JP2001239620A - 積層フィルムおよび熱可塑性樹脂構造体 - Google Patents

積層フィルムおよび熱可塑性樹脂構造体

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JP2001239620A
JP2001239620A JP2000236664A JP2000236664A JP2001239620A JP 2001239620 A JP2001239620 A JP 2001239620A JP 2000236664 A JP2000236664 A JP 2000236664A JP 2000236664 A JP2000236664 A JP 2000236664A JP 2001239620 A JP2001239620 A JP 2001239620A
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thermoplastic resin
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resin
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Shinsuke Tanaka
慎介 田中
Takekazu Sato
豪一 佐藤
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インサート成形、インモールド成形、サーモジ
ェクトR成形による熱可塑性樹脂成形体の表面改質に好
適に用いられる被覆用フィルムを提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂よりなる支持体層(A層)の
一方の面にシリコーン樹脂被膜を有し、他方の面にA層
よりも融点の低い熱可塑性樹脂よりなる熱可塑性樹脂層
(B層)を有する積層フィルムよりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂成形
体の表面改質に用いられる被覆用の積層フィルムに関す
る。詳しくは、熱可塑性樹脂成形体の表面の耐汚染性、
撥水性及び耐油性を付与するための積層フィルム及び該
積層フィルムで熱可塑性樹脂成形体の表面を被覆した熱
可塑性樹脂構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂成形体の表面を改質する方
法として、熱可塑性樹脂に付与すべき機能を果たす添加
剤を成形用熱可塑性樹脂に練り込み均一に分散せしめ成
形する方法が知られている。しかし、これらの方法で
は、付与すべき機能を発揮するために必要な量の添加剤
を配合した場合、該添加剤の配合量が多くなるため熱可
塑性樹脂の持つ本来の力学的性質や光学的性質が悪化す
る。また、かかる熱可塑性樹脂の持つ本来の力学的性質
や光学的性質を保持し添加剤を練り込み均一に分散する
方法で表面改質を行った場合、求める表面物性が不十分
であるという問題点があった。
【0003】本発明者らは、かかる観点から、目的とす
る表面物性を得るため、成形体の表面を該物性を付与し
た熱可塑性フィルムで被覆する方法が考えられ、その手
段として成形時に当該物性を有するフィルムを金型内に
インサートして射出成形し、該フィルムで成形体の表面
の全面又は一部を被覆する方法を提案した(特願平11
−281345など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性樹脂フィルムを単体で用いた場合、フィルムインサー
ト成形時の樹脂温度を高くしないと熱可塑性樹脂成形体
と熱可塑性樹脂フィルムとが十分に密着しないという問
題点があった。具体的には、シリコーン樹脂の有する撥
水性や耐油性を熱可塑性樹脂成形体の表面に付与するた
めに、シリコーン樹脂被膜を有するポリプロピレンフィ
ルムよりなる積層フィルムを用いて熱可塑性樹脂成形体
の表面に耐汚染性を付与する場合、熱可塑性樹脂成形体
表面と該積層フィルムのシリコーン樹脂被膜のない面を
