JP4962494B2 - エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン - Google Patents

エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン Download PDF

Info

Publication number
JP4962494B2
JP4962494B2 JP2008516655A JP2008516655A JP4962494B2 JP 4962494 B2 JP4962494 B2 JP 4962494B2 JP 2008516655 A JP2008516655 A JP 2008516655A JP 2008516655 A JP2008516655 A JP 2008516655A JP 4962494 B2 JP4962494 B2 JP 4962494B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin film
air ejection
air
nozzle
heat transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008516655A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008114586A1 (ja
Inventor
博之 井上
貴則 西田
博行 麻生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2008516655A priority Critical patent/JP4962494B2/ja
Publication of JPWO2008114586A1 publication Critical patent/JPWO2008114586A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4962494B2 publication Critical patent/JP4962494B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C55/00Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor
    • B29C55/02Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets
    • B29C55/10Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets multiaxial
    • B29C55/12Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets multiaxial biaxial
    • B29C55/16Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets multiaxial biaxial simultaneously
    • B29C55/165Apparatus therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C55/00Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor
    • B29C55/02Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor of plates or sheets
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C33/00Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor
    • B29C33/10Moulds or cores; Details thereof or accessories therefor with incorporated venting means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C55/00Shaping by stretching, e.g. drawing through a die; Apparatus therefor
    • B29C55/30Drawing through a die

