JP4962211B2 - 車両用スタビライザシステム - Google Patents
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Description
に基づいて目標ロール抑制力を決定し、スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御と、(b)車体が受けるロールモーメントに基づいてアクチュエータの目標動
作量を決定し、アクチュエータの実際の動作量の目標動作量に対する偏差に基づいて電磁モータの作動を制御する動作量対象制御とを、選択的に実行できるように構成される。詳しくは、第1の発明の車両用スタビライザシステムは、タビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程において、ロール抑制力対象制御を実行し、スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を減少させる過程において、動作量対象制御を実行するように構成され、第2の発明の車両用スタビライザシステムは、基本的にはロール抑制力対象制御を実行し、そのロール抑制力対象制御の実行中においてスタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が目標ロール抑制力を超えた場合に、スタビライザバーがロール抑制力を発生させることを要しない状態となるまでの間、ロール抑制力対象制御に代えて、動作量対象制御を実行するように構成される。
電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して自身の動作量を変えることによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を自身の動作量に応じた大きさに変えるアクチュエータと、
前記電磁モータの作動を制御することによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を制御する制御装置と
を備えた車両用スタビライザシステム。
車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を目標ロール抑制力として決定し、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御を実行するロール抑制力対象制御実行部を有する(1)項に記載の車両用スタビライザシステム。
車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力に対応して前記アクチユエータがとるべき動作量を目標動作量として決定し、前記アクチュエータの実際の動作量の前記目標動作量に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御する動作量対象制御を実行する動作量対象制御実行部を有する(1)項または(2)項に記載の車両用スタビライザシステム。
(a)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を目標ロール抑制力として決定し、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御を実行するロール抑制力対象制御実行部と、(b)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力に対応して前記アクチユエータがとるべき動作量を目標動作量として決定し、前記アクチュエータの実際の動作量の前記目標動作量に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御する動作量対象制御を実行する動作量対象制御実行部とを有し、
前記動作量対象制御と前記ロール抑制力対象制御とを選択的に実行可能に構成された(1)項に記載の車両用スタビライザシステム。
前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程において、前記ロール抑制力対象制御を実行し、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を減少させる過程において、前記動作量対象制御を実行するように構成された(4)項に記載の車両用スタビライザシステム。
前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程であっても、その過程において、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が一旦前記目標ロール抑制力より大きくなった後には、前記ロール抑制力対象制御に代えて、前記動作量対象制御を実行するように構成された(5)項に記載の車両用スタビライザシステム。
前記動作量対象制御において、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力からのズレを少なくするために、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力と前記アクチュエータの実際の動作量との関係に基づいて、前記目標動作量を補正可能に構成された(3)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
基本的には前記ロール抑制力対象制御を実行し、そのロール抑制力対象制御の実行中において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が前記目標ロール抑制力を超えた場合に、前記スタビライザバーがロール抑制力を発生させることを要しない状態となるまでの間、前記ロール抑制力制御に代えて、前記動作量対象制御を実行するように構成された(4)項に記載の車両用スタビライザシステム。
