JP4542305B2 - 駆動案内装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はレールと該レールに相対運動自在に配設された移動台を備えた案内機構を有し、駆動手段にリニアモータを用いた駆動案内装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の駆動案内装置としては、特許文献1、2に開示されているものがある。図1は従来のこの種の駆動案内装置の概略構成を示す図である。図において、100はリニアモータであり、該リニアモータ100は電機子コイルを含む通電側である一次側101と、磁石等を備えた非通電側である二次側102で構成され、一次側101はテーブル103を介して案内機構104の移動台としての移動ブロック105、105に連結されている。また、リニアモータ100の二次側102はベース106に固定され、該ベース106は定盤107の上面に固定されている。
【0003】
ベース106には移動ブロック105、105と共に、案内機構を構成する2本のレール108、108が平行に配設され、移動ブロック105、105はリニアモータ100から駆動力を得て該レール108、108に沿って移動するようになっている。レール108には後に詳述するように、長手方向に沿って複数の転動体転走面が形成され、移動ブロック105、105には転動体転走面に対応する負荷転動体転走路を含む無限循環路が形成されている。移動ブロック105、105がレール108、108に沿って移動すると無限循環路に配列・収容された複数の転動体が前記負荷転動体転走路で荷重を受けながら転走循環するようになっている。
【0004】
上記構成の駆動案内装置において、移動ブロック105、105にわたって取り付け固定されたテーブル103には、リニアモータ100の電機子コイルを含む通電側である一次側101が取り付けられているから、一次側101の電機子コイル(図示せず)に駆動電流を通電することにより、該一次側101から発せられる熱がテーブル103に伝わり、該熱によりテーブル103や移動ブロック105、105が加熱され熱膨張を起こす。このテーブル103や移動ブロック105、105の熱膨張による応力が移動ブロック105、105に加わる。上記案内機構104の移動ブロック105、105の無限循環路に配列・収容された複数の転動体には、所定圧の予圧が与えられている。具体的には上記負荷転動体転走路の路径に対して僅かに大きな径の転動体を挿入し、負の隙間、即ち転動体及び転走面に弾性変形を生じさせる。上記のように移動ブロック105、105に熱膨張による応力が加わると、上記予圧に変動をきたし、一方の側では予圧が増大し、他方の側では減少或いはゼロになるという現象が発生し、予圧の増大についてとらえると、転動体の転がり抵抗が大となって駆動案内装置の寿命を短縮するという問題があった。
【0005】
ここで、予圧について説明する。予圧は、目的に見合った所定の剛性を確保するために与えられる。例えば精密測定器などの高精度を要求される装置では、ガタがあっては用をなさないので、ガタをとる程度の軽予圧をかける。また、工作機械などでは剛性が高くないと切削作業等は不可能であるから中程度の予圧をかける。
【0006】
なお、剛性には静剛性と動剛性とがある。静剛性は、静的な荷重に対するもので、移動ブロックの、取り付け基準面に対する変位のことである。また、動剛性とは、例えば工作機械に要求される性能で、その表現としては、時間と共に変化する荷重の振れ幅に対する時間と共に変化する変位の振れ幅の逆比で表わす。簡単に表現するなら、外部からの振動をいかに小さく伝えるかということである。
すなわち、動剛性の不足は、工作機械であれば、切削時等のビビリ発生の原因や、外部振動の影響を受けやすくなるなどの症状を招く。
【0007】
また、上記の従来例は、レール108と移動台としての移動ブロック105とが転動体を介して係合する、いわゆる転がり案内の構成であるが、レールと移動台との間に転動体が介装されない、即ちすべり案内の構成を採用する場合でも上述の問題は同様に発生し、案内装置の寿命が短くなる。転がり案内においては転がり抵抗の増大が問題であり、すべり案内の場合には摺動抵抗の増大が問題となる。
【0008】
【特許文献1】
特公平7−106053号公報
【特許文献2】
特開2001−99151号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、リニアモータの一次側を連結した案内機構のレール又は移動台に該一次側が発生する熱が伝わるのを防止して、以って案内機構の転がり抵抗(転がり案内において)又は摺動抵抗(すべり案内において)の変動を防止し、長寿命を確保できる駆動案内装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、リニアモータと、該リニアモータの通電側である一次側及び非通電側である二次側の相対運動を案内すると共に荷重を担う案内機構を備え、該案内機構はレールと、該レールに対して相対運動自在に配設された移動台とを有し、前記案内機構の移動台に前記リニアモータの一次側を連結した構成の駆動案内装置であって、案内機構は、レールには長手方向に沿って転動体転走面が形成され、移動台は転動体転走面に対応する負荷転動体転走路を含む無限循環路を有し、無限循環路に、レールと移動台の相対運動に伴って負荷転動体転走路で荷重を受けながら循環する多数の転動体が配列・収容された構成であり、案内機構の移動台にリニアモータの一次側を連結する構成は、リニアモータの一次側にヒートシンクを一体的に固定し、ヒートシンクは側面中央部に多数の放熱フィンを形成し、中央部の両外側側面を連結部とし、該ヒートシンクの連結部を断熱材を介在させて案内機構の移動台に連結した構成であり、ヒートシンクを断熱材を介在させて案内機構の移動台に連結した該断熱材は、ヒートシンクの熱膨張による変形分を剪断変形により吸収する作用と、該ヒートシンクから移動台への熱伝達を遮断する断熱作用を有する材料であり、ヒートシンクと移動台との両連結部間の熱膨張差によるヒートシンクの変形分を断熱材が剪断方向に変形することにより吸収することを特徴とする。
