本発明は、本発明の例示的実施形態の下記の詳細な説明およびその中に包含されている実施例を参照することによって、より容易に理解されよう。
本発明の化合物、組成物および方法を開示し説明する前に、本発明は、当然ながら一様ではない作製の特定の合成法に限定されないことを理解すべきである。本明細書において使用する用語は特定の実施形態を説明するためだけであり、限定的なものではないこともまた理解すべきである。
本発明はまた、本発明の化合物の薬剤学的に許容できる酸付加塩にも関する。本発明の上記の塩基性化合物の薬剤学的に許容できる酸付加塩を調製するために使用される酸は、無毒性の酸付加塩(すなわち、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトアート)などの薬理学的に許容できるアニオンを含有する塩)塩を形成する酸である。
本発明はまた、本発明の化合物の塩基付加塩にも関する。本発明のそれらの化合物(本質的には酸性である)の薬剤学的に許容できる塩基性塩を調製するために試薬として使用し得る化学塩基は、このような化合物と共に無毒性の塩基性塩を形成する塩基である。このような無毒性の塩基性塩には、それだけに限らないが、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)ならびにアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)などの薬理学的に許容できるカチオンから誘導される塩、N−メチルグルカミン−(メグルミン)などのアンモニウム塩または水溶性アミン付加塩、ならびに薬剤学的に許容できる有機アミンの低級アルカノールアンモニウム塩および他の塩基性塩が包含される。
通常の技量の化学者であれば、本発明の特定の化合物が、特定の立体化学的または幾何学的配置である場合がある1個または複数の原子を含有し、これによって立体異性体および立体配置異性体を生じるであろうことを理解するであろう。全てのこのような異性体およびこれらの混合物は、本発明に包含される。本発明の化合物の水和物および溶媒和物もまた包含される。
本発明の化合物が2つ以上の不斉中心を有し、絶対または相対立体化学が名称に示されている場合、RおよびSの記号表示は各々、各分子について従来のIUPAC番号方式によって昇順番号(1、2、3など)で各不斉中心を示す。本発明の化合物が1つまたは複数の不斉中心を有し、立体化学が名称または構造に示されていない場合、名称または構造は、その化合物のラセミ体を含めた全ての形態を包含することを意図すると理解される。
本発明の化合物は、オレフィン様の二重結合を含有してもよい。このような結合が存在する場合、本発明の化合物は、シスおよびトランス配置として、ならびにそれらの混合物として存在する。「シス」という用語は、互いの置換基および環平面を基準とした2個の置換基の配向を示す(両方とも「上方」または両方とも「下方」)。同じように、「トランス」という用語は、互いの置換基および環平面を基準とした2個の置換基の配向を示す(置換基が環の両側に存在する)。
αおよびβは、環平面を基準とした置換基の配向を意味する。βは環平面の上であり、αは環平面の下である。
本発明はまた、1個または複数の原子が、特定の原子質量または質量数を有する1個または複数の原子によって置き換わっているということ以外は式Iによって表される化合物と同一の同位体標識化合物も包含する。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、各々2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、18F、および36Clなどの水素、炭素、窒素、酸素、硫黄、フッ素、および塩素同位体を包含する。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する、本発明の化合物、そのプロドラッグ、および化合物またはプロドラッグの薬剤学的に許容できる塩は、本発明の範囲内である。特定の同位体標識された本発明の化合物、例えば3Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれている化合物は、薬物組織分布アッセイおよび/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化(すなわち、3H)、および炭素−14(すなわち、14C)同位体は、調製の容易さおよび検出性によって特に好まれる。さらに、重水素(すなわち、2H)などのより重い同位体による置換によって、代謝安定性の向上、例えばin vivo半減期の増大または投与必要量の減少に起因する特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがってある状況において好まれる場合がある。本発明およびそのプロドラッグの同位体標識化合物は一般に、スキームおよび/または下記の実施例において開示されている手順を実施することによって、非同位体標識試薬を、簡単に手に入る同位体標識試薬で置換することによって調製することができる。
本明細書および下記の特許請求の範囲において、下記の意味を有すると定義されるいくつかの用語について言及する。
本明細書で使用する場合、「a」または「an」は、1つまたは複数を意味し得る。特許請求の範囲で使用する場合、「含む」という語と併せて使用するときは、「a」または「an」という語は、1つまたは複数を意味し得る。本明細書で使用する場合、「他の」は、少なくとも第2またはさらにを意味し得る。
「約」という用語は、それが示す公称値のプラスまたはマイナス10%の近似値を示す相対語を意味し、一実施形態では、プラスまたはマイナス5%を意味し、他の実施形態では、プラスまたはマイナス2%を意味する。この開示の分野においては、より厳格な範囲が必要であると特に言及されていない場合は、この程度の近似値が適当である。
本明細書で使用する場合、哺乳動物という用語は、雄および雌を含めた、血漿中にCETPを含有する全ての哺乳動物、例えば、ウサギ、ならびにサルおよびヒトなどの霊長類を言及することを意味する。特定の他の哺乳動物、例えば、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ヒツジおよびウマは、血漿中にCETPを含有せず、本明細書において包含されない。
「治療すること」、「治療する」または「治療」という用語には、本明細書で使用する場合、予防的(例えば、予防)治療および対症療法が包含される。
「薬剤学的に許容できる」とは、担体、希釈剤、賦形剤、および/または塩が、製剤の他の成分と相容性でなくてはならず、レシピエントに対して有害でないことを意味する。
「化合物」には、本明細書において使用される場合、配座異性体(例えば、シスおよびトランス異性体)、ならびに全ての光学異性体(例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマー)、このような異性体のラセミ混合物、ジアステレオマー混合物および他の混合物、ならびに溶媒和物、水和物、同形体、多形体、互変異性体、エステル、塩の形態、およびプロドラッグを含めた任意の薬剤学的に許容できる誘導体または変形物が包含される。「互変異性体」とは、異なる構造の2つ以上の形態(異性体)が平衡状態で存在し得る化合物を意味し、形態は通常水素原子の位置が異なる。ケトエノール、環−鎖および環−環互変異性を含めた様々なタイプの互変異性が生じ得る。「プロドラッグ」という表現は、投与後にいくつかの化学的過程または生理的過程を介してin vivoで薬物を放出する薬物の前駆体である化合物を意味する(例えば、プロドラッグは、生理的pHとなることにより、または酵素作用によって、所望の薬物形態に変換される)。例示的なプロドラッグは、開裂すると対応する遊離酸を放出し、本発明の化合物のこのような加水分解性エステル形成残基には、それだけに限らないが、遊離水素が、(C1〜C4)アルキル、(C2〜C7)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル、γ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C1〜C2)アルキルアミノ(C2〜C3)アルキル(β−ジメチルアミノエチルなど)、カルバモイル−(C1〜C2)アルキル、N,N−ジ(C1〜C2)アルキルカルバモイル−(C1〜C2)アルキルおよびピペリジノ、ピロリジノまたはモルホリノ(C2〜C3)アルキルで置き換えられているカルボキシル部分を有するものが包含される。
