JP4096702B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロジェクタに関し、さらに詳しくは空気の汚れた場所で使用する場合に好適なプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プロジェクタには液晶パネルを空冷するための吸気ファンが設けられており、また、吸気ファンにより吸気された空気から塵等を除去するためのフィルターが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−34928号公報(第3頁〜4頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
プロジェクタの使用場所としては、会議室などが従来より一般的であるが、近年では多様な場所で使用されるようになってきた。例えば、コンビニエンスストアや、パチンコ店、カラオケ屋、駅構内などである。この種の場所は空気の汚れが激しいことから、この種の場所にプロジェクターを設置した場合、従来のフィルターだけでは塵埃等を十分に除去できず、塵埃等が装置内部に流入して画像に悪影響を与えてしまうという問題があった。また、フィルターが直ぐに目詰まりして頻繁に交換しなければならないという不都合があった。
【0005】
また、フィルターが目詰まりすることにより内部冷却が不十分となって内部温度が上昇し、温度センサがこれを感知してプロジェクタがシャットダウンしてしまうという不都合もあった。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みなされたもので、空気が汚れた場所での使用に際しての各種の不都合を解消できるプロジェクタを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るプロジェクタは、外装ケースに形成された空気取入口に、ファンにより吸気された空気から塵埃等を除去するための第1のフィルターが設けられたプロジェクタであって、第1のフィルターよりも広面積の第2のフィルターを有するフィルターユニットを、第1のフィルターの外側から空気取入口を覆うように外装ケースに着脱自在とし、外装ケースは、プロジェクタを天吊りするための天吊り手段を備え、天吊り手段によりフィルターユニットは外装ケースに着脱自在とされており、天吊り手段は、外装ケースにおける空気取入口の周囲に形成された複数のネジ穴と、複数のネジ穴に螺合される複数の天吊り用ネジとで構成され、フィルターユニットはネジ穴に対応する位置に取付孔を有し、複数の天吊り用ネジのそれぞれをフィルターユニットに形成された複数の取付孔にそれぞれ挿通し、さらに複数のネジ穴に螺合することにより外装ケースに着脱自在とされているものである。
本発明によれば、空気が汚れた場所で使用する場合などの必要時に、第1のフィルターとは別にフィルターユニットを取り付けることができるため、空気が汚れた場所で使用する場合であっても、第1のフィルターが直ぐに目詰まりするのを防止でき、第1のフィルターの交換回数を低減することが可能となる。なお、第2のフィルターは、第1のフィルターに比べて広面積に構成されているため、短時間で目詰まりすることなく、長期間に渡って使用可能となっている。このように、第1のフィルターの短時間での目詰まりを防ぐことが可能となるため、内部冷却不足による内部温度上昇に起因した意図しないプロジェクタのシャットダウンが防止され、空気の汚れた場所であっても長時間に渡って安定して使用することが可能となる。さらに、フィルターが2重に取り付けられることにより、装置内部への塵等の侵入防止能力が向上するため、空気の汚れた場所に設置されても長時間安定した画質を保持することが可能となる。また、フィルターユニットを天吊り用ネジとネジ穴との螺合により外装ケースに簡単に着脱自在に取り付けることができる。
【0010】
また、本発明に係るプロジェクタにおいて、前記外装ケースは、フィルターユニットを外装ケースの面方向にスライド自在に支持するように構成されてなるものである。本発明によれば、フィルターユニットをスライドさせることにより外装ケースから簡単に着脱することができる。
【0011】
また、本発明に係るプロジェクタにおいて、前記外装ケースは、フィルターユニットを外装ケースの面方向にスライド自在に支持するガイド部と、スライド端を規制するストッパとを備えてなるものである。本発明によれば、フィルターユニットは、ガイド部によってガイドされながらスライド可能で、且つストッパにより押し込み位置が決定されるので、フィルターユニットの着脱がより簡単となる。
【0012】
また、本発明に係るプロジェクタにおいて、前記外装ケースは略直方体形状を成しており、第2のフィルターは、外装ケースにおいて空気取入口が形成された面の大部分を覆う大きさに構成されてなるものである。本発明によれば、第2のフィルターの面積が大きいため、第2のフィルタを長期間に渡って使用することができ、結果として第1のフィルターの使用期間も長期化でき、第1及び第2のフィルター両方の交換回数を低減することが可能となる。
