JP4967477B2 - 画像形成装置および画像形成装置用のカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置および画像形成装置用のカートリッジに関する。
画像形成装置において、トナーカートリッジやイメージングユニットなどのカートリッジに、各カートリッジの調整値や使用履歴などの情報を記録するメモリを設けることが一般的である。画像形成装置は、カートリッジのメモリから情報を読み出して、カートリッジごとのバラツキなどを考慮して最適な画像形成動作を行うように制御される。
特許文献1の画像形成装置は、カートリッジのメモリに、該メモリに情報を書き込んだ書き込み回数を記録し、この書き込み回数を基にカートリッジが寿命を過ぎているか否かを判定するようにしている。
このようなカートリッジに使用される不揮発性メモリの多くは、例えばフラッシュメモリのように、書き換え可能回数が限られている。よって、設計条件を超えてカートリッジをリサイクルしたり、寿命が過ぎたカートリッジを使用し続けると、不揮発性メモリが破壊されて読み書きが正常に行えなくなり、画像形成装置を適切に制御できなくなる場合がある。
このため、特許文献2および3の画像形成装置は、メモリの書き換え回数を低減するために、カートリッジのメモリに記録されている情報と、最新の情報とが一致する場合にはメモリの情報を上書きしないようにしている。
しかしながら、フラッシュメモリなどでは、データをアドレスごとに書き換えることができず、ブロック単位でしかデータを書き換えることができないため、特許文献2および3のような制御を行うには、書き換え単位が小さい高価な不揮発性メモリを使用する必要がある。
さらに、印字枚数やトナー消費量などの情報は、毎回更新する必要があり、不揮発性メモリの延命効果が低い上、不揮発性メモリが破壊に至ったときに画像形成装置が適切に制御できなくなるという問題は解消されていない。
特開平10−39717号公報 特開2003−48359号公報 特開2003−140977号公報
前記問題点に鑑みて、本発明は、設計条件を超えてカートリッジを使用してメモリが破壊に至っても画像形成装置を適切に制御できる画像形成装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明による画像形成装置は、画像形成動作を制御する画像形成制御手段を備える本体と、前記本体に装着されるカートリッジとを含む画像形成装置であって、前記カートリッジは、前記画像形成制御手段が制御に用いる情報を記録でき、それぞれ一括して書き換えられる複数の制御情報領域を有する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリの読み書きを制御するメモリ制御手段とを備え、前記本体は、前記制御情報の記録を前記メモリ制御手段に要求する制御情報書き込み要求手段と、前記カートリッジの寿命を判定する判定手段と、前記カートリッジが寿命に達したと判定された場合に、その時点の前記制御情報および当該制御情報が寿命に達したときのものであることを示す寿命時フラグを前記制御情報保存領域に記録するように前記メモリ制御手段に要求する寿命時フラグ書き込み要求手段とを備え、前記メモリ制御手段は、前記制御情報書き込み要求手段からの要求に応じて、前記複数の制御情報保存領域に、順番に、前記制御情報を記録するとともに、各前記制御情報保存領域に前記制御情報を記録した回数をそれぞれ記録する制御情報書き込み手段と、最新の制御情報が記録された制御情報保存領域を判別して前記制御情報を読み出し可能な読み出し手段と、前記寿命時フラグ書き込み要求手段の要求に応じて前記制御情報が書き込まれる制御情報保存領域に前記寿命時フラグを書き込む寿命時フラグ書き込み手段と、前記寿命時フラグが記録された制御情報保存領域への以後前記制御情報の記録を禁止する禁止手段とを有するものとする。
この構成によれば、複数の制御情報保存領域を順番に使用して制御情報を記録するので、不揮発性メモリの耐用書き換え回数の倍数の制御情報の書き換えが可能である。また、寿命時フラグを記憶してカートリッジが寿命に達したときの制御情報を保存するので、他の制御情報保存領域がすべて耐用書き換え回数を超過して破壊に至ったとしても、保存している寿命到達時の制御情報を基に画像形成動作を制御でき、最適に近い条件で画像形成動作を維持できる。
