JP4960503B2 - コード板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エンコーダに使用されるコード板に係り、特に、安定した出力特性を得ることが出来でき、A/D変換器等を必要とせず、信頼性に優れたコード板及びその製造方法に関する。
下記特許文献1には、エンコーダに関する発明が開示されている。
特許文献1に記載された発明には、金属基板の表面に多数の凹凸が形成されており、その表面に抵抗皮膜が形成されたコード板が開示されている。そして抵抗皮膜には薄肉部と厚肉部とが形成され薄肉部上に摺動子が接触したときは電気抵抗値が小さくなり、厚肉部上に摺動子が接触したときは電気抵抗値が大きくなるとしている。そして、取り出した出力波形をA/D変換等で波形成形することにより回転情報が得られるとしている(特許文献1の[0013]欄等)。
しかしながら特許文献1のように金属基板の表面に凹凸を設け、その上に薄肉部と厚肉部を有する抵抗皮膜を形成する形態では、抵抗のばらつきが大きくなり、安定した出力特性を得ることが難しい。
また特許文献1に記載されたエンコーダではアナログ出力が得られるためデジタル信号化するにはA/D変換器等の処理回路を必要とした。
特開平6−94476号公報
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、特に、安定した出力特性を得ることができ、A/D変換器等を必要とせず、信頼性の高いコード板及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、摺動子との摺動面にオン信号を得るためのオン領域とオフ信号を得るためのオフ領域とが交互に形成されたコード板において、
前記オン領域と前記オフ領域が共に導電層の表面で形成されており、前記オン領域と前記オフ領域の間に、前記オン領域と前記オフ領域とを区画し絶縁材料で形成された第1分離ラインが設けられていることを特徴とするものである。
このように本発明では、導電性のオン領域とオフ領域との間に絶縁性の第1分離ラインを設けたため、特許文献1にように抵抗皮膜の膜厚で抵抗値を調整する形態に比べて抵抗のばらつきを小さく抑えることができ、安定した出力特性を得ることが出来る。また、オン領域とオフ領域とが絶縁性の第1分離ラインで絶縁されているので、デジタル的な出力を得ることができ、A/D変換器を必要としない等、出力信号の処理を特許文献1に記載された発明に比べて容易化できる。
本発明では、前記摺動面に現れる前記オン領域、前記オフ領域、及び前記第1分離ラインが同一面で形成されていることが好ましい。これにより、摺動子がオン領域上及びオフ領域上を交互に相対的に摺動したときの摺動摩擦力を小さくかつ段差による急激な変化をなくし、ほぼ一定の摩擦力に出来る。したがって製品の長寿命化が可能である。
本発明では、前記オン領域を構成する第1の導電層と前記オフ領域を構成する第2の導電層が同じ材質で形成されていることが好ましい。摺動子が同じ材料のオン領域上及びオフ領域上を同一面上で相対的に摺動するため、より効果的に長寿命化が可能である。また材料を共通に出来るので、製造コストを低減できる。
また本発明では、前記オフ領域の幅寸法が、前記オン領域の幅寸法より大きいことが好ましい。これにより、摺動子の接触部に摺動方向における幅があり、面接触状態で摺動するものであっても、50%に近い出力パルスのデューティ比を得ることが出来る。
また本発明では、前記第1分離ラインが前記摺動面の全周にわたって連続して形成されており、前記導電層が樹脂で形成された絶縁基板により支持され、前記第1分離ラインが前記樹脂により形成されていることが好ましい。これにより、例えば、導電層をレーザー光照射により分離して第1分離ラインを形成し、樹脂の充填により絶縁性の第1分離ラインと絶縁基板を形成できるため、コード板を簡単な構成で生産性良く製造できる。
また本発明では、前記オン領域は、前記摺動面の全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるA相オン領域と、前記A相オン領域とは径方向の位置が異なる領域に全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるB相オン領域で形成されると共に、前記A相オン領域及びB相オン領域とは径方向にずれた異なる領域に設けられ前記オン領域と導通するコモン領域を有し、前記オフ領域は前記A相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるA相オフ領域と、前記B相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるB相オフ領域とで構成されており、前記コモン領域、前記A相オン領域及び前記B相オン領域と、前記A相オフ領域及び前記B相オフ領域とを区画する前記第1分離ラインが一筆書きパターンで形成されていることが好ましい。これにより、オン領域とオフ領域とを簡単に区画でき、またA相とB相のパターンずれを小さくできる。
また本発明では、前記オン領域は、前記摺動面の全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるA相オン領域と、前記A相オン領域とは径方向の位置が異なる領域に全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるB相オン領域で形成されると共に、前記A相オン領域及びB相オン領域とは径方向にずれた異なる領域に設けられ前記オン領域と導通するコモン領域を有し、前記オフ領域は前記A相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるA相オフ領域と、前記B相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるB相オフ領域とで構成されており、前記A相オフ領域と、前記B相オフ領域とが絶縁されていることが好ましい。これにより誤信号が出力されるのを防止することが出来る。
