JP2001008430A - モータ装置、ステージ装置、及び露光装置 - Google Patents

モータ装置、ステージ装置、及び露光装置

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JP2001008430A
JP2001008430A JP11169406A JP16940699A JP2001008430A JP 2001008430 A JP2001008430 A JP 2001008430A JP 11169406 A JP11169406 A JP 11169406A JP 16940699 A JP16940699 A JP 16940699A JP 2001008430 A JP2001008430 A JP 2001008430A
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magnet
magnets
motor device
magnetic pole
axis
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JP11169406A
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Keiichi Tanaka
慶一 田中
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動効率及び位置制御精度を向上したステー
ジ装置を提供する。 【解決手段】 軸方向に磁化された円筒型磁石34L,
34R,34LCと径方向に磁化された円筒型磁石34
N,34Sとを軸方向に沿って交互に配列して、磁極ユ
ニット30を構成する。この磁極ユニット38が発生す
る磁束密度は、高い磁束密度となる磁極ユニット38の
径方向の近傍においても軸方向に沿って緩やかに変化
し、含まれる高周波成分が小さくなっている。こうした
磁極ユニット38の径方向の近傍に周方向に電流が流れ
る複数の電機子コイルを軸方向に沿って配列した電機子
ユニットを配置して、各電機子コイルに電流を供給する
ことにより、軸方向の駆動力を効率的かつ制御性良く発
生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ装置、ステ
ージ装置、及び露光装置に係り、より詳細には可動子と
固定子とを有し、その可動子を1次元又は2次元駆動す
るモータ装置、該モータ装置の可動子が一体的に取り付
けられた移動体を含むステージ装置、及び該ステージ装
置を備えた露光装置の関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子、液晶表示素子等
を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレ
チクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成された
パターンを投影光学系を介してレジスト等が塗布された
ウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「感応
基板又はウエハ」という)上に転写する露光装置が用い
られている。こうした露光装置としては、いわゆるステ
ッパ等の静止露光型の投影露光装置や、いわゆるスキャ
ニング・ステッパ等の走査露光型の投影露光装置が主と
して用いられている。これらの種類の露光装置では、レ
チクルに形成されたパターンをウエハ上の複数のショッ
ト領域に順次転写する必要から、ウエハを保持して2次
元移動可能なステージ装置が設けられている。
【0003】かかるステージ装置には、高精度露光のた
めに高精度の位置制御性が求められており、また、露光
動作のスループット向上のために高速の位置制御性が求
められている。これに応じて、近年では、ウエハをより
高速に、機械的な案内面の精度等に影響されず高精度に
位置制御を行うとともに、機械的な摩擦を回避して長寿
命とするために、ウエハが載置されたテーブルを非接触
で駆動することにより、ウエハの位置制御を行うステー
ジ装置が開発されている。かかる非接触駆動のステージ
装置の駆動源としては、可変磁気抵抗駆動方式のリニア
パルスモータや、ローレンツ力による電磁力駆動方式を
採用したリニアモータが使用されている。
【0004】電磁力駆動方式はローレンツ力に基づく理
論的設計が容易であり、高帯域まで電流と推力との線形
性が良く、かつ無鉄心の場合には推力むらも少ないた
め、制御性に優れている利点があったが、可変磁気抵抗
駆動方式並みの駆動力を得ることが従来は困難であっ
た。しかし、最近における永久磁石の高性能化は目覚し
く、エネルギ積が40MGOe以上の高性能磁石が利用
可能となっており、電磁力駆動方式が脚光を集めつつあ
る。かかる高性能磁石は、例えば希土類物を焼結して製
造されるが、従来の低エネルギ積の永久磁石と比べて、
はるかに高い保磁力と残留磁束密度とを有しているとい
う特徴がある。このため、従来の低エネルギ積の永久磁
石を使用した場合には、減磁のために好ましくなかっ
た、同一の極性の磁極面を対向することが、高性能磁石
を使用した場合には可能となる。このことを利用して、
例えば特開平10−313566号公報では、所定軸を
中心軸とする円筒形状を有し、所定軸の軸方向(以下、
単に「軸方向」という)に磁化された円筒磁石を磁極面
が対向するように軸方向に直列に隙間無く接続して磁極
ユニットとし、前記円筒磁石と同軸にコイルを巻いて電
機子ユニットとするリニアモータが提案されている(以
下、「従来例」という)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来例のモータ装置で
は、軸方向に磁化された円筒磁石を磁極面が対向するよ
うに軸方向に直列に隙間無く接続して磁極ユニットを構
成しているので、周囲空間への磁極ユニットからの磁束
の流出位置又は周囲空間からの磁極ユニットへの磁束流
入位置は、円筒磁石の磁極面付近という軸方向に関して
非常に狭い領域となっていた。したがって、磁束ユニッ
トから径方向へ十分に離れたところでは、磁束密度の軸
方向の分布は電機子ユニットのコイルに供給される電流
の制御が容易な正弦(あるいは余弦)関数状となってい
るが、磁極ユニットの近傍では、磁束密度の軸方向の分
布は高周波成分を多く含むインパルス関数状となってい
た。一方、電機子ユニットのコイルを流れる電流と相互
作用して軸方向への駆動力を発生させる磁束密度の径方
向成分は、磁極ユニットの近傍では大きくなっている
が、磁極ユニットから径方向に遠ざかると急速に小さく
なっていた。
【0006】すなわち、軸方向の駆動力の発生に有利な
磁極ユニットの近傍では磁束密度の軸方向分布が高周波
成分を多く含むインパルス関数状であり、また、電機子
ユニットの電流制御に有利な磁極ユニットから径方向に
十分離れた位置では磁束密度の径方向成分が小さなもの
となっていた。このため、軸方向への駆動力に着目して
電機子ユニットのコイルを磁極ユニットの近傍に配置す
ると、軸方向に所望の駆動力を発生させるためには高調
波成分を含む複雑な電流パターンが必要とされるので、
駆動力制御ひいては位置制御を容易には行うことができ
なかった。一方、位置制御の容易性に着目して電機子ユ
ニットのコイルを磁極ユニットから径方向に十分離れた
位置に配置すると、磁束密度の径方向成分が小さく、大
きな駆動力を発生させようとすると大きな電流を必要と
し、効率的な駆動力の発生ができなかった。
【0007】本発明は、かかる事情の下になされたもの
であり、その第1の目的は、推力線形性及び位置制御性
に優れ、かつ効率的に大きな駆動力を発生することがで
きるモータ装置を提供することにある。
【0008】また、本発明の第2の目的は、搭載した対
象物を高速に移動可能であり、かつ高精度の位置制御が
可能なステージ装置を提供することにある。
【0009】また、本発明の第3の目的は、対象物の高
速移動及び高精度位置決めによって、スループットを向
上して高精度の露光を行うことができる露光装置を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のモータ装置は、
磁極ユニット(38)と電機子ユニット(49)とを電
磁相互作用により所定の軸に沿って相対移動させるモー
タ装置において、前記磁極ユニットが、前記所定の軸を
中心軸とする筒状の形状を有し、前記所定の軸の軸方向
に磁化され、前記軸方向に沿って所定間隔で配設された
複数の第1磁石と(34L,34R);前記所定の軸を
中心軸とする筒状の形状を有し、径方向に磁化され、前
記第1の磁石の配列において隣り合う前記第1磁石の間
に配設された複数の第2磁石(34N,34S)とを備
え、前記磁極ユニットが、前記軸方向に沿って変化する
磁束密度を発生することを特徴とする。
【0011】これによれば、軸方向に磁化された第1磁
石と径方向に磁化された第2磁石とが軸方向に沿って交
互に配列されるので、周囲空間への磁極ユニットからの
磁束の流出位置又は周囲空間からの磁極ユニットへの磁
束流入位置は、第2磁石の磁極面であり、十分に広い領
域となる。このため、磁極ユニット近傍における磁束密
度の軸方向の分布は緩やかに変化し、含まれる高調波成
分が小さくなる。すなわち、磁極ユニットの近傍では、
磁束密度の径方向成分が大きく、かつ、磁束密度の軸方
向の分布を緩やかに変化するので、軸方向の駆動力を効
率的かつ制御性良く発生することができる。
【0012】また、同極性の磁極面同士を接合する場合
に生じる大きな反発力を回避することができるので、磁
極ユニットの組み立て、ひいてはモータ装置の組み立て
が容易となる。
【0013】本発明のモータ装置では、前記第1磁石が
前記所定の軸を中心軸とする円筒状の形状を有するとと
もに、前記第2磁石が前記所定の軸を中心軸とする円筒
状の形状を有し、前記磁極ユニットが前記所定の軸を中
心軸としてほぼ回転対称の磁束密度を発生する構成とす
ることができる。かかる場合には、磁極ユニットが所定