また本発明の画像形成装置において、前記制御手段は、前記制御情報を前記制御情報保存領域単位で一括して書き換えてもよい。
この構成によれば、ブロック単位でしか書き換えができないフラッシュメモリを用いることができる。
また本発明の画像形成装置において、前記制御情報は、前記カートリッジの消耗度合いを示すトナー消費量や印字枚数のような消耗パラメータを含み、前記消耗パラメータを基に前記カートリッジの寿命を判定するようにすれば、カートリッジごとの寿命を適切に判定できる。
また本発明の画像形成装置において、前記制御情報が、現像バイアス電圧、露光光量および1次転写電圧の少なくともいずれかを含んでいれば、適切な作像ができる。
また本発明の画像形成装置において、前記制御情報が、前記カートリッジが新品であるか否かを表す新旧情報を含んでいれば、新品のカートリッジを装着したときに自動的に初期設定動作を実行させることができる。
また本発明の画像形成装置において、各前記制御情報保存領域に前記制御情報を記録した書き込み回数を基にすれば、前記制御情報保存領域のいずれに最新の制御情報を記録するかを容易に決定でき、書き込み回数を基にしていずれの制御情報保存領域に最新の制御情報が記録されているかを容易に判断することもできる。
また本発明によれば、画像形成装置に装着されるカートリッジは、画像形成動作の制御に用いる制御情報を記録できる複数の制御情報保存領域を有する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリの読み書きを制御するメモリ制御手段とを備え、前記メモリ制御手段は、前記複数の制御情報保存領域に、順番に、前記制御情報を記録するとともに、各前記制御情報保存領域に前記制御情報を記録した回数をそれぞれ記録し、最新の制御情報が記録された制御情報保存領域を判別して前記制御情報を読み出すことができ、それぞれ一括して書き換えられる前記カートリッジが寿命に達したときの前記制御情報および当該制御情報が寿命に達したときのものであることを示す寿命時フラグを前記制御情報保存領域に記録し、前記寿命時フラグが記録された制御情報保存領域には、以後、前記制御情報の記録を行わないものとする。
この構成によれば、複数の制御情報保存領域を順番に使用して制御情報を記録するので、不揮発性メモリの耐用書き換え回数の倍数の制御情報の書き換えが可能である。また、寿命時フラグを記憶してカートリッジが寿命に達したときの制御情報を保存するので、他の制御情報保存領域がすべて耐用書き換え回数を超過して破壊に至ったとしても、保存している寿命到達時の制御情報を読み出すことができ、カートリッジを継続して使用することができる。
本発明によれば、カートリッジのメモリの複数の制御情報保存領域に順番に制御情報を記録し、カートリッジが寿命に達したときの制御情報を記録した制御情報保存領域には、以後、上書きをしないようにすることで、メモリが破壊に至り、最新の制御情報が失われても、保存されている寿命到達時の制御情報を基にして画像形成動作を制御できる。
これより、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の1つの実施形態である画像形成装置を示す。画像形成装置は、本体1の内部にそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像を形成する4つのプロセスカートリッジ2と、転写ベルト3と、各プロセスカートリッジ2が形成したトナー画像を静電力で転写ベルト3にそれぞれ転写する1次転写ユニット4と、転写ベルト3に転写されたトナー画像を記録紙Sに静電力で転写する2次転写ユニット5と、加熱押圧することで記録紙Sにトナー画像を定着させる定着ユニット6と、各プロセスカートリッジ2にそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーを供給するトナーカートリッジ7とを有している。
