JP4967227B2 - 高吸水性粒状肥料の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高吸水性粒状肥料およびその製造方法に関する。詳しくは吸水性が高く、吸水しても強度が強く、水稲側条施肥田植機用として好適な高吸水性粒状肥料およびその製造方法に関する。
粒状肥料の吸水量が小さいと、肥料が水に濡れた際粒子表面の濡れが早く、付着や肥料同士の固結が起こり易くなる。また吸水時の圧壊強度が小さいと、肥料の強度が低く崩壊し易くなり、更に粒子表面の濡れも速く、付着や固結が起こり易くなる。このため色々なところに付着して、肥料が適正に施用されずに生育不良を起こすことがある。
特に、水稲側条施肥田植機(水稲稚苗の条植と同時に、条植と一定の間隔に、一定の土の深さに肥料をパイプを通して条施する機械)を用いた田植においては、この条施する肥料の送り出しパイプの出口部において肥料が水と直接接触するため、吸水量および圧壊強度が小さいと、粒子表面の濡れが速く、このため濡れによるパイプへの付着が起こり易くなり、しばしばこのパイプ出口部で肥料詰りを発生して、肥料が施用されずに生育不良を起こす。特に降雨時の施肥においては、前記パイプ部への付着が更に激しくなって施肥作業が困難となり好ましくない。
水稲側条施肥田植機用の粒状肥料として、下記の(1)〜(5)を満足するものが適しているとされている(非特許文献1参照。)。
(1)粒度:粒径が2〜4mmに大部分が収まり、機械施肥に支障が無いこと。
(2)硬度:粒径2.0〜2.8mmのものについての圧壊強度の平均が2kgf以上。
(3)水分:1.0重量%以下。
(4)安息角:40度以下(三輪式円筒回転法による)。
(5)吸湿性:製品の固結等理化学的品質に悪影響を及ぼさず、機械施肥に支障を生じさせないこと。
しかしながら、この規格に収まる従来の水稲側条施肥田植機用の粒状肥料でも、水を吸水させてゆくと、吸水量が大きくなるにしたがって粒子の強度が弱くなってゆき、次第に粒子形状が崩れ、最終的には溶解してしまう。それ故、降雨や多湿条件の中で施肥した場合は、水稲側条施肥田植機内で肥料が固結したり、パイプが詰まったりして肥料が適正に施用されなくなることがある。従って、水分や湿度に強く且つ吸水しても充分な硬度を有する粒状肥料が求められていた。
粒状肥料として、酸化マグネシウム、燐酸成分、加里成分および/または窒素成分等を含む肥料原料にP濃度として25〜35重量%の燐酸液およびアンモニアを添加しつつ45〜75℃の温度条件下に造粒した後、45〜75℃の温度条件下で乾燥して得られる燐酸マグネシウムアンモニウムを主成分とする苦土含有粒状肥料が知られている(特許文献1参照。)。
しかしながら、この粒状肥料は、主成分である燐酸マグネシウムアンモニウムは6水和物に近い結合水を持ち、遊離水分も高く、圧壊強度が低い。また、吸水量は十分でなく、かつ吸水時の圧壊強度も不十分である。
また、燐酸又は燐酸と硫酸の混酸中に中和当量以下のアンモニアを添加し、発熱せしめつつ蛇紋岩又は塩基性苦土塩類を添加反応せしめたる後、更に硫安、硫加等の如き窒素及び加里成分を添加混合して固化したものを堆積熟成し、これを粉砕した後、造粒乾燥して得られる苦土含有粒状肥料が知られている(特許文献2参照。)。
しかしながら、この粒状肥料は、圧壊強度は高いが、吸水量が極めて低く不十分である。
このように、吸水性が高く、吸水しても強度が強く、水稲側条施肥田植機用として好適な高吸水性粒状肥料として十分に満足できるものは知られていない。
「くみあい肥料の品質および銘柄取扱いの考え方」平成14年7月JA全農肥料農薬部 発行 特公平2−43708号公報 特公昭34−6212号公報
本発明の目的は、吸水性が高く、吸水しても強度が強く、特に水稲側条施肥田植機用として好適な高吸水性粒状肥料およびその製造方法を提供することにある。