【0013】
また、本発明に係るプロジェクタは、前記フィルターユニットをプロジェクタの外装ケースに密着して装着したものである。本発明によれば、汚れた空気が第2のフィルターを介さずに第1のフィルターへ到達するのを確実に防止でき、これにより、交換回数の更なる低減が図れ、また、長期間に渡って安定的にプロジェクタを使用することが可能となる。
【0014】
また、本発明に係るプロジェクタにおいて、前記フィルターユニットは、外装ケースに当接する当接面と外装ケースとの間に枠状のパッキンを介在させることによりプロジェクタの外装ケースに密着して装着されてなるものである。本発明によれば、枠状のパッキンを用いた簡単な構成でフィルターユニットを外装ケースに密着して装着することが可能となっている。
【0015】
また、本発明に係るプロジェクタにおいて、前記第1のフィルターはウレタンスポンジ、第2のフィルターは静電フィルターである。本発明においては、空気取入口に吸引される空気に対して第1のフィルターよりも上流側の第2のフィルターを第1のフィルターよりも除塵能力の高い静電フィルターとしたので、十分に塵埃等が除去された空気が第1のフィルターに流入することになり、第1のフィルターに短時間で塵埃等が溜まるのを確実に防止することが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明のプロジェクタの外観を示す図である。本例のプロジェクタ1の外装ケース2は直方体形状をしている。この外装ケース2は、基本的には、アッパーケース3と、ロアーケース4と、装置前面を規定しているフロントケース5から構成されている。そして、フロントケース5の中央からは投写レンズユニット6の先端側の部分が突出している。
【0017】
図2は、プロジェクタの外装ケースの内部における各構成部分の配置を示す図である。この図に示すように、外装ケース2の内部において、その後端側には電源ユニット7が配置されている。これよりも装置前側に隣接した位置には、光源ランプユニット8および光学ユニット9が配置されている。さらに、光学ユニット9の前側の中央には、投写レンズユニット6の基端側が位置している。
【0018】
一方、光学ユニット9の一方の側には、装置前後方向に向けて入出力インタフェース回路が搭載されたインタフェース基板11が配置され、これに平行に、ビデオ信号処理回路が搭載されたビデオ基板12が配置されている。さらに、光源ランプユニット8および光学ユニット9の上側には、装置駆動制御用の制御基板13が配置され、装置前端側の左右の角には、それぞれスピーカ14R,14Lが配置されている。
【0019】
光学ユニット9の下方には装置内部冷却用の吸気ファン15が配置されている。また、光源ランプユニット8の裏面側である装置側面には排気ファン16が配置されている。そして、電源ユニット7における基板11,12の端に面する位置には、アッパーケース3に設けられた通気口18からの冷却用空気流を電源ユニット7内に吸引するための補助冷却ファン17が配置されている。
【0020】
これらのファンのうち、ファン15は、主に、後述する液晶パネル40R,40G,40B冷却用のファンとして機能している。ファン15に対向するロアーケース4の位置には、フィルター交換蓋70で覆われた空気取入口71が形成されている。このフィルター交換蓋70には外部から取り入れた空気を装置内部へ冷却空気として導入するための複数の開口72が形成され、このフィルター交換蓋70の内側には、ファン15により吸気された空気から塵埃を除去するための第1のフィルター73が設けられている。この第1のフィルター73としてはここではウレタンスポンジが用いられているが、これに限られたものではない。このフィルター交換蓋70をロアーケース4の底面側から着脱することで内部の第1のフィルター73を交換することが可能となっている。そして、この第1のフィルター73の外側には、空気取入口71を覆うように本発明の特徴部分である後述のフィルターユニット80が取り付けられている。
【0021】
以下、図3に基づき光学ユニット9および光学系の構成について説明する。
【0022】
図3(A)には、光学ユニット9の部分を示してある。この図に示すように、光学ユニット9は、その色合成手段を構成しているプリズムユニット20以外の光学素子が上下のライトガイド901,902の間に上下から挟まれて保持された構成となっている。上ライトガイド901および下ライトガイド902は、それぞれ、アッパーケース3およびロアーケース4の側に固定ねじにより固定されている。また、これらの上下のライトガイド901,902は、プリズムユニット20の側に同じく固定ねじによって固定されている。
【0023】
プリズムユニット20は、ダイキャスト板である厚手のヘッド板30の裏面に固定ねじによって固定されている。このヘッド板30の前面には、投写手段としての投写レンズユニット6の基端側が同じく固定ねじによって固定されている。したがって、本例では、ヘッド板30を挟み、プリズムユニット20と投写レンズユニット6とが一体となるように固定された構造となっている。
