JP2500816B2 - 化学吸着膜の製造方法 - Google Patents

化学吸着膜の製造方法

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JP2500816B2 JP3098902A JP9890291A JP2500816B2 JP 2500816 B2 JP2500816 B2 JP 2500816B2 JP 3098902 A JP3098902 A JP 3098902A JP 9890291 A JP9890291 A JP 9890291A JP 2500816 B2 JP2500816 B2 JP 2500816B2
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    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y30/00Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基材の表面にシロキサ
ン結合を介して化学吸着膜を形成する製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】プラスチック、金属、セラミックス、繊
維、木材、コンクリート、塗装面などの基材の表面を目
的に応じて改質することは、様々な分野で要請されてい
る。一例として高分子をあげると、高分子の表面を改質
する方法としては、例えば撥水性・撥油性を付与するた
めに例えば含フッ素シランカップリング剤等をコーティ
ングする方法、潤滑性を付与するためにはワックスをコ
ーティングする方法、親水性を付与するためにはポリビ
ニルアルコールをコーティングする方法、防汚性を付与
するためにフロロカーボン系ポリマーの懸濁液をコーテ
ィングする方法などのコーティング方法が一般によく知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法で得られるコーティング膜は、高分子を含む基体との
結合力が弱く、布で表面を拭いたり水での洗浄を繰り返
すと、コーティング膜が基体から剥離して表面処理効果
がなくなってしまうという課題があった。また、従来の
コーティング膜は分子がランダムな方向を向いているた
め、コーティング膜にピンホールが多く、十分な特性が
発揮されないという課題があった。さらに例えば透明性
が強く要求される透明プラスチック光学材料等には、フ
ロロカーボン系ポリマーのコーティング膜では透明性に
欠如するため使用できないという課題もあった。また従
来技術としてハロゲン化炭化水素類を溶媒に用いること
が提案されているが(特開平2−248480号公
報)、溶媒が基材を溶解、または膨潤したり、傷めた
り、または単分子膜をきれいに作ることができないとい
う問題があった。
【0004】本発明は、従来従来技術の課題を解決する
ため、基材を傷めずにかつ耐久性に優れた高機能性化学
吸着膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の化学吸着膜の製造方法は、基材の表面に化
学吸着膜を製造する方法において、前記基材表面を酸化
処理する工程と、クロロシラン系界面活性剤と、前記ク
ロロシラン系界面活性剤と反応する活性水素を持たない
フルオロアルキル基を含む三級アミンおよび環状エーテ
ルから選ばれる少なくとも一つである溶媒とを含む混合
溶液を、前記基材表面に接触させ、前記基材表面にシロ
キサン結合を有する化学吸着膜を形成する工程からなる
ことを特徴とする。
【0006】また前記構成においては、化学吸着膜を形
成する反応工程前に、基材表面をあらかじめジクロロシ
ラン、トリクロロシラン、またはテトラクロロシランで
処理することが好ましい。
【0007】さらに前記構成においては、基材表面が高
分子材料からなることが好ましい。また前記構成におい
ては、クロロシラン系界面活性剤がフッ化アルキル基を
含む分子であることが好ましい。
【0008】
【作用】前記本発明方法の構成によれば、基材表面を酸
化処理した後、前記基材の表面にシロキサン結合を介し
て化学吸着膜を設けるので、従来のものに比べて基材を
傷めず、かつ耐久性に優れた高機能性化学吸着膜を製造
することができる。また、クロロシラン系界面活性剤と
