JP4967361B2 - 樹脂基体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
た、樹脂基体およびその製造方法に関する。
解可能な樹脂層表面を加水分解できる。
n=1の構造のものがよい。この結果、シラン化合物RnSiY4−n(nは1〜3の整数 Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)は単分子膜になり、CH3やCF3基が表面に露出し、さらに撥水、撥油、防汚性が高まる。
(2) Si(OC2H5)4
(3) Si(NCO)4
なお、一般式、X3SiO−(SiX2O)m−X(ただし、nは1以上の自然数、m、lは自然数、kは0もしくは1でXはハロゲン基、アルコキシ基、イソシアネート基)に対応する以下の化合物も適用可能である。
(5) SiCl3−O−SiCl2−O−SiCl3
(6) Si(OCH3)3−O−Si(OCH3)3
(7) Si(OC2H5)3−O−Si(OCH3)3
(8) Si(OC2H5)3−O−Si(OC2H5)3
(9) Si(NCO)3−O−Si(NCO)3
撥水、撥油、防汚を付与するシラン化合物RnSiY4−n(nは1〜3の整数 Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)場合は、以下のものが例示できる。
(11) CH3(CH2)u−Si(CH3)2(CH2)v−SiZqCl3−q
(12) CF3COO(CH2)wSiZqCl3−q
ただし、pは1〜3の整数、qは0〜2の整数、rは1〜25の整数、sは0〜12の整数、tは1〜20の整数、uは0〜12の整数、vは1〜20の整数、wは1〜25の整数を示す。また、Yは、水素、アルキル基、アルコキシル基、含フッ素アルキル基または含フッ素アルコキシ基である。
(14) CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15SiCl3
(15) CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9SiCl3
(16) CH3COO(CH2)15SiCl3
(17) CF3(CF2)7−(CH2)2−SiCl3
(18) CF3(CF2)5−(CH2)2−SiCl3
(19) CF3(CF2)7−C6H4−SiCl3
(20) (CF3)2−SiCl2
(21) (CF3)3−SiCl
また、上記クロロシラン系化合物の代わりに、全てのクロロシリル基をイソシアネート基に置き扱えたイソシアネート系化合物、例えば下記に示す(22)−(26)を用いてもよい。
(23) CH3(CH2)sO(CH2)tSiZq(NCO)q−P
(24) CH3(CH2)u−Si(CH3)2(CH2)v−SiZq(NCO)
3−q
(25) CF3COO(CH2)vSiZq(NCO)3−q
但し、p、q、r、s、t、u、v、wおよびXは、前記と同様である。
(27) CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(NCO)3
(28) CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(NCO)3
(29) CH3COO(CH2)15Si(NCO)3
(30) CF3(CF2)7−(CH2)2−Si(NCO)3
(31) CF3(CF2)5−(CH2)2−Si(NCO)3
(32) CF3(CF2)7−C6H4−Si(NCO)3
(33) (CF3)2−Si(NCO)2
(34) (CF3)3−SiNCO
また、シラン系化合物として、一般に、SiZk(OA)4−k(Zは、前記と同様、Aはアルキル基、kは0、1、2または3)で表される物質を用いることが可能である。中でも、CF3−(CF2)n−(R)l−SiYq(OA)3−q(nは1以上の整数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、ビニル基、エチニル基、アリール基、シリコンもしくは酸素原子を含む置換基、lは0または1、Z、Aおよびqは前記と同様)で表される物質を用いると、よりすぐれた防汚性の被膜を形成できるが、これに限定されるものではなく、これ以外にも、 CH3−(CH2)r−SiZq(OA)3−qおよびCH3−(CH2)s−0−(CH2)t−SiZq(OA)3−q、CH3−(CH2)u−Si(CH3)2−(CH2)v−SiZq(OA)3−q、CF3COO−(CH2)v−SiZq(OA)3−q(但し、q、r、s、t、u、v、w、YおよびAは、前記と同様)などが使用可能である。
(36) CF3CH2O(CH2)15Si(OCH3)3
(37) CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(OCH3)3
(38) CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OCH3)3
(39) CH3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(40) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(41) CF3(CF2)7−C6H4−Si(OCH3)3
(42) CH3CH2O(CH2)15Si(OC2H5)3
(43) CH3(CH2)2Si(CH3)2(CH2)15Si(OC2H5)3
