JP5156628B2 - 連続増幅による核酸の検出方法 - Google Patents

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Description

DNA複製、組換えおよび修復の忠実度は、ゲノム安定性を維持するために不可欠であり、これらのすべての過程は、すべての生物体内に存在する5’3’エクソヌクレアーゼ酵素に依存する。DNA修復には、これらの酵素が損傷した断片切除および組換えミスマッチの修正のために必要である。複製には、これらのヌクレアーゼがラギング鎖のDNA合成中に効果的に岡崎フラグメントを処理するために重要である。大腸菌において、この後者の活性はDNAポリメラーゼI(PolI)によって提供され、PolI5’3’エクソヌクレアーゼ分域内の不活性化変異を伴う大腸菌株は、岡崎フラグメントを処理できないために生存能力がない。しかしながら、真核DNAポリメラーゼは、内在性の5’→3’エクソヌクレアーゼ分域を欠いており、この重要な活性は多官能性、構造特異的メタロヌクリアーゼFEN−1(5’エクソヌクレアーゼ−1またはフラップエンドヌクレアーゼ−1)によって提供され、また5’DNAフラップに対するエンドヌクレアーゼとして機能する(Hosfieldら、1998a、Cell、95:135に掲載)。
核酸を検出および/または測定する方法であって、酵素が標識された核酸断片を生成する方法は当技術分野において知られている。
米国特許5,843,669、5,719,028、5,837,450、5,846,717および5,888,780は、サーマスアクアティカス(Taqポリメラーゼ)から分離されたDNAポリメラーゼおよび開裂の所望の時点での配列にハイブリダイズすることが可能な部分的に相補的なオリゴヌクレオチドを用いて、5’標識した標的DNAをインキュベートすることによって、標的DNA分子を開裂する方法を開示する。部分的に相補的なオリゴヌクレオチドは、開裂の所望部位と対向する3’伸長を有する二本鎖を含有する基質構造の形成を通じてTaqポリメラーゼを標的DNAに方向付け、オリゴヌクレオチドの非相補的な領域は3’アームを提供し、基質分子のアニールさていない5’領域は5’アームを提供する。部分的に相補的なオリゴヌクレオチドは、開裂の所望の時点での標的配列とハイブリダイズされないとき、またはハイブリダイズされるときに低分子ヘアピン型を形成することが可能な3’ヌクレオチド伸長を含む。標識された断片の遊離は、Taqポリメラーゼによる開裂後に検出される。
米国特許5,843,669、5,719,028、5,837,450、5,846,717および5,888,780は、合成活性が全く、または殆ど検出できず、野生型の熱安定性ヌクレアーゼ活性を有する、熱安定性のDNAポリメラーゼ変異体の生成を開示する。変異体ポリメラーゼは5’から3’合成活性を欠くため有益だと考えられ、従って合成活性は検出分析でのDNA開裂ステップと相まって望ましくない副作用である。
米国特許5,843,669、5,719,028、5,837,450、5,846,717および5,888,780は、野生型Taqポリメラーゼまたは合成活性を欠く変異体Taqポリメラーゼが、ヘアピン型構造の3’アームを結合するプライマーの存在下で、熱変性とその後の冷却によって形成される5’末端標識されたヘアピン型構造を開裂することにより標識された断片を遊離することができることを開示する。さらに、米国特許5,843,669、5,719,028、5,837,450、5,846,717および5,888,780は、合成活性を欠く変異体Taqポリメラーゼが、ヘアピン型構造の3’アームを結合するプライマーの非存在下でこのヘアピン型構造を開裂できることを教示する。
米国特許5,843,669、5,719,028、5,837,450、5,846,717および5,888,780は、合成活性を欠く変異体Taqポリメラーゼによるヘアピン型構造の3’アームを結合するプライマーの存在下におけるこのヘアピン型構造の開裂が、単一種の標識された開裂生成物を産出し、その一方で、野生型Taq酵素の高い合成活性のために、野生型Taqポリメラーゼは複数の開裂生成物を生成し、dNTPの存在下でヘアピン型構造を二本鎖形態へ変換することもまた開示する.
米国特許5,843,669、5,719,028、5,837,450、5,846,717および5,888,780は、減少した合成活性を呈する変異体Taqポリメラーゼが、5’末端標識された標的核酸および相補的なオリゴヌクレオチドを含む直鎖状の核酸を開裂することによって単一標識された断片を遊離することができ、該相補的なオリゴヌクレオチドは標的核酸の5’および3’領域がオリゴヌクレオチドへアニールされずに一本鎖のままであるように標的核酸の一部にハイブリダイズすること、しかし、野生型Taqポリメラーゼではそうならないこともまた開示する。
米国特許5,846,717、6,090,543、6,001,567、6,090,606、5,985,557および5,994,069は、標的配列上に核酸開裂構造を形成する方法および部位特異的な様態で核酸開裂構造を開裂するための方法に関する。また、これらの特許は、標的依存開裂構造を開裂するために様々な酵素の5’ヌクレアーゼ活性を使用し、それにより特異的な核酸配列の存在またはその変形を示すことに関する。
FEN−1酵素が標識された核酸断片を生成する、核酸を検出および/または測定する方法は当技術分野に知られている。
米国特許5,843,669は、減少した合成活性を呈する変異体Taqポリメラーゼの存在または非存在下で、熱安定性FEN−1ヌクレアーゼを使用する開裂断片長多型性分析により多型性を検出する方法を開示する。本方法によれば、二本鎖C型肝炎ウイルス(Hepatitis C virus:HCV)DNA断片は、PCR反応下で、5’末端標識したプライマー(TMR蛍光染料で標識される)を使用することによって標識される。TMR標識されたPCR生成物は、95℃まで加熱および55℃まで冷却することによって変性されて開裂構造を生成する。米国特許5,843,669は、開裂構造が二次構造を含有する一本鎖核酸の領域を含むことを開示する。開裂は、クリベースBNヌクレアーゼ、メタノコッカスヤナシイに由来するFEN−1ヌクレアーゼまたは両酵素の存在下で実行される。標識した反応生成物は、ゲル電気泳動に続くフルオロ画像によって可視化される。米国特許5,843,669は、クリベースBNヌクレアーゼおよびメタノコッカスヤナシイFEN−1ヌクレアーゼが、お互いが容易に区別される開裂パターンを生成し、両酵素を含有する反応物からの開裂パターンは、それぞれ個々の酵素によって生成された開裂パターンの単なる複合されたものではなく、それぞれ個々の酵素の開裂によって生成された要素を含むことを開示する。このことは、一つの酵素(該酵素のパターン内に帯として現れる)によって開裂されない断片の一部は、同じ反応混合物内の第二の酵素によって開裂され得ることを示す。
Lyamichevらは、標的DNAの領域に部分的に相補的である重複するオリゴヌクレオチドプローブの対が5’フラップ領域を形成するように標的DNAと混合され、また熱安定性FEN−1ヌクレアーゼによる標識された下流プローブの開裂が標識された開裂生成物を生成する、DNAを検出する方法を開示する。また、Lyamichevらは、開裂信号を増幅させ、アトモル単位より低いレベルでの標的DNAの定量検出が可能となるように下流オリゴヌクレオチドプローブの複数の複製物が温度サイクルの非存在下で単一標的配列のために開裂され得る、反応条件も開示する(Lyamichevら、1999、Nat. Biotechnol.,17:292)。
ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction:PCR)技術は、米国特許第4,683,202号、第4,683,195号および第4,800,159号で開示される。その最も簡易な形態において、PCRは、標的DNAへの関心領域の側面に位置し反対鎖にハイブリダイズする二つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用する特定DNA配列の酵素合成のためのインビトロ方法である。鋳型変性、プライマーアニーリング、DNAポリメラーゼによるアニールしたプライマーの伸長を含む一連の反応ステップの繰り返しは、特定の断片の端がプライマーの5’末端により画定される該特異的断片の指数関数的蓄積をもたらす。PCRは109倍の特異的DNA配列の選択的な増加を生じさせることが可能であると報告されている。PCR方法は、Saikiら、1985、Science、230:1350にも掲載されている。
PCR技術が核酸配列を増幅するための非常に強力な方法である一方で、増幅した材料の検出には標的DNAが存在するかどうかを決定するためのPCR生成物のさらなる操作およびその後の取り扱いを必要とする。増幅した材料の検出に現在必要とされているその後の取り扱いステップ数を減少させることが望ましい。標的配列が増幅される間に信号が生成されるアッセイ法では、増幅ステップ中に信号を生成しないPCR方法と比べて、増幅した材料の検出のための必要な取り扱いステップ数が少ない。
米国特許5,210,015および5,487,972は、増幅される核酸、5’から3’エクソヌクレアーゼ活性を有するTaqポリメラーゼ、ならびに増幅した領域に相補的な領域および更なる非相補的な5’テール領域を含む5’,3’または5および3’末端標識プローブの存在下でPCR反応の増幅ステップ中に信号を生成するステップを含む標識したプローブを遊離するためのPCRベースのアッセイを開示する。米国特許5,210,015および5,487,972は、Taqポリメラーゼが、例えばdNTPの非存在下での重合非依存的な様態で上流プローブによって標識したプローブ近接に位置付けされる場合に、このPCRベースのアッセイは、ハイブリダイズしたプローブの5’標識された末端を解放できることをさらに開示する。
当技術分野には、核酸開裂反応を使用してヌクレアーゼ混入物から生じ得るオリゴヌクレオチド断片と容易に区別できる信号を発生させる方法への必要性がある。
また、当技術分野には、標的が一次関数的、あるいは指数関数的に増幅される、信号発生の方法が必要とされる。
当技術分野には、二次構造を形成するようにアニールするプローブの自己相補的な領域の一部またはすべてが、標的核酸でプローブがハイブリダイズをするときに溶解され、それによりプローブの標的に対する非特異的結合を低減させ、アッセイの特異性を増加させる当該二次構造を含むプローブを活用する等温反応において、一次関数的あるいは、指数関数的に標的が増幅される、信号の生成方法に対する必要性がある。
米国特許5,843,669、5,719,028、5,837,450、5,846,717および5,888,780は、二次構造が自然発生する領域で標識された核酸基質を開裂する方法も公開する。本方法によると、ビオチン標識されたDNA基質はPCRによって調製され、野生型TaqポリメラーゼまたはクリベースBN(減少した合成活性および野生型5’から3’ヌクレアーゼ活性を有する変異体Taqポリメラーゼ)と混合され、5秒間95℃でインキュベートして基質を変性させてその後65℃まで急速冷却し、相補的な塩基間で下方鎖の水素結合の形成を可能にすることによって、DNAがその特有の二次構造を取ることを可能にする。反応混合物は、開裂を発生させることが可能なように65℃でインキュベートされ、ビオチン化された開裂生成物が検出される。
当技術分野には、開裂構造が二次構造の領域を含有する必要なく、また標的は一次関数的、あるいは指数関数的に増幅される、核酸開裂反応を用いて信号を発生する方法への必要性がある。
本発明は、核酸試料における核酸標的の検出が可能となる核酸、フラップ媒介、連続増幅方法に関する。本発明は、標的核酸を検出するために、検出可能な遊離されたフラップを連続的に生成するための核酸合成依存、フラップ媒介、増幅方法を提供する。本発明は、一次関数的および指数関数的な核酸合成依存、フラップ媒介、連続増幅方法を提供する。本発明の方法は、事前形成されたフラップを含む二本鎖構造、あるいは、フラップは重合手段の活性により形成される二本鎖構造を提供する。本発明による核酸合成依存、フラップ媒介、増幅方法は、鋳型核酸、下流オリゴヌクレオチドおよび上流プライマーを含む。本発明は等温的にまたは核酸増幅条件下において行われてよい。本発明はリアルタイムPCR検出において使用されてよい。
一実施形態において、検出可能な遊離されたフラップは、核酸合成依存、フラップ媒介、連続増幅方法によって生成され、その方法は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む一つ以上の鋳型核酸(例えば図1、ステップ1のA’B’C’)と、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である上流プライマー(例えば、図1、ステップ1のA)と、5’領域および3’領域を含む下流オリゴヌクレオチドの一つ以上の複製物(例えば、図1、ステップ1のAC)であって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的である前記複製物と、を提供するステップを含む。一つ以上の鋳型核酸は、同一鋳型核酸または非同一鋳型核酸を指す。非同一鋳型核酸は、少なくとも一つのヌクレオチド(1、2、5、10、20あるいはそれ以上)が異なることを意味する。
また、本方法は、前記鋳型核酸ならびに前記上流プライマーおよび下流オリゴヌクレオチドの前記3’領域のそれぞれの間の二本鎖の形成が可能となる条件下で、少なくとも前記鋳型核酸と前記上流プライマーおよび下流オリゴヌクレオチドを混合することによって第一の二本鎖を形成するステップ(図1、ステップ1)を含み、前記下流ヌクレオチドの前記5’領域はフラップである。その後、第一の開裂構造は、第一の開裂構造を形成するのに十分な伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記上流プライマーの伸長が可能となる条件下で、前記二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図1、ステップ2)。前記第一の開裂構造は、前記第一の開裂構造の開裂が、前記第一の開裂構造の形成に依存している様態で前記下流オリゴヌクレオチド内に配置される部位で発生し、それにより前記下流オリゴヌクレオチドの前記フラップの開裂と遊離(例えば、図1、ステップ3のA)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図1、ステップ2)。
前記下流オリゴヌクレオチドの遊離されたフラップは、1)前記鋳型核酸の別の複製物または2)前記第一の二本鎖を形成するために使用された前記鋳型核酸の変性版のいずれかと結び付き、ならびに、前記鋳型核酸ならびに前記下流オリゴヌクレオチドおよび非開裂の下流オリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップのそれぞれを含む第二の二本鎖(図1、ステップ4aまたは4b)を形成するための非開裂の下流オリゴヌクレオチドであって、前記非開裂の下流オリゴヌクレオチドの前記5’領域は第二のフラップである、非開裂の下流オリゴヌクレオチドと結び付く。このステップで、前記下流オリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップは、前記第一の二本鎖を形成するために使用される前記鋳型核酸と同一(図1、ステップ4a)または非同一(図1、ステップ4b)である鋳型核酸と結び付くことができる。
第二の開裂構造は、第二の開裂構造を形成するのに十分な伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記遊離されたフラップの伸長が可能となる条件下で、前記第二の二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図1、ステップ5aまたは5b)。第二の開裂構造は、前記第二の開裂構造の開裂が、第前記二の開裂構造の形成に依存している様態で前記非開裂の下流オリゴヌクレオチド内に配置される部位で発生し、それにより前記第二のフラップの開裂と遊離(例えば、図1、ステップ6aのA、または図1、ステップ6bのA)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図1、ステップ5aまたは5b)。遊離された第一および/または第二のフラップは検出される。これらのステップは、検出可能なレベルの第一および/または第二のフラップを生成するために、例えば、1から2百万回および好ましくは1から1万回繰り返すことができる。
また、本発明は、標的核酸検出のための、一次関数的な合成依存、フラップ媒介、連続増幅方法も提供する。一実施形態において、二本鎖構造は事前形成されたフラップを含む。
本発明のこの実施形態は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域とを含む標的核酸(例えば、図2、ステップ1のA’B’C’)と、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む一つ以上の鋳型核酸(例えば、図2、ステップ4のF’G’H’)と、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第一のオリゴヌクレオチド(例えば、図1、ステップ1のA)と、5’領域および3’領域を含む第二のオリゴヌクレオチド(例えば、FC,図2、ステップ1)であって、前記3’領域は標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸に相補的でないが、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第二のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む一つ以上の第三のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸に相補的でない第三のオリゴヌクレオチドとを提供するステップを含む。
本方法によれば、前記鋳型核酸および前記第一のオリゴヌクレオチドと前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’領域のそれぞれの間の二本鎖の形成が可能となる条件下で、少なくとも前記鋳型核酸と前記第一および第二のオリゴヌクレオチドを混合することによって第一の二本鎖が形成され、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’領域はフラップである。第一の開裂構造は、第一の開裂構造を形成するのに十分な伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記第一のオリゴヌクレオチドの伸長が可能となる条件下で、前記二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図2、ステップ2)。第一の開裂構造は、前記第一の開裂構造の開裂が、前記第一の開裂構造の形成に依存している様態で前記第二のオリゴヌクレオチド内に配置される部位で発生し、それにより前記第二のオリゴヌクレオチドの前記フラップの開裂および遊離(例えば、図2、ステップ3のF)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図2、ステップ2)。前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、前記鋳型核酸および前記第三のオリゴヌクレオチドは、前記鋳型核酸、および前記第二のオリゴヌクレオチドと前記第三のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップそれぞれとの間で第二の二本鎖(図2、ステップ4)を形成し、ここで、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は第二のフラップである。第二の開裂構造は、第二の開裂構造を形成するのに十分な伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記遊離されたフラップの伸長が可能となる条件下で、前記第二の二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図2、ステップ5)。第二の開裂構造は、前記第二の開裂構造の開裂が、前記第二の開裂構造の形成に依存している様態で前記第三のオリゴヌクレオチド内に配置される部位で発生し、それにより前記第三のオリゴヌクレオチドの前記第二のフラップの開裂および遊離(例えば、図2、ステップ6のF)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図2、ステップ5)。遊離された第一および/または第二のフラップは検出される。これらのステップは、検出可能なレベルの第一および第二フラップを生成するために、例えば、1から2百万回、好ましくは1から1万回繰り返すことができる。
関連する実施形態において、標的核酸を検出するための一次関数的な核酸合成依存、フラップ媒介、連続増幅方法は開裂構造を含み、そこで、前記開裂構造の少なくとも一つの前記フラップは、鎖置換活性を用いた重合手段の活性によって形成される(図3参照)。この実施形態によれば、少なくとも6つのヌクレオチドは前記重合手段の前記鎖置換活性によって置換される(図3、ステップ2)。この実施形態による第二のオリゴヌクレオチドは、前記標的核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的な5’領域をさらに含む(例えば、図3、ステップ1のFC)。本発明のこの実施形態による第三のオリゴヌクレオチドは、前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的な5’領域をさらに含む(例えば、FH、図3、ステップ4)。
本発明は、標的核酸を検出するように検出可能な遊離されたフラップを連続的に生成するための一次関数的な核酸合成依存、フラップ媒介、増幅方法のための組成物を提供する。
本発明は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域をそれぞれが含む一つ以上の鋳型核酸と、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的な第一のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域をそれぞれ含む一つ以上の第二のオリゴヌクレオチドであって、それぞれの第二のオリゴヌクレオチドの前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい対応領域に少なくとも部分的に相補的である前記第二のオリゴヌクレオチドと、を含む組成物を提供する。
組成物は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む標的核酸と、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む鋳型核酸と、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的な第一のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第二のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記標的核酸の前記伸長領域に相補的ではないが、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である前記第二のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第三のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の領域に相補的でない前記第三のオリゴヌクレオチドと、を含む。
組成物は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む標的核酸と、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む鋳型核酸と、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的な第一のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第二のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記標的核酸の前記第一の領域の上流、下流である、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である前記第二のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第三のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的である前記第三のオリゴヌクレオチドとを含む。
好ましくは、前記組成物の何れにおいても、前記組成物は、核酸二本鎖構造からのフラップの開裂および核酸重合活性が可能となる開裂手段のどちらかまたは両方をさらに含んでよい。
キットは、上記に記載のように標的核酸を含む組成物の何れか一つおよびその包装材料を含む。
好ましくは、キットは、核酸二本鎖構造からのフラップの開裂および核酸重合活性が可能となる開裂手段の一方または両方をさらに含んでよい。
本発明は、一次関数的および指数関数的な増幅方法を検討する。本発明は、標的核酸を検出するように遊離されたフラップを連続的に生成するための指数関数的、合成依存、フラップ媒介、増幅方法を提供する。
一実施形態において、検出可能な遊離されたフラップは、核酸合成依存、フラップ媒介、連続増幅方法により生成され、前記方法は、3’から5’の順に第一の領域、第一の伸長領域および第二の領域、第二の伸長領域および第三の領域を含む一つ以上の鋳型核酸と(例えば、図4A、ステップ1のF’G1’H1’G2’H2’)、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的な上流プライマー(例えば、図4a、ステップ1のF)と、5’領域および3’領域を含む第一の下流オリゴヌクレオチドの一つ以上の複製物(例えば、図4a、ステップ1のFHl)であって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的である、前記複製物と、前記第一の下流オリゴヌクレオチドの下流であり5’領域および3’領域を含む第二の下流オリゴヌクレオチド(例えば、図4a、ステップ1のFH2)であって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第三の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記第一の下流オリゴヌクレオチドの前記3’領域は前記第二の下流オリゴヌクレオチドの前記3’領域への配列に同一であってもまたはなくてもよく、前記第二の下流オリゴヌクレオチドの前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的である、前記第二の下流オリゴヌクレオチドと、を提供するステップを含む。一つ以上の鋳型核酸は同一鋳型核酸または非同一鋳型核酸をいう。
また、本方法は、前記鋳型核酸ならびに前記上流プライマーおよび前記第一と第二の下流オリゴヌクレオチドの前記3’領域のそれぞれの間の二本鎖の形成が可能となる条件下で、少なくとも前記鋳型核酸ならびに前記上流プライマーおよび前記第一と第二の下流オリゴヌクレオチドを混合することによって第一の二本鎖を形成するステップ(図4a、ステップ1)も含み、前記第一と第二の下流ヌクレオチドの前記5’領域はフラップである。
その後、第一の開裂構造は、第一の開裂構造を形成するのに十分な前記第一の伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記上流プライマーの伸長が可能となる条件下で、前記二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図4a、ステップ2)。前記第一の開裂構造は、前記第一の開裂構造の開裂が、前記第一の開裂構造の形成に依存している様態で前記第一の下流オリゴヌクレオチド内に配置される部位で発生し、それにより前記第一の下流オリゴヌクレオチド(例えば、図4a、ステップ3のF)の前記フラップの開裂および遊離が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図4a、ステップ2)。
その後、第二の開裂構造は、第二の開裂構造を形成するのに十分な前記第二の伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記上流プライマーの伸長が可能となる条件下で、前記二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図4a、ステップ3および4)。この実施形態によれば、重合活性により前記第一の下流オリゴヌクレオチド(例えば、図4a、ステップ3のH1)の置換が生じる。
前記第二の開裂構造は、前記第二の開裂構造の開裂が、前記第二の開裂構造の形成に依存している様態で前記第二の下流オリゴヌクレオチド内に配置される部位で発生し、それにより前記第二の下流オリゴヌクレオチドの前記フラップの開裂および遊離(例えば、図4a、ステップ5のF、)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図4a、ステップ4)。前記第一または第二の下流オリゴヌクレオチドの遊離されたフラップは、前記第一の二本鎖を形成するために使用される、i)前記鋳型核酸の別の複製物または、ii)前記鋳型核酸の変性版のどちらか一方と結び付き、また、前記鋳型核酸ならびに前記下流オリゴヌクレオチドおよび前記第一または第二の下流オリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップの一方、非開裂の第一の下流オリゴヌクレオチドおよび非開裂の第二の下流オリゴヌクレオチドを含む第二の二本鎖(図4a、ステップ1または図4b、ステップ6)を形成するための非開裂の第一および第二の下流オリゴヌクレオチドであって、前記非開裂の下流オリゴヌクレオチドそれぞれの5’領域は独立にフラップである非開裂の第一および第二の下流オリゴヌクレオチドと結び付く。このステップで、前記第一または第二の下流オリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップは、前記第一の二本鎖を形成するために使用される前記鋳型核酸と同一(例えば、図4a、ステップ1のF’G1’H1’G2’H2’)または非同一(例えば、図4b、ステップ6のF’I1’H1’I2’H2’)である鋳型核酸と結び付くことができる。
第三の開裂構造は、第三の開裂構造を形成するのに十分な前記第一の伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記遊離されたフラップの伸長が可能となる条件下で、前記第二の二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図4a、ステップ2または図4b、ステップ7)。第三の開裂構造は、前記第三の開裂構造の開裂が、前記第三の開裂構造の形成に依存している様態で前記非開裂の第一の下流オリゴヌクレオチド内に配置される部位で発生し、それにより前記第三のフラップの開裂および遊離(例えば、図4a、ステップ3のF、または図4b、ステップ8の、)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図4a、ステップ2または図4b、ステップ7)。
その後、第四の開裂構造は、第四の開裂構造を形成するのに十分な前記第二の伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記上流プライマーの伸長が可能となる条件下で、前記二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図4a、ステップ3および4または図4b、ステップ8および9)。この実施形態によれば、重合活性により前記第一の下流オリゴヌクレオチドの非開裂の部分の置換が生じる。
第四の開裂構造は、前記第四の開裂構造の開裂が、前記第四の開裂構造の形成に依存している様態で前記第二の下流オリゴヌクレオチド内に配置される部位で発生し、それにより前記第二の下流オリゴヌクレオチドのフラップの開裂および遊離(例えば、図4a、ステップ5のF、または図4b、ステップ10のF、)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図4a、ステップ4または図4b、ステップ9)。遊離された第一および/または第二および/または第三および/または第四のフラップは検出される。これらのステップは、検出可能なレベルの第一および/または第二のフラップを生成するために、例えば、1から100回および好ましくは1から50回繰り返すことができる。
一実施形態において、二本鎖構造は事前形成されたフラップを含む。本発明のこの実施形態は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む関心ある核酸を含有すると推測される標的核酸(例えば、図2、ステップ1のA’B’C’)と、3’から5’の順に第一の領域、第一の伸長領域および第二の領域、第二の伸長領域および第三の領域を含む鋳型核酸(例えば、図5、ステップ1のF’G1’H1’G2’H2’)と、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第一のオリゴヌクレオチド(例えば、図2、ステップ1のA)と、5’領域および3’領域を含む第二のオリゴヌクレオチド(例えば、図2、ステップ1のFC)であって、前記3’領域は標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記標的核酸の前記伸長領域に相補的でないが、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である、前記第二のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第三のオリゴヌクレオチド(例えば、図5、ステップ1のFHl)であって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の伸長領域に相補的でない第三のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第四のオリゴヌクレオチド(例えば、ステップ1のFH2)であって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第三の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記3’領域は前記第四のオリゴヌクレオチドの前記3’領域への配列に同一であってもまたはなくてもよく、前記第四のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第二の伸長領域に相補的でない、前記第四のオリゴヌクレオチドとを提供するステップを含む。
また、この方法は、前記鋳型核酸ならびに前記第一のオリゴヌクレオチド、および前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’領域のそれぞれとの間に二本鎖の形成が可能となる条件下で、少なくとも前記標的核酸ならびに前記第一および第二のオリゴヌクレオチドを混合することによって第一の二本鎖を形成するステップを含み、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は第一のフラップである。第一の開裂構造は、第一の開裂構造を形成するのに十分な伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記第一のオリゴヌクレオチドの伸長が可能となる条件下で、前記二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図2、ステップ2)。第一の開裂構造は、前記第一の開裂構造の開裂が、前記第一の開裂構造の形成に依存している様態で前記第二のオリゴヌクレオチド内で発生し、それにより前記第二のオリゴヌクレオチドの前記第一のフラップの開裂および遊離(例えば、図2、ステップ3のF)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図2、ステップ2)。前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離された第一のフラップ(例えば、図2、ステップ3のF)、前記鋳型核酸および前記第三のオリゴヌクレオチド、および前記第四のオリゴヌクレオチドは、第二の二本鎖(図4、ステップ1)を形成するように結び付き、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は第二のフラップであり、前記第四のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は第三のフラップである。
第二の開裂構造は、第二の開裂構造を形成するのに十分な前記第二の二本鎖の前記第一の伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記遊離された第一のフラップの伸長が可能となる条件下で、前記第二の二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図5、ステップ1)。
第二の開裂構造は、前記第二の開裂構造の開裂が、前記第二の開裂構造の形成に依存している様態で前記第三のオリゴヌクレオチド内で発生し、それにより前記第三のオリゴヌクレオチドの前記第二のフラップの開裂および遊離(例えば、図5、ステップ3のF)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図5、ステップ2)。
第三の開裂構造は、第三の開裂構造を形成するのに十分な前記開裂した第二の開裂構造の前記第二の伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により前記遊離された第一のフラップの伸長が可能となる条件下で、前記第二の二本鎖が核酸重合活性を受けることによって形成される(図5、ステップ3およびステップ4)。この実施形態によれば、重合活性により前記第三のオリゴヌクレオチドの非開裂部分の置換が生じる(例えば、図5、ステップ3のH1)。第三の開裂構造は、前記第三の開裂構造の開裂が、前記第三の開裂構造の形成に依存している様態で前記第四のオリゴヌクレオチド内で発生し、それにより前記第四のオリゴヌクレオチドの前記第三のフラップの開裂および遊離(例えば、図5、ステップ5のF)が可能となるような条件下で、開裂手段を提供することによって開裂される(図5、ステップ4)。前記第一、第二または第三の遊離されたフラップのうちの少なくとも一つが検出される。
関連する実施形態において、標的核酸を検出するための指数関数的、合成依存、フラップ媒介、連続増幅方法は、第一、第二および第三の開裂構造を含み、前記第一、第二および第三の開裂構造の少なくとも一つのフラップは鎖置換活性を用いた重合手段の活性によって形成される(図6参照)。この実施形態によれば、重合手段は少なくとも6つのヌクレオチドを置換する。この実施形態による二本鎖構造は事前形成されたフラップを含まない。
この実施形態による第二のオリゴヌクレオチドは、前記標的核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的な5’領域をさらに含む。この実施形態による第三のオリゴヌクレオチドは、前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的な5’領域をさらに含む。この実施形態による第四のオリゴヌクレオチドは、前記鋳型核酸の前記第二の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的な5’領域をさらに含む。
本発明は、標的核酸を検出するように検出可能な遊離されたフラップを連続的に生成するための指数関数的核酸合成依存、フラップ媒介、増幅方法のための組成物を提供する。
本発明は、3’から5’の順に第一の領域、第一の伸長領域、第二の領域、第二の伸長領域および第三の領域を含む一つ以上の鋳型核酸と、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的な上流プライマーと、5’領域および3’領域を含む第一の下流オリゴヌクレオチドの一つ以上の複製物であって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的である複製物と、5’領域および3’領域を含む第二の下流オリゴヌクレオチドの一つ以上の複製であって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第三の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的である複製物と、を含む組成物を提供する。
組成物は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む関心ある核酸を含有すると推測される標的核酸と、3’から5’の順に第一の領域、第一の伸長領域および第二の領域、第二の伸長領域および第三の領域を含む鋳型核酸と、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第一のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第二のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記標的核酸の前記伸長領域に相補的ではないが、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である、第二のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第三のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の伸長領域に相補的でない、第三のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第四のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第三の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記3’領域は前記第四のオリゴヌクレオチドの前記3’領域への配列に同一でなく、前記第四のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第二の伸長領域に相補的でない、第四のオリゴヌクレオチドとを含む。
組成物は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む関心ある核酸を含有すると推測される標的核酸と、3’から5’の順に第一の領域、第一の伸長領域および第二の領域、第二の伸長領域および第三の領域を含む鋳型核酸と、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第一のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第二のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記標的核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的で、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的な、第二のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第三のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第一の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に部分的に相補的である、第三のオリゴヌクレオチドと、5’領域および3’領域を含む第四のオリゴヌクレオチドであって、前記3’領域は前記鋳型核酸の前記第三の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記3’領域は前記第四のオリゴヌクレオチドの前記3’領域への配列に同一でなく、前記第四のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域の上流、下流であるか、または該領域を含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的である、第四のオリゴヌクレオチドとを含む。
好ましくは、前記組成物のいずれか一つにおいて、前記組成物は、核酸二本鎖構造からのフラップの開裂および核酸重合活性が可能となる開裂手段の一方または両方をさらに含んでよい。
キットは、上記のような標的核酸を含む組成物のいずれか一つおよびその包装材料を含む。
好ましくは、キットは、核酸二本鎖構造からのフラップの開裂および核酸重合活性が可能となる開裂手段の一方または両方をさらに含んでよい。
別の側面において、本発明は、試薬一式の提供、試薬一式の混合および信号の検出(図17参照)により、標的核酸を検出する方法を提供する。本発明の方法は、標的核酸(図17のA’B’C’),鋳型核酸(図17のH’G’F’)、第一のオリゴヌクレオチド(図17のA)、第二のオリゴヌクレオチド(図17のFC)、第三のオリゴヌクレオチド(図17のH)、開裂手段および重合活性の提供を含む。前記標的および鋳型核酸は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を有する。前記第一のオリゴヌクレオチドは、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である。前記第二のオリゴヌクレオチドの3’領域は前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、その5’領域は前記標的核酸に相補的ではないが、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である。前記第三のオリゴヌクレオチドの3’領域は、前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、その5’領域は前記鋳型核酸に相補的でない。
前記試薬は、前記第一、および第二のオリゴヌクレオチド間の二本鎖の形成、前記第一のオリゴヌクレオチドの伸長、第一の開裂構造の開裂、第二の二本鎖の形成、遊離されたフラップの伸長および第二の開裂構造の形成が可能となる、一連の反応下で混合される。前記標的核酸、鋳型核酸、第一のオリゴヌクレオチド、第二のオリゴヌクレオチド、第三のオリゴヌクレオチド、開裂手段、重合活性は一連の反応条件下で混合される。前記反応条件により、前記標的核酸および前記第一のオリゴヌクレオチドと前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’領域のそれぞれの間の二本鎖の形成が可能となる。(図17A)前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’領域はフラップを形成する。前記第一のオリゴヌクレオチドは、第一の開裂構造を形成するのに十分な前記標的核酸の前記伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により伸長する。その後、前記第一の開裂構造は、前記開裂手段により前記第二のオリゴヌクレオチド内で開裂し、それにより前記第二のオリゴヌクレオチドのフラップの遊離が可能となる(図17C)。第二の二本鎖は、前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、前記鋳型核酸および前記第三のオリゴヌクレオチドで形成される(図17D)。前記第三のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は第二のフラップを形成する。その後、前記遊離されたフラップは、第二の開裂構造を形成するのに十分な前記鋳型核酸の前記伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により伸長する(図17E)。その後、前記第二の開裂構造は、前記開裂手段により前記第三のオリゴヌクレオチド内で開裂し、それにより前記第三のオリゴヌクレオチドの遊離が可能となる(図17F)。前記鋳型核酸からの前記第三のオリゴヌクレオチドの遊離により生成された信号は検出される。
さらに別の側面において、本発明は、試薬一式の提供、試薬一式の混合および信号の検出により、標的核酸を検出する方法を提供する。前記方法は、標的核酸、鋳型核酸、第一のオリゴヌクレオチド、第二のオリゴヌクレオチド、第三のオリゴヌクレオチド、開裂手段および重合活性の提供を含む。前記標的および鋳型核酸は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を有する。前記第一のオリゴヌクレオチドは、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である。前記第二のオリゴヌクレオチドは、前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的な3’領域および前記標的核酸に相補的ではないが、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的な5’領域を有する。前記第三のオリゴヌクレオチドは、前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的な3’領域および前記第二の領域の3’である領域に少なくとも部分的に相補的な5’領域を含む。