かかる事情下に鑑み、本発明者等は吸水性が高く、吸水しても強度が強い粒状肥料について鋭意検討した結果、酸化マグネシウム、燐酸成分、加里成分および/または窒素成分等を含む肥料原料に、P濃度として25〜35重量%の燐酸液、HSO濃度が50〜85重量%の硫酸液およびアンモニアガスを添加しつつ80〜100℃の温度条件下に中和・造粒しながら造粒物のpHを7〜8とすると、酸化マグネシウムとの発泡を伴った激しい反応もなく、燐酸マグネシウムアンモニウムが生成するとともに、造粒操作および状態も容易且つ良好であり、更に造粒物を105〜130℃の温度条件下に乾燥することにより、低水分で、形状も良好な粒状肥料が得られ、このようにして得られた粒状肥料は吸水量が高く、かつ吸水時の圧壊強度も高いことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、粒状肥料に対して4重量%の水を吸水させた時の、粒径が2.0〜2.8mmの肥料粒子の平均圧壊強度が2〜4kgfであることを特徴とする高吸水性粒状肥料であり、4重量%の吸水量を有する粒状肥料は従来にないものであり、また吸水時の圧壊強度も高いものである。
また、本発明の高吸水性粒状肥料の最大吸水量は4〜8重量%と従来にないものであり、4〜8重量%も吸水しても形状を維持し得るものである。
また、本発明の高吸水性粒状肥料の好ましい例としては、N、P、MgOの3成分またはN、P、KO、MgOの4成分を含む、またはこれらに硼素成分および/またはマンガン成分を含む、苦土含有粒状肥料である。
また、このような高吸水性粒状肥料は、水稲側条施肥田植機用として好適である。
このような高吸水性粒状肥料を配合してなる配合肥料も、吸水性が高く、付着や固結を起こし難い。
このような高吸水性粒状肥料を用いて水稲の栽培を行うことによって、より確実に施肥され、水稲がむらなく生育する。
更に、このような高吸水性粒状肥料は、酸化マグネシウム、燐酸成分および窒素成分を含む肥料原料、酸化マグネシウム、燐酸成分、加里成分および窒素成分を含む肥料原料、またはこれらに硼素成分および/またはマンガン成分を含む肥料原料に、P濃度として25〜35重量%の燐酸液、HSO濃度が50〜85重量%の硫酸液およびアンモニアガスを添加しつつ80〜100℃の温度条件下に中和・造粒しながら造粒物のpHを7〜8とした後、105〜130℃の温度条件下で乾燥することによって製造される。
本発明の高吸水性粒状肥料は吸水量が高く、かつ吸水時の圧壊強度も高い。このことによって粒状肥料の付着が起こり難く、肥料が適正に施用される。従って、水稲側条施肥田植機用として好適であり、条施する肥料の送り出しパイプ出口の肥料と水が直接接触する部分での粒状肥料の付着が殆ど見られず、このため肥料詰りを発生することがなく、その結果、肥料が適正に施用されて生育不良を起こすことがなくなる。
以下、本発明を更に詳細に述べる。
本発明の高吸水性粒状肥料の粒径は、特に限定されるものではないが、施肥性能等から、特に水稲側条施肥田植機で使用する際の肥料の繰り出しのし易さ等から、約2〜4mmが好ましい。
本発明の高吸水性粒状肥料の最大吸水量は約4〜8重量%である。最大吸水量とは後述するように、パン型造粒機を傾斜角45度、回転数50rpmで操作し、粒状肥料を転動させながら吸水させた時に、粒状肥料が転動しなくなった時までに吸水した量を表す。4〜8重量%とは、室温において有り姿の粒状肥料100重量部に吸水した水が4〜8重量部であることを表し、有り姿の粒状肥料に含まれる水分は含まない。
本発明の高吸水性粒状肥料は、粒状肥料に対して4重量%の水を吸水させた時の、粒径が2.0〜2.8mmの肥料粒子の平均圧壊強度が2〜4kgfである。すなわち、従来にない4重量%という高い吸水量であっても平均圧壊強度が2kgf以上であり、水稲側条施肥田植機を用いた田植においても、パイプへの付着が起こり難く、パイプ出口部で肥料詰りを発生することも少ない。従って、より確実に施肥され、水稲がむらなく生育する。