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、樹脂フィルムの加熱、冷却あるいは保温に用いるエア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブンに関する。
二軸延伸ポリエステルフィルムなどの二軸延伸樹脂フィルムの製造方法として、口金から流動状態にある樹脂をシート状に連続して吐出し、吐出されたシートをキャストドラム上で冷却固化し、未延伸フィルムを成形し、成形された未延伸フィルムを縦延伸機でフィルムの搬送方向、すなわち、縦方向に延伸した後、縦方向に延伸されたフィルム(一軸延伸フイルム)をテンターオーブン内でフィルムの幅方向(横方向)に延伸する逐次二軸延伸法や、前記未延伸フィルムをテンターオーブン内でフィルムの搬送方向(縦方向)とフィルムの幅方向(横方向)とに延伸する同時二軸延伸法などが知られている。
これらの製造方法に用いられるテンターオーブン内には、テンターオーブン内を通過する樹脂フィルムの表面に対向する面に多数のエア噴出孔が設けられたエア噴出ノズルが設けられている。通常、エア噴出ノズルは、樹脂フィルムの搬送方向に間隔をおいて複数本、それぞれの長手方向が樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向になる状態で設けられている。
エア噴出ノズルは、ノズル筐体からなる。ノズル筐体は、その内部にエア供給路を有するとともに、その一面に、エア噴出面を有する。前記多数のエア噴出孔の一端は、前記エア噴出面に開口し、他端は、前記エア供給路に開口している。ノズル筐体の他の一面もしくは二面には、エア供給ダクトが結合され、該エア供給ダクトの一端は、前記ノズル筐体内のエア供給路に連通し、他端は、熱交換器およびファンに結合されている。前記熱交換器によって所望の温度に制御されたエアは、ファンによって、前記エア供給ダクトおよび前記ノズル筐体内のエア供給路を経て、前記各エア噴出孔に送り込まれ、前記筐体のエア噴出面に開口する前記各エア噴出孔から樹脂フィルムの表面に向かって吹き付けられる。吹き付けられたエアは、通常、テンターオーブン内に設けられた吸引口から回収され、再使用される。
一般に、テンターオーブンは、樹脂フィルムの搬送方向に、予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱固定ゾーンあるいは冷却ゾーンなど複数の区分されたゾーンを有する。テンターオーブンは、各ゾーンにおいて使用されるエアの温度を、各ゾーン毎に設定できる構造を有している。テンターオーブンには、樹脂フィルムの両端のそれぞれの外側において、レールに沿ってテンターオーブンの入口部から出口部に向かい移動する樹脂フィルム端部把持用の多数のクリップが、設けられている。
テンターオーブンにおいて、前記クリップによって両端を把持されて搬送される樹脂フィルムは、予熱ゾーンで延伸に適した温度まで加熱され、延伸ゾーンで少なくとも幅方向に延伸された後、熱固定ゾーンや冷却ゾーンなどで熱処理される。エア噴出ノズルは、所望の温度に制御されたエアを樹脂フィルムの表面に吹き付けることで、エアと樹脂フィルムとの間の熱交換を促進し、樹脂フィルムを加熱、冷却あるいは保温するために用いられる。
このようにして製造される樹脂フィルムの特性は、テンターオーブンの各ゾーンを通過する際に受ける熱履歴に影響される。従って、幅方向に均一な特性を有する樹脂フィルムを得るためには、エア噴出ノズルから放出されるエアと樹脂フィルムとの間の熱交換を、樹脂フィルムの幅方向に均一化することが重要である。そのため、エア噴出ノズルには、樹脂フィルムに当たるエアの温度が樹脂フィルムの幅方向に均一であることと、エア噴出ノズルの伝熱効率が樹脂フィルムの幅方向に均一であることが要求される。
エア噴出ノズルの樹脂フィルムの表面に対向する面に、樹脂フィルムの幅方向に連続したエア噴出孔が設けられているエア噴出ノズルは、スリットノズルと呼ばれる。従来、エアの噴出速度および温度を、樹脂フィルムの幅方向に均一化することを目的としたスリットノズルとして、対向流方式のダクトを有するものが提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、スリットノズルには、エア噴流の進行方向が曲がりやすいという問題がある。エア噴流の進行方向が曲がると、設定温度の異なるゾーンが隣接する部分で、異なる温度のエアが混ざり、樹脂フィルムの幅方向に大きな温度ムラを生じることがあり、その場合、幅方向に均一な特性を有する樹脂フィルムを得るのは困難であった。
本発明者らの知見によると、上記エア噴流の進行方向が曲がりやすいという問題は、樹脂フィルムの幅方向に、エア噴出孔を不連続に配置する、すなわち、互いに独立した多数のエア噴出孔を間隔をおいて配置することで改善される。これは、樹脂フィルムの幅方向に、エア噴流が細かく分割され、隣接するエア噴流の間に、エア噴出ノズル前後のエアが導通する部分が形成されることにより、エア噴出ノズル前後の圧力差が緩和されるためと考えられる。このようなエア噴出ノズルとしては、樹脂フィルムの表面に対向する面に円形のエア噴出孔が多数設けられたホールノズルがある。しかしながら、樹脂フィルムの幅方向に多数のエア噴出孔を間隔をおいて配置すると、樹脂フィルムの表面の熱伝達率が樹脂フィルムの幅方向に不均一となるため、伝熱効率の均一性が悪化するという問題がある。
従来のホールノズルとしては、樹脂フィルムの表面の熱伝達率を大きくすることを目的に、エア噴出孔と樹脂フィルムの表面との距離が、エア噴出孔の直径の4乃至6倍で、多数のエア噴出孔の配列を、樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に6列の千鳥配列としたものが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、熱伝達率の大きさと伝熱効率の樹脂フィルムの幅方向における均一性とは別の問題であり、エア噴出孔の直径と配列の列数を工夫しただけでは、伝熱効率の樹脂フイルムの幅方向における均一性を改善するのは困難であった。
従来、伝熱効率の樹脂フィルムの幅方向における均一性を改善することを目的としたホールノズルとしては、キャストドラム上での樹脂フィルムの冷却装置として用いられるもの(特許文献3参照)や、印刷機や塗工機の乾燥装置に用いられるもの(特許文献4参照)が提案されている。しかしながら、これらのホールノズルは、エア噴出孔と樹脂フィルムの表面との距離を20mm以下に近づけて用いる場合に好適なものであり、エア噴出孔と樹脂フィルムの表面との距離が、一般に、140乃至270mmであるテンターオーブンに、これを用いる場合、樹脂フィルムの表面の熱伝達率が著しく低下することがあり好ましくない。
特許第1634915号公報 実用新案第2528669号公報 特許第3374527号公報 実用新案第2008679号公報
本発明の目的の一つは、上記従来技術の問題点を解消し、樹脂フィルムの幅方向における伝熱効率の均一性が良好なエア噴出ノズルを提供することにある。本発明の目的の他の一つは、本発明のエア噴出ノズルを用いた樹脂フィルムの幅方向における伝熱効率の均一性が良好なテンターオーブンを提供することにある。
本発明のエア噴出ノズルは、
(a)一方向に搬送される樹脂フィルムの通過面に対し間隔をおいて設けられ、該樹脂フイルムの表面にエアを吹き付けるために用いられるエア噴出ノズルであり、
(b)該エア噴出ノズルが、ノズル筐体からなり、該ノズル筐体は、その内部にエア供給路と、前記樹脂フィルムの通過面に対向するエア噴出面と、前記エア供給路と前記エア噴出面とにそれぞれ開口する多数のエア噴出孔を有し、
(c)該多数のエア噴出孔の前記エア噴出面におけるそれぞれの開口の形状が、円形であり、
(d)前記多数のエア噴出孔は、前記エア噴出面において、前記樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に、第1列と第2列との2列に配列され、前記第1列と前記第2列との間の前記エア噴出孔の配列状態は、千鳥配列であり、
(e)前記エア噴出面と前記樹脂フィルムの通過面との距離L(mm)と、前記エア噴出面における前記各エア噴出孔の直径D(mm)と、前記第1列に配列されている複数の前記エア噴出孔の中心を通る第1のエア噴出孔配列直線と前記第2列に配列されている複数の前記エア噴出孔の中心を通る第2のエア噴出孔配列直線との前記樹脂フィルムの搬送方向における間隔Px(mm)と、前記第1のエア噴出孔配列直線と前記第2のエア噴出孔配列直線のそれぞれにおける隣接する前記エア噴出孔の中心の間隔Py(mm)とが、次式(1)、および、次式(2)を満足する。
6≦(L/D)/(Px/Py)≦9 ・・・式(1)
4≦L/D≦8 ・・・・・・・・・・・・・式(2)
本発明のエア噴出ノズルにおいて、B=2π(D/2)/Py(ただし、πは円周率)とするとき、次式(3)を満足することが好ましい。
12≦L/B≦30 ・・・・・・・・・・・式(3)
本発明のエア噴出ノズルにおいて、前記距離Lが、140乃至270mmであることが好ましい。
本発明のテンターオーブンは、
(a)一端に樹脂フィルムの入口を、他端に前記樹脂フィルムの出口を有し、
(b)前記樹脂フィルムの入口と前記樹脂フィルムの出口との間に、前記樹脂フィルムの入口から前記樹脂フィルムの出口に向かい前記樹脂フィルムを搬送しながら、少なくとも前記樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に前記樹脂フィルムを延伸する延伸ゾーンを有し、かつ、
(c)前記樹脂フィルムの入口と前記樹脂フィルムの出口との間に、前記樹脂フィルムの表面にエアを噴射し、前記樹脂フイルムを熱処理する熱処理ゾーンを有するオーブン筐体からなり、
(d)前記樹脂フィルムの入口から前記樹脂フィルムの出口に亘り形成される前記樹脂フィルムの通過面に、本発明のエア噴出ノズルのエア噴出面が対向して位置するとともに、
(e)該エア噴出ノズルの前記エア噴出孔の第1列および第2列の方向が前記樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向となる状態で、前記エア噴出ノズルが前記熱処理ゾーンに設けられてなる。
本発明のテンターオーブンにおいて、前記熱処理ゾーンが、前記樹脂フィルムの入口から前記樹脂フィルムの出口に向かい、予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱固定ゾーンおよび冷却ゾーンに区分され、これらのゾーンの少なくとも一つのゾーンに、前記エア噴出ノズルが設けられていることが好ましい。
本発明のテンターオーブンにおいて、前記延伸ゾーンが、前記樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に前記樹脂フィルムを延伸するとともに、前記樹脂フィルムの搬送方向に前記樹脂フィルムを延伸する同時二軸延伸ゾーンであっても良い。
本発明のテンターオーブンにおいて、前記エア噴出ノズルが、前記樹脂フィルムの通過面の両側において、該樹脂フィルムの通過面に対して間隔をおいて設けられていることが好ましい。
本発明のエア噴出ノズルは、特定の形状および配列位置関係にある多数のエア噴出孔を有するため、これを用いて樹脂フィルムの熱処理を行った場合、樹脂フィルムの幅方向における優れた伝熱効率の均一性が得られる。従って、本発明のエア噴出ノズルを用いた本発明のテンターオーブンにより、幅方向に均質な熱処理特性を有する樹脂フィルムの製造が可能となる。