プロセスカートリッジ2は、それぞれ、回転するドラム状の感光体8と、感光体8を帯電させる帯電器9と、帯電した感光体8を露光して静電潜像を形成する露光器10と、静電潜像にトナーを付着させる現像器11と、感光体8の表面のトナーを掻き落とすクリーナ12と、後述する不揮発性メモリを備えるメモリ制御基板13とを有している。本実施形態では、プロセスカートリッジ2として感光体8および現像器11を含むものを例示したが、プロセスカートリッジは感光体8のみを含むもの、または、現像器11のみを含むものであってもよい。
転写ベルト3は、駆動される駆動ローラ14と、自由ローラ15と、張力を与えるテンションローラ16とに掛け渡されて、駆動ローラ14によって矢印方向に回動する。また、画像形成装置は、転写ベルト3の表面に残留するトナーを除去するクリーナユニット17が設けられている。
記録紙Sは、給紙部18に供給され、供給ローラ19で1枚ずつ送り出され、タイミングローラ20により転写ベルト3上のトナー画像にタイミングを合わせて送り出される。
2次転写ユニット5で転写されたトナー画像が定着ユニット6により定着された記録紙Sは、排紙ローラ21によって排紙部22に排出、または、裏面にトナー画像を転写するために両面搬送ローラ23,24に送り戻される。
また、本画像形成装置は、以上の構成要素による画像形成動作を制御する制御ユニット25を有している。
図2に示すように、制御ユニット25は画像形成制御CPU(画像形成制御手段)26を備え、画像形成制御CPU26は通信制御部27を有している。また、メモリ制御基板13は、メモリ制御CPU(メモリ制御手段)28を備え、メモリ制御CPU28は通信制御部29と例えばフラッシュメモリからなる不揮発性メモリ30とを有している。制御ユニット25の画像形成制御CPU26は、通信制御部27と通信制御部29との交信によって、メモリ制御基板13と通信して不揮発性メモリ30に記録されたデータを受信したり、不揮発性メモリ30にデータを書き込んで記録するように要求したりすることができる。
画像形成制御CPU26は、画像形成装置の画像形成動作を制御するため必要なパラメータのうち、カートリッジ2に依存する制御情報を各カートリッジ2の不揮発性メモリ30にそれぞれ記録するように、各メモリ制御CPU28に対して要求を出す。カートリッジ2の消耗などでパラメータが変化すると、適宜、不揮発性メモリ30のデータを更新するためにメモリ制御CPU28に不揮発性メモリ30への書き込み要求をするようになっている。
図3に示すように、不揮発性メモリ30は、各アドレスに1バイトのデータ(16進数表記で00からFF)を記録でき、それぞれ512箇所(16進数表記で200箇所)のデータを1つのブロックとして一括して書き換えるようになっている。例えば、アドレス0202のデータだけを書き換える場合にも、太枠で囲んだアドレス0200からアドレス03FFまでのデータをすべて上書きする必要がある。
図4に、不揮発性メモリ30のアドレスマッピングを示す。不揮発性メモリ30は、アドレス0000からアドレス01FFまでをカートリッジ識別情報保存領域31、アドレス0200からアドレス03FFまでを第1制御情報保存領域32、アドレス0400からアドレス05FFまでを第2制御情報保存領域33、アドレス0600からアドレス07FFまでを第3制御情報保存領域34、そして、アドレス0800からアドレス0AFFまでを通信プログラム保存領域35として割り当てている。
カートリッジ識別情報保存領域31、第1制御情報保存領域32、第2制御情報保存領域33および第3制御情報保存領域34は、それぞれ、一括して書き換えられる1つのブロックが割り当てられており、通信プログラム保存領域35は、一括して書き換えられるブロック2つが割り当てられている。
カートリッジ識別情報保存領域31には、当該カートリッジ2の型式、シリアルナンバ、色情報および仕向け情報などのデータが製造工場において記録される。
各制御情報保存領域32,33,34には、書き込み回数および書き込み位置など、記録した情報を管理するためのヘッダ情報と、画像形成制御CPU26が画像形成動作の制御に用いるデータであって、現像バイアス電圧、露光光量および1次転写電圧などの各設定値と、当該カートリッジ2が新品であるか否かを示す新旧情報と、当該カートリッジ2を使用した印字枚数やトナー消費量などの当該カートリッジ2の消耗度合いを示す消耗パラメータとを含む制御情報が、それぞれ、重複して記録される。