なお、吸水量や圧壊強度は温度によって変るが、本発明においては、室温における値である。約20〜30℃の範囲ではこれらの値は殆ど変らない。
本発明の高吸水性粒状肥料を製造する方法の一例を説明する。
製造する際に使用する肥料原料は、(1)酸化マグネシウム、(2)燐酸1アンモニウム、燐酸2アンモニウム、過燐酸石灰および重過燐酸石灰等からなる群より選ばれた少なくとも一種の燐酸成分、(3)塩化加里および硫酸加里等からなる群より選ばれた少なくとも一種の加里成分、および(4)硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、尿素、硝酸アンモニウム、硝酸苦土アンモニウム、硝酸ソーダ、硝酸カルシウム、硝酸カリウム、石灰窒素、ホルムアルデヒド加工尿素肥料(UF)、アセトアルデヒド加工尿素肥料(CDU)、イソブチルアルデヒド加工尿素肥料(IBDU)、グワニール尿素(GU)、魚かす、魚荒かす、干魚肥料、魚節煮粕、肉粕、肉骨粉、蒸製てい角粉、蒸製毛粉、乾血、蒸製皮革粉、干蚕蛹、蚕蛹油かす、絹紡蚕蛹くず、大豆油かす、菜種油かす、米ぬか油かす、アミノ酸副産肥料、乾燥酵母肥料、乾燥菌体肥料、醗酵副産肥料、活性汚泥肥料、醗酵乾ぷん肥料、加工家きんふん肥料等からなる群より選ばれた少なくとも一種の窒素成分等を組み合わせて得られるものであり、N―P―MgOからなる3成分系肥料原料またはN―P―KO―MgOからなる4成分系肥料原料、あるいはこれらにホウ砂等の硼素成分、硫酸マンガン等のマンガン成分等の植物の生育に必要な要素を含有させた肥料原料である。
従って、得られる粒状肥料は、N、P、MgOの3成分またはN、P、KO、MgOの4成分を含む、あるいはこれらに硼素成分および/またはマンガン成分を含む、苦土含有粒状肥料である。
本発明において使用される燐酸液は、通常、湿式燐酸液が用いられ、P濃度として約25〜35重量%の濃度範囲に調整されたものが使用される。この際、P濃度として約35重量%を超える燐酸液を用いた場合には、造粒時に酸化マグネシウムとの発泡を伴った激しい反応が起こるため、良好な形状品質の造粒物が得られ難くなる。
また、P濃度として約25重量%未満の燐酸液を用いた場合には、造粒過程で行なわれる燐酸マグネシウムアンモニウムの生成反応が遅くなり、製品品質上好ましい結果を生じ難くなる。
本発明において使用される硫酸液は造粒温度を約80〜100℃に調整するために用いられる。通常、工業用硫酸液が用いられ、HSO濃度で約50〜85重量%の濃度範囲に調整されたものが使用される。例えば、造粒温度を高い温度にする場合には、HSO濃度と量を上げ、造粒温度を低くする場合にはHSO濃度と量を下げて行われる。この際、硫酸液中のHSO濃度が約85重量%を超える場合には、造粒時にアンモニアとの発泡を伴った激しい反応が起こるため、前記と同様に良好な形状品質の造粒物が得られ難くなる。
また、50重量%未満である場合には、造粒温度の調整が困難となり、製品品質上好ましい結果を生じ難くなる。
本発明において使用される酸化マグネシウムは純粋である必要はなく、例えば、天然のマグネサイト鉱石(主成分は炭酸マグネシウム)を約800〜900℃程度にか焼して得られるMgO含量が約80〜95重量%程度の工業用軽焼マグネシアで十分であり、その使用量は所望する肥料品種に応じて適宜調節されるが、通常は、製品中の枸溶性マグネシウム(C・MgO)が約4〜15重量%、好ましくは約5〜10重量%になる範囲から選ばれる。
本発明において、造粒物を得るための方法としては、例えば、通常採用されている回転ドラム式造粒機あるいは皿型造粒機等の造粒機を用い、これらに所望する品種に応じて配合された肥料原料を導入しながら、P濃度として約25〜35重量%の燐酸液、HSO濃度が約50〜85重量%の硫酸液およびアンモニアガスを添加しつつ約80〜100℃、好ましくは約85〜95℃の造粒温度で中和・造粒しながら造粒物のpHを約7〜8、好ましくは約7.2〜7.6とする方法が採られる。pHの調整は、通常、添加する硫酸液またはアンモニアの量を調整することによって行われる。
