3へ出し入れされ、筐体3内のランプハウス51に対して着脱される。
調整機構138は、載置状態において、排気口51bの上方側の開口面積が下方側の開口面積よりも大きくなり、吊り状態において、排気口51bの上方側(載置状態の下方側)の開口面積が下方側(載置状態の上方側)の開口面積よりも大きくなるように、排気口51bの開口面積を調整するものである。
調整機構138は、側面側排気口51cの一部を塞ぐ調整部材139と、調整部材139を移動可能に保持するガイド部141A、141B(以下、A、Bを省略することがある。)とを有している。
調整部材139は、側面側排気口51cの開口面積を調整する側面側調整部139aと、傾斜面側排気口51dの開口面積を調整する傾斜面側調整部139bとを有している。側面側調整部139aは、第1ランプ側面部51sに沿う板状に形成されており、傾斜面側調整部139bは、傾斜面部51uに沿う板状に形成されている。調整部材139は、全体として、屈曲した板状に形成されている。
調整部材139の幅(水平方向)は、排気口51bに亘る大きさに設定されている。すなわち、側面側調整部139aの幅は、側面側排気口51cの水平方向の径以上であり、傾斜面側調整部139bの幅は、傾斜面側排気口51dの水平方向の径以上である。調整部材139の上下方向の長さは、排気口51bよりも小さい。例えば、調整部材139の上下方向の長さは、排気口51bの上下方向の径の半分程度、及び/又は、ランプハウス51の上下方向の厚さの半分程度である。
ガイド部141は、調整部材139を、ランプハウス51に対して上下方向に移動可能に保持している。ガイド部141は、調整部材139の水平方向の両端部に位置し、上下方向に延びている。ガイド部141は、ランプハウス51の外周面(具体的には傾斜面部51u、第1ランプ側面部51s)との間に、調整部材139を挿入可能な隙間を形成している。調整部材139は、ガイド部141とランプハウス51との隙間に挿入されることにより、ランプハウス51に対して、上下方向にスライド可能に取り付けられている。
図10は、ランプ49の斜視図である。
リフレクタ55は、発光管53を収納する凹状部55aと、凹状部55aの開口縁部に形成された鍔部55bとを有している。
凹状部55aの内面は、反射面であり、開口側ほど拡径するように形成されている。鍔部55bは、凹状部55aの開口縁部全周に亘って外周側へ突出している。ランプ49が保持部材137に取り付けられた際には、鍔部55bの前面(図10の紙面手前側の面)は、保持部材137の保持前面部137e又は透光部材137jに、当接又は微小隙間で隣接する。従って、凹状部55aの開口は基本的には保持部材137により塞がれることになる。
凹状部55aの開口側には、空気を導入及び/又は排出するための適宜な孔部が形成されている。例えば、凹状部55aの図10の左側には、ランプハウス51の導入口51a及び保持部材137の導入口137fを介して流入した空気を凹状部55a内部へ導入するための導入口55cが形成されている。また、凹状部55aの、導入口51aに対向する位置(図10の右側)には、凹状部55a内部の空気を凹状部55a外部へ排出するための排気口55dが形成されている。凹状部55aの外側において、凹状部55aの導入口55cは保持部材137の導入口137fに対向し、凹状部55aの排気口55dは保持部材137の排気口137gに対向している。
図11は、調整部材139の位置の変化を説明する概念図である。図11(a)は、載置状態における光源ユニット41周辺の断面図である。図11(b)は、載置状態とは天地が逆になった吊り状態における光源ユニット41周辺の断面図である。
なお、図11は、概念図であり、図解を容易にするために、適宜な部材を省略したり、部材の形状や配置位置を簡略化する等、他の図面に対して適宜な変更を加えて示している。例えば、排気口51bは、ランプ49の背後に配置されるとともに、水平方向の格子により上下方向において区切られている。
図11(a)に示すように、載置状態において、調整部材139は、自重により、ランプハウス51に対して、筐体3の底面部3b側に位置している。従って、調整部材139は、排気口51bのうち、載置状態において下方側となる部分を塞ぐ。
図11(b)に示すように、プロジェクター1の天地が逆にされると、調整部材139は、自重により、ランプハウス51に対して、筐体3の上面部3a側に移動する。従って、調整部材139は、排気口51bのうち、吊り状態において下方側となる部分を塞ぐ。
なお、調整部材139は、載置状態及び吊り状態において、適宜な部材に当接して位置決めされる。例えば、調整部材139は、載置状態においては筐体3の底面部3bに当接し、吊り状態においては筐体3の上面部3aに当接する。なお、適宜な部材の適宜な位置に、載置状態又は吊り状態において調整部材139を位置決めする位置決め部が設けられてもよい。
以上の構成を有する光源ユニット41においては、以下のように空気が流れる。
図9において矢印y41で示すように、ランプハウス51の導入口51aから導入された空気は、保持部材137の導入口137f及びリフレクタ55の導入口55c(図10)を介してリフレクタ55内に導入され、発光管53やリフレクタ55を冷却する。発光管53やリフレクタ55を冷却した空気は、矢印y43で示すように、リフレクタ55の排気口55d(図10)及び保持部材137の排気口137gを介してリフレクタ55の外部へ排出される。
リフレクタ55の外部へ排出された空気は、矢印y45で示すように、排気口51bからランプハウス51の外部へ排出される。なお、この際、上述した第1軸流ファン73の吸引力が、ランプハウス51からの空気の排出に寄与する。
図11(a)に示すように、プロジェクター1が載置状態で使用されている場合には、排気口51bの、筐体3の底面部3b側(載置状態における下方側)は、調整部材139により塞がれていることから、ランプハウス51内の空気は、排気口51bの、筐体3の上面部3a側(載置状態における上方側)から排出される。
一方、図11(b)に示すように、プロジェクター1が吊り状態で使用されている場合には、排気口51bの、筐体3の上面部3a側(吊り状態における下方側)は、調整部材139により塞がれていることから、ランプハウス51内の空気は、排気口51bの、筐体3の底面部3b側(吊り状態における上方側)から排出される。
ランプハウス51内においては、上方側ほど温度が高くなる傾向にあるが、載置状態においても吊り状態においても、各状態における上方側からランプハウス内の排気を行うことから、ランプハウス51内の温度の上下バランスが均等になりやすく、ひいては、載置状態と吊り状態との間の温度の上下バランスが均等になりやすい。
なお、ランプハウス51の導入口51aと、保持部材137の導入口137fとの間には、リフレクタ55内へ導入される空気の方向を適宜なものとするためのダクトが設けられてもよい。また、保持部材137の導入口137fを、リフレクタ55の導入口55cよりも若干径を大きくしたり、ランプ49後方側へ若干位置をずらすなどし、導入口137fから導入された空気の一部がリフレクタ55の背後へ流れるようするなど、光源ユニット41における空気の流れは適宜に変更されてよい。
図12及び図13を参照して、吹き出し口103からの光学ユニット43の光学部品への空気の吹き付けについて説明する。
図12(a)は、吹き出し口103付近の拡大斜視図である。図12(b)は、吹き出し口103の拡大平面図である。
吹き出し口103は、入射側偏光板129、液晶パネル131、出射側偏光板133の、各色間における温度上昇の比率等の、各色毎の特徴に応じて、適宜な形状及び面積に形成されている。具体的には、以下に例示するとおりである。
吹き出し口103の開口面積は、R、G、Bの順に徐々に大きくなるように設定されている。開口面積の比は、例えば、入射側偏光板129、液晶パネル131、出射側偏光板133の、各色間の温度上昇比率に概ね等しく設定されている。
吹き出し口103Rは、R光の進行方向(図12(b)の紙面左右方向)に対して直交する辺及び平行する辺を有する矩形に形成されている。
吹き出し口103Gは、全体として、G光の進行方向(図12(b)の紙面上下方向)に対して直交する辺及び平行する辺を有する矩形に形成されている。また、吹き出し口103Gは、G光の進行方向に直交する仕切り部143Gにより仕切られており、入射側吹き出し口104G−IN及び出射側吹き出し口104G−OUT(以下、他の構成も含め、入射側、出射側を示す、IN、OUTの付加記号を省略することがある。)を有している。仕切り部143Gは、例えば、液晶パネル131Gの下方に位置している。吹き出し口104Gは、矩形に形成されている。
吹き出し口103Bは、全体として、B光の進行方向(図12(b)の紙面左右方向)に対して直交する辺及び平行する辺を有する矩形の、出射側の角部が面取りされた6角形に形成されている。また、吹き出し口103Bは、B光の進行方向に直交する仕切り部143Bにより仕切られており、入射側吹き出し口104B−IN及び出射側吹き出し口104B−OUTを有している。仕切り部143Bは、例えば、液晶パネル131Bの下方に位置している。入射側吹き出し口104B−INは、B光の進行方向に対して直交する辺及び平行する辺を有する矩形に形成されている。出射側吹き出し口104B−OUTは、B光の進行方向に対して直交する長辺及び短辺を有し、出射側を短辺とする台形に形成されている。
