JP2005272218A - 粒状複合肥料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (1)湿式燐酸液、(2)湿式燐酸液と鉱酸液、または(3)湿式燐酸液のアンモニア中和スラリーと鉱酸液と、固体肥料とを造粒機に供給し、混合しつつアンモニアで中和しながら造粒し、次いで加熱乾燥、冷却、篩別して粒状複合肥料を製造する方法において、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムの合計含有量が80重量%以上である石灰石および/またはドロマイトを固体肥料100重量部に対して0.1〜5重量部添加して造粒することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
水稲側条施肥田植機用として好適な粒状複合肥料としては、(1)粒径の大部分が約2〜4mmであること、(2)粒径2〜2.8mmのものの平均圧壊強度が約2kgf/cm2以上であること、(3)吸水量が大きいこと等が必要であるが、前記従来の方法で得られた粒状複合肥料は上記の(1)、(2)の項目は満足するものの、(3)の項目、すなわち吸水量は十分でない。
特に、水稲側条施肥用田植機(水稲稚苗の条植と同時に、条植と一定の間隔に、一定の土の深さに肥料をパイプを通して条施する機械)を用いた田植えにおいては、この条施する肥料の送り出しパイプの出口部において肥料が水と直接接触するため、吸水量が小さいと、粒子表面の濡れが速く、このため濡れによるパイプへの付着が起こり易くなり、このためしばしばこのパイプ出口部で肥料詰りを発生して、肥料が施用されずに生育不良を起こす。
しかしながら、この方法に於いては炭酸ガスを除去した燐酸質肥料とし、さらに湿式燐酸液を添加して造粒し、乾燥するため、得られる粒状燐酸質肥料の吸水量は十分なものではない。
すなわち本発明は、(1)湿式燐酸液、(2)湿式燐酸液と鉱酸液、または(3)湿式燐酸液のアンモニア中和スラリーと鉱酸液と、固体肥料とを造粒機に供給し、混合しつつアンモニアで中和しながら造粒し、次いで加熱乾燥、冷却、篩別して粒状複合肥料を製造する方法において、炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムの合計含有量が80重量%以上である石灰石および/またはドロマイトを固体肥料100重量部に対して0.1〜5重量部添加して造粒することを特徴とする粒状複合肥料の製造方法である。
本発明における固体肥料は、(1)尿素、硫安、硝安、塩安およびウレアホルムからなる群より選ばれた少なくとも一種の窒素質肥料、(2)燐安、過燐酸石灰および重過燐酸石灰からなる群より選ばれた少なくとも一種の燐酸質肥料および(3)塩化加里および硫酸加里からなる群より選ばれた少なくとも一種の加里質肥料を組み合わせて得られる肥料であって、窒素質肥料および燐酸質肥料からなる2成分系肥料、燐酸質肥料および加里質肥料からなる2成分系肥料、または窒素質肥料、燐酸質肥料および加里質肥料からなる3成分系肥料、あるいはこれらにマグネシウム、硼素、マンガン等植物の生育に必要な要素を含有させた肥料である。
(1)湿式燐酸液、(2)湿式燐酸液と鉱酸液、または(3)湿式燐酸液のアンモニア中和スラリーと鉱酸液の量は、その種類、組成や固体肥料の種類等によって異なるが、通常、固体肥料100重量部に対して約15〜40重量部、好ましくは約20〜35重量部である。
添加方法は特に制限されることはなく、当該分野で公知の方法が適用し得る。一般的には、回転円筒や回転皿等の造粒装置に固体肥料および循環品と共に添加する方法が採られる。
また、実施例に於いて吸水量は以下の方法で測定した。
500mlのガラス製ビーカーに粒状複合肥料100gを入れ、撹拌しながら水を除々に添加し、水が浸透しなくなった時の水の量を測定し、吸水量を求めた。
固体肥料として硫安4180g、塩化加里2281g、燐酸2アンモン718g、石膏791gと、天然産のドロマイト(成分:炭酸カルシウム 64.2%、炭酸マグネシウム 32.5%)239g(固体肥料100部に対して3部)を皿型造粒機に供給し、転動させながら、P2O5濃度が40%の湿式燐酸液2625gをスプレーして添加し、次いで、アンモニアガス453gをガス管を使用して転動物内に添加しながら造粒した。次いで乾燥して硫燐安系粒状複合肥料[肥料成分:13−13−13(13−13−13はN−P2O5−K2Oとしての含有%を示す。)]を得た。次いで篩別して粒径2〜4mmの粒状複合肥料を得た。この粒状複合肥料の水分は0.77%であった。
