JP2000043210A - 化粧シート - Google Patents

化粧シート

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JP2000043210A
JP2000043210A JP21830198A JP21830198A JP2000043210A JP 2000043210 A JP2000043210 A JP 2000043210A JP 21830198 A JP21830198 A JP 21830198A JP 21830198 A JP21830198 A JP 21830198A JP 2000043210 A JP2000043210 A JP 2000043210A
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Kazuyasu Kono
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オレフィン系樹脂からなる表面シートを有する
化粧シートにおいて、オレフィン樹脂に含有される紫外
線吸収剤(耐光剤)が表面に析出しにくい化粧シートを
提供する。 【解決手段】熱可塑性エラストマーからなる基材シート
1上に、印刷層2を形成し、その上層に、接着剤層3を
形成してから、オレフィン系樹脂からなる少なくとも1
層の表面シート4を形成し、表面シートの少なくとも1
層には紫外線吸収剤として2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニ
ル)ベンゾトリアゾールが含有されている化粧シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系樹脂
からなる表面シートを有する化粧シートにおいて、表面
シート中に含有される紫外線吸収剤(耐光剤)が表面に
析出または晶出する問題が改善された化粧シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】化粧シートには、通常、耐光性を向上さ
せるための紫外線吸収剤が、化粧シートを構成する各層
のうち、少なくとも1層に添加されている。紫外線吸収
剤としては、ベンゾトリアゾール系またはベンゾフェノ
ン系等の有機化合物からなる紫外線吸収剤や、あるい
は、0.2μm径以下の微粒子状とした酸化亜鉛、酸化
セリウム、酸化チタン等の無機化合物からなる紫外線吸
収剤が用いられ、添加量は通常0.1〜5重量%程度で
ある。
【0003】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として
は、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ
−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−
ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert
−アミル−5’−イソブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イ
ソブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブ
チル−5’−プロピルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール等の2’−ヒドロキシフェニル−5−クロロ
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が用いられる。その
他、ベンゾトリアゾール骨格にアクリロイル基またはメ
タクリロイル基を導入した紫外線吸収剤が用いられる場
合もある。
【0004】また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤とし
ては、例えば、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−
ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン等の2,2’−ジヒドロキ
シベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および2−ヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノンが
用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、化粧シ
ート中に添加される上記のような紫外線吸収剤は、樹脂
中を拡散移動しやすい性質があり、経時的に、表面に析
出または晶出(ブリードまたはブルーミング)を起こす
場合があることが知られている。特に、エンボス加工、
熱ラミネート等、加熱工程を含む加工が施されると、こ
の現象は促進される。
【0006】紫外線吸収剤がブリードすると、外観上、
化粧シートの意匠性が損なわれるだけでなく、紫外線吸
収剤が失われることにより耐候性が低下する。すなわ
ち、添加により期待される効果が、得られなくなる。ま
た、表面シートと基材シート、表面シートと絵柄インキ
層との層間にブリードした紫外線吸収剤が離型剤として
作用するため、層間の剥離が生じる場合もある。
【0007】紫外線吸収剤の析出に影響を与える因子と
しては、紫外線吸収剤の添加量、紫外線吸収剤が添加さ
れる樹脂の種類および組成、化粧シートの使用される温
度の他、光安定剤、酸化防止剤、充填剤(体質顔料)等
の紫外線吸収剤と共存する添加剤等が挙げられる。した
がって、化粧シートに添加される紫外線吸収剤は、化粧
シートを構成する樹脂や、化粧シートが使用される環境
に合わせて適宜選択する必要がある。
【0008】ところで、従来の化粧シートは、塩化ビニ
ル樹脂を主材とするものが多く生産されてきたが、塩化
ビニル樹脂は高温で熱分解するため、特に焼却時に、塩
化水素等の塩素化物ガスが大量に発生する。また、塩化
ビニル樹脂は高温で熱分解することから、樹脂廃材のリ
サイクルも難しい。これらの理由から、主材を塩化ビニ
ル樹脂からオレフィン系樹脂に代替した化粧シートが用
いられるようになってきている。
【0009】オレフィン系樹脂は塩化ビニル樹脂に比較
して極性が低く、また、結晶性が高いため、添加剤との
相溶性、混和性に劣る場合が多い。紫外線吸収剤につい
ても、従来、塩化ビニル樹脂に使用されてきた紫外線吸
収剤をオレフィン系樹脂に添加すると、一般に、塩化ビ
ニル樹脂に添加する場合に比較して紫外線吸収剤が表面
にブリードしやすい。
【0010】また、化粧シートの材料としては、加工性
等を考慮して熱可塑性樹脂が用いられることが多い。熱
可塑性樹脂を化粧シートの材料として用いた場合、高温
にすると樹脂の流動性が大きくなり、特に、熱可塑性オ
レフィン系樹脂を材料とした場合は、上記のような紫外
線吸収剤のブリードの問題がより顕著となる。紫外線吸
収剤のブリードは、層間密着性にも影響を及ぼすため、
高温における紫外線吸収剤のブリードは、化粧シートの
耐熱性にも影響を及ぼす。
【0011】化粧シート表面の析出物を分析・同定する
には、通常、透過法による顕微赤外吸収分光法、あるい
は、直接試料導入法によるガスクロマトグラフィー質量
分析法(GC−MS)等の方法によって行われ、紫外線
吸収剤のブリードが確認されている。樹脂中に添加され
た紫外線吸収剤の評価方法としては、例えば、樹脂フィ
ルム(またはシート)に紫外・可視光を入射したときの
透過率を測定する方法や、フィルムのヘイズ(%)を測
定する方法がある。