下記の段落では、本明細書に含有される包括的な環の説明のために、例示的な環を説明する。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、クロロ、ブロモ、ヨードまたはフルオロを意味する。
「アルキル」とは、直鎖飽和炭化水素または分枝鎖飽和炭化水素を意味する。このようなアルキル基の例示(指定した長さは特定の例を包含するものとする)は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、第3級ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第3級ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチルおよびオクチルである。
「アルケニル」は、本明細書において直鎖状または分枝状であり得ることを意味し、それらはまた、環式(例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル)、または二環式でもよく、または環状基を含有してもよい。それらは、シスまたはトランスの場合がある1〜3個の炭素−炭素二重結合を含有する。
「アルコキシ」とは、オキシを介して結合している直鎖飽和アルキルまたは分枝鎖飽和アルキルを意味する。このようなアルコキシ基の例示(指定した長さは特定の例を包含するものとする)は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第3級ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、第3級ペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシ、ヘプトキシおよびオクトキシである。
「アリール」という用語は、縮合していてもよい1個、2個または3個の環を含有する炭素環式芳香族系を意味する。環が縮合している場合は、環の1個は完全不飽和でなくてはならず、縮合環は完全飽和、部分不飽和または完全不飽和でよい。「縮合した」という用語は、2個の隣接した原子を第1の環と共有する(すなわち、共用する)ことによって、第2の環が存在する(すなわち、付着するまたは形成する)ことを意味する。「縮合した」という用語は、「凝縮した」という用語に相当する。「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダンおよびビフェニルなどの芳香族基を包含する。
「ヘテロアリール」という用語は、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有し、縮合していてもよい1個、2個または3個の環を有する炭素環式芳香族系を意味する。「縮合した」という用語は、2個の隣接した原子を第1の環と共有する(すなわち、共用する)ことによって、第2の環が存在する(すなわち、付着するまたは形成する)ことを意味する。「縮合した」という用語は、「凝縮した」という用語に相当する。「ヘテロアリール」という用語は、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキサニル、ピプラジニル、ピリジニル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、チアゾリルおよびチアジアゾリルなどの芳香族基を包含する。
「複素環」という用語は、酸素、窒素および硫黄から独立に選択される1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有し、縮合していてもよい1個、2個または3個の環を有する非芳香族炭素環式系を意味する(縮合は上記で定義)。「複素環」という用語には、それだけに限らないが、ラクトン、ラクタム、環状エーテルおよび環状アミン(下記の例示的環系(エポキシド、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン、アジリジン、ピロリジン、ピペリジン、およびモルホリン)を含めた)が包含される。
炭素環部分または複素環部分が、特定の付着位置を示さないで、異なる環原子を介して示された基体に結合、または付着し得る場合は、炭素原子を介していても、または例えば三価の窒素原子を介していても、全ての可能性のある位置が対象とされることを理解すべきである。例えば、「ピリジル」という用語は、2−ピリジル、3−ピリジルまたは4−ピリジルを意味し、「チエニル」という用語は、2−チエニルまたは3−チエニルなどを意味する。
本明細書で使用する場合、「反応不活性溶媒」および「不活性溶媒」という表現は、所望の生成物の収率に悪影響を与えるような形で出発物質、試薬、中間体または生成物と相互作用しない溶媒またはこれらの混合物を意味する。
本発明の化合物の一実施形態では、XはCである。
他の実施形態では、Qは、
であり、各R
0は、独立に、水素、(C
1〜C
3)アルキル、(C
1〜C
3)アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロであり、アルキルまたはアルコキシは、独立に、1〜9個のハロまたはヒドロキシで置換されていてもよい。
他の実施形態では、Qは、
他の実施形態では、Qは、
他の実施形態では、Aは、−COOCH2CH3、−COOCH3、シアノ、−CHO、−CONH2、−COCH2CH3、または−COCH3である。
他の実施形態では、Aは、−COO(C1〜C4)アルキル、−CO(C1〜C4)アルキル、またはQであり、Qは、5員または6員の完全不飽和環であり、各環原子は、式IのNに結合している原子を除いて、窒素、酸素または硫黄原子で置き換えられていてもよく、各環原子は、シアノ、1〜6個の炭素原子を有する完全飽和、部分不飽和もしくは完全不飽和の直鎖もしくは分枝鎖、または3〜8個の炭素原子を有する完全飽和、部分不飽和環もしくは完全不飽和環で置換されていてもよく、前記鎖または環の各炭素原子は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子で置き換えられていてもよく、前記鎖または環の前記炭素原子は、アミノ、ハロ、シアノ、ヒドロキシ、オキソ、カルボキシル、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、(1〜9個のハロまたは1個もしくは2個のヒドロキシルで置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル)、または(1〜9個のハロまたは1個もしくは2個のヒドロキシルで置換されていてもよい(C1〜C6)アルコキシ)で1置換、2置換または3置換されていてもよく、前記鎖または環の前記窒素原子は、(C1〜C6)アルコキシカルボニル、または(1〜9個のハロまたは1個もしくは2個のヒドロキシルで置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル)で1置換または2置換されていてもよく、前記鎖または環の前記硫黄原子は、1個もしくは2個のオキソで置換されており、R1およびR6は、各々水素であり、R4は存在しないか、または水素であり、R2、R3、R5、およびR7は、各々独立に、水素、シアノ、(C1〜C6)アルキル、または(C1〜C6)アルコキシであり、前記アルキルおよびアルコキシ置換基は、各々独立に、1〜9個のフッ素で置換されていてもよい。
他の実施形態では、Xは、Cであり、R2、R3、R5、およびR7は、各々水素、メチル、シアノ、またはCF3である。
他の実施形態では、Xは、Cであり、R1、R4およびR6は、各々水素であり、R2、R3、R5、およびR7は、各々水素、メチル、シアノ、またはCF3であり、Aは、−COOCH2CH3、−COOCH3、シアノ、−CHO、−CONH2、−COCH2CH3、−COCH3、またはQであり、Qは、
であり、各R
0は、独立に、水素、ハロ、(1個もしくは2個のオキソ、1個もしくは2個のヒドロキシル、または1〜9個のハロによって置換されていてもよい(C
1〜C
6)アルキル)、ヒドロキシ、(1個もしくは2個のオキソ、1個もしくは2個のヒドロキシル、または1〜9個のハロによって置換されていてもよい(C
1〜C
6)アルコキシ)、アミノ、アミド、シアノ、オキソ、カルボキサモイル、カルボキシ、または(1個もしくは2個のオキソ、1個もしくは2個のヒドロキシル、または1〜9個のハロによって独立に置換されていてもよい(C
1〜C
6)アルキルオキシカルボニル)である。