前記試薬は、前記標的、および第一および第二のオリゴヌクレオチドの間の二本鎖の形成、前記第一のオリゴヌクレオチドの伸長、第一の開裂構造の開裂、第二の二本鎖の形成、遊離されたフラップの伸長および第二の開裂構造の形成が可能となる一連の反応下で混合される。前記標的核酸、鋳型核酸、第一のオリゴヌクレオチド、第二のオリゴヌクレオチド、第三のオリゴヌクレオチド、開裂手段、重合活性は一連の反応条件下で混合される。前記反応条件により、前記標的核酸および前記第一のオリゴヌクレオチドと前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’領域のそれぞれとの間の二本鎖の形成が可能となる。前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’領域はフラップを形成する。前記第一のオリゴヌクレオチドは、第一の開裂構造を形成するのに十分な前記標的核酸の前記伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により伸長する。前記第一の開裂構造は前記開裂手段により前記第二のオリゴヌクレオチド内で開裂し、それにより前記第二のオリゴヌクレオチドのフラップの遊離が可能となる。第二の二本鎖は、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップ、前記鋳型核酸および前記第三のオリゴヌクレオチドで形成される。前記遊離されたフラップは、第二の開裂構造を形成するのに十分な前記鋳型核酸の前記伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合により伸長する。前記第二の開裂構造は前記開裂手段により前記第三のオリゴヌクレオチド内でその後開裂し、それにより前記第三のオリゴヌクレオチドの遊離が可能となる。前記鋳型核酸からの前記第三のオリゴヌクレオチドの遊離によって生成された信号は検出される。
本発明の最後の二つの側面の一方において、前記重合活性および開裂手段は単一酵素内に存在してよい。両活性を提供するそのような酵素は、大腸菌DNAポリメラーゼI、T7DNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼまたはTaqDNAポリメラーゼを含む。代替的な実施形態において、重合活性および開裂手段は、例えばPfuDNAポリメラーゼおよびFEN−1ヌクレアーゼのような別々の酵素によりそれぞれ提供される。前記ポリメラーゼ活性はDNAポリメラーゼおよび/または熱安定性であってよいポリメラーゼにより提供される。前記ポリメラーゼは5’から3’エクソヌクレアーゼ活性を欠いてよい。前記開裂手段は5’ヌクレアーゼ活性を含むことができる。そのような5’ヌクレアーゼ活性はFEN−1ヌクレアーゼ内に存在する。前記FEN−1ヌクレアーゼはフラップ特異的ヌクレアーゼであってよい。一実施形態において、前記FEN−1ヌクレアーゼは熱安定性である。
本発明の最後の二つの側面のいずれか一方のさらに別の実施形態において、一連の反応条件は核酸重合反応条件である。さらなる実施形態において、前記核酸重合反応条件はポリメラーゼ連鎖反応条件である。
いくつかの実施形態において、前記開裂構造は、前記重合された相補的な核酸がその3’末端で二本鎖内の下流オリゴヌクレオチドに隣接するときに形成される。別の実施形態において、前記開裂構造は、前記伸長領域が完全に二本鎖であるときに形成される。さらに別の実施形態において、前記開裂構造は、前記伸長領域の鋳型鎖が前記相補的な重合された核酸の3’末端および前記下流オリゴヌクレオチド間で二つ、四つ、六つ、八つまたは10のヌクレオチドギャップを有するときに形成される。
本発明の最後の二つの側面のいずれか一方のいくつかの実施形態において、前記鋳型核酸は一対の相互作用する標識の第一のメンバーと作用可能に結合され、前記第三のオリゴヌクレオチドは前記一対の相互作用する標識の第二のメンバーと作用可能に結合される。前記第一のメンバーは前記鋳型核酸の前記5’ヌクレオチドと作用可能に結合されてよく、前記第二のメンバーは前記第三のオリゴヌクレオチドの前記3’ヌクレオチドと作用可能に結合されてよい。一実施形態において、一対の相互作用する標識はフルオロフォアおよびクエンチャーである。本発明の方法において、前記信号は、前記第三のオリゴヌクレオチドが遊離する際の前記一対の相互作用する標識の前記第一および第二のメンバーの間での蛍光の変化を決定することにより検出されてよい。
本発明のいくつかの実施形態において、前記第二のオリゴヌクレオチドは検出可能に標識されない。本発明のさらに別の実施形態において、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’部分は、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’部分に少なくとも部分的に相補的である。その上さらなる実施形態において、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’部分および前記5’部分は、前記第二のオリゴヌクレオチドが前記標的核酸にハイブリダイズされない場合にステム構造を形成する。前記第二のオリゴヌクレオチドは、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’部分および前記3’部分の間にリンカー配列を含んでよい。前記リンカー部分は前記標的核酸に相補的でないかもしれないが、前記鋳型核酸の前記第一の部分に相補的であり得る。前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’ヌクレオチドおよび/または前記鋳型核酸は遮断されてよい。
本発明のさらに別の側面において、本発明は標的核酸、鋳型核酸、第一のオリゴヌクレオチド、第二のオリゴヌクレオチドおよび第三のオリゴヌクレオチドを含む組成物に方向付けられる。前記標的および鋳型核酸は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を有する。前記鋳型核酸は一対の相互作用する標識の第一のメンバーを有する。前記第一のオリゴヌクレオチドは、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である。前記第二のオリゴヌクレオチドの3’領域は、前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、その5’領域は前記標的核酸に相補的ではないが、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である。前記第三のオリゴヌクレオチドの3’領域は、前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的である一方、その5’領域は前記鋳型核酸に相補的でない。前記第三のオリゴヌクレオチドは一対の相互作用する標識の第二のメンバーに作用可能に結合される。
さらに別の側面において、本発明は標的核酸、鋳型核酸、第一のオリゴヌクレオチド、第二のオリゴヌクレオチドおよび第三のオリゴヌクレオチドを有する組成物に方向付けられる。前記標的および鋳型核酸は、3’から5’の順に第一の領域、伸長領域および第二の領域を含む。前記鋳型核酸は一対の相互作用する標識の第一のメンバーに作用可能に結合される。前記第一のオリゴヌクレオチドは、前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である。前記第二のオリゴヌクレオチドの3’領域は、前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、その5’領域は前記標的核酸に相補的でないが、前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である。前記第三のオリゴヌクレオチドの3’領域は、前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、その5’領域は前記鋳型核酸の前記第二の領域の3’である領域に少なくとも部分的に相補的である。前記第三のオリゴヌクレオチドは、一対の相互作用する標識の第二のメンバーに作用可能に結合される。
最後の二つの側面のどちらかの一実施形態において、前記組成物は開裂手段をさらに含む。その上さらなる実施形態において、前記組成物はポリメラーゼも含む。前記ポリメラーゼおよび開裂手段は単一酵素内に存在してよい。両活性を提供するそのような酵素は、大腸菌DNAポリメラーゼI、T7 DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼまたはTaq DNAポリメラーゼを含む。代替的な実施形態において、重合活性および開裂手段は、例えばPfu DNAポリメラーゼおよびFEN−1ヌクレアーゼのような別々の酵素によりそれぞれ提供される。前記ポリメラーゼ活性はDNAポリメラーゼおよび/または熱安定性であってよいポリメラーゼにより提供される。前記ポリメラーゼは5’から3’エクソヌクレアーゼ活性を欠いてよい。前記開裂手段は5’ヌクレアーゼ活性を含むことができる。そのような5’ヌクレアーゼ活性はFEN−1ヌクレアーゼ内に存在する。前記FEN−1ヌクレアーゼはフラップ特異的ヌクレアーゼであってよい。前記開裂手段はFEN−1ヌクレアーゼであってよく、前記ポリメラーゼはPfu DNAポリメラーゼであってよい。
前記組成物の別の実施形態において、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’ヌクレオチドは遮断され、および/または前記鋳型核酸の前記3’ヌクレオチドは遮断される。いくつかの実施形態において、前記第二のオリゴヌクレオチドは検出可能な標識を有さない可能性がある。
本発明の最後の二つの側面のどちらか一方のいくつかの実施形態において、前記一対の相互作用する標識はフルオロフォアおよびクエンチャーを含む。さらに別の実施形態において、前記一対の相互作用する標識の前記第二のメンバーは、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記3’ヌクレオチドに作用可能に結合され、および/または前記一対の相互作用する標識の前記第一のメンバーは前記鋳型核酸の前記5’ヌクレオチドに作用可能に結合される
さらに別の実施形態において、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’部分は、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’部分に少なくとも部分的に相補的である。さらなる実施形態において、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’部分および前記5’部分は、前記第二のオリゴヌクレオチドが前記標的核酸にハイブリダイズされない場合にステム構造を形成する。前記第二のオリゴヌクレオチドは、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’部分および前記3’部分間のリンカー配列を含んでよい。いくつかの実施形態において、前記リンカー配列は前記標的核酸に相補的でないが、前記鋳型核酸の前記第一の部分に相補的である。
キットは、上記に記載のように標的核酸を含む組成物のいずれか一つおよびその包装材料を含む。
本明細書において、「標的核酸」は、3’から5’の順に、第一のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的な第一の領域、伸長領域および第二のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的な第二の領域をいう。前記標的核酸は一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAを含んでよい。
本明細書において、標的核酸に言及する際の「第一の領域」は、第一のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションおよび伸長が可能となるのに十分な長さのヌクレオチドを意味し、前記「第一の領域」は本明細書で定義する第一のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的である。「第一の領域」は、長さ約6ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約8から30ヌクレオチドの範囲、最適には約10から25ヌクレオチドの範囲である。
本明細書において、本明細書下記に記載する鋳型核酸に言及する際の「第一の領域」は、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップのハイブリダイゼーションおよび伸長が可能となるのに十分な長さのヌクレオチドを意味し、前記「第一の領域」は本明細書で定義する第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップの少なくとも一部分に相補的である。「第一の領域」は、長さ約6ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約8から30ヌクレオチドの範囲、最適には約10から25ヌクレオチドの範囲である。
本明細書において、「伸長領域」は、核酸重合活性を介してオリゴヌクレオチドの伸長が可能となるのに十分な長さのヌクレオチド(例えば、第一のオリゴヌクレオチドまたは第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)をいう。長さ約1ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの「伸長領域」は、好ましくは約1から約100ヌクレオチドの範囲、より好ましくは約3から約50ヌクレオチドの範囲、最適には3〜10ヌクレオチドの範囲である。開裂手段によって(下流オリゴヌクレオチドの前記5’部分である)フラップの開裂を可能にするために前記プライマーの前記3’末端が前記下流オリゴヌクレオチドに十分な近さとなるように(つまり、前記第二の領域にハイブリット形成できるように)、前記上流プライマー(例えば、本明細書で定義する第一のオリゴヌクレオチドまたは第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)が、前記伸長領域に相補的な核酸の重合を介して伸長された場合を除き、「伸長領域」は、本発明による前記開裂手段が前記下流オリゴヌクレオチド(例えば、第二のオリゴヌクレオチドまたは第三のオリゴヌクレオチド)を開裂しないような十分な長さである。
本明細書において、標的核酸に言及する際の「第二の領域」は、第二のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが可能となるのに十分な長さのヌクレオチドを意味し、前記「第二の領域」は本明細書で定義する第二のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的である。「第二の領域」は、長さ約6ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約8から30ヌクレオチドの範囲、最適には約10から25ヌクレオチドの範囲である。
本明細書において、本明細書下記に記載する鋳型核酸に言及する際の「第二の領域」は、第三のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが可能となるのに十分な長さのヌクレオチドを意味し、前記「第二の領域」は本明細書で定義する第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的である。「第二の領域」は、長さ約6ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約8から30ヌクレオチドの範囲、最適には約10から25ヌクレオチドの範囲である。
本明細書において、第一、第二、第三または第四のオリゴヌクレオチドに言及する際の「の少なくとも一部分」は、前記第一、第二、第三または第四のオリゴヌクレオチドの100%より少ない(例えば、99%、90%、75%、50%、25%など)ことを意味する。
本明細書において、「標的核酸」は、3’から5’の順に、第二のオリゴヌクレオチドの遊離フラップの少なくとも一部分に相補的な第一の領域、伸長領域および第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的な第二の領域からなるポリヌクレオチドを指す。また、「鋳型核酸」は、3’から5’の順に、本明細書下記で定義する前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップの少なくとも一部分に相補的な第一の領域、第一の伸長領域、第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的な第二の領域、第二の伸長領域、および第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも一部分に相補的な第三の領域を含むポリヌクレオチドをいう。前記鋳型核酸は一本鎖または二本鎖DNもしくはRNAまたはその化学的改変物もしくはそれらの非天然の改変を含んでよい。
本明細書において、「オリゴヌクレオチド」は標的核酸配列および/または鋳型核酸配列に相補的な領域を含む核酸に言及する。
本明細書において、用語「オリゴヌクレオチド」は、検出されるプライマー、プローブ、オリゴマー断片をいい、およびポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボース含有)と、ポリリボヌクレオチド(D−リボース含有)と、プリンもしくはピリミジン塩基のN−グリコシドまたは修飾プリンもしくはピロリジン塩基(脱塩基の部位を含む)であるポリヌクレオチドと、その他の種類の総称とする。用語「オリゴヌクレオチド」は、二本鎖および一本鎖RNAのみならず二本鎖および一本鎖DNAを含む。用語「オリゴヌクレオチド」は、半合成または合成起源のゲノムDNAまたはRNAのポリヌクレオチド、cDNAを表し、該オリゴヌクレオチドは、その合成起源または操作に基づき、(1)自然で関連しているポリヌクレオチドのすべてまたは一部に関連せず、および/または(2)自然で結合するもの以外のポリヌクレオチドに結合する。前記オリゴヌクレオチドが、前記伸長領域に相補的なその3’末端からのヌクレオチドを重合するように重合活性のためのプライマーとして使用される場合、前記オリゴヌクレオチドはプライマーとして見なされてもよい。また、本発明による「オリゴヌクレオチド」は、ペプチド核酸(PNA)または核酸およびペプチド核酸のハイブリッドをも指す。
本発明において有益なオリゴヌクレオチドは、一般的に長さ約8ヌクレオチドから約200ヌクレオチドの範囲内である。
本発明による「第一のオリゴヌクレオチド」は、長さが好ましくは6から100ヌクレオチド、より好ましくは8から30、最も好ましくは20ヌクレオチドである。「第一の」オリゴヌクレオチドは、前記標的核酸に少なくとも部分的に相補的であり、また鋳型として前記標的核酸を使用し、核酸合成のプライマーとしてその使用が可能となるのに十分なその3’端の長さで前記標的核酸に相補的でなければならない。
本発明による「第二のオリゴヌクレオチド」は、長さが好ましくは20から120、より好ましくは25から45および最も好ましくは35ヌクレオチドである。「第二のオリゴヌクレオチド」は、3’および5’領域を含む。「第二のオリゴヌクレオチド」の前記3’領域は、標的核酸に少なくとも部分的に相補的であり、好ましくは8から80および最も好ましくは10から20ヌクレオチドである。「第二のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、二本鎖構造が事前形成されたフラップを含む実施形態には、好ましくは0から80および最も好ましくは10から20ヌクレオチドの長さ、あるいは最も好ましくは、0から20ヌクレオチドの長さであり、フラップが少なくとも6ヌクレオチドを置換する重合手段の活性によって形成される。本発明の一実施形態において、「第二のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、標的核酸の領域に少なくとも部分的に相補的である。本発明の別の実施形態において、本発明による前記第二オリゴヌクレオチドの前記5’領域は、標的核酸に相補的でない。
本発明による「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」は、長さが、好ましくは20から120ヌクレオチド、より好ましくは25から45、最も好ましくは35ヌクレオチドである。「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」は、3’および5’領域を含む。本発明による第三および第四のオリゴヌクレオチドは、鋳型核酸の領域に少なくとも部分的に相補的であり、好ましくは8から80ヌクレオチドおよび最も好ましくは10から20ヌクレオチドである3’領域を含む。「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、好ましくは0から80ヌクレオチド、最も好ましくは、10から20ヌクレオチドの長さで、二本鎖構造が事前形成されたフラップを含む、あるいは最も好ましくは、0から20ヌクレオチドの長さで、フラップが少なくとも6ヌクレオチドを置換する重合手段の活性によって形成される。本発明の一実施形態において、「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、鋳型核酸の領域に少なくとも部分的に相補的である。本発明の別の実施形態において、本発明による前記「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」の前記5’領域は、鋳型核酸に相補的でない。
本明細書において、本発明による「上流プライマー」は、好ましくは6から100、より好ましくは8から30、最も好ましくは20ヌクレオチドの長さである。「上流プライマー」は、鋳型として前記標的核酸または前記鋳型核酸を使用し、核酸合成のプライマーとしてその使用が可能となるのに十分なその3’端の長さで前記標的核酸および/または前記鋳型核酸に少なくとも部分的に相補的である。本発明による「上流プライマー」は、本明細書で定義する「第一のオリゴヌクレオチド」および本明細書で定義する「遊離されたフラップ」を含む。
本明細書において、本発明による「下流オリゴヌクレオチド」は、好ましくは20から120、より好ましくは25から45および最も好ましくは35ヌクレオチドの長さである。「下流オリゴヌクレオチド」は、3’および5’領域を含む。下流オリゴヌクレオチドの前記3’領域は、標的核酸および/または鋳型核酸に少なくとも部分的に相補的である。「下流オリゴヌクレオチド」の5’領域は、好ましくは0から80ヌクレオチドの長さ、および、最も好ましくは、二本鎖構造が事前形成されたフラップを含む実施形態には10から20ヌクレオチドの長さ、および最も好ましくは、フラップが少なくとも6ヌクレオチドを置換する重合手段の活性によって形成される実施形態には0から20ヌクレオチドの長さである。一実施形態において、「下流オリゴヌクレオチド」の前記5’領域は、標的核酸の前記第一または第二の領域の上流、下流もしくは該領域のいずれかまたは鋳型核酸の前記第一、第二もしくは第三の領域のいずれかを含んでよい領域に少なくとも部分的に相補的である。一実施形態において、「下流オリゴヌクレオチド」の前記5’領域は、標的核酸および/または鋳型核酸に相補的でない。本発明による「下流オリゴヌクレオチド」は、「第一の」および「第二の」下流オリゴヌクレオチドを含み、「第二の下流オリゴヌクレオチド」は「第一のオリゴヌクレオチド」の下流である。また、本発明による「下流オリゴヌクレオチド」は、本明細書で定義する第二、第三または第四のオリゴヌクレオチドを含む。
本明細書において、「完全に相補的」は、オリゴヌクレオチドの100%のヌクレオチドが、鋳型核酸の標的の対応する相補的なヌクレオチドに水素結合できることを意味する。本明細書において、オリゴヌクレオチドに言及する際、「少なくとも部分的に相補的」は、前記オリゴヌクレオチドの100%より少ない(例えば、99%、90%、75%、50%、25%などの)ヌクレオチドが、厳密な標準条件下で鋳型核酸の標的のヌクレオチドとハイブリダイズできることを意味する。オリゴヌクレオチドが「部分的に相補的」な場合、相補的なヌクレオチドの領域は連続したヌクレオチドであってもなくてもよい。
本明細書で定義するように、(核酸合成のプライマーとしても機能する)「第一のオリゴヌクレオチド」では、前記オリゴヌクレオチドの前記5’領域は(前記標的核酸に関して)非相補的なヌクレオチドを含有してよく、前記オリゴヌクレオチドの前記3’領域は、前記相補的な鎖としての前記標的を使用して、前記第一のオリゴヌクレオチドの前記3’端からの前記標的核酸および核酸合成とのハイブリッドの形成が可能となるのに十分な前記標的と相補性の領域を含まなければならない。核酸合成は、(例えば(当業者に既知の方法による)ジデオキシンシークエンシング反応によって、または修飾T7 DNAポリメラーゼ(Sequenase(商標))を使用した(当技術分野でよく知られている方法による)標識化/終結シークエンシング反応で決定されるように)核酸分子の3’末端への少なくとも一つのヌクレオチド(例えば、放射性標識ヌクレオチド(たとえば、35Sまたは32P標識したデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTP))、好ましくは1から10および最も好ましくは1から250ヌクレオチドの付加に言及する。あるいは、DNA合成は、放射性標識されたdNTPおよびポリメラーゼ(例えば、大腸菌DNAポリメラーゼIのクレノウ断片)の存在下における反応を標識化する3’末端内で決定される(当技術分野でよく知られている方法による)。合成量はゲル電気泳動により放射性標識断片の大きさを測定することによって決定できる。一実施形態において、第一のオリゴヌクレオチドの3’領域は、(前記標的に対して)連続したヌクレオチド全体で長さ10ヌクレオチドまたはそれ以上(20、30、40、50など)を含む前記標的核酸と相補性の領域を含む。別の実施形態において、第一のオリゴヌクレオチドの3’領域は、前記相補的鎖としての前記標的を使用して、前記第一のオリゴヌクレオチドの前記3’端からの前記標的核酸および核酸合成とのハイブリッドの形成を可能とするように、前記標的核酸と相補的な十分な数の非連続ヌクレオチドを含む前記標的核酸と相補性の領域を含む。
本明細書で定義するように、核酸合成のプライマーとしては機能せず、むしろその5’領域でフラップを提供する「第二のオリゴヌクレオチド」において、「部分的に相補的」は、厳密な標準条件下で前記標的核酸への水素結合を可能にするのに十分な相補性の領域に続く前記標的核酸に対する非相補性のヌクレオチドの領域をいい、前記第二のオリゴヌクレオチドは本発明による二本鎖および/または開裂構造を形成することができる。一実施形態において、前記十分な相補性の領域は10以上の連続したヌクレオチド(例えば、20、30、40、50、100など)であってよい。別の実施形態において、前記十分な相補性の領域は、前記標的核酸とのハイブリッドの形成を可能とするための前記標的核酸と相補的な十分な数の非連続ヌクレオチドを含む。前記「第二のオリゴヌクレオチド」の前記3’端は、前記標的核酸に相補的であり得るが、相補的である必要はない。前記3’端が前記標的核酸に相補的でない場合(例えば、前記3’端が標識されるおよび/またはハイブリダイズされたまたはハイブリダイズされていないオリゴヌクレオチドの検出の機能を果たす場合など)、非相補的な前記領域は連続してもしなくてもよい。一実施形態において、非相補性の前記領域は連続する1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3、4、5ヌクレオチド等のまたは10以上の長さに渡って連続するヌクレオクド(例えば、20、30、40、50、100など)であってよい。別の実施形態において、非相補性の前記領域は、前記標的核酸と非相補的な十分な数の非連続ヌクレオチドを含む。
本発明による「第一のフラップ」、「第二のフラップ」、「第三のフラップ」または「第四のフラップ」あるいは「第一の遊離されたフラップ」、「第二の遊離されたフラップ」、「第三の遊離されたフラップ」または「第四の遊離されたフラップ」は、好ましくは6から80および最も好ましくは10から25ヌクレオチドの長さである。
本明細書で定義される、前記鋳型核酸とハイブリダイズするときに核酸合成のプライマーとして機能してよい「遊離されたフラップ」において、前記フラップの5’領域は(前記鋳型に対して)非相補的なヌクレオチドを含有してよいが、前記フラップの3’端は前記鋳型と相補的であってもなくてもよい。一実施形態において、前記フラップの3’端は、連続したヌクレオチド上の長さ10以上のヌクレオチド(20、30、40、50等)に渡って前記鋳型と相補的である。別の実施形態において、前記フラップの3’端は、前記鋳型核酸と相補的な十分な数の非連続ヌクレオチドを含む前記鋳型核酸と相補性の領域を含む。相補性の前記領域は、前記相補的鎖としての前記鋳型を使用して前記フラップの3’端からの前記鋳型核酸と核酸合成とのハイブリットの形成を可能とするのに十分な数の連続したヌクレオチドを含まなければならない。
本明細書で定義するように、核酸合成のプライマーとしては機能せず、むしろその5’領域でフラップを提供する「第三のオリゴヌクレオチド」において、「部分的に相補的」とは前記標的核酸に対する非相補性のヌクレオチドの領域、続いて、厳密な標準条件下で前記標的核酸への水素結合を可能にするのに十分な相補性の領域に言及する。前記十分な相補性の領域は10以上の連続したヌクレオチド(例えば、20、30、40、50、100など)であってよい。前記「第三のオリゴヌクレオチド」の前記3’端は、前記標的核酸に相補的であり得るが、相補的である必要はない。前記3’端が前記鋳型核酸に相補的でない場合(例えば、前記3’端が標識されるおよび/またはハイブリダイズまたは非ハイブリダイズのオリゴヌクレオチドの検出の機能を果たす場合など)、前記第三のオリゴヌクレオチドと前記鋳型核酸との相補性が乱されない限り、1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3,4、5ヌクレオチド等あるいは10以上の連続したヌクレオクド(20、30、40、50等)の長さに渡って非相補的であってよい。
本明細書で定義される「第三のオリゴヌクレオチド」は、開裂構造から開裂および遊離されてよい5’フラップを提供してよく、また核酸合成のプライマーとして機能してよい。前記第三のオリゴヌクレオチドが核酸合成のプライマーとして機能する場合、前記オリゴヌクレオチドの5’領域は(前記鋳型に対して)非相補的なヌクレオチドを含有してよいが、前記オリゴヌクレオチドの3’端は、(前記鋳型に対して)連続したヌクレオチド上の長さ10以上のヌクレオチド(20、30、40、50等)に渡って相補的でなければならない。前記鋳型と相補性の前記領域は、前記相補的鎖としての前記鋳型を使用して前記第三のオリゴヌクレオチドの前記3’端から前記鋳型核酸と核酸合成とのハイブリットの形成を可能とするのに十分な数の連続したヌクレオチドを含まなければならない。
本明細書で定義するように、核酸合成のプライマーとしては機能せず、むしろその5’領域でフラップを提供する「第四のオリゴヌクレオチド」において、「部分的に相補的」は、前記鋳型核酸に対する非相補性の少なくとも10の連続したヌクレオチド(20、30、40、50ヌクレオチド等)の領域を指し、厳密な標準条件下で前記鋳型核酸への水素結合を可能にするのに十分な相補性の領域がそれに続く。この十分な相補性の領域は、10以上の連続したヌクレオチド(例えば、20、30、40、50、100等)であってよい。前記「第四のオリゴヌクレオチド」の前記3’端は、前記鋳型核酸に相補的であり得るが、相補的である必要はない。前記3’端が前記鋳型核酸に相補的でない場合(例えば、前記3’端が標識されるおよび/またはハイブリダイズまたは非ハイブリダイズのオリゴヌクレオチドの検出の機能を果たす場合など)、前記第四のオリゴヌクレオチドと前記鋳型核酸との相補性が破壊されない限り、1ヌクレオチド、2ヌクレオチド、3,4、5ヌクレオチド等あるいは10以上の連続したヌクレオクド(20、30、40、50等)の長さに渡って非相補的であってよい。
本明細書において、「混合する」は任意の順序で組み合わせることを意味する。
本明細書において、「二本鎖の形成を可能とする条件」は、本発明の二本鎖の形成に可能および好ましくは最適な緩衝液(つまり、指定の塩および有機溶媒濃度の緩衝液)、温度、インキュベーション時間および前記二本鎖の構成要素(例えば、標的核酸、第一のオリゴヌクレオチドおよび第二のオリゴヌクレオチド)の濃度をいう。例えば、本発明の一実施形態において、「二本鎖の形成を可能とする条件」下で、標的核酸、第一のオリゴヌクレオチドおよび第二のオリゴヌクレオチドはハイブリダイズして、前記第二のオリゴヌクレオチドの5’領域がフラップとなり、前記標的核酸の前記伸長領域が第一、第二、第三または第四のオリゴヌクレオチドとハイブリダイズしないようにする(図2)。
本明細書において、「二本鎖」は、標的または鋳型核酸、第一のオリゴヌクレオチドまたは上流プライマーおよび第二のオリゴヌクレオチドまたは下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体に言及し、前記標的または鋳型核酸あるいは前記第一のオリゴヌクレオチドまたは上流プライマーおよび第二のオリゴヌクレオチドまたは下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、水素結合の形成のためにハイブリダイズされ、また、本明細書で定義する「伸長領域の少なくとも一部分」は、第一、第二、第三または下流オリゴヌクレオチドに水素結合しない
本明細書において、「第一の二本鎖」は、標的または鋳型核酸、第一のオリゴヌクレオチドおよび第二のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体に言及し、前記標的または鋳型核酸あるいは前記第一のオリゴヌクレオチドおよび第二のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、水素結合の形成のためにハイブリダイズされ、第二のオリゴヌクレオチドの前記5’領域および前記標的核酸の前記伸長領域は相補的でなく、従って二本鎖内にハイブリッドを形成しない。従って、前記伸長領域は一本鎖であってよい。
また、本明細書において、「第一の二本鎖」はまた、鋳型核酸、上流プライマーおよび下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体に言及し、前記鋳型核酸および前記上流プライマーおよび前記下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、水素結合の形成のためにハイブリダイズされ、下流オリゴヌクレオチドの前記5’領域はフラップである。また、本明細書において、「第一の二本鎖」は、鋳型核酸、上流プライマー、第一の下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域および第二の下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体をいい、前記鋳型核酸ならびに前記上流プライマー、前記第一の下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域および前記第二の下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、水素結合の形成によってハイブリダイズされ、前記第一および第二の下流オリゴヌクレオチドの前記5’領域は独立してフラップである。
本明細書において、「第二の二本鎖」は、鋳型核酸、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップおよび第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体をいい、前記鋳型核酸ならびに前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップおよび前記第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、前記鋳型核酸との水素結合の形成によってハイブリダイズされる。
本明細書において、「第二の二本鎖」は、鋳型核酸、前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップおよび第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体をいい、前記標的核酸あるいは前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップおよび前記第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、水素結合の形成によって前記鋳型とハイブリダイズされ、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記5’領域および前記鋳型核酸の前記伸長領域は相補的でなく、従って二本鎖内にハイブリッドを形成しない。従って、前記伸長領域は一本鎖であってよい。
また、本明細書において、「第二の二本鎖」はまた、鋳型核酸、上流プライマーおよび下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体をいい、前記鋳型核酸ならびに前記上流プライマーおよび前記下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、水素結合の形成によってハイブリダイズされ、前記下流オリゴヌクレオチドの前記5’領域はフラップである。
本明細書において、「第二の二本鎖」はまた、鋳型核酸、前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域および第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体をいい、前記鋳型核酸ならびに前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップ、前記第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域および前記第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、前記鋳型核酸との水素結合の形成によってハイブリダイズされる。
また、本明細書において、「第二の二本鎖」は、鋳型核酸、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップ、第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域および第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体をいい、前記鋳型核酸ならびに前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップ、前記第三のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域および前記第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、前記鋳型核酸との水素結合の形成のために前記鋳型とハイブリダイズされ、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記5’領域および前記第四のオリゴヌクレオチドの前記5’領域は、前記鋳型核酸の前記第一および第二の伸長領域とそれぞれハイブリダイズされない。従って、前記第三のオリゴヌクレオチドの前記3’領域、前記第四のオリゴヌクレオチドの前記3’領域ならびに前記第一および第二の伸長領域は、二本鎖内で一本鎖であってよい。
また、本明細書において、「第二の二本鎖」はまた、鋳型核酸、上流プライマー、第一の下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域および第二の下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域を含む複合体をいい、前記鋳型核酸ならびに前記上流プライマー、前記第一の下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域および前記第二の下流オリゴヌクレオチドの少なくとも3’領域のそれぞれの相補的なヌクレオチド塩基は、水素結合の形成によってハイブリダイズされ、前記第一および第二の下流オリゴヌクレオチドの前記5’領域は独立してフラップである。
分岐DNAまたはDNA/RNAハイブリッドの「フラップ」または「アーム」は、分岐DNAまたはハイブリッドDNA/RNAと水素結合しないが、前記分岐DNAまたはDNA/RNAハイブリッドの水素結合部材とリン酸結合する5’ポリヌクレオチドをいう。従って、フラップは、前記構造の二本鎖部分の垂下する(つまり、分岐である)核酸鎖である。本発明による開裂構造の「フラップ」は、好ましくは約1から80ヌクレオチド、より好ましくは約5から25ヌクレオチドおよび最も好ましくは10から20ヌクレオチドであり、および前記分岐構造の「エルボ(elbow)」に位置付けされたリン酸に配置される位置またはフラップ鎖のエルボより近位および/または遠位に配置される1から10のリン酸のいずれかの位置で好ましくは開裂される。開裂の位置は、前記重合手段がエンドヌクレアーゼ活性を持つか欠くかに依存する。本明細書における、「エルボ」は、前記5’フラップの前記第一の一本鎖ヌクレオチドと前記第一の二本鎖(例えば、前記標的または鋳型核酸とハイブリタイズされる)ヌクレオチドの間のリン酸結合をいう。本発明による「フラップ」は、検出可能な標識で標識することができる。本発明による「フラップ」または「アーム」は、「開裂構造」の一部であり、遊離されて、一本鎖(つまり、二本鎖構造を持たない)であってよい、あるいは内部相補性を含有する一本鎖核酸で単にあってよい「遊離されたアーム」を形成するとき、あるいは、前記分岐DNAまたはDNA/RNAハイブリッドとリン酸結合されない別の核酸と二本鎖となるとき、開裂手段によって開裂されるとする。「遊離されたフラップ」が核酸合成のプライマーとして機能する場合において、「遊離されたフラップ」は好ましくは6から80および最も好ましくは10から25ヌクレオチドの長さである。前記フラップが置換された鎖である(つまり、事前形成されたフラップでない)実施形態において、前記上流プライマーと前記下流オリゴヌクレオチドの間の重複は実質的な重複に満たなくてよい。本明細書において、「実質的な重複に満たない」は、長さが少なくとも6ヌクレオチドであり、核酸合成のプライマーとして機能することができる「遊離されたフラップ」の形成を可能とする重複長を意味する。
用語「一本鎖」は、核酸に関して、他の核酸と水素結合しなくてよい、あるいは(二次または三次構造を形成するために)それ自体と内部でまたは別の核酸分子と水素結合してよい一つのポリヌクレオチド鎖をいう。
用語「一本鎖」は、核酸に関して、別の核酸と水素結合されない、および好ましくは内部相補性をまったく、あるいは殆ど含有しない(10%以下、例えば9%、5%、4%等)ポリヌクレオチド鎖をいう。
本明細書において、「伸長」は、従来のDNA重合反応下での第一のオリゴヌクレオチドまたは前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離された一本鎖アームの3’末端へのヌクレオシド三リン酸の付加をいう。従って、前記第一のオリゴヌクレオチドの3’末端および前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離された一本鎖の3’末端は遮断されず、また本明細書でプライマーとも称される。
一般的に、前記鋳型3’端ならびに第二、第三および第四のオリゴヌクレオチドは、伸長生成物の作成を抑制するために「遮断(ブロック)」される。「遮断」は、非相補的塩基を使用することによって、あるいはビオチンまたはリン酸基などの化学成分を最後のヌクレオチドの3’ヒドロキシルに付加することによって達成できる。また、遮断は、3’−OHを除去することまたはジデオキシヌクレオチドなどの3’−OHを欠くヌクレオチドを使用することによって、あるいは当業者に既知のその他の方法によって達成できる。
本明細書において、「核酸重合活性」は、ヌクレオシド三リン酸の重合を触媒する酵素をいう。一般的に、酵素は標的配列にアニールされたプライマーの3’末端で重合を開始し、核酸に沿った5’方向に進み、また5’から3’ヌクレアーゼ活性を保持する場合、介在するアニールされたプローブを加水分解して、標識されたプローブ断面および標識されていないプローブ断面を合成が終了するまで遊離する。既知のDNAポリメラーゼは、例えば、大腸菌DNAポリメラーゼI、T7 DNAポリメラーゼ、サーマスサーモフィルス(Tth)DNA ポリメラーゼ、バチルスステアロサーモフィルスDNAポリメラーゼ、サーモコッカスリトラリスDNAポリメラーゼ、サーマスアクアティカス(Taq)DNAポリメラーゼおよびパイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus:Pfu)DNAポリメラーゼを含む。核酸鋳型がRNAの場合、そのときは「核酸重合活性」は、逆転写などのRNA依存重合活性をいう。
本明細書において、「5’から3’エクソヌクレアーゼ活性」または「5’→3’エクソヌクレアーゼ活性」は、従来いくつかのDNAポリメラーゼと関連付けられている鋳型特異的核酸ポリメラーゼ、例えば、5’→3’エクソヌクレアーゼの活性をいい、それによってモノヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは連続的な形態でポリヌクレオチドの5’末端から除去され(つまり、大腸菌DNAポリメラーゼIはこの活性を有するが、クレノウ断片はそれを有さない(Klenowら、1970、Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 65:168))、あるいはポリヌクレオチドが5’から3’エクソヌクレアーゼ活性内に本質的に存在してよいヌクレオチド鎖切断活性により5’末端から除去される。
本明細書において、語句「実質的に5’から3’エクソヌクレアーゼ活性を欠く」または「実質的に5’→3’エクソヌクレアーゼ活性を欠く」とは、野生型酵素の活性の10%、5%、1%、0.5%または0.1%未満を有することを意味する。「5’から3’エクソヌクレアーゼ活性を欠く」または「5’→3’エクソヌクレアーゼ活性を欠く」という表現は、前記5’から3’エクソヌクレアーゼ活性を検出できない、あるいは、野生型酵素の活性の約1%、0.5%または0.1%未満を有することを意味する。5’から3’エクソヌクレアーゼ活性は、適切な緩衝液(例えば、10mMのトリス−HCl(pH8.0)、10mMのMgCl2および50μg/mlのウシ血清アルブミン)の存在下で刻み目がついた基質を30分間60℃で開裂するステップと、10mMのEDTAおよび1mg/mlのブロモフェノールブルーを含有する95%ホルムアミドの付与により開裂反応を終了させるステップと、刻み目がついたまたは刻み目のない生成物を検出するステップと、を含むエクソヌクレアーゼアッセイにより測定されてよい。
二つの重合ステップを含む本発明の方法によると、前記重合ステップのそれぞれは、同じ核酸重合活性によってまたは異なる核酸重合活性によって実行することができる。
本明細書において、「重合」、「重合活性」または「ポリメラーゼ活性」は、ヌクレオシド三リン酸をオリゴヌクレオチドの3’末端へ付加することをいい、前記オリゴヌクレオチドの3’末端は遮断されない。
本明細書において、「ヌクレオシド」は、糖に結合した任意のプリンまたはピリミジン塩基、あるいは修飾プリンまたはピロリジン塩基(例えば、DNA内の2−デオキシリボースまたはRNA内のリボース)をいう。
本明細書において、「ヌクレオチド」は、糖に結合した任意のプリンあるいはピリミジン塩基または修飾プリンまたはピロリジン塩基をいい、前記糖はリン酸基に結合する。
本明細書において、「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、特異的ポリヌクレオチド鋳型配列を増幅するためのインビトロ方法をいう。PCR反応は、一連の繰り返しの温度サイクルを含み、一般的に50〜100μlの量で行われる。反応混合物は、dNTP(4つのデオキシリボヌクレオチドであるdATP、dCTP、dGTPおよびdTTPのそれぞれ)、プライマー、緩衝液、DNAポリメラーゼおよびポリヌクレオチド鋳型を含む。一つのPCR反応は、ポリヌクレオチド分子の変性および合成の5から100の「サイクル」を構成してよい。前記PCR処理は、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号に記載され、それらの開示は参照することによって本願明細書に組み込まれる。