図1は、図2に示す本発明のエア噴出ノズルのエア噴出面の一部の拡大平面図である。 図2は、本発明のエア噴出ノズルの一例の斜視図である。 図3は、樹脂フィルムの表面の熱伝達率分布の状態の一例を説明するための平面図である。 図4は、テンター装置の一例を説明するための平面図(上面図)である。 図5は、図4におけるC1−C1断面矢視図である。 図6は、図5におけるC2−C2断面矢視図である。 図7は、逐次二軸延伸法が用いられた樹脂フィルムの製造工程の一例を説明するための概略工程図である。 図8は、樹脂フィルムの表面の熱伝達率分布の算出に用いた解析モデルの一例を説明するための解析モデル断面図である。 図9は、エア噴出ノズルの樹脂フィルムの幅方向における伝熱効率分布の状態を説明するためのチャートである。 図10は、本発明の実施例および比較例において得られた(L/D)/(Px/Py)の値と伝熱効率のムラRqの値をプロットしたグラフである。 図11は、本発明の実施例および比較例において得られたPx/Pyの値とL/Dの値をプロットしたグラフである。 図12は、本発明の実施例16における樹脂フィルムの幅方向の厚み分布を示すグラフである。 図13は、本発明の比較例18における樹脂フィルムの幅方向の厚み分布を示すグラフである。
符号の説明
1 エア噴出ノズル
1A 上側エア噴出ノズル
1Af、1Bf エア噴出面
1a ノズル筐体
1B 下側エア噴出ノズル
2、2A、2B エア噴出孔
2a エア噴出孔の配列の第1列
2b エア噴出孔の配列の第2列
3a 第1列に配列されているエア噴出孔の中心を通る直線(第1のエア噴出孔配列直線)
3b 第2列に配列されているエア噴出孔の中心を通る直線(第2のエア噴出孔配列直線)
4a エア噴出ノズル1と樹脂フィルムの搬送方向の上流側において当該エア噴出ノズル1に隣接するエア噴出ノズル11aとの間の中心線
4b エア噴出ノズル1と樹脂フィルムの搬送方向の下流側において当該エア噴出ノズル1に隣接するエア噴出ノズル11bとの間の中心線
5a 第1列2aにおけるエア噴出孔の中心を通り樹脂フィルムの搬送方向に引いた直線
5b 直線5aと直線5cとの間の中心を通る直線
5c 第2列2bにおけるエア噴出孔の中心を通り樹脂フィルムの搬送方向に引いた直線
11a、11b エア噴出ノズル1に隣接するエア噴出ノズル
20 エア噴出プレート
21 エア噴出孔の開口
31 樹脂フィルム
31a 樹脂シート
31b 未延伸フィルム
31c 一軸延伸フィルム
31d 二軸延伸フィルム
31e 製品フィルム
33 樹脂フィルムの表面の熱伝達率分布
40、40A エア噴出面
41 エア供給路
41a、41b エア導入口
51 テンターオーブン
51A オーブン筐体
51a 樹脂フィルム入口
51b 樹脂フィルム出口
52A、52B 熱交換器
53A、53B ファン
54 吸引ダクト
54A、54B 吸引口
61 テンターオーブンの外側空間
62 解析空間の端部境界
71A、71B レール
73A、73B クリップ
91 押出機
92 口金
93 キャストドラム
94 縦延伸機
95 テンター装置
96 巻取りロール
511 予熱ゾーン
512 延伸ゾーン
513 熱固定ゾーン
514 冷却ゾーン
D エア噴出孔(エア噴出面におけるエア噴出孔の開口)の直径
FTD 樹脂フィルムの搬送方向
FPf 樹脂フィルムの通過面
HTC 熱伝達率の大きさの指標
HTCL 熱伝達率の大きい部分
HTCS 熱伝達率の小さい部分
L エア噴出孔が配列されているエア噴出面と樹脂フィルムの通過面との間の距離
Pn 中心線4aと中心線4bとに挟まれた区間
Px 直線3aと直線3bとの間隔
Py 第1列2aと第2列2bの各列における隣接するエア噴出孔の中心の間隔
Q エア噴出ノズルの伝熱効率
Qa エア噴出ノズルの平均伝熱効率
Qmax エア噴出ノズルの伝熱効率の最大値
Qmin エア噴出ノズルの伝熱効率の最小値
Rq エア噴出ノズルの樹脂フィルムの幅方向における伝熱効率のムラ
Rt 樹脂フィルムの幅方向における厚みムラ
Ta 樹脂フィルムの幅方向における厚み分布の平均値
Tn 樹脂フィルムの幅方向における厚み分布の最小値
Tx 樹脂フィルムの幅方向における厚み分布の最大値
樹脂フィルムの製造方法として、溶融製膜法あるいは溶液製膜法が知られている。これらの製膜法において、溶融樹脂あるいは樹脂溶液は、連続して口金のスリット開口から押し出され、シート状の未延伸樹脂フィルムを成形する。得られた未延伸樹脂フィルムは、その長手方向および/またはその幅方向に延伸処理される。
以下において、本発明のエア噴出ノズル、および、テンターオーブンの一実施例を、前記溶融製膜法を用いて成形した未延伸樹脂フィルムをその長手方向およびその幅方向に延伸する二軸延伸樹脂フィルムの製造工程に適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。
図7は、逐次二軸延伸法が用いられた樹脂フィルムの製造工程の一例の概略工程図である。この逐次二軸延伸法は、未延伸樹脂フイルムを、先ずその長手方向に延伸し、一軸延伸樹脂フイルムとした後、得られた一軸延伸樹脂フィルムを、その幅方向に延伸するものである。
逐次二軸延伸法が用いられた樹脂フィルムの製造工程には、図7に示すように、押出機91、口金92、キャストドラム93、縦延伸機94、テンター装置95、および、巻取りロール96が、装備されている。
樹脂ポリマーは、押出機91で溶融され、口金92へと押し出され、口金92からシート状に吐出される。口金92から吐出された樹脂シート31aは、キャストドラム93で冷却固化され、未延伸フィルム31bとなる。次いで、未延伸フィルム31bは、縦延伸機94において、その長手方向、すなわち、その搬送方向に、延伸され、一軸延伸フィルム31cとなる。得られた一軸延伸フィルム31cは、テンター装置95において、その幅方向に延伸され、二軸延伸フィルム31dとなる。次いで、二軸延伸フィルム31dは、巻取りロール96によって連続的に巻き取られ、ロール状に巻かれた製品フィルム31eとなる。以下において、未延伸フィルム31b、一軸延伸フィルム31c、あるいは、二軸延伸フィルム31dを、単に、樹脂フィルム31と呼称する場合がある。
製品フィルムの表面の改質が必要な場合、フィルム表面に所望の塗液が塗布される場合がある。この塗液の塗布は、図7に示す製造工程において、テンター装置95の直前において、一軸延伸フィルム31cの表面に対し行われる。
ここでは、逐次二軸延伸法が用いられる場合を説明したが、同時二軸延伸法を用いる場合は、縦延伸機94を用いず、キャストドラム93で冷却固化して得られる未延伸フィルム31bを、テンター装置95において、樹脂フィルムの長手方向(搬送方向)と樹脂フィルムの幅方向とに同時に延伸して、二軸延伸フィルムとする。
樹脂フィルムの搬送方向とは、連続した樹脂フィルムが連続して走行する方向、すなわち、連続して走行する樹脂フィルムの長手方向を云い、図7の製造工程においては、押出機91から巻取りロール96に向かう方向を云う。
図4は、図7に示すテンター装置95の一例の平面図(上面図)である。図4において、テンター装置95は、相対して配置されたレール71Aとレール71Bと、レール71Aおよびレール71Bに沿って走行する多数のクリップ73A、73Bと、所望の温度に制御されたエアを樹脂フィルムの表面に噴射し、噴射されたエアを回収し、循環使用するテンターオーブン51を有する。樹脂フィルム31のテンターオーブン51における搬送方向は、矢印FTDで示される。テンターオーブン51は、オーブン筐体51Aからなり、オーブン筐体51Aは、その一端に樹脂フィルム入口51aを、その他端に樹脂フイルム出口51bを有する。
クリップ73A、73Bは、樹脂フィルム入口51aで樹脂フィルム31の両端を把持し、テンターオーブン51内を通過し、樹脂フィルム出口51bで樹脂フィルム31を解放する。
テンターオーブン51は、樹脂フィルム入口51aと樹脂フィルム出口51bとの間に、樹脂フィルム入口51aから樹脂フィルム出口51bに向かい樹脂フィルム31を搬送しながら、少なくとも樹脂フィルム31の搬送方向FTDに直角な方向に、樹脂フィルム31を延伸する延伸ゾーンを有する。また、樹脂フィルム入口51aと樹脂フィルム出口51bとの間に、樹脂フィルム31の表面にエアを噴射し、樹脂フィルム31を熱処理する熱処理ゾーンを有する。
この実施例においては、テンターオーブン51は、樹脂フィルム31の搬送方向FTDの上流側から下流側に向かい、予熱ゾーン511、延伸ゾーン512、熱固定ゾーン513、および、冷却ゾーン514に区分された4つの熱処理ゾーンを有する。各ゾーンにおけるエアの温度は、各ゾーン毎に、所望の温度に設定できるように構成される。
各ゾーンは、樹脂フィルム31の搬送方向FTDに、複数の室に区分し、各室毎にエアの温度を設定できるように構成しても良い。すなわち、テンターオーブン51は、例えば、予熱ゾーン511として3室有し、延伸ゾーン512として4室有し、熱固定ゾーン513として2室有し、冷却ゾーン514として1室有するように構成しても良い。この場合、更に、各ゾーン内の各室の温度を独立に設定するようにしても良い。
各ゾーンのエアの温度範囲は、例えば、樹脂フィルム31がポリエステルフィルムの場合、予熱ゾーン511では、80乃至140℃、延伸ゾーン512では、80乃至200℃、熱固定ゾーン513では、150乃至240℃、冷却ゾーン514では、50乃至200℃であることが好ましい。
レール71A、71Bが、延伸ゾーン512内において、レール71Aとレール71Bの相対距離(樹脂フィルム31の搬送方向FTDに直角な方向におけるレール71Aとレール71Bとのレール間ゲージ)が徐々に広がるように、配置されることで、樹脂フィルム31をその幅方向(樹脂フィルム31の搬送方向FTDに直角な方向)に延伸することが可能となる。必要に応じ、熱固定ゾーン513内や冷却ゾーン514内において、レール71Aとレール71Bの相対距離が徐々に狭くなる区間を設けることで、樹脂フィルム31をその幅方向に弛緩処理することが可能となる。
同時二軸延伸法が採用される場合は、テンターオーブン51の延伸ゾーン512内で、同じレール71Aおよび71Bに沿って走行する各クリップ73A、73Bの間隔が徐々に広がるようにする。これにより、樹脂フィルム31は、その搬送方向FTDにも延伸され、同時二軸延伸が可能となる。
図5は、図4におけるC1−C1断面矢視図である。図6は、図5におけるC2−C2断面矢視図である。図4に示すテンターオーブン51は、図5に示すように、樹脂フィルム31の上側表面に対向して、樹脂フィルム31の搬送方向FTDに間隔をおいて、複数配列された上側エア噴出ノズル1Aを有し、また、樹脂フィルム31の下側表面に対向して、樹脂フィルム31の搬送方向FTDに間隔をおいて、複数配列された下側エア噴出ノズル1Bを有する。図5における熱固定ゾーン513には、6本の上側エア噴出ノズルと6本の下側エア噴出ノズルが示されている。図6に示すように、各上側エア噴出ノズル1Aおよび各下側エア噴出ノズル1Bは、樹脂フィルム31の幅方向(搬送方向FTDに直角な方向)に延在して設けられている。