フィルムインサート成形によって十分に融着させるに
は、フィルムインサート成形時の樹脂温度を240℃以
上とする必要があった。
【0005】このように、フィルムインサート成形時の
樹脂温度が240℃以上になった場合、射出成形サイク
ルが長くなり生産効率が低下するばかりでなく、金型内
で冷却不足となり積層フィルムを成形体に被覆して得ら
れる熱可塑性樹脂構造体の取出し時の温度が高くなるこ
とから、該成形体部分にヒケソリ等の変形が発生し良好
な外観の熱可塑性樹脂構造体が得られないという問題点
が生じる。
【0006】従って、本発明の目的はフィルムインサー
ト成形を行う際の樹脂温度を極力抑え、積層フィルムの
インサート成形においても、一般の射出成形時の樹脂温
度と同等の温度で成形体表面と充分な密着性が得られる
フィルムインサート成形に適した積層フィルムを提供す
ることにある。
【0007】
【問題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、熱可塑性樹脂よ
りなる支持体層(A層という)の一方の表面にシリコー
ン樹脂被膜が存在し、他方の面にA層を構成する熱可塑
性樹脂の融点よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂の層
(B層という)が存在することを特徴とする積層フィル
ムであれば上記課題を解決できることを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、熱可塑性樹脂よりなる支
持体層(A層)の一方の表面にシリコーン樹脂被膜が存
在し、他方の面にA層を構成する熱可塑性樹脂の融点よ
り低い融点を有する熱可塑性樹脂(B層)が存在するこ
とを特徴とする積層フィルムである。
【0009】また、本発明は、上記A層となる熱可塑性
樹脂がα−オレフィン重合体よりなる無延伸フィルムで
構成され、更にはA層の一方の面に存在するシリコーン
樹脂被膜の水に対する接触角が100°以上であり、B
層を構成する熱可塑性樹脂の厚さが20μm以上である
積層フィルムをも提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。
【0011】本発明においてA層を構成する熱可塑性樹
脂とは、特に限定されず例えばα−オレフィン重合体、
ポリエステル、ナイロン等である。中でもα−オレフィ
ン重合体が好適に用いられる。α−オレフィン重合体と
は、プロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン、3−メチル−1−ブテンの単独重合体もしくは2
種類以上のモノマーの共重合体をいう。特にプロピレン
単独重合体やプロピレンを主成分としたプロピレンとエ
チレンとのランダム共重合体、ブロック共重合体が好適
に用いられる。さらにこれらα−オレフィン重合体の2
種類以上を混合して用いても差し支えない。もちろん、
A層は単独の熱可塑性樹脂からなる単層構造であっても
よいし、複数の熱可塑性樹脂からなる多層構造を有して
いても差し支えない。また、A層の厚みは特に限定され
ないが、フィルムインサート用として用いる場合には2
0〜200μmの範囲が好ましい範囲である。
【0012】また、A層を構成する熱可塑性樹脂には、
フィルム用添加剤が適宜、任意の量配合する事ができ
る。例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、アンチブロッキ
ング剤、帯電防止剤、滑剤、塩素補足剤、結晶核剤、顔
料などが配合されていても本発明の効果が阻害されない
限り制限を受けるものではない。
【0013】本発明では、A層の一方の面にシリコーン
樹脂被膜が存在していなければならない。ここで言うシ
リコーン樹脂被膜は該シリコーン樹脂の水に対する接触
角が100°以上であることが好ましい。該シリコーン
樹脂の水に対する接触角が100°未満である場合は、
汚染成分によっては充分な耐汚染性が発揮できない場合
がある。該シリコーン樹脂被膜層は0.01〜1.0μ