他の実施形態では、Bは、酸素、窒素および硫黄から選択される1個または2個のヘテロ原子を有する4〜7員の複素環であり、BはR20で1置換または2置換されていてもよく、各R20は、独立に、−(C0〜C6)アルキル−NR8R9、−(C0〜C6)アルキル−CO−OR10、−(C0〜C6)アルキル−NR13−(C0〜C6)アルキル−CO−O−R10、−(C0〜C6)アルキル−NR13−(C0〜C6)アルキル−CO−R14、−(C1〜C6)アルキル−O−CO−NR8R9、−O−(C1〜C6)アルキル−CO−O−R10、ハロ、(C1〜C6)アルキル、−(C0〜C6)アルキル−(C3〜C6)シクロアルキル、−(C0〜C6)アルキル−複素環、−(C0〜C6)アルキル−ヘテロアリール、−(C0〜C6)アルキル−アリール、(C1〜C6)アルコキシ、ハロ、オキソ、シアノ、または−CO−(C1〜C6)アルキルであり、前記アルキルおよびアルコキシ置換基は、各々独立に、1〜4個のフッ素、1個もしくは2個のヒドロキシ、または1個もしくは2個の(C1〜C6)アルコキシで置換されていてもよい。
他の実施形態では、Bは、−NR15R16であり、R15およびR16は、各々独立に、水素、−(C1〜C6)アルキル−NR8R9、−(C0〜C6)アルキル−CO−OR10、−(C1〜C6)アルキル−NR13−(C0〜C6)アルキル−CO−O−R10、−(C1〜C6)アルキル−O−CO−NR8R9、(C1〜C6)アルキル、−(C0〜C6)アルキル−複素環、−(C0〜C6)アルキル−(C3〜C6)シクロアルキル、−(C0〜C6)アルキル−ヘテロアリール、−(C0〜C6)アルキル−アリール、シアノ、または−CO−(C1〜C6)アルキルであり、前記アルキル置換基は、各々独立に、1〜4個のフッ素、1個もしくは2個のヒドロキシル、または1個もしくは2個の(C1〜C6)アルコキシで置換されていてもよく、前記複素環、ヘテロアリールまたはアリール置換基は、各々、(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルコキシ、ヒドロキシ、またはハロで置換されていてもよく、前記アルキルおよびアルコキシ置換基は、各々独立に、1〜4個のフッ素、1個もしくは2個のヒドロキシル、または1個もしくは2個の(C1〜C6)アルコキシで置換されていてもよい。
他の実施形態では、R11は、1〜9個のハロで置換されていてもよい(C1〜C6)アルキルであり、R12は、水素である。
他の実施形態では、Bは、
からなる群から選択される置換されていてもよい複素環であり、
pは、0、1または2であり、
各R
20は、独立に、−(C
0〜C
6)アルキル−NR
8R
9、−(C
0〜C
6)アルキル−CO−OR
10、−(C
0〜C
6)アルキル−NR
13−(C
0〜C
6)アルキル−CO−O−R
10、−(C
0〜C
6)アルキル−NR
13−(C
0〜C
6)アルキル−CO−R
14、−(C
1〜C
6)アルキル−O−CO−NR
8R
9、−O−(C
1〜C
6)アルキル−CO−O−R
10、ハロ、(C
1〜C
6)アルキル、−(C
0〜C
6)アルキル−(C
3〜C
6)シクロアルキル、−(C
0〜C
6)アルキル−複素環、−(C
0〜C
6)アルキル−ヘテロアリール、−(C
0〜C
6)アルキル−アリール、(C
1〜C
6)アルコキシ、ハロ、オキソ、シアノ、または−CO−(C
1〜C
6)アルキルであり、前記アルキルおよびアルコキシ置換基は、各々独立に、1〜4個のフッ素、1個もしくは2個のヒドロキシ、または1個もしくは2個の(C
1〜C
6)アルコキシで置換されていてもよい。
他の実施形態では、R20は、水素、ハロ、−COOH、または(C1〜C6)アルキルであり、前記アルキル置換基は、各々独立に、1〜4個のフッ素、1個もしくは2個のヒドロキシル、または1個もしくは2個の(C1〜C6)アルコキシで置換されていてもよい。
本発明の方法の一実施形態では、アテローム性動脈硬化症が治療される。
本発明の方法の他の実施形態では、末梢血管疾患が治療される。
本発明の方法の他の実施形態では、脂質異常症が治療される。
本発明の方法の他の実施形態では、高βリポタンパク血症が治療される。
本発明の方法の他の実施形態では、低αリポタンパク血症が治療される。
本発明の方法の他の実施形態では、家族性高コレステロール血症が治療される。
本発明の方法の他の実施形態では、冠動脈疾患が治療される。
本発明の方法の他の実施形態では、心筋梗塞が治療される。
本発明の組合せまたはキットの一実施形態では、第2の化合物は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤またはPPARモジュレーターである。
本発明の組合せまたはキットの他の実施形態では、第2の化合物は、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチンまたはピタバスタチンである。
本発明の組合せまたはキットの他の実施形態では、組合せは、コレステロール吸収阻害剤をさらに含み、このコレステロール吸収阻害剤は、エゼチミブでもよい。
一般に、本発明の化合物は、特に本明細書に記載する説明を鑑みて、化学の当技術分野で公知のものと類似の方法を包含した方法によって作製することができる。本発明の化合物の製造のための特定の方法を、本発明のさらなる特徴として提供し、下記の反応スキームによって例示する。他の方法は、実験の項で説明する場合がある。
類似の方法は、全ての目的のために参照により本明細書にその全体が組み込まれている下記の米国特許に開示されている。米国特許第6,140,342号、米国特許第6,362,198号、米国特許第6,147,090号、米国特許第6,395,751号、米国特許第6,147,089号、米国特許第6,310,075号、米国特許第6,197,786号、米国特許第6,140,343号、米国特許第6,489,478号、および国際公開第WO00/17164号および国際出願第PCT/IB2005/003500号。
本明細書に記載する反応スキームは、所与の実施例の多くの調製に用いられる方法の概要を提供することを意図している。しかし、実験の項において示した詳細な説明から、用いた調製法は本明細書に記載する一般的手順よりさらに広がることは明らかであろう。特に、これらのスキームに従って調製した化合物は、さらに修飾して、本発明の範囲内の新規な実施例をもたらし得ることを留意されたい。例えば、エステル官能基を、当業者には周知の手順を使用してさらに反応させて、他のエステル、アミド、カルビノールまたはケトンを得ることができる。
反応スキーム1によると、Halは、ハロゲンであり、X、R1、R2、R3、およびR4は、上記の通りである。式4、6および7の所望の中間化合物は、式1、2および5の化合物から調製することができる。式2および6の化合物は、直接メタル化反応および二酸化炭素、ジメチルホルムアミド(DMF)、またはN−ホルミルモルホリンなどの適切な求電子試薬によるトラップなどの当業者には公知の方法によって式1の化合物から調製し得る。
さらに具体的には、式1の化合物を、1−リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンで処理し、二酸化炭素でクエンチすることによって(F.Mongin,O.Desponds,M.Schlosser Tetrahedron Letters,1996,37,2767〜2770)、または低温、好ましくは−100℃〜−78℃にて、エーテルもしくはテトラヒドロフラン(THF)などの反応不活性溶媒中、好ましくはTHF中、−100℃にてジメチルホルムアミドで処理することによって、各々式2および6の化合物を生じる。代わりに、式2の化合物は、例えば硫酸などの適切な酸による、式5の化合物の酸性または塩基性加水分解によって調製することができる。式6の化合物はまた、THFなどの適切な反応不活性溶媒中で−78℃〜25℃の温度にて、例えば水素化ジイソブチルアルミニウム(DIBAL)などの水素化アルミニウム試薬による部分的還元によって式5の化合物から調製することができる。
スキーム1に示されるように、式3の化合物は、ジオキサン、ジエチルエーテルまたはTHFなどの反応不活性溶媒中で、水素化アルミニウムリチウム(LAH)、またはボラン−テトラヒドロフラン錯体などの適切な還元剤による式2の化合物の還元によって調製することができる。式2の化合物の還元のための好ましい還元剤は、ボラン−テトラヒドロフラン錯体であり、好ましい溶媒は、THFである(−78〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度)。代わりに、式6の化合物は、水素化ホウ素ナトリウムを使用して式3の化合物に還元することができ、このための好ましい溶媒は、0〜100℃、好ましくは0〜50℃の温度でのエタノールである。