本発明では、前記周方向に対して直交する方向に、前記コモン領域、前記A相オン領域、及び前記B相オン領域の順に配置されており、隣接するA相オフ領域及び前記B相オフ領域の間が、絶縁材料で形成された第2分離ラインにより絶縁されていることが好ましい。第2分離ラインの形成により、A相オフ領域とB相オフ領域とを簡単に分離することができる。また上記の構成では、A相とB相のパターン(トラック)とが隣り合っているので、出力波形及び位相差を高精度に制御しやすく、しかも第2分離ラインの形成により、誤信号の出力を効果的に、防止することが出来る。
本発明では、例えば、前記第2分離ラインは、前記第1分離ラインからの引き回しパターンで形成される。あるいは、前記第2分離ラインは、前記第1分離ラインからの分岐パターンで形成されてもよい。
また本発明では、前記A相オン領域と前記B相オン領域とが周方向にずれて配置されていることが好ましい。これにより、A相信号用の摺動子とB相信号用の摺動子とを、同一直線上に配置させることができ、A相信号とB相信号との必要な位相差を精度良く得ることができる。
また本発明は、摺動子との摺動面にオン信号を得るためのオン領域とオフ信号を得るためのオフ領域とを交互に形成するコード板の製造方法において、
転写板上に、導電性粒子とバインダー樹脂とを有する導電ペーストを印刷して導電層を形成する工程、
前記導電層を表面が前記オン領域となる第1の導電層と、表面が前記オフ領域となる第2の導電層に分離し、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間に溝部からなる第1分離ラインを形成する工程、
前記転写板上に形成した前記導電層を金型内に配置し、溶融した樹脂を前記金型内に流し込み、このとき、前記溝部からなる第1分離ライン、及び前記第1の導電層上と前記第2の導電層上を前記樹脂で埋める工程、
前記転写板を剥離し、前記導電層を前記樹脂からなる絶縁基板に転写して、前記摺動面に現れる前記オン領域、前記オフ領域、及び前記樹脂で形成された前記第1分離ラインを同一面で形成する工程、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、オン領域とオフ領域とを分離する第1分離ラインを確実且つ容易に形成できる。また上記の製造方法では、摺動面に現れるオン領域、オフ領域、及び樹脂で形成された第1分離ラインを簡単且つ適切に同一面で形成できる。よって本発明では長寿命で出力安定性に優れたコード板を簡単な製造方法で製造することが可能である。
また本発明では、前記導電層をレーザー光照射により前記第1の導電層と前記第2の導電層とに分離することが好ましい。これにより第1の導電層と第2の導電層とに高精度に分離できる。また、レーザー描画のプログラムを変更するだけで多品種小ロットの様々なコード板を簡単に生産性良く形成できる。
また本発明では、前記導電層を、前記摺動面の全周にわたって連続して前記第1の導電層と前記第2の導電層とに分離することが好ましい。これにより、連続したレーザー光照射で分離できるので生産性を向上させることができる。
また本発明では、前記オン領域を、前記摺動面の全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるA相オン領域と、前記A相オン領域とは径方向の位置が異なる領域に全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるB相オン領域で形成すると共に、前記A相オン領域及びB相オン領域とは径方向にずれた異なる領域に前記オン領域と導通するコモン領域を形成し、前記オフ領域を、前記A相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるA相オフ領域と、前記B相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるB相オフ領域とで形成するとき、前記コモン領域、前記A相オン領域及び前記B相オン領域と、前記A相オフ領域及び前記B相オフ領域とを区画する前記第1分離ラインを一筆書きパターンで形成することが好ましい。これにより、オン領域とオフ領域とを簡単に区画でき、またA相とB相とのパターンずれを小さくできる。
また本発明では、前記オン領域を、前記摺動面の全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるA相オン領域と、前記A相オン領域とは径方向の位置が異なる領域に全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるB相オン領域で形成すると共に、前記A相オン領域及びB相オン領域とは径方向にずれた異なる領域に前記オン領域と導通するコモン領域を形成し、前記オフ領域を前記A相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるA相オフ領域及び前記B相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるB相オフ領域で形成するとき、前記A相オフ領域と、前記B相オフ領域とを絶縁することが好ましい。これにより、誤信号が出力されるのを防止できるコード板を簡単且つ適切に製造することができる。
本発明では、前記周方向に対して直交する方向に、前記コモン領域、前記A相オン領域、及び前記B相オン領域の順に形成し、隣接する前記A相オフ領域を構成する第2の導電層と、前記B相オフ領域を構成する第2の導電層とを前記樹脂からなる第2分離ラインにより分離することが好ましい。これにより、A相とB相のパターン(トラック)とが隣り合っていても、第2分離ラインの形成により、簡単に、A相オフ領域とB相オフ領域とを分離することができる。