mが好ましい。また、0.05〜0.5μmである事が
更に好ましい。シリコーン樹脂被膜が0.01μm未満
の場合は表面特性である耐汚染性、耐油性の改良効果が
見られない。一方、1.0μmを超える場合は、フィル
ムがブロッキングを起し実用に供される場合問題が発生
する。
【0014】本発明で用いられるシリコーン樹脂被膜
は、白金触媒を用いた熱硬化型シリコーン、紫外線励起
型カチオン発生剤を触媒とした紫外線硬化型シリコーン
などが代表例として掲げられ、これらをそのまま用いる
か溶剤に希釈し、A層の片面に塗布、硬化せしめること
によってシリコーン樹脂被膜を形成させることができ
る。白金触媒を用いた熱硬化型シリコーンは、少なくと
も炭素−炭素二重結合を一個以上有するアルキルシロキ
サンと少なくともケイ素−水素結合を一個以上有するア
ルキルシロキサンと白金触媒で構成される混合物をその
まま、若しくは溶剤に希釈しA層の一方の面に塗布し、
熱硬化せしめる事でシリコーン樹脂被膜が形成される。
これらのシリコーン樹脂は付加型シリコーンとして広く
一般に販売されているものを用いる事ができる。また紫
外線硬化型シリコーンは、エポキシベンゼンのベンゼン
核にアルキルシロキサンが置換された化合物と紫外線励
起型カチオン発生触媒をそのまま、若しくは溶剤で希釈
しA層の一方の面に塗布し紫外線を照射することでシリ
コーン樹脂被膜を形成される。紫外線硬化型シリコーン
は広く一般に販売されているものを用いる事ができる。
【0015】これらのシリコーン樹脂類のA層への密着
性を勘案するとA層のシリコーン樹脂被膜を形成させる
面にはコロナ放電処理、フレーム(火焔)処理等の表面
処理を施す事が好ましい。
【0016】本発明においてB層を構成する熱可塑性樹
脂は、A層を構成する熱可塑性樹脂よりも低い融点を有
するものであり、好ましくは5℃以上低い融点を有する
ものである。また、B層を構成する樹脂はA層との接着
性を考慮すると、両者同一または類似の熱可塑性樹脂で
あることが好ましいが、一般的にはα−オレフィン重合
体よりなる。
【0017】α−オレフィン重合体としては、A層を構
成する熱可塑性樹脂の融点よりも低いものを選択すれば
よくプロピレン、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デ
セン、3−メチル−1−ブテンの単独重合体もしくは2
種類以上のモノマーから選ばれる共重合体などをいう。
中でもプロピレン単独重合体やプロピレンを主成分とし
たプロピレンとエチレンとのランダム共重合体やブロッ
ク共重合体が好適に用いられる。これらα−オレフィン
重合体の2種類以上を混合して用いても差し支えない。
これらα−オレフィンの製造方法については、用いる触
媒、製造プロセスになんら制限を受けない。特にA層を
構成する熱可塑性樹脂がポリプロピレンを主成分とする
α−オレフィン重合体の場合、B層はプロピレン成分を
含むα−オレフィンの共重合体である事が好ましい。
【0018】本発明のフィルムは少なくともA層とB層
とよりなる積層フィルムである必要がある。例えばイン
サート成形時の密着性だけを改良するのであれば、シリ
コーン樹脂被膜が形成された低融点樹脂フィルムを用い
ればよいが、この場合、低融点樹脂フィルムが溶融し、
それと同時に表面に偏在化しているシリコーン樹脂被膜
が破壊され均一な表面物性が得られないという問題点が
ある。
【0019】更に本発明の積層フィルムをフィルムイン
サート成形に用いる際に、密着すべき熱可塑性樹脂成形
体の原料樹脂がポリプロピレンを主成分とする熱可塑性
樹脂の場合、本発明の積層フィルムと該熱可塑性樹脂成
形体との密着性の観点からも、プロピレンと前述したα
−オレフィンから選ばれる少なくとも1種類以上の他の
モノマーとの共重合体であることが好ましい。
【0020】本発明では、B層を構成する熱可塑性樹脂
フィルムの融点は、A層を構成する熱可塑性樹脂の融点
より低い融点である必要がある。特に5℃以上低いこと
が好ましい。
【0021】即ち、融点の差が実質的にない場合は、後
にフィルムインサート成形によって熱可塑性樹脂成形体
