JP2010260470A - 車両用サスペンションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】スタビライザバーの捩り反力が車高変更制御へ影響しない車両用サスペンションシステムを提供する。
【解決手段】左右の車輪に対応して設けられ、流体の流出・流入によって対応する車輪の車体車輪間距離をそれぞれ変更する1対の流体式スプリングと、両端部が左右の車輪に連結されるスタビライザバーとを備えたサスペンションシステムにおいて、スタビライザバーが左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なる場合に捩られる状態と、それら車体車輪間距離が異なっていても捩られない状態とで切換可能に構成するとともに、1輪毎に車体車輪間距離を変更する車高変更制御が実行されている場合には、スタビライザバーが左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なっていても捩られない状態(S27)となるように構成する。このように構成することで、スタビライザバーの捩り反力の車高変更制御への影響を無くすことが可能となる。
【選択図】図12

Description

本発明は、流体の流出・流入によって車体車輪間距離を変更する流体式スプリングを左右の車輪に対応して設けるとともに、左右の車輪に両端部が連結されるスタビライザバーを有するスタビライザ装置を設けた車両用サスペンションシステムに関する。
近年では、下記特許文献に記載されているような車両用サスペンションシステム、具体的に言えば、左右の車輪に対応して設けられ、流体の流出・流入によって対応する車輪の車体車輪間距離をそれぞれ変更する1対の流体式スプリングと、両端部が左右の車輪に連結されるとともに、自身の捩り反力に依拠した力であるスタビライザ力を発生させるスタビライザバーを有するスタビライザ装置と備えたシステムが検討されている。このシステムでは、各車輪の車体車輪間距離を変更することで、車高を変更することが可能とされるとともに、スタビライザ力によって車体のロールを効果的に抑制することが可能とされている。
特開2006−282036号公報 特開2006−321296号公報
流体の流出・流入によって車体車輪間距離を変更する流体式スプリングを左右の車輪に対応して設けた車両においては、各車輪の車体車輪間距離を各車輪に対応した目標車体車輪間距離に変更して車高を変更する車高変更制御が実行可能とされている。流体式スプリングによる車高変更制御において、例えば、車高を上げる際に全車輪の車体車輪間距離を同時に変更しようとすると、流体式スプリングに流体を流出入させる装置の大型化を招く虞がある。このため、流体式スプリングによる車高変更制御では、1輪毎に車体車輪間距離を変更することで車高が変更されることが多い。ただし、両端部が左右の車輪に連結されたスタビライザバーを備えた車両において、1輪毎に車体車輪間距離を変更すると、左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なり、スタビライザバーが捩られて捩り反力が生じる。スタビライザバーの捩り反力は、左右の車輪の一方の車輪車体間距離と他方の車輪車体間距離とを相対変化させる力であるため、その捩り反力が車高変更制御に影響を及ぼし、例えば、車体車輪間距離が目標車体車輪間距離からズレるといった弊害が生じる虞がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、スタビライザバーの捩り反力が車高変更制御に影響を及ぼすことのない車両用サスペンションシステムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の車両サスペンションシステムは、
左右の車輪に対応して設けられ、それぞれが、対応する車輪と車体との間に配設されるとともに、流体の流出・流入によって対応する車輪と車体との上下方向における距離である車体車輪間距離を変更する1対の流体式スプリングと、
それら1対の流体式スプリングの各々に対して流体を流出・流入させる流体流出入装置と、
(a)両端部が左右の車輪に連結されるとともに、自身の捩り反力に依拠した力であるスタビライザ力を発生させるスタビライザバーと、(b)前記スタビライザバーが左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なる場合に捩られる状態と、それら車体車輪間距離が異なっていても捩られない状態とで切り換える捩り状態切換装置とを有するスタビライザ装置と、
左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離がその各々に対応する目標車体車輪間距離となるように前記流体流出入装置を制御する制御装置であって、左右の車輪の一方に対応する車体車輪間距離を変更し、その一方に対応する車体車輪間距離がその一方に対応する目標車体車輪間距離となった後に、左右の車輪の他方に対応する車体車輪間距離を変更することで車体車輪間距離を一輪毎に変更する車体車輪間距離変更制御を実行する流体流出入装置制御装置と
前記捩り状態切換装置を制御する制御装置であって、前記車体車輪間距離変更制御が実行されている場合に、前記スタビライザバーが左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なっていても捩られない状態となるように前記捩り状態切換装置を制御する捩り状態切換装置制御装置と
を備えるように構成される。
本発明のサスペンションシステムにおける「捩り状態切換装置」は、上記2つの状態で切換可能なものであればよく、例えば、スタビライザバーの一方の端部とその端部に対応する車輪との間に設けられて、それらを連結した状態とそれらの連結を開放した状態とで切換可能な装置、具体的に言えば、例えば、クラッチ等であってもよい。また、スタビライザバーを分割して1対のスタビライザバー部材とし、それら1対のスタビライザバー部材の間にクラッチ等を設けてもよい。
また、本発明のシステムにおける「捩り状態切換装置」は、上記2つの状態で切り換える機能だけでなく、他の機能を有するものであってもよい。具体的には、「捩り状態切換装置」が、スタビライザバーの捩り量を変更することでスタビライザ力を変更する機能をも有するものであってもよい。つまり、本発明の車両用サスペンションシステムは、
前記スタビライザ装置が、
前記スタビライザバーが左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なる場合に捩られる状態である車体車輪間距離相違時捩り状態とそれら車体車輪間距離が異なっていても捩られない状態とで切り換えるとともに、前記車体車輪間距離相違時捩り状態において、前記スタビライザバーの捩り量を変更することでスタビライザ力を変更するアクチュエータを有し、
そのアクチュエータが前記捩り状態切換装置として機能するように構成されてもよい。
さらに、本発明の車両用サスペンションシステムは、
前記アクチュエータを制御することでスタビライザ力を制御する制御装置であって、前記車体車輪間距離相違時捩り状態において、スタビライザ力が、車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量に応じた大きさのロール抑制力となるように前記アクチュエータの作動を制御するロール抑制制御を実行するスタビライザ力制御装置を有するように構成されてもよい。