テンターオーブン51のオーブン筐体51Aの上面には、熱交換器52A、52Bが装備されている。熱交換器52A、52Bによって所望の温度に制御されたエアは、ファン53A、53Bによって、各エア噴出ノズル1A、1Bに送り込まれ、エア噴出ノズル1A、1Bの樹脂フィルム31の表面に対向する面(エア噴出面)1Af、1Bfに設けられたエア噴出孔2A、2Bから放出される。放出されたエアは、テンターオーブン51内の吸引口54A、54Bを通り、熱交換器52A、52Bへと回収される。回収されたエアは、テンターオーブン51内で循環再使用される。なお、図5は、テンター装置95のテンターオーブン51内における熱固定ゾーン513の部分を示すものであるが、同様な構造は、テンターオーブン51内の他のゾーン、すなわち、予熱ゾーン511、延伸ゾーン512、あるいは、冷却ゾーン514においても用いることができる。
エア噴出ノズルは、所望の温度に制御されたエアを、一方向に搬送される樹脂フィルムの表面に吹き付けることで、エアと樹脂フィルムとの間の熱交換を促進する作用を有する。すなわち、エア噴出ノズルが樹脂フィルムの表面に吹き付けるエアの温度より樹脂フィルムの温度が低い場合には、樹脂フィルムは加熱され、エア噴出ノズルが樹脂フィルムの表面に吹き付けるエアの温度より樹脂フィルムの温度が高い場合には、樹脂フィルムは冷却され、エア噴出ノズルが樹脂フィルムの表面に吹き付けるエアの温度と樹脂フィルムの温度が等しい場合には、樹脂フィルムは保温される。また、テンター装置95の直前で樹脂フィルムの表面に塗液が塗布される場合には、形成された塗布膜は、エア噴出ノズルから塗布膜の表面に吹き付けられるエアとの間の熱交換によって、塗布膜は、乾燥され、あるいは、硬化する。
エア噴出ノズルの樹脂フィルムの搬送方向における配列本数は、一つのゾーンにおいて、1本でも良いが、エアと樹脂フィルムとの間の熱交換の効率を考慮すると、少なくとも3本であることが好ましい。また、エア噴出ノズルは、樹脂フィルムの片面側のみに設けられても良いが、エアと樹脂フィルムとの間の熱交換の効率を考慮すると、樹脂フィルムの両面側に設けられていることが好ましい。
図2は、本発明のエア噴出ノズルの一例の斜視図である。図2において、エア噴出ノズル1は、ノズル筐体1aからなる。ノズル筐体1aは、長手方向の両端部に、所定の温度を有するエアをノズル筐体1aの内部に導入するエア導入口41a、41bを有し、エア導入口41aとエア導入口41bとの間の内部空間は、エア供給路41を形成している。
また、ノズル筐体1aは、筐体の上面開口部にエア噴出プレート20が装着されている。エア噴出プレート20には、一端がエア噴出プレート20の外側表面に開口し、他端がエア噴出プレート20の内側表面、すなわち、エア供給路41に開口する多数のエア噴出孔2を有する。従って、エア噴出プレート20の外側表面は、多数のエア噴出孔2の開口21を有し、エア噴出面40を形成する。エア噴出ノズル1は、エア噴出面40を熱処理対象の樹脂フィルムの表面に対し間隔をおいて対向させた状態で用いられる。
図1は、図2に示す本発明のエア噴出ノズル1のエア噴出面40の一部の拡大平面図である。図1において、エア噴出ノズル1は、エア噴出ノズル1が樹脂フィルムの表面と対向する面、すなわち、エア噴出面40に、開口21をもって開口する多数のエア噴出孔2を有する。エア噴出面40における各エア噴出孔2の形状、すなわち、各開口21の形状は、円形である。エア噴出面40における各エア噴出孔2の直径、すなわち、各開口21の直径は、D(mm)である。
多数のエア噴出孔2、すなわち、多数の開口21は、エア噴出面40において、第1列2aと第2列2bとの2列に区分されて配列されている。第1列2aおよび第2列2bの方向は、樹脂フィルムの搬送方向FTDに直角な方向(樹脂フィルムの幅方向)である。第1列2aは、樹脂フィルムの搬送方向FTDの上流側に位置し、第2列2bは、樹脂フィルムの搬送方向FTDの下流側に位置する。第1列2aに配列されているエア噴出孔2と第2列2bに配列されているエア噴出孔2との間の相互の配列状態は、千鳥配列である。
図1において、第1列2aに配列されているエア噴出孔2の中心を通る直線(第1のエア噴出孔配列直線)3aと第2列2bに配列されているエア噴出孔2の中心を通る直線(第2のエア噴出孔配列直線)3bとの樹脂フイルムの搬送方向FTDにおける間隔を、Px(mm)とする。また、第1列2aおよび第2列2bにおける隣接するエア噴出孔2の中心の間隔をPy(mm)とする。
上記千鳥配列は、図1に示すように、第1列2aにおけるエア噴出孔2の中心と第2列2bにおけるエア噴出孔2の中心とが、樹脂フィルムの幅方向に、Py/2ずれて配置されている配列状態であることが好ましいが、Py/2の位置からPyの値の±10%の範囲内に隣りの列におけるエア噴出孔2が配置されている配列状態であっても良い。
図3は、後出の実施例で説明する数値解析によって求めた樹脂フィルムの表面の熱伝達率分布33の状態を示す平面図である。熱伝達率分布33は、エア噴出ノズル1のエア噴出孔2の中心位置で最も大きく、エア噴出孔2の中心位置から離れるほど小さくなっている。一体のエア噴出ノズル1の伝熱効率は、エア噴出ノズル1と樹脂フィルムの搬送方向の上流側において当該エア噴出ノズル1に隣接するエア噴出ノズル11aとの間の中心線4aと、エア噴出ノズル1と樹脂フィルムの搬送方向の下流側において当該エア噴出ノズル1に隣接するエア噴出ノズル11bとの間の中心線4bとに挟まれた区間Pnにおける熱伝達率の、樹脂フィルム31の搬送方向FTDの平均値である。中心線4a、4b、第1列2aのエア噴出孔2の中心を通る直線(第1のエア噴出孔配列直線)3a、第2列2bのエア噴出孔2の中心を通る直線(第2のエア噴出孔配列直線)3bとは、いずれも互いに平行である。
ここで、図3において樹脂フィルムの搬送方向FTDに引かれている直線5a、5b、5cについて説明する。
直線5aは、第1列2aに配列されているエア噴出孔2の中心を通る線であり、直線5cは、第2列2bに配列されているエア噴出孔2の中心を通る線であり、直線5bは、直線5aと直線5cとの間隔の中心を通る線である。
次に、搬送されて移動する樹脂フィルムのこれらの線に対応する位置における表面において生じる熱伝達率の履歴について説明する。直線5aに対応した位置を通る樹脂フィルムの表面の熱伝達率は、第1列2aの上を通るときは大きいが、第2列2bの上を通るときには小さい。これは、直線5aは、第1列2aのエア噴出孔2の中心を通り、第2列2bのエア噴出孔2の中心から離れた位置を通るため、樹脂フイルムが第1列2aを通過する際は、直線5aに対応する位置におけ樹脂フィルムの表面がエア噴出孔2の上を通り、その位置における樹脂フィルムの表面の熱伝達率が大きくなり、第2列2bを通過する際は、エア噴出孔2から離れた位置を通るために、直線5aに対応する位置における樹脂フィルムの表面の熱伝達率が小さくなるからである。
直線5cを通る樹脂フィルムの表面の熱伝達率は、第1列2aの上を通るときには小さいが、第2列2bの上を通るときには大きい。同様に、直線5cは、第1列2aを通る際は、エア噴出孔2から離れた位置を通るために、樹脂フィルムが第1列2aの上を通るときに、樹脂フィルムの直線5cに対応する位置における熱伝達率が小さくなり、樹脂フィルムが第2列2bの上を通る際は、第2列2bに配列されているエア噴出孔2の中心を通るため、樹脂フィルムの直線5cに対応する位置における熱伝達率が大きくなる。
直線5bを通る樹脂フィルムの表面の熱伝達率は、第1列2aの上を通るときも第2列2bの上を通るときも、中程度の大きさである。これは、直線5bは、第1列2aを通る際は、直線5aの場合よりもエア噴出孔2から遠く、かつ、直線5cの場合よりもエア噴出孔2から近い位置を通り、更に、第2列2bを通る際は、直線5aの場合よりもエア噴出孔2から近く、かつ、直線5cの場合よりもエア噴出孔2から遠い位置を通るためである。エア噴出ノズル1の伝熱効率は、これらの熱伝達率の履歴の平均値である。
図3において、樹脂フィルム31における熱伝達率の大きさは、樹脂フィルム31の表面に濃淡色をもって示されている。図3に、熱伝達率の大きさを示す指標HTCが示されている。指標HTCにおいて、濃色HTCLは、熱伝達率が大きい部分を意味し、淡色HTCSは、熱伝達率が小さい部分を意味する。この指標HTCにおける色の濃淡と樹脂フイルム31の表面に描かれている色の濃淡模様とを比較することにより、樹脂フイルム31における熱伝達率の高い部分と低い部分を読みとることができる。
エア噴出孔2が樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に2列の千鳥配列であるエア噴出ノズル1は、直線5aと直線5cに対応する位置における樹脂フィルムの伝熱効率がほぼ等しいことは言うまでもないが、このようなエア噴出孔の配置により、直線5aおよび直線5cと直線5bとに対応する位置における樹脂フィルムの伝熱効率の間の差を小さくすることが可能となる。エア噴出孔2の配列が樹脂フィルムの搬送方向に1列のみである場合に比べて、樹脂フィルムの幅方向の伝熱効率の均一性が改善される。
しかし、エア噴出孔2を樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に2列の千鳥配列としただけでは、必ずしも十分な伝熱効率の均一性が得られるわけではない。直線5aおよび直線5cと直線5bとの間の伝熱効率の差をより小さくするためには、熱伝達率分布33に影響を与える次に説明する各部の寸法のバランスのとれた選択が重要である。
すなわち、本発明のエア噴出ノズル1は、エア噴出孔2と樹脂フィルム31の通過面との距離L(mm)と、エア噴出孔2のエア噴出面40における直径D(mm)と、第1列2aのエア噴出孔2の中心を通る直線(第1のエア噴出孔配列直線)3aと第2列2bのエア噴出孔2の中心を通る直線(第2のエア噴出孔配列直線)3bとの間隔Px(mm)と、各列における樹脂フィルム31の幅方向における隣接するエア噴出孔2の中心の間隔Py(mm)とが、次式(1)、および、次式(2)を満足している必要がある。
6≦(L/D)/(Px/Py)≦9 ・・・式(1)
4≦L/D≦8 ・・・・・・・・・・・・・式(2)
ここで、樹脂フィルム31の通過面FPfとは、テンターオーブン51内に存在する各クリップ73A、73Bが樹脂フィルム31を把持する位置を通る幾何学的な平面である。
また、エア噴出孔2の横断面形状は、幾何学的円に近いほど好ましいが、真円である必要はない。従って、直径Dは、エア噴出孔2の最小二乗近似円の直径をもって定義される。エア噴出孔2の真円度公差は、直径Dの±5%以内が好ましい。
式(1)について説明する。式(1)の分母であるPx/Pyの値を小さくすると、エア噴出孔2が樹脂フィルム31の幅方向にPy/2の間隔で1列に並んだ状態に近づいていくため、直線5bに対応した位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率が低下する。逆に、Px/Pyの値を大きくすると、直線5bに対応した位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率が、直線5aや直線5cに対応した位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率よりも大きくなる。従って、Px/Pyの値には、直線5aや直線5cに対応する位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率と直線5bに対応する位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率との差が小さくなる範囲が存在する。