メモリ制御基板13のメモリ制御CPU28は、画像形成制御CPU26から制御情報の書き込み要求を受けると、いずれかの制御情報保存領域32,33,34に最新の制御情報を書き込む。つまり、各制御情報保存領域32,33,34には、異なる時点において最適な画像形成動作を可能にする制御情報が記録される。メモリ制御CPU28は、画像形成制御CPU26から制御情報の読み出し要求を受けると、各制御情報保存領域32,33,34に記録されている制御情報の中で、最新の情報を読み出して画像形成制御CPU26に送信する。
制御情報の書き込みにあたり、第1制御情報保存領域32、第2制御情報保存領域33、第3制御情報保存領域34の順に優先順位が設定されており、後述する他の条件によっていずれの領域に記録すべきかが決定できない場合は、この優先順位が高い領域にデータが書き込まれる。
また、各制御情報保存領域32,33,34のヘッダ情報には、寿命時フラグが含まれ得る。寿命時フラグは、当該カートリッジ2が寿命に達したと画像形成制御CPU26により判定されたときに、所定のアドレスに所定の値を記録するものであり、当該領域に記録されている制御情報が、当該カートリッジ2が寿命に到達した際のデータであることを示すデータである。メモリ制御CPU28は、寿命時フラグが記録されている領域への、データの書き込みを禁止するようになっている。
プログラム保存領域35には、メモリ制御基板13が画像形成制御CPU26と通信するために必要な通信プログラムが記録される。
図5に、メモリ制御CPU28が、画像形成制御CPU26からデータの書き込み要求を受けた際の処理を示す。メモリ制御CPU28は、画像形成制御CPU26からデータ書き込み要求を受けると、ステップS1において各制御情報保存領域32,33,34からそれぞれデータを読み出し、先ず、ステップS2において各制御情報保存領域32,33,34が正常に書き換えができない異常状態になっていないかを確認し、異常状態にある領域へのデータ書き込みを禁止し、続いて、ステップS3において各制御情報保存領域32,33,34に寿命時フラグが記録されているかを確認する。
ステップS4において制御情報保存領域32,33,34のいずれにも寿命時フラグが記録されていない場合、または、ステップS4において制御情報保存領域32,33,34のいずれかに寿命時フラグが記録されていても、ステップS5において、寿命時フラグのない制御情報保存領域32,33,34のいずれかが異常状態ではなく、書き換え可能である場合は、ステップS6に進む。ステップS6において書き込むデータが寿命時フラグを含む寿命時のデータでないとき、メモリ制御CPU28は、ステップS7に進んで制御情報保存領域32,33,34のうちで記録されている書き込み回数が最も少ない領域に、書き込み回数が最小の領域が複数あるときは、書き込み回数が最小の領域の中で最も優先順位の高い領域に、画像形成制御CPU26から送信された制御情報およびインクリメントした書き込み回数を上書きする。そして、ステップS8において、画像形成制御CPU26にこの結果を送信し、画像形成制御CPU26は、書き込んだ制御情報を画像形成動作の制御に適用する。
ステップS6において、画像形成制御CPU26から送られた書き込みデータが、寿命時フラグを含む寿命到達時のデータであるとき、ステップS9に進み、メモリ制御CPU28は、書き込み回数が最小で優先順位が最高位の制御情報保存領域32,33,34に最新の制御情報および寿命時フラグを含むデータを書き込んでステップS7に進む。
ステップS4において制御情報保存領域32,33,34のいずれかに寿命時フラグが記録されており、ステップS5において他の制御情報保存領域がすべて異常状態であった場合、ステップS10に進んでデータの書き込みを中止し、ステップS11においてメモリ制御CPU28は、制御情報保存領域32,33,34のいずれかの寿命時フラグの記録されている領域の制御情報を読み出して画像形成制御CPU26に送信する。画像形成制御CPU26はメモリ制御CPU28から受信した制御情報を画像形成動作の制御に適用する。