【0011】
上記のようにリニアモータの一次側にヒートシンクを一体的に固定し、該ヒートシンクを断熱材を介在させて案内機構の移動台に連結したことにより、リニアモータの一次側で発生した熱がヒートシンクにより効率よく放熱され、更にヒートシンクに残る熱も断熱材で案内機構の移動台に伝達することが抑制されるから、案内機構の転動体に与えられた予圧が、移動台の熱膨張によって発生する応力によって変動することがない。従って、転動体のスムーズな転走が確保され、駆動案内装置の長寿命が達成される。転がり案内においては、予圧が増大すると、フレーキング(材料の転がり疲れによって軌道又は転動体の表面がうろこ状に剥れる現象)が生じ易くなり、フレーキングが生じると寿命が著しく低下する。すべり案内では、このようなフレーキングの問題が生じ難い。また、放熱のためにリニアモータの構成上の制約が少なくなるから、駆動案内装置により適した構成のリニアモータを採用することもできる。また、ヒートシンクと移動体との両連結部間の熱膨張差によるヒートシンクの変形分を断熱材が剪断方向に変形することにより吸収するから、両連結部間のヒートシンクが熱膨張して湾曲することを防止でき、ヒートシンクに固定された一次側は変位することもないから、一次側と二次側との隙間寸法に変化がなく、リニアモータの特性も変化しない。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図2は本発明に係る駆動案内装置の第1実施例の概略構成例を示す図である。図において、10はリニアモータであり、該リニアモータ10は電機子コイルを含む通電側である一次側11と、磁石等を備えた非通電側である二次側12で構成され、一次側11はテーブル13を介して案内機構14の移動台としての移動ブロック15、15に連結され、リニアモータ10の二次側12はベース16に固定され、該ベース16は定盤17の上面に固定されている点は図1の従来例と同一である。
【0033】
また、ベース16には移動ブロック15、15と共に案内機構を構成する2本のレール18、18が平行に配設され、移動ブロック15、15はリニアモータ10から駆動力を得て該レール18、18に沿って移動するようになっている点も図1の従来例と同一である。本駆動案内装置が図1の駆動案内装置と相違する点は、リニアモータ10の一次側11とテーブル13の間に、該一次側11で発生する熱がテーブル13に伝達されるのを防止するため、断熱材19を設けた点である。この断熱材19の材質としてはガラス入りエポキシ樹脂材やセラミック材等を用いる。
【0034】
上記のようにリニアモータ10の一次側11とテーブル13の間に断熱材19を設けたことにより、一次側11の電機子コイル(図示せず)に駆動電流を通電することにより発生する熱がテーブル13や移動ブロック15、15に伝達されることなく、テーブル13、移動ブロック15、15が熱膨張することがない。
従って、案内機構14の移動ブロック15、15の無限循環路に配列・収容された複数のボール等の転動体に与えられた予圧(接触圧)に変動を与えることなく、転がり抵抗を一定に維持できるから、駆動案内装置の長寿命を確保できる。
【0035】
上記構成の駆動案内装置においては、リニアモータ10の一次側11に全面に断熱材19を介在させた例を示したが、断熱材19は一次側11に全面に介在させることなく、例えば図3に示すように一次側11の両側の所定の部位にレール18の長手方向に断熱材19、19を介在させてもよい。また、テーブル13の断熱材19と断熱材19の間の下面に断熱空間として作用する凹部20を設けることにより、一次側11からの輻射熱を遮断することが可能となる。また、ここでは断熱材19と断熱空間としての凹部20の両方を設けた例を示した。このようにすることによりどちらか一方の場合より断熱作用は向上するが、どちらか一方でもよい。また、断熱空間としての凹部20に対向するテーブル13側の面(凹部20の内面)を鏡面に形成することにより、更に輻射熱防止の効果が得られる。なお、鏡面とするには無電解ニッケルめっきを施したり、研磨等による。
【0036】
また、断熱材19はレール18の長手方向、即ちテーブル13(移動ブロック15、15)の運動方向に長尺とすることにより、この方向の剛性が大きくなり、発振現象を防止できる。
【0037】
次に、本発明に係る駆動案内装置の具体的構成例を説明する。図4乃至図7は本発明にかかる駆動案内装置の構成例を示す図であり、図4は平面図、図5は側面図、図6は図5のA−A矢視図、図7は図5のB−B矢視図である。図4乃至図7において、図2及び図3と同一符号を付した部分は同一又は相当部分を示す。リニアモータ10の一次側11は電機子コイル及び電機子コアで構成され、二次側12はマグネットプレートで構成される。二次側12はベース16上に固定されている。
【0038】