の軸を中心軸としてほぼ回転対称の磁束密度を発生する
ので、電機子ユニットを所定の軸を中心軸とする円筒型
のコイルで構成することにより、所定の軸を中心軸とし
て軸対称となるローレンツ力をコイルの各位置に発生さ
せることができるので、簡単な電機子ユニットの構成を
採用しつつ、駆動力の制御を容易に行うことができる。
【0014】また、本発明のモータ装置では、第1磁石
及び第2磁石の軸方向の配列において、第1磁石と第2
磁石とを離間させることも勿論可能であるが、前記第2
磁石を、前記軸方向の両側の前記第1磁石と隣接させる
ことも可能である。かかる場合には、磁極ユニットが占
める空間における磁石の占有率を高めることができ、起
磁力を大きくできるので、磁極ユニットの占有体積を低
減しつつ、磁束密度を高めることができる。なお、第1
磁石と第2磁石とを隣接させる構成とするときには、双
方の磁石を高い保磁力と残留磁束密度とを有する高性能
磁石とすることが必須となる。
【0015】また、本発明のモータ装置では、前記複数
の第1磁石の配列において隣り合う前記第1磁石の磁化
方向が互いに反対向きであり、前記複数の第2磁石の配
列において隣り合う前記第2磁石の磁化方向が互いに反
対向きである構成とすることができる。かかる場合に
は、第2磁石ごとに、その第2磁石の起磁力とその第2
磁石と隣り合う2つの第1磁石の起磁力との和の起磁力
に応じた磁束を、第2磁石の一方の磁極面から放出ある
いは第2磁石の一方の磁極面に流入させることができる
ので、軸方向に沿って周期的に変化する磁束密度を効率
的に発生することができ、連続的な高精度の位置制御を
容易に行うことができる。
【0016】ここで、前記第1磁石の磁極面の極性を、
その磁極面が対向する前記第2磁石の円筒外側面の磁極
面の極性と同一とし、前記電機子ユニットを、前記第1
磁石及び前記第2磁石の径方向外側に配設することがで
きる。かかる場合には、電機子ユニットが配置される磁
極ユニットの径方向外側に、軸方向に沿って周期的に変
化する磁束密度を効率的に発生することができるので、
電機子ユニットの電流経路に電流を供給することによ
り、効率的にローレンツ力を発生することができる。
【0017】なお、上記のように電機子ユニットを磁極
ユニットの径方向外側に配置することは、電機子ユニッ
トを可動子とし、磁極ユニットを固定子とする場合に好
ましい構成である。一方、電機子ユニットを固定子と
し、磁極ユニットを可動子とする場合には、電機子ユニ
ットを磁極ユニットの径方向内側に配置することが好ま
しい。かかる場合には、第1磁石の磁極面の極性を、そ
の磁極面が対向する第2磁石の円筒外側面の磁極面の極
性と同一とすることにより、効率的にローレンツ力を発
生することができる。
【0018】また、本発明のモータ装置では、前記磁極
ユニットとともに磁気回路を形成する磁性体部材(2
4)を更に備えることができる。かかる場合には、磁気
回路の一部を磁気抵抗の低い磁性体部材によって構成す
るので、高い磁束密度を発生することができる。なお、
磁性体部材を、磁極ユニットを構成する第1磁石及び第
2磁石と同軸の円筒状部材とし、磁極ユニットと磁性体
部材との間の空間に電機子ユニットの電流経路を配置す
ると、非常に効率的にローレンツ力を発生することがで
きる。また、磁束密度を高くできるので、電機子ユニッ
トの電流経路が配置される位置の選択にあたって、磁極
ユニットから径方向にある程度離れた位置を選択して
も、発生するローレンツ力の大きさを維持することがで
きる。さらに、磁性体部材は磁気シールド材としても機
能するので、磁極ユニットが発生する磁束のモータ装置
外部への漏れ量を低減することができる。
【0019】また、本発明のモータ装置では、前記複数
の第1磁石及び前記複数の第2磁石の径方向内側に配設
され、前記複数の第1磁石及び前記複数の第2磁石を支
持する磁石支持部材(22)を更に備えることができ
る。かかる場合には、電機子ユニットを第1磁石及び第
2磁石の支持を、第1磁石及び第2磁石の径方向内側に
設けられる磁石支持部材によって行うので、第1磁石及
び第2磁石の径方向外側には第1磁石及又は第2磁石の
支持用の部材を配置する必要が無い。したがって、磁極
ユニットを高剛性に構成できるとともに、磁極ユニット
の径方向外側に電機子ユニットを配置するのにあたっ
て、電機子ユニットの電流経路を第1磁石及び第2磁石
に近接させて、効率的にローレンツ力を発生することが
できる。
【0020】ここで、前記磁石支持部材が、前記複数の
第1磁石及び前記複数の第2磁石の全ての径方向内側を
貫通する筒状部材を有する構成とすることができる。か
かる場合には、磁石支持部材を軽量化できるので、モー
タ装置全体の軽量化を図ることができる。
【0021】この場合、前記磁石支持部材の少なくとも
一端部の外側面に第1のねじ溝が形成され、前記第1の
ねじ溝が形成された外側面の領域で支持される前記磁石
の内側面には、前記第1のねじ溝と螺合する第2のねじ
溝が形成されている構成とすることができる。かかる場
合には、磁石支持部材の外表面に第1のねじ溝が形成さ
れた端部では、その第1のねじ溝と螺合する第2のねじ
溝が形成された磁石(第1磁石又は第2磁石であって、
第2のねじ溝が形成されたもの)を螺合させることによ
り、磁石支持部材にその磁石を強固に固定することがで
きる。このことを利用して、例えば、磁石支持部材の両
端部の外表面に第1のねじ溝を形成し、軸方向に配列さ
れた第1磁石及び第2磁石から成る磁石群の両端の磁石
に第2のねじ溝を形成しておき、圧入等により両端の磁
石を除く各磁石の中空部に磁石支持部材を貫通させると
ともに、両端の磁石を磁石支持部材に螺合させることに
より、磁石群を磁石支持部材に強固に固定することがで
きる。また、磁石支持部材の一端にストッパを設けると
ともに、他端部の外表面に第1のねじ溝を形成し、他端
側から圧入等により第1磁石及び第2磁石の中空部に磁
石支持部材を貫通させた後、第2の溝が形成された磁石
を筒状部材に螺合させることによっても、磁石群を磁石
支持部材に強固に固定することができる。なお、筒状部
材への最終的なネジ固定部材を磁石とすることにより、
磁石がねじ固定される磁石支持部材の軸方向の端部位置
まで安定した磁束密度を発生することができる。
【0022】上記の場合に使用できるねじ溝の形成が可
能、すなわち切削可能な高性能磁石としては、例えばM
nAlに代表される金属粉末系の磁石がある。こうした
磁石は、圧入やカシメも可能である。
【0023】また、本発明のモータ装置では、前記電機
子ユニットが、前記所定の軸を中心軸とする筒状の形状
を有するとともに、前記所定の軸を中心軸とする回転方
向の電流経路を有し、前記軸方向に沿って配設された複
数の電機子コイル(45)を含む構成とすることができ
る。かかる場合には、電機子コイルの全ての電流経路に
おいてローレンツ力を発生させることができるので、効
率良く駆動力を発生することができる。なお、磁極ユニ
ットの外形が円柱状である場合には、磁束密度の分布は
周方向には均一分布となっており、磁極ユニットの中心
軸である所定の軸を中心軸として導電性線材を巻いて円
筒状の電機子コイルとすることにより、同一周上の電流
経路の各部分には同一のローレンツ力が発生する。こう
したローレンツ力の発生の対称性を利用することによ
り、駆動力の制御を簡易に行うことができる。
【0024】ここで、前記磁極ユニットが発生する磁束
密度の前記軸方向に関する変化が周期的であり、前記複
数の電機子コイルが、前記磁極ユニットが発生する磁界
の前記軸方向の変化周期の1/N(Nは2以上の整数)
の配列周期で、前記軸方向に沿って配設される構成とす
ることができる。かかる場合には、軸方向に沿って順に
配列された各電機子コイルに(2π/N)ずつ異なる同
一振幅の電流を供給することにより、一定の駆動力を連
続的に発生することができる。
【0025】このとき、前記電機子コイルが、前記所定
の軸を中心軸とする回転方向に巻かれた断面が矩形状の
導電性線材を含む構成とすることができる。かかる場合
には、通常の断面が円形の導電性線材を巻いて電機子コ
イルを構成した場合と比べて、導電性線材の空間占有密
度を高めることができるので、電機子コイルの小型化を
図りつつ、効率良く駆動力を発生することができる。
【0026】また、前記複数の電機子コイルを内部空間
に収納する容器(41,42)と;前記容器の内部空間
に冷媒を供給して前記各電機子コイルを冷却する冷却装
置(74)とを更に備える構成とすることができる。か
かる場合には、駆動力の発生にあたって、電流が電機子
コイルに供給されることにより電機子コイルで発生する
熱を、冷却装置から供給された冷媒によって除去するの
で、電機子コイルの温度上昇とモータ装置の周への熱の
拡散を抑制することができる。したがって、電機子コイ
ルの温度上昇に伴う駆動力の発生効率の変化、モータ装
置周囲の雰囲気の揺らぎの発生、モータ装置の周囲の部
材や装置への熱の伝達による熱膨張の発生を低減するこ
とができる。
【0027】また、前記電機子コイルに取り付けられ
た、熱伝導率の高い材質から成る放熱部材(46,4
7)を更に備える構成とすることができる。かかる場合
には、電機子コイルで発生した熱が放熱部材からも冷媒
に放散するので、冷媒への熱の放熱面積が大きくなり、
効率良く電機子コイルを冷却することができる。
【0028】また、前記容器の内部空間の内周側に設け
られ、前記複数の電機子コイルを支持するコイル支持部
材(43)を更に備え、前記容器の外周側の内壁が平滑
化されている構成とすることができる。かかる場合に
は、容器の外周側の内壁が平滑化されているので、内壁
付近の冷媒の流れを層流化することができる。したがっ
て、温度境界層が内壁に達しない流量で冷媒を供給する
ことにより、容器部材への熱の伝達を防止することがで
き、モータ装置の周囲への熱の拡散を低減することがで
きる。
【0029】本発明のステージ装置は、載置面を有する
移動体(17)と;前記移動体を第1軸方向に移動させ
る少なくとも1つの第1モータ装置(20Y)とを備
え、前記第1モータ装置の少なくとも1つは、本発明の
