JP2010088225A - リニアモータアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】スライドテーブルに放熱構造を設けることにより、部品点数を減らして放熱効果を向上させることができるリニアモータアクチュエータを提供する。
【解決手段】N極及びS極の磁極が一軸方向に交互に配列されたマグネット3を有する固定子と、マグネットにすきまを介して対向配置されるコイル4を有する可動子と、可動子が固定子に対して一軸方向に相対的に直線運動するのを案内するリニアガイド6と、リニアガイド6にスライド自在に支持されるとともに、可動子が取り付けられるスライドテーブル2とを備えるリニアモータアクチュエータにおいて、スライドテーブル2を、リニアガイド6が取り付けられる底壁部2bと、底壁部2bにほぼ平行な上壁部2aと、上壁部2aと底壁部2bを連結する複数の連結部材2c,2dで構成して、底壁部2b、上壁部2a及び連結部材2c,2dによって画定される空間においてコイルに発せられる熱を放散させる。
【選択図】図1
【解決手段】N極及びS極の磁極が一軸方向に交互に配列されたマグネット3を有する固定子と、マグネットにすきまを介して対向配置されるコイル4を有する可動子と、可動子が固定子に対して一軸方向に相対的に直線運動するのを案内するリニアガイド6と、リニアガイド6にスライド自在に支持されるとともに、可動子が取り付けられるスライドテーブル2とを備えるリニアモータアクチュエータにおいて、スライドテーブル2を、リニアガイド6が取り付けられる底壁部2bと、底壁部2bにほぼ平行な上壁部2aと、上壁部2aと底壁部2bを連結する複数の連結部材2c,2dで構成して、底壁部2b、上壁部2a及び連結部材2c,2dによって画定される空間においてコイルに発せられる熱を放散させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって可動子が直線運動するための推力を得るリニアモータを駆動手段として用い、コイルが取り付けられるスライドテーブルの直線運動をリニアガイドで案内するリニアモータアクチュエータに関する。
このタイプのリニアモータアクチュエータは、N極及びS極の磁極が一軸方向に交互に配列されたマグネットを有する固定子と、マグネットに微小なすきまを介して対向する三相コイルを有する可動子と、可動子が取り付けられるスライドテーブルと、マグネットとコイルとの間のすきまを一定に保った状態で、スライドテーブルが固定子に対して一軸方向に直線運動するのを案内する一対のリニアガイドとを備える。各リニアガイドは、固定子に取り付けられる軌道レールと、スライドテーブルに取り付けられると共に、軌道レールに直線運動可能に組み付けられる移動ブロックと、軌道レールと移動ブロックとの間に転がり運動可能に介在される複数のボールと、を備える。
三相コイルに三相交流電流を流すと、マグネットに発生する磁界とコイルに流れる電流によって、スライドテーブルが直線運動するための推力が発生する。リニアモータの推力は、磁石に発生する磁束密度とコイルに流す電流の積に比例する。コイルに流す電流を大きくすることによって、推力を大きくすることができ、スライドテーブルを高速で移動させることができる。しかし、電流を大きくすると、電流の二乗に比例するジュール熱が発生し、コイルが発熱する。コイルの熱がスライドテーブルに伝わると、スライドテーブルが熱膨張する。スライドテーブルの熱膨張量は、固定子の熱膨張量よりも大きいので、スライドテーブルが熱膨張により幅方向に広がると、スライドテーブルの幅方向の両側に配置される一対のリニアガイドには内部荷重が発生する。リニアガイドの軌道レールと移動ブロックとの間に介在されるボールが変形するので、リニアガイドの動きや寿命に悪影響を及ぼす。また、このリニアモータアクチュエータは通常、スライドテーブル上に相手部品を取り付けて使用されるが、コイルの熱がスライドテーブルに伝わり、その熱が相手部品まで伝わると、相手部品に悪影響を及ぼしてしまう。たとえば、相手部品として測定器を取り付けた場合、コイルの熱が測定器まで伝わると、測定器の測定精度を低下させてしまうことになる。
この問題を解決するために、このタイプのリニアモータアクチュエータにおいては、従来、コイルの熱を分散させる放熱手段としてヒートシンクをコイルとスライドテーブルの間に配置して、スライドテーブルの温度の上昇を妨げるようにしてきた。そして、ヒートシンクによる放熱が十分な場合には、コイルとスライドテーブルの間に断熱材を設けてスライドテーブルに熱が伝わらないようにし、放熱が十分でない場合には、一部の熱をスライドテーブルで放熱させることによりスライドテーブルの温度上昇を抑えていた。