本明細書において、「ポリメラーゼ連鎖反応条件」または「PCR条件」は、実行が可能な、好ましくは最適な緩衝液、PCRの一連の温度インキュベーションステップおよび時間をいう。前記一連の温度インキュベーションステップおよび時間は、好ましくは本発明の前記核酸の変性、アニールおよび伸長を可能にする。PCR反応条件は当技術分野には既知であり、本明細書で説明される。
「核酸増幅反応」は、特定核酸配列の数の増加を意味し、これに限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応またはリガーゼ連鎖反応の前記インビトロの方法によって達成されてよい。
本明細書において、「核酸増幅反応条件」は、核酸増幅の実行が可能な、好ましくは最適な緩衝液、および一連の温度インキュベーションステップおよび時間をいう。増幅は、特定核酸配列の数の増加を意味し、これに限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応またはリガーゼ連鎖反応の前記インビトロの方法によって達成されてよい。そのような反応条件は当技術分野には既知であり、本明細書で説明される。核酸反応条件はPCR条件を包含する。
「核酸増幅反応混合物」は、緩衝液、dNTP、水、標的核酸およびポリメラーゼのような核酸増幅に必要な成分をいう。核酸増幅のための方法によって、前記必要な成分は異なってよい。例えば、リガーゼ連鎖反応は特定のポリメラーゼ連鎖反応では必要とされないかもしれないリガーゼの存在を要求する。
本明細書において、「開裂構造」は、フラップを有する少なくとも二本鎖の核酸を含むポリヌクレオチド構造をいう。本発明による「開裂構造」は、好ましくは標的核酸配列または鋳型核酸配列を含み、また、前記標的配列に少なくとも部分的に相補的および完全に相補的でよい上流オリゴヌクレオチド(例えば、図2のAまたは図5のF)、ならびに前記標的配列に相補的でありフラップ(例えば、図2のFCもしくはFHまたは図5のFHlもしくはFH2)を含む下流オリゴヌクレオチドを含む。一実施形態において、「第一の開裂構造」は、前記下流オリゴヌクレオチドと前記標的または鋳型核酸の水素結合によって(つまり、前記二本鎖および前記フラップの連結部で)形成される前記二本鎖への前記伸長領域を介した前記上流オリゴヌクレオチド(プライマー)の3’末端からの重合により形成される。別の実施形態において、「第二の開裂構造」は、前記第三の下流オリゴヌクレオチド(または第一の下流オリゴヌクレオチド)と前記標的または鋳型核酸の水素結合によって(つまり、前記二本鎖および前記フラップの連結部で)形成される前記二本鎖への前記伸長領域を介した前記上流オリゴヌクレオチド(プライマー)(つまり、前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたアーム)の3’末端からの重合により形成される。「第二の開裂構造」はまた、重合が前記第二のオリゴヌクレオチドの3’末端から、前記第四の下流オリゴヌクレオチド(または第二の下流オリゴヌクレオチド)と前記鋳型核酸の水素結合によって(つまり、前記二本鎖および前記フラップの連結部で)形成される前記二本鎖へ発生している開裂構造をいう。好ましくは、前記上流オリゴヌクレオチドの3’端は遮断され、前記端の遮断は前記上流オリゴヌクレオチドの3’端の伸長を防ぐ。
本発明による「開裂構造」において、重合(つまり、プライマーの3’末端から、伸長領域を介して、前記標的または鋳型核酸への前記下流オリゴヌクレオチドの水素結合によって形成される前記二本鎖への)は、前記伸長領域を介して部分的にまたは完全に継続してよい。
あるいは、いくつかの反応において前記重合は領域5’を介して前記伸長領域(例えば、鋳型核酸または標的核酸の第二の領域)へ部分的にまたは完全に継続してよい。そのようは反応において、前記下流プローブ(例えば、第二のまたは第三のオリゴヌクレオチド)は、前記下流プローブが前記鋳型または標的核酸と安定してハイブリダイズできなくなるように開裂してよい。
前記伸長領域を介して重合が部分的に継続する反応において、新しく重合された核酸は、前記下流オリゴヌクレオチドと標的または鋳型核酸(つまり、三方向フラップ連結部)との水素結合によって形成される前記二本鎖に「十分な近さで」に到達し、前記開裂構造からの前期フラップの開裂および遊離が可能となるように「開裂構造」を形成するようにしなければならない。つまり、前記上流プライマーの3’末端からの重合を介して二本鎖の状態とされる伸長領域は「開裂構造」を形成および前記開裂手段による前記フラップの開裂を可能とするのに「十分な」長さでなければならない。
従って、前記フラップ、前記フラップと、前記フラップがリン酸結合される前記下流オリゴヌクレオチドと、前記オリゴヌクレオチドが水素結合される前記標的または鋳型核酸と、により形成される前記三方向連結部への新しく重合された核酸の近接性に対する用語「十分に近い」、および用語「伸長領域の長さ」「開裂が可能となるのに十分な」は、50ヌクレオチドより小さく、好ましくは6ヌクレオチド、4ヌクレオチド、2ヌクレオチド、1ヌクレオチドまたはヌクレオチドなしなどの10ヌクレオチド以下の(新しく重合された鎖の3’末端と前記三方向連結部内で二本鎖される前記第一のヌクレオチド間の)ヌクレオチド距離をいう。しかしながら、50ヌクレオチドよりも大きい(例えば、100ヌクレオチド以上)ギャップの存在下で開裂するフラップ開裂酵素が発見または発現された場合、本発明はそのようなギャップ長を包含することを意図する。
本明細書において、代替的な用語「隣接する」も使用されてよい。
新規に合成された核酸の重合が前記伸長領域を介して完全に継続する反応において、上記の距離は当然ながらヌクレオチドなしであろう。あるいは、前記開裂構造が第一および第二の伸長領域、プライマー(開裂および遊離したフラップ)、ならびに第三および第四のオリゴヌクレオチドを含む鋳型核酸を含有し、前記第三のオリゴヌクレオチドが前記第一および第二の伸長領域間にある前記鋳型鎖の領域とハイブリッドを形成し、前記第四のオリゴヌクレオチドが前記第二の伸長領域の鋳型領域の下流とハイブリッドを形成するいくつかの反応において、前記ポリメラーゼ活性は、前記第一の伸長領域を介して継続し、それが前記第二の鋳型領域を介して継続する過程で、新規に合成された核酸の3’端が、前記第四のオリゴヌクレオチドの5’フラップの三方向連結部、すなわち、前記第四のオリゴヌクレオチドからのフラップの開裂および遊離を可能にするため前記鋳型核酸に水素結合している前記第四のオリゴヌクレオチドの3’部分に「十分に近く」なるまで、前記第二の伸長領域を介して合成を部分的または完全に継続する。
従って、本発明による「開裂構造」は、鋳型核酸とハイブリダイズされる上流プライマー、および下流オリゴヌクレオチドの5’部分であるフラップを含む前記下流オリゴヌクレオチドであってよい。本発明のこの実施形態において、前記上流および下流オリゴヌクレオチド(例えば、図2のAおよびFC)は非重複であってよい。前記フラップが置換された鎖である(つまり、事前形成されたフラップでない)実施形態において、前記上流プライマーと前記下流オリゴヌクレオチドの間の重複は実質的な重複に満たなくてよい。また、本発明は上流および下流オリゴヌクレオチドを提供し、前記オリゴヌクレオチドの一つまたは両方は伸長領域に完全に相補的である。
本発明による「開裂構造」の形成において、遷移構造はループ、偽−Y構造、一本鎖バブル、D−ループ、ニックまたはギャップを含むポリヌクレオチド構造などが形成されてよい。
本明細書による「開裂構造」は5’フラップを含み、例えば、3’フラップのみを含有する二本鎖核酸などの5’フラップを含まない構造は包含されない。本明細書による「開裂構造」はリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドを含み、従ってRNAまたはDNAであり得る。
本明細書による「開裂構造」は、薬剤、好ましくは、特異的な、つまり本発明による開裂構造を開裂する酵素をいう。
前記開裂手段が鎖置換活性を有する重合活性との組み合わせにおいて使用される、またはそれ自体が鎖置換活性を有する核酸重合活性である本発明の一実施形態において、前記開裂生成物つまり前記遊離されたフラップが、前記遊離されたフラップと鋳型核酸および重合により前記遊離されたフラップの伸長とのハイブリダイゼーションが可能となるのに十分な長さでない限り、前記開裂手段は、開裂構造を開裂しない。
用語「開裂手段」は、例えば、DNAポリメラーゼ(例えば、大腸菌からのDNAポリメラーゼIならびにサーマスアクアティカス(Taq)、サーマスサーモフィルス(Tth)およびサーマスフラバス(Tfl)からのDNAポリメラーゼ)のための5’エンドヌクレアーゼ活性を持つ酵素を含む。用語「開裂手段」は、0から2ヌクレオチド、2から20ヌクレオチド、20から50ヌクレオチドまたは50より多いヌクレオチドの伸長領域一本鎖ギャップ(つまり、上流プライマーおよび/または下流プローブとハイブリダイズされる前記伸長領域の部分)を含む本発明による開裂構造を開裂する薬剤を含む。用語「開裂手段」はまた、FENヌクレアーゼを具現する。用語「FENヌクレアーゼ」は、5’エクソヌクレアーゼおよび/またはエンドヌクレアーゼ活性を持つ酵素を包含する。用語「FENヌクレアーゼ」はまた、5’フラップに特異的なヌクレアーゼを具現する。用語「開裂手段」は、0から2ヌクレオチド、2から20ヌクレオチド、20から50ヌクレオチドまたは50より多いヌクレオチドの伸長領域一本鎖ギャップ(つまり、上流プライマーおよび/または下流プローブとハイブリダイズされる前記伸長領域の部分)を含む本発明による開裂構造を開裂するFENヌクレアーゼを含む。
本発明による「開裂手段」は、アーケオグロブスフルギダス、メタノコッカスヤナシイ、パイロコッカス・フリオサス、ヒト、ネズミまたはアフリカツメガエルに由来するFENヌクレアーゼ酵素を含むがそれに制限されない。また、本発明によるヌクレアーゼは、サッカロマイセスセレビシエRAD27およびシゾサッカロミセスポンベRAD2、5’から3’エクソヌクレアーゼ分域に関連するPolI DNAポリメラーゼ(例えば、大腸菌、サーマスアクアティカス(Taq)、サーマスフラバス(Tfl)、バチルスカルドテナクス(Bca)、ストレプトコッカスニューモニエ)およびT5 5’から3’エクソヌクレアーゼ、T7遺伝子6エクソヌクレアーゼおよびT3遺伝子6エクソヌクレアーゼを含むがそれらに限定されないFENのファージ機能相同体を含む。好ましくは、Taq 、TflおよびBca FENヌクレアーゼの前記5’から3’エクソヌクレアーゼ分域のみが使用される。本発明による「開裂手段」はまた、RNA/DNA複合体を含み、前記RNAは前記鋳型または標的核酸である、本発明による開裂構造を開裂する薬剤、好ましくは酵素を含む。用語「開裂手段」はRNアーゼHを含まない。
「開裂手段」はまた、上流オリゴヌクレオチド(例えば、図2のA)および一つ以上の下流オリゴヌクレオチド(例えば、図2のFC)を含む開裂構造を開裂することができる酵素を含み、重合は前記上流オリゴヌクレオチドの伸長した3’末端が前記下流オリゴヌクレオチドの前記フラップに隣接するように前記上流オリゴヌクレオチドの3’末端から発生する(例えば、図2のF)。
本明細書において、「隣接」は、20ヌクレオチドより少ない、例えば15ヌクレオチド、10ヌクレオチド、5ヌクレオチドまたは0ヌクレオチドによる分離をいう。
また、「開裂手段」は、上流オリゴヌクレオチド(例えば、図2のA)および一つ以上の下流オリゴヌクレオチド(例えば、図2のFC)を含む開裂構造を開裂することができる酵素を含み、重合は前記上流オリゴヌクレオチドの伸長した3’末端が前記下流オリゴヌクレオチドの前記フラップから50ヌクレオチドより少なくなるように前記上流オリゴヌクレオチドの3’末端から発生する(例えば、図2のF)。本発明のこの実施形態によると、前記伸長領域を交差し、前記下流オリゴヌクレオチドの前記フラップの前記連結部に十分に近い前記上流オリゴヌクレオチドの3’末端は、本発明による開裂構造を形成するように前記上流オリゴヌクレオチドの3’末端から発生するのに十分な量の重合が可能となる長さである。
二つの開裂ステップを含む本発明の方法によると、前記開裂ステップのそれぞれは、同じ開裂手段によって、または異なる開裂手段によって行うことができる。
本発明による「開裂手段」は、ポリメラーゼおよびヌクレアーゼ活性の両方を持つ単一酵素またはヌクレアーゼ活性を持つがポリメラーゼ活性を欠く酵素であり得る。
本明細書において、「可能となる」は、二本鎖形成に必要な全ての成分(例えば、前記第一および第二のオリゴヌクレオチドならびに前記標的核酸、または前記第二オリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、前記鋳型核酸および前記代参のオリゴヌクレオチド)が存在する際、本明細書で定義するように二本鎖または第二の二本鎖が形成されるように処理するための反応を許可することを意味する。「可能となる」はまた、任意の必要な成分(例えば、前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)を前記鋳型および前記第三のオリゴヌクレオチドを含む混合物に付加すること、および本明細書で定義するように「第二の二本鎖」が形成されるように処理するための前記反応を許可することを意味する。「可能となる」はまた、任意の必要な成分(例えば、前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)を前記鋳型、前記第三のオリゴヌクレオチドおよび前記第四のオリゴヌクレオチドを含む混合物に付加すること、および本明細書で定義するように「第二の二本鎖」が形成されるように処理するための前記反応を許可することを意味する。「可能となる」はまた、任意の必要な成分(例えば、鋳型および第三のオリゴヌクレオチド)を前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップに付加すること、および本明細書で定義するように二本鎖または第二の二本鎖が形成されるように処理するための前記反応を許可することを意味する。
本明細書において、「標的核酸配列を検出する」または「標的核酸配列を測定する」は、試料内の特定の標的核酸配列の存在を決定すること、または試料内の標的核酸配列の存在指標として試料内の特定の標的核酸配列の量を決定することをいう。測定または検出可能な標的核酸配列の量は、好ましくは約1分子から1020分子、さらに好ましくは約100分子から1017分子および最も好ましくは約1000分子から1014分子である。本発明の一実施形態によると、前記検出された核酸は、本明細書で定義する少なくとも第一、第二または第三のフラップのうちの一つの標識された5’末端に由来する(例えば、図2および5のF)。本発明によると、標識は、本明細書で定義する第二、第三または第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも一つの5’末端に付着する(例えば、図2および5のFC、FHlまたはFH2)。あるいは、標識は本明細書で定義する第二、第三または第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも一つの3’末端に付着し(例えば、図2および5のFC、FHlまたはFH2)、クエンチャーは第二、第三または第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも一つの5’末端に付着する。本発明によると、標識は、本明細書による開裂構造を備える第二、第三または第四のオリゴヌクレオチドの少なくとも一つの3’末端に付着してよい。別の実施形態において、前記検出された核酸は標識されていない遊離されたフラップに由来し、前記遊離されたフラップは、本技術分野においてよく知られる方法によりゲル電気泳動またはハイブリダイゼーションによって検出される。
別の実施形態において、前記検出された核酸は、本明細書で定義する前記第三のオリゴヌクレオチドの断片に由来する(例えば、図17のH)。この実施形態によると、標識は第三のオリゴヌクレオチドの3’末端、5’末端または内部領域に作用可能に結合され、クエンチャーは鋳型核酸に作用可能に結合される。
さらに別の実施形態において、前記検出された核酸は鋳型核酸の断片に由来する。本発明によると、標識は前記鋳型核酸の5’末端、3’末端または内部領域に作用可能に結合され、クエンチャーは第三のオリゴヌクレオチドに作用可能に結合される。クエンチャーは、前記鋳型核酸および第三のオリゴヌクレオチドがそれぞれ一方とハイブリット形成するときに、検出可能な信号を抑制するように本発明のオリゴヌクレオチドに作用可能に結合する。一実施形態において、前記標識は一対の相互作用する標識の第一のメンバーまたは部分である。この実施形態において、前記一対の相互作用する標識は、前記第三のオリゴヌクレオチドおよび鋳型核酸がハイブリダイズし、検出可能な信号を生成するとき(例えば、蛍光の増加)、前記第三のオリゴヌクレオチドおよび鋳型核酸がハイブリダイズされないとき(例えば、前記第三のオリゴヌクレオチドが開裂されて前記鋳型核酸から切り離した後)に、相互に作用する。
本発明によると、本発明によるオリゴヌクレオチド(例えば、第一、第二、第三、第四のオリゴヌクレオチドまたは鋳型核酸)は、標識を5’末端、3’末端に付着することによって、または前記オリゴヌクレオチドを内部で標識化することによって標識され得る。
別の実施形態において、前記プローブは、(例えば、標的または鋳型核酸とのハイブリダイゼーションまたは本明細書に定義する前記プローブの二次構造または加水分解の変化に起因する)オリゴヌクレオチドプローブのアンフォールディング中に前記標識の分離が可能となるように位置付けされた一対の相互作用する標識(例えば、FRETまたは非FRET一対)で標識される。
別の実施形態において、前記プローブおよび鋳型核酸は一対の相互作用する標識(例えば、FRETまたは非FRET一対)の一つのメンバーでそれぞれ標識される。前記相互作用する標識の前記メンバーは、前記プローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド)および前記鋳型核酸がハイブリダイズするときに相互に作用する。前記プローブと鋳型核酸の分離(例えば、前記プローブの開裂)は、検出可能な信号(たとえば蛍光)を生成する。前記一対の相互作用する標識は、前記一対の相互作用する標識がハイブリダイズされるときに相互に作用し、ハイブリダイズされないときに検出可能な信号を生成する限り、前記第三のオリゴヌクレオチドおよび鋳型核酸に沿う任意の場所に置かれてよい。
本明細書において、「第三のオリゴヌクレオチドの遊離によって生成される信号の検出」は、試料中の開裂され、標識された第三のオリゴヌクレオチドの存在を決定すること、または前記開裂され標識された第三のオリゴヌクレオチドの量を決定することをいう。当技術分野でよく知られ本明細書で記載する方法は、前記標識された第三のオリゴヌクレオチドを検出または測定するために使用することができる。開裂され標識された第三のオリゴヌクレオチドの存在または量は、蛍光の変化を検出することによって決定されてよい。例えば、前記第三のオリゴヌクレオチドの開裂および前記一対の相互作用する標識の分離次第、前記第三のオリゴヌクレオチドおよび鋳型核酸上に存在する。本明細書に記載する前記検出方法は、遊離された第三のオリゴヌクレオチドを検出するために動作し、前記反応下で生成された遊離された第三のオリゴヌクレオチドに対して前記遊離された第三のオリゴヌクレオチドの任意の量が少ない割合または大きい割合であっても検出される。前記第三のオリゴヌクレオチドの遊離を検出する方法または測定する方法は、前記遊離された第三のオリゴヌクレオチドまたは前記鋳型核酸上に存在する前記標識された部分の測定または検出に適切である。
少なくとも一実施形態において使用される「遊離された第一および第二のフラップの少なくとも一つを検出する」または「第一、第二および第三のフラップの少なくとも一つを検出する」は、試料中の標識された、または標識されていないフラップの存在を決定すること、または試料中の標識されたまたは標識されていないフラップの量を決定することをいう。当技術分野でよく知られ本明細書で記載する方法は、標識されたまたは標識されていないフラップの遊離を検出または測定するために使用することができる。本明細書に記載する前記検出方法は、フラップを検出するために動作し、前記反応下で生成されたフラップが少ない割合または大きい割合であっても、前記フラップの任意の量は検出される。標識されたフラップの遊離を検出する方法または測定する方法は、前記遊離されたフラップ上に存在する前記標識された部分の測定または検出に適切である。標識されたフラップを検出する方法または測定する方法は、例えば、当技術分野でよく知られる方法によるゲル電気泳動またはハイブリダイゼーションを含む。本明細書で説明した前記検出方法は、遊離されたフラップの1または2個のわずかな分子(および最大100万または200万個、例えば、10、100、1,000、10,000、100万個)が検出されるときに使用可能である。
本明細書において、「標識されたフラップ」は、開裂したノモヌクレオチドまたは本発明による前記標識された開裂構造に由来する小さなオリゴヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドをいい、前記開裂したオリゴヌクレオチドは、好ましくは約6から80ヌクレオチド間、より好ましくは10から25ヌクレオチドであって、ヌクレアーゼにより開裂構造から開裂し、当技術分野で既知のように、および本明細書に記載する方法によって検出可能である。
好ましい実施形態において、前記第一および第二のフラップは同一配列を含む。別の実施形態において、前記第一および第二のフラップは非同一配列を含む。
別の好ましい実施形態において、前記第一のオリゴヌクレオチドおよび前記第二のオリゴヌクレオチドは前記標的核酸の非重複領域とハイブリダイズし、前記第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップおよび前記第三のオリゴヌクレオチドは前記鋳型核酸の非重複領域とハイブリダイズする。
好ましい実施形態において、前記第一、第二および第三のフラップは同一配列を含む。
別の好ましい実施形態において、前記第一および第二のフラップは同一配列を含む。
別の好ましい実施形態において、前記第一および第三のフラップは同一配列を含む。
別の好ましい実施形態において、前記第一のフラップは、第二または第三のフラップのいずれとも同一でない配列を含む。
別の好ましい実施形態において、前記第一および第二のオリゴヌクレオチドは前記標的核酸の非重複領域とハイブリダイズし、前記第二のオリゴヌクレオチド、前記第三のオリゴヌクレオチドおよび前記第四のオリゴヌクレオチドの遊離された第一のフラップのそれぞれは、前記鋳型核酸の非重複領域とハイブリダイズする。
本明細書において、「非重複」は、二つのオリゴヌクレオチドが前記標的(または鋳型)核酸とハイブリダイズされる場合に、前記二つのオリゴヌクレオチドが前記標的(または鋳型)核酸とのハイブリダイゼーションに関してお互いに競合しないことを意味する。従って、前記標的(または鋳型)核酸の二つの各々のハイブリダイゼーション領域は、一つ以上のヌクレオチドに共通して関与することはない。
別の好ましい実施形態において、前記開裂手段は、開裂構造からのフラップの開裂が開裂部位での二本鎖DNAの形成に依存する、5’ヌクレアーゼ活性を含む
別の好ましい実施形態において、前記開裂手段はFEN−1ヌクレアーゼを含む。
別の好ましい実施形態において、前記重合活性は鎖置換活性を含む。
鎖置換活性を呈し、本発明により有益な核酸ポリメラーゼは、「温度活性化した」鎖置換活性(ベント、ディープベント、Pfu、JDF−3、KOD(LTIの商標Pfx)、Pwo、9°N、サーモコッカスアグレガンズ(Thermococcus aggregans)、サーモコッカスゴルゴナリウスのエキソプラスおよびエキソマイナス版)を用いる古細菌のDNAポリメラーゼ、および鎖置換活性(エキソマイナスBst、エキソマイナスBca、Genta、クレノウ断片、エキソマイナスクレノウ断片、エキソマイナスT7 DNAポリメラーゼ(Sequenase))を用いる真正細菌のDNAポリメラーゼを含むがそれらに限定されない。
別の好ましい実施形態において、前記方法は等温的に実行される。
本明細書における「等温的」は、本発明による開裂手段および重合手段の活性を支持する温度および好ましくは最適な温度をいう。
別の好ましい実施形態において、前記方法は一連の反応条件下で実行される。
本明細書において、「一連の反応条件」は、本発明による二本鎖形成、重合および開裂のステップに最適な二つ以上の温度インキュベーションをいう。例えば、一連の反応条件はPCR反応および核酸反応条件を含む。
別の好ましい実施形態において、単一酵素は重合活性および開裂手段を含む。
別の好ましい実施形態において、重合活性および開裂手段を含む単一酵素は、大腸菌DNAポリメラーゼI、T7 DNAポリメラーゼ、Tth DNAポリメラーゼまたはTaq DNAポリメラーゼから成る群から選択される。
別の好ましい実施形態において、第一の酵素は重合活性を含み、第二の酵素は開裂手段を含む。
別の好ましい実施形態において、前記第一の酵素はサーマスサーモフィルスDNAポリメラーゼまたは逆転写酵素を含み、前記第二の酵素はFEN−1ヌクレアーゼを含む。
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の実施形態の説明およびその図、ならびに請求項からさらに全体が明らかとなろう。
本発明は、標的核酸が、標的核酸を有する第一の開裂構造、および、第一と第二のオリゴヌクレオチドの連続的生成および開裂により検出されることを特徴とする方法を提供する。第一の開裂構造は、第一および第二のオリゴヌクレオチドが標的核酸にハイブリダイズされ、第一のオリゴヌクレオチドがポリメラーゼにより伸展される際に生成される。第二のオリゴヌクレオチドの5’フラップは開裂および遊離され、第二開裂構造においてプライマーの役割を担う。第二開裂構造は、鋳型核酸、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、および第三のオリゴヌクレオチドを有する。第二の開裂構造は、遊離されたフラップおよび第三のオリゴヌクレオチドが鋳型核酸にハイブリダイズされ、遊離されたフラップがポリメラーゼにより伸長される際に生成される。第三のオリゴヌクレオチドは、開裂され、鋳型核酸から第三のオリゴヌクレオチドの分離が生じる。標的核酸の存在および/または量は、第三のオリゴヌクレオチドの鋳型核酸からの開裂および連続的な遊離を検出することにより測定される。
また、本発明は、開裂反応が、第二のオリゴヌクレオチドのフラップを遊離させることを特徴とする、標的核酸および第一と第二のオリゴヌクレオチドとを有する第一の開裂構造を連続的に生成および開裂により、また、開裂反応が、第三のオリゴヌクレオチドのフラップを遊離させるステップを特徴とする、鋳型核酸と、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップと、第三のオリゴヌクレオチドとを有する第二開裂構造の連続的生成および開裂による一次関数的増幅で標的核酸が検出されるステップを特徴とする方法を提供する。標的核酸の存在および/または量は、遊離された第一フラップおよび/または第二フラップを検出することにより測定され、遊離された第二フラップに対する、遊離された第一フラップの割合は1:1であることを特徴とする。
本発明はまた、標的核酸の検出における指数関数的増幅方法を提供する。標的核酸は、開裂反応は第二のオリゴヌクレオチドのフラップを遊離させることを特徴とする、標的核酸および第一と第二のオリゴヌクレオチドを有する第一開裂構造、および、開裂反応が第三および第四のオリゴヌクレオチドのフラップを遊離することを特徴とする、鋳型核酸と、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップと、第三のオリゴヌクレオチドと、第四のオリゴヌクレオチドとを有する第二核酸構造を連続的に生成および開裂による指数関数的増幅で検出される。標的核酸の存在および/または量は、遊離された第一フラップおよび/または第二フラップを検出することにより測定され、遊離された第二フラップに対する、遊離された第一フラップの割合は1:2であることを特徴とする。
本発明のこれらの方法は、等温的に、または温度サイクリング条件下で行われる。
本発明の実施は、特に規定がない限り、当業者に周知である分子生物学、微生物学、組換えDNA技術の在来技術を用いる。例Sambrook,Fritsch&Maniatis,1989、Molecular Cloning参照:A Laboratory Manual、第2版;Oligonucleotide Dynthesis(MJ.Gait,ed.、1984);Nucleic Acid Hybridization(B.D.Harnes&SJ.Higgins、eds.、1984):A Practical Guide to Molecular Cloning(B.Perbal、1984);とシリーズ、Methods in Enzymology(Academic Press、Inc);Short Protocols In Molecular Biology(Ausubelら、ed.、1995)。本明細書において、前記および以下に記載の、すべての 特許、特許申請書、および出版物は、参照することにより本書の一部を構成する。
I.核酸
A.本発明に有用な核酸配列
本発明は、標的核酸配列の検出または測定方法を提供し、本発明に従い開裂構造を形成するためのオリゴヌクレオチド、プライマーおよびプローブ、および鋳型核酸配列を増幅するためのプライマーを使用する。本明細書において、「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」とは、検出されるプライマー、プローブ、オリゴマー断片をいい、ポリデオキシリボヌクレオチド(2‐D‐リボース含有)と、ポリリボヌクレオチド(D‐リボース含有)と、プリンまたはピリミジン塩基のN‐グリコシド、または、修飾プリンまたはピリミジン塩基(脱塩基の部位を含む)、またはタンパク質核酸(PNA)などの類似体であるポリヌクレオチドの他の種類の総称とする。「核酸」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」の用語において、長さにおいて意図的な違いはなく、これらの用語は、同じ意味で使用される。これらの用語は、分子の一次構造のみに言及する。従って、これらの用語には、二本鎖および一本鎖のDNA、と二本鎖および一本鎖RNAが含まれる。
本明細書において核酸配列の相補体は、1つの配列の5’末端がもう一方の3’末端と対になるように核酸と一直線になった場合、「逆平行結合」にあるオリゴヌクレオチドをいう。
オリゴヌクレオチドは、既存配列または自然配列から、物理的に派生する必要はなく、化学合成、DNA複製、逆転写、または、その組み合わせを含むいかなる方法において生成されてもよい。「オリゴヌクレオチド」または「核酸」の用語は、その合成起源または操作に基づいて、半合成あるいは合成起源のゲノムDNAまたはRNAのポリヌクレオチド、cDNA、半表し、その合成起源、あるいは操作により、(1)自然に関連しているポリヌクレオチドの全て、あるいは一部に関連しないもの;および/または(2)自然に結合しているもの以外のポリヌクレオチドに結合するものである。
モノヌクレオチドは、リン酸ジエステル結合を介して、1つのモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸が、一方向で、その隣の3’酸素に結合するような方法でオリゴヌクレオチドを形成するために反応するため、オリゴヌクレオチドの「端」または「末端」は、その5’リン酸がモノヌクレオチドペントース環の3’酸素に結合していない場合は「5’端」として、3’酸素が、それに続くモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸に結合していない場合は、「3’端」という。本明細書において、より大きいオリゴヌクレオチド内部である核酸配列は、分子の5’末端または3’末端の近くに位置するかどうかにより、5’または3’領域といわれる場合もある。
二つの異なる非重複オリゴヌクレオチドが、同じ直鎖状相補的核酸配列の異なる領域にアニールし、オリゴヌクレオチドの片方の3’端は、もう一方の5’端に向けられると、前者は「上流」オリゴヌクレオチド、後者は、「下流」オリゴヌクレオチドといわれる場合がある。
自然核酸で一般的にみられない特定の塩基は、本発明の核酸に含まれ、例えばイノシンおよび7‐デアザグアニンを含むこともある。相補性は、完全である必要はない;安定した二本鎖は、ミスマッチ塩基対または不適合塩基を含むことができる。核酸技術における当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドの塩基組成および配列、イオン強度、およびミスマッチ塩基対の発生を含む複数の変数を考慮して、実験的に二本鎖の安定性を測定することができる。
核酸二本鎖の安定性は、融解温度、または「Tm」により測定される。特定の条件下における特定の核酸二本鎖のTmは、塩基対の半分が分離する温度である。
B.本発明に従い有用なオリゴヌクレオチド
本発明は、本発明に従った、核酸の検出または測定、鋳型核酸配列の増幅、および、開裂構造の形成に有用なオリゴヌクレオチドプライマー、オリゴヌクレオチドプローブ、および鋳型核酸を提供する。
本明細書において、「増幅」とは、等温法または、ポリメラーゼ連鎖反応等、温度サイクリングを必要とする方法により核酸配列の付加的複製物を形成することをいう。
1.プライマー
本発明は、重合により伸長可能な第一のオリゴヌクレオチド(明細書中で定義される)および、第二のオリゴヌクレオチド(明細書中で定義される)の遊離されたフラップを提供する。
「プライマー」の用語は、1つ以上のプライマーに言及することもあり、精製された制限消化内でのように自然に生じるか、合成されるかして、核酸鎖に相補的なプライマー伸長生成物の合成が触媒する条件下に置かれた際、相補的鎖に沿っての合成開始点として作用する能力を持つオリゴヌクレオチドに言及する。従って、「プライマー」には、第一のオリゴヌクレオチド(明細書中で定義される)および、第二のオリゴヌクレオチド(明細書中で定義される)の遊離されたフラップが含まれる。プライマー伸長生成物(例えば、本明細書に記載の通り、第一のオリゴヌクレオチドまたは第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップからの生成物)の合成に適した条件には、適したバッファ(「バッファ」は、共同因子、あるいはpH、イオン強度などに影響を及ぼす置換基を含む)における、適温での、4つの異なるデオキシリボヌクレオシド三リン酸、および、DNAポリメラーゼまたは逆転写酵素などの重合誘発剤の存在が含まれる。プライマーは、増幅における最大限の効果には、一本鎖が好ましい。
本発明において有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、鋳型核酸配列および、第二核酸鎖のプライマー酵素合成にハイブリダイゼーション可能な一本鎖DNA、またはRNA分子である。プライマーは、核酸分子プールに存在する標的分子の一部に相補的である。本発明によるオリゴヌクレオチドプライマーは、化学的または酵素的どちらかの合成方法により、調整される。あるいは、そのような分子またはその断片は、自然発生し、その天然の源から単離され、あるいは、商業サプライヤーから購入する。
本発明における「第一のオリゴヌクレオチド」は、6〜100ヌクレオチドが好ましく、さらに、8〜30が好ましく、最も好ましいのは、20ヌクレオチドの長さである。「第一の」オリゴヌクレオチドは、標的核酸に部分的に最も相補的でない。
本発明の「第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ」は、6〜80ヌクレオチドが好ましく、最も好ましいのは約10〜25ヌクレオチドである。「第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ」および第一のオリゴヌクレオチドは、標的または鋳型核酸へのハイブリダイゼーション、および重合による伸長を可能にする十分な長さのものである。
また、本発明による有用なプライマーは、溶解温度推定法による特定の溶解温度(Tm)を備えるよう設計されている。Oligo(商標)などの、市販プログラム、および、プライム3およびオリゴカリキュレーターを含むインターネットで入手可能なプライマーデザインプログラムは、本発明による有用な核酸配列のTmの算出に使用することができる。好ましくは、例えばオリゴカリキュレーターにより算出された、本発明により有用な増幅プライマーのTmは、約15〜80℃間が好ましく、約50〜60℃間がさらに好ましい。オリゴヌクレオチドプライマーは、これらを念頭に置き、考案され、以下の方法によって合成される。
a.オリゴヌクレオチドプライマー設計戦略
本発明により特定のオリゴヌクレオチドプライマーの設計には、標的配列を認識することが可能な配列の選択を要するが、最小限の予測二次構造が備わる。さらに、オリゴヌクレオチドのTmは、オリゴヌクレオチドの長さおよびGC含量の分析により最適化される。さらに、ゲノムDNAの増幅に有用なPCRプライマーの設計時、選択されたプライマー配列は、ジェンバンクデータベース(または、他の利用可能なデータベース)における配列に対し、有意な適合を示さない。
プライマーの設計は、上記に記載の様々なパラメータおよびプライマー配列の最適化の評価の補助として開発された容易に入手できるコンピュータプログラムの使用により円滑になり、。そのようなプログラムの例は、DNAStar(商標)ソフトウエアーパッケージの「プライマーセレクト」(DNAStar社、ウィスコンシン州マディソン)、オリゴ4.0(National Biosciences社)、プライマー、オリゴヌクレオチド選択プログラム、PGEN、およびアンプリファイ(Ausubelら、1995、Short Protocols in Molecular Biology、第三版、John Wiley & Sonsに記載)である。一実施形態において、プライマーは、他のプライマーが、両端にさらなる増幅(例:PCR生成物を配列する)における標的となる周知の配列を有するPCR生成物を生成するための標的となる配列で設計される。同一の「テール」配列を共有する特定のプライマーで多くの異なる標的核酸配列が増幅されると、これらの異なる遺伝子のPCR生成物は、その後、単一のプライマーのセットにより配列される。あるいは、増幅配列のその後のクローン作成を促進するために、プライマーは、その5’末端に付属する制限酵素部位配列で設計される。従って、プライマーの全てのヌクレオチドは、制限酵素部位の生成に必要ないくつかのヌクレオチドを除き、標的核酸配列、または、標的核酸配列に隣接する配列により派生する。そのような酵素、および部位は、当業者に周知である。標的核酸配列のゲノム配列、および、標的核酸配列のオープン・リーディング・フレームの配列が周知である場合、特定のプライマーの設計は、当業者が対応できる範囲内である。
b.合成
プライマー自体も、当業者に周知である技術を用いて合成される。特異配列のオリゴヌクレオチドの調整方法は、当業者に周知であり、例えば、適切な配列および、直接化学合成のクローン作成および制限消化アッセイが含まれる。一旦設計されると、オリゴヌクレオチドは、例えば、Narangら1979、Methods in Enzymology,68:90に記載されるホスホトリエステル方法、Brownら、1979、Methods in Enzymology、68:109に開示されるホスホジエルテル方法、Beaucageら、1981、Tetrahedron Letters、22:1859に開示されるジエチルホスホロアミデート方法、および米国特許4,458,066号に開示の固体担体方法を含む適切な化学合成方法、または、商業用自動オリゴヌクレオチド合成装置(市販されている)または、VLSIPS(商標)技術を用いた他の化学方法により調整される。
c.標識
本発明によるプライマーは、(例:放射性同位体、蛍光ラベル、クエンチャー、または「開裂構造」と題されたセクションに挙げられるいかなる標識により)標識される。標識オリゴヌクレオチドプライマーは、当業者に周知の方法により調整される(上記Sambrookら、上記Ausubelら参照)。
C.プローブ
本発明は、本明細書に記載の開裂構造、または標識開裂構造の形成に有用なオリゴヌクレオチドプローブを提供する。本発明による標識開裂構造の調節方法は、以下の「開裂構造」と題されたセクションに記載される。本発明は、本発明による第一、および第二の二本鎖、あるいは、本発明による第一または第二の開裂構造の1つ以上の成分である第二、第三、および第四のオリゴヌクレオチド(全て上で定義されている)を提供する。本明細書において、「プローブ」は、本発明による第二、第三、および第四のオリゴヌクレオチドのいずれかをいう。
本発明における「第二のオリゴヌクレオチド」は、20〜120ヌクレオチドが好ましく、さらに、25〜45が好ましく、最も好ましいのは、35ヌクレオチドの長さである。「第二のオリゴヌクレオチド」は、3’および5’領域を有する。「第二のオリゴヌクレオチド」の3’領域は、少なくとも、標的核酸に部分的に相補的である。「第二のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、8から80ヌクレオチドが好ましく、最も好ましいのは、10から20ヌクレオチドの長さである。本発明の一実施形態において、「第二のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、少なくとも、標的核酸の領域に部分的に相補的である。本発明の別の実施形態において、本発明によれば、第二のオリゴヌクレオチドの5’領域は、標的核酸に非相補的である。
本発明における「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」は、20〜120ヌクレオチドが好ましく、さらに、25〜45が好ましく、最も好ましいのは、35ヌクレオチドの長さである。「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」は、3’および5’領域を有する。本発明における第三および第四のオリゴヌクレオチドは、少なくとも、鋳型核酸の領域に部分的に相補的であり、好ましくは、8から80ヌクレオチド、および最も好ましくは10から20ヌクレオチドである3’領域を有する。「第三のオリゴヌクレオチド」または「第四のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、8から80ヌクレオチドが好ましく、最も好ましいのは、10から20ヌクレオチドの長さである。本発明の一実施形態において、「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、少なくとも、鋳型核酸の領域に部分的に相補的である。本発明の別の実施形態において、本発明における「第三のオリゴヌクレオチド」および「第四のオリゴヌクレオチド」の5’領域は、鋳型核酸に非相補的である。
プライマー伸長において使用される配列に相補的な配列を有さないプローブが好ましい。一般的に、プローブの3’端は、プライマー伸長生成物へプローブの取り込みを禁止するために、「遮断」される。
1.標識
本発明によるプローブは、(例:放射性同位体、蛍光ラベル、クエンチャー、または「開裂構造」と題されたセクションに挙げられるいかなる標識により)標識される。標識オリゴヌクレオチドプライマーは、当業者に周知の方法により調製される(Sambrookら、supra;Ausubelら、supra参照)。
2.二次構造を備えるプローブ
本発明の一実施形態における「プローブ」は、標的または鋳型核酸配列(例:標的または鋳型核酸結合配列)に相補的である1つまたは複数の領域を有する一本鎖核酸であってもよい(例えば図7のc)。本発明のこの実施形態における「プローブ」は、プローブの標的または鋳型核酸配列との結合時に変化し、さらに結合部を有する二次構造を備える。本発明のこの実施形態における「プローブ」は、開裂方法により開裂できる開裂構造を生成するために、標的または、鋳型核酸配列と結合し、そこでは、開裂が開裂温度で行われれ、標的または鋳型核酸配列に結合していない際に、プローブの二次構造が、好ましくは開裂温度で、またはそれ以下で安定する。本発明におけるプローブは、本明細書に記載の通り、標的または鋳型核酸に結合する前に、「開裂方法」で信号を生み出すために開裂することは出来ない。本発明の一実施形態において、プローブは、標的または、鋳型核酸配列に結合できない、あるいは非相補的である領域を有する。本発明の別の実施形態において、プローブは、標的または鋳型核酸に結合している時は、二次構造を備えない。
本明細書において、「二次構造」は、立体配座(例えば、ヘアピン、ステムループ構造、内部ループ、バルジループ、分岐構造、または偽結節、図8、9および21、マルチプルステムループ構造、クローバーリーフ型構造または、いかなる立体構造)をいう。本明細書において、「二次構造」は、三次、四次などの構造を含む。そのような立体構造を有するプローブは、開裂方法により、開裂温度で標的および鋳型核酸配列と結合し、開裂できる開裂構造を生成する。プローブの立体構造は、標的、または鋳型核酸配列に結合していない場合、開裂温度で、またはそれ以下で安定するのが好ましい。本明細書で使用される「二次構造」は、塩基の第一の単鎖配列(以下「相補核酸配列」という(例:図7のb))を有する配列であり、続いて、第二相補的配列が同じ分子内(例:図7のb)または、プローブを有する第二分子内において、逆平行の二重構造を形成するために、フォールディングし、単鎖配列および相補的配列(つまり、相補核酸配列)が、水素結合の生成によりアニールすることを特徴とする。本発明に使用されるオリゴヌクレオチドプローブは、分子指標、安全ピン(図10)、スコーピオン(図11)、サンライズ/amplifluorプローブ(図12)、およびキープローブ(図21)を含むがこれに限定されない二次構造(以下に記載され、対応図にある詳細と構造)を含むオリゴヌクレオチドを含む。
本明細書において、第一および第二「相補的」核酸配列は、相互に相補的であり、相補的塩基間における水素結合の形成により、アニールが可能である。
二次構造はまた、、本明細書に記載される、アフィニティー対を有する核酸分子の配座であり、アフィニティー対は、アフィニティー対を有する基部分の対の間に存在する引力により、可逆的に結合することを特徴とする。本明細書において、本発明におけるプローブが結合部分を有する場合、二次構造は、プローブの結合部分が捕獲成分と結合するのを阻止し、標的核酸へのプローブの結合および、その後の結合プローブの開裂時における二次構造の変化により、結合部分の捕獲成分による捕獲が可能になる。
本発明のこの実施形態における「プローブ」は、単分子であることができる。本発明のこの実施形態における「単分子」は、ために、標的および鋳型核酸配列と結合し、開裂方法により開裂することのできる開裂構造を形成する単一分子を有し、そこで、開裂が開裂温度で行われ、標的または鋳型核酸配列に結合していない際に、「単分子」プローブの二次構造が、好ましくは開裂温度で、またはそれ以下で安定する。本発明において有用な単分子プローブは、指標プローブ、ヘアピン、ステムループ、内部ループ、バルジループおよび偽結節構造を有するプローブ、スコーピオンプローブ、およびをサンライズ/amplifluorプローブを含むがこれらに限定されない。
本発明のこの実施形態における「プローブ」は、1つ以上の分子(例:二分子または多分子)であることができる。少なくとも1つの、二分子または多分子プローブを有する分子は、標的または、鋳型核酸配列と結合して、開裂方法により開裂できる開裂構造を生成し、そこで、開裂が開裂温度で行われ、標的または鋳型核酸配列に結合していない際に、プローブの分子の二次構造が、好ましくは開裂温度で、またはそれ以下で安定する。多分子プローブを有する分子は、分子間結合(例:水素結合および共有結合)を介し、互いに結合する。例えば、異種ループ(図8、図12参照)、または、クローバーリーフ構造の1つ以上のループが異なる分子を有すること、またクローバーリーフ構造を形成する分子が、分子間結合(例:水素結合または共有結合)を介し、結合することを特徴とする、クローバーリーフ構造が、本発明において有用な多分子プローブの例である。
本明細書において、「分子」は、ポリヌクレオチドをいい、結合部材またはアフィニティー対のメンバーをさらに含むポリヌクレオチドが含まれる。
本発明のこの実施形態における「プローブ」または、プローブを有する「分子」は、異なる長さのプローブを有するプローブまたは分子が有用ではあるが、長さ5〜10,000ヌクレオチドで、理想的には、長さ17〜40ヌクレオチドである。
本発明のこの実施形態における「プローブ」は、約5から約10,000ヌクレオチド、理想的には、10から約140ヌクレオチドである標的または鋳型核酸結合配列を有する。本発明の一実施形態において、本発明における「プローブ」は、長さ3〜250ヌクレオチド、理想的には4〜15、さらに好ましくは5〜11ヌクレオチドである、少なくとも第一および第二相補的核酸配列、または、領域を有する。第一および第二相補的核酸配列は、同じ長さである、または、同じ長さを持たない場合がある。本発明は、第一および第二相補的核酸配列の双方が、標的または鋳型核酸結合部位の上流(5’)に位置することを特徴とするプローブを提供する。あるいは、第一および第二相補的核酸配列の双方は、標的または鋳型核酸結合部位の下流(3’)に位置することもある。別の実施形態において、本発明は、第一の相補的核酸配列が、標的または鋳型核酸結合部位の上流(5’)であり、第二の相補的核酸配列が、標的または鋳型核酸結合部位の下流(3’)であることを特徴とするプロ−ブを提供する。別の実施形態において、本発明は、第二の相補的核酸配列が、標的または鋳型核酸結合部位の上流(5’)であり、第一の相補的核酸配列が、標的または鋳型核酸結合部位の下流(3’)にであることを特徴とするプロ−ブを提供する。実際の長さは、プローブが標的または鋳型核酸に結合していない際に、プローブの二次構造が、標的または鋳型核酸に結合しているプローブを有する開裂構造の開裂が行われる温度で安定しているような標的または鋳型核酸結合配列を参照に選択される。標的または鋳型核酸結合配列が500ヌクレオチドまで大きくなると、相補的核酸配列の長さは、15〜125ヌクレオチドまで長くなることがある。100ヌクレオチドより大きい標的および鋳型核酸結合配列に対して、相補的核酸配列の長さは、それ以上長くならない。プローブが、対立遺伝子識別プローブでもある場合、相補的核酸配列の長さは、以下に記載の通り、さらに制限される。
