JP4963966B2 - リニアモータ冷却装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記の事情を背景として為されたものであり、可動部がコイルを備えたリニアモータを冷却する装置の冷却性能の向上を課題とする。
上記課題はまた、直線的な固定部と、その固定部を囲む筒状コイルを備えてその固定部に沿って移動可能な可動部とを含むリニアモータを冷却する装置を、(A)前記筒状コイルの外側面に密着し、あるいは前記筒状コイルの線材同士の隙間に充填されるとともにその筒状コイルの外周を覆う樹脂の外側面に密着した集熱部と、その集熱部の一端から前記筒状コイルの中心線から遠ざかる向きに前記可動部の外部まで延び出し、前記集熱部により集熱された熱を可動部外へ放出する放熱部とを備えた放熱部材と、(B)その放熱部材の前記放熱部に前記可動部の移動方向と平行な方向に延びる状態で設けられたフィンとを含むものし、かつ、前記放熱部を前記可動部の外側面から片持ち状に突出させ、その突出部の基端部を除く部分に前記フィンを設け、そのフィンと、前記放熱部の基端部を除く部分とを覆うダクトを、前記固定部に沿って延び、前記可動部の移動に伴って前記放熱部および前記フィンが移動する空間を覆う状態で静止して設け、かつ、そのダクト内の換気を行う換気装置を設けることにより解決される。
可動部が筒状コイルとその筒状コイルの外側を覆う樹脂モールドとを備えたリニアモータの冷却装置が、放熱部材およびフィンを含むものである場合には、コイルへの電流供給により発生した熱は、その多くがコイルに近接した集熱部により集められるとともに、放熱部によって樹脂モールドの外部へ放出される。放熱部に伝達された熱はまた、フィンからも放出され、放熱面積が大きく、放熱が十分に為され、可動部が効果的に冷却される。フィンは可動部の移動方向と平行な方向に延びる状態で設けられており、フィンを可動部の移動方向と交差する方向に設ける場合のように、可動部の移動に抵抗を与えることがなく、しかも、可動部の移動に伴って生じる可動部周辺の空気の流れによってフィンから熱が効果的に奪われ、より良好に冷却が為される。
また、冷却が十分に為されるため、可動部の温度上昇を抑えつつコイルへの供給電流を増大させ、推力を増大させることができ、リニアモータにより駆動される部材の熱膨張による歪の発生を抑え、制御精度を確保しつつ、リニアモータを必要な推力が得られ、容積が小さく、安価なものとすることができる。
換気装置は、ダクト内に空気を押し込む空気押込装置でもよく、ダクト内の空気を吸い出す空気吸引装置でもよく、その両方でもよい。ただし、ダクト内の温められた空気がダクト壁の隙間から外部に漏れることを回避する観点からすれば、少なくとも空気吸引装置を設けることが望ましい。空気押込装置として、例えば、コンプレッサ,ブロア,ファンを使用することができ、空気吸引装置として、例えば、バキュームポンプ,アスピレータ(流体として液体を使用するものでも気体を使用するものでもよい),ブロア,ファンを使用することができる。
本リニアモータ冷却装置においては、放熱部材の集熱および放熱作用によって可動部の冷却が十分に為されるとともに、放熱によって温められた放熱部周辺の空気がリニアモータ周辺に拡散し、周辺部材の温度を上昇させることがダクトにより防止される。また、ダクト内の空気は換気装置により換気され、ダクト内にダクト外から空気が取り入れられるとともに、放熱により温められた空気がダクトを通って、リニアモータが設けられた機械の外や、その機械から離れた場所等、機械に影響を与えず、熱気が排出されても支障のない場所へ強制的に排気され、作業環境の悪化やリニアモータ周辺部材,装置の温度上昇およびそれによる機械的熱変形等を抑制することができる。さらに、ダクト内の空気が換気装置によって換気される際にダクト内に生じさせられる空気の流れによって放熱部が冷却される効果も得られる。
さらにまた、ダクトおよび換気装置が固定部側に設けられており、可動部に設けられる場合に比較して可動部を軽くすることができ、可動部の加,減速時の振動が低減させられる。また、可動部を移動させる推力が小さくて済み、コイルへの供給電流を減少させ、消費電力量および発熱量を低減させることができる。冷却性能の向上によるリニアモータの小形化と合わせて、リニアモータを更に容積が小さく、安価なものとすることもできる。
