JP4960560B2 - 標的核酸配列の検出法 - Google Patents
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Description
(発明の分野)
本発明は、一般に、標的核酸配列の検出または測定法に関する。
【0002】
(発明の背景)
DNA複製、組換え、および修復の忠実度は、ゲノム安定性の維持に必須であり、これら全ての過程が全ての生物に存在する5’→3’エキソヌクレアーゼ酵素に依存する。DNA修復には、これらの酵素が損傷フラグメントの切り出しおよび組換えによるミスマッチの修正に必要である。複製には、これらのヌクレアーゼは、ラギング鎖のDNA合成中の岡崎フラグメントの有効な処理に重要である。Escherichia coliでは、この後者の活性は、DNAポリメラーゼI(PolI)によって得られ、PolI5’→3’エキソヌクレアーゼドメイン中の不活化変異を有するE.coli株は、岡崎フラグメントを処理する能力がないために生存不可能である。しかし、真核生物のDNAポリメラーゼは、内因性5’→3’エキソヌクレアーゼドメインを欠き、この重要な活性は、5’DNAフラップのエンドヌクレアーゼとしても作用する複合作用性構造特異性金属ヌクレアーゼFEN−1(5’エキソヌクレアーゼ1またはフラップエンドヌクレアーゼ1)によって得られる(Hosfieldら、1998a、Cell、95、135で概説)。
【0003】
酵素が標識核酸フラグメントを生成する核酸の検出および/または測定法は当該分野で公知である。
【0004】
米国特許第5,843,669号、同第5,719,028号、同第5,837,450号、同第5,846,717号、および同第5,888,780号は、5’標識標的DNAをThermus aquaticusから単離したDNAポリメラーゼ(Taqポリメラーゼ)および所望の切断点で配列にハイブリッド形成することができる部分的相補オリゴヌクレオチドと共にインキュベーションして標的DNA分子を切断する方法を開示している。部分的相補オリゴヌクレオチドにより、所望の切断部位と反対に3’伸長する二重鎖を含む基質構造の形成を介してTaqポリメラーゼに標的DNAが指向されて、オリゴヌクレオチドの非相補領域から3’アームが得られ、基質分子の非アニーリング5’領域から5’アームが得られる。部分的相補オリゴヌクレオチドには、短いヘアピンを形成することができる3’ヌクレオチド伸長が含まれる。標識フラグメントの放出は、Taqポリメラーゼによる切断後に検出される。
【0005】
米国特許第5,843,669号、同第5,719,028号、同第5,837,450号、同第5,846,717号、および同第5,888,780号は、合成活性および野生型熱安定性ヌクレアーゼ活性をほとんど含まないか該活性が検出不可能な変異体熱安定性DNAポリメラーゼの生成を開示している。変異体ポリメラーゼは、5’→3’合成活性を欠くので有用であるといわれている。したがって、合成活性は検出アッセイにおけるDNA切断と組み合わせた際の望ましくない副作用である。
【0006】
米国特許第5,843,669号、同第5,719,028号、同第5,837,450号、同第5,846,717号、および同第5,888,780号は、合成活性を欠く野生型Taqポリメラーゼまたは変異体Taqポリメラーゼはヘアピン構造の3’に結合するプライマーの存在下での熱変性および冷却によって形成された5’末端標識ヘアピン構造の切断によって標識フラグメントを放出することができることを開示している。さらに、米国特許第5,843,669号、同第5,719,028号、同第5,837,450号、同第5,846,717号、および同第5,888,780号は、合成活性を欠く変異体Taqポリメラーゼはヘアピン構造の3’アームに結合するプライマーの非存在下でもこのヘアピン構造を切断することができることを教示している。
【0007】
米国特許第5,843,669号、同第5,719,028号、同第5,837,450号、同第5,846,717号、および同第5,888,780号はまた、合成活性を欠く変異体Taqポリメラーゼによってヘパリン構造の3’アームが結合するプライマーの存在下でのこのヘパリン構造の切断により1種類の標識切断産物が得られる一方で、野生型Taq酵素の高レベルの合成活性のために野生型Taqポリメラーゼは複数の切断産物を生成し、dNTPの存在下でヘアピンン構造が二本鎖形態に変換されることを開示している。
【0008】
核酸ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性は、一定の核酸の複製を減少させることができる。核酸ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性の非存在下で核酸切断反応を使用したシグナルの発生法も当該分野で必要とされている。
【0009】
米国特許第5,843,669号、同第5,719,028号、同第5,837,450号、同第5,846,717号、および同第5,888,780号はまた、野生型ではなく合成活性の減少を示す変異体Taqポリメラーゼは、5’末端標識標的核酸および標的核酸の5’および3’領域がオリゴヌクレオチドとアニーリングせずに一本鎖を維持するように標的核酸の一部にハイブリッド形成している相補オリゴヌクレオチドを含む線状核酸基質の切断により1つの標識フラグメントを放出することができることを開示している。
【0010】
核酸ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性の非存在下で核酸切断反応を使用して、ヌクレアーゼ夾雑物から生成され得るオリゴヌクレオチドフラグメントとは容易に区別することができる別のサイズのシグナルの発生法が当該分野で必要とされている。
【0011】
米国特許第5,843,669号、同第5,719,028号、同第5,837,450号、同第5,846,717号、および同第5,888,780号はまた、天然に存在する二次構造での標識核酸基質の切断法を開示している。この方法によれば、ビオチン標識DNA基質をPCRによって調製し、野生型TaqポリメラーゼまたはCleavaseBN(合成活性および野生型5’→3’ヌクレアーゼ活性が減少した変異体Taqポリメラーゼ)と混合し、95℃で5秒間インキュベートして基質を変性させ、その後即座に65℃に冷却し、相補塩基間の鎖内水素結合の形成によってDNAの固有の二次構造を想定する。反応混合物を65℃でインキュベートして切断し、ビオチン化切断産物を検出する。
【0012】
切断構造を二次構造領域に含める必要のない核酸ポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性の非存在下での核酸切断反応を使用したシグナルの発生法が当該分野で必要とされている。
【0013】
FEN−1酵素を使用して標識核酸フラグメントを生成する核酸の検出および/または測定法は当該分野で公知である。
【0014】
米国特許第5,843,669号は、合成活性の減少を示す変異体Taqポリメラーゼの存在下または非存在下で熱安定性FEN−1ヌクレアーゼを使用した切断酵素フラグメント長多形分析による多形検出法を開示している。本方法によれば、二本鎖C型肝炎ウイルス(HCV)DNAフラグメントを、PCR反応において5’末端標識プライマー(TMR蛍光色素で標識)を使用して標識する。TMR標識PCR産物を、95℃への加熱によって変性し、55℃に冷却して切断構造を作製する。米国特許第5,843,669号は、切断構造は二次構造を含む一本鎖核酸基質領域を含むことを開示している。CleavaseBNヌクレアーゼ、古細菌Methanococcus jannaschii由来のFEN−1ヌクレアーゼ、またはその両方の酵素の存在下で切断する。標識反応産物をゲル電気泳動で視覚化し、蛍光画像処理を行う。米国特許第5,843,669号は、CleavaseBNヌクレアーゼおよびMethanococcus jannaschii FEN−1ヌクレアーゼにより容易に相互が識別される切断パターンが得られ、両酵素を含む反応由来の切断パターンにはそれぞれの酵素での切断によって得られるパターンのエレメントを含むが各酵素によって得られた単なる切断パターン複合物ではないことを開示する。これは、1つの酵素によって切断されていない(そして、この酵素パターンでのバンドとして認められる)フラグメントのいくつかを、同一の反応混合物で第2の酵素によって切断することができることを示す。
【0015】
Lyamichevらは、標的DNA領域に部分的に相補的なオリゴヌクレオチドプローブの重複対を標的DNAと混合して5’フラップ領域を形成し、熱安定性FEN−1ヌクレアーゼによる標識下流プローブの切断によって標識切断産物が得られる、DNAの検出法を開示している。Lyamichevらはまた、切断シグナルを増幅してアトモル以下のレベルで標的DNAを定量的に検出することができる、下流オリゴヌクレオチドプローブの複数のコピーを熱サイクリングの非存在下で1つの標的配列について切断することができる反応条件を開示している(Lyamichevら、1999、Nat.Biotechnol.、17、292)。
【0016】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、米国特許第4,683,202号、同第4,683,195号、および同第4,800,159号で開示されている。その最も単純な形態では、PCRは反対の鎖とハイブリッド形成し、標的DNA中の目的の領域に隣接する2つのオリゴヌクレオチドを使用したインビトロでの特異的DNA配列の酵素合成法である。テンプレートの変性、プライマーのアニーリング、およびDNAポリメラーゼによるアニーリングしたプライマーの伸長を含む連続した一連の反応工程により、末端がプライマーの5’末端によって特徴づけられた特定のフラグメントが指数関数的に蓄積される。PCRにより109の特定のDNA配列の選択的富化が可能であると報告されている。PCR法はまた、Saikiら、1985、Science、230、1350に記載されている。
【0017】
PCR技術は非常に強力な核酸配列増幅法であるが、増幅物質の検出には標的DNAが存在するかどうかを同定するためのさらなる操作およびPCR産物の操作が必要である。増幅物質の検出に現在必要とされるその後の操作工程数を減少させることが望ましい。標的配列が増幅している間にシグナルが発生するアッセイ系では、増幅工程でシグナルを発生しないPCRと比較して増幅物質の検出に必要な操作工程はより少ない。
【0018】
米国特許第5,210,015号および同第5,487,972号は、増幅すべき核酸、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有するTaqポリメラーゼ、増幅領域に相補的な領域を含む5’、3’、または5’および3’末端標識プローブ、ならびにさらなる非相補性5’テール領域の存在下でのPCR反応の増幅工程中にシグナルを発生する工程を包含するPCRベースの標識プローブ放出アッセイを開示している。米国特許第5,210,015号および同第5,487,972号は、Taqポリメラーゼが重合依存様式(例えば、dNTPの存在下)で上流プローブによって標識プローブ付近に位置付けられた場合、このPCRベースのアッセイによりハイブリッド形成プローブの5’標識末端を遊離することができることをさらに開示している。
【0019】
複数の工程を必要としない標的核酸配列の検出または測定法が当該分野で必要とされている。
【0020】
増幅処理過程後に複数の工程を必要としない標的核酸配列のPCR検出または測定処理過程もまた当該分野で必要とされている。
【0021】
サンプル中の標的核酸配列の同時増幅および検出が可能な標的核酸配列のPCR検出または測定処理過程もまた当該分野で必要とされている。
【0022】
5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く核酸ポリメラーゼの存在下でPCR処理を行う標的核酸配列のPCR検出または測定処理過程もまた当該分野で必要とされている。
【0023】
(発明の要約)
本発明は、標的核酸配列を含むサンプルと核酸ポリメラーゼとのインキュベーションによって切断構造を形成させる工程と、前記切断構造をFENヌクレアーゼで切断してシグナルを発生させる工程とを包含し、前記シグナルの発生がサンプルにおける標的核酸配列の存在の指標となる、前記サンプル中の標的核酸配列の存在の指標となるシグナルの発生法を提供する。
【0024】
本明細書中で使用される、「FENヌクレアーゼ」は、本発明の切断構造を切断する酵素をいう。用語「FENヌクレアーゼ」には、実質的に5’エキソヌクレアーゼおよび/またはエンドヌクレアーゼ活性からなる酵素を含む。本明細書中で使用される、「実質的に〜からなる」は、5’→3’合成活性および3’一本鎖フラップ切断活性(すなわち、ヌクレオチド内部結合分解活性および/または3’ヌクレオチド末端結合分解活性)の一方または両方を実質的に欠き主要な酵素活性が5’ヌクレオチド末端結合分解活性および/またはヌクレオチド内部結合分解活性である酵素をいう。「実質的に欠く」は、野生型酵素(例えば、5’→3’合成活性および3’ヌクレオチド内部結合分解活性および/または3’ヌクレオチド末端結合分解活性については、酵素はこれらの活性を有する野生型DNAポリメラーゼであり得る)の5%または10%ほど、好ましくは0.1%、0.5%、または1%未満のFENヌクレアーゼ活性を有することを意味する。例えば、合成の全方向が5’→3’方向であるようなオリゴヌクレオチドプライマーの成長末端での3’水酸基と次のデオキシヌクレオチドの5’リン酸基との間のリン酸ジエステル結合の形成を含むニックトランスレーションアッセイまたは酵素配列決定反応において、5’→3’合成活性を測定することができる。DNA二重鎖の(標識)3’末端は不対であり、二重鎖から切断されるので、DNA合成反応で3’フラップ切断を測定することができる。5’エキソヌクレアーゼおよび/またはエンドヌクレアーゼ活性「からなる」FENヌクレアーゼは、5’→3’合成活性および/または3’一本鎖フラップ切断活性を「欠く」酵素をいう。「欠く」は、FENヌクレアーゼが検出可能な活性を有さないか、「微小な」活性(すなわち、野生学酵素活性の1.0%、0.5%、0.1%、または0.01%未満)しか有さないことを意味する。本明細書中で使用される、「FENヌクレアーゼ」は、5’フラップ特異性ヌクレアーゼを含む。
【0025】
本明細書中で使用される、「野生型」は、天然に存在する供給源から単離された場合、遺伝子または遺伝子産物の特徴を有する(すなわち、遺伝子配列を有するかコードし、または酵素の配列または活性を有する)遺伝子または遺伝子産物をいう。
【0026】
本発明の「5’フラップ特異性ヌクレアーゼ」(本明細書中では「フラップ特異性ヌクレアーゼ」ともいう)は、5’一本鎖として突出する一本鎖フラップを取り除くことができるエンドヌクレアーゼである。本発明のフラップ特異性ヌクレアーゼはまた、偽Y構造を切断することができる。本発明のフラップ特異性ヌクレアーゼの基質は、標的核酸、第2の核酸、標的核酸と特異的にハイブリッド形成するその一部、標的核酸配列と特異的にハイブリッド形成する第3の核酸由来のプライマー伸長物を含む。
【0027】
本明細書中で使用される、「切断構造」は、フラップ、ループ、一本鎖バブル、Dループ、ニック、またはギャップを含む一本鎖構造を有する少なくとも二重鎖核酸を含むポリヌクレオチド構造(例えば、図1に例示)をいう。したがって、本発明の切断構造は分岐DNAのフラップ鎖を含むポリヌクレオチド構造を含み、5’一本鎖ポリヌクレオチドフラップはその構造の二本鎖部分との接合部付近の位置から伸長し、好ましくは、フラップは検出可能な標識で標識されている。本発明の切断構造のフラップは、好ましくは、約1〜500ヌクレオチド、より好ましくは約5〜25ヌクレオチド、最も好ましくは約10〜20ヌクレオチドであり、フラップ鎖の肘部から1ヌクレオチド中央寄りおよび/または1ヌクレオチド離れた位置で切断されることが好ましい。
【0028】
本発明の切断構造は標的核酸配列を含むことが好ましく、標的核酸配列と特異的にハイブリッド形成するオリゴヌクレオチドおよびハイブリッド形成オリゴヌクレオチドからのフラップ伸長を含み得る。例えば、本発明の切断構造は、標的核酸配列(例えば、図3のB)、標的配列に相補的な上流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のA)、および標的配列に相補的な下流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のC)を含み得る。このような切断構造では、下流オリゴヌクレオチドを、3’末端で遮断して下流オリゴヌクレオチドの3’末端の伸長を防止することができる。
【0029】
本発明の切断構造は、核酸ポリメラーゼの合成活性による上流オリゴヌクレオチドの伸長および下流オリゴヌクレオチドの5’末端のその後の部分的置換によって形成される、下流オリゴヌクレオチドから伸長したフラップを含むポリヌクレオチド構造であり得る。
【0030】
本発明の切断構造を、標的核酸配列にアニーリングする相補領域および標的核酸配列にアニーリングしないで5’フラップを形成する非相補領域を含むオリゴヌクレオチドと標的核酸配列とのハイブリッド形成により形成することができる。
【0031】
切断構造はまた、フラップの上流鎖(本明細書中ではフラップ隣接鎖またはプライマー鎖という)が取り除かれた場合に形成される偽Y構造およびギャップまたはニックを含む二本鎖DNA基質であり得る。本明細書中で使用される、「切断構造」は、3’一本鎖フラップのみを有する二本鎖核酸構造を含まない。本明細書中で使用される、「切断構造」にはリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドが含まれるで、RNAまたはDNAであり得る。
【0032】
本発明の切断構造は、標的核酸配列にハブリッド形成することができる上流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のA)の3’末端が標的化核酸配列にアニーリングする下流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のC)の1塩基対に相補的である重複フラップであってよく、この重複は一本鎖フラップの伸長点の直接的に下流である。
【0033】
本発明の切断構造を、1.a)上流の伸長可能な3’末端(好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマー)、b)上流プライマーの5000ヌクレオチド下流以下に存在するオリゴヌクレオチドプライマー、c)標的配列が上流プライマーおよび下流プローブの両方に相補的な適切な標的核酸配列、およびd)適切な緩衝液とを核酸配列をオリゴヌクレオチドプライマーにハイブリッド形成可能な条件下でインキュベートする工程と、2.新規に合成された上流オリゴヌクレオチドの3’末端の少なくとも一部(すなわち、少なくとも5〜10ヌクレオチド)が下流オリゴヌクレオチドプローブの5’末端に隣接するか置換するようなポリメラーゼの合成活性によって上流オリゴヌクレオチドプライマーの3’末端を伸長させる工程によって形成する。本発明の方法によれば、緩衝液および伸長温度は本発明の特定の核酸ポリメラーゼによる鎖置換に有利である。好ましくは、下流オリゴヌクレオチドを3’末端で遮断して、下流オリゴヌクレオチドの3’末端の伸長を防止する。本発明の別の実施形態では、本発明の切断構造は、標的核酸配列を、該標的核酸配列とはアニーリングしないで5’フラップを形成する非相補5’領域および該標的核酸配列にアニーリングする相補3’領域とを含むオリゴヌクレオチドと共にインキュベーションして調製することができる。
【0034】
本発明の好ましい実施形態では、切断領域を標識する。本発明の標識切断構造を、1.a)上流の伸長可能な3’末端(好ましくは、オリゴヌクレオチドプライマー)、b)標識プローブ(好ましくは、上流プライマーの5000ヌクレオチド下流以下、より好ましくはは500ヌクレオチド下流以下に存在する)、c)標的配列がプライマーおよび標識プローブの両方に相補的な適切な標的核酸配列、およびd)適切な緩衝液とを、核酸配列がプライマーにハイブリッド形成可能な条件下でインキュベートする工程と、2.新規に合成された上流プライマーの3’末端が下流プローブの5’末端を部分的に置換するようなポリメラーゼの合成活性によって上流プライマーの3’末端を伸長させる工程によって形成する。本発明の方法によれば、緩衝液および伸長温度は本発明の特定の核酸ポリメラーゼによる鎖置換に有利である。好ましくは、下流オリゴヌクレオチドを3’末端で遮断して、下流オリゴヌクレオチドの3’末端の伸長を防止する。別の実施形態では、本発明の切断構造は、標的核酸配列を、該標的核酸配列とアニーリングしないで5’フラップを形成する非相補標識5’領域および該標的核酸配列にアニーリングする相補3’領域とを含むプローブとともにインキュベーションして調製できる。
【0035】
本明細書中で使用される、「標識」または「シグナルを発生することができる標識部分」は、検出可能な(好ましくは、定量可能な)シグナルの発生に使用することができ、核酸に作動可能に連結することができる任意の原子または分子をいう。標識により、蛍光、放射能、比色定量、重力測定、X線回折または吸収、磁性、酵素活性、質量分析、結合親和性、ハイブリッド形成高周波などによって検出可能なシグナルを発生させることができる。
【0036】
本明細書中で使用される、「シグナルの発生」は、サンプル中の標的核酸配列の存在の指標としての放出核酸フラグメントの検出または測定をいう。
【0037】
本明細書中で使用される、「サンプル」は、目的の核酸(標的核酸配列)を含むか含むと予想されるか、それ自体が目的の標的核酸配列を含むか含むと予想される任意の物質をいう。したがって、用語「サンプル」には、核酸(ゲノムDNA、cDNA、RNA)、細胞、生物、組織、流体、または物質(例えば、血漿、血清、髄液、リンパ液、滑液、尿、涙、便;皮膚、気管、腸および尿生殖路の外分泌物;唾液、血球、腫瘍、器官、組織、インビトロ細胞培養成分のサンプル、天然の単離物(飲料水、海水、固体物質など)、微生物試料、ならびに核酸トレーサー分子で「標識された」対象物または試料を含むがこれらに限定されない)のサンプルが含まれる。
【0038】
本明細書中で使用される、「標的核酸配列」または「テンプレート核酸配列」は、複製、増幅、および/または検出すべき核酸領域をいう。1つの実施形態では、「標的核酸配列」または「テンプレート核酸配列」は、増幅に使用する2つのプライマー配列の間に存在する。
【0039】
本明細書中で使用される、「核酸ポリメラーゼ」は、ヌクレオシド三リン酸の重合を触媒する酵素をいう。一般に、この酵素は、標的配列にアニーリングするプライマーの3’末端での合成を開始し、テンプレートに沿った5’方向で処理し、5’→3’ヌクレアーゼ活性を有する場合、合成が終結するまで介在するアニーリングプローブを加水分解して標識および非標識プローブフラグメントを放出する。公知のDNAポリメラーゼには、例えば、E.coli DNAポリメラーゼI、T7 DNAポリメラーゼ、Thermus thermophilus(Tth)DNAポリメラーゼ、Bacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ、Thermococcus litoralis DNAポリメラーゼ、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ、およびPyrococcus furiosus(Pfu)DNAポリメラーゼが含まれる。
【0040】