このようなリニアモータアクチュエータの例として、特許文献1には、コイルとスライドテーブルとの間に放熱プレートを設けたリニアモータアクチュエータが開示されている。このリニアモータアクチュエータにおいては、コイルとスライドテーブルが複数枚の放熱プレートで連結されており、放熱プレートにはスライドテーブル側の温度が低くなるような温度勾配が設けられている。コイルの発熱は放熱プレートで放散され、それによりスライドテーブルの温度上昇や熱膨張を防いでいる。
特開2008−67492号公報
特許文献1に記載のリニアモータアクチュエータのように、コイルとスライドテーブルの間に放熱プレートなどの放熱手段を設ける場合、別部材として放熱プレートを用意するので、部品点数が増えることになる。上述のように、リニアモータアクチュエータにおいては、可動子のコイルと固定子のマグネットの間に一定の微小なすきま(クリアランス)を確保する必要がある。マグネットとコイルの間のすきまを確保するためには、マグネットの高さ、コイルを有する可動子の高さを高精度に設定する必要があるが、可動子が放熱プレートを介してスライドテーブルに吊り下げられることから、放熱プレートの高さも高精度に設定しなければならない。さらに、スライドテーブルと放熱プレートの間に断熱材を挿入する場合には、断熱材の高さも高精度に設定しなければならない。このように、マグネットとコイルの間のすきまを確保するためには、取り付けられる部品すべての寸法を高精度に設定する必要があり、部品点数が増えれば増えるほど、より厳しい寸法公差が要求される。
そこで本発明は、部品点数を減らした簡単な構造で、放熱効果を向上させることができる新たなリニアモータアクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、N極及びS極の磁極が一軸方向に交互に配列されたマグネットを有する固定子と、該マグネットにすきまを介して対向配置されるコイルを有する可動子と、該コイルと該マグネットとが該すきまを保った状態で前記可動子が前記固定子に対して該一軸方向に相対的に直線運動するのを案内する案内部と、前記案内部にスライド自在に支持されるとともに、前記可動子が取り付けられるスライドテーブルと、を備えるリニアモータアクチュエータにおいて、前記スライドテーブルが、前記案内部が取り付けられる底壁部と、該底壁部にほぼ平行な上壁部と、該上壁部と該底壁部を連結する連結部材からなり、該底壁部、該上壁部及び該連結部材によって空間が画定されるリニアモータアクチュエータである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記スライドテーブルの該連結部材が、該底壁部の幅方向の両端部から鉛直上方向に該上壁部のそれぞれの端部に向かって延びる一対の側壁部を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記スライドテーブルの該連結部材が、該上壁部と該底壁部に対し垂直に延びる複数のプレート状の連結部を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記スライドテーブルの該連結部材が、該一軸方向から見てトラス形状に配置されている複数の連結部を有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記スライドテーブルが、該上壁部と該底壁部の間に、該底壁部とほぼ平行に延びる放熱板をさらに有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、N極及びS極の磁極が一軸方向に交互に配列されたマグネットを有する固定子と、該マグネットにすきまを介して対向配置されるコイルを有する可動子と、該コイルと該マグネットとが該すきまを保った状態で前記可動子が前記固定子に対して該一軸方向に相対的に直線運動するのを案内する案内部と、前記案内部にスライド自在に支持されるとともに、前記可動子が取り付けられるスライドテーブルと、を備えるリニアモータアクチュエータにおいて、前記スライドテーブルが内部に該一軸方向に貫通する貫通孔を有するリニアモータアクチュエータである。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載のリニアモータアクチュエータにおいて、前記案内部が可動子の幅方向の両側に配置される一対の案内部からなり、前記一対の案内部の少なくとも一方と前記スライドテーブルの底壁部の間に、該コイルが発熱して前記スライドテーブルが幅方向に熱膨張するときの前記スライドテーブルの変位を吸収する緩衝材を備えることを特徴とする。