なお、ダクトは放熱部が移動する空間を覆うが、放熱部のダクト内を移動する部分と、ダクト外を移動する部分との間の部分に対応する部分は空けられ、放熱部の移動を許容するようにされる。ダクトは、放熱部の移動方向の全体にわたって外に開かれる開口部を有することとなるのであるが、この開口部は放熱部の通過時以外は閉じられていることが望ましく、例えば、ダクトに開閉可能な遮蔽部材を設け、放熱部の通過時には開口部を開いて放熱部の移動を許容し、通過後は閉じてダクト内からの空気の漏れを防止するようにすることが望ましい。
前記コイルに近接した集熱部とその集熱部から前記可動部の外部まで延び出し、集熱部により集熱された熱を可動部外へ放出する放熱部とを備えた放熱部材と、
その放熱部材の前記放熱部に前記可動部の移動方向と平行な方向に延びる状態で設けられたフィンと
を含むリニアモータ冷却装置。
リニアモータは、可動部が筒状を成し、固定部を囲む状態で配置されて固定部に沿って移動する筒形リニアモータでもよく、可動部が概して平板状を成し、固定部と対向して配置されて固定部に沿って移動する平板形リニアモータでもよい。また、直線的な固定部と、コイルを備えて固定部に沿って移動可能な可動部とを含むリニアモータであればよく、請求可能発明は、リニア同期モータ,リニア誘導モータ,リニアステッピングモータ,リニア直流モータ等、種々のリニアモータの冷却装置に適用可能である。(14)項に記載のリニアモータ冷却装置についても同様である。
(2)前記可動部が前記コイルの外側を覆う樹脂モールドを備え、前記放熱部材の前記集熱部が、それらコイルと樹脂モールドとの間に配設され、前記放熱部が樹脂モールドの一部を貫通して外部に延びさせられた(1)項に記載のリニアモータ冷却装置。
コイルは線材同士の隙間に樹脂が充填されたものであっても、充填されていないものであってもよい。前者の場合には集熱部が充填樹脂の表面に密着し、後者の場合には集熱部がコイルの外側面に密着する状態で配設されることが望ましい。コイルの線材同士の隙間に樹脂が充填される場合、樹脂は空気に比較して熱伝導率が高いため、コイル内周部から外周部への熱伝達が促進される。リニアモータがコイルがコアにより保持されず、コアを有さないコアレスリニアモータである場合には、集熱部は充填樹脂の表面あるいはコイルの外側面に密着する状態で配設される。リニアモータがコイルがコアにより保持されるコア付きモータであり、コアを有する場合、集熱部を充填樹脂の表面あるいはコイルの外側面に密着させることができないのであれば、集熱部を直接コアに密着させればよい。
コイルは樹脂モールドにより覆われて、保護されているが、集熱部は樹脂モールドを介することなく、コイルに直接接触させられ、あるいは直接接触させられているに等しく(線材同士の隙間に樹脂が充填される場合)、あるいはコアを介してではあるがコイルに極く近接して配設され、十分に熱を集めて放熱部から放熱することができる。樹脂モールドは放熱部材より熱伝導率が低く、集められた熱が樹脂モールドに伝達されることは少なく、可動部の外において放熱部から効果的に放出される。
(3)前記コイルが筒状を成し、前記集熱部がその筒状コイルの外周の80%以上を覆う状態で配設された(1)項または(2)項に記載のリニアモータ冷却装置。
放熱部材はコイルのほぼ全体から熱を集めて外部に放出することができる。コイルが筒状を成し、その内周側に固定子が配設されて磁界が形成される場合、磁気回路を遮断することなくコイルの外周全体を集熱部によって覆うことができ、集熱を効果的に行うことができる。
コイルは、例えば、円筒状を成すものでもよく、中心線に直角な断面形状が長方形,正方形等の四角形等、多角形状を成すものでもよい。
(4)前記放熱部が、前記筒状コイルの中心線に対してほぼ対称の2つの位置から互いに逆向きに延び出させられた(3)項に記載のリニアモータ冷却装置。
コイルのほぼ全体から集められた熱がコイルの両側においてそれぞれ放出され、放熱が均等にかつ効果的に行われる。
「ほぼ対称」とは、2つの位置が対称である場合および対称からやや外れた位置であっても、対称と言い得る場合を含む。
