JP2006182239A - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

車両用サスペンションシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 スタビライザ装置等のロール抑制装置を備えた車両用サスペンションシステムの実用性の向上を図る。
【解決手段】 スタビライザ装置の異常判定を実行する制御装置を設ける。その異常判定は、例えば、車両が停止している場合(S22)に、ダミー車速vdを発生させてロール抑制制御を実行し、モータ回転角θfと操作角δとの関係が設定された関係にない場合に(S27)、電動モータに異常が発生したと認定し(S34)、モータ回転角と操作角との関係が設定された関係となった場合であってロール角Raと操作角との関係が設定された関係にない場合に(S29)、機構部に異常が発生したと認定する(S36)ようにして行う。
【選択図】 図7

Description

本発明は、車両用サスペンションシステムに関し、詳しくは、車体のロールを抑制するためのロール抑制装置を備えたサスペンションシステムにおけるそのロール抑制装置の異常判定に関する。
車体のロールを抑制する装置として、例えば、下記特許文献に記載の装置が存在する。その装置は、いわゆるアクティブスタビライザ装置と呼ばれるもので、例えば、車体に発生する横加速度(「旋回状態量」の一種であり、以下、「横G」と略す場合がある)に基づいて、アクチュエータを制御することにより、スタビライザバーの弾性力を変化させて、車体のロールを効果的に抑制する装置である。
特表2002−518245号公報
上記特許文献に記載されたロール抑制装置に異常が発生した場合には、車体の姿勢が不安定になる等の現象が生じる。したがって、ロール抑制装置を備えたサスペンションシステムの実用性を向上させるためには、そのロール抑制装置の異常を検知することが望まれる。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、ロール抑制装置を備えた車両用サスペンションシステムであって、実用性の高いシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両用サスペンションシステムは、車両の旋回状態を指標する旋回状態量に基づいてロールを抑制するロール制御装置の異常を判定する装置を備え、その判定装置が、それのアクチュエータの出力を指標するアクチュエータ出力量と旋回状態量との関係と、車両のロール状態を指標するロール状態量と車両の旋回状態を指標する旋回状態量との関係との少なくとも一方に基づいて、判定を行うことを特徴とする。
本発明の車両用サスペンションシステムは、平たく言えば、制御の基準となるパラメータと実際に制御された量との関係に基づき、ロール抑制装置の異常を検出するものであり、そのような判定装置を備えた車両用サスペンションシステムは信頼性の高いシステムとなる。そのような利点を有することで、本発明の車両用サスペンションシステムは実用性の高いシステムとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の各項において、(1)項ないし(7)項の各々が、請求項1ないし請求項7の各々に相当する。
(1)アクチュエータを有してそのアクチュエータの作動によって車体のロールを抑制するロール抑制装置と、
(a)車両の旋回状態を指標する旋回状態量に基づいて、前記アクチュエータの制御目標値を決定する制御目標値決定部と、(b)その制御目標値決定部によって決定された制御目標値に基づいて前記アクチュエータを制御作動させる作動制御部とを有する制御装置と
を備えたサスペンションシステムであって、
前記アクチュエータの出力を指標するアクチュエータ出力量と旋回状態量との関係と、車両のロール状態を指標するロール状態量と旋回状態量との関係との少なくとも一方が、設定された関係とならない場合に、前記ロール抑制装置が異常であると判定する異常判定装置を備えたことを特徴とする車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、上記旋回状態量に基づいて車体のロールを抑制するロール抑制装置を備えた車両用サスペンションシステムにおいて、そのロール抑制装置を、上記アクチュエータ出力量と旋回状態量との関係(以下、「第1関係」という場合がある)と、上記ロール状態量と旋回状態量との関係(以下、「第2関係」という場合がある)との少なくとも一方の関係に基づいて判定する異常判定装置を備える。つまり、制御の基礎となるパラメータとロール抑制装置の実際に制御作動させられた量(以下、「制御作動量」という場合がある)との関係とに基づいて異常判定を行う装置を備えたものとされている。そのため、その異常判定装置は、確実な異常判定が行えるものとなり、そのような装置を備える車両用サスペンションシステムは、信頼性が高いという利点を有することになる。したがって、本項に記載の態様によれば、実用性の高い車両用サスペンションシステムが実現する。
本項の態様において、サスペンションシステムが備える「ロール抑制装置」は、その構成が特に限定されるものではなく、すでに公知の構成のロール抑制装置を広く採用することが可能である。詳しく言えば、アクチュエータの作動によって車体のロール量(ロール角),ロール速度等を抑制することが可能な装置であればよいのである。具体的には例えば、車輪保持部材と車体に設けられたマウント部とに連結されて車輪と車体との相対移動に伴って伸縮する懸架シリンダ(例えば、ショックアブソーバのようなもの)を有し、その懸架シリンダの発生させる減衰力をアクチュエータによって変更することでロール速度を制御するような構成のロール抑制装置であってもよく、また、アクチュエータによって積極的に懸架シリンダを伸縮させることにより、車輪と車体間の距離を能動的に変化させてロール量を制御するような構成のロール抑制装置であってもよい。さらに、車輪車体間距離を能動的に変化させる構成の装置として、後に説明するように、スタビライザバーを有し、アクチュエータによってそのスタビライザバーの弾性力を変化させるような構成のロール抑制装置を採用することも可能である。また、「アクチュエータ」は、空気圧,油圧等の液圧によって作動するものであってもよく、電磁式モータ、ソレノイド等の電磁力によって作動するものであってもよい。なお、異常判定装置が上記ロール状態量と旋回状態量との関係に基づいてロール抑制装置の異常を判定するものである場合には、本項に記載の態様は、車輪と車体間の距離を能動的に変化させる構成のロール抑制装置を備えたシステムに対して、特に有効である。