モータ装置であることを特徴とする。
【0030】これによれば、本発明の第1モータ装置に
よって移動体を第1軸方向に沿って移動させるので、移
動体の第1軸方向への駆動を効率的に行うことができ
る。したがって、移動体の載置面上に載置された物体
を、1次元方向に高速移動させるとともに、1次元位置
制御を高精度で行うことができる。
【0031】ここで、前記移動体と前記第1モータ装置
とを一体的に前記第1軸方向とは異なる第2軸方向に移
動させる少なくとも1つの第2モータ装置(20XA,
20B)を更に備え、前記第1モータ装置の少なくとも
1つを本発明の記載のモータ装置とすることができる。
かかる場合には、第1軸方向と異なる第2軸方向につい
て、本発明のモータ装置によって移動体及び第1モータ
装置の駆動を効率的に行うことができる。したがって、
移動体の載置面上に載置された物体を、任意の2次元方
向に高速移動させるとともに、2次元位置制御を高精度
で行うことができる。
【0032】本発明の露光装置は、露光用ビームを発生
するビーム源(IOP)と;前記露光用ビームの経路に
配置された物体を載置面上に搭載する本発明のステージ
装置(WST)とを備えることを特徴とする。ここで、
前記物体を前記エネルギビームによって露光され、所定
のパターンが転写される基板(W)とすることができ
る。なお、マスク(R)に形成されたパターンを基板に
転写する露光装置である場合には、前記物体を前記基板
とするのは勿論のこと、前記物体をマスクとすることも
できるし、また、前記物体を基板とマスクの双方とし、
それぞれを個別の本発明のステージ装置に載置すること
もできる。
【0033】これによれば、本発明のステージ装置に基
板又はマスクを載置して露光するので、基板又はマスク
の高速移動及び高精度位置制御が可能となり、スループ
ット向上及び露光精度向上の双方を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
1〜図14を参照して説明する。図1には、本実施形態
に係る露光装置100の全体的な構成が概略的に示され
ている。なお、この露光装置100は、いわゆるステッ
プ・アンド・スキャン露光方式の投影露光装置である。
【0035】この露光装置100は、照明系IOP、レ
チクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学
系PL、ウエハWをXY平面内でXY2次元方向に駆動
するステージ装置としてのウエハステージ装置WST、
及びこれらの制御系等を備えている。
【0036】前記照明系IOPは、光源ユニット、フラ
イアイレンズ等からなる照度均一化光学系、リレーレン
ズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及びダイ
クロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成さ
れている。こうした照明系IOPの構成は、例えば、特
開平10−112433号公報に開示されている。この
照明系IOPから射出された照明光ILは、折り曲げミ
ラーMによって反射された後、回路パターン等が描かれ
たレチクルR上のレチクルブラインドで規定されたスリ
ット状(矩形状又は円弧状)の照明領域部分をほぼ均一
な照度で照明する。
【0037】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが、例えば真空吸着又は静電吸着により固定されて
いる。レチクルステージRSTは、不図示のレチクルベ
ース上をローレンツ力又はリアクタンス力を用いた磁気
浮上型のリニアモータ等で構成された2次元アクチュエ
ータから成る不図示のレチクルステージ駆動部によっ
て、レチクルRの位置制御のため、照明系IOPの光軸
IX(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂
直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の
走査方向(ここではY方向とする)に指定された走査速
度で駆動可能となっている。さらに、本実施形態では上
記磁気浮上型の2次元リニアアクチュエータはX駆動用
コイル、Y駆動用コイルの他にZ駆動用コイルを含んで
いるため、Z方向にも微小駆動可能となっている。
【0038】このレチクルステージRST上にはレチク
ルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)5
3からのレーザビームを反射する移動鏡52が固定され
ており、レチクルステージRSTのステージ移動面内の
位置はレチクル干渉計53によって、例えば0.5〜1
nm程度の分解能で常時検出されている。レチクル干渉
計53からのレチクルステージRSTの位置情報はステ
ージ制御系51及びこれを介して主制御装置50に送ら
れ、ステージ制御系51では主制御装置50からの指示
に応じ、レチクルステージRSTの位置情報に基づいて
レチクル駆動部(図示省略)を介してレチクルステージ
RSTを駆動する。
【0039】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AX
(照明光学系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とさ
れている。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリ
ックとなるように、光軸AX方向に沿って所定間隔で配
置された複数枚のレンズエレメントから成る屈折光学系
が使用されている。この投影光学系PLは所定の投影倍
率、例えば1/5(あるいは1/4、1/6)を有する
縮小光学系である。このため、照明光学系からの照明光
ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、こ
のレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系
PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パター
ンの縮小像(部分倒立像)が表面にフォトレジストが塗
布されたウエハW上の前記照明領域に共役な被露光領域
に形成される。
【0040】前記ウエハステージ装置WSTは、駆動装
置10及びウエハWを載置する載置面を有する移動体と
しての基板テーブル11から構成されている。なお、駆
動装置10の構成は後述する。
【0041】前記基板テーブル11上には、ウエハWが
例えば真空吸着又は静電吸着によって固定されている。
また、この基板テーブル11上には位置検出装置である
ウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)
55からのレーザビームを反射する移動鏡54が固定さ
れ、外部に配置された前記ウエハ干渉計55により、基
板テーブル11のXY面内での位置が例えば0.5〜1
nm程度の分解能で常時検出されている。ここで、実際
には、図2に示されるように、基板テーブル11上には
走査方向であるY軸方向に直交する反射面を有する移動
鏡54Yと非走査方向であるX軸方向に直交する反射面
を有する移動鏡54Xとが設けられているが、図1では
これらが代表的に移動鏡54として示されている。ま
た、図2に示されるように、走査方向に1軸のウエハ干
渉計55Xが設けられ、非走査方向に2軸のうえはウエ
ハ干渉計が設けられているが、図1ではこれらが代表的
にウエハ干渉計55として示されいる。基板テーブル1
1の位置情報(又は速度情報)はステージ制御系51及
びこれを介して主制御装置50に送られ、ステージ制御
系51では主制御装置50からの指示に応じて前記位置
情報(又は速度情報)に基づいて駆動装置10を介して
基板テーブル18の移動を制御する。
【0042】また、基板テーブル11上には、不図示の
オフアクシス方式のアライメント検出系の検出中心から
投影光学系PLの光軸までの距離を計測するベースライ
ン計測等のための各種基準マークが形成された不図示の
基準マーク板が固定されている。
【0043】更に、図1の露光装置100には、ウエハ
W表面の露光領域内部分及びその近傍の領域のZ方向
(光軸AX方向)の位置を検出するための斜入射光式の
フォーカス検出系(焦点検出系)の一つである多点フォ
ーカス位置検出系が設けられている。この多点フォーカ
ス位置検出系は、不図示の照射光学系と受光光学系とか
ら構成されている。この多点フォーカス位置検出系の詳
細な構成等については、例えば特開平6−283403
号公報等に開示されている。
【0044】次に、駆動装置10の構成について、図2
〜図9を参照して説明する。
【0045】前記駆動装置10は、図2に示されるよう
に、定盤12と、定盤12上に固定されたガイドバーと
してのXガイド14と、Zガイドとしての定盤12の上
面及びXガイド14に沿ってX軸方向に移動可能なX移
動体15と、X移動体15をX方向に駆動するモータ装
置としてのリニアモータ20XA,20XBと備えてい
る。
【0046】前記定盤12としては、例えば鉄に比べ軽
量で傷のつき難いアルミナセラミックス製の平面視で長
方形状又は正方形状のものが使用される。この定盤12
は、平面視で中央部が高段部であり、周辺部が低段部で
ある2段構造を有している。
【0047】前記Xガイド14としては、例えばアルミ
ナセラミックス製のものが使用される。Xガイド14
は、定盤12の中心から見て−Y方向の定盤12の端面
近傍の定盤12の低段部上にX方向に沿って配置されて
いる。
【0048】前記リニアモータ20XAはXガイド14
の−Y方向側の定盤12の低段部上に配置され、また、
前記リニアモータ20XBは、定盤12の中心から見て
+Y方向の定盤12の端面近傍の定盤12の低段部上に
X方向に沿って配置されている。
【0049】リニアモータ20XAは、図3に示される
ように、外径がD1であり、X軸方向に延びる円筒状の
固定子30XAと、該固定子30XAの外形D1よりも