(5)前記放熱部材が、前記筒状コイルの周方向においてほぼ半分の部分を覆う半筒状を成す集熱部とその集熱部の一端から筒状コイル中心線から遠ざかる向きに延び出す放熱部とを備えた放熱板を2枚含み、放熱部が互いに反対向きに延び出す状態で配設された(4)項に記載のリニアモータ冷却装置。
集熱部および放熱部を有する放熱部材の板材からの成形、および筒状コイルへの装着が容易になる。
(6)前記放熱部が前記可動部の外側面から片持ち状に突出させられ、その突出部に前記フィンが設けられた(1)項ないし(5)項のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置。
放熱部は可動部の外側面に沿って延びるようにすることも可能であるが、外側面から片持ち状に突出する状態とすればフィンを突出部の両面に設けることが可能となる。また、次項に記載のとおり、突出部の基端部を除く部分にフィンを設ければ、放熱部およびフィンが移動する空間をダクトによりほぼ完全に覆うことが可能となる。
(7)前記突出部の基端部を除く部分に前記フィンが設けられ、そのフィンと放熱部の基端部を除く部分とを覆うダクトが、前記固定部に沿って延び、前記可動部の移動に伴って前記放熱部および前記フィンが移動する空間を覆う状態で静止して設けられた(6)項に記載のリニアモータ冷却装置。
フィンから放出された熱により温められた空気が周辺に拡散し、周辺部材,装置の温度を上昇させることがダクトにより防止される。ダクトは、放熱部が移動する空間を覆う状態で静止して設けられており、可動部の移動領域全体にわたって加熱空気拡散防止効果が得られる。また、可動部の移動に伴って生じるフィンと周辺の空気との相対移動がダクトにより確保され、フィンが確実に冷却される。
(8)前記可動部に支持されて可動部と一緒に移動し、前記フィンに沿った方向の冷却風を生じさせるファンを含む (1)項ないし(6)項のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置。
フィンは、可動部の移動により生ずる空気の相対移動によって冷却される上、ファンによって強制的に生じさせられる風によっても冷却され、放熱が十分に為される。
(9)前記フィンが、前記可動部の移動方向における中間部から両端の各々に向かって延びている第一フィンと第二フィンとを含み、前記ファンがそれら第一フィンと第二フィンとの各々に対して設けられた第一ファンと第二ファンとを含む(8)項に記載のリニアモータ冷却装置。
第一,第二ファンにより、第一,第二フィンのそれぞれについて、可動部の移動方向に平行な方向において正逆いずれかの方向に冷却風を生じさせることができる。
フィンを第一,第二フィンを含むものとすれば、第一フィンと第二フィンとの間にスペースが設けられ、風の取り入れ口あるいは排出口として利用することができ、ファンによる送風に基づいて種々の態様で冷却を行うことができる。
(10)前記第一ファンと前記第二ファンとが前記第一フィンと前記第二フィンとの前記中間部側の端に近接して設けられた(9)項に記載のリニアモータ冷却装置。
(11)前記第一ファンと前記第二ファンとが前記第一フィンと前記第二フィンとの前記中間部側とは反対側の端に近接して設けられた(9)項に記載のリニアモータ冷却装置。
(12)前記第一ファンと前記第二ファンとが前記中間部に向かって流れる冷却風を生じさせるものであり、前記中間部に、第一ファン側から中間部に流れる冷却風と第二ファン側から中間部に流れる冷却風とを前記可動部から離れる向きに流れるように案内する導風部材が設けられた(9)項ないし(11)項のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置。
第一,第二ファンにより生じさせられた冷却風は、いずれも可動部の移動方向における中間部に向かって流れるが、導風部材の案内により可動部から離れる向きに流れさせられるため、上記中間部においてぶつかり合って中間部近傍における流速が低下することが回避される。
(13)前記フィンを覆って前記可動部の移動方向に平行に延びるダクトを含む(1)項ないし(6)項および(8)項ないし(12)項のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置。
ダクトは可動部と共に移動し、可動部の移動に伴って生じる風をフィンに沿って流れさせ、冷却を促進する。