【0012】紫外線吸収剤のブリードが生じると、紫外
線吸収剤が散逸して紫外線吸収剤が低濃度となった部分
では、紫外・可視光の透過率が上昇する。一方、ブリー
ドが生じた箇所では局所的に不透明となって光散乱が上
昇し、透過率は減少する。
【0013】また、紫外・可視光の透過率は紫外線吸収
剤が分解した場合にも上昇するため、上記のブリードの
場合の透過率変化と合わせて、紫外光透過率が低い程、
紫外線吸収剤の有効性が高いといえる。樹脂フィルムの
ヘイズ(%)については、上述したように、ブリード箇
所で光散乱および乱反射が上昇するため、紫外線吸収剤
のブリードが進行するとヘイズが増大するといえる。
【0014】紫外線吸収剤が添加された樹脂フィルムの
透過率やヘイズ(%)について、経時的な変化を測定す
ることにより、樹脂フィルムの耐光性について推測する
ことができる。また、樹脂フィルムの透過率やヘイズ
(%)について、加熱条件における経時的な変化を測定
することにより、樹脂フィルムの耐熱性についても予測
することができる。
【0015】従来の紫外線吸収剤(2−(2’−ヒドロ
キシ−3,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール)をオレフィン系樹脂に添
加した場合の、樹脂フィルムの透過率およびヘイズ
(%)の経時的な変化について、図3および表1に具体
例を示す。
【0016】
【表1】
【0017】図3は、2−(2’−ヒドロキシ−3,
5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベ
ンゾトリアゾールを0.8重量%で、オレフィン系樹脂
フィルムに含有させた場合(従来例1とする。)の透過
率である。樹脂フィルムの膜厚は100μmであり、樹
脂の組成は、アイソタクチックポリプロピレン80重量
%とアタクチックポリプロピレン20重量%とを混合し
てなるポリプロピレン系熱可塑性エラストマーである。
【0018】図3および表1に示すように、従来の2−
(2’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−tert−ブチル
フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールを用いた場
合、加熱または経時的な変化により、紫外線吸収剤がブ
リードして透過率、ヘイズとも大きく上昇する。
【0019】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、オレフィン系樹脂からなる表面シートを有す
る化粧シートにおいて、表面シート中に含有される紫外
線吸収剤(耐光剤)が表面に析出または晶出しにくい化
粧シートを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の化粧シートは、基材シート上にオレフィン系
樹脂からなる表面シートが形成された化粧シートにおい
て、前記オレフィン系樹脂は2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニ
ル)ベンゾトリアゾールを含有することを特徴とする。
【0021】2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビ
ス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリ
アゾールはオレフィン系樹脂中を拡散移動しにくい性質
を有する。これにより、かかる構成とすると、従来の紫
外線吸収剤を用いた場合に比較して、オレフィン系樹脂
層からの紫外線吸収剤のブリードが抑制される。
【0022】従来の紫外線吸収剤を添加した場合、紫外
線吸収剤が層間、例えば表面シートと基材シートとの層
間にブリードし、離型剤として作用し、層間の剥離が生
じる場合があるが、本発明の化粧シートでは、このよう
な現象の発生が抑制されている。したがって、本発明の
化粧シートは、従来の化粧シートに比較して外観、層間
密着ともに、耐光性および耐熱性を向上させることがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の化粧シートにつ
いて詳細に説明する。本発明の化粧シートを構成する基
材シートとしては、特に制限はないが、成形加工適性
や、燃焼時に塩素化物ガスが発生しないという点から
は、オレフィン系樹脂、アクリル樹脂、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂
のいずれかから選択したものを好ましく用いることがで
きる。
【0024】上記の樹脂の中でも、成形加工性等の点か
ら、好適には、オレフィン系樹脂が用いられる。オレフ
ィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン(低密度ま
たは高密度)、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、
ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレ
ン−ブテン共重合体等の高結晶質の非エラストマーオレ
フィン系樹脂、あるいは各種のオレフィン系熱可塑性エ
ラストマーを挙げることができる。
【0025】オレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、例えば下記のものが使用できる。 (1)特公平6−23278号公報記載の(A)ソフト
セグメントとして、数平均分子量Mnが25,000以
上であり、かつ、重量平均分子量Mwと数平均分子量M
nとの比がMw/Mn≦7であり、沸騰ヘプタンに可溶
であるアタクチックポリプロピレン10〜90重量%
と、(B)ハードセグメントとして、メルトインデック
スが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性のアイ
ソタクチックポリプロピレン90〜10重量%との混合
物からなる軟質ポリプロピレン。
【0026】特に、加熱・加圧により各種形状に成形す
る場合、アイソタクチックポリプロピレンとアタクチッ
クポリプロピレンとの混合物からなり、かつアタクチッ
クポリプロピレンの重量比が10〜50重量%のものが
好適である。
【0027】包装容器等の用途に用いられるポリプロピ
レン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーの場合は、
強度が重視されるため、ソフトセグメントとなるアタク
チックポリプロピレンの重量比は5重量%未満とされる
ことが多い。しかしながら、本発明のようにオレフィン
系樹脂が化粧シートに使用される場合には、柔軟性・加
工性が必要とされるため、アタクチックポリプロピレン
の重量比を10重量%以上、好適には20重量%以上と
する。
【0028】一方、アタクチックポリプロピレンの重量
比が過剰となると、シート自体が変形し易くなり、シー
トを印刷機に通したときにシートが変形して絵柄が歪ん
だり、多色刷りの場合に印刷見当(レジスタ)が合わな
くなる等の問題が発生する。また、シート成形時にも破
れ易くなるため、好ましくない。
【0029】アタクチックポリプロピレンの重量比の上
限については、輪転グラビア印刷等の通常の輪転印刷機
を用いて印刷層を形成し、基材シートのエンボス加工、
真空成形等を行う場合は、50重量%以下、好適には4
0重量%以下とする。
【0030】(2)エチレン−プロピレン−ブテン共重
合体からなる熱可塑性エラストマーであって、ブテンと
して1−ブテン、2−ブテン、イソブチレンの3種の構
造異性体の1種以上を含有するもの。共重合体はランダ