前記ロール抑制力対象制御から前記動作量対象制御への移行の際、その移行の時点において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力を前記動作量対象制御によっても前記スタビライザバーが発生させるように、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力と前記アクチュエータの実際の動作量との関係に基づいて、前記目標動作量を補正可能に構成された(8)項に記載の車両用スタビライザシステム。
ある時点において前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力と、その時点において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力とに基づいて、前記アクチュエータと前記スタビライザバーとのいずれか一方に異常があることを判定するロール抑制力依拠異常判定部を有する(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
ある時点において前記アクチュエータがとるべき動作量と、その時点における前記アクチュエータの実際の動作量とに基づいて前記アクチュエータに異常があることを判定する動作量依拠異常判定部を有する(1)項ないし(10)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
左右の車輪に対応して設けられ、それぞれが、車幅方向に延びて配設されるトーションバー部と、そのトーションバー部に連続してそのトーションバー部と交差して延びるとともに先端部において左右の車輪のうちの自身に対応するものを保持する車輪保持部に連結されるアーム部とを有する1対のスタビライザバー部材を含んで構成され、
前記アクチュエータが、前記1対のスタビライザバー部材のトーションバー部を相対回転させるものである(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
i)スタビライザシステムの全体構成
図1に、本実施例の車両用スタビライザシステム10を模式的に示す。本スタビライザシステム10は、車両の前輪側、後輪側の各々に配設された1対のスタビライザ装置14を含んで構成されている。スタビライザ装置14はそれぞれ、両端部において左右の車輪16を保持する車輪保持部材としてのサスペンションアーム(図2,3参照)に連結されたスタビライザバー20を備えている。そのスタビライザバー20は、それが分割された1対のスタビライザバー部材22を含む構成のものとされている。それら1対のスタビライザバー部材22は、アクチュエータ26によって相対回転可能に接続されている。
本システム10を搭載する車両には、各車輪16に対応した4つのサスペンション装置が設けられている。転舵輪である前輪のサスペンション装置と非転舵輪である後輪のサスペンション装置とは、車輪を転舵可能とする機構を除き略同様の構成とみなせるため、説明の簡略化に配慮して、後輪のサスペンション装置を代表して説明する。図2,3に示すように、サスペンション装置30は、独立懸架式のものであり、マルチリンク式サスペンション装置とされている。サスペンション装置30は、それぞれがサスペンションアームである第1アッパアーム32,第2アッパアーム34,第1ロアアーム36,第2ロアアーム38,トーコントロールアーム40を備えている。5本のアーム32,34,36,38,40のそれぞれの一端部は、車体に回動可能に連結され、他端部は、車輪16を回転可能に保持するアクスルキャリア42に回動可能に連結されている。それら5本のアーム32,34,36,38,40により、アクスルキャリア42は、車体に対して略一定の軌跡を描くような上下動が可能とされている。また、サスペンション装置30は、コイルスプリング44と液圧式のショックアブソーバ46とを備えており、それらは、それぞれ、タイヤハウジングに設けられたマウント部と、第2ロアアーム38との間に、互いに並列的に配設されている。つまり、サスペンション装置30は、車輪16と車体とを弾性的に相互支持するとともに、それらの接近離間に伴う振動に対する減衰力を発生させているのである。
スタビライザ装置14の各スタビライザバー部材22はそれぞれ、図2,3に示すように、概して車幅方向に延びるトーションバー部50と、トーションバー部50と一体をなしてそれと交差して概ね車両の前方に延びるアーム部52とに区分することができる。各スタビライザバー部材22のトーションバー部50は、アーム部52に近い箇所において、車体に固定的に設けられた保持具54によって回転可能に保持され、互いに同軸的に配置されている。各トーションバー部50の端部(アーム部52側とは反対側の端部)は、それぞれ、後に詳しく説明するようにアクチュエータ26に接続されている。一方、各アーム部52の端部(トーションバー部50側とは反対側の端部)は、リンクロッド56を介して第2ロアアーム38に連結されている。第2ロアアーム38には、リンクロッド連結部57が設けられ、リンクロッド56の一端部は、そのリンクロッド連結部57に、他端部はスタビライザバー部材22のアーム部52の端部に、それぞれ遥動可能に連結されている。なお、各リンクロッド56に、各トーションバー部50の捩りトルク、すなわち、スタビライザバー20の捩りトルクを検出するためのトルクセンサ58が1対設けられている。
本スタビライザシステム10では、図1に示すように、2つのスタビライザ装置14に対応する電子制御ユニット(ECU)90が設けられている。ECU90は、各スタビライザ装置14、詳しくは、各アクチュエータ26の作動を制御する制御装置であり、各アクチュエータ26が有する電磁モータ60に対応する駆動回路としての2つのインバータ92と、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするコントローラ96とを備えている(図10参照)。インバータ92の各々は、コンバータ98を介してバッテリ100に接続されており、対応するスタビライザ装置14の電磁モータ60に接続されている。電磁モータ60は定電圧駆動され、電磁モータ60への供給電力は、供給電流量を変更することによって変更される。供給電流量の変更は、インバータ92がPWM(Pulse Width Modulation)によるパルスオン時間とパルスオフ時間との比(デューティ比)を変更することによって行われる。