また、ファンを備えたリニアモータ冷却装置においては、ファンによりダクト内に冷却風が生じさせられ、フィンが確実に冷却風に晒されて冷却が効率良く行われる。
(14)直線的な固定部と、コイルを備えて固定部に沿って移動可能な可動部とを含むリニアモータの冷却装置であって、
前記コイルに近接した集熱部とその集熱部から前記可動部の外部まで延び出し、集熱部により集熱された熱を可動部外へ放出する放熱部とを備えた放熱部材と、
前記固定部に沿って延び、前記可動部の移動に伴って前記放熱部が移動する空間を覆うダクトと、
そのダクト内の空気を換気する換気装置と
を含むリニアモータ冷却装置。
(15)前記放熱部材の前記放熱部に前記可動部の移動方向と平行な方向に延びる状態で設けられたフィンを含む(14)項に記載のリニアモータ冷却装置。
コイルに発生した熱は放熱部から放出されるとともに、フィンからも放出され、コイルが良好に冷却される。
(16)前記換気装置が、前記ダクトの長手方向の少なくとも一端部に設けられた送風機を含む(14)項または(15)項に記載のリニアモータ冷却装置。
送風機として、例えば、ファン,ブロアが使用される。
換気装置をダクトの長手方向の一端部に設ける場合、送風機はダクトに空気を送り込む送り込み送風機としてもよく、ダクトから空気を吸い出す吸気送風機としてもよい。送風機をダクトの長手方向の両端部に設ける場合、一方が送り込み送風機、他方が吸気送風機とされ、ダクト内の空気が確実に換気される。
(17)前記換気装置が、主ダクトとしての前記ダクトの一端部に接続された接続ダクトと、その接続ダクトの先端部に設けられた送風機とを含む(14)項または(15)項に記載のリニアモータ冷却装置。
接続ダクトの先端部に設けられる送風機を送り込み送風機とすることも可能であるが、吸気送風機とすれば、主ダクトの一端にのみ接続ダクトを設ければよく、また、ダクト壁の隙間等から温かい空気が周辺へ漏れることを容易に防止し得る。接続ダクトの先端部に設けられる送風機は、複数の発熱部に対して共通に設けることも可能である。例えば、1台の機械に複数の電動モータ(リニアモータを含む)のような発熱部が設けられることが多く、その場合に、それら複数の発熱部の各々に設けられた主ダクトにそれぞれ接続ダクトを接続するとともにそれら接続ダクトを合流させ、合流部の下流側にブロア等の送風機を設けるのである。この態様にすれば、暖かい空気を完全に機械外へ排出することが容易となる。
作業ラインを構成する複数の機械の各々における少なくとも1つの接続ダクトの合流部に更に接続ダクトを接続するとともに合流させ、その合流部の下流側に送風機を設けてもよい。
さらに、複数の作業ラインについて、各ラインの最下流の接続ダクト合流部に接続ダクトを接続するとともに合流させ、その合流部の下流側に送風機を設けてもよい。
(21)直線的な固定部と、コイルを備えて固定部に沿って移動可能な可動部とを含むリニアモータと、
前記固定部の両側に、それぞれ固定部と平行に設けられた一対のガイドレールと、
それら一対のガイドレールに案内される一対のスライダと、
それら一対のスライダに固定された被駆動部材と、
(1)項ないし(17)項のいずれかに記載の冷却装置と
を含み、前記放熱部材の前記放熱部が前記可動部から、前記一対のガイドレールの各々に向かって互いに反対向きに一対延び出させられた直線移動装置。
(22)前記コイルが概して中空円筒状をなし、その中空円筒状のコイルの中空部を前記固定部が貫通する一方、そのコイルの中心線,前記一対の放熱部および前記一対のガイドレールが一平面に沿って配設された(21)項に記載の直線移動装置。
コイルの中心線,一対の放熱部および一対のガイドレールがすべて正確に一平面上に配置されることが理想であるが、実施例の項において説明するように、それらのいずれかが一平面から僅かに外れた位置に配置されてもよい。ほぼ一平面に沿って配設されていればよいのである。
(23)前記放熱部材を一対含み、各放熱部材が、前記中空円筒状のコイルの外周面の互いに直径方向に隔たった2箇所をそれぞれ覆う部分円筒状の集熱部を備え、それら集熱部の各々から前記放熱部が延び出させられた(21)項または(22)項に記載の直線移動装置。