このようにして得た硫燐安系粒状複合肥料の吸水量を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
天然産のドロマイトの添加を行わない以外は、実施例1と同様の方法で硫燐安系粒状複合肥料を製造した。この粒状複合肥料の水分は0.74%であった。
このようにして得た硫燐安系粒状複合肥料の吸水量を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
固体肥料として硫安740g、尿素1740g、塩化加里2777g、燐酸2アンモン1912g、石膏758gと、天然産の石灰石(成分:炭酸カルシウム 83.8%、炭酸マグネシウム 13.3%)79g(固体肥料100部に対して1部)を皿型造粒機に供給し、転動させながら、湿式燐酸液を使用して得たP2O5濃度が40%の1.3(N/P2O5モル比、以下同じ。)燐酸アンモニウムスラリー2000gと、67.5%の硫酸液500gをスプレーして添加し、次いで、アンモニアガス213gをガス管を使用して転動物内に添加させながら造粒した。次いで、乾燥して尿素燐安系粒状複合肥料[肥料成分:16−16−16(16−16−16はN−P2O5−K2Oとしての含有%を示す。)]を得た。次いで篩別して粒径2〜4mmの粒状複合肥料を得た。この粒状複合肥料の水分は0.53%であった。
このようにして得た尿素燐安系粒状複合肥料の吸水量を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
天然産の石灰石の添加を行わない以外は、実施例2と同様の方法で尿素燐安系粒状複合肥料を製造した。この粒状複合肥料の水分は0.50%であった。
このようにして得た尿素燐安系粒状複合肥料の吸水量を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
固体肥料として硫安3365g、硫酸加里2534g、燐酸1アンモン1160g、石膏656gと、天然産のドロマイト(成分:炭酸カルシウム 64.2%、炭酸マグネシウム 32.5%)77g(固体肥料100部に対して1部)を皿型造粒機に供給し、転動させながら、湿式燐酸液を使用して得たP2O5濃度が45%の0.5燐酸アンモニウムスラリー1111gと、67.5%の硝酸液1530gをスプレーして添加し、次いで、アンモニアガス339gをガス管を使用して転動物内に添加させながら造粒した。次いで乾燥して硝燐安系粒状複合肥料[肥料成分:13−10−12(13−10−12はN−P2O5−K2Oとしての含有%を示す。)]を得た。次いで篩別して粒径2〜4mmの粒状複合肥料を得た。この粒状複合肥料の水分は0.43%であった。
このようにして得た硝燐安系粒状複合肥料の吸水量を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
天然産のドロマイトの添加を行わない以外は、実施例3と同様の方法で硝燐安系粒状複合肥料を製造した。この粒状複合肥料の水分は0.44%であった。
このようにして得た硝燐安系粒状複合肥料の吸水量を前記の方法で測定した。結果を表1に示す。
Claims (3)
- (1)湿式燐酸液、(2)湿式燐酸液と鉱酸液、または(3)湿式燐酸液のアンモニア中和スラリーと鉱酸液と、固体肥料とを造粒機に供給し、混合しつつアンモニアで中和しながら造粒し、次いで加熱乾燥、冷却、篩別して粒状複合肥料を製造する方法において、
炭酸カルシウムおよび炭酸マグネシウムの合計含有量が80重量%以上である石灰石および/またはドロマイトを固体肥料100重量部に対して0.1〜5重量部添加して造粒することを特徴とする粒状複合肥料の製造方法。 - 固体肥料が、(1)尿素、硫安、硝安、塩安およびウレアホルムからなる群より選ばれた少なくとも一種の窒素質肥料、(2)燐安、過燐酸石灰および重過燐酸石灰からなる群より選ばれた少なくとも一種の燐酸質肥料および(3)塩化加里および硫酸加里からなる群より選ばれた少なくとも一種の加里質肥料を組み合わせて得られ、窒素質肥料および燐酸質肥料からなる2成分系肥料、燐酸質肥料および加里質肥料からなる2成分系肥料、または窒素質肥料、燐酸質肥料および加里質肥料からなる3成分系肥料である請求項1記載の粒状複合肥料の製造方法。
- 粒状複合肥料が水稲側条施肥田植機用である請求項1記載の粒状複合肥料の製造方法。
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