ム共重合体であって、非晶質の部分を一部含む。
【0031】上記エチレン−プロピレン−ブテン共重合
体の好ましい具体例としては次の(A)〜(C)が挙げ
られる。 (A)特開平9−111055号公報記載のエチレン−
プロピレン−ブテン3元共重合体によるランダム共重合
体であって、好適には、単量体成分の重量比がプロピレ
ン90重量%以上であり、メルトフローレートは230
℃、23.16kgにおいて1〜50g/10分のも
の。上記のような3元ランダム共重合体100重量部に
対して、リン酸アリールエステル化合物を主成分とする
透明造核剤を0.01〜50重量部、炭素数12〜22
の脂肪酸アミド0.003〜0.3重量部を熔融混練し
てなるもの。
【0032】(B)特開平5−77371号公報記載
の、エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体であっ
て、プロピレン成分含有率が50重量%以上の非晶質重
合体20〜100重量%に、結晶質ポリプロピレンを8
0〜0重量%添加してなるもの。
【0033】(C)特開平7−316358号公報記載
のもの。エチレン−プロピレン−ブテン3元共重合体で
あって、プロピレンおよび/または1−ブテン含有量が
50重量%以上の低結晶質重合体20〜100重量%に
対して、アイソタクチックポリプロピレン等の結晶性ポ
リオレフィン80〜0重量%混合した組成物100重量
部に対して、N−アシルアミノ酸アミン塩、N−アシル
アミノ酸エステル等の油ゲル化剤を0.5重量%添加し
てなるもの。
【0034】上記のエチレン−プロピレン−ブテン共重
合体樹脂は、単独で用いても、上記(A)〜(C)の樹
脂に、必要に応じて、さらに他のオレフィン系樹脂を混
合させて用いてもよい。
【0035】(3)特公昭53−21021号公報記載
の、(A)ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン等のオレフィン重合体(結晶性高分子)をハー
ドセグメントとし、これに(B)部分架橋したエチレン
−プロピレン共重合体ゴム、不飽和エチレン−プロピレ
ン−非共役ジエン三元共重合体ゴム等のモノオレフィン
共重合体ゴムをソフトセグメントとし、これらを均一に
配合し混合してなるオレフィン系エラストマー。なお、
モノオレフィンゴム/オレフィン重合体=50/50〜
90/10(重量比)の割合で混合する。
【0036】(4)特公昭53−34210号公報記載
の、(B)未架橋モノオレフィン共重合体ゴム(ソフト
セグメント)と、(A)オレフィン系共重合体(結晶
性、ハードセグメント)と架橋剤とを混合し、加熱し剪
断応力を加えつつ動的に部分架橋させてなるオレフィン
系エラストマー。なお、(B)モノオレフィンゴム/
(A)オレフィン系共重合体=60/40〜80/20
(重量比)である。
【0037】(5)特公昭56−15741号公報記載
の、(A)アイソタクチックポリプロピレン、プロピレ
ン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合
体等のペルオキシドと混合・加熱すると分子量を減じ、
流動性を増すペルオキシド分解型オレフィン重合体(ハ
ードセグメント)と、(B)エチレン−プロピレン共重
合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共
重合体ゴム等のペルオキシドと混合・加熱することによ
り、架橋して流動性が減じるペルオキシド架橋型モノオ
レフィン共重合体ゴム(ソフトセグメント)、(C)ポ
リイソブチレン、ブチルゴム等のペルオキシドと混合・
加熱しても架橋せず、流動性が不変であるペルオキシド
非架橋型炭化水素ゴム(ソフトセグメント兼流動性改質
成分)、および(D)パラフィン系、ナフテン系、芳香
族系等の鉱物油系軟化剤、とを混合し、有機ペルオキシ
ドの存在下で動的に熱処理してなるオレフィン系エラス
トマー。なお、(A)が90〜40重量部、(B)が1
0〜60重量部で、(A)+(B)=100重量部とし
て、これに、(C)および/または(D)が5〜100
重量部の配合比となるもの。
【0038】(6)特開平2−139232号公報記載
の、エチレン−スチレン−ブチレン共重合体からなるオ
レフィン系熱可塑性エラストマー。 (7)水酸基またはカルボキシル基をもたせた、上記
(1)〜(6)のオレフィン系熱可塑性エラストマー。
例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のグラ
フト重合で水酸基を、また、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸等の共重合体でカルボキシル基を導入したオレ
フィン系熱可塑性エラストマーを用いる。水酸基、カル
ボキシル基はいずれか一方を導入しても、または両方を
併用してもよい。これらの基は、印刷層、接着剤層等、
他の層との接着性を向上させる作用を有する。
【0039】上記のようなオレフィン系樹脂は、カレン
ダー法、インフレーション法、Tダイ押し出し法等の成
膜方法によって、シート状とすることができる。オレフ
ィン系樹脂からなる基材シートとしては、延伸シート、
未延伸シートのいずれも使用可能であるが、Vカット加
工やエンボス加工等の成形適性は未延伸シートの方が良
好である。
【0040】基材シートとしては、オレフィン系樹脂以
外の熱可塑性樹脂を用いることもできる。例えば、アク
リル樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポ
リ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸
プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、
(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル
共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の
(メタ)アクリル酸エステルを含む単独または共重合体
からなるアクリル樹脂が挙げられる。
【0041】基材シートにエチレン−ビニルアルコール
共重合体樹脂を用いる場合は、エチレンとビニルアルコ
ールのランダム共重合体をフィルム状に成形する。この
エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂フィルムは、
延伸フィルム、未延伸フィルムのいずれでもよいが、フ
ィルムの曲げ加工特性等の点から未延伸フィルムを用い
るのが好ましい。
【0042】エチレン−ビニルアルコール共重合体フィ
ルムは、共重合成分の比率を変えることにより、エチレ
ンの持つ熱可塑性・耐水性と、ビニルアルコールの持つ
剛性、耐油性、耐溶剤性の性能を任意に調節可能である
が、両者の特徴を兼ね備え、かつ加工適性に優れたフィ
ルムとするためには、エチレン成分が30〜45モル%
であることが好ましい。30モル%未満では熱可塑性、
熱加工適性、耐水性に劣り、また、45%を超えると剛
性、耐油性、耐溶剤性に劣ることとなり好ましくない。
【0043】基材シートに用いることができる熱可塑性
ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−テレフタ
レート−イソフタレート共重合体等に代表されるもので
あり、酸成分として、テレフタル酸、イソフタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸およびア
ルコール成分としてエチレングリコール、ジエチレング
リコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール等の脂肪
族ジオールとの両者のエステルとして得られる共重合体
が挙げられる。
【0044】上記の各樹脂からなる基材シートには、必
要に応じて充填剤、着色顔料(または染料)、発泡剤、
難燃剤、滑剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、
光安定剤等の各種添加剤を添加する。熱安定剤として
は、フェノール系、スルファイド系、フェニルアルカン
系、フォスファイト系、アミン系等公知のものを使用す
ることができ、熱加工時に起こる熱変色等の劣化を防止
する働きをもつ。難燃剤としては、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム等の粉末が挙げられる。
【0045】例えば、オレフィン系樹脂を基材シートに
用いる場合には、透明造核剤として上記のリン酸アリー
ルエステル化合物の他に、タルクや安息香酸アルミニウ
ムが添加されてもよい。また、特に高い透明性が要求さ
れる場合には、ソルビトール系の透明造核剤が添加され
てもよい。さらに、透明造核剤の樹脂中での分散性を向
上させるため、有機カルボン酸アルカリ金属塩、β−ジ
ケトナートアルカリ金属塩およびβ−ケト酢酸エステル
アルカリ金属塩の中から選ばれた少なくとも1種の分散
剤が添加されてもよい。
【0046】基材シートに紫外線吸収剤または光安定剤
のいずれか一方または両方を添加する場合、添加量は紫
外線吸収剤、光安定剤ともに通常、0.1〜5重量%程
度とし、一般には紫外線吸収剤と光安定剤とを併用する
のが好ましい。
【0047】基材シートに紫外線吸収剤として、本発明
の化粧シートにおいて、表面シートに添加される紫外線
吸収剤である2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビ
ス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリ
アゾールを含有させることにより、基材シートにおいて
も紫外線吸収剤のブリードを防止することができる。
【0048】基材シートに添加する紫外線吸収剤として
は、上記の他、従来用いられている分子中に水酸基を有
する有機系化合物を好ましく使用することができる。例
えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、特に、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−
メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−アミル−5’
−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’
−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’−イソブチル−5’−プ
ロピルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等の
2’−ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤が挙げられる。
【0049】また、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤とし
ては、特に、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベ
ンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジ
メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラ
ヒドロキシベンゾフェノン等の2,2’−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、および2−ヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン等の2−ヒドロキシベンゾフェノンが挙
げられる。
【0050】その他に、ベンゾトリアゾール骨格にアク
リロイル基またはメタクリロイル基を導入した紫外線吸
収剤や、0.2μm径以下の微粒子状の酸化亜鉛、酸化
セリウム、酸化チタン等の無機物等を用いることもでき
る。充填剤(体質顔料)としては、炭酸カルシウム、シ
リカ(二酸化ケイ素)、アルミナ(酸化アルミニウ
ム)、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0051】基材シートの厚さは、化粧シート成形品の
強度等を考慮して、通常、20〜300μmとする。化
粧シートの柔軟性や加工性の点から、好適には50〜1
50μmとする。
【0052】基材シートとして用いられる樹脂シートの
片面または両面には、シートのラミネート性(易接着
性)や接着剤塗布性を向上させるための表面処理が施さ
れていてもよい。表面処理の方法としてはコロナ放電処
理、プラズマ処理、火炎処理、オゾン処理、酸処理等が
挙げられ、本発明においては、いずれの方法も用いるこ
とができる。
【0053】これらの方法のうち、連続処理が可能であ
り、フィルムの製造過程の巻き取り工程前に容易に実施
可能であることから、プラズマ処理、火炎処理およびコ
ロナ放電処理が好ましく、簡便さの点からコロナ放電処
理が特に好ましい。
【0054】基材シート上層には、化粧シートの装飾性
を向上させるため、装飾処理が施されていてもよい。装
飾処理の方法としては、例えば、顔料添加により基材シ
ートを着色する方法、前記基材シート上に絵柄等の模様
印刷をインキや塗料等により施して印刷層を形成する方
法、金属薄膜を形成する方法等がある。
【0055】印刷層は、必要に応じて、あらかじめ顔料
または染料で着色されたオレフィン系樹脂フィルムから
なる基材シート上に直接形成しても、あるいは、基材シ
ート上に二液硬化型ポリウレタン樹脂からなるプライマ
ー層を形成し、その上層に印刷層を形成しても、いずれ
でもよい。プライマー層の樹脂としては、ウレタン樹脂
の他に、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステル系樹脂、塩化ポリプロピレン樹脂、塩
化ポリエチレン樹脂等を用いることもできる。
【0056】印刷層は二層からなる積層体構造とし、下
層をベタ印刷層(下地隠蔽印刷層)、上層を絵柄印刷層
とすることもできる。模様等の印刷は、グラビア印刷、
オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、転写シートか
らの転写印刷等、公知の印刷法により行うことができ
る。
【0057】印刷層の形成または基材シートの着色に用
いる顔料または染料としては、チタン白、亜鉛華、コバ
ルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔
料、イソインドリノン、ハンザイエローA、キナクリド
ン、パーマネントレッド4R、フタロシアニンブルー、
アニリンブラック等の有機染料、二酸化チタン被覆雲母
等の箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等がある。金
属薄膜は真空蒸着、スパッタリング等、公知の方法によ
りアルミニウム、クロム、金、銀等の金属を全面あるい
は部分的に形成する。
【0058】印刷層と、上層に形成される表面シートと
を接着するため、接着剤層が設けられる。接着剤層のバ