第4分岐ダクト79bは、吹き出し口103R、103G、103Bをそれぞれ構成するノズル145R、145G、145Bを有している。なお、図12(b)に示すように、ノズル145Gは、吹き出し口104G−INを構成するノズル146G−IN、吹き出し口104G−OUTを構成するノズル146G−OUTを有し、ノズル145Bは、吹き出し口104B−INを構成するノズル146B−IN、吹き出し口104B−OUTを構成するノズル146B−OUTを有する。換言すれば、ノズル145G及びノズル145Bは、仕切り部143を一部に含む。ノズル145は、例えば、第4分岐ダクト79bと一体成形されている。ノズル145は、例えば、樹脂により構成されている。
ノズル145には、ノズル145が振動しやすくなるように、図13においては不図示の複数の切り込みが形成されている。ノズル145が振動することにより、吹き出し口104から吹き出される空気の流れは、層流から乱流に遷移しやすくなる。空気の流れが層流から乱流に遷移すると、空気と光学部品との熱交換の効率が上がる。切り込みは、具体的には、以下に例示するように形成されている。
図13(a)は、吹き出し口103Rの平面図である。なお、図13(a)の紙面上下左右方向は、図12(b)の紙面上下左右方向と同一である。
ノズル145Rは、R光の進行方向に沿う2つの平行壁部147Rと、R光の進行方向に交差する2つの直交壁部149Rとから構成されている。ノズル145Rには、これら4つの壁部を分割するように、4つの切り込み151Rが形成されている。従って、各壁部は、壁部に直交する方向へ揺動(振動)可能となっている。
とりわけ、切り込み151Rは、R光の進行方向に沿って形成されていることから、直交壁部149Rは、R光の進行方向及びその逆方向の双方に揺動可能である。なお、平行壁部147Rは、R光の光路から離間する方向へは揺動可能であるが、R光の光路へ近接する方向への揺動は、直交壁部149Rに規制される。
さらに、各直交壁部149Rには、各直交壁部149Rが2つの壁部の積層体から構成されるように、R光の進行方向に直交する(直交壁部149Rに沿う)切り込み153Rが形成されている。従って、直交壁部149Rは、R光の進行方向に直交する方向の曲げ剛性が低下しており、R光の進行方向に揺動しやすくなっている。
図13(b)は、吹き出し口103Gの平面図である。なお、図13(b)の紙面上下左右方向は、図12(b)の紙面上下左右方向と同一である。
ノズル145Gは、G光の進行方向に平行な2つ(4つと捉えることも可能である)の平行壁部147Gと、G光の進行方向に直交する3つの直交壁部149Gとから構成されている。
ノズル145Gにも、ノズル145Rと同様に切り込みが形成されている。すなわち、G光の進行方向に沿い、平行壁部147Gと直交壁部149Gとを分離する切り込み151Gが形成されており、また、G光の進行方向に直交して各直交壁部149Gを複数層に分割する切り込み153Gが形成されている。
図13(c)は、吹き出し口103Bの平面図である。なお、図13(c)の紙面上下左右方向は、図12(b)の紙面上下左右方向と同一である。
ノズル146Bは、B光の進行方向に平行な2つの平行壁部147Bと、B光の進行方向に傾斜する2つの傾斜壁部148Bと、B光の進行方向に直交する3つの直交壁部149Bとから構成されている。
ノズル145Bにも、ノズル145Rと同様に切り込みが形成されている。すなわち、B光の進行方向に沿い、直交壁部149Bと、他の壁部(平行壁部147B及び傾斜壁部148B)を分離する切り込み151Bが形成されており、また、G光の進行方向に直交して各直交壁部149Bを複数層に分割する切り込み149Bが形成されている。
なお、ノズル145の、いずれの範囲を一の壁部として捉えるかは適宜である。上記の説明では、平面視における方向によって壁部を区分したが、例えば、一の平行壁部147と一の直交壁部149とで、一の壁部が構成されており、当該一の壁部に切り込み151が形成されて、壁部の一部が揺動しやすくなっていると捉えることもできる。また、ノズル145全体を一の壁部として捉えることもできる。
図14等を参照して、フィルター交換用蓋体15(図2)周辺の構成について説明する。
図14(a)は、フィルター交換用蓋体15により筐体3に着脱されるフィルター155を示す斜視図である。
フィルター155は、フィルター本体部157A、157B(以下、A、Bを省略することがある。)と、フィルター本体部157を保持するフィルターホルダー159とを有している。
フィルター本体部157は、エレクトレットにより構成されている。すなわち、フィルター155は、透過する空気の塵を帯電電荷により吸着する、いわゆる帯電フィルターとして構成されている。エレクトレットは、全体としては中性であり、局部的にプラス電荷とマイナス電荷を恒久的に保持している。エレクトレットとしては、適宜な材料が用いられてよいが、例えば、ポリプロピレンを素材とした不織布エレクトレットが用いられる。フィルター本体部157の形状は適宜に設定されてよいが、例えば、表側と裏側に交互に折り返された形状、すなわち、ギザギザの形状に形成されている。また、例えば、フィルター本体部157は、平面形状が矩形に形成されている。
フィルターホルダー159は、フィルター本体部157の外周を囲む枠状に形成されている。換言すれば、フィルターホルダー159には、フィルター本体部157が配置される開口159hが形成されている。開口159hは、2つのフィルター本体部157A、157Bそれぞれに対応して設けられており、フィルターホルダー159は、2つのフィルター本体部157A、157Bを囲む大枠部159aと、2つのフィルター本体部157A、157Bを仕切る仕切り部159bとを有している。なお、大枠部159aの厚さは、ギザギザに形成されたフィルター本体部157の厚さに対して同等又は若干大きい。
大枠部159aの紙面上方側の面には、紙面上方側に突出する突条部が大枠部159aの全周に沿って形成されている。具体的には、大枠部159aの内側縁部に沿って形成された内側突条部159cと、大枠部159aの外側縁部に沿って形成された外側突条部159dとが形成されている。なお、内側突条部159cと外側突条部159dとの間には溝部が形成されているから、大枠部159aの全周に沿って溝部が形成されていると捉えることもできる。
大枠部159aの紙面下方側の面には、紙面下方側に突出する突部159eが形成されている。突部159eは、適宜な間隔で複数の位置に設けられている。例えば、突部159eは、矩形状の大枠部159aの4隅に設けられている。また、突部159eは、4隅の間にも、1又は2個配置されている。
フィルターホルダー159は、弾性部材により構成されている。例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーにより構成されている。なお、ゴム等の他の弾性材料により構成されていてもよい。
フィルター本体部157とフィルターホルダー159とは、フィルター本体部157の全周に亘って密着固定されている。例えば、フィルター本体部157及びフィルターホルダー159は熱溶着されている。又は、フィルター本体部157及びフィルターホルダー159は接着剤により固定されている。
なお、フィルターは、一のフィルター本体部若しくは3以上のフィルター本体部を一のフィルターホルダーにより保持する構成とするなど、適宜に変形可能である。
図14(b)は、図2のXIVb−XIVb線における断面図である。
筐体3の底面部3bには、吸気口161が形成されている。フィルター155は、吸気口161を覆うように配置され、底面部3bとフィルター交換用蓋体15とにより挟持されている。具体的には以下に例示するとおりである。
筐体3の底面部3bには、載置面側(図14(b)の紙面下方側)を凹とする凹部163が形成されている。凹部163は、フィルター155を収容可能な形状及び大きさを有している。好ましくは、凹部163は、フィルター155が嵌合する形状及び大きさを有している。すなわち、本実施形態では、凹部163は、フィルター155と同等の大きさの矩形状に形成されている。凹部163の深さは、例えば、フィルター155の厚さと概ね同等である。
吸気口161は、凹部163の底面163a(凹部163の、図14(b)の紙面上方側の面)に形成されている。吸気口161は、例えば、第3シロッコファン77及び第2軸流ファン81の吸気に寄与可能に、これらのファンの配置範囲に亘って形成されている。また、吸気口161の径は、凹部163の底面163aの径よりも小さく、吸気口161の外周には、全周に亘って、底面163aが環状(本実施形態では矩形の環状)に残されている。
フィルター155は、凹部163に、図14の紙面上方側の面を凹部163の底面163aに向けて(図14(b)の上方側に向けて)凹部163に収容されている。より好ましくは、フィルター155は凹部163に嵌合している。フィルターホルダー159の大枠部159aは、吸気口161の全周に亘って、環状の底面163aに対向している。
フィルター本体部157は、吸気口161に対向している。2つのフィルター本体部157のうち、一方は、吸気口161を介して、第3シロッコファン77の吸気面77aに対向している。2つのフィルター本体部157のうち、他方は、吸気口161を介して、第2軸流ファン81の吸気面81aに対向する空間に対向している。すなわち、第2軸流ファン81は、一のフィルター本体部157の一方端側の位置に、当該一のフィルター本体部157の他方端側に吸気面81aを向けて配置されている。なお、吸気面81aは、断面円形のレンズ鏡筒5の側面に対向しており、また、レンズ鏡筒5は、吸気口161と重なる位置に配置されている。