図7に示すように、リニアモータ10の一次側11とテーブル13の間には一次側11で発生する熱がテーブル13に伝わらないようにするため、ガラスエポキシ樹脂からなる断熱材19が設けられている。断熱材19はレール18の長手方向に長尺であり、一次側11の両側に配置されている。断熱材19と断熱材19に挟まれたテーブル13の下面には断熱空間となる凹部20が形成されている。また、テーブル13側の該断熱空間に対向する面(凹部20の内面)は鏡面に形成されている。
【0039】
マグネットプレートで構成されるリニアモータ10の二次側12の両側にはそれぞれレール18がベース16上に平行に配設(固定)されている。該レール18、18にはそれぞれ複数個(図では2個)の移動ブロック15、15が該レール18、18に沿って移動自在に配設されている。そして上記テーブル13は各レール18、18に移動自在に配設された複数個(図では4個)の移動ブロック15に支持されている。リニアモータ10の一次側11の電機子コイル(図示せず)に駆動電流を通電することにより、該一次側11と二次側12の磁気相互作用により、一次側11は二次側12に沿って移動する、その移動力がテーブル13を介して移動ブロック15に伝達され、該移動ブロック15はレール18、18に沿って移動する。
【0040】
ベース16の両端部にはエンドプレート21が取り付けられ、該エンドプレート21にはそれぞれストッパー22が取り付けられている。また、テーブル13の両端にはスクレーパ23、23が取り付けられている。
【0041】
ベース16の一方の側部には、リニアスケール24が設けられ、テーブル13の一方の側部には該リニアスケール24を読み取り、テーブル13の移動位置(移動距離)を検出するためのリニアエンコーダヘッド25がブラケット26を介して取り付けられている。
【0042】
ベース16の他方の側部には、ケーブルベア取付板27が取り付けられ、テーブル13の他方の側部にはケーブルベア受け28が取り付けられている。ケーブルベア取付板27に配置されたリニアモータ10の一次側11に駆動電力を供給するための動力ケーブル29、信号を送受するための信号ケーブル30、一次側11を冷却するための水等を供給するナイロンチューブ31はケーブルベア受け28を通してリニアモータ10の一次側11に接続されている。なお、図中38はセンタカバー、39はサイドカバーである。
【0043】
上記のようにリニアモータ10の一次側11とテーブル13の間に断熱材19、19を設け、該断熱材19と断熱材19の間のテーブル13の下面に断熱空間となる凹部20を設けたので、断熱材19、19の伝熱遮断作用と凹部20の輻射熱遮断作用により、リニアモータ10の一次側11で発生する熱がテーブル13に伝達されることがないから、移動ブロック15の無限循環路に配列・収容した転動体に与えた予圧に変動を与えることがない。また、テーブル13下面に形成された凹部20の内面を鏡面に形成することにより、更に輻射熱の遮断作用が向上する。
【0044】
図8乃至図10は案内機構14の詳細構成を示す図で、図8は斜視図、図9は断面図、図10は移動ブロックの断面図である。断面矩形状のレール18にはその長手方向に沿って転動体転走面としてのボール転走溝18−1が左右側面に2条ずつ、計4条形成され、移動ブロック15には該ボール転走溝18−1に対向する負荷転動体転走路をなす負荷転走溝15−1を含む無限循環路が形成され、該無限循環路にはレール18及び移動ブロック15の相対移動に伴ってボール転走溝18−1と負荷転走溝15−1との間で転動して循環する複数の転動体として複数のボール32が配列・収容されている。この案内機構14はラジアル方向の荷重、水平方向の荷重は勿論、各方向のモーメントなど、あらゆる方向の荷重を負荷できるように構成されている。
【0045】
移動ブロック15は、負荷転走溝15−1及びこれに平行なボール戻し路が形成された移動ブロック本体15aと、移動ブロック本体15aの両端に結合されて該負荷転走溝15−1及びボール戻し路を連絡する方向転換路を有するエンドキャップ15bとから構成され、レール18を跨ぐように取り付けられている。
移動ブロック15の上面はテーブル13が搭載され取り付けられるようになっている。
【0046】
上記移動ブロック15に形成された負荷転走溝15−1は、レール18に形成された各ボール転走溝18−1に対向して形成されており、これら負荷転走溝15−1とボール転走溝18−1との間には複数のボール32、即ち転動体が挟み込まれている。そして、これらボール32は移動ブロック15の移動に伴い、上記エンドキャップ15bに形成された方向転換路を介してボール戻し路へと送り込まれ、再び負荷転走溝15−1に導かれ、無限循環路を循環する。
【0047】
図9及び図10に示すように、複数のボール32は、保持部材33によって一連に回転・摺動自在に保持される。この保持部材33は、ボール32と交互に配置された間座34と、この間座34を接続する薄板状の可撓性を有するベルト35とで構成される。上記無限循環路に配置・収容された複数のボール32にはスムーズな転走を保障するため予め所定圧の予圧(接触圧)を与えている。
【0048】
レール18の上面と移動ブロック15との間、並びにレール18の側面と移動ブロック15との間にはシール部材36及びシール部材37が配設され、このシール部材36、37が、ボール転走溝18−1と負荷転走溝15−1との間に充填される潤滑剤の外部への漏れを防止し、且つ外部からの塵埃の侵入を防ぐ。
【0049】