(44) CH3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(45) CF3(CH2)6Si(CH3)2(CH2)9Si(OC2H5)3
(46) CH3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(47) CF3COO(CH2)15Si(OC2H5)3
(48) CF3COO(CH2)15Si(OCH3)3
(49) CF3(CF2)9(CH2)2Si(OC2H5)3
(50) CF3(CF2)7(CH2)2Si(OC2H5)3
(51) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OC2H5)3
(52) CF3(CF2)7C6H4Si(OC2H5)3
(53) CF3(CF2)9(CH2)2Si(OCH3)3
(54) CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(55) CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OC2H5)2
(56) CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OCH3)2
(57) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2OC2H5
(58) CF3(CF2)7(CH2)2Si(CH3)2OCH3
なお、(2)−(3)、(6)−(9)、(22)−(58)の化合物を用いた場合には、塩酸が発生しないため、装置保全および作業上のメリットもある。
なお、図1のシラン化合物を浸漬する工程に示す最初の反応ステップ(脱塩化水素反応)は、一般に化学吸着反応と呼ばれている。
金型面にアクリル樹脂溶液を塗布、乾燥してアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル)を50μmを形成したのち、ポリプロピレン樹脂を供給し、モールド成型を行い、表面にアクリル樹脂層を有するポリプロピレン樹脂基板が製造される。
実施例1のアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル)を50μm形成しなかったことを除いて、実施例1と同様に樹脂基体R1を作製した。
実施例1のポリプロピレン樹脂に代わり、ポリエチレンテレフタレート樹脂を使用し、アクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル)を50μm形成しなかったことを除いて、実施例1と同様に樹脂基体R2を作製した。
樹脂基体A、R1、R2の接触角はそれぞれ、108°、93°、104°であり、また、油性マジックで文字を書き、ワイパーでこすったところ、Aは消え、R1はまったく消えず、R2はやや消えたことより、程度には差があるもののAおよびR2にはへプタデカフルオロデシル基を含むシロキサン結合を有する膜が形成されたのに対し、R1は樹脂表面に水酸基が形成されなかったことによってこの膜が形成されなかったことがわかる。したがって本発明の効果が実証され、特にポリプロピレンをはじめとするポリオレフフィン系樹脂には絶大な効果があることがわかる。
実施例1の172nmの波長を有するエキシマUV光を照射しなかったことを除いて、
実施例1と同様に樹脂基板R3を作製した。
樹脂基体A、R3の接触角はそれぞれ、108°、64°であり、また、油性マジックで文字を書き、ワイパーでこすったところ、Aは消え、Bはまったく消えず、Aはヘプタデカフルオロデシル基を含むシロキサン結合を有する膜が形成されたのに対し、R3はこの膜が形成されなかったことがわかる。これは、R3樹脂表面に水酸基が形成されなかったことに起因するヘプタデカフルオロデシル基を含むシロキサン結合を有する膜が形成されなかったためである。
実施例1の、テトラクロロシランを含むフロリナート(3M社製)溶液の代わりに、市販のシリカゾル溶液を用い、実施例1と同様に樹脂基体R4を作製した。
実施例1の、テトラクロロシランを含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬しないこと以外は、実施例1と同様に樹脂基体R5を作製した。
樹脂基体A、R4、R5の水の接触角はそれぞれ、108°、103°、92°であった。R5の水の接触角が低いのは、樹脂表面の少ない水酸基にへプタデカフルオロデシルトリクロロシランが固定化されているためである。
実施例1のへプタデカフルオロデシルトリクロロシランに代わり、デシルトリクロロシランを用いたことを除いて、実施例1と同様に樹脂基体Bを作製した。
樹脂基体A,Bの接触角は108°107°でほとんど変わらないにもかかわらず、油性マジックで文字を書き、ワイパーでこすったところ、Aは消え、Bはまったく消えなかった。これはA表面は撥水撥油性が付与されたのに対し、Bは、撥水親油性が付与されたためである。
実施例1のへプタデカフルオロデシルトリクロロシランに代わり、(へプタデカフルオロデシル)ジクロロシランを用いたことを除いて、実施例1と同様に樹脂基体Cを作製した。
樹脂基体A,Cの接触角は108°92°であった。油性マジックで文字を書いたところ、Aははじいて書けないのに対し、Cははじかず書けた。一方ワイパーでこすったところ、Aは消えやすいのに対し、Cは消えにくかった。これはジ(へプタデカフルオロデシル)ジクロロシランが、かさ高な分子のため表面を被覆しないためと考えられ、実施例3の手段により撥水撥油性をコントロールできるとともに、より撥水撥油性を付与したい場合は、本発明の実施例1の手段が優れることがわかる。