本発明によれば、スライドテーブルに放熱構造を設けたので、部品点数が減り、各部品の寸法公差を緩和することができる。また、放熱構造が設けられるスライドテーブルは案内部の上面に取り付けられることから、従来のように放熱部分の寸法が他の部品により制限されることがなく、放熱効果を向上させることができる。
さらに、スライドテーブルは、ほぼ平行な底壁部及び上壁部と、底壁部と上壁部を連結する複数連結部材からなるので、スライドテーブル自体の剛性も確保することができる。
以下、添付図面に基づいて本発明の一実施形態のリニアモータアクチュエータを詳細に説明する。図1及び図2は本発明の一実施形態におけるリニアモータアクチュエータを示す。図1はリニアモータアクチュエータの斜視図を示し、図2はスライドテーブルの移動方向からみたリニアモータアクチュエータの正面図を示す。リニアモータアクチュエータは、一軸のアクチュエータで、固定子1に対してスライドテーブル2を直線運動させる。固定子1には、N極及びS極の複数のマグネット3が一軸方向に交互に配列される。スライドテーブル2の下面には可動子が結合される。可動子は、三相コイル4と三相コイル4に挿入されるコア5からなる。可動子は、磁界が作用するすきまgを介してマグネット3に対向する。マグネット3に発生する磁界と三相コイル4に流れる三相交流電流によって、スライドテーブル2を直線運動させる推力が発生する。
固定子1は、一軸方向に細長く伸び底部プレート1aと、底部プレート1aの幅方向の両端部に設けられる一対の側壁部1bとを有する。一対の側壁部1bそれぞれの上面には、案内部であるリニアガイド6が取り付けられる。リニアガイド6は、軌道レール7と軌道レール7に相対運動可能に組み付けられる移動ブロック8と、軌道レール7と移動ブロック8との間に転がり運動可能に介在された複数のボール9(図5参照)と、を備える。軌道レール7は、側壁部1bに沿って細長く延びる。
図1及び図2に示すように、スライドテーブル2は、その外形が幅方向に細長く伸びる矩形状に、その内側に一軸方向に空間を有するように形成される。スライドテーブルの構造について、詳しくは後述する。スライドテーブル2の幅方向の両下端部には、リニアガイド6の移動ブロック8が取り付けられる。一本の軌道レール7について二つの移動ブロック8が組み付けられていて、スライドテーブル2はその四隅を移動ブロック8によって支持されている。
図3は、固定子1に配列される複数のマグネット3の平面図を示す。固定子1の底部プレート1aの上面には、N極またはS極のマグネット3a,3bが交互に一定のピッチで配列される。各マグネット3a,3bは幅方向に細長い板状の永久磁石からなる。各マグネット3a,3bの表面には、N極またはS極が着磁される。一軸方向に配列された複数のマグネット3に発生する磁界を正弦波に近付けるために、各マグネット3a,3bは平行四辺形に形成される。必要に応じてマグネット3はカバープレート3cで覆われる。
図1及び図2に示すように、スライドテーブル2の下面の中央部には、電機子となる三相コイル4及びコア5が取り付けられる。図4は三相コイル4及びコア5の斜視図を示す。コア5の材質は、ケイ素鋼等の磁性体である。コア5は、三相コイル4に発生する磁界を強める三つの櫛歯5aを有する。U・V・W相の三相コイル4は、コア5の三つの櫛歯5aの周囲に巻かれる三つのコイル4aからなる。三つのコイル4aはスライドテーブルの移動方向に並べられる。三相コイル4に120°ずつ位相が異なる三相交流電流を流すと、三相コイル4に発生する磁界とマグネット3に発生する磁界の作用により推力が発生する。
三相コイル4に流れる電流は、サーボドライバ(図示せず)によって制御される。固定子1にはスライドテーブル2の位置を検出するリニアスケール(図示せず)が取り付けられる。サーボドライバは、リニアスケールが検出したスライドテーブル2の位置情報及び速度情報をフィードバックし、目標値との差分を算出し、スライドテーブル2の位置及び速度が目標値に近づくように三相コイル4の三相交流電流を制御する。