本明細書中で使用される、「5’→3’エキソヌクレアーゼ活性」または「5’→3’エキソヌクレアーゼ活性」は、モノヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドが連続的様式でポリヌクレオチドの5’末端から除去され(すなわち、E.coli DNAポリメラーゼIはこの活性を有するがクレノウ(Klenowら、1970、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、65、168)フラグメントは有さない(Klenowら、1971、Eur.J.Biochem.、22、371))、またはポリヌクレオチドは5’→3’エキソヌクレアーゼ活性に固有に存在し得るヌクレオチド末端結合分解活性によって5’末端から除去される、いくつかのDNAポリメラーゼに伝統的に関連するテンプレート特異性核酸ポリメラーゼ活性(例えば、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性)をいう。
【0041】
本明細書中で使用される、「5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を本質的に欠く」は、野生型酵素活性の10%、5%、1%、0.5%、または0.1%未満であることを意味する。「5’から3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く」または「5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く」は、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性が検出不可能であるか、野生型酵素の5’→3’エキソヌクレアーゼ活性の約1%、0.5%、または0.1%であることを意味する。5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を、適切な緩衝液(例えば、10mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM MgCl2、および50μg/mlウシ血清アルブミン)の存在下、60℃で30分間ニック基質を切断する工程と、10mM EDTAおよび1mg/mlブロモフェノールブルーを含む95%ホルムアミドの添加よって切断反応を終結させる工程と、ニックまたは非ニック産物を検出する工程を包含するエキソヌクレアーゼアッセイによって測定することができる。
【0042】
本発明で有用な核酸ポリメラーゼには、Pfu、エキソPfu(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuの変異形態)、TaqのStoffelフラグメント、N短縮Bst、N短縮Bca、Genta、JdF3、エキソ、Vent、Ventエキソ(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くVentの変異形態)、U1Tma、およびシクエナーゼが含まれるが、これらに限定されない。本発明で有用なさらなる核酸ポリメラーゼは、以下の「核酸ポリメラーゼ」の項のものが含まれる。
【0043】
本明細書中で使用される、「切断」は、切断構造を別の(すなわち、リン酸ジエステル結合によって他のフラグメントまたは核酸と物理的に連結していない)フラグメントまたはヌクレオチドと切断構造から放出されるフラグメントとに酵素によって分離することをいう。例えば、標識切断構造の切断は、本発明の以下に定義の標識切断構造を標的核酸配列と特異的にハイブリッド形成したオリゴヌクレオチド由来のフラグメントを含む別々のフラグメントへ分離することをいい、また、別のフラグメントの1つは、標的核酸配列由来および/または標識フラグメントに存在する標識部分の検出に適切な当該分野で公知であり本明細書中に記載方法によって検出および/または測定することができる標的核酸配列と特異的にハイブリッド形成するオリゴヌクレオチド由来の標識核酸フラグメントである。
【0044】
本明細書中で使用される、「エンドヌクレアーゼ」は、核酸分子内の結合(好ましくは、リン酸ジエステル結合)を切断する酵素をいう。本発明のエンドヌクレアーゼは、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAに特異的であり得る。
【0045】
本明細書中で使用される、「エキソヌクレアーゼ」は、ヌクレオチド間の結合(好ましくは、リン酸ジエステル結合)をポリヌクレオチドの末端から1つずつ切断する酵素をいう。本発明のエキソヌクレアーゼは、DNAまたはRNA分子の5’または3’末端に特異的であり得るので、本明細書中では5’エキソヌクレアーゼまたは3’エキソヌクレアーゼという。
【0046】
本明細書中で使用される、「フラップ」は、二本鎖核酸分子から伸長した一本鎖DNA領域をいう。本発明のフラップは、好ましくは約1〜500ヌクレオチド、より好ましくは約5〜25ヌクレオチド、最も好ましくは約10〜20ヌクレオチドである。
【0047】
好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠く。
【0048】
好ましい実施形態では、切断構造は、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを含む。
【0049】
本発明はまた、標的核酸配列を含むサンプルと核酸ポリメラーゼとのインキュベーションによって切断構造を形成させる工程と、前記切断構造をFENヌクレアーゼで切断して核酸フラグメントを放出させる工程と、前記サンプルにおける標的核酸配列の存在の指標として前記フラグメントの放出を検出および/または測定する工程とを包含する、標的核酸配列の検出または測定法を提供する。
【0050】
本明細書中で使用される、「標的核酸配列の検出」または「標的核酸配列の測定」は、サンプル中の特定の標的核酸配列の存在の同定またはサンプル中の標的核酸配列の存在の指標としてのサンプル中の特定の標的核酸配列の量の同定をいう。測定または検出することができる標的核酸配列の量は、好ましくは約1分子〜1020分子、より好ましくは約100分子〜1017分子、最も好ましくは約1000分子〜1014分子である。本発明によれば、検出される核酸は、本発明の切断構造の下流プローブ(例えば、図3のC)の標識5’末端由来であり、これは標的核酸配列が本発明の切断構造の上流プローブ(例えば、図3のA)の3’伸長に置換されたものである。本発明によれば、本発明の切断構造を含む下流プローブ(例えば、図3のC)の5’末端に標識を結合させる。あるいは、下流プローブの3’末端に標識を結合し、下流プローブの5’フラップにクエンチ剤を結合させる。本発明によれば、本発明の切断構造を含む下流プローブ(例えば、図3のC)の3’末端に標識を結合させることができる。
【0051】
本発明によれば、下流プローブ(例えば、図3のC)を内部標識することができる。好ましい実施形態では、本発明の切断構造は、標的核酸配列と、該標的核酸配列にアニーリングしないで5’フラップを形成し得る非相補標識5’領域および前記標的核酸配列にアニーリングする相補3’領域からなるプローブとをインキュベーションして調製することができる。本発明のこの実施形態によれば、検出される核酸は、プローブの標識5’フラップ領域由来である。標的核酸配列の量と切断され検出された核酸によって発生したシグナルとの間に直接的な相関関係が存在することが好ましい。
【0052】
本明細書中で使用される、「標識フラグメント放出の検出」または「標識フラグメント放出の測定」は、サンプル中の標識フラグメントの存在の同定またはサンプル中の標識フラグメントの量の同定をいう。当該分野で周知であり且つ本明細書中に記載の方法を使用して、標識フラグメントの放出を検出または測定することができる。標識フラグメント放出の検出または測定法は、標識フラグメント上に存在する標識部分の測定または検出で適正に行なわれる。測定または検出することができる放出標識フラグメントの量は、標識プローブの全開始量の好ましくは約25%、より好ましくは約50%、最も好ましくは約95%である。
【0053】
本明細書中で使用される、「標識フラグメント」は、本発明の標識切断構造由来の切断モノヌクレオチド、小さなオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドをいい、前記切断オリゴヌクレオチドは、FENヌクレアーゼによって切断構造から切断された好ましくは約2〜1000ヌクレオチド、より好ましくは約5〜50ヌクレオチド、最も好ましくは約16〜18ヌクレオチドであり、当該分野で周知であり且つ本明細書中に記載の方法で検出することができる。
【0054】
好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠く。
【0055】
別の好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼはDNAポリメラーゼである。
【0056】
別の好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは熱安定性である。
【0057】
本明細書中で使用される、「熱安定性」は、類似の活性を有する非熱安定性型酵素と比較して、好ましくは約90〜100℃、より好ましくは約70〜98℃ほどの熱に対して安定且つ活性な酵素をいう。例えば、好温性生物(P.furiosus、M.jannaschii、A.fulgidus、またはP.horikoshiiなど)由来の熱安定性核酸ポリメラーゼまたはFENヌクレアーゼは、E.coli由来の核酸ポリメラーゼまたは哺乳動物FEN酵素と比較して、高温でより安定且つ活性が高い。Thermus aquaticus(Taq)から単離された体表的な熱安定性核酸ポリメラーゼは、米国特許第4,889,818号に記載されており、従来のPCRでのその使用法は、Saikiら、1988、Science、239、487に記載されている。P.furiosus(Pfu)から単離された別の代表的な熱安定性核酸ポリメラーゼは、Lundbergら、1991、Gene、108、1〜6に記載されている。さらなる代表的な熱安定性ポリメラーゼには、例えば、好温性細菌Thermus flavus、Thermus ruber、Thermus thermophilus、Bacillus stearothermophilus(列挙した他の細菌よりも幾らか低い至適温度を有する)、Thermus lacteus、Thermus rubens、Thermotoga maritimaまたは好温性古細菌Thermococcus litoralisおよbMethanothermus fevidusから抽出されたポリメラーゼが含まれる。
【0058】
PCRサイクル中の高温(約95℃)への暴露によって二本鎖核酸を変性する熱サイクル過程では温度安定性ポリメラーゼおよびFENヌクレアーゼが好ましい。
【0059】
別の好ましい実施形態では、FENヌクレアーゼはフラップ特異性ヌクレアーゼである。
【0060】
別の好ましい実施形態では、FENヌクレアーゼは熱安定性である。
【0061】
別の好ましい実施形態では、シグナルを得ることができる少なくとも1つの標識部分を含む切断構造が形成される。
【0062】
別の好ましい実施形態では、標識部分がFENヌクレアーゼ切断に感受性を示す部位で分離しているので、前記FENヌクレアーゼに感受性を示す部位での切断により第2の相互作用的シグナル発生標識部分から第1の相互作用性シグナル発生標識部分を分離するFENヌクレアーゼのヌクレアーゼ活性により検出可能なシグナルを発生する、検出可能なシグナルの発生を有効にクエンチするように存在する一対の相互作用的シグナル発生標識部分を含む切断構造が形成される。
【0063】
別の好ましい実施形態では、一対の相互作用シグナル発生部分はクエンチ剤部分および蛍光部分を含む。
【0064】
別の好ましい実施形態では、切断構造は少なくとも1つのオリゴヌクレオチドプライマーを含む。
【0065】
本発明はまた、切断構造を得る工程と、第1のプライマーが標的核酸配列の第1の鎖の領域に相補的な配列を含み、且つ相補DNA鎖の合成を開始し、第2のプライマーが標的核酸配列の第2の鎖の領域に相補的な配列を含み、且つ相補DNA鎖の合成を開始する1組のオリゴヌクレオチドプライマーを得る工程と、(i)標的核酸配列内に含まれるテンプレート核酸配列に対して増幅に必要なプライマーをアニーリングして切断構造の標的核酸配列への形成に必要なプライマーをアニーリングし、(ii)核酸ポリメラーゼがプライマー伸長産物を合成してプライマーを伸長し、(iii)前記切断構造からの標識フラグメントの放出用の切断剤としてFENヌクレアーゼを使用して前記切断構造を切断して検出可能な標識フラグメントを獲得するPCRサイクル工程に許容的な条件下でテンプレート依存性重合剤として前記核酸ポリメラーゼを使用して標的核酸配列を増幅する工程と、(d)サンプル中の標的核酸配列の存在の指標としての標識フラグメントの放出を検出および/または測定する工程とを包含する、サンプル中の標的核酸配列検出のためのポリメラーゼ連鎖反応法を提供する。
【0066】
本発明は、標的核酸配列の増幅および検出を同時に行う(すなわち、リアルタイム検出)ポリメラーゼ連鎖反応法を提供する。本発明はまた、標的核酸配列の検出前に標的核酸配列の増幅を行う(すなわち、終点検出)を提供する。
【0067】
本明細書中で使用される、「オリゴヌクレオチドプライマー」は、核酸テンプレートにハイブリッド形成し、第2の核酸鎖の酵素合成を開始させる一本鎖DNAまたはRNA分子をいう。本発明で有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、約10〜100ヌクレオチド長、好ましくは約17〜50ヌクレオチド長、より好ましくは約17〜45ヌクレオチド長である。本発明の切断構造の形成に有用なオリゴヌクレオチドプローブは、約17〜40ヌクレオチド長、好ましくは約17〜30ヌクレオチド長、より好ましくは約17〜25ヌクレオチド長である。
【0068】
本明細書中で使用される、「テンプレート依存性重合剤」は、適切な塩、金属陽イオン、適切な安定剤、およびpH緩衝系を含む反応媒体中での適量の4つのデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dATP、dGTP、dCTP、およびdTTP)または本明細書中に記載のアナログの存在下でオリゴヌクレオチドプライマーを伸長させることができる酵素をいう。テンプレート依存性重合剤は、プライマーおよびテンプレート依存性DNA合成を触媒し、5’→3’ヌクレアーゼ活性を有することが公知の酵素である。好ましくは、本発明のテンプレート依存性重合剤は、5’→3’ヌクレアーゼ活性を欠く。
【0069】
本明細書中で使用される、「増幅」は、ポリメラーゼ連鎖反応法を含む核酸配列のさらなるコピーの作製をいう。
【0070】
好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠く。
【0071】
好ましい実施形態では、上記のポリメラーゼ連鎖反応の工程bのオリゴヌクレオチドプライマーは、正方向プライマーが本発明の切断構造の上流に存在し、逆方向プライマーが本発明の切断構造の下流に存在するように配向している。逆方向プライマーは、切断構造の鎖に相補的な正方向プライマーの反対の鎖に相補的である。
【0072】
別の好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼはDNAポリメラーゼである。
【0073】
別の好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは熱安定性である。
【0074】
別の好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼはTaqポリメラーゼおよびPfuポリメラーゼからなる群から選択される。
【0075】
別の好ましい実施形態では、FENヌクレアーゼは熱安定性である。
【0076】
別の好ましい実施形態では、FENヌクレアーゼはフラップ特異性ヌクレアーゼである。
【0077】
別の好ましい実施形態では、FENヌクレアーゼはArchaeglobus fulgidus、Methanococcus jannaschii、Pyrococcus furiosus、ヒト、マウス、またはXenopus laevis由来のFENヌクレアーゼ酵素からなる群から選択される。本発明のFENヌクレアーゼには、Saccharomyces cerevisiae RAD27、Schizosaccharomyces pombe RAD2、PolI DNAポリメラーゼ会合5’→3’エキソヌクレアーゼドメイン(例えば、E.coli、Thermus aquaticus(Taq)、Thermus flavus(Tfl)、Bacillus caldotenax(Bca)、Streptococcus pneumoniae)、およびFENのファージ機能性ホモログ(T4 RNアーゼH、T5 5’→3’エキソヌクレアーゼ、T7遺伝子6エキソヌクレアーゼ、およびT3遺伝子6エキソヌクレアーゼが含まれるが、これらに限定されない)も含まれる。
【0078】
好ましくは、Taq、Tfl、およびBca FENヌクレアーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼドメインのみを使用する。
【0079】
別の好ましい実施形態では、標識切断構造を、少なくとも1つのシグナルを発生することができる標識部分の添加によって形成する。
【0080】
本発明はまた、
(a)標的核酸配列の第1の鎖中の領域に相補的な上流オリゴヌクレオチドプライマーおよび前記標的核酸配列の同一の鎖中の領域に相補的な下流標識プローブを得る工程であって、前記上流プライマーは前記標的核酸配列の第1の鎖中領域に相補的な配列を含み、且つ相補DNA鎖の合成を開始し、前記下流プローブは前記標的核酸配列の第2の鎖中領域に相補的な配列を含み、且つ相補DNA鎖の合成を開始し、
(b)核酸ポリメラーゼが
(i)標的核酸配列にプライマーをアニーリングし、
(ii)前記核酸ポリメラーゼがプライマー伸長産物を合成し、前記工程(a)のプライマーのプライマー伸長産物が工程(a)の下流プローブを部分的に置換して切断構造を形成する工程(a)のプライマーを伸長し、
(iii)前記切断構造からの標識フラグメントの放出用の切断剤としてFENヌクレアーゼを使用して前記切断構造を切断して検出可能な標識フラグメントを獲得するPCRサイクル工程に許容的な条件下でのテンプレート依存性重合剤である、前記標的核酸配列の増幅およびその切断を含む反応で作製された核酸を検出する工程とを包含する、切断構造の形成と、サンプル中の標的核酸配列の増幅と、前記切断構造の切断を同時に行うためのポリメラーゼ連鎖反応法を提供する。
【0081】
好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは実質的に5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く。
【0082】
本発明はまた、(a)標的核酸配列を得る工程と、(b)前記標的核酸配列に相補的な上流プライマーを得る工程と、(c)前記標的核酸配列に相補的な下流プライマーを得る工程と、(d)核酸ポリメラーゼを使用して前記上流プライマーの3’末端を伸長する工程と、(e)前記下流プローブの5’末端を置換する工程とを包含する、切断構造の形成法を提供する。
【0083】
下流プローブは上流プローブから500ヌクレオチド下流以下に存在することが好ましい。
【0084】
伸長工程中、上流プライマーの3’末端を、新規に合成した上流プライマーの3’末端が下流プローブの5’末端を部分的に置換するようにポリメラーゼの合成活性によって伸長する。
【0085】
好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは実質的に5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く。
【0086】
本発明の別の実施形態では、本発明の切断構造が、標的核酸配列と、該標的核酸配列とアニーリングしないで5’フラップを形成する非相補5’領域および該標的核酸配列にアニーリングする相補3’領域からなるプローブをインキュベーションすることによって調製できる。
【0087】
本発明はまた、(a)標的核酸配列を得る工程と、(b)前記標的核酸配列に相補的な上流プライマーを得る工程と、(c)前記標的核酸配列に相補的な下流末端標識プローブを得る工程と、(d)核酸ポリメラーゼを使用して前記上流プライマーの3’末端を伸長する工程と、(e)前記下流プローブの5’末端を置換する工程とを包含する、標識切断構造の形成法を提供する。
【0088】
好ましくは、下流末端標識プローブは、上流プライマーから500ヌクレオチド下流以下で存在する。好ましくは、下流オリゴヌクレオチドを3’末端で遮断して下流オリゴヌクレオチドの3’末端の伸長を防止する。オリゴヌクレオチドの3’末端水酸基上にリン酸または容易に除去されない他の部分を配置してこのような遮断を行うことができる。
【0089】
伸長工程中、上流プライマーの3’末端を、新規に合成した上流プライマーの3’末端が下流プローブの5’末端を部分的に置換するようにポリメラーゼの合成活性によって伸長する。本発明の方法によれば、緩衝液および伸長温度は、本発明の特定の核酸ポリメラーゼによる鎖置換に有利である。
【0090】
本発明の1つの実施形態では、本発明の切断構造が、標的核酸配列と、該標的核酸配列とアニーリングしないで5’フラップを形成する非相補標識5’領域および該標的核酸配列にアニーリングする相補3’領域からなるプローブとをインキュベーションすることによって調製できる。
【0091】
本発明はまた、核酸ポリメラーゼ、FENヌクレアーゼ、および適切な緩衝液を含む、サンプル中の標的核酸配列の存在の指標となるシグナル発生用のキットを提供する。好ましい実施形態では、本発明はまた、1つまたは複数の核酸ポリメラーゼ、FENヌクレアーゼ、および適切な緩衝液を含む、サンプル中の標的核酸配列の存在の指標となるシグナル発生用のキットを提供する。
【0092】
好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠く。
【0093】
好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは熱安定性である。
【0094】
別の好ましい実施形態では、FENヌクレアーゼは熱安定性である。
【0095】
別の好ましい実施形態では、キットは標的核酸配列に相補的な標識核酸をさらに含む。
【0096】
本発明はまた、核酸ポリメラーゼおよびFENヌクレアーゼを含む組成物を提供する。
【0097】
好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠く。
【0098】
別の好ましい実施形態では、本発明は、1つまたは複数の核酸ポリメラーゼおよびFENヌクレアーゼを含む組成物を提供する。
【0099】
本発明のさらなる特徴および利点を以下に示す。特許請求の範囲に記載の本発明は、シグナル発生がサンプル中の標的核酸の存在の指標である標的核酸を検出および/または測定するためのシグナルの発生法を提供する。特許請求の範囲に記載の本発明の方法は、複数の工程を必要としない。特許請求の範囲に記載の本発明はまた、標的核酸の存在の指標としてシグナルを発生させる工程を包含する標的核酸のPCRベースの検出および/または測定法を提供する。特許請求の範囲に記載の本発明により、標的核酸配列の同時増幅および検出および/または測定が可能である。特許請求の範囲に記載の本発明はまた、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を示す核酸ポリメラーゼの非存在下でシグナルを発生させる工程を包含する標的核酸のPCRベースの検出および/または測定法を提供する。