本発明者らは、直線5aや直線5cと直線5bとの間の伝熱効率の差が小さくなる範囲が、L/Dの値によって変化することを見出した。すなわち、L/Dの値を小さくすると、熱伝達率の大きい領域が広がり、直線5bに対応する位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率が、直線5aや直線5cに対応する位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率よりも小さくなるため、Px/Pyの値を小さくすることが好ましい。逆に、L/Dの値を大きくすると、熱伝達率の大きい領域が狭まり、直線5bに対応する位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率が、直線5aや直線5cに対応する位置におけるエア噴出ノズルの伝熱効率よりも大きくなるため、Px/Pyの値を大きくすることが好ましい。L/Dの値とPx/Pyの値との好ましい関係について、実施例に示す方法によって検討した結果、(L/D)/(Px/Py)の値が6以上9以下の場合に、エア噴出ノズルの樹脂フィルムの幅方向の伝熱効率の均一性が大幅に向上することが見出された。
また、実施例において、(L/D)/(Px/Py)の値が6以上9以下の範囲内であれば好ましいが、(L/D)/(Px/Py)の値が7以上8以下であれば、エア噴出ノズルの樹脂フィルムの幅方向の伝熱効率の均一性がより向上することが見出された。
エア噴出孔を樹脂フィルムの搬送方向に4列以上の偶数列配置する場合にも、式(1)を満たすエア噴出ノズルを設計することは可能であるが、この場合、エア噴出ノズルの樹脂フィルムの搬送方向の寸法が大きくなるため、テンターオーブンにおけるエアの吸引口への流れが阻害されるだけでなく、テンターオーブンにおける樹脂フィルムの搬送方向の寸法が大きくなる。そのため、このようなエア噴出ノズルは、実用性に問題がある。
次に、式(2)について説明する。自由噴流や衝突噴流に関する数多くの研究により、噴流が形成する流れ場の構造は、L/Dによって表現できることは良く知られている。これらの研究によると、L/Dの値が6以上8以下までは、噴流の中心の風速が初期風速を維持しているポテンシャル領域が存在するが、L/Dの値が10より大きくなると、噴流の乱れが完全に発達する。噴流の乱れが発達すると、速度変動が大きくなり、噴流が不安定になり、噴流の周囲に圧力差や圧力変動が存在することがあり、この場合、流れ場が乱れやすくなる。ポテンシャルコア領域は、流れの直進性が強く、圧力差や圧力変動に対して乱れにくいため、L/Dの値は8以下が好ましく、6以下がより好ましい。
また、噴流は、エア噴出孔から離れるほどに、周囲のエアを巻き込み、エア噴出孔の半径方向に混合領域を広げることが知られている。L/Dの値が小さすぎると、混合領域の広がりが不十分なため、樹脂フィルムの表面に衝突する噴流はスポット的になり、式(1)で説明した効果が得られなくなる。よって、L/Dの値は4以上が好ましく、実施例に示す方法によって検討した結果、L/Dの値は5以上が更に好ましいことが確認された。よって、L/Dの値は、4以上8以下であることが好ましく、5以上8以下であればより好ましく、5以上6以下であれば更に好ましい。
また、本発明のエア噴出ノズルにおいて、B=2π(D/2)/Py(ただし、πは円周率)とするとき、次式(3)を満足してることが好ましい。
12≦L/B≦30 ・・・・・・・・・・・式(3)
ここで、式(3)について説明する。Bは、エア噴出ノズルの単位幅当たりの孔間隙である。単位幅当たりの孔間隙とは、横断面形状が円形のエア噴出孔2を、これと開口面積が等しい樹脂フィルムの幅方向に連続した矩形のエア噴出孔(スリット)に換算した場合の間隙である。Lの値に対してBの値が小さすぎると、伝熱効率が低下する場合がある。テンターオーブンに用いるエア噴出ノズルのエア噴出速度(風速)は、樹脂フィルムの厚さやその搬送速度によって異なるが、5乃至35m/sの範囲に設定されることが好ましい。
この風速の設定範囲幅は広いが、エア噴出ノズルの伝熱効率としては、エア噴出速度20m/sにおいて、55W/(mK)以上であることが好ましい。そのためには、L/Bの値は30以下であることが好ましく、24以下であることがより好ましい。また、Lの値に対してBの値が大きすぎると、エアの循環風量が多くなり、容量の大きい熱交換器やファンが必要となるため、設備費や動力費が増大する。従って、L/Bの値は12以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましい。
Lの値は特に限定されないが、Lの値が140mm以上270mm以下であることが好ましい。Lの値が140mm未満の場合、樹脂フィルムを搬送するクリップが通過するスペースを確保するのが難しくなることがある。Lの値が270mmを超えると、必要な伝熱効率を得るために、容量の大きい熱交換器やファンが必要となるため、設備費や動力費が増大することがある。
Dの値も特に限定されないものの、上記のL/DおよびLの好ましい値の範囲から、Dの値はL/8以上L/5以下であることが好ましく、L/6以上L/5以下であることがより好ましい。
Pxの値は特に限定されないものの、Pxの値は50mm以上180mm以下であることが好ましく、70mm以上150mm以下であることがより好ましい。Pxの値が小さすぎ、50mm未満であると、隣り合うエア噴出孔の噴流が互いに干渉し、噴流が曲がったり揺らいだりすることがあり、Pxの値が大きすぎ、180mmを超えると、エア噴出ノズルの樹脂フィルムの搬送方向の寸法が大きくなるため、吸引口への流れが阻害されるだけでなく、テンターオーブンの樹脂フィルムの搬送方向の寸法が大きくなることがあるので、Pxの値は50mm以上180mm以下であることが好ましい。
Pyの値は特に限定されないものの、Pyの値は50mm以上200mm以下であることが好ましく、70mm以上180mm以下であることがより好ましい。Py値が小さすぎ、50mm未満であると、隣り合うエア噴出孔の噴流が互いに干渉し、噴流が曲がったり揺らいだりすることがあり、Py値が大きすぎ、200mmを超えると、樹脂フィルムの表面に衝突する噴流が、樹脂フィルムの幅方向にスポット的になり、式(1)で説明した効果が得られなくなることがあるため、Py値は50mm以上200mm以下であることが好ましい。
本発明のエア噴出ノズル、あるいは、テンターオーブンにより熱処理される樹脂フィルムは、特に限定されない。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ乳酸フィルム、ポリオレフィンフィルム、あるいは、ポリフェニレンサルファイドフィルムが挙げられる。
本発明のエア噴出ノズルが少なくとも予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱固定ゾーン、および、冷却ゾーンのいずれか一つのゾーンに配置された本発明のテンターオーブンにより、熱処理効果が均一な、特に幅方向における熱処理効果が均一な上述の各種フィルムが、好ましく製造される。
本発明のテンターオーブンにおいて、本発明のエア噴出ノズルが、少なくとも予熱ゾーンに配置されていることが好ましい。また、本発明のエア噴出ノズルが、予熱ゾーンとともに、延伸ゾーン、熱固定ゾーンおよび冷却ゾーンのいずれか一つのゾーンに配置されていることがより好ましい。更に、本発明のエア噴出ノズルが、予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱固定ゾーンおよび冷却ゾーンの全てのゾーンに配置されていることが更に好ましい。
次に、本発明のエア噴出ノズルおよびテンターオーブンを、実施例に基づいて説明する。
図3に示す樹脂フィルム31の表面の熱伝達率分布33の一例は、3次元の数値流体解析によって求めた。図8は、本発明の実施例の解析モデルに用いたテンターオーブン51の樹脂フィルム31の搬送方向FTDを含む樹脂フィルム31の表面に垂直な面における解析モデル断面図である。この解析モデル図は、樹脂フィルム31の面を対称面として定義し、上下対称構造の上側半分をモデル化したものである。
図8において、テンターオーブン51の寸法は、樹脂フィルム31の搬送方向FTDの長さを2m、樹脂フィルム31の幅方向の長さを2m、樹脂フィルム31からテンターオーブン51の上側内壁面までの高さを(L/1,000+1)mとした。ここで、Lは、先に定義したエア噴出面と樹脂フィルムの通過面との距離である。
テンターオーブン51の外側空間61は、解析空間の端部境界62がテンターオーブン51内の流れ場に影響しないように追加したものであり、テンターオーブン51の構成に影響を与えるものではない。解析空間の端部境界62は圧力境界とし、境界条件として大気圧(0.1MPa)を設定した。外側空間61の寸法は、樹脂フィルム31の搬送方向FTDにおける長さを1mとし、樹脂フィルム31の幅方向の長さをテンターオーブン51の樹脂フィルム31の搬送方向FTDに直角な方向(幅方向)の長さ(幅)2m(図示されていない)と等しい2mとし、高さもテンターオーブン51の高さと等しい(L/1,000+1)mとした。
樹脂フィルム31は、速度1m/sで移動する壁境界としてモデル化した。樹脂フィルム31の幅方向の長さは1mとし、その中心は、テンターオーブン51の幅方向の中央に位置させた。つまり、テンターオーブン51の樹脂フィルム31の幅方向の中心と、樹脂フィルム31の幅方向の中心とが一致するように配置した。また、樹脂フィルム31は、搬送方向FTDに連続して搬送されるため、樹脂フィルム31は、解析モデルの一端から他端まで連続して位置しているとした。
テンターオーブン51は、樹脂フィルム31の上側に、5体のエア噴出ノズル1を配置したものとして構成した。
エア噴出ノズル1の寸法は、樹脂フィルム31の搬送方向の長さを200mm、樹脂フィルム31の幅方向の長さを1,400mm、高さを600mmとし、エア噴出ノズル1の樹脂フィルム31の搬送方向FTDに直角な方向の中心を、テンターオーブン51の幅方向の中央に位置させた。つまり、テンターオーブン51の樹脂フィルム31の幅方向の中心と、エア噴出ノズル1の樹脂フィルム31の幅方向の中心とが一致するように配置した。
更に5体のエア噴出ノズル1のうち、中央に位置するエア噴出ノズル1(樹脂フィルム31の搬送方向の上流側から3番目のエア噴出ノズル1)を、テンターオーブン51の搬送方向の中央に配置した。つまり、中央に位置するエア噴出ノズル1の樹脂フィルム31の搬送方向FTDの中心を、テンターオーブン51の樹脂フィルム31の搬送方向FTDの中心と一致するように配置した。また、樹脂フィルム31の搬送方向において隣接するエア噴出ノズル1の中心線の間隔Pnは300mmとした。よって、隣接するエア噴出ノズル1の間隔は、全て100mmとした。
エア噴出ノズル1の樹脂フィルム31と対向する面(エア噴出面40A)には、直径D(mm)の円形のエア噴出孔2を多数設けた。樹脂フィルム31の通過面FPfとエア噴出面40Aとの距離はL(mm)とした。エア噴出孔2は流入境界としてモデル化し、境界条件として、エア流速20m/sを設定した。