(24)前記一対のガイドレールに対して前記被駆動部材とは反対側に配設されて一対のガイドレールを支持するベースを含み、かつ、そのベース,前記一対のガイドレール,前記一対のスライダ,および前記被駆動部材に囲まれて前記リニアモータが配設され、全体として、前記一対のガイドレールの離間方向の寸法が、前記ベースと前記被駆動部材との離間方向の寸法より大きい扁平な形状を有する(21)項ないし(23)項のいずれかに記載の直線移動装置。
また、リニアモータ12が駆動源とされ、リニアエンコーダ54の位置検出に基づいてテーブル18の位置が制御されることにより、高い制御精度が得られる。回転モータが駆動源とされる場合、被駆動部材である移動部材との間にねじ軸およびナットを含む運動変換機構が設けられるため、移動部材の移動量は回転モータの作動量と厳密には対応せず、運動変換機構の弾性変形に起因する不確定な変動成分を含むこととなる。そのため、たとえ移動部材の位置がリニアエンコーダにより検出され、その検出結果に基づいて回転モータの作動が制御されても、移動部材の位置が上記変動成分の変化の影響を受けることを避け得ず、位置決め精度の向上に限界がある。それに対し、リニアモータの場合、ねじ軸を介することなく、移動部材が直接駆動されるため、リニアエンコーダによる位置の検出結果に基づいてリニアモータが制御されれば、上記弾性変形に起因する不確定な変動成分が排除され、移動部材の位置が精度良く制御されるのである。
このように、リニアモータ12が良好に冷却されて各部の熱変形が低減させられることと、移動部材の位置制御がリニアモータ12とリニアエンコーダ54との組合わせにより運動変換機構の不確定な弾性変形の影響が排除されて行われることとの両方によって、X軸移動部材326およびY軸移動部材328が精度良く所定の位置へ移動させられ、装着ヘッド306が部品供給装置300から電子回路部品を取り出す部品取出位置や回路基板304に電子回路部品を装着する部品装着位置等の作業位置へ精度良く移動させられて、装着作業等が精度良く行われる。
本実施例のリニアモータ冷却装置110においては、複数のファンが可動子に支持されて可動子と一緒に移動し、フィンに沿った方向の冷却風を生じさせるようにされている。そのため、本実施例では、2枚の放熱板112の各集熱部114からそれぞれ延び出させられた放熱部116の可動子16の外側面から片持ち状に突出させられた突出部120は、図7および図8に概略的に示すように、可動子16の移動方向における中間部が切り欠かれて切欠部124が設けられ、突出部120の基端部122を除く部分には、切欠部124に対して可動子16の移動方向における一方の側の第1面たる上面126と第2面たる下面128とにそれぞれ、フィン130が複数ずつ、可動子16の移動方向と平行な方向に延びる状態で設けられている。突出部120の切欠部124の他方の側についても同様に、上面126と下面128とにそれぞれ、フィン132が複数ずつ設けられている。フィン130,132はそれぞれ、可動子16の移動方向における中間部から両端の各々に向かって延びているのであり、それらの間であって、切欠部124に対応する部分にスペース134が設けられている。
本実施例のリニアモータ冷却装置160においては、図9および図10に概略的に示すように、上記リニアモータ冷却装置110と同様にフィン130,132,ダクト136,138およびファン140,142が設けられ、可動子16と共に移動させられるが、フィン130,132から熱を奪った空気が、フィン130とフィン132との間のスペース134から排出されるようにされている。可動子16の移動方向の中間部から排気されるようにされているのである。
本実施例のリニアモータ冷却装置200においては、図11および図12に概略的に示すように、前記リニアモータ冷却装置160と同様にフィン130,132,ダクト136,138および導風板164が設けられ、可動子16と共に移動させられるが、ファン202,204が、フィン130,132の、可動子16の移動方向における中間部側の端に近接して設けられている。ファン202,204は、ダクト136,138の、可動子16の移動方向の中間部側の開口に設けられ、それぞれ、導風板164とフィン130,132との間に位置させられている。また、ファン202,204は、図12に示すように、その回転軸線が、可動子16の移動方向に平行な鉛直面内(テーブル180の板面に直角な方向)において、可動子16の移動方向に対して、フィン130,132から遠ざかるほど上方へ(テーブル180側へ)向かう向きに、すなわち排気方向に傾斜させられている。さらに、ダクト136,138の、可動子16の移動方向において中間部側とは反対側の開口部はそれぞれ、中間部から遠ざかるほど横断面積が大きくされ、テーパ状の案内部ないし導入部206,208が設けられている。図11においては、導入部206,208の図示は省略されている。