【0100】
以下の実施形態の記載および図面ならびに特許請求の範囲から本発明のさらなる特徴および利点がより完全に明らかとなる。
【0101】
(説明)本発明は、核酸が核酸ポリメラーゼとFENヌクレアーゼとの組み合わせによって処理される、サンプル中の標的核酸の存在を検出するためのシグナル発生法を提供する。本発明はまた、サンプル中の標的核酸配列の同時増幅、切断、および検出が可能な核酸の検出または測定法を提供する。
【0102】
本発明の実施には、他で示さない限り、当業者の知識の範囲内の従来の分子生物学、微生物学、および組換えDNA技術を使用する。このような技術は、文献で十分に説明されている。例えば、Sambrook,Fritsch&Maniatis、1989、「分子クローニング:実験マニュアル」、第2版;「オリゴヌクレオチド合成」(M.J.Gaitら、1984);「核酸ハイブリッド形成」(B.D.Harnes&S.J.Higgins編、1984);「分子クローニング実施ガイド」(B.Perbal,1984);およびシリーズMethods in Enzymology(Academic Press,Inc.)を参照のこと。本明細書中に記載(上記および下記)の全ての特許、特許出願、および刊行物は、本明細書中で参考として援用される。
【0103】
I.FENヌクレアーゼ。FEN−Iは、5’一本鎖フラップ鎖の主鎖を特異的に認識し、二重鎖DNAの2つの鎖が一本鎖アームに隣接する接合点に存在する切断部位でこのアームを捕捉する約40kDaの二価の金属イオン依存性エキソおよびエンドヌクレアーゼである。ヌクレオチド内部結合分解活性およびヌクレオチド末端結合分解活性は共にフラップまたはニックの最5’位塩基に対して感受性をほとんど示さない。FEN−Iのヌクレオチド内部結合分解性およびヌクレオチド末端結合分解性基質結合および切断は共に上流オリゴヌクレオチド(フラップ隣接鎖またはプライマー)によって刺激される。これは、E.coli polIの場合もである。酵素のエンドヌクレアーゼ活性は、5’フラップの長さ(1ヌクレオチドほどの小ささの5’フラップの切断も行なう)から独立している。エンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼ活性は、基質の化学的性質に非感受性で、DNAおよびRNAを切断する。
【0104】
ヌクレオチド内部結合分解活性およびヌクレオチド末端結合分解活性は、生理学的範囲の塩濃度で阻害される。0mMNaClと比較して50mM NaClでは50倍エキソヌクレアーゼ活性が阻害される。エンドヌクレアーゼ活性は50mM NaClで7倍だけ阻害される(Lieber 199、前出で概説)。
【0105】
5’−OHが5’フラップ基質に付着するFEN−1の良好な基質であるにもかかわらず、それが二本鎖DNA構造中のニックの一部でなければ非常に不十分な基質としてしか作用しない。末端リン酸塩の静電気的相反がFEN−1の基質の活性形態を与える基質の偽フラップ配置へのゆらぎに有利なようである。このような説明により、1つの活性部位およびニックのフラップまたは1つの偽フラップ配置の5’ssDNA末端へのFEN−1のローディング機構が示される。このモデルは、ニックでの至適活性には塩基の対合を不安定化してニックのフラップへの揺らぎに有利である非常に低いMg2+および1価の塩濃度が必要であるという所見と一致する。より高いMg2+および1価の塩濃度は揺らぎに不利であり、フラップへの変換に揺らぎが必要であるニック化またはギャップ化構造の切断を阻害する。安定フラップ構造の切断には中程度のMg2+レベルが最適であり、Mg2+濃度の増加に伴って切断は減少しない。これは、フラップ構造がその構造を達成するために塩基対を融解する必要がないでMg2+に全く非感受性であるためである。ヌクレオチド内部結合分解活性は1価の塩で減少するが、ヌクレオチド末端結合分解活性で認められる減少ほど急な減少ではない。さらに、1ヌクレオチドフラップは有効な基質であることが以前に示されている。これらの所見の全ては、FEN−1がエンドヌクレアーゼとして機能すると解釈される場合、分解産物は1〜数ヌクレオチド長に変化するという事実と一致している。ニックの種々の長さのフラップへの揺らぎは、G/C含量に依存する局所配列によって変化すると予想される。まとめると、一過性フラップを形成するニックの揺らぎは、FEN−1のヌクレオチド末端結合分解活性がヌクレオチド内部結合分解活性と同一であることを意味する(Lieber、1997、前出に概説)。
【0106】
FEN−1のエンドヌクレアーゼおよびエキソヌクレアーゼ活性は、DNAおよびRNAを切断し、補助タンパク質の必要がない。しかし、複製フォークでは、FEN−1は他のタンパク質(DNAヘリカーゼおよび増幅細胞核抗原(PCNA)、DNAポリメラーゼδおよびεの進化性因子を含む)と相互作用する。PCNAはFEN−1ヌクレアーゼ内部結合分解活性およびヌクレアーゼ末端結合分解活性を有意に刺激する。
【0107】
FEN−1酵素は、より小さなバクテリオファージ5’→3’エキソヌクレアーゼ(T5 5’エキソヌクレアーゼおよびT4 RNアーゼH)ならびにより大きな真核生物ヌクレオチド除去修復酵素(XPG)(酸化性塩基損傷の転写組み合わせ修復においても作用する)に機能的に関連する。Escherichia coliおよびThermus aquaticus、などの真正細菌では、PolI5’→3’エキソヌクレアーゼドメインによって岡崎プロセシングが行われる。これらの細菌およびファージ酵素は約7つの保存酸性残基に残基類似性が集中しているFEN−1との限定された2つの配列相同領域(N(N末端)およびI(中間)領域と名づける)を共有している。T4 RNアーゼHおよびT5エキソヌクレアーゼの結晶構造ならびに変異誘発データに基づいて、これらの残基はDNA加水分解への影響に必要な2つのMg2+イオンに結合すると提案されているが、各金属が触媒サイクルで果たす役割は、各酵素で微妙に異なり、十分に理解されていない(Hosfieldら、1998b、前出で概説)。
【0108】
本発明で有用なFEN−1酵素をコードするfen−1遺伝子には、マウスfen−1、ヒトfen−1、ラットfen−1、Xenopus laevis fen−1、および4つの古細菌Archaeglobus fulgidus、Methanococcus jannaschii、Pyrococcus furiosus、およびPyrococcus horikoshii由来のfen−1遺伝子が含まれる。FEN−1酵素をコードするcDNAクローンがヒト(GenBankアクセッション番号NM_004111およびL37374)、マウス(GenBankアクセッション番号L26320)、ラット(GenBankアクセッション番号AA819793)、Xenopus laevis(GenBankアクセッション番号U68141およびU64563)、およびP.furiosus(GenBankアクセッション番号AF013497)から単離されている。P.horikoshiiフラップエンドヌクレアーゼの完全なヌクレオチド配列もまた決定されている(GenBankアクセッション番号AB005215)。FEN−1ファミリーには、Saccharomyces cerevisiae RAD27遺伝子(GenBankアクセッション番号Z28113、Y13137)、およびSaccharomyces pombe RAD2遺伝子(GenBankアクセッション番号X77041)も含まれる。Methanobacterium thermautotrophiculumの古細菌ゲノムもまた配列決定されている。FEN−1と原核生物およびウイルス5’→3’エキソヌクレアーゼとの間の配列類似性が低いにもかかわらず、真核生物界内のFEN−1は、アミノ酸レベルで非常に保存されており、ヒトおよびS.cerevisiaeタンパク質60%同一であり、且つ78%類似している。3つの古細菌FEN−1たんぱく質はまた、真核生物FEN−1酵素と相同性が高い(Matsuiら、1999、J.Biol.Chem.、274、18297、Hosfield ら.、1998b、J.Biol.Chem.、273、27154、およびLieber、1997、BioEssays、19、233に概説)。
【0109】
ヒトと他のFEN−1ファミリーメンバーとの間の2つの保存ヌクレアーゼドメインの配列類似性は、92%(マウス)、79%(S.cerevisiae)、77%(S.pombe)、72%(A.fulgidus)、76%(M.jannaschii)、および74%(P.furiosus)である。
【0110】
FEN−1は、5’一本鎖フラップ鎖の主鎖を特異的に認識し、このフラップアームを二重鎖DNAの2つの鎖と一本鎖アームとの間の接合点に存在する切断部位へ移動させる。フラップの上流の鎖(フラップ隣接鎖またはプライマー鎖と呼ぶこともある)が取り除かれた場合、得られた構造を偽Y(図1を参照のこと)と名づける。この構造はFEN−1によって切断されるが、効率は1/20〜1/100である。FEN−1は3’一本鎖フラップを切断しない。しかし、エキソヌクレアーゼとして作用するFEN−1は、ギャップまたはニックを含むdsDNA基質を加水分解する(Hosfieldら、1998a、前出、Hosfieldら、1999b、前出、およびLieber、1997、前出に概説)。ヌクレオチド末端結合分解的にFEN−1はdsDNAのニック、低効率でギャップ、または5’陥凹末端で作用する。ギャップ構造では、FEN−1結合および切断効率は約5ヌクレオチドまでのギャップのサイズの増加に伴って減少し、その後、dsDNA内の5’陥凹末端に対する活性と等価の切断レベルで安定化する。平滑末端dsDNA、3’陥凹末端、およびssDNAは切断されない(Lieber、1997、前出で概説)。
【0111】
本発明で有用なFENヌクレアーゼは、ヒト(GenBankアクセッション番号NM_004111およびL37374)、マウス(GenBankアクセッション番号L26320)、ラット(GenBankアクセッション番号AA819793)、酵母(GenBankアクセッション番号Z28113 Y13137およびGenBankアクセッション番号X77041)、およびXenopus laevis(GenBankアクセッション番号U68141およびU64563)を含む種々の生物から単離されている。このような酵素を、当該分野で周知の従来技術を使用してクローン化および過剰発現することができる。
【0112】
本発明のFENヌクレアーゼは、熱安定性であることが好ましい。熱安定性FENヌクレアーゼは、4つの古細菌を含む種々の熱安定性生物から単離および特徴づけられている。P.furiosusフラップエンドヌクレアーゼのcDNA配列(GenBankアクセッション番号AF013497)およびアミノ酸配列(Hosfieldら、1998a、前出およびHosfieldら、1998b)が決定されている。P.horikoshiiフラップエンドヌクレアーゼの完全なヌクレオチド配列(GenBankアクセッション番号AB005215)およびアミノ酸配列(Matsuiら、前出)もまた決定されている。M.jannaschii(Hosfieldら、1998bおよびMatsuiら、前出)およびA.fulgidus(Hosfieldら、1998b)のフラップエンドヌクレアーゼのアミノ酸配列もまた決定されている。
【0113】
熱安定性FEN1酵素を、当該分野で周知の技術、Hosfieldら、1998a、前出、Hosfieldら、1998b、Kaiserら、1999、J.Biol.Chem.、274、21387、およびMatsuiら、前出に記載の技術、ならびに本明細書中の実施例2「Pfu FEN−1のクローニング」に記載の技術を使用してクローン化および過剰発現することができる。
【0114】
FEN酵素のエンドヌクレアーゼ活性を、以下を含む種々の方法で測定することができる。
【0115】
A.FENエンドヌクレアーゼ活性アッセイ
1.テンプレート(例えば、図2に記載)を使用して、本発明のFENヌクレアーゼ活性を評価する。
【0116】
テンプレート1は、以下の配列を有する5’33P標識オリゴヌクレオチド(Heltest4)である:
5’AAAATAAATAAAAAAAATACTGTTGGGAAGGGCGATCGGTGCG3’(配列番号1)。Heltest4の下線部分は、M13mp18+に相補的な領域を示す。切断産物は、配列AAAATAAATAAAAAAAAT(配列番号2)を含む18ヌクレオチドフラグメントである。
【0117】
Heltest4は、M13に結合して相補二本鎖ドメインおよび非相補5’オーバーハングが得られる。この二重鎖により、ヘリカーゼアッセイでも使用されるテンプレート2(図2)が形成される。テンプレート3(図2)はM13に結合し、Heltest4に直接隣接するさらなるプライマー(FENAS)を有する。FENASの配列は、5’CCATTCGCCATTCAGGCTGCGCA3’(配列番号3)である。テンプレート3の存在下で、FENはHeltest4の遊離の5’末端に結合し、接合点に移動し、Heltest4を切断して18ヌクレオチドフラグメントが得られる。テンプレート1および2はコントロールとして使用するが、テンプレート2はテンプレートとしても使用することができる。
【0118】
テンプレートを以下に記載のように調製する。
【0119】
テンプレート1 テンプレート2 テンプレート3
Heltest4 14μl 14μl 14μl
M13 ** 14μl 14μl
FENAS ** ** 14μl
H2O 28μl 14μl **
10×Pfu緩衝液 4.6μl 4.6μl 4.6μl。
【0120】
10×Pfu緩衝液はStratagene(カタログ番号200536)から市販されている。本発明の方法によれば、10×Pfu緩衝液を、1×緩衝液の存在下で反応を行えるように希釈する。
【0121】
M13はM13mp18+鎖であり、200ng/μLの濃度であり、33P標識Heltest4は約0.7ng/μlの濃度であり、FENASは4.3ng/μlの濃度である。これらの濃度に基づくと、Heltest4およびM13は、およそ等モル量(5×10−14)であり、FENASは約10倍モル過剰(6×10−13)で存在する。
【0122】
テンプレート混合物は、95℃で5分間加熱し45分間室温に冷却し、4℃で一晩保存する。
【0123】
2μlのFEN−1またはコントロールとしてのH2Oを、以下のように3つのテンプレートと混合する。
【0124】
3μl テンプレート
0.7μl 10×クローン化Pfu緩衝液
0.56μl 100mM MgCl2
2.00μl 酵素またはH2O
0.74μl H2O
全量7.00μl。
【0125】
50℃で30分間この反応を進行させ、各サンプルへの2μlのホルムアミド「シークエンシング停止」溶液の添加によって停止させた。サンプルを95℃で5分間加熱し、6%アクリルアミドの7M尿素CastAway(Stratagene)ゲルにロードした。
【0126】
あるいは、FEN活性を、1時間のインキュベーション時間を使用した以下の緩衝液で分析した。
【0127】
10×FEN緩衝液
500mM Tris−HCl(pH8.0)
100mM MgCl2
以下の反応混合物を、2μlのFEN、コントロールとしてのH2Oと混合した。
【0128】
3μl テンプレート
0.7μl 10×FEN緩衝液
2.00μl 酵素またはH2O
0.3μl H2O
全量7.00μl。
【0129】
サンプルを、Robocycler96加熱トップサーマルサイクラー中、50℃で1時間インキュベートする。2μlのシークエンシング停止染色溶液の添加後、サンプルを99℃で5分間加熱する。サンプルを、11インチ長の手で分注した20%アクリルアミド/ビスアクリルアミドの7M尿素ゲルにロードする。ゲルを、ブロモフェノールブルーが全距離の約2/3まで移動するまで20ワットで泳動する。ゲルをガラスプレートから取り出し、固定液(15%メタノール、5%酢酸)に10分間、そして水に10分間浸す。ゲルをWhatmann3mm濾紙に置き、プラスチックラップで覆い、加熱吸引ゲルドライヤー中で2時間乾燥させる。ゲルを、X線フィルムに一晩感光させる。
【0130】
2.FENエンドヌクレアーゼ活性を、Kaiserら(前出)の方法に従って測定することもできる。簡単に述べれば、10mM MOPS(pH7.5)、0.05%Tween20、0.05%Nonidet P−40、10μg/ml tRNA、およびTaqPolおよびThtPolには200mM KClまたは全ての他の酵素には50mM KClを含む10μlの体積中で反応を行う。分析される切断構造に依存して、反応条件を変化させることができる。基質(2μM)および種々の量の酵素を、表示(上記)の反応緩衝液と混合し、Chill−out(MJ Research)液体ワックスを重ねる。基質を90℃で20秒間加熱変性させて50℃に冷却し、MgCl2またはMnCl2の添加によって反応を開始させ、特定の時間50℃でインキュベートする。10mM EDTAおよび0.02%メチルバイオレット(Sigma)を含む10μlの95%ホルムアミドの添加によって反応を停止させる。サンプルを90℃で1分間加熱し、その直後に7M尿素、45mM Trisホウ酸(pH8.3)1.4mM EDTA緩衝液を含む20%変性アクリルアミドゲル(19:1架橋)で電気泳動を行う。他で表示しない限り、レーンあたり1μlの各停止反応物をロードする。ゲルを、505nmフィルターを使用したFMBIO−100蛍光ゲルスキャナー(Hitachi)でスキャニングする。FMBIO分析ソフトウェア(バージョン6.0、Hitachi)を用いて未切断および切断基質に対応するバンドの強度から切断産物の画分を同定する。測定値を最初の切断速度に確実に近づけるために、切断産物の画分は20%を超えるべきではない。切断速度を、酵素濃度および反応時間(分)で割った切断産物の濃度と定義する。各酵素について、3つの測定点使用して、速度および実験誤差を決定する。
【0131】
3.FENエンドヌクレアーゼ活性を、Hosfieldら、1988a(前出)の方法に従って測定することもできる。簡単に述べれば、13μlの最終体積中で、種々の量のFENおよび1.54pmolの標識切断基質を異なる温度で30分間インキュベートし、反応を同体積の停止溶液(10mM EDTA、95%脱イオンホルムアミド、および0.008%ブロモフェノールブルーおよびキシレンシアノール)で停止させる。サンプルを変性15%アクリルアミドゲルで電気泳動し、出発物質および生成物の相対量を、MacBAS画像分析ソフトウェアを実行するIPLabGelシステム(Stratagene)を使用して定量する。ほとんどの反応を、標準アッセイ緩衝液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM MgCl2、および50μg/mlウシ血清アルブミン)中で行うが、一連の実験では、異なる2価の金属およびpHレベルの効果を標準緩衝液を変化させて研究する。2価の金属MgCl2を除外し、異なる金属イオンを10mMの最終濃度で使用する。pHの影響を研究するために、異なる量のTris−HCl、グリシンおよび酢酸ナトリウムを10mMの最終濃度で使用して、25℃で広域pHを得る。
【0132】
4.FENエンドヌクレアーゼ活性を、Matsuiら、1999(前出)の方法に従って測定することもできる。簡単に述べれば、50mM Tris−HCl(pH7.4)、1.5mM MgCl2、0.5mMβ−メルカプトエタノール、100μg/mlのウシ血清アルブミン、および0.6pmolの標識切断構造を含む15μlの反応混合物中で酵素をインキュベートする。60℃で30分のインキュベーション後、10mM EDTAおよび1mg/mlブロモフェノールブルーを含む15μlの95%ホルムアミドの添加により反応を停止させる。サンプルを95℃10分間加熱し、7M尿素および10×TBE(89mM Tris−HCl、89mM ホウ酸、2mM EDTA(pH8.0))を含む15%ポリアクリルアミドゲル(35cm×42.5cm)にロードして、2000Vで2時間電気泳動する。反応生成物を視覚化し、PhosphorImager(Bio−Rad)を使用して定量する。サイズマーカーであるオリゴヌクレオチドを、[γ−32P]ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼで5’末端標識する。
【0133】
至適pHを同定するために、1.5mM MgCl2、0.5mM β−メルカプトエタノール、100μg/mlウシ血清アルブミン、および0.6pmolの5’末端標識切断構造を50mMの以下のいずれかの緩衝液中に含むアッセイ混合物(15μl)中で60℃で30分間反応を行う。以下の3つの異なる50mMの緩衝液を使用して、以下の広域pHを得る:酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0〜5.5)、リン酸緩衝液(pH5.5〜8.0)、ホウ酸緩衝液(pH8.0〜9.4)。
【0134】
B.FENエキソヌクレアーゼ活性アッセイ
本発明のFENヌクレアーゼのエキソヌクレアーゼ活性を、Matsuiら、1999(前出)に記載され、上記でまとめられているFEN−1エンドヌクレアーゼ活性測定法によって測定することができる。
【0135】
あるいは、FEN酵素のエキソヌクレアーゼ活性を、Hosfieldら、1998b(前出)に記載の方法によって分析することができる。簡単に述べれば、エンドヌクレアーゼアッセイで記載の条件と同一の条件下(上記)で、ニック化基質を使用してエキソヌクレアーゼ活性をアッセイする。
【0136】
エキソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼ中の正確なDNA切断位置を、クレノウフラグメントの3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を使用した5’32P標識テンプレート鎖の部分的消化によって得ることができる。
【0137】
本発明の切断構造は、標的核酸配列にアニーリングしたオリゴヌクレオチドの部分置換5’末端を含む。本発明の別の切断構造は、標的核酸配列(例えば、図3のB)、標的配列に相補的な上流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のA)、および標的配列に相補的な下流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のC)を含む。本発明の切断構造を、上流オリゴヌクレオチドと下流プローブとの間の重複または核酸ポリメラーゼの合成活性による上流オリゴヌクレオチドの伸長およびその後の下流オリゴヌクレオチドの5’末端の部分的置換によって形成することができる。タイトル「切断構造」の項に記載の方法に従ってこの型の切断構造を形成する。
【0138】
あるいは、本発明の切断構造を、標的核酸配列にアニーリングする相補領域および標的核酸配列にアニーリングしないで5’フラップを形成する非相補領域を含むオリゴヌクレオチドへの標的核酸配列のアニーリングによって形成する。本実施形態によれば、切断構造は、オリゴヌクレオチドの非相補領域によって形成された5’フラップを含む。
【0139】
本発明の切断構造はまた、標的核酸配列にアニーリングすることができる上流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のA)の3’末端は標的核酸配列にアニーリングする下流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のC)の1つ(または複数)の塩基対に相補的である重複フラップを含み、1つ(または複数)の塩基対重複は、一本鎖フラップの伸長点のすぐ下流であり、タイトル「切断構造」の項に記載の方法に従って形成される。
【0140】
II.核酸ポリメラーゼ