図5は、リニアガイド6の斜視図を示す。リニアガイド6は、その軌道レール7が固定子1の側壁部1bの上面に取り付けられる。軌道レール7には、長手方向に所定のピッチで複数の取付け孔7bが開けられる。取付け孔7bにボルトを通し、ボルトを固定子1の側壁部1bのねじ孔にねじ込むことによって、軌道レール7が側壁部1bに固定される。軌道レール7には、長手方向に沿ってボール9が転がる複数条のボール転走溝7aが形成される。ボール転走溝7aの断面形状は、ボール9の半径よりも僅かに大きい単一の円弧からなるサーキュラーアーク溝形状であるか、二つの円弧からなるゴシックアーチ溝形状である。ボール転走溝7aは、軌道レール7の側面だけでなく、軌道レール7の上面にも形成されている。軌道レール7の上面にボール転走溝7aを形成することで、リニアガイド6の垂直方向の剛性を高めることができる。
移動ブロック8は、軌道レール7を跨る鞍形状に形成される。移動ブロック8には、軌道レール7のボール転走溝7aに対向する負荷ボール転走溝8aが形成されると共に、負荷ボール転走溝8aを含むボール循環路が形成される。移動ブロック8の一軸方向の各端面にはエンドプレート15が取り付けられる。ボール循環経路は、負荷ボール転走溝8aと、負荷ボール転走溝8aと平行に伸びるボール戻し路13と、エンドプレート15に形成され、負荷ボール転走溝8aの端部とボール戻し路13の端部とを接続するU字状の方向転換路14と、から構成され、全体がサーキット状に形成される。ボール循環経路には複数のボール9が配列・収容される。移動ブロック8はスライドテーブル2の底壁部2bに取り付けられる。移動ブロック8にはスライドテーブルを取り付けるための取付けねじ8bが加工される。
軌道レール7に対して移動ブロック8を相対的に移動させると、軌道レール7のボール転走溝7aと移動ブロック8の負荷ボール転走溝8aとの間に介在されたボールが転がり運動する。負荷ボール転走溝8aの一端まで転がったボール9は、方向転換路14に導かれ、ボール戻し路13及び反対側の方向転換路14を経由した後、負荷ボール転走溝8aの他端に戻される。軌道レール7と移動ブロック8との間にボール9を介在させることによって、軌道レール7に対して移動ブロック8が移動するときの抵抗を低減できる。
方向転換路14が形成されるエンドプレート15には樹脂製のものが用いられる。三相コイル4の発熱がスライドテーブル2を介して伝わって高温になる場合には、ステンレス製のものが用いられる。
図1及び図2に示すように、スライドテーブル2は、移動ブロック8に取り付けられる底壁部2bと、底壁部2bとほぼ平行に延びる上壁部2aと、一対の側壁部2cと、複数の連結部2dとからなる。一対の側壁部2cと複数の連結部2dはともに、底壁部2bと上壁部2aを連結する連結部材である。
上壁部2aには、スライドテーブルを可動体等の相手部品に取り付けるための取付けねじまたは取付け孔2fが加工される。上壁部の幅方向の両端部には高さを段違いに高くした取付け面2eが形成される。取付けねじまたは取付け孔2fはこの取付け面2eに加工される。相手部品に接触する取付け面2eは研削加工する必要がある。テーブル2の上面の一部に取付け面2eを設けることで、研削加工する面積を減らすことができる。しかしながら、取付け面2eを段違いに形成することなく、上壁部2aの上面と面一になるように形成してもよい。
側壁部2cは、底壁部2bの幅方向両端部から鉛直上方向に上壁部2aのそれぞれの端部に向かって延びている。連結部2dは、スライドテーブルの底壁部2bの一軸方向全体に渡って、両端部を除き底壁部2bから上壁部2aに鉛直方向に延びているプレート状部材である。スライドテーブル内には、上壁部2a、底壁部2b、連結部2d及び側壁部2cにより画定される空間が形成される。この空間はスライドテーブル2を一軸方向に、つまりスライドテーブルの移動方向に貫通する貫通孔をなしている。スライドテーブル2の下面に取り付けられた可動子のコイル4に電流を流すと、コイルが発熱する。その熱はスライドテーブル2の底壁部2bから連結部2dと側壁部2cに伝わりこの空間に放熱される。スライドテーブルの一軸方向の移動とともに空間に放熱された熱がスライドテーブル2の外部に排出される。すなわち、上壁部2a、底壁部2b、側壁部2c及び連結部2dがスライドテーブル2の放熱構造をなしている。