と貼り合わせる際、樹脂温度を低くする事ができず、仕
上がった熱可塑性樹脂成形体にヒケ、ソリ等の変形が発
生するばかりか成形サイクルの短縮効果が見られない。
このため5℃以上の差があることが好適となる。
【0022】また、B層の厚みは20μm以上である事
が好ましい。該層の厚みが20μm未満の場合は積層体
を熱可塑性樹脂成形体と貼り合わせた際、成形温度幅が
小さく密着性が向上しない場合がある。一般にフィルム
インサート用としては、20〜100μm程度の厚みが
用いられる。
【0023】本発明の積層フィルムの製造方法は、公知
の積層フィルムの製造方法が、何ら制限なく用いられ
る。例えばA層を構成する熱可塑性樹脂とB層を構成す
る熱可塑性樹脂とをマルチマニホールドや、フィードブ
ロックを用いた共押出法、接着剤を介するドライラミネ
ート法などの方法、またはA層を構成する熱可塑性樹脂
に押出しラミネートする方法が挙げられる。
【0024】またA層の熱可塑性樹脂フィルムをあらか
じめ製造し、これにB層などをラミネートすることもで
きる。この場合A層の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
は、インフレーション法、逐次二軸延伸法、キャスト法
などが用いられる。中でもキャスト法によって得られる
無延伸フィルムが成形時の熱収縮が小さく、フィルムイ
ンサート成形時の金型への追従性も良好でありフィルム
インサート成形体として仕上がった製品のシワやソリの
発生が低減される事から好適に用いられる。
【0025】また、A層のフィルムが多層構造を有する
場合は、マルチマニホールド法やフィードブロック法に
代表される共押出法やインラインラミネート法を採用す
る事ができる。さらに、A層を構成する熱可塑性樹脂フ
ィルムは片面もしくは両面にインライン若しくはオフラ
インで表面処理を施す事が後述する、シリコーン樹脂被
膜の形成や接着剤との密着性の観点から好ましい。ここ
で言う表面処理とは、コロナ放電処理、フレーム(火
焔)処理等を指す。
【0026】A層へのB層の積層方法としては、公知の
ラミネート法が、制限なく用いられるが、中でもドライ
ラミネート法が好適に用いられる。例えば、接着剤を介
せずA層とB層を積層したフィルムを用いて熱可塑性樹
脂成形体とのフィルムインサート成形を行った場合、用
いる樹脂によっては製品が白く濁る現象が発生し商品価
値を損なうという問題点が発生することがある。
【0027】本発明においてフィルムインサート成形す
る熱可塑性樹脂成形体の原料樹脂がポリプロピレン樹脂
の場合、該樹脂と積層フィルムが密着する面、即ち、B
層は、プロピレンを主体とする構造を有する重合体であ
ることが好ましい。
【0028】例えば、ポリプロピレンとポリエチレンで
は、その融点差は5℃以上あるが、フィルムインサート
成形した場合、相溶性がないため密着性が不良になるば
かりでなく、界面に白化現象が起こり、商品価値を低下
させる恐れがある。
【0029】従って、フィルムインサート成形やサーモ
ジェクト、フィルムインモールドブロー成形する際は、
その樹脂と相溶性のある樹脂を基材フィルムに積層する
熱可塑性樹脂フィルムとして選定することが望ましい。
【0030】本発明における積層フィルムの製造方法は
概ね以下のようである。
【0031】 ホモポリプロピレン樹脂をキャスト法
により厚み60μmになるように製膜し、両面にコロナ
放電処理を施し、40℃で24時間のエージングを施し
て基材フィルム(A層)を作成する。
【0032】 融点138℃のプロピレン、エチレ
ン、ブテン共重合体樹脂をキャスト法により厚み40μ
mになるように製膜し、片面にコロナ放電処理を施し、
40℃で24時間のエージングを施して低融点面フィル
ム(B層)を作成する。
【0033】 基材フィルムの片面にドライラミネー
ト剤を塗工し、低融点面フィルムのコロナ放電処理面に
積層する。
【0034】 該積層フィルムの基材フィルム側に熱
硬化型シリコーンを塗布し熱硬化せしめ、40℃で24
時間のエージングを施し、積層フィルムを作成する事が