i)ロール抑制力対象制御、および、動作量対象制御
本スタビライザシステム10では、車体のロールを抑制するべく、スタビライザ装置14が実際に発生させるロール抑制力である実ロール抑制力が目標となるロール抑制力である目標ロール抑制力となるようなロール抑制制御を実行することが可能である。つまり、ロール抑制力を直接の制御対象とし、車体が受けるロールモーメントに応じた大きさのロール抑制力を発生させるロール抑制力対象制御を実行することが可能である。詳しく言えば、ロール抑制力対象制御においては、車体が受けるロールモーメントに応じて、スタビライザ装置14が発生させるべき目標ロール抑制力が決定され、スタビライザ装置14の発生させるロール抑制力がその目標ロール抑制力となるように制御されるのである。
Gy*=KA・Gyc+KB・Gyr(KA,KBはゲイン)
そのように決定された制御横加速度Gy*に基づいて、目標ロール抑制力F*が決定される。コントローラ96内には、制御横加速度Gy*をパラメータとする目標ロール抑制力F*のマップデータが格納されており、マップデータを参照して、目標ロール抑制力F*が決定される。
iF *=KFP・ΔF+KFI・Int(ΔF)
この式は、PI制御則に従う式であり、第1項,第2項は、それぞれ、比例項、積分項を、KFP,KFIは、それぞれ、比例ゲイン,積分ゲインを意味する。また、Int(ΔF)は、ロール抑制力偏差ΔFの積分値に相当する。
iθ*=KθP・Δθ+KθI・Int(Δθ)
この式は、PI制御則に従う式であり、第1項,第2項は、それぞれ、比例項、積分項を、KθP,KθIは、それぞれ、比例ゲイン,積分ゲインを意味する。また、Int(Δθ)は、モータ回転角偏差Δθの積分値に相当する。
本システム10においては、上述のように、制御横加速度Gy*と目標モータ回転角θ*との関係、および、制御横加速度Gy*と目標ロール抑制力F*との関係があらかじめ設定されており、目標モータ回転角θ*と目標ロール抑制力F*との関係、つまり、モータ回転角とロール抑制力との関係もあらかじめ設定されている。ところが、モータ回転角とロール抑制力との関係は、スタビライザ装置14、具体的に言えば、スタビライザバー20等の個体差によって、あらかじめ設定されたものとは異なる虞がある。このため、動作量対象制御において、例えば、電磁モータ60のモータ回転角を目標モータ回転角θ*に変化させても、スタビライザ装置14が実際に発生させているロール抑制力は車体が受けるロールモーメントに応じた大きさの目標ロール抑制力F*となっていない虞がある。つまり、動作量対象制御において、実ロール抑制力がスタビライザ装置14が発生させるべきロール抑制力(以下、「必要ロール抑制力」という場合がある)と異なる虞がある。
車体が受けるロールモーメントに応じた大きさのロール抑制力を発生させて車体のロールを適切に抑制すべく、上述のように、ロール抑制力対象制御、若しくは、動作量対象制御を実行しても、スタビライザ装置14に異常が発生しているような場合には、車体のロールを適切に抑制することができない。本システム10においては、トルクセンサ58の検出値に基づき決定される実ロール抑制力Frを利用したスタビライザ装置14の異常判定と、モータ回転角センサ78によって検出される実モータ回転角θを利用したスタビライザ装置14の異常判定とを実行することが可能とされている。
本スタビライザシステム10の制御は、図5にフローチャートを示すスタビライザ制御プログラムが、イグニッションスイッチがON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec)をおいてコントローラ96により繰り返し実行されることによって行われる。また、目標モータ回転角θ*を決定するためのマップデータの書き換えは、図7にフローチャートを示すマップデータ書換プログラムが、運転者によって上記のマップデータ書換スイッチ106が操作された場合にのみ、設定された時間間隔Δt0をおいてコントローラ96により繰り返し実行されることによって行われ、スタビライザ装置14の異常判定は、図8にフローチャートを示すスタビライザ異常判定プログラムが、運転者によって上記の異常判定スイッチ107が操作された場合にのみ、設定された時間間隔Δt0をおいてコントローラ96により繰り返し実行されることによって行われる。以下に、それぞれの制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。なお、各プログラムは、前後の車輪に対して設けられた1対のスタビライザ装置14の各アクチュエータ26ごとに実行される。以降の説明においては、説明の簡略化に配慮して、1つのアクチュエータ26に対しての各プログラムによる処理について説明する。
本プログラムに従う処理では、まず、ステップ1(以下、単に「S1」と略す。他のステップについても同様とする)において、スタビライザ装置14に異常が発生しているか否かを示すスタビライザ異常判定フラグGHのフラグ値が0とされているか否かが判定される。そのフラグGHのフラグ値が0とされている場合には、スタビライザ装置14に異常が発生していないことを示し、1とされている場合には、スタビライザ装置14に異常が発生していることを示している。