連結部2dは、一軸方向に渡って上壁部2aと底壁部2bの間に複数設けられ、側壁部2cと併せて放熱フィンとして機能している。この連結部2dの数を増減させたり一軸方向の長さを調整したりすることで、連結部の表面積を広げたり、スライドテーブル2の内部の空間を広げて空気の流れを確保したりして、放熱効果を向上させることができる。
スライドテーブル2はアルミニウムなどの非磁性材料を用いて押し出し成型や引き抜き等で形成することができる。また、上述のように、スライドテーブル2の熱膨張によりリニアガイド6に負荷がかかりリニアガイド6の寿命に悪影響を及ぼすことがあるので、スライドテーブル2の熱膨張を抑えるためにスライドテーブル2を低熱膨張材で形成することもできる。スライドテーブルの強度をさらに向上させたい場合には、鋼材を溶接することにより製造してもよい。
上述のように、本発明においてはスライドテーブル2自体に放熱構造を持たせているので、従来例のように、放熱手段を別部材として設ける必要がなく、部品点数を低減させることができる。その結果、コイル4とマグネット3の間の微小なすきまを確保するために考慮すべき各部品の寸法公差を緩和させることができ、さらに組み立て工数の削減にもつながる。
また、従来のリニアアクチュエータでは、放熱プレートなどの放熱手段がスライドテーブルと可動子の間に、幅方向に一対のリニアガイドに挟まれて設けられているので、放熱手段の幅方向の長さが制限されていた。一方、本発明においては、図2に示すように、放熱構造を備えたスライドテーブル2が案内部であるリニアガイド6(図では移動ブロック8)の上面に取り付けられている。したがって、放熱構造の幅が案内部により制限されることがなく、幅を十分にとることができ、放熱効果を向上させることができる。
放熱手段をスライドテーブルとは別の部材として設けていた従来例では、放熱手段がスライドテーブルに吊り下げられる形で設けられていた。本発明では、放熱手段として放熱構造がスライドテーブル2に設けられているので、特に側壁部2cや連結部2dが垂直な連結部材としてスライドテーブル2の上壁部2aの支えとなり、スライドテーブル2自体の剛性を高めることができる。なお、連結部材として連結部2dのみで十分に上壁部2aを支えることができ、底壁部2bに伝わったコイルの熱を十分に放熱することができる場合には、上壁部2aと底壁部2bのそれぞれの幅方向端部を連結する連結部材として側壁部2cを設けなくてもよい。
また、放熱構造をスライドテーブル2に設けたことで、従来例のようなスライドテーブルと放熱手段の組付け部分がなくなり、スライドテーブル全体で安定して、効率よく熱を発散することができる。
次に、本発明によるリニアモータアクチュエータの第一の変形例について説明する。図6は、第一の変形例によるリニアモータアクチュエータの正面図である。図6に示すリニアモータアクチュエータにおいて、リニアガイド6と、固定子1と、コイル4及びコア5を有する可動子は上述の実施形態における要素と同じであるが、本発明の特徴であるスライドテーブルの放熱構造が異なる。なお、以下の説明においても、上述の実施形態によるリニアモータアクチュエータにおける構成要素と同じ要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
第一の変形例におけるスライドテーブル12は、移動ブロック8に取り付けられる底壁部12bと、底壁部12bとほぼ平行に延びる上壁部12aと、一対の側壁部12cと、複数の連結部12dとを有する。側壁部12cと連結部12dが上壁部12aと底壁部12bを連結する連結部材であり、側壁部12cが底壁部12bの幅方向両端部から鉛直上方向に上壁部12aのそれぞれの端部に向かって延びている点は、図1及び2に示すリニアモータアクチュエータと同じである。
第一の変形例においても、連結部12dはスライドテーブルの一軸方向全体に渡って、上壁部12aと底壁部12bを連結するように設けられる板状部材であるが、図6に示すように、その取付け方が上述の実施形態とは異なる。第一の変形例におけるスライドテーブル12の連結部12dは、スライドテーブル12の上壁部12a及び底壁部12bに対して斜めに、スライドテーブル12の移動方向(一軸方向)から見てトラス形状に設けられている。すなわち、上壁部12a、底壁部12b、及び連結部12dは、三角形の空間を形成するように組み付けられる。スライドテーブルの放熱構造をこのように構成しても、上壁部12a、底壁部12b、側壁部12cならびに連結部12dで画定されるスライドテーブル12内部の空間において、コイルの発熱を効率よく放散させることができる。また、上記実施形態同様、側壁部12cと連結部12dがスライドテーブル12の上面の支えとなり、スライドテーブルの剛性を高めることができる。