さらに、前記アクチュエータが、電磁モータと、その電磁モータとそれへの電力供給源であるバッテリとの間に配設されて前記電磁モータを駆動するための駆動回路とを有し、前記電磁モータが発生させる力に依拠して前記スタビライザバーの捩り量を変更するとともに、
前記電磁モータが、前記駆動回路が有するスイッチング素子の切り換えによって前記電磁モータが有する複数の通電端子の間を相互に導通させる全端子間導通モードと、前記複数の通電端子をすべて開放するような全端子開放モードとの少なくとも1つの作動モードで作動可能とされ、
前記捩り状態切換装置制御装置が、
前記駆動回路を制御することで前記電磁モータの作動を制御するとともに、前記車体車輪間距離変更制御が実行されている場合に、前記電磁モータの作動モードを前記少なくとも1つの作動モードとして、前記スタビライザバーが左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なっていても捩られない状態とするように構成されてもよい。
本発明の車両用サスペンションシステムにおいては、車体車輪間距離を1輪毎に変更する車体車輪間距離変更制御が実行されている場合に、左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なってもスタビライザバーの捩れが生じないようにすることが可能となっている。したがって、本発明のサスペンションシステムによれば、車体車輪間距離変更制御時にはスタビライザバーの捩れを禁止することが可能となり、スタビライザバーの捩り反力の車高変更制御への影響を無くすことが可能となる。
本発明の実施例である車両用サスペンションシステムの全体構成を示す模式図である。 図1の車両用サスペンションシステムの備えるスタビライザ装置と1対のサスペンション装置とを車両上方からの視点において示す模式図である。 図1の車両用サスペンションシステムの備えるスタビライザ装置と1対のサスペンション装置とを車両後方からの視点において示す模式図である。 サスペンション装置の備えるスプリング・アブソーバAssyを示す概略断面図である。 スプリング・アブソーバAssyとそのスプリング・アブソーバAssyにエアを給排するエア給排装置とを示す模式図である。 スタビライザ装置の備えるアクチュエータを示す概略断面図である。 図1の車両用サスペンションシステムの備えるインバータと電磁モータとが接続された状態での回路図である。 電磁モータの各作動モードにおける図5のインバータによるスイッチング素子の切り換え状態を示す表である。 車高を増加させる際に左右の車輪の一方の車体車輪間距離を変更した場合のスタビライザバーの捩り反力の発生方向を示す模式図である。 エアスプリングの圧力室内の圧力と車体車輪間距離との時間経過に対する変化を概略的に示すチャートである。 車高変更制御プログラムを示すフローチャートである。 スタビライザ装置制御プログラムを示すフローチャートである。 サスペンションシステムの制御を司る制御装置の機能を示すブロック図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態として、本発明の実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例,変形例に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<車両用サスペンションシステムの構成>
図1に、実施例の車両用サスペンションシステム10を模式的に示す。本システム10は、前後左右4つの車輪12に対応して設けられた4つのサスペンション装置20と、それらサスペンション装置20の制御を担う制御装置とを含んで構成されている。転舵輪である前輪のサスペンション装置20と非転舵輪である後輪のサスペンション装置20とは、車輪を転舵可能とする機構を除き略同様の構成とみなせるため、説明の簡略化に配慮して、後輪のサスペンション装置20を代表して説明する。
i)サスペンション装置の構成
図2および図3に示すように、サスペンション装置20は、独立懸架式のものであり、マルチリンク式のサスペンション装置とされている。サスペンション装置20は、それぞれがサスペンションアームである第1アッパアーム30,第2アッパアーム32,第1ロアアーム34,第2ロアアーム36,トーコントロールアーム38を備えている。5本のアーム30,32,34,36,38のそれぞれの一端部は、車体に回動可能に連結され、他端部は、車輪12を回転可能に保持するアクスルキャリア40に回動可能に連結されている。それら5本のアーム30,32,34,36,38により、アクスルキャリア40は、車体に対して略一定の軌跡を描くような上下動が可能とされている。
サスペンション装置20は、サスペンションスプリングと、ショックアブソーバとが一体化されたスプリング・アブソーバAssy50を備えている。スプリング・アブソーバAssy50は、ばね上部の一構成部分であるタイヤハウジングに設けられたマウント部52と、ばね下部の一構成部分である第2ロアアーム36との間に、それらを連結するようにして配設された液圧式のショックアブソーバ54と、それと並列的に設けられた流体式スプリングとしてのエアスプリング56とを備えている。
ii)スプリング・アブソーバAssyの構成
ショックアブソーバ54は、図4に示すように、作動液を収容するハウジング60と、そのハウジング60に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン62と、そのピストン62に下端部が連結されて上端部がハウジング60の上部から延び出すピストンロッド64とを含んで構成されている。そして、ハウジング60が、第2ロアアーム36に連結され、ピストンロッド64が、マウント部52に連結される。ちなみに、ピストンロッド64は、ハウジング60の上部に設けられた蓋部66を貫通しており、シール68を介してその蓋部66と摺接している。
エアスプリング56は、マウント部52に固定されたチャンバシェル70と、ショックアブソーバ54のハウジング60に固定されたエアピストン筒72と、それらを接続するダイヤフラム74とを含んで構成されている。チャンバシェル70は、それの蓋部76が、防振ゴムを有するスプリングサポート78を介してショックアブソーバ54のピストンロッド64を保持した状態で、蓋部76の上面側においてマウント部52の下面側に固定されている。ダイヤフラム74は、一端部がチャンバシェル70の下端部に固定され、他端部がエアピストン筒72の上端部に固定されており、それらチャンバシェル70とエアピストン筒72とダイヤフラム74とによって圧力室80が区画形成されている。その圧力室80には、流体としての圧縮エアが封入されている。このような構造から、エアスプリング56の圧縮エアの圧力によって、第2ロアアーム36とマウント部52、つまり、ばね上部とばね下部とを相互に弾性的に支持しているのである。
iii)流体流出入装置の構成