本発明は核酸ポリメラーゼを提供する。好ましくは、本発明の核酸ポリメラーゼは熱安定性である。
【0141】
公知のDNAポリメラーゼには、例えば、E.coli DNAポリメラーゼI、Thermus thermophilus(Tth)DNAポリメラーゼ、Bacillus stearothermophilus DNAポリメラーゼ、Thermococcus litoralis DNAポリメラーゼ、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラーゼ、およびPyrococcus furiosus(Pfu)DNAポリメラーゼが含まれる。
【0142】
本発明で有用な5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠く核酸ポリメラーゼには、クレノウおよびクレノウエキソポリメラーゼ、およびT7 DNAポリメラーゼ(シクエナーゼ)が含まれるが、これらに限定されない。
【0143】
本発明で有用な5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠く熱安定性核酸ポリメラーゼには、Pfu、エキソPfu(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuの変異形態)、TaqのStoffelフラグメント、N短縮Bst、N短縮Bca、Genta、JdF3エキソ−、Vent、Ventエキソ−(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くVentの変異形態)、Deep Vent、Deep Ventエキソ−(3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くDeep Ventの変異形態)U1Tma、およびシクエナーゼが含まれるが、これらに限定されない。
【0144】
本発明で有用な核酸ポリメラーゼには、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く天然のポリメラーゼおよびポリメラーゼ変異体が含まれる。本発明で有用な核酸ポリメラーゼは、異なる程度の熱安定性を有し得る。好ましくは、本発明の核酸ポリメラーゼは、核酸プライマーを伸長させることができる温度で鎖置換活性を示す。本発明の好ましい実施形態では、核酸ポリメラーゼは、5’→3’および3’→5’エキソヌクレアーゼ活性の両方を欠く。
【0145】
本発明で有用な異なる程度の熱安定性を有する5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠くさらなる核酸ポリメラーゼを以下に列挙する。
【0146】
A.バクテリアファージDNAポリメラーゼ(37℃でのアッセイに有用)
バクテリオファージDNAポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性が別のポリペプチドによってコードされるので当該活性を欠く。適切なDNAポリメラーゼの例は、T4、T7、およびφ29DNAポリメラーゼである。市販の酵素は、T4(多数の供給源(例えば、Epicentre)から市販されている)およびT7(多数の供給源(例えば、3’→5’エキソ−T7「シークエンス」DNAポリメラーゼの未修飾およびUSBについてはEpicentre)から市販されている)である。
【0147】
B.古細菌DNAポリメラーゼ
古細菌で同定されたDNAポリメラーゼには以下の2つの異なるDNAポリメラーゼクラスが存在する:1.ファミリーB/polα型(Pyrococcus furiosus由来のPfuのホモログ)および2.polII型(P.furiosus DP1/DP2サブユニットポリメラーゼのホモログ)。両クラス由来のDNAポリメラーゼは、関連する5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を天然に欠き、3’→5’エキソヌクレアーゼ(校正)活性を有することが示されている。適切なDNAポリメラーゼ(polαまたはpolII)は、所望のアッセイ温度に類似の至適成長温度を有する古細菌に由来し得る。適切な古細菌の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない:
1.熱不安定性(37℃でのアッセイに有用)−例えば、Methanococcus voltae。2.熱安定性(非PCRアッセイで有用)−例えば、Sulfolobus solfataricus、Sulfolobus acidocaldarium、Methanococcus jannaschi、Thermoplasma acidophilum。適切な古細菌は、80〜85℃以下の最大成長温度または70〜80℃以下の至適成長温度を示すと評価されている。
【0148】
3.熱安定性(PCRアッセイで有用)−例えば、Pyrococcus類(furiosus、GB−D類、KOD1株、Woesii、abysii、horikoshii)、Thermococcus類(litoralis、9°North−7類、JDF−3類、gorgonarius)、Pyrodictium occultum、およびArchaeoglobus fulgidus。適切な古細菌は、80〜85℃以上の最大成長温度または70〜80℃以上の至適成長温度を示すと評価されている。古細菌polαDNAポリメラーゼ由来の適切なPCR酵素は市販されており、KOD(Toyobo)、Pfx(Life Technologies,Inc.)、Vent(New England BioLabs)、Deep Vent(New England BioLabs)、およびPwo(Boehringer−Mannheim)が含まれる。
【0149】
上記で列挙された古細菌に関連するさらなる古細菌は、以下の引例に記載されている:「古細菌:実験マニュアル」(Robb,F.T.and Place,A.R.編)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1995および好温性細菌(Kristjansson,J.K.編)、CRC Press,Inc.、Boca Raton、Florida、1992。
【0150】
C.真正細菌DNAポリメラーゼ
3つのクラスの真正細菌DNAポリメラーゼ(polI、II、およびIII)が存在する。Pol1DNAポリメラーゼファミリーの酵素は、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有し、一定のメンバーはまた3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を示す。PolIIDNAポリメラーゼは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を天然に欠くが、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を示す。PolIIIDNAポリメラーゼは、細胞の主要な複製DNAポリメラーゼを代表し、複数のサブユニットから構成されている。polIII触媒サブユニットは、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くが、同一のポリペプチド中に3’→5’エキソヌクレアーゼ活性が存在する場合がある。
【0151】
真正細菌のpolIIおよびpolIIIDNAポリメラーゼは市販されていない。種々の市販のPolIDNAポリメラーゼが存在し、そのいくつかは5’→3’エキソヌクレアーゼ活性が減少しているか消滅するように改変されている。polIDNAポリメラーゼの5’→3’エキソヌクレアーゼ活性の消失に使用されている方法には、以下が含まれる:
−変異誘発(Xuら、1997、J.Mol.Biol.、268、284およびKimら、1997、Mol.Cells、7、468)、
−タンパク質分解消化によるN短縮(Klenowら、1971、Eur.J.Biochem.、22、371)、または
−C末端フラグメントのクローニングおよび発現によるN短縮(Lawyerら、1993、PCR Methods Appl.、2、275)。
【0152】
古細菌供給源については、アッセイ温度要件を決定し、以下の真正細菌(中温菌、好熱菌、超好熱菌)を本発明で有用なDNAポリメラーゼの供給源として使用すべきである。
【0153】
1.中温菌/熱不安定性菌(37℃でのアッセイに有用)
i.5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を天然で実質的に欠くDNAポリメラーゼ:中温真正細菌(Escherchia coli、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenza、Mycobacterium類(tuberculosis、leprae)など)由来のpolIIまたはpolIII触媒サブユニット。
【0154】
ii.5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠くDNAポリメラーゼ変異体:N短縮または変異誘発のためのPolIDNAポリメラーゼを、上記の中温真正細菌から単離することができる(Ci)。市販の真正細菌DNAポリメラーゼpolIフラグメントは、クレノウフラグメント(N短縮E.colipolI;Stratagene)である。
【0155】
2.熱安定性菌(PCRアッセイに有用)
i.5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を天然で実質的に欠くDNAポリメラーゼ:好熱真正細菌(例えば、Baccilus類のstearothermophilus、caldotenax、caldovelox)由来のPolIIまたはpolIII触媒サブユニット。
【0156】
ii.5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠くDNAポリメラーゼ変異体:N短縮または変異誘発のための適切なPolIDNAポリメラーゼを、上記の好熱真正細菌(Bacillus類など)から単離することができる。B.stearothermophilusDNAポリメラーゼpolIの熱安定性N短縮フラグメントは市販されており、商標名Bst DNAポリメラーゼI巨大フラグメント(Bio−RadおよびIsothermDNAポリメラーゼ(Epicentre))として販売されている。Bacillus caldotenax polIのC末端フラグメントは、Panvera(商標名Laddermanとして販売)から入手可能である。
【0157】
3.熱安定性菌(PCRアッセイに有用)
i.5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を天然で実質的に欠くDNAポリメラーゼ:Thermus類(aquaticus、thermophilus、flavus、ruber、caldophilus、filiformis、brokianus)またはThermotoga maritima類由来のPolIIまたはpolIII触媒サブユニット。Thermus thermophilusおよびThermus aquaticus由来の触媒polIIIサブユニットは、Yi−Pingら、1999、J.Mol.Evol.、48、756およびMcHenryら、1997、J.Mol.Biol.、272、178に記載されている。
【0158】
ii.5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠くDNAポリメラーゼ変異体:N短縮または変異誘発のための適切なPolIDNAポリメラーゼを、Thermus類およびThermotoga maritima(上記)を含む種々の好熱性真正細菌から単離することができる。Thermus aquaticusDNAポリメラーゼpolI(Taq)の熱安定性フラグメントは市販されており、商標名KlenTaq1(Ab Peptides)、Stoffelフラグメント(Perkin−Elmer)、およびThermoSequenase(Amersham)として販売されている。C末端フラグメントに加えて、5’→3’エキソヌクレアーゼ−Taq変異体(TaqFS(Hoffman−LaRoche)など)もまた市販されている。Taqの5’→3’エキソヌクレアーゼ−異形に加えて、Thermotoga maritimaDNAポリメラーゼIのN短縮異形もまた市販されている(商標名UlTma、Perkin−Elmer)。
【0159】
上記の細菌に関連するさらなる真正細菌は、「好熱細菌」(Kristjansson,J.K.編)、CRC Press,Inc.、Boca Raton、Florida、1992に記載されている。
【0160】
D.真核生物5’→3’エキソヌクレアーゼ−DNAポリメラーゼ(37℃でのアッセイに有用)。真核生物から同定されたいくつかのDNAポリメラーゼ(polα(複製/修復)、δ(複製)、ε(複製)、β(修復)、およびγ(ミトコンドリア複製)を含む)が存在する。真核生物DNAポリメラーゼは、当該活性が別のポリペプチド(例えば、哺乳動物FEN−1または酵母RAD2)によってコードされるので、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く。適切な熱不安定性DNAポリメラーゼを、種々の真核生物(酵母、哺乳動物細胞、昆虫細胞、ショウジョウバエを含むが、これらに限定されない)および真核ウイルス(例えば、EBV、アデノウイルス)から単離することができる。
【0161】
5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くことに加えて、3’−5’エキソヌクレアーゼ(校正)活性を欠くDNAポリメラーゼ変異体は、FENベースの検出ストラテジーにおいて改良された能力を示すことが可能である。例えば、固有の3’→5’エキソヌクレアーゼ活性の減少および消滅は、標識プローブの非特異的ヌクレオチド末端結合分解の減少によってバックグラウンドシグナルを低減することができる。3つの3’→5’エキソヌクレアーゼモチーフが同定されており、これらの領域の操作により、クレノウ、Φ29、T4、T7、およびVent DNAポリメラーゼ、酵母Polα、Polβ、およびPolγ、およびBacillus subtilis Pol IIIの3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を消滅されることが示されている(Derbeyshireら、1995、Methods.Enzymol.、262、363に概説)。3’→5’エキソヌクレアーゼ活性か減少または消滅したさらなるDNAポリメラーゼ変異体の調製法は、当該分野で周知である。
【0162】
5’→3’および3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠く市販の酵素には、Sequenase(エキソ−T7;USB)、Pfuエキソ−(Stratagene)、エキソ−Vent(New England BioLabs)、エキソ−Deep Vent(New England BioLabs)、エキソ−クレノウフラグメント(Stratagene)、Bst(Bio−Rad)、Isotherum(Epicentre)、Ladderman(Panvera)、KlenTaq1(Ab Peptides)、Stoffelフラグメント(Perkin−Elmer)、ThermoSequenase(USB)、およびTaqFS(Hoffman−LaRoche)が含まれる。
【0163】
Pfu以外のポリメラーゼを使用する場合、本発明の特定のポリメラーゼによって至適活性が得られるように緩衝液および伸長温度を選択する。本発明のポリメラーゼに有用な緩衝液および伸長温度は当該分野で公知であり、製造供給元の仕様書から決定することもできる。
【0164】
III.核酸
A.本発明で有用な核酸配列。本発明は、標的核酸配列の検出または測定法を提供し、本発明の切断構造形成用のオリゴヌクレオチド、プライマー、およびプローブならびにテンプレート核酸配列の増幅用のプライマーも利用する。本明細書中で使用される、用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」は、プライマー、プローブ、および検出すべきオリゴマーフラグメントをいい、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含む)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含む)、プリンもしくはピリミジン塩基または改変プリンもしくはピリミジン塩基(非塩基性部位を含む)のNグリコシドである他の任意の型のポリヌクレオチドの総称である。用語「核酸」、「ポリヌクレオチド」、および「オリゴヌクレオチド」の間の長さに意図する差は存在せず、これらの用語は、交換可能に使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみをいう。従ってこれらの用語には、二本鎖および一本鎖DNAならびに二本鎖および一本鎖RNAが含まれる。
【0165】
本明細書中で使用される、核酸配列の相補は、一方の配列の5’末端を他の配列の3’末端とが対合するように核酸配列を整列させた場合に「逆行性会合」するオリゴヌクレオチドをいう。
【0166】
オリゴヌクレオチドは、必ずしも任意の現存または天然の配列に物理的に由来しないが、任意の様式(化学合成、DNA複製、逆転写、またはその組み合わせを含む)で作製することができる。用語「オリゴヌクレオチド」または「核酸」は、その合成起源または操作によって(1)天然で会合しているポリヌクレオチドの全てまたは一部に会合していない、そして/または(2)天然で連結しているもの以外のポリヌクレオチドに連結しているゲノムDNAまたはRNA、cDNA、半合成、または合成起源のポリヌクレオチドが意図される。
【0167】
1つのモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸がリン酸ジエステル結合を介して一方向でその隣接物の3’酸素に結合するようにモノヌクレオチドが反応してオリゴヌクレオチドを作製するので、その5’リン酸がモノヌクレオチドペントース環の3’酸素に連結しない場合、オリゴヌクレオチド末端を「5’末端」といい、その3’酸素が次のモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸に連結しない場合、「3’末端」という。本明細書中で使用される、「核酸配列」はまた、より大きなオリゴヌクレオチドの内部であったとしても、5’および3’末端を有するということができる。
【0168】
2つの異なる非重複オリゴヌクレオチドが同一の線状相補核酸配列の異なる領域にアニーリングし、一方の3’末端が他方の5’末端に向いている場合、前者を「上流」オリゴヌクレオチドと呼び、後者を「下流」オリゴヌクレオチドと呼ぶことができる。
【0169】
天然の核酸中で一般的には見出されない一定の塩基は、本発明の核酸に含むことができ、例えば、イノシンおよび7−デアザグアニンが含まれる。相補性は完全でなくてよく、安定な二重鎖は、ミスマッチ塩基対または非マッチ塩基を含み得る。核酸科学技術分野の当業者は、多数の変数(例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレチドの塩基組成および配列、イオン強度、ならびにミスマッチ塩基対の発生率を含む)を経験的に考慮して二重鎖安定性を決定することができる。
【0170】
核酸二重鎖の安定性を、融解温度(すなわち、「Tm」)によって測定する。特定の条件下での特定の核酸二重鎖のTmは、塩基対の半分が解離する温度である。
【0171】
B.本発明で有用なプライマーおよびプローブ。本発明は、テンプレート核酸配列の増幅および本発明の切断構造の形成のための核酸の検出または測定に有用なオリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブを提供する。
【0172】
用語「プライマー」は、1つを超えるプライマーをいうことができ、核酸鎖に相補的なプライマー伸長産物の合成が触媒される条件下に置かれた場合に相補鎖に沿った合成の開始点として作用することができる、天然に存在するか、精製制限消化物としてか、合成されたオリゴヌクレオチドをいう。このような条件には、適切な緩衝液(「緩衝液」には、補助因子であるかpH、イオン強度などに影響を与える成分が含まれる)中の4つの異なるデオキシリボヌクレオシド三リン酸および重合誘導剤(DNAポリメラーゼまたは逆転写酵素など)の存在および適切な温度が含まれる。最大の増幅効率のためには、好ましくはプライマーは一本鎖である。
【0173】
本発明で有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、テンプレート核酸配列とハイブリッド形成し、第2の核酸鎖の酵素合成を開始させる一本鎖DNAまたはRNA分子である。プライマーは、核酸分子のプール中に存在する標的分子の一部に相補的である。本発明のオリゴヌクレオチドプライマーを化学的または酵素的合成法によって調製することが意図される。あるいは、このような分子またはそのフラグメントは天然に存在し、その天然の供給源から単離するか、供給業者から購入する。オリゴヌクレオチドプライマーおよびプローブは、5〜100ヌクレオチド長、理想的には17〜40ヌクレオチド長であるが、異なる長さのプライマーおよびプローブが有用である。増幅用プライマーは、好ましくは約17〜25ヌクレオチドである。本発明の切断構造の作製用のプライマーは、好ましくは17〜45ヌクレオチドである。本発明で有用なプライマーを、融点評価法によって特定の融点(Tm)を有するようにも設計する。市販のプログラム(OligoTMを含む)、Primer Design、およびインターネットで利用可能なプログラム(Primer3およびOligo Calculatorを含む)を使用して、本発明で有用な核酸配列の融点を計算することができる。好ましくは、例えばOligo Calculatorによって計算した場合、本発明で有用な増幅プライマーのTmは、約45℃と65℃との間、より好ましくは約50℃と60℃の間である。好ましくは、本発明で有用なプローブのTmは、対応する増幅プライマーのTmより7℃高い。
【0174】
本明細書中で使用される、「プローブ」は、本発明の切断構造の調製に有用な標識プライマーをいう。一本鎖DNAプライマー対を標的核酸配列内の配列にアニーリングすることができ、これを使用して標的核酸配列の増幅DNA合成を開始させることができる。
【0175】
典型的には、2つの核酸配列が実質的に相補的である場合(少なくとも14〜25ヌクレオチドに対して少なくとも約65%相補的、好ましくは少なくとも75%相補的、より好ましくは少なくとも約90%相補的)、選択的ハイブリッド形成が起こる。Kanehisa,M.、1984、Nucleic Acids Res.、12、203(本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。結果として、プライミング部位での一定のミスマッチ度が許容されると予想される。このようなミスマッチは小さいであろう(モノ、ジ、またはトリヌクレオチド)。あるいは、ミスマッチ領域は、連続する一連の4つまたはそれ以上のヌクレオチド中にミスマッチが存在する領域と定義されるループを含み得る。
【0176】
多数の因子がプライマーの第2の核酸分子へのハイブリッド形成の効率および選択性に影響を与える。本発明のオリゴヌクレオチドプライマーの設計にはこれらの因子(プライマー長、ヌクレオチド配列および/または組成、ハイブリッド形成温度、緩衝液の組成、およびハイブリッド形成に必要なプライマー領域における立体障害の潜在性)を考慮する。