本明細書において、「標的核酸結合配列」は、特に標的核酸に結合するプローブの領域をいう。
本明細書において、「鋳型核酸結合配列」は、特に鋳型核酸に結合するプローブの領域をいう。
本発明におけるプロ−ブは、本明細書に定義の通り、二次構造(ステムループ、ヘアピン、内部ループ、バルジループ、分岐構造および偽結節)、または複数の二次構造、または本明細書に記載のいかなる立体構造の形成が可能である。
例えば、本発明の一実施形態において、プローブは、分子指標、安全ピン、スコーピオン、サンライズ/amplifluorプローブ、およびキープローブを含むがそれに限定されない、ヘアピン、またはステムループなどの二次構造を有するオリゴヌクレオチドである。
分子指標プローブは、指標プローブが標的核酸配列にハイブリッドしない場合において検出可能信号の発生を停止させるために有効に位置する標識部分(例:フルオロフォアおよびククエンチャー)を形成する相互的信号の対を有するヘアピン、または、ステムループ構造から成る。ループは、標的核酸に相補的な領域を有する。ループは、核酸標的配列に相補的なプローブの領域が標的核酸に結合していない場合に、相補的核酸配列の方法により可逆的に相互に作用する、5’および3’領域(「アーム」)の側面に配置される。あるいは、ループは、核酸標的配列に相補的なプローブの領域が標的核酸に結合していない場合に、二次構造を形成するためにアフィニティー対のメンバーに結合する方法で可逆的に相互に作用する、5’および3’領域(「アーム」)の側面に配置される。本明細書において、「アーム」は、a)核酸標的配列に相補的なプローブの領域が、標的核酸に結合していない場合に、相補的核酸配列により可逆的に相互に作用する分子指標プローブの領域、またはb)核酸標的配列に相補的なプローブの領域が標的核酸に結合していない場合に、二次構造を形成するために結合するアフィニティー対のメンバーににより、可逆的に相互に作用するプローブの領域をいう。分子指標プローブが、標的にハイブリッドされていない場合において、アームは互いにハイブリダイズして、時に「ステム二重鎖」と呼ばれる、ステムハイブリッドを形成する。これは閉じた構造である。分子指標プローブがその標的にハイブリダイズすると、プローブの「アーム」は引き離される。これは開いた構造である。その開いた構造において、アームは、標的にハイブリダイズすることも出来る。そのようなプローブは、溶解中で遊離する、または固体表面に連結することがある。アームがハイブリダイズされると(例:ステムを形成する)、クエンチャーは、フルオロフォアに非常に近接し、蛍光を効果的に抑制または抑圧して、プローブを暗い状態にする。そのようなプローブは、米国特許第5,925,517号および米国特許第6,037,130号に記載されている。
本明細書において、分子指標プローブは、本明細書に記載の通り「対立遺伝子識別」プローブでもある。
分子指標プローブは、1つのアームに付着したフルオロフォアと、もう一方のアームに付着したクエンチャーを有する。例えば、テトラメチルローダミンおよびDABCYLといったフルオロフォアおよびクエンチャーは、FRET対である必要はない。
本発明において有用なステムループプローブに対して、核酸標的配列に相補的な領域が、標的核酸に結合していない場合、標的に相補的であるプローブ配列の長さ、相補的核酸配列により、可逆的に相互作用するプローブの領域の長さ(例:ステムハイブリッド)、および、双方の関係は、使用されるべきプローブのアッセイ条件に従って、考案される。特定のアッセイ条件における標的相補配列の長さ、およびステムハイブリッド配列は、当業者に周知のものにより推定される。核酸標的配列に相補的であるプローブの領域が標的核酸に結合していない場合において、相補的核酸配列により可逆的に相互作用するプローブの領域は、それぞれ、6から100ヌクレオチドの範囲、好ましくは8から50ヌクレオチド、最も好ましくは、各8から25ヌクレオチド内である。標的に相補的であるプローブ配列の長さは、好ましくは17〜40ヌクレオチド、さらに好ましくは、17〜30ヌクレオチドであり、最も好ましいのは、長さ17〜25ヌクレオチドである。
本発明により修飾された分子指標プローブのオリゴヌクレオチド配列は、DNA、RNA、cDNAまたはその混合である。修飾ヌクレオチドは、例えば、ニトロピロールベースのヌクレオチドまたは2’−0−メチルリボヌクレオチドに含まれる。修飾連鎖もまた、例えばホスホロチオエートに含まれる。修飾ヌクレオチドおよび修飾連鎖も、本発明により波長シフトプライマーに組み込まれる。
本発明に使用される安全ピンプローブは、ヘアピンの5’アーム上にフルオロフォア(FAM)、3’アームにクエンチャー(Dabcyl)を持つヘアピン構造を有する「ユニバーサル」ヘアピンプローブ1(図10、bl71)および、二つの領域を有するステムループを備えたプローブ2(図10、SP170a)を必要とし、その二つの領域は、プロ−ブ2の3分の2である5’で、ヘアピンプローブ1、およびにDNAポリメラーゼを停止するヌクレオチドに相補的な(ユニバーサル)配列を有し、および、既知配列特異プライマーとなるプローブ2の3分の1の3’である。可逆性プライマー(つまり、プローブ2の三分の一の3’)からプライムされたポリメラーゼが、ストランドの上部を合成すると、プローブ2の5’末端は、5’エクソヌクレアーゼ活性により、「ストップヌクレオチド」が達成されるまで、移動および分解される。この時点で、プローブ2の残余は開くまたは閉じ、ヘアピンプローブ1の標的となり、その結果クエンチャーからフルオロフォアが分離される(図10)。
本発明で使用されるスコーピオンプローブは、フルオロフォア/クエンチャー対を備えたヘアピン構造を有する5’伸長プローブテールを持つ3’プライマーを備える。プローブテールは、ポリメラーゼをプローブの複製から阻止するヘキサエチレングリコール(HEG)の含有により、5’→3’方向への複製から「保護」される。第一回目の増幅中、3’配列特異的プライマーは、標的にアニールし、スコーピオンが、5’プローブ用の新たな合成標的領域を持つ新たな合成鎖に取り込まれるように伸長する。次回の変性およびアニーリング中、スコオピオンヘアピンループのプローブ領域は、標的にハイブリダイズし、それにより、フルオロフォアおよびクエンチャーを切り離し、測定可能な信号を形成する。そのようなプローブは、Whitcombeら、Nature Biotechnoligy 17:804−807 (1999)、および図11に記載されている。
本発明において有用なもう一つのオリゴヌクレオチドプローブは、サンライズ/amplifluorプローブである。サンライズ/amplifluorプローブは、ヘアピンプローブ領域5’→3’複製を阻止するHEGモノマーが欠如している以外はスコーピオンプローブと同様の構成である。従って、一回目の増幅において、サンライズ/amplifluorの3’標的特異的プライマーは、標的にアニールし、伸長し、それによりヘアピンプローブが新たな合成鎖(サンライズ鎖)に取り込まれる。2回目の増幅中、第二の非標識プライマーは、サンライズ鎖の3’末端にアニールする(図12のサイクル2)。しかし、ポリメラーゼがヘアピンの5’末端に到達すると、HEGストップ配列の欠如により、ポリメラーゼは、ヘアピンを移動させ、複製し、それにより、傾向およびクエンチャーを切り離し、線形化したヘアピンプローブは新たなストランドへ取り込まれる。この種のプローブは、さらにNazarnekoら、Nucleic Acid Res.25:2516−2521807(1997)、および図12に記載されている。
本発明において有用なもう一つのオリゴヌクレオチドプローブは、キープローブである。キープローブは、米国出願第60/665,400号に記載され、参照することで、本明細書全体に含まれる。キープローブは、ステムおよび任意にループ部分を有するヘアピン構成を形成するために、任意にリンカーオリゴヌクレオチド配列を介し、相補的配列に結合した標的結合オリゴヌクレオチドから形成される(図21参照)。ループ部分は、任意のリンカー配列、または、第一および第二配列の末端に結合する共有結合を含む。ループ構成を形成するリンカー配列は、標的配列にハイブリダイズする、またはハイブリダイズしないことがある。標的配列に相補的である隣接するヌクレオチドは、任意のリンカー配列において、最大5つである。ステム部分は、第一、および第二配列間の1つ以上の不整合を任意に含み、不整合数は、プローブの溶解温度を調節するために使用される。また、ステム部分は、例えば、マイナーグルーブバインダーおよびLNAといった、プローブのアフィニティーを、標的配列へ調節でき、溶解温度も調節するために使用することが出来る修飾ヌクレオチドも含有する。キープローブもまた、プローブが標的配列にハイブリダイズする際、検知可能な信号(例:フルオロフォアの蛍光放射の増加)が形成されるように、プローブの末端に結合あるいは近接した相互作用の一対の標識(例えば、フルオロフォア/クエンチャー対)を含有することができる。
本発明において有用な安全ピン、スコーピオン、サンライズ/amplifluorおよびキープローブにおいて、核酸標的配列に相補的な領域が、標的核酸に結合していない場合、標的に相補的であるプローブ配列の長さ、相補的核酸配列により、可逆的に相互作用するプローブの領域の長さ(例:ステムハイブリッド)、および、双方の関係は、使用されるべきプローブのアッセイ条件に従って、考案される。特定のアッセイ条件における標的相補配列の長さ、およびステムハイブリッド配列は、当業者に周知のものにより推定される。核酸標的配列に相補的であるプローブの領域が標的核酸に結合していない場合において、相補的核酸配列の方法により可逆的に相互作用するプローブの領域は、6から100ヌクレオチドの範囲、好ましくは8から50ヌクレオチド、最も好ましくは、各8から25ヌクレオチド内である。標的に相補的であるプローブ配列の長さは、好ましくは、長さ17〜40ヌクレオチド、さらに好ましくは、17〜30ヌクレオチド、そして、最も好ましいのは、17〜25ヌクレオチドである。相補的核酸配列により、可逆的に相互作用するプローブの領域間における相互関係の安定性は、適切な作用を得るための定期的実験により決定される。長さ以外に、相補核酸配列により可逆的に相互作用するプローブの領域間における、相補核酸配列の方法により可逆的に相互作用するプローブの領域間の相互作用の安定性は、G−C含有量を変化させ、不安定化させるミスマッチを挿入することで調節することができる。相補的核酸配列により、可逆的に相互作用するプローブの領域の1つは、部分的、あるいは完全に標的に相補的であるように考案される。3’アームが標的に相補的な場合、プローブは、DNAポリメラーゼのプライマーとなる。また、波長シフト分子指標プローブは、連結などでにより固体表面に固定されるか、あるいは、自由に動けるようになっている。
広範囲のフルオロフォアは、本発明により、プローブおよびプライマーに使用することが出来る。有効なフルオロフォアには、クマリン、フルオレセイン、テトラクロロフルオレセイン、ヘキサクロロフルオレセイン、ルシファーイエロー、ローダミン、ボデピー、テトラメチルローダミン、Cy3、Cy5、Cy7、エオシン、テキサスレッドおよびROXが含まれる。例えば、Leeら、(1997)、Nucleic Acids Research 25:2816に記載のフルオレセイン‐ローダミンダイマーなどのフルオロフォア合成も、適合する。フルオロフォアは、可視スペクトルまたは、紫外線領域または赤外領域など、可視スペクトル外において吸収および放射するために選ばれる。
該技術分野で記載された適切なクエンチャーは、特に、DABSYL、DABMIおよびメチルレッド等、DABCYLおよび、その変異体を含む。フルオロフォアは、特定の他のフルオロフォアに触れた際、蛍光を抑える傾向があるため、クエンチャーとして使用することも出来る。好ましいクエンチャーは、DABCYLまたはマラカイトグリーンなどの発色団、あるいは、プロ−ブが開いた構造である場合において、検出範囲内で、蛍光を発しないフルオロフォアのどちらかである。
「ヘアピン構造」あるいは「ステム」は、RNAまたはDNAの一本鎖内に、隣接し、逆位で相補配置間の対となる塩基により形成された二重らせん領域をいう。
「ステムループ」構造は、一方の末端に不対塩基のループをさらに含むヘアピン構造をいう。
本明細書において、標的または鋳型核酸配列に結合していない場合の「安定」二次構造を持つプローブは、プローブを構成する塩基対の50%またはそれ以上(例:50%、55%、75%または100%)が、プローブを標的または鋳型核酸がない場合において、標的または鋳型核酸へハイブリダイゼーションを可能にする条件下に解離しないことを特徴とする二次構造である。
核酸二本鎖の安定性は、融解温度、または「Tm」により測定される。特別条件下(例:塩濃度および/または有機溶媒の有無)における特定の核酸二本鎖のTmは、二本鎖分子の塩基対の半分(50%)が、分離する(つまり、塩基対において互いにハイブリダイズしないこと)温度である。
標的または鋳型核酸に結合していない場合の、プローブの二次構造の「安定性」は、溶解温度アッセイ、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)アッセイ、または蛍光消光アッセイ(その詳細は「プローブの安定性または二次構造の測定」と題されたセクションに記載されている)に定義される。
本発明のこの実施形態において有用なプローブは、開裂反応の温度あるいは、それ以下の温度で「安定」する二次構造を備えなければならない。従って、本発明において、開裂方法により、開裂構造の開裂が行われる温度は、プローブの二次構造のTmより低くなくてはならない。プローブの二次構造は、開裂反応の温度、あるいはそれ以下の温度での光吸収度水準が、プローブのTmに同等である温度での光吸収度水準より少ない場合(つまり少なくとも5%少ない、好ましくは20%少ない、および最も好ましくは25%少ないなど)、開裂反応の温度(つまり開裂が行われる温度)、またはそれ以下である温度での溶解温度で「安定する」とされる。
本発明の方法に従い、二次構造の安定性は、FRETアッセイ、あるいは蛍光消光アッセイ(「プローブの二次構造の安定性の測定」と題されたセクションに記載)により測定される。本明細書において、蛍光消光アッセイは、FRETアッセイを含む。本発明におけるプローブは、例えば20ヌクレオチドの遠位で相互作用可能な、例えば2ヌクレオチドまたは非FRET対(例:テトラメチルローダミンおよびDABCYL)の遠位で相互作用可能なFRET対などの適切な一対の相互標識、例えば(以下の「プローブの二次構造の安定性の測定」と題されたセクションに記載の通り)FRETで標識される。例えば、本発明のこの実施形態におけるプローブは、フルオロフォアで標識され、それから、標的核酸なしで、クエンチャーおよび蛍光は、異なる温度で測定される。Tmは、蛍光レベルが特定のプローブで見られる蛍光の最大レベルの50%である温度である、図13e参照。プローブの核酸配置が周知であることを特徴とする特定のプローブのTmは、当業者に周知の方法により予測可能である。従って、蛍光は、本発明にしたがい、例えば、範囲の最低温度限界が少なくともTmまたは予測Tmより50°低く、範囲の最高温限界度が少なくともそれより50°高いプローブの温度範囲にわたって測定される。
開裂温度で、あるいはそれ以下での温度において、蛍光レベルがプローブのTmにおいて見られるFRETのレベルより増加あるいは減少した場合(例:少なくとも5%以下、好ましくは20%以下、およびさらに好ましくは25%以下等)、二次構造は、ここで、FRETアッセイにおいて、開裂温度で、あるいはそれ以下での温度において、「安定」と定義される(図13eおよびf参照)。例えば、FRETにおける増加または減少は、本発明によりFRETアッセイにおいて生じる。別の実施形態において、新たにシフトされた波長において増加あるいは減少につながる波長の変化は、本発明によるFRETアッセイ内に生じる。
本発明による二次構造における「変化」は、本発明のこの実施形態によるプローブが、標的または鋳型核酸がなく、プローブのTm以下での温度で、FRET対の消光があるように(以下に記載の通り)、位置するフルオロフォアおよびクエンチャーを有することを特徴とするFRETアッセイで測定される。本明細書において、本発明のよるプローブが標的核酸に結合する際に生じる二次構造における「変化」は、プローブのTm以下の温度でプローブが標的または鋳型核酸に結合後の蛍光のレベルが、標的または鋳型核酸配列がない場合に見られる蛍光のレベルより高くなるように(例:少なくとも5%、好ましくは5〜20%、最も好ましくは25%またはそれ以上)、そのようなアッセイにおける蛍光の増加をいう。(図13g参照)
本発明のこの実施形態による二次構造は、フルオロフォアおよびクエンチャーを有するプローブをFRETアッセイにかけて検出される(以下に記載の通り)。温度の変化に相関する蛍光発光における変化を示す(例:FRET反応の温度の上昇に伴い蛍光が増加する)、本発明のこの実施形態によるプローブは、二次構造の形成が可能である。
本明細書において、本発明のこの実施形態により有用である「開裂温度」は、二次構造を有するプローブのTmより(少なくとも1℃および好ましくは10℃)低い温度である。「開裂温度」は、開裂反応において使用される特定の開裂方法にとって、可能で、好ましくは最適になるように始めに選ばれる。
一般的に、プローブの3’末端は、反応において、活性ポリメラーゼが用いられる場合、プライマー伸長生成物へプローブの取り込みを禁止するために、「遮断」される。「遮断」は、非相補塩基を使用する、または、ビオチンまたはリン酸塩基をなどの化学部分を、選択した部分により、その後の標識に付着した核酸の検出あるいは捕獲用の標識として作用も行うことで二重目的を果たす最後のヌクレオチドの3’ヒドロキシルに加えることにより行われる。遮断は、3’−OHを除去、または、ダイデオキシヌクレオチドなどの3’−OHが欠乏したヌクレオチドを用いて行われる。
プローブの用語は、対立遺伝子識別プローブを包含する。本明細書において、「対立遺伝子特異」プローブは、選択的に、完全な相補的標的核酸配列とハイブリダイズし、少なくとも1つのヌクレオチドにより異なる配列を識別する。標的核酸配列と比較し、後に「標的様核酸配列」と定義される、少なくとも1つのヌクレオチドにより異なる核酸配列は、従って、本発明において対立遺伝子識別プローブの標的核酸配列ではない。
対立遺伝子識別プローブは、標的核酸相補配列と比較して、1つ以上のヌクレオチドミスマッチを含む標的様核酸配列に、特定温度で、あるいは、当事者に周知の方法による実験的最適化によって決定される温度の範囲内で、効率良くハイブリダイズせず、従って、標的用核酸配列のみが存在、および対立遺伝子識別プローブが標的核酸配列にハイブリダイゼーションに対応する条件下で、標的様核酸配列に結合時の二次構造において変動しない。
一実施形態において、本発明による「対立遺伝子識別プローブ」は、標的核酸配列から、少なくとも1つのヌクレオチドにより異なる標的様核酸配列にハイブリダイズするプローブをいい、変異ヌクレオチドは対立遺伝子特異部位で見つかることがない。本発明のこの実施形態において、「対立遺伝子識別プローブ」は、対立遺伝子特異部位内の少なくとも1つのヌクレオチドにより異なる標的様核酸配列に、特定の温度あるいは、当事者に周知の方法による実験的な最適化により決定される温度の範囲内で、結合することが出来ない。単一ヌクレオチドの差異は、標的または標的様核酸配列に結合したプローブの割合に影響を及ぼすだけである。例えば、本発明は、標的または鋳型の100%もが、過剰プローブの存在下で、プローブ標的、または鋳型プローブ複合(例:プローブにより結合する)を特徴とする、完全に適合したプローブを提供する。本発明は、少なくとも、1〜5%、好ましくは5〜10%の標的様または、鋳型様配列が、標的または鋳型配列および完全適合プローブを有する複合の形成に使用する同じ条件下において、プローブにより結合されることを特徴とする、少なくとも1つの単一塩基ミスマッチを有するプローブを提供する。
本明細書において、「対立遺伝子特異部位」は、全ての考えられる対立遺伝子内の対応部分と、異なる(つまり少なくとも1つのヌクレオチドにより異なる)標的核酸配列の領域をいう。
また、本発明において有用な対立遺伝子識別プローブは、標的配列と比較して、標的様配列と非効率で結合するプローブを含む。標的配列または標的様配列へのプローブの結合効率は、標的様配列または標的配列の存在下で、プローブの二次構造のTmより低い(少なくとも5℃および好ましくは10℃またはそれ以上)温度で行われるFRETアッセイで測定される。標的様配列の存在下、または非存在下における蛍光のレベルの変化と比較して、標的配列の存在下、または非存在下で、蛍光のレベルにおける変化は、標的または標的様配列へのプローブの結合効率の効果的手段を提供する。
本発明による方法において、標的配列と比較し、標的様配列に、効率悪く結合するプローブは、標的核酸配列と比較し、標的様配列にハイブリダイゼーション時に、本明細書に記載のとおり、FRETアッセイ内の蛍光を測定して決定されるように、二次構造において、より小さく(例:標的核酸配列に結合時に、好ましくは、25〜50%、さらに好ましくは50〜75%の数値の変化、最も好ましくは75〜90%の蛍光における変化)変化する。本発明による方法において、標的配列と比較し、標的様配列に効率悪く結合するプローブは、試料内に標的様核酸配列の存在を示す信号を生み出す。しかし、より小さい変化の点で上記に記載された通り、信号の強度は、標的核酸の存在下で生み出された信号の強度を調節する(例:標的核酸配列に結合時の蛍光における変化値よりも、好ましくは25〜50%、さらに好ましくは50〜75%、最も好ましくは75〜90%少ない、あるいは多い)場合もある。
「標的核酸配列の存在を示す信号」または、「標的様核酸配列」は、標的核酸配列または標的様核酸配列の1分子から1020分子、さらに好ましくは、約100分子から1017分子、最も好ましくは1000分子から1014分子で生み出された信号に匹敵する信号をいう。
3.二次構造および結合部分を備えるプローブ
本発明のこの実施形態における「プローブ」は、プローブの標的または鋳型核酸配列との結合時に変化し、さらに結合部を有する二次構造を備えることができる。
本明細書において、「結合部分」は、開裂方法によりプローブの開裂時に遊離され、結合部分と捕獲成分間に存在する分子間引力により、特に、捕獲成分と結合するプローブの領域(例えば、図7のab)をいい、本明細書に記載の通り、結合部分と捕獲成分間の特異結合は、プローブの二次構造が「変化」する時のみに生じることを特徴とする。「特異的に結合する」は、相補核酸との水素結合を介する、または、例えば、結合部分と、結合部分の核酸配列に特に結合できる結合タンパク質間の相互作用を介するという意味である。「結合部分」は、プローブが標的または鋳型核酸配列に結合する能力を妨げない。結合部分は、プローブが、天然の二次構造配座にある時、捕獲成分に結合することが出来なず、標的、および鋳型核酸に結合する際、好ましくは開裂剤による開裂後に、二次構造が、結合部分を捕獲成分に結合することを可能にするように変化される。一実施形態において、結合部分を形成するために開裂するプローブの領域は、標的核酸配列にハイブリダイズすることは出来ないが、鋳型核酸に結合することが出来る。本明細書に記載の通り(例:図7のa)、「相補的核酸配列」ではない「結合部分」の領域は、長さ1〜60ヌクレオチド、好ましくは1〜25ヌクレオチド、もっとも好ましいのは長さ1〜10ヌクレオチドである。本明細書に記載の結合部分および、本明細書に記載の捕獲成分間の特異結合の検出方法は、当業者に周知である(例えば、上記Sambrookら、supra;Ausubelら参照)。
本発明の一実施形態において、本発明のこの実施形態によるプローブは、「レポーター」をさらに含む。
本明細書において、「レポーター」は、以下に記載の「標識」および/または本明細書に記載の「タグ」をいう。
本明細書において、「標識」および「信号の供給が可能な標識部分」は、検出可能な(好ましくは定量化できる)信号に使用することが出来る、および、核酸に作用可能に結合することが出来る、いかなる原子または分子をも指す。標識は、蛍光、放射能、側色、重量測定、X線回折または吸収、磁性、酵素活性、質量分析、結合アフィニティー、ハイブリダイゼーション高周波、ナノ結晶などにより検出可能な信号を供給する。本発明のこの実施形態による標識プローブは、5’末端、3’末端、および内部に標識される。標識は、「直接」、すなわち着色、または、「間接」、すなわちビオチン、ジゴキシン、アルカリホスファターゼ(AP)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)等である。間接標識の検出には、標識抗体などの追加成分または、酵素基質を、捕獲、遊離された標識核酸断片を視覚化するために加える必要がある。本発明の一実施形態において、標識は、本明細書に記載の通り、二次構造が「変化」しない限り、検出信号を提供することは出来ない(例えば、結合部分が接近可能である)。
本明細書において、「結合部分」は、タグも意味する。本明細書において、「タグ」は、プローブの5’末端に作用可能に結合し(例えば、図7のR)、タグと捕獲成分間に存在する引力により特に捕獲成分に結合する部分をいい、タグおよび捕獲成分間の特異結合は、プローブの二次構造が変化した(たとえば、タグが捕獲成分にアクセス可能である)場合のみに生じることを特徴とする。「タグ」および捕獲成分に言及する時、「特異的に結合」は、共有または水素結合または静電気引力を介する、または、例えばタンパク質とリガンド間、抗体と抗原、サブユニットタンパク質間、あるいは核酸結合タンパク質と核酸結合部位間における相互作用を介するという意味である。「タグ」は、プローブが標的または鋳型核酸配列にアニールする能力を妨げない。第二結合部分は、ビオチン、ストレプトアビジン、ハプテン、タンパク質、または化学的反応部分を含むがこれらに限定されない。
本明細書において、「捕獲成分」は、たとえば、化学的架橋または共有結合により、固体基板に不可逆的に付着した物質をいう。前記物質は、結合部分と捕獲成分間に存在する引力により、結合部分に特異的に(例:水素結合または、核酸結合タンパク質と核酸結合部位間、または相補的核酸間における相互作用を介して)結合し、結合部分と捕獲成分間の特異結合は、本明細書に記載の通り、結合部分を有するプローブの二次構造が「変化」した場合のみ生じる。捕獲成分は、核酸結合タンパク質または、ヌクレオチド配列を含むがそれらに限定されない。
本明細書において、「捕獲成分」は、たとえば、化学的架橋または共有結合により、固体基板に不可逆的に付着した物質をいう。物質は、結合部分と捕獲成分間に存在する引力により、結合部分に特異的に(例:水素結合または、核酸結合タンパク質と核酸結合部位間、または相補的核酸間における相互作用を介して)結合し、結合部分と捕獲成分間の特異結合は、本明細書に記載の通り、結合部分を有するプローブの二次構造が「変化」した場合のみ生じることを特徴とする。捕獲成分は、ビオチン、ストレプトアビジン、ハプテン、タンパク質、または化学的反応部分を含むがこれらに限定されない。
本明細書において、「固体担体」とは、分子(例:第一および捕獲成分)が不可逆的に結合することが可能な表面をいい、薄膜、セファロースビーズ、電磁ビーズ、培養皿、シリカベースのマトリクス、薄膜ベースのマトリクス、スチレン、ラテックスまたはシリカベースの材料を含むがそれらに限定されない表面を有するビーズおよび、例えば、酢酸セルロースなどの他のポリマー、テフロン(登録商標)、ポリ二フッ化ビニリデン、ナイロン、ニトロセルロース、ポリエステル、炭酸塩、ポリスルホン、金属、ゼオライト、紙、アルミナ、ガラス、ポリプロピレン、ポリビニル塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフッ化エチレン、ポリエチレン、ポリアミド、プラスチック、ろ紙、デキストラン、ゲルマニウム、シリコン、(ポリ)テトラフッ化エチレン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、酸化ケイ素、硝酸ケイ素およびその混合物を含むがこれらに限定されない。本明細書に記載の捕獲成分を付着する方法は、当事者に周知であり、以下に記載される。付加的固体担体も、以下に記載される。
本明細書において、「アフィニティー対」は、部分間に存在する引力により可逆的に結合する事が出来る、一対の部分(例えば、相補的タンパク結合部位、タンパク−リガンド、抗体−抗原、サブユニットタンパク質、および核酸結合タンパク質結合部位)をいう。「アフィニティー対」は、結合部分と対応捕獲成分の結合、およびタグと対応捕獲成分の結合を含む。
アフィニティー対が、可逆的に相互に作用する相補核酸領域を有することを特徴とする実施形態において、標的核酸結合配列、および、アフィニティー対を有する核酸配列の長さは、予測ハイブリダイゼーションの条件下において、プローブの適切な熱力学的作用向けに選択される。ハイブリダイゼーションアッセイに熟練したものは、適切な条件に、プローブ、標的および溶質濃度、検出温度、変性剤およびボリュームエクスクルーダーの存在、および他のハイブリダイゼーション影響因子を含むことを理解する。標的または鋳型核酸結合配列の長さは、7から約10,000ヌクレオチド、好ましくは、10ヌクレオチドから約140ヌクレオチドの範囲でありうる。プローブが対立遺伝子識別プローブでもある場合、以下に記載されている通り、長さは更に制限される。
アフィニティー対が、可逆的に、相互作用し、標的または鋳型核酸配列にハイブリダイズ出来ない、あるいは相補的でない相補核酸領域を有することを特徴とする実施形態において、アフィニティー対の相補核酸領域配列は、プローブが標的に結合していない場合に、アッセイの条件下および検出温度で、プローブの結合部分が捕獲成分(例:相補核酸配列は結合している)に結合しないプローブの構造である、十分な長さのものでなければならない。使用されるアッセイ条件により、長さ3〜25ヌクレオチドの相補核酸配列は、この作用を行う事が可能である。4〜15、さらに好ましくは5〜11ヌクレオチドの中間領域は、時に適切である。実際の長さは、プローブが標的または鋳型核酸に結合していない際に、プローブの二次構造が、標的または鋳型核酸に結合しているプローブを有する開裂構造の開裂が行われる温度で安定しているような標的または鋳型核酸結合配列を参照に選択される。標的核酸結合配列が100ヌクレオチドまで大きくなると、相補的核酸配列の長さは、15〜125ヌクレオチドまで長くなる。100ヌクレオチドを超える標的および鋳型核酸結合配列において、相補的核酸配列の長さは、それ以上長くならない。プローブが対立遺伝子識別プローブでもある場合、相補的核酸配列の長さは、以下に記載の通り、さらに制限される。
本発明のこの実施形態により、標的核酸相補配列と比較して、1つ以上のヌクレオチドミスマッチを有する標的様核酸配列に十分にハイブリダイズしない対立遺伝子識別プローブは、使用されたアッセイ状況下、プローブの二次構造の減少と除外および標的核酸配列とのハイブリダイゼーションが、特定の反応状況下(例:対立遺伝子識別プローブの、標的様または、鋳型様核酸配列への効果的な結合を阻止するために、当事者に周知の方法による実験的最適化によって決定される特定の温度または、温度の範囲で)において、標的核酸相補配列が完全な相補標的配列を検出した時のみ効果的に起きるように設計されなければならない。
一実施形態において、本発明による「対立遺伝子識別プローブ」は、標的核酸配列から、少なくとも1つのヌクレオチドにより異なる標的様核酸配列にハイブリダイズするプローブをいい、変異ヌクレオチドは対立遺伝子特異部位には見つからないことを特徴とする。本発明のこの実施形態において、「対立遺伝子識別プローブ」は、対立遺伝子特異部位中の少なくとも1つのヌクレオチドにより異なる標的様核酸配列に、効果的に結合することができない(例:標的様または鋳型様核酸配列への対立遺伝子識別プローブの効果的な結合を阻止するために、当事者に周知の方法による実験的最適化により決定される特定の温度あるいは、温度の範囲内で)。
本発明の一実施形態において、本発明による対立遺伝子識別プローブは、好ましくは6から50、好ましくは7から25ヌクレオチドの標的核酸結合配列、および3から8ヌクレオチドの相補核酸配列を有する。二次構造およびプローブ標的ハイブリッドのグアノシン‐シチジンの含量、塩、およびアッセイ温度は、例えば、マグネシウム塩は強力な安定効果を有し、短い対立遺伝子識別プローブを設計する際に特に重要な考慮点であることなどを全て考慮しなければならない。
対立遺伝子識別プローブが、長さ50ヌクレオチドの上限近くの標的核酸結合配列を有するようにする場合、配列は、識別されるべき単一ヌクレオチドミスマッチが、標的核酸相補配列の中間、または近くで発生するよう設計されなければならない。例えば、長さ21ヌクレオチドである配列を有するプローブは、好ましくは、ミスマッチが、標的核酸相補配列の最も中心に位置する14のヌクレオチドのうちの1つの反対に、最も好ましくは、最も中心に位置する7つのヌクレオチドのうちの1つの反対に生じるよう設計されなければならない。識別されるべきミスマッチが標的核酸結合配列/標的様拡散結合配列の中心に、または近くで生じるようプローブを設計することにより、対立遺伝子識別プローブの性能向上がすると考えられている。
本明細書において、捕獲成分により、結合部分の捕獲、または捕獲成分によるタグの捕獲と呼ぶ「捕獲」は、水素結合、共有結合、または、例えばタンパク質とリガンド間、抗体と抗原間、サブユニットタンパク質間、核酸結合タンパク質と核酸結合部位間、および相補核酸間における相互作用を介する特異結合をいい、相互作用対の1つのメンバーは固体担体に付着することを特徴とする。安定捕獲の条件下で、結合は、適切な状況下において、少なくとも約1x103-1、通常は、少なくとも1x104-1、典型的には、少なくとも1x105-1、好ましくは、少なくとも1x106-1から1x107-1またはそれ以上の解離定数(KD)で、ヘテロダイマーの形成を引き起こす。
本明細書に記載の、捕獲成分間の結合反応を行う、および部分またはタグを、それぞれ結合する方法は、当事者に周知であり、以下に記載される。本明細書に記載の、本発明による捕獲成分を固体担体に付着する方法は、当事者に周知であり、以下に記載される。
標識断片または、遊離されたフラップの検出または同定は、当業者に周知の様々な方法により行われ、標識開裂構造を有する一つの標識部分または複数部分の特質による。プローブが、標的または鋳型核酸に結合時に変化する二次構造を有し、結合部分をさらに有することを特徴とする本発明の方法により、遊離された標識断片または遊離されたフラップは、結合部分の、固体担体に付着する捕獲成分への結合により捕獲される。
a.捕獲成分
本発明による捕獲成分は、結合部分と捕獲成分間に存在する引力により、結合部分を特異結合する(例:水素結合を介し、または、たとえば核酸結合タンパク質と核酸結合部位間、または相補核酸間における相互作用を介し)いかなる部分であってもよい。特異結合が本明細書に記載の結合部分および、本明細書に記載の捕獲成分間で生じることを特徴とする、反応を行う方法は、当業者に周知である(例えば、上記Sambrookら、supra;Ausubel参照)。本発明による捕獲成分は、いかなる部分であってもよい。本発明による捕獲成分は、結合部分と捕獲成分間に存在する引力により、結合部分を特異結合する(例:共有または水素結合、または静電気引力を介し、または、例えばタンパク質とリガンド間、抗体と抗原間、サブユニットタンパク質間、核酸結合タンパク質と核酸結合部位間における相互作用を介し)いかなる部分であってもよい。特異結合が本明細書に記載の捕獲成分および、本明細書に記載のタグ間で生じることを特徴とする、反応を行う方法は、当業者に周知である(例えば、上記Sambrookら、supra;Ausubelら参照)。特異結合は、本明細書に記載の通り、結合部分を有するプローブの二次構造が「変化」した時のみ、生じる。本発明により有用な捕獲成分は、核酸結合タンパク質または、ヌクレオチド配列を含むがそれらに限定されない。本発明により有用な捕獲成分は、ビオチン、ストレプトアビジン、ハプテン、タンパク質、ヌクレオチド配列、または化学的反応部分を含むがこれらに限定されない。
本発明の一実施形態において、遊離された標識断片を含む反応生成物は、粒径分析の対象となる。標識断片の粒径を測定する方法は、当業者に周知であり、例えば、ゲル電気泳動、勾配の沈降、ゲル排除クロマトグラフィー、質量分析、およびホモクロマトグラフィーを含む。
b.固体基質
本発明による固体基質または固体担体は、分子(例:捕獲成分)が、薄膜、電磁ビーズ、培養皿、シリカベースのマトリクス、薄膜ベースのマトリクス、スチレン,ラテックスまたはシリカベースの材料を含むがそれらに限定されない表面を有するビーズおよび、例えば、酢酸セルロースなどの他のポリマー、テフロン(登録商標)、ポリ二フッ化ビニリデン、ナイロン、ニトロセルロース、ポリエステル、炭酸塩、ポリスルホン、金属、ゼオライト、紙、アルミナ、ガラス、ポリプロピレン、ポリビニル塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフッ化エチレン、ポリエチレン、ポリアミド、プラスチック、ろ紙、デキストラン、ゲルマニウム、シリコン、(ポリ)テトラフッ化エチレン、ヒ化ガリウム、リン化ガリウム、酸化ケイ素、硝酸ケイ素およびその混合物 を含むがこれらに限定されないものに、不可逆的に結合することが可能な表面である。本発明により有用な固体基質も、Sambrookら、supra;Ausubelら、supra;米国特許第5,427,779号、第5,512,439号、第5,589,586号、第5,716,854号および第6、087,102号;Southernら、Nature Genetics Supplement,21:5およびJoosら、1997、Analytical Biochemistry,247:96に記載されている。
捕獲成分を固体担体に結合する方法は、当業者に周知であり、上記Sambrookら、上記Ausubelら、米国特許第5,427,779号、第5,512,439号、第5,589,586号、第5,716,854号および第6、087,102号;上記Southernら、およびJoosら、supraに記載されている。核酸配列を固体担体に固定する方法もまた、固体担体の製造業者により提供される。例えば、薄膜用は、Pall社、Schleicher&Schuell社、電磁ビーズは、Dyal社、培養皿は:Costar社,Nalgenenunc社、および本発明により有用な他の担体は、CPG社により提供される。
固体担体に付着する捕獲成分に結合する遊離された標識断片量(本明細書に記載される通り、「断片」が遊離されたフラップを指し、および「遊離された標識断片」が遊離された標識フラップを指す)は、標識断片が捕獲成分に付着している間、あるいは捕獲成分から標識断片が遊離された後に測定される。捕獲成分からの標識断片の遊離は、競合非標識断片の過剰量の存在下の標識断片の捕獲成分複合の培養により、または、例えば、塩濃度またはバッファのpHに結果、捕獲成分への標識断片の結合を阻止するバッファの追加により行われる。
増幅中あるいは増幅後、標識断片の反応混合物からの脱離は、例えば反応混合物を固相抽出剤(SPE)に接触することにより達成される。例えば、核酸を、塩基の大きさ、分量、または核酸基と相互作用に従って、核酸を結合する能力を有する物質は、標識非開裂核酸が結合され、短い標識断片が結合されていない条件下で、反応混合物に加えることが可能である。そのようなSPE物質は、市販されている結合粒子Nensorb(DuPont Chemical社)、ヌクレオゲン(The Nest Group)、PEI、BakerBond(商標)PEI、アミコンPAE1,000、Selectacel(商標)PEI、3’−リボースプローブ付きボロナートSPE、プローブの3’末端に相補的な配列を有するSPE、およびヒドロキシルアパタイトなどのイオン交換樹脂またはビーズを含む。特定の実施形態において、ヌクレア−ゼ感受性開裂部位により、二次標識から分離したビオチン標識を有する二重標識オリゴヌクレオチドが信号手段として用いられる場合、反応混合物は、アビジンまたはストレプトアビジン、ビオチンに対する抗体またはモノクロナール抗体などの捕獲成分を含む物質と接触し、磁性粒子を含むビーズおよび粒子などの固体担体と結合することができる。
反応混合物が、(例えば、PER混合物)がSPEに接触するステップの後、SPE物質は、ろ過、沈降、および磁器引力により除去され、それにより、標識断片は、非開裂標識オリゴヌクレオチドを含まず、検出可能な状態になる。
c.結合部分
本明細書に記載のとおり、本発明による結合部分は、プローブの開裂時に、ヌクレアーゼにより遊離され、結合部分と捕獲成分間に存在する引力の結果、捕獲成分に特異的に(相補核酸との水素結合を介し、または結合タンパク質との相互作用を介し)結合するプローブの領域をいい、結合部分と捕獲成分間における特異結合は、プローブの二次構造が「変化」した時のみ生じることを特徴とする。
本明細書において、「タグ」は、プローブの5’末端に作用可能に結合し(例えば、図7のR)、タグと捕獲成分間に存在する引力により捕獲成分に特異結合する部分をいい、タグおよび捕獲成分間の特異結合は、プローブの二次構造が変化した場合のみに生じることを特徴とする(たとえば、タグが捕獲成分に接近可能である)。「タグ」および捕獲成分に言及する際の、「特異的に結合する」とは、共有または水素結合または静電気引力を介する、または、例えばタンパク質とリガンド間、抗体と抗原、サブユニットタンパク質間、あるいは核酸結合タンパク質と核酸結合部位間における相互作用を介するという意味である。第二の結合部分は、ビオチン、ストレプトアビジン、ハプテン、タンパク質、または化学的反応部分を含むがこれらに限定されない。
本明細書において、タグを核酸(例:本発明によるプローブ)に取り込む方法は、当業者に周知であり、上記Ausubelら、supra、Sambrookら、および米国特許第5、716,854号、および6,087,102号に記載される。
d.標的核酸
本発明は、3’から5’の順に、第一のオリゴヌクレオチドに少なくとも一部相補的である第一の領域、伸長領域および第二のオリゴヌクレオチドに少なくとも一部相補的である第二の領域を有するポリヌクレオチドである「標的核酸」を提供する。標的核酸は一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAを含んでよい。
本発明において、標的核酸は、ハイブリダイゼーションおよびプライマー(例:本明細書に記載の第一オリゴヌクレオチド)の伸長を十分可能にするヌクレオチドの長さである「第一の領域」を有し、「第一の領域」は、プライマー(例:本明細書に記載の第一オリゴヌクレオチド)に少なくとも一部相補的であることを特徴とする。「第一の領域」は、長さ約6ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約8〜30ヌクレオチドの範囲、最適には約10〜25ヌクレオチドの範囲である。
本発明における標的核酸は、核酸重合活性を介し、オリゴヌクレオチド(例:第一または第二のオリゴヌクレオチド)の伸長を十分可能にするヌクレオチドの長さである「伸長領域」も有する。「伸長領域」は、長さ約1ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約3〜100ヌクレオチドの範囲、最適には、長さ約3〜30ヌクレオチドの範囲である。
標的核酸の第二の領域は、プローブ(例:本明細書に記載のとおり、第二のオリゴヌクレオチド)に少なくとも一部相補的であるヌクレオチドの長さである。「第二の領域」は、長さ約6ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約8〜30ヌクレオチドの範囲、最適には約10〜25ヌクレオチドの範囲である。
e.鋳型核酸
本発明は、3’から5’の順番で、少なくともプライマー(例:本明細書に記載の第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)に少なくとも一部相補的である第一の領域、伸長領域、およびプローブ(例:本明細書に記載の通り、第三のオリゴヌクレオチド)に少なくとも一部相補的である第二の領域に含まれるポリヌクレオチドである「鋳型核酸」を提供する。
本発明は、3’から5’の順に、少なくともプライマー(例:本明細書に記載の第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)に少なくとも一部相補的である第一の領域、第一の伸長領域、第一のプローブ(例:本命最初に記載の通り、第三のオリゴヌクレオチド)に少なくとも一部相補的である第二の領域、第二の伸長領域、および第二のプローブ(例:本明細書に記載の通り、第三のオリゴヌクレオチド)に少なくとも一部相補的である第三の領域に含まれるポリヌクレオチドである「鋳型核酸」を提供する。鋳型核酸は一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAを含んでよい。
本発明において、鋳型核酸は、プライマー(例:本明細書に記載の第二オリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)のハイブリダイゼーションおよび伸長を十分可能にするヌクレオチドの長さである「第一の領域」を有し、「第一の領域」は、プライマー(例:本明細書に記載の第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)に少なくとも一部相補的であることを特徴とする。「第一の領域」は、長さ約6ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約8〜30ヌクレオチドの範囲、最適には約10〜25ヌクレオチドの範囲である。
本発明における鋳型核酸は、核酸重合活性を介し、オリゴヌクレオチド(例:本明細書に記載の第二オリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)の伸長を十分可能にするヌクレオチドの長さである「伸長領域」も有する。「伸長領域」は、長さ約1ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約3〜100ヌクレオチドの範囲、最適には、長さ約3〜30ヌクレオチドの範囲である。
鋳型核酸の第二の領域は、プローブ(例:本明細書に記載の第三のオリゴヌクレオチド)に少なくとも一部相補的であるヌクレオチドの長さである。「第二の領域」は、長さ約6ヌクレオチドから約1,000ヌクレオチドの範囲内にあり、好ましくは約8〜30ヌクレオチドの範囲、最適には約10〜25ヌクレオチドの範囲である。
1.標識
本発明による鋳型核酸は、例えば、放射性標識、蛍光標識、クエンチャー、または「標識開裂構造の作成法」と題されたセクションIVに挙げられるいかなる標識により標識される。標識鋳型核酸は、当業者に周知であり、本明細書に記載される方法により調整される(上記Sambrookら、supra;Ausubelら参照)。
一実施形態において、鋳型核酸は一対の相互作用する標識の第一の部材に作用可能に結合される。さらなる実施形態において、相互作用的標識は、クエンチャーまたは蛍光発光物質である。さらに、別の実施形態において、相互作用的標識は、鋳型核酸の5’ヌクレオチドに作用可能に結合される。
2.固体担体
一実施形態において、鋳型核酸は、「固体基質」と題されたセクションに記載の通り、固体担体(例:膜)に付着する。固体担体は、アレイ形式に結合している複数の異なる鋳型核酸を有することもある。この実施形態において、鋳型核酸は、一対の相互作用的標識(例:レポーターまたはクエンチャー基)の第一の部材で標識されることもある。検出可能信号は、一対の相互作用する標識の第二メンバーに作用可能に結合する第三オリゴヌクレオチドの開裂および置換により生み出される。この実施形態において、レポーター信号は、特定の鋳型核酸が付着する固体担体の領域に限局される。各異なる標的核酸は、標的核酸の存在または量を示す検出可能信号を生み出す事が出来る。
f.ハイブリダイゼーション
本発明によるプライマーおよびプローブ(例:第一、第二、第三、および第四のオリゴヌクレオチドまたは第二のヌクレオチドの遊離されたフラップ)は、標識され、標識開裂構造の調製に使用することが出来る。以下のプライマーおよびプローブの混合は、標的核酸配列内の配列にアニールすることが出来る:第二のオリゴヌクレオチド、または、第二のオリゴヌクレオチドおよび第一のオリゴヌクレオチド。以下のプライマーおよびプローブの混合は、鋳型核酸配列内の配列にアニールすることができる:第三のオリゴヌクレオチド、第三のオリゴヌクレオチドおよび第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、第四のオリゴヌクレオチド、第三のおよび第四のオリゴヌクレオチド、および、第三のオリゴヌクレオチド、第四のオリゴヌクレオチドおよび標的核酸の遊離されたフラップ。
一実施形態において、ハイブリダイズされた第一のオリゴヌクレオチドは、開裂構造を形成するために重合により伸長し、開裂構造は、本発明に従い、第二のオリゴヌクレオチドのフラップを遊離させるために、開裂手段を用いて開裂される。別の実施形態において、第二のオリゴヌクレオチドのハイブリダイズされた遊離されたフラップは、開裂構造を形成するために重合により伸長され、開裂構造は、本発明に従い、第三のオリゴヌクレオチドのフラップ、第三および第四のオリゴヌクレオチドのフラップを遊離させるため、または、第三または第四のオリゴヌクレオチドを鋳型核酸から遊離するために、開裂手段により開裂される。