図7は、第二の変形例によるリニアモータアクチュエータの正面図である。第一の変形例同様、上述の形態との違いはスライドテーブルの放熱構造にある。
第二の変形例におけるスライドテーブル22は、移動ブロック8に取り付けられる底壁部22bと、底壁部22bとほぼ平行に延びる上壁部22aと、上壁部22aと底壁部22bを連結する連結部材として一対の側壁部22cとを有する。側壁部22cは、底壁部22bの幅方向両端部から鉛直上方向に上壁部22aのそれぞれの端部に向かって延びている。
スライドテーブル22はさらに、幅方向両端部を除き底壁部22bから鉛直上方向に上壁部22aの手前まで延びている複数の放熱板22gを有する。複数の放熱板22gは、図2に示すスライドテーブル2の連結部2dと異なり、上壁部22aに連結されていない。本発明におけるリニアモータアクチュエータにおいては、スライドテーブル22内部の空間にこのような放熱板22gを取り付けて放熱効果を向上させることもできる。この場合には、放熱板22gが上壁部22aに連結されていないことで、スライドテーブル22の上面に取り付けられる相手部品に熱を伝わり難くすることができる。
次に、さらなる放熱構造の例として第三の変形例を説明する。図8は、第三の変形例によるリニアモータアクチュエータの正面図である。第三の変形例におけるスライドテーブル32は、移動ブロック8に取り付けられる底壁部32bと、底壁部32bとほぼ平行に延びる上壁部32aと、上壁部32aと底壁部32bを連結する連結部材として一対の側壁部32cおよび複数の連結部32dとを有する。側壁部32cは、底壁部32bの幅方向両端部から鉛直上方向に上壁部32aのそれぞれの端部に向かって延びている。連結部32dは、スライドテーブル32の底壁部32bの一軸方向に沿って、両端部を除き底壁部32bから上壁部32aに鉛直方向に延びている。
スライドテーブル32はさらに、上壁部32aと底壁部32bの間で、側壁部32cの一方から他方に延びる放熱板32gを有する。放熱板32gは、第二の変形例の放熱板22gとは異なり、鉛直方向ではなく、ほぼ水平方向に延びている。このように、スライドテーブルの放熱構造は、上壁部32a、底壁部32b、一対の側壁部32cおよび連結部32dによって画定される空間に、幅方向に延びる放熱板32gを設けて、コイルの熱を発散させることもできる。
なお、図8では、設けられている放熱板32gは一つであるが、このような放熱板を複数設けることもできる。また、必要に応じて、連結部32dまたは側壁部32cを省略したり、連結部32dの数を変えたり、あるいはこの放熱板32gを、上述の他の例の放熱構造と組み合わせて用いたりすることもできる。
図9及び図10は、さらなる第四の変形例によるリニアモータアクチュエータを示す図である。図9はリニアモータアクチュエータの斜視図であり、図10はその一軸方向から見た正面図である。第四の変形例によるリニアモータアクチュエータにおいては、図1に示すリニアモータアクチュエータとの相違点として、一方のリニアガイド6の移動ブロック8とスライドテーブル2の間に緩衝材10が配置されている。
コイル4の熱がスライドテーブル2に伝わると、スライドテーブル2は熱膨張し、幅方向に広がる。すると、スライドテーブル2の底面が取り付けられているリニアガイド6も幅方向に引っ張られ、リニアガイド6の動きや寿命に悪影響を及ぼす。緩衝材10は、移動ブロック8とスライドテーブル2の間でせん断変形してスライドテーブル2の熱膨張による変位を吸収し、スライドテーブル2の変位がリニアガイド6に伝わらないようにする。
図11は、リニアガイド6及びリニアガイド6の上面に取り付けられる緩衝材10の一例を示す斜視図である。緩衝材10は、金属板とゴム層とを積層させた積層ゴムである。緩衝材10は、移動ブロック8の上面に取り付けられる第一の取付け体51と、スライドテーブル2の下面に取り付けられる第二の取付け体52と、第一の取付け体51と第二の取付け体52との間に介在されるせん断変形層53と、から構成される。せん断変形層53は、上下二層のゴム層54と、ゴム層54間に介在される金属板55と、から構成される。ゴム層54と第一と第二の取付け体51,52とは加硫接着されており、ゴム層54と金属板55とは加硫接着あるいは接着剤を用いて接着されている。