反応する活性水素を持たない含フッ素系非水溶液を溶媒
として用いるので、ピンホールのない高密度な単分子膜
を製造することができる。また、含フッ素系非水溶液が
三級アミンもしくは環状エーテルの少なくとも一つを含
有するので、基材が高分子、樹脂、塗膜などであっても
基材を溶解することなく前記の高機能性化学吸着膜を製
造することができる。
【0009】また、化学吸着膜を形成する反応工程前に
基材表面をあらかじめジクロロシラン、トリクロロシラ
ン、またはテトラクロロシランで処理するという本発明
方法の好ましい構成によれば、基材の表面に高密度にシ
ラノール結合を付与できる。
【0010】さらに、基材表面が高分子材料からなると
いう本発明方法の好ましい構成によれば、従来法では比
較的困難であった高分子材料の表面にも好適に本発明方
法の高機能性化学吸着膜を形成することが可能になっ
た。また前記において、クロロシラン系界面活性剤がフ
ッ化アルキル基を含む分子であるという好ましい例によ
れば、基材の表面に撥水・撥油性、防汚性もしくは滑性
を付与することができる。
【0011】
【実施例】以下本発明方法を実施例によりさらに具体的
に説明する。なお本発明方法はプラスチック、金属、セ
ラミックス、繊維、木材、コンクリート、塗装面などの
基材など、多くの基材に適用することができるが、以下
においては、基材として高分子材料を例にとって説明す
る。高分子組成物の一実施例は図1に示すように、高分
子を含む基体1の表面にシロキサン結合2を介して、化
学吸着膜3を形成したものである。
【0012】本発明に使用できる基体の高分子材料とし
ては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、
ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂,アクリルブタジ
エンスチレン共重合体(ABS)樹脂、アセタール樹
脂、メチルペンテン樹脂等の熱可塑性樹脂、例えばエポ
キシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、
アルキド樹脂、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル硬化
樹脂、エボナイト等の熱硬化性樹脂、もしくは例えばブ
タジエンースチレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、
クロロプレンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の
ゴムが挙げられ、一般の汎用プラスティック材料の何れ
でもよい。また、上記のような高分子材料に例えば二酸
化珪素、炭酸カルシウム、酸化チタン等の所謂充填剤が
混入されていてもよく、フタル酸ジブチル等の所謂可塑
剤が混入されていてもよく、さらに染料又は顔料で染着
していてもよく、高分子材料を含有する基体に適用され
る。
【0013】本発明の方法で高分子組成物に撥水・撥油
性、防汚性もしくは滑性を付与する場合には、化学吸着
膜を構成する材料としてはフッ化アルキル基を有するク
ロロシラン系界面活性剤が用いられる。また、本発明の
高分子組成物に超親水性を付与する場合には、末端ビニ
ル基を持つアルキル基を有するクロロシラン系界面活性
剤を用い化学吸着膜形成後、例えば酸素雰囲気中で例え
ば電子線、X線、γ線、紫外線等の放射線照射により末
端を水酸基に変えるか、あるいはテトラクロロシランを
用い化学吸着膜を形成した後、水と反応させクロロシリ
ル結合をシラノール結合に変える。
【0014】フッ化アルキル基を有するクロロシラン系
界面活性剤としては、例えばCF3(CF2 7 (CF
2 2 SiCl3 ,CF3 CH2 O(CH2 15SiC
3,CF3 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 )
15SiCl3 ,F(CF2 )4 (CH2 2 Si(CH
3 2 (CH2 9 SiCl3 ,F(CF2 8 (CH
2 2 Si(CH3 2 (CH2 9 SiCl3 ,CF
3 COO(CH2 15SiCl3 ,CF3 (CF2 5
(CH2 2 SiCl3 などのようなトリクロロシラン
系界面活性剤をはじめ、例えばCF3 (CF2 7 (C