この際の造粒機内に添加される燐酸液の量は、造粒機に導入される酸化マグネシウムを燐酸マグネシウムアンモニウムにするに必要な最少限度量である。この燐酸液の添加方法としては、特に制限されることはないが、肥料原料と良く混合させて反応が均一に行なわれるようにスプレー添加するのが望ましい。
また、硫酸液の添加方法についても肥料原料と良く混合させて反応が均一に行なわれるようにスプレー添加するのが望ましい。
また、アンモニアガスの添加方法についても肥料原料と良く混合させて、反応が均一に行なわれるように、造粒機の入口から出口までの間において分割添加するのが望ましい。
造粒時に酸化マグネシウムは燐酸およびアンモニアと反応して燐酸マグネシウムアンモニウムを生成するが、本発明においては、この生成する燐酸マグネシウムアンモニウムの水に対する溶解度を小さくするために造粒物のpHを約7〜8の弱アルカリ側とするのが好ましい。一般に、燐酸マグネシウムアンモニウムは酸性になるほど水に対する溶解度が増加し、アルカリ性になるほど水に対する溶解度が小さくなることは良く知られている。また、一般に、燐酸マグネシウムアンモニウムは結合水を有するが、57℃以下では6水塩、57℃以上80℃以下では6水塩と1水塩の混合物、80℃以上では1水塩の形態となることは良く知られている。本発明では、これらの内1水塩の形態となる温度条件下において製造される。
次いで造粒物は、例えば回転ドラム式、あるいは棚式等の乾燥機を用いて、温度を約105〜130℃、好ましくは約110〜120℃に保持して乾燥される。
造粒物の温度を約130℃を超える温度に保持して乾燥する場合には、乾燥過程において造粒物中の燐酸マグネシウムアンモニウムがアンモニアを放出し始めるため、製品品質上好ましくなくなる。また約105℃よりも低い場合には乾燥効率が低下して含有水分が上昇するため製品品質上好ましくない。
次いで乾燥物は、常法により篩別され、製品粒子は取り出される一方、篩上品は粉砕後篩下品と共に循環品として造粒過程に戻される。
本発明の高吸水性粒状肥料の吸水量が高く、かつ高吸水時の圧壊強度も高い理由は明らかではないが、吸水量が高い理由については、造粒を燐酸マグネシウムアンモニウムの1水塩となる低い結合水になる温度条件下で行ない、次いで更に高い温度で乾燥するために得られる粒子の結合水分および遊離水分が極めて少なく、このようにして得られる粒状肥料は水を結合水として取り込む能力が高いため、吸水量が高くなると推察される。
また、高吸水時の圧壊強度が高い理由については、以下のとおり推察される。造粒を弱アルカリ側で行なうことにより、水に対する溶解度のより小さい燐酸マグネシウムアンモニウムが生成する。一般に、塩類はそれを構成するイオン間の結合が強ければ水に溶け難く、融点や圧壊強度も高く、イオン間の結合が弱いと水によく溶け、融点や圧壊強度は低くなる。本発明の主成分である燐酸マグネシウムアンモニウムは水に対する溶解度が小さく、得られる粒子の圧壊強度は高い。また、吸水させた水はこの水に対する溶解度の小さい燐酸マグネシウムアンモニウムの結合水として取り込まれるため吸水時の圧壊強度が高く保たれている。
本発明の粒状肥料は1種を単独で用いても良く、また2種以上を混用または併用しても良い。また、本発明の粒状肥料は必要に応じ、植物病害防除剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤、肥料および土壌改良剤からなる1種以上と混用または併用することも出来る。
本発明の粒状肥料を被覆尿素肥料等と配合し配合肥料とすることもできる。配合肥料は、通常、本発明の粒状肥料を約75重量部に被覆尿素肥料を約25重量部配合して得られる。この配合肥料は、従来の配合肥料に比べ、吸水性が高く、付着や固結を起こし難い。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は特記しない限り全て重量部および重量百分率を示す。