一般的に、二つの核酸配列が実質的に相補的(少なくとも14から25ナノヌクレオチドの一続きを超えて少なくとも約65%相補的、好ましくは、少なくとも約75%、さらに好ましくは、少なくとも約90%相補的)である場合に生じる。Kanehisa、M.1984,Nucleic Acids Res.12:203参照。参照することにより本書に含まれる。その結果、本明細書に記載の通り、プライマーのプライミング部位で特定の一定のミスマッチが許容されることが予想される。そのようなミスマッチは、モノ、ジ、またはトリヌクレオチドなど、小さいものである。あるいは、ミスマッチ領域は、4つ、あるいはそれ以上の連続したヌクレオチド内に、ミスマッチが存在する領域として定義されるループを含有してもよい。
多くの要素が、オリゴヌクレオチドプローブの第二の核酸分子へのハイブリダイゼーションの効率または選択度に影響を及ぼす。オリゴヌクレオチド長さ、ヌクレオチド配列および/または組成物、ハイブリダイゼーション温度、バッファ組成物およびオリゴヌクレオチドがハイブリダイズに必要とされる領域における立体障害の可能性含むこれらの要素は、本発明に従い、オリゴヌクレオチドプライマーの設計時に考慮される。
正相関がオリゴヌクレオチドの長さと、オリゴヌクレオチドが標的配列にアニールする効率および精度間に、存在する。特に、より長い配列は、より短い配列と比べ、高い溶解温度(TM)を持ち、特定の標的配列内で繰り返される可能性が低く、従って、不規則なハイブリダイゼーションを最小限にする。二分子ではなく単分子ハイブリダイゼーション動力学は一般的に溶液を好むため、高G−C含量または、パリンドローム配列を有するオリゴヌクレオチド配列は、標的部位と同様に、セルフハイブリダイゼーションする傾向がある。しかし、AおよびT基が対となって標的配列に結合して、したがって、より密着した、強い結合を形成するとき、各G−C対が、二つではなく、三つの水素結合により結合するため、十分な数のG−Cヌクレオチド対を有するオリゴヌクレオチドの設計も重要である。ハイブリダイゼーション温度は、塩濃度の上昇が結合を促進する一方で、例えば、ホルムアミドなど、プライミング反応またはハイブリダイゼーション混合に含まれることもある有機溶媒の濃度と同様に、効率よくアニールするオリゴヌクレオチドと反比例して異なる。ストリンジェントなアニーリング条件下で、より許容状態下において効率的である、より長いハイブリダイゼーションプローブまたは合成プライマーは、短いハイブリダイゼーションプローブに比べ、より効率よくハイブリダイズする。本明細書に使用される、「標準的なストリンジェントな条件」とは、配列間において、少なくとも95%の相同性、および好ましくは、少なくとも97%の相同性がある場合のみ、ハイブリダイゼーションが生じることをいう。配列は、ストリンジェントな洗浄に続いて、42℃で一晩、配列の培養後のストリンジェントな条件下でハイブリダイズする(65℃で、0.2XSSC)。例えば、対立遺伝子識別プローブが、少なくとも1つのヌクレオチドにより異なる配列を識別するために使用されることを特徴とする特定の実施形態は、特定のハイブリダイゼーションに、より高いハイブリダイゼーション温度を必要とすることもある。いくつかの要素がハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を及ぼすので、パラメータの複合は、単一要素の絶対測定値よりも重要である。
g.核酸の生成
本発明は、標的核酸配列の増幅、または開裂構造の形成に対する、検出、および/または測定されるべき核酸を提供する。
本発明は、RNA,cDNA、ゲノムDNA、合成型、および混合ポリマーを有する核酸を使用する。本発明は、核酸のセンス鎖、およびアンチセンス鎖の両方を含む。本発明により、核酸は、化学的に、または生物学的に修飾される、または、人工または派生ヌクレオチド塩基を含むこともある。そのような修飾には、例えば、標識、メチル化、1つ以上の自然発生するヌクレオチドの類自体での置換、非荷電結合(例:メチルホスホネート、ジチオリン酸等)などのヌクレオチド間修飾、懸垂部分(例:ポリペプチド)、挿入剤(例:アクリジン、ソラレン等)、キレート剤、アルキル化剤、および修飾結合(例:αアノマー核酸等)を含まれる。また、水素結合および他の化学相互作用を介し、指定配列と結合する能力において、ポリヌクレオチドを模倣する合成分子も含まれる。そのような分子は、当業者に周知であり、例えば、分子のバックボーンにおいて、ペプチド結合がリン酸塩結合に置換するものを含む。
1.DNAを有する核酸
a.クローニング
DNAを有する核酸は、当業者に周知のクローニング法により、cDNAまたはゲノムライブラリーから単離することが出来る(前記Ausubelら)。簡潔にいえば、特定核酸配列を有するDNAクローンの単離は、組換えDNAまたはcDNAライブラリーのスクリーニングおよび、所定配列を含むクローンの同定を伴う。クローニングは、以下のステップを伴う。特異ライブラリーのクローンは、培養基に広げられ、スクリーニングのため、適切な基板に移され、変性され、特定の核酸の存在を確かめるためプローブされる。ハイブリダイゼーション条件の説明、および標識プローブの生成方法は、以下に含まれる。
所望のクローンは、核酸プローブへハイブリダイゼーション、または、抗体により検出可能なタンパク質の発現により同定されるのが好ましい。あるいは、所望のクローンは、以下に記載された方法による、特定の一連のプライマーにより定義される配列のポリメラーゼ鎖増幅により同定される。
適切なライブラリーの選択は、所定配列の豊富な源である組織または細胞株の同定を伴う。さらに、対象の核酸は、調節配列またはイントロン配列を含む場合、ゲノムライブラリーはスクリーンされる(前記Ausubelら)。
b.ゲノムDNA
本発明の核酸配列は、ゲノムDNAから増幅される。ゲノムDNAは、以下の方法に従い、組織または細胞から単離される。
特定の組織から、遺伝子の異型検出を行うために、組織は、正常組織の周りから遊離、単離される。ゲノムDNAを、哺乳類の組織から、単離するために、組織は、細分化され、液体窒素で凍結される。凍結組織は、予め冷却された乳鉢および乳棒を用いて、微粉に挽かれ、温浸バッファに(100mM NaCl、10mM トリス−HCl、pH8.0、25mM EDTA、pH8.0、0.5%(w/v)SDS、0.1mg/ml プロテイナーゼK)100mgの組織あたり、1.2ml温浸バッファで懸濁される。ゲノムDNAを哺乳類の組織培養細胞から単離するために、細胞は、5分間500xgの遠心分離によりペレットされ、1〜10mlよく冷えたPBSに懸濁し、500xgで5分間再度ペレットされ、同容積の温浸バッファで再懸濁される。
消化バッファ内の試料は、12〜18時間、50℃で培養され(振盪)、同量のフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールで抽出される。相が遠心分離ステップ(1700xgで10分)に従って分離しない場合、もう1容量の消化バッファ(プロテイナーゼKを除く)が加えられ、遠心分離ステップを繰り返す。厚く白い物質が二つの相の界面に認められる場合、有機抽出ステップを繰り返す。抽出後、上部の水層は、新たなチューブに移され、1/2量の7.5M酢酸アンモニウム、および2量の100%エタノールが加えられる。核酸は、2分間1700xgで、遠心分離によりペレットされ、70%エタノールで洗浄され、風乾され、1mg/mlで、TEバッファ内に懸濁される(10mM トリス−HCl、pH8.0、1mM EDTA、pH8.0)。残渣RNAは、0.1%SDSおよび1μg/ml DNase−free RNaseの存在下で、試料を1時間37℃で培養し、および抽出とエタノール沈殿ステップを繰り返す事により除去される。この方法による、ゲノムDNAの収率は、約2mg DNA/1g細胞または組織になることが予想される(前記Ausubelら)。この方法により隔離されたゲノムDNAは、本発明に従い、PCRアッセイに使用することが出来る。
c.(cDNAまたはゲノムDNAの)制限消化
所望のcDNAまたは、特定の標的核酸配列を有するゲノムクローンの同定後、本発明の核酸は、制限酵素での消化により、これらのクローンから単離することが出来る。
制限酵素での消化技術は、当業者に周知である(前記Ausubelら)。制限酵素での消化に有用な試薬は、Stratageneを含む市販サプライヤーおよび他の情報源から容易に入手することができる。
d.PCR
本発明の核酸は、ゲノムDNAまたは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による他の自然源から増幅することが出来る。PCR法は、当業者に周知である。
PCRは、対象となる標的配列を増幅するために、特異DNA配列を、耐熱性のDNA依存DNAポリメラーゼにより触媒されたDNA複製の複数のサイクルを利用して、素早く増幅する方法を提供する。PCRには、増幅するべき標的核酸配列、増幅される配列に隣接する二つの単鎖オリゴヌクレオチドプライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシリボヌクレオシド三リン酸、バッファおよび塩の存在が必要となる。
PCRは、Mullis and Faloona,1987、Methods EnzymoL、155:335に記載の通り行われ、参照することにより本書に含まれる。
ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction:PCR)技術は、米国特許第4,683,202号、第4,683,195号および第4,800,159号で開示される。その最も容易な形態において、PCRは、反対鎖にハイブリッド形成し標的DNAへの関心領域の側面に位置する二つのオリゴヌクレオチドプライマーを使用する、特異的DNA配列の酵素合成のためのインビトロの方法である。鋳型変性、プライマーアニーリング、および、DNAポリメラーゼによりアニールされたプライマーの伸長を伴う一連の反復的な反応ステップは、両末端がプライマーの5’末端により定義される特異断片の指数関数的蓄積を生じる。PCRは特異的DNA配列の109倍台の選択的増加を可能にさせると報告されている。PCR方法は、Saikiら、1985、Science、230:1350にも掲載されている。
PCRは鋳型DNA(少なくとも1fg;さらに有効的に1〜1000ng)および、オリゴヌクレオチドプライマーの少なくとも25pmolを使用して行われる。一般的な反応混合物は以下を含む:2μlのDNA,25pmolのオリゴヌクレオチドプライマー、2.5μlの適切バッファ、0.4μlの1.25μM dNTP、2.5ユニットのTaqDNAポリメラーゼ(Stratagene)および、脱イオン水で、25μlの総量となる。鉱油は重ね塗りされ、PCRは、プログラム可能な熱サイクラーを用いて行われる。
PCRサイクルおよび多くのサイクルの各ステップの長さおよび温度は、用いられているストリンジェンシー要件より、変化する。アニーリング温度およびタイミングは、プライマーが鋳型にアニールすることが予測される効率および容認されるべきミスマッチの程度により決定される。プライマーアニーリング条件のストリンジェンシーを最適化する能力は、適度な技術を持つものの知識の十分な範囲内である。30℃から72℃間のアニーリング温度が使用される。鋳型分子の最初の変性は、通常、4分間92℃から99℃間で生じ、その後、変性(15秒から1分間、94〜99℃)、アニーリング(上記に記載の通りに決定される温度;1〜2分間)、および伸長(1分間72℃)を含んだ20から40サイクルが続く。最終伸長ステップは、一般的に72℃で4分間行われ、4℃で、不定(0〜24時間)ステップが続くこともある。
一般的に基準PCR技術で使用される検出方法は、ハイブリダイゼーションアッセイで、増幅されたDNAを備えた標識プローブを使用する。ハイブリダイゼーションの検出を可能にするために、プローブが、例えば、32P、ビオチン、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)等で標識されるのが好ましい。
別の検出方法は、断片長多型(PCR FLP)の使用、対立遺伝子特異的なオリゴヌクレオチド(ASO)プローブ(Saikiら、1986、Nature 324:163)、または、ダイデオキシ法を介した直接配列(クローンDNAではなく、増幅DNAを使用して)を含む。標準PCR技術は、(基本的には)二つのプライマー間に位置するDNA配列を複製して行われ、反応の主要生成物として、各鎖の5’末端でのプライマーで終端している不連続の長さのDNA配列を提供する。従って、プライマー間の挿入および欠失は、PCR−FLPにおける生成物を定寸することにより検出が可能な、異なる長さの生成物配列を生じる。ASOハイブリダイゼーションの例において、増幅DNAは、一連の「ドットブロット」のナイロンフィルター(例えば、UV照射により)に固定され、それから、ストリンジェント条件下で、HRPで標識されたオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズすることが可能になる。洗浄後、テトラメチルベンジジン(TMB)および過酸化水素が加えられる。HRPは、過酸化水素を酸化させ、続いて、TMBを青色の沈殿物に酸化させ、ハイブリダイズされたプローブを示す。
2.RNAを有する核酸
本発明は、RNAを有する核酸を提供する。
RNAを有する核酸は、当業者に周知の方法により精製される(上記Ausubelら)。完全なRNAは、当業者に周知の方法(前記Ausubelら)および以下に記載の方法により、細胞および組織から単離される。
RNAは、以下の方法により、哺乳類の組織から精製される。対象の組織の除去に続き、2g以下の組織片は、RNAの分解を防止するため、切除され、液体窒素で急速冷凍される。適切量のグアニジン溶液(例えば、2gの組織に対し、20mlのグアニジン溶液)の追加時、組織サンプルは、組織破砕機で2または3回、各10秒間にわたりすりつぶされる。組織グアニジン溶液(1L)を調製するために、590.8gイソチオシアン酸グアニジウムは、約400mlDEPC処理済みH2O内に溶解される。25mlの2M トリス−HCl、pH7.5(0.05M最終)および20mlのNa2EDTA(0.01M最終)が加えられ、溶液は、一晩かくはんされ、950mlの量に調整され、50mlの2−MEが加えられる。
ホモジナイズされた組織サンプルは、12℃で12,000xgで10分間、遠心分離される。派生浮遊物は、20%のサルコシルの0.1ボリュームの存在下で、65℃で2分間培養され、9mlの5.7M CsCl溶液(0.1g CsCl/ml)全体に層状にされ、22℃で、113,000xgで一晩、遠心分離により分離される。浮遊物を慎重に除去した後、チューブを逆さにして排水する。(RNAペレットを含んだ)チューブの底部は、50mlプラスチックチューブに置かれ、3ml組織再懸濁バッファ(5mM EDTA、0.5%(v/v)のサルコシル、l,5%(v/v)の2−ME)の存在下に、4℃で一晩(またはそれ以上)培養される。派生RNA溶液は、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールを25:24:1で、続いて24:1クロロホルム/イソアミルアルコールで、連続的に抽出され、3Mの酢酸ナトリウム、pH5.2および2.5ボリュームのエタノール100%の追加により沈殿され、DEPC水で再懸濁される(Chirgwinら、1979、Biochemistry、18:5294)。
あるいは、以下の一ステップのプロトコルにより、RNAは哺乳類組織より単離される。対象の組織は、100mgの組織に対し1mlの変性溶液(4M チオ硫酸グアニジウム、25mM クエン酸ナトリウム、pH7.0、0.1M 2−ME、0.5%(w/v)N‐ラウリルサルコシン)内のガラステフロン(登録商標)製ホモジナイザーで均一化することにより調整される。均一化物を5mlのポリプロピレンチューブに移した後、0.1mlの2M酢酸ナトリウム、pH4、1ml水飽和フェノール、および0.2mlの49:1の割合のクロロホルム/イソアミルアルコールが連続的に加えられる。サンプルは、各成分の追加後に混合され、全ての成分が加えられた後に、0〜4℃で15分間培養される。サンプルは、4℃10,000xgで20分間遠心分離により分離され、1mlの100%のイソプロパノールを追加することで沈殿し、−20℃で30分間培養され、4℃で、10,000xgで10分間遠心分離によりペレットされる。派生RNAペレットは、0.3mlの変性溶液に溶解され、マイクロフュージチューブに移され、−20℃で、30分間、0.3mlの100%イソプロパノールを追加することで沈殿し、そして4℃で10,000xgで10分間遠心分離される。RNAペレットは、70%エタノールで洗浄され、乾燥され、そして、100〜200μlDEPC処理水、またはDEPC処理0.5%SDSにより再懸濁される(ChomczynskiおよびSacchi、1987、Anal Biochem.、162:156)。
RNAを有する核酸は、インビトロ転写の方法により、生成される。
インビトロ転写の技術は、当業者に周知である。簡潔に述べると、対象の遺伝子は、SP6,T3、またはT7プロモーターを有するベクター内にはめ込まれる。ベクターは、コード配列の下流に位置する単一部位において、ベクターを消化する適切な制限酵素で線形化される。フェノール/クロロホルム抽出に続き、DNAは、エタノール沈殿され、70%エタノールで洗浄され、乾燥され、滅菌水で再懸濁される。インビトロ転写反応は、線形化DANを転写バッファ(200mM トリス−HCl、pH8.0、40mM MgCl2、10mM スペルミジン、250NaCl[T7またはT3]または、200mMトリス−HCl、pH7.5、30mM MgCl2、10mM スペルミジン[SP6])ここまで、ジチオスレイトール、RNase阻害剤、各4つのリボヌクレオシド三リン酸、および、SP6、T7,またはT3RNAポリメラーゼのいずれかで、37℃で30分間培養することにより行われる。RNAを有する放射性標識されたポリヌクレオチドの調整のため、非標識UTPは除外され、反応混合物に、35S−UTPが追加される。鋳型DNAは、それからDNaseIで培養することにより除去される。エタノール沈殿に続き、放射性標識RNAのアリコートは、cpm/μlを決定するために、シンチレーションカウンターで測定される(Ausubら、supra)。
あるいは、RNAを有する核酸は、固相ホスホロアミダイト法(上記記載)などの化学合成技術により調整される。
3.オリゴヌクレオチドを有する核酸
オリゴヌクレオチドを有する核酸は、市販されているオリゴヌクレオチド合成機械を使用して生成される(上記記載)。
オリゴヌクレオチドが、固体担体と結合し、結合部分またはタグと結合することが出来るよう、特定の化学および/または捕獲部分(本明細書に記載の捕獲成分を含む)で合成することが可能であるということは、当業者に周知である。適切な捕獲成分は、核酸結合タンパク質または核酸配列、ビオチン、ハプテン、タンパク質、または化学的に反応部分を含むが、それらに限定されない。そのようなオリゴヌクレオチドは、始めに、溶液で使用され、それから固体担体に捕獲される、または、始めに固体担体に結合し、それから検出反応で使用されることが出来る。後述の例は、上流プローブ分子の5’末端が蛍光クエンチャーを有するよう上流プローブ分子を固体担体と結合することである。同じ上流プローブ分子も、FENヌクレアーゼ開裂が物理的にクエンチャーをフルオロフォアから分離する場所においてフルオロフォアを有する場合もある。例えば、標的核酸は、固相上流プローブオリゴヌクレオチドとハイブリダイズすることが可能であり、液相上流プライマーは、FEN開裂反応が固体担体で生じ、複合から5’クエンチャー部分を遊離するよう、標的分子とハイブリダイズすることが可能である。これにより、固体担体結合フルオロフォアが検出可能になり、従って、適切に標識された、または同定された固体担体上、開裂事象の存在が明らかになる。異なる上流プローブ分子は、アレイ上の異なる場所に結合することが可能である。アレイの場所は、プローブ分子により特定され、プローブ分子がハイブリダイズ出来る鋳型の存在を示す。
II.二本鎖
本発明は、本発明による開裂構造を調製するのに使用される二本鎖を提供する。
本発明による二本鎖は、任意の順序で、二本鎖の成分のハイブリダイゼーションおよび二本鎖の形成が可能となる条件下で、二本鎖の成分を混合することによって形成される。一実施形態において、二本鎖は、最初に標的核酸または鋳型核酸を一つまたは複数のプローブとハイブリダイズし、次いでプライマーを加えることによって形成される。別の実施形態において、二本鎖は、標的核酸および/または鋳型核酸を同時に1つ以上のプローブおよびプライマーとハイブリダイズすることによって形成される。一実施形態において、二本鎖は、温度サイクリング反応のアニーリングステップの間に形成される。1つ以上のプローブを有する標的または鋳型核酸のハイブリダイゼーションは、適切な条件下で行われる。適切な条件は、例えば、二次構造を備えるプローブの変性、ならびに標的または鋳型核酸および一つまたは複数のプローブの相補的な塩基間の水素結合の形成が可能となる温度を含む。特定の実施形態において、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはグリセロールなどの変性剤の適当量が、ハイブリダイゼーション混合物に加えられる。変性剤の適当量は、以下に説明する重合および開裂のその後のステップと同様に、本発明による、第一または第二の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となるのに十分である。本発明による有効な変性剤の濃度は、二本鎖の成分の塩基対組成により異なる。本発明による有効な変性剤の濃度は、本発明による、相補的な核酸のハイブリダイゼーション、プライマー(例えば、第一のオリゴヌクレオチドまたは第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)の重合、フラップを遊離する開裂構造の開裂ことが可能になるのに十分である、当業者に周知で本明細書に記載の方法によって実験的に決定することになる。一実施形態において、変性剤は、おおよそ0.1から1kbの範囲の核酸では、0から6%、好ましくは約1.5から2%の濃度で使用されるDMSOである。2%を超えるDMSOの濃度は、10kbを超える核酸で使用してもよい。あるいは、グリセロールは、0から10%、好ましくは5から8%の濃度で変性剤として使用することができる。両方、または他の変性剤でさえ、当業者に周知の方法によって実験的に決定される濃度で組み合わせて使用してもよい。
二本鎖の成分の「ハイブリダイゼーションが可能になる条件」を決定する方法は、当業者に周知であり、核酸ハイブリダイゼーションに影響を与えるパラメータは、「核酸」と題されたセクションに詳細に記載する。
A.第一の二本鎖
本発明は、標的核酸(例えば、図2のA’B’C’、図17AのA’B’C’)、プライマー(例えば、第一のオリゴヌクレオチド、例えば、図2または図17AのA)およびプローブ(例えば、第二のオリゴヌクレオチド、例えば、図2または図17AのFC)を備える第一の二本鎖を提供する。一実施形態において、プローブ(例えば、第二のオリゴヌクレオチド)は、標的核酸に相補的でない5’領域を備える。この実施形態によれば、二本鎖は、プローブの5’領域がフラップとなり、標的核酸の伸長領域が一本鎖となるように形成される。第二の実施形態において、プライマーおよびブローブの5’領域は、本明細書に定義するように、標的核酸の非重複領域にハイブリダイズする。この実施形態によれば、二本鎖は、第二のオリゴヌクレオチドの5’領域がフラップとならず、標的核酸の伸長領域が完全に一本鎖、部分的に一本鎖(すなわち、100%に満たない(例えば、99%、90%、75%、50%、25%、5%など)の伸長領域が一本鎖)、または完全に一本鎖となるように形成される。部分的に一本鎖または完全に二本鎖である伸長領域を備える二本鎖は、さらに以下を備える。1.プライマーおよびプローブの一つまたは両方が、上に記載の伸長領域に部分的に相補的であるプライマーおよびプローブ、または2.プライマーおよびプローブの一つまたは両方が完全に伸長領域に相補的であるプライマーおよびプローブ。プローブの5’領域が標的核酸にハイブリダイズされる二本鎖からの開裂構造の形成は、鎖置換活性を有する核酸重合化活性を必要とする。
一実施形態において、二本鎖は、最初に標的核酸をハイブリダイズし、次いでプライマーを加えることによって形成される。
別の実施形態において、二本鎖は、標的核酸をプローブおよびプライマーと同時にハイブリダイズすることによって形成される。
B.第二の二本鎖
本発明は、鋳型核酸(例えば、図2または図17DのF’G’H’)、プライマー(例えば、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、例えば、図2または図17DのF)およびプローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド、例えば、図2のFH、図17DのH)を備える第二の二本鎖を提供する。一実施形態において、第三のオリゴヌクレオチドは、鋳型核酸に相補的でない5’領域を備える。この実施形態によれば、二本鎖は、第三のオリゴヌクレオチドの5’領域がフラップとなり、鋳型核酸の伸長領域が一本鎖となるように形成される。第二の実施形態において、プライマー(例えば、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)およびプローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド)は、本明細書に記載される、鋳型核酸の非重複領域をハイブリダイズする。この実施形態によれば、二本鎖は、プローブの(例えば、第三のオリゴヌクレオチド)の5’領域がフラップとならず、鋳型核酸の伸長領域が完全に一本鎖、部分的に一本鎖(すなわち、100%に満たない(例えば、99%、90%、75%、50%、25%、5%など)の伸長領域が一本鎖)、または完全に一本鎖となるように形成される。部分的に一本鎖または完全に二本鎖である伸長領域を備える二本鎖は、さらに以下を備える。1.プライマーおよびプローブの一つまたは両方が、上に記載の伸長領域に部分的に相補的であるプライマーおよびプローブ、または2.プライマーおよびプローブの一つまたは両方が完全に伸長領域に相補的であるプライマーおよびプローブ。
本発明はまた、鋳型核酸(例えば、図5のF’G1’H1’G2’H2’)、プライマー(例えば、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、例えば、図5のF)、第一のプローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド、例えば、図5のFH1)および第四のプローブ(例えば、第四のオリゴヌクレオチド、例えば、図5のFH2)を備える第二の二本鎖を提供する。一実施形態において、第一のプローブは、鋳型核酸に相補的でない5’領域を備える。別の実施形態において、第二のプローブは、鋳型核酸に相補的でない5’領域を備える。別の実施形態において、第一および第二のプローブは、鋳型核酸に相補的でない5’領域を備える。これらの実施形態によると、二本鎖は、第一のプローブ、第二のプローブ、または第一および第二のプローブの両方の5’領域が1つの/複数のフラップとなり、鋳型核酸の伸長領域が一本鎖となるように形成される。第二の実施形態において、プライマー(例えば、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)および第一のブローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド)の5’領域、または第二のプローブ(例えば、第四のオリゴヌクレオチド)の5’領域または第一または第二のプローブの両方の5’領域は、鋳型核酸の非重複領域にハリブリダイズする。この実施形態によれば、二本鎖は、第一のプローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド)の5’領域または第二のプローブの5’領域、または第一および第二のプローブの両方の5’領域がフラップとならず、標的核酸の伸長領域が一本鎖、部分的に一本鎖(すなわち、100%に満たない(例えば、99%、90%、75%、50%、25%、5%など)の伸長領域が一本鎖)、または完全に一本鎖となるように形成される。部分的に一本鎖または完全に二本鎖である伸長領域を有する二本鎖は、少なくとも一つのプライマーおよびプローブが、上に記載の伸長領域に部分的に相補的であるプライマーおよび二つのプローブ、または少なくとも一つのプライマーおよびプローブが伸長領域に完全に相補的であるプライマーおよび二つのプローブのどちらかをさらに有する。
第一および/または第二のプローブの5’領域が鋳型核酸にハイブリダイズされる二本鎖からの開裂構造の形成は、鎖置換活性を有する核酸重合活性を必要とする。一実施形態において、第二の二本鎖は、プライマーを加える前に、鋳型核酸を第一のプローブまたは第一および第二のプローブの両方に最初にハイブリダイズすることによって形成される。別の実施形態において、第二の二本鎖は、鋳型核酸をプローブおよびプライマーの両方を同時にハイブリダイズすることによって形成される。
III.核酸重合活性
本発明は、等温反応において有効な核酸重合活性(核酸ポリメラーゼを含む)を提供する。本発明による等温反応において有効な核酸重合活性は、以下に記載の核酸ポリメラーゼのいずれかを含むがそれらに限定されない。
本発明による核酸ポリメラーゼは熱安定性であることができる。本明細書において、「熱安定性」とは、例えば、同様の活性を有する熱不安定型の酵素と比べて、好ましくは約90〜100℃の間、さらに好ましくは約70〜98℃の間の高い温度で安定性があり、活性化されている酵素をいう。例えば、熱安定性核酸ポリメラーゼまたはパイロコッカス・フリオサス、メタノコッカスヤナシイ、アーケオグロブスフルギダスまたはパイロコッカスホリコシなどの好熱性生物から派生するFENヌクレアーゼは、大腸菌または哺乳類FEN酵素からの核酸ポリメラーゼと比べて、高温においてより安定性があり、活性化されている。米国特許4,889,818号は、サーマスアクアティカス(Tag)から分離された典型的な熱安定性核酸ポリメラーゼを開示し、従来のPCRにおいてそれを使用する方法はSaikiら、1988、Science239:487に掲載されている。パイロコッカスフリオサス(Pfu)から分離された別の典型的な熱安定性核酸ポリメラーゼは、Lundbergら、1991、Gene、108:1‐6に掲載されている。さらなる典型的な温度安定のポリメラーゼは、たとえば、好熱性バクテリアであるサーマスフラバス、サーマスルーバー、サーマスサーモフィルス、バチルスステアロサーモフィルス(記載する他のものより若干低い最適温度を有する)、サーマスラクテウス、サーマスルベンス、サーモトガマリティマから、または好熱性古細菌であるサーモコッカスリトラリスおよびメタノサーマスフェルビドゥスから抽出されるポリメラーゼを含む。
温度安定ポリメラーゼおよびFENヌクレアーゼは、二本鎖核酸がPCRサイクルの間に高温(約950℃)にさらすことによって変性する熱サイクリング処理において好ましい。
本発明による有効な周知のDNAポリメラーゼは、例えば、大腸菌DNAポリメラーゼI、サーマスサーモフィルス(Tth)DNAポリメラーゼ、バチルスステアロサーモフ
ィルスDNAポリメラーゼ、サーモコッカスリトラリスDNAポリメラーゼ、サーマスアクアティカス(Taq)DNAポリメラーゼおよびパイロコッカス・フリオサス(Pfu)DNAポリメラーゼを含む。
本発明による有用なな5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠く核酸ポリメラーゼは、クレノウおよびクレノウエキソならびにT7DNAポリメラーゼ(Sequenase)を含むがそれらに限定されない。
本説明による有用な5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠く熱安定性核酸ポリメラーゼは、Pfu、エキソ‐Pfu(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を欠くPfuのミュータント)、Taqのストフェル断片、N‐切断Bst、N‐切断Bca、Genta、JdF3エキソ‐、ベント、ベントエキソ‐(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を欠くベントのミュータント)、ディープベント、ディープベントエキソ‐(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を欠くディープベントのミュータント)、UlTma、およびサーモシークエナーゼを含むがそれらに限定されない。
本発明の特定の実施形態において有用な核酸ポリメラーゼは、3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠き、エキソ‐PfuDNAポリメラーゼ(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くPfuDNAポリメラーゼのミュータント、Clineら、1996、Nucleic Acids Research, 24:3546;米国特許5,556,772号;カルフォルニア州、ラホイヤ、Stratageneから市販されている、カタログ番号600163)、エキソ‐TmaDNAポリメラーゼ(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くTmaDNAポリメラーゼのミュータント)、エキソ‐TliDNAポリメラーゼ(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くTliDNAポリメラーゼのミュータント、New Englamd Biolabs、(カタログ番号257))、エキソ‐大腸菌DNAポリメラーゼ(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠く大腸菌DNAポリメラーゼのミュータント)、大腸菌DNAポリメラーゼIのエキソ‐クレノウ断片(Stratagene、カタログ
番号600069)、エキソ‐T7DNA ポリメラーゼ(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くT7DNAポリメラーゼのミュータント)、エキソ‐KOD DNAポリメラーゼ(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くKOD DNAポリメラーゼのミュータント)、エキソ‐JDF‐3DNAポリメラーゼ(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くJDF‐3DNAポリメラーゼのミュータント、エキソ‐PGB‐D DNAポリメラーゼ(3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くPGB‐D DNAポリメラーゼのミュータント)New Englamd Biolabs、カタログ番号259、TthDNA ポリメラーゼ、TaqDNAポリメラーゼ(例えば、カタログ番号600131、600132、600139、Stratagene);UlTma(N‐切断)サーモトガマリティマDNAポリメラーゼ;DNAポリメラーゼIのクレノウ断片、9°Nm DNAポリメラーゼ(マサチューセッツ州
、ビバリー、New Englamd Biolabsからの製造中止製品)、“3’‐5’エキソ減少”変異体(Southworthら、1996、Proc.Natl.Acad.Sci93:5281)およびSequenase(オハイオ州、クリーブランド、USB)を含むが、それらに限定されない。上記酵素のいずれのポリメラーゼ活性も、当業者に周知の手段により定義することができる。対象の発明による、DNAポリメラーゼ活性の一単位は、最適温度において30分で多量体型へ総dNTPの10ナノモルの取り込みを触媒する酵素の量と定義される。
本発明による有用な核酸ポリメラーゼは、5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を欠くポリメラーゼ変異体と天然ポリメラーゼの両方を含む。本発明による有用な核酸ポリメラーゼは、異なる程度の熱安定性を有することができる。好ましくは、本発明による核酸ポリメラーゼは、核酸プライマーを伸長することができる温度で鎖置換活性を呈する。本発明の好ましい実施形態において、核酸ポリメラーゼは、5’から3’および3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を欠く。
本発明による有用な異なる程度のな熱安定性を有する、5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くさらなる核酸ポリメラーゼを以下に記載する。
A.バクテリオファージDNAポリメラーゼ(37℃アッセイに有用):
バクテリオファージDNAポリメラーゼは、5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性は別々のポリペプチドによってコードされるので、この活性を欠いている。適切なDNAポリメラーゼの例は、T4、T7、およびφ29DNAポリメラーゼである。市販の酵素は、T4(多くの供給元、例えば、Epicentreから入手可能)およびT7(多くの供給元、例えば、修飾されていないEpicentreおよび3’から5’のエキソ‐T7「Sequenase」DNA ポリメラーゼのUSBから入手可能)である。
B.古細菌DNAポリメラーゼ:
古細菌において同定されてきたDNAポリメラーゼには二つの異なるクラスがある。1.ファミリーB/polαタイプ(パイロコッカス・フリオサスからのPfuのホモログ)および2.polIIタイプ(パイロコッカス・フリオサスDP1/DP2 2‐サブユニットポリメラーゼのホモログ)である。両クラスからのDNAポリメラーゼは、関連する5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を自然に欠き、また3’から5’のエクソヌクレアーゼ(校正)活性を有することが示されてきた。適切なDNAポリメラーゼ(polαまたはpolII)は、所望のアッセイ温度と同様な適切な育成温度を有する古細菌から派生することができる。適切な古細菌の例は以下を含むが、それらに限定されない。
1.熱不安定性(37℃アッセイに有用) 例えば、メタノコッカスボルタエ
2.熱安定性(非PCRアッセイに有用) 例えば、スルホロブスソルファタリカス
スルホロブスアシドカルダリウム(Sulfolobus acidocaldarium)、メタノコッカスヤナシイ、サーモプラズマアシドフィラム。適切な古細菌は、80〜85℃以下の最大育成温度または70〜80℃以下の最適育成温度を呈すると推定される。
3.熱安定性(PCRアッセイに有用) 例えば、パイロコッカス属(フリオサス、GB‐Dの菌種、KOD1株の種、ウーゼイ、アビシイ、ホリコシ)、サーモコッカス属(リトラリス、9°North‐7の菌種、JDF‐3の菌種、ゴルゴナリウス)、パイロディクティウムオカルタム、およびアーケオグロブスフルギダス。適切な古細菌は、80〜85℃以上の最大育成温度または70〜80℃以上の最適育成温度を呈すると推定される。古細菌polαDNAポリメラーゼ群からの適切なPCR酵素は、KOD(東洋紡)、Pfx(Life Technologies社)、ベント(New Englamd Biolabs)、ディープベント(New Englamd Biolabs)、およびPwo(Boehringer‐Mannheim)を含み、市販されている。
上記のものに関連するさらなる古細菌は、以下の参考文献に記載されている。古細菌A Laboratory Manual(編集者Robb、F.T.およびPlace、A.R.)、Cold Spring Harbor、Laboratory Press、ニューヨーク州、コールドスプリングハーバー、1995およびThermophilic Bacteria(Kristjansson、J.K.、ed.)CRC Press,Inc.、フロリダ州、ボカラトン1992。
C.真正細菌DNA ポリメラーゼ:
3つのクラスの真正細菌DNAポリメラーゼ、polI、II、およびIIIがある。PolIDNAポリメラーゼファミリーでの酵素は、5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を有し、特定のメンバーはまた、3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を呈する。PolIIDNAポリメラーゼは、5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を自然に欠くが、3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を呈する。PolIIIDNAポリメラーゼは、細胞の主要複製DNAポリメラーゼを表し、複数のサブユニットから成る。polIII触媒サブユニットは、5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を欠くが、一部の例では3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性は、同じポリペプチドに位置する。
真正細菌polIIおよびpolIIIDNAポリメラーゼの市販用供給元はない。
様々な市販のPolIDNAポリメラーゼがあり、そのいくつかは5’から3’のエク
ソヌクレアーゼ活性を抑制または停止するために修飾されている。5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を除去するために使用される方法は以下を含む。
突然変異生成(Xuら、1997、J.MoI.Biol.、268:284およびKimら、1997、MoI.Cells.7:468に記載)
タンパク分解によるN‐切断(クレノウら、1971、Eur.J.Biochem.,22:371)、または
C‐末端断片としてのクローン作成および発現によるN‐切断(Lawyerら、1993,PCR Methods Appl.、2:275に記載)。
古細菌源に関しては、アッセイ温度の必要条件が、本発明による有効なDNAポリメラーゼの源としてどの真正細菌を使用すべきか決定する(例えば中温菌、好熱性細菌、超好熱性細菌)。
1.中等温度好性/熱不安定性(37℃アッセイに有用)
i. 5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を自然に実質上欠くDNAポリメラーゼ:大腸菌、ストレプトコッカスニューモニエ、インフルエンザ菌、マイコバクテリウム属{結核、菌などの中等温度好性真正細菌からのpolIIまたはpolIII触媒サブユニット
ii. 5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くDNAポリメラーゼ変異体:N‐切断または突然変異生成のためのPolIDNAポリメラーゼは、上記の中等温度好性真正細菌から分離することができる(Ci)。市販の真正細菌DNAポリメラーゼpolI断片は、クレノウ断片である(N‐切断 大腸菌polI;Stratagene)。
2.熱安定性(非PCRアッセイに有用)
i. 5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を自然に実質上欠くDNAポリメラーゼ:バチルス属(例えば、ステアロサーモフィルス、カルドテナクス、カルドベロックス)など、好熱性真正細菌からのPolIIまたはpolIII触媒サブユニット
ii. 5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くDNAポリメラーゼミュータント:N‐切断またはミュータント生成のための適切なPolIDNAポリメラーゼは、上記のバチルス属などの好熱性真正細菌から分離することができる。B.ステアロサーモフィルスDNAポリメラーゼpolIの熱安定性N‐切断片は市販されており、BstDNAポリメラーゼI大型断片(Bio‐RadおよびIsothermDNAポリメラーゼ(Epicentre))の商標名で販売されている。バチルスカルドテナクスpolIのC‐末端断片は、Panveraから入手可能である(Laddermanの商標名で販売)。
3.熱安定性(PCRアッセイに有用)
i. 5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を自然に実質上欠くDNAポリメラーゼ:サーマス属(アクアティカス、サーモフィルス、フラバス、ルーバー、カルドフィルス、フィリホルミス、ブロキアナス)から、またはサーモトガマリティマからのPolIIまたはpolIII触媒サブユニット。Yi‐Pingら、1999、J.MoI.Evol.、48:756およびMcHenryら、1997、J. MoI.Biol.、272:178は、サーマスサーモフィルスおよびサーマスアクアティカスからの触媒polIIIサブユニットを開示している。
ii. 5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を実質上欠くDNAポリメラーゼ変異体:N‐切断のための適切なpolIDNAポリメラーゼまたは突然変異生成のための適切なpolIDNAポリメラーゼは、サーマス属およびサーモトガマリティマを含み、様々な好熱性真正細菌から分離することができる(上記参照)。サーマスアクアティカスDNAポリメラーゼpolI(Taq)の熱安定性断片は市販されており、KlenTaql(Ab Peptides)、ストフェル断片(Perkin‐Elmer)、およびサーモシークエナーゼ(Amersham)の商標名で販売されている。C‐末端断片に加えて、5’から3’のエクソヌクレアーゼTaq変異体もまた、TaqFS(Hoffrman‐LaRoche)など、市販されている。Taqの5’から3’のエクソヌクレアーゼ版に加えて、サーモトガマリティマDNAポリメラーゼIのN‐切断バージョンもまた市販されている(商標名はUlTma、Perkin‐Elmer)。
Thermophilic Bacteria(Kristjansson、J.K.、ed.)CRC Press,Inc.、フロリダ州、ボカラトン、1992は、上記のものに関連するさらなる真正細菌を掲載している。
D.真核5’から3’エクソヌクレアーゼDNAポリメラーゼ(37℃アッセイに有用)
DNApolα(複製/修復)、δ(複製)、ε複製)、β(修復)およびγ(ミトコンドリア複製)を含み、真核生物において同定されてきたいくつかのDNAポリメラーゼがある。5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性は別々のポリペプチド(例えば、哺乳類FEN‐1または酵母RAD2)によってコードされるので、真核DNAポリメラーゼは、この活性を欠いている。適切な熱不安定性DNAポリメラーゼは、様々な真核生物(酵母、哺乳類細胞、昆虫細胞、ショウジョウバエを含むが、それらに限定されない)および真核生物ウイルス(例えば、EBV、アデノウイルス)から分離してもよい。
5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を欠くことに加えて、3’から5’のエクソヌクレアーゼ(プルーフリーディング)活性を欠くDNAポリメラーゼミュータントは、FENベースの検出戦略において性能向上を呈することが可能である。例えば、本来の3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を抑制または停止することは、標識プローブの非特異的エクソヌクレアーゼ分解を減少させることによって背景信号を低下させる。3つの3’から5’のエキソヌクレアーゼモチーフが同定されてきて、これらの領域での変異が、クレノウ、φ29、T4、T7、およびベントDNAポリメラーゼ、酵母Polα、Polβ、およびPolγ、およびバチルスサブチリスPolIII(Derbeyshireら、1995、Methods.Enzymol.262:363に掲載)において、3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性を停止することが示されてきた。3’から5’のエクソヌクレアーゼ活性が抑制または停止されている、さらなるDNAポリメラーゼミュータントを調製する方法は、当業者に周知である。
5’から3’および3’から5’の両エクソヌクレアーゼ活性を欠く市販の酵素は、Sequenase(エキソ‐T7;USB)、Pfuエキソ‐(Stratagene)、エキソ‐ベント(New Englamd Biolabs)、エキソ‐ディープベント(New Englamd Biolabs)、エキソ‐クレノウ断片(Stratagene)、Bst(Bio‐Rad)、Isotherm(Epicentre)、Ladderman(Panvera)、KlenTaql(Ab Peptides)、ストフェル断片(Perkin‐Elmer)、サーモシークエナーゼ(USB)、およびTaqFS(Hoffrman‐LaRoche)を含む。
鎖置換活性を有する核酸ポリメラーゼはまた、本発明により有用である。
Pfu以外のポリメラーゼを使用する場合は、緩衝液および伸長温度は、本発明により有用な特定なポリメラーゼによって最適な活性が可能となるよう選択される。ポリメラーゼに対して本発明により有用である緩衝液および伸長温度は、当業者に周知であり、さらにメーカー仕様から決定することができる。
本発明により有用なさらなるヌクレアーゼは、5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を欠くが、3’から5’のDNA合成活性を有し、以下の変異を有するTaqポリメラーゼのミュータントを含む。D144Sが5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を除去し、F667YがddNTP取り組みを改善するD144S/F667YTaq。
Pollポリメラーゼのエキソ‐変異体は、Xuら、1997、J.MoI.Biol.の方法により調製することができる。268:284.