実施例1のへプタデカフルオロデシルトリクロロシランを含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬後に、基板をフロリナートで洗浄し、過剰なへプタデカフルオロデシルトリクロロシランを取り除いたこと以外は、実施例1と同様に樹脂基体Dを作製した。
樹脂基体A,Dの接触角は108°112°であった。油性マジックで文字を書いたところ、Aははじいて書けないのに対し、Dはまったくかけなかった。これはDのへプタデカフルオロデシルトリクロロシランが単分子膜になっており、表面にCF3基が露出しているためと考えられる。
実施例1の表面鉛筆硬度3Hアクリル樹脂に代わり、表面鉛筆硬度Hのアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様に樹脂基体Eを作製した。
実施例1の表面鉛筆硬度3Hアクリル樹脂に代わり、表面鉛筆硬度Bのアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様に樹脂基体R6を作製した。
樹脂基体A、E、R6の水の接触角は108°、105°、105°であった。この後、10g/cm2の荷重をかけ、水をしみこませたふきんで1000往復こすると、樹脂基体A,E、R6の水の接触角は105°103°、52°であった。表面を観察したところ、R6には表面に削り傷がみられた。このことより、樹脂表面の硬度が硬いほど、表面が削られにくいので、その上の膜の耐久性が優れることがわかり、鉛筆硬度でH以上では実用的であるといえる。
実施例1のアクリル樹脂に変わりPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様に樹脂基体Fを作製した。
実施例1のアクリル樹脂に変わりポリプロピレン樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様に樹脂基体R7を作製した。
樹脂基体A、F、R7の水の接触角は108°、111°、90°であった。この状態で油性マジックを用いて文字を書き、ワイパーでこすったところ、A、Fは消えたものの
、R7は消えなかった。また、樹脂基体を50℃雰囲気下で100時間放置後、A、F,RDの水の接触角を測定したところ、102°、111°、75°であった。これはアクリル、PET樹脂に比べ、ポリプロピレン樹脂は、加水分解しないために水酸基の生成がほとんどなく、そのためテトラクロロシランによる架橋(化学結合)せず、表面安定化しない。また、へプタデカフルオロデシルトリクロロシランも化学結合しないためと考えられる。また、AがFに比べて耐熱性が優れるのは、Fが熱硬化性樹脂であるためと考えら得る。
実施例1のテトラクロロシランに代わり、テトラエトキシシランを用いたことをのぞいて、実施例1と同様に樹脂基板Gを作製した。
実施例1のへプタデカフルオロデシルトリクロロシランに代わり、へプタデカフルオロデシルトリエトキシシランを用いたことを除いて、実施例1と同様に樹脂基板Hを作製した。
樹脂基体A、G、Hの水の接触角は108°、101°、94°であった。この後、10g/cm2の荷重をかけ、水をしみこませたふきんで1000往復こすると、樹脂基体A,G、Hの水の接触角は105°97°、79°であった。このことより、クロロシランのほうが、アルコキシシランよりも強固に表面に化学結合を形成し、本発明の樹脂基板の耐久性を向上させえることがわかる。
実施例1の樹脂基板を窒素雰囲気(無水)下でヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランを含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬するかわりに、湿度20、35、40%で行い、実施例1と同様に樹脂基板R8(20)、R8(35)、R8(40)を作製した。
樹脂基体A、R8(20)、R8(35)、R8(40)の接触角は108°、106°104°、82°であった。また、A、R8(20)、R8(35)は消え、R8(40)はまったく消えなかったことから、A、R8(20)、R8(35)はヘプタデカフルオロデシル基を含むシロキサン結合を有する膜が形成されたのに対し、R8(40)はこの膜が形成されなかったことがわかる。これは、R8(40)は雰囲気の水蒸気とへプタデカフルオロデシルトリクロロシランが反応し、ヘプタデカフルオロデシル基を含むシロキサン結合を有する膜が形成されなかったためである。
図2に示すように金型面11にアクリル樹脂シート(100μm)12をセットし、これを金型面11上でシートに成型される金型13でプレス成型する。この後、金型を13から14にかえ、ポリプロピレン樹脂15を供給して、フィルムインモールド成型を行い、表面にアクリル樹脂層を有するポリプロピレン樹脂基板16とした後、この樹脂基板16表面に、172nmの波長を有するエキシマUV光17を照射し、表面水酸基が形成された樹脂基板18が製造される。さらに、この樹脂基板18を窒素雰囲気(無水)下でテトラクロロシラン19を含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明の親水樹脂基板20が作製される。さらにこの樹脂基板20を窒素雰囲気(無水)下でヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン21を含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明の樹脂基体Iが作製される。