本発明では、前記第2分離ラインを前記第1分離ラインからの引き回しパターンで形成することができる。例えば上記したレーザー光照射により、簡単に、第1分離ラインから第2分離ラインを引き回して形成することができる。
また本発明では、前記第2分離ラインを、前記第1分離ラインからの分岐パターンで形成することも可能である。
また本発明では、前記A相オン領域と前記B相オン領域とを周方向にずらして形成するのが望ましい。このようにすると、A相信号用の摺動子とB相信号用の摺動子とを、同一直線上に配置させることができ、A相信号とB相信号との必要な位相差を精度良く確保することが可能となって、高分解能のエンコーダに対応することができる。
また本発明では、カーボン粉と第1のバインダー樹脂とを有する導電ペーストを印刷して前記転写板上に表面側導電層を形成し、
次に、銀粉と第2のバインダー樹脂とを有する導電ペーストを前記表面側導電層上に印刷して内側導電層を形成することが好ましい。これにより耐環境性を向上させることができるとともに導通抵抗を低減できる。
本発明のコード板によれば、安定した出力特性を得ることが出来でき、A/D変換器等を必要とせず、高い信頼性を得ることが出来る。また、本発明では長寿命で出力安定性に優れたコード板を簡単な製造方法で製造することが可能である。
図1は、第1実施形態におけるコード板の平面図、図2は図1の一部を誇張して示した拡大平面図、図3は、図1に示すA−A線に沿って切断したときの部分拡大断面図、図4は、第2実施形態におけるコード板の平面図、図5は、第3実施形態におけるコード板の部分拡大斜視図、図6は、第3実施形態における出力パルス波形、図7は、エンコーダ回路図、図8は、第1実施形態の不具合を説明するための部分拡大斜視図、図9は、図8で説明した不具合が生じた場合における出力パルス波形、図10は、第4実施形態におけるコード板の平面図、である。なお、図3においては、B相パルス信号(V)の信号波形と信号のオン/オフが切り換わるタイミングでの摺動子の位置とを追加して図示している。
図1に示す実施形態では、回転型エンコーダに用いられるコード板1の摺動面(表面)1aは円形状で形成されているが形状は特に限定されるものではない。この実施形態では例えばコード板1が回転する可動側であり、摺動子9(図3参照)が固定側となる回転型エンコーダの場合を示している。コード板1の中央1bには例えば貫通孔が形成されており、コード板1の中央1bに回転軸が挿着され、このコード板1が回転軸を中心として回転可能に支持されている。なおコード板1の中央1bに貫通孔が形成されずにコード板1が凹凸嵌合あるいは一体形成される構成によって回転軸にて支持された形態でもよい。またコード板1が固定側で摺動子が回転する可動側となる回転型エンコーダであってもよい。
図1,図2に示すように、コード板1の摺動面1aには、中央1b側にリング状のコモン領域10が形成されており(中央1bに貫通孔が形成されない形態ではコモン領域10は単なる円状でもよい)、このコモン領域(オン領域)10の外周に沿って周方向に所定の間隔を空けて径方向に突出するA相オン領域11が形成され、さらにA相オン領域11の外周側に連続し、A相オン領域11に対し周方向(時計回り方向)にずらしてB相オン領域12が配置されている。
周方向におけるA相オン領域11の間、及びB相オン領域12の間は共にオフ領域3である。本実施形態では、コモン領域10、A相オン領域11、及びB相オン領域12のオン領域2は第1の導電層7aの表面で形成され、オフ領域3は第2の導電層7bの表面で形成される。
本実施形態では、コモン領域10、A相オン領域11及びB相オン領域12で構成されるオン領域2と、オフ領域3との間は第1分離ライン4によって区画されている。第1分離ライン4は、後述するように導電層を第1の導電層7aと第2の導電層7bとに例えばレーザー光照射により分離し、分離された第1の導電層7aと第2の導電層7bとの間に樹脂を充填して形成されたものである。
A相オン領域11、B相オン領域12及びオフ領域3の円周方向における幅は、概ね100μm〜200μmで、第1分離ライン4の幅は概ね20〜40μmであり、パルス数の極めて多いエンコーダ用コード板を形成可能である。
図3に示す実施形態では、第1の導電層7a及び第2の導電層7bは共に積層構造である。導電層7a,7bは、表面側導電層5と内側導電層6とで構成され、表面側導電層5の表面が摺動面1aに露出している。
この実施形態では表面側導電層5は、カーボン粉と第1のバインダー樹脂とを有して形成される。カーボン粉は、例えば、カーボンブラックとカーボンファイバーを混合させたものである。
内側導電層6は、銀粉と第2のバインダー樹脂を有して構成される。内側導電層6に含まれる導電性粒子は、主成分の銀粉及び、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は、酸化ビスマス及びカーボンを有する複合粉であることが好適である。
また第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂には、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましく使用できる。
図1に示す実施形態では、第1分離ライン4は摺動面1aの全周にわたって連続した一筆書きパターンで形成される。例えば図1のように第1分離ライン4はミアンダ状(より具体的には略歯車状)に形成されており、これにより、第1分離ライン4により区画されたA相オン領域11及びB相オン領域12とオフ領域3とが円周方向に沿って交互に配置される。
図3に示すように、第1の導電層7a及び第2の導電層7bが樹脂で形成された絶縁基板8により支持されている。図3に示すように、この樹脂は、第1の導電層7aと第2の導電層7b間にも介在しているため、摺動面1aに現れる第1分離ライン4も絶縁基板8と同じ樹脂により形成されている。