フィルター交換用蓋体15は、図2、図3及び図14(b)に示すように、筐体3の底面部3bから突出する形状に形成されている。ただし、フィルター交換用蓋体15は、支持具7により、プロジェクター1の載置面から離間して配置される。フィルター交換用蓋体15は、基部15aと、基部15aの外周を囲む外周面部15bとを有している。
基部15aは、例えば、板状に形成されている。基部15aは、フィルター交換用蓋体15が筐体3に装着されると、筐体3の底面部3bと概ね平行となり、また、吸気口161及びフィルター155に対して対向する。基部15aは、例えば、吸気口161及びフィルター本体部157を覆うことが可能な大きさ及び形状に形成されている。すなわち、本実施形態では、基部15aは、2つのフィルター本体部157の面積と概ね同等の大きさを有する矩形に形成されている。
外周面部15bは、基部15aに対して立設されている。外周面部15bは、フィルター交換用蓋体15が筐体3に装着されると、筐体3の底面部3bに交差する。外周面部15bは、例えば、図2及び図3に示すように、基部15aから離れるほど拡径するように形成されている。すなわち、筐体3への装着状態において外面が載置面に向けられる方向へ傾斜するように形成されている。なお、図14(b)では、外周面部15bが基部15aに対して直交するかのように簡略化して図示している。ただし、図14(b)のように、外周面部15bは、基部15aに対して直交していてもよい。
外周面部15bの頂部15c(筐体3の底面部3b側の端部)は、フィルターホルダー159を抑えつけることが可能な大きさ及び形状に形成されている。すなわち、頂部15cは、平面視において、フィルターホルダー159の大枠部159aと同等の大きさ及び形状を有している。本実施形態では、頂部15cは、平面視において矩形である。
図2及び図3に示すように、外周面部15bには、吸気口165が形成されている。吸気口165は、複数形成されている。例えば、複数の吸気口165は、基部15aの外周に沿って、比較的狭い間隔で配列されている。なお、このため、外周面部15bは、枠状に形成されている。
フィルター交換用蓋体15は、適宜な方法により、筐体3の底面部3bに対して着脱可能に固定される。例えば、フィルター交換用蓋体15は、フィルター交換用蓋体15及び筐体3の底面部3bの、一方に設けられた係合部が他方に設けられた被係合部に係合することにより、筐体3の底面部3bに対して着脱可能に固定される。あるいは、フィルター交換用蓋体15は、フィルター交換用蓋体15に挿通されたネジが筐体3の底面部3bに対して螺合されることにより、筐体3の底面部3bに対して着脱可能に固定される。
以上の構成を有するフィルター155の周辺部では、フィルター155が凹部163に嵌合され、フィルター交換用蓋体15が筐体3の底面部3bに対して固定されることにより、フィルター155は、筐体3の底面部3bとフィルター交換用蓋体15とに挟持されて、筐体3に対して着脱可能に固定される。
具体的には、フィルターホルダー159の大枠部159aが、凹部163の環状の底面163aと、フィルター交換用蓋体15の外周面部15bの頂部15cとにより挟持される。この際、フィルターホルダー159の大枠部159aは、凹部163の環状の底面163aに、吸気口161の全周に亘って密着する。フィルターホルダー159は、弾性材料で形成されるとともに、フィルター本体部157の全周に密着固定されているから、フィルターホルダー159は、パッキンとして機能する。
図14(c)は、図14(b)の領域XIVcにおける拡大図である。この図は、フィルターホルダー159の大枠部159aが凹部163の環状の底面163aに当接する様子を示している。大枠部159aの、凹部163の底面163a側の面に形成された内側突条部159c、外側突条部159dは、底面163aに当接する。そして、底面163aからの力により弾性変形させられ、適宜な復元力で底面163aに密着する。なお、圧縮力の大きさによっては、内側突条部159cと外側突条部159dとの間の溝部も底面163aに当接する。
また、フィルターホルダー159の、フィルター交換用蓋体15側の面に形成された突部159eは、フィルター交換用蓋体15の頂部15cに当接する。そして、突部159eは、フィルター交換用蓋体15からの力により弾性変形させられ、適宜な復元力を生じ、内側突条部159cや外側突条部159dを筐体3の底面部3bに押し付ける。
以上の構成を有するフィルター155の周辺部においては、第3シロッコファン77及び第2軸流ファン81が回転すると、図14(b)において矢印y47で示すように、筐体3部の空気は、フィルター交換用蓋体15の吸気口165、フィルター155、筐体3の底面部3bの吸気口161の順に通過して、筐体3内部へ導入される。
図15〜図17を参照して、第2軸流ファン81の防振構造について説明する。
図15(a)は、第2軸流ファン81及び第2軸流ファン81の防振のための防振部材167を示す斜視図である。
なお、図15(a)の紙面手前側が第2軸流ファン81の吸気側である。ただし、図15(a)の紙面奥手側を第2軸流ファン81の吸気側とすることも可能である。また、図15(a)では、図解を容易にするために、羽根部105のうち、羽根105aを点線で示している。後述する、図15(b)、図16及び図17においては、図解を容易にするために、羽根105aを省略して図示している。
第2軸流ファン81のファンケース107は、羽根部105を回転軸回りに囲む外周面部107aと、ファンケース107の排気面側において外周面部107aから中央側に延びる複数の支持部107bと、支持部107bに支持される軸支部107cとを有している。羽根部105は、軸支部107cに軸支される被軸支部105bと、被軸支部105bの外周に設けられた複数の羽根105aとを有している。
ファンケース107の外周面部107aには、外周側(羽根部105の径方向)に突出する突出部が形成されている。具体的には、ファンケース107は、外周面部107aの吸気側の縁部に設けられた吸気側突出部169A、及び、外周面部107aの排気側の縁部に設けられた排気側突出部169B(以下、吸気側、排気側の語、及び、A、Bを省略することがある。)を有している。突出部169は、羽根部105の周方向に沿って複数設けられている。例えば、突出部169は、ファンケース107の4隅に設けられている。
ファンケース107は、突出部169も含め、羽根部105の回転軸方向に見て、外周面が概ね矩形に形成されており、突出部169は、矩形の角部を形成している。ファンケース107の外周面部107aは、矩形の角部において、羽根部105の回転軸を中心とする概ね円形に形成された円形部107dを有しており、突出部169は、円形部107dから突出し、回転軸方向に見て、概ね三角形に形成されている。また突出部169は、板状に形成されている。
なお、吸気側突出部169A及び排気側突出部169Bに挟まれた部分は、凹部となっているから、ファンケース107は、外周部に凹部170が形成されていると捉えることもできる。
防振部材167は、ファンケース107と筐体3との間に介在してファンケース107の振動を吸収するためのものである。防振部材167は、弾性及び粘弾性の少なくとも一方を有する部材により構成されている。なお、防振部材167は、弾性及び粘弾性の双方を有していることが好ましい。なお、本願では、弾性のみを有する部材だけでなく、弾性及び粘弾性の双方を有している部材も弾性部材ということがある。防振部材167は、例えば、スチレン系熱可塑性エラストマーにより構成されている。なお、防振部材167は、ゴムにより構成されていてもよい。
防振部材167は、ファンケース107の外周に、羽根部105の周方向に沿って複数配置されている。例えば、防振部材167は、ファンケース107の四隅に配置されている。
各防振部材167は、ファンケース107の外周面部107aの角部を覆うことが可能な形状に構成されている。具体的には、各防振部材167は、ファンケース107の外周面部107aの角部を、羽根部105の回転軸方向(z軸方向)において吸気側及び排気側の両側を覆い、上下方向(y軸方向、羽根部105の回転軸に直交する一の方向)の一方側において覆い、羽根部105の回転軸及び上下方向に直交する方向(x軸方向)の一方側において覆う。従って、4隅に配置された防振部材167により、ファンケース107の3軸方向の、各軸方向の両側に防振材料が配置されることになる。
図15(b)は、防振部材167周辺の拡大斜視図である。
防振部材167は、ファンケース107の突出部169に被せられる突出部を有している。具体的には、防振部材167は、ファンケース107の吸気側突出部169Aに被せられる吸気側突出部171A、及び、ファンケース107の排気側突出部169Bに被せられる排気側突出部171B(以下、吸気側、排気側の語、及び、A、Bを省略することがある。)を有している。
防振部材167の突出部171の、突出方向とは反対側には、不図示の凹部が形成されており、ファンケース107の突出部169が、突出部171の凹部に、嵌合又は圧入されるように、防振部材167は、ファンケース107に取り付けられる。防振部材167の突出部171の表面は、防振部材167の他の部分よりも3軸方向に突出している。すなわち、筐体3との3軸方向における当接面の少なくとも一部は、防振部材167のうち突出部171により構成されている。