本システム10は、各スプリング・アブソーバAssy50が有するエアスプリング56に対して流体としてのエア(空気)を流出・流入させるための流体流出入装置、詳しく言えば、エアスプリング56の圧力室80に接続されて、その圧力室80にエアを供給し、圧力室80からエアを排出するエア供排装置90を備えている。図5に、そのエア給排装置90の模式図を示す。エア給排装置90は、圧縮エアを圧力室80に供給するコンプレッサ92を含んで構成される。コンプレッサ92は、ポンプ94と、そのポンプ94を駆動するポンプモータ96とを備え、そのポンプ94によって、フィルタ98,逆止弁100を経てエアを吸入し、そのエアを加圧して逆止弁102を介して吐出するものである。そのコンプレッサ92は、個別制御弁装置104を介して前記4つのエアスプリング56の圧力室80に接続されている。個別制御弁装置104は、各エアスプリング56の圧力室80に対応して設けられてそれぞれが常閉弁である4つの個別制御弁106を備え、各圧力室80に対する流路の開閉を行うものである。なお、それらコンプレッサ92と個別制御弁装置104とは、圧縮エアの水分を除去するドライヤ108と、絞り110と逆止弁112とが互いに並列に設けられた流通制限装置114とを介して、共通通路116によって接続されている。また、その共通通路116は、コンプレッサ92とドライヤ108との間から分岐しており、その分岐する部分に圧力室80からエアを排気するための排気制御弁118が設けられている。
上述の構造から、本サスペンションシステム10は、エア給排装置90によって、各エアスプリング56の圧力室80内のエア量を調整することが可能とされており、エア量の調整によって、第2ロアアーム36とマウント部52との上下方向の距離、つまり、車体と車輪12との上下方向の距離(以下、「車体車輪間距離」という場合がある)を変化させることが可能とされている。具体的に言えば、圧力室80のエア量を増加させて車体車輪間距離を増大させ、エア量を減少させて車体車輪間距離を減少させることが可能とされている。
iv)スタビライザ装置の構成
さらに、本サスペンションシステム10は、図1に示すように、車両の前輪側、後輪側の各々に配設された1対のスタビライザ装置120を含んで構成されている。スタビライザ装置120はそれぞれ、両端部において左右の車輪12の各々に対応するサスペンション装置20に連結されたスタビライザバー122を備えている。そのスタビライザバー122は、それが分割された1対のトーションバーとしてのスタビライザバー部材124を含む構成のものとされている。それら1対のスタビライザバー部材124は、アクチュエータ126によって相対回転可能に接続されている。
スタビライザ装置120の各スタビライザバー部材124はそれぞれ、図2,3に示すように、概して車幅方向に延びるシャフト部130と、シャフト部130と一体をなしてそれと交差して概ね車両の前方に延びるアーム部132とに区分することができる。各スタビライザバー部材124のシャフト部130は、アーム部132に近い箇所において、車体に固定的に設けられた保持具134によって回転可能に保持され、互いに同軸的に配置されている。各シャフト部130の端部(アーム部132側とは反対側の端部)は、それぞれ、後に詳しく説明するようにアクチュエータ126に接続されている。一方、各アーム部132の端部(シャフト部130側とは反対側の端部)は、リンクロッド136を介して第2ロアアーム36に連結されている。第2ロアアーム36には、リンクロッド連結部138が設けられ、リンクロッド136の一端部は、そのリンクロッド連結部138に、他端部はスタビライザバー部材124のアーム部132の端部に、それぞれ遥動可能に連結されている。
スタビライザ装置120の備えるアクチュエータ126は、図6に示すように、駆動源としての電磁モータ140と、その電磁モータ140の回転を減速して伝達する減速機142とを含んで構成されている。これら電磁モータ140と減速機142とは、アクチュエータ126の外殻部材であるハウジング144内に設けられている。そのハウジング144の一端部には、1対のスタビライザバー部材124の一方のシャフト部130の端部が固定的に接続されており、一方、1対のスタビライザバー部材124の他方は、ハウジング144の他端部からそれの内部に延び入る状態で配設されるとともに、後に詳しく説明するように、減速機142と接続されている。さらに、1対のスタビライザバー部材124の他方は、それの軸方向の中間部において、ブシュ型軸受146を介してハウジング144に回転可能に保持されている。
電磁モータ140は、ハウジング144の周壁の内面に沿って一円周上に固定して配置された複数のコイル150と、ハウジング144に回転可能に保持された中空状のモータ軸152と、コイル150と向きあうようにしてモータ軸152の外周に固定して配設された永久磁石154とを含んで構成されている。電磁モータ140は、コイル150がステータとして機能し、永久磁石154がロータとして機能するモータであり、3相のDCブラシレスモータとされている。なお、ハウジング144内に、モータ軸152の回転角度、すなわち、電磁モータ140の回転角度を検出するためのモータ回転角センサ158が設けられている。モータ回転角センサ158は、エンコーダを主体とするものであり、アクチュエータ126の制御、つまり、スタビライザ装置120の制御に利用される。
減速機142は、波動発生器(ウェーブジェネレータ)160,フレキシブルギヤ(フレクスプライン)162およびリングギヤ(サーキュラスプライン)164を備え、ハーモニックギヤ機構(「ハーモニックドライブ(登録商標)機構」,「ストレインウェーブギヤリング機構」等と呼ばれることもある)として構成されている。波動発生器160は、楕円状カムと、それの外周に嵌められたボールベアリングとを含んで構成されるものであり、モータ軸154の一端部に固定されている。フレキシブルギヤ162は、周壁部が弾性変形可能なカップ形状をなすものとされており、周壁部の開口側の外周に複数の歯(本減速機142では、400歯)が形成されている。このフレキシブルギヤ162は、先に説明した1対のスタビライザバー部材124の他方のシャフト部130の端部に接続され、それによって支持されている。詳しく言えば、そのスタビライザバー部材124のシャフト部130は、モータ軸152を貫通しており、それから延び出す部分の外周面において、当該減速機142の出力部としてのフレキシブルギヤ162の底部を貫通する状態でその底部とスプライン嵌合によって相対回転不能に接続されているのである。リングギヤ164は、概してリング状をなして内周に複数の歯(本減速機142においては、402歯)が形成されたものであり、ハウジング144に固定されている。フレキシブルギヤ162は、その周壁部が波動発生器160に外嵌して楕円状に弾性変形させられ、楕円の長軸方向に位置する2箇所においてリングギヤ164と噛合し、他の箇所では噛合しない状態とされている。このような構造により、波動発生器160が1回転(360度)すると、つまり、電磁モータ140のモータ軸152が1回転すると、フレキシブルギヤ162とリングギヤ164とが、2歯分だけ相対回転させられる。つまり、減速機142の減速比は、1/200とされている。