僅かに大きな直径D2であり、固定子30XAが貫通す
る中空部を有する可動子40XAとを備えている。可動
子40XAは、その鉛直下方側には、外径がD3で、内
径がD2の円筒状の外形を有しており、その鉛直上方に
は、XY面にほぼ平行な上面を有する直方体状の形状を
有している。
【0050】また、リニアモータ20XAは、可動子4
0XAの円筒部の外径D3よりも僅かに大きな内径D4
を有する円筒状の磁性体部材24XAを更に備えてい
る。なお、磁性体部材24XAのYZ断面は、可動子4
0XAの円筒部と直方体部との間のくびれ部の幅よりも
僅かに大きな幅で鉛直上方において離間した円弧状とな
っている。
【0051】上記の固定子30XA及び磁性体部材24
XAの両端が、支持部材22a及び支持部材22bによ
って支持される。支持部材22a,22bには、図3に
おいて支持部材22aに関して明瞭に示されているよう
に、固定子30XAの円筒形状の中心軸と、磁性体部材
24XBの円筒形状の中心軸とが同軸となるように、固
定子30XAの端部が挿入される円柱状の凹部22
1と、磁性体部材24の端部が挿入される環状の溝222
とが形成されている。そして、固定子30XAと磁性体
部材24XAとの間の空間に、固定子40XAの円筒部
が配置された後に、ねじ止め等により支持部材22a,
22bと固定子30XA及び磁性体部材24XAとが強
固に固定されることにより、リニアモータ20Aが構成
されている。なお、支持部材22a,22bは、図2に
示されるように定盤12の上面に、ねじ止め等により強
固に固定される。
【0052】前記固定子30XAは、図4(A)及び図
4(A)におけるC−C断面図である図4(B)に示さ
れるように、内径D5及び外径D6を有してX軸方向に
延び、一端部に外径D1のストッパ部32Sを有する円
筒状の磁石支持部材32と、該磁石支持部材31に固定
された、外径D1、内径D6、及びX軸方向の長さLを
有し、例えばMnAl等の切削加工可能な高性能磁石材
料から成る所定数の永久磁石34R,34N,34L,
34S、及び磁石支持部材31の他端部に固定される永
久磁石34LCとを備えている。永久磁石34R,34
N,34L,34Sは、この順でX方向に沿って配列さ
れており、該配列における永久磁石34Sの次からは、
更に永久磁石34R,34N,34L,34Sの順によ
る配列が繰り返されている。ここで、所定数の永久磁石
34R,34N,34L,34S、及び永久磁石34L
Cによって磁極ユニット38が構成されている。なお、
ストッパ部32Sの外径は、値D6よりも大きく、か
つ、値D4よりも小さな値であれば任意の値とすること
ができる。
【0053】磁石支持部材32は、例えばステンレス鋼
からなり、その他端部には、図4(B)と図5とを総合
して示されるように、ねじ山部の外径がD6よりも僅か
に小さな第1のねじ溝としての雌ねじ溝32Fが形成さ
れている。なお、上記の支持部材22A,22Bへの固
定子30の固定は、支持部材22A,22Bに磁石支持
部材32をねじ止めすることに行われており、かかるね
じ止め用の不図示のねじ穴が磁石支持部材32の円筒底
面に形成されている。
【0054】永久磁石34Rは、X軸方向に磁化された
磁石であり、−X方向側の円筒底面がS極面とされ、+
X方向側の円筒底面がN極面とされている。また、永久
磁石34Lは、X軸方向に磁化された磁石であり、−X
方向側の円筒底面がN極面とされ、+X方向側の円筒底
面がS極面とされている。すなわち、永久磁石34Rと
永久磁石34Lとは、同一の永久磁石について磁気モー
メントの方向を互いに反対に配置したものである。な
お、永久磁石34LCは、磁気的な性質は永久磁石34
Lと同様であるが、円筒内側面側に、上記の雌ねじ溝3
2Fと螺合する第2のねじ溝としての雄ねじ溝34Mが
形成されている。
【0055】永久磁石34Nは、径方向に磁化された磁
石であり、径方向外側の円筒側面がN極面とされ、径方
向内側の円筒側面がS極面とされている。また、永久磁
石34Sは、径方向に磁化された磁石であり、径方向外
側の円筒側面がS極面とされ、径方向内側の円筒側面が
N極面とされている。
【0056】固定子30XAは、図5に示されるよう
に、磁石支持部材32の雌ねじ溝32Fが形成された他
端側から、永久磁石34R,34N,34L,34Sを
順次圧入していき、最後に、永久磁石34LCをその雄
ねじ溝34Mを磁石支持部材32の雌ねじ溝32Fに螺
合させることによって組み立てられる。こうして剛性の
高い固定子30XAが組み立てられる。
【0057】前記可動子40XAは、XZ断面図である
図6(A)及び図6(A)におけるD−D断面図(YZ
断面図)である図6(B)に示されるように、紙面上方
にくびれ部を有し、紙面下方に、軸XAを中心軸とし
て、内径D2及び外径D3の円筒状の外形を有するとと
もに、円筒状の内部空間を有する容器本体部材41と、
紙面上方において容器本体部材41に固定され、容器本
体部材41とともに内部空間を閉空間化する蓋部材42
とを備えている。
【0058】容器本体部材41の円筒状内部空間には、
軸XAが中心軸となるように、円筒状のコイル支持部材
43が配設されており、このコイル支持部材の周囲に、
軸X Aを中心軸としてその回転方向に導電性の線材が巻
かれた直径2Rの複数のコイル451〜45NがX軸方向
に沿って配列されている。ここで、各コイル45i(i
=1〜N)は、断面が矩形状の導電性の線材が巻かれて
形成されおり、電流の空間密度の向上が図られている。
各コイル45iには、それぞれ熱伝導性の高い材料から
成る、XZ断面でL字状のフィン部材46iが取り付け
られている。ここで、複数のコイル451〜45Nから電
機子ユニット49が構成されている。なお、以下の説明
においては、電機子ユニット49をコイル列49とも呼
ぶものとする。
【0059】前記コイル支持部材43は、図7に示され
るように、端部に切り込みが施されており、かかる切り
込み部を介してコイル支持部材43の径方向外側の空間
と径方向内側の空間とは連通している。なお、コイル支
持部材43は、ねじ止め等によって容器本体部材41に
固定されている。
【0060】図6(A)及び図6(B)に戻り、フィン
部材461〜46Nの上部には、熱伝導性の高い材料から
なり、図6(B)に示されるようなYZ断面形状を有
し、X軸方向に延びるビックフィン部材47が取り付け
られている。
【0061】さらに、容器本体部材41には、冷媒の流
入口481と冷媒の流出口482とが設けられており、図
1に示されている冷却機74から冷媒(例えば、フッ素
系不活性液体)が流入口481を介して内部空間に送り
込まれ、該内部空間を通過するときに、コイル45i
フィン部材46i、ビッグフィン部材47、及びコイル
支持部材43との間で熱交換を行う。かかる熱交換にお
いて、コイル45iで発生した熱を、フィン部材46i
びビックフィン部材47から冷媒へ放出することにし、
冷媒への熱の放出面積を大きくしたので、冷媒と熱交換
を効率的に行うことができる。
【0062】ここで、容器本体部材41及び蓋部材42
の内壁面は平滑化加工されており、乱流が発生しにくく
なっている。このため、コイル45i、フィン部材4
i、ビッグフィン部材47、及びコイル支持部材43
から吸収した熱が容器本体部材41又は蓋部材42に到
達しにくくなっている。本実施形態では、熱が容器本体
部材41又は蓋部材42に到達する前に、冷媒が流出口
482から排出されるように冷媒の流量が設定されてい
る。こうして、流出口482を介して排出された冷媒
は、冷媒通路を介して前記冷却機74に戻され、ここで
再び冷却されて流入口481から内部空間に送り込まれ
るようになっている。
【0063】以上の冷却方式により、 Q=η・Q’=η・C・q・△T …(1) ここで、Q:コイル発熱量 Q’:冷媒による除熱量 η:除熱効率 C:冷媒熱容量(冷媒の種類に固有な値) q:冷媒流量 △T:流入時から流出時までの冷媒の温度上昇 で定義される除熱効率ηを0.9以上の値としている。
【0064】リニアモータ20XBは、図2と、図2に
おけるA−A断面図である図8とを総合して示されるよ
うに、上述のリニアモータ20XAと同様に構成されて
いる。すなわち、リニアモータ20XBは、固定子30
XAと同様に構成された固定子30XBと、可動子40
XAと同様に構成された可動子40XBと、磁性体部材
24XAと同様に構成された磁性体部材24XBとを備
えている。そして、リニアモータ20XBはリニアモー
タ20XAと同様に組み立てられ、支持部材22a,2
2bと同様に構成された支持部材22c,22dを介し
て、リニアモータ20XAと同様にして、固定子30X
B及び磁性体部材24XBが定盤12に固定されてい
る。
【0065】なお、可動子40XAの上部の+Y側側面
には、可動子40XAの+Y側に配置されたXガイド1
4へ空気を噴出するとともに空気を吸入して、エアベア
リングを形成するための空気軸受け装置62が固定され
ている。該空気軸受け装置62では、例えば不図示の空
気ポンプからと接続された空気吹出し口と空気吸入口と
がX軸方向に沿って交互に配列されている。なお、空気
軸受け装置62はX軸方向に延びた構成とされており、
後述するX移動体15のZ軸回りの回転(ヨーイング)
が防止されるようになっている。
【0066】前記X移動体15は、リニアモータ20X
Aの可動子40XAの上面とリニアモータ20XBの可
動子40XBの上面とを架橋するように、可動子40X
Aの上面及び可動子40XBの上面に固定されたYガイ
ド16と、Zガイドとしての定盤12の上面及びYガイ
ド16に沿ってY軸方向に移動可能なY移動体17と、
Y移動体17をY軸方向に駆動するモータ装置としての
リニアモータ20Yと備えている。
【0067】前記リニアモータ20Yは、上述のリニア
モータ20XAと同様に構成されている。すなわち、リ
ニアモータ20Yは、固定子30XAと同様に構成され
た固定子30Yと、可動子40XAと同様に構成された
可動子40Yと、磁性体部材24XAと同様に構成され