図6に、この制御による書き込みの例を示す。左端に、新品のカートリッジ2を装着した直後の不揮発性メモリ30の状態を示す。新品時の各制御情報保存領域32,33,34は、当然ながら、すべて、書き込み回数が「0」であり、寿命時フラグは記録されていない。メモリ制御CPU28が画像形成制御CPU26から最初の書き込み要求を受けると、各制御情報保存領域32,33,34の書き込み回数が等しいので、上記優先順位に従い、第1情報保存領域32に制御情報を書き込むと同時に書き込み回数を「1」にインクリメントする。
画像形成制御CPU26から次の書き込み要求があると、メモリ制御CPU28は、書き込み回数が「0」の制御情報保存領域33,34の中で、優先順位の高い第2制御情報保存領域33にデータを記録する。
さらに、第3制御情報保存領域34にデータが記載され、すべての制御情報保存領域32,33,34の書き込み回数が「1」になると、次のデータは、再び第1制御情報保存領域32に記録される。以降、同様に、制御情報保存領域32,33,34に、順番に、制御情報が記録される。
画像形成制御CPU26は、起動時など、必要に応じて、メモリ制御CPU28に制御情報を不揮発性メモリ30から読み出すように要求する。メモリ制御CPU28は、制御情報保存領域32,33,34の中で、書き込み回数が最大で、優先順位の最も低い領域に記録されているデータを読み出すことで、画像形成制御CPU26に最新の制御情報を提供することができる。
図7に、制御情報保存領域32,33,34のいずれかに寿命時フラグを記録したときのデータ書き込みを例示する。左端は、第1制御情報保存領域32および第2制御情報保存領域33の書き込み回数が1000回、第3制御情報保存領域34の書き込み回数が999回、つまり、当該不揮発性メモリ30全体で制御情報を2999回記録した状態を示す。例として、次の3000回目の画像形成動作において、画像形成制御CPU26は、当該カートリッジ2が寿命であると判定した場合、メモリ制御CPU28に対し、不揮発性メモリ30にその時点の画像形成に最適なパラメータである制御情報を書き込むと共に、寿命時フラグを記録するように要求する。メモリ制御CPU28は、この時点で書き込み回数が最小であった第3制御情報保存領域34に、最新の制御情報と寿命時フラグを上書きする。
寿命時フラグが記録された第3制御情報保存領域34には、以後、データの書き込みが禁止される。このため、第3制御情報保存領域34に寿命時フラグを記録した以降は、図示するように、第1制御情報保存領域32および第2制御情報保存領域33に交互に最新の制御情報が書き込まれる。
図8に、制御情報保存領域32,33,34が異常状態になった場合の例を示す。不揮発性メモリ30は、カートリッジ2が寿命になる前に故障することがないように、十分な耐用書き換え回数を有するものが選択される。本実施形態では、不揮発性メモリ30に、3つの制御情報保存領域32,33,34を設定しているので、不揮発性メモリ30の耐用書き換え回数の3倍の制御情報の記録を安全に行うことができる。よって、制御情報保存領域32,33,34のいずれかが異常状態になる前に、いずれかの領域に寿命時フラグが記録されることになる。つまり、図示するような制御情報保存領域32,33,34の異常状態は、ユーザが寿命を超えてカートリッジ2を使い続けた場合にのみ発生する。
図示する例では、左端に、第3制御情報保存領域34に寿命時フラグが記録されており、3204回目の制御情報が記録された不揮発性メモリ30が示されている。次に、第1制御情報保存領域32に3205回目の制御情報を記録した直後に、第1制御情報保存領域32が寿命によって破壊されたことを示している。
第1制御情報保存領域32が異常状態になった後、画像形成制御CPU26から制御情報の読み出し要求を受け、メモリ30から制御情報を読み出す必要が生じた場合、メモリ制御CPU28は、制御情報保存領域32,33,34のうち、異常がなく正常に読み出しが可能な領域で最も書き込み回数が大きい第2制御情報保存領域33に記録されている3204回目に記録した制御情報を読み出して画像形成制御CPU26に送信する。画像形成制御CPU26は、受信した3204回目の制御情報を画像形成動作に適用する。メモリ制御CPU28は、以後の書き込み要求に際して、唯一書き込み可能な制御情報保存領域33に最新のデータを上書きする。