本項の態様における「制御装置」は、コンピュータを主体とするものを採用することができ、「制御目標値決定部」によって決定された制御目標値に基づいてアクチュエータの作動を制御する「作動制御部」は、フィードバック制御,フィードフォワード制御を始めとした任意の形態の制御を行うものとすることが可能である。また、「制御目標値決定部」において制御目標値決定の基礎となる「旋回状態量」は、実質的に旋回状態を表す量であればよく、特に限定されるものではない。例えば、前述した横Gを始めとして、車両のヨーレート、車両のスリップ角、車両に作用するコーナリングフォース,横力等、種々のものを採用することが可能である。また、「旋回状態量」は、実横G,実ヨーレート等のセンサ等によって取得される実際の車両の旋回状態を指標する実旋回状態量であってもよく、後に説明するように、推定横G,推定ヨーレート等の推定旋回状態量であってもよい。推定旋回状態量を採用する場合は、例えば、ステアリングホイール等のステアリング操作部材の操作量,転舵ロッドの移動量である転舵量等の操舵量、車両走行速度等に基づいて推定することが可能である。その場合、例えば、操舵量,車両走行速度等をパラメータとするマップを作成し、そのマップを参照することによって推定することもでき、また、操舵量,車両走行速度等をパラメータとする計算式を設定し、その計算式に従って演算することによって推定することも可能である。さらに、旋回状態量として操舵量そのものを採用することも可能である。例えば、後で説明するように、車両走行速度がある一定の仮想の走行速度であるとされた場合に、操舵量に対するアクチュエータ出力量とロール状態量とのそれぞれの関係を容易に設定することができ、その関係に基づいて異常判定を行うことが可能となる。
本項の態様における「異常判定装置」は、コンピュータを主体とするものを採用することが可能である。また、異常判定装置は、上記制御装置とは別体とされてもよく、また、異常判定装置と制御装置との両者がコンピュータを主体とするものである場合には、異常判定装置と制御装置との一方が、他方に含まれるように構成することも可能である。
異常判定装置による異常判定の基礎となる「アクチュエータ出力量」は、特に限定されるものではない。例えば、アクチュエータがモータである場合には、モータの出力軸の回転量(回転角)を採用することが可能である。その場合、モータが減速機付きのモータである場合においては、減速前の回転量であってもよく、また、減速された後の回転量であってもよい。また、例えば、アクチュエータがシリンダ装置である場合は、ピストンの移動量等を採用することが可能である。また、「ロール状態量」も、特に限定されるものではない。直接検出可能あるいは検出した何らかの値から算出可能なものであればよく、例えば、車体のロール角,車輪車体間距離の左右の偏差等、種々のものを採用することが可能である。
上述した「第1関係」,「第2関係」に基づく判定は、それらの関係が設定された関係にあるか否かに基づいて行われる。その「設定された関係」とは、外乱等による誤差等を考慮して、ある幅を有する範囲として設定されることが望ましい。異常判定装置がコンピュータを主体とするものである場合、「設定された関係」は、例えば、旋回状態量をパラメータとする関係式の形態で格納されるものであってもよく、また、例えば、旋回状態量をパラメータとするアクチュエータ出力量,ロール状態量のマップデータとして格納されるものであってもよい。なお、本項の態様において、異常判定装置は、上記第1関係と第2関係との一方に基づく判定を行うものであってもよく、また、第1関係と第2関係との両者に基づく判定を行うものであってもよい。
(2)前記異常判定装置が、
前記アクチュエータ出力量と旋回状態量との関係が設定された関係とならない場合に、前記アクチュエータが異常であると判定するアクチュエータ異常判定部を備えた(1)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、上記第1関係に基づく判定を行う態様であり、本項の態様によれば、ロール抑制装置の異常が判定されるだけでなく、アクチュエータ自体に異常があるか否かを判定することが可能である。つまり、本項の態様は、ロール抑制装置の特定部位の異常を検出可能であるという利点を有している。
(3)前記異常判定装置が、
前記アクチュエータ出力量と旋回状態量との関係が設定された関係となり、かつ、前記ロール状態量と旋回状態量との関係が設定された関係とならない場合に、前記ロール抑制装置のうちの前記アクチュエータによって駆動される機構部が異常であると判定する機構部異常判定部を備えた(1)項または(2)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、上記第1関係と第2関係との両者に基づく異常判定を行う態様の一態様である。第2関係にのみ基づく場合には、ロール抑制装置が異常であると判定されるときであっても、ロール抑制装置のどの部位に異常があるかを特定することができない。それに対して、本項の態様では、第2関係に基づく判定と第1関係に基づく判定を組み合わせることで、アクチュエータ以外の部位である上記機構部の異常を特定することが可能とされている。本項の態様は、ロール抑制装置の特定部位の異常を検出可能であるという利点を有している。なお、本項における「機構部」は、例えば、アクチュエータとそれによって駆動される部分との接続部も含まれ、本項の態様によれば、そのような接続部の異常も検知することが可能となる。
(4)前記異常判定装置が、前記ロール抑制装置の異常判定の精度を悪化させる要因が大きい場合に、前記ロール抑制装置の異常の判定を禁止するように構成された(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
異常判定は、外乱等によってその判定精度が悪化する。本項に記載の態様によれば、それら外乱等の異常判定の精度を悪化させる要因(以下、「精度悪化要因」という場合がある)の影響を排除して、正確な異常判定を行うことが可能となる。車両走行時においては、精度悪化要因が多く存在するため、本項に記載の態様は、異常判定装置が車両走行時における異常判定が可能なものである場合に、特に有効である。なお、本項の態様において精度悪化要因は、特に限定されるものではない。精度悪化要因の具体例については、以下の項において説明する。
(5)前記異常判定装置が、前記要因が大きい場合として、車両が車高調整中である場合、車両が悪路を走行している場合、車両の前後加速度が大きい場合から選ばれる少なくとも1つの場合に、前記ロール抑制装置の異常の判定を禁止するように構成された(4)項に記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、上記精度悪化要因を具体的なものに限定したものである。上記列挙した事象は、精度悪化要因の代表的なものであり、それらの影響を排除することにより正確な異常判定が可能となる。上記列挙した事象の各々の程度、つまり、各要因の大きさは、その要因に適した手法で認識することができる。具体的には、適切なセンサを用いてそれらの要因の大きさを直接検出することもあるいはセンサの検出値を基に何らかの処理を施すことによって間接的に検出することも可能である。また、車両が備える各種の制御装置等からの指示によってそれらの要因の大きさを認識することも可能である。なお、車両の前後加速度が大きい場合とは、例えば、ブレーキ操作,アクセル操作の程度が大きい状態にある場合等である。
(6)前記制御目標値決定部が、車両の操舵量と車両の走行速度とに基づいて推定される推定旋回状態量に基づいて前記アクチュエータの制御目標値を決定可能とされ、
前記異常判定装置が、車両の停止状態における運転者のステアリング操作部材の操作の下、仮想の走行速度に基づいて前記ロール抑制装置が作動する状態において、前記ロール抑制装置の異常の判定を実行可能に構成された(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項に記載の態様は、車両停止時においてロール抑制装置の異常判定を可能とする態様である。例えば、車両始動時点検,メーカにおける車両の出荷検査,整備工場における点検整備等の局面において有効となる態様である。上記推定旋回状態量に基づく制御が可能であれば、車両が停止している場合でも、制御装置が上記仮想の走行速度(以下、「仮想走行速度」という場合がある)をダミー的に利用すれば、ロール抑制装置は作動する。そのようにしてロール抑制装置を作動させて、それの異常判定を行うのが、本項に記載の態様である。