できる。
【0035】このようにして得られた積層フィルムは、
フィルムインモールド成形、フィルムインサート成形、
サーモジェクト成形等を行うことによって、熱可塑性樹
脂成形体と良好な密着性を有しそれぞれの用途に供する
ことができる。
【0036】
【実施例】本発明を、実施例を用いて詳しく説明する
が、本発明は以下に説明される実施例に限定されるもの
ではない。
【0037】実施例比較例における各種試験は、下記の
方法によって行った。
【0038】1.熱可塑性樹脂成形体と熱可塑性樹脂フ
ィルムとの密着強度 色板成形用金型(成形品形状:80mm×50mm×3
mmt)のパーティング面に熱可塑性樹脂フィルムを貼
り付けた後通常の射出成形を行うことにより、熱可塑性
樹脂フィルムを該色板表面に融着させ試験片を作成し
た。その際、樹脂温度を200℃及び220℃として射
出成形を行った。但し、比較例は、十分な密着性が得ら
れる温度まで射出成形温度を上昇させた。
【0039】得られた、試験片表面の熱可塑性樹脂フィ
ルムに15mm幅の切込みを入れ、該熱可塑性樹脂フィ
ルムを180度の方向に剥がし、その時の剥離強度を測
定した。
【0040】なお、熱可塑性樹脂フィルムが基材である
色板に強固に密着しているために剥離ができず該熱可塑
性樹脂フィルムが破壊したものは、材料破壊とした。こ
の場合の密着強度は、3000g/15mm以上であ
る。
【0041】2.熱可塑性構造体における成形体のヒケ
ソリ、フィルムの皺の有無 成形後、得られた熱可塑性樹脂構造体を目視によって観
察し、成形体のヒケソリ、フィルムの皺が確認できるも
のは「有」、確認できないものは「無」として表した。
【0042】実施例1 (原料樹脂ペレットの調整1)メルトフローレート8g
/10分のホモポリプロピレンパウダー(融点163
℃)100重量部に対し、酸化防止剤として2,6−t
−ブチルヒドロキシトルエンを0.1重量部、塩素補足
剤としてステアリン酸カルシウムを0.1重量部、アン
チブロッキング剤として、シリカを0.15重量部加
え、ヘンシェルミキサーで5分間混合した後、スクリュ
ー径65mmφの押出造粒機を用い、230℃で造粒す
ることによって原料ペレット1を得た。
【0043】(原料樹脂ペレットの調整2)メルトフロ
ーレート10g/10分のプロピレン、エチレン、ブテ
ン3元ターポリマー(融点138℃)を用いた以外は、
原料樹脂ペレット1の調整と同様に行い原料ペレット2
を得た。
【0044】(支持体となるポリプロピレンフィルムの
作成)原料ペレット1を用いて以下の方法で無延伸フィ
ルムを得た。スクリュー径75mmφの押出機からなり
Tダイ方式にてポリプロピレン無延伸フィルムを作成し
た。即ち、樹脂温度230℃で原料樹脂1をTダイより
押出し、40℃の冷却ロールを通して60μmのポリプ
ロピレン無延伸フィルムを得た。引き続き、ポリプロピ
レン無延伸フィルムの両面に表面濡れ指数が40mN/
mとなるようにコロナ放電処理を施した。得られたポリ
プロピレン無延伸フィルムを40℃で24時間のエージ
ングを施し、次の工程に用いた。以下、該フィルムをフ
ィルム1と呼ぶ。
【0045】(支持体より融点が5℃以上低いポリプロ
ピレンフィルムの作成)原料ペレット2を用いて支持体
となるポリプロピレンフィルムの作成と同様な操作にて
フィルム厚みを40μmとして無延伸フィルムを得た。
その後、片面の表面濡れ指数が40mN/mとなるよう
にコロナ放電処理を施した。得られたポリプロピレン無
延伸フィルムを40℃で24時間のエージングを施し、
次の工程に用いた。以下、該フィルムをフィルム2と呼
ぶ。
【0046】(ラミネート)フィルム1の片面にドライ
ラミネート剤(東洋モートン社製;主剤TM−329、
硬化触媒CAT−8Bを重量比で1:1に混合し酢酸エ
チルで希釈した。)を乾燥重量で1g/m2となるよう
にグラビヤコーターを用いて塗工後乾燥し、フィルム2
のコロナ放電処理面と貼り合わせた。その後、40℃で
48時間のエージングを施すことにより積層体を得た。
以下、該積層体を積層体1と呼ぶ。