図示しないコモン摺動子は、コード板1の全周にわたって環状または円形状に形成されたコモン領域10上を相対的に摺動する。また図示しない第1の摺動子は、コモン領域10とは径方向の位置(径寸法)が異なる領域(トラック)に形成されたA相オン領域11と、A相オン領域11間のオフ領域3とを交互に相対的に摺動する。さらに第2の摺動子9は、コモン領域10及びA相オン領域11とは径方向の位置(径寸法)の異なる領域、すなわち、A相オン領域11よりも外周側の領域(トラック)に形成されたB相オン領域12と、B相オン領域12間のオフ領域3とを交互に相対的に摺動する。なお、A相オン領域11と、A相オン領域11間のオフ領域3とで、A相信号用パターンが形成されており、同様に、B相オン領域12と、B相オン領域12間のオフ領域3とでB相信号用パターンが形成されている。
コード板1が回転することにより、第1の摺動子が、A相オン領域11上を相対的に摺動しているときは、第1の摺動子とコモン摺動子とが電気的に接続され、オン(ON)信号が出力される。一方、第1の摺動子がオフ領域3上を相対的に摺動すると第1の摺動子とコモン摺動子が電気的に切断され、オフ(OFF)信号が出力される。そして、このオン信号とオフ信号が交互に繰り返され、A相パルス信号(V)が出力される。
また、同様に、第2の摺動子9がB相オン領域12上を相対的に摺動するときは、第2の摺動子9とコモン摺動子とが電気的に接続され、オン(ON)信号が出力される。一方、第2の摺動子9がオフ領域3上を相対的に摺動すると第2の摺動子9とコモン摺動子が電気的に切断され、オフ(OFF)信号が出力される。そして、このオン信号とオフ信号が交互に繰り返され、B相パルス信号(V)が出力される(図3参照)。
図1,図2に示す実施形態では、A相のパルスと、B相のパルスのタイミング(位相)が90度(1パルスの1/4分)ずれて出力されるように、B相オン領域12とA相オン領域11とが円周方向にずれて配置されている。このように、本実施形態では、A相オン領域11とB相オン領域12とを周方向にずらすことにより、A相パルス信号とB相パルス信号の位相差を得るようにしているため、A相用の第1の摺動子とB相用の第2の摺動子とをコード板1の径方向に沿って並べて配置できるので、位相差の精度を高めることが可能である。そして各パルスの出力を測定することで回転状態(回転方向と回転量)を検知できるようになっている。特に図1の形態では、A相用パターン(トラック)とB相用パターン(トラック)とが隣り合っており、また、コード板1の中央1b側にコモン領域10を設け、その外周側にA相及びB相用パターンを形成しているので、A相及びB相パターンを広い領域に形成でき、出力波形や位相差を高精度に制御することができる。
本実施形態のコード板1の特徴的構成について以下に説明する。本実施形態では、オン領域2とオフ領域3が共に導電層7a,7bの表面で形成されており、オン領域2とオフ領域3の間に、オン領域2とオフ領域3とを区画し絶縁材料で形成された第1分離ライン4が設けられている。
これにより、特許文献1にように抵抗皮膜の膜厚で抵抗を調整するよりも抵抗のばらつきを小さく抑えることができ、安定した出力特性を得ることが出来る。また、デジタル的な2値の出力を得ることができ、A/D変換器を必要としない等、出力信号の処理を特許文献1に記載された発明に比べて容易化できる。さらにオフ領域3もオン領域2と同様に導電層7bの表面で形成されるため、摺動子がオン領域2上及びオフ領域3上を交互に摺動したときの摺動摩擦をほぼ同じに出来る。またオン領域2、オフ領域3との間を幅細の第1分離ライン4で区切り、オン領域2、オフ領域3と第1分離ライン4を同一面で形成できるので、例えばオフ領域3を絶縁基板8と同様の樹脂で形成する場合に比べて長期間の使用によっても摺動面1aに段差は生じにくい。したがってエンコーダの長寿命化が可能である。
また、オン領域2を構成する第1の導電層7aとオフ領域3を構成する第2の導電層7bが同じ材質で形成されることが好ましい。これにより摺動子が同じ材料のオン領域2及びオフ領域3上を摺動するため、より効果的に長寿命化を図ることが出来る。また材料を共通にすることで製造コストを低減できる。
図3に示すように、オフ領域3の幅寸法T4は、オン領域2の幅寸法T3より大きく形成されていることが好ましい。摺動子9の摺動方向の幅寸法T5によってオン信号を生成する領域が増えるため、例えばオフ領域3の幅寸法T4をオン領域2の幅寸法T3と同じに設定すると、実質的に、オン領域2がオフ領域3よりも広がる。その結果、出力パルスのデューティ比を50%に近づけることができなくなる。
よって、摺動子9の幅寸法T5を考慮して、オフ領域3の幅寸法T4を、オン領域2の幅寸法T3より大きく形成し、オン信号のパルス幅T1とオフ信号のパルス幅T2とがほぼ同じになるように、幅寸法T3と幅寸法T4の調整することがより好適である(図3参照)。なお、摺動子は、導電性を有する金属板などの金属材料で形成されるが、理解をしやすくするために、便宜上、図3においては、摺動子9を柱状に現している。
幅寸法T3および幅寸法T4の関係は次に示される式で調整が可能である。
T3=T1−T5、 T4=T2+T5−2×T6
ここで、T6は第1分離ライン4の幅寸法である。
また、第1分離ライン4が摺動面1aの全周にわたって連続して形成されており、第1分離ライン4が絶縁基板8と同じ樹脂により形成されていることで、例えば、導電層をレーザー光照射により分離して第1分離ライン4を形成し、樹脂の充填により絶縁性の第1分離ライン4と絶縁基板8を形成できるため、コード板を簡単な構造で生産性良く形成できる。
図4に示す実施形態では、コモン領域20の外周側に所定の間隔を周方向に空けてA相オン領域21が形成され、コモン領域20の内周側に所定の間隔を空けて周方向にB相オン領域22が形成される。コモン領域20、A相オン領域21及びB相オン領域22は第1の導電層の表面で形成されたオン領域23である。図1の実施形態と同様に、A相のパルスと、B相のパルスのタイミング(位相)が90度(1パルスの1/4分)ずれて出力されるように、B相オン領域22とA相オン領域21とがコモン領域20に対して円周方向にずれて配置されている。