なお、吸気側突出部171A及び排気側突出部171Bに挟まれた部分は、凹部となっているから、防振部材167は、外周部に凹部172が形成されていると捉えることもできる。また、防振部材167は、凹部172等の適宜な位置において、肉抜きされ、ファンケース107を一部露出させていてもよい。
図16及び図17は、第2軸流ファン81が筐体3に取り付けられた状態を示している。図16は、レンズ鏡筒5と光学ユニット43とが接続されるあたりの上方側から第2軸流ファン81を見た斜視図である。図17(a)は、レンズ鏡筒5側(図16の紙面右側、回転軸方向の吸気側)から第2軸流ファン81を見た正面図である。図17(b)は、図17(a)の紙面右側(筐体3の前面部3c側)から第2軸流ファン81を見た側面図である。
第2軸流ファン81のファンケース107は、筐体3に固定された支持部材173と、支持部材173に固定された押え部材175とに挟持されることにより、筐体3に固定されている。ファンケース107と支持部材173との間、ファンケース107と押え部材175との間には、それぞれ防振部材167が介在している。すなわち、ファンケース107と筐体3との間には、防振部材167が介在している。
支持部材173は、例えば、第3シロッコファン77のファンケース99(図5)と一体形成されており、ファンケース99とともに筐体3に対して固定されている。なお、支持部材173は、単体で構成されてもよいし、他の部材(例えば筐体3)と一体形成されてもよい。支持部材173と筐体3との固定は、係合部やネジ等の適宜な手段により行われる。例えば、支持部材173と筐体3との固定は、支持部材173に挿通されたネジが筐体3に螺合することにより行われる。
支持部材173は、例えば、第2軸流ファン81に対して、厳密には、その外周に配置された防振部材167に対して、上下方向(y軸方向)の下方側(筐体3の底面部3b側、図16及び図17の紙面下方側)から当接可能、回転軸方向(z軸方向)の両側から当接可能、回転軸方向及び上下方向に直交する方向(x軸方向)の両側から当接可能に構成されている。すなわち、支持部材173は、第2軸流ファン81の、上方側への移動以外の移動を規制可能である。
具体的には、以下のとおりである。支持部材173は、第2軸流ファン81を下方側(y軸方向の一方側)から支持する基部173aと、基部173aの、第2軸流ファン81の吸気側(z軸方向の一方側、図16及び図17(a)の紙面手前側、図17(b)の紙面左側、レンズ鏡筒5側)の縁部に形成されたリブ173bと、基部173aの、第2軸流ファン81の排気側(z軸方向の他方側、図16及び図17(a)の紙面奥手側、図17(b)の紙面右側、第3シロッコファン77側)の縁部に形成された壁部173cと、基部173aの、回転軸方向及び上下方向に直交する方向(x軸方向)の両側縁部に形成されたリブ173d(ただし、x軸方向の一方側と、他方側とで、リブ173dの形状は異なる)とを有している。
これらの各部により、支持部材173には、防振部材167が取り付けられた第2軸流ファン81が挿入される、上方側が凹の凹部が形成されている。防振部材167が取り付けられた第2軸流ファン81は、支持部材173に形成された凹部に、嵌合又は圧入される。
なお、第2軸流ファン81の排気側において第2軸流ファン81に当接する壁部173cは、第3シロッコファン77のファンケース99の、羽根部97を回転軸回りに囲む外周部の一部も構成している。その高さは、図17(a)に示すように、第2軸流ファン81の半分程度若しくは半分以下である。
支持部材173は、押え部材175を支持する支持部173eを有している。支持部173eは、例えば、基部173a側から押え部材175側に突出する柱状に形成されている。支持部173eは、第2軸流ファン81の配置領域を挟んでx軸方向の両側に配置されている。2本の支持部173eは、第2軸流ファン81のx軸方向の移動の規制にも寄与する。
押え部材175は、例えば、第2軸流ファン81に対して、厳密には、その外周に配置された防振部材167に対して、上下方向(y軸方向)の上方側(筐体3の上面部3a側、図16及び図17の紙面上方側)から当接可能、回転軸方向(z軸方向)の吸気側(図16及び図17の紙面手前側、図18の紙面左側)両側から当接可能、回転軸方向及び上下方向に直交する方向(x軸方向)の両側から当接可能に構成されている。すなわち、支持部材173は、第2軸流ファン81の、下方側への移動及び排気側へ移動以外の移動を規制可能である。
具体的には、以下のとおりである。押え部材175は、概ねU字状(コの字状)の部材であり、長尺状の基部175aと、基部175aの両端において基部175aを支持する支持部175bとを有している。基部175aは、第2軸流ファン81の上方側(y軸方向の他方側)から防振部材167に当接する。また、防振部材167が取り付けられた第2軸流ファン81は、2本の支持部175bの間に嵌合又は圧入される。
図16及び図17(b)に示すように、基部175aと支持部175bとの交差部には、防振部材167に対して、吸気側から当接する当接部175cが形成されている。第2軸流ファン81は、送風により、吸気側への力を受ける。しかし、第2軸流ファン81の吸気側への移動は、当接部175cにより規制される。
具体的には、当接部175cは、防振部材167の排気側突出部171B(図16では隠れて不図示)に対して、吸気側から当接している。当接部175cは、防振部材167の凹部172に挿入されている。当接部175cは、例えば、基部175aと支持部175bとにより構成される角部に対向する斜辺を有する三角状に形成されている。基部175a及び支持部175bは、z軸方向(羽根部105の回転軸方向)において、ファンケース107の中央よりも排気側に配置されており、当接部175cは、基部175a及び支持部175bの吸気側の縁部に形成されている。そして、押え部材175は、その全体が、ファンケース107の中央よりも排気側に配置されている。
図17(b)に示すように、押え部材175には、押え部材175の吸気側への移動を規制するための係合部175dが形成されている。当接部175cを介して、吸気側への力を第2軸流ファン81から受けた押え部材175の吸気側への移動は、係合部175dにより規制される。係合部175dは、例えば、基部175aの吸気側の面から突出する、鉤状に形成されている。係合部175dは、筐体3又は筐体3に固定された部材(例えば制御駆動ブロックケース65)に設けられた被係合部177に第2軸流ファン81の概ね回転軸方向において係合する。
押え部材175と支持部材173とは、適宜な方法により互いに固定される。例えば、押え部材175の支持部175bの下端が支持部材173の支持部173eの上端に当接し、支持部175bに挿通されたネジ179(図17)が支持部173eに螺合されることにより、押え部材175と支持部材173とは互いに固定される。この際、防振部材167は、適宜な圧力で圧縮される。
なお、支持部材173と押え部材175とで、第2軸流ファン81の移動を重複して規制している方向については、支持部材173及び押え部材175のいずれか一方において規制しないようにすることも可能である。例えば、x軸方向においては、支持部材173及び押え部材175の一方のみが第2軸流ファン81(厳密には防振部材167)に当接するようにしてもよい。
以上の実施形態によれば、主として、図1〜7を参照して説明したように、プロジェクター1は、筐体3と、筐体3に設けられ、筐体3の外部へ光を投射するための投射レンズ6と、筐体3内に設けられた第1部品の一例としてのランプ49と、筐体3内に設けられた第2部品の一例としての制御駆動ブロック47の回路基板63とを有し、筐体3内には、ランプ49を冷却するための第1空気流路AFR1と、回路基板63を冷却するためのAFR2とが形成され、第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2は、互いに異なる方向に延び、下流端において隣接し、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する側の方向へ、ランプ49及び回路基板63により熱せられた空気を排気可能に構成されていることから、すなわち、第1空気流路AFR1と第2空気流路AFR2とを、下流端においてのみ集約し、適切な方向へ空気を排出することから、筐体3内部における冷却対象としてのランプ49や制御駆動ブロック47、及び、第1軸流ファン73や第2軸流ファン81の配置の自由度が高く、かつ、排気熱による投射画像の揺らぎやプロジェクター1の側方や背後に存在するユーザや壁への排気熱の影響を低減できる。
第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2は、排気温度が互いに異なり、下流端において仕切られていることから、下流端において、排気温度が高い空気流路の空気が排気温度が低い空気流路に流れ込むことが防止される。具体的には以下のとおりである。光源ユニット41からの排気熱は、制御駆動ブロック47からの排気熱よりも高い。一方で、上述したように、異なる方向の空気流路の空気を、双方とも適切な方向に排出するために、第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2は下流端において集約されている。従って、下流端において、第1空気流路AFR1の空気が第2空気流路AFR2に入り込み、制御駆動ブロック47の冷却効果が低下するおそれがある。しかし、第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2が下流端において仕切られることにより、そのようなおそれが低減される。