図11は本発明に係る駆動案内装置の他の実施例の概略構成例を示す図である。図において、50は円筒型のリニアモータであり、該リニアモータ50は電機子コイルを含む通電側である円筒状の一次側51と、非通電側である長尺円柱状のスラスト軸からなる二次側52で構成される。53は案内機構であり、該案内機構53は基底部54−1の両側に一対の側壁54−2、54−2を立設した構成のアウタレール54と、アウタレール54の側壁54−2、54−2の間に形成された凹部58の溝内を移動するインナブロック55を具備する。案内機構53のインナブロック55には上面中央長手方向に凹部58が形成されたテーブル56が取り付けられ、該テーブル56にリニアモータ50が断熱材57、57を介在して取り付けられている。
【0050】
上記構成の駆動案内装置において、テーブル56とリニアモータ50の間に断熱材57が介在していないとすると、リニアモータ50の一次側51の電機子コイル(図示せず)に、駆動電流を通電することにより発生する熱はテーブル56を介してインナブロック55に伝達され、インナブロック55が熱膨張する。アウタレール54には後に詳述するように、長手方向に沿って複数の転動体転走面が形成され、インナブロック55には転動体転走面に対応する負荷転動体転走路を含む無限循環路が形成されている。そしてこの無限循環路に複数の転動体(ボール)が配列・収容され転走循環するようになっており、該転動体には所定の予圧が与えられているから、上記のようにインナブロック55が熱膨張することにより、予圧が大きくなったり、また逆に小さくなるという現象が発生する。
【0051】
ここでは、テーブル56とリニアモータ50の間に断熱材57、57が介在しているので、リニアモータ50の一次側51に発生する熱はこの断熱材57で遮断されテーブル56やインナブロック55に伝達されることがない。従って、インナブロック55は熱膨張することがなく、上記のように無限循環路に配列・収容されている複数の転動体(ボール)に与えられた予圧も変動することがない。
また、テーブル56の上面中央部に形成された凹部58は一次側51からの輻射熱を遮断する断熱空間として作用することになる。また、凹部58の内面を鏡面に形成することにより、輻射熱を遮断する作用は更に向上する。なお、59はリニアモータ50の一次側51に駆動電力を供給する動力ケーブル、信号送受のための信号ケーブルが接続するためのケーブル受けである。
【0052】
図12は上記案内機構53の構成例を示す図である。図示するように、アウタレール54の基底部54−1の両側に立設した側壁54−2、54−2の間に形成された凹部58の溝内をインナブロック55が移動するようになっている。各側壁54−2、54−2の内側面にはアウタレール54の長手方向に沿って転動体転走面としての2条のボール転走溝54−3、54−3が形成されている。インナブロック55の両外側面にはアウタレール54に形成されたボール転走溝54−3、54−3と対向する負荷転動体転走路を示す負荷転走溝55−1、55−1が形成されている。これらアウタレール54のボール転走溝54−3、54−3とインナブロック55の負荷転走溝55−1、55−1との間で転動体であるボール60が荷重を負荷しながら転走するように構成されている。
【0053】
インナブロック55は各負荷転走溝55−1に対応してボール60の無限循環路55−2を具備しており、負荷転走溝55−1を転走するボール60を無限循環させることにより、インナブロック55はアウタレール54に沿って移動する。インナブロック55の上面には上記のようにテーブル56が取り付けられている。インナブロック55の無限循環路55−2に配列・収容された複数のボール60にそのスムーズな転動を保障するため予め所定圧の予圧が与えられている。
【0054】
図13は本発明に係る駆動案内装置の更に他の実施例の概略構成例を示す図である。図において、70は円筒型のリニアモータであり、該リニアモータ70は電機子コイルを含む通電側である円筒状の一次側71と、非通電側である長尺円柱状のスラスト軸からなる二次側72で構成される。また、案内機構75はベース78の基底部78−1の両側に立設した側壁78−2、78−2の上端面にレール77、77が設けられ、該レール77、77を跨ぐように移動ブロック76、76が配設されている構成である。リニアモータ70の一次側71は断熱材73、73を介してテーブル74に取り付けられ、該テーブル74は案内機構75、75の移動ブロック76、76に取り付けられている。また、テーブル74下面の該断熱材73、73の間には断熱空間として作用する凹部79が形成されている。
【0055】
リニアモータ70の一次側71の電機子コイル(図示せず)に通電することにより、該一次側71は側壁78−2、78−2の間に形成された凹部79の溝内をレール77、77に沿って移動することになる。電機子コイルに通電することにより、一次側71で熱が発生するが、該熱は断熱材73、73により遮られ、テーブル74へは伝達しない。また、テーブル74下面に形成された凹部79は一次側71からの輻射熱を遮断する輻射熱遮断空間に作用し輻射熱を遮る。なお、凹部79の内面を鏡面とすることにより、輻射熱を遮断する作用は更に向上する。
【0056】
上記案内機構75、75の構成は、図8乃至図10に示す構成の案内機構と略同一(但し、無限循環するボール列の条数及びその配置は異なる)であるから、その説明は省略する。上記のようにリニアモータ70の一次側71とテーブル74の間に断熱材73、73を介在させ、更にテーブル74下面に輻射熱遮断空間となる凹部79を形成することになり、一次側71で発生する熱がテーブル74に伝達されることなく、テーブル74の熱膨張がないから、案内機構75、75の無限循環路に配列・収容した転動体に与えた予圧も変動することない。