さらに、3207回目の制御情報の記録後に制御情報保存領域33も破壊されたとすると、それ以降、メモリ制御CPU28は、第3制御情報保存領域34に記録された寿命到達時のデータを読み出すので、画像形成制御CPU26は、寿命到達時の制御情報を基に画像形成動作を行う。画像形成制御CPU26は、メモリ制御CPU28に対してさらに書き込み要求を行うが、メモリ制御CPU28は、書き込み可能な制御情報保存領域がないので、制御情報の記録は行われない。
図9に、画像形成装置の電源を入れたときや、開放されているカバーを閉鎖したときの処理を示す。先ず、画像形成制御CPU26は、ステップS21でカートリッジ2のメモリ制御CPU28との通信を開始する。ステップS22でメモリ制御CPU28からの応答がない場合、ステップS23で画像形成装置の表示パネルにカートリッジ2が正しく装着されていない旨の表示をする。ステップS24でユーザがカバーを開放してから再度カバーを閉鎖するのを待ち、ステップS21でカートリッジ2との通信を再度試みる。
画像形成制御CPU26は、ステップS22でメモリ制御CPU28から応答があった場合は、ステップS25でメモリ制御CPU28に対して不揮発性メモリ30から制御情報を読み出すように要求する。ステップS26でメモリ制御CPU28が不揮発性メモリ30から読み出したデータの新旧情報が新品であることを示す値であった場合、画像形成制御CPU26は、ステップS27でカートリッジ2を用いて最適な画像形成を行うためのパラメータの初期設定を行う所定の処理を行う。そして、ステップS28で、メモリ制御CPU28に書き込み要求を出し、メモリ制御CPU28は、不揮発性メモリ30にステップS27で決定したパラメータを含む制御情報を書き込むと同時に、新旧情報を旧品に書き換える。その後、画像形成制御CPU26は、ステップS29でウォームアップ動作を行い、印字準備が完了する。
図10に、画像形成制御CPU26による、不揮発性メモリ30に記録したトナー消費量を用いたカートリッジ2の寿命判定処理を示す。画像形成制御CPU26は、ステップS31で画像出力を行ったなら、ステップS32で画像出力パターンからドットカウンタなどを用いてトナー消費量を推測する。続いて、ステップS33でメモリ制御CPU28にカートリッジ2の不揮発性メモリ30からデータを読み出すように要求する。ステップS34において、ステップS33でメモリ制御CPU28が読み出したトナー消費量の値に、ステップS32で算出したトナー消費量の推測分を加算した値を、不揮発性メモリ30へ書き込むようにメモリ制御CPU28に要求する。
画像形成制御CPU26は、ステップS35において、ステップS34で推定分を加算した最新のトナー消費量が所定の上限値以上である場合はカートリッジ2がトナーエンプティ(寿命)であると判断し、ステップS36で表示パネルにその旨を表示してユーザに警告を発する。そして、ステップS37に進んで全ての印字が終了していなければ、ステップS31に戻って画像出力以降の処理を繰り返す。
図11に、画像形成制御CPU26による、不揮発性メモリ30に記録した印字枚数を用いたカートリッジ2の寿命判定処理を示す。画像形成制御CPU26は、ステップS41で画像出力を行ったなら、ステップS42でメモリ制御CPU28に不揮発性メモリ30からデータを読み出すように要求する。ステップS43において、ステップS42でメモリ制御CPU28読み出したトナー消費量の値に、ステップS41で出力した印字枚数をインクリメントした値を、不揮発性メモリ30へ書き込むようにメモリ制御CPU28に要求する。
画像形成制御CPU26は、ステップS44において、ステップS43でインクリメントした最新の印字枚数が所定の上限値以上である場合はカートリッジ2が寿命であると判断し、ステップS45で表示パネルにその旨を表示してユーザに警告を発する。そして、ステップS46に進んで全ての印字が終了していなければ、ステップS41に戻って画像出力以降の処理を繰り返す。