インダー樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ウレタン
樹脂、塩化ポリエチレン樹脂、塩化ポリプロピレン樹脂
等が用いられる。接着剤層の膜厚は1〜20μm、好適
には3〜5μmとする。
【0059】上記ウレタン樹脂とはポリオール(多価ア
ルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化
剤)とするウレタン樹脂である。上記ポリオールは、分
子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えば、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アク
リルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げら
れる。上記イソシアネートは、分子中に2個以上のイソ
シアネート基を有する多価イソシアネートが用いられ
る。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシ
レンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等の芳香族イソシアネート、あるいは1,
6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水
素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族な
いしは脂環式イソシアネートが用いられる。
【0060】接着剤層上層に形成される表面シートは、
単層であっても、あるいは複層であってもよい。表面シ
ートの膜厚は、10〜200μm程度とし、好適には3
0〜100μmとする。表面シートを複層からなる積層
体とする場合は、各表面シートの層間を接着剤により接
着しても、あるいは、樹脂の多層押し出しにより複層の
表面シートを同時に形成しても、いずれでもよい。
【0061】樹脂の多層押し出しにより複層の表面シー
トを形成する場合には、上記の印刷層上に接着剤層ない
しはプライマー層を介して、あるいは介さずに、溶融し
た状態の樹脂を押し出しコート(extrusion
coating;以下、ECコート)法を用いたラミネ
ートの手段で積層させる。
【0062】表面シートの樹脂としては、成形加工性等
の点からオレフィン系樹脂、好適には、オレフィン系熱
可塑性エラストマーが用いられる。表面シートに用いら
れる好ましいオレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、特公平6−23278号公報等に開示されるアイソ
タクチックポリプロピレンからなるハードセグメントと
アタクチックポリプロピレンからなるソフトセグメント
との混合系からなる、複合立体構造を有する無色または
着色された透明な軟質ポリプロピレン系樹脂からなる樹
脂が挙げられる。このポリプロピレン系樹脂は、具体的
には、(A)(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原
子および電子供与体を必須成分として含有する固体触媒
成分、(ロ)有機アルミニウム化合物、および(ハ)一
般式
【0063】
【化1】
【0064】(式中のR1 は炭素数1〜20のアルキル
基、R2 は炭素数1〜10の炭化水素基、水酸基または
ニトロソ基、mは1〜6の整数、nは0または1〜(6
−m)の整数である)で表されるアルコキシ基含有芳香
族化合物の組み合わせからなる触媒の存在下、プロピレ
ンを重合させることにより得られる、数平均分子量(M
n)が25,000以上で、かつ重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が7
以下の沸騰ヘプタン可溶性ポリプロピレン(アタクチッ
クポリプロピレン)10〜90重量%と、(B)メルト
インデックスが0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不
溶性ポリプロピレン(アイソタクチックポリプロピレ
ン)90〜10重量%とからなる軟質ポリプロピレン樹
脂組成物が挙げられる。
【0065】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物は、破
断伸び(Tb )が400%以上、好ましくは500〜7
00%、100%伸長後の残留伸び(PS100 )が80
%以下、好ましくは50〜75%、および破断時応力
(MB )と降伏時応力(MY )との比(MB /MY )が
1.0以上、好ましくは1.5〜3.5の範囲にあるこ
とが望ましい。
【0066】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、(A)成分のアタクチックポリプロピレンとし
て、沸騰ヘプタンに可溶性であって、数平均分子量(M
n)が25,000以上、好ましくは30,000〜6
0,000の範囲にあり、かつ重量平均分子量(Mw)
と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが7以下、好
ましくは2〜6の範囲にあるものが用いられる。このM
nが25,000未満のものやMw/Mn比が7を超え
るものでは得られる樹脂における該アタクチックポリプ
ロピレンの力学的特性への寄与効果が十分に発揮され
ず、得られる樹脂の破断時応力(MB )と降伏時応力
(MY )との比(MB /MY )が1.0未満となった
り、100%伸長後の残留伸び(PS100 )が80%を
超えたりして、望ましくない。
【0067】上記(A)成分のアタクチックポリプロピ
レンはプロピレンの単独重合体であってもよいし、プロ
ピレン単位と40重量%以下、好ましくは30重量%以
下の他の炭素数2〜30のα−オレフィン単位とを含有
するプロピレン共重合体であってもよい。また、このア
タクチックポリプロピレンは1種用いてもよいし、2種
以上組み合わせて用いてもよい。このような(A)成分
のアタクチックポリプロピレンは公知の方法(特開昭6
3−243106号公報記載の方法等)によって製造す
ることができる。
【0068】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、(B)成分として、メルトインデックス(MI)
が0.1〜4g/10分の沸騰ヘプタン不溶性の結晶性
アイソタクチックポリプロピレンが用いられる。このメ
ルトインデックスが0.1/10分未満では溶融特性が
低く、シート成形が困難になり、4g/10分を超える
と機械的強度が不十分となってVカット加工が良好に行
えなくなる場合がある。上記(B)成分のアイソタクチ
ックポリプロピレンは、アイソタクチックの立体規則性
を有するプロピレン単独重合体であってもよいし、該立
体規則性を有するプロピレンと他のα−オレフィンとの
共重合体であってもよい。このα−オレフィンとしては
炭素数2〜8のもの、例えばエチレン、ブテン−1、ペ
ンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等が好まし
く、特にエチレンおよびブテン−1が好適である。また
該共重合体としては、前記の他のα−オレフィン単位を
通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下含有す
るブロック共重合体やランダム共重合体が用いられる。
【0069】この(B)成分のアイソタクチックポリプ
ロピレンの好ましいものとしては、プロピレン単独重合