た磁性体部材24Yとを備えている。そして、リニアモ
ータ20Yはリニアモータ20XAと同様に組み立てら
れ、支持部材22a,22bと同様に構成された支持部
材22e,22fを介して、リニアモータ20XAの固
定子30XA及び磁性体部材24XAが定盤12に固定
されるのと同様にして、固定子30Y及び磁性体部材2
4Yが可動子30XAの上面及び可動子30XBの上面
に固定されている。
【0068】前記Yガイド16としては、例えばアルミ
ナセラミックス製のものが使用される。Yガイド16
は、平面視でリニアモータ30Yを取り囲むロ字状の枠
部材であり、Xガイド14とリニアモータ20XBとの
間に底板16Bを有している。この底板16Bの下面に
は、定盤12の上面へ空気を噴出し、エアベアリングを
形成するための空気軸受け装置64が固定されている。
該空気軸受け装置64では、例えば不図示の空気ポンプ
からと接続された空気吹出し口と空気吸入口とを備える
複数個のエアパッドが2次元的に配列されて構成され
る。
【0069】かかる複数の空気軸受け装置64と定盤1
2とによって形成されるエアベアリングによって、X移
動体15、リニアモータ20XAの可動子40XA、及
びリニアモータ20XBの可動子40XBが、定盤12
の上面に対して浮上支持される。また、上述の可動子4
0XAに固定された空気軸受け装置62とXガイド14
とによって形成されるエアベアリングによって、X移動
体15、可動子40XA、及び可動子40XBが、Xガ
イド14に対してY軸方向に非接触で支持される。以上
のX移動体15、可動子40XA、及び可動子40XB
に関するY軸方向及びZ軸方向の非接触支持は、可動子
40XAの円柱状中空部の中心軸と円筒型の固定子30
XAの中心軸とが同軸となり、かつ、可動子40XBの
円柱状中空部の中心軸と円筒型の固定子30XBの中心
軸とが同軸となるように行われるようになっている。
【0070】前記Y移動体17は、図2、図8、及び図
2におけるB−B断面図である図9とを総合して示され
るように、リニアモータ20Yの可動子40Yの上面に
固定され、XZ断面で逆U字状の形状を有する部材18
と、部材18の上面に設けられたボイスコイルモータ等
を含む支持機構19a,19b,19cとを備えてい
る。前述の基板テーブル11は、支持機構19a,19
b,19cによって異なる3点で支持されており、XY
面に対して傾斜及びZ軸方向の駆動が可能になってい
る。支持機構32a〜32cは、ステージ制御系19に
よって独立に駆動制御される。
【0071】ここで、部材18のYガイド16との2つ
の対向面には、Yガイド16の側面へ空気を噴出し、エ
アベアリングを形成するための空気軸受け装置66A,
66Bが配置され、また、部材18の下面には、定盤1
2の上面へ空気を噴出し、エアベアリングを形成するた
めの複数の空気軸受け装置68A,68Bが配置されて
いる。空気軸受け装置66A,66B,68A,68B
では、例えば不図示の空気ポンプからと接続された空気
吹出し口と空気吸入口とを備える複数個のエアパッドが
配列されて構成される。
【0072】これら空気軸受け装置68A,68Bと定
盤12とによって形成されるエアベアリングによって、
Y移動体17及びリニアモータ30Yの可動子40Y
が、定盤12の上面に対して浮上支持される。また、上
述の部材18に固定された空気軸受け装置66A,66
BとYガイド16とによって形成されるエアベアリング
によって、Y移動体16及び可動子40Yが、Yガイド
16に対して非接触で支持されている。以上のY移動体
16及び可動子40Yに関するY軸方向及びZ軸方向の
非接触支持は、可動子40Yの円柱状中空部の中心軸と
円筒型の固定子30Yの中心軸とが同軸となるように行
われるようになっている。
【0073】以下、本実施形態におけるウエハWのXY
2次元方向への移動時のリニアモータ20XA,20X
B,20Yの作用について説明する。まず、本実施形態
におけるウエハWのX軸方向の移動におけるリニアモー
タ20XAの可動子40XAの駆動原理の概要を、図1
0〜図14を参照して説明する。
【0074】リニアモータ20XAでは、前述のよう
に、永久磁石34L,34R,34N,34S,34L
Cから磁極ユニット38が構成されている。この磁極ユ
ニット38では、図10(A)においてXY断面の一部
について代表的に実線矢印で示されるように、永久磁石
34Nが、各永久磁石の中心軸XAを中心として半径方
向外側へ向かう方向(以下、「+r方向」という)の磁
束を発生し、また、永久磁石群34Sが、軸XAを中心
として半径方向内側へ向かう方向(以下、「−r方向」
という)の磁束を発生する。
【0075】永久磁石34NのN極面から空間中を+r
方向へ進行する磁束は、磁気抵抗が低い磁性体部材24
XAに到達後、磁性体部材24XAを+X方向又は−X
方向へ進行する。そして、永久磁石34Sの対向位置に
到達した磁束は、永久磁石34SのS極面へ向けて空間
中を−r方向へ進行する。こうして、永久磁石34Sの
S極面に到達した磁束は、永久磁石34Sと隣り合う永
久磁石34L又は永久磁石34rのS極面を通り、永久
磁石34L又は永久磁石34R中を介した後にそれらの
N極面を通って永久磁石34Nへ進行する。この後、磁
束は、永久磁石34NのN極面に到達する。
【0076】こうして、永久磁石34N、磁性体部材2
4XA、永久磁石34S、及び永久磁石34Lを順次巡
る磁気回路、並びに永久磁石34N、磁性体部材24X
A、永久磁石34S、及び永久磁石34Lを順次巡る磁
気回路が形成される。なお、永久磁石34LCは、磁気
回路の形成にあたっては、永久磁石34Lと同等の役割
を果たしている。
【0077】本実施形態では、上記の磁気回路の形成に
あたって、磁気抵抗の小さな磁性体部材24XAを用い
ているので、磁性体部材24XAを用いない場合と比べ
て、多量の磁束が流れる磁気抵抗の小さな磁気回路を安
定して形成することができる。
【0078】以上の磁気回路の形成によって発生する、
磁極ユニットと磁性体部材24XAとの間の空間におけ
る磁束密度の+r方向成分と、各電機子コイル45に供
給された電流との電磁相互作用によって可動子40XA
にX軸方向に駆動力が付与される。かかる駆動力に寄与
する磁束密度の+r方向成分(以下、単に「磁束密度」
と略す)は、永久磁石34L,34R,34N,34
S,34LCが軸XAを中心軸とする円筒状の形状を有
すること、及び、磁性体部材24XAが軸XAを中心軸
とする円筒状の形状を有することから、軸XAを中心軸
とする円筒座標系(r,θ,X)(r:軸XAからの距
離、θ:X軸回りの回転角)で表した場合には、変数θ
には依存せず、変数r及び変数Xの変化のみに応じて変
化する関数で表される。すなわち、磁束密度はB(r,
X)と表わされる。
【0079】更に、電機子コイル45を流れる電流は軸
Aを中心とする円周上を流れると考えられるので、電
流経路が形成する円周の半径をRとすると、電機子コイ
ル45の電流経路における磁束密度はBR(X)と表さ
れ、X位置にのみに依存している。この磁束密度B
R(X)が可動子40XAの駆動に寄与し、図10
(B)に示されるような分布となっている。
【0080】すなわち、磁束密度BR(X)は、永久磁
石34N,34SのX軸方向の中央位置に応じた位置で
磁束密度BR(X)の絶対値が最大となり、この点から
X軸方向に離れるほど磁束密度BR(X)の絶対値は小
さくなる。永久磁石34LのX軸方向の中央位置に応じ
た位置、及び永久磁石34RのX軸方向の中央位置に応
じた位置において、磁束密度BR(X)は零となる。ま
た、磁束密度磁束密度BR(X)の分布は、永久磁石3
4N,34SのX軸方向の中央位置に応じた位置を中心
として、±X方向について対称となっており、周期4L
の正弦関数(あるいは余弦関数)によって良い近似が行
われる形状となっている。
【0081】以上より、磁束密度BR(X)は、 BR(X)=BR0・cos{(π/(2L))・X+φ} …(3) が良い近似となっている。ここで、BR0及びφは定数で
ある。なお、図10(B)では、磁束方向が+r方向成
分を有する場合に磁束密度BR(X)の値を正とし、磁
束方向が−r方向成分を有する場合に磁束密度B
R(X)の値を負としている。
【0082】なお、本実施形態においては、磁性体部材
24XAの材料として、高電気抵抗、高飽和磁束密度、
低磁気ヒステリシス、低保磁力のステンレス等を採用し
ているので、渦電流やヒステリシス損が小さいものを採
用している。このため、磁気抵抗を小さく維持すること
が可能であり、安定した磁束を継続的に発生することが
できる。
【0083】次に、図10(B)に示された分布の磁束
密度BR(X)と、各電機子コイル45を流れる電流と
の電磁相互作用によって、各電機子コイル45で発生す
るローレンツ力について説明する。
【0084】前提として、各電機子コイル45iの端子
には電流iiが供給されているとする。ここで、各電機
子コイル45iを1巻きのコイルと考えた場合には、図
11(A)においてXY断面で示されるように、電流I
i(=T・ii,T:各電機子コイル45iの巻き数)が
供給されている場合と同等となっているものとする。以
下、説明の便宜上、各電機子コイル45iは1巻きのコ
イルであり、電流Iiが供給されるものとして説明す
る。また、電流方向が軸XAの+Y方向側で紙面奥側で
ある場合に電流値は正であり、電流方向がその逆向きで
ある場合に電流値は負であるとする。そして、本実施形
態では、各電機子コイル45Xiに、 Ii=(−1)ji+3j …(4) とし、電機子コイル45i(i=1〜N)からなるコイ
ル列である電機子ユニットにいわゆる3相電流を供給し
ている。
【0085】なお、以下の説明では、 Ii=IU,Ii+1=IV,Ii+2=IW …(5) とも表す。かかる電流表記を行って電流分布を表したも
のが、図11(B)にXY断面で示されている。なお、
図11(B)においては、コイル45のXY断面に電流
の表示を付している。
【0086】以上のような電流分布を有するコイル列
が、前述の図10(A)及び図10(B)で示される磁