【0024】
図3(B)には、プロジェクタ1に組み込まれている光学系の概略構成を示してある。本例の光学系は、光源ランプ805と、均一照明光学素子であるインテグレータレンズ921,922を有する均一照明光学系923と、この照明光学系923から出射される光束Wを、赤、緑、青の各色光束R、G、Bに分離する色分離光学系924と、各色光束を変調する電気光学装置としての3枚の液晶パネル40R,40G,40Bと、変調された色光束を合成する色合成光学系としてのプリズム合成体22と、合成された光束を投写面上に拡大投写する投写レンズユニット6とから構成される。また、色分離光学系924によって分離された各色光束のうち、青色光束Bを対応する液晶パネル40Bに導くリレー光学系927を有している。
【0025】
均一照明光学系923は、さらに、反射ミラー931を備えており、光源ランプ805からの出射光の光軸1aを装置前方向に向けて直角に折り曲げるようにしている。このミラー931を挟み、インテグレータレンズ921,922が前後に直交する状態に配置されている。
【0026】
色分離光学系924は、青緑反射ダイクロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー942と、反射ミラー943から構成される。まず、青緑反射ダイクロイックミラー941において、均一照明光学系923を通った光束Wのうち、そこに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射されて、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向かう。赤色光束Rは、このミラー941を通過して、後方の反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束の出射部944から色合成光学系の側に出射される。次に、緑反射ダイクロイックミラー942において、ミラー941において反射された青および緑の光束B、Gのうち、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束の出射部945から色合成光学系の側に出射される。このミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束の出射部946からリレー光学系927の側に出射される。本例では、均一照明光学素子の光束の出射部から、色分離光学系924における各色光束の出射部944,945,946までの距離が全てほぼ等しくなるように設定されている。
【0027】
色分離光学系924の赤色光束及び緑色光束の出射部944,945の出射側には、それぞれ集光レンズ951,952が配置されている。したがって、各出射部から出射した赤色光束及び緑色光束は、これらの集光レンズ951,952に入射して平行化される。
【0028】
平行化された赤色および緑色の光束R、Gは、偏光板60R,60Gによって偏光方向が揃えられた後、液晶パネル40R,40Gに入射して変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。すなわち、これらの液晶パネル40R,40Gは、図示していない駆動手段によって画像情報に対応する画像信号によってスイッチング制御され、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われる。このような駆動手段は、公知の手段をそのまま使用することができる。
【0029】
一方、青色光束Bは、リレー光学系927を介し、さらに、偏光板60Bによって偏光方向が揃えられた後、対応する液晶パネル40Bに導かれて、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が施される。尚、本例の液晶パネル40R,40G,40Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として用いたものを使用できる。
【0030】
リレー光学系927は、集光レンズ974と入射側反射ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらのミラー間に配置した中間レンズ973と、液晶パネル40Bの手前側に配置した集光レンズ953から構成される。各色光束の光路の長さ、すなわち、光源ランプ805から各液晶パネルまでの距離は、青色光束Bが最も長くなり、したがって、この光束の光量損失が最も多くなる。しかし、リレー光学系927を介在させることにより、光量損失を抑制できる。
【0031】
各液晶パネル40R,40G,40Bを通って変調された各色光束は、偏光板61R,61G,61Bに入射し、これを透過した光がプリズム合成体22に入射され、ここで合成される。本例では、ダイクロイックプリズムからなるプリズム合成体22を用いて色合成光学系を構成している。ここで合成されたカラー画像は、投写レンズユニット6を介して、所定の位置にある投写面10上に拡大投写される。