【0057】
なお、上記例ではリニアモータの一次側と移動ブロック、即ち移動台の間にテーブル等を介して間接的に断熱材を介在させているが、直接的に断熱材を介在させてもよい。また、上記例ではリニアモータの一次側と移動台の間に断熱手段を介在させているが、リニアモータの一次側と軌道台(レール)の間に断熱手段を介在させ、一次側で発生する熱がレールに伝達しないようにする場合もある。
【0058】
ところで、前述した各実施例では、リニアモータの一次側と二次側との案内をなす案内機構が、レール(レール18及びアウタレール54)と移動ブロック(移動ブロック15及びインナブロック55)とが転動体(ボール又はローラ)を介して相対移動自在である転がり案内の構成であるが、これに限らず、すべり案内の構成を採用してもよい。
【0059】
図14は、すべり方式の案内機構84を備えた駆動案内装置の概略構成例を示す図である。この駆動案内装置は、下記の構成を除いて図2に示した第1実施例の駆動案内装置と同様に構成されている。
【0060】
図示のように、案内機構84は、断面矩形状のレール88、88と、該レール88、88に跨架状態にして相対運動自在に組み付けられて上面にテーブル13が装着された移動ブロック85、85を有しており、ベース16上に左右一対設けられている。レール88、88及び移動ブロック85、85は、すべり案内、つまり、互いの間に転動体は介装されず、直接摺動自在に組み込まれている。具体的には、両案内機構84、84が備えた各レール88、88について、その相互対向面を内側とすると、各レール88、88の外側面と移動ブロック85、85の外側脚部85−1、85−1との間には隙間eが形成されている。即ち、両レール88、88は、各々の内側面及び上面が移動ブロック85、85に摺接している。そして、各レール88、88の内側面と移動ブロック85、85の内側脚部85−2、85−2間には、所定の面圧が生ずるようになっている。
【0061】
当該駆動案内装置においても、リニアモータ10の一次側11とテーブル13の間に断熱材19を設けたことにより、一次側11の電機子コイル(図示せず)に駆動電流を通電することにより発生する熱がテーブル13や移動ブロック85、85に伝達されることがなく、テーブル13、移動ブロック85、85が熱膨張することがない。従って、レール88、88、移動ブロック85、85間の摺動抵抗の変動が防止されて一定に維持されるから、駆動案内装置の長寿命を確保できる。
【0062】
図15に、すべり方式の案内機構を備えた他の駆動案内装置の概略構成を示す。この駆動案内装置は、下記の構成を除いて図14に示した駆動案内装置と同様に構成されている。
【0063】
図示のように、この駆動案内装置においては、左右に設けられた両案内機構84、84が備えた各レール88、88について、その相互対向面を内側とすると、各レール88、88の内側面と移動ブロック85、85の内側脚部85−2、85−2との間に隙間eが形成されている。即ち、両レール88、88は、各々の外側面及び上面が移動ブロック85、85に摺接している。そして、各レール88、88の外側面と移動ブロック85、85の外側脚部85−1、85−1間には、所定の面圧が付与されている。
【0064】
かかる構成の駆動案内装置も、図14に示した駆動案内装置と同様で、リニアモータ10の一次側11の電機子コイルで発生する熱の伝達が断熱材19によって遮断され、テーブル13、移動ブロック85、85が熱膨張することがなく、故に、レール88、88、移動ブロック85、85間の摺動抵抗の変動が防止され、駆動案内装置の長寿命を確保できる。
【0065】
図16に、すべり方式の案内機構を備えた更に他の駆動案内装置の概略構成を示す。この駆動案内装置は、下記の構成を除いて図14及び図15に示した駆動案内装置と同様に構成されている。
【0066】
図示のように、この駆動案内装置においては、左右に設けられた両案内機構84、84のうち一方、この場合は右側の案内機構84が備えたレール88については、その内外両側面と移動ブロック85の内外両脚部85−1、85−2との間に隙間eが形成されている。つまり、このレール88は、上面のみにて移動ブロック85に摺接する。
【0067】
また、他方、つまり左側の案内機構84が備えたレール88については、その内側面及び上面が移動ブロック85に摺接すると共に、外側面に関してはギブ89を介して移動ブロック85の内側脚部85−2に係合している。つまり、この片側のレール88の外側面と移動ブロック85の外側脚部85−1間、又、該レール88の内側面と移動ブロック85の内側脚部85−2間に、所定の面圧が付与されている。
【0068】
かかる構成の案内装置も、図14及び図15に示した各駆動案内装置と同様で、リニアモータ10の一次側11の電機子コイルで発生する熱の伝達が断熱材19によって遮断され、テーブル13、移動ブロック85、85が熱膨張することがなく、故に、レール88、移動ブロック85間の摺動抵抗の変動が防止され、駆動案内装置の長寿命を確保できる。
【0069】
図17、図18はそれぞれ図11に示す構成の駆動案内装置の温度上昇試験結果を示す図である。図において、横軸は経過時間(h(hour))を縦軸は上昇温度(℃)を示す。温度測定点はリニアモータ50のP1点、インナブロック55のP2点とし、リニアモータ50の通電側である一次側51のを移動を停止(拘束)して、該一次側51に通電してその温度上昇を測定した。図17、図18はそれぞれ定格の異なるリニアモータ50であり、それぞれの一次側51に2.86Aの定格ピーク電流、2.96Aの定格ピーク電流を通電した場合の例を示す。