エア噴出孔2の配列は、図1に示すように、樹脂フィルム31の搬送方向FTDに直角な方向に、第1列2aと第2列2bとの2列に配列され、第1列2aのエア噴出孔2と第2列2bのエア噴出孔2との相互の配列状態は千鳥配列であり、樹脂フィルム31の幅方向に延びる第1列2aに配列されたエア噴出孔2の中心を通る直線(第1のエア噴出孔配列直線)3aと樹脂フィルム31の幅方向に延びる第2列2bに配列されたエア噴出孔2の中心を通る直線(第2のエア噴出孔配列直線)3bとの間隔をPx(mm)、各列の樹脂フィルム31の幅方向における隣接する噴出孔2の中心の間隔をPy(mm)とした。
吸引口54Aは流出境界としてモデル化し、境界条件として全てのエア噴出孔2からの流入量と等しい流出量を設定した。吸引口54Aの寸法は、樹脂フィルム31の搬送方向FTDの長さを1,400mm、樹脂フィルム31の幅方向の長さを1,400mmとし、エア噴出ノズル1の上側に配置した。吸引口54Aとエア噴出面40Aの反対側のエア噴出ノズル1の面(上面)との距離は100mmとした。吸引口54Aを設けた吸引ダクト54の高さは200mmとし、該吸引ダクト54のエア噴出ノズル1と対向する面全体を吸引口54Aとした。また、吸引口54Aは、テンターオーブン51の幅方向の中央で、かつ、樹脂フィルム31の搬送方向FTDの中央に配置した。つまり、吸引口54Aの樹脂フィルム31の幅方向の中心と、テンターオーブン51の樹脂フィルム31の幅方向の中心とが一致し、かつ、吸引口54Aの樹脂フィルム31の搬送方向FTDの中心と、テンターオーブン51の樹脂フィルム31の搬送方向FTDの中心とが一致するように配置した。
流体の物性は、温度100℃で大気圧の乾燥エアを想定し、密度を0.93kg/m、粘度を2.2×10−5Pa・s、比熱を1,012J/(kg・K)、熱伝導率を0.031W/(m・K)とした。
解析は、市販の汎用熱流体解析ソフトウェアである「STAR−CD」(株式会社シー・ディー・アダプコ・ジャパン製)を用い、定常計算を行った。乱流の取り扱いには、k−ε乱流モデルを用い、壁近傍の乱流境界層の取り扱いには、壁法則を用いた。
上記のソフトウェアは、流体の運動方程式であるナヴィエ・ストークス方程式を有限体積法により解析するものである。もちろん、同様の解析ができるものであれば、どのような熱流体解析ソフトウェアを用いても良い。
伝熱効率とは、樹脂フィルム31がエア噴出ノズル1を通過する際に受ける熱伝達率の平均値である。すなわち、一体のエア噴出ノズル1の伝熱効率は、隣接するエア噴出ノズル11a、11bとの中心線4a、4bに挟まれた区間Pnにおける樹脂フィルム31の表面の熱伝達率の、樹脂フィルム31の搬送方向FTDの平均値である。樹脂フィルム31の搬送方向FTDに並ぶ5体のエア噴出ノズルは、エア噴出孔2の配列が同じであるため、中央の一体のエア噴出ノズル1を各エア噴出ノズルの代表として伝熱効率を算出した。
L=150mm、D=25mm、Px=100mm、Py=122mmとして、上記の解析を実施した。図9は、エア噴出ノズル1の樹脂フィルム31の幅方向における伝熱効率分布の状態を示すチャートである。チャートにおいて、横軸は、樹脂フィルム31の幅方向の位置P(単位はmm)を示し、縦軸は、エア噴出ノズル1の伝熱効率Q(単位はW/mK)を示す。このチャートを用いて次の二つの項目について評価した。
(1)エア噴出ノズル1の平均伝熱効率Qa:
エア噴出ノズル1の樹脂フィルム31の幅方向の伝熱効率分布の平均値を、エア噴出ノズル1の平均伝熱効率Qa(単位はW/mK)とした。平均伝熱効率Qaは大きいほど好ましい。ここでは、一般的なテンターオーブンの指標に準じ、平均伝熱効率Qaの値が55W/mK以上である場合、本発明の目的が達成されると評価し、合格とした。
(2)エア噴出ノズル1の樹脂フィルム31の幅方向の伝熱効率のムラRq:
エア噴出ノズル1の樹脂フィルム31の幅方向の伝熱効率Qの最大値Qmaxと最小値Qminの差を平均伝熱効率Qaで割って100を掛けた値を、エア噴出ノズル1の樹脂フィルム31の幅方向の伝熱効率のムラRq(単位は%)とした。図9において、伝熱効率Qの最大値は、点線Qmax、伝熱効率Qの最小値は、点線Qmin、伝熱効率Qの平均値(平均伝熱効率Qa)は、実線Qaで示される。伝熱効率のムラRqは小さいほど好ましい。ここでは、一般的なスリットノズルの伝熱効率のムラRqが5乃至15%であるため、伝熱効率のムラRqの値が15%以下である場合、本発明の目的が達成されると評価し、合格とした。
実施例1の評価結果は、Qa=72.0W/mK、Rq=10.9%であり、平均伝熱効率Qa、伝熱効率のムラRqともに合格であった。
実施例2乃至15、および、比較例1乃至13
L/Dの値が5乃至8の範囲内で、L、D、Px、Pyを変更し、実施例1と同様に、上記の解析を実施した。解析に用いたL、D、Px、Pyの値と、評価項目である平均伝熱効率Qa、伝熱効率のムラRqの値を表1に示す。
(L/D)/(Px/Py)の値が6乃至9の範囲内である実施2乃至15においては、平均伝熱効率Qaの値が55W/mK以上、かつ、伝熱効率のムラRqの値が15%以下であり、各実施例は、いずれも合格の範囲内であった。
(L/D)/(Px/Py)の値が6より小さい、または、9より大きい比較例1乃至13においては、平均伝熱効率Qaの値が55W/mK以上であるが、伝熱効率のムラRqの値が15%より大きいため、各比較例は、いずれも合格の範囲外、すなわち、不合格となった。
比較例14乃至17
L=270mm、D=30mm、Py=88mmにおいて、Pxの値を80乃至140mmの範囲で変更し、実施例1と同様に、上記の解析を実施した。解析に用いたL、D、Px、Pyの値と、評価項目である平均伝熱効率Qa、伝熱効率のムラRqの値を表1に示す。
L/D=9である比較例14乃至17は、平均伝熱効率Qaの値が55W/mK以上であるが、伝熱効率のムラRqの値が15%より大きいため、各比較例は、いずれも合格の範囲外、すなわち、不合格となった。
Figure 0004962494
図10は、表1に示した実施例1乃至15、および、比較例1乃至17について、(L/D)/(Px/Py)の値と伝熱効率のムラRqの値をプロットしたグラフである。図10のグラフにおいて、横軸は、(L/D)/(Px/Py)の値であり、縦軸は、伝熱効率のムラRq(%)の値であり、記号○は、実施例1乃至15における値、記号△は、比較例1乃至13における値、記号×は、比較例14乃至17における値を示す。
図10のグラフから、(L/D)/(Px/Py)の値が6より小さくなるに従い、伝熱効率のムラRqの値は急激に大きくなることが分かる。また、(L/D)/(Px/Py)の値が9より大きくなるに従い、伝熱効率のムラRqの値は急激に大きくなることが分かる。また、L/D=9の比較例14乃至17では、(L/D)/(Px/Py)の値が6乃至9の範囲であっても伝熱効率のムラRqの値は小さくならないことが分かる。
図11は、表1に示した実施例1乃至15、および、比較例1乃至17について、Px/Pyの値とL/Dの値をプロットしたグラフである。図11のグラフにおいて、横軸は、Px/Pyの値であり、縦軸は、L/Dの値であり、記号○は、実施例1乃至15における値、記号△は、比較例1乃至13における値、記号×は、比較例14乃至17における値を示す。また、点線L6は、(L/D)/(Px/Py)=6の線、点線L9は、(L/D)/(Px/Py)=9の線、点線L8は、L/D=8の線を示す。
図11のグラフから、伝熱効率のムラRqの値が小さい実施例1乃至15においては、(L/D)/(Px/Py)の値が6乃至9で、L/Dの値が5乃至8の範囲にあることが分かる。
実施例16
図4に示すテンター装置95の予熱ゾーンに、実施例1と同じ寸法のエア噴出ノズル1を設置し、図7に示す製造工程を用いて、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム31dを製造した。
製造条件:
温度180℃で真空乾燥したポリエチレンテレフタレートのチップを押出機91に供給し、温度280℃で溶融して押し出し、口金92からシート状に吐出し、樹脂シート31aとし、樹脂シート31aを表面温度20℃のキャストドラム93に巻き付けて冷却固化し、未延伸フィルム31bとした。続いてこの未延伸フィルム31bを縦延伸機94に導入して、温度80℃に加熱したロール群で加熱し、更に赤外線ヒータにて加熱しながら搬送方向に3.2倍延伸し、温度40℃の冷却ロールで冷却し、一軸延伸フィルム31cとした。続いてこの一軸延伸フィルム31cをテンター装置95に導入して、予熱ゾーンで温度100℃に加熱し、延伸ゾーンで温度110℃に加熱しながら幅方向に3.5倍延伸し、熱固定ゾーンで温度220℃に加熱し、冷却ゾーンで幅方向に5%弛緩処理しながら温度90℃に冷却し、二軸延伸フィルム31dとした。続いてこの二軸延伸フィルム31dの両端を切り落とし、巻取りロール96で巻き取って幅3,400mmの製品フィルム31eを得た。
厚み測定方法:
巻取りロール96で巻き取った製品フィルム31eから、幅方向に3,400mm、搬送方向に30mmの大きさのサンプルを切り取り、サンプルフィルムの幅方向の厚み分布を測定した。測定には、アンリツ株式会社製のフィルムシックネステスター「KG601A」および電子マイクロメータ「K306C」を用いた。この厚み分布の平均値をTa(単位はμm)、最小値をTn(単位はμm)、最大値をTx(単位はμm)とし、幅方向の厚みムラRt(単位は%)を、関係式Rt=(Tx−Tn)/Ta×100[%]を用いて、求めた。
実施例16における製品フィルム31eの幅方向における厚み分布の値を図12のグラフに示す。図12のグラフにおいて、横軸は、幅方向における位置(mm)、縦軸は、厚み分布の値であり、実線Taは、厚み分布の平均値、点線Txは、厚み分布の最大値、点線Tnは、厚み分布の最小値を示す。実施例16において、Ta=74.9μm、Tn=74.3μm、Tx=75.5μm、Rt=1.6%であった。
比較例18
図4に示すテンター装置95の予熱ゾーンに、比較例1と同じ寸法のエア噴出ノズル1を設置し、実施例16と同じ条件で、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム31d(製品フィルム31e)を製造し、実施例16と同じ方法で、その厚みを測定した。
比較例18における製品フィルム31eの幅方向における厚み分布の値を図13のグラフに示す。図13のグラフにおいて、横軸は、幅方向における位置(mm)、縦軸は、厚み分布の値であり、実線Taは、厚み分布の平均値、点線Txは、厚み分布の最大値、点線Tnは、厚み分布の最小値を示す。比較例18において、Ta=75.1μm、Tn=74.1μm、Tx=76.0μm、Rt=2.5%であった。
エア噴出ノズル1の伝熱効率のムラRqが大きいと、予熱ゾーン通過後の樹脂フィルム31の温度ムラが大きくなり、延伸ゾーン内で延伸ムラを生じて、幅方向の厚みムラRtが大きくなる。実施例16における伝熱効率のムラRqの値は、比較例18における伝熱効率のムラRqの値に比べて、大幅に低い値を示していることから、実施例16のエア噴出ノズル1は、樹脂フィルムの幅方向の伝熱効率の均一性が良好であると云える。
本発明のエア噴出ノズルは、特定の形状および配列位置関係にある多数のエア噴出孔を有するため、これを用いて樹脂フィルムの熱処理を行った場合、樹脂フィルムの幅方向における優れた伝熱効率の均一性が得られる。従って、本発明のエア噴出ノズルを用いた本発明のテンターオーブンにより、幅方向に均質な熱処理特性を有する樹脂フィルムの製造が可能となる。本発明のエア噴出ノズルは、テンターオーブンに限らず、印刷機や塗工機において用いられる乾燥装置などにも用いることができる。