制御駆動ブロック47の回路基板63は、ランプ49の投射方向側に配置され、第1空気流路AFR1は、筐体3内の、投射方向に沿う第1側面部3e側において、少なくとも投射方向へ延び、第2空気流路AFR2は、筐体3内の、投射方向側において、投射レンズ6側から第1空気流路AFR1が配された第1側面部3e側へ延び、下流端が、第1空気流路AFR1の下流端の、投射レンズ側に隣接することから、第1空気流路AFR1の投射方向への流れと、第2空気流路AFR2の投射レンズ6の光軸LAから離間する方向への流れとが合流することになり、筐体外部において、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する方向への流れが形成されやすくなる。従って、排気ルーバー29によってのみ、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する方向への流れを形成するような場合に比較して、好適に空気の流れを形成できる。
上記のような、第1空気流路AFR1が投射方向へ、第2空気流路AFR2が投射レンズ6から離間する方向へ延びる構成において、第1空気流路AFR1の排気温度が、第2空気流路AFR2の排気温度よりも高い場合には、投射方向側(前面側)に比較してユーザや壁等が存在する可能性が高い側面側に、より低温の第2空気流路AFR2を配置することになり、プロジェクター1の周囲に及ぼす影響をより低減できる。
筐体3には、第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2の空気を筐体外部へ排出する排気部27が形成され、排気部27は、筐体3の投射方向に対向する前面部3cから投射方向に沿う第1側面部3eに亘って開口していることから、投射方向側、且つ、投射レンズ6の光軸LAから離間する方向へ排出する排気口の面積を最大限確保しつつ、投射画像やプロジェクター1の周囲に及ぼす影響を低減できる。
筐体3には、第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2の空気を筐体3外部へ排出する排気部27が形成され、排気部27には、投射方向側、且つ、投射レンズの光軸から離間する側の方向へ開口する隙間(スリット31b)を形成する、排気ルーバー29の複数の側面側羽板29dが設けられ、その筐体内部側には、スリット31bが開口する方向に交差する内部ルーバー95の内部側羽板95aが設けられることから、排気ルーバー29により、投射方向側、且つ、投射レンズの光軸から離間する側の方向への流れを形成することができるとともに、排気ルーバー29のスリット31bからの光漏れを内部ルーバー95により防止できる。
また、本実施形態によれば、主として図9〜図11を参照して説明したように、プロジェクター1は、第1使用状態の一例としての載置状態と、第1使用状態に対して天地を逆にした第2使用状態の一例としての吊り状態とで使用可能なものであって、光源としてのランプ49と、ランプ49を収容し、ランプ49により熱せられた空気の排気口51bが形成されたランプハウス51と、載置状態において、排気口51bの上方側の開口面積が下方側の開口面積よりも大きくなり、吊り状態において、排気口51bの上方側の開口面積が下方側の開口面積よりも大きくなるように、排気口51bの開口面積を調整可能な調整機構138とを有することから、高温の空気が溜まり易い上方側ほど排気され易くなる。従って、上下の排気バランスが均等になり、ひいては、載置状態と吊り状態との上下の排気バランスも均等になる。その結果、ランプハウス内の温度が、局部的に、光源の保証温度を上回ることや下回ることが防止され、ランプの破裂、石英管表面の黒化、失透現象による輝度低下等の不都合が防止される。
調整機構138は、載置状態において下方側となる部分を塞ぐ第1位置と、排気口51bの、吊り状態において下方側となる部分を塞ぐ第2位置との間で移動可能な調整部材139を有することから、簡素な構成で、排気口51bの開口面積を調整できる。また、また、調整部材139により赤外線が反射されることにより、低温になりやすい下方側ほど暖められやすくなる。
プロジェクター1は、調整部材139が載置状態及び吊り状態における上下方向にスライドするように調整部材139を案内可能なガイド部141を有することから、簡素な構成で調整部材139の移動を実現できるとともに、調整部材139が回転するような場合(この態様も本発明に含まれてよい)に比較して、調整部材139が移動するのに必要な空間を小さくすることができ、ひいては、筐体3の小型化を図ることができる。
調整部材139は、吊り状態から載置状態への遷移に伴って、第2位置(吊り状態において下方側となる部分を塞ぐ位置)から第1位置(載置状態において下方側となる部分を塞ぐ位置)へ、自重により移動可能、且つ、載置状態から吊り状態への遷移に伴って、第1位置から第2位置へ、自重により移動可能に構成されていることから、プロジェクター1の天地を逆にしたときに、自動的に調整部材139の位置が切り替り、便利であるとともに、モータ等の駆動手段を設ける必要もない(ただし、駆動手段を設けた態様も本発明に含まれてよい。)。
また、本実施形態によれば、主として図12及び図13を参照して説明したように、プロジェクター1は、光学部品としての入射側偏光板129、液晶パネル131、出射側偏光板133を有し、これらの光学部品を冷却するための第3シロッコファン77と、第3シロッコファン77からの風を光学部品に導くダクトであって、光学部品に対向する吹き出し口103が形成された第2導出ダクト79(第4分岐ダクト79b)とを有し、第2導出ダクト79には、吹き出し口103から吹き出される空気の流れの層流から乱流への遷移を促す乱流促進部としてのノズル145(直交壁部149)が設けられていることから、吹き出される空気と光学部品との熱交換を効率的に行うことができる。その結果、ファンの電力の省力化、騒音の抑制を図ることができる。
層流から乱流への遷移を促進する乱流促進部は、吹き出し口103の周囲に設けられ、光学部品側へ突出し、切り込み151や切り込み153が形成されたノズル145(壁部)であることから、特別な部材等を配置することなく、簡単な構成で層流から乱流への遷移を促すことができる。
例えば、切り込み151は、光学部品における光の透過方向に沿って形成され、ノズル145を透過方向に交差する直交壁部149と他の壁部とに分離することから、光の透過方向(光学部品に直交する方向)に揺動しやすい直交壁部149が形成され、光学部品に直交する方向において乱れる乱流が形成されやすく、より効率的に空気と光学部品との熱交換を行うことができる。
また、切り込み153は、直交壁部149に沿って形成され、直交壁部149を複数層に分割することから、直交壁部149は、光学部品に直交する方向に、一層揺動しやすくなる。
また、本実施形態では、主として図14を参照して説明したように、所定の載置面に、当該載置面から底面部3bを離間させた状態で載置可能な筐体3と、筐体3内に配置された第3シロッコファンや第2軸流ファン81と、筐体3の底面部3bに形成された吸気口161を塞ぐように筐体3に着脱可能なフィルター155と、吸気口161を塞ぐフィルター155を載置面側から覆うように筐体3に着脱可能であり、吸気口165が形成されたフィルター交換用蓋体15とを有し、フィルター交換用蓋体15は、筐体3の底面部3bから載置面側へ突出するように形成され、吸気口165は、フィルター交換用蓋体15の、底面部3bに交差する面(外周面部15b)に形成されていることから、載置面に紙が置かれていても、紙が底面部3bに張り付いて吸気を妨げることがない。しかも、フィルター交換用蓋体15に吸気口165が形成されるから、簡素且つ小型な構成で、フィルター155に隣接する、載置面に対して傾斜又は直交する吸気口が形成されるとともに、筐体3の形状は従来のものを使用でき、汎用性が高い。
フィルター交換用蓋体15は、吸気口161及びフィルター155に対向する基部15aと、基部15aの外周を囲み、底面部3bに対して交差する面部としての外周面部15bとを有し、吸気口165は、外周面部15bにのみ形成されていることから、載置面に置かれた紙等の張り付きが一層防止されるとともに、フィルター155に吸着された塵等が、振動等によりフィルター155から落ちたとしても、基部15aに溜まることになり、載置面が汚れることが防止される。
フィルター155は、空気を透過させるフィルター本体部157と、フィルター本体部157の外周に密着固定され、弾性部材により形成された枠状のフィルターホルダー159とを有し、フィルターホルダー159は、フィルター交換用蓋体15が筐体3に装着されたときに、吸気口161の周囲を囲むように筐体3の底面部3bに密着するように、筐体3の底面部3bとフィルター交換用蓋体15とに挟持されることから、フィルターホルダー159は、フィルター本体部157を筐体3に装着するための部材と、フィルター本体部157を通過していない空気が吸気口161に導入されることを抑制するパッキンとに兼用されることになり、部品点数の削減、フィルター155の周辺の小型化、フィルター155の交換の容易性の向上、コスト低減等が図られる。