2 2 SiCln (CH3 3-n ,CF3 (CF2
7 (CH2 2 SiCln (C2 5 3-n ,CF3
2 (CH2 15SiCln (CH3 3-n ,CF3
CH 2 (CH2 15SiCln (C2 5 3-n ,C
3 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 15SiC
n (CH3 3-n ,F(CF2 4 (CH2 2 Si
(CH3 2 (CH2 9 SiCln (C
2 5 3-n ,F(CF2 8 (CH22 Si(CH
3 2 (CH2 9 SiCln (CH3 3-n ,CF3
COO(CH2 15SiCln (CH3 3-n ,CF3
(CF2 5 (CH2 2 SiCln (CH3
3-n (但し式中のnは何れも1又は2)等のような低級
アルキル基置換のモノクロロシラン系あるいはジクロロ
シラン系界面活性剤が挙げられる。これらの中でも特に
トリクロロシラン系界面活性剤の親水性基と結合したク
ロロシリル結合以外のクロロシリル結合が、隣合うクロ
ロシラン基とシロキサン結合で分子間結合を形成するた
め、より強固な化学吸着膜となり好ましい。また、CF
3 (CF2 n CH2 CH2 SiCl3 (但し式中のn
は整数であり、3〜25程度が最も扱いやすい)が、溶
剤溶解性、化学吸着性と撥水・防汚性等の機能性との釣
合が取れているため好ましい。さらにまた、フッ化アル
キル鎖部分にエチレン基やアセチレン基を組み込んでお
けば、化学吸着膜形成後5メガラド程度の電子線照射で
架橋できるのでさらに化学吸着膜自体の硬度を向上させ
ることも可能である。
【0015】アルキル基を有するクロロシラン系界面活
性剤としては、例えば、CH3 (CH2 18SiC
3 ,CH3 (CH2 15SiCl3 ,CH3 (C
2 10SiCl3 ,CH3 (CH2 25SiCl3
のようなトリクロルシラン系界面活性剤をはじめ、例え
ば,CH3 (CH2 18SiCln (CH3 3-n ,C
3 (CH2 18SiCln (C2 5 3-n ,CH3
(CH2 15SiCln (CH3 3-n ,CH3 (CH
2 10SiCln (CH3 3-n ,CH3 (CH2 25
SiCln (C2 5 3-n 等のような低級アルキル基
置換のモノクロルシラン系あるいはジクロルシラン系界
面活性剤が挙げられる。この中でもCH3 (CH2 n
SiCl3 (但し式中のnは整数であり、3〜25程度
が最も扱いやすい)が、溶剤溶解性の点で好ましい。ま
た、例えばCH2 =CH(CH2 n SiCl3 (但し
式中のnは整数であり、3〜25程度が最も扱いやす
い)等のように、クロロシラン系界面活性剤のアルキル
基の末端にビニル基を有していてもよい。このような炭
化水素基を含むクロロシラン系界面活性剤は、前述した
ように例えば酸素雰囲気中で例えば電子線、X線、γ
線、紫外線等の放射線照射により末端を水酸基に変える
ことができ、高分子組成物を親水性化することができ
る。本発明に供されるクロロシラン系界面活性剤は、上
述に例示したように直鎖状だけではなく、フッ化アルキ
ル基又は炭化水素基が分岐した形状でも、又は末端の珪
素にフッ化アルキル基もしくは炭化水素基が置換した形
状(すなわちR、R1、R2 、R3 をフッ化アルキル基
又は炭化水素基として一般式R2 SiCl2 、R3 Si
Cl、R1 2 SiCl2 もしくはR1 2 3 SiC
l等)であってもよいが、吸着密度を高めるためには一
般には直鎖状が好ましい。さらに、例えば、SiC
4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、Cl−(SiC
2 O)n −SiCl3 (但し式中nは自然数)、Si
Clm (CH3 4-m 、SiClm (C2 5
4-m (但し式中mは1〜3の整数)、HSiCl k (C
3 3-k 、HSiCl k (C2 5 3-k (但し式中
は1又は2)等のようなクロロシリル結合を複数個含
む物質を化学吸着させた後水と反応すると、表面のクロ
ロシリル結合が親水性のシラノール結合に変わり、高分
子組成物が親水性となる。なお、このクロロシリル基を
複数個含む物質の中でも、テトラクロロシラン(SiC
4 )は反応性が高く分子量も小さいためより高密度に