スキーム1に示されるように、式4の化合物は、塩化メチレン、THF、またはジオキサンなどの反応不活性溶媒中で三臭化リンまたは四臭化炭素とトリフェニルホスフィンとの組合せなどの適切な試薬を使用して、式3の化合物を反応させることによって調製することができる。好ましい試薬は、四臭化炭素とトリフェニルホスフィンとの組合せであり、好ましい溶媒は、塩化メチレンである(−78℃〜100℃、好ましくは−10℃〜20℃の温度)。
スキーム1に示されるように、式7の化合物は、LAHなどの適切な還元剤を使用して式5の化合物を還元することによって、または特定の場合、HalがFもしくはClである場合、メタノール、エタノールまたは酢酸などの反応不活性溶媒中でパラジウム炭素または水酸化パラジウムなどの適切な水素化触媒の存在下、水素化によって調製することができる。一般に好まれる1つの還元剤は、THF、塩化メチレン、またはジオキサンなどの適切な溶媒中のLAHである。一般に好まれる1つの溶媒は、−78℃〜68℃、好ましくは−78℃〜40℃の温度でのTHFである。
反応スキーム2によると、Halはハロゲンであり、A、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11、およびR12は、上記の通りである。スキーム2において式15として表した所望の化合物は、THF、ジメチルホルムアミド、またはN−メチルピロリジノンなどの適切な極性溶媒中で、水素化ナトリウム、カリウム−tert−ブトキシドまたはヘキサメチルジシラジンカリウムなどの適切な塩基による、式10の化合物および式4の化合物のアルキル化によって調製することができる。一般に好まれる1つの塩基は、カリウム−tert−ブトキシドであり、好ましい1つの溶媒は、THFである(0℃〜67℃、好ましくは20℃〜67℃の温度)。
式10の化合物は、THF、塩化メチレン、ジオキサン、またはトルエンなどの適切な溶媒中で、式9のアミンと、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、またはシアノホウ水素化ナトリウムなどの適切な還元剤とによる、式8のアルデヒド化合物の還元的アミノ化によって調製することができる。一般に好まれる方法は、20℃〜111℃の温度でのトルエン中の4Å分子ふるいの存在下のイミン形成、次いで溶媒の除去、極性溶媒、好ましくはエタノール中の残渣の溶解、次いで、0℃〜78℃、好ましくは20℃〜50℃の温度での適切な還元剤、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムの添加である。
代わりに、式15の化合物は、当業者に周知である種々の方法によって式13の化合物から調製することができる。例えば、Aが置換されていてもよい芳香環である場合、Aの適当なハロゲン誘導体を使用し、一般に塩基の存在下、ハロゲンを式13の化合物の第2級アミンと置き換えることが可能であることが多い。米国特許第5,576,460号、国際公開第WO98/15515号、国際公開第WO00/02887号、国際公開第WO04/052939号、欧州特許出願公開第EP3009560.8号、および欧州特許出願公開第EP99933785.0号(これら全ては、全ての目的のために参照により本明細書にその全体が組み込まれている)に記載されているように、これらの反応は、パラジウム触媒を使用することによって促進されることが多い。他の例では、Aが、置換されていてもよい2−ピリジル、2−ピリミジニルもしくは4−ピリミジニル、または2−ピラジニル基である場合、この反応は、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリジノンまたはN,N,N’,N’−テトラメチル尿素などの適切な反応不活性溶媒中で、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、または炭酸ナトリウムなどの適切な塩基を使用して、対応する2−ハロピリジン、2−ハロピリミジンもしくは4−ハロピリミジン、または2−ピラジンを各々使用することによって、触媒を使用せずに行うことができる。好ましい塩基は、THF、塩化メチレン、またはジオキサンなどの適切な不活性溶媒中のジイソプロピルエチルアミンである。好ましい溶媒は、−40℃〜160℃、好ましくは20℃〜140℃の温度での塩化メチレンである。
他の代替法では、式15の化合物は、THF、塩化メチレンまたはジオキサンなどの適切な反応不活性溶媒、好ましくはTHF中で、−40℃〜40℃、好ましくは0〜30℃の温度にて、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシドなどの適切な塩基、好ましくはカリウムtert−ブトキシドを使用して、式12のハロゲン化アルキルによる式21の化合物のアルキル化によって調製することができる。
式21の化合物は、THF、塩化メチレン、ジオキサンまたはトルエンなどの適切な溶媒中で、式9のアミンと、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、またはシアノホウ水素化ナトリウムなどの適切な還元剤とによる、式6のアルデヒド化合物の還元的アミノ化によって調製することができる。反応はイミンの形成を介して進行し、イミンの形成は20℃〜111℃、好ましくは100℃〜111℃の温度でトルエン中の4Å分子ふるいなどの脱水剤によって、次いで溶媒の除去によって促進し得る。代わりに、チタン化合物、好ましくはチタンテトライソプロポキシドを、好ましくは溶媒の非存在下、室温にて使用し得る。次いで、イミンを、0℃〜80℃、好ましくは20℃〜50℃の温度にて、適切な反応不活性溶媒、好ましくはエタノール中、適切なヒドリド還元剤、好ましくは水素化ホウ素ナトリウムで還元する。
式13の化合物は、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、またはシアノホウ水素化ナトリウムなどの適切な還元剤による、式6の化合物および式11の化合物の還元的アミノ化によって調製することができる。好ましい還元剤は、エタノール、THF、塩化メチレン、ジオキサン、またはトルエンなどの適切な溶媒中の水素化ホウ素ナトリウムである。好ましい溶媒は、−78℃〜67℃、好ましくは0〜50℃の温度でのエタノールである。
代わりに、式13の化合物は、−40℃〜40℃、好ましくは0〜30℃の温度にて、THF、塩化メチレンまたはジオキサンなどの適切な反応不活性溶媒、好ましくはTHF中で、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、水素化ナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシドなどの適切な塩基、好ましくはカリウムtert−ブトキシドを使用して、式7の化合物を式12のハロゲン化アルキルによってアルキル化することによって調製することができる。
式17の化合物(R11およびR12は、上記定義の通りである)は、トルエンまたはTHFなどの適切な反応不活性溶媒中で、臭化エチルマグネシウムまたは臭化イソプロピルマグネシウムなどのグリニャール試薬R11MgBrを加え、次いでメタノールでクエンチすることによって式16の化合物から調製することができる。このようにして得た中間体イミンを、次いでメタノール中の水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤で処理し、式17の化合物を得る。式16のニトリルは、100℃〜170℃、好ましくは170℃の温度で、ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリジノンなどの適切な反応不活性溶媒、好ましくはDMF中で、シアン化銅(I)と反応させることによって、式15のハロゲン化物、好ましくは臭化物から調製することができる。
式18の化合物は、−40℃〜40℃、好ましくは−20℃の温度にて、ジクロロメタンなどの適切な溶媒中で、DIBAL−Hによる式16のニトリルの還元によって調製することができる。