【0032】
次に本発明の特徴部分であるフィルターユニット80に関して説明する。
【0033】
図4は、実施の形態1のプロジェクタ要部の分解斜視図で、プロジェクタ1を底面側から見た斜視図となっている。また、図5は、フィルターユニット80を取り付ける前のロアーケース4を底面側から見た斜視図である。
フィルターユニット80は、プロジェクタ1を空気が汚れた場所で使用する場合などの必要時に、従来から空気取入口71に備えられている第1のフィルター73に加えて更に取り付けられるもので、第1のフィルター73の外側から空気取入口71を覆うようにロアーケース4に装着されるものである。また、空気の汚れが激しくない場所で使用する場合などの不要時には、ロアーケース4から取り外しができるように着脱自在に構成されるもので、その構成については以下に詳述する。
【0034】
ここで、ロアーケース4には、プロジェクタ1を天井から吊り下げた形態で使用するための天吊り手段が設けられている。この天吊り手段は、図5に示すように、空気取入口71の周囲、更に詳しくはロアーケース4における四隅の角部に設けられた挿通孔91の奥側(装置内部側)に設けられたネジ穴(図示せず)と、このネジ穴に螺合される複数(ここでは4個)の天吊り用ネジ90とで構成されている。天吊り使用時には、プロジェクター側ブラケット(図示せず)を天吊り手段によりロアーケース4に固定し、プロジェクター側ブラケット(図示せず)を、天井側に固定した天井側ブラケット(図示せず)に装着することによりプロジェクタ1が天吊りされる。一方、机上での使用時には、各天吊り用ネジ90はそれぞれ対応の各挿通孔91を挿通し、ロアーケース4において挿通孔91の奥側(装置内部側)に設けられたネジ穴(図示せず)に直接螺合された図5に示す状態のままで保持されている。実施の形態1のプロジェクタ1においては、この天吊り手段を利用してフィルターユニット80をロアーケース4に着脱自在に装着するものである。
【0035】
フィルターユニット80は、図2(B)および図4に示すように第1のフィルター73よりも広面積、さらに好ましくは外装ケース2において空気取入口71が形成された面すなわちロアーケース4の底面の大部分を覆う面積を有する第2のフィルター81と、第2のフィルター81を収納するための略矩形状の収納凹部82を有するフィルターカバー83とを備えている。第2のフィルター81としてはここでは静電フィルターが用いられているが、これに限られたものではない。収納凹部82の底面には複数の通気口82aが形成され、また、収納凹部82の開口部周囲には、フィルターカバー83がロアーケース4に取り付けられた際にロアーケース4の外表面に当接する当接面84が形成されている。この当接面84には、複数の挿通孔91に対応する複数箇所(ここでは4箇所)に天吊り用ネジ90が挿通される取付孔85が穿設されている。
【0036】
このように構成されたフィルターユニット80をロアーケース4に取り付ける場合には、まず、収納凹部82内に第2のフィルター81を収納し、その状態でフィルターカバー83をロアーケース4上に載せて当接面84をロアーケース4の表面に接触させる。そして、各天吊り用ネジ90を各取付孔85にそれぞれ挿通し、ロアーケース4に設けられている挿通孔91の奥側(装置内部側)に設けられた図示しないネジ穴に螺合する。これによりフィルターユニット80は、空気取入口71を第1のフィルター73(図2参照)の外側から覆うようにロアーケース4に着脱自在に取り付けられる。
【0037】
そして、空気が汚れた場所で使用するに際し、フィルターユニット80を上記手順でロアーケース4に取り付け、その状態でファン15を稼働させると、吸引された汚れた空気は、まず、フィルターユニット80のフィルターカバー83の通気口82aを介して第2のフィルター81を通過し、ここで塵埃等が除去されて清浄化される。ついで、第1のフィルター73を通過し、ここで更に塵埃等が除去されて更に清浄化され、そして、空気取入口71から装置内部に流入する。このように、汚れた空気が第1のフィルター73を通過する前に第2のフィルター81を通過させるようにしたため、空気が汚れた場所で使用する場合であっても、第1のフィルター73が直ぐに目詰まりするのを防止でき、よって、第1のフィルター73の交換回数の増加を防ぐことができる。
【0038】
なお、第2のフィルター81は、第1のフィルター73に比べて広面積、さらに好ましくはロアーケース4の底面の大部分を覆う面積に構成されているため、短時間で目詰まりすることなく、長期間に渡って使用可能となっている。
【0039】
このように第1のフィルター73の短時間での目詰まりを防ぐことが可能となるため、内部冷却不足による内部温度上昇に起因した意図しないプロジェクタ1のシャットダウンが防止され、空気の汚れた場所であっても長時間に渡って安定して使用することが可能となる。
【0040】
また、フィルターが2重に取り付けられることにより、プロジェクタ1内部への塵埃等の侵入防止能力が高まるため、長時間安定した画質を保持することが可能となる。
【0041】
実施の形態2.