Claims (7)

  1. (a)一方向に搬送される樹脂フィルムの通過面に対し間隔をおいて設けられ、該樹脂フイルムの表面にエアを吹き付けるために用いられるエア噴出ノズルであり、
    (b)該エア噴出ノズルが、ノズル筐体からなり、該ノズル筐体は、その内部にエア供給路と、前記樹脂フィルムの通過面に対向するエア噴出面と、前記エア供給路と前記エア噴出面とにそれぞれ開口する多数のエア噴出孔を有し、
    (c)該多数のエア噴出孔の前記エア噴出面におけるそれぞれの開口の形状が、円形であり、
    (d)前記多数のエア噴出孔は、前記エア噴出面において、前記樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に、第1列と第2列との2列に配列され、前記第1列と前記第2列との間の前記エア噴出孔の配列状態は、千鳥配列であり、
    (e)前記エア噴出面と前記樹脂フィルムの通過面との距離L(mm)と、前記エア噴出面における前記各エア噴出孔の直径D(mm)と、前記第1列に配列されている複数の前記エア噴出孔の中心を通る第1のエア噴出孔配列直線と前記第2列に配列されている複数の前記エア噴出孔の中心を通る第2のエア噴出孔配列直線との前記樹脂フィルムの搬送方向における間隔Px(mm)と、前記第1のエア噴出孔配列直線と前記第2のエア噴出孔配列直線のそれぞれにおける隣接する前記エア噴出孔の中心の間隔Py(mm)とが、次式(1)、および、次式(2)を満足するエア噴出ノズル。
    6≦(L/D)/(Px/Py)≦9 ・・・式(1)
    4≦L/D≦8 ・・・・・・・・・・・・・式(2)
  2. B=2π(D/2)/Py(ただし、πは円周率)とするとき、次式(3)を満足する請求項1に記載のエア噴出ノズル。
    12≦L/B≦30 ・・・・・・・・・・・式(3)
  3. 前記距離Lが、140乃至270mmである請求項1又は2に記載のエア噴出ノズル。
  4. (a)一端に樹脂フィルムの入口を、他端に前記樹脂フィルムの出口を有し、
    (b)前記樹脂フィルムの入口と前記樹脂フィルムの出口との間に、前記樹脂フィルムの入口から前記樹脂フィルムの出口に向かい前記樹脂フィルムを搬送しながら、少なくとも前記樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に前記樹脂フィルムを延伸する延伸ゾーンを有し、かつ、
    (c)前記樹脂フィルムの入口と前記樹脂フィルムの出口との間に、前記樹脂フィルムの表面にエアを噴射し、前記樹脂フイルムを熱処理する熱処理ゾーンを有するオーブン筐体からなり、
    (d)前記樹脂フィルムの入口から前記樹脂フィルムの出口に亘り形成される前記樹脂フィルムの通過面に、請求項1から3のいずれかに記載のエア噴出ノズルのエア噴出面が対向して位置するとともに、
    (e)該エア噴出ノズルの前記エア噴出孔の第1列および第2列の方向が前記樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向となる状態で、前記エア噴出ノズルが前記熱処理ゾーンに設けられているテンターオーブン。
  5. 前記熱処理ゾーンが、前記樹脂フィルムの入口から前記樹脂フィルムの出口に向かい、予熱ゾーン、延伸ゾーン、熱固定ゾーンおよび冷却ゾーンに区分され、これらのゾーンの少なくとも一つのゾーンに、前記エア噴出ノズルが設けられている請求項4に記載のテンターオーブン。
  6. 前記延伸ゾーンが、前記樹脂フィルムの搬送方向に直角な方向に前記樹脂フィルムを延伸するとともに、前記樹脂フィルムの搬送方向に前記樹脂フィルムを延伸する同時二軸延伸ゾーンである請求項4又は5に記載のテンターオーブン。
  7. 前記エア噴出ノズルが、前記樹脂フィルムの通過面の両側において、該樹脂フィルムの通過面に対して間隔をおいて設けられている請求項4から6のいずれかに記載のテンターオーブン。
JP2008516655A 2007-03-20 2008-02-27 エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン Active JP4962494B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008516655A JP4962494B2 (ja) 2007-03-20 2008-02-27 エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007072385 2007-03-20
JP2007072385 2007-03-20
JP2008516655A JP4962494B2 (ja) 2007-03-20 2008-02-27 エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン
PCT/JP2008/053409 WO2008114586A1 (ja) 2007-03-20 2008-02-27 エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008114586A1 JPWO2008114586A1 (ja) 2010-07-01
JP4962494B2 true JP4962494B2 (ja) 2012-06-27