IV.開裂構造
本発明は、ヌクレアーゼ(例えば、FENヌクレアーゼ)によって開裂することができ、ひいては開裂構造を調製する方法を教示する開裂構造を提供する。
A.開裂構造の調製
1.本発明の一実施形態において、第一の開裂構造は、標的核酸(図2または図17AのA’B’C’)、標的核酸に相補的でない5’領域を有する下流プローブ(例えば、第二のオリゴヌクレオチド、例えば、図2または図17AのFC)、およびプローブから1000より多くないヌクレオチドに位置する上流プローブ(例えば、第一のオリゴヌクレオチド、例えば、図2または図17AのA)を、適切な緩衝液(例えば、センチネル分子指標PCRコア緩衝液(カタログ番号600500)、Stratageneから入手可能な10X Pfu緩衝液(カタログ番号200536)、またはStratageneから入手可能なIx FullVelocity QPCRマスターミックス(カタログ番号600561)により、本発明による二本鎖を形成するために標的核酸配列がオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる(例えば、95℃で10秒〜5分、続いて約50〜60℃の間の冷却される)条件下で、インキュベートすることによって形成される。プローブの5’領域はフラップであり、標的核酸の伸長領域は一本鎖である。最適温度は、特異的プローブ、プライマーおよびポリメラーゼにより異なる。一実施形態において、上流オリゴヌクレオチドプライマーの新たな合成3’末端が、本明細書に記載の通り、下流プローブのフラップに隣接するように、上流プライマーの3’末端は、本発明による核酸重合活性によって伸長する。伸長は、IXセンチネル分子コア緩衝液、IX Pfu緩衝液、またはIx FullVelocity QPCRマスターミックスの存在下で、72℃、15秒で実行することができる。伸長反応はまた、FullVelocityQ‐PCRキットを使用して60℃、30秒で実行することができる。
2.本発明の別の実施形態において、第一の開裂構造は、標的核酸(図2または図17AのA’B’C’)、標的核酸に相補的である5’領域を有する下流プローブ(例えば、第二のオリゴヌクレオチド、例えば、図2または図17AのFC)、およびプローブから1000より多くないヌクレオチドに位置する上流プローブ(例えば、第一のオリゴヌクレオチド、例えば、図2、図17AのA)を、適切な緩衝液(例えば、センチネル分子指標PCRコア緩衝液(カタログ番号600500)、Stratageneから入手可能な10X Pfu緩衝液(カタログ番号200536)、またはStratageneから入手可能なIx FullVelocity QPCRマスターミックス(カタログ番号600561)により、本発明による二本鎖を形成するために標的核酸配列がオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる(例えば、95℃で10秒〜5分、続いて約50〜60℃の間の冷却される)条件下で、インキュベートすることによって形成され、ここでプローブの5’領域は標的核酸にハリブリダイズされ、標的核酸の伸長領域は一本鎖である。最適温度は、特異的プローブ、プライマーおよびポリメラーゼにより異なる。上流オリゴヌクレオチドプライマーの新たな合成3’末端が、下流オリゴヌクレオチドプローブの5’末端を部分的に移動させるように、上流プライマーの3’末端は、本発明による鎖置換活性を有する核酸重合活性よって伸長する。伸長は、IXセンチネル分子コア緩衝液、IX Pfu緩衝液、またはIx FullVelocity QPCRマスターミックスの存在下で、72℃で15秒で実行することができる。伸長反応はまた、FullVelocity Q‐PCRキットを使用して60℃で30秒で実行することができる。
一実施形態において、二本鎖は、最初に標的核酸をハイブリダイズし、次いでプライマーを加えることによって形成される。
3.本発明の一実施形態において、第二の開裂構造は、鋳型核酸(図2または図17DのF’G’H’)、鋳型核酸に相補的でない5’領域を有する下流プローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド、例えば、図2または図17DのFH)、およびプローブから1000より多くないヌクレオチドに位置する上流プローブ(例えば、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、例えば、図2または図17DのF)を、適切な緩衝液(例えば、センチネル分子指標PCRコア緩衝液(カタログ番号600500)、Stratageneから入手可能な10X Pfu緩衝液(カタログ番号200536)、またはStratageneから入手可能なIx FullVelocity QPCRマスターミックス(カタログ番号600561)により、本発明による第二の二本鎖を形成するために鋳型核酸配列がオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる(例えば、95℃で10秒〜5分、続いて約50〜60℃の間の冷却される)条件下で、インキュベートすることによって形成され、ここでプローブの5’領域はフラップであり、標的核酸の伸長領域はフラップにハイブリダイズされない。最適温度は、特異的プローブ、プライマーおよびポリメラーゼにより異なる。一実施形態において、上流オリゴヌクレオチドプライマーの新たな合成3’末端が、本明細書に記載の通り、下流プローブのフラップに隣接するように、上流プライマーの3’末端は、本発明による核酸重合活性によって伸長する。伸長は、IX センチネル分子コア緩衝液、IX Pfu 緩衝液、またはIx FullVelocity QPCRマスターミックスの存在下で、72℃で15秒で実行することが好ましい。伸長反応は、FullVelocity Q‐PCRキットを使用して60℃で30秒で実行することができる。
4.本発明の別の実施形態において、第二の開裂構造は、標的核酸(図2または図17DのF’G’H’)、標的核酸に相補的である5’領域を有する下流プローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド、例えば、図2のFHまたは図17DのH)、およびプローブから1000より多くないヌクレオチドに位置する上流プローブ(例えば、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、例えば、図2、図17DのF)を、適切な緩衝液(例えば、センチネル分子指標PCRコア緩衝液(カタログ番号600500)、Stratageneから入手可能な10X Pfu緩衝液(カタログ番号200536)、またはStratageneから入手可能なIx FullVelocity QPCRマスターミックス(カタログ番号600561)により、本発明による二本鎖を形成するために標的核酸配列がオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる(例えば、95℃で10秒〜5分、続いて約50〜60℃の間の冷却される)条件下で、インキュベートすることによって形成され、ここでプローブの5’領域は標的核酸にハリブリダイズされ、標的核酸の伸長領域は一本鎖である。上流オリゴヌクレオチドプライマーの新たな合成3’末端が、下流オリゴヌクレオチドプローブを部分的に移動させるように、上流プライマーの3’末端は、本発明による鎖置換活性を有する核酸重合活性よって伸長する。伸長は、カルフォルニア州、Stratageneから入手可能なIX センチネル分子コア緩衝液、IX Pfu緩衝液、またはIx FullVelocity QPCRマスターミックス(カタログ番号600561)の存在下で、72℃で15秒で実行することが好ましい。伸長反応はまた、FullVelocity Q‐PCRキットを使用して60℃で30秒で実行することができる。
一実施形態において、二本鎖は、最初に鋳型核酸をハイブリダイズし、次いでプライマーを加えることによって形成される。
別の実施形態において、二本鎖は、鋳型核酸をプローブおよびプライマーと同時にハイブリダイズすることによって形成される。
5.本発明の別の実施形態において、第二の開裂構造は、第一および第二の伸長領域を有する鋳型核酸(例えば、図5のF’G1’H1’G2’H2’)、鋳型核酸に相補的でない5’領域を有する第一の下流プローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド、例えば、図5のFH1)、鋳型核酸に相補的でない5’領域をまた有する第二の下流プローブ(例えば、第四のオリゴヌクレオチド、例えば、図5のFH2)、および第一の下流プローブから1000より多くないヌクレオチドに位置する上流プローブ(例えば、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、例えば、図5のF)を、適切な緩衝液(例えば、センチネル分子指標PCRコア緩衝液(カタログ番号600500)、Stratageneから入手可能な10X Pfu緩衝液(カタログ番号200536)により、本発明による第二の二本鎖を形成するために鋳型核酸配列がオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる(例えば、95℃で2〜5分、続いて約50〜60℃の間の冷却される)条件下で、インキュベートすることによって形成され、ここで第三および第四のプローブの5’領域はフラップであり、鋳型核酸の伸長領域はそれぞれのフラップによるハイブリッドを形成しない。最適温度は、特異的プローブ、プライマーおよびポリメラーゼにより異なる。上流オリゴヌクレオチドプライマーの新たな合成3’末端が、本明細書に記載の通り、第一の下流プローブのフラップに隣接するように、上流プライマーの3’末端は、本発明による核酸重合活性によって伸長する。伸長は、IXセンチネル分子コア緩衝液またはIX Pfu緩衝液の存在下で、72℃で15秒で実行することが好ましい。
第二の開裂構造は、第一の下流プローブのフラップを遊離するために開裂される(例えば、図5のF、ステップ1)。
上流オリゴヌクレオチドプライマーの新たな合成末端が、本明細書に記載の通り、第二の下流プローブのフラップに隣接するように、第三の開裂構造は、核酸重合活性によって上流プライマーの3’末端を伸長することによって調製される。伸長は、IXセンチネル分子コア緩衝液またはIX Pfu緩衝液の存在下で、72℃で15秒で実行することが好ましい。
6.本発明の別の実施形態において、第二の開裂構造は、第一および第二の伸長領域を有する鋳型核酸(例えば、図5のF’G1’H1’G2’H2’)、鋳型核酸に相補的である5’領域を有する第一の下流プローブ(例えば、第三のオリゴヌクレオチド、例えば、図5のFH1)、鋳型核酸に相補的である5’領域をまた有する第二の下流プローブ(例えば、第四のオリゴヌクレオチド、例えば、図5のFH2)、および第一の下流プローブから1000より多くないヌクレオチドに位置する上流プローブ(例えば、第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ、例えば、図5のF)を、適切な緩衝液(例えば、センチネル分子指標PCRコア緩衝液(カタログ番号600500)、Stratageneから入手可能な10X Pfu緩衝液(カタログ番号200536)により、本発明による第二の二本鎖を形成するために鋳型核酸配列がオリゴヌクレオチドにハイブリダイズできる(例えば、95℃で2〜5分、続いて約50〜60℃の間の冷却される)条件下で、インキュベートすることによって形成され、ここで第三および第四のプローブの5’領域は鋳型標的核酸にハイブリダイズされ、鋳型核酸の伸長領域はそれぞれのフラップによるハイブリッドを形成しない。最適温度は、特定のプローブ、プライマーおよびポリメラーゼにより異なる。上流オリゴヌクレオチドプライマーの新たな合成3’末端が、第一のプローブの5’末端を部分的に移動させるように、上流プライマーの3’末端は、本発明による鎖置換活性を有する核酸重合活性よって伸長する。伸長は、IXセンチネル分子コア緩衝液またはIX Pfu緩衝液の存在下で、72℃で15秒で実行することが好ましい。第一のプローブは、本明細書に記載のとおり、開裂手段によって開裂され、鋳型核酸から遊離される。上流オリゴヌクレオチドの新たな合成3’末端は、鎖置換活性を有する核酸重合活性よってさらに伸長し、第三の開裂構造を形成するために第二のプローブの5’末端を部分的に移動させる。
一実施形態において、二本鎖は、プライマーを加える前に、鋳型核酸を第一のプローブ、第二のプローブまたは第一および第二のプローブに両方に最初にハイブリダイズすることによって形成される。
別の実施形態において、二本鎖は、鋳型核酸をプローブおよびプライマーと同時にハイブリダイズすることによって形成される。
上述の1〜6の部分のいずれの開裂構造はまた、以下のとおり調製することができる。開裂構造の成分は、ハイブリダイゼーション、ならびに重合および開裂のその後のステップに最適な温度(例えば、50℃、69℃または72℃で、本明細書に記載のとおり、第一の二本鎖または第二の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能になるのに十分な時間、例えば、15分〜1時間ハイブリダイズされる。
特定の実施形態において、第一および第二の二本鎖は、以下に示す、重合および開裂のその後のステップと同様に、本発明による、第一または第二の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となるのに十分な濃度で、変性剤(例えば、DMSOまたはグリセロール)の存在下で、第一または第二の二本鎖の成分をインキュベートすることによって形成される。本発明による有用な変性剤の濃度は、二本鎖の成分の塩基対組成物により異なることになる。本発明による有用な変性剤の濃度は、本発明による、相補的な核酸のハイブリダイゼーション、プライマー(例えば、第一のオリゴヌクレオチドまたは第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ)の重合、フラップを遊離する開裂構造の開裂が可能になるのに十分である、当業者に周知で本明細書に記載の方法によって実験的に決定することになる。一実施形態において、変性剤は、おおよそ0.1から1kbの範囲の核酸では、0から6%、好ましくは約1.5から2%の濃度で使用されるDMSOである。2%を超えるDMSOの濃度は、10kbを超える核酸で使用してもよい。あるいは、グリセロールは、0から10%、好ましくは5から8%の濃度で変性剤として使用することができる。両方、または他の変性剤でさえ、当業者に周知の方法によって実験的に決定される濃度で組み合わせて使用してもよい。
本発明による等温反応に関して、本明細書に記載のとおり、第一の二本鎖の形成の後で発生する反応のステップのすべては、同じ温度で実行される。
プローブの標的核酸配列との結合時に変化する二次構造を有するプローブは、本発明による開裂構造を調製するのに使用される。本発明におけるプロ−ブは、本明細書に記載の二次構造(ステムループ、ヘアピン、内部ループ、バルジループ、分岐構造および偽結節を含む)、もしくは複数の二次構造、クローバーリーフ型構造または本明細書に上述のいかなる立体構造でも有する。本発明による開裂構造を形成するために有効なプローブはまた、共有結合または非共有結合サブユニット(例えば、本明細書に記載の二分子または多分子プローブ)を有する。
B.標識開裂構造の調製方法
本発明は標識開裂構造を提供する。標識開裂構造は、上記の「開裂構造」と題されたセクションのセクションA1〜A6に記載したように形成され、ここでは開裂構造の開裂が標識フラップまたは断片を遊離するように、上流プローブの一つまたは両方が標識される(5’末端または本明細書に記載のとおり、フラップに位置する内部の部位のどちらかで)。核酸プローブまたはオリゴヌクレオチドを標識する方法は当業者に周知である(Sambrookら、supra;Ausubelら、supra参照)。
その後、いくつかの戦略のいずれも、非開裂の標識された核酸をその開裂された断片から区別するのに用いてもよい。一実施形態によると、本発明は、結合部分またはタグの、それぞれ固体担体の捕獲成分への結合により捕獲される、開裂され遊離された核酸断片の量を検出するための方法を提供する。このように、本発明では、標的核酸配列を含有するこれらの試料の同定が可能となる。
オリゴヌクレオチドプローブは、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、酵素的または、化学的手段によって検出可能な部分を取り込むことによって、以下に記載のとおり、標識してもよい。標識をオリゴヌクレオチドプローブに結合または共役させる方法は、当然ながら、使用する標識の型およびプローブでの標識の位置により異なる。3’末端で標識、またはプローブの長さ全体で標識されるプローブもまた、本発明の特定の実施形態において有用であるが、プローブは5’末端で標識されることが好ましい。
プローブに含めるための方法と同様に、本発明において使用するのに適切である様々な標識は、当業者に周知であり、酵素(例えば、アルカリホスファターゼおよび西洋ワサビペルオキシダーゼ)、および信号を強める、変化させる、または弱めるために相互に作用してもよい、酵素基質、放射性原子、蛍光染料、発色団、化学発光標識、Origen(商標)(Igen)など電気化学発光標識を含むが、それらに限定されない。当然ながら、サーマルサイクラー機器を使用して実行するPCRベースのアッセイで使用する場合は、標識は、この自動処理で必要な温度サイクルを切り抜けることができなければならない。
1.放射性標識
放射性標識の中でも、33Pまたは32Pが好ましい。33Pまたは32Pを核酸に導入する方法は当業者に周知であり、例えば、キナーゼを示す5’標識化、またはニックトランスレーションによるランダム挿入を含む。「特異的な結合パートナー」とは、例えば、抗原およびそれに対して特異的なモノクロナール抗体の場合のように、リガンド分子を高い特異性により結合することが可能なタンパク質をいう。他の特異結合パートナーは、ビオチンとアビジンまたはストレプトアビジン、IgGとプロテインA、および当業者に周知の多くの受容体−リガンド対をを含む。同じ標識が異なるいくつかの形態で機能するので、上記の説明は、様々な標識を異なるクラスに分類することを意味するわけではない。例えば、125Iは放射性標識として、または電子密度の高い試薬として機能する場合がある。HRPは酵素として、またはモノクロナール抗体のための抗原として機能する。さらに、所望の効果のために様々な標識を組み合わせてもよい。例えば、プローブをビオチンで標識し、125Iで標識されたアビジン、またはHRPで標識された抗‐ビオチンモノクロナール抗体を有するプローブの存在を検出してもよい。他の置換および可能性は当業者には容易に明白となり、本発明の範囲内の等価物として見なされるであろう。
2.フルオロフォア
本発明の標識プローブを構成する際の標識として使用されるフルオロフォアは、ローダミンと誘導体(テキサスレッドなど)、フルオレセインと誘導体(5‐ブロモメチルフルオレセインなど)、ルシファーイエロー、IAEDANS、7‐Me2N‐クマリン‐4‐酢酸、7‐OH‐4‐CH3‐クマリン‐3‐酢酸、7‐NH2‐4‐CH3‐クマリン‐3‐酢酸(AMCA)、モノブロモバイメイン、カスケードブルーなどのピレントリスルホン酸、およびモノブロモジメチル‐アンモニオバイメイン(ammoniobimane)を含む。一般に、単一比色計よりもフィルター付き蛍光光度計の使用が可能となり、検出効率を向上させる、広域ストークスシフト付きフルオロフォアが好ましい。
フルオロフォアで標識されたプローブは、本発明による標識プローブを有する開裂構造のヌクレアーゼ(例えば、FEN‐ヌクレアーゼ)媒介開裂において容易に使用することができる。標識がプローブの5’末端にある場合、ヌクレアーゼ(例えば、FEN‐ヌクレアーゼ)生成の標識断片は、無傷で、当業者に周知の手順によりハイブリダイズされるプローブから分離される。本発明の別の実施形態において、加水分解された標識プローブの検出は、例えば、蛍光偏光、分子回転に基づく大小の分子間を区別するための技術を使用して達成することができる。巨大分子(すなわち無傷の標識プロープ)は、小分子よりさらにゆっくり溶液中で回転する。蛍光部分を当該の分子の適切な部位(例えば、標識プローブの5’末端)に結合させると、この蛍光部分は、分子回転に基づき測定(および区別)し、従って、無傷と消化されたプローブを区別することができる。
3.蛍光共鳴エネルギー転移
本明細書において、語句「第一および第二部分」、同様に、語句「一対の相互作用する標識」、同様に、語句「標識の相互に作用する一対」とは、物理的、光学的、そうでなければ検出可能な信号を用いて近接性の検出が可能となるような方法で相互に作用する一対の分子という。「一対の相互作用する標識」の例は、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)での使用に適切な標識(Stryer、L.Ann.Rev.Biochem.47,819‐846,1978)、シンチレーション近接アッセイ(SPA)(HartおよびGreenwald、Molecular Immunology16:265‐267、1979、米国特許4,658,649号)、発光共鳴エネルギー転移(LRET)(Mathis、G.Clin.Chem.41、1391‐1397、1995)、直接消光(Tyagiら、Nature Biotechnology16、49‐53、1998)、化学発光エネルギー転移(CRET)(Campbell、A.K.、およびPatel、A.Biochem.J.216、185‐194、1983)、生物発光共鳴エネルギー転移(BRET)(Xu、Y.、Piston D.W.、Johnson、Proc.Natl.Acad.Sc、96、151‐156、1999)、またはエキシマー生成(Lakowicz、J.R.Principles of Fluorescence Spectroscopy、Kluwer Academic/Plenum Press、ニューヨーク、1999)を含むが、それらに限定されない。
第一および第二部分は、本発明のオリゴヌクレオチドと「作用可能に結合」される。これは、それぞれの部分が、その動作と一致する任意の方法で、つまり、プローブを開裂すると検出可能な信号を付与することに一致する方法で、それぞれの配列に結合されることを意味する。例えば、一対の部分は、本発明のオリゴヌクレオチドに共有結合または非共有結合のどちらかとすることができる。いずれも、本発明のオリゴヌクレオチドへ第一または第二の部分を作用可能に結合するために用いることができる非共有結合の例は、ハイブリダイゼーションによる結合、水素結合、イオン結合、疎水性相互作用、ファンデルワールス相互作用、およびタンパク質核酸間相互作用を含む。オリゴヌクレオチドの5’および3’末端で、またはそれらの近くで共有結合される部分が好ましい。
本明細書において、「蛍光」または「蛍光基」または「フルオロフォア」への言及は、それぞれの発光および発光基を含む。
本明細書において、「蛍光の増加」とは、フルオロフォアによって放射される検出可能な蛍光における増加をいう。蛍光の増加は、例えば、フルオロフォアとクエンチャーとの間の距離が増加される場合、例えば、消光が減少するように開裂手段による開裂反応に起因して生じる。フルオロフォアによって放射される蛍光が少なくとも2倍、例えば、2、2.5、3、4、5、6,7,8、10倍あるいはそれ以上により増加される場合に、「蛍光の増加」が存在するとする。
a.FRET適合フルオロフォア
本発明に有効な一対の相互作用する標識は、一対のFRET適合染料、またはクエンチャー染料対を有することができる。一実施形態において、一対はフルオロフォアークエンチャー一対を有する。
本発明のオリゴヌクレオチドは、蛍光による標的核酸の検出/測定を可能にする。それらは、無傷のオリゴヌクレオチドにおけるフルオロフォアによって放射される蛍光が実質上消光されるような方法でフルオロファオおよびクエンチャーで標識することができるのに対して、開裂された、またはいくつかの実施形態では標的にハイズリダイズされたオリゴヌクレオチドにおける蛍光は消光されず、プローブ開裂またはいくつかの実施形態においては標的にハイブリダイズされると、全体の蛍光における増加が生じる。さらに、増幅反応生成物のリアルタイム検出の間の蛍光信号の生成は、試料における標的配列の最初の数の正確な定量を可能にさせる。
様々なフルオロフォアは、限定されないが、以下を含み使用することができる。5‐FAM(5‐カルボキシフルオレセインとも称される;スピロ(イソベンゾフラン‐1(3H)とも称される、9’‐(9H)キサンテン)‐5‐カルボン酸、3’,6’‐ジヒドロキシ‐3‐オキソ‐6‐カルボキシフルオレセイン);5‐ヘキサクロロ‐フルオレセイン([4,7,2’,4’,5’,7’‐ヘキサクロロ‐(3’,6’‐ジピバロイルフルオレセイニル)‐6‐カルボン酸]);6‐ヘキサクロロ‐フルオレセイン([4,7,2’,4’,5’,7’‐ヘキサクロロ‐(3’,6’‐ジピバロイルフルオレセイニル)‐5‐カルボン酸]);5‐テトラクロロ‐フルオレセイン([4,7,2’,7’‐テトラ‐クロロ‐(3’,6’‐ジピバロイルフルオレセイニル)‐5‐カルボン酸]);6‐テトラクロロ‐フルオレセイン([4,7,2’,7’‐テトラクロロ‐(3’,6’‐ジピバロイルフルオレセイニル)‐6‐カルボン酸]);5‐TAMRA(5‐カルボキシテトラメチルローダミン;キサンチリウム、9‐(2,4‐ジカルボキシフェニル)‐3、6‐ビス(ジメチル‐アミノ);6‐TAMRA(6‐カルボキシテトラメチルローダミン;キサンチリウム、9‐(2,5‐ジカルボキシフェニル)‐3、6‐ビス(ジメチルアミノ);EDANS(5‐((2‐アミノエチル)アミノ)ナフタレン‐1‐スルホン酸);1,5‐IAEDANS(5‐((((2‐ヨウ化アセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレンe‐1‐スルホン酸);DABCYL(4‐((4‐(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)安息香酸)Cy5(インドジカルボシアニン‐5)Cy3(インド‐ジカルボシアニン‐3);およびBODIPY FL(2,6‐ジブロモ‐4,4‐ジフルオロ‐5,7‐ジメチル‐4‐ボラ‐3a,4a‐ジアザ‐s‐インダセン‐3‐プロプリオ酸)、クエーサー‐670(Bioreseach Technologies)、CalOrange(Bioresearch Technologies)、Roxと同様にそれらの適切な誘導体。
b.FRET適合クエンチャー
本明細書において、用語「クエンチャー」とは、ドナーに結合または近接する場合に、蛍光ドナーからの放射を軽減させることができる、色素体分子または化合物の部分をいう。消光は、蛍光共鳴エネルギー転移、光誘起電子移動、項間交差の常磁性増強、デクスター交換カップリング、暗錯体の形成などの励起子結合を含む。少なくとも10%、例えば、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.9%あるいはそれ以上だけクエンチャーを欠く時の蛍光と比較して、フルオロフォアにより放射される蛍光が減少する場合に、蛍光は「消光」するとされる。
クエンチャーは、アッセイで使用される励起フルオロフォアからの、少なくとも一つの蛍光放射で消光することができるいかなる材料であってもよい。以下の参考資料で例示するように、特定のプローブのための適切なレポーターとクエンチャーの対を選択するために、文献にて入手可能な実際的な指針が多く存在する。Clegg(1993、Proc.Natl.Acad.Sci.、90:2994‐2998);Wuら、(1994、Anal.Biochem.、218:1‐13);Pesceら、編集者、Fluorescence Spectroscopy(1971、Marcel Dekker、ニューヨーク); Whiteら、Fluorescence Analysis:A Practical Approach(1970、Marcel Dekker、ニューヨーク);および同等物。文献は、例えば、Berlman、Handbook of Fluorescence Spectra of Aromatic Molecules、第2版(1971、Academic Press、ニューヨーク);Griffiths、Colour and Constitution of Organic Molecules(1976、Academic Press、ニューヨーク);Bishop、編集者、Indicators(1972、Pergamon Press、オックスフォード); Haugland、Handbook of Fluorescent Probes and Research Chemicals(1992 Molecular Probes、ユージン)Pringsheim、Fluorescence and Phosphorescence(1949、Interscience Publishers、ニューヨーク)などの、レポーターとクエンチャーの対を選ぶための、蛍光および色原体分子の完全なリストならびにそれらの関連する光学的性質を提供する参考資料を含み、すべては参照することによって本明細書に取り込まれる。さらに、例えば、参照することによって本明細書に取り込まれる、Haugland(前掲の);Ullmanら、米国特許3,996,345号;Khannaら、米国特許4,351,760号の文献により例示されているように、オリゴヌクレオチドに加えることができる、共通反応基による共有結合のためのレポーターとクエンチャーの分子を誘導体化するための文献には広範囲に及ぶ指針がある。
多くの市販のクエンチャーは当業者に周知であり、DABCYL、BHQ‐1、BHQ‐2、およびBHQ‐3を含むが、それらに限定されない。BHQ(「Black Hole Quenchers」)クエンチャーは、ハイブリダイゼーション事象が発生するまで、発光を防止するダーククエンチャーの新たなクラスである。さらに、これらの新たなクエンチャーは固有蛍光を持たず、他のクエンチャーで見られるバックグラウンド問題を実質的に解消する。BHQクエンチャーはほぼすべてのレポーター染料を消光するのに使用することができ、例えば、Biosearch Technologies,Inc(カルフォルニア州、ノバト)から市販されている
c.フルオロフォアおよびクエンチャーの結合
本発明の一実施形態において、フルオロフォアまたはクエンチャーは、本発明のオリゴヌクレオチドの3’ヌクレオチドに結合される。本発明の別の一実施形態において、フルオロフォアまたはクエンチャーは、5’ヌクレオチドに結合される。さらに別の実施形態において、フルオロフォアまたはクエンチャーは、本発明のオリゴヌクレオチドに内部的にに結合される。いくつかの実施形態において、フルオロフォアまたはクエンチャーは、プローブの5’ヌクレオチドに結合され、また前記フルオロフォアまたはクエンチャーのもう一方は、プローブの3’ヌクレオチドに結合される。他の実施形態において、フルオロフォアまたはクエンチャーは、本発明のプローブにに結合され、また前記フルオロフォアまたはクエンチャーのもう一方は、本発明の鋳型核酸に結合される。結合は直接カプリングにより、あるいは、例えば、長さ約1から約5のスペーサー分子を使用して行ってもよい。
フルオロフォアまたはクエンチャーの内部結合に対して、結合は当業者に周知の手段のいずれを使用して行ってもよい。多くの染料をオリゴヌクレオチドに結合する適切な結合方法は、例えば、Marshall,Histochemical J.,7:299‐303(1975);Menchenら、米国特許5,188,934号;Menchenら、欧州特許出願87310256.0号;およびBergotら、国際出願PCT/US90/05565など多くの参考資料に記載されている。すべては参照することによって本願明細書に取り込まれる。
フルオロフォア/クエンチャーの対のそれぞれのメンバーは、オリゴヌクレオチド内のどこにでも結合することができ、好ましくは、オリゴヌクレオチドが開裂されない、または鋳型核酸にハイブリダイズされる時、十分な量の消光が発生するように、対のもう一方から隔てて結合することができる。
一実施形態において、あるものは、オリゴヌクレオチドプローブの展開(例えば、プローブの二次構造における変化に起因するなど)または加水分解の間に標識の分離が可能となるように、オリゴヌクレオチドでの標識の適切な間隔を維持するために与えられる十分な配慮とともに、単一オリゴヌクレオチドプローブで二つの相互作用する標識(例えば、FRETと非FRETの対)を使用することができる。別の実施形態において、本発明の二つのオリゴヌクレオチド、例えば、鋳型核酸と第三のオリゴヌクレオチドを使用することができ、それぞれは一対の相互作用する標識の一つのメンバーを有する。
特定の実施形態において、遊離された標識の蛍光は次いで、標的に依然として結合している標識と比較される。プローブが約20のヌクレオチドによって分離されるフルオロフォアとクエンチャーとで合成される場合は、ヌクレアーゼ(例えば、FEN‐ヌクレアーゼ)生成の断片およびヌクレアーゼ(例えば、FEN‐ヌクレアーゼ)の存在下で開裂後標的に依然結合しているプローブを分離する必要はない。あるいは、標的核酸配列にハイブリダイズされない場合は、プローブが蛍光を発しないようにクエンチャーは位置される。染料から放射される光がクエンチャーによって消光されるので、そのような二重標識プローブは、無傷の場合、または標的核酸配列にハイブリダイズされない場合(または、二分子または多分子プローブの場合、プローブが解離されない場合)に蛍光を発しない。従って、無傷のプローブによって放射される蛍光は、背景蛍光と見なされる。一実施形態において、標識プローブがFENヌクレアーゼによって開裂される場合は、染料およびクエンチャーは分離され、遊離された断片は蛍光を発する。あるいは、標識プローブが標的核酸にハイブリダイズされる場合は、染料とクエンチャーとの距離は増加し、蛍光のレベルが上昇する。プローブが二分子または多分子プローブである実施形態において、プローブを有する分子の解離は、蛍光での進行をもたらす。蛍光の量は、試料に存在する核酸標的配列の量に比例する。
さらに別の実施形態において、二つの標識核酸を使用し、それぞれは二本鎖標的配列の分離鎖の分離領域に相補的であるが、お互いに相補的ではないので、標識核酸はそれぞれのプライマーの下流をアニールすることができる。例えば、二つのプローブの存在は、単一プローブから生成される信号の強度を潜在的に倍加することができ、さらにPCR増幅の間にしばしば発生するように、生成物鎖のリアニールを減少させるよう機能する場合がある。プライマーが結合する位置に隣接する位置(下流)でプローブが結合するようにプローブを選択する。
さらに別の実施形態において、二つの標識核酸を使用し、それぞれは少なくともお互いの一部、例えば、鋳型核酸と第三のオリゴヌクレオチドに相補的である。例えば、鋳型核酸はクエンチャーで標識してもよく、第三のオリゴヌクレオチドは蛍光発光物質で標識してもよい。お互いにハイブリダイズされる場合は、蛍光発光物質は実質上消光される。しかしながら、第三のオリゴヌクレオチドを開裂すると、標識は分離され、蛍光は実質上増加する。
また、他の利点を得るために、本発明において複数のプローブを使用することができる。例えば、あるものは、所望の数だけプローブを反応混合物に単に入れることによって、試料においていくつもの病原体を検査することができ、プローブはそれぞれ、検出を促進するために異なる標識を有する可能性がある。例えば、異なる第二のオリゴヌクレオチド、鋳型核酸および第三のオリゴヌクレオチドの複数のセットは、反応混合物に加えることができる。第二のオリゴヌクレオチドのそれぞれは、異なる病原体からの核酸配列の領域に相補的となる場合がある。病原体が反応混合物に存在する場合は、対応する第二のオリゴヌクレオチドは病原体核酸配列にハイブリダイズする。第一のオリゴヌクレオチドが重合されると、第二のオリゴヌクレオチドは開裂される。開裂されたフラップは次いで、このフラップに特異的な鋳型核酸にハイブリダイズする。このフラップは、開裂される、第三のオリゴヌクレオチドで第二の開裂構造を形成する核酸ポリメラーゼによって伸長される可能性がある。第三のオリゴヌクレオチドの開裂は、特定の病原体を示す信号を生成する可能性がある。複数の異なる信号、例えば、蛍光信号は、当該のそれぞれの病原体のために生成される可能性がある。そのような反応は、Mx3000PリアルタイムPCRシステム(Stratagene、カルフォルニア州)で実行することができる。
また、本発明における複数のプローブを使用して、例えば、異なるTmを有するプローブを使用して、だだ一つのプローブ/対立二本鎖に特異的な温度でアニーリング/開裂反応を実行することによって、対立遺伝子特異的または種特異的識別に成功することができる。また、単一のプローブのみを使用し、生成された開裂生成物の型を検査することによって、対立遺伝子特異的識別に成功することができる。本発明の一実施形態において、プローブは、少なくとも5’末端領域で、一つの対立遺伝子に相補的であるが、他の対立遺伝子には相補的でないよう正確に設計される。他の対立遺伝子に対しては、プローブが異なる開裂生成物が、正確に相補の対立遺伝子にハイブリダイズされるとき生成される開裂生成物と比べて、異なる開裂生成物が生成できるように、プローブはプローブの5’末端領域においてミスマッチとなる。
プローブ配列が重要な利点を得るために選択することができるが、また、プローブ標識の選択の重要な有利性を認識することができる。標識は、様々な技術によって直接的または間接的にオリゴヌクレオチドに結合してもよい。使用する標識の正確な型によって、標識は、プローブの5’または3’末端に位置する、プローブの内部に位置する、または様々な大きさのスペーサアームおよび信号相互作用を促進するための組成物に結合することができる。市販のホスホラミダイト試薬を使用して、適切に保護されたホスホラミダイトにより、5’または3’末端のどちらかでオリゴマー含有の官能基(例えば、チオールまたは一級アミン)を生成することができ、例えば、PCRプロトコル、A Guide to Methods and Applications、編集者Innisら、Academic Press、インディアナ州、1990に記載されているプロトコルを使用してそれらを標識することができる。
米国特許4,914,210号は、一つ以上のスルフヒドリル、アミノまたはヒドロキシル部分を、通常5’末端のオリゴヌクレオチドプローブ配列に導入するために、オリゴヌクレオチド官能化試薬を導入する方法を記載している。5’リン酸基は、レポーター基を付与するためにポリヌクレオチドキナーゼおよびγ‐32P‐ATPまたはγ‐33P‐ATPを使用することによって、放射性同位体として導入することができる。ビオチンのN‐ヒドロキシスクシンイミドエステルによる合成の間に導入される、アミノチミジン残基、または6‐アミノヘキシル残基を反応させることによって5’末端にビオチンを加えることができる。3’末端での標識は、ポリヌクレオチド末端転移酵素を用いて、例えば、コルジセピン35S‐dATP,およびビオチン化されたdUTPなどの所望の部分を加えてもよい。
オリゴヌクレオチド誘導体もまた、利用可能な標識である。例えば、エテノ‐dAおよびエテノ‐Aは、核酸プローブに取り込むことができる既知の蛍光核酸である。同様に、エテノ‐dCまたは2‐アミノプリンデオキシリボシドは、プローブ合成に使用することができる別の類似体である。そのようなヌクレオチド誘導体を含有するプローブは、フラップ特異的なヌクレアーゼ活性によってさらに強力に蛍光モノヌクレオチドを遊離させるようハイブリダイズしてもよい。
プローブの標的核酸配列との結合時に変化する二次構造を有する標識プローブは、本発明による開裂構造を調製するのに使用される。本発明における標識プロ−ブは、本明細書に記載の二次構造(ステムループ、ヘアピン、内部ループ、バルジループ、分岐構造および偽結節を含む)、もしくは複数の二次構造、クローバーリーフ型構造または本明細書に上述のいかなる立体構造でも有する。本発明による標識開裂構造を形成するために有用な標識プローブはまた、共有結合または非共有結合サブユニット(例えば、本明細書に記載の二分子または多分子プローブ)を有する。
C.開裂構造の開裂および信号生成
本発明による開裂構造は、「ヌクレアーゼ」題された、上記のセクションに記載の方法によって開裂することができる。
D.遊離された標識断片の検出
標識断片の検出または同定は、当業者に周知の様々な方法により行われ、標識開裂構造を有する標識部分または複数部分の特質による。
V.開裂手段
本発明による有用なヌクレアーゼは、5’エンドヌクレアーゼ活性、例えば、DNAポリメラーゼ(例えば、大腸菌からのDNAポリメラーゼI、ならびにサーマスアクアティカス(Taq)、サーマスサーモフィルス(Tth)、およびサーマスフラバス(TfI)からのDNAポリメラーゼ)を有するいかなる酵素でも含む。本発明による有用なヌクレアーゼはまた、サーマス属(Taq、TfI、Tth、Tca(カルドフィルス)Tbr(ブロキアナス)から派生する酵素、バチルス属(Bst、Bca、マゼンタ(N−切断版ではなく完全長ポリメラーゼ))から派生する酵素、サーモトガ属(Tma(マリティマ、Tne(ネオポリタナ)から派生する酵素および大腸菌DNAポリメラーゼIを含み、真正細菌DNAポリメラーゼIを含むがそれに限定されない、5’から3’のエクソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼを含む。用語ヌクレアーゼはまた、FENヌクレアーゼを統合する。
FEN−1は〜40kDa二価金属イオン依存エキソ−および5’一本鎖フラップ鎖のバックボーンを特に認識するエンドヌクレアーゼであり、このアームを、二本鎖DNAの二本鎖がフラップに隣接する連結部に配置される開裂部位に見つけ出す。エンド−およびエキソヌクレア−ゼ活性のどちらも、フラップまたはニックのほぼ5’位置で塩基にほとんど反応を示さない。FEN−1エンド−およびエキソヌクレア−ゼ基質の結合および切断は、上流オリゴヌクレオチド(フラップ隣接鎖またはプライマー)によって刺激される。これはまた、大腸菌polIの場合でもある。酵素のエンドヌクレアーゼ活性は、5’フラップ長と無関係であり、一つのヌクレオチドと同じくらい小さな5’フラップを開裂する。エンドヌクレアーゼおよびエクソヌクレアーゼ活性は、基質の化学的性質に敏感ではなく、DNAおよびRNAの両方を開裂する。
エンド−およびエキソヌクレア−ゼ活性のどちらも、生理学的範囲で塩濃度によって抑制される。エクソヌクレアーゼ活性は、0mM NaClと比較して50mM NaClで50倍抑制される。エンドヌクレアーゼ活性は、50mM NaClで7倍のみ抑制される(上記Lieber 1997に掲載)。
5’−OH末端は、FEN−1にとって5’フラップ基質に取り込むには優れた基質であるが、それは、ほかの二本鎖DNA構造におけるニックの一部である場合には非常に貧弱な基質として機能する。末端リン酸による静電反発力は、基質のブリージング(breathing)が偽フラップ形状に変化するのを助ける可能性が高く、基質の活性体をFEN−1に与える。そのような説明は、FEN−1をニックのフラップまたは偽フラップ形状の5’ssDNA末端に取り込む、単一活性部位および単一機構を示すことになる。ニックでの最適な活性が非常に低いMg2+および一価塩濃度を必要とし、それが、塩基対を不安定にし、ニックのブリージングをフラップに変化させるのを助けることになるという観察結果は、このモデルと一致する。比較的高いMg2+および一価塩濃度は、ブリージングを嫌い、ブリージングがフラップに変換することが必要である、刻み目がついた、またはギャップを含む構造の切断を抑制する。安定したフラップ構造の開裂は、中程度のMg2+レベルで最適であり、Mg2+濃度の上昇により減少することはない。これは、フラップ構造が、その構造を得るために塩基対を溶解する必要がないためであり、従って、それはMg2+に対し全く敏感ではない。エンドヌクレアーゼ活性は一価塩により減少するが、減少はエキソヌクレアーゼ活性に見られるほど急ではない。さらに、一つのヌクレオチドフラップが効果的な基質であることは既に示してきた。これらの観察結果のすべては、FEN−1がエクソヌクレアーゼとして機能しているものと解釈されてきた場合に、分解生成物の大きさは、一つからいくつかのヌクレオチドへと長さが異なる事実と一致する。ニックを長さが異なるフラップへ変化させるブリージングは、G/C含量に応じて、局所的配列により異なることが予想される。手短に言えば、一過性フラップを形成するためのニックブリージングは、FEN−1のエキソヌクレア−ゼ活性が、エンドヌクレアーゼ活性と同じであることを意味する(前記Lieber、1997に掲載)。
FEN−1のエンドヌクレアーゼおよびエクソヌクレアーゼは、付属タンパク質を必要とすることなくDNAおよびRNAのどちらも開裂する。しかしながら、複製フォークでは、FEN−1は、DNAヘリケースおよび、DNAポリメラーゼδおよびεのための処理可能性因子である増殖性細胞核抗原(PCNA)を含む他のタンパク質と相互に作用する。PCNAはFEN−1エンド−およびエキソヌクレア−ゼ活性を著しく刺激する。
FEN−1酵素は、酸化塩基損傷の転写共役修復において作用する、XPGなどの比較的大きな真核ヌクレオチド除去修復酵素と同様に、T5 5’エクソヌクレアーゼおよびT4 RNase Hなどのいくつかの比較的小さなバクテリオファージ5’→3’エクソヌクレアーゼに機能的に関連している。大腸菌およびサーマスアクアティカスなどの真正細菌において、岡崎処理はPoll5’→3’エクソヌクレアーゼ分域によりもたらされる。これらの細菌酵素およびファージ酵素は、残基相同性が約7つの保存酸性残基に濃縮された状態で、N(N−末端)およびI(中間体)領域と称される、限定配列相同性の二つの領域をFEN−1と共有する。突然変異生成データと同様にT4 RNase HおよびT5エクソヌクレアーゼの結晶構造に基づき、これらの残基が、DNA加水分解に作用するために必要な二つのMg2+イオンに結合することが提案されているが、それぞれの金属が、それぞれの酵素によって微妙に異なる触媒回路において果たす役割は十分理解されていない(前記Hosfieldら、1998bに掲載)。
本発明において有用なFEN−1遺伝子コード化FEN−1酵素は、マウスfen−1、ヒトfen−1、ラットfen−1、アフリカツメガエルfen−1および4つの始原細菌アーケオグロブスフルギダス、メタノコッカスヤナシイ、パイロコッカス・フリオサスおよびパイロコッカスホリコシから派生するfen−1遺伝子を含む。cDNAクローンコード化FEN−1酵素は、ヒト(ジェンバンク受入番号:NM_004111およびL37374)、マウス(ジェンバンク受入番号:L26320)、ラット(ジェンバンク受入番号:AA819793)、アフリカツメガエル(ジェンバンク受入番号:U68141およびU64563)、およびパイロコッカス・フリオサス(ジェンバンク受入番号:AF013497)から分離されてきた。パイロコッカスホリコシフラップエンドヌクレアーゼのための完全なるヌクレオチド配列もまた、決定されている(ジェンバンク受入番号:AB005215)。FEN−1ファミリーはまた、サッカロマイセスセレビシエRAD27遺伝子(ジェンバンク受入番号:Z28113 Yl3137)およびサッカロマイセスポンベRAD2遺伝子(ジェンバンク受入番号:X77041)を含む。メタノバクテリウムサームオートトロフィキュラムの古細菌ゲノムもまた配列されている。FEN−1と原核生物およびウイルス5’→3’エクソヌクレアーゼとの間の配列相同性は低いが、真核生物界内のFEN−1は、ヒトとサッカロマイセスセレビシエタンパク質が60%同一で、78%相同の状態の、アミノ酸量で高度に保存される。3つの古細菌FEN−1タンパク質はまた、真核FEN−酵素と高度に相同となる(Matsuiら、1999.、J.Biol.Chem.、274:18297、Hosfieldら、1998b、J.Biol.Chem..273:27154およびLieber、1997、BioEssavs、19:233に掲載)。
ヒトと他のもののFEN−1ファミリーとの間の二つの保存ヌクレアーゼ分域(N−末端またはNおよび中間体またはI分域)における配列相同性は、92%(マウス)、79%(サッカロマイセスセレビシエ)、77%(サッカロマイセスポンベ)、72%(アーケオグロブスフルギダス)、76%(メタノコッカスヤナシイ)、および74%(パイロコッカス・フリオサス)である。
FEN−1は、5’一本鎖フラップ鎖のバックボーンを特に認識し、二本鎖DNAの二本鎖とフラップとの間の結合部に位置する開裂部位にこのフラップアームを移動する。フラップの鎖上流(ときどき、フラップ隣接の鎖またはプライマー鎖と称される)が除去される場合は、得られる構造は偽Yと称される(図8参照)。この構造は、FEN−1によって開裂されるが、20から100倍効率が低い。FEN−1は3’一本鎖フラップを開裂しない。しかしながら、エクソヌクレアーゼとして機能するFEN−1は、ギャップまたはニックを含有するdsDNA基質を加水分解する(前記Hosfieldら、1998a、前記Hosfieldら、1999b、および前記Lieber 1997に掲載)。エキソヌクレア−ゼ的に、FEN−1は、ニックで、また、比較的効率が低く、dsDNAのギャップまたは5’凹末端で機能する。ギャップを含む構造では、FEN−1の結合および切断の効率は、ギャップを最大約5つのヌクレオチドに大きくするにつれて減少し、次いでdsDNA内の5’凹末端での活性に相当する開裂のレベルで安定する。ブラントdsDNA、3’凹末端およびssDNAは開裂されない(前記Lieber 1997に掲載)。
本発明による有用なFENヌクレアーゼは、ヒト(ジェンバンク受入番号:NM_004111およびL37374)、マウス(ジェンバンク受入番号:L26320)、ラット(ジェンバンク受入番号:AA819793)、酵母(ジェンバンク受入番号:Z28113Y13137およびジェンバンク受入番号:X77041)、およびアフリカツメガエル(ジェンバンク受入番号:U68141およびU64563)を含む様々な生物から分離されてきた。そのような酵素は、当業者に周知の従来の技術を用いて、クローン化され、過剰に発現することができる。
本発明によるFENヌクレアーゼは熱安定性が好ましい。熱安定性FENヌクレアーゼsは、4つの古細菌を含む、様々な熱安定性生物から分離および特性化されてきた。パイロコッカスフリオサスフラップエンドヌクレアーゼのcDNA配列(ジェンバンク受入番号:AF013497)およびアミノ酸配列(前記Hosfieldら、1998aおよびHosfleldら、1998b)が決定されている。パイロコッカスホリコシフラップエンドヌクレアーゼの完全なるヌクレオチド配列(ジェンバンク受入番号:AB005215)およびアミノ酸配列(前記Matsuiら)もまた、決定されている。メタノコッカスヤナシイ(Hosfieldら、1998bおよび前記Matsuiら、1999)およびアーケオグロブスフルギダス(Hosfieldら、1998b)フラップエンドヌクレアーゼのためのアミノ酸配列もまた、決定されている。
熱安定性FENl酵素は、当業者に周知の技術を用いてクローン化され、過剰に発現することができ、前記Hosfieldら、1998a、Hosfieldら、1998b、Kaiserら、1999、J.Biol.Chem.、274、21387および前記Matusiらならびに本明細書の「クローン化PfuFEN−1」と題された実施例5に記載されている。
FEN酵素のエンドヌクレアーゼ活性は、以下を含み様々な方法によって測定することができる。