反応スキーム3によると、A、B、X、Y、Z、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R11およびR12は、上記の通りである。所望の式Iの化合物は、当業者には公知の合成的変換によって、化合物17または18から調製することができる。特に、それらの式Iの化合物(Bは、NR15R16であり、Yは、CHR11である)は、式17の化合物から、一連の反応(それだけに限らないが、所望のR15およびR16置換基を順次に加えるためのアルキル化、アシル化および還元的アミノ化が挙げられる)によって調製できることが好ましい。ある場合には、式17の化合物を、2−クロロエトキシアセチルクロリドまたはビス(クロロエチル)エーテルなどの二官能性試薬と反応させて、式Iの化合物(Bは環状基である)を得ることができる。
本発明の他の態様では、式Iの化合物(R12はHである)は、トルエンなどの適切な不活性溶媒中で、臭化エチルマグネシウムまたは臭化イソプロピルマグネシウムなどのグリニャール試薬を加えることによって、式18Aの化合物から得ることができる。式18Aの化合物は、極性溶媒、好ましくはエタノール中で、適当なアミンBHおよびベンゾトリアゾールとの反応によって式18の化合物から調製される(Katritzky,A.R.;Yannakopoulou,K.;Lue,P.;Rasala,D.;Urogdi,L.J.Chem.Soc.Perkin Trans.I,1989,2,225〜233)。
さらに、式Iの化合物は、フッ化物源の存在下で、臭化エチルマグネシウムもしくは臭化イソプロピルマグネシウムなどのグリニャール試薬R11MgBr、またはフルオロアルキルシランと反応させ、次いで式18Cの対応するケトンへ酸化させ、次いで当業者によって容易に決定される条件下で所望のアミンBHによる還元的アミノ化によって、式18のアルデヒドを式18Bの対応する化合物(ZはOHである)へ変換することよって調製することができる。代替手段では、式18Bの化合物(ZはOHである)は、トリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下で、塩化メチレンなどの反応不活性溶媒中、例えば、メタンスルホニルクロリドとの反応によって活性化させ、式18Bの化合物(Zはメシルオキシである)を得ることができる。代わりに、(例えば、L.A.Paquette(Ed),Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Chichester,England,1995に記載されているように)塩化メチレン、THF、またはジオキサンなどの反応不活性溶媒中で、例えば、三臭化リン、または四臭化炭素とトリフェニルホスフィンとの組合せなどの適切な臭素化剤を使用して、当業者に周知の種々のハロゲン化剤により対応するハロゲン化物へ変換することによって活性化を達成することができる。好ましい試薬は、四臭化炭素とトリフェニルホスフィンとの組合せであり、好ましい溶媒は、塩化メチレンであり(−78℃〜100℃、好ましくは−10℃〜20℃の温度)、式18Bの化合物(ZはBrである)が得られる。式18Bのこれらの活性化された化合物を、20℃〜140℃、好ましくは50℃〜120℃の温度にて、アセトニトリルなどの適切な反応不活性溶媒中で、所望のアミンBHと反応させることができる。
スキーム4によると、A、B、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7およびR11は、上記の通りであり、R12はHである。式1の所望の化合物は、スキーム2に記載した反応と正に類似のアルデヒド基上での一連の反応によって、式28の対応する化合物から得ることができる。代わりに、スキーム2に記載されているような式1の化合物への代替の経路を用いるために、L.A.Paquette(Ed),Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Chichester,England,1995に見出すことができるような標準的手順を用いて、アルデヒドをアミノメチルまたはブロモメチル基に変換することができる。
式28の化合物は、0℃〜還流温度、好ましくは室温にて、アセトンなどの適切な溶媒中で、例えばトルエンスルホン酸の存在下、酸性加水分解によって式27のジオキソランから調製される。
式27の化合物は、0℃〜60℃、好ましくは室温にて、THFもしくはトルエンなどの適切な反応不活性溶媒、または好ましくはこれらの溶媒の混合物中で、グリニャール試薬などの有機金属反応剤と反応させることによって式26の対応する化合物から調製される。
式26の化合物は、0℃〜60℃、好ましくは室温にて、エタノールなどの適切な反応不活性溶媒中で、所望のアミンBHおよびベンゾトリアゾールの組合せとの反応によって式25の対応するアルデヒドから調製される。式25の化合物は、0℃〜30℃、好ましくは室温にて、THFなどの適切な反応不活性溶媒中で、水素化アルミニウム試薬、好ましくは「アート」錯体(水素化ジイソブチルアルミニウムへのn−ブチルリチウムの事前添加によって形成される)による還元によって式24の対応するアミドから調製される。
式24の化合物は、酸触媒、好ましくはトルエンスルホン酸の存在下、トルエンなどの適切な反応不活性溶媒中で、好ましくはDean Stark反応条件下などの当業者には公知の標準的な反応条件下、エチレングリコールと反応させることによって、式23の対応するベンズアルデヒドから調製される。
式23の化合物は、−100℃〜−60℃、好ましくは−78℃の温度にて、THFなどの適切な反応不活性溶媒中で、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの存在下、リチウムテトラメチルピペリジドまたはsec−ブチルリチウムなどの強塩基と反応させ、それに続いて上記で参照したようにジメチルホルムアミド(DMF)またはN−ホルミルモルホリンなどのカルボキサルデヒド供与体を添加することによって、式22の対応するアミドから調製される。
反応スキーム5によると、Halはハロゲンであり、XはCであり、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR7は、上記の通りである。スキーム5において式41として表されている所望の化合物は、0℃から還流温度、好ましくは室温にて、アセトン、トルエン、THF、または塩化メチレンなどの適切な溶媒、好ましくはトルエン中で、例えば、トルエンスルホン酸の存在下、酸加水分解によって式7および40の化合物から調製することができる。
式13の化合物は、エタノールなどの適切な溶媒中で、水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム、またはシアノホウ水素化ナトリウムなどの還元剤による反応によって、式41の二重結合を水和することによって調製することができる。反応は、0℃〜78℃、好ましくは20℃〜50℃の温度で進行する。
式42の化合物は、式13のアミンを、酢酸ナトリウムなどの適切な塩基、ならびにジクロロメタンおよび/またはエタノールなどの適切な溶媒中で、臭化シアンまたはN−シアノイミダゾールなどのシアン化剤と周囲温度で反応させることによって調製することができる。反応が完了したと判断されたときに、精製して油とする。
式43の化合物は、20℃〜80℃の温度にて、トルエン、THF、または塩化メチレンなどの溶媒、好ましくはトルエン中で、アジ化ナトリウム、トリ−n−ブチルスズアジドまたはトリメチルシリルアジドなどのアジド源によって、式42のシアノ−アミン化合物を反応させることによって調製することができる。
式44および45を有するメチル化テトラゾール−アミン化合物の混合物は、約20℃〜80℃の温度にて、2−メチルTHF、DMFおよびDMAcなどの溶媒中で、硫酸ジメチルなどのアルキル化剤による、式43の化合物のアルキル化によって生成する。
メチル5−アミノテトラゾールを、−78℃〜70℃、好ましくは−78℃〜40℃の温度にて、メタノール、エタノールまたは酢酸などの反応不活性溶媒中で、35〜70psi、好ましくは40psiの水素雰囲気下で、パラジウム炭素または水酸化パラジウムなどの水素化触媒を使用して、式44および45の化合物の混合物を水素化することによって生成し得る。この化合物を生成するためのさらなる方法は、本明細書に組み込まれているPCT特許出願第WO2006/056854号および同第WO2006/03302号に公表されている。