フィルターホルダー159は、筐体3の底面部3b側の面に、吸気口161の周囲を囲むように延びる、筐体3の底面部3bに密着する突条部(内側突条部159c及び/又は外側突条部159d)が形成されていることから、製品の製造誤差等があっても、突条部の圧縮変形により、筐体3の底面部3bに対して、適宜な接触圧で吸気口161の全周に亘って確実に当接することができる。
フィルターホルダー159には、フィルター交換用蓋体15側に突出し、フィルター交換用蓋体に当接する突部159eが形成されていることから、確実にフィルター交換用蓋体15からの押圧力を受けることができるとともに、突部159eの圧縮変形により、フィルターホルダー159と筐体3の底面部3bとの接触圧を適宜な圧力に調整できる。
フィルター155は、載置面側とその反対側とに交互に折り返された形状の、空気を透過させるフィルター本体部157を有している。その一方で、筐体外部の空気は、載置面に沿ってフィルター交換用蓋体15の吸気口165に流れ込むから、フィルター本体部157を透過する空気の流れにも、載置面に沿う方向の流れの成分が含まれている(なお、図14(b)の矢印y47は、空気の流れを模式的に示していることから、フィルター本体部157を通過する流れは全て載置面に直交している。)。従って、フィルター本体部157を通過する空気は、フィルター本体部157のギザギザの山部を載置面に沿う方向に通過することにより、フィルター本体部157を複数回通過し得る。その結果、空気の浄化が一層行われる。
プロジェクター1は、筐体3の底面部3bに概ね沿う所定の投射方向へ光を投射する投射レンズ6を有し、吸気口161、フィルター155、フィルター交換用蓋体15は、筐体3の底面部3bのうち、投射方向側に配置され、吸気口165は、少なくとも投射方向側へ開口していることから、ユーザや壁等の吸気にとって障害物となるものが存在することのない投射方向側から吸気することができ、底面部3bにおける吸気が一層確実なものとなる。
プロジェクター1は、筐体3内に設けられた光源としてのランプ49と、筐体3内に設けられ、ランプ49の光を投射レンズ6に導く光学ユニット43と、筐体3内に設けられ、第3シロッコファン77からの風を光学ユニット43に導く第2導出ダクト79とを有し、投射レンズ6及び第3シロッコファン77は、投射方向に対して並列に配置され、フィルター交換用蓋体15上に位置し、ランプ49及び光学ユニット43は、ランプ49が第3シロッコファン77の投射方向の反対側に、光学ユニット43が投射レンズ6の投射方向の反対側に位置するように、投射方向に対して並列に配置され、筐体3の底面部3bには、吸気口161よりも投射方向の反対側の位置に、ランプ49を出し入れ可能なランプ交換用開口3gが形成されており、フィルター交換用蓋体15よりも投射方向の反対側の位置に、ランプ交換用開口3gを塞ぐランプ交換用蓋体17が着脱可能であることから、ユーザや壁等の吸気にとって障害物となるものが存在することのない投射方向側にフィルター交換用蓋体15を配置しつつ、フィルター交換用蓋体15の、投射方向の反対側に隣接して、ランプ交換用開口3gを配置することができ、筐体3の底面部3bの有効利用及び小型化が図られる。
また、本実施形態によれば、主として図15〜図17を参照して説明したように、プロジェクター1は、筐体3と、羽根部105、及び、羽根部105を回転可能に収容するファンケース107を有し、筐体3内に配置された第2軸流ファン81と、ファンケース107の、羽根部105を羽根部105の回転軸回りに囲む外周面部107aのうち、周方向の複数位置に配置され、筐体3とファンケース107との間に介在し、弾性及び粘性の少なくとも一方を有する複数の防振部材167とを有することから、従来のように、ファンケース全体を覆うような防振部材に比較して、防振部材を小型化できる。その結果、材料費や加工コストを縮小できるとともに、取り扱い性も向上する。ファンは、投射型表示装置の種類や、ファンの配置される位置等によって、各種の大きさのものが使用されるが、ファンの複数位置に配置される構成であることから、種々の大きさのファンに用いられることができ、防振部材の汎用性が高い。さらに、従来のように、ファンケース全体を覆うような防振部材は、ファンと防振部材とを密着させるために、防振部材の公差は小さくなければならないが、本実施形態の防振部材167は、そのような必要もない。
プロジェクター1は、筐体3に固定された支持部材173と、羽根部105の径方向において、支持部材173とでファンケース107を挟持するように支持部材173に固定される押さえ部材175とを有し、複数の防振部材167の一部は、ファンケース107と支持部材173との間に挟持され、複数の防振部材167の他の一部は、ファンケース107と押え部材175との間に挟持されることから、ファンケース107は、羽根部105の径方向において確実に振動が抑制される。
第2軸流ファン81は、回転軸方向の一方側へ送風し、押え部材175は、ファンケース107の回転軸方向の他方側から防振部材167に当接し、第2軸流ファン81の、送風により受ける力による回転軸方向の他方側(吸気側)への移動を規制する当接部175cを有することから、送風による第2軸流ファン81の移動を規制して、第2軸流ファン81の振動を確実に抑制することができる。
押え部材175は、押え部材175の回転軸方向の他方側(吸気側)への移動を規制するように筐体3又は筐体3に固定された部材に回転軸方向において係合する係合部175dを有することから、上記の送風による移動が一層規制される。
押え部材175は、羽根部105の径方向であって挟持方向(図16のy軸方向)に直交する挟持直交方向(図16のx軸方向)においてファンケースを挟んで互いに対向する一対の挟持直交方向当接部としての支持部175bを有し、ファンケース107は、複数の防振部材167がファンケース107と一対の支持部175bとの間にそれぞれ配置されて、一対の支持部175bに圧入されていることから、最終的には、押え部材175が支持部材173に固定されることにより、ファンケース107は、3軸方向において防振部材167を介して固定されることになり、あらゆる方向の振動が防振部材167により吸収される。その結果、ファンによる騒音が低減される。
ファンケース107は、外周面部107aに、径方向に突出する突出部169を有し、防振部材167は、突出部169に被せられる突出部171を有し、支持部材173及び押え部材175は、突出部171に当接することから、防振部材167をファンケース107に取り付けた状態で、第2軸流ファン81を取り扱うことができ、第2軸流ファン81の筐体3への取り付けが容易になるとともに、突出部171は、防振部材167のファンケース107への取り付け部と、支持部材173や押え部材175の当接部とを兼ねることになり、構成が小型化及び簡素化される。
第2軸流ファン81は、排気方向とは逆方向を吸気方向とし、ファンケース107は、外周面部107aの排気方向側の縁部に、径方向に突出する排気側突出部169Bを有し、防振部材167は、排気側突出部169Bに被せられる排気側突出部171Bを有し、当接部175cは、排気側突出部171Bに対して、吸気方向側から排気方向側へ当接することから、押え部材175は、第2軸流ファン81に対して吸気側から当接するにも関らず、第2軸流ファン81よりも吸気側に位置する必要性がない。このため、押え部材175の軸方向の大きさを小さくすることができる。
例えば、押え部材175が、ファンケース107の吸気方向側の縁部よりも排気方向側にのみ配置されているように、押え部材175を構成することができる。この場合、第2軸流ファン81の吸気側に他の部材を隣接させることができ、第2軸流ファン81周辺部の小型化が図られる。
第2軸流ファン81は、吸気方向側を、投射レンズ6を有する断面円形のレンズ鏡筒5の側面に対向させて配置されている。通常、軸流ファンの吸気側に他の部材が隣接配置されると、軸流ファンの吸気量が低減してしまうが、レンズ鏡筒5は、断面円形であることから、レンズ鏡筒5の上方側や下方側においては、第2軸流ファン81の吸気面の前に十分に広い空間が形成されていることになり、吸気量の低減を抑制しつつ、第2軸流ファン81の周辺部の小型化を図ることができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
投射型表示装置は、ライトバルブ方式のものに限定されない。例えば、CRT方式のものであってもよい。また、ライトバルブ方式である場合、投射型表示装置は、液晶プロジェクターに限定されない。例えば、DMDプロジェクターであってもよい。
筐体の形状は、薄型直方体状のものに限定されない。例えば、平面視や側面視において全体又は一部が円形等に形成されているものであってもよい。なお、このような形状であっても、投射方向に沿う面、投射方向側の面、載置面に対向する面等の各面は特定可能である。また、筐体内の各部品の配置も適宜に変更されてよい。