【0047】(シリコーン処理)積層体1の支持体側に
付加型シリコーン液(東レ・ダウコーニング・シリコー
ン社製:LTC760A;100重量部、SRX21
2;1重量部、SD7200;0.5重量部、トルエン
と2ブタノンを重量比で1:1の混合液3000重量
部)をドライで0.2g/m2となるようにグラビヤコ
ーターで塗工し、その後120℃で30秒乾燥して硬化
せしめた。その後、40℃で48時間のエージングを施
すことにより積層体を得た。以下、該積層体を積層体2
と呼ぶ。
【0048】(フィルムインサート成形)積層体2を1
00mm×70mmに切り出し、積層体2のシリコーン
処理面が金型に接触するよう色板成形用金型(成形品形
状:80mm×50mm×3mmt)のパーティング面
に貼り付けた後、通常の射出成形を行うことにより積層
体2を該色板表面に融着させ試験片を作成した。その
際、原料樹脂には、プロピレン単独重合体(株式会社ト
クヤマ製SH152 沸騰ヘプタン不溶部のアイソタク
ッチクペンタット分率=0.98 MFR=16g/1
0分)を用い、樹脂温度を200℃、220℃で射出成
形を行った。
【0049】得られた、試験片表面の積層体2に15m
m幅の切込みを入れ、積層体2を180度の方向に剥が
し、その時の剥離強度を測定した。
【0050】実施例2 (多層フィルムの作成)原料ペレット1、原料ペレット
2を用い多層フィルムを作成した。即ち、スクリュー径
75mmφの中心層用押出機及びスクリュー径50mm
φの表層用副押出機2台からなり、マルチマニホールド
方式の3種3層共押出装置を用いて中心層用押出機から
原料ペレット1を、表層用副押出機の一方から原料ペレ
ット1を押出し、他方の表層用副押出機から原料ペレッ
ト2をそれぞれ樹脂温度230℃で押出し、原料ペレッ
ト1の層を60μm、原料ペレット2が20μmとなる
ように押出し60℃の冷却ロールを通し厚み80μmの
2種2層フィルムを得た。
【0051】引き続き、原料樹脂1側の表面の濡れ指数
が40mN/mとなるようにコロナ放電処理を施した。
【0052】次いで40℃で24時間のエージングを施
し次の工程に用いた。以下、該積層体を積層体3と呼
ぶ。
【0053】(シリコーン処理)積層体3のコロナ放電
処理面に、実施例1と同様にシリコーン処理を施した。
以下、該積層体を積層体4と呼ぶ。
【0054】(フィルムインサート成形)積層体4を用
いて、実施例1と同様に行った。
【0055】実施例3 (原料ペレットの調整3)メルトフローレート10g/
10分、エチレン含有量2.3%のランダムポリプロピ
レンを用いた以外は、実施例1と同様に行ってペレット
を得た。以下、原料ペレット3と呼ぶ。
【0056】(支持体となるポリプロピレンフィルムの
作成)実施例1と同様に行った。
【0057】(支持体より融点が5℃以上低いポリプロ
ピレンフィルムの作成)原料ペレット3を用いた以外
は、実施例1と同様に行った。以下、フィルム3と呼
ぶ。
【0058】(ラミネート)実施例1で用いたフィルム
2の代わりにフィルム3を用いた以外は、実施例1と同
様に行った。
【0059】(シリコーン処理)実施例1と同様に行っ
た。
【0060】(フィルムインサート成形)実施例1と同
様に行った。
【0061】実施例4 (多層フィルムの作成)実施例2記載の原料ペレット2
を原料ペレット3に変更した以外は、実施例1と同様に
行った。
【0062】(シリコーン処理)実施例1と同様に行っ
た。
【0063】(フィルムインサート成形)実施例1と同
様に行った。
【0064】実施例5 支持体となる熱可塑性樹脂フィルムとしてPETフィル
ム(東洋紡:E5100、60μm)として用いた以外
は、実施例1と同様に行った。
【0065】実施例6 支持体となる熱可塑性樹脂フィルムとしてPETフィル
ム(東洋紡:E5100、60μm)として用いた以外
は、実施例3と同様に行った。
【0066】比較例1 フィルム1にシリコーン加工を施しフィルムインサート
成形した以外は、実施例1と同様に行った。
【0067】実施例7 実施例1記載のフィルム1を用い、実施例1記載の原料