以上の構成から、車両の旋回等によって、車体に左右の車輪12の一方の車輪車体間距離と、左右の車輪16の他方の車輪車体間距離とを相対変化させる力、すなわちロールモーメントが作用する場合、左右のスタビライザバー部材124を相対回転させる力、つまり、アクチュエータ126に対する外力が作用する。その場合、電磁モータ140が発生させる力であるモータ力(電磁モータ140が回転モータであることから、回転トルクと考えることができるため、回転トルクと呼ぶ場合がある)によって、アクチュエータ126がその外力に対抗する力を発生させているときには、それら2つのスタビライザバー部材124によって構成された1つのスタビライザバー122が捩じられることになる。この捩りにより生じる捩り反力は、ロールモーメントに対抗する力となる。つまり、スタビライザ装置120が、1対のスタビライザバー部材124の捩り反力に依拠した力であるスタビライザ力をロール抑制力として作用させているのである。そして、モータ力によってアクチュエータ126の回転量を変化させることで、スタビライザバー122の捩り量、つまり、左右のスタビライザバー部材124の相対回転量を変化させれば、上記スタビライザ力が変化し、車体のロールをアクティブに抑制することが可能となる。なお、ここでいうアクチュエータ126の回転量とは、車両が平坦路に静止している状態を基準状態としてその基準状態でのアクチュエータ126の回転位置を中立位置とした場合において、その中立位置からの回転量、つまり、動作量を意味する。
v)制御装置の構成
本システム10では、図1に示すように、1対のスタビライザ装置120についての制御を実行するスタビライザ装置電子制御ユニット(スタビライザ装置ECU)170と、4つのエアスプリング56の作動、つまり、エア給排装置90(詳しくは、それを構成するポンプモータ96,各制御弁106,118等)の制御を実行するエア給排装置電子制御ユニット(エア給排装置ECU)172とが設けられている。これら2つのECU170,172を含んで、本サスペンションシステム10の制御装置が構成されている。
スタビライザ装置ECU170は、各スタビライザ装置120の備えるアクチュエータ126の作動を制御する制御装置であり、各アクチュエータ126が有する電磁モータ140に対応する駆動回路としての2つのインバータ174と、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするスタビライザ装置コントローラ176とを備えている。一方、流体流出入装置制御装置としてのエア給排装置ECU172は、エア給排装置90の備えるポンプモータ96,各制御弁106,118の作動を制御する制御装置であり、それらポンプモータ96,各制御弁106,118の駆動回路としての複数のドライバ178と、CPU,ROM,RAM等を備えたコンピュータを主体とするエア給排装置コントローラ180とを備えている(図13参照)。インバータ174の各々およびドライバ178の各々は、コンバータ182を介してバッテリ184に接続されており、インバータ174の各々は、対応するアクチュエータ126の電磁モータ140に接続され、ドライバ178の各々は、ポンプモータ96,各制御弁106,118の各々に接続されている。なお、スタビライザ装置120の有する電磁モータ140は定電圧駆動され、電磁モータ140への供給電力量は、供給電流量を変更することによって変更される。供給電流量の変更は、インバータ174がPWM(Pulse Width Modulation)によるパルスオン時間とパルスオフ時間との比(デューティ比)を変更することによって行われる。
スタビライザ装置コントローラ176には、上記モータ回転角センサ158とともに、操舵量としてのステアリング操作部材の操作量であるステアリングホイールの操作角を検出するためのステアリングセンサ190,車体に実際に発生している横加速度である実横加速度を検出する横加速度センサ192が接続されている。スタビライザ装置コントローラ176には、さらに、ブレーキシステムの制御装置であるブレーキ電子制御ユニット(以下、「ブレーキECU」という場合がある)200が接続されている。ブレーキECU200には、4つの車輪12のそれぞれに対して設けられてそれぞれの回転速度を検出するための車輪速センサ202が接続され、ブレーキECU200は、それら車輪速センサ202の検出値に基づいて、車両の走行速度(以下、「車速」という場合がある)を推定する機能を有している。スタビライザ装置コントローラ176は、必要に応じ、ブレーキECU200から車速を取得するようにされている。さらに、スタビライザ装置コントローラ176は、各インバータ174にも接続され、それらを制御することで、各電磁モータ140の作動を制御する。また、スタビライザ装置コントローラ176のコンピュータが備えるROMには、後に説明する各スタビライザ装置120の制御に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。
一方、エア給排装置コントローラ180には、各車輪12の車体車輪間距離を検出する4つのストロークセンサ204と、運転者の操作によって車高を変更するための車高変更スイッチ206とが接続されている。さらに、エア給排装置コントローラ180は、各ドライバ178にも接続され、それらを制御することで、ポンプモータ96,各制御弁106,118の作動を制御する。また、給排装置コントローラ180のコンピュータが備えるROMには、後に説明する車高変更に関するプログラム,各種のデータ等が記憶されている。ちなみに、本システム10では、運転者の選択可能な設定車高は、設定標準車高(N車高),設定標準車高より高い車高として設定された設定高車高(Hi車高),設定標準車高より低い車高として設定された設定低車高(Low車高)の3つが設定されており、運転者の車高変更スイッチ206の操作によって所望の設定車高に選択的に変更されるなお、スタビライザ装置コントローラ176とエア給排装置コントローラ180とは、互いに接続されて通信可能とされており、必要に応じて、当該サスペンションシステムの制御に関する情報,指令等が通信される。
<電磁モータの作動モード>
図7に示すように、電磁モータ140は、Δ結線された3相のDCブラシレスモータであり、各相(U,V,W)に対応してそれぞれ通電端子210u,210v,210w(以下、総称して「通電端子210」という場合がある)を有している。インバータ174は、各通電端子、つまり各相(U,V,W)に対応して、high(正)側,low(負)側の2つのスイッチング素子を備えている。つまり、3つの高電位側スイッチング素子(以下、3つのスイッチング素子の各々を、「UHC」,「VHC」,「WHC」と呼ぶ場合がある)212と3つの低電位側スイッチング素子(以下、3つのスイッチング素子の各々を、「ULC」,「VLC」,「WLC」と呼ぶ場合がある)214とを備えている。また、スイッチング素子切換回路は、電磁モータ140に設けられた3つのホール素子HA,HB,HC(図では、Hと表記している)の検出信号により回転角(電気角)を判断し、その回転角に基づいて6つのスイッチング素子の各々のON/OFFの切り換えを行う。なお、インバータ174は、バッテリ184の高電位側の端子216hと低電位側の端子216lとにコンバータ182を介して接続されている。