実施の形態2はフィルターユニット80をスライド式でロアーケース4から着脱できるようにして着脱時の作業性の向上を図ったものである。
【0042】
図6は実施の形態2のプロジェクタ要部の分解斜視図である。
ロアーケース4には、フィルターユニット80をロアーケース4の面方向にスライド自在に支持するガイド部100と、スライド端を規制するストッパ101とが設けられている。ガイド部100は、ロアーケース4の左右端部それぞれにおいて所望の長さを切り起こして立設し、先端部分をロアーケース4の表面と平行になるように屈曲させた一対の切り起こし片(以下、符号100を付す)から構成されている。切り起こし片100の先端面とロアーケース4表面との隙間は、当接面84の厚みよりも僅かに大きい程度に設定されており、フィルターカバー83の当接面84をスライド可能に挾持できるようになっている。また、ストッパ101は、ロアーケース4の前面端部(図示手前側端部)を切り起こして立設した構成となっている。
【0043】
このように構成されたロアーケース4にフィルターユニット80を取り付ける場合には、まず、矢印aに示すようにフィルターカバー83の収納凹部82内に第2のフィルター81を収納し、その状態でロアーケース4を図示矢印b方向(ロアーケース4の面方向)にスライドさせ、ストッパ101によって規制される位置まで押し込むことにより取り付けられる。
【0044】
実施の形態2によれば、実施の形態1とほぼ同様の効果が得られると共に、ロアーケース4にガイド部100を設けてフィルターユニット80をスライド式で装着可能としたことにより、実施の形態1のネジ留めによる方法に比べて着脱時の作業性が向上する。
【0045】
また、実施の形態1では、フィルターユニット80を天吊り手段を利用してロアーケース4に装着するようにしているため、プロジェクタ1を空気の汚れた場所で天吊り状態で使用する場合には、天吊り手段は本来の使用方法に供されることになりフィルターユニット80の取り付けには利用できなくなる。これに対し、本実施の形態2のスライド式によれば、天吊り状態においてもフィルターユニット80の取り付けが可能である。
【0046】
なお、フィルターユニット80を着脱自在とするための構成としては、本明細書では、上記実施の形態1のネジ留めによる構成、実施の形態2のスライド式による構成を例に挙げて説明したが、これらの構成に限られたものではなく、着脱可能な構成であれば本発明の実施の形態に含まれるものとする。
【0047】
実施の形態3.