実施形態では、第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2(図6)が、下流端において隣接する態様を例示した。すなわち、第1空気流路AFR1及び第2空気流路AFR2は、下流端において、内部側面先端部75hにより仕切られていた。ただし、第1空気流路及び第2空気流路は、下流端において合流していてもよい。例えば、実施形態において、内部側面先端部75hを省略してもよい。
また、第1空気流路や第2空気流路は、実施形態に例示した方向に延びるものに限定されない。筐体の小型化に好適な部品配置等の種々の目的に応じて適宜に変形可能である。第1空気流路や第2空気流路の冷却対象は、光源や回路基板に限定されない。光学部品であってもよい。
実施形態では、調整機構138(図9)は、排気口51bに対して上下に移動する調整部材139を有する構成とされた。しかし、調整機構138は、これに限定されるものではない。すなわち、調整部材は、排気口の上方側又は下方側のいずれかを塞ぐ位置へ移動するものに限定されないし、上下にスライドするものにも限定されない。
例えば、調整機構は、排気口に配置された可動式のルーバーにより構成されてよい。具体的には、上下方向に配列され、水平な回転軸回りに揺動可能な複数の羽板を排気口に設け、複数枚の羽板の角度を上方側と下方側とで異ならせるとともに、筐体の天地が逆にされたときにその角度を変更することにより、上方側の開口面積を下方側よりも大きくしてもよい。
実施形態のように、調整部材の自重により排気口の開口面積が変更されるように調整機構が構成される場合も、調整部材は上下にスライドするものに限定されない。例えば、調整機構は、調整部材がその重心に対して偏心した位置で軸支され、調整部材の自重により調整部材が回転して、排気口の開口面積を変更するものであってもよい。
また、調整部材の移動は、自重によるものに限定されず、適宜な方法により行われてよい。すなわち、調整部材の移動は、手動で行われたり、モータ等の駆動手段により行われてもよい。
図18は、調整機構の変形例を説明する概略図である。
ランプハウス51′の排気口51b′の一部を塞ぐ調整部材139′は、図18(a)に示す、排気口51b′の一方側を塞ぐ位置と、図18(b)に示す、排気口51b′の他方側を塞ぐ位置との間で移動可能である。
調整部材139′には、操作部材201が連結されている。操作部材201は、筐体3′のスリット203を介して筐体3′から露出している。従って、ユーザは、操作部材201を操作することにより、調整部材139′の位置を変更することができる。
調整部材139′は、適宜な方法により、図18(a)に示す位置及び図18(b)に示す位置に位置決めされる。例えば、スリット203には、板バネ等の弾性部材により構成された係合部205が、図18(a)に示す位置及び図18(b)に示す位置にそれぞれ対応して設けられている(図18(a)及び図18(b)の紙面右側からスリット203を見た図18(c)も参照。)。操作部材201が係合部205により係止されることにより、調整部材139′は、図18(a)に示す位置及び図18(b)に示す位置に位置決めされる。
なお、実施形態や図18では、調整部材が、2つの位置のいずれかに位置決めされる場合を例示したが、調整部材は、3以上の位置のいずれかに位置決めされるように構成されたり、任意の位置に位置決めされるように構成されてもよい。調整部材の形状は、適宜に設定されてよい。板状のものや矩形状のものに限定されない。
図19は、調整部材の変形例を示す斜視図である。
図19(a)に示す調整部材207には、概ね円形の孔部209が複数形成されている。調整部材207は、例えば、パンチングメタルにより構成されている。また、図19(b)に示す調整部材211には、複数のスリット213が形成されている。
このように、調整部材には、空気が透過する孔部が形成されていてもよい。この場合、調整部材の配置位置と非配置位置との間で急激な温度差が生じないようにし、ランプハウス全体に亘って温度のバランスを取ることができる。また、調整部材の配置範囲内においても、温度が上昇し易い部分と上昇し難い部分とがあるから、調整部材内の適宜な位置において開口面積を大きくしたり、小さくすることにより、排気バランスの微妙な調整ができる。
実施形態では、ダクトから吹き出される空気の流れの層流から乱流への遷移を促す乱流促進部が、切り欠きが形成されたノズル145(図13)により構成される場合を例示したが、乱流促進部は、これに限定されない。
図20(a)は、乱流促進部の変形例を示す断面図である。
ノズル215R、215Bは、先端側が根元側よりも薄い直交壁部216R、216Bを含んで構成されている。具体的には、直交壁部216は、先端側ほど徐々に細くなるように形成されている。先端は、例えば、樹脂を成形可能な大きさである0.5mm程度の薄さに構成されている。なお、直交壁部216は、少なくとも先端側において、ダクト218の、ファンから吹き出し口まで空気を導くダクト本体部218aの外周面部よりも薄く形成されていることになる。
この変形例によれば、直交壁部216の先端は曲げ剛性が低くなっており、揺動しやすくなっているから、空気から受ける圧力により振動して空気を層流から乱流へ遷移させやすくなっている。
なお、図20(a)では、ノズル215Bの、仕切り部217Bを構成する部分は、先端が薄く形成されていないが、当該部分においても先端が薄く形成されてもよい。また、光の透過方向に直交する壁部だけでなく、他の壁部も先端が薄く形成されてもよい。
図20(b)は、乱流促進部の他の変形例を示す断面図である。
ノズル219R、219B(直交壁部221R、221B)は、可撓性を有する部材により構成されている。可撓性を有する部材は、例えば、弾性を有する部材である。例えば、ノズル219は、ゴム、スチレン系エラストマーにより構成されている。なお、ダクト223の、ファンからの空気を吹き出し口225R、225Bまで導くダクト本体部223aが硬質の樹脂等により構成されている場合、ノズル219は、ダクト本体部223aよりも曲げ剛性が低い材料により構成されていることになる。
この変形例によれば、ノズル219は曲げ剛性が低くなっており、揺動しやすくなっているから、空気から受ける圧力により振動して空気を層流から乱流へ遷移させやすくなっている。特に、ノズル219が弾性部材により構成されている場合には、その復元力により振動し易いから、一層、層流から乱流への遷移を促すことができる。
なお、図20(b)では、ノズル219全体が、可撓性材料及び/又はダクト本体部223aよりも剛性が低い材料により構成された場合を例示しているが、ノズル219の一部の部分のみが、可撓性材料等により構成されてもよい。例えば、ノズル219のうち、光の透過方向に直交する直交壁部221のみが可撓性材料により形成されたり、ノズル219の先端部のみが可撓性材料により形成されてもよい。
図21は、乱流促進部の更に他の変形例を示す平面図である。
吹き出し口227R、227G、227Bには、それぞれ、内周面に中央側へ突出する複数の突部229が形成されている。複数の突部229は、例えば、吹き出し口227のうち、光の透過方向に交差する内周面に、吹き出し口227の縁部に沿って配列されている。なお、吹き出し口227が、上述した各種の態様のように、ノズルや壁部により構成されている場合には、複数の突部229は、ノズルや壁部の内周面に設けられている。
この変形例によれば、吹き出し口227から吹き出される空気は、複数の突部229に攪拌され、層流から乱流へ遷移しやすい。従って、上述した各種の態様と同様に、空気と光学部品との熱交換を効率的に行うことができる。
なお、複数の突部は、光の透過方向に直交する壁部だけでなく、他の壁部に形成されていてもよい。複数の突部の形状は適宜に設定されてよい。また、吹き出し口227の貫通方向(図21の紙面貫通方向)に配列されていてもよい。複数の突部229は、ダクト231に対して一体形成されていてもよいし、ダクト231に対して他の部材が固定されて形成されていてもよい。
実施形態のように、乱流促進部が切り込みを形成したノズルや壁部により構成される場合、切り込みは、ノズルや壁部の少なくとも先端に形成されていればよい。また、壁部を複数層に分割する切り込み(153)は、一の壁部に対して一つに限定されず、複数形成されてもよい。また、壁部を複数層に分割する切り込みは、光の透過方向に直交する壁部以外の壁部に形成されていてもよい。例えば、光の透過方向に沿う壁部や傾斜する壁部に形成されていてもよい。
乱流促進部は、上述した種々の態様が適宜に組み合わされて構成されてもよい。例えば、先端が薄く形成された壁部に切り込みが設けられてもよいし、そのような壁部が可撓性材料により構成されたり、さらには、そのような壁部の内周面に突部が形成されてもよい。なお、乱流促進部を構成する壁部は、全体又は先端が極薄形状であることが好ましい。例えば、0.5mmの厚さであることが好ましい。
乱流促進部が設けられる吹き出し口は、ライトバルブ周辺に空気を吹き付けるものに限定されない。例えば、他の光学部品(例えばPS変換素子)であってもよいし、回路基板等の電子部品であってもよい。乱流促進部を構成する壁部は、吹き出し口の縁部に設けられること(換言すれば吹き出し口を構成すること)が好ましいが、吹き出し口の縁部から若干離れた位置に形成されてもよい。
実施形態では、フィルター交換用蓋体15が、基部15aと外周面部15bとを有し、外周面部15bのみに吸気口165が形成される場合を例示したが、フィルター交換用蓋体の形状は、これに限定されない。例えば、フィルター交換用蓋体全体が、載置面側へ突出する曲面により形成され、全面に吸気口が形成されていてもよい。この場合であっても、従来のように筐体の底面部の吸気口が載置面に対向している場合に比較して、紙の張り付きが抑制されるとともに、フィルター交換用蓋体の形状を設計変更するだけでよいという効果を奏する。