本システム10では、電磁モータ140は、2つの作動モードで作動可能とされており、その2つの作動モードの中から設定された条件等に基づいて選択された1つの作動モードで作動させられる。作動モードは、インバータ174の作動状態、言い換えれば、各スイッチング素子212,214の切換形態によって定まるものとされている。詳しく言えば、作動モードの切り換えは、このインバータ174のスイッチング素子212,214のON/OFFの切換えの形態を変更することによって行われる。
2つの作動モードの1つは、制御通電モードであり、デューティ比に従ったON/OFF制御、つまり、デューティ制御が行われるようになっており、バッテリ184から電磁モータ140への電力供給が可能な作動モードである。もう1つは、バッテリ184から電磁モータ140への電力供給が行われない作動モードであり、フリーモードとされている。以下に、各作動モードについて説明する。
i)制御通電モード
図8を参照しつつ説明すれば、制御通電モードでは、いわゆる120゜通電矩形波駆動と呼ばれる方式にて、各スイッチング素子UHC,ULC,VHC,VLC,WHC,WLCのON/OFFが、電磁モータ140の回転角に応じて切り換えられる。詳しく言えば、高電位側スイッチング素子UHC,VHC,WHCのうちの1つのスイッチング素子と低電位側スイッチング素子ULC,VLC,WLCのうちの1つのスイッチング素子とがON状態(閉状態)とされるとともに、残りのスイッチング素子の全てがOFF状態(開状態)とされ、ON状態(閉状態)とされる2つのスイッチング素子が3つのホール素子HA,HB,HCの検出信号に応じて変更される。また、低電位側スイッチング素子ULC,VLC,WLCのみが、デューティ制御を実行するようになっており、そのデューティ比を変更することによって、電磁モータ140への供給電流量が変更されるようになっている。図8における「1*」は、そのことを示している。ちなみに、各スイッチング素子の切換形態は、モータ力の発生方向に応じて異なっており、その方向を、便宜的に、右方向(CW方向)と左方向(CCW方向)と呼ぶこととする。
上述のように、制御通電モードは、電磁モータ140がモータ力を発生させる方向(以下、「モータ力発生方向」という場合がある)および電磁モータ140への供給電力量が制御可能なモードであり、この制御通電モードにおいては、任意の方向に、電磁モータ140は供給電流量に応じた大きさのモータ力を発生させることが可能となる。したがって、スタビライザ装置120が発生させるロール抑制力を制御することが可能である。
ii)フリーモード
フリーモードでは、バッテリ184の高電位側の端子216hから電磁モータ140の3つの通電端子210への通電が禁止されるとともに、電磁モータ140の3つの通電端子210からバッテリ184の低電位側の端子216lへの通電が禁止される。具体的に言えば、図8に示すように、スイッチング素子UHC,ULC,VHC,VLC,WHC,WLCのすべてが、OFF状態(開状態)とされる。つまり、本作動モードは、全端子開放モードと考えれれる。このため、本作動モードでは、電磁モータ140による制動効果が殆ど得られないか、あるいは、得られても比較的小さい効果しか得られない。したがって、本作動モードを採用すれば、外部入力がアクチュエータ126に作用する場合に、アクチュエータ126は、あまり抵抗を受けることなく作動することになる。
上述したように、電磁モータ140の作動モードを制御通電モードとすることで、アクチュエータ126は外部入力に対して作動し難くなり、電磁モータ140の作動モードをフリーモードとすることで、アクチュエータ126は外部入力に対して作動し易くなっている。つまり、インバータ174の作動状態を切り換えることで、アクチュエータ126は、外部入力によってスタビライザバー122が捩られる状態と捩られない状態とで切換可能となっており、本システム10は、インバータ174とアクチュエータ126とで構成される捩り状態切換装置を有していると考えることができる。このため、インバータ174を制御しアクチュエータ126の作動を制御する上記スタビライザ装置ECU170は捩り状態切換装置制御装置としての機能を有していると考えることができる。
<車両用サスペンションシステムの制御>
i)ロール抑制制御
本システム10では、車体のロールを抑制するべく、上記制御通電モードにおいて、アクチュエータ126の実際の回転量が目標となる回転量である目標回転量となるようなロール抑制制御が実行される。詳しく言えば、車体が受けるロールモーメントに応じたロール抑制力を発生させるべく、車体が受けるロールモーメントに応じて、アクチュエータ126の目標回転量が決定され、アクチュエータ126の回転量がその目標回転量となるように制御される。なお、アクチュエータ26の回転量は、電磁モータ140の動作角であるモータ回転角と対応関係にあるため、実際の制御では、モータ回転角をアクチュエータ126の回転量として扱い、モータ回転角センサ158によって取得されるモータ回転角に基づいて制御が行われる。
具体的に言えば、まず、車体が受けるロールモーメントを指標するロールモーメント指標量としての横加速度である、ステアリングホイールの操舵角δと車両走行速度vに基づいて推定された推定横加速度Gycと、実測された実横加速度Gyrとに基づいて、制御に利用される横加速度である制御横加速度Gy*が、次式に従って決定される。
Gy*=K1・Gyc+K2・Gyr
ここで、K1,K2はゲインであり、そのように決定された制御横加速度Gy*に基づいて、目標モータ回転角θ*が決定される。スタビライザ装置コントローラ176内には制御横加速度Gy*をパラメータとする目標モータ回転角θ*のマップデータが格納されており、そのマップデータを参照して、目標モータ回転角θ*が決定される。
そして、実際のモータ回転角である実モータ回転角θがその目標モータ回転角θ*になるように、電磁モータ140が制御される。電磁モータ140の制御において、電磁モータ140に供給される電力は、実モータ回転角θの目標モータ回転角θ*に対する偏差であるモータ回転角偏差Δθ(=θ*−θ)に基づいて決定される。詳しく言えば、モータ回転角偏差Δθに基づくフィードバック制御の手法に従って決定される。具体的には、まず、電磁モータ140が備えるモータ回転角センサ158の検出値に基づいて、上記モータ回転角偏差Δθが認定され、次いで、それをパラメータとして、次式に従って、目標供給電流i*が決定される。
*=KP・Δθ+KI・Int(Δθ)
この式は、PI制御則に従う式であり、第1項,第2項は、それぞれ、比例項、積分項を、KP,KIは、それぞれ、比例ゲイン,積分ゲインを意味する。また、Int(Δθ)は、モータ回転角偏差Δθの積分値に相当する。
ちなみに、上記目標供給電流i*は、それの符号により電磁モータ140のモータ力の発生方向を表すものとなっており、電磁モータ140の駆動制御にあたっては、目標供給電流i*に基づいて、電磁モータ140を駆動するためのデューティ比およびモータ力発生方向が決定される。そして、それらデューティ比およびモータ力発生方向についての指令がインバータ174に発令され、インバータ174によって、その指令に基づいた電磁モータ140の駆動制御がなされる。
ii)車高変更制御