シラノール結合を付与できるため好ましい。このように
して親水性化すると、高分子を含む基体の酸化処理より
も親水性をより高くすることができる。このように超親
水性にした高分子組成物はそのままだけでも使用できる
が、この上に例えばフッ化アルキル基を含むクロロシラ
ン系界面活性剤を化学吸着でき、このようにして得た化
学吸着膜はより高密度化されるため、溌水・溌油性及び
防汚性等の機能がより高められる。
【0016】本発明の高分子組成物の製造方法は、高分
子を含む基体表面を酸化処理して親水性にする工程と、
酸化処理した表面を含フッ素系非水溶液に浸漬して、こ
の表面にクロロシラン系界面活性剤を化学吸着させ、シ
ロキサン結合を有する化学吸着膜を形成する工程を含
む。高分子を含む基体を酸化処理する方法としては、例
えば酸素プラズマ処理、コロナ処理、もしくは濃硫酸と
重クロム酸カリウムの混合溶液に浸漬する方法(クロム
混酸液処理)等通常の手法が適用される。
【0017】本発明の高分子組成物の製造方法に用いる
溶媒は、化学吸着膜を形成する基体に含まれる高分子を
溶解せず、かつクロロシラン系界面活性剤と反応する活
性水素を持たない溶液であればよい。その例としてフル
オロアルキル基を有する三級アミンあるいはフルオロア
ルキル基を有する環状エーテルが好ましい。三級アミン
の例としてはN(Cn 2n+13 (n=2〜10、フル
オロアルキル基は直鎖状でも、分枝状でもよい)、環状
エーテルの例としては下記(化1)の構造を有するもの
があげられる。
【0018】
【化1】
【0019】また、本発明の高分子組成物表面に形成さ
れる化学吸着膜は、単分子化学吸着膜一層だけでも充分
に機能が発揮される。単分子化学吸着膜を一層だけ形成
するには、クロロシラン系界面活性剤又はクロロシリル
基を複数個含む物質を化学吸着した後、水分に接触させ
ないで非水系の溶剤で洗浄するだけでよく、特別な工程
を必要としない。また、化学吸着膜は単分子膜が累積し
ていても良いことは勿論である。このように、化学吸着
膜が単分子膜を形成すると、付与された機能性を示す基
が配向し、密度も向上するためより高機能を発揮でき
る。
【0020】次に具体的実施例を用いて本発明を説明す
る。 実施例1 高分子を含む基体として縦横各5cmで厚み0.3cmのポ
リカーボネート基板を用い、UVドライ・ストリッパー
(UV−1、サムコインターナショナル製)中で酸素流
量1リットル/minの条件で酸素プラズマ処理を10
分間施して表面を酸化処理した後、フッ化アルキル基を
含むクロロシラン系界面活性剤としてヘプタデカフルオ
ロデシルトリクロロシランを用い、濃度10 -2 mol /リ
ットルのトリ(n−ノナフルオロブチル)アミン溶液に
窒素雰囲気下室温で60分間浸漬し、引き続いて未反応
のヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランをトリ
(n−ノナフルオロブチル)アミン溶液で洗浄して、し
かる後純水で洗浄し、フッ化アルキル基を含むシロキサ
ン結合を介した化学吸着単分子膜をポリカーボネート基
板表面に形成した。
【0021】実施例2 実施例1のポリカーボネート基板をアクリル樹脂基板に
変えて、実施例1と同様に実験をした。 実施例3 実施例1のポリカーボネート基板をポリプロピレン基板
に変えて、実施例1と同様の実験をした。
【0022】実施例4 実施例1のポリカーボネート基板をABS樹脂基板に変
えて、実施例1と同様の実験をした。 実施例5 実施例1のポリカーボネート基板をPET基板をに変え
て、実施例1と同様の実験をした。
【0023】実施例6 実施例1のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンをト
リ(ノナフルオロイソブチル)アミンに変えて、実施例
1と同様の実験をした。 実施例7 実施例2のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンをト
リ(ノナフルオロイソブチル)アミンに変えて、実施例
1と同様の実験をした。
【0024】実施例8 実施例3のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンをト
リ(ノナフルオロイソブチル)アミンに変えて、実施例