束密度BR(X)が発生している空間に配置されている
と、電流と磁束密度との電磁相互作用によって、各電機
子コイル45iの電流経路にローレンツ力が発生し、そ
のローレンツ力が稼動し40XAの駆動力となる。かか
るローレンツ力は、フレミングの左手の法則に従うこと
から、円周方向に流れる電流と磁束密度BR(X)との
電磁相互作用によって、X軸方向のローレンツ力FXが
発生する。なお、ローレンツ力FXの向き(ローレンツ
力FXが+X方向の力であるか−X方向の力であるか
は、電流の向き(軸XAを周回する向き)及び電流のX
位置における磁束密度BR(X)の方向(すなわち、磁
束密度BR(X)が正であるか負であるか)によって決
まる。また、ローレンツ力FXの大きさは、各電機子コ
イル45iに供給される電流Iiの大きさ及び電流経路に
おける磁束密度BR(X)の大きさによって異なる。し
たがって、電機子コイル45iに供給する電流Iiの向き
と大きさが同一であっても、磁極ユニットとコイル列と
のX軸方向に関する位置関係によって、電機子コイル4
iに発生するローレンツ力の向きや大きさが異なるこ
とになる。
【0087】かかるローレンツ電磁力を考えるにあたっ
て、まず、磁極ユニットとコイル列との位置関係が、図
12に示されるような、電機子コイル45iと永久磁石
45N,45S、45L,45Rとの位置関係にあると
する。すなわち、電流IUが流れる領域のX方向に関す
る中央位置が、永久磁石45NのX方向に関する中央位
置を原点として、座標Xにあるとする。
【0088】本実施形態では、かかる配置関係におい
て、電流IU,IV,IWとして、図13(A)に示され
るような、 IU=I0cos{(π/(2L))・X} …(6) IV=I0cos{(π/(2L))・X+π/3} …(7) IW=I0cos{(π/(2L))・X+2π/3} …(8) を採用し、対応する電機子コイル45に供給している。
【0089】このとき、電流IUが流れる領域におい
て、X方向に関する中央位置からX方向についてΔXだ
け離れた位置に発生する、単位長さ当たりのローレンツ
力fX U(X,ΔX)は、電流IUのX軸方向に関する単
位幅当たりの電流密度をJU(X)(=IU(X)/(2
L/3))として、 fXU(X,ΔX)=JU(X)・BR(X+ΔX) =J0・BR0・cos{(π/(2L))・X} ・cos{(π/(2L))・(X+ΔX)} …(9) となる。ここで、J0(=I0/(2L/3))は、定数
である。したがって、電流IUが流れる1つの領域全体
としては、単位長さ当たりのローレンツ力FXU(X)
は、 FXU(X)=C0・cos2{(π/(2L))・X} …(10) となる。ここで、C0は定数である。
【0090】また、電流IVが流れる領域及び電流IW
流れる領域における、単位長さ当たりのローレンツ力F
V(X)、FXW(X)は、それぞれ、 FXV(X)=C0・cos2{(π/(2L))・X+π/3} …(11) FXW(X)=C0・cos2{(π/(2L))・X+2π/3}…(12) となる。
【0091】また、磁束密度BR(X)の円筒対称性、
及び電流IU,IV,IWの円筒対称性から、同一のX位
置における円周状の電流経路の各位置には同一の方向及
び同一の大きさのローレンツ力が発生するので、電流I
Uが流れる1つの領域、電流IVが流れる1つの領域、及
び電流IWが流れる1つの領域で発生するローレンツ力
の和、すなわちX軸方向への駆動力FX(X)は、 FX(X)=2πR(FXU(X)+FXV(X)+FXW(X)) …(13) となる。ところで、 cos2θ+cos2(θ+π/3)+cos2(θ+2π/3) =3/2 …(14) であるから、 FX(X)=FX0 …(15) となる。すなわち、コイル列(すなわち、可動子40X
A)がX軸方向に移動、すなわち変数Xが変化しても、
図13(B)に示されるように、X軸方向への駆動力F
Xは一定に維持される。
【0092】以上の磁束密度BR(X)と電流IU
V,IWとの関係は、磁束密度BR(X)と電流(−
U),(−IV),(−IW)との間にも成立する。ま
た、 BR(X+2L)=−BR(X) …(16) であることから、電流(−IU)が流れる1つの領域、
電流(−IV)が流れる1つの領域、及び電流(−IW
が流れる1つの領域で発生するX軸方向への駆動力の和
は、上記の力FXと同一となる。
【0093】したがって、磁極ユニットとコイル列と位
置関係に応じて、上述のような余弦波形の電流IU
V,IW,(−IU),(−IV),(−IW)が流れる
領域が順次並ぶように各電機子コイル45に電流を供給
することにより、可動子40XAがX軸方向に移動して
も、一定の駆動力で可動子40XAを一定の駆動力で駆
動することができる。そして、電流IU,IV,IW
(−IU),(−IV),(−IW)の振幅I0を制御する
ことにより、可動子40XAに作用するX軸方向への駆
動力の大きさを制御でき、また、電流IU,IV,IW
(−IU),(−IV),(−IW)の位相を±πだけ変
化させることにより、駆動力の方向を制御することがで
きる。
【0094】また、リニアモータ20XBでは、上述の
リニアモータ20XAと同様にして、可動子40XBに
X軸方向の駆動力を作用させる。すなわち、リニアモー
タ20XBの固定子30XBの構成要素である永久磁石
34L,34R,34N,34S,34LCから成る磁
極ユニットと、磁性体部材24XBとで磁気回路が形成
され、円筒対称な磁束密度分布が発生している空間に配
置された可動子40XB内の各電機子コイル45に供給
する電流を、磁極ユニットとの位置関係に応じて、上記
のように制御することにより、可動子40XBにX軸方
向の駆動力を作用させる。
【0095】こうして、リニアモータ20XAの可動子
30XA及びリニアモータ20XBの可動子40XBに
作用させた駆動力によって、可動子40XA及びか同子
40XBに固定されたX移動体15をX軸方向に所望の
駆動力で駆動する。これにより、X移動体15をX軸方
向に、所望の速度あるいは加速度で駆動することができ
る。
【0096】また、リニアモータ30Yでは、上述のリ
ニアモータ20XAと同様にして、可動子40YにY軸
方向の駆動力を作用させる。すなわち、リニアモータ2
0Yの固定子30Yの構成要素である永久磁石34L,
34R,34N,34S,34LCから成る磁極ユニッ
トと、磁性体部材24Yとで磁気回路が形成され、円筒
対称な磁束密度分布が発生している空間に配置された可
動子40Y内の各電機子コイル45に供給する電流を、
磁極ユニットとの位置関係に応じて、上記のように制御
することにより、可動子40YにY軸方向の駆動力を作
用させる。こうして、リニアモータ20Yの可動子40
Yに作用させた駆動力によって、可動子40Yに固定さ
れたY移動体17をY軸方向に所望の駆動力で駆動す
る。これにより、Y移動体17をY軸方向に、所望の速
度あるいは加速度で駆動することができる。
【0097】本実施形態のステージ装置WSTでは、以
上のようなリニアモータ20XA及びリニアモータ20
XBによるX軸方向へのY移動体17を含むX移動体1
5の駆動と、リニアモータ20YによるY軸方向へのY
移動体17の駆動とによって、Y移動体17に支持され
た基板テーブル11、ひいてはウエハWを任意のXY2
次元方向へ所望の速度あるいは加速度で移動させること
ができる。
【0098】したがって、本実施形態のステージ装置W
STによれば、リニアモータ20XA,20XB,20
Yにおいて、磁極ユニット38を、軸方向に磁化された
磁石34L(及び34LC),34Rと径方向に磁化さ
れた磁石34N,34Sとを軸方向に沿って交互に配列
して構成したので、磁極ユニット38近傍における磁束
密度は軸方向の沿って変化する。そして、磁極ユニット
38の近傍に電機子ユニット49を配置したので、簡易
な電流制御によって、ウエハWを効率良く2次元移動さ
せることができる。また、同極性の磁極面同士を接合す
る場合に生じる大きな反発力を回避することができるの
で、磁極ユニット38ひいてはステージ装置WSTの組
み立てが容易となっている。
【0099】また、磁極ユニット38を構成する磁石3
4L(及び34LC),34R,34N,34Sの形状
を円筒状とするとともに、電機子ユニット49を構成す
る電機子コイルを磁石34L(及び34LC),34
R,34N,34Sと同軸の円筒状としたので、円筒対
称のローレンツ力を電機子ユニット49に作用させるこ
とができる。したがって、駆動制御を簡易に行うことが
できる。
【0100】また、駆動方向で周期的に変化する磁束密
度を発生させ、磁束密度の変化の周期に応じて電機子コ
イルを周期的に配置したので、簡易かつ連続的に高精度
の位置制御を容易に行うことができる。
【0101】また、各リニアモータ20XA,20X
B,20Yにおける磁気回路の形成にあたって、磁極ユ
ニットが発生する磁束の経路の一部に磁性体部材を使用
したので、磁気抵抗の低い磁気回路を構成することがで
きるとともに、外部への磁束の漏れ量を低減することが
できる。
【0102】磁極ユニット38を構成する磁石34L
(及び34LC),34R,34N,34Sを、これら
の中空部を貫通する円筒状の磁石支持部材22によって
支持しているので、固定子30XA,30XB,30Y
を高剛性とするとともに、軽量化することができる。
【0103】また、磁石支持部材22の一端部の外側面
に形成されたねじ溝22Fに、内側面にねじ溝34Mが
磁石34LCをねじ止めするので、磁石支持部材22に
磁極ユニット38を強固に固定することができるととも
に、磁石34LCがねじ固定される磁石支持部材22の
軸方向の端部位置まで安定した磁束密度を発生すること
ができる。
【0104】また、電機子コイル45を、内壁が平滑化
された容器(41,42)内に収納し、冷媒を供給する
ことにより冷却しているので、電機子コイル45の温度
上昇に伴う駆動力の発生効率の変化、周囲の雰囲気の揺
らぎの発生、周囲の部材や装置への熱の伝達による熱膨
張の発生を低減することができる。