本システム10では、各車輪12の車体車輪間距離をエアスプリング56によって変更することで車高を変更する車体車輪間距離変更制御、つまり、車高変更制御が実行される。車高変更制御は、運転者の車高変更スイッチ206の操作によって設定車高が変更された場合に実行される。具体的には、設定車高に対応する車体車輪間距離である目標車体車輪間距離(以下、「目標距離」という場合がある)L*と、ストロークセンサ204により検出される実際の車体車輪間距離である実車体車輪間距離Lとが比較され、エアスプリング56の圧力室80のエア量が調整されることで各車輪12毎の車体車輪間距離が調整されることで、車高が変更される。
車高を上げる場合のエア給排装置90の作動(以下、「車高増加作動」という場合がある)では、まず、ポンプモータ96が作動させられるとともに、個別制御弁106が開弁されることで、圧縮エアが各エアスプリング56の圧力室80に供給される。その状態が継続された後、実車体車輪間距離Lが目標距離L*となった場合に、個別制御弁106が閉弁され、ポンプモータ96の作動が停止させられる。一方、車高を下げる場合のエア給排装置90の作動(以下、「車高減少作動」という場合がある)では、まず、排気制御弁118が開弁されるとともに、個別制御弁106が開弁されることで、各エアスプリング56の圧力室80からエアが大気に排気される状態とされる。その後、実車体車輪間距離Lが目標距離L*となった場合に、個別制御弁106が閉弁され、排気制御弁118が閉弁される。
上記の車高増加作動,車高減少作動は、あらかじめ設定された許容条件(以下、「車高変更許容条件」という場合がある)を充足する場合に実行が許容される。具体的には、車体にロールモーメント,ピッチモーメントが作用していないこと、ばね上部とばね下部とのいずれにも振動が発生していないこと、4つの車輪12の車体車輪間距離がある許容範囲内に揃っていることの全てが充足されると、上記の車高増加作動,車高減少作動が許容される。一方、上記車高変更許容条件が充足されない場合においては、個別制御弁106が閉弁され、ポンプモータ96の作動の停止あるいは排気制御弁118の閉弁が行われ、エアスプリング56の圧力室80内のエア量が維持される。
なお、本システム10での車高変更制御は、4輪とも同時に車体車輪間距離を変更するのではなく、1輪ずつ順番に車体車輪間距離を変更するようにされている。4つの車輪に対して同時に車高増加作動を実行しようとするとポンプモータ96の大型化を招く虞があるためである。1輪毎の車体車輪間距離の変更は、右前輪→左後輪→左前輪→右後輪という順序で実行されるようになっている。
iii)車高変更制御実行時のスタビライザ装置の制御
本システム10での車高変更制御は、上述したように、1輪ずつ順番に車体車輪間距離を変更するようにされている。このため、例えば、1対のスタビライザバー部材124をスタビライザバーとして機能させた状態で車高を増加させる際に右前輪の車体車輪間距離をまず変更させた場合には、右前輪の車体車輪間距離と左前輪の車体車輪間距離とが異なり、前輪に対応して設けられたスタビライザ装置120のスタビライザバー122が捩られた状態(以下、「車体車輪間距離相違時捩り状態」という場合がある)となる。このような状態においては、左右の前輪に対してスタビライザバー122の捩り反力が作用し、その左右の前輪に対して作用する捩り反力によって車高変更制御に影響を及ぼす虞がある。車両後方からの視点において前輪に対応して設けられた1対のサスペンション装置20とスタビライザ装置120とを示す図9を用いて具体的に説明する。なお、以下の説明および図において、左右の前輪のいずれに対応するものであるかを明確にする必要のある場合には、車輪位置を示す添え字として、右前輪,左前輪の各々に対応するものにFR,FLを付す場合がある。
車高を増加させる際に右前輪12FRの車体車輪間距離をまず変更させる場合には、右前輪12FRのエアスプリング56FRの圧力室80FRのみにエアが供給され、右前輪12FRの車体車輪間距離と左前輪12FLの車体車輪間距離との差が大きくなる。このため、スタビライザバー122が捩られて、右前輪12FRの車輪車体間距離と左前輪12FLの車輪車体間距離とを相対変化させる捩り反力が発生する。具体的には、図9に示すように、右前輪12FRと車体とを接近させるとともに左前輪12FLと車体とを離間させる方向の捩り反力をスタビライザバー122が発生させる(白抜き矢印)。この捩り反力に抗って、右前輪12FRの車体車輪間距離を目標距離L*に変更する必要があり、右前輪12FRに対応する圧力室80FR内の圧力は上昇する。図10に、エアスプリング56の圧力室80内の圧力Pと実車体車輪間距離Lとの時間経過に対する変化を示す。横軸は、車高変更制御の実行が開始されてからの経過時間tを示しており、経過時間tが0からt1までは、右前輪12FRの車輪車体間距離が変更されており、経過時間tがt1からt2までは、左前輪12FLの車輪車体間距離が変更されている。
右前輪12FRに対応する圧力室80FR内へのエアの供給に伴って、図から解るように、右前輪12FRの圧力室80FR内の圧力PはP1にまで上昇し、右前輪12FRの実車体車輪間距離Lが目標距離L*まで変化する(実線,0<t<t1)。一方、左前輪12FLの圧力室80FLに対してエアが給排されないにも関わらず、左前輪12FLと車体とを離間させる方向の力、つまり、スタビライザバー122の捩り反力によって、左前輪12FLの実車体車輪間距離Lは長くなり、左前輪12FLの圧力室80FL内の圧力Pは低下する(一点鎖線,0<t<t1)。そして、右前輪12FRの車体車輪間距離が目標距離L*となった後に、右前輪12FRの圧力室80FRへのエアの供給が停止され、左前輪12FLの圧力室80FLへのエアの供給が開始される。左前輪12FLの圧力室80FL内へのエアの供給に伴って、左前輪12FLの圧力室80FL内の圧力PはP2にまで上昇し、左前輪12FLの実車体車輪間距離Lが目標距離L*まで変化する(一点鎖線,t1<t<t2)。
左前輪12FLの実車体車輪間距離Lが目標距離L*まで変化すると、右前輪12FRの車体車輪間距離と左前輪12FLの車体車輪間距離との差が小さくなる。このため、スタビライザバー122の捩り反力、つまり、右前輪12FRと車体とを接近させる方向の力が小さくなり、その右前輪12FRと車体とを接近させる方向の力の低下に伴って、右前輪12FRの圧力室80FRに対してエアが給排されないにも関わらず、右前輪12FRの実車体車輪間距離Lがα長くなる。このように、右前輪12FRの実車体車輪間距離Lを目標距離L*まで変化させた後に、左前輪12FLの実車体車輪間距離Lを目標距離L*まで変化させると、スタビライザバー122の発生させる捩り反力によって、右前輪12FRの実車体車輪間距離Lは目標距離L*よりα長くなる。つまり、左右前輪の車体車輪間距離が異なることになる。また、右前輪12FRの圧力室80FR内の圧力P1と左前輪12FLの圧力室80FL内の圧力P2とが異なることから、左右のエアスプリング56のばね定数が異なることになる。