また、吸水量、圧壊強度、水分の測定は以下の方法で行った。
(1)4重量%の水を吸水させた粒状肥料の作製
室温下に、市販のパン型造粒機(容器:ステンレス、容器寸法:240mmφ×75mm、傾斜角度:45度、回転数:50rpm)に粒状肥料300gを入れ、転動させながら電動ビュレットを使用し、水を0.2g/秒の添加速度で、転動する粒状肥料の上部より一分間添加(合計12g:4重量%)し、吸水させた。
(2)最大吸水量の測定
上記(1)と同様にして、室温下に、粒状肥料300gに水を0.2g/秒の添加速度で転動する粒状肥料の上部より添加し、粒状肥料が転動しなくなるまで添加し、転動しなくなった時までの吸水量を測定し、最大吸水量とした。
(3)平均圧壊強度の測定
木屋式硬度計(圧壊強度測定器)を用いて、粒径が2.0〜2.8mmの粒子の20個について測定し、その平均を平均圧壊強度とした。
(4)粒状肥料の水分の測定
財団法人日本肥糧検定協会発行の肥料分析法に記載の水分の項に準じて測定した。
実施例1
直径0.6m、深さ0.15mの皿型造粒機を使用して次の成分;
アンモニア態窒素(AN):10%、枸溶性燐酸(C.P):14%、枸溶性加里(C.KO):10%、枸溶性マグネシウム(C.MgO):6%
を有する粒状肥料を下記のとおり製造した。
皿型造粒機に軽焼マグネシア〔枸溶性マグネシウム(C.MgO):84%〕78部、燐酸2アンモニウム〔N:18%、可溶性燐酸(S.P):46%〕69部、硫安141部、塩化加里179部、石膏113部、循環品(篩上粉砕品と篩下品の混合物、以下同じ)2000部を供給混合し、この混合物に室温下に、P濃度として32%の燐酸液364部およびHSO濃度が70%の硫酸液215部をスプレー添加しながらアンモニアガス85部を供給して回転数24rpm、造粒時間10分間の条件下で造粒した。
造粒時に軽焼マグネシアとの発泡を伴った激しい反応は起こらず造粒状態は良好であった。そして造粒物の温度は92℃迄上昇した。得られた造粒物のpHは7.4であった。
次いで造粒物の温度を110〜120℃に保持して乾燥して粒状肥料を得た。
次にこの粒状肥料の一部を篩別して粒径2.0〜2.8mmの粒状肥料とした。この粒状肥料の水分は0.91%で、平均圧壊強度は5.2kgfであった。
一方、得られた粒状肥料に吸水させ、最大吸水量を測定した。また4重量%吸水させ、篩別して4重量%吸水した粒径2.0〜2.8mmの粒状肥料を得、平均圧壊強度を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
直径0.6m、深さ0.15mの皿型造粒機を使用して実施例1と同じ成分を有する粒状肥料を下記のとおり製造した。
皿型造粒機に軽焼マグネシア〔枸溶性マグネシウム(C.MgO):84%〕78部、燐酸1アンモニウム〔N:9.7%、可溶性燐酸(S.P):48%〕15部、硫安375部、塩化加里179部、石膏35部、循環品2000部を供給混合し、この混合物に室温下に、P濃度として30%の燐酸液387部をスプレー添加しながらアンモニアガス34部を供給して回転数24rpm、造粒時間10分間の条件下で造粒した。
造粒時に軽焼マグネシアとの発泡を伴った激しい反応は起こらず造粒状態は良好であったが、造粒物の温度は48℃迄しか上昇しなかった。得られた造粒物のpHは6.4であった。
次いで造粒物の温度を55〜60℃に保持して乾燥して粒状肥料を得た。
次にこの粒状肥料の一部を篩別して粒径2.0〜2.8mmの粒状肥料とした。この粒状肥料の水分は6.3%で、平均圧壊強度は2.8kgfであった。
一方、得られた粒状肥料に吸水させ、最大吸水量を測定した。また4重量%吸水させ、篩別して4重量%吸水した粒径2.0〜2.8mmの粒状肥料を得、平均圧壊強度を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