【0177】
プライマー長とプライマーが標的配列にアニーリングする効率および精度との間に正の相関が存在する。特に、より長い配列は短い配列よりも高い融点(Tm)を有し、これは所与の標的配列内で反復されそうにないので、ハイブリッド形成のばらつきを最小にする。高GC含量又は回文構造配列を含むプライマー配列はその意図する標的部位においてハイブリッド形成するのと同じようにして自己ハイブリッド形成する傾向があり、これは二分子よりもむしろ一分子のハイブリッド形成速度が一般に溶液中で有利であるからである。しかし、AとTとの塩基対が標的配列に結合する場合に認められる2つのよりもむしろ各G−C対が3つの水素結合で結合してより固く強力な結合が形成されるので、十分なG−Cヌクレオチド対合数を含むプライマーを設計することが重要でもある。ハイブリッド形成温度は、プライミング反応物またはハイブリッド形成混合物中に含み得る有機溶媒(例えば、ホルムアミド)の濃度と同様にプライマーアニーリング効率と反比例して変化する一方で、塩濃度の増加は結合を促進する。ストリンジェントなアニーリング条件下では、より長いハイブリッド形成プローブまたは合成プライマーは、より短いものよりも効率的にハイブリッド形成し、より許容的な条件下で十分である。ストリンジェントな条件には、約1M未満、より通常に約500mM未満、好ましくは約200mM未満の塩濃度が含まれる。ハイブリッド形成温度は、0℃ほどの低さから22℃を超えるか、約30℃を超えるか、(最も頻繁には)約37℃を超える範囲である。より長いフラグメントは、特異的ハイブリッド形成により高いハイブリッド温度が必要であり得る。いくつかの因子が、ハイブリッド形成のストリンジェンシーに影響を与え、パラメータの組み合わせが1つの因子の絶対的基準よりも重要である。
【0178】
これらの検討材料を用いてオリゴヌクレオチドプライマーを設計し、以下の方法に従って合成することができる。
【0179】
1.オリゴヌクレアーゼプライマー設計ストラテジー
配列決定、PCR、または本発明の切断構造の調製を目的とする特定のオリゴヌクレオチドプライマーの設計には、標的配列を認識することができるが最小の推定二次構造を有する配列の選択が含まれる。オリゴヌクレオチド配列は、標的核酸配列の1つの部位のみに結合する。さらに、オリゴヌクレオチドのTmをオリゴヌクレオチドの長さおよびGC含量の分析によって至適化する。さらに、ゲノムDNAの増幅に有用なPCRプライマーを設計する場合、選択されたプライマー配列はGenBankデータベース(または他の利用可能なデータベース)中の配列と有意に適合しない。
【0180】
上記のいくつかのパラメータおよびプライマー配列の至適化の評価を支援するために開発された容易に利用可能なコンピュータプログラムの使用によってプライマーの設計を容易にする。このようなプログラムの例は、DNAStarTMソフトウェアパッケージの「PrimerSelect」(DNAStar,Inc.、Madiosn、WI)、LIGO 4.0(National Biosciences、Inc.)、PRIMER、オリゴヌクレオチド選択プログラム、PGEN、およびAmplify(Ausubelら、1995「分子生物学ショートプロトコル」、第3版、John Wiley&Sonsに記載)である。1つの実施形態では、(例えば、PCR産物を配列決定するための)さらなる増幅用の標的として使用する末端上の配列が既知のPCR産物を作製するように他のプライマーの標的として作用する配列を使用してプライマーを設計する。多数の異なる標的核酸配列が共通の「テール配列」を共有する特異的プライマーで増幅された場合、これらの識別可能な遺伝子由来のPCR産物を1つのプライマー組を使用してその後配列決定することができる。あるいは、増幅配列のその後のクローニングを容易にするために、その5’末端に付加された制限酵素部位配列を使用してプライマーを設計する。したがって、プライマーの全ヌクレオチドは、制限酵素部位を形成するために必要ないくつかのヌクレオチドを除いて標的核酸配列または標的核酸配列に隣接する配列由来である。このような酵素および部位は当該分野で周知である。標的核酸配列ゲノム配列および標的核酸配列の読み取り枠の配列は公知であり、特定のプライマーの設計は十分に当業者の知識の範囲内である。
【0181】
オリゴヌクレオチドが固体支持体に結合することができるように、オリゴヌクレオチドを一定の化学的および/または捕捉部分を使用して合成することができることが当業者に周知である。適切な捕捉部分には、ビオチン、ハプテン、タンパク質、ヌクレオチド配列、または化学反応性部分が含まれるが、これらに限定されない。このようなオリゴヌクレオチドを、溶液中で最初に使用後固体支持体に捕捉するか、固体支持体に最初に結合後検出反応で使用することができる。後者の例は、下流プローブ分子の5’末端が蛍光クエンチ剤を含むように下流プローブ分子に固体支持体を結合させることである。この下流プローブ分子はまた、FENヌクレアーゼ切断が蛍光発生団からクエンチ剤を物理的に分離するような位置に蛍光発生団を含む。例えば、標的核酸は固相下流プローブオリゴヌクレオチドとハイブリッド形成することができ、液相上流プライマーはまた標的分子とハイブリッド形成することができるので、固体支持体でFEN切断反応が起こって複合体から5’クエンチ剤部分が遊離する。これにより、固体支持体結合蛍光発生団を検出することができるので、適切に標識されるか同定される固体支持体上で切断事象の存在が明らかとなる。異なる下流プローブ分子を、アレイ上の異なる位置に結合させることができる。アレイ上の位置によりプローブ分子を同定し、プローブ分子がハイブリッド形成することができるテンプレートの存在が示される。
【0182】
2.合成
当該分野での周知の技術を使用して、プライマー自体を合成する。特異的配列のオリゴヌクレオチドの調製法が当該分野で公知であり、例えば、適切な配列のクローニングおよび制限消化ならびに直接的化学合成が含まれる。一旦設計されると、例えば、Narangら、1979、Methods in Enzymology、68,90に記載のリン酸トリエステル法、Brownら、1979、Methods in Enzymolgy、68、109に開示のリン酸ジエステル法、Beaucageら、1981、Tetrahedron Letters、22、1859に開示のジエチルホスホロアミデート法、および米国特許第4,458,066号に開示の固体支持体法、または市販の自動化オリゴヌクレオチド合成機(市販)またはVLSIPSTM技術のいずれかを使用した他の化学的方法を含む適切な化学合成法によってオリゴヌクレオチドを調製する。
【0183】
C.プローブ
本発明は、本明細書中で定義の標識切断構造の形成に有用なプローブを提供する。本発明の標識切断構造の調製法を、以下のタイトル「切断構造」の項に記載している。
【0184】
本明細書中で使用される、用語「プローブ」は、プローブ中の少なくとも1つの配列が標的領域中の配列と相補的であるために標的核酸中の配列と二重鎖構造を形成する標識オリゴヌクレオチドをいう。プローブは、プライマー伸長で使用する配列に相補的な配列を含まないことが好ましい。一般に、プローブの3’末端を「ブロック」してプライマー伸長産物へのプローブの組み込みを抑止する。非相補塩基の使用または最後のヌクレオチドの3’水酸基へのビオチンまたはリン酸基などの化学的部分の添加により「ブロッキング」を行うことができ、これは、選択部分に依存して、標識に結合した核酸のその後の検出または捕捉用の標識としての作用によって二重の目的を果たし得る。3’−OHの除去またはジデオキシヌクレオチドなどの3’−OHを欠くヌクレオチドの使用によってブロッキングを行うこともできる。
【0185】
本発明のプローブの標識法および適切な標識を、以下のタイトル「切断構造」の項に記載する。
【0186】
D.核酸の産生
本発明は、標的核酸配列の増幅および切断構造の形成のために検出または測定される核酸を提供する。
【0187】
本発明は、核酸(RNA、cDNA、ゲノムDNA、合成形態、および混合ポリマーを含む)を利用する。本発明には、核酸のセンスおよびアンチセンス鎖が含まれる。本発明によれば、核酸は化学的または生化学的に改変され得、非天然もしくは誘導ヌクレオチド塩基を含み得る。このような改変には、例えば、標識、メチル化、1つまたは複数の天然に存在するヌクレオチドのアナログとの置換、ヌクレオチド間改変(無電荷結合(例えば、リン酸メチル、ホスホロジチオエートなど)、懸垂部分(例えば、ポリペプチド)、挿入物(例えば、アクリジン、ソラレンなど)、キレート剤、アルキル化剤、および改変結合(例えば、αアノマー核酸など)など)が含まれる。水素結合および他の化学的相互作用を介した設計配列への結合能力においてポリヌクレオチドを模倣する合成分子もまた含まれる。このような分子は当該分野で公知であり、例えば、分子の主鎖のリン酸結合をペプチド結合に置換された分子が含まれる。
【0188】
1.DNAを含む核酸
a.クローニング。DNAを含む核酸を、当業者に周知のクローニング法(Ausubelら、前出)によってcDNAまたはゲノムライブラリーから単離することができる。簡単に述べれば、特定の核酸配列を含むDNAクローンの単離は、組換えDNAまたはcDNAライブラリーのスクリーニングおよび所望の配列を含むクローンの同定をふくむ。クローニングは、以下の工程を含む。特定のライブラリーのクローンをプレートに広げ、適切なスクリーニング用基質に移し、変性し、特定の核酸の存在を探索する。ハイブリッド条件および標識プローブの作製法を、以下に記載する。
【0189】
所望のクローンを、核酸プローブへのハイブリッド形成または抗体によって検出することができるタンパク質の発現によって同定することが好ましい。あるいは、所望のクローンを、下記の方法に従った特定のプライマー組によって定義される配列のポリメラーゼ連鎖増幅によって同定する。
【0190】
適切なライブラリーの選択は、豊富な所望の配列の供給源である組織または細胞株の同定を含む。さらに、目的の核酸が調節配列またはイントロン配列を含む場合、ゲノムライブラリーをスクリーニングする(Ausubelら、前出)。
【0191】
b.ゲノムDNA
本発明の核酸配列を、ゲノムDNAから増幅する。以下の方法に従って、ゲノムDNAを組織または細胞から単離する。
【0192】
特定の組織由来の遺伝子の変形形態の検出を容易にするために、周囲の正常な組織から該組織を単離する。哺乳動物組織からゲノムDNAを単離するために、組織を細かく刻んで液体窒素中で凍結する。凍結組織を予め冷却した乳鉢および乳棒で微粉に挽き、100mgの組織あたり1.2mlの消化緩衝液で、消化緩衝液(100mM NaCl、10mM Tris−HCl(pH8.0)、25mM EDTA(pH8.0)、0.5%(w/v)SDS、0.1mg/mlプロテイナーゼK)中に懸濁する。哺乳動物組織培養細胞からゲノムDNAを単離するために、500×gで5分間の遠心分離によって細胞をペレット化し、1〜10mlの氷冷PBSに再懸濁し、500×gで5分間の遠心分離によって再ペレット化し、1体積の消化緩衝液中に再懸濁する。
【0193】
消化緩衝液中のサンプルを、50℃で12〜18時間(震盪しながら)インキュベートし、同体積のフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールで抽出する。遠心分離工程(1700×gで10分間)後に層が分離しない場合、別の体積の消化緩衝液(プロテイナーゼKを含まない)を添加して、遠心分離工程を繰り返す。厚い白色の物質が二層の境界で認められた場合、有機抽出工程を繰り返す。上部を抽出後、水層を、1/2体積の7.5M酢酸アンモニウムおよび2体積の100%エタノールを添加した新規のチューブに移す。核酸を1700×gで2分間の遠心分離でペレット化し、70%エタノールで洗浄し、乾燥し、TE緩衝液(10mM Tris−HCl(pH8.0)、1mM EDTA(pH8.0))に1mg/mlで再懸濁する。0.1%SDSおよび1μg/mlの無DNアーゼRNアーゼの存在下で、37℃で1時間のサンプルのインキュベーションおよび抽出およびエタノール沈殿工程の反復によって残りのRNAを除去した。本方法によるゲノムDNAの収率は、約2mg/1g細胞または組織と予想される(Ausubel ら.、前出)。本方法によって単離したゲノムDNAを、本発明に従ったPCR分析に使用することができる。
【0194】
c.(cDNAまたはゲノムDNAの)制限消化
特定の標的核酸配列を含む所望のcDNAまたはゲノムクローンの同定後、制限酵素での消化によってこれらのクローンから本発明の核酸を単離することができる。
【0195】
制限酵素消化技術は当業者に周知である(Ausubelら、前出)。制限酵素消化に有用な試薬は、他の供給源と同様にStratageneを含む供給業者から用意に利用することができる。
【0196】
d.PCR
本発明の核酸を、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってゲノムDNAまたは他の天然の供給源から増幅することができる。PCR法は、当業者に周知である。
【0197】
PCRにより、目的の標的配列を増幅するための熱安定性DNA依存性DNAポリメラーゼによって触媒される複数のDNA複製サイクルの使用による特定のDNA配列の迅速な増幅法が得られる。PCRには、増幅すべき標的核酸配列、増幅すべき配列に隣接する2つの一本鎖オリゴヌクレオチドプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオチド三リン酸、緩衝液、および塩が必要である。
【0198】
Mullis and Faloona、1987、Methods Enzymol.、155、355(本明細書中で参考として援用される)に記載のようにPCRを行う。
【0199】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術は、米国特許第4,683,202号、同第4,683,195号、および同第4,800,159号に開示されている。その最も単純な形態では、PCRは反対の鎖とハイブリッド形成し、標的DNA中の目的の領域に隣接する2つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用した、特異的DNA配列のインビトロ酵素合成法である。テンプレートの変性、プライマーアニーリング、DNAポリメラーゼによるアニーリングプライマーの伸長を含む一連の連続反応により、末端がプライマーの5’末端によって定義される特異的フラグメントが指数関数的に蓄積される。PCRにより、109倍の特異的DNA配列を選択的に富化することができると報告されている。PCR法はまた、Saikiら、1985、Science、230、1350に記載されている。
【0200】
テンプレートDNA(少なくとも1fg、より通常には1〜100ng)および少なくとも25pmolのオリゴヌクレオチドプライマーを使用して、PCRを行う。典型的な反応混合物は、2μlのDNA、25pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、2.5μlの適切な緩衝液、0.4マイクロlの1.25μM dNTP、2.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Stratagene)、および脱イオン水を水で25μlにしたものを含む。鉱物油で重層し、プログラム可能なサーマルサイクラーを使用してPCRを行う。
【0201】
PCRサイクルの各工程の長さおよび温度ならびにサイクル数を、有効なストリンジェンシー要件に従って調整する。プライマーがテンプレートにアニーリングすると予想される効率および許容されるミスマッチの程度によってアニーリング温度およびタイミングを決定する。プライマーアニーリング条件のストリンジェンシーを至適化する能力は、十分に当業者の知識の範囲内である。30℃と72℃との間のアニーリング温度を使用する。通常、92℃と99℃との間で4分間テンプレート分子を最初に変性後、変性(94〜99℃で15秒間〜1分間)、アニーリング(上記での考察によって決定した温度で1〜2分間)、および伸長(72℃で1分間)からなる20〜40サイクルを行う。一般に、72℃で4分間の最終伸長工程を行い、その後4℃での不確定(0〜24時間)の工程を行うことができる。
【0202】
一般に、標準的PCR技術で使用される検出法は、ハイブリッドアッセイでの増幅DNAに標識した標識プローブを使用する。好ましくは、例えば32P、ビオチン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)などでプローブを標識して、ハイブリッド形成の検出を行う。
【0203】
他の検出手段には、フラグメント長多形(PCR FLP)の使用、対立遺伝子特異的オリゴヌクレオチド(ASO)プローブへのハイブリッド形成(Saikiら、1986、Nature,324、163)、またはジデオキシ法による直接的配列決定(クローン化DNAよりもむしろ増幅DNAを使用する)が含まれる。標準的PCR技術は、2つのプライマーの間に存在するDNA配列の複製、主要な反応産物としての各鎖の5’末端でプライマーで終結した個別の長さのDNA配列の獲得によって(本質的に)操作する。したがって、プライマー間の挿入および欠失により、PCR−FLPでの産物のサイズ決定により検出することができる異なる長さの産物配列が得られる。ASOハイブリッド形成の例では、一連の「ドットブロット」において増幅DNAをナイロンフィルター(例えば、UV照射による)に固定し、ストリンジェントな条件下でHRPで標識したオリゴヌクレオチドプローブとハイブリッド形成する。洗浄後、テトラメチルベンジジン(TMB)および過酸化水素を添加する。HPRは過酸化水素を酸化して(すなわち、TMBを青色沈殿に酸化する)、ハイブリッド形成プローブを呈示する。
【0204】
本発明の核酸の検出または測定用のPCRアッセイは、タイトル「使用法」の項に記載されている。
【0205】
2.RNAを含む核酸
本発明はまた、RNAを含む核酸を提供する。
【0206】
RNAを含む核酸を、当該分野で周知の方法に従って精製することができる(Ausubelら、前出)。当該分野で周知であり(Ausubelら、前出)、且つ以下に記載の方法に従って、細胞または組織から全RNAを単離することができる。
【0207】
以下の方法に従って哺乳動物組織からRNAを精製する。目的の組織を取り出した後、2g以下の組織片を切断して、液体窒素中で急速凍結してRNAの分解を防止する。適量(例えば、2gの組織あたり20mlのグアニジニウム溶液)のグアニジニウム溶液の添加の直後、組織サンプルを組織噴霧器により2または3回の10秒間のバーストで挽く。組織グアニジウム溶液(1L)を調製するために、590.8gのグアニジウムイソチオシアネートを約40mlのDEPC処理H2Oに溶解する。25mlの2M Tris−HCl(pH7.5)(最終濃度0.05M)および20ml Na2EDTA(最終濃度0.01M)を添加し、溶液を一晩撹拌し、体積を950mlに調整し、50mlの2−MEを添加する。
【0208】
ホモゲナイズした組織サンプルを、12,000×g、12℃で10分間の遠心分離に供する。得られた上清を0.1体積の20%Sarkosylの存在下、65℃で2分間インキュベートし、9mlの5.7MCsCl溶液(0.1g CsCl/ml)で重層し、22℃、113,000×gで一晩の遠心分離によって分離する。慎重な上清の除去後、チューブを反転して排出を行う。チューブの底(RNAペレットを含む)を、50mlのプラスチック製チューブに入れ、3mlの組織再懸濁緩衝液(5mM EDTA、0.5%(v/v)Sarkosyl、5%(v/v)2−ME)の存在下、4℃で一晩インキュベートして、RNAペレットを完全に再懸濁する。得られたRNA溶液を25:24:1フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール、24:1クロロホルム/イソアミルアルコールで連続的に抽出し、3M酢酸ナトリウム(pH5.2)2.5体積の100%エタノールの添加によって沈殿させ、DEPC水に再懸濁する(Chirgwinら、1979、Biochemistry、18、5294)。
【0209】
あるいは、1工程プロトコールに従って、哺乳動物組織からRNAを単離する。100mgの組織あたり1mlの変性溶液(4Mグアニジニウムチオ硫酸、25mMクエン酸ナトリウム(pH7.0)、0.1M 2−ME、0.5%(w/v)N−ラウリルサルコシン)中でのガラステフロン(登録商標)ホモジナイザーでの均質化によって目的の組織を調製する。ホモジネートを5mlポリプロピレンチューブに移した後、0.1mlの2M酢酸ナトリウム(pH4)、1mlの水飽和フェノール、および0.2mlの49:1クロロホルム/イソアミルアルコールを連続的に添加する。各成分の添加後にサンプルを混合し、全成分の添加後に0〜4℃で15分間インキュベートする。サンプルを4℃、10,000×gで20分間の遠心分離によって分離し、1mlの100%イソプロパノールの添加によって沈殿させ、−20℃で30分間インキュベートし、4℃、10,000×gで10分間の遠心分離によってペレット化する。得られたRNAペレットを、0.3mlの変性溶液に溶解し、微量遠心管に移し、−20℃で30分間の0.3mlの100%イソプロパノール添加によって沈殿させ、4℃、10,000×gで10分間遠心分離する。RNAペレットを70%エタノール中で洗浄し、乾燥し、100〜200μlのDEPC処理水またはDEPC処理0.5%SDSに再懸濁する(Chomczynski and Sacchi、1987、Anal.Biochem.、162、156)。
【0210】
インビトロ転写法に従って、RNAを含む核酸を作製することができる。
【0211】
インビトロ転写技術は当業者に周知である。簡単に述べれば、目的の遺伝子をSP6、T3、またはT7プロモーターを含むベクターに挿入する。ベクターを、コード配列の下流に存在する1つの部位でベクターを消化する適切な制限酵素で線状化する。フェノール/クロロホルム抽出後、DNAをエタノール沈殿し、70%エタノールで洗浄し、乾燥し、滅菌水に再懸濁する。転写緩衝液(200mM Tris−HCl(pH8.0)、40mM MgCl2、10mMスペルミジン、250 NaCl[T7またはT3]、または200mMTris−HCl(pH7.5)、30mM MgCl2、10mMスペルミジン[SP6])、ジチオスレイトール、RNアーゼインヒビター、それぞれ4つのリボヌクレオシド三リン酸、SP6、T7、またはT3 RNAポリメラーゼのいずれかと線状化DNAとの37℃で30分間のインキュベーションによって、インビトロ転写反応を行った。RNAを含む放射性標識ポリヌクレオチドを調製するために、非標識UTPを省略し、35S−UTPを反応混合物に含める。DNAテンプレートをDNアーゼIとのインキュベーションにより取り除く。エタノール沈殿後、放射性標識RNAのアリコートを、シンチレーションカウンターで計数してcpm/μlを決定する(Ausubelら、前出)。
【0212】
あるいは、RNAを含む核酸を、固相ホスホラミダイド(上記)などの化学合成技術によって調製する。
【0213】
3.オリゴヌクレオチドを含む核酸
オリゴヌクレオチドを含む核酸を、市販されているオリゴヌクレオチド合成機の使用によって作製することができる(上記)。
【0214】
IV.切断構造
本発明は、FENヌクレアーゼで切断することができる切断構造を提供するので、切断構造の調製法を教示する。本発明はまた、標識切断構造および標識切断構造の調製法を提供する。
【0215】
A.切断構造の調製