図4の実施形態でもA相オン領域21間、及びB相オン領域22間が第2の導電層の表面で形成されたオフ領域24であり、オン領域23とオフ領域24とが絶縁性の第1分離ライン25により区画されている。第1分離ライン25は図1の実施形態と同様に円周方向にわたって連続的に形成されているが、図4の実施形態では、第1分離ライン25が摺動面の外側と内側に2本設けられる。本実施形態では、第1分離ライン25の本数は限定しない。ただし図1のように、周方向に対して直交する方向、すなわち径方向にコモン領域、A相領域、B相領域の順に配置し、一筆書きパターンの第1分離ライン4によりコモン領域10、A相オン領域11、B相オン領域12を区画することで、オン領域とオフ領域とを簡単に区画でき、また、A相用パターンとB相用パターンとを隣接させることができるので、A相オン領域11とB相オン領域12とのパターンずれを小さくできる。
次に図5に示す第3実施形態は、図1に示す第1実施形態の構成を改良したものである。
図5では、第1分離ライン4により画定された隣接するA相オフ領域3aとB相オフ領域3bとの間が、絶縁材料で形成された第2分離ライン31により絶縁されている。
一方、図8は、図5と違って、A相オフ領域3aとB相オフ領域3bとの間を第2分離ライン31により絶縁していない。
今、図8に示すように、B相領域(トラック)上を摺動する第2の摺動子9がB相オフ領域3b上に位置し、一方、A相領域(トラック)上を摺動する第1の摺動子13が、ちょうど、第1分離ライン4上に位置しているとする。このとき、金属板等からなる第1の摺動子13の接触面13aが第1分離ライン4の幅より大きいと、第1の摺動子13が、オン領域2(A相オン領域11)とオフ領域3(A相オフ領域3a)の両方に接触した状態となる。するとB相オフ領域3b上に位置している第2の摺動子9が、A相オン領域11と接している第1の摺動子13と第2の導電層7bを介して導通し、ひいてはコモン領域10上を摺動するコモン摺動子(図示せず)と導通することになる(図8には電流パスを矢印で示している)。よって図7の回路図に示すように、本来、コモン摺動子と導通せずに開回路状態であるはずのB相回路が、同図の破線で示すようにコモン摺動子と導通した状態になって閉回路になり、出力が5Vから0Vに低下し、図9のように、オフ信号が出力されるはずの摺動位置で、誤信号としてオン信号が一瞬、出力されてしまう。図9のようにA相についても同様の現象が生じる。
これに対して、図5のように、第1分離ライン4により画定された隣接するA相オフ領域3aとB相オフ領域3bとの間を、第2分離ライン31により絶縁した状態にすると、図8の場合と同様に、A相領域上を摺動する第1の摺動子13が、ちょうど、第1分離ライン4上に位置しても、B相オフ領域3b上に位置している第2の摺動子9が、A相オン領域11(オン領域2)に接している第1の摺動子13(及びコモン摺動子)と導通しない。
よって、第2の摺動子9がB相オフ領域3b上に位置している間、図7に示すB相回路は、開回路の状態を維持する。したがって、図6に示すように、矩形状のパルス信号を高精度に出力でき、誤信号が出力されるのを効果的に防止できる。
図5では、第2分離ライン31は第1分離ライン4からの引き回しパターンで形成されている。これにより、第1分離ライン4及び第2分離ライン31を一筆書きパターンで形成することができる。
あるいは図10に示すように第2分離ライン31は第1分離ライン4からの分岐パターンで形成されてもよい。
本実施形態では第2分離ライン31のパターン形状を限定するものでない。第2の導電層7bで形成されるA相オフ領域3aとB相オフ領域3bが隣接する形態で、第2分離ライン31によりA相オフ領域3aとB相オフ領域3bとを絶縁できればよい。
本実施形態では第2分離ライン31は、第1分離ライン4と同様に、絶縁基板8と同じ樹脂により形成され、第1分離ライン4、第2分離ライン31、オン領域2及びオフ領域3が全て同一面で形成されることが好適である。
なお図4の形態のように周方向に対して直交する方向である径方向に、A相領域、コモン領域、B相領域の順に配置された構成では、2本の第1分離ライン25によって、A相オフ領域24aと、B相オフ領域24bとは絶縁された状態にある。よって図4の形態では第2分離ライン31の形成が不要である。
図11ないし図15は、本実施形態のコード板の製造方法を示す工程の説明図である。図11(a)、図12(a)、図13(a)、及び図14ないし図15は、いずれも図11(b)、図12(b)、図13(b)のB−B線に沿って切断した、製造工程中におけるコード板の部分断面図であり、図11(b)、図12(b)は夫々、図11(a)、図12(a)の平面図である。ただし図13(b)は、図13(a)の矢印方向から転写板30を透視して見た裏面図である。
図11に示す工程では、例えば黄銅板で形成された転写板30上に、第1の導電ペーストをスクリーン印刷して表面側導電層5を形成する。転写板30の表面は予め鏡面加工されている。転写板30は金属であることが好適である。転写板30を熱収縮しない金属で形成することにより、表面側導電層5の熱収縮の効果で最終工程で転写板30を剥離しやすい。また、導電層7a,7bに十分な加熱処理を加えることが出来るため、摺動面1aの耐摩耗性を高めることができる。
本実施形態では、第1の溶媒に、第1のバインダー樹脂を溶解させ、これに例えばカーボンブラックと、カーボンファイバー(平均粒径3〜30μmのカーボンファイバーの粉砕粉)を混合させたものを第1の導電ペーストとする。例えば、第1のバインダー樹脂は、30〜95体積%、カーボンブラック及びカーボンファイバーは合わせて5〜70体積%である(溶媒を除いた第1のバインダー樹脂、カーボンブラック、カーボンファイバーの合計が100体積%)。
転写板30の表面全体に、ペースト状の表面側導電層5をスクリーン印刷する。
印刷後、乾燥炉を用いて、表面側導電層5を例えば100℃〜250℃で10分〜60分乾燥させ、第1の溶媒を蒸発させて除去する。