以上のことに鑑みて、本システム10において車高変更制御が実行される際には、スタビライザバー122が捩り反力を発生させないようにしている。具体的には、スタビライザ装置120の備えるアクチュエータ126の電磁モータ140の作動モードを上記フリーモードにしている。電磁モータ140の作動モードをフリーモードにすることで、電磁モータ140による制動効果が殆ど得られないため、アクチュエータ126はあまり抵抗を受けることなく作動することになる。このため、車高を変更する際に、左右の車輪の一方のみの車体車輪間距離を変更しても、1対のスタビライザバー部材124はスタビライザバーとして機能せず、スタビライザバー122は捩り反力を発生しない。つまり、左右の車輪の車体車輪間距離が異なっていてもスタビライザバー122は捩られない状態となる。したがって、本システム10での車高変更制御においては、1輪毎に車体車輪間距離を目標距離L*に変化させても、左右輪の車体車輪間距離を目標距離L*に維持するとともに、左右のエアスプリング56のばね定数を同じにすることが可能となっている。
<制御プログラム>
本システム10において、上述の車高変更制御におけるエア給排装置90の制御は、図11にフローチャートを示す車高変更制御プログラムがエア給排装置コントローラ180によって実行されることで行われる。一方、スタビライザ装置14の制御は、図12にフローチャートを示すスタビライザ装置制御プログラムがスタビライザ装置コントローラ176によって実行されることで行われる。それら2つのプログラムは、イグニッションスイッチがON状態とされている間、短い時間間隔(例えば、数msec)をおいて繰り返し実行されており、並行して実行されている。以下に、それぞれの制御のフローを、図に示すフローチャートを参照しつつ、簡単に説明する。
i)車高変更制御プログラム
図11にフローチャートを示す車高変更制御プログラムは、エア給排装置90に対して実行されるプログラムであり、4つの車輪12に対応して設けられた4つのエアスプリング56全てに対して実行される。このプログラムに従う処理では、まず、ステップ1(以下、単に「S1」と略す。他のステップについても同様とする)において、運転者によって車高変更スイッチ206が操作されたか否かが判定される。つまり、設定車高が変更されたか否かが判定される。車高変更スイッチ206が操作されたと判定された場合には、S2において、その車高変更スイッチ206に基づいて目標距離L*が決定される。エア給排装置コントローラ180には、設定車高に対応する目標距離L*に関するマップデータが各車輪毎に格納されており、マップデータを参照することによって目標距離L*が決定される。
S3において、車高変更制御開始フラグFKのフラグ値が1とされる。車高変更制御開始フラグFKのフラグ値が1とされる場合には、車高変更制御が開始されていることを示しており、フラグ値が0とされる場合には、車高変更制御が終了していることを示している。次に、S4において、対応車輪フラグFSのフラグ値が1とされる。対応車輪フラグFSは、車体車輪間距離の変更の対象となる車輪を示すものであり、そのフラグFSのフラグ値1,2,3,4は、それぞれ右前輪,左後輪,左前輪,右後輪に対応するものとされている。続いて、S5において、前述した車高変更許容条件を充足しているか否かが判定され、充足していると判定された場合には、S6において、車高変更制御中断フラグFTのフラグ値が0とされる。車高変更制御中断フラグFTのフラグ値が0とされる場合には、車高変更制御が中断されていないことを示しており、フラグ値が1とされる場合には、車高変更制御が中断されていることを示している。
次に、S7において、対応車輪フラグFSの示す車輪に対応する実車体車輪間距離Lがその車輪に対応して設けられたストロークセンサ204によって取得される。続いて、S8において、その取得された実車体車輪間距離Lが対応車輪フラグFSの示す車輪に対応する目標距離L*となっているか否かが判定される。実車体車輪間距離Lが目標距離L*となっていないと判定された場合には、S9において、実車体車輪間距離Lと目標距離L*とが比較される。実車体車輪間距離Lが目標距離L*より小さいと判定された場合は、S10において、上記車高増加作動が実行され、実車体車輪間距離Lが目標距離L*より大きいと判定された場合は、S11において、上記車高減少作動が実行される。
また、S8において実車体車輪間距離Lが目標距離L*となっていると判定された場合には、S12において、対応車輪フラグFSのフラグ値が4とされているか否かが判定される。対応車輪フラグFSのフラグ値が4とされていないと判定された場合には、S13において、対応車輪フラグFSのフラグ値に1が加えられ、対応車輪フラグFSのフラグ値が4とされていると判定された場合には、S14において、車高変更制御開始フラグFKのフラグ値が0とされる。
また、S1において車高変更スイッチ206が操作されていないと判定された場合には、S15において、車高変更制御が開始されているか否かが判定される。つまり、車高変更制御開始フラグFKのフラグ値が1とされているか否かが判定される。車高変更制御開始フラグFKのフラグ値が1とされていると判定された場合には、S5以下の処理が上述したように実行され、車高変更制御開始フラグFKのフラグ値が0とされていると判定された場合には、本プログラムの1回の実行が終了する。また、S5において車高変更許容条件を充足していないと判定された場合には、S16において、車高変更制御中断フラグFTのフラグ値が1とされ、本プログラムの1回の実行が終了する。
ii)スタビライザ装置制御プログラム
図12にフローチャートを示すスタビライザ装置制御プログラムは、前後の車輪に対して設けられた1対のスタビライザ装置120の各アクチュエータ126ごとに実行されるが、以降の説明においては、説明の簡略化に配慮して、1つのアクチュエータ126に対しての処理について説明する。本プログラムに従う処理では、まず、S21において、車速vがブレーキECU200の演算値に基づいて取得され、S22において、ステアリングホイールの操作角δが、ステアリングセンサ190の検出値に基づいて取得される。続いて、S23において、取得された車速vおよび操作角δに基づいて推定横加速度Gycが推定され、S24において、車体に実際に発生する横加速度である実横加速度Gyrが、横加速度センサ192の検出値に基づいて取得される。そして、S25において、制御横加速度Gy*が、上述のように推定横加速度Gycと実横加速度Gyrとから決定される。
次に、S26において、車高変更制御が実行されているか否かが判定される。詳しく言えば、上記車高変更制御プログラムにおいて車高変更制御の実行が開始されており、かつ、車高変更制御の実行が中断されていないか否かが判定される。つまり、上記車高変更制御プログラムでの車高変更制御開始フラグFKのフラグ値が1とされており、かつ、車高変更制御中断フラグFTのフラグ値が0とされているか否かが判定される。各フラグFK,FTに関する情報は、スタビライザ装置コントローラ176がエア給排装置コントローラ180から必要に応じて取得する。車高変更制御が実行されていると判定された場合には、S27において、電磁モータ140の作動モードをフリーモードとする制御信号がインバータ174に送信される。また、車高変更制御が実行されていないと判定された場合には、S28において、決定された制御横加速度Gy*に基づき目標モータ回転角θ*が決定される。そして、S29において、その決定された目標モータ回転角θ*に基づき、前述のPI制御則に従う式に従って、目標供給電流i*が決定され、S30において、決定された目標供給電流i*に基づく制御信号がインバータ174に送信された後、本プログラムの1回の実行が終了する。