【0070】
図17の例では図示するように、リニアモータ50のP1点の温度が63.0℃まで上昇するのに対して、インナブロック55のP2点が10.2℃までしか上昇せず、テーブル56とリニアモータ50の間に断熱材57を設け、テーブル56の上面中央部に凹部58による空間を形成したことにより、断熱効果が顕著に表われている。また、図18の例では図示するように、リニアモータ50のP1点の温度が57.2℃まで上昇するのに対して、インナブロック55のP2点が8.9℃までしか上昇せず、テーブル56とリニアモータ50の間に断熱材57を設け、テーブル56の上面中央部に凹部58による空間を形成したことにより、断熱効果が顕著に表われている。
【0071】
図19、図20はそれぞれ図13に示す構成の駆動案内装置の温度上昇試験結果を示す図である。図において、横軸は経過時間(h)を縦軸は上昇温度(℃)を示す。温度測定点はリニアモータ70のP3点、テーブル74の上面のP4点とし、リニアモータ70の通電側である一次側71の移動を停止(拘束)して、該一次側(電機子コイル)71に通電してその温度上昇を測定した。図19、図20はそれぞれ定格の異なるリニアモータ70であり、それぞれの一次側71に2.34Aの定格ピーク電流、2.23Aの定格ピーク電流を通電した場合の例を示す。
【0072】
図19の例では図示するように、リニアモータ70のP3点の温度が58.7℃まで上昇するのに対して、テーブル74のP4点が8.2℃までしか上昇せず、テーブル74とリニアモータ70の間に断熱材73を設け、テーブル74の下面中央部に凹部79による空間を形成したことにより、断熱効果が顕著に表われている。また、図20の例では図示するように、リニアモータ70のP3点の温度が65.1℃まで上昇するのに対して、テーブル74のP4点が13.0℃までしか上昇せず、テーブル74とリニアモータ70の間に断熱材73を設け、テーブル74の下面中央部に凹部79による空間を形成したことにより、断熱効果が顕著に表われている。
【0073】
上記のようにリニアモータの一次側を連結した案内機構のレール又は移動台と該一次側との間に該一次側が発する熱を遮断する断熱材及び空間を設けることにより、断熱効果があるが、更に断熱効果(放熱効果)を向上させるために、図21に示すように、リニアモータ70の外側面に多数のフィン70aを設けてもよい。なお、図21に示す駆動案内装置は図13に示す案内装置において、リニアモータ70の外側面に多数のフィン70aを設けたものである。その動作は図13の駆動案内装置と同じである。
【0074】
図22は本発明に係る駆動案内装置の具体的構成例を示す図である。ここでは駆動案内装置の本体部分の構成は図4乃至7に示す駆動案内装置と略同一であるが、リニアモータとその発熱部から熱を放熱するための構成が異なる。即ち、ここではリニアモータ10’の二次側(固定側)12’は断面コの字状に形成され、一次側(可動側)11’は板状に形成されている。該一次側11’は二次側12’の断面コの字状の溝内を通って移動するようになっている。この一次側11’には、図示するように、多数の放熱フィン41が付いた放熱フィン付きヒートシンク40が一体的に固定され、該放熱フィン付きヒートシンク40に断熱材19を介在させてテーブル13が設けられている。
【0075】
上記構成の駆動案内装置において、一次側11’の電機子コイル(図示せず)に駆動電流を通電すると、該一次側11’に放熱フィン付きヒートシンク40及び断熱材19を介在させて固定されたテーブル13は一次側11’の駆動力により案内機構14に案内されて移動する。即ち、レール18、18に沿って移動ブロック15、15に固定されたテーブル13が移動する。このようにリニアモータ10’をその板状の一次側11’が断面コの字状に形成された二次側12’の溝を通って移動するように構成すると、一次側(電機子コイル)11’は二次側(主にマグネット)12’により囲まれることになるため、一次側11’で発熱した熱の放熱が妨げられる。
【0076】
ここでは、上記のように一次側11’に一体的に放熱フィン付きヒートシンク40が固定されているため、該一次側11’で発生した熱は、放熱フィン付きヒートシンク40に伝わり、放熱フィン41から効率よく放熱される。放熱フィン付きヒートシンク40には、例えば内部にヒートパイプが配設された、既知の構成のものを用いる。このようにリニアモータ10’の一次側11’に放熱フィン付きヒートシンク40を取り付けることにより、一次側11’は二次側(マグネット)12’に囲まれている放熱作用の悪い構成のリニアモータ10’でも、一次側11’で発熱した熱を効率よく放熱され、リニアモータ10’の昇温を抑えることが可能となる。また、放熱フィン付きヒートシンク40とテーブル13の間に断熱材19を介在させているから、テーブル13や移動ブロック15に伝達する熱は更に抑制される。
【0077】
図23は上記放熱フィン付きヒートシンクの放熱フィン板の構造例を示す図であり、図24は放熱フィンの拡大図である。放熱フィン板は基板42の上面に長い板状の多数の放熱フィン41が所定の間隔で立設した構造である。そして個々の放熱フィン41は、図24に示すようにその両側面に波型の凹凸41aを設けている。これにより、個々の放熱フィン41の放熱面積が大きくなる。
【0078】