(7)前記ロール抑制装置が、
両端部の各々が左右の車輪保持部材の各々に連結されるスタビライザバーを備え、前記アクチュエータがそのスタビライザバーの弾性力を変化させるように構成されたスタビライザ装置を含んで構成された(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
本項の態様におけるスタビライザ装置は、いわゆるアクティブスタビライザとよぶことのできる装置であり、バウンシング,ピッチング等の制御とは別に車体のロール制御を行い得るため、本項の態様のサスペンションシステムは効果的なロール抑制制御が可能となる。本項の態様において採用するスタビライザ装置は、その構成が特に限定されるものではない。例えば、スタビライザバーの一方の端部とサスペンションロアアーム等の車輪保持部材との間に、アクチュエータとしてのシリンダ装置を介在させ、そのシリンダ装置を伸縮させることによってスタビライザバーの弾性力を変化させるような構成のものを採用することが可能である。また、スタビライザバーを中央部で分割して、1対のスタビライザバーとし、アクチュエータによってそれら1対のスタビライザバーを相対回転させることによってスタビライザバー全体の弾性力を変化させるような構成のものを採用することも可能である。
以下、本発明の実施例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<車両用サスペンションシステムの構成>
図1に、実施例の車両用サスペンションシステム10の全体構成を概念的に示す。本車両用サスペンションシステム10は、車両の前輪側、後輪側の各々に配設され、それぞれがロール抑制装置として機能する2つのスタビライザ装置14を含んで構成されている。スタビライザ装置14はそれぞれ、両端部において左右の車輪16を保持する車輪保持部材(図2参照)に連結されたスタビライザバー20を備えている。そのスタビライザバー20は、中央部で分割されており、一対のスタビライザバー、すなわち右スタビライザバー22と左スタビライザバー24とを含む構成のものとされている。それら一対のスタビライザバー22,24がアクチュエータ30を介して相対回転可能に接続されており、大まかに言えば、スタビライザ装置14は、アクチュエータ30が、左右のスタビライザバー22,24を相対回転させることによって(図の矢印を参照のこと)、スタビライザバー20全体の弾性力を変化させて車体のロール抑制を行う。
図2には、一方のスタビライザ装置14の車幅方向の中央から一方側の車輪16にかけての部分が概略的に示されている。本車両用サスペンションシステム10は、それぞれが4つの車輪16の各々に対して設けられた4つの独立懸架式のサスペンション装置38を含んで構成されている。このサスペンション装置38は、一般によく知られたダブルウィシュボーン式のものであり、一端部が車体に回動可能に連結され、他端部が車輪16に連結された車輪保持部材としてのアッパアーム42およびロアアーム44を備えている。それらアッパアーム42およびロアアーム44は、車輪16と車体との接近離間(相対的な上下動の意味)に伴い、上記一端部(車体側)を中心に回動させられ、上記他端部(車輪側)が車体に対して上下させられる。また、サスペンション装置38は、ショックアブソーバ46と、サスペンションスプリング48(本装置では「エアばね」である)とを備えている。それらショックアブソーバ46およびスプリング48は、それぞれが、車体側の部材と車輪側の部材とに連結されている。このような構造から、サスペンション装置38は、車輪16と車体とを弾性的に相互支持するとともに、それらの接近離間に伴う振動に対する減衰力を発生させる機能を果たすものとなっている。
スタビライザ装置14は、先に説明した一対のスタビライザバーである右スタビライザバー22と左スタビライザバー24とを備える(図2には、右スタビライザバー22および左スタビライザバー24の一方が示されている)。各スタビライザバー22,24は、それぞれ、略車幅方向に延びるトーションバー部60と、トーションバー部60と一体化されてそれと交差して概ね車両前方あるいは後方に延びるアーム部62とに区分することができる。各スタビライザバー22,24のトーションバー部60は、アーム部62に近い箇所において、車体の一部であるスタビライザ装置配設部64に固定的に設けられた支持部材66によって回転可能に支持され、互いに同軸に配置されている。それらトーションバー部60の端部(車幅方向における中央側の端部)の間には、上述のアクチュエータ30が配設されており、後に詳しく説明するが、各トーションバー部60の端部は、それぞれ、そのアクチュエータ30に接続されている。一方、アーム部62の端部(トーションバー部60側とは反対側の端部)は、上述のロアアーム44に設けられたスタビライザバー連結部68に、それと相対回転可能に連結されている。
アクチュエータ30は、図3に模式的に示すように、電動モータ70と、電動モータ70の回転を減速する減速機構72とを含んで構成されている。これら電動モータ70および減速機構72は、アクチュエータ30のハウジング74内に設けられている。ハウジング74は、ハウジング保持部材76によって、回転可能かつ軸方向(略車幅方向)に移動不能にスタビライザ装置配設部64に保持されている。図2から解るように、ハウジング74の両端部の各々には、2つの出力軸80,82の各々延び出すように配設されている。それら出力軸80,82のハウジング74から延び出した側の端部が、それぞれ、各スタビライザバー22,24の端部と、セレーション嵌合によって相対回転不能に接続されている。また、図3から解るように、一方の出力軸80は、ハウジング74の端部に固定されており、また、他方の出力軸82は、ハウジング74内に延び入る状態で配設されるとともに、ハウジング74に対して回転可能かつ軸方向に移動不能に支持されている。その出力軸82のハウジング74内に存在する一方の端部が、後に詳しく説明するように、減速機構72に接続されている。
電動モータ70は、ハウジング74の内周壁に沿って一円周上に固定して配置された複数のステータコイル84と、ハウジング74に回転可能に保持された中空状のモータ軸86と、モータ軸86の外周においてステータコイル84と向きあうようにして一円周上に固定して配設された永久磁石88とを含んで構成されている。電動モータ70は、ステータコイル84がステータとして機能し、永久磁石88がロータとして機能するDCブラシレスモータとされている。