体、およびエチレン単位1〜30重量%、好ましくは3
〜25重量%を含有するプロピレンとエチレンとのラン
ダム共重合体またはブロック共重合体が挙げられる。こ
のようなアイソタクチックポリプロピレンの製造は、従
来の結晶性ポリプロピレンの製造と同様に行うことがで
きる。
【0070】上記軟質ポリプロピレン樹脂組成物におい
ては、この(B)成分のアイソタクチックポリプロピレ
ンは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよ
い。また、前記(A)成分のアタクチックポリプロピレ
ンと(B)成分のアイソタクチックポリプロピレンは、
(A)成分の含有量が10〜90重量%、好ましくは2
5〜80重量%で、(B)成分の含有量が90〜10重
量%、好ましくは75〜20重量%になるような割合で
用いられる。該(A)成分の含有量が10重量%未満で
は、樹脂の降伏時応力(MY )が大きくなりすぎて、破
断時応力(MB)と降伏時応力(MY )との比(MB
Y )が1.0未満となり、かつ100%伸長後の残留
伸び(PS100 )も80%より大きくなる。一方、
(A)成分の含有量が90重量%を超えると破断時応力
(MB )が小さくなりすぎて、MB /MY が1.0未満
となり、かつ機械的強度が低下する場合がある。また、
(B)成分の比率を高くすることにより、得られる軟質
ポリプロピレンのヤング率は高くなる。(A)成分と
(B)成分の特に好ましい比率は1:1である。
【0071】本発明の化粧シートにおいて、表面シート
のうち少なくとも1層に、紫外線による各層の劣化を防
止して耐候性を向上させるため、ブリードを起こしにく
い紫外線吸収剤である2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベ
ンゾトリアゾールが含有されている。この紫外線吸収剤
の添加量は0.1〜5重量%である。添加量が0.1重
量%未満の場合、低濃度であるため紫外線吸収効果がほ
とんど現れなくなる。また、添加量が5重量%を超える
と、紫外線吸収剤のブリードが起こりやすくなる。
【0072】その他、上記の基材シートに添加できるも
のと同様な紫外線吸収剤を、表面シートにブリードが発
生しない範囲で併用することもできる。さらに、ラジカ
ル捕捉剤からなる光安定剤を添加することもできる。
【0073】ラジカル捕捉剤としては、ビス−(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セパゲ
ート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジニル)セパゲート、その他、例え
ば、特公平4−82625号公報記載の化合物等のヒン
ダードアミン系ラジカル捕捉剤や、ピペリジル系ラジカ
ル捕捉剤等を使用することができる。このラジカル捕捉
剤の添加量は0.1〜5重量%である。
【0074】なお、オレフィン系樹脂中にヒンダードア
ミン系ラジカル捕捉剤からなる光安定剤を添加する場合
には、オレフィン系樹脂だけでなくオレフィン系樹脂に
隣接する接着剤層、印刷層等の層に、ウレタン樹脂、オ
レフィン系樹脂、ポリアミド樹脂等の、分子中に塩素原
子を含有しない樹脂を用いるのが好ましい。
【0075】オレフィン系樹脂またはオレフィン系樹脂
に隣接する層に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等
の、分子中に塩素原子を含有する樹脂を用いると、紫外
線または熱の作用により、これらの樹脂から脱塩素反応
で塩化水素が発生し、これがヒンダードアミン系ラジカ
ル捕捉剤と反応して、光安定剤としての作用を失活・阻
害するため、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤が耐候
性向上に寄与しなくなる。
【0076】表面シートの表面には、エンボス加工によ
り凹凸形状からなる模様を形成することもできる。本発
明の表面シートにエンボス加工を行うには、公知の枚
葉、あるいは輪転式のエンボス機を用い、加熱軟化させ
たオレフィン系樹脂を、エンボス版で加圧、賦形してか
ら冷却固定すればよい。
【0077】あるいは、樹脂の多層押し出しにより複層
からなる表面シートを形成する場合には、押し出し直後
に、安定した支えとなる水平な冷却ロールが2本以上入
ったステンレスベルト上に化粧シートを載せた形で、そ
のまま冷却ロールが2本以上入った凹凸付き無端ステン
レスベルトの直下に化粧シートを導入する。
【0078】これにより、化粧シートが高い冷却効率で
冷却されながら、化粧シート表面に高速でエンボス加工
が行われる。高温で多層熔融押し出しして冷却しながら
エンボス加工を行った場合、成形樹脂を再加熱して軟化
させる従来のエンボス加工方法に比較して、一般にエン
ボスの再現性は高い。
【0079】エンボス加工により形成される凹凸模様の
形状としては、木目導管溝、木目木肌、石板表面形状、
布目、梨地、砂目、線状等、またはそれらを組み合わせ
たものが挙げられる。さらに、凹凸模様の凹部に公知の
ワイピング法によって、着色インキ(または塗料)を充
填し着色してもよい。
【0080】本発明の化粧シートは、好適には、前記表
面シートの上層に、化粧シート表面の耐擦傷性を向上さ
せるための保護層が形成されていてもよい。保護層の膜
厚は、通常、1〜10μm程度とする。保護層に用いら
れる樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、フッ素樹
脂、珪素樹脂、紫外線又は電子線で硬化する多官能アク
リレート等があるが、好ましいものとして、例えば、ポ
リオールを主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化
剤)とする二液硬化型ウレタン樹脂が挙げられる。
【0081】オレフィン系樹脂を主材とする化粧シート
においては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体からなる
層を含有すると、層間の接着性および耐光密着性が低下
する傾向がある。そこで、保護層の主材として塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体を用いず、例えば、ポリオール
を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とする
二液硬化型ウレタン樹脂を用いることにより、上記のよ
うな層間接着性の低下を防ぐことができる。二液硬化型
ウレタン樹脂としては、上記の接着剤層に用いるのと同
様なポリオール、イソシアネートからなる二液硬化型ウ
レタン樹脂を用いることができる。
【0082】二液硬化型ウレタン樹脂の場合、より好ま
しくは、イソシアネート化合物中のイソシアネート基の
数(mol数)を、それと反応するポリオール中の水酸
基の数(mol数)より過剰とし、ウレタン結合を生じ
た後でも、過剰のイソシアネート基を多量に残留させる
とよい。その場合、イソシアネート基の数/水酸基の数
は、最大1.4程度である。
【0083】分子末端にイソシアネート基を有するプレ
ポリマーの分子鎖の骨格構造は任意であるが、具体的に
は、ウレタン結合を有するポリウレタン骨格、エステル
結合を有するポリエステル骨格、ポリブタジエン骨格等
である。適宜、これらの1種又は2種以上の骨格構造を
採用する。なお、分子鎖中にウレタン結合がある場合
は、このウレタン結合とも末端イソシアネート基が反応
して、アロファネート結合を生じて、このアロファネー
ト結合によっても架橋反応を起こす。
【0084】前記保護層には、化粧シートの耐光性向上