最初の注意として、化合物の調製において、本明細書に記載する化合物の調製に有用な調製方法のいくつかは、遠隔官能基(例えば、中間体の第1級アミン、第2級アミン、カルボキシル)の保護を必要とする場合があることが認められる。このような保護の必要性は、遠隔官能基の性質および調製方法の条件に応じて変化するであろう。このような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。このような保護/脱保護方法の使用もまた、当技術分野の範囲内である。保護基およびそれらの使用の概要については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,1991を参照されたい。
例えば、反応スキームにおいて、特定の化合物は、保護されてない場合、分子の他の部位における反応を妨げ得る第1級アミンまたはカルボン酸官能基を含有する。したがって、このような官能基は、適当な保護基(次のステップによって除去し得る)によって保護することができる。アミンおよびカルボン酸保護のための適切な保護基には、記載する反応条件下で一般に化学的に反応性ではなく、化合物中の他の官能基を化学的に変化させることなく通常除去できる、ペプチド合成に通常使用される保護基(アミンには、N−t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル、カルボン酸には、低級アルキルまたはベンジルエステルなど)が包含される。
本発明の化合物のプロドラッグは、当業者に公知の方法によって調製することができる。例示的方法を下記に記載する。
化合物のカルボン酸中のカルボキシル基が、エステルで置き換わっている本発明のプロドラッグは、約0〜100℃の温度にて、ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、カルボン酸を適当なハロゲン化アルキルと約1〜約24時間混合することによって調製することができる。代わりに、約20〜100℃、好ましくは還流温度にて、触媒量の濃硫酸などの酸の存在下、溶媒として適当なアルコールとその酸を約1時間〜約24時間混合する。他の方法は、トルエンまたはテトラヒドロフランなどの不活性溶媒中で、触媒量の酸の存在下、その酸を化学量論量のアルコールと反応させ、物理的(例えば、ディーン−スタークトラップ)または化学的(例えば、分子ふるい)手段によって、生成された水を同時に除去する。
アルコール官能基をエーテルとして誘導体化した本発明のプロドラッグは、約0〜100℃の温度にて、ジメチルホルムアミドなどの不活性溶媒中で、炭酸カリウムなどの塩基の存在下、アルコールを適当な臭化アルキルまたはヨウ化アルキルと約1〜約24時間混合することによって調製することができる。アルカノイルアミノメチルエーテルは、US4,997,984に記載の方法によって、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒中で、触媒量の酸の存在下、アルコールをビス−(アルカノイルアミノ)メタンと反応させることによって得ることができる。代わりに、これらの化合物は、HoffmanらによりJ.Org.Chem.1994,59,3530に記載されている方法によって調製することができる。
グリコシドは、トルエンなどの不活性溶媒中で、酸の存在下、アルコールと炭水化物との反応によって調製される。典型的には、反応中に形成された水は、それが生成している最中に、上記のように除去する。代替手順は、塩基の存在下、アルコールを適切に保護されたハロゲン化グリコシルと反応させ、次いで脱保護を行う。
N−(1−ヒドロキシアルキル)アミド、N−(1−ヒドロキシ−1−(アルコキシカルボニル)メチル)アミドは、25〜70℃の温度にて、中性または塩基性条件(例えば、エタノール中のナトリウムエトキシド)下、親アミドと適当なアルデヒドとの反応によって調製することができる。N−アルコキシメチルまたはN−1−(アルコキシ)アルキル誘導体は、不活性溶媒中、塩基の存在下、N−非置換化合物を必要なハロゲン化アルキルと反応させることによって得ることができる。
本発明の化合物はまた、本明細書に記載する疾患/状態を治療するために、他の医薬品(例えば、LDLコレステロール低下剤、トリグリセリド低下剤)と併せて使用することもできる。例えば、それらは、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、コレステロール合成阻害剤、コレステロール吸収阻害剤、他のCETP阻害剤、MTP/アポB分泌阻害剤、PPARモジュレーター、ならびに他のコレステロール低下剤、例えばフィブラート、ナイアシン、イオン交換樹脂、酸化防止剤、ACAT阻害剤、および胆汁酸捕捉剤と組み合わせて使用することができる。他の医薬品には、下記もまた包含される。胆汁酸再取込み阻害剤、回腸胆汁酸輸送体阻害剤、ACC阻害剤、降圧薬(NORVASC(登録商標)など)、選択的エストロゲン受容体モジュレーター、選択的アンドロゲン受容体モジュレーター、抗生物質、抗糖尿病剤(メトホルミン、PPARγ活性化因子、スルホニル尿素、インスリン、アルドースレダクターゼ阻害剤(ARI)およびソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤(SDI)など)、およびアスピリン(アセチルサリチル酸または一酸化窒素放出アスピリン)。本明細書で使用する場合、「ナイアシン」には、即時放出性、徐放性、持続放出性および低フラッシング性ナイアシンなどの全ての使用可能な形態が包含される。ナイアシンはまた、プロスタグランジンおよび/またはスタチン、すなわちロバスタチンまたはシンバスタチンなどの他の治療剤(これはHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり、下記にさらに記載する)と混合することもできる。この併用療法剤は、ADVICOR(登録商標)(Kos Pharmaceuticals社)として知られている。併用療法治療において、本発明の化合物および他の薬物治療の両方を、哺乳動物(例えば、男性または女性のヒト)に従来法によって投与する。
3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−コエンザイムA(HMG−CoA)のメバロン酸への変換は、コレステロール生合成経路における早期律速段階および律速段階である。このステップは、酵素HMG−CoAレダクターゼによって触媒される。スタチンは、HMG−CoAレダクターゼがこの変換を触媒することを阻害する。例示的なスタチンには、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、(3R,5R)−7−(4−(ベンジルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸、(3R,5R)−7−(4−((4−メチルベンジル)カルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−1−イル)−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸、および(3R,5R)−7−(4−((3−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸、および薬剤学的に許容できるその塩が包含される。
米国特許第5,273,995号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているアトルバスタチンカルシウム(すなわち、アトルバスタチンヘミカルシウム)は、現在Lipitor(登録商標)として販売されており、式
アトルバスタチンカルシウムは、HMG−CoAの選択的拮抗阻害剤である。したがって、アトルバスタチンカルシウムは、強力な脂質低下化合物である。アトルバスタチンの遊離カルボン酸形態は、主に式
のラクトンとして存在し、米国特許第4,681,893号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されている。