本発明の切断構造を、核酸配列がオリゴヌクレオチドプライマーにハイブリッド形成する条件下(例えば、95℃で2〜5分間、その後約50〜60℃の間への冷却)での、a)上流、好ましくは伸長可能な3’末端、好ましくはオリゴヌクレオチドプライマー、b)上流プライマーの5000ヌクレオチド下流以下に存在するオリゴヌクレオチドプローブ、c)標的配列が両プライマーに相補的な適切な標的核酸配列、およびd)適切な緩衝液(例えば、Sentinel Molecular BeaconPCRコア緩衝液(カタログ番号600500)またはStratageneから市販されている10×Pfu緩衝液(カタログ番号200536))のインキュベーションによって形成する。至適温度は、特異的プローブ、プライマー、およびポリメラーゼに依存して変化する。本発明の好ましい実施形態では、切断構造は、標的核酸配列にハイブリッド形成することができる上流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のA)の3’末端が標的核酸配列にアニーリングする下流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のC)の1つまたは複数の塩基対に相補的であり、1つの塩基対の重複が一本鎖フラップの伸長点のすぐ下流である重複フラップを含む。
【0216】
上流オリゴヌクレオチドプライマーの3’末端を、新規に合成された上流オリゴヌクレオチドプライマーの3’末端が下流オリゴヌクレオチドプローブの5’末端に部分的に置換されるような本発明のポリメラーゼの合成活性によって伸長する。Sentinel Molecular beaconPCRコア緩衝液または1×Pfu緩衝液中で72℃で15秒間伸長させることが好ましい。本発明の1つの実施形態では、本発明の切断構造を、標的核酸配列と、3’相補領域が標的核酸配列にアニーリングし標的核酸配列にアニーリングしない非相補5’領域が5’フラップを形成するような部分的に相補的なオリゴヌクレオチドプライマーとのインキュベーションによって調製することができる。適切な緩衝液(1×Sentinel Molecular beaconコア緩衝液または1×Pfu緩衝液等)の存在下、核酸配列がオリゴヌクレオチドプライマーとハイブリッド形成する条件下(例えば、例えば、95℃で2〜5分間、その後約50〜60℃の間への冷却)で、アニーリングを行うことが好ましい。
【0217】
B.標識切断構造の調製法
本発明では、標識を切断構造を含むオリゴヌクレオチドプライマーに結合させてプローブを形成する。したがって、フラップ特異性ヌクレアーゼのエンドヌクレアーゼ活性によって切断された切断モノヌクレオチドまたは小さなオリゴヌクレオチドを検出することができる。
【0218】
本発明の標識構造を、核酸配列がオリゴヌクレオチドプライマーにハイブリッド形成する条件下(例えば、約95℃で2〜5分間、その後約50〜60℃の間への冷却)での、a)上流の伸長可能な3’末端、好ましくはオリゴヌクレオチドプライマー、b)上流プライマーの500ヌクレオチド下流以下に存在する標識プローブ、c)標的配列がオリゴヌクレオチドに相補的な適切な標的核酸配列、およびd)適切な緩衝液(例えば、1×Sentinel Molecular beaconコア緩衝液または1×Pfu緩衝液)のインキュベーションによって形成する。本発明の切断構造はまた、標的核酸配列にハイブリッド形成することができる上流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のA)の3’末端が、標的核酸配列にアニーリングする下流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のC)の1つまたは複数の塩基対に相補的であり、1つの塩基対の重複が一本鎖フラップの伸長点のすぐ下流である重複フラップを含む。上流プライマーの3’末端を、新規の合成された上流プライマーの3’末端が下流プローブの標識5’末端に部分的に置換されるようなポリメラーゼの合成活性によって伸長する。1×Sentinel Molecular beaconコア緩衝液または1×Pfu緩衝液中で72℃で15秒間伸長させることが好ましい。本発明の切断構造を、標的核酸配列とともに、該標的核酸配列にアニーリングしないで5’フラップを形成する非相補標識5’領域および該標的核酸配列にアニーリングする相補3’領域とを含むプローブをインキュベーションして調製することができる。適切な緩衝液(例えば1×Sentinel Molecular beaconコア緩衝液または1×Pfu緩衝液)の存在下、核酸配列がオリゴヌクレオチドプライマーとハイブリッド形成する条件下(例えば、95℃で2〜5分間、その後約50〜60℃の間への冷却)で、アニーリングを行うことが好ましい。
【0219】
次いで、任意のいくつかのストラテジーを使用して、非切断標識核酸とその切断フラグメントを区別することができる。この様式では、本発明により、標的核酸配列を含むこれらのサンプルの同定が可能である。
【0220】
オリゴヌクレオチドプローブを、下記のように、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、酵素、または化学的手段によって検出可能な部分の組み込みによって標識する。オリゴヌクレオチドプローブへの標識の連結または抱合法は、勿論、使用した標識の型およびプローブ上の標識の位置に依存する。好ましくは、プローブを5’末端で標識するが、3’末端で標識したプローブまたはプローブ全体に標識したプローブもまた、本発明の特定の実施形態で有用である。
【0221】
本発明での使用に適切な種々の標識ならびにプローブの封入法が当該分野で公知であり、互いに相互作用して、シグナルを増加、変化、または減少させることができる酵素(例えば、アルカリホスファターゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼ)および酵素基質、放射性原子、蛍光染料、発色団、化学発光標識、電気化学発光標識(OrigenTM(Igen)など)が含まれるが、これらに限定されない。勿論、標識分子をサーマルサイクラー装置を使用して行うPCRベースのアッセイで使用する場合、標識は、この自動化処理過程に必要な温度サイクリングに耐えることができなければならない。
【0222】
放射性原子のうち、33Pまたは32Pが好ましい。核酸への33Pまたは32Pの導入法は当該分野で公知であり、例えば、キナーゼでの5’標識またはニック翻訳による無作為挿入が含まれる。「特異的結合パートナー」は、例えば、抗原およびそれに特異的なモノクローナル抗体のように、高い特異性でリガンド分子に結合することができるタンパク質をいう。他の特異的結合パートナーには、ビオチンとアビジンまたはストレプトアビジン、IgGとプロテインAならびに当該分野公知の多数のレセプター−リガンド結合が含まれる。上記は、同一の標識がいくつかの異なる様式で作用することができるように、種々の標識を明確なクラスに分類することを意味しない。例えば、125Iは、放射性標識または電子密度試薬として作用することができる。HRPは、酵素またはモノクローナル抗体の抗原として作用することができる。さらに、所望の効果のために種々の標識を組み合わせることができる。例えば、ビオチンでプローブを標識し、125Iで標識したアビジンまたはHRPで標識した抗ビオチンモノクローナル抗体でプローブの存在を検出することができる。他の置換および可能性は、当業者に容易に明らかであり、本発明の範囲内の等価物とみなされる。
【0223】
本発明の標識プローブの構築における標識用の蛍光発生団には、ローダミンおよび誘導体(テキサスレッドなど)、フルオレセインおよび誘導体(5−ブロモメチルフルオレセインなど)、ルシフェルイエロー、IAEDANS、7−Me2N−クマリン−4−アセテート、7−OH−4−CH3−クマリン−3−アセテート、7−NH2−4−CH3−クマリン−3−アセテート、モノブロモビメイン、ピレントリスルホナート(カスケードブルーなど)、およびモノブロモリメチル−アンモニオビメインが含まれる。一般に、モノクロメーターよりもむしろフィルターを有する蛍光光度計を使用し、検出効率を増大させるために広範なストークスシフトの蛍光発生団が好ましい。
【0224】
蛍光発生団で標識したプローブを、本発明の標識プローブを含む切断構造のFEN媒介切断に容易に使用することができる。標識がプローブの末端に存在する場合、FENによって得られた標識フラグメントを、当該分野で周知の手順によって無傷のハイブリッド形成プローブから分離する。次いで、放出標識の蛍光を、標的に結合したままの標識と比較する。プローブが通常5’末端で蛍光発生団およびクエンチ剤(通常、色素の約20ヌクレオチド下流)で合成された場合、FENの存在下での切断後にFENによって得られたフラグメントおよび標的に結合したままのプローブを分離する必要はない。無傷の場合、色素からの発光がクエンチ剤によってクエンチされるので、このような二重標識プローブは蛍光を発生しない。したがって、無傷のプローブによって発生する任意の蛍光は、バックグラウンド蛍光であるとみなされる。標識プローブがFENヌクレアーゼで切断された場合、色素およびクエンチ剤が分離して放出フラグメントが蛍光を発する。蛍光の量は、サンプル中に存在する核酸標的配列の量に比例する。
【0225】
いくつかの状況では、オリゴヌクレオチド加水分解中に標識が分離可能なオリゴヌクレオチド上の標識の適切な間隔の維持を熟考した1つのオリゴヌクレオチド上の2つの相互作用標識を使用することができる。本発明で有用な好ましい相互作用標識には、ローダミンおよび誘導体、フルオレセインおよび誘導体、テキサスレッド、クマリンおよび誘導体、クリスタルバイオレットが含まれるが、これらに限定されず、DABCYL、TAMRA、およびNTB(ニトロチアゾールブルー)が含まれるが、これらに限定されない。
【0226】
本発明の別の実施形態では、加水分解標識プローブの検出を、例えば、蛍光偏光、分子回転に基づいた巨大分子と小分子とを区別する技術を使用して行うことができる。巨大分子(すなわち、無傷の標識プローブ)は、溶液中で小分子よりもさらによりゆっくりと回転する。蛍光部分の目的の分子への結合の際(例えば、標識プローブの5’末端)、この蛍光部分を分子回転に基づいて測定(および区別)することができるので、無傷のプローブと消化プローブを測定することができる。
【0227】
さらに別の実施形態では、それぞれ二本鎖標的配列の別の鎖の別の領域に相補的であるが、互いには相補的ではないので標識核酸が各プライマーの下流にアニーリングする2つの標識核酸を使用する。例えば、2つのプローブの存在により、シグナル標識から発生するシグナルの強度は潜在的に2倍になり、PCR増幅でしばしば起こるように産物の鎖の再アニーリングが減少するようにさらに作用し得る。プライマーが結合する位置に隣接する位置(下流)でプローブが結合するようにプローブを選択する。
【0228】
他の利点を得るために本発明の複数のプローブを使用することもできる。例えば、サンプル中の任意の数の病原性物質を、単に反応混合物中に所望の数のプローブと投入してテストしてよく、検出を容易にするために、プローブはそれぞれ異なる標識を含み得る。
【0229】
例えば、異なるTmを有するプローブの使用および1つのみのプローブ/対立遺伝子二重鎖に特異的な温度でのアニーリング/切断により、本発明の複数のプローブを使用して対立遺伝子特異的または種特異的識別を行うこともできる。1つのみのプローブの使用および得られた切断産物の型の試験によって対立遺伝子特異的識別を行うこともできる。本発明のこの実施形態では、1つの対立遺伝子の少なくとも5’末端領域に正確に相補的であるが他の対立遺伝子には相補的ではないようにプローブを設計する。他の対立遺伝子に関しては、プローブの5’末端領域でプローブがミスマッチして、プローブが正確に相補的な対立遺伝子とハイブリッド形成する場合に得られる切断産物と比較して、異なる切断産物が得られる。
【0230】
重要な利点が得られるようにプローブ配列を選択することができるにもかかわらず、プローブ標識の選択によって重要な利点が認識することもできる。標識を、種々の技術によって直接または間接的にオリゴヌクレオチドに結合させることができる。使用した標識の正確な型に依存して、シグナル相互作用を促進するために、標識をプローブの5’または3’末端に位置付けるか、プローブ内部に位置付けるか、種々のサイズのスペーサーアームおよび組成物に結合させることができる。市販のホスホラミダイド試薬を使用して、適切に保護したホスホラミダイドを介して5−または3末端のいずれかで官能基(例えば、チオールまたは1価のアミン)を含むオリゴマーを作製し、例えば「PCRプロトコール:方法および応用ガイド」、Innisら編、Academic Press,Ind.、1990に記載のプロトコールを使用して標識することができる。
【0231】
オリゴヌクレオチドプローブ配列の典型的には5’末端への1つまたは複数のスルフヒドリル、アミノ、または水酸部分を導入するためのオリゴヌクレオチド官能化試薬導入法は、米国特許第4,914,210号に記載されている。ポリヌクレオチドキナーゼおよびγ−32P−ATPまたはγ−33P−ATPの使用によって、放射線同位元素として5’リン酸基を導入して、レポーター基を得ることができる。アミノチミジン残基または合成中に導入された6−アミノヘキシル残基のビオチンのNヒドロキシスクシンイミドエステルとの反応によってビオチンを5’末端に添加することができる。3’末端の標識は、所望の部分(例えば、コルダイセピン35S−dATPおよびビオチン化dUTPなど)を添加するためにポリヌクレオチド末端トランスメラーゼを使用することができる。
【0232】
オリゴヌクレオチド誘導体はまた、利用可能な標識である。例えば、エテノ−dAおよびエテノ−Aは、核酸プローブに組み込むことができる公知の蛍光アデニンヌクレオチドである。同様に、エテノ−dCまたは2−アミノプリンデオキシリボシドは、プローブ合成に使用することができる別のアナログである。このようなヌクレオチド誘導体を含むプローブを加水分解して、フラップ特異的ヌクレアーゼ活性によってさらにより強力に蛍光モノヌクレオチドを放出することができる。
【0233】
C.切断構造の切断およびシグナルの発生。本発明の切断構造を、上記の項(タイトル「FENヌクレアーゼ」)に記載の方法によって切断することができる。
【0234】
D.放出標識フラグメントの検出
標識フラグメントの変形形態の検出を、当該分野で周知の種々の方法によって行うことができ、これは標識切断構造を含む標識部分の特徴に依存し得る。
【0235】
1つの実施形態では、放出標識フラグメントを含む反応産物を、サイズ分析に供する。標識フラグメントサイズの同定法は当該分野で公知であり、例えば、ゲル電気泳動、勾配沈殿法、ゲル排除クロマトグラフィー、質量分析、およびホモクロマトグラフィーが含まれる。
【0236】
増幅中および増幅後、例えば、PCR混合物からの放出標識フラグメントの分離を、例えばPCRと固相抽出溶媒(SPE)との接触によって行うことができる。例えば、標識された非切断核酸が結合し、短い標識フラグメントが結合しない条件下で、サイズ、電荷、核酸塩基との相互作用に基づく核酸結合能力を有する物質をPCR混合物に添加することができる。このようなSPE物質には、イオン交換樹脂およびビーズ(市販の結合粒子であるNensorb(DuPont Chemical Co.)、Nucleogen(The Nest Group)、PEI、BakerBondTMPEI、Amicon PAE1,000、SelectacelTMPEI、3’リボースプローブを含むBoronate SPE、プローブの3’末端に相補的な配列を含むSPE、およびハイドロキシアパタイトなどが含まれる。特定の実施形態では、ヌクレアーゼ感受性切断サイトによって5’標識から分離された3’ビオチン標識を含む二重標識オリゴヌクレオチドをシグナル手段として使用する場合、反応混合物(例えば、PCR増幅混合物)を、特異的結合パートナー(アビジンまたはストレプトアビジンなど)またはビオチンに対する抗体もしくはモノクローナル抗体を含む物質と接触させることができる。このような物質には、特異的結合パートナーで被覆したビーズおよび粒子を含み、磁性粒子も含み得る。
【0237】
反応混合物(例えば、PCR混合物)をSPEと接触する工程の後、SPE物質を濾過、沈殿、または磁力によって除去して、残余の非切断標識オリゴヌクレオチドを含まない標識フラグメントが検出に用いられる。
【0238】
IV.使用法
本発明は、標的核酸配列と核酸ポリメラーゼとのインキュベーションによって標識切断構造を形成する工程と、FENヌクレアーゼで切断構造を切断する工程とを包含する、サンプル中の標的核酸配列の存在の指標となるシグナルの発生法を提供する。本発明の方法を、下記のPCRベースのアッセイで使用することができる。
【0239】
上流オリゴヌクレオチドプライマー(例えば、図3のA)、5’末端標識下流オリゴヌクレオチドプローブ(例えば、図3のC)、および標的核酸配列(例えば、図3のB)を含む標識切断構造を、上記のタイトル「切断構造」の項に記載のように形成した。簡単に述べれば、標的核酸配列、上流プライマー(例えば、図3のA)、標識下流プローブ(例えば、図3のC)、標的核酸配列に特異的な複数の増幅プライマー、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く核酸ポリメラーゼ、FENヌクレアーゼおよびPCR反応に適切な緩衝液(例えば、10×Pfu緩衝液、Stragtagene、カタログ番号200536)の存在下で、以下の熱サイクルパラメータ(95℃で2分間ならびに95℃で15秒間(変性工程)、60℃で60秒間(アニーリング工程)、および72℃で15秒間(伸長工程)を40サイクル)を使用して切断構造を形成し、切断する。この反応中、上流オリゴヌクレオチド(例えば、図3のA)が標的核酸配列(例えば、図3のオリゴヌクレオチドC)にアニーリングする下流オリゴヌクレオチドの5’標識末端を置換するようにオリゴヌクレオチドが伸長され、得られた標識構造は、本発明のFENヌクレアーゼで切断される。
【0240】
本発明の方法を、標的を固体支持体上で固定することができるような非PCRベース処理で使用して、標的核酸配列を検出することができる。固体支持体上の核酸配列の固定法は当該分野で公知であり、Ausubel FMら「現代の分子生物学プロトコール」、John Wiley and Son Inc.および製造者が供給しているプロトコール(例えば膜についてはPall Corporation、Schleicher & Schuell、磁性ビーズについてはDynal、培養プレートについてはCostar、Nalgenunc、本発明で有用な他の支持体についてはCPG,Inc.)に記載されている。本発明で有用な固体支持体には、シリカベースの物質、膜ベースの物質、および表面(スチレンラテックス、またはシリカベースの物質および他のポリマーが含まれるが、これらに限定されない)を含むビーズが含まれる。磁性ビーズも本発明で有用である。上記の製造者および他の公知の製造者から固体支持体を得ることができる。
【0241】
本発明はまた、溶液中の標的核酸配列の検出用の非PCRベースのアッセイを提供する。本発明の方法を使用して、溶液中の天然に存在する標的核酸配列(細胞、組織、単細胞生物、細菌、またはウイルスから単離または精製したRNAおよびDNAが含まれるが、これらに限定されない)を検出することができる。本発明の方法を使用して、溶液中の合成標的(RNAまたはDNAオリゴヌクレオチドおよびペプチド核酸(PNA)が含まれるが、これらに限定されない)を検出することもできる。非PCRアッセイには、3’→5’合成活性によって合成された核酸の量が一次関数または指数関数的に増加する等温直線的又は指数的増幅を含む検出アッセイが含まれるが、これらに限定されず、FENヌクレアーゼを使用して、合成中の置換鎖を切断する。このような例の1つは、ローリングサークル増幅を利用する。
【0242】
固定核酸標的配列または溶液中の標的核酸配列と、標的核酸配列に相補的な上流オリゴヌクレオチドプライマー(例えば、図3のA)および標的核酸配列に相補的な下流オリゴヌクレオチドプローブ(例えば、図3のC)、FENヌクレアーゼ、および5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く核酸ポリメラーゼとのインキュベーションによって、固定されているか溶液中に存在する核酸標的配列の検出を行うことができる。下流プローブは、5’または3’末端で末端標識されたものであるか、内部標識されている。放出標識フラグメントの検出には、プローブに組み込まれる特異的標識に適切な同位体、酵素、または比色法が含まれる。本発明で有用な標識および本発明で有用な標識の検出法は、タイトル「切断構造」の項に記載されている。あるいは、下流プローブは、プローブが無傷の場合に検出可能なシグナルの発生がクエンチされるように存在する相互作用性シグナル発生標識部分の対(例えば、色素およびクエンチ剤)を含み、相互作用シグナル発生部分の対はFENヌクレアーゼ切断サイトによって隔離されている。FENヌクレアーゼでの切断の際、2つのシグナル発生部分が互いに分離し、検出可能なシグナルが発生する。本発明の方法での固定核酸標的配列または溶液中の核酸標的配列の検出に有効な核酸ポリメラーゼには、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠く中温性、好熱性、または超好熱性DNAポリメラーゼが含まれる(タイトル「核酸ポリメラーゼ」の項に記載)。
【0243】
非PCRベースの方法によれば、検出することができる標的核酸配列の量は、好ましくは約1pg〜1μg、より好ましくは約1pg〜10ng、最も好ましくは約1pg〜10pgである。あるいは、この非PCRベースの方法により、好ましくは約1分子〜1020分子、より好ましくは約100分子〜1017分子、最も好ましくは約1000分子〜1014分子を測定または検出することができる。
【0244】
本発明はまた、タイトル「切断構造」に記載のように切断配列を形成し、非PCRベースの方法(等温法(例えば、ローリングサークル、自律配列複製増幅(3SR)、転写ベースの増幅系(TAS)、および鎖置換増幅(SDA))および非等温法(例えば、ライゲーション連鎖反応(LCR))が含まれるが、これらに限定されない)によって標的核酸配列を増幅する、サンプル中の標的核酸配列の検出法を提供する。非PCR増幅法に有用なFENヌクレアーゼは、使用される特定の増幅法に適切な温度範囲で活性である。
【0245】
以下に記載の増幅プロトコールでは、標的を定量するために調製する必要があるサンプルには、サンプル、非テンプレートコントロール、および検量線作成用反応物(規定の標的量を含めて106オーダーの希釈液を含む)が含まれる。
【0246】
鎖置換増幅(SDA)は、制限酵素がその認識部位のヘミホスホロチオエート形態の非改変鎖にニックを形成する能力に基づく。適切なDNAポリメラーゼは、このニックで複製を開始し、下流非テンプレート鎖を置換する(Waker、1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89、392、PCR Methods and Applications、3、1〜6、1993)。SDA法で使用されるポリメラーゼ(BcaおよびBst)を、本発明のFEN指向性切断に使用することもできる。本発明の方法によれば、分子標識を42℃で活性なFENヌクレアーゼおよび本発明の切断構造を含む切断プローブに置換する。
【0247】
分子標識(Mb)は、溶液中でステム−ループ構造を形成する蛍光発生プローブである。典型的には:5’ステム領域(5〜7nt)、ループ領域(標的に相補的、20〜30nt)、3’ステム領域(5’ステム領域に相補的)、およびクエンチ剤(例えば、DABCYL)に結合した5’蛍光色素(例えば、FAM)。標的が存在しない場合、MBはステムを形成して色素およびクエンチ剤を近接させて蛍光を発しない。MBはその標的に結合した場合、ステムが開いて色素がクエンチ剤から分離し、プローブが蛍光を発する(Tyagi S. and Kramer FR、Nature Biotechnology、14、303〜308、1996および米国特許第5,925,517号)。