減速機構72は、波動発生器(ウェーブジェネレータ)90,フレキシブルギヤ(フレクスプライン)92およびリングギヤ(サーキュラスプライン)94を備え、ハーモニックギヤ機構(ハーモニックドライブ機構(登録商標),ストレイン・ウェーブ・ギヤリング機構等とも呼ばれる)として構成されている。波動発生器90は、楕円状カムの外周にボール・ベアリングが嵌められたものであり、モータ軸86の一端部の外周に固定されている。フレキシブルギヤ92は、周壁部が弾性変形可能なカップ形状をなすものとされており、周壁部の開口側の外周に複数の歯が形成されている。このフレキシブルギヤ92は、先に説明した出力軸82に支持されている。詳しく言えば、出力軸82は、モータ軸86を貫通しており、それから延び出す端部にフレキシブルギヤ92の底部が固着されることで、フレキシブルギヤ92と出力軸82とが接続されているのである。リングギヤ94は、概してリング状をなし、その内周に複数(フレキシブルギヤの歯数よりやや多い数、例えば2つ多い数)の歯が形成されており、ハウジング74に固定されている。フレキシブルギヤ92は、その周壁部が波動発生器90に外嵌して楕円状に弾性変形させられ、楕円の長軸方向に位置する2箇所においてリングギヤ94と噛合し、他の箇所では噛合しない状態とされている。波動発生器90が1回転(360度)すると、フレキシブルギヤ92とリングギヤ94とが、それらの歯数の差分だけ相対回転させられる。ハーモニックギヤ機構はその構成が公知のものであることから、本減速機構72の詳細な図示は省略し、説明は簡単なものに留める。
以上の構成から、電動モータ70が回転させられる場合、つまり、アクチュエータ30が作動する場合に、右スタビライザバー22と左スタビライザバー24との各トーションバー部60が相対回転させられ、右スタビライザバー22と左スタビライザバー24とによって構成されて1つのスタビライザバーと観念できるスタビライザバー20が、捩じられることになるのである。この捩りにより生じる力は、左右の各々の車輪16と車体とを接近あるいは離間させる力として作用することになる。つまり、本スタビライザ装置14では、アクチュエータ30の作動によって、スタビライザバー20の弾性力,すなわち,剛性を変化させるような構成の装置とされているのである。
なお、アクチュエータ30には、ハウジング74内に、モータ軸86の回転角度、すなわち、電動モータ70の回転角度を検出するためのモータ回転角センサ100が設けられている。モータ回転角センサ100は、本アクチュエータ30ではエンコーダを主体とするものであり、それによる検出値は、電動モータ70の通電相の切換に利用されるとともに、左右のスタビライザバー22,24の相対回転角度(相対回転位置)を指標するものとして、アクチュエータ30の制御、つまり、スタビライザ装置14によるロール抑制制御に利用される。さらに、スタビライザ装置14の異常判定において、アクチュエータ出力量としてモータ回転角センサ100の検出値が利用される。
本車両用サスペンションシステムは、図1に示すように、スタビライザ装置14、詳しくは、それのアクチュエータ30を制御する制御装置であるスタビライザ電子制御ユニット(スタビライザECU)110(以下、単に「ECU110」という場合がある)を備えている。そのECU110は、図4に示すように、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体として構成されており、ECU110には、上記モータ回転角センサ100とともに、操舵量としてのステアリングホイールの操作角(ステアリング操作部材の操作量である)を検出するための操作角センサ120,車両走行速度(以下、「車速」と略す場合がある)を検出するための車速センサ122,車体に実際に発生する横加速度である実横加速度を検出する横Gセンサ124,および各車輪16と車体との相対距離を検出する車体車輪間距離検出器としての車高センサ126,車両の前後加速度を検出する前後加速度センサ128が接続されている(図1では、それぞれ「θ」,「δ」,「v」,「Gy」,「H」,「Gl」と表されている)。また、ECU110には、駆動回路130(インバータであり、図では「INV」と表されている)を介してアクチュエータ30の電動モータ70が接続されている。ECU110には、さらに、運転者に種々の情報を報知する報知装置としてのインジケータ132(図では、「IND」と表されている)が接続されている。ECU110のコンピュータ112のROMには、ロール抑制プログラム,走行中にスタビライザ装置14の異常判定を行う走行時異常判定プログラム,車両が停止している状態で異常判定を行う停止時異常判定プログラム等の種々のプログラム、各種のデータ等が記憶されている。
ECU110は機能的には、図4に機能ブロックを示すように、操舵量としての操作角と車速センサ122によって検出された車速とに基づいて推定された推定横Gと、横Gセンサ124によって検出された実横Gとの少なくとも一方に基づいてアクチュエータ30の制御目標値としての制御横加速度(以下、制御横Gと称する場合がある)を決定する制御目標値決定部142と、その制御目標値決定部142において決定された制御目標値に基づいてアクチュエータ30の作動を制御する作動制御部146とを備える。制御横Gは、アクチュエータ30の制御目標値を決定するための制御用の横加速度であって、推定横Gと実横Gとの少なくとも一方に基づいて決定される。制御目標値決定部142は、車両が停止している状態でスタビライザ装置14の異常を判定する場合に、仮想の車速を発生させてロール抑制制御を実行させるためのダミー車速発生部148を備える。ECUは、さらに、スタビライザ装置14の異常を判定する異常判定部150を備え、その異常判定部150は、詳しくは、アクチュエータ出力量としてのモータ回転角と旋回状態量としてのステアリングホイールの操作角,制御横Gとに基づいてアクチュエータ30の異常を判定するアクチュエータ異常判定部152と、さらに、アクチュエータ30が正常であると判定された場合に、ロール状態量としての車体のロール角と操作角または制御横Gとに基づいて、スタビライザ装置14のうち機構部の異常を判定する機構部異常判定部154とを備える。
以上のように構成される車両用サスペンションシステム10では、ECU110によって、スタビライザ装置14のアクチュエータ30の作動により車両旋回時における車体のロールモーメントに対抗するモーメントを発生させ、車体のロールを抑制するための制御であるロール抑制制御が行われる。詳しくは、推定横Gと実横Gとに基づいてアクチュエータ30を制御するための制御横Gが演算され、その制御横Gに基づいて車体のロールを抑制するために必要なスタビライザバー20の捩り角度、すなわち、左右スタビライザバー22,24の相対回転角度に相当する電動モータ70の目標回転角が決定される。そして電動モータ70の実際の回転角である実回転角と目標回転角との偏差に基づくフィードバック制御が行われ、その偏差を解消するように電動モータ70へ電流が供給される。
なお、車速が低い間や横加速度が0の間は、電動モータ70には電流が供給されず、アクチュエータ30は、スタビライザバー20からの回転モーメント(車輪16側からの入力)により、電動モータ70の回転角が設定された角度(スタビライザバー20が捩じられていない状態に相当する角度)となる中立位置へ復帰することを許容される。ただし、アクチュエータ30の内部摩擦、電動モータ70のコギングトルク,逆起電力等の影響で中立位置へ復帰しないこともある。