Family

ID=39765696

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008516655A Active JP4962494B2 (ja) 2007-03-20 2008-02-27 エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン

Country Status (7)

Country Link
US (2) US8220180B2 (ja)
EP (1) EP2123427B1 (ja)
JP (1) JP4962494B2 (ja)
KR (1) KR101425109B1 (ja)
CN (1) CN101641202B (ja)
MY (1) MY151712A (ja)
WO (1) WO2008114586A1 (ja)

Families Citing this family (29)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8220180B2 (en) * 2007-03-20 2012-07-17 Toray Industries, Inc. Air injection nozzle, and tenter oven using the nozzle
JP5228834B2 (ja) * 2008-03-28 2013-07-03 東レ株式会社 エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン
WO2011043285A1 (ja) * 2009-10-07 2011-04-14 東レ株式会社 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法及び製造装置
DE102009060753A1 (de) * 2009-12-30 2011-07-07 Brückner Maschinenbau GmbH & Co. KG, 83313 Belüftungsdüse sowie Kunststofffolienreckanlage mit zugehöriger Belüftungsdüse
JP5261415B2 (ja) * 2010-02-18 2013-08-14 株式会社日本製鋼所 横延伸装置及び横延伸方法
KR101879897B1 (ko) 2011-03-29 2018-08-17 도레이 카부시키가이샤 텐터 오븐 및 연신 필름의 제조 방법
JP2013107225A (ja) * 2011-11-18 2013-06-06 Okura Ind Co Ltd テンター装置
JP2013256384A (ja) * 2012-06-14 2013-12-26 Japan Steel Works Ltd:The エア噴出ノズル
JP6374873B2 (ja) * 2013-09-25 2018-08-15 日本たばこ産業株式会社 炭素熱源の乾燥方法
DE102015204871A1 (de) 2015-03-18 2016-09-22 Lindauer Dornier Gesellschaft Mit Beschränkter Haftung Behandlungsfluidführung in einer Folienreckanlage
JP5989165B1 (ja) * 2015-03-25 2016-09-07 株式会社日本製鋼所 空気噴射部材とこれを用いたフィルムの製造方法
US10890336B2 (en) 2015-06-08 2021-01-12 Alto-Shaam, Inc. Thermal management system for multizone oven
US9677774B2 (en) 2015-06-08 2017-06-13 Alto-Shaam, Inc. Multi-zone oven with variable cavity sizes
US10088172B2 (en) 2016-07-29 2018-10-02 Alto-Shaam, Inc. Oven using structured air
US10337745B2 (en) 2015-06-08 2019-07-02 Alto-Shaam, Inc. Convection oven
US9879865B2 (en) 2015-06-08 2018-01-30 Alto-Shaam, Inc. Cooking oven
KR101748257B1 (ko) * 2015-08-18 2017-06-16 엘지전자 주식회사 세탁물 처리장치
CN108367485B (zh) * 2015-12-28 2020-10-16 东丽株式会社 气流控制装置及拉伸膜的制造方法
DE102016200827B4 (de) * 2016-01-21 2017-10-05 Lindauer Dornier Gesellschaft Mit Beschränkter Haftung Folienreckanlage zum Verhindern von Verschmutzungen infolge Schmelzens der Folie sowie Verfahren zum Verhindern von derartigen Verschmutzungen in einer solchen Anlage
US10137608B2 (en) * 2016-09-20 2018-11-27 Sumitomo Chemical Company, Limited Film-stretching apparatus and method of producing film
KR102364565B1 (ko) 2017-03-28 2022-02-18 도레이 카부시키가이샤 기류 제어 장치 및 연신 필름의 제조 방법
DE102017127595A1 (de) 2017-11-22 2019-05-23 Brückner Maschinenbau GmbH & Co. KG Belüftungsmodul für eine Folienreckanlage und eine solche Folienreckanlage
WO2019116534A1 (ja) * 2017-12-15 2019-06-20 株式会社日本製鋼所 フィルム製造装置
JP6597934B1 (ja) * 2018-03-29 2019-10-30 東レ株式会社 気体吹出しノズル及び炉、並びに加工フィルムの製造方法
DE102018124521A1 (de) * 2018-10-04 2020-04-09 Brückner Maschinenbau GmbH & Co. KG Behandlungsanlage für eine durch einen Behandlungsofen hindurchführbare flexible Materialbahn, insbesondere Kunststofffolie
DE102018127073A1 (de) 2018-10-30 2020-04-30 Brückner Maschinenbau GmbH & Co. KG Folienreckanlage
DE102018132737A1 (de) * 2018-12-18 2020-06-18 Krones Aktiengesellschaft Verfahren und Schrumpftunnel zum Aufschrumpfen thermoplastischen Verpackungsmaterials auf Artikel
CN215098710U (zh) 2019-10-25 2021-12-10 克朗斯股份公司 将热塑性包装材料收缩到物品或物品的组合上的收缩装置
DE102020120705A1 (de) 2020-08-05 2022-02-10 Krones Aktiengesellschaft Verfahren und Schrumpfvorrichtung zum Aufschrumpfen eines thermoplastischen Verpackungsmaterials auf Artikel

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0596619A (ja) * 1991-10-08 1993-04-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd フイルム延伸機
JPH07329153A (ja) * 1994-06-10 1995-12-19 Toray Ind Inc 樹脂フィルムの冷却装置及び冷却方法
JPH11342535A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Toray Ind Inc 二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3577651A (en) * 1968-12-05 1971-05-04 Ind Air Co Inc Apparatus for air-treating sheet material surfaces and the like
JPS6342760A (ja) * 1986-08-01 1988-02-23 リンダウエル、ドルニエ、ゲゼルシヤフト、ミツト、ベシユレンクテル、ハフツング 長手方向に移動する帯状製品に処理媒体を吹きつけるブロ−装置
JP2528669Y2 (ja) * 1991-08-19 1997-03-12 三菱重工業株式会社 テンタオーブン用プレナムダクト
US5545364A (en) * 1994-10-06 1996-08-13 Skc, Limited Process for the preparation of heat resistant polyester film
JP3575892B2 (ja) * 1995-10-19 2004-10-13 株式会社ユポ・コーポレーション テンターオーブンにおける雨滴排出装置
JP3681202B2 (ja) * 1995-10-20 2005-08-10 株式会社ユポ・コーポレーション テンターオーブン
EP1616690A1 (en) * 2003-01-30 2006-01-18 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Tenter oven
CN100396464C (zh) * 2003-03-04 2008-06-25 三菱丽阳株式会社 片状物的热处理装置及热处理方法
US8220180B2 (en) * 2007-03-20 2012-07-17 Toray Industries, Inc. Air injection nozzle, and tenter oven using the nozzle

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0596619A (ja) * 1991-10-08 1993-04-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd フイルム延伸機
JPH07329153A (ja) * 1994-06-10 1995-12-19 Toray Ind Inc 樹脂フィルムの冷却装置及び冷却方法
JPH11342535A (ja) * 1998-06-01 1999-12-14 Toray Ind Inc 二軸配向ポリエステルフイルムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8561321B2 (en) 2013-10-22
US8220180B2 (en) 2012-07-17
KR101425109B1 (ko) 2014-08-01
US20100059036A1 (en) 2010-03-11
EP2123427B1 (en) 2017-04-05
US20120210599A1 (en) 2012-08-23
EP2123427A1 (en) 2009-11-25
MY151712A (en) 2014-06-30
KR20090122423A (ko) 2009-11-30
JPWO2008114586A1 (ja) 2010-07-01
EP2123427A4 (en) 2015-07-08
WO2008114586A1 (ja) 2008-09-25
CN101641202A (zh) 2010-02-03
CN101641202B (zh) 2012-09-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4962494B2 (ja) エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン
KR101879897B1 (ko) 텐터 오븐 및 연신 필름의 제조 방법
JP5470472B2 (ja) 通気ノズル及び通気ノズルを設けたプラスチックフィルム延伸装置
JP2007320276A (ja) テンターオーブン
EP3603936B1 (en) Airflow control device and method for manufacturing stretched film
JP5228834B2 (ja) エア噴出ノズルおよびそれを用いたテンターオーブン
JP2008100456A (ja) シート状物の熱処理装置
CN111448046B (zh) 膜制造装置
JP2013256384A (ja) エア噴出ノズル
JP6394010B2 (ja) テンターオーブン、及びそれを用いた熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
WO2014156977A1 (ja) テンターオーブンおよび熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP5261415B2 (ja) 横延伸装置及び横延伸方法
JP6295760B2 (ja) テンターオーブンおよび熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP2016016520A (ja) テンター装置及びフィルムの製造方法
CN114536614A (zh) 用于能被引导穿过处理炉的柔性材料幅材的处理设备
JPS605005Y2 (ja) 糸条の並列延伸熱処理装置
JP2014208463A (ja) テンターオーブンおよび熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP2016108065A (ja) テンター装置及びフィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101216

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120228

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120312

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4962494

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3