【0248】
鎖置換増幅(SDA)を、本質的にSpargoら、Molecular and Cellular Probes、10、247〜256、1996に記載のように行う。使用した酵素には、制限エンドヌクレアーゼBsoBI(New England Biolabs)、DNAポリメラーゼ5’−エキソ−Bca(Pan Vera Corporation)が含まれる。標的は、Mycobacterium tuberculosis(Mtb)ゲノムに見出される挿入様エレメント(IS6110)である。使用したプライマーは、B1:cgatcgagcaagcca(配列番号4)、B2:cgagccgctcgctg(配列番号5)、S1:accgcatcgaatgcatgtctcgggtaaggcgtactcgacc(配列番号6)およびS2:cgattccgctccagacttctcgggtgtactgagatccct(配列番号7)である。Mycobacterium tuberculosisゲノムDNAを、ヒト胎盤DNA中で連続希釈する。0〜1000Mtbゲノム等価物、500ngヒト胎盤DNA、160単位のBsoB1、8単位の5’−エキソ−Bca、1.4mMの各dCTPαS、TTP、dGTP、dATP、35mM K2PO4(pH7.6)、0.1mg/mlアセチル化ウシ血清アルブミン(BSA)、3mM Tris−HCl、10mM MgCl2、11mM NaCl、0.3mM DTT、4mMKCl、4%グリセロール、0.008mM EDTA、500nMプライマーS1およびS2ならびに50nMプライマーB1およびB2(KCl、グリセロールおよびEDTAは、BsoB1保存溶液の成分である)を含む50μlのサンプル中でSDAを行う。サンプル(35μl)を、煮沸した水浴中で3分間加熱後、BsoB1および5’−エキソ Bca(10.7単位/μl BsoB1および0.53単位/μl 5’−エキソBcaを含む15μlのNew England Biolabsの緩衝液2(20mM Tris−HCl(pH7.9)、10mM MgCl2、50mM NaCl、1mM DTT)を添加した。インキュベーションは60℃で15分間、その後煮沸水浴中で5分間である。
【0249】
5μlの2連の各サンプルを検出用に取り出す。各反応物は、1×クローン化Pfu緩衝液、3.0mM MgCl2、200μMの各dNTP、5単位のエキソPfu、23ng Pfu FEN−1、1ng PEF、300nM各上流プライマー:aaggcgtactcgacctgaaa(配列番号8)、および蛍光発生プローブ(例えば、FAM−DABCYL):accatacggataggggatctc(配列番号9)を含む。反応物をサーマルサイクラーの以下の1サイクルに供する:95℃で2分間、55℃で1分間、72℃で1分間。次いで、蛍光プレートリーダー(Stratagene FluorTrackerまたはPE Biosystems 7700配列検出システム(プレート読み出しモード)など)で蛍光を同定する。
【0250】
核酸配列ベースの増幅法(NASBA)によれば、分子標識を、リアルタイム分析におけるNASBA RNAアンプリコンの定量に使用する(Leoneら、1998、Nucleic Acids Res.、26、2150)。本発明の方法によれば、分子標識プローブが、本発明の切断構造を含むFENヌクレアーゼ切断プローブおよび41℃で活性なFENヌクレアーゼにより置換されるNASBAを行うことができる。
【0251】
本質的にLeoneら、Nucleic Acids Res.、26、2150〜2155、1998に記載のようにNASBA増幅を行う。ジャガイモハマキウイルス(PLRV)由来のゲノムRNA形態を、PD415またはPD416(アンチセンス)およびPD417(センス)プライマーを使用して増幅する(Leoneら、J.Virol.Methods、66、19〜27(1997)に詳述)。各NASBA反応は、6μlの滅菌水、4μlの5×NASBA緩衝液(5×NASBA緩衝液は200mM Tris−HCl(pH8.5)、60mM MgCl2、350mM KCl、2.5mM DTT、5mM各dNTP、10mM各ATP、UTP,およびCTP、7.5mM GTP、および2.5mMITP)、4μlの5×プライマーミックス(75%DMSOおよび1Mの各アンチセンスおよびセンスプライマー)のプレミックスを含む。プレミックスを14μlのアリコートに分け、これに1μlのPLRV標的を添加する。65℃で5分間のインキュベーションおよび41℃で5分間の冷却後、5μlの酵素ミックスを添加する(反応あたり375mMソルビトール、2.1μgBSA、0.08単位のRNアーゼH(Pharmacia)、32単位をT7 RNAポリメラーゼ(Pharmacia)、および6.4単位のAMV−RT(Seigakaku))。増幅は41℃で90分間である。
【0252】
5μlの2連の各サンプルを検出用に取り出す。各反応は、1×クローン化Pfu緩衝液、3.0mM MgCl2、200μMの各dNTP、5単位のエキソPfu、23ng Pfu FEN−1、1ng PEF、300nM各上流プライマーPD415またはPD416、および蛍光発生プローブ(例えば、FAM−DABCYL):gcaaagtatcatccctccag(配列番号10)を含む。反応物をサーマルサイクラーの以下の1サイクルに供する:95℃で2分間、55℃で1分間、72℃で1分間。次いで、蛍光プレートリーダー(Stratagene FluorTrackerまたはPE Biosystems 7700配列検出システム(プレート読み出しモード)など)で蛍光を同定する。
【0253】
一般に、非PCRベースの方法によって増幅されるこれらの方法によれば、FENヌクレアーゼの存在下で増幅を行うことができ、FENヌクレアーゼにより増幅および切断が同時に起こる。タイトル「切断構造」の項に記載のように放出標識フラグメントの検出を行い、この検出は増幅と同時(リアルタイム)または増幅および切断過程の完了後(終点)に行うことができる。
【0254】
終点アッセイを使用して、FENヌクレアーゼ(上記)の存在下での増幅工程を行う非PCRベースの方法によって得られた増幅標的を定量することができる。
【0255】
終点アッセイには、以下が含まれるが、これらに限定されない。
【0256】
A.Landegrenら、1988、Science、241、1077およびBarany、PCR Methods and Application、1、5〜16(1991)に記載のライゲーション連鎖反応(LCR)。本発明で有用なLCR産物は、上流プライマーおよび標識下流プローブがFENヌクレアーゼによって有効に切断される8ヌクレオチドを超えるギャップによって分離される程十分に長い。
【0257】
B.Fahyら、PCR Methods and Applications、1、25〜33、1991に記載の自律配列複製増幅(3SR)。自律配列複製増幅(3SR)は、NASBAに類似の技術である。Ehricht Rら、Nucleic Acids Res.、25、4697〜4699、1997は、3SR手順を同時結合インビトロ増幅系(CATCH)に発展させた。したがって、CATCHでは、分子標識プローブを、RNAアンプリコンのリアルタイム分析に使用する。増幅した合成標的は、配列:cctctgcagactactattacataatacgactcactatagggatctgcacgtattagcctatagtgagtcgtattaataggaaacaccaaagatgatatttcgtcacagcaagaattcagg(配列番号11)を有する。3SR反応は、40mM Tris−HCl(pH8.0)、5mM KCl、30mM MgCl2、1mMの各dNTP、1nMの二本鎖標的、2μM P1:cctctgcagactactattac(配列番号12)およびP2:cctgaattcttgctgtgacg(配列番号13)、5mM DTT,2mMスペルミジン、6単位/μl Hisタグ化HIV−1逆転写酵素、3単位/μl T7−RNAポリメラーゼ、および0.16単位/μl Escherichia coli RNアーゼHを含む。100μlの反応物を、42℃で30分間インキュベートする。
【0258】
5μlの2連の各サンプルを検出用に取り出す。各反応物は、1×クローン化Pfu緩衝液、3.0mM MgCl2、200μMの各dNTP、5単位のエキソPfu、23ng Pfu FEN−1、1ng PEF、300nM各上流プライマーP1および蛍光発生プローブ(例えば、FAM−DABCYL):taggaaacaccaaagatgatattt(配列番号14)を含む。反応物をサーマルサイクラーの以下の1サイクルに供する:95℃で2分間、55℃で1分間、72℃で1分間。次いで、蛍光プレートリーダー(Stratagene FluorTrackerまたはPE Biosystems 7700配列検出システム(プレート読み出しモード)など)で蛍光を同定する。
【0259】
C.ローリンサークル増幅は、米国特許第5,854,033号および関連する分岐伸長増幅法(RAM)(米国特許第5,942、391号)に記載されている。本発明に適合させたローリングサークル増幅は、以下の実施例3に記載されている。
【0260】
リアルタイムアッセイを使用して、増幅工程をFENヌクレアーゼ(上記)の存在下で行う非PCRベースの方法によって得られた増幅標的を定量することもできる。ローリングサークル増幅(米国特許第5,854,033号)を、FENヌクレアーゼおよび本発明の切断構造を含む切断プローブと共に増幅および検出用の二次プライマーを含むように適応させ、50℃〜60℃の温度で行う。
【0261】
DNAプライマーを完全にアニーリングさせない場合は、FENヌクレアーゼの切断パターンを、プライマーの5’末端由来の1〜15ヌクレオチドの間の任意の位置に存在する1つのミスマッチ塩基の存在によって変化させることができる。典型的には、完全にアニーリングされた基質では、FENヌクレアーゼは、最5’端ヌクレオチドをヌクレオチド末端結合分解によって切断する。しかし、5’末端から15ヌクレオチド以内の1つのヌクレオチドミスマッチにより、ヌクレオチド内部結合分解性切断が促進される。これは、ミスマッチによりミスマッチを除去するヌクレアーゼ作用が促進される5’校正処理過程によりもたらされる。したがって、FENヌクレアーゼ切断機構は、1つのミスマッチ塩基対の存在により、主にヌクレオチド末端結合分解性切断から主にヌクレオチド内部結合分解性切断に変えられる。この変化はおそらくミスマッチにより短いフラップが作製されるために起こるのであろう(Rumbaughら、1999、J.Biol.Chem.、274、14602)。
【0262】
本発明の方法を使用して、標的核酸配列中の配列変形形態の存在の指標となるシグナルを発生させることができ、ここでは、標的核酸配列と核酸ポリメラーゼ(タイトル「切断構造」の項に記載)とのインキュベーションによって完全にアニーリングしたDNAプライマーを含む標識切断構造が形成され、FENヌクレアーゼで該標識切断構造を切断して、エキソヌクレアーゼ切断産物を含む標的フラグメント放出が配列変形形態の存在の指標となる。放出した標識フラグメントを、タイトル「切断構造」の項に記載のように検出する。
【0263】
V.サンプル
本発明は、本明細書中で定義したサンプル中の標的核酸配列の検出または測定法を提供する。本明細書中で使用される、「サンプル」は、目的の核酸(標的核酸配列)を含むか含むと予想されるか、それ自体が目的の標的核酸配列を含むか含むと予想される標的核酸配列である、任意の物質をいう。したがって、用語「サンプル」には、標的核酸配列(ゲノムDNA、cDNA、RNA)、細胞、生物、組織、流体または物質(例えば、血漿、血清、髄液、リンパ液、滑液、尿、涙、便;皮膚、気管、腸および尿生殖路の外分泌物;唾液、血球、腫瘍、器官、組織、インビトロ細胞培養成分のサンプル、天然の単離物(飲料水、海水、固体物質など)、微生物試料、ならびに核酸トレーサー分子で「標識された」対象物または試料を含むがこれらに限定されない)のサンプルが含まれる。
【0264】
(実施例)
本発明を、以下に記載の材料および方法を使用した非限定的な実施例によって例示する。以後引用した各文献の開示全体が本明細書中で参考として援用される。
【0265】
(実施例1)
標的核酸配列を、以下の方法によって検出および/または測定することができる。FENヌクレアーゼの添加前に、(a)標的核酸配列(図3のB)を含むサンプルと、(b)標的核酸配列と特異的にハイブリッド形成する上流オリゴヌクレオチド(図3のA)、および(c)オリゴヌクレオチドAのハイブリッド形成領域の下流に存在する標的核酸配列領域と特異的にハイブリッド形成する下流の5’末端標識オリゴヌクレオチド(図3のC)を95℃で5分間の加熱および約50〜60℃への冷却して標識切断構造を形成する。5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くが3’→5’DNA合成活性を有するポリメラーゼ酵素a)Yaqエキソ−(Taqポリメラーゼ(Tabor and Richardson、1985、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82、1074)を改変するためにStratagene QuikChange部位特異的変異誘発キット、カタログ番号200518を使用した変異誘発によって調製)5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼの変異形態である、b)Pfu、またはc)3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuポリメラーゼの変異形態(エキソ−Pfu)などを添加し、オリゴヌクレオチドCの5’末端を部分的に置換するようにポリメラーゼがオリゴヌクレアーゼAを伸長する条件下(例えば、1×Pfu緩衝液(Stratagene)中で72時間)で5分〜1時間インキュベートする。オリゴヌクレオチドCの置換領域により、FENヌクレアーゼの添加によって切断される5’フラップを形成する。
【0266】
5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くが3’→5’DNA合成活性を有するTaqポリメラーゼの変異形態は、以下の変異を含む:D144S/F667Y Taq(D144Sは5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を消去し、F667YはddNTP組み込みを改良する)。
【0267】
PolIポリメラーゼのエキソ−変異体を、Xuら、1997、J.Mol.Biol.、268、284の方法に従って調製することができる。
【0268】
本発明の標識切断構造を、PfuFEN−1の調製物(すなわち、以下の実施例2に記載のように調製したクローン化Pyrococcus furiosusFEN−1)で切断する。以下を含む7μlの反応混合物への2μlのPfuFEN−1の添加により切断を行う。
【0269】
3μl 切断構造(10ng〜10μg)
0.7μl 10×FENヌクレアーゼ緩衝液(10×FENヌクレアーゼ緩衝液は500mM Tris−HCl(pH8.0)、100mM MgCl2を含む)
2.00μl PfuFEN−1酵素またはH2O
1.3μl H2O
全量7.00μl
サンプルを、Robocyler96加熱トップサーマルサイクラー中、50℃で1時間インキュベートする。2μlのシークエンシング停止染色溶液(Stratagene Cyclist DNA配列決定キット、カタログ番号200326、実施例3に記載)の添加後、サンプルを99℃で5分間加熱する。サンプルを、11インチ長の手で分注した20%アクリルアミド/ビスアクリルアミドの7M尿素ゲルにロードする。ゲルを、ブロモフェノールブルーが全距離の約2/3まで移動するまで20ワットで泳動する。ゲルをガラスプレートから取り出し、固定液(15%メタノール、5%酢酸)に10分間、そして水に10分間浸す。ゲルをWhatmann 3mm濾紙に置き、プラスチックラップで覆い、加熱吸引ゲルドライヤー中(約80℃)で2時間乾燥させる。ゲルを、X線フィルムに一晩感光させて、標的核酸配列の存在の指標であるシグナルの存在を検出する。
【0270】
(実施例2)
Pfu FEN−1のクローニング。本発明で有用な熱安定性FENヌクレアーゼ酵素を、以下の方法に従って調製することができる。
【0271】
熱安定性FENヌクレアーゼ遺伝子を、当該分野で周知のPCRクローニング法に従ってP.furiosus(ATCC番号43587)由来のゲノムDNAから単離することができる。クローン化PfuFEN−1を、当該分野で周知であり且つ下記の方法に従って細菌細胞中で過剰発現させることができる。
【0272】
以下のpCAL−n−EKクローニングオリゴヌクレオチドを合成および精製した:
a.5’GACGACGACAAGATGGGTGTCCCAATTGGTGAGATTATACCAAGAAAAG3’(配列番号15)および、
b.5’GGAACAAGACCCGTTTATCTCTTGAACCAACTTTCAAGGGTTGATTGTTTTCCACT3’(配列番号16)。
【0273】
Affinity(登録商標)タンパク質発現および精製システムを、Stratageneから入手し、製造者のプロトコールに従って使用した。
【0274】
増幅
インサートDNAを、pCAL−n−EKベクター一本鎖テールに相補的な5’末端に12および13ヌクレオチド配列を含むので定方向クローニングが可能な遺伝子特異的プライマー(オリゴヌクレオチドaおよびb、上記)を使用したPCR増幅によって調製した。FEN−1配列を、
50μl 10×Pfu緩衝液(Stratagene)
7.5μl PfuゲノムDNA(約100ng/μl)
7.5μl PfuTurbo(2.5u/μl)(Stratagene、カタログ番号600250)
15μl 混合プライマー対(各100ng/μl)(オリゴヌクレオチドaおよびb、上記)
4μl 100mM dNTP
416μl H2O
合計500μl
を含む増幅反応物の調製によってP.furiosus由来のゲノムDNAから増幅し、Robocycler96加熱トップサーマルサイクラーを使用して以下の条件下で増幅を行った
【0275】
5つそれぞれの反応物由来のPCR産物を、1つのチューブで合わせ、StrataPrep PCRを使用して精製し、50μlの1mM Tris−HcL(pH8.6)中で溶出した。FEN−1 PCR産物を、ゲルで分析し、約1000bpと同定された。
【0276】
fen−1遺伝子を含むPCR産物を、ライゲーション依存性クローニング末端(LIC)の作製、fen−1遺伝子を含むPCR産物のpCALnEKLICベクター(Stratagene)へのアニーリング、および以下の方法によるアニーリング混合物での細胞の形質転換によってpCALnEKLICベクター(Stratagene)にクローン化した。簡単に述べれば、PCR増幅後、PCR産物を精製し、dATPの存在下でPfuDNAポリメラーゼで処理する(Affinity(登録商標)タンパク質発現および精製システム、Stratagene、カタログ番号200326に含まれるマニュアルに従う)。dTTP、dGTP、およびdCTPの非存在下で、PfuDNAポリメラーゼの3’→5’エキソヌクレアーゼ活性により、PCR産物の各3’末端で少なくとも12および13ヌクレオチドが除去される。この活性は、最初のアデニンに遭遇し、pCAL−n−EKベクターの一本鎖テールに相補的な5’伸長一本鎖テールを有するDNAフラグメントが得られるまで持続する。
【0277】
LIC末端の作製
LIC末端を以下の混合物の調製によって作製した。
【0278】
45μl 精製PCR産物(約0.5μg/μl)
2.5μl 10mM dATP
5μl 10×cPfu緩衝液
1μl cPfu(2.5u/μl)
0.5μl H2O
cPfuおよびcPfu緩衝液をStratageneから得ることができる(cPfu、Stratageneカタログ番号600153おおびcPfu緩衝液、Stratageneカタログ番号200532)。
【0279】
サンプルを72℃で20分間インキュベートし、産物を室温に冷却した。各サンプルに40ngの調製pCALnEKLICベクター(調製ベクターはStratageneからAffinityLICクローニングおよびタンパク質精製キット(214405)で販売されている)を添加した。ベクターおよびインサートDNAを合わせ、室温でアニーリングし、形質転換受容性の高い細菌宿主細胞に形質転換する(Wyborskiら、1997、Strategies、10、1)。
【0280】
FEN産生用細胞の調製
2リットルのLB−AMPに20mlのFEN−1クローン(クローン3)の一晩の培養物を接種した。約11時間成長を進行させ、この時点で細胞OD600=0.974に達していた。細胞を1mMIPTGで一晩(約12時間)誘導処理した。遠心分離によって細胞を回収し、得られた細胞ペーストを−20℃で保存した。
【0281】
タグ化FEN−1の精製
細胞を20mMカルシウム結合緩衝液に再懸濁した。
【0282】
CaCl2結合緩衝液
50mM Tris−HCl(pH8.0)
150mM NaCl
1.0mM MgOAc
2mM CaCl2
サンプルをミクロチップを使用したブランソン超音波処理器で超音波処理した。出力設定を5にし、負荷サイクルは90%であった。サンプルを3回超音波処理し、処理の合間は氷上に静置した。超音波処理物を26,890×gで遠心分離した。明澄化した上清を50mlコニカルチューブ中で1mlの洗浄した(CaCl2結合緩衝液中の)カルモジュリンアガロース(CAMアガロース)と混合し、低温室(4℃)で5時間ゆっくりと回転したホイール上でインキュベートした。CAMアガロースを低速の遠心分離(卓上型遠心分離機で5000rpm)によって回収した。
【0283】
上清の除去後、CAMアガロースを50ml CaCl2結合緩衝液で洗浄し、使い捨てドリップカラムに移した。元のコンテナおよびピペットを完全にリンスして、残りのアガロースを除去した。カラムを約200mlのCaCl2結合緩衝液でリンスした。
【0284】
10mlの50mM NaCl溶出緩衝液(50mM NaCl、50mM Tris−HCl(pH8.0)、2mMEGTA)で溶出を行った。0.5mlの画分を回収した。1M NaCl溶出緩衝液で第2の溶出を行い、0.5mlの画分を回収した。
【0285】
精製タグ化FEN−1の評価
1M NaCl中に溶出されたCBPタグ化Pfu FEN−1を含む画分を、SDS中でボイルし、Sypro Orangeで染色した4〜20%ゲルでのSDS−PAGEによって分析した(図4)。
【0286】
非切断FEN−1のタンパク質濃度は、約150ng/μlと同定された(下記)。
【0287】
精製FEN−1のエンテロキナーゼプロテアーゼ(EK)切断
フラクション3〜9を、50mM NaCl、50mM Tris−HCl(pH8.0)、および2mM CaCl2に対して4℃で一晩透析した。
【0288】
透析FEN−1において、不透明で非常に細かい沈殿が認められた。サンプルを1/20で希釈し、沈殿を除去した。サンプルを1/3希釈すると、依然としての不溶物質が検出された。1/3の希釈物質を37℃で2分間加熱し、Tween20と混合して、最終濃度を0.1%とした。Tween20の添加の直後に「ストリング」およびより粗大な固体が形成され、これは、溶液を1M NaClに調整した後でさえも逆効することができなかった。
【0289】
基質として1/20に希釈したサンプルおよび1×EK緩衝液での透析バッグのリンスによって調製した希釈サンプルを使用して、EK切断を行った。室温で一晩(約16時間)の1×EK(1u/μl)の添加によってEK切断を行った。