緩衝材10の第二の取付け体52及びせん断変形層53には、移動ブロック8のねじ孔8b(図5参照)に対応した位置にザグリ孔52bが開けられる。第一の取付け体51には、第一の取付け体51を移動ブロック8に締結するため、ザグリ孔52bに対応する位置に、ボルトのねじ部が通される通し孔51aが開けられる。第一の取付け体51は、ザグリ孔52bに通されたボルトによって移動ブロック8の上面に取り付けられる。
ザグリ孔52bの内径はボルトの頭部の外径よりも大きい。ボルトの頭部の周囲には、せん断変形層53が変形できる程度のすきまが開けられる。ボルトの頭部は、せん断変形層53が所定量以上せん断変形したときのストッパとしても機能する。すなわち、ボルトの頭部が所定量以上せん断変形したせん断変形層53に当接し、せん断変形層53の所定量以上のせん断変形を防止する。
第二の取付け体52には、スライドテーブル2を第二の取付け体52に締結するための取付けねじ52cも形成される。取付けねじ52cはザグリ孔52bの外側に、移動ブロック8の上面から外れた位置に形成される。取付けねじ52cの替わりに、ボルトが挿通される通し孔が形成されてもよい。
また、スライドテーブルの幅方向の一方の端部の角には、緩衝材10を取り付けるための切欠き2h(図9,10参照)が形成されている。この切欠き2hには、第二の取付け体52の取付けねじ52cに対応する位置に取付け孔が開いており、ボルト等を用いて、スライドテーブル2を緩衝材10に取り付けることができる。
緩衝材10をリニアガイド6に取り付けるときは、まず移動ブロック8上に緩衝材10を載せ、緩衝材10のザグリ孔52bにボルトを通し、緩衝材10の第一の取付け体51を移動ブロック8の上面に締結する。このとき、せん断変形層53及び第二の取付け体52は移動ブロック8に締結されていない。次に、緩衝材10の上面にスライドテーブル2を載せ、スライドテーブル2の取付け孔にボルトを通し、ボルトを第二の取付け体52の取付けねじ52cにねじ込み、スライドテーブル2を第二の取付け体52に締結する。
図12は、垂直方向の吸引力が作用したときの緩衝材10の変形を示し、図13は、水平方向のせん断力が作用したときの緩衝材10の変形を示す。緩衝材10の垂直方向の剛性は、コイル4とマグネット3との間に吸引力が作用したとき、コイル4とマグネット3との間にリニアモータが作動できるすきまが確保できるように高く設定される。三相コイル4とマグネット3との間のすきまを小さくすればするほど、リニアモータの推力を高くすることができるので、三相コイル4(正確にはコア5)とマグネット3との間のすきまg(図10)は微小に設定される。吸引力によってコア5とマグネット3が接触しないように、緩衝材10の垂直方向の剛性は、すきまgの変化量が所定の範囲内に収まるように設定される。緩衝材10の圧縮方向のばね定数を、リニアガイド6の圧縮方向のばね定数と同等以上に設定して、全体のばね定数の低下を抑制する。
緩衝材10の垂直方向の剛性は、ゴム層54の厚みを薄くしたり、ゴム層54の断面積を大きくしたり、ゴム層54の間に金属板55を介在させたりすることで高くすることができる。この変形例では、ゴム層54及び金属板55の断面積は、移動ブロック8の上面の面積に合わせている。ゴム層54を一層にするとより剛性を高めることができるが、水平方向のせん断変形量が小さくなってしまう。せん断変形量を大きくとるために、ゴム層54を二層にしている。
図13に示されるように、緩衝材10は、スライドテーブル2が熱膨張したときに水平方向にせん断変形する。緩衝材10がせん断変形し易いように、せん断方向のばね定数を、緩衝材10の圧縮方向のばね定数の1/100以下に設定する。これにより、水平方向のせん断変形量を垂直方向の圧縮量よりも100倍以上大きくとれることになる。
なお、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々変更できる。例えば、スライドテーブルに設けられる連結部材や放熱板の数や形状は、上記形態に限られることなく、スライドテーブル内の一軸方向に空間が形成されて空気の流れを妨げることなく放熱可能であり、またスライドテーブルが垂直方向への剛性を保つことができる範囲において種々変更可能である。
また、緩衝材は、少なくとも一方のリニアガイドとスライドテーブルの間に設けられれば良く、その構造は、上記形態に限定されることなく、垂直方向に高い剛性と水平方向に高いせん断変形量を確保することができる範囲において種々変更可能である。