図12に、画像形成制御CPU26が不揮発性メモリ30から読み出した制御情報に基づいて印字を行う制御の流れを示す。画像形成装置に電源が入れられると、先ず、画像形成制御CPU26は、ステップS51においてメモリ制御CPU28に制御情報の読み出しを要求して、カートリッジ2の不揮発性メモリに記録されている新旧情報が新品を示すものであるかを確認し、カートリッジ2が新品であるときは、ステップS52で画像形成動作のパラメータの初期設定を行う所定の画像安定化処理を行い、ステップS53でメモリ制御CPU28に不揮発性メモリ30へ決定したパラメータを含む制御情報の書き込み要求を出す。ステップS53で書き込みが終了したとき、または、ステップS51でカートリッジ2が新品でないときは、ステップS54で印字指示があるのを待つ。
画像形成制御CPU26は、ステップS54で印字指示を受けると、ステップS55でメモリ制御CPU28に不揮発性メモリ30から制御情報を読み出すように要求し、ステップS56でメモリ制御CPU28が読み出した制御情報のパラメータを適用して画像形成動作を行う。ステップS57において、ステップS54で指示を受けた印字がすべて終了したことが確認できるまで、ステップS56で印字を繰り返す。ステップS57で指示された印字がすべて完了したと確認されたときは、ステップS54に戻って次の印字指示を待つ。
上述の実施形態では、プロセスカートリッジ2に対して本発明を適用した例を説明したが、本発明は、トナーカートリッジ7など、画像形成装置に装着可能な他のカートリッジに適用することも可能である。
本発明の第1実施形態の画像形成装置の構成を示す概略図。 図1の制御装置とメモリ制御基板との構成を示す概略図。 図2の不揮発性メモリの書き換えを示す図。 図2の不揮発性メモリのアドレスマッピングを示す図。 図4の不揮発性メモリへのデータ書き込み処理の流れ図。 図4の不揮発性メモリへのデータ書き込みの初期の手順を例示する図。 図4の不揮発性メモリへのデータ書き込みの寿命到達時の手順を例示する図。 図4の不揮発性メモリへのデータ書き込みの異常状態発生時の手順を例示する図。 図1の画像形成装置の起動時の処理の流れ図。 図4の不揮発性メモリに記録したトナー消費量に基づく寿命判定の流れ図。 図4の不揮発性メモリに記録した印字枚数に基づく寿命判定の流れ図。 図1の画像形成装置における、図4の不揮発性メモリに記録した制御情報を用いた印字の流れ図。
符号の説明
1 本体
2 カートリッジ
26 画像形成CPU(画像形成制御手段)
28 メモリCPU(メモリ制御手段)
30 不揮発性メモリ
31 カートリッジ識別情報保存領域
32 第1制御情報保存領域
33 第2制御情報保存領域
34 第3制御情報保存領域
35 通信プログラム保存領域

Claims (12)

  1. 画像形成動作を制御する画像形成制御手段を備える本体と、前記本体に装着されるカートリッジとを含む画像形成装置であって、
    前記カートリッジは、前記画像形成制御手段が制御に用いる情報を記録でき、それぞれ一括して書き換えられる複数の制御情報領域を有する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリの読み書きを制御するメモリ制御手段とを備え、
    前記本体は、前記制御情報の記録を前記メモリ制御手段に要求する制御情報書き込み要求手段と、前記カートリッジの寿命を判定する判定手段と、前記カートリッジが寿命に達したと判定された場合に、その時点の前記制御情報および当該制御情報が寿命に達したときのものであることを示す寿命時フラグを前記制御情報保存領域に記録するように前記メモリ制御手段に要求する寿命時フラグ書き込み要求手段とを備え、
    前記メモリ制御手段は、前記制御情報書き込み要求手段からの要求に応じて、前記複数の制御情報保存領域に、順番に、前記制御情報を記録するとともに、各前記制御情報保存領域に前記制御情報を記録した回数をそれぞれ記録する制御情報書き込み手段と、最新の制御情報が記録された制御情報保存領域を判別して前記制御情報を読み出し可能な読み出し手段と、前記寿命時フラグ書き込み要求手段の要求に応じて前記制御情報が書き込まれる制御情報保存領域に前記寿命時フラグを書き込む寿命時フラグ書き込み手段と、前記寿命時フラグが記録された制御情報保存領域への以後前記制御情報の記録を禁止する禁止手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