【0105】また、X軸方向に駆動力を有するリニアモ
ータ20XA,20XBとY軸方向に駆動力を有するリ
ニアモータ20Yとを組み合わせて用いたので、ウエハ
Wを任意のXY2次元方向に高速移動させるとともに、
2次元位置制御を高精度で行うことができる。
【0106】以上にその構成を説明した本実施形態のス
テージ装置WSTでは、前述の如く、ウエハWがウエハ
ホルダを介して保持される基板テーブル11を所望の方
向に所望の速度あるいは加速度で移動させるのにあたっ
て、主制御装置50では、ステージ制御系51を介して
ウエハ干渉計55の計測値(位置情報又は速度情報)を
モニタして、その時点の基板テーブル11のXY位置を
検出し、固定子30XAと可動子40XAとの相対位置
関係、固定子30XBと可動子40XBとの相対位置関
係、及び固定子30Yと可動子40Yとの相対位置関係
を求める。そして、主制御装置50ではこの求めた相対
位置関係と基板テーブル11を駆動すべき目標位置に応
じて各電機子コイル45に供給すべき電流値及び電流方
向を演算により決定し、ステージ制御系51に指令を与
える。これにより、ステージ制御系51では、指令に応
じて各電機子コイル45に与える電流値及び電流方向
を、不図示の電流駆動装置を介して制御する。この際、
主制御装置50では目標位置に対する距離に応じて基板
テーブル11の速度や加速度をも制御する。
【0107】ここで、主制御装置50は、移動の各時点
ごとに、ウエハ干渉計55から通知された位置情報(又
は速度情報)に基づいて、各電機子コイル45に供給す
る電流の電流値及び電流方向を求めることも可能である
が、制御応答が十分に早くできない場合には、移動を開
始させるときにその後のある期間においてウエハWが所
望の軌跡及び所望の速度となるような、各電機子コイル
45に供給する電流の電流値及び電流方向を時間の経
過、すなわち可動子40XA,40XB,40Yの移動
に応じて求めることも可能である。こうした場合には、
主制御装置50は、移動の各時点ごとに、ウエハ干渉計
55から通知された位置情報(又は速度情報)に基づい
て所望の軌跡からのずれを求め、その後において各電機
子コイル45へ供給する電流の電流値及び電流方向を修
正するとともに、修正した期間以後の所定期間に関する
各電機子コイル45に供給する電流の電流値及び電流方
向を時系列で求める。そして、ステージ制御系51は、
修正された情報に基づいて各電機子コイル45に対する
電流制御を行う。
【0108】以上のようにして、基板テーブル11すな
わちウエハWの位置制御を行いつつ実行される本実施形
態の露光装置100における露光動作の流れについて簡
単に説明する。
【0109】まず、不図示のレチクルローダにより、転
写したいパターンが形成されたレチクルRがレチクルス
テージRSTにロードされる。同様に、不図示のウエハ
ローダにより、露光したいウエハWが基板テーブル11
にロードされる。
【0110】このとき、基板テーブル11は、所定のウ
エハローディングポジションにて、ベース状に浮上支持
されており、かつそのローディングポジションに所定時
間停止状態を維持するように主制御装置50により、ス
テージ制御系19を介してサーボ制御されている。従っ
て、このローディングポジションでの待期時には、駆動
装置11の電機子コイル45に電流が供給されており、
この電機子コイル45における発熱による温度上昇及び
周囲への熱の伝搬を防止すべく、主制御装置50では冷
却機等を用いて電機子コイル45の冷却を行っている。
【0111】次に、主制御装置50により、不図示のレ
チクル顕微鏡、基板テーブル18上の不図示の基準マー
ク板、不図示のアラインメント検出系を用いてレチクル
アラインメント、ベースライン計測等の準備作業が所定
の手順に従って行われた後、アラインメント検出系を用
いて、統計的な手法を用いて行われるEGA(エンハン
スト・グローバル・アラインメント)等のアラインメン
ト計測が実行される。なお、EGA計測の詳細は、例え
ば特開昭61−44429号公報に記載されている。
【0112】アライメント計測の終了後、以下のように
してステップ・アンド・スキャン方式の露光動作が行わ
れる。
【0113】この露光動作にあたって、まず、ウエハW
のXY位置が、ウエハW上の最初のショット領域(ファ
ースト・ショット)の露光のための走査開始位置となる
ように、基板テーブル11が移動される。この移動は、
主制御装置50によりステージ制御系51を介して、ウ
エハステージ装置WSTを構成する各電機子コイル45
の電流を前述のように制御することにより行われる。同
時に、レチクルRのXY位置が、走査開始位置となるよ
うに、レチクルステージRSTが移動される。この移動
は、主制御装置50によりステージ制御系51及び不図
示のレチクル駆動部等を介して行われる。
【0114】そして、ステージ制御系51が、レチクル
干渉計53によって計測されたレチクルRのXY位置情
報、前述のようにして計測されたウエハWのXY位置情
報に基づき、不図示のレチクル駆動部及びウエハステー
ジ装置WSTを介してレチクルRとウエハWとを同期移
動させる。かかる同期移動中においては、レチクルRの
走査方向に対して垂直な方向に長手方向を有する長方形
(スリット状)の照明領域でレチクルRが照明され、レ
チクルRは露光時に速度VRで走査(スキャン)され
る、照明領域(中心は光軸AXとほぼ一致)は投影光学
系PLを介してウエハW上に投影され、照明領域に共役
なスリット状の投影領域、すなわち露光領域が形成され
る。ウエハWはレチクルRとは倒立結像関係にあたるた
め、ウエハWは速度VRの方向とは反対方向にレチクル
Rに同期して速度VWで走査され、ウエハW上のショッ
ト領域SAの全面が露光可能となっている。走査速度の
比VW/VRは正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じた
ものとなっており、レチクルRのパターン領域のパター
ンがウエハW上のショット領域上に正確に縮小転写され
る。なお、照明領域の長手方向の幅は、レチクルR上の
パターン領域よりも広く、遮光領域の最大幅よりも狭く
なるように設定され、レチクルRを走査(スキャン)す
ることによりパターン領域全面が照明されるようになっ
ている。
【0115】以上のように制御されながら行われる走査
露光により、一つのショット領域に対するレチクルパタ
ーンの転写が終了すると、基板テーブル11がステッピ
ングされて、次のショット領域に対する走査露光が行わ
れる。このようにして、ステッピングと走査露光とが順
次繰り返され、ウエハW上に必要なショット数のパター
ンが転写される。
【0116】したがって、本実施形態の露光装置100
によれば、ウエハWの高速移動及び高精度位置制御がで
きるので、スループット向上及び露光精度向上の双方を
図ることができる。
【0117】上記の本実施形態の装置100は、多数の
機械部品からなるレチクルステージRST、複数のレン
ズから構成される投影光学系PL等を組み立てるととも
に、上述のようにして組み立てられた可動子51を組み
付けて平面モータ装置50を組み立てた後、該平面モー
タ装置を組み付けてステージ装置30を組み立てる。そ
して、レチクルステージRST、投影光学系PL、ステ
ージ装置30等を組み合わせた後に、総合調整(電気調
整、光学調整、動作確認等)をすることにより製造する
ことができる。なお、露光装置100の製造は温度及び
クリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが
望ましい。
【0118】なお、上記の実施形態では、可動子の固定
子からの浮上にエアガイド機構を用いたが磁気浮上機構
を採用することも可能である。さらに、磁極ユニットに
おいて、永久磁石に代えて永久磁石と同等な電磁石を使
用することも可能である。
【0119】また、上記の実施形態では、電機子コイル
45の配列周期を磁極ユニット38が発生する磁束密度
の変化周期の1/6として、いわゆる3相電流を電機子
ユニット49の電機子コイル45に供給したが、電機子
コイル45を他の配列周期で配列し、それに応じた相数
の電流を供給することも可能である。
【0120】また、上記の実施形態では、電機子コイル
の保持部材として磁性体部材を使用したが、非磁性体部
材を採用することも可能である。電機子コイルの保持部
材として非磁性体部材を採用した場合には、水平方向の
成分(X方向やY方向の成分)を有する磁束を発生させ
ることができるので、磁極ユニットを水平面(XY面)
に沿って磁極ユニットを駆動させるとともに、Z方向に
沿って磁極ユニットを駆動することができる。
【0121】さらに、上記実施形態では電機子コイルの
冷却用に冷却液を使用したが、冷媒となる流体であれば
気体冷媒を使用することが可能である。
【0122】また、本実施形態では、可動子が電機子ユ
ニットを備え、固定子が磁極ユニットを備える構成とし
たが、可動子が磁極ユニットを備え、固定子が電機子ユ
ニットを備える構成とすることもできる。
【0123】また、本発明は、紫外線を光源にする縮小
投影露光装置、波長10nm前後の軟X線を光源にする
縮小投影露光装置、波長1nm前後を光源にするX線露
光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームによる露光
装置などあらゆるウエハ露光装置、液晶露光装置等に適
応できる。また、ステップ・アンド・リピート機、ステ
ップ・アンド・スキャン機、ステップ・アンド・スティ
ッチング機を問わない。但し、ウエハ等の周囲環境を真
空とする必要のある、波長10nm前後の軟X線を光源
にする縮小投影露光装置、波長1nm前後を光源にする
X線露光装置、EB(電子ビーム)やイオンビームによ
る露光装置などで本発明を採用する場合には、磁気浮上
機構等を採用することが望ましい。
【0124】また、本発明のモータ装置は、露光装置に
おける基板ステージ装置への適用に限定されるものでは
なく、例えば露光装置におけるレチクルステージ装置に
も適用が可能であるし、また、露光装置以外であっても