1…固定子,2,12,22,32…スライドテーブル,2a,12a,22a,32a…上壁部,2b,12b,22b,32b…底壁部,2c,12c,22c,32c…側壁部(連結部材),2d,12d,32d…連結部(連結部材),3…マグネット,4…三相コイル,5…コア,6…リニアガイド(案内部),10…緩衝材,22g,32g…放熱板
Claims (7)
- N極及びS極の磁極が一軸方向に交互に配列されたマグネットを有する固定子と、
該マグネットにすきまを介して対向配置されるコイルを有する可動子と、
該コイルと該マグネットとが該すきまを保った状態で前記可動子が前記固定子に対して該一軸方向に相対的に直線運動するのを案内する案内部と、
前記案内部にスライド自在に支持されるとともに、前記可動子が取り付けられるスライドテーブルと、を備えるリニアモータアクチュエータにおいて、
前記スライドテーブルが、前記案内部が取り付けられる底壁部と、該底壁部にほぼ平行な上壁部と、該上壁部と該底壁部を連結する連結部材からなり、該底壁部、該上壁部及び該連結部材によって空間が画定されるリニアモータアクチュエータ。 - 前記スライドテーブルの該連結部材が、該底壁部の幅方向の両端部から鉛直上方向に該上壁部のそれぞれの端部に向かって延びる一対の側壁部を有することを特徴とする、請求項1に記載のリニアモータアクチュエータ。
- 前記スライドテーブルの該連結部材が、該上壁部と該底壁部に対し垂直に延びる複数のプレート状の連結部を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のリニアモータアクチュエータ。
- 前記スライドテーブルの該連結部材が、該一軸方向から見てトラス形状に配置されている複数の連結部を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のリニアモータアクチュエータ。
- 前記スライドテーブルが、該上壁部と該底壁部の間に、該底壁部とほぼ平行に延びる放熱板をさらに有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のリニアモータアクチュエータ。
- N極及びS極の磁極が一軸方向に交互に配列されたマグネットを有する固定子と、
該マグネットにすきまを介して対向配置されるコイルを有する可動子と、
該コイルと該マグネットとが該すきまを保った状態で前記可動子が前記固定子に対して該一軸方向に相対的に直線運動するのを案内する案内部と、
前記案内部にスライド自在に支持されるとともに、前記可動子が取り付けられるスライドテーブルと、を備えるリニアモータアクチュエータにおいて、
前記スライドテーブルが内部に該一軸方向に貫通する貫通孔を有するリニアモータアクチュエータ。 - 前記案内部が可動子の幅方向の両側に配置される一対の案内部からなり、前記一対の案内部の少なくとも一方と前記スライドテーブルの底壁部の間に、該コイルが発熱して前記スライドテーブルが幅方向に熱膨張するときの前記スライドテーブルの変位を吸収する緩衝材を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のリニアモータアクチュエータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008255364A JP2010088225A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | リニアモータアクチュエータ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2008255364A Withdrawn JP2010088225A (ja) | 2008-09-30 | 2008-09-30 | リニアモータアクチュエータ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010088225A (ja) |
-
2008
- 2008-09-30 JP JP2008255364A patent/JP2010088225A/ja not_active Withdrawn
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