本実施例のリニアモータ冷却装置220は、図13に概略的に示すように、固定子に沿って延び、可動子の移動に伴って放熱部が移動する空間を覆い、ベースに固定して設けられた主ダクト222の一端部に接続された接続ダクト224と、その接続ダクト224の先端部に設けられた送風機の一種であるブロア226とを含む換気装置228を有する。リニアモータ冷却装置220は、例えば、前記リニアモータ冷却装置10と同様に、電子回路部品装着機に設けられ、X軸移動装置の駆動源であるリニアモータを冷却する。リニアモータ冷却装置220は、2枚の放熱板の各放熱部およびフィンを覆う2つのダクトを備え、それらダクトがそれぞれ主ダクト222を構成し、それら2つの主ダクト222の各一端部にそれぞれ接続ダクト224が接続される。なお、図13においては、主ダクトとしての2つの主ダクト222とそれらに接続された接続ダクト224とがそれぞれ、1つにまとめて図示されている。
電子回路部品装着機は、液晶パネルやプラズマ表示パネル等を構成するガラス基板に電子回路部品を装着する装着機でもよい。ガラス基板は、回路基板と同様に部品装着基板の一種である。
可動部の移動方向に平行な方向において一つであるフィンをダクトにより覆い、その両端部にそれぞれファンを設けて可動部と一緒に移動させてもよく、その場合にも、2つのファンは、ダクト内に空気を送り込む方向あるいはダクトから空気を吸い出す方向に回転させる。
これらの場合、ファンの回転により生じさせる冷却風の方向は、可動部の移動方向に応じて変えてもよく、変えなくてもよい。例えば、可動部の一方向において連続して移動する時間が長い場合、可動部の移動方向の下流側から上流側に向かう空気の流れを生じさせるようにファンを回転させる。
さらに、放熱部材が2枚の放熱板を含む場合、それら放熱板の各放熱部の高さ(テーブルの板面に直角な方向の位置)は同じにしてもよい。また、2枚の放熱板の各放熱部の上面(第1面)と下面(第2面)とにそれぞれフィンを設ける場合、全部のフィンの高さ(放熱部からの突出長さ)は同じにしてもよい。
さらに、放熱部材,フィンおよび導風部材は、アルミニウム合金の他、熱伝導率の高い金属材料、例えば、銅合金や鋼により作ってもよい。
また、導風部材を設けて冷却風を可動部から離れる向きに案内させる場合、冷却風を可動部の側方において、あるいは下方において可動部から離れる向きに案内するように導風部材を設けてもよい。
スペーサ,集熱部材は省略してもよい。また、リニアモータは、コイルがコアにより保持されたコア付きのリニアモータでもよい。
Claims (9)
- 直線的な固定部と、その固定部を囲む筒状コイルとその筒状コイルの外側を覆う樹脂モールドとを備えて前記固定部に沿って移動可能な可動部とを含むリニアモータを冷却する装置であって、
前記筒状コイルの外側面に密着し、あるいは前記筒状コイルの線材同士の隙間に充填されるとともにその筒状コイルの外周を覆う樹脂の外側面に密着した状態で、その筒状コイルと前記樹脂モールドとの間に配設された集熱部と、その集熱部の一端から前記筒状コイルの中心線から遠ざかる向きに、前記樹脂モールドの一部を貫通してその樹脂モールドの外部まで延び出し、前記集熱部により集熱された熱を前記樹脂モールドの外へ放出する放熱部とを備えた放熱部材と、
その放熱部材の前記放熱部に前記可動部の移動方向と平行な方向に延びる状態で設けられたフィンと
を含むことを特徴とするリニアモータ冷却装置。 - 直線的な固定部と、その固定部を囲む筒状コイルを備えてその固定部に沿って移動可能な可動部とを含むリニアモータを冷却する装置であって、
前記筒状コイルの外側面に密着し、あるいは前記筒状コイルの線材同士の隙間に充填されるとともにその筒状コイルの外周を覆う樹脂の外側面に密着した集熱部と、その集熱部の一端から前記筒状コイルの中心線から遠ざかる向きに前記可動部の外部まで延び出し、前記集熱部により集熱された熱を可動部外へ放出する放熱部とを備えた放熱部材と、