ECU110によって実行されるロール抑制制御では、上述したように、走行中に車体のロールを抑制するために、制御横Gに基づいて決定された目標回転角だけ電動モータ70を回転させるように制御が行われる。ところが、実際の電動モータ70の回転角が目標回転角と一致しない場合には、旋回状態量としての制御横Gとアクチュエータ出力量としてのモータ回転角との関係が設定された関係にならないこととなる。そのような場合に、本システム10においては、ECU110によって、アクチュエータ30に異常が、詳しく言えば、アクチュエータ30が備える電動モータ70に異常が発生したと認定される(電動モータ70を狭義の「アクチュエータ」と考えることができる)。さらに、実際のモータ回転角が制御横Gに対して設定された関係にある場合であっても、車体のロールモーメントに対抗するためのモーメントが要求通りに発生させられない場合がある。そのような場合は、ロール状態量としての車体のロール角と制御横Gとの関係が予め設定された関係にならないこととなる。その場合に、ECU110によって、スタビライザ装置14のうち電動モータ70によって駆動される機構部に異常が発生したと認定される。ここで、機構部は、モータ回転角を検出する検出部位より車輪16側の部材を含んで構成されており、本実施例においては、減速機構72、出力軸80,82、左右スタビライザバー22,24、車輪保持部材としてのアッパアーム42およびロアアーム44を含んで構成されている。例えば、それら機構部を構成する部材の接続部においてガタ等が発生すれば、電動モータ70の出力量が正常であっても、その出力が正確に伝達されないこととなり、ロール角と制御横Gとの関係が設定された関係にならないこととなる。本システム10では、上述したような現象を監視することにより、スタビライザ装置14の異常判定を行うようにされているのである。
さらに、本システム10においては、停車中であっても異常判定が可能とされている。車両が停止している状態において、運転者がステアリングホイールを操作した場合に、仮想の車速を発生させてそれをダミー的に利用することによってロール抑制制御を行うことが可能とされており、そのロール抑制制御の実行中に、スタビライザ装置14の異常判定が実行される。換言すれば、ロール抑制制御により停止している車両に強制的に仮想のロールモーメントを発生させ、その仮想のロールモーメントに対処すべくスタビライザ装置14を作動させることよって、異常判定を行うようにされているのである。
<ロール抑制制御>
前述のロール抑制制御は、ECU110が、図5にフローチャートを示すロール抑制プログラムを、極短い時間間隔をおいて繰り返し実行することによって行われる。以下、本サスペンションシステム10におけるロール抑制制御を、図5に示すフローチャートに沿って説明する。なお、本サスペンションシステム10では、2つのスタビライザ装置14が設けられているが、それらは同様に制御されるため、説明を単純化させるため、一方のスタビライザ装置14の説明をすることで、システム全体における制御の説明に代えることとする。
ロール抑制プログラムが実行された場合、まず、ステップS1(以下単に「S1」と称する。他のステップについても同じとする。)において、アクチュエータ30の制御目標値である制御横加速度Gy*が決定される。制御横加速度Gy*は、ロール抑制制御を行うための制御用の横加速度であり、この決定は制御横加速度決定ルーチンにおいて行われるが、そのルーチンによる制御横加速度決定の具体的な手法は、後に詳しく説明する。次に、S2において、車体のロールを抑制するために必要な左右のスタビライザバー22,24の相対回転角度、すなわち電動モータ70の目標回転角θ*が決定される。具体的には、制御横加速度Gy*とそれに対応する目標回転角θ*のデータが予め設定されてROMに記憶されており、そのデータに基づいて目標回転角θ*が決定される。次にS3において、今回ロール抑制制御を行うべきか否かが判断される。具体的には、操舵されていない場合、つまり、ステアリングホイールの操作角δが一定期間ほぼ中立位置にある場合、または、車速vが予め設定された設定速度より小さい場合には、車体のロールが小さく、ロールの抑制を行う必要がないので、S3の判定がNOとなり、S4に進んでロールの抑制を行わない非ロール抑制制御が実行される。非ロール抑制制御が実行される場合には、アクチュエータ30に電流が供給されず、先に説明したように、アクチュエータ30は、左右スタビライザバー22,24からの回転モーメントによって中立位置へ復帰することを許容される。以上で本プログラムの1回の実行が終了する。なお、S3の判定において、後述する停止時異常判定プログラムが実行されている場合には、車速vが小さくてもロールの抑制を行うべきであると判断される。具体的には、後述する停止時判定フラグFが立てられている場合も、S3の判定がYESとなるのである。
S3においてロールの抑制を行うべきであると判断されれば、S5に進んで、モータ回転角センサ100の検出値に基づいて現在の電動電動モータ70の回転角である実回転角θが取得される。次にS6において、ロール抑制制御が実行される。具体的には、先に説明したように、目標回転角θ*と実回転角θとの偏差に基づくフィードバック制御が実行され、その偏差を解消するような電流が供給される。以上で本プログラムの1回の実行が終了する。
先に説明したように、制御横加速度Gy*の決定は、図6にフローチャートを示す制御横加速度決定ルーチンが実行されて行われる。このルーチンでは、まず、S11において、操舵量として、操作角センサ120の検出値に基づいてステアリングホイールの操作角δが取得される。次にS12において、停止時異常判定フラグF(以下、停止時判定フラグFと略する場合がある)が立てられているかが判断される。停止時判定フラグFは、後で説明するように、車両が停止している状態でスタビライザ装置14の異常判定を実行する場合に1とされる値である。今回のルーチンの実行においては、停止時判定フラグFが初期値の0であると仮定すると、S12の判定がYESとなり、S13に進んで車速センサ122の検出値に基づいて車速vが取得される。次にS14において、それら車速vおよび操作角δに基づいて推定旋回状態量である推定横加速度Gycが推定される。推定横加速度Gycは、車両特性に基づいて車速vと操作角δとをパラメータとするマップが予め作成されており、そのマップを参照することによって推定される。なお、推定横加速度Gycは、車速vと操作角δとをパラメータとする計算式を設定し、その計算式に基づいて推定されてもよい。続いて、S15において、車体に発生する実際の横Gである実横加速度Gyrが、横Gセンサ124の検出値に基づいて決定される。次に、S16において、それら推定横加速度Gycと実横加速度Gyrとに基づいて電動モータ70の制御用の横加速度である制御横加速度Gy*が取得される。具体的には、推定横加速度Gycに係数K1を乗じた値と、実横加速度Gyrに係数K2を乗じた値との和が制御横加速度Gy*として決定される。係数K1,K2は、車両走行速度,操舵速度等に基づいて変更される変数とされている(定数であってもよい)。制御横加速度Gy*の決定方法は公知の方法であり、ここでの説明は、簡単なものに留める。制御横加速度Gy*が決定されて、本ルーチンの1回の実行が終了する。
停止時判定フラグFが立てられている場合、つまり、停止時判定フラグFが1とされている場合には、S12の判定がNOとなり、S17に進んで、仮想走行速度であるダミー車速vdが発生させられる。実際には車両は停止状態であるが、予め設定されたダミー車速vdで走行しているとして、以下の処理を実行するようにするのである。ダミー車速vdは、ロール抑制制御を行うのに十分な大きさの一定車速として設定されている。なお、ダミー車速vdは、時間等に応じて値が変化するように設定することも可能である。次に、S18において、操作角δとダミー車速vdとに基づいて、推定横加速度Gycが推定される。続くS19において、制御横加速度Gy*が推定横加速度Gycとされて、本ルーチンの1回の実行が終了する。以上のようにして、制御横加速度Gy*が決定されれば、その制御横加速度Gy*の値に基づいてロール抑制制御が実行される。
<スタビライザ装置の異常判定>