実施例1の、172nmの波長を有するエキシマUV光を照射することに代わり、酸素プラズマ処理を行い、同様な本発明の樹脂基体Jを作製した。
樹脂基体A,I、Jの接触角は108°109°107°でほとんど変わらないにもかかわらず、この方法により本発明の樹脂基体Aよりも、簡便な方法で同様な性能をもつ樹脂基体IおよびJが作製される。
図3に示すように金型面31にアクリル樹脂シート(100μm)32をセットし、これを金型面31上でシートに成型される金型33でプレス成型する。この後、金型を33から34にかえ、ポリプロピレン樹脂35を供給して、フィルムインモールド成型を行い、表面にアクリル樹脂層を有するポリプロピレン樹脂基板36とした後、さらに金型面31の導入孔37よりオゾンと水蒸気38を導入し、この樹脂基板表面に接触させ、表面水酸基が形成された樹脂基板39が製造される。さらに、この樹脂基板39を窒素雰囲気(無水)下でテトラクロロシラン40を含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明の樹脂親水性基体41が作製される。さらに、この樹脂基板41を窒素雰囲気(無水)下でヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン42を含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、本発明の樹脂親水性基体Kが作製される。
樹脂基体I、Kの接触角は109゜、105°でほとんど変わらないにもかかわらず、この方法により本発明の樹脂基体Iよりも、さらに簡便な方法で同様な性能をもつ樹脂基体Eが作製される。
図4に示すように金型面51にアクリル樹脂シート(100μm)52をセットし、これを金型面51上でシートに成型される金型53でプレス成型する。この後、金型を53から54にかえ、ポリプロピレン樹脂55を供給して、フィルムインモールド成型を行い、表面にアクリル樹脂層を有するポリプロピレン樹脂基板56とした後、さらに金型面51の導入孔57よりオゾンと水蒸気58を導入し、この樹脂基板56表面に接触させ、表面水酸基が形成された樹脂基板59が製造される。さらに、導入孔57よりテトラクロロシラン蒸気60を導入し、本発明の親水性樹脂基体61が作製される。さらに、いったん通常雰囲気で乾燥した後、導入孔57よりヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン蒸気62を導入し、本発明の樹脂基体Lが作製される。
樹脂基体K、Lの接触角は105°、100゜でほとんど変わらないにもかかわらず、この方法により本発明の樹脂基体Eよりも、さらに簡便な方法で同様な性能をもつ樹脂基体Fが作製される。
図5に示すようにアクリル樹脂シート(100μm)71に172nmの波長を有するエキシマUV光72を照射し、表面水酸基が形成したアクリル樹脂シート73を製造する。このアクリル樹脂シート73を窒素雰囲気(無水)下でテトラクロロシラン74を含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、親水性アクリル樹脂シート75が形成される。このアクリル樹脂シート75を窒素雰囲気(無水)下でヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン76を含むフロリナート(3M社製)溶液に浸漬し、通常雰囲気で乾燥することで、撥水性のシロキサン結合を有する膜を有するアクリル樹脂シート77が形成される。さらに金型面78にこのアクリル樹脂シート77をセットし、これを金型79でプレス成型する。この後、金型を79から80にかえ、ポリプロピレン樹脂81を供給して、フィルムインモールド成型を行い、本発明の樹脂基体Mが作製される。
樹脂基体のI、Mの接触角は109°、106°でほとんど変わらないのにもかかわらず、Mはアクリル樹脂をシート状でシロキサン結合を有する膜を形成できるので、本発明の樹脂基体Iよりも、さらに簡便な方法で同様な性能をもつ樹脂基体Mが作製される。
12,32,52,71 アクリル樹脂シート
3,15,35,55,81 ポリプロピレン樹脂
7,19,40,66,74 テトラクロロシラン
9,21,42,62,76 ヘプタデカフロオロデシルトリクロロシラン
8,20,41 親水樹脂基体
10,I,K,L,M 撥水、撥油樹脂基体
Claims (12)
- 金型面に加水分解可能な樹脂層を形成する工程と、樹脂を供給してモールド成型を行う工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、成型した樹脂の加水分解可能な樹脂層表面を加水分解する工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、少なくともシラン化合物SiX4(Xは加水分解可能な官能基)を接触させる工程と、形成されたシラン化合物SiX4層を加水分解する工程とを有する樹脂基体の製造方法。