ペレット2を20μm押出ラミネートにより多層化した
以外は、実施例1と同様に行った。
【0068】比較例2 フィルム1にシリコーン加工を施し、反対面に接着剤
(大日精化工業社製 セイカダイン PPシール剤AB
−TP)をドライで2g/m2となるようにバーコータ
を用いて塗工し乾燥した。該フィルムを用いて実施例1
と同様にフィルムインサート成形した。
【0069】実施例8 実施例1記載のシリコーン処理を以下のように行なった
以外は実施例1と同様に行った。即ち、積層体1の支持
体側に紫外線硬化型シリコーン(UV6500;東芝シ
リコーン社製100重量部、UV9380C;東芝シリ
コーン社製1重量部、2−ブタノン1000重量部、n
−ヘプタン1000重量部の混合溶液)をドライ換算で
0.5g/m2となるようにグラビヤコーターで塗工
し、80℃で溶剤を除去した後、紫外線(フュージョン
社製、Hバルブ)を照射し硬化せしめた。その後40℃
で24時間エージングを施し積層体を得た。該積層体を
実施例1と同様にインサート成形し評価した。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の積層フィルムは、熱可塑性樹脂成形体表面に、一般
的な射出成形温度範囲において良好に融着することがで
き、密着性が良好で、しかも、表面のシワや成形体部分
のヒケソリの発生もなく、表面にシリコーン樹脂被膜を
形成した樹脂構造体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AK01A AK01C AK03A AK04 AK04J AK07 AK07A AK07C AK07D AK07J AK09 AK09J AK52B AL01 AT00D BA03 BA04 BA07 BA10B BA10D EH46B JA04C JA20B JB06 JB16A JB16C JL06 JM02B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂よりなる支持体層(A層とい
    う)の一方の表面にシリコーン樹脂被膜が存在し、他方
    の面にA層を構成する熱可塑性樹脂の融点よりも低い融
    点を有する熱可塑性樹脂層(B層という)が存在するこ
    とを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】A層がα−オレフィン重合体で構成される
    無延伸フィルムである請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】シリコーン樹脂被膜の水に対する接触角が
    100°以上である請求項1記載の積層フィルム。
  4. 【請求項4】B層の厚さが20μm以上である請求項1
    記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】 フィルムインモールド成形、フィルムイ
    ンサート成形又はサーモジェクト成形用フィルムである
    請求項1、2、3又は4記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィ
    ルムを、該積層フィルムのシリコーン樹脂被膜が最外層
    となるように熱可塑性樹脂成形体表面に熱融着により積
    層した熱可塑性樹脂構造体。
  7. 【請求項7】積層フィルムのA層及びB層並びに熱可塑
    性樹脂成形体がポリプロピレン系樹脂で構成された請求
    項6記載の熱可塑性樹脂構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007210196A (ja) * 2006-02-09 2007-08-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 樹脂基体およびその製造方法

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