本サスペンションシステム10では、スタビライザ装置14の異常判定は、車両走行状態において自動的に実行される走行時異常判定と、運転者等の任意によって、車両が停止している状態において実行される停止時異常判定との両者を行えるようにされている。以下、それらの両者について説明するが、それらの異常判定は2つのスタビライザ装置14は互いに同様に判定されるため、明細書の簡略化に鑑み、2つのスタビライザ装置14の各々を代表して、前輪に接続されたスタビライザ装置14に関する異常判定についてのみ説明することとする。
i)停止時異常判定
車両が停止している状態における異常判定は、図7にフローチャートを示す停止時異常判定プログラムがECU110によって実行されることで行われる。そのプログラムは、図示を省略する測定モードスイッチがON状態とされていることを条件として、極短い時間間隔で繰り返し実行される。なお、停止時異常判定は、エンジンが稼動状態とされていること、および、運転者(操作者)がステアリングホイールを操作範囲の全域にわたって左右各々の方向への旋回のための操作が行なわれることを前提としている。
停止時異常判定プログラムでは、まず、ステップS21において、車速センサ122の検出値に基づいて車速vが取得される。次に、S22において、車速vが設定車速v0より小さいか否かが判断される。設定車速v0は相当に小さい値に設定されており、測定モードスイッチがON状態である間に、車両が走行し始めた場合には、S22の判定がNOとなり、本プログラムの実行を終了させるための終了処理が実行される。具体的には、終了処理は、S38に進んでカウンタnおよび停止時判定フラグFがそれぞれ初期値である0に戻されて、続くS39において測定モードスイッチをOFF状態とするようにされている。以上で本プログラムの1回の実行が終了する。つまり、本プログラムは車両が停止状態である場合に限り実行されるようにされているのである。
それに対して、車速vが設定車速v0以下であって車両が停止状態である場合には、S22の判定がYESとなり、S23に進んで停止時判定フラグFが1とされる。停止時判定フラグFは停止時異常判定プログラムが実行中であることを示すフラグであって、そのフラグを立てることにより、上述のように、ロール抑制プログラムにおいて、車両が停止中であってもロール抑制制御を実行して異常判定を行うことができるようにされている。次にS24において、モータ回転角θf,右側前輪の車高Hfrおよび左側前輪の車高Hflが、それぞれ検出装置としてのモータ回転角センサ100および車高センサ126の検出値に基づいて取得される。上述のように、運転者によりステアリングホイールが操作され、それによってロール抑制制御が行われており、電動モータ70が駆動されることによってスタビライザバー20が捩じられて、車両に強制的にロールモーメントが発生させられるのである。このS24では、そのようなモータ回転角θf、および車高Hfr,Hflが取得される。
続いて、S25において上述の制御横加速度Gy*が取得される。制御横加速度Gy*は、上述のように、本プログラムが実行されている間は、推定横加速度Gyrとされている。次に、S26において、操作角δが取得される。この操作角δは、本実施例においては、直前に実行されたロール抑制プログラムにおいて取得された値を流用するようにされている。
次に、S27に進んで、モータ回転角θfが正常であるか否かが判断される。ECU110には、アクチュエータ出力量としてのモータ回転角θfと旋回状態量としての操作角δとの関係が、図8(a)に示すようなマップデータとして格納されており、モータ回転角θfが正常であるか否かは、そのマップデータを参照して判断される。詳しく言えば、モータ回転角θfと操作角δとの関係は、ある幅(本実施例においては一定の幅)を有する範囲として設定されており(図における斜線部)、モータ回転角θfがその設定された関係を満たす場合に、つまり、上記範囲内に収まる場合に、モータ回転角θfが正常であると判断するのである。本実施例においては、ダミー車速vdが一定とされているので、操作角δとモータ回転角θfとの関係を容易に設定することができる。なお、旋回状態量として、制御横加速度Gy*を利用してもよいし、制御横加速度Gy*と操作角δとの両方のモータ回転角θfに対する関係を参照して判断することも可能である。さらに、旋回状態量として、車両のヨーレート、車両のスリップ角、車両に作用するコーナリングフォース,横力等、種々のものを採用することが可能である。
モータ回転角θfと操作角δとが設定された関係にない場合、つまり、上述した範囲内にない場合には、S27の判定がNOとなり、S34に進んで電動モータ70が異常であることが認定される。その場合、次のS35において、報知処理が行われる。具体的には、インジケータ132に対して、電動モータ70の異常を表示をする旨の指令が発せられる。なお、報知処理はブザー等を鳴らすようにしてもよいし、他の態様であってもよい。報知処理の後、S38およびS39に進んで終了処理が実行され、本プログラムの1回の実行が終了する。
S27の判定処理において、モータ回転角θfと操作角δとが設定された関係にある場合には、判定がYESとなり、S28に進んで、ロール角Raが取得される。ロール角Raは、先に取得された左右前輪の車高Hfr,Hflの差ΔHfと車輪間隔(トラッド幅)Ltとに基づいて取得される(具体的には計算式Ra=SIN-1(ΔHf/Lt)により算出される)。続くS29において、ロール角Raが正常であるか否かが判断される。具体的には、ロール角Raと旋回状態量としての操作角δとの関係が設定された関係である場合に、ロール角Raが正常であると判断される。ECU110には、上述のモータ回転角θfと操作角δとの関係と同様に、ロール角Raと操作角δとの関係が、図8(b)に示すようなマップデータとして格納されており、ロール角Raが正常であるか否かは、このマップデータを参照して判断される。なお、この判定においても、旋回状態量として、車両の制御横加速度Gy*を始め、車両のヨーレート、車両のスリップ角、車両に作用するコーナリングフォース,横力等、種々のものを採用することが可能である。
ロール角Raと操作角δとの関係が設定された関係にない場合には、S29の判定がNOとなり、S36に進む。この場合は、モータ回転角θfが正常であるにもかかわらず、ロール角Raが異常であることから、スタビライザ装置14のうち、電動モータ70によって駆動される機構部に異常が発生していると認定される。続くS37において、その旨を運転者に報知するように報知処理が行われ、S38およびS39に進んで終了処理が行われる。以上で本プログラムの1回の実行が終了する。
一方、モータ回転角θfとロール角Raとの両方が正常であると判断された場合には、S30に進んで、カウンタnに1が加算される。次に、S31において、カウンタnが設定値n1以上であるか否かが判断される。カウンタnは今回測定モードスイッチがON状態とされてから停止時判定プログラムが実行された回数を示し、設定値n1は、その実行回数の上限を示す値であって、運転者がステアリングホイールを、それの操作可能範囲全体を左右に操作することを繰り返すのに十分な値とされている。本プログラムは極短い時間間隔で繰り返し実行されているが、本実施例においては、ステアリングホイールを中立位置から左右いずれかの操作可能範囲の限界まで操作して、次に反対側の操作可能範囲の限界まで操作し、その後中立位置に戻すという一連の操作を、1回以上(例えば2回)行うのに十分な時間本プログラムが繰り返し実行されるように、設定値n1が設定されている。今回のプログラムの実行回数たるカウンタnが、その設定値n1より小さい場合には、S31の判定がNOとなり、S39,S38の終了処理をスキップして、本プログラムの1回の実行が終了する。