スタチンには、U.S.RE37,314Eに開示されているロスバスタチン、EP304063B1および米国特許第5,011,930号に開示されているピチバスタチン、米国特許第4,444,784号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているシンバスタチン、米国特許第4,346,227号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているプラバスタチン、U.S.5,502,199(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているセリバスタチン、米国特許第3,983,140号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているメバスタチン、両方とも参照により本明細書中に組み込まれている米国特許第4,448,784号および米国特許第4,450,171号に開示されているベロスタチン、米国特許第4,739,073号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているフルバスタチン、米国特許第4,804,770号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているコンパクチン、米国特許第4,231,938号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているロバスタチン、欧州特許出願公開第738510(A2)号に開示されているダルバスタチン、欧州特許出願公開第363934(A1)号に開示されているフルインドスタチン、米国特許第4,681,893号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているアトルバスタチン、米国特許第5,273,995号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているアトルバスタチンカルシウム(アトルバスタチンのヘミカルシウム塩である)、および米国特許第4,450,171号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されているジヒドロコンパクチンなどの化合物が包含される。
さらなるHMG CoAレダクターゼ阻害剤は、(3R,5R)−7−(4−(ベンジルカルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−イミダゾール−1−イル)−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸、(3R,5R)−7−(4−((3−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−1H−イミダゾール−1−イル)−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸、および(3R,5R)−7−(4−((4−メチルベンジル)カルバモイル)−2−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−1−イル)−3,5−ジヒドロキシヘプタン酸および前記化合物の薬剤学的に許容できる塩を含めて、国際公開第WO2005/105079号、および2005年11月14日に出願されたPCT/IB2005/003461(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)に開示されている。
任意のPPARモジュレーターを、本発明の組合せの態様において使用することができる。PPARモジュレーターという用語は、哺乳動物、特にヒトにおいてペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)活性を調節する化合物を意味する。このような調節は、当業者によって文献で公知の標準的アッセイによって容易に決定される。このような化合物は、PPAR受容体を調節することによって、脂質およびグルコース代謝、例えば脂肪酸酸化に関与する重要遺伝子、ならびに高密度リポタンパク質(HDL)の集合に関与する重要遺伝子の転写(例えば、アポリポタンパク質AI遺伝子の転写)をまた制御し、したがって体脂肪全体を低下させ、HDLコレステロールを上昇させると考えられている。それらの活性により、これらの化合物はまた、哺乳動物、特にヒトにおけるトリグリセリド、VLDLコレステロール、LDLコレステロールおよびそれらの関連成分、例えばアポリポタンパク質Bの血漿濃度を低下させると共に、HDLコレステロールおよびアポリポタンパク質AIを上昇させる。したがって、これらの化合物は、低αリポタンパク血症および高トリグリセリド血症を含めた、アテローム性動脈硬化症および心血管疾患の発生および発病率に関連することが観察される様々な脂質異常症を治療および補正するために有用である。種々のこれらの化合物は、下記に記載され参照されているが、他の化合物は当業者には公知であろう。国際公開第WO2004/048334号、同WO2005/092845号、および同WO2006/003495号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、3−[3−(1−カルボキシ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸3−トリフルオロメチル−ベンジルエステル、3−[3−(1−カルボキシ−1−メチル−エトキシ)−フェニル]−ピペリジン−1−カルボン酸4−トリフルオロメチル−ベンジルエステル、5−[4−(4−エチル−ベンジルスルファニル)−フェニルスルファモイル]−2−メチル−安息香酸、および5−{2−[4−(3,4−ジフルオロ−フェノキシ)−フェニル]−エチルスルファモイル}−2−メチル−安息香酸、および前記化合物の薬剤学的に許容できる塩を含めた、PPARα活性化因子である特定の化合物が開示されている。
任意の他のPPARモジュレーターを、本発明の組合せの態様において使用することができる。特に、PPARβおよび/またはPPARγモジュレーターは、本発明の化合物との組合せに有用である場合がある。例示的なPPAR阻害剤は、国際公開第WO2003/084916号に、{5−メトキシ−2−メチル−4−[4−(4−トリフルオロメチル−ベンジルオキシ)−ベンジルスルファニル]−フェノキシ}−酢酸および{5−メトキシ−2−メチル−4−[4−(5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−ベンジルスルファニル]−フェノキシ}−酢酸、および前記化合物の薬剤学的に許容できる塩として記載されている。
任意のMTP/アポB(ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質および/またはアポリポタンパク質B)分泌阻害剤を、本発明の組合せの態様において使用することができる。MTP/アポB分泌阻害剤という用語は、トリグリセリド、コレステリルエステル、およびリン脂質の分泌を阻害する化合物を意味する。このような阻害は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、Wetterau,J.R.1992;Science258:999)。種々のこれらの化合物は、下記に記載され参照されているが、他のMTP/アポB分泌阻害剤は、インプリタピド(Bayer社)ならびにWO96/40640およびWO98/23593(2つの例示的公報)に開示されているようなさらなる化合物を含めて当業者には公知であろう。
例えば、下記のMTP/アポB分泌阻害剤は、特に有用である。
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(1H−[1,2,4,]トリアゾール−3−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(2−アセチルアミノ−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
(2−{6−[(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボニル)−アミノ]−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル}−エチル)−カルバミン酸メチルエステル;
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(1H−イミダゾール−2−イルメチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(2,2−ジフェニル−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボン酸[2−(2−エトキシ−エチル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イル]−アミド;
(S)−N−{2−[ベンジル(メチル)アミノ]−2−オキソ−1−フェニルエチル}−1−メチル−5−[4’−(トリフルオロメチル)[1,1’−ビフェニル]−2−カルボキサミド]−1H−インドール−2−カルボキサミド;