図25は本発明に係る駆動案内装置の具体的構成例を示す図である。ここでの駆動案内装置は、図22に示す駆動案内装置と略同じ構成であるが、放熱フィン付きヒートシンク40との間に介在する断熱材19を構成する材料及びテーブル13と放熱フィン付きヒートシンク40を結合する構造が異なる。ここでは断熱材19は、放熱フィン付きヒートシンク40が熱膨張による変形分を吸収し、放熱フィン付きヒートシンク40に結合されたリニアモータ10’の一次側(可動子)11’が変形するのを防止している。
【0079】
放熱フィン付きヒートシンク40が熱膨張すると、該放熱フィン付きヒートシンク40はテーブル13に固定されているから、両者の熱膨張差により放熱フィン付きヒートシンク40は湾曲するように変形する。この放熱フィン付きヒートシンク40の変形によりリニアモータ10’の一次側(可動子)11’が変位し、一次側と二次側(固定子)12’の間の隙間寸法が変化し、リニアモータ10’の特性に影響を与える。そこで、ここでは放熱フィン付きヒートシンク40が熱膨張により図26(a)の矢印Bに示す方向に伸び、両側の断熱材19、19に剪断力が加わった場合、該断熱材19、19はそれぞれ図26(b)に示すように変形し、放熱フィン付きヒートシンク40の熱膨張により変形分を吸収する。即ち、断熱材19は図27(a)に示す状態から、図27(b)、(c)のように変形し放熱フィン付きヒートシンク40の変形分を吸収する。
【0080】
これにより、放熱フィン付きヒートシンク40の変形はなくなるから、リニアモータ10’の一次側11’と二次側(固定子)12’の間の隙間寸法に変化はなく、リニアモータ10’の特性に影響を与えることはない。断熱材19の材料としては断熱性が良く剪断力により変形し易い材料(幅方向に変形し易く、厚み方向に剛性のある材料)を用いる。例えば、積層ガラスエポキシは断熱性能に優れ、且つ剪断力に変形し易いという特性があるから、断熱材19の材料としては好適である。
【0081】
放熱フィン付きヒートシンク40は間に断熱材19を介してテーブル13にボルト43により締め付け固定されている。図28はボルト43による締め付け構造を示す図である。図示するように、テーブル13の上面のボルト43が貫通する部分には、座穴13aを設け、該座穴13aは鍔付円筒部材44、座金45を挿入されている。ボルト43は鍔付円筒部材44及び座金45を貫通して、放熱フィン付きヒートシンク40に設けたネジ穴46に螺合している。即ち、放熱フィン付きヒートシンク40はテーブル13との間に断熱材19、ボルト43の頭部43aとテーブル13の間に鍔付円筒部材44の鍔部と座金45を介在させてボルト43で締め付け固定されている。放熱フィン付きヒートシンク40はその両側が同じ締め付け構造でボルト43により締め付け固定されている。なお、ボルト43の外周部とテーブル13のボルト貫通穴13bの内壁面の間には隙間49を設け、放熱フィン付きヒートシンク40の熱がボルト43を通してその外周部からテーブル13に伝達されないようにしている。
【0082】
鍔付円筒部材44は断熱材19と同様、断熱性能に優れ、且つ剪断力に変形し易い材料(例えば積層ガラスエポキシ)を用いる。これにより放熱フィン付きヒートシンク40が昇温により熱膨張した場合、その熱膨張分は上記のように断熱材19、19が変形すると共に、鍔付円筒部材44が図29(a)に示す状態から、同図(b)、(c)に示すように変形することにより吸収され、放熱フィン付きヒートシンク40が昇温により熱膨張しても湾曲状に変形することはない。
また、放熱フィン付きヒートシンク40の熱はボルト43に伝わるが、ボルト43とテーブル13の間には断熱性能の優れた鍔付円筒部材44が介在しているから、この熱はテーブル13に伝わることはない。
【0083】
また、本駆動案内装置では、図25に示すように、リニアモータ10’の一次側の端部にはヒートシンク47が取り付けられている。該ヒートシンク47は図30に示すように、断面凹状の片側壁に所定間隔で多数のスリット47aを設けた、放熱フィン48を設けた構成である。このような構成のヒートシンク47を一次側の端部に設けることにより、リニアモータ10’の一次側の放熱効果は更に向上する。
【0084】
【発明の効果】
以上、説明したように各請求項に記載の発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
【0085】
請求項1に記載の発明によれば、案内機構の移動台にリニアモータの一次側を連結する構成は、リニアモータの一次側にヒートシンクを一体的に固定し、該ヒートシンクを断熱材を介在させて案内機構の移動台に連結した構成であるので、案内機構の転動体に与えられた予圧が、移動台の熱膨張によって発生する応力によって変動することはない。従って、転動体のスムーズな転走が確保され、駆動案内装置の長寿命が達成できるという優れた効果が得られる。なお、転がり案内においては、予圧が増大すると、フレーキング(材料の転がり疲れによって軌道又は転動体の表面がうろこ状にはがれる現象)が生じ易くなり、フレーキングが生ると寿命が著しく低下する。また、ヒートシンクと移動体との両連結部間の熱膨張差によるヒートシンクの変形分を断熱材が剪断方向に変形することにより吸収するから、両連結部間のヒートシンクが熱膨張して湾曲することを防止でき、ヒートシンクに固定された一次側は変位することもないから、一次側と二次側との隙間寸法に変化がなく、リニアモータの特性も変化しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の駆動案内装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明に係る駆動案内装置の概略構成例を示す図である。