図7は実施の形態3のプロジェクタ要部の分解斜視図である。
実施の形態3は、フィルターカバー83の当接面84とロアーケース4との間に、枠状のパッキン110を介在させ、フィルターユニット80をプロジェクタ1のロアーケース4に密着して装着するようにしたものである。
【0048】
パッキン110には、各取付孔85に対応する箇所にそれぞれ挿通孔111が穿設されており、実施の形態3においては、ロアーケース4上に、パッキン110、第2のフィルター81を収納凹部82内に収納したフィルターカバー83を順に載せた後、各天吊り用ネジ90を取付孔85、パッキン110の挿通孔111、ロアーケース4の挿通孔91の順に挿通し、挿通孔91の奥側(装置内部側)に設けられた図示しないネジ穴に螺合することによりフィルタユニット80がロアーケース4に着脱自在に取り付けられる。
【0049】
このように構成したことにより、汚れた空気がロアーケース4と当接面84と間の隙間から侵入するのを防止できる。すなわち、汚れた空気が第2のフィルター81を通過せずに第1のフィルター73へ到達するのを確実に防止でき、これにより、第1のフィルター73の交換回数の更なる低減、長期間に渡っての安定的なプロジェクタの使用が期待できる。なお、フィルターユニット80とロアーケース4とを密着して装着するための構成としては、単にフィルターカバー83の当接面84とロアーケース4との間に枠状のパッキン110を介在させるだけの簡単な構成であるため、構成が簡単でありながらも上記の優れた効果を提供することが可能となっている。
【0050】
なお、上記各実施の形態において、第1のフィルター73としてウレタンスポンジ、第2のフィルター81として静電フィルターを用いた場合を例に説明してきたが、この組み合わせに限られたものではない。但し、空気取入口71に吸引される空気に対して第1のフィルター73よりも上流側となる第2のフィルター81に、エアフィルター(第1のフィルター73)よりも除塵能力の高い静電フィルターを用いることは、第1のフィルター73の短時間での目詰まりを防止する観点から好適な使用形態と言える。
【0051】
また、本発明のプロジェクタの要部の構成は、図3に示した構成の液晶プロジェクタへの適用に限られたものではなく、DLP(ディジタル・ライト・プロセシング)を用いたプロジェクタ、3管式プロジェクタ等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプロジェクタの外観を示す図。
【図2】 図1の外装ケースの内部における各構成部分の配置を示す図。
【図3】 (A)光学レンズユニットと投写レンズユニットの部分を取り出して示す図。(B)光学系の概略構成図。
【図4】 実施の形態1のプロジェクタ要部の分解斜視図。
【図5】 フィルターユニット取付前のロアーケースの底面側斜視図。
【図6】 実施の形態2のプロジェクタ要部の分解斜視図。
【図7】 実施の形態3のプロジェクタ要部の分解斜視図。
【符号の説明】
1 プロジェクタ、2 外装ケース、4 ロアーケース、15 ファン、70 フィルター交換蓋、71 空気取入口、73 第1のフィルター、80 フィルターユニット、81 第2のフィルター、82 フィルタカバー、83 収納凹部、84 当接面、85 取付孔、90 天吊り用ネジ、91 挿通孔

Claims (7)

  1. 外装ケースに形成された空気取入口に、ファンにより吸気された空気から塵埃等を除去するための第1のフィルターが設けられたプロジェクタであって、
    前記第1のフィルターよりも広面積の第2のフィルターを有するフィルターユニットを、前記第1のフィルターの外側から前記空気取入口を覆うように前記外装ケースに着脱自在とし、
    前記外装ケースは、プロジェクタを天吊りするための天吊り手段を備え、該天吊り手段により前記フィルターユニットが前記外装ケースに着脱自在とされており、
    前記天吊り手段は、前記外装ケースにおける前記空気取入口の周囲に形成された複数のネジ穴と、該複数のネジ穴に螺合される複数の天吊り用ネジとで構成され、前記フィルターユニットは前記ネジ穴に対応する位置に取付孔を有し、前記複数の天吊り用ネジのそれぞれを前記フィルターユニットに形成された複数の取付孔にそれぞれ挿通し、さらに前記複数のネジ穴に螺合することにより前記外装ケースに着脱自在とされていることを特徴とするプロジェクタ。
  2. 前記外装ケースは、前記フィルターユニットを外装ケースの面方向にスライド自在に支持するように構成されてなることを特徴とする請求項1記載のプロジェクタ。
  3. 前記外装ケースは、前記フィルターユニットを前記外装ケースの面方向にスライド自在に支持するガイド部と、スライド端を規制するストッパとを備えてなることを特徴とする請求項2記載のプロジェクタ。
  4. 前記外装ケースは略直方体形状を成しており、前記第2のフィルターは、前記外装ケースにおいて前記空気取入口が形成された面の大部分を覆う大きさに構成されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のプロジェクタ。
  5. 前記フィルターユニットを前記プロジェクタの外装ケースに密着して装着したことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載のプロジェクタ。
  6. 前記フィルターユニットは、前記外装ケースに当接する当接面と前記外装ケースとの間に枠状のパッキンを介在させることにより前記プロジェクタの外装ケースに密着して装着されてなることを特徴とする請求項5記載のプロジェクタ。
  7. 前記第1のフィルターはウレタンスポンジ、前記第2のフィルターは静電フィルターであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載のプロジェクタ。
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