次に図12に示す工程では、表面側導電層5上に、ペースト状の内側導電層6をスクリーン印刷にてパターン形成する。
第2の導電ペーストは、第2の溶媒中に、第2のバインダー樹脂及び、主成分の銀と、酸化ビスマス、あるいは、カーボン、又は酸化ビスマス及びカーボンとを有する複合粉等の銀を主成分とした導電性粒子を混合したものであることが好適である。例えば、第2のバインダー樹脂は、50〜95体積%、導電性粒子は、5〜50体積%である(溶媒を除いた第2のバインダー樹脂、前記導電性粒子の合計が100体積%)。
印刷後に、乾燥炉を用いて、スクリーン印刷したペースト状の内側導電層6を例えば、100〜260℃で10〜60分間乾燥させて、第2の溶媒を蒸発させて除去する。
表面側導電層5及び内側導電層6の乾燥を同時に行ってもよい。
次に図13の工程では、表面側導電層5及び内側導電層6を第1の導電層7aと第2の導電層7bに分離し、第1の導電層7aと第2の導電層7bとの間に溝部からなる第1分離ライン4を形成する。第1の導電層7aの表面(表面側導電層5の転写板30との対向面)はオン領域2であり、第2の導電層7bの表面(表面側導電層5の転写板30との対向面)はオフ領域3である。
図13に示す実施形態では、オン領域2とオフ領域3を区画する溝部からなる第1分離ライン4をレーザー光照射により例えば、一筆書きパターンで形成している。例えば図13(b)(図13(a)の矢印方向から転写板30を透視した裏面図)のように第1分離ライン4を略歯車状に形成する。これにより摺動面1aがオン領域2であるコモン領域10、A相オン領域11及びB相オン領域12と、A相オン領域11間及びB相オン領域12間のオフ領域3とに区画される。B相オン領域12はA相オン領域11に対して周方向(時計回り方向)にずれて配置される。図13(b)のように第1分離ライン4にて区画されたA相オン領域11及びB相オン領域12とオフ領域3とが円周方向に沿って交互に形成される。
レーザー光照射装置としては、たとえば、SUNX(株)社製のLP−V10やLP−V15(いずれも、励起波長:1064nm、増幅方式:イッテリビウムによる出力増幅)を好ましく使用できる。このレーザーはYAGレーザーに分類されるものであり、レーザー出力は例えば12Wである。
第1分離ライン4は例えばエッチングにて形成することも出来るが、上記のように第1分離ライン4をYAGレーザー等を用いて図13(b)に示すように例えば、一筆書きパターンで形成することで加工時間を短く出来、さらに高精度にオン領域2とオフ領域3とに区画できるといった効果がある。
次に、加熱炉において400℃程度の温度で1〜2時間加熱し、表面側導電層5に含まれる第1のバインダー樹脂及び、内側導電層6に含まれる第2のバインダー樹脂を同時に熱硬化する。これにより表面側導電層5は熱硬化したバインダー樹脂中にカーボン粉が分散した膜構造になり、内側導電層6は熱硬化したバインダー樹脂中に複合粉が分散した膜構造になる。
ここで第1の溶媒及び第2の溶媒には、酢酸カルビトール、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、モノグライム、ジグライム、メチルトリグライム等を使用できる。
また、第1のバインダー樹脂及び第2のバインダー樹脂には、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂を選択できる。なおバインダー樹脂に、アセチレン末端ポリイソイミドオリゴマーを含むことがガラス転移温度(Tg)を高くでき耐熱性を向上させる上で好ましい。
次に図14に示す工程では、転写板30上に形成した導電層を金型40内に配置する。そして、金型40のキャビティ43に溶融状態の例えばエポキシ樹脂を射出する。このとき、エポキシ樹脂は、第1の導電層7aと第2の導電層7bとの間の溝部からなる第1分離ライン4にも適切に流れて、間隔内(溝部)を埋める。これにより第1分離ライン4も樹脂により形成されるものとなる。
金型40の温度は例えば160〜200℃であり、エポキシ樹脂が硬化して絶縁基板8が成形される。そして、転写板30が付いた絶縁基板8を金型40から取り出し、図15に示すように、転写板30を絶縁基板8から剥離し、導電層7a,7bを絶縁基板8に転写すると、コード板1が完成する。
本実施形態の製造方法によれば、第1の導電層7aの表面であるオン領域2と第2の導電層7bの表面であるオフ領域3とを分離して絶縁する第1分離ライン4を確実且つ容易に形成できる。また本実施形態では、オン領域2、オフ領域3、及び絶縁樹脂からなる第1分離ライン4を同一面で形成できる。よって本実施形態では長寿命で出力安定性に優れたコード板1を簡単な製造方法で安価に製造することが可能である。
また、本実施形態では、導電層をレーザー光照射により第1の導電層7aと第2の導電層7bとに分離することが高精度に分離できて好ましい。例えば、一筆書きパターンのように連続したレーザー光照射で加工できるので、生産性を向上させることができる。またレーザー光照射により幅細の第1分離ライン4を形成しやすい。また第1の導電層7aと第2の導電層7bとに分離するとき、出力パルスのデューティ比を所望の割合とするには摺動子9の摺動方向の幅寸法T5と第1分離ライン4の幅寸法T6を加味して図3で説明したように、オフ領域3の幅寸法T4がオン領域2の幅寸法T3より大きくなるように、第1分離ライン4の加工パターン(描画パターン)を制御することが好適である。特に、図3に示すように、オン信号のパルス幅T1と、オフ信号のパルス幅T2とが同じとなるように、摺動子9の摺動方向の幅寸法T5と第1分離ライン4の幅寸法T6を考慮して加工パターンを制御することで出力パルスのデューティ比を50%により近づけることが可能になり好適である。
また上記のコード板1の製造方法では、導電層を表面側導電層5と内側導電層6の積層構造で形成したが、単層構造であってもよい。ただし本実施形態のように、カーボン粉を含む表面側導電層5を摺動面に露出させ、銀粉を含む内側導電層6を表面側導電層5の内側に重ねて配置し摺動面に露出しないようにすることで、耐環境性を向上させることができるとともに、導通抵抗を低減できる。