【図3】本発明に係る駆動案内装置の概略構成例を示す図である。
【図4】本発明に係る駆動案内装置の構成例を示す平面図である。
【図5】本発明に係る駆動案内装置の構成例を示す側面図である。
【図6】図5のA−A矢視図である。
【図7】図5のB−B矢視図である。
【図8】本発明に係る駆動案内装置の案内機構の構成例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る駆動案内装置の案内機構の構成例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る駆動案内装置の案内機構の移動ブロックの構成例を示す断面図である。
【図11】本発明に係る駆動案内装置の他の実施例の概略構成例を示す図である。
【図12】本発明に係る駆動案内装置の案内機構の構成例を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る駆動案内装置の更に他の実施例の概略構成例を示す図である。
【図14】本発明に係るすべり方式の案内機構を備えた駆動案内装置の概略構成例を示す図である。
【図15】本発明に係るすべり方式の案内機構を備えた他の駆動案内装置の概略構成例を示す図である。
【図16】本発明に係るすべり方式の案内機構を備えた更に他の駆動案内装置の概略構成例を示す図である。
【図17】本発明に係る駆動案内装置の昇温試験の結果例を示す図である。
【図18】本発明に係る駆動案内装置の昇温試験の結果例を示す図である。
【図19】本発明に係る駆動案内装置の昇温試験の結果例を示す図である。
【図20】本発明に係る駆動案内装置の昇温試験の結果例を示す図である。
【図21】本発明に係る駆動案内装置の概略構成例を示す図である。
【図22】本発明に係る駆動案内装置の構成例を示す図である。
【図23】図22に示す駆動案内装置の放熱フィン付きヒートシンクの放熱フィン板の構成を示す図である。
【図24】図23の放熱フィン板の放熱フィンの構成を示す図である。
【図25】本発明に係る駆動案内装置の構成例を示す図である。
【図26】本発明に係る駆動案内装置の昇温によるテーブルとヒートシンクの関係を示す図である。
【図27】断熱材の変形を説明するための図である。
【図28】本発明に係る駆動案内装置のテーブルとヒートシンクの結合構造を示す図である。
【図29】鍔付円筒部材の変形を説明するための図である。
【図30】ヒートシンクの構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 リニアモータ
10’ リニアモータ
11 一次側
11’ 一次側
12 二次側
12’ 二次側
13 テーブル
14 案内機構
15 移動ブロック
16 ベース
17 定盤
18 レール
19 断熱材
20 凹部
21 エンドプレート
22 ストッパー
23 スクレーパ
24 リニアスケール
25 リニアエンコーダヘッド
26 ブラケット
27 ケーブルベア取付板
28 ケーブルベア受け
29 動力ケーブル
30 信号ケーブル
31 ナイロンチューブ
32 ボール
33 保持部材
34 間座
35 ベルト
36 シール部材
37 シール部材
38 センタカバー
39 サイドカバー
40 放熱フィン付きヒートシンク
41 放熱フィン
42 基板
43 ボルト
44 鍔付円筒部材
45 座金
46 ネジ穴
47 ヒートシンク
48 放熱フィン
49 隙間
50 リニアモータ
51 一次側
52 二次側
53 案内機構
54 アウタレール
55 インナブロック
56 テーブル
57 断熱材
58 凹部
59 ケーブル受け
60 ボール
70 リニアモータ
71 一次側
72 二次側
73 断熱材
74 テーブル
75 案内機構
76 移動ブロック
77 レール
78 ベース
79 凹部
84 案内機構
85 移動ブロック
88 レール
89 ギブ

Claims (1)

  1. リニアモータと、該リニアモータの通電側である一次側及び非通電側である二次側の相対運動を案内すると共に荷重を担う案内機構を備え、該案内機構はレールと、該レールに対して相対運動自在に配設された移動台とを有し、前記案内機構の移動台に前記リニアモータの一次側を連結した構成の駆動案内装置であって、
    前記案内機構は、前記レールには長手方向に沿って転動体転走面が形成され、前記移動台は前記転動体転走面に対応する負荷転動体転走路を含む無限循環路を有し、前記無限循環路に、前記レールと前記移動台の相対運動に伴って前記負荷転動体転走路で荷重を受けながら循環する多数の転動体が配列・収容された構成であり、
    前記案内機構の移動台に前記リニアモータの一次側を連結する構成は、前記リニアモータの一次側にヒートシンクを一体的に固定し、前記ヒートシンクは側面中央部に多数の放熱フィンを形成し、前記中央部の両外側側面を連結部とし、該ヒートシンクの連結部を断熱材を介在させて前記案内機構の移動台に連結した構成であり
    前記ヒートシンクを断熱材を介在させて前記案内機構の移動台に連結した該断熱材は、前記ヒートシンクの熱膨張による変形分を剪断変形により吸収する作用と、該ヒートシンクから前記移動台への熱伝達を遮断する断熱作用を有する材料であり、ヒートシンクと移動台との両連結部間の熱膨張差によるヒートシンクの変形分を前記断熱材が剪断方向に変形することにより吸収することを特徴とする駆動案内装置。
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