実施形態では、複数の防振部材167により、軸流ファンを保持する態様を例示した。しかし、複数の防振部材が保持する対象は、軸流ファンに限定されず、例えば、シロッコファンであってもよい。また、防振部材の配置位置や形状は適宜に変更されてよい。
図22〜図24等を参照して、本発明の実施例のプロジェクターにおけるシミュレーション結果や実験結果について説明する。
図22は、主として図1〜図7を参照して説明したように、投射方向に対して45°傾斜した方向へ熱風を排気した場合における、熱風の到達範囲を算出したシミュレーション結果を示している。
図22(a)〜図22(c)は、熱風の温度が50°Cの場合のシミュレーション結果、図22(d)〜図22(f)は、熱風の温度が70°Cの場合のシミュレーション結果を示している。
図22(a)〜図22(f)は、所定の温度範囲に対して、一定の本数Nの等温線を割り当てて、熱風の温度を等温線により示している。具体的には、図22(a)及び図22(d)は、20°C〜80°Cの範囲に対してN本の等温線を割り当ている。図22(b)及び図22(e)は、20°C〜40°Cの範囲に対してN本の等温線を割り当ている。図22(c)及び図22(f)は、20°C〜30°Cの範囲に対してN本の等温線を割り当ている。
図22(a)〜図22(f)において、紙面右方向が投射方向であり、熱風は、紙面右上45°の方向へ排気されている。そして、いずれの図においても、等温線は、排気方向の同一方向へ延びており、その形状は大同小異である。従って、これらの図から、熱風の到達範囲の、排気温度に対する依存率は低く、排気方向を適切に設定すれば、プロジェクターの周囲への熱影響を抑制できることが理解される。
なお、これらの図から理解されるように、熱風は、投射方向に対して45°の方向へ√2の距離を流れることにより、投射方向側又は投射方向へ直交する方向へ1の距離進む。従って、熱風が投射方向に対して45°の角度で排出される場合には、プロジェクターから排出される熱風が周囲に及ぼす影響は、1/√2になる。
次に、図9〜図11を参照して説明した特徴の効果を説明する実験結果を示す。
以下に、比較例における発光管の周囲の温度、すなわち、ランプハウスの排気口の開口面積を調整しなかった場合の発光管の周囲の温度の一例を示す。なお、Tbu、Tbl、Tcf、Tcrの測定位置については、図10に示す。なお、以下において、単位は°Cである。
通常投射時―天井吊り投射時、(Highモード時)―(Lowモード時)
発光管上部温度(Tbu);981―821、(997)―(783)
発光管下部温度(Tbl);809―945、(779)―(929)
上下温度の差の絶対値(Tbu−Tbl);172―124、(217)―(145)
モリブデン箔溶接点前部温度(Tcf);350
モリブデン箔溶接点後部温度(Tcr);387
この例では、姿勢を変えた場合、及びランプ出力を変化させた場合に上下温度差(Tbu−Tbl)が狭まる傾向が示されている。ランプを点灯させた場合、発光管内部の気体の対流により内壁が不均一に加熱され上部の温度(Tbu)が下部(Tbl)より高くなる。この温度不均一の為、発光管内部に封入された金属化合物などの発光物質の蒸発が不十分となり、石英管内壁に付着するなどの障害を発生する可能性がある。これらの現象の防止、上下の温度差の幅の縮小に本実施形態は有効である。
図23は、図21に示した態様のように、吹き出し口に複数の突部を設けた場合における、風速を算出したシミュレーション結果である。
左側欄のR、G−IN、G−OUT、B−IN、B−OUT、IRS−IN、IRS−OUTは、それぞれ、実施形態における、吹き出し口104R、104G−IN、104G−OUT、104B−IN、104B−OUT、102IN、102OUT(図12及び図7参照)に対応する吹き出し口を示している。
2列目の欄は、比較例における、すなわち、吹き出し口に突部が形成されていない場合における風速を示している。3列目の欄は、実施例における、すなわち、吹き出し口に複数の突部が形成されている場合における風速を示している。比較例と実施例とは、突部が設けられているか否か以外は、条件は同一である。右側の欄は、比較例に対する実施例の風速の増加率を示している。
図23に示されているように、吹き出し口に突部が設けられることにより、風速が1%程度増加している。なお、風速の増加は、レイノルズ数の増加を意味するから、乱流に遷移しやすくなっていることを意味している。
以下に、シロッコファンの駆動電圧を変えた場合における、風速等の相違の一例を示す。
7V(R/G/B) 8V(R/G/B)
風速(m/s); 1.12/3.18/1.89 1.38/4.24/2.35
風量(m3/min); 0.003/0.038/0.027 0.0037/0.051/0.033
騒音値(dbA); 35.2 37.3
パネル表面温度(°C); 59.9(G) 57.8(G)
偏光板表面温度(°C); 49.5(G) 47.6(G)
この一例に表されるように、表面温度を2°C低減する為に、ファン駆動電圧を1V上げると、騒音値は、例えば、2dbA程度悪化する(後述する図25(a)参照)。たとえ乱流発生による効果が1〜2%程度でも、冷却効率が向上できれば装置全体騒音性能及び信頼性寿命向上に繋がることが理解可能と思える。
図24(a)は、光学部品に吹き付けられる風速と、光学部品周辺の温度と筐体外部の温度差との関係を算出したシミュレーション結果を示している。なお、光学部品は、クロスプリズム周辺等の光学部品が密集している領域の光学部品である。
この図に示されるように、風速が一定の値(図24(a)では0.7m/s)を下回ると、冷却効果が著しく低下している。従って、乱流に遷移させることにより、風速を上昇させた場合、冷却効果が著しく向上することがある。
図24(b)は、吹き出し口の径と、風量との関係を算出したシミュレーション結果を示している。
この図に示されるように、クリアランスと風量とは、概ね線形の関係にある。従って、乱流促進部を形成し、吹き出し口から吹き出された乱流の空気の風量が、図24(a)に示した一定の値(0.7m/s)程度になるように設定すれば、吹き出し口の径を最大限絞り、光学部品に効果的に空気を吹き付けることができることになる。すなわち、乱流促進部は、吹き出し口の径を絞ることができるという副次的な効果を奏する。
図25(a)は、実施形態において、主として図15〜図17を参照して説明したように、ファンを防振部材により保持した場合の騒音を算出したシミュレーション結果を示している。
左側の欄は、ファンに供給する電力の電圧を示している。2列目の欄は、硬度15のスチレン系熱可塑性エラストマーにより防振部材を構成したときの騒音値を示している。3列目の欄は、硬度10のスチレン系熱可塑性エラストマーにより防振部材を構成したときの騒音値を示している。4列目の欄は、2列目の欄と3列目の欄との差を示している。なお、シミュレーションにおけるファンの径は80mmであり、騒音値は、ファンの4方向の平均値を示している。
この図に示されるように、電圧が高いほうが騒音値が高い。具体的には、ファンに印加される電圧が1V上昇すると、騒音値は2dbA上昇する。また、硬度が低いほうが騒音値が低い。具体的には、防振部材が硬度15の場合と、硬度10の場合とでは、硬度10の場合の方が、騒音値が2dbA低い。
図25(b)は、図25(a)に示した騒音値を、周波数毎に示したものである。
ここで、騒音レベルは、31.5〜8KHz程度までの周波数帯域毎の騒音レベル(dbA)により、聴衆の会話妨害のレベルとしてNC値で表現できる。NC20〜30は、非常に静か、電話に支障無し、大会議可能というレベルであり、NC30〜35は、静か、15フィートのテーブルで会議可能、10〜30フィート離れて普通の声の会話が可能というレベルであり、NC25〜30は、寝室・音楽室・映画館等でのプロジェクターの使用が可能というレベルである。騒音値30dBA以下(NC25程度)の投射型表示装置でも、騒音は大きくは振動音・共振音及び風きり音等に分かれ、特に人間が特に耳障りと感ずる音は振動音であり、周波数的には500〜1000Hzの帯域騒音を押さえることが静粛性の点では重要とされている。
図25(b)では、防振材料が硬度10である場合、硬度15である場合に比較して、500〜1000Hzの帯域騒音が著しく低下していることが示されている。以上のことから、スチレン系熱可塑性エラストマーにより防振部材を構成する場合には、硬度10以下であることが好ましい。
1…プロジェクター(投射型表示装置)、3…筐体、3b…底面部、5…レンズ鏡筒、6…投射レンズ、15…フィルター交換用蓋体、41…光源ユニット、47…制御駆動ブロック、49…ランプ、51…ランプハウス、51b…排気口、63…回路基板、77…第3シロッコファン、79…第2導出ダクト、81…第2軸流ファン、103…吹き出し口、105…羽根部、107…ファンケース、129…入射側偏光板、131…液晶パネル、133…出射側偏光板、138…調整機構、139…調整部材、145…ノズル(乱流促進部)、155…フィルター、161…吸気口、165…吸気口、167…防振部材、AFR1…第1空気流路、AFR2…第2空気流路。