また図1のように、周方向に対して直交する方向である径方向に、A相領域とB相領域とが隣り合うコード板を作製する場合は、例えば図13の工程のときに、A相オフ領域3aを構成する第2の導電層7bと、B相オフ領域3bを構成する第2の導電層7bを溝部からなる第2分離ライン31により分離する(図5参照)。そして、図14工程で、溝部からなる第1分離ライン4と共に第2分離ライン31を樹脂で埋める。
図5のように、第2分離ライン31を第1分離ライン4からの引き回しパターンで形成すれば、第1分離ライン4及び第2分離ライン31を図13工程で一筆書きパターンで形成することができる。
あるいは図10のように、第2分離ライン31を第1分離ライン4からの分岐パターンで形成することもできる。例えば、まず、第1分離ライン4をレーザー光照射により形成した後、各A相オフ領域3a及びB相オフ領域3bの間に夫々、溝部からなる第2分離ライン31をレーザー光照射により形成する。
なお、上記したいずれの実施形態においても、A相オン領域とB相オン領域とが周方向にずれて配置されたコード板1で説明したが、本発明はこれに限られない。すなわち、A相オン領域とB相オン領域とが周方向にずれていないコード板であっても良く、この場合には、A相用摺動子とB相用摺動子の両接点部の位置を周方向にずらすことにより、A相パルス信号とB相パルス信号とに所望の位相差が生じるようにすればよい。
また、上記した本実施形態のコード板1は、いずれも、固定された摺動子に対して回転可能に支持される形態のものであるが、例えばコード板1は摺動子に対して相対的にスライド移動可能に支持された形態でもよい。この場合、摺動子の直線的な摺動方向に向けてオン領域とオフ領域とが交互に繰り返された形態となる。
第1実施形態におけるコード板の平面図、 図1の一部を誇張して示した拡大平面図、 図1に示すA−A線に沿って切断したときの部分拡大断面図で、摺動子とB相パルス信号の波形を追加して示す図、 第2実施形態におけるコード板の平面図、 第3実施形態におけるコード板の部分拡大斜視図、 第3実施形態における出力パルス波形図、 エンコーダ回路図、 第1実施形態の不具合を説明するための部分拡大斜視図、 図8で説明した不具合が生じた場合における出力パルス波形図、 第4実施形態におけるコード板の平面図、 本実施形態のコード板の製造方法を示す工程図であり、(a)は、コード板を図11(b)に示すB−B線から膜厚方向に切断したときの部分断面図、(b)は製造工程中のコード板の平面図、 図11の次に行われる工程図であり、(a)は、コード板を図12(b)に示すB−B線から膜厚方向に切断したときの部分断面図、(b)は製造工程中のコード板の平面図、 図12の次に行われる工程図であり、(a)は、前記コード板を図13(b)に示すB−B線から膜厚方向に切断したときの部分断面図、(b)は転写板を透視して見た製造工程中のコード板の裏面図、 図13の次に行われる工程図であり、転写板上の導電層を金型内に配置した状態を示す部分断面図、 図14の次に行われる工程図であり、転写板を剥離する工程を示す部分断面図、
1 コード板
1a 摺動面
2、23 オン領域
3、24 オフ領域
3a、24a A相オフ領域
3b、24b B相オフ領域
4、25 第1分離ライン
5 表面側導電層
6 内側導電層
7a 第1の導電層
7b 第2の導電層
8 絶縁基板
9、13 摺動子
10、20 コモン領域
11、21 A相オン領域
12、22 B相オン領域
30 転写板
31 第2分離ライン
40 金型
43 キャビティ

Claims (21)

  1. 摺動子との摺動面にオン信号を得るためのオン領域とオフ信号を得るためのオフ領域とが交互に形成されたコード板において、
    前記オン領域と前記オフ領域が共に導電層の表面で形成されており、前記オン領域と前記オフ領域の間に、前記オン領域と前記オフ領域とを区画し絶縁材料で形成された第1分離ラインが設けられていることを特徴とするコード板。
  2. 前記摺動面に現れる前記オン領域、前記オフ領域、及び前記第1分離ラインが同一面で形成されている請求項1記載のコード板。
  3. 前記オン領域を構成する第1の導電層と前記オフ領域を構成する第2の導電層が同じ材質で形成されている請求項1又は2に記載のコード板。
  4. 前記オフ領域の幅寸法が、前記オン領域の幅寸法より大きい請求項1ないし3のいずれかに記載のコード板。
  5. 前記第1分離ラインが前記摺動面の全周にわたって連続して形成されており、前記導電層が樹脂で形成された絶縁基板により支持され、前記第1分離ラインが前記樹脂により形成されている請求項1ないし4のいずれかに記載のコード板。
  6. 前記オン領域は、前記摺動面の全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるA相オン領域と、前記A相オン領域とは径方向の位置が異なる領域に全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるB相オン領域で形成されると共に、前記A相オン領域及びB相オン領域とは径方向にずれた異なる領域に設けられ前記オン領域と導通するコモン領域を有し、前記オフ領域は、前記A相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるA相オフ領域と、前記B相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるB相オフ領域とで構成されており、前記コモン領域、前記A相オン領域及び前記B相オン領域と、前記A相オフ領域及び前記B相オフ領域とを区画する前記第1分離ラインが一筆書きパターンで形成されている請求項5記載のコード板。