本プログラムに従う処理では、まず、S31において、上述した許容条件を充足しているか否かが判定され、充足していると判定された場合には、S32において、あらかじめ設定された供給電流i1に基づく制御信号がインバータ92に送信される。次に、S33において、電磁モータ60に電力が供給されている時間を計測するための計測時間tに設定時間Δt0が加算され、S34において、その計測時間tが特定時間t1以上か否かが判定される。計測時間tが特定時間t1以上であると判定されると、S35において、モータ回転角センサ78に基づいて実モータ回転角θが取得される。続いて、S36において、スタビライザバー20の捩りトルクTが、トルクセンサ58の検出値に基づいて取得され、S37において、取得された捩りトルクTに基づいて実ロール抑制力Frが決定される。そして、S38において、実ロール抑制力Frと実モータ回転角θとに基づいて、上記動作量対象制御実行時に用いられる制御横加速度Gy*をパラメータとする目標モータ回転角θ*のマップデータが書き換えられる。そして、S39において、計測時間tがリセットされ、S40において、供給電流を0とする制御信号がインバータ92に送信された後、本プログラムの1回の実行が終了する。
本プログラムに従う処理では、まず、S51において、上述した許容条件を充足しているか否かが判定され、充足していると判定された場合には、S52において、ロール抑制力が上記必要ロール抑制力FTとなり、モータ回転角が上記必要モータ回転角θTとなるようにあらかじめ設定された供給電流i2に基づく制御信号がインバータ92に送信される。次に、S53において、電磁モータ60に電力が供給されている時間を計測するための計測時間tに設定時間Δt0が加算され、S54において、その計測時間tが特定時間t2以上か否かが判定される。計測時間tが特定時間t2以上であると判定されると、S55において、モータ回転角センサ78に基づいて実モータ回転角θが取得される。続いて、S56において、スタビライザバー20の捩りトルクTが、トルクセンサ58の検出値に基づいて取得され、S57において、取得された捩りトルクTに基づいて実ロール抑制力Frが決定される。そして、S58において、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が設定閾値θ1より大きいか否かが判定され、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が設定閾値θ1以下であると判定された場合には、S59において、必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が設定閾値F1より大きいか否かが判定される。必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が設定閾値F1より大きいと判定された場合、若しくは、S58において、必要モータ回転角θTと実モータ回転角θとの差が設定閾値θ1より大きいと判定された場合には、S60において、スタビライザ異常判定フラグGHのフラグ値が1とされ、S61において、上記スタビライザ装置異常ランプを点灯させる指令が発令される。そして、その後、若しくは、S59において、必要ロール抑制力FTと実ロール抑制力Frとの差が設定閾値F1以下であると判定された場合には、S62において、計測時間tがリセットされ、S63において、供給電流を0とする制御信号がインバータ92に送信された後、本プログラムの1回の実行が終了する。
上記3つのプログラムを実行するコントローラ96は、それの実行処理に鑑みれば、図9に示すような機能構成を有するものと考えることができる。図から解るように、コントローラ96は、上記スタビライザ制御プログラムの処理を実行する機能部、つまり、スタビライザ装置14を制御し車体のロールを抑制する機能部として、ロール抑制制御部130を、上記マップデータ書換プログラムの処理を実行する機能部、つまり、目標モータ回転角θ*を補正する機能部として、目標モータ回転角補正部132を、上記スタビライザ異常判定プログラムの処理を実行する機能部、つまり、スタビライザ装置14の異常を判定する機能部として、スタビライザ異常判定部134を、それぞれ備えている。
本システム10では、スタビライザシステム10の制御は上記スタビライザ制御プログラムに従って実行されており、目標ロール抑制力F*の増減等に基づいてロール抑制力対象制御と動作量対象制御との切換えを行っているが、実ロール抑制力Frと目標ロール抑制力F*との関係に基づいて各制御の切換えを行ってもよい。詳しく言えば、上述のように、旋回初期においては、通常、実ロール抑制力Frより目標ロール抑制力F*のほうが大きいが、旋回終期においては、目標ロール抑制力F*が減少し、それに相応して、実ロール抑制力Frも、目標ロール抑制力F*に対してある程度の遅れを伴って減少する。つまり、旋回終期においては、通常、実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*より大きくなる。また、上述のように、路面の凸凹等による外乱的な外部入力があると、実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*より大きくなる場合がある。つまり、基本的には、ロール抑制力対象制御を実行し、ロール抑制力対象制御実行中に実ロール抑制力Frが目標ロール抑制力F*を超えた場合に、ロール抑制力対象制御に代えて、動作量対象制御を実行してもよい。ちなみに、動作量対象制御実行後に、ロール抑制力を発生させることを要しない状態となっていることを条件として、再度、ロール抑制力対象制御が実行される。このような条件を付加することによって、一旋回中でのロール抑制力対象制御と動作量対象制御との頻繁な切替えを抑制することが可能となる。
Claims (7)
- 自身の捩り反力に依拠してロール抑制力を発生させるスタビライザバーと、
電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して自身の動作量を変えることによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を自身の動作量に応じた大きさに変えるアクチュエータと、
前記電磁モータの作動を制御することによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を制御する制御装置と
を備えた車両用スタビライザシステムであって、
前記制御装置が、