それに対して、カウンタnが設定値n1以上となった場合には、S31の判定がYESとなり、S32においてスタビライザ装置14が正常であると認定される。操作可能範囲全体を左右に操作する作業を繰り返し、その操作の間に取得されたモータ回転角θfおよびロール角Raのすべてが操作角δに対して設定された関係である場合に、スタビライザ装置14が正常であると認定されるのである。その場合、S33に進んで、スタビライザ装置14が正常である旨を運転者に報知する報知制御が行われる。その後、続くS38およびS39において、終了処理を実行して、本プログラムの1回の実行が終了する。
ii)走行時異常判定
車両の走行状態における異常判定は、図9にフローチャートを示す走行時異常判定プログラムがECU110によって実行されることで行われる。本プログラムは、イグニッションがON状態である間は、極短い時間間隔で繰り返し実行される。なお、走行時異常判定プログラムは、スタビライザ装置14の異常判定を実行することを禁止する禁止条件が設定されており、その禁止条件が満たされる場合には、異常判定を行わないようにされている。換言すれば、車両の走行中であって、異常判定を実行するのに適した走行状態である場合にのみ、異常判定が行われるのである。
本プログラムでは、まず、S111において、制御横加速度Gy*が取得され、続くS112において、操作角δが取得される。それら制御横加速度Gy*および操作角δは、本実施例においては、直前に実行されたロール抑制プログラムにおいて取得された値が流用される。次に、S113において、車速vがロール抑制プログラムにおいて取得された値を流用することで取得される。なお、車速vは、車速センサ122の検出値に基づいて直接取得するようにしてもよい。続くS114において、前後横加速度センサ128の検出値に基づいて、前後加速度Glが取得される。なお、前後加速度Glは、例えば、ブレーキ操作やアクセル操作の程度に基づいて取得されるようにしてもよい。
次に、S115ないしS120において、車両の走行状態が、異常判定を実行することを禁止する禁止条件を満たしているか否かが判断される。それらの判定における禁止条件は、異常判定の精度を悪化させる要因が存在する場合に、異常判定を行わないようにするための条件である。まず、S115において、車速vが設定車速v1以上であるか否かが判断される。設定車速v1は、上述の設定車速v0より大きい値に設定されており、ロール抑制制御を実行するのに十分な大きさに設定されている。車速vが設定車速v1より小さい場合には、S115の判定がNOとなり、本プログラムの1回の実行が終了する。
それに対して、車速vが設定車速v1以上である場合には、S115の判定がYESとなり、S116において前後加速度Glが設定前後加速度Gl1より小さいか否かが判断される。設定前後加速度Gl1は、それを越えれば前後の車体車輪間距離がある程度変動するような大きさに設定されている。前後加速度Glが設定前後加速度Gl1より大きい場合は、例えば、比較的急な制動,加速が行われている場合であり、その場合には、車体のロール角Raもロール抑制制御以外の要因により変動すると考えられるので、ロール角Raに基づいて異常判定を実行することが適当でないと言える。そのため、前後加速度Glが設定前後加速度Gl1より大きい場合には、S116の判定がNOとなり、本プログラムの1回の実行が終了する。それに対して、前後加速度Glが設定前後加速度Gl1以下である場合には、S116の判定がYESとなる。
続くS117において、操作角δが設定操作角δ1以上であるか否かが判断される。操作角δが比較的小さい場合には、ロール抑制制御が行われないか、または、ロール抑制制御が行われても作動量が小さいと考えられ、外乱の影響等により有効な値が得られない等、異常判定を実行することが適当でない場合があるので、異常判定を実行しないこととされている。すなわち操作角δが設定操作角δ1より小さい場合には、S117の判定がNOとなり、本プログラムの1回の実行が終了する。それに対して、操作角δが設定操作角δ1以上である場合には、S117の判定がYESとなり、S118に進む。
S118において、制御横加速度Gy*が設定横加速度Gy* 1以上であるか否かが判断される。制御横加速度Gy*についても、操作角δと同様に比較的小さい場合には異常判定を実行することが適当ではない場合がある。そのため、制御横加速度Gy*が設定横加速度Gy* 1より小さい場合には、S118の判定がNOとなり本プログラムの1回の実行が終了する。それに対して、制御横加速度Gy*が設定横加速度Gy* 1以上である場合には、S118の判定がYESとなり、S119に進んで、車高調整中でないか否かが判断される。現に車高を調整中である場合には、それによってロール角が変化する可能性があるので、異常判定を実行することが禁止される。具体的には、車高調整を実行を制御する制御装置において、現に車高調整が実行されている場合には、異常判定を禁止する旨の指示が出力され、その指示を検出した場合には異常判定が禁止される。
次にS120において悪路走行中であるか否かが判断される。悪路走行中である場合にも、ロール抑制制御以外の要因によりロール角Raが変動する可能性があり、異常判定を実行するのに適当ではないと考えられる。このため、本ステップにおいて、悪路走行中であるか否かが判断される。具体的には、車高センサ126の検出値から各車輪の車高の変化速度を推定し、それら変化速度の変化が悪路走行における様相を呈している場合に、悪路走行中であると判断される。この判断の基準は公知であるため、ここでの詳しい説明は省略する。なお、上下方向の加速度を検出する上下加速度センサを配設して、そのセンサの検出値に基づいて判断するようにしてもよい。
つまり、現在の車両の走行状態が上記の禁止条件のいずれをも満たさない場合に、S121以降のステップにおいて、ロール抑制装置の異常判定が行われ、いずれかの禁止条件を満たす場合には、異常判定は実行されないのである。この走行中の異常判定も、上述の停止時異常判定プログラムのS27ないしS29、およびS32ないしS37における異常判定作業とほぼ共通しているので簡単に説明する。
S121において、モータ回転角θfおよび左右前輪の車高Hfr,Hflが取得される。次に、S122において、車高Hfr,Hflについてローパスフィルタ(ハイカットフィルタ)処理により高周波成分が除去される。車両が走行中であるので、路面からの振動等の高周波成分を除去するのである。次にS123において、モータ回転角θfが正常であるか否かが判断される。モータ回転角θfと制御横加速度Gy*との関係が設定された関係である場合には、S124に進んで、ロール角Raが取得される。本実施例においては、旋回状態量として制御横加速度Gy*を採用しているのである。なお、旋回状態量として、車両の制御横加速度Gy*を始めとして、車両のヨーレート、車両のスリップ角、車両に作用するコーナリングフォース,横力等、種々のものを採用することが可能である。
次にS125において、そのロール角Raが正常であるか否かが判断される。ロール角Raと制御横加速度Gy*との関係が設定された関係である場合には、S126に進んでロール抑制装置が正常であると認定され、本プログラムの1回の実行が終了する。