A.FENエンドヌクレアーゼ活性アッセイ
1.鋳型(例えば、図14に示す)は、本発明によるFENヌクレアーゼの活性を評価するのに使用される。
鋳型は、以下の配列を有する5’33P標識オリゴヌクレオチド(Heltest4)である。
5’AAAATAAATAAAAAAAATACTGTTGGGAAGGGCGATCGGTGCG3’。Heltest4の下線のセクションは、Ml 3mpl8+に相補的な領域を表す。開裂生成物は、配列AAAATAAATAAAAAAAATを有する18のヌクレオチド断片である。
Heltest4はM13に結合し、非相補的な5’オーバーハングと同様に、相補的な二本鎖分域を生成する。この二本鎖は、ヘリカーゼアッセイにも使用される鋳型2(図14)を形成する。鋳型3(図14)は、M13に結合されるさらなるプライマー(FENAS)を有し、Heltest4に直接隣接する。FENASの配列は、
5’CCATTCGCCATTCAGGCTGCGCA3’である。鋳型3の存在下で、FENは、Heltest4の5’遊離末端を結合し、結合部に移動し、18のヌクレオチド断片を生成するためにHeltest4を開裂する。鋳型2はまた鋳型としても機能するが、鋳型1および2は対照として機能する。
鋳型は以下に記述するように調製された。
Figure 0005156628
10x Pfu緩衝液はStratageneから入手可能である(カタログ番号200536)。本発明の方法により、1x緩衝液の存在下で反応が実行されるように、10x Pfu緩衝液は希釈される。
M13はM13mpl8+鎖であり、200ng/μLの濃度であり、33P標識Heltest4は、約0.7ng/μlの濃度であり、FENASは4.3ng/μlの濃度である。
これらの濃度に基づき、Heltest4およびM13は、おおよそ等モル量(5×10-14)であり、FENASはおおよそ10倍モル過剰(6x10-13)で存在する。
鋳型混合物は95℃で5分間加熱し、45分間室温に冷却し、4℃で一晩保存する。
2μlのFEN−1、または対照として、H2Oは以下の3つの鋳型と混合する。
3 μl鋳型
0.7 μ10倍クローン化Pfu緩衝液
0.56 μl00mMのMgCl2
2.00 μの酵素またはH2
0.74 μlのH2
7.00μlの全容積
反応物は50℃で30分間続行するため放置し、2μlのホルムアミド「シークエンシングストップ」溶液をそれぞれの試料に加えることによって停止する。試料は95℃で5分間加熱し、6%のアクリルアミド、7M尿素CastAway(Stratagene)ゲルに取り込む。
あるいは、FEN活性は、1時間のインキュベーション時間を利用して以下の緩衝液での分析を行うことができる。
10×FEN緩衝液
500mMのトリス−HCl pH8.0
100mMのMgCl2
以下の反応混合物は2μlのFEN、または対照として、2μlのH2Oと混合する。
3 μlの鋳型
0.7 μlの10×FEN緩衝液
2.00 μlの酵素またはH2
1.3 μlのH2
7.00μlの全容積
試料は、Robocyler96ホットポットサーマルサイクラーにて50℃で1時間インキュベートする。2μlのシークエンシングストップ染料溶液を加えた後、試料を99℃で5分間加熱する。11インチの長さの、手動注入の、20%のアクリルアミド/ビスアクリルアミド、7M尿素ゲルに試料を取り込む。ブロモフェノールブルーが総距離の約3分の2移動するまで、20ワットでゲルを泳動する。ゲルはガラス板から除去し、固定液(15%メタノール、5%酢酸)中で10分間、次いで水中で10分間浸す。ゲルをラップで覆い、3mmのワットマン紙に置き、加熱真空ゲル乾燥器で2時間乾燥する。ゲルをX線フィルムに一夜暴露する
2.FENエンドヌクレアーゼ活性はまた、前記Kaiserら)の方法により測定することができる。手短に言えば、反応物は10mMのMOPSを含有するl0μlの容積、pH7.5、0.05%のTween20、0.05%のノニデットP−40、101g/mlのtRNA、TaqPolおよびTthPolに対しては200mMのKClまたは他のすべての酵素に対しては50mMのKClで実行する。反応条件は分析する開裂構造により異なってもよい。基質(2μM)と各種量の酵素は、表示した(上記)反応緩衝液と混合し、Chill−out(MJ Research)液体ワックスで重ね塗りする。基質は90℃で20秒熱変性させ、50℃まで冷却し、次いでMgCl2またはMnCl2を加えることによって反応を開始させ、指定された時間50℃でインキュベートする。10mMのEDTAおよび0.02%のメチルバイオレット(シグマ)を含有する1011の95%のホルムアミドを加えることによって反応物を停止させる。20%の変性アクリルアミドゲル(19:1で架橋した)、7M尿素により、45mMのトリスホウ酸の緩衝液で、pH8.3、1.4mMのEDTAでの電気泳動直前に1分間90℃に試料を加熱する。特に規定がない限り、一レーンにつきそれぞれ停止反応物の1μlを取り込む。505−nmのフィルターを使用してFMBIO−100蛍光ゲルスキャナー(日立)でゲルをスキャンする。FMBIO分析ソフトウェア(バージョン6.0、日立)を使用して非切断および切断基質に対応する帯の強度から、開裂生成物の割合を決定する。切断生成物の割合は、測定が最初の開裂速度に近似していることを確実にするために20%を超えるべきではない。開裂速度は、切断生成物の濃度を酵素濃度および反応時間(分単位)で割った値と定義される。それぞれの酵素に対して、速度および実験誤差を測定するために3つのデータポイントを使用する。
3.FENエンドヌクレアーゼ活性はまた、Hosfieldら、1998aの方法により測定することができる。つまり、最終容積の13μlでは、反応が等容積のストップ溶液(10mMのEDTA、95%の脱イオンホルムアミド、ならびに0.008%のブロモフェノールブルーおよびキシレンシアノール)により抑制される前に、異なる量のFENおよび1.54pmolの標識開裂基質は、異なる温度で30分間インキュベートされる。試料は変性15%のポリアクリルアミドゲルにより電気泳動し、相対量の出発物質および生成物は、IPLabGelシステム(Stratagene)を使用し、MacBAS画像解析ソフトウェアを実行して定量化される。ほとんどの反応は、標準アッセイ緩衝液(10mMのトリス−HCl(pH8.0)、10mMのMgCl2、および50μg/mlのウシ血清アルブミン)にて実行されるが、一連の実験では、異なる二価金属およびpHレベルの効果は、標準緩衝液を変えることによって調査する。二価金属に対しては、MgCl2は除外し、異なる金属イオンを最終濃度の10mMで使用する。pHの影響を研究するために、異なる量のトリス−HCl、グリシン、および酢酸ナトリウムを含有する緩衝液を最終濃度の10mMで使用し、広範囲のpHレベルを25℃で得る。
4.FENエンドヌクレアーゼ活性はまた、前記Matusiら、1999の方法により測定することができる。つまり、酵素反応は、50mMのトリス−HCl(pH7.4)15μl、1.5mMのMgCl2、0.5mMのβ−メルカプトエタノ−ル、100μg/mlのウシ血清アルブミン、および0.6pmolの標識開裂構造を含有する反応混合物で実行される。60℃で30分間のインキュベーション後、反応は10mMのEDTAおよび1mg/mlのブロモフェノールブルーを含有する、15μlの95%ホルムアミドを加えることによって終端する。試料は95℃で10分間加熱し、7M尿素および10×TBE(89mMのトリス−HCl、89mMのホウ酸、2mMのEDTA(pH8.0))を含有する15%のポリアクリルアミドゲル(35cm×42.5cm)に取り込み、次いで2000ボルトで2時間電気泳動させる。反応生成物はPhosphorlmager(Bio−Rad)を使用して可視化および定量化する。サイズマーカー、オリゴヌクレオチドは、[γ−32P]ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナーゼで5’末端標識される。
最適なpHを決定するために、反応は、1.5mMのMgCl2、0.5mMのβ−メルカプトエタノ−ル、100μg/mlのウシ血清アルブミン、および0.6pmolの5’末端標識された開裂構造を含有するアッセイ混合物(15μl)で、60℃で30分間、50mMの以下の緩衝液のうちの一つにおいて実行する。以下、酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.0〜5.5)、リン酸塩緩衝液(pH5.5〜8.0)、ホウ酸塩緩衝液(pH8.0〜9.4)の3つの異なる50mMの緩衝液は、広範囲のpHを得るために使用される。
B.FENエクソヌクレアーゼ活性アッセイ
本発明によるFENヌクレアーゼのエクソヌクレアーゼ活性は、前記Matsuiら、1999に記載され、上記に要約されているFEN−1エンドヌクレアーゼ活性を測定する方法によって測定することができる。
あるいは、FEN酵素のエクソヌクレアーゼ活性は、前記Hosfieldら、1998bに記載されている方法により分析することができる。つまり、エクソヌクレアーゼ活性は、エンドヌクレアーゼアッセイ(上記)に記載のものと同一の条件下で、FENの刻み目がついた基質を使用して分析する。
エクソヌクレアーゼおよびエンドヌクレアーゼの両方においてDNA開裂の正確な位置は、クレノウ断片の3’から5’エクソヌクレアーゼ活性を使用して5’32P−標識鋳型の部分消化によって得ることができる。
本発明による開裂構造は、「開裂構造」と題されたセクションに記載される。
VI.プローブの二次構造の安定性の決定
A.溶解温度アッセイ
溶解温度分析は、二本鎖および一本鎖DNAの異なる吸収性を生かし、すなわち、二本鎖DNA(相補的な配列(塩基対)が水素結合により結合する逆平行二本鎖構造を生成するために、それ自体を折り重ねた核酸配列のその部分である二本鎖DNA)は、分光光度測定によって決定した、260nmの波長では一本鎖DNAより光吸収が少ない。
DNAの変性は、狭い温度領域にわたって発生し、DNAの物理的性質の多くで変化を引き起こす。特に有効な変化は光学密度において発生する。ヌクレオチドの複素環は、紫外線領域で光吸収が強い(それぞれの塩基に特有の、260nmに近い最大値を有する)。しかしながら、DNAの吸収は、同じ組成物の遊離ヌクレオチドの混合物によって表示されるものより約40%少ない。この効果は濃色効果(ハイパークロミシティ:hyperchromism)と称され、二重らせんの平行アレイにおける重なりによって可能になる、塩基の電子系間での相互作用に起因する。二本鎖状態からのいかなる逸脱も、この効果の減少によって直ちに反映される(すなわち、遊離の塩基に特有の値に関する光学密度の増加によって(図13a)。従って、二本鎖DNAの変性の後にはこの濃色効果が続く(図13bおよび図13c)。
DNA鎖が分離する温度領域の中間点は、Tmで表示される、融解温度と称される。光学的吸収度での変化によって決定される融解曲線の例を図13cに示す。常に同じ形だが、温度目盛(すなわち、そのTm)での絶対位置を成す曲線は、DNAの塩基組成および変性のために用いた条件の両方によって影響を受ける。
DNA分子の融解温度は、塩基組成により著しく異なる。GC塩基対が豊富なDNA分子は、多量のAT塩基対を有するものよりTmが高い(図13b)。多くの種からのDNAのTmは線形的にGC含有量を伴って変化し、GC対の割合が20%から78%へ増加するにつれて、77℃から100℃へ上昇する。すなわち、塩基組成へのTmの依存性は線形的に、G−C含有量が1パーセント増加するごとに約0.4℃上昇している。GC塩基は2水素結合よりむしろ3水素結合によって結合しているので、GC塩基対はAT対よりも安定性がある。さらに、隣接するGC塩基対は、隣接するAT塩基対よりもお互い強力に相互に作用する。従って、DNAのATが豊富な領域は最初に融解する。
溶液のイオン強度は、Tmに多大な影響を与える。一価陽イオン濃度が10倍増加するごとに、Tmは16.6℃上昇する。最も一般に使用される条件は、0.18Mの一価Na+濃度、および90℃前後のTmを提供する、0.12Mのリン酸緩衝液でDNAの操作を実行することである。
Tmは、水素結合を不安定にさせるホルムアミドなど試薬の存在下で反応を実行することによって大きく異なることが出来る。これにより、Tmを、DNAが高温へさらすことに起因する可能性がある損傷(鎖分解など)を被らない利点を有する40℃ほどに低く下降させることができる。(Stryer、Biochemistry、1998、第3版、W.H.Freeman and Co.、81〜82ページおよびLewin、Genes II、1985、John Wiley & Sons、63〜64ページ)。
本発明によるプローブの二次構造の安定性は、以下の融解温度アッセイで決定される。
吸収度が温度に対してプロットされる、プローブの標準曲線(例えば、図13c)は、様々な温度でプローブの変性およびリアニールが可能となるのに十分な時間、プローブの変性およびリアニールが可能となり、また石英キュベット(使用する分光光度計に適切な経路長、例えば、1−cmを有する)で、プローブのTmまたは予測Tmの、最低温度限界範囲が少なくともの50℃以下であり、最高温度限界範囲が少なくとも50℃以上である温度範囲にわたり分光光度計で試料の吸収度を測定することが可能となる緩衝液において、約0.2μg/mlからl00μg/mlのプローブを有する試料をインキュベートすることによって調製する。プローブのTmは、当業者に周知の方法により塩基対組成に基づき(前記Sambrook;前記Ausubel参照)予想される。標準曲線は、開裂反応に用いるための、特定のヌクレアーゼに可能であり、選択的に最適な緩衝液を含む、様々な緩衝液(例えば、IX TNE緩衝液(10X−0.1Mのトリス塩基、10mMのEDTA、2.0MのNaCl、pH7.4)、本明細書に記載のFENヌクレアーゼ緩衝液、本明細書に記載の1Xクローン化Pfu緩衝液、本明細書に記載の1Xセンチネル分子指標緩衝液)を使用して作成および比較する。緩衝液のpHは温度が上昇する時に監視し、必要に応じて調整する。
本アッセイは、可視域(UVからVIS)分光光度計に対する単一光線紫外線で実行する。好ましくは、本アッセイは、空間を含有する参照キュベット(組みキュベット)に試料溶液を保持するキュベットを自動的に比較することによって測定を簡素化するダブルビーム分光光度計で実行する。空間は試料緩衝液と等容積である。
分光光度計の温度は、試料の吸収度が特定の温度で測定されるように制御することができる。本発明による有用なな分光光度計は、MicroTm Analysis Accessory(Beckman Coulter, Inc.、メリーランド州、コロンビア)と組み合わせたBeckman Coulter DU(登録商標) 600/7000 Spectrophotometersを含むが、それに限定されない。
特定の温度で、プローブの開裂反応に用いるための、ヌクレアーゼに可能であり、選択的に最適な緩衝液でのプローブの二次構造の安定性は、上記の特定の温度でのプローブの吸収度を測定することによって、また標準曲線が試験温度で使用するものと同じ緩衝液、または上記の比較可能な標準曲線を作成することで知られている緩衝液のどちらかを使用して作成される、標準曲線から決定されるように、吸収度の値がTmでの吸収度より少ないかどうかを測定することによって決定される。プローブの二次構造は、開裂反応の温度、あるいはそれ以下の温度での光吸収度レベルが、プローブのTmに同等である温度での光吸収度水準より少ない場合(例:少なくとも5%、好ましくは20%、および最も好ましくは25%以上)、開裂反応の温度(例:開裂が行われる温度)、またはそれ以下である温度での溶解温度アッセイで「安定する」とされる(図13cおよび図13d参照)。
B.FRET
FRETアッセイは、2つの目的のために本発明において有用である。第一は、本明細書に記載の通り、プローブの二次構造が「安定」しているか決定することである。第二は、プローブの二次構造が、プローブが標的核酸に結合された時点で「変化」を受けたか、またはプローブが開裂手段によって開裂されたかを決定することである。
「FRET」は、励起がドナー分子から受容体分子へ転移される二つの色素分子の電子的励起状態間の距離依存型相互作用である。FRETは、蛍光ドナー群を、相互作用共鳴エネルギー受容体、またはその他のフルオロフォア、発色団、またはクエンチャーのいずれかから分離する距離における変化によってもたらされる。ドナーおよび受容体部分の組み合わせは、「FRET対」として知られている。効率的なFRET相互作用には、染料一対の吸収および発光スペクトルが高度な重複を有することが必要である。
ほとんどの実施形態において、FRETが受容体の増感蛍光の出現および/またはドナー蛍光の消光によって検出できる場合には、FRETのドナーおよび受容体色素は異なる。ドナーおよび受容体が同じである場合は、FRETは得られた蛍光偏光解消によって検出される。FRETは、マイナス6乗の分子間分離によって決まる(Stryerら、1978、Ann. Rev. Biochem.、47:819;Selvin、1995、Methods Enzvmol.,246:300)。
本明細書において、用語「ドナー」とは、第一の波長で吸収し、比較的長い第二の波長で放射するフルオロフォアをいう。用語「受容体」とは、ドナーの放射スペクトルと重複し、ドナー群に近い場合(通常1〜100nm)、ドナーからの放射エネルギーの一部または大部分を吸収することができる吸収スペクトルを有する、フルオロフォア、発色団、またはクエンチャーをいう。受容体がFRETを呈することができるフルオロフォアである場合は、次いでさらに長い第三の波長で再放射し、それが発色団またはクエンチャーである場合は、次いで光子を放射することなくドナーから吸収されたエネルギーを放出する。二つの群が近接している場合は、受容体の吸収スペクトルはドナーの放出スペクトルと重複するが、溶解中で遊離している場合の分子のスペクトルでは、そうである必要はない。従って、受容体は、本明細書に記載のとおり、プローブが標的核酸に結合する時点で変化するプローブの二次構造の存在のためにドナーに対して、本発明によるプローブに、近接して位置する場合、FRETまたは消光を呈するフルオロフォア、発色団、またはクエンチャーを含む。受容体は、a)Tm(例えば、Tmより5℃より高い、例えば、Tmより6℃、10℃、25℃、50℃またはそれ以上高い)以上である温度で、またはb)標的核酸の存在下で、FRETまたは消光を呈するフルオロフォア、発色団、またはクエンチャーを含まない。
本明細書において、「蛍光」または「蛍光基」または「フルオロフォア」への言及は、それぞれの発光および発光基および適切な発色団をそれぞれに対して含む。適切な発光プローブは、ユーロピウムの発光イオンおよびランタンキレートとして導入されるテルビウム(Heyduk & Heyduk、1997)を含むが、それらに限定されない。ランタニドイオンもまたは、蛍光基へエネルギー転移をするための優良なドナーである(Selvin1995)。ランタニドイオンを含有する発光基は、「オープンケージ」キレート剤ホスホラミダイトを使用して、核酸に取り込むことができる。
本明細書において、用語「消光」とは、ドナーによって呈される蛍光の強度の低下に関連する、ドナーから受容体へのエネルギー転移という。
ドナーおよび受容体基は、蛍光基、発色団およびクエンチャー基から独立して選択してもよい。本発明による有効なドナーおよび受容体は、以下を含むがそれらに限定されない。5−FAM(5−カルボキシフルオレセインとも称される;スピロ(イソベンゾフラン−1(3H)とも称される、9’−(9H)キサンテン)−5−カルボン酸、3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソ−6−カルボキシフルオレセイン);5−ヘキサクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,4’,5’,7’−ヘキサクロロ−(3’,6’−ジピバロイル−フルオレセイニル)−6−カルボン酸]);6−ヘキサクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,4’,5’,7’−ヘキサクロロ−(3’,6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−5−カルボン酸]);5−テトラクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,7’−テトラ−クロロ−(3’,6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−5−カルボン酸]);6−テトラクロロ−フルオレセイン([4,7,2’,7’−テトラクロロ−(3’6’−ジピバロイルフルオレセイニル)−6−カルボン酸]);5−TAMRA(5−カルボキシテトラメチルローダミン;キサンチリウム,9−(2,4−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジメチル−アミノ);6−TAMRA(6−カルボキシテトラメチルローダミン;キサンチリウム,9−(2,5−ジカルボキシフェニル)−3,6−ビス(ジメチルアミノ);EDANS(5−((2−アミノエチル)アミノ)ナフタレン−1−スルホン酸);1,5−IAEDANS(5−((((2−ヨウ化アセチル)アミノ)エチル)アミノ)ナフタレン−l−スルホン酸);DABCYL(4−((4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)安息香酸)Cy5(インドジカルボシアニン−5)Cy3(ヨード−ジカルボシアニン−3);およびBODIPY FL(2,6−ジブロモ−4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロプリオ酸)と同様にそれらの適切な誘導体。
本発明の特定の実施形態において、プローブはまた二つの発色団で標識してもよく、標識一対の吸収スペクトルにおける変化は、蛍光における変化を測定する代替物として、検出信号として使用される。
本発明の方法において、プローブの蛍光強度は、当業者に周知の方法により、蛍光分光光度計またはマイクロタイタープレートリーダーを使用して、一つ以上の波長で測定する。
C.蛍光消光アッセイ
蛍光消光アッセイは、2つの目的のために本発明において有用である。第一は、本明細書に記載の通り、プローブの二次構造が「安定」しているか決定することである。第二は、プローブの二次構造が、プローブが標的核酸に結合された時点で「変化」を受けたかを決定することである。
本発明によるプローブは、対の一方のメンバーがフルオロフォアで、対の他のメンバーがクエンチャーである一対の相互作用する標識(例えば、FRET対または非FRET対)で標識される。例えば、本発明によるプローブは、フルオロフォアまたはクエンチャーで標識され、蛍光は標的核酸の存在下で、例えば、プローブのTmまたは予測Tmの、最低温度限界範囲が少なくともの50℃以下であり、最高温度限界範囲が少なくとも50℃以上である温度範囲にわたり測定される。
D.安定性
本発明によるプローブの二次構造の「安定性」は、以下のように決定される。プローブは、当業者に周知の方法(例えば、GlazerおよびMathies、1997、Curr.Opin.Biotechnol.,8:94;Juら、1995、Analytical Biochemistry、231:131)に記載)による、本明細書に記載の一対の相互作用する標識(FRET対または非FRET対のどちらか)で標識される。プローブの二次構造が、プローブの標的核酸への結合後に変化する場合に標識が分離されるように、プローブの相互作用する標識は位置する。
蛍光が温度に対してプロットされる、プローブの標準曲線(例えば、図13e)は、プローブの変性およびリアニールが可能となるのに十分な時間(通常、標準曲線は1分につき1℃の変化を受ける蛍光光度計またはスペクトロメータを使用して作成される、1X溶解緩衝液(20mMのトリス−HCl、pH8.0、1mMのMgCl2)中の、あるいは5mMのトリス−HCl、pH8.0、0.1mMのEDTA、または他の適切な緩衝液中の125nMのプローブを通常有する試料をインキュベートすることによって、またプローブのTmまたは予測Tmの最低温度限界範囲が少なくともの50℃以下であり、最高温度限界範囲が少なくとも50℃以上である温度範囲にわたり蛍光光度計で蛍光を測定する、または蛍光分光光度計でスキャンすることによって準備する。プローブのTmは、当業者に周知の方法により塩基対組成に基づき予想される(前記Sambrook、supra;Ausubel参照)。
標準曲線は、開裂反応に用いるための、特定のヌクレアーゼに可能であり、選択的に最適な緩衝液を含む、様々な緩衝液(例えば、1X TNE緩衝液(10X−0.1Mのトリス塩基、10mMのEDTA、2.0MのNaCl、pH7.4)、本明細書に記載のFENヌクレアーゼ緩衝液、本明細書に記載の1Xクローン化PfU緩衝液、本明細書に記載の1Xセンチネル分子指標緩衝液)を使用して作成および比較する。緩衝液のpHは温度が上昇する時に監視し、必要に応じて調整する。
蛍光光度計または分光光度計の温度は、試料の蛍光が特定の温度で測定されるように制御することができる。蛍光は、温度調節が可能な水槽(例えば、Fisher Scientificから入手可能な)と組み合わせて、例えば、Perkin−Elmer LS50B発光分光計により測定することができる。
特定の温度でのプローブの二次構造の安定性は、上記のように、特定の温度でのプローブの蛍光を測定し、蛍光の標準曲線から決定されるように、蛍光の値がTmでの蛍光を下回るかを測定することによって決定する。プローブの二次構造は、開裂反応の温度、あるいはそれ以下の温度での蛍光レベルが、プローブのTmに同等である温度での蛍光レベルから変えられる場合(すなわち少なくとも5%、好ましくは20%、および最も好ましくは25%以上または未満)、開裂反応の温度(例:開裂が行われる温度)、またはそれ以下である温度でのFRETアッセイで「安定する」とされる。プローブの二次構造は、開裂反応の温度、あるいはそれ以下の温度での蛍光レベルが、プローブのTmに同等である温度での蛍光レベルから変えられる場合(すなわち少なくとも5%、好ましくは20%、および最も好ましくは25%以上または未満)、開裂反応の温度(例:開裂が行われる温度)、またはそれ以下である温度での蛍光消光アッセイで「安定する」とされる(図13fおよび図9g参照)。
あるいは、プローブの二次構造の安定性は、参照することによって本明細書に組み込まれる、Gelfandら(1999、Proc.Natl.Acad.Sci.米国、96:6113)の方法を修正することによって決定し、上記に記載の温度範囲にわたり一対の相互作用する標識で標識されるプローブの蛍光を決定する。
VII.二次構造の検出
本発明による二次構造は、上記に記載のFRETアッセイで一対の相互作用する標識を有するプローブのために、蛍光対温度の標準曲線を作成することによって検出する(図13e参照)。温度の変化(図13e参照)(例:FRET反応の温度の上昇に伴い蛍光が増加する)に相関する蛍光における変化を示すプローブは、二次構造の形成が可能である。
VIII.二次構造における変化の測定
本発明による二次構造の「変化」は、100nMからl0μMの標的核酸配列の非存在下、あるいは、存在下で(通常標的核酸配列は、プローブ濃度を2〜4モル超過しており、すなわち、250〜500nMの標的核酸配列を使用される)、上記のプローブのTmを下回る特定の温度(例えば、開裂温度)でのFRETまたは蛍光消光アッセイにおいて一対の相互作用する標識を有するプローブを分析することによって検出する。
あるいは、プローブの二次構造の変化は、参照することによって本明細書に組み込まれる、Gelfandら(1999、Proc.Natl.Acad.Sci.米国、96:6113)の方法を修正することによって決定し、上記に記載の標的核酸の有無に関わらず一対の相互作用する標識で標識されるプローブの蛍光を決定する。
本発明のよるプローブが標的核酸に結合する際に生じる二次構造における「変化」は、プローブのTm以下の温度でプローブが標的核酸に結合後の蛍光レベルが、標的核酸配列がない場合に見られる蛍光水準より高くなるように(例:少なくとも5%、好ましくは5〜20%、最も好ましくは25%またはそれ以上)、蛍光の増加として測定される。(図13g参照)
IX.使用方法
本発明は、一次関数的増幅によって標的核酸を検出する方法を提供する。本発明はまた、指数関数的な増幅によって標的核酸を検出する方法を提供する。
本発明の両方の方法は、等温的に実行または温度サイクリングの条件、例えば、PCR、核酸増幅下で実行することができる。
X.試料
本発明は、本明細書で定義するように、試料の標的核酸配列を検出または測定する方法を提供する。本明細書において、「試料」とは、当該の核酸を含有する、もしくは含有すると推定される、または当該の標的核酸配列を含有する、もしくは含有すると推定される標的核酸配列自身であるいかなる物質でも指す。従って用語「試料」は、標的核酸配列(ゲノムDNA、cDNAまたはRNA)、細胞、生物、組織、例えば、血漿、血清、髄液、リンパ液、滑液、尿、涙液、便、皮膚の外分泌物、呼吸器官、腸管および尿生殖路、唾液、血液細胞、腫瘍、臓器、組織、試験管内細胞培養成分、自然分離株(飲料水、海水、固形物など)、微生物標本、および核酸トレーサー分子でマークされた物体または標本を含むが、それらに限定されない流体または物質の試料を含む。
[実施例]
本発明は、以下の限定されない実施例により例証され、以下の材料および方法が用いられる。下記に引用される文献参照のそれぞれの全体の開示は、参照することにより本願明細書に組み込まれる。
一次関数的等温増幅
標的核酸配列は、以下の一次関数的等温増幅の方法によって検出および/または測定することができる。
ステップ1:
標識された第一の二本鎖は、標的核酸(図2のA’B’C’)と、標的核酸配列に相補的でない5’領域を含む下流、5’放射活性、末端標識された第二のオリゴヌクレオチド(FC、図2)と、上流の第一のオリゴヌクレオチド(図2のA)とを含有する試料を、第一の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となる条件下でインキュベートすることによってヌクレアーゼを加える前に形成され、第二のオリゴヌクレオチドの5’領域はフラップであり、標的核酸の伸長領域はフラップとハイブリダイズしない。例えば、試料は、95°Cで5分間加熱され、その後約50から60°Cまで冷却される。あるいは、標的核酸、第二のオリゴヌクレオチドおよび第一のオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションならびにその後の重合および開裂のステップに最適な温度で(例えば、72°Cまたは69°C)、また第一の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となるのに十分な時間、例えば15分から1時間ハイブリダイズされ、プローブの5’領域はフラップであり、標的核酸の伸長領域は一本鎖である。
本発明の特定の実施形態において、後述する重合および開裂のその後のステップに加えて、本発明によれば、第一または第二の二本鎖は、一本鎖または二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となるのに十分な濃度の変性剤(例えば、DMSOまたはグリセロール)の存在下で第一または第二の二本鎖の成分をインキュベートすることによって形成される。本発明による有用な変性剤の濃度は、二本鎖の成分の塩基対組成物により異なる。
ステップ2:
標識された第一の開裂構造は以下のように調製される。核酸重合活性は、(例えばTaqポリメラーゼ)加えられ、例えば、1X Pfu緩衝液(Stratagene)内で72°Cまたは69°Cで5分から1時間、ポリメラーゼが第一のオリゴヌクレオチド(図2のA)を伸長することが可能な条件下でインキュベートされて下流の第二のオリゴヌクレオチド(図2のFC)のフラップに隣接するようにし、それによって第一の開裂構造を形成する。
ステップ3:
ステップ2で調製された標識された第一の開裂構造は、PfuFEN−1の製剤(つまり、実施例5で後述するように調製されるクローン化されたパイロコッカスフリオサスFEN−1)で開裂される。開裂は、すべての重合およびその後のハイブリダイゼーションステップが行われる温度と同じ温度、例えば72°Cまたは69°Cで行われる。
例えば、開裂は、以下を含む7μlの反応混合剤に2μlのPfuFEN−1を加えることによって行われる。
3 μl 開裂構造(l0ng−10μg)
0.7 μl 10x FENヌクレアーゼ緩衝液
(10X FENヌクレアーゼ緩衝液は、500mM トリス−HCl pH8.0、100mM MgCl2を含有)。
2.00 μl PfuFEN−1酵素またはH2
1.3 μl H2
7.00μl総量
試料は、Robocyler96ホットトップ式熱循環器内で72°Cまたは69°Cで1時間インキュベートされる。
ステップ4:
標識された第二の二本鎖は以下のように形成される。鋳型核酸(図2のF’G’H’)と、鋳型核酸配列に相補的でない5’領域を含む上流、5’放射活性、末端標識された第三のオリゴヌクレオチド(図2のFH)とを含有する試料は、鋳型核酸および第三のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが可能となるような条件下(ステップ1に記載)でインキュベートされる。ハイブリダイズされた鋳型核酸/第三のオリゴヌクレオチドは、第二の二本鎖を形成するのに十分なステップ3で調製された第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ(図2のF)である第一の開裂構造の開裂生成物を含有する量の試料と組み合わされ、第三のオリゴヌクレオチドの5’領域はフラップであり、鋳型核酸の伸長領域は一本鎖である。その結果得られる混合物は、(上述のように)加えられた変性剤の存在下または非存在下において72°Cまたは69°Cで、ハイブリダイゼーションが可能となるのに十分な時間、例えば15分から1時間インキュベートされる。
ステップ5:
標識された第二の開裂構造は以下のように調製される。核酸重合活性は、(例えばTaqポリメラーゼに)付加され、例えば、1X Pfu緩衝液(Stratagene)内で72°Cまたは69°Cで5分から1時間、ポリメラーゼが第二のオリゴヌクレオチドのフラップ(図2のF)を伸長することが可能な条件下でインキュベートされて下流の第三のオリゴヌクレオチドのフラップに隣接するようにし、それによって第二の開裂構造を形成する。
ステップ6:
ステップ5において調製された標識された第二の開裂構造は、ステップ3で説明したようにPfUFEN−1の製剤を用いて開裂される。
ステップ7:
2μlのシークエンシングストップ染料溶液(Stratagene Cyclist DNAシークエンシングキット、カタログ番号200326に含まれる)の追加後に、試料は99°Cで5分間加熱される。遊離され標識されたフラップは、以下のようにゲル電気泳動によって分析される。試料は、11インチ長、手注入、20%アクリルアミド/ビスアクリルアミド、7M尿素ゲルにロードする。ゲルは、ブロモフェノールブルーが総距離の約2/3移動するまで20ワットで泳動する。ゲルは、ガラス板から除去され、固定液(15%のメタノール、5%の核酸)内に10分間、その後水に10分間浸される。ゲルをWhatmannの3mm紙の上に乗せ、プラスチックラップで覆い、加熱した真空ゲル乾燥機内で2時間乾燥させる(〜800C)。ゲルをX線フィルムに一夜暴露し、標的核酸配列の存在の指標である信号の存在を検出する。
あるいは、伸長および開裂は両活性を呈する酵素を用いて行われる。ステップ2で用いられた重合活性はステップ5で用いられた重合活性と異なることができる。ステップ3で用いられた開裂手段はステップ6の開裂手段と異なることができる。
一次関数的等温増幅
標的核酸配列は、以下の一次関数的等温増幅の方法によって検出および/または測定することができる。
ステップ1:
標識された第一の二本鎖は、標的核酸(図2のA’B’C’)と、前記標的核酸配列に相補的な5’領域を含む下流、5’放射活性、末端標識された第二のオリゴヌクレオチド(図2のFC)と、上流の第一のオリゴヌクレオチド(図2のA)とを含有する試料を、第一の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となる条件下でインキュベートすることによってヌクレアーゼを加える前に形成され、第二のオリゴヌクレオチドの5’領域は、標的核酸とハイブリダイズされる。例えば、試料は95°Cで5分間加熱され、その後約50から60°Cまで冷却される。第一および第二のオリゴヌクレオチドは標的核酸の非重複領域とハイブリダイズする。あるいは、標的核酸、第二のオリゴヌクレオチドおよび第一のオリゴヌクレオチドは、ハイブリダイゼーションならびにその後の重合および開裂のステップに最適な温度で(例えば、72°Cまたは69°C)、また第一の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となるのに十分な時間、例えば15分から1時間ハイブリダイズされ、プローブの5’領域は、標的核酸とハイブリダイズされる。
本発明の特定の実施形態において、第一のまたは第二の二本鎖は、実施例1のステップ1で説明するように変性剤(例えば、DMSOまたはグリセロール)の存在下で第一または第二の二本鎖の成分をインキュベートすることによって形成される。
ステップ2:
標識された第一の開裂構造は以下のように調製される。鎖置換活性を伴う核酸重合活性は(例えば、ベントDNAポリメラーゼに)加えられ、および(例えば、lXサーモポル緩衝液(10mM KCL、20mM トリス−HCl(25°CでpH8.8)、10mM(NH42SO4、2mM MgSO4、0.1%Triton X−100、New England Biolabs)内で72°Cまたは69°Cで5分から1時間)ポリメラーゼが第一のオリゴヌクレオチド(図2のA)を伸長することが可能となる条件下でインキュベートされて第二のオリゴヌクレオチドFCの5’末端を部分的に置換し、それより第一の開裂構造を形成する。オリゴヌクレオチドFCの置換された領域、すなわちFは、ヌクレアーゼ(例えば、FENヌクレアーゼ)を加えた際に開裂する5’フラップを形成する。
ステップ3:
ステップ2で調製された標識された第一の開裂構造は、PfuFEN−1の製剤(つまり、実施例5で後述するように調製されるクローン化されたパイロコッカスフリオサスFEN−1)で開裂される。開裂は、すべての重合およびその後のハイブリダイゼーションステップが行われる温度と同じ温度、例えば72°Cまたは69°Cで行われる。
例えば、開裂は、以下を含有する7μlの反応混合剤に2μlのPfuFEN−1を加えることによって行われる。
3 μl 開裂構造(l0ng−10μg)
0.7 μl 10x FENヌクレアーゼ緩衝液
(10X FENヌクレアーゼ緩衝液は、500mM トリス−HCl pH8.0、100mM MgCl2を含有)。
2.00 μl PfuFEN−1酵素またはH2
1.3 μl H2
7.00 μl総量
試料は、Robocyler96ホットトップ式熱循環器内で72°Cまたは69°Cで1時間インキュベートされる。
ステップ4:
標識された第二の二本鎖は以下のように形成される。鋳型核酸(図2のF’G’H’)と、鋳型核酸配列に相補的な5’領域を含む上流、5’放射活性、末端標識された第三のオリゴヌクレオチド(図2のFH)とを含有する試料は、鋳型核酸および第三のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが可能となるような条件下(ステップ1に記載)でインキュベートされる。ハイブリダイズされた鋳型核酸/第三のオリゴヌクレオチドは、第二の二本鎖を形成するのに十分なステップ3で調製された第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ(図2のF)である第一の開裂構造の開裂生成物を含有する量の試料と組み合わせれ、第三のオリゴヌクレオチドの5’領域は鋳型核酸とハイブリダイズされる。その結果得られる混合物は、(上述のように)加えられた変性剤の存在下または非存在下において72°Cまたは69°Cで、ハイブリダイゼーションが可能となるのに十分な時間、例えば15分から1時間インキュベートされる。第二のオリゴヌクレオチドのフラップおよび第三のオリゴヌクレオチドは鋳型核酸の非重複領域とハイブリダイズする。
ステップ5:
標識された第二の開裂構造は以下のように調製される。核酸重合活性は(例えば、ベントDNAポリメラーゼに)に加えられ、ポリメラーゼが第二のオリゴヌクレオチドのフラップ(図2のF)を伸長することが可能となる条件下でインキュベートされ、第三のオリゴヌクレオチドFH(上記ステップ2のように)の5’末端を部分的に置換し、それによって第一の開裂構造を形成する。オリゴヌクレオチドFHの置換された領域、すなわちFは、FENヌクレアーゼを加えた際に開裂する5’フラップを形成する。
ステップ6:
ステップ5で標識された第二の開裂構造は、ステップ3で説明したようにPfUFEN−1の製剤を用いて開裂される。
ステップ7:
2μlのシークエンシングストップ染料溶液(Stratagene Cyclist DNAシークエンシングキット、カタログ番号200326に含まれる)の追加後に、試料は99°Cで5分間加熱される。遊離され標識されたフラップは、以下のようにゲル電気泳動によって分析される。試料は、11インチ長、手注入、20%アクリルアミド/ビスアクリルアミド、7M尿素ゲルにロードする。ゲルは、ブロモフェノールブルーが総距離の約2/3移動するまで20ワットで泳動する。ゲルは、ガラス板から除去され、固定液(メタノール15%、酢酸5%)内で10分間、その後水に10分間浸される。ゲルをWhatmannの3mm紙の上に乗せ、プラスチックラップで覆い、加熱した真空ゲル乾燥機内で2時間乾燥させる(〜800C)。ゲルをX線フィルムに一夜暴露し、標的核酸配列の存在の指標である信号の存在を検出する。
あるいは、伸長および開裂が両活性を呈する酵素を用いて行われる。ステップ2で用いられた重合活性は、ステップ5で用いられた重合活性と異なることができる。ステップ3で用いられた開裂手段は、ステップ6の開裂手段と異なることができる。
指数関数的等温増幅
標的核酸配列は、以下の指数関数的等温増幅の方法によって検出および/または測定することができる。
実施例1のステップ1から3が行われる。
ステップ4:
標識された第二の二本鎖は以下のように形成される。鋳型核酸(図5のF’G1’H1’G2’H2’)と、鋳型核酸配列に相補的でない5’領域を含む上流、5’放射活性、末端標識された第三のオリゴヌクレオチド(図5のFH1)と、鋳型核酸配列に相補的でない5’領域を含む上流、5’放射活性、末端標識された第四のオリゴヌクレオチド(図5のFH2)とを含有する試料は、鋳型核酸ならびに第三および第四のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが可能となるような条件下(実施例1のステップ1に記載)でインキュベートされる。ハイブリダイズされた鋳型核酸/第三および第四のオリゴヌクレオチドは、第二の二本鎖を形成するのに十分なステップ3で調製された第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ(図5のF)である第一の開裂構造の開裂生成物を含有する量の試料と組み合わされ、第三および第四のオリゴヌクレオチドの5’領域はフラップであり、鋳型核酸の伸長領域は一本鎖である。その結果得られる混合物は、(上述のように)加えられた変性剤の存在下または非存在下において72°Cまたは69°Cで、ハイブリダイゼーションが可能となるのに十分な時間、例えば15分から1時間インキュベートされる。
ステップ5:
標識された第二の開裂構造は以下のように調製される。核酸重合活性は、(例えばTaqポリメラーゼに)加えられ、例えば、1X Pfu緩衝液(Stratagene)内で72°Cまたは69°Cで5分から1時間、ポリメラーゼが第二のオリゴヌクレオチドのフラップ(図5のF)を伸長することが可能となる条件下でインキュベートされて下流の第三のオリゴヌクレオチドのフラップ(図5のFHl)に隣接するようにし、それによって第二の開裂構造を形成する。
ステップ6:
ステップ5で調製された、標識された第二の開裂構造は、実施例1のステップ3で説明したようにPfUFEN−1の製剤を用いて開裂されて第三のオリゴヌクレオチドのフラップ(図5、ステップ2のF)を遊離する。
ステップ7:
標識された第三の開裂構造は下記のように調製される。核酸重合活性は、(例えばTaqポリメラーゼに)加えられ、例えば、1X Pfu緩衝液(Stratagene)内で72°Cまたは69°Cで5分から1時間、ポリメラーゼが第二のオリゴヌクレオチド(図5のF)のフラップを伸長することが可能となる条件下でインキュベートされて下流の第四のオリゴヌクレオチドのフラップに隣接するようにし、それによって第三の開裂構造を形成する。
ステップ8:
ステップ5で調製された、標識された第二の開裂構造は、実施例1のステップ3で説明したようにPfUFEN−1の製剤を用いて開裂されて第四のオリゴヌクレオチドのフラップ(図5、ステップ4のF)を遊離する。
ステップ9:
2μlのシークエンシングストップ染料溶液(Stratagene Cyclist DNAシークエンシングキット、カタログ番号200326に含まれる)の追加後に、試料は99°Cで5分間加熱される。遊離され標識されたフラップは、以下のようにゲル電気泳動によって分析される。試料は、11インチ長、手注入、20%アクリルアミド/ビスアクリルアミド、7M尿素ゲルにロードされる。ゲルは、ブロモフェノールブルーが総距離の約2/3移動するまで20ワットで泳動する。ゲルは、ガラス板から除去され、固定液(メタノール15%、酢酸5%)内で10分間、その後水に10分間浸される。ゲルをWhatmannの3mm紙の上に乗せ、プラスチックラップで覆い、加熱した真空ゲル乾燥機内で2時間乾燥させる(〜800C)。ゲルをX線フィルムに一夜暴露し、標的核酸配列の存在の指標である信号の存在を検出する。
あるいは、伸長および開裂は両活性を呈する酵素を用いて行われる。ステップ2で用いられた重合活性は、ステップ5で用いられた重合活性およびステップ7の重合活性と異なることができる。ステップ3で用いられた開裂手段は、ステップ6の開裂手段およびステップ8の開裂手段と異なることができる。
指数関数的等温増幅
標的核酸配列は、以下の指数関数的等温増幅の方法によって検出および/または測定することができる。
実施例2のステップ1から3が行われる。
ステップ4:
標識された第二の二本鎖は以下のように形成される。鋳型核酸(図5のF’G1’H1’G2’H2’)と、鋳型核酸配列に少なくとも部分的に相補的な5’領域を含む上流、5’放射活性、末端標識された第三のオリゴヌクレオチド(図5のFHl)と、鋳型核酸配列に相補的な5’領域を含む上流、5’放射活性、末端標識された第四のオリゴヌクレオチド(FH2、図5)とを含有する試料は、鋳型核酸ならびに第三および第四のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションが可能となるような条件下(実施例1のステップ1に記載)でインキュベートされる。ハイブリダイズされた鋳型核酸/第三および第四のオリゴヌクレオチドは、第二の二本鎖を形成するのに十分なステップ3で調製された第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップ(図5のF)である第一の開裂構造の開裂生成物を含有する量の試料と組み合わせれ、第三および第四のオリゴヌクレオチドの5’領域は鋳型核酸とハイブリダイズされる。その結果得られる混合物は、(上述のように)加えられた変性剤の存在下または非存在下において72°Cまたは69°Cで、ハイブリダイゼーションが可能となるのに十分な時間、例えば15分から1時間インキュベートされる。第二のオリゴヌクレオチドのフラップ、第三のオリゴヌクレオチドおよび第四のオリゴヌクレオチドのそれぞれは、鋳型核酸の非重複領域とハイブリダイズする。
ステップ5:
標識された第二の開裂構造は以下のように調製される。核酸重合活性は(例えば、ベントDNAポリメラーゼに)に加えられ、ポリメラーゼが第二のオリゴヌクレオチドのフラップ(図5のF)を伸長することが可能となる条件下でインキュベートされ、第三のオリゴヌクレオチドFHlの5’末端を部分的に置換し(上記ステップ2のように)、それによって第二の開裂構造を形成する。オリゴヌクレオチドFH1の置換された領域、すなわちFは、ヌクレアーゼ(例えば、FENヌクレアーゼ)を加えた際に開裂する5’フラップを形成する。
ステップ6:
ステップ5で調製された標識された第二の開裂構造は、ステップ3の実施例2で説明したようにPfUFEN−1の製剤を用いて開裂され、第三のオリゴヌクレオチドのフラップを遊離する(図5、ステップ2のF)。
ステップ7:
標識された第三の開裂構造は下記のように調製される。核酸重合活性は(例えば、ベントDNAポリメラーゼに)に加えられ、(上記ステップ2のように)第四のオリゴヌクレオチドFH2の5’末端を部分的に置換できるようにポリメラーゼが第二のオリゴヌクレオチドのフラップ(図5のF)を伸長することが可能となる条件下でインキュベートされ、それにより第三の開裂構造を形成する。オリゴヌクレオチドFH2の置換された領域、すなわちFは、ヌクレアーゼ(例えば、FENヌクレアーゼ)を加えた際に開裂する5’フラップを形成する。
ステップ8:
ステップ7で調製された、標識された第三の開裂構造は、実施例2のステップ3で説明したようにPfUFEN−1の製剤を用いて開裂されて第四のオリゴヌクレオチドのフラップ(図5、ステップ4のF)を遊離する。
ステップ9:
2μlのシークエンシングストップ染料溶液(Stratagene Cyclist DNAシークエンシングキット、カタログ番号200326に含まれる)の追加後に、試料は99°Cで5分間加熱される。遊離され標識されたフラップは、以下のようにゲル電気泳動によって分析される。試料は、11インチ長、手注入、20%アクリルアミド/ビスアクリルアミド、7M尿素ゲルにロードされる。ゲルは、ブロモフェノールブルーが総距離の約2/3移動するまで20ワットで泳動する。ゲルは、ガラス板から除去され、固定液(メタノール15%、酢酸5%)内で10分間、その後水に10分間浸される。ゲルをWhatmannの3mm紙の上に乗せ、プラスチックラップで覆い、加熱した真空ゲル乾燥機内で2時間乾燥させる(〜800C)。ゲルをX線フィルムに一夜暴露し、標的核酸配列の存在の指標である信号の存在を検出する。
あるいは、伸長および開裂が両活性を呈する酵素を用いて行われる。ステップ2で用いられた重合活性は、ステップ5で用いられた重合活性およびステップ7の重合活性と異なることができる。ステップ3で用いられた開裂手段は、ステップ6の開裂手段およびステップ8の開裂手段と異なることができる。
PfuFEN−1のクローニング
本発明により有用なな熱安定性FENヌクレアーゼ酵素は、以下の方法により調製することができる。
熱安定性FENヌクレアーゼ遺伝子は、当技術分野において既知のPCRクローニングの方法により、パイロコッカスフリオサス(Pyrococcus furiosus、ATCC番号43587)に由来するゲノムDNAから分離することができる。クローン化されたPfuFEN−1は、当技術分野において既知および後述される方法によるとバクテリア細胞内で過剰発現し得る。
以下のpCAL−n−EKクローニングオリゴヌクレオチドが重合および精製された。
a.