- 金型面に加水分解可能な樹脂層を形成する工程と、樹脂を供給してモールド成型を行う工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、成型した樹脂の加水分解可能な樹脂層表面を加水分解する工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、少なくともシラン化合物SiX4(Xは加水分解可能な官能基)を接触させる工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、形成されたシラン化合物SiX4層を加水分解する工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、加水分解したシラン化合物SiX4層に少なくともシラン化合物RnSiY4−n(nは1〜3の整数、Rはアルキル基もしくはフルオロアルキル基、Yは加水分解可能な官能基)を接触する工程と、形成されたシラン化合物RnSiY4−n層を加水分解する工程を有する樹脂基体の製造方法。
- 金型面に加水分解可能な樹脂フィルムを装着する工程と、樹脂を供給してフィルムインモールド成型を行う工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、成型した樹脂の加水分解可能な樹脂層表面の加水分解を行う工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、少なくともシラン化合物SiX4(Xは加水分解可能な官能基)を接触させる工程と、形成されたシラン化合物SiX4層を加水分解する工程とを有する樹脂基体の製造方法。
- 金型面に加水分解可能な樹脂フィルムを装着する工程と、樹脂を供給してフィルムインモールド成型を行う工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、成型した樹脂の加水分解可能な樹脂層表面の加水分解を行う工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、少なくともシラン化合物SiX4(Xは加水分解可能な官能基)を接触させる工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、形成されたシラン化合物SiX4層を加水分解する工程と、金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、加水分解したシラン化合物SiX4層に少なくともシラン化合物RnSiY4−n(nは1〜3の整数 Rはアルキル基、
もしくはフルオロアルキル基 Yは加水分解可能な官能基)を接触する工程と、形成されたシラン化合物RnSiY4−n層を加水分解する工程とを有する樹脂基体の製造方法。 - 金型面と加水分解可能な樹脂層の隙間で、成型した樹脂の加水分解可能な樹脂層表面の加水分解を行う工程がオゾンもしくは酸素プラズマの接触であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂基体の製造方法。
- 加水分解可能な樹脂フィルム片側表面を加水分解する工程と、加水分解した樹脂フィルム片側表面に、少なくともシラン化合物SiX4(Xは加水分解可能な官能基)を接触させる工程と、形成されたシラン化合物SiX4層を加水分解する工程と、金型面に加水分解されたシラン化合物SiX4層が表面になるよう樹脂フィルムを装着する工程と、シラン化合物SiX 4 層が形成された樹脂フィルムの裏面に樹脂を供給してフィルムインモールド成型を行う工程とを有する樹脂基体の製造方法。
- 加水分解可能な樹脂フィルム片側表面を加水分解する工程と、加水分解した樹脂フィルム片側表面に、少なくともシラン化合物SiX4(Xは加水分解可能な官能基)を接触させる工程と、形成されたシラン化合物SiX4層を加水分解する工程と、加水分解したシラン化合物SiX4層に少なくともシラン化合物RnSiY4−n(nは1〜3の整数 Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基 Yは加水分解可能な官能基)を接触する工程と、形成されたシラン化合物RnSiY4−n層を加水分解する工程と、金型面に加水分解されたシラン化合物RnSiY4−n(nは1〜3の整数 Rはアルキル基、もしくはフルオロアルキル基 Yは加水分解可能な官能基)が表面になるよう樹脂フィルムを装着する工程と、シラン化合物SiX 4 およびR n SiY 4−n 層が形成された樹脂フィルムの裏面に樹脂を供給してフィルムインモールド成型を行う工程とを有する樹脂基体の製造方法。
- 加水分解可能な樹脂層の表面の加水分解を行う雰囲気が湿度10%以上であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂基体の製造方法。
- シラン化合物がハロゲン化シラン、アルコキシシラン、イソシアネートシランであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂基体の製造方法。
- ハロゲン化シラン化合物がクロロシランであることを特徴とする請求項9に記載の樹脂基体の製造方法。
- シラン化合物を接触させる工程が湿度35%以下の無水雰囲気であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂基体の製造方法。
- シラン化合物を接触させる工程がシラン化合物の溶液の接触であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂基体の製造方法。
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