(S)−2−[(4’−トリフルオロメチル−ビフェニル−2−カルボニル)−アミノ]−キノリン−6−カルボン酸(ペンチルカルバモイル−フェニル−メチル)−アミド;
1H−インドール−2−カルボキサミド,1−メチル−N−[(1S)−2−[メチル(フェニルメチル)アミノ]−2−オキソ−1−フェニルエチル]−5−[[[4’−(トリフルオロメチル)[1,1’−ビフェニル]−2−イル]カルボニル]アミノ];および
N−[(1S)−2−(ベンジルメチルアミノ)−2−オキソ−1−フェニルエチル]−1−メチル−5−[[[4’−(トリフルオロメチル)ビフェニル−2−イル]カルボニル]アミノ]−1H−インドール−2−カルボキサミド
任意のHMG−CoAシンターゼ阻害剤を、本発明の組合せの態様において使用することができる。HMG−CoAシンターゼ阻害剤という用語は、酵素HMG−CoAシンターゼによって触媒されるアセチルコエンザイムAおよびアセトアセチルコエンザイムAからのヒドロキシメチルグルタリルコエンザイムAの生合成を阻害する化合物を意味する。このような阻害は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(Meth Enzymol.1975;35:155〜160:Meth.Enzymol.1985;110:19〜26およびその中で引用されている参考文献)。種々のこれらの化合物は、下記に記載され参照されているが、他のHMG−CoAシンターゼ阻害剤が、当業者には公知であろう。米国特許第5,120,729号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、特定のβ−ラクタム誘導体が開示されている。米国特許第5,064,856号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、微生物(MF5253)を培養することによって調製される特定のスピロラクトン誘導体が開示されている。米国特許第4,847,271号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、11−(3−ヒドロキシメチル−4−オキソ−2−オキセタイル)−3,5,7−トリメチル−2,4−ウンデカジエン酸誘導体などの特定のオキセタン化合物が開示されている。
HMG−CoAレダクターゼ遺伝子発現を減少させる任意の化合物を、本発明の組合せの態様において使用することができる。これらの薬剤は、DNA転写を遮断するHMG−CoAレダクターゼ転写阻害剤、またはHMG−CoAレダクターゼをコードするmRNAのタンパク質への翻訳を妨げもしくは減少させる翻訳阻害剤であってもよい。このような化合物は、転写または翻訳に直接影響を与える場合もあるし、コレステロール生合成カスケードにおいて1種または複数の酵素によって上記の活性を有する化合物に生体内変換される場合があるし、または上記の活性を有するイソプレン代謝物の蓄積をもたらす場合もある。このような化合物は、サイト−1プロテアーゼ(S1P)の活性を阻害するか、またはオキズゲナール(oxzgenal)受容体もしくはSCAPのアゴニストとなることで、SREBP(ステロール受容体結合タンパク質)の濃度を低下させることによって、この効果を生じさせることができる。このような調節は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(Meth.Enzymol.1985;110:9〜19)。いくつかの化合物が、下記に記載され参照されているが、HMG−CoAレダクターゼ遺伝子発現の他の阻害剤が、当業者には公知であろう。米国特許第5,041,432号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、特定の15−置換ラノステロール誘導体が開示されている。HMG−CoAレダクターゼの合成を抑制する他の酸素化ステロールは、E.I.Mercer(Prog.Lip.Res.1993;32:357〜416)によって論述されている。
CETP阻害剤としての活性を有する任意のさらなる化合物は、本発明の併用療法の態様において、第2の化合物としての役割を果たすことができる。CETP阻害剤という用語は、コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)が媒介するHDLからLDLおよびVLDLへの様々なコレステリルエステルおよびトリグリセリドの転送を阻害する化合物を意味する。このようなCETP阻害活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、米国特許第6,140,343号)。種々のCETP阻害剤が、当業者には公知であろう(例えば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,140,343号および本発明の譲受人に譲渡された米国特許第6,197,786号に開示されたもの)。これらの特許に開示されているCETP阻害剤には、トルセトラピブとしても知られている[2R,4S]4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルなどの化合物が包含される。CETP阻害剤はまた、米国特許第6,723,752号においても記載されており、(2R)−3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メチル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノールを含めたいくつかのCETP阻害剤が包含される。さらに、本明細書において包含されるCETP阻害剤はまた、2004年3月23日に出願された米国特許出願第10/807838号にも記載されている。米国特許第5,512,548号には、CETP阻害剤としての活性を有する特定のポリペプチド誘導体が開示されている一方、特定のCETP阻害ロセノノラクトン誘導体およびコレステリルエステルのリン酸含有類似体が、J.Antibiot.,49(8):815〜816(1996)、およびBioorg.Med.Chem.Lett.;6:1951〜1954(1996)に各々開示されている。
例示的なCETP阻害剤には、[2R,4S]−4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−メトキシカルボニル−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル、cis−(2R,4S)−2−(4−{4−[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボニル}−シクロヘキシル)−アセトアミド、(2R)−3−{[3−(4−クロロ−3−エチル−フェノキシ)−フェニル]−[[3−(1,1,2,2−テトラフルオロ−エトキシ)−フェニル]−メチル]−アミノ}−1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、および(2R,4R,4aS)−4−[アミノ−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−メチル]−2−エチル−6−トリフルオロメチル−3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸イソプロピルエステルまたは前記化合物の薬剤学的に許容できる塩が包含される。
任意のスクアレンシンテターゼ阻害剤を、本発明の組合せの態様において使用することができる。スクアレンシンテターゼ阻害剤という用語は、酵素スクアレンシンテターゼによって触媒されるファルネシルピロリン酸2分子の縮合によるスクアレンの形成を阻害する化合物を意味する。このような阻害は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(Meth.Enzymol.1969;15:393〜454およびMeth.Enzymol.1985;110:359〜373およびその中にある参考文献)。種々のこれらの化合物は、下記に記載され参照されているが、他のスクアレンシンテターゼ阻害剤が、当業者には公知であろう。米国特許第5,026,554号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、ザラゴジン酸を含めた微生物MF5465(ATCC74011)の発酵産物が開示されている。他の特