<コントローラの機能構成>
上記車高変更制御プログラム実行するエア給排装置コントローラ180は、それの実行処理に鑑みれば、図13に示すような機能構成を有するものと考えることができる。図から解るように、エア給排装置コントローラ180は、S1〜S13の処理を実行する機能部、つまり、1輪毎に車体車輪間距離を変更する車体車輪間距離変更制御を実行する機能部として、車体車輪間距離変更制御実行部220を備えている。その車体車輪間距離変更制御実行部220は、S5の処理を実行する機能部、つまり、車体車輪間距離を変更するための許容条件を充足しているか否かを判定する機能部として、変更許容条件判定部222を有している。
また、上記スタビライザ装置制御プログラムを実行するスタビライザ装置コントローラ176も、それの実行処理に鑑みれば、図13に示すような機能構成を有するものと考えることができる。図から解るように、スタビライザ装置コントローラ176は、S21〜S25,S27〜S30の処理を実行する機能部、つまり、スタビライザ力を制御してロール抑制制御を実行する機能部として、スタビライザ力制御装置として機能するロール抑制制御実行部224を、S27の処理を実行する機能部、つまり、スタビライザ力の発生を禁止する機能部として、スタビライザ力発生禁止部226を、それぞれ備えている。
<変形例>
上記システム10において、車高変更制御が実行されている場合には、左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なっていてもスタビライザバー122が捩られない状態となるように、電磁モータ140の作動モードが、その電磁モータ140の有する複数の通電端子210の全てを開放するようなモードであるフリーモードとされているが、電磁モータ140の作動モードを、その電磁モータ140の有する複数の通電端子210の間を相互に導通させるようなモードである全端子間導通モードとしてもよい。具体的には、インバータ174の高電位側スイッチング素子UHC,VHC,WHCのいずれもが、ON状態(閉状態)とされ、低電位側スイッチング素子ULC,VLC,WLCのいずれもが、OFF状態(開状態)としてもよい。それらON状態とされた高電位側スイッチング素子UHC,VHC,WHCにより、電磁モータ140の各相は、あたかも相互に短絡させられた状態となる。このような状態では、電磁モータ140に対して、いわゆる短絡制動の効果が得られることになり、アクチュエータ126は、車体ロール等による外部入力によって速度の大きな動作を強いられる場合には、比較的大きな抵抗を発揮するのである。一方で、エアスプリング56によって車体車輪間距離が変更される場合のように速度の遅い動作に対して、アクチュエータはあまり抵抗を受けることなく作動することになる。したがって、車高変更制御が実行されている場合に、電磁モータの作動モードを全端子間導通モードとすることでも、左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なっていてもスタビライザバーが捩られない状態とすることが可能となる。
また、上記システム10でのスタビライザ装置120においては、電磁式のアクチュエータ126が採用されているが、油圧式のアクチュエータを採用してもよい。油圧式のアクチュエータを採用する場合には、例えば、油圧式のアクチュエータの有するシリンダ装置によって1対のスタビライザバー部材を連結し、そのシリンダ装置を構成するシリンダハウジング内部の液室に対する作動液の流出入を許容する状態と禁止する状態とで切り換えるように構成する。液室に対する作動液の流出入を許容する状態においては、1対のスタビライザバー部材の相対回転が許容され、液室に対する作動液の流出入を禁止する状態においては、1対のスタビライザバー部材の相対回転が禁止されるように構成する。このように構成すれば、液室に対する作動液の流出入を許容することで、左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なっていてもスタビライザバーが捩られない状態とすることが可能となる。
また、上述のスタビライザ装置においては、1対のスタビライザバー部材によって構成されるスタビライバーが採用されているが、分割されていないスタビライザバーを採用してもよい。分割されていないスタビライザバーを採用する場合には、スタビライザバーの一方の端部とその端部に対応する車輪との間に、それらを連結した状態とそれらの連結を開放した状態とで切換可能な装置を設ける。このように構成すれば、その装置によってスタビライザバーの一方の端部と車輪との連結を開放することで、左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なっていてもスタビライザバーが捩られない状態とすることが可能となる。つまり、その装置が捩り状態切換装置として機能するのである。
10:車両用サスペンションシステム 12:車輪 56:エアスプリング(流体式スプリング) 90:エア給排装置(流体流出入装置) 120:スタビライザ装置 122:スタビライザバー 126:アクチュエータ(捩り状態切換装置) 170:スタビライザ装置電子制御ユニット(捩り状態切換装置制御装置) 172:エア給排装置電子制御ユニット(流体流出入装置制御装置) 174:インバータ(捩り状態切換装置)

Claims (1)

  1. 左右の車輪に対応して設けられ、それぞれが、対応する車輪と車体との間に配設されるとともに、流体の流出・流入によって対応する車輪と車体との上下方向における距離である車体車輪間距離を変更する1対の流体式スプリングと、
    それら1対の流体式スプリングの各々に対して流体を流出・流入させる流体流出入装置と、
    (a)両端部が左右の車輪に連結されるとともに、自身の捩り反力に依拠した力であるスタビライザ力を発生させるスタビライザバーと、(b)前記スタビライザバーが左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なる場合に捩られる状態と、それら車体車輪間距離が異なっていても捩られない状態とで切り換える捩り状態切換装置とを有するスタビライザ装置と、
    左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離がその各々に対応する目標車体車輪間距離となるように前記流体流出入装置を制御する制御装置であって、左右の車輪の一方に対応する車体車輪間距離を変更し、その一方に対応する車体車輪間距離がその一方に対応する目標車体車輪間距離となった後に、左右の車輪の他方に対応する車体車輪間距離を変更することで車体車輪間距離を一輪毎に変更する車体車輪間距離変更制御を実行する流体流出入装置制御装置と
    前記捩り状態切換装置を制御する制御装置であって、前記車体車輪間距離変更制御が実行されている場合に、前記スタビライザバーが左右の車輪の各々に対応する車体車輪間距離が異なっていても捩られない状態となるように前記捩り状態切換装置を制御する捩り状態切換装置制御装置と
    を備えた車両用サスペンションシステム。
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