を目的として、紫外線吸収剤を含有させることができ
る。紫外線吸収剤としては、前記基材シートまたは表面
シートに含有させることができるものと同様のものを、
同程度の濃度(0.1〜5重量%)で使用することがで
きる。特に、紫外線吸収剤として、本発明のように、分
子中に水酸基を有する有機系の化合物を使用する場合、
保護層はイソシアネート基を有する樹脂を使用して形成
するのが好ましい。
【0085】本発明で用いるベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤は、オレフィン系樹脂中からブリードしにくい
ことを特徴とするが、完全にブリードが抑制されるわけ
ではない。したがって、紫外線吸収剤と保護層の樹脂を
上記のような組み合わせにしておくと、紫外線吸収剤の
一部がブリード(溶出)して保護層に入ったときに、そ
の紫外線吸収剤の水酸基と保護層中のイソシアネート基
とが反応してウレタン結合を形成し、保護層中に捕捉さ
れる。したがって、紫外線吸収剤の経時的なブリードが
ほぼ完全に防止される。上記のようなブリード防止方法
もあわせて採用することにより、ブリード防止効果をよ
り高くすることができる。
【0086】上記の基材シート、接着剤層および表面シ
ートが本発明の化粧シートの基本構成であり、さらに、
必要に応じて上記の印刷層、保護層が設けられる。上記
の基本的な化粧シート構成には、種々の変更を加えるこ
とができる。例えば、表面シートは、3層以上の表面シ
ートが積層された複層構造であってもよく、その場合、
各表面シートの樹脂は同質のものであっても、異質の樹
脂の組み合わせであってもいずれでもよい。
【0087】本発明の化粧シートは、各種の被着体に積
層させて使用することもできる。被着体が最終製品であ
り、その表面化粧のために化粧シートを積層する場合、
あるいは、必要に応じて化粧シートの力学的強度を補強
したり、隠蔽性を付与する場合に、被着体に化粧シート
裏面を積層する。
【0088】化粧シート自体の接着性により、熱融着等
で被着体に化粧シートを積層させることが可能な場合
は、化粧シート裏面に接着剤層を設けなくともよい。ま
た、化粧シート自体では被着体と接着しない場合は、適
当な接着剤を用いて化粧シートを積層させる。
【0089】被着体材料のうち、各種素材の平板、曲面
板等の板材、立体的形状物品、シート(あるいはフィル
ム)のいずれにも用いられる素材としては、杉、松、
檜、樫、ラワン、チーク、メラピー等、各種樹種からな
る木材単板、木材合板、集成材、パーティクルボード、
中密度繊維板(MDF)等の木質材、鉄、アルミニウム
等の金属、ポリカーボネート樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレンビニルアセテート共重合体、ポリ
エステル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、オレ
フィン系樹脂、ABS樹脂、フェノール樹脂、ポリ塩化
ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ゴム等の樹脂等があ
る。
【0090】被着体材料のうち、もっぱら板材、あるい
は立体形状物品として用いられる素材としては、ガラ
ス、陶磁器等のセラミックス、ALC(発泡軽量コンク
リート)等のセメント、ケイ酸カルシウム、石膏等の非
セメント窯業系材料等がある。もっぱらシート(あるい
はフィルム)として用いられる素材としては、上質紙、
和紙等の紙、あるいは炭素、石綿、チタン酸カリウム、
ガラス、合成樹脂等の繊維からなる不織布または織布等
がある。
【0091】これら各種被着体への積層方法としては、
例えば、(1)接着剤を介して板状基材に加圧ローラー
で加圧して積層する方法、(2)特公昭50−1913
2号公報、特公昭43−27488号公報等に記載され
るように、化粧シートを射出成形の雌雄両金型に挿入し
て、両金型を閉じ、雄型のゲートから熔融樹脂を射出充
填した後、冷却して、樹脂成形品の成形と同時に、その
表面に化粧シートを接着積層する、いわゆる射出成形同
時ラミネート方法、(3)特公昭56−45768号公
報、特公昭60−58014号公報等に記載されるよう
に、成形品の表面に、化粧シートを間に接着剤層を介し
て対向ないしは載置し、成形品からの真空吸引による圧
力差により、化粧シートを成形品表面に積層する、いわ
ゆる真空プレス積層方法、(4)特公昭61−5895
号公報、特公平3−2666号公報等に記載の、円柱、
多角柱等の柱状基材の長軸方向に、化粧シートを間に接
着剤層を介して供給しつつ、複数の向きの異なるローラ
ーにより、柱状体を構成する複数の側面に順次化粧シー
トを加圧接着して積層していく、いわゆるラッピング加
工方法、(5)実公大15−31122号公報、特開昭
48−47972号公報等に記載の、まず化粧シートを
板状基材に接着剤層を介して積層し、次いで板状基材の
化粧シートとは反対側の面に、化粧シートと板状基材と
の界面に到達させ、断面がV字状、またはU字状の溝を
切削し、次いで、該溝内に接着剤を塗布した上で、該溝
を折り曲げ箱体、または柱状体を成形する、いわゆるV
カットまたはUカット加工方法等がある。
【0092】また、本発明の化粧シートを凹凸立体物に
貼り合わせる方法としては、前記方法のうち、(4)ラ
ッピング加工法、(5)Vカット加工法、(2)射出成
形同時ラミネート法、(3)真空プレス積層法等が好ま
しい。
【0093】本発明の化粧シートは、必要に応じて各種
被着体に積層させ、所定の成形加工等を施して、各種用
途に用いることができる。本発明の化粧シートの用途と
しては、例えば、壁、天井、床等の建築物の内装、窓
枠、扉、扉枠、手摺り等の建具の表面化粧、箪笥等の家
具またはテレビ等の家電、OA機器キャビネットの表面
化粧、自動車、電車等の車両内装、航空機内装、窓ガラ
スの化粧等が挙げられる。
【0094】本発明の化粧シートは、オレフィン系樹脂
からなる表面シートを有する化粧シートにおいて、紫外
線吸収剤としてオレフィン系樹脂との相溶性が高く、樹
脂中で拡散移動しにくい化合物を用いているため、紫外
線吸収剤が表面に析出しにくい。したがって、特に、光
照射の強い環境等、高い耐光性が要求される箇所で使用
される化粧シートに、好適に利用することができる。
【0095】
【実施例】(実施例1)本発明の化粧シートに使用され
る紫外線吸収剤(2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’
−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾ
トリアゾール)をオレフィン系樹脂に添加した場合の樹
脂フィルムの透過率およびヘイズ(%)の経時的な変化
について、図1および表1に示す。
【0096】実施例1は、オレフィン系樹脂層の単層構
造であり、オレフィン系樹脂としては、アイソタクチッ
クポリプロピレン80重量部とアタクチックポリプロピ
レン20重量部からなるポリプロピレン系熱可塑性エラ
ストマーを用いた。図1は、上記の樹脂に、紫外線吸収
剤(2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,
α−ジメチルベンジル)フェニル)ベンゾトリアゾー
ル)を0.8重量%、ヒンダードアミン系ラジカル捕捉
剤を0.4重量%、それぞれ添加したものである。膜厚
は100μmであり、熔融押出法により成膜されたもの
を用いた。
【0097】(比較例1)実施例1のシートにおいて、
紫外線吸収剤を2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−