  7. 前記オン領域は、前記摺動面の全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるA相オン領域と、前記A相オン領域とは径方向の位置が異なる領域に全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるB相オン領域で形成されると共に、前記A相オン領域及びB相オン領域とは径方向にずれた異なる領域に設けられ前記オン領域と導通するコモン領域を有し、前記オフ領域は、前記A相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるA相オフ領域と、前記B相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるB相オフ領域とで構成されており、前記A相オフ領域と、前記B相オフ領域とが絶縁されている請求項1ないし5のいずれかに記載のコード板。
  8. 前記周方向に対して直交する方向に、前記コモン領域、前記A相オン領域、及び前記B相オン領域の順に配置されており、隣接する前記A相オフ領域及び前記B相オフ領域の間が、絶縁材料で形成された第2分離ラインにより絶縁されている請求項7記載のコード板。
  9. 前記第2分離ラインは、前記第1分離ラインからの引き回しパターンで形成される請求項8記載のコード板。
  10. 前記第2分離ラインは、前記第1分離ラインからの分岐パターンで形成される請求項8記載のコード板。
  11. 前記A相オン領域と前記B相オン領域とが周方向にずれて配置されている請求項6ないし10のいずれかに記載のコード板。
  12. 摺動子との摺動面にオン信号を得るためのオン領域とオフ信号を得るためのオフ領域とを交互に形成するコード板の製造方法において、
    転写板上に、導電性粒子とバインダー樹脂とを有する導電ペーストを印刷して導電層を形成する工程、
    前記導電層を表面が前記オン領域となる第1の導電層と、表面が前記オフ領域となる第2の導電層に分離し、前記第1の導電層と前記第2の導電層との間に溝部からなる第1分離ラインを形成する工程、
    前記転写板上に形成した前記導電層を金型内に配置し、溶融した樹脂を前記金型内に流し込み、このとき、前記溝部からなる第1分離ライン、及び前記第1の導電層上と前記第2の導電層上を前記樹脂で埋める工程、
    前記転写板を剥離し、前記導電層を前記樹脂からなる絶縁基板に転写して、前記摺動面に現れる前記オン領域、前記オフ領域、及び前記樹脂で形成された前記第1分離ラインを同一面で形成する工程、
    を有することを特徴とするコード板の製造方法。
  13. 前記導電層をレーザー光照射により前記第1の導電層と前記第2の導電層とに分離する請求項12に記載のコード板の製造方法。
  14. 前記導電層を、前記摺動面の全周にわたって連続して前記第1の導電層と前記第2の導電層とに分離する請求項13記載のコード板の製造方法。
  15. 前記オン領域を、前記摺動面の全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるA相オン領域と、前記A相オン領域とは径方向の位置が異なる領域に全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるB相オン領域で形成すると共に、前記A相オン領域及びB相オン領域とは径方向にずれた異なる領域に前記オン領域と導通するコモン領域を形成し、前記オフ領域を、前記A相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるA相オフ領域と、前記B相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるB相オフ領域とで形成するとき、前記コモン領域、前記A相オン領域及び前記B相オン領域と、前記A相オフ領域及び前記B相オフ領域とを区画する前記第1分離ラインを一筆書きパターンで形成する請求項14記載のコード板の製造方法。
  16. 前記オン領域を、前記摺動面の全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるA相オン領域と、前記A相オン領域とは径方向の位置が異なる領域に全周にわたって周方向に間隔を空けて配置されるB相オン領域で形成すると共に、前記A相オン領域及びB相オン領域とは径方向にずれた異なる領域に前記オン領域と導通するコモン領域を形成し、前記オフ領域を、前記A相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるA相オフ領域及び前記B相オン領域間に前記第1分離ラインを介して形成されるB相オフ領域で形成するとき、前記A相オフ領域と、前記B相オフ領域とを絶縁する請求項12ないし14のいずれかに記載のコード板の製造方法。
  17. 前記周方向に対して直交する方向に、前記コモン領域、前記A相オン領域、及び前記B相オン領域の順に形成し、隣接する前記A相オフ領域を構成する第2の導電層と、前記B相オフ領域を構成する第2の導電層とを前記樹脂からなる第2分離ラインにより分離する請求項16記載のコード板の製造方法。
  18. 前記第2分離ラインを前記第1分離ラインからの引き回しパターンで形成する請求項17記載のコード板の製造方法。
  19. 前記第2分離ラインを、前記第1分離ラインからの分岐パターンで形成する請求項17記載のコード板の製造方法。
  20. 前記A相オン領域と前記B相オン領域とを周方向にずらして形成する請求項15ないし19のいずれかに記載のコード板の製造方法。
  21. カーボン粉と第1のバインダー樹脂とを有する導電ペーストを印刷して前記転写板上に表面側導電層を形成し、
    次に、銀粉と第2のバインダー樹脂とを有する導電ペーストを前記表面側導電層上に印刷して内側導電層を形成する請求項12ないし20のいずれかに記載のコード板の製造方法。
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