記メモリ制御手段は、前記制御情報保存領域が書き換えを正常に行えない異常状態になったときに、前記異常状態になった制御情報保存領域を前記制御情報の読み出しおよび書き込みのいずれにも用いないことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記メモリ制御手段は、前記寿命時フラグが記録された制御情報保存領域を除くすべての前記制御情報保存領域が書き換えを正常に行えない異常状態になったときに、前記画像形成制御手段からの要求に応じて、前記寿命時フラグが記録された制御情報保存領域の制御情報を読み出し、
    前記画像形成制御手段は、前記読み出された制御情報を用いて画像形成動作を制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御情報は、前記カートリッジの消耗度合いを示す消耗パラメータを含み、
    前記画像形成制御手段は、前記消耗パラメータを基に前記カートリッジの寿命を判定することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記消耗パラメータは、トナー消費量を含み、
    前記画像形成制御手段は、前記トナー消費量を基に前記カートリッジの寿命を判定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  6. 前記消耗パラメータは、印字枚数を含み、
    前記画像形成制御手段は、前記印字枚数を基に前記カートリッジの寿命を判定することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御情報は、現像バイアス電圧、露光光量および1次転写電圧の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記制御情報は、前記カートリッジが新品であるか否かを表す新旧情報を含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 前記メモリ制御手段は、各前記制御情報保存領域に前記制御情報を記録した書き込み回数を基に、前記制御情報保存領域のいずれに最新の制御情報を記録するかを決定することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の画像形成装置。
  10. 画像形成装置に装着されるカートリッジであって、
    画像形成動作の制御に用いる制御情報を記録でき、それぞれ一括して書き換えられる複数の制御情報保存領域を有する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリの読み書きを制御するメモリ制御手段とを備え、
    前記メモリ制御手段は、前記複数の制御情報保存領域に、順番に、前記制御情報を記録するとともに、各前記制御情報保存領域に前記制御情報を記録した回数をそれぞれ記録し、最新の制御情報が記録された制御情報保存領域を判別して前記制御情報を読み出すことができ、
    前記カートリッジが寿命に達したときの前記制御情報および当該制御情報が寿命に達したときのものであることを示す寿命時フラグを前記制御情報保存領域に記録し、
    前記寿命時フラグが記録された制御情報保存領域には、以後、前記制御情報の記録を行わないことを特徴とするカートリッジ。
  11. 前記メモリ制御手段は、前記制御情報保存領域が書き換えを正常に行えない異常状態になったときに、前記異常状態になった制御情報保存領域を前記制御情報の読み出しおよび書き込みのいずれにも用いないことを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
  12. 前記メモリ制御手段は、前記寿命時フラグが記録された制御情報保存領域を除くすべての前記制御情報保存領域が書き換えを正常に行えない異常状態になったときに、前記寿命時フラグが記録された制御情報保存領域の制御情報を読み出すことを特徴とする請求項10に記載のカートリッジ。
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