1と同様の実験をした。 実施例9 実施例4のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンをト
リ(ノナフルオロイソブチル)アミンに変えて、実施例
1と同様の実験をした。
【0025】実施例10 実施例5のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンをト
リ(ノナフルオロイソブチル)アミンに変えて、実施例
1と同様の実験をした。 実施例11 実施例1のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンを2
−(n−ノナフルオロブチル)パーフルオロフランに変
えて、実施例1と同様の実験をした。
【0026】実施例12 実施例2のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンを2
−(n−ノナフルオロブチル)パーフルオロフランに変
えて、実施例1と同様の実験をした。 実施例13 実施例3のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンを2
−(n−ノナフルオロブチル)パーフルオロフランに変
えて、実施例1と同様の実験をした。
【0027】実施例14 実施例4のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンを2
−(n−ノナフルオロブチル)パーフルオロフランに変
えて、実施例1と同様の実験をした。 実施例15 実施例5のトリ(n−ノナフルオロブチル)アミンを2
−(n−ノナフルオロブチル)パーフルオロフランに変
えて、実施例1と同様の実験をした。
【0028】実施例16 実施例1のポリカーボネート基板をブタジエン−スチレ
ンゴム基板に変えて、実施例1と同様に実験をした。 実施例17 実施例1のポリカーボネート基板をブチルゴム基板に変
えて、実施例1と同様に実験をした。
【0029】実施例18 実施例1のポリカーボネート基板をニトリルゴム基板に
変えて、実施例1と同様に実験をした。 実施例19 実施例1において、酸化処理する方法を10wt%の重
クロム酸カリを含有する濃硫酸に5分浸漬する方法に変
えて、実施例1と同様に実験をした。
【0030】比較例1 ポリカーボネート基板の表面にシランカップリング剤
(ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン)の2
wt%メタノール溶液をスピンコートした後、120℃
で1時間乾燥した。 比較例2 実施例1のポリカーボネート基板を酸化処理せずに、ヘ
プタデカフルオロデシルトリクロロシランの化学吸着単
分子膜を形成した。
【0031】比較例3 実施例1のポリカーボネート基板の表面にポリテトラフ
ルオロエチレンの懸濁液をスプレーコートし、120℃
で1時間加熱乾燥した。実施例1〜19および比較例1
〜2の試料の超純水および油(日清サラダ油)に対する
接触角を調べた。接触角の測定は化学吸着膜あるいはコ
ーティング膜を形成した直後と、および水でぬらした布
で表面を10000回摩擦した後と両方行った。その結
果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】(表1)から明らかなように、本発明の方
法で得られる高分子組成物では表面を水を含んだ布で繰
り返し擦って洗浄した後でも、撥水・撥油性あるいは親
水性を保持していたが、比較例1では撥水・撥油性がな
くなっていた。また、高分子組成物の表面を酸化処理し
なかった比較例2の試料では、シロキサン結合を有する
化学吸着膜を形成することができなかった。
【0034】本発明の方法で得られる高分子組成物で、
表面にフッ化アルキル基を含有する化学吸着単分子膜を
形成したものは防汚性が優れていた。摩擦試験後、実施
例1の試料をサラダ油に浸漬し、ティッシュペーパーで
拭き取ると、油分がきれいにふきとれたが、比較例の1
の試料では、ティッシュペーパーで数回拭き取った後で
も、表面に油膜ができべとついていた。
【0035】本発明の方法で得られる高分子組成物で
は、光学材料としても利用できる。実施例1のポリカー
ボネート基板の可視光に対する透過率は92%で、化学
吸着単分子膜を形成する前と変化なかったが、比較例3
のポリテトラフルオロエチレンをコーティングした試料