試料の位置制御が必要な場合には適用が可能である。
【0125】
【発明の効果】本発明のモータ装置によれば、軸方向に
磁化された筒型磁石と径方向に磁化された筒型磁石とが
軸方向に沿って交互に配列されるので、磁束密度が大き
な磁極ユニット近傍における磁束密度の軸方向の分布は
緩やかに変化し、含まれる高周波成分が小さくなる。か
かる磁極ユニットの近傍に電機子ユニットを配置するこ
とにより、軸方向の駆動力を効率的かつ制御性良く発生
することができる。また、同極性の磁極面同士を接合す
る場合に生じる大きな反発力を回避することができるの
で、磁極ユニットの組み立て、ひいてはモータ装置の組
み立てが容易となる。
【0126】本発明のステージ装置によれば、本発明の
モータ装置によって駆動力を発生させるので、移動体の
載置面上に載置された物体を高速移動させるとともに、
位置制御を高精度で行うことができる。
【0127】また、本発明の露光装置によれば、所定の
パターンが転写される基板を保持する基板ステージ装置
や、所定のパターンが形成されたマスクを保持するマス
クステージ装置に本発明のモータ装置を用いるので、制
御性良く高速に基板を移動させることができる。したが
って、高精度のパターン転写を、スループットを向上し
て行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の露光装置の概略的な構成を示す図
である。
【図2】図1の露光装置のウエハステージ装置周辺の構
成を示す斜視図である。
【図3】図2のリニアモータの概略的な構成を示す図で
ある。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、図3の固定子の
構成を説明するための図である。
【図5】図4の固定子の組み立て方法を説明するための
図である。
【図6】図6(A)及び図6(B)は、図3の可動子の
構成を説明するための断面図である。
【図7】可動子の内部空間に配置される部品を説明する
ための図である。
【図8】図2におけるA−A断面図である。
【図9】図2におけるB−B断面図である。
【図10】図10(A)及び図10(B)は、図2のリ
ニアモータにおける磁気回路及び磁束密度分布を説明す
るための図である。
【図11】図11(A)及び図11(B)は、図2のリ
ニアモータにおけるコイルを流れる電流を説明するため
の図である。
【図12】図2のリニアモータにおける、磁石とコイル
との位置関係を説明するための図である。
【図13】コイルに供給される電流を説明するためのグ
ラフである。
【図14】可動子の駆動力を説明するための図である。
【符号の説明】
11…基板テーブル(移動体)、20XA,20XB…
リニアモータ(第2モータ装置)、20Y…リニアモー
タ(第1モータ装置)、22…磁石支持部材、24X
A,24XB,24Y…磁性体部材、34L,34L
C,34R…永久磁石(第1の磁石)、34N,34S
…永久磁石(第2の永久磁石)、38…磁極ユニット、
41…容器本体部材(容器の一部)、42…蓋部材(容
器の一部)、43…コイル支持部材、45…電機子コイ
ル、46…フィン部材(放熱部材の一部)、47…ビッ
グフィン部材(放熱部材の一部)、49…電機子ユニッ
ト、74…冷却機(冷却装置)、IOP…照明系(ビー
ム源)、W…ウエハ(基板、物体)。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁極ユニットと電機子ユニットとを電磁
    相互作用により所定の軸に沿って相対移動させるモータ
    装置において、 前記磁極ユニットは、前記所定の軸を中心軸とする筒状
    の形状を有し、前記所定の軸の軸方向に磁化され、前記
    軸方向に沿って所定間隔で配設された複数の第1磁石
    と;前記所定の軸を中心軸とする筒状の形状を有し、径
    方向に磁化され、前記第1の磁石の配列において隣り合
    う前記第1磁石の間に配設された複数の第2磁石とを備
    え、 前記磁極ユニットは、前記軸方向に沿って変化する磁束
    密度を発生することを特徴とするモータ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1磁石は、前記所定の軸を中心軸
    とする円筒状の形状を有するとともに、前記第2磁石
    は、前記所定の軸を中心軸とする円筒状の形状を有し、
    前記磁極ユニットは、前記所定の軸を中心軸としてほぼ
    回転対称の磁束密度を発生することを特徴とする請求項
    1に記載のモータ装置。
  3. 【請求項3】 前記第2磁石は、前記軸方向の両側の前
    記第1磁石と隣接することを特徴とする請求項1又は2
    に記載のモータ装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の第1磁石の配列において隣り
    合う前記第1磁石の磁化方向は互いに反対向きであり、
    前記複数の第2磁石の配列において隣り合う前記第2磁
    石の磁化方向は互いに反対向きであることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のモータ装置。
  5. 【請求項5】 前記第1磁石の磁極面の極性は、その磁
    極面が対向する前記第2磁石の円筒外側面の磁極面の極
    性と同一であり、前記電機子ユニットは、前記第1磁石
    及び前記第2磁石の径方向外側に配設されることを特徴
    とする請求項4に記載のモータ装置。
  6. 【請求項6】 前記磁極ユニットとともに磁気回路を形
    成する磁性体部材を更に備えることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれか一項に記載のモータ装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の第1磁石及び前記複数の第2
    磁石の径方向内側に配設され、前記複数の第1磁石及び
    前記複数の第2磁石を支持する磁石支持部材を更に備え
    る請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ装置。
  8. 【請求項8】 前記磁石支持部材は、前記複数の第1磁
    石及び前記複数の第2磁石の全ての径方向内側を貫通す
    る筒状部材を有することを特徴とする請求項7に記載の
    モータ装置。
  9. 【請求項9】 前記磁石支持部材の少なくとも一端部の
    外側面に第1のねじ溝が形成され、 前記第1のねじ溝が形成された外側面の領域で支持され
    る前記磁石の内側面には、前記第1のねじ溝と螺合する
    第2のねじ溝が形成されていることを特徴とする請求項
    7又は8に記載のモータ装置。
  10. 【請求項10】 前記電機子ユニットは、前記所定の軸
    を中心軸とする筒状の形状を有するとともに、前記所定
    の軸を中心軸とする回転方向の電流経路を有し、前記軸
    方向に沿って配設された複数の電機子コイルを含むこと
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のモー
    タ装置。
  11. 【請求項11】 前記磁極ユニットが発生する磁束密度
    の前記軸方向に関する変化は周期的であり、 前記複数の電機子コイルは、前記磁極ユニットが発生す
    る磁界の前記軸方向の変化周期の1/N(Nは2以上の
    整数)の配列周期で、前記軸方向に沿って配設されるこ
    とを特徴とする請求項10に記載のモータ装置。
  12. 【請求項12】 前記電機子コイルは、前記所定の軸を
    中心軸とする回転方向に巻かれた断面が矩形状の導電性
    線材を含むことを特徴とする請求項10又は11に記載
    のモータ装置。
  13. 【請求項13】 前記複数の電機子コイルを内部空間に
    収納する容器と;前記容器の内部空間に冷媒を供給して
    前記各電機子コイルを冷却する冷却装置とを更に備える
    ことを特徴とする請求項10〜12のいずれか一項に記
    載のモータ装置。
  14. 【請求項14】 前記電機子コイルに取り付けられた、
    熱伝導率の高い材質から成る放熱部材を更に備えること
    を特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の
    モータ装置。
  15. 【請求項15】 前記容器の内部空間の内周側に設けら
    れ、前記複数の電機子コイルを支持するコイル支持部材
    を更に備え、 前記容器の外周側の内壁が平滑化されていることを特徴
    とする請求項10〜14のいずれか一項に記載のモータ
    装置。
  16. 【請求項16】 載置面を有する移動体と;前記移動体
    を第1軸方向に移動させる少なくとも1つの第1モータ
    装置とを備え、 前記第1モータ装置の少なくとも1つは、請求項1〜1
    5のいずれか一項に記載のモータ装置であることを特徴
    とするステージ装置。
  17. 【請求項17】 前記移動体と前記第1モータ装置とを
    一体的に前記第1軸方向とは異なる第2軸方向に移動さ
    せる少なくとも1つの第2モータ装置を更に備え、前記
    第1モータ装置の少なくとも1つは、請求項1〜15の
    いずれか一項に記載のモータ装置であることを特徴とす
    る請求項16に記載のステージ装置。
  18. 【請求項18】 露光用ビームを発生するビーム源と;
    前記露光用ビームの経路に配置された物体を載置面上に
    搭載する請求項16又は17に記載のステージ装置とを
    備えることを特徴とする露光装置。
  19. 【請求項19】 前記物体は、前記露光ビームによって
    露光される基板であることを特徴とする請求項18に記
    載の露光装置。
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