直径0.6m、深さ0.15mの皿型造粒機を使用して実施例1と同じ成分を有する粒状肥料を下記のとおり製造した。
皿型造粒機に水酸化マグネシウム〔枸溶性マグネシウム(C.MgO):64%〕102部、硫安306部、塩化加里179部、石膏191部、循環品2000部を供給混合し、この混合物に温度105℃、P濃度として38%でN/P2O5モル比が1.5の燐酸アンモニウムスラリー液387部をスプレー添加して回転数24rpm、造粒時間10分間の条件下で造粒した。
造粒時に水酸化マグネシウムとの発泡を伴った激しい反応は起こらず造粒状態は良好であったが、造粒物の温度は45℃迄しか上昇しなかった。得られた造粒物のpHは6.7であった。
次いで造粒物の温度を100〜105℃に保持して乾燥して粒状肥料を得た。
次にこの粒状肥料の一部を篩別して粒径2.0〜2.8mmの粒状肥料とした。この粒状肥料の水分は0.46%で、平均圧壊強度は5.6kgfであった。
一方、得られた粒状肥料に吸水させ、最大吸水量を測定した。また4重量%吸水させ、篩別して4重量%吸水した粒径2.0〜2.8mmの粒状肥料を得、平均圧壊強度を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004967227
表1に示すとおり、本発明の粒状肥料は、吸水量および吸水時の平均圧壊強度が格段に優れている。また、本発明の粒状肥料は、最大吸水量まで吸水させた時の平均圧壊強度は2kgf以上であり、多量に吸水した時においてもなお水稲側条施肥田植機用に好適な粒状肥料の条件を満足するものである。
実施例2、比較例3〜4
実施例1、比較例1および比較例2の粒状肥料に対して4重量%の水を添加、混合したものを、田植と同時に側条施肥田植機を用いて下記の条件下に側条施肥し、その施肥時の状態を観察した。結果を表2に示す。
側条施肥田植機:PQ4 (イセキ農機株式会社製の4条植え)。
肥料施用量:60kg/10a で設定。
施用時の気象状態:気温24〜26℃、降雨量0mm、湿度71〜73%。
Figure 0004967227

表2に示すとおり、本発明の粒状肥料は多量に吸水した場合でもなお側条施肥田植機を使用しての施肥が良好に出来ること、および水稲は順調に生育することが認められた。
実施例2
実施例1で得られた粒状肥料(N−P−KO−MgO=10%−14%−10%−6%)75部と下記の(1)〜(3)からなる被覆粒状肥料25部とを配合して配合肥料を得た。
(1)特開平9−208355号公報に記載の方法に準じて製造された「被覆尿素20日タイプ」(ウレタン被覆尿素、N=43%、25℃静置水中で尿素態窒素の溶出が10日目で40%以下、20日目で約80%)5部、
(2)特開平9−202683号公報に記載の方法に準じて製造された「被覆尿素100日タイプ」(ウレタン被覆尿素、N=41%、25℃静置水中で尿素態窒素の溶出が10日目で40%以下、100日目で約80%)13部、および
(3)特開平9−202683号公報に記載の方法に準じて製造された「被覆尿素120日タイプ」(ウレタン被覆尿素、N=41%、25℃静置水中で尿素態窒素の溶出が10日目で40%以下、120日目で約80%)7部
この配合肥料は、従来の配合肥料に比べて、吸水性が高く、付着や肥料同士の固結が起こり難い。





Claims (1)

  1. 酸化マグネシウム、燐酸成分および窒素成分を含む肥料原料、酸化マグネシウム、燐酸成分、加里成分および窒素成分を含む肥料原料、またはこれらに硼素成分および/またはマンガン成分を含む肥料原料に、P濃度として25〜35重量%の燐酸液、HSO濃度が50〜85重量%の硫酸液およびアンモニアガスを添加しつつ80〜100℃の温度条件下に中和・造粒しながら造粒物のpHを7〜8とした後、105〜130℃の温度条件下で乾燥することを特徴とする高吸水性粒状肥料の製造方法。
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