Figure 0005156628
および
b.
Figure 0005156628
Affinity(登録商標)タンパク質発現精製システムはStratageneから入手され、製造会社の手順に従い使用された。
増幅
挿入DNAは、pCAL−n−EKベクター一本鎖テールに相補的な5’末端で12および13−ヌクレオチド配列を含む遺伝子特異的プライマー(上述のオリゴヌクレオチドaおよびb)を用いたPCR増幅によって調製され、従って方向的クローニングを可能にさせた。FEN−1配列は、以下:
50μl 10x cPfu緩衝液(Stratagene)
7.5μl PfuゲノムDNA(約l00ng/μl)
7.5μl PfuTurbo(2.5u/μl)(Stratagene、カタログ番号600250)
15μl 混合されたプライマー対(各100ng/μl)(上述のオリゴヌクレオチドaおよびb)
4μl 100mM dNTP
416 μl H2
合計500μl
を含む増幅反応(5つの別個の100μl反応)を調製することによって、および、Stratagene Robocycler 96ホットトップ式熱循環器を使用して以下の条件下で増幅を実行することによって、パイロコッカス・フリオサスに由来するゲノムDNAから増幅された。
ウィンドウ1 95°C 1分 1サイクル
ウィンドウ2 95°C 1分
50°C 1分 30サイクル
72°C 3分
各5つの反応からのPCR生成物は、1つの管に合体し、StrataPrep PCRを使用して精製され、50μlの1mMトリス−HCl、pH8.6中に溶出された。FEN−1PCR生成物はゲル上で分析され、約1000bpであると決定された。
fen−1遺伝子を含むPCR生成物は、連結非依存性クローニング端(ligation independent cloning:LIC)を作成することによって、fen−1遺伝子を含むPCR生成物をpCALnEK LICベクター(Stratagene)にアニールすることによって、および以下の方法によりアニールする混合物で細胞を転換することによって、pC ALnEK LICベクター(Stratagene)へクローン化された。つまり、PCR増幅後に、PCR生成物は精製され、dATPの存在下でPfu DNAポリメラーゼを用いて処理される(Affinity(登録商標) Protein タンパク質発現精製システム、Stratagene、カタログ番号200326に含まれる使用説明書による)。dTTP、dGTPおよびdCTPの非存在下において、Pfu DNAポリメラーゼの3’から5’−エキソヌクレアーゼ活性は、PCR生成物のそれぞれの3’末端で少なくとも12および13ヌクレオチドを除去する。この活性は、第一のアデニンが遭遇されるまで続き、pCAL−n−EKベクターの一本鎖に相補的な5’−伸長一本鎖テールを有するDNA断片を生成する。
LIC端の作成
LIC端は以下の混合物を調製することにより作成された。
45μlの精製されたPCR生成物(〜0.5μg/μl)
2.5μl 10mM dATP
5μl l0x cPfu緩衝液
1μl cPfu (2.5u/μl)
0.5μl H2
cPfuおよびcPfu緩衝液は、Stratageneから入手できる(cPfu、Stratagene カタログ番号600153およびcPfu緩衝液、Stratagene カタログ番号200532)。
試料は72°Cで20分間インキュベートされ、生成物は室温まで冷却された。それぞれの試料に対して40ngの調製されたpCALnEK LICベクターが加えられた(調製されたベクターはAffinity LIC Cloning and Protein Purification Kit(214405)がStratageneから市販されている)。ベクターおよび挿入DNAは混合され、室温でアニールすることを可能にさせ、高形質転換受容性バクテリア宿主細胞に転換される(Wyborskiら、1997、Strategies、10:1)。
FENの生成のための細胞を調製
2リットルのLB−AMPが、FEN−1クローン(クローン3)の一晩培養物20mlでインキュベートされた。成長は、約11時間継続させ、その時点で、細胞はOD600=0.974に達した。細胞は、1mMのIPTGを用いて一晩(約12時間)インキュベートされた。細胞は遠心分離により収集され、その結果得られた細胞ペーストは−20°Cで保存された。
タグをつけたFEN−1の精製
細胞は、20mlのカルシウム結合緩衝液で再懸濁された。
CaCl 2 結合緩衝液
50mM トリス−HCl(pH8.0)
150mM NaCl
1.0mM MgOAc
2mM CaCl2
試料は、マイクロチップを使用したBranson Sonicatorを用いて超音波処理された。出力設定は5およびデューティサイクルは90%であった。試料は3回超音波処理され、その合間は氷上で放置した。超音波処理物は26,890xgで遠心した。取り除かれた浮遊物は、50mlの円錐管内で1mlの(CaCl2結合緩衝液内で)洗浄されたカルモジュリンアガロース(CAMアガロース)と混合され、5時間涼しい場所(40C)においてゆっくりな回転ホイール上でインキュベートされた。CAMアガロースは、軽い遠心分離によって収集された(卓上遠心分離機で5000rpm)。
浮遊物の除去後CAMアガロースは50ml CaCl2結合緩衝液で洗浄され、使い捨てドリップカラムに移された。本来の容器およびピペットは、十分にすすいで残渣アガロースを除去した。カラムは約200mlのCaCl2結合緩衝液ですすがれた。
溶出は10mlの50mM NaCl溶出緩衝液で行われた(50mM NaCl、50mM トリス−HCl pH 8.0、2mM EGTA)。0.5mlの留分が収集された。第二の溶出ステップは、1M NaCl溶出緩衝液を用いて行われ、0.5mlの留分が収集された。
精製されたタグFEN−1の評価
1M NaCl内で溶出されたCBPタグPfu FEN−1を含有する留分は、SDS内で沸騰され、Sypro Orangeで染色した4から20%のゲル上でSDS−PAGEによって分析された(図15)。
非開裂FEN−1のタンパク濃度は、約150ng/マイクロリットルと決定された(以下)。
精製されたFEN−1のエンテロキナーゼ プロテアーゼ(Enterokinase Protease:EK)開裂
留分3−9は、50mM NaCl、50mM トリス−HCl pH8.0および2mM CaCl2内において4°Cで一晩透析された。
不透明で、非常に微細な沈殿物が、透析したFEN−1内に現れた。試料が1/20希釈されたとき、沈殿物は除去された。試料が1/3希釈されたとき、不溶性材料を依然検出可能であった。1/3希釈された試料は、37°Cで2時間加熱され、0.1%の最終濃度までTween20と混合した。Tween20が追加されると、溶液中に「ストリング」および粗めの個体の殆ど即時の形成があり、溶液が1M NaClに調節された後であっても、非可逆であった。
EK開裂は、Ix EK緩衝液で透析袋をすすぐことによって調整された希薄試料に加えて、1/20希釈された試料を基質として使用することによって行われた。EK開裂は、室温で一晩1μlEK(1u/μl)を加えることによって実行された(約16時間)。
l00μlのCAMアガロースと組み合わされた100μlのSTIアガロースは、10mlのIxSTI緩衝液で2回すすがれた(50mM トリス−HCl pH8.0、200mM NaCl、2mM CaCl2、0.1%Tween20)。NaClが二つのEK 試料に加えられ、最終濃度を200mM NaClとさせた。二つの試料を混合し、すすいだアガロースに加えた。試料は、4°Cで3時間、ホイール上でゆっくりと回転し、卓上遠心分離機で分離された(前述のように)。浮遊物が除去され、樹脂は500/μl Ix STIで2回すすがれた。二つのすすぎを混合し、本来の浮遊物とは別に保存された。試料は、4から20%のゲル上でSDS−PAGEによって分析された。
消化生成物の濃度は、約50ng/mlの濃度でのPfU標準との比較により決定された、約23ng/μlであった。
FEN ヌクレアーゼ活性
実施例5で説明したFENヌクレアーゼのエンドヌクレアーゼ活性およびFENヌクレアーゼの開裂構造の必要条件は、「FENヌクレアーゼ」と題する項目または下記で説明される方法に従って決定することができる。
つまり、三つの鋳型(図14)は、本発明によるFENヌクレアーゼの活性を評価するために使用される。鋳型1は、以下の配列を有する5’33P標識されたオリゴヌクレオチド(Heltest4)である。
5’AAAATAAATAAAAAAAATACTGTTGGGAAGGGCGATCGGTGCG3’.
Heltest4の下線部は、M13mpl8+に相補的な領域を表す。開裂生成物は、配列AAAATAAATAAAAAAAATを有する18ヌクレオチド断片である。Heltest4はM13と結合して相補的な二本鎖分域および非相補的な5’突出とを生成する。この二本鎖は鋳型2を形成する(図14)。鋳型3(図14)は、Heltest4に直接的に隣接するM13と結合するさらなるプライマー(FENAS)を有する。FENASの配列は、
5’ CCATTCGCCATTCAGGCTGCGCA 3’である。鋳型3の存在下において、FENヌクレアーゼは、Heltest4の遊離の5’端を結合し、連結部へ移動し、Heltest4を開裂して18ヌクレオチド断片を生成する。その結果得られる開裂生成物は、6%アクリルアミド、7M尿素シークエンシングゲル上で分離される。
鋳型は下述のように調製される。
Figure 0005156628
PfU緩衝液はStratageneから入手できる(カタログ番号200536)。
鋳型混合物は、95°Cで5分間加熱され、室温までに45分間冷却され、4°Cで一晩保存される。
酵素試料は以下のとおりである。
A. H2O(対照)
B. 2μl不希釈非開裂FEN−1(〜445ng/μl)
C. 2μl 非開裂FEN−1の1/10希釈(〜44.5ng/μl)
D. 2μl エンテロキナーゼ プロテアーゼ(enterokinase protease:EK)開裂FEN−1(〜23ng/μl)
四つの反応混合物は、以下のように三つの鋳型と混合される。
3 μl 鋳型1、鋳型2または鋳型3
0.7 μl 10x クローン化されたPfu緩衝液
0.6 μl 100mM MgCl2
2.00μl FEN−1またはH2
0.7 μl H2
総量7.00μl
反応は約30分間50°Cで継続され、2μlのホルムアミド「シークエンシングストップ」溶液を各試料に加えることにより停止される。試料は、95°Cで5分間加熱され、6%アクリルアミド7M 尿素CastAwayゲル(Stratagene)上でロードされる。
あるいは、FENヌクレアーゼ活性は、以下の緩衝液内で分析され、一時間のインキュベーション時間が使用される。
10x FENヌクレアーゼ緩衝液
500mM トリス−HCl pH 8.0
100mM MgCl2
反応混合物は以下のとおりである。
3 μl 鋳型1、鋳型2または鋳型3
0.7 μl 10x FEN ヌクレアーゼ緩衝液
2.00 μl FEN−1またはH2O(上記AからD)
1.3 μl H2
総量7.00μl
試料は、Robocyler96ホットトップ式熱循環器内で50°Cで1時間インキュベートされる。2μlのシークエンシングストップ(Stratageneから入手可能な、ホルムアミド95%、EDTA 20mM、ブロモフェノールブルー0.05%、キシレンシアノール0.05%)染料溶液を加えた後、試料は99°Cで5分間加熱される。試料は、11インチ長、手注入、20%のアクリルアミド/ビスアクリルアミド、7M尿素ゲルにロードされる。ゲルは、ブロモフェノールブルーが総距離の約2/3移動するまで20ワットで泳動する。ゲルは、ガラス板から除去され、固定液(メタノール15%、酢酸5%)内で10分間、その後水に10分間浸される。ゲルをWhatmannの3mm紙の上に乗せ、プラスチックラップで覆い、加熱した真空ゲル乾燥機内で2時間乾燥させる(〜800C)。ゲルをX線フィルムに一夜暴露する。
(上記のように調製された)鋳型1、2および3が開裂されるヌクレアーゼアッセイのオートラジオグラフは、
A. H2
B. 2μlのCBPタグ Pfu FEN−1
C. 2μlのCBPタグ PfU FEN−1希釈(1:10)
D. 2μlのEK開裂 Pfu FEN−1
を加えることによって開裂し、図16に示される。
レーンは以下のとおりである。レーン1A、1B、1Cおよび1Dは、H2O開裂の鋳型1、不希釈CBPタグPfu FEN−1、CBPタグ付きPfu FEN−1の1:10希釈およびEK開裂Pfu FEN−1をそれぞれ表す。レーン2A、2B、2Cおよび2Dは、H2O開裂の鋳型2、不希釈CBPタグPfu FEN−1、CBPタグPfu FEN−1の1:10希釈およびEK開裂Pfu FEN−1をそれぞれ表す。レーン3A、3B、3Cおよび3Dは、H2O開裂の鋳型3、不希釈CBPタグPfu FEN−1、CBPタグPfu FEN−1の1:10希釈およびEK開裂Pfu FEN−1をそれぞれ表す。
タグPfu FEN−1は、N−端CBP親和性精製タグを含む。FEN−1のタグと非タグ版における活性のいかなる差も、タグ対非タグFEN−1の量は同等ではないため、タンパク濃度の差(上記のように酵素試料の濃度が提供される)に起因する。タグおよび非タグPfu FEN−1は開裂活性を示す。
図16は、FEN−1の非存在下における開裂の背景レベルを示す(レーン1A、2Aおよび3A)。さらに、この図では、タグPfu FEN−1が鋳型1と比較して、より多くの鋳型2を開裂することを示す。特に、最大量の鋳型2が不希釈、タグPfu FEN−1の存在下で開裂する(レーン2B)。鋳型3の分析は、最大量の鋳型3が不希釈、タグPfu FEN−1によって開裂し、最小量の鋳型3が希釈タグFEN−1によって開裂することを示す。標識されたプローブは40から43ヌクレオチド帯として移動する。FEN−1は、鋳型2よりも(上流プライマーを含む)鋳型3を選択的に開裂する。開裂生成物帯は、16から20ヌクレオチドで移動する大きな帯である。標識された開裂生成物の不均一性は、使用前にゲル精製されなかった標識された基質の不均質の結果である。
核酸増幅反応条件を使用する標的核酸
標的核酸配列は、以下の直鎖状等温増幅の方法によって検出および/または測定することができる。
ステップ1:反応混合物を調製する
本発明のオリゴヌクレオチドを含有する一つ以上の反応が調製される。オリゴヌクレオチドは、第一のオリゴヌクレオチド(図17のA)、第二のオリゴヌクレオチド(図17のF−C)、標的核酸(図17のA’B’C’)、鋳型核酸(図17のF’G’H’)および第三のオリゴヌクレオチド(H、図17)を含む。第二のオリゴヌクレオチドおよび鋳型核酸は、3’ヌクレオチドで遮断される。第三のオリゴヌクレオチドおよび鋳型核酸は、一対の相互作用する標識の一つのメンバーにそれぞれ結合される。図17に描写された実施形態において、第三のオリゴヌクレオチドはその3’末端上でフルオレッサーと結合され、鋳型核酸はその5’末端上でクエンチャーと結合される。オリゴヌクレオチドは、開裂酵素に加えて標準PCR試薬を含有する反応混合物に加えられる。増幅および検出反応は、Full Velocity(商標) QPCR Master Mix(Stratagene、カタログ番号600561)を用いて行われる。このシステムは、米国特許第6,528,254号および第6,548,250号(それぞれ、参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる)でさらに説明される。オリゴヌクレオチドが加えられる一般的な反応条件は以下を含む。
1X FullVelocity緩衝液(dNTP含有)
5U PfU V93Rエキソ(−)ポリメラーゼ、
200ng FEN−1エンドヌクレアーゼ
反応混合物は熱循環器内に置かれる。熱循環器は、当技術分野において既知であり、Mx3000pリアルタイムPCR機器(Stratagene、カリフォルニア)を含む。一般的なサイクリングパラメーターは、最初の2分間95°Cで1サイクル、続いて、95°Cで10秒間、60℃で30秒の50サイクルを含む。
ステップ2:
オリゴヌクレオチドは、95°Cで2分または10秒間で変性する。
ステップ3:
第一の二本鎖は、第一の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となる条件下で反応混合物をインキュベートすることによって形成され、第二のオリゴヌクレオチドの5’領域はフラップであり、標的核酸の伸長領域はフラップとハイブリダイズされない。例えば、二本鎖は、反応混合物が第一の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となる時間の間、約50から60°Cまで冷却される時に形成される。第一の二本鎖は、標的核酸、第一のオリゴヌクレオチドおよび第二のオリゴヌクレオチドを含む。図17Aを参照。第一のオリゴヌクレオチドは、標的核酸の第一の領域とハイブリダイズする(図17AのA’)。第二のオリゴヌクレオチドの3’領域は、標的核酸の第二の領域とハイブリダイズし(図17AのC’)、一方で第二のオリゴヌクレオチドの5’領域はフラップを形成する(図17AのF)。標的核酸の伸長領域は一本鎖である。(図17AのB’).フラップは、鋳型核酸の第一の領域に相補的である(図17DのF’)。
ステップ4:
第一の開裂構造は以下のように調製される。反応は、下流の第二のオリゴヌクレオチドのフラップに隣接するように、ポリメラーゼが第一のオリゴヌクレオチドを伸長することが可能となる条件下でインキュベートされる。図17B参照。伸長は、第一の二本鎖の形成中に適用された温度と同じ温度または重合を可能にする異なった温度で行われる。前記温度は、標的核酸の伸長領域への第一のオリゴヌクレオチドの伸長が可能となるのに十分な時間の間適用される(図17BのB’)。ポリメラーゼは、第二のオリゴヌクレオチドを置換する。
ステップ5:
第一の開裂構造は、FullVelocity多酵素製剤形態のPfUFEN−1を用いて開裂する。図17C参照。好ましくは、開裂反応は、すべての重合および/またはハイブリダイゼーションステップが行われる温度と同じ温度、例えば60Cで行われる。開裂反応は、第二のオリゴヌクレオチドの5’フラップを遊離する(図17CのF)。
ステップ6:
第二の二本鎖は以下のように形成される。
第二の二本鎖は、第二の二本鎖のハイブリダイゼーションおよび形成が可能となる条件下で反応混合物をインキュベートすることによって形成される。
条件は、好ましくは第一の二本鎖の形成をもたらす条件と同じである(ステップ3)。第二の二本鎖は、第一の二本鎖と同時に形成してよい。第二の二本鎖は、第二のオリゴヌクレオチドからの開裂したフラップ(図17DのF’)が鋳型核酸(図17DのF’)の第一の領域とハイブリダイズするとき、および第三のオリゴヌクレオチド(図17DのH)が鋳型核酸の第二の領域(図17DのH’)とハイブリダイズするときに形成される。第二の二本鎖の形成は、鋳型核酸および第三のオリゴヌクレオチドに作用可能に結合されたレポーターまたはクエンチャー部分を相互に作用させ、実質的にレポーターを消光する。
ステップ7:
標識された第二の開裂構造は以下のように調製される。反応は、ポリメラーゼが第二のオリゴヌクレオチドの遊離されたフラップを伸長することが可能となる条件下でインキュベートされる(図17EのA)。これらの条件は、好ましくはステップ4で説明された第一の開裂構造に対するものと同じである。フラップは、重合活性によって、鋳型核酸の伸長領域へ伸長する。重合は、第三のオリゴヌクレオチドを部分的に置換する。(図17E)。
ステップ8:
第二の開裂構造は、ステップ5で説明した第一の開裂反応に対するものと同様の様態で開裂する。しかしながら、この開裂反応中に例えば蛍光などの検出可能な信号が生成される。図17F参照。信号は、第三のオリゴヌクレオチドが開裂して第三のオリゴヌクレオチドと鋳型核酸が解離するときに生成される。一対の相互作用する標識の分離は、検出可能な信号をもたらす。
反応は、一つ以上のさらなるサイクルが繰り返されてよい。
本発明のオリゴヌクレオチドを活用したリアルタイムQPCR検出
以下の実験が、標的核酸を検出するために行われた。
プライマー:
HPRT−Fwd:5’−AATTATGGACAGGACTGAACGTCTTGCT−3’
HPRT−Rev:5’−TCCAGCAGGTCAGCAAAGAATTTATAGC−3’
プローブ:
第二のオリゴヌクレオチド:
5’−−BHQ2−
CAGTTCAGGGGCCTCATCTCGGTTTTTCCCAGATGAGCCCCCAGAACTC−FAM−3’
第二のオリゴヌクレオチドの下線部は、開裂反応下で遊離された5’フラップに対応する。前記フラップは鋳型核酸の第一の部分に相補的であり、その後の伸長反応においてプライマーとして機能した。
第三のオリゴヌクレオチド
Figure 0005156628
第三のオリゴヌクレオチドは鋳型核酸の第二の部分に相補的である。
鋳型核酸
Figure 0005156628
鋳型核酸は、遊離されたフラップと相補的およびハイブリダイズされた第一の領域(太字)と、伸長領域と、第三のオリゴヌクレオチド(下線)と相補的およびハイブリダイズされた第二の領域とを有した。鋳型核酸は、3’ヌクレオチドで遮断され、5’ヌクレオチドでクエンチャーと結合された。
上述のオリゴヌクレオチドは、製造会社の使用説明書に従って、FullVelocity Q−PCR 反応下(Stratagene)で使用された。つまり、以下の試薬が反応混合物に組み込まれた。1X FullVelocity緩衝液(dNTP含有)、XμlのFullVelocity複数酵素製剤、400nMのHPRT Fwd プライマーおよび200nMのHPRT Rev プライマー、400nMの第二のオリゴヌクレオチド、300nMの第三のオリゴヌクレオチド、300nMの鋳型核酸および10pgのPCR鋳型。また、非鋳型対照(Non−Template Control:NTC)も検査された。反応は、総量50μlで行われた。
反応は、以下のパラメータの下で、Mx3000PリアルタイムPCR機器で行われた。2分間95°Cで1サイクル、続いて40サイクルの
10秒間95°C
30秒間60°C。
蛍光データは各サイクルの60°Cステップの最後で収集された。
結果は、図18で図式化される。
第二のオリゴヌクレオチドの滴定曲線
以下の実験が、本発明の方法における第二のオリゴヌクレオチドの最適な濃度を決定するために行われた。
プライマー:
HPRT−Fwd:5’−AATTATGGACAGGACTGAACGTCTTGCT−3’
HPRT−Rev:5’−TCCAGCAGGTCAGCAAAGAATTTATAGC−3’
プローブ:
第二のオリゴヌクレオチド:
Figure 0005156628
第二のオリゴヌクレオチドの下線部は、開裂反応下で遊離された5’フラップに対応する。フラップは鋳型核酸の第一の部分に相補的であり、その後の伸長反応においてプライマーとして機能した。
第三のオリゴヌクレオチド:
Figure 0005156628
第三のオリゴヌクレオチドは鋳型核酸の第二の部分に相補的であった。
鋳型核酸:
Figure 0005156628
鋳型核酸は、遊離されたフラップと相補的およびハイブリダイズされた第一の領域(太字)と、伸長領域と、第三のオリゴヌクレオチド(下線)と相補的およびハイブリダイズされた第二の領域とを有した。鋳型核酸は、3’ヌクレオチドで遮断され、5’ヌクレオチドで作用可能にクエンチャーと結合された。
上述のオリゴヌクレオチドは、製造会社の使用説明書に従って、FullVelocity Q−PCR反応(Stratagene、カリフォルニア)下で使用された。つまり、以下の試薬が反応混合物に組み込まれた。1X FullVelocity緩衝液(dNTP含有)、XμlのFullVelocity酵素製剤、400nMのHPRT Fwdプライマーおよび200nMのHPRT Revプライマー、300nMの第三のオリゴヌクレオチド、300nMの鋳型核酸および100pgのPCR鋳型。第二のオリゴヌクレオチドは、様々な濃度で反応混合物に加えられた。100nM、200n、300nM、400nM、500nM、600nM、700nMまたは800nM。また、非鋳型対象(Non−Template Control: NTC)も検査された。反応は、総量50μlで行われた。
反応は、以下の反応条件下においてMx3000PリアルタイムPCR機器(Stratagene、カリフォルニア)で行われた。2分間95°Cで1サイクル、続いて50サイクルの
30秒間95°C
60秒間60°C
を行った。蛍光データは各サイクルの60°Cステップの最後で収集された。
蛍光は、第二のオリゴヌクレオチドの各濃度で、第一の開裂反応HEX(図19A)および第二の開裂反応FAM(図19B)の両方に対して検出された。
第三のオリゴヌクレオチドの滴定曲線
以下の実験が、本発明の方法における第三のオリゴヌクレオチドの最適な濃度を決定するために行われた。
プライマー:
HPRT−Fwd:5’−AATTATGGACAGGACTGAACGTCTTGCT−3’
HPRT−Rev:5’−TCCAGCAGGTCAGCAAAGAATTTATAGC−3’
プローブ:
第二のオリゴヌクレオチド:
5’−BHQ2−CAGTTCAGGGGCCTCATCTCGGTTTTTCCCAGATGAGCCCCCAGAACTC−FAM−3’
第二のオリゴヌクレオチドの下線部は、開裂反応下で遊離された5’フラップに対応する。フラップは鋳型核酸の第一の部分に相補的であり、その後の伸長反応においてプライマーとして機能した。
第三のオリゴヌクレオチド:
Figure 0005156628
第三のオリゴヌクレオチドは鋳型核酸の第二の部分に相補的であった。
鋳型核酸:
Figure 0005156628
鋳型核酸は、開裂されたフラップ(太字)と相補的およびハイブリダイズされた第一の領域(太字)と、伸長領域と、第三のオリゴヌクレオチド(下線)と相補的およびハイブリダイズされた第二の領域とを有した。鋳型核酸は、3’ヌクレオチドで遮断され、5’ヌクレオチドでクエンチャーに付着された。
上述のオリゴヌクレオチドは、製造会社の使用説明書に従って、FullVelocity Q−PCR 反応(Stratagene、カリフォルニア)下で使用された。つまり、以下の試薬が反応混合物に組み込まれた。1X FullVelocity緩衝液(dNTP含有)、XμlのFullVelocity酵素製剤、400nMのHPRT Fwd プライマーおよび200nMのHPRT Revプライマー、500nMの第二のオリゴヌクレオチド、300nMの鋳型核酸および100fgのPCR鋳型。第三のオリゴヌクレオチドの最適な濃度を決定するために、第三のオリゴヌクレオチドは様々な濃度で反応混合物に加えられた。100nM、200n、300nM、400nM、500nM、600nM、700nM、800nMまたは900nM。また、非鋳型対照(NTC)も検査された。反応は、総反応量50μlで行われた。
反応は、以下の反応条件下においてMx3000PリアルタイムPCR機器(Stratagene、カリフォルニア)で行われた。2分間95°Cで1サイクル、続いて50サイクルの
10秒間95°C
30秒間60°C
を行った。蛍光データは各サイクルの60°Cステップの最後で収集された。
蛍光は、100nMから600nMの第三のオリゴヌクレオチド濃度に対して、第一の開裂反応HEX(図20A)および第二の開裂反応FAM(図20B)のために検出された。また、蛍光は、700nMから900nMの第三のオリゴヌクレオチド濃度に対して、第一の開裂反応FAM(図20C)および第二の開裂反応HEXのために検出された。
図1は鋳型核酸配列の一次関数的増幅を示す。 図2は、改良フラップを含む二本鎖構造を有する標的核酸配列の一次関数的増幅を示す。 図3は、鎖置換活性の重合方法の活性によりフラップが形成されることを特徴とする標的核酸配列の一次関数的増幅を示す。 図4aおよび4bは鋳型核酸配列の指数関数的増幅を示す。 図5は、改良フラップを含む二本鎖構造を有する標的核酸配列の指数関数的増幅を示す。 図6は、鎖置換活性の重合方法の活性によりフラップが形成されることを特徴とする標的核酸配列の指数関数的増幅を示す。 図7は、標的あるいは鋳型核酸配列と結合することにより変化する二次構造を有するプローブを示す図であり、前記プローブはさらに結合部および/またはタグを有する。 図8は、FENヌクレアーゼ開裂構造を示す。 図9は二次構造を表す。 図10は安全なピンプローブを示す。 図11は安全なスコーピオンプローブを示す。 図12は、サンライズ/amplifluorプローブを示す図である。 図13aは、二本鎖DNA対一本鎖DNAの光吸収度における差異を示すグラフである。図13bは、DNA融解曲線を示すグラフである。図13cは、温度のDNAの相対的光吸収度に対する効果を示すグラフである。図13dは、温度のDNAの相対的光学的吸収度における効果を示すグラフである。図13eは、一対の相互作用的標識で表示されたDNA蛍光における温度の効果を示すグラフである。図13fは、一対の相互作用的標識で表示されたDNAの蛍光における温度の効果を示すグラフである。図13gは、一対の相互作用的標識で表示されたDNA蛍光における標的核酸の効果を示すグラフである。 図14は、FEN核酸活性の検出に使用可能な3つの鋳型(標識1、2、および3)を示す。 図15は、CBPタグをつけたPFUFEN−1タンパク質を示すサイプロオレンジ染色ポリアクリルアミドゲルである。 図16はFEN−1ヌクレアーゼアッセイのオートラジオグラフである。 図17A〜Eは、標識された第三のオリゴヌクレオチドおよび鋳型核酸を使用した本発明の一実施形態を示す。図17Aは、第一の二本鎖の形成を示す。図17Bは第一の二本鎖の重合または伸展ステップを示す。図17Cは、第一の二本鎖の開裂を示す。図17Dは、第二の二本鎖の形成を示す。図17Eは、第二の二本鎖の重合または伸展ステップを示す。図17Fは第二の二本鎖の開裂および検出ステップを示す。 図18は、リアルタイムQPCR反応における本発明の一実施形態を用いて得られたデータのグラフ表示である。 図19Aは、Q−PCR反応における本発明の第二のオリゴヌクレオチドの滴定曲線である。グラフは第一の開裂構造の開裂時に生成される蛍光信号を示す。図19Bは、Q−PCR反応における本発明の第二のオリゴヌクレオチドの滴定曲線である。グラフは、第二の開裂構造の開裂時に生成される蛍光信号を示す 図20Aは、Q−PCR反応における本発明の第二のオリゴヌクレオチドの滴定曲線(100nMから600nM)である。グラフは第一の開裂構造の開裂時に生成される蛍光信号を示す。図20Bは、Q−PCR反応における本発明の第二のオリゴヌクレオチドの滴定曲線(100nMから600nM)である。グラフは、第二の開裂構造の開裂時に生成される蛍光信号を示す図20Cは、Q−PCR反応における本発明の第三のオリゴヌクレオチドの滴定曲線(700nMから900nM)である。グラフは第一の開裂構造の開裂時に生成される蛍光信号を示す。 図21はキープローブを示す。

Claims (43)

  1. 標的核酸を検出する方法であって、
    (a) 3’から5’の順に第一の領域と、伸長領域と、第二の領域とを含む前記標的核酸と、
    3’から5’の順に第一の領域と、伸長領域と、第二の領域とを含む鋳型核酸であって、前記鋳型核酸が一対の相互作用する標識の第一のメンバーをさらに含む鋳型核酸と、
    前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第一のオリゴヌクレオチドと、
    5’領域と3’領域とを含み、前記3’領域が前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記標的核酸に相補的でないが前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である、第二のオリゴヌクレオチドと、
    5’領域と3’領域とを含み、前記3’領域が前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域は前記鋳型核酸に相補的でない、第三のオリゴヌクレオチドであって、前記第三のオリゴヌクレオチドが前記一対の相互作用する標識の第二のメンバーをさらに含み、前記一対の相互作用する標識の前記第二のメンバーが、前記第三のオリゴヌクレオチドの3’ヌクレオチドと作用可能に結合される第三のオリゴヌクレオチドと、
    開裂手段と、
    重合活性と
    を提供するステップと、
    (b)前記標的核酸と、前記鋳型核酸と、前記第一のオリゴヌクレオチドと、前記第二のオリゴヌクレオチドと、前記第三のオリゴヌクレオチドと、前記開裂手段と、前記重合活性とを一連の反応条件下で混合するステップであって、前記一連の反応条件は、
    前記標的核酸と、前記第一のオリゴヌクレオチド及び前記第二のオリゴヌクレオチドの3’領域のそれぞれとの間の二本鎖の形成であって、前記第二のオリゴヌクレオチドの5’領域はフラップである、形成と、
    第一の開裂構造を形成するのに十分な前記標的核酸の前記伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合による前記第一のオリゴヌクレオチドの伸長と、
    前記開裂手段による前記第二のオリゴヌクレオチド内の前記第一の開裂構造の開裂であって、それにより前記第二のオリゴヌクレオチドの前記フラップの遊離が可能となる、開裂と、
    前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップと、前記鋳型核酸と、前記第三のオリゴヌクレオチドとの第二の二本鎖の形成であって、前記第三のオリゴヌクレオチドの5’領域は第二のフラップである、形成と、
    第二の開裂構造を形成するのに十分な前記鋳型核酸の前記伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合による前記遊離されたフラップの伸長と、
    前記開裂手段による前記第三のオリゴヌクレオチド内の前記第二の開裂構造の開裂であって、それにより前記第三のオリゴヌクレオチドの開裂および遊離が可能となる、開裂と
    を可能にする、前記混合するステップと、
    (c)前記鋳型核酸からの前記第三のオリゴヌクレオチドの3’領域の前記遊離により生成された信号を検出するステップと
    を含む方法。
  2. 標的核酸を検出する方法であって、
    (a)3’から5’の順に第一の領域と、伸長領域と、第二の領域とを含む前記標的核酸と、
    3’から5’の順に第一の領域と、伸長領域と、第二の領域とを含む鋳型核酸であって、前記鋳型核酸が一対の相互作用する標識の第一のメンバーをさらに含む鋳型核酸と、
    前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第一のオリゴヌクレオチドと、
    5’領域と3’領域とを含み、前記3’領域が前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域が前記標的核酸に相補的でないが前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である、第二のオリゴヌクレオチドと、
    5’領域と3’領域とを含み、前記3’領域が前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域が前記第二の領域の3’である領域に少なくとも部分的に相補的である、第三のオリゴヌクレオチドであって、前記第三のオリゴヌクレオチドが前記一対の相互作用する標識の第二のメンバーをさらに含み、前記一対の相互作用する標識の前記第二のメンバーが、前記第三のオリゴヌクレオチドの3’ヌクレオチドと作用可能に結合される第三のオリゴヌクレオチドと、
    開裂手段と、
    重合活性と
    を提供するステップと、
    (b)前記標的核酸と、前記鋳型核酸と、前記第一のオリゴヌクレオチドと、前記第二のオリゴヌクレオチドと、前記第三のオリゴヌクレオチドと、前記開裂手段と、前記重合活性とを一連の反応条件下で混合するステップであって、前記一連の反応条件は、
    前記標的核酸と、前記第一のオリゴヌクレオチド及び前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’領域のそれぞれとの間の二本鎖の形成であって、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’領域はフラップである、形成と、
    第一の開裂構造を形成するのに十分な前記標的核酸の前記伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合による前記第一のオリゴヌクレオチドの伸長と、
    前記開裂手段による前記第二のオリゴヌクレオチド内の前記第一の開裂構造の開裂であって、それにより前記第二のオリゴヌクレオチドの前記フラップの遊離が可能となる、開裂と、
    前記第二のオリゴヌクレオチドの前記遊離されたフラップと、前記鋳型核酸と、前記第三のオリゴヌクレオチドとの第二の二本鎖の形成と、
    第二の開裂構造を形成するのに十分な前記鋳型核酸の前記伸長領域の長さに相補的な核酸鎖の重合による前記遊離されたフラップの伸長と、
    前記開裂手段による前記第三のオリゴヌクレオチド内の前記第二の開裂構造の開裂であって、それにより前記第三のオリゴヌクレオチドの開裂および遊離が可能となる、開裂と
    を可能にする前記混合するステップと、
    (c)前記鋳型核酸からの前記第三のオリゴヌクレオチドの3’領域の前記遊離により生成された信号を検出するステップと、
    を含む、方法。
  3. 前記ポリメラーゼは5’から3’のエキソヌクレアーゼ活性を欠く、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ポリメラーゼはDNAポリメラーゼである、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記ポリメラーゼは熱安定性である、請求項1または2に記載の方法。
  6. 前記重合は鎖置換活性を含む、請求項1または2に記載の方法。
  7. 単一の酵素が、前記重合活性と、前記開裂手段とを含む、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記酵素が、大腸菌DNAポリメラーゼI、T7DNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼまたはTaqDNAポリメラーゼである、請求項7に記載の方法。
  9. 第一の酵素が重合活性を含み、第二の酵素が前記開裂手段を含む、請求項1または2に記載の方法。
  10. 前記開裂手段が、5’ヌクレアーゼ活性を含む、請求項1または2に記載の方法。
  11. 前記開裂手段が、FEN−1ヌクレアーゼを含む、請求項1または2に記載の方法。
  12. 前記FEN−1ヌクレアーゼが、フラップ特異的ヌクレアーゼである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記FEN−1ヌクレアーゼが、熱安定性である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記第一の酵素と前記第二の酵素とが、単一の処方で提供される、請求項9に記載の方法。
  15. 前記第一の酵素がPfuDNAポリメラーゼであり、前記第二の酵素がFEN−1ヌクレアーゼである、請求項9に記載の方法。
  16. 前記一連の反応条件が、核酸重合反応条件である、請求項1または2に記載の方法。
  17. 前記核酸重合反応条件が、ポリメラーゼ連鎖反応条件である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記伸長反応が、開裂構造を形成するのに十分な前記伸長領域の長さに相補的なヌクレオチドを重合し、前記重合された相補的な核酸はその3’末端で二本鎖内の下流オリゴヌクレオチドに隣接する、請求項1または2に記載の方法。
  19. 前記伸長反応が、開裂構造を形成するのに十分な前記伸長領域の長さに相補的なヌクレオチドを重合し、前記伸長領域の前記長さは前記伸長領域が完全に二本鎖の核酸となる長さである、請求項1または2に記載の方法。
  20. 前記伸長反応が、開裂構造を形成するのに十分な前記伸長領域の長さに相補的なヌクレオチドを重合し、前記伸長領域の前記鋳型鎖が相補的な重合された核酸の3’末端と下流オリゴヌクレオチドとの間で2ヌクレオチドのギャップを含むような前記伸長領域の前記長さである、請求項1または2に記載の方法。
  21. 前記伸長反応が、開裂構造を形成するのに十分な前記伸長領域の長さに相補的なヌクレオチドを重合し、前記伸長領域の前記鋳型鎖が相補的な重合された核酸の3’末端と下流オリゴヌクレオチドとの間で4ヌクレオチドのギャップを含むような前記伸長領域の前記長さである、請求項1または2に記載の方法。
  22. 前記伸長反応が、開裂構造を形成するのに十分な前記伸長領域の長さに相補的なヌクレオチドを重合し、前記伸長領域の前記鋳型鎖が相補的な重合された核酸の3’末端と下流オリゴヌクレオチドとの間で6ヌクレオチドのギャップを含むような前記伸長領域の前記長さである、請求項1または2に記載の方法。
  23. 前記伸長反応が、開裂構造を形成するのに十分な前記伸長領域の長さに相補的なヌクレオチドを重合し、前記伸長領域の前記鋳型鎖が相補的な重合された核酸の3’末端と下流オリゴヌクレオチドとの間で8ヌクレオチドのギャップを含むような前記伸長領域の前記長さである、請求項1または2に記載の方法。
  24. 前記伸長反応が、開裂構造を形成するのに十分な前記伸長領域の長さに相補的なヌクレオチドを重合し、前記伸長領域の前記鋳型鎖が相補的な重合された核酸の3’末端と下流オリゴヌクレオチドとの間で10ヌクレオチドのギャップを含むような前記伸長領域の前記長さである、請求項1または2に記載の方法。
  25. 前記第二のオリゴヌクレオチドが検出可能な標識を含まない、請求項1または2に記載の方法。
  26. 前記一対の相互作用する標識が、フルオロフォアとクエンチャーとを含む、請求項1または2に記載の方法。
  27. 前記信号の検出が、前記第三のオリゴヌクレオチドが遊離する際に前記一対の相互作用する標識の前記第一のメンバーと、第二のメンバーとの間で蛍光性の変化を検出するステップを含む、請求項1または2に記載の方法。
  28. 前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’部分が、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’部分に少なくとも部分的に相補的である、請求項1または2に記載の方法。
  29. 前記第二のオリゴヌクレオチドの前記3’部分と前記5’部分とが、前記第二のオリゴヌクレオチドが前記標的核酸とハイブリダイズしない場合にステム構造を形成する、請求項1または2に記載の方法。
  30. 前記第二のオリゴヌクレオチドが、前記第二のオリゴヌクレオチドの前記5’部分と前記3’部分との間にリンカー配列をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  31. 前記リンカー配列が前記標的核酸に相補的でないが、前記鋳型核酸の第一の部分に相補的である、請求項30に記載の方法。
  32. 前記第二のオリゴヌクレオチドの3’ヌクレオチドが遮断されている、請求項1または2に記載の方法。
  33. 前記鋳型核酸の3’ヌクレオチドが遮断されている、請求項1または2に記載の方法。
  34. 前記重合活性がポリメラーゼにより提供される、請求項1または2に記載の方法。
  35. 前記第一の開裂構造と前記第二の開裂構造とが、前記ポリメラーゼによる前記第二のオリゴヌクレオチドと、前記第三のオリゴヌクレオチドとの置換によって形成される、請求項1または2に記載の方法。
  36. 前記一連の反応条件が固体基質上で行われる、請求項1または2に記載の方法。
  37. (i)3’から5’の順に第一の領域と、伸長領域と、第二の領域とを含む標的核酸と、
    (ii)3’から5’の順に第一の領域と、伸長領域と、第二の領域とを含む鋳型核酸であって、一対の相互作用する標識の第一のメンバーを有する鋳型核酸と、
    (iii)前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第一のオリゴヌクレオチドと、
    (iv)5’領域と3’領域とを含み、前記3’領域が前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域が前記標的核酸に相補的でないが前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である、第二のオリゴヌクレオチドと、
    (v)5’領域と3’領域とを含み、前記3’領域が前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域が前記鋳型核酸に相補的でない第三のオリゴヌクレオチドであって、前記一対の相互作用する標識の第二のメンバーを有し、前記一対の相互作用する標識の前記第二のメンバーが、前記第三のオリゴヌクレオチドの3’ヌクレオチドと作用可能に結合される前記第三のオリゴヌクレオチドと
    を含む組成物。
  38. (i)3’から5’の順に第一の領域と、伸長領域と、第二の領域とを含む標的核酸と、
    (ii)3’から5’の順に第一の領域と、伸長領域と、第二の領域とを含む鋳型核酸であって、一対の相互作用する標識の第一のメンバーを有する鋳型核酸と、
    (iii)前記標的核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である第一のオリゴヌクレオチドと、
    (iv)5’領域と3’領域とを含み、前記3’領域が前記標的核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域が前記標的核酸に相補的でないが前記鋳型核酸の前記第一の領域に少なくとも部分的に相補的である、第二のオリゴヌクレオチドと、
    (v)5’領域と3’領域とを含み、前記3’領域が前記鋳型核酸の前記第二の領域に少なくとも部分的に相補的であり、前記5’領域が前記鋳型核酸の前記第二の領域の3’である領域に少なくとも部分的に相補的である第三のオリゴヌクレオチドであって、前記一対の相互作用する標識の第二のメンバーを有し、前記一対の相互作用する標識の前記第二のメンバーが、前記第三のオリゴヌクレオチドの3’ヌクレオチドと作用可能に結合される前記第三のオリゴヌクレオチドと
    を含む組成物。
  39. 開裂手段をさらに含む、請求項37または38に記載の組成物。
  40. ポリメラーゼをさらに含む、請求項37または38に記載の組成物。
  41. 請求項37または38に記載の組成物と、その包装材料とを含む、キット。
  42. 開裂手段をさらに含む、請求項41に記載のキット。
  43. 核酸ポリメラーゼをさらに含む、請求項41に記載のキット。
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