(a)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を目標ロール抑制力として決定し、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御を実行するロール抑制力対象制御実行部と、(b)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力に対応して前記アクチュエータがとるべき動作量を目標動作量として決定し、前記アクチュエータの実際の動作量の前記目標動作量に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御する動作量対象制御を実行する動作量対象制御実行部とを有し、
前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程において、前記ロール抑制力対象制御を実行し、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を減少させる過程において、前記動作量対象制御を実行するように構成された車両用スタビライザシステム。 - 前記制御装置が、
前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を増加させる過程であっても、その過程において、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が一旦前記目標ロール抑制力より大きくなった後には、前記ロール抑制力対象制御に代えて、前記動作量対象制御を実行するように構成された請求項1に記載の車両用スタビライザシステム。 - 前記制御装置が、
前記動作量対象制御において、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力からのズレを少なくするために、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力と前記アクチュエータの実際の動作量との関係に基づいて、前記目標動作量を補正可能に構成された請求項1または請求項2に記載の車両用スタビライザシステム。 - 自身の捩り反力に依拠してロール抑制力を発生させるスタビライザバーと、
電磁モータを有し、その電磁モータが発生させる力に依拠して自身の動作量を変えることによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を自身の動作量に応じた大きさに変えるアクチュエータと、
前記電磁モータの作動を制御することによって、前記スタビライザバーが発生させるロール抑制力を制御する制御装置と
を備えた車両用スタビライザシステムであって、
前記制御装置が、
(a)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力を目標ロール抑制力として決定し、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力の前記目標ロール抑制力に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御するロール抑制力対象制御を実行するロール抑制力対象制御実行部と、(b)車両の旋回に起因して車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に基づいて、前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力に対応して前記アクチュエータがとるべき動作量を目標動作量として決定し、前記アクチュエータの実際の動作量の前記目標動作量に対する偏差に基づいて前記電磁モータの作動を制御する動作量対象制御を実行する動作量対象制御実行部とを有し、
基本的には前記ロール抑制力対象制御を実行し、そのロール抑制力対象制御の実行中において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力が前記目標ロール抑制力を超えた場合に、前記スタビライザバーがロール抑制力を発生させることを要しない状態となるまでの間、前記ロール抑制力対象制御に代えて、前記動作量対象制御を実行するように構成された車両用スタビライザシステム。 - 前記制御装置が、
前記ロール抑制力対象制御から前記動作量対象制御への移行の際、その移行の時点において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力を前記動作量対象制御によっても前記スタビライザバーが発生させるように、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力と前記アクチュエータの実際の動作量との関係に基づいて、前記目標動作量を補正可能に構成された請求項4に記載の車両用スタビライザシステム。 - 前記制御装置が、
ある時点において前記スタビライザバーが発生させるべきロール抑制力と、その時点において前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力とに基づいて、前記アクチュエータと前記スタビライザバーとのいずれか一方に異常があることを判定するロール抑制力依拠異常判定部と、
ある時点において前記アクチュエータがとるべき動作量と、その時点における前記アクチュエータの実際の動作量とに基づいて前記アクチュエータに異常があることを判定する動作量依拠異常判定部とを有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。 - 当該車両用スタビライザシステムが、前記スタビライザバーが実際に発生させているロール抑制力を検出するロール抑制力検出器と、前記アクチュエータの実際の動作量を検出する動作量検出器を備えた請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の車両用スタビライザシステム。
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