【0290】
100μlのCAMアガロースと組み合わせた100μlのSTIアガロースを、10mlの1×STI緩衝液(50mM Tris−HCl(pH8.0)、200mM NaCl、2mM CaCl2、0.1%Tween 20)で2回リンスした。NaClを2つのEKサンプルに添加して、最終濃度を200mM NaClにした。2つのサンプルを合わせ、リンスしたアガロースに添加した。サンプルを4℃のホイール上で3時間ゆっくりと回転させ、卓上型遠心分離機での低速の遠心分離によって分離した(上記)。上清を除去し、樹脂を500μl×STIで2回リンスした。2つのリンス物を合わせ、元の上清から分離しておく。サンプルを4〜20%のゲルでのSDS−PAGEによって分析した。
【0291】
約50ng/mlの濃度でPfu標準との比較によって同定したところ、消化産物の濃度は約23ng/μlであった。
【0292】
(実施例3)
FENヌクレアーゼ活性。実施例2に記載のように調製したFENヌクレアーゼのエンドヌクレアーゼ活性およびFENヌクレアーゼの切断構造の要件を、タイトル「FENヌクレアーゼ」の項または以下のいずれかに記載の方法にしたがって同定することができる。
【0293】
簡単に述べれば、3つのテンプレート(図2)を使用して、本発明のFENヌクレアーゼ活性を評価する。テンプレート1は以下の配列を有する5’33P標識オリゴヌクレアーゼ(Heltest4)である:
5’AAAATAAATAAAAAAAATACTGTTGGGAAGGGCGATCGGTGCG3’(配列番号1)。
【0294】
Heltest4の下線部分は、M13mp18+に相補的な領域を示す。切断産物は、配列AAAATAAATAAAAAAAAT(配列番号2)を有する18ヌクレオチドフラグメントである。Heltest4は、M13に結合して相補二本鎖ドメインおよび非相補5’オーバーハングが得られる。この二重鎖により、テンプレート2(図2)が形成される。テンプレート3(図2)はHeltest4に直接隣接するM13に結合したさらなるプライマー(FENAS)を有する。FENASの配列は、5’CCATTCGCCATTCAGGCTGCGCA3’(配列番号3)である。テンプレート3の存在下で、FENヌクレアーゼはHeltest4の遊離の5’末端に結合し、接合点に移動し、Heltest4を切断して18ヌクレオチドフラグメントが得られる。得られた切断産物を、6%アクリルアミドの7M尿素シークエンシングゲルで分離する。
【0295】
テンプレートを下記のように調製する。
【0296】
Pfu緩衝液を、Stratageneから得ることができる(カタログ番号200536)。
【0297】
テンプレート混合物を、95℃で5分間加熱し、室温に45分間冷却し、4℃で一晩保存する。酵素サンプルを以下に示す。
【0298】
A. H2O(コントロール)
B. 2μl未希釈非切断FEN−1(約445ng/μl)
C. 2μl 非切断FEN−1の1/10希釈(約44.5ng/μl)
D. 2μlエンテロキナーゼプロテアーゼ(EK)切断FEN−1(約23ng/μl)
反応混合物を、以下の3つのテンプレートと混合する。
【0299】
3μl テンプレート1、テンプレート2又はテンプレート3
0.7μl 10×クローン化Pfu緩衝液
0.6μl 100mM MgCl2
2.00μl FEN−1またはH2O
0.7μl H2O
全量7.00μl
50℃で30分間この反応を進行させ、各サンプルへの2μlのホルムアミド「シークエンシング停止」溶液の添加によって停止させた。サンプルを95℃で5分間加熱し、6%アクリルアミドの7M尿素CastAway(Stratagene)ゲルにロードした。
【0300】
あるいは、FENヌクレアーゼ活性を、1時間のインキュベーション時間を使用した以下の緩衝液で分析した。
【0301】
10×FEN緩衝液
500mM Tris−HCl(pH8.0)
100mM MgCl2。
【0302】
反応混合物を以下に示す:
3μl テンプレート1、テンプレート2又はテンプレート3
0.7μl 10×FENヌクレアーゼ緩衝液
2.00μl FEN−1またはH2O(上記のA〜D)
1.3μl H2O
全量7.00μl
サンプルを、Robocycler96加熱トップサーマルサイクラー中、50℃で1時間インキュベートする。2μlのシークエンシング停止(95%ホルムアミド、20mM EDTA、0.05%ブロモフェノールブルー、0.05%キシレンシアノール、Stratagene)染色溶液の添加後、サンプルを99℃で5分間加熱する。サンプルを、11インチ長の手で分注した20%アクリルアミド/ビスアクリルアミドの7M尿素ゲルにロードする。ゲルを、ブロモフェノールブルーが全距離の約2/3まで移動するまで20ワットで泳動する。ゲルをガラスプレートから取り出し、固定液(15%メタノール、5%酢酸)に10分間、そして水に10分間浸す。ゲルをWhatmann 3mm濾紙に置き、プラスチックラップで覆い、加熱吸引ゲルドライヤー中(80℃)で2時間乾燥させる。ゲルを、X線フィルムに一晩感光させる。
【0303】
テンプレート1、2、および3(上記のように調製)を、
A.H2O
B.2μlのCBPタグ化PfuFEN−1
C.2μlのCBPタグ化PfuFEN−1希釈物(1:10)
D.2μlのEK切断PfuFEN−1
の添加によって切断しFEN−1ヌクレアーゼアッセイのオートラジオグラフィーを図5に示す。
【0304】
レーンを以下に示す。レーン1A、1B、1C、および1Dは、それぞれH2O、未希釈のCBPタグ化PfuFEN−1、CBPタグ化PfuFEN−1の1:10希釈物、EK切断PfuFEN−1で切断したテンプレート1を示す。レーン2A、2B、2C、および2Dは、それぞれH2O、未希釈のCBPタグ化PfuFEN−1、CBPタグ化PfuFEN−1の1:10希釈物、EK切断PfuFEN−1で切断したテンプレート2を示す。レーン3A、3B、3C、および3Dは、それぞれH2O、未希釈のCBPタグ化PfuFEN−1、CBPタグ化PfuFEN−1の1:10希釈物、EK切断PfuFEN−1で切断したテンプレート3を示す。
【0305】
タグ化PfuFEN−1は、N末端CBP親和性精製タグを含む。FEN−1のタグ化と非タグ化変形形態との間の任意の活性の差はタンパク質濃度差により(酵素サンプルの濃度は上記)、これは、タグ化と非タグ化FEN−1の量が等しくないからである。タグ化および非タグ化Pfu FEN−1が共に切断活性を示す。
【0306】
図5は、FEN−1の非存在下での切断のバックグラウンドレベルを示す(レーン1A、2A、および3A)。さらに、この図は、タグ化Pfu FEN−1がテンプレート1と比較してテンプレート2を多数切断することを示す。特に、未希釈のタグ化Pfu FEN−1の存在下で最も大量のテンプレート2が切断される(レーン2B)。テンプレート3の分析は、未希釈のタグ化Pfu FEN−1によって最も大量のテンプレート3が切断され、希釈タグ化FEN−1によって最も少量のテンプレート3が切断されることを示す。標識プローブは、40〜43ヌクレオチドバンドとして移動する。FEN−1は、テンプレート2よりもテンプレート3(上流プライマーを含む)を優先的に切断する。切断産物バンドは、16〜20ヌクレオチドで移動する主要なバンドである。標識基質(使用前にゲル精製していない)が不均一なので、標識切断産物も不均一である。
【0307】
(実施例4)
FEN−1ヌクレアーゼおよび5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼの存在下でのβアクチンのPCR増幅および検出。
【0308】
PCRアッセイを使用して標的核酸配列を検出する。このアッセイの方法によれば、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼ(例えば、Yaqエキソ−)、熱安定性FEN−1ヌクレアーゼ(例えば、実施例2に記載のように調製したPfu FEN−1)の存在下でPCR反応を行う。蛍光標識フラグメントの放出検出により、標的核酸配列の存在が示される。
【0309】
1×Sentinel Molecular beaconコア緩衝液、3.5mM MgCl2、200μMの各dNTP、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼ(約1.45U)、Pfu FEN−1(約23ng)、PE Biosystemsβアクチンプライマー(各300nM)(カタログ番号600500)、およびβアクチン特異的蛍光発生プローブ(200nM、5’FAM−3’TAMRA−PE Biosystemsカタログ番号P/N401846)を含む二連のPCR反応物を調製した。10ngのヒトゲノムDNA(Promega)を、各反応における標的核酸配列として使用した。この反応を50μlの体積で行った。Pfu FEN−1のみ、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼのみ、またはヒトゲノムDNAテンプレート以外の全ての成分を含むネガティブコントロール反応混合物を調製した。2.5単位のTaq2000を含むポジティブコントロール反応も調製した。分光蛍光光度サーモサイクラー(ABI7700)で反応物をアッセイした。サーモサイクリングパラメータは、95℃で2分間ならびに95℃で15秒、60℃で60秒、および72℃で15秒を40サイクルであった。アニーリング工程の間サンプルを調査した。
【0310】
図6に示すように、Pfu FEN−1のみまたは5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼのみのいずれかの存在下ではシグナルを発生しなかった。5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼおよびPfu FEN−1の両方の存在下では、限界サイクル(Ct)26および12,000単位の最終蛍光強度(FI)でシグナルを発生した。Taq2000(5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を有する核酸ポリメラーゼ)(Taqman)の存在下では、Ct23および17,000のFIでシグナルを発生した。
【0311】
これらの結果は、PCRアッセイによってβアクチンDNA配列を検出することができ、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼおよび熱安定性FEN−1ヌクレアーゼの存在下でシグナルを発生することを示す。さらに、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼでは存在しない5’→3’エキソヌクレアーゼ活性は、Pfu FEN−1の添加によってトランスで修復することができる。
【0312】
(実施例5)
FEN−1ヌクレアーゼおよび5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuポリメラーゼの存在下でのβアクチンのPCR増幅および検出
PCRアッセイを使用して標的核酸配列を検出する。このアッセイの方法によれば、Pfuポリメラーゼ(5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を天然に欠く)、さらに3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuポリメラーゼ(例えば、エキソ−Pfu)、および熱安定性FEN−1ヌクレアーゼ(Pfu FEN−1)の存在下でPCR反応を行う。蛍光標識フラグメントの放出検出により、標的核酸配列の存在が示される。
【0313】
1×クローン化Pfu緩衝液(Stratageneカタログ番号200532から入手可能)、3.0mM MgCl2、200μMの各dNTP、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠く5単位のPfuポリメラーゼ、タグ化または非タグ化PfuFEN−1(約23ng)、PEF(1ng)(WO98/42860に記載)、PE Biosystemsβアクチンプライマー(各300nM)(カタログ番号600500)、および蛍光発生プローブ(200nM、5’FAM−3’TAMRA−PE Biosystemsカタログ番号P/N401846)を含む二連のPCR反応物を調製した。10ngのヒトゲノムDNA(Promega)を、各反応における標的核酸配列として使用した。反応を50μlの体積行った。5’→3’および3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuポリメラーゼのみを含むか、ヒトゲノムDNAテンプレート以外の全ての成分を含むネガティブコントロール反応混合物を調製した。2.5単位のTaq2000を含む反応混合物をポジティブコントロールとして使用した。分光蛍光光度サーモサイクラー(ABI7700)で反応物をアッセイした。サーモサイクリングパラメータは、95℃で2分間ならびに95℃で15秒、60℃で60秒、および72℃で15秒を40サイクルであった。
【0314】
図7に示すように、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を天然に欠くPfuポリメラーゼのみの存在下ではシグナルを発生しなかった。5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuポリメラーゼおよびタグ化Pfu FEN−1の両方の存在下では、限界サイクル(Ct)23および20,000単位の最終蛍光強度(FI)でシグナルを発生した。5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuポリメラーゼおよび非タグ化Pfu FEN−1の存在下では、Ct21および20,000のFIでシグナルを発生した。Taq2000の存在下では、Ct21および19,000のFIでシグナルを発生した。
【0315】
これらの結果は、PCRアッセイによってβアクチン標的の存在を検出することができ、5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuポリメラーゼおよび熱安定性FEN−1ヌクレアーゼの存在下でシグナルを発生することを示す。このシグナルはFEN−1の非存在下でのTaq2000の存在下で発生したシグナルに類似する。さらに、Pfuポリメラーゼでは存在しない5’→3’エキソヌクレアーゼ活性は、Pfu FEN−1の添加によってトランスで修復することができる。
【0316】
(実施例6)
標準的な手順によってバフィーコートから抽出したヒトDNAで検出されるヒトオルニチントランスカルバモイラーゼ遺伝子を標的として使用してローリングサークル増幅を含む本発明のアッセイを行う。標的(400ng)は、97℃で4分間熱変性し、2つの5’リン酸化オリゴヌクレオチド(オープンサークルプローブおよび1つのギャップオリゴヌクレオチド)の存在下のライゲーション条件下でインキュベートする。オープンサークルプローブは、配列:gaggagaataaaagtttctcataagactcgtcatgtctcagcagcttctaacggtcactaatacgactcactataggttctgcctctgggaacac(配列番号17)を有し、野生型配列のギャップヌクレオチドは:tagtgatc(配列番号18)である。図8および9は、ローリングサークルプローブおよびローリングサークル増幅を示す。反応緩衝液(40μl)は、5単位/μlのT4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)、10mM Tris−HCl(pH7.5)、0.2M NaCl、10mM MgCl2、4mM ATP、80nMオープンサークルプローブ、および100nMギャップオリゴヌクレオチドを含む。37℃25分間のインキュベーション後、25μlを取り出し、50mM Tris−HCl(pH7.5)、10mM MgCl2、1mM DTT、400nMの各dTT、dATP、dGTP、dCTP、0.2μMローリングサークル増幅プライマー:gctgagacatgacgagtc(配列番号19)、phi29DNAポリメラーゼ(160ng/50μl)を含む25μlの溶液に添加する。サンプルを30℃で30分間インキュベートする。
【0317】
RNAを、以下の試薬濃度を得るために希釈した代替緩衝液(ストック溶液または濃縮物)の添加によってオープンサークルプローブ中に存在するT7プロモーターから作製する:35mM Tris−HCl(pH8.2)、2mMスペルミジン、18mM MgCl2、5mM GMP、1mMのATP、CTP、GTP、333μM UTP、667μMビオチン−16−UTP、0.03% Tween20、2単位/μlのT7 RNAポリメラーゼ。米国特許第5,858,033号に記載のようにRNA作製を行った。37℃で90分間インキュベーションを進行させる。
【0318】
5μlの2連の各サンプル(実際の試験サンプル、(−)リガーゼコントロールサンプル、(−)phi29DNAポリメラーゼコントロール、および(−)T7 RNAポリメラーゼコントロール)を検出用に取り出す。逆転写過程は、本発明に従って、(A)オープンサークルのライゲーション、B)ローリングサークル鎖DNAの合成、C)RNAの作製(オープンサークルプローブ中に存在するT7プロモーターより)、D)RNAの逆転写によるcDNAの作製、およびE)FEN切断構造を検出するためのプライマーおよびプローブを使用したcDNAのPCR増幅の工程を含む。逆転写には、製造者が推奨する同量のYaq DNAポリメラーゼのTaq2000DNAポリメラーゼへの置換以外はStratagene Sentinel Single−チューブRT−PCRコア試薬キット(カタログ番号600505)から得られる試薬およびプロトコールを使用する。各反応物は、1×Sentinel Molecular beacon RT−PCRコア緩衝液、3.5mM MgCl2、200μMの各dNTP、5単位のエキソ−Pfu、23ng Pfu FEN−1、1ngPEF、500nMの各上流プライマー:aagtttctcataagactcgtcat(配列番号20)、逆プライマー:aggcagaacctatagtgagtcgt(配列番号21)、および蛍光発生プローブ(例えば、FAM−DABCYL):agcttctaacggtcactaatacg(配列番号22)を含む。45℃で30分間、95℃で3分間、その後のサーマルサイクラー中で1サイクル:95℃で2分間、50℃で1分間、72℃で1分間のインキュベーションに反応を供する。蛍光プレートリーダー(Stratagene FluorTrackerまたはPE Biosystems 7700配列検出システム(プレート読み出しモード)など)で蛍光を同定した。
【0319】
ローリングサークル増幅RNA産物中のビオチン−16−UTPの組み込みにより検出効率の照合が可能である。反応物のアリコートを、固定捕捉プローブを使用して、ガラススライド(あるいは、マイクロウェルプレート)に捕捉する。捕捉RNAアンプリコンの検出は、米国特許第5,854,033号(本明細書中で参考として援用される)に記載されている。
【0320】
(他の実施形態)
他の実施形態が当業者に明白である。明確にするために前記の詳細な説明を提供し、ただの例示であると理解すべきである。本発明の精神および範囲は上記実施例に限定されないが、以下の特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はFENヌクレアーゼ切断構造を示す図である。
【図2】 図2はFENヌクレアーゼ活性の検出に使用することができる3つのテンプレート(標識1、2、および3)を示す図である。
【図3】 図3は本発明のシグナルを発生させるための合成および切断反応を示す図である。
【図4】 図4はCBPタグ化PfuFEN1タンパク質を示すシプロオレンジ染色ポリアクリルアミドゲルである。
【図5】 図5はFEN−1ヌクレアーゼアッセイのオートラジオグラフである。
【図6】 図6はFEN−1および5’→3’エキソヌクレアーゼ活性を欠くTaqポリメラーゼの存在下での蛍光標識βアクチンプローブを使用したゲノムDNA中のβアクチン配列の検出を示すグラフである。
【図7】 図7はFEN−1および3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を欠くPfuポリメラーゼの存在下での蛍光標識βアクチンプローブを使用したゲノムDNA中のβアクチン配列の検出を示すグラフである。
【図8】 図8はローリングサークル増幅用の開環プローブを示す図である。
【図9】 図9はローリングサークル複製を示す図である。
Claims (9)
- ポリメラーゼ連鎖反応方法であって、
(a)標的核酸配列の上流の一領域に相補的な核酸配列を有する上流オリゴヌクレオチドプライマーと、
該標的核酸配列の下流の一領域と相補的な核酸配列を有する領域と、該標的核酸配列と非相補的な核酸配列を有する5’領域と、標識部分と、該標識からのシグナルをクエンチするクエンチ剤部分とを含み、該標識部分又は該クエンチ剤部分は5’末端に存在し、且つ該標識部分は、FENヌクレアーゼ切断が該標識部分から該クエンチ剤部分を物理的に分離するような位置に存在する、下流標識プローブ、
を用意する工程、
(b)該上流オリゴヌクレオチドプライマー及び該下流標識プローブを、該標的核酸にアニールする工程、
(c)5’→3’エキソヌクレアーゼ欠失核酸ポリメラーゼを使用して、該上流オリゴヌクレオチドプライマーを伸長し、該下流標識プローブの該5’末端を含む領域を置換して切断構造を形成する工程、及び
(d)FENヌクレアーゼを使用して、該下流標識プローブの該5’末端を含むフラグメントを切断し、それによってシグナルを発生する工程、
を含む方法。 - 該標識部分が蛍光発生団を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記核酸ポリメラーゼがDNAポリメラーゼである、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記核酸ポリメラーゼが熱安定性である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記核酸ポリメラーゼが5’→3’エキソヌクレアーゼ欠失TaqポリメラーゼおよびPfuポリメラーゼからなる群から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記切断構造が5’フラップ構造であり、FENヌクレアーゼがフラップ特異性ヌクレアーゼである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記FENヌクレアーゼが熱安定性である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記FENヌクレアーゼが、アルカエグロバス・フルギダス(Archaeglobus fulgidus)、メタノコッカス・ジャンナスキ(Methanococcus jannaschii)、ピロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、Taq、Tfl、およびBca由来のFENヌクレアーゼ酵素からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 上流オリゴヌクレオチドプライマー、下流標識プローブ、5’→3’エキソヌクレアーゼ欠失核酸ポリメラーゼ、FENヌクレアーゼ、および緩衝液を含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法で使用するためのキット。
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