それに対して、モータ回転角θfと制御横加速度Gy*との関係が設定された関係にない場合には、S123の判定がNOとなり、S127に進んで電動モータ70に異常が発生していると認定される。続くS128において、その異常に対する処理である異常時処理が実行されて、本プログラムの1回の実行が終了する。異常時処理は、特に限定されるものではなく、例えば、インジケータ132にその旨を表示することによって運転者に報知するものであってもよいし、ブザーを設けてそれを鳴らすことによって異常を報知するものであってもよいし、さらに、スタビライザ装置14によるロール抑制制御を禁止する処理を行うようにすることも可能である。
また、モータ回転角θfが正常であっても、ロール角Raと制御横加速度Gy*との関係が設定された関係でない場合には、S125の判定がNOとなり、S129に進んで機構部に異常が発生していると認定される。続くS130において、S128と同様に異常時処理が実行され、本プログラムの1回の実行が終了する。
以上の説明から解るように、本サスペンションシステム10においては、ロール抑制プログラムのうち、制御横加速度決定ルーチンを実行する部分を含んで制御目標値決定部142が構成されており、そのうちS17を実行する部分を含んでダミー車速発生部148を構成されている。また、ロール抑制プログラムのS2ないしS6を実行する部分を含んで作動制御部146が構成されている。そして、停止時異常判定プログラムおよび走行時異常判定プログラムを実行する部分を含んで異常判定部150が構成されている。さらに詳しく言えば、この異常判定部150は、異常判定装置として機能するものとなっており、停止時異常判定プログラムを実行する部分のうちS27,S34およびS35を実行する部分を含んでアクチュエータ異常判定部152が構成され、S28,S29,S36およびS37を実行する部分を含んで機構部異常判定部154が構成されている。同様に、走行時異常判定プログラムを実行する部分のうちS123,S127およびS128を実行する部分を含んでアクチュエータ異常判定部152が構成され、S124,S125,S129およびS130を実行する部分を含んで機構部異常判定部154が構成されているのである。
本車両用サスペンションシステム10によれば、ロール抑制装置としてのスタビライザ装置14の異常が、アクチュエータ出力量としてのモータ回転角と旋回状態量としての操作角との関係と、ロール状態量としてのロール角と旋回状態量としての操作角との関係とに基づいて判定される。つまり、制御の基礎となるパラメータとロール抑制装置の実際に制御作動させられた量との関係に基づいて異常判定行うことにより、確実な異常判定が行われ、信頼性が高い車両用サスペンションシステムが実現する。
本発明の一実施例である車両用サスペンションシステムの全体構成を概念的に示す図である。 上記車両用サスペンションシステムのスタビライザ装置の一部を概念的に示す図である。 上記スタビライザ装置の構成要素であるアクチュエータを概念的に示す断面図である。 上記スタビライザ装置を制御するスタビライザ電子制御ユニットの機能を示す機能ブロック図である。 上記スタビライザ電子制御ユニットによって実行されるロール抑制プログラムのフローチャートである。 上記ロール抑制プログラムの制御横加速度決定ルーチンのフローチャートである。 上記スタビライザ電子制御ユニットによって実行される停止時異常判定プログラムのフローチャートである。 上記スタビライザ装置によってロール抑制が行われた場合の(a)モータ回転角と操作角(横加速度)との関係を示すチャートと、(b)ロール角と操作角(横加速度)との関係を示すチャートである。 上記スタビライザ電子制御ユニットによって実行される走行時異常判定プログラムのフローチャートである。
符号の説明
10:車両用サスペンションシステム 14:スタビライザ装置(ロール抑制装置) 20:スタビライザバー 30:アクチュエータ 70:電動モータ 72:減速機構 100:モータ回転角センサ 110:スラビライザ電子制御ユニット(制御装置) 112:コンピュータ 142:制御目標値決定部 146:作動制御部 148:ダミー車速発生部 150:異常判定部 152:アクチュエータ異常判定部 154:機構部異常判定部

Claims (7)

  1. アクチュエータを有してそのアクチュエータの作動によって車体のロールを抑制するロール抑制装置と、
    (a)車両の旋回状態を指標する旋回状態量に基づいて、前記アクチュエータの制御目標値を決定する制御目標値決定部と、(b)その制御目標値決定部によって決定された制御目標値に基づいて前記アクチュエータを制御作動させる作動制御部とを有する制御装置と
    を備えたサスペンションシステムであって、
    前記アクチュエータの出力を指標するアクチュエータ出力量と旋回状態量との関係と、車両のロール状態を指標するロール状態量と旋回状態量との関係との少なくとも一方が、設定された関係とならない場合に、前記ロール抑制装置が異常であると判定する異常判定装置を備えたことを特徴とする車両用サスペンションシステム。
  2. 前記異常判定装置が、
    前記アクチュエータ出力量と旋回状態量との関係が設定された関係とならない場合に、前記アクチュエータが異常であると判定するアクチュエータ異常判定部を備えた請求項1に記載の車両用サスペンションシステム。
  3. 前記異常判定装置が、
    前記アクチュエータ出力量と旋回状態量との関係が設定された関係となり、かつ、前記ロール状態量と旋回状態量との関係が設定された関係とならない場合に、前記ロール抑制装置のうちの前記アクチュエータによって駆動される機構部が異常であると判定する機構部異常判定部を備えた請求項1または請求項2に記載の車両用サスペンションシステム。
  4. 前記異常判定装置が、前記ロール抑制装置の異常判定の精度を悪化させる要因が大きい場合に、前記ロール抑制装置の異常の判定を禁止するように構成された請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用サスペンション装置。
  5. 前記異常判定装置が、前記要因が大きい場合として、車両が車高調整中である場合、車両が悪路を走行している場合、車両の前後加速度が大きい場合から選ばれる少なくとも1つの場合に、前記ロール抑制装置の異常の判定を禁止するように構成された請求項4に記載の車両用サスペンションシステム。
  6. 前記制御目標値決定部が、車両の操舵量と車両の走行速度とに基づいて推定される推定旋回状態量に基づいて前記アクチュエータの制御目標値を決定可能とされ、
    前記異常判定装置が、車両の停止状態における運転者のステアリング操作部材の操作の下、仮想の走行速度に基づいて前記ロール抑制装置が作動する状態において、前記ロール抑制装置の異常の判定を実行可能に構成された請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
  7. 前記ロール抑制装置が、
    両端部の各々が左右の車輪保持部材の各々に連結されるスタビライザバーを備え、前記アクチュエータがそのスタビライザバーの弾性力を変化させるように構成されたスタビライザ装置を含んで構成された請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の車両用サスペンションシステム。
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