その放熱部材の前記放熱部に前記可動部の移動方向と平行な方向に延びる状態で設けられたフィンと
を含み、前記放熱部が前記可動部の外側面から片持ち状に突出させられ、その突出部の基端部を除く部分に前記フィンが設けられ、そのフィンと、前記放熱部の基端部を除く部分とを覆うダクトが、前記固定部に沿って延び、前記可動部の移動に伴って前記放熱部および前記フィンが移動する空間を覆う状態で静止して設けられ、かつ、そのダクト内の換気を行う換気装置が設けられたことを特徴とするリニアモータ冷却装置。 - 前記集熱部が前記筒状コイルの外周の80%以上を覆う状態で配設された請求項1または2記載のリニアモータ冷却装置。
- 前記フィンが、前記可動部の移動方向における中間部から両端の各々に向かって延びている第一フィンと第二フィンとを含み、それら第一フィンと第二フィンとの各々に対して設けられ、前記可動部に支持されて可動部と一緒に移動し、第一フィンと第二フィンとにそれぞれ沿って前記中間部に向かって流れる冷却風を生じさせる第一ファンと第二ファンとを含み、かつ、前記中間部に、第一ファン側から中間部に流れる冷却風と第二ファン側から中間部に流れる冷却風とを前記可動部から離れる向きに流れるように案内する導風部材が設けられた請求項1ないし3のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置。
- 前記放熱部材の前記集熱部と前記放熱部とが一体の部材により連続して形成された請求項1ないし4のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置。
- 前記放熱部材の前記集熱部および前記放熱部がヒートパイプにより構成された請求項1ないし5のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置。
- 前記可動部が前記筒状コイルを複数備え、前記放熱部材の前記集熱部がそれら複数の筒状コイルの外側面に密着させられ、あるいはそれら複数の筒状コイルの線材同士の隙間に充填されるとともにそれら筒状コイルの外周を覆う樹脂の外側面に密着させられた請求項1ないし6のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置。
- (a)直線的な固定部と、(b)その固定部を囲む中空円筒状のコイルを備えた可動部とを含み、その可動部が前記固定部に沿って移動可能なリニアモータと、
前記固定部の両側に、それぞれ固定部と平行に設けられた一対のガイドレールと、
それら一対のガイドレールに案内される一対のスライダと、
それら一対のスライダに固定された被駆動部材と、
請求項1ないし7のいずれかに記載のリニアモータ冷却装置と
を含む直線移動装置。 - (a)直線的な固定部と、(b)その固定部を囲む中空円筒状のコイルを備えた可動部とを含み、その可動部が前記固定部に沿って移動可能なリニアモータと、
前記固定部の両側に、それぞれ固定部と平行に設けられた一対のガイドレールと、
それら一対のガイドレールに案内される一対のスライダと、
それら一対のスライダに固定された被駆動部材と、
前記リニアモータを冷却する冷却装置と
を含む直線移動装置であって、前記冷却装置が、
前記筒状コイルの外側面に密着し、あるいは前記筒状コイルの線材同士の隙間に充填されるとともにその筒状コイルの外周を覆う樹脂の外側面に密着した集熱部と、その集熱部の一端から前記筒状コイルの中心線から遠ざかる向きに前記可動部の外部まで延び出し、前記集熱部により集熱された熱を可動部外へ放出する放熱部とを備えた放熱部材と、
その放熱部材の前記放熱部に前記可動部の移動方向と平行な方向に延びる状態で設けられたフィンと
を含むとともに、前記放熱部材が一対設けられ、それら一対の放熱部材の前記放熱部が前記可動部から、前記一対のガイドレールの各々に向かって互いに反対向きに一対延び出させられ、かつ、前記コイルの中心線,前記一対の放熱部および前記一対のガイドレールが一平面に沿って配設されたことを特徴とする直線移動装置。
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