ジ−tert−ブチルフェニル)−クロロベンゾトリア
ゾール0.8重量部に変更し、それ以外は実施例1と同
一のシートを作製し、比較例1とした。
【0098】実施例(図1)を、比較例1(従来例、図
3)と比較すると、実施例1の方が透過率の上昇が少な
く、紫外線吸収剤の効果が高いことがわかる。また、表
1においてヘイズの増大について比較した場合も、実施
例1の方がヘイズの経時的変化が小さく、紫外線吸収剤
のブリードが抑制されていることがわかる。
【0099】表1、図1および図3に示す評価結果は、
各試験片を40、60または80、100℃の各温度で
168時間加熱して、紫外線吸収剤のブリードを促進さ
せ、各試験片の透過率を測定することにより得られたも
のである。表1に示すヘイズ(曇価、単位%)は、JI
S K7105に基づいて拡散光透過率(Td )と全光
線透過率(Tt )を測定し、その比(Td /Tt )×1
00として求めた。また、図1および図3は、透過率を
波長250〜700nmの範囲で測定したものである。
【0100】(実施例2)図2に本実施例の化粧シート
の断面図を示す。本実施例の化粧シートは、実施例1の
基材シート1上層に印刷層2が形成され、その上層に接
着剤層3を介して表面シート4が積層され、最上層に保
護層5が形成された構造を有する。
【0101】基材シート1としては、チタン白、カーボ
ンブラック、弁柄および黄鉛からなる着色顔料により不
透明な黄褐色の着色が施された、膜厚100μmの高密
度ポリエチレン系フィルムを用いる。高密度ポリエチレ
ン系フィルムとしては、高密度ポリエチレン60重量部
に対し、水素添加スチレンブタジエンゴム10重量部、
および無機充填剤として炭酸カルシウム粉末10重量部
が添加された組成のものを用いる。基材シート1の高密
度ポリエチレン系フィルムには、上記の各添加物の他、
ヒンダードアミン系酸化防止剤を添加する。
【0102】上記の高密度ポリエチレン系フィルムを易
接着性とするため、フィルムの表裏両面にコロナ放電処
理を施す。オレフィン系樹脂の臨界表面張力は、通常、
室温において30(dyne/cm)程度であるが、コ
ロナ放電処理によりフィルム表面の濡れを大きくすると
50(dyne/cm)程度となる。
【0103】基材シート1上にグラビア印刷により木目
柄を印刷し、印刷層2を形成する。印刷インキは、バイ
ンダーがアクリルポリオールと1,6−ヘキサメチレン
ジイソシアネートとからなるアクリルウレタン樹脂、顔
料が弁柄、カーボンブラックを主体とするものを用い
た。
【0104】印刷層2上層に、アクリルポリオールと
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとからなる二
液硬化型アクリルウレタン系の、ドライラミネート用接
着剤をグラビアロールコート方式により7g/m2 (d
ry)で塗布し、接着剤層3を形成する。
【0105】接着剤層3上に形成される表面シート4と
しては、実施例1のシートを用いた。具体的には接着剤
層3上に、押し出し機を用いて、熔融状態の表面シート
用樹脂を押し出し、直ちに樹脂表面にコロナ放電処理を
行ってから、木目導管形状に表面加工された冷却金属ロ
ールに導入して、表面シート4を冷却固化する。これに
より、表面にエンボス加工が施された表面シート4が形
成される。表面シートの膜厚は100μmとした。
【0106】さらに、アクリルウレタン系樹脂を塗布す
ることにより保護層5を形成する。保護層5の樹脂とし
ては、相転移温度90℃で分子量80,000であるア
クリルポリオールを固形樹脂として23重量%、酢酸エ
チルを溶媒として50重量%、その他、イソシアネート
成分として1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、
さらに、消泡剤とワックスを微量に(1重量%未満)含
有するような組成の二液硬化型樹脂を用いる。これによ
り、図3に断面図を示す本実施例の化粧シートが得られ
る。
【0107】(比較例2)実施例2において、表面シー
トに比較例1のシートを使用した以外は、実施例2と同
様の構成であるシートを作製し、比較例2の化粧シート
とした。
【0108】上記のようにして得られた実施例2と比較
例2の化粧シートを、サンシャインウェザオメータ耐候
性試験機にかけ、ブラックパネル温度63℃、降雨時間
18分/120分の条件で、表面シート側を1000時
間曝露した。試験後、各化粧シートの外観を目視評価し
た。実施例1は、表面の白化や変褪色が見られなかっ
た。一方、比較例1は表面が著しく白化した。以上のよ
うに、本実施例の化粧シートは従来の化粧シートに比較
して、高い耐候性を示した。
【0109】
【発明の効果】本発明の化粧シートによれば、オレフィ
ン系樹脂からなる表面シートを有する化粧シートにおい
て、紫外線吸収剤として、樹脂との相溶性が高く拡散移
動しにくい化合物を選択することにより、表面シート中
に含有される紫外線吸収剤の経時的な、あるいは加熱加
工時のブリードを抑制することができる。さらに、ブリ
ードに起因した層間密着性および耐候性の低下を防止す
ることができるため、化粧シートの耐熱性・耐候性を改
善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に示すオレフィン系樹脂フィ
ルムの透過率を表すグラフである。
【図2】本発明の実施例2に示す化粧シートの断面図で
ある。
【図3】従来の比較例1に示すオレフィン系樹脂フィル
ムの透過率を表すグラフである。
【符号の説明】
1…基材シート、2…印刷層、3…接着剤層、4…表面
シート、5…保護層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪本 亨 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (72)発明者 河野 和保 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AA08H AA21H AA23H AA37 AB23H AH07B AH07H AK03B AK05 AK07 AK73 AL09 AT00A BA02 BA03 BA10B CA07B CA13 CA23 CC03 GB07 HB00B HB31 JJ03 JL00 JL09

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シート上に、オレフィン系樹脂からな
    る表面シートが形成された化粧シートにおいて、 前記オレフィン系樹脂は、2−(2’−ヒドロキシ−
    3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニ
    ル)ベンゾトリアゾールを含有することを特徴とする、 化粧シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002052665A (ja) * 2000-08-11 2002-02-19 Dainippon Printing Co Ltd 壁 紙
JP2009096107A (ja) * 2007-10-18 2009-05-07 Toppan Printing Co Ltd 化粧シート
JP2015000744A (ja) * 2013-06-17 2015-01-05 関西チューブ株式会社 化粧料用チューブ容器及びその製造方法
JP2015212509A (ja) * 2014-04-17 2015-11-26 東海興業株式会社 成形品

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