では、透過率が50%以下に低下しかつ、すり硝子のよ
うに透明度が悪くなっていた。
【0036】なお、上記実施例で述べた化学吸着膜は何
れも単分子膜一層だけの場合であるが、化学吸着単分子
膜を累積した高分子組成物でも、未反応のクロロシラン
系界面活性剤を洗浄せずに形成した化学吸着膜でも、そ
の機能は何等変わるところがなかった。さらに、上記実
施例では何れも高分子を含む基体として高分子単独基板
を用いた例を示したが、例えば充填剤、可塑剤又は着色
剤等を含有した高分子であっても、高分子組成物に付与
された機能には何等変化がなかった。
【0037】以上説明した通り、本発明の実施例によれ
ば、高分子を含む基体表面を酸化処理して例えば水酸基
等の親水性基を形成した後、この基体表面にクロロシラ
ン系界面活性剤を化学吸着させ、シロキサン結合を有す
る化学吸着膜を形成するので、繰り返し単位として例え
ば水酸基等の親水性の活性水素を持たない高分子であっ
ても、化学吸着膜を容易に形成することができる。ま
た、高分子を含む基体をクロロシラン系界面活性剤を含
有する含フッ素系非水溶液に浸漬するだけで、最密充填
された化学吸着膜が形成できる。その結果、形成された
化学吸着膜は、クロロシラン系界面活性剤の機能に応じ
て例えば高特性の撥水・撥油・防汚性、又は超親水性な
どの機能を発揮する。
【0038】以上のように本発明の方法で得られる高分
子組成物は、表面にシロキサン結合を有する化学吸着膜
が設けられているので、従来のものに比べて、繰り返し
洗浄に対する耐久性が優れ、化学吸着膜がフッ化アルキ
ル基を含む場合には高特性の撥水・撥油・防汚性をしめ
す。また、本発明の高分子組成物の製造方法では、高分
子組成物の表面をあらかじめ酸化処理することにより、
簡単に前記高分子組成物表面にクロロシラン系界面活性
剤を化学吸着させ、シロキサン結合を有する化学吸着膜
を形成することができる。このように本発明は工業的価
値の大なるものである。
【0039】
【発明の効果】以上の通り本発明方法によれば、基材表
面を酸化処理した後、基材の表面にシロキサン結合を介
して化学吸着膜を設けるので、従来のものに比べて基材
を傷めず、かつ耐久性に優れた高機能性化学吸着膜を製
造することができる。また、クロロシラン系界面活性剤
と反応する活性水素を持たない含フッ素系非水溶液を溶
媒として用いるので、ピンホールのない高密度な単分子
膜を製造することができる。また、含フッ素系非水溶液
が三級アミンもしくは環状エーテルの少なくとも一つを
含有するので、基材が高分子、樹脂、塗膜などであって
も基材を溶解することなく前記の高機能性化学吸着膜を
製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法で得られる高分子組成物の一実施
例の断面図
【符号の説明】
1 高分子を含む基体 2 シロキサン結合 3 化学吸着膜

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の表面に化学吸着膜を製造する方法
    において、前記基材表面を酸化処理する工程と、クロロ
    シラン系界面活性剤と、前記クロロシラン系界面活性剤
    と反応する活性水素をもたない、フルオロアルキル基を
    含む三級アミンおよび環状エーテルから選ばれる少なく
    とも一つである溶媒とを含む混合溶液を、前記基材表面
    に接触させ、前記基材表面にシロキサン結合を有する化
    学吸着膜を形成する工程からなることを特徴とする化学
    吸着膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 化学吸着膜を形成する反応工程前に、基
    材表面をあらかじめジクロロシラン、トリクロロシラ
    ン、またはテトラクロロシランで処理する請求項1に記
    載の化学吸着膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 基材または基材表面が高分子材料である
    請求項1に記載の化学吸着膜の製造方法。
  4. 【請求項4】 クロロシラン系界面活性剤がフッ化アル
    キル基を含む分子である請求項1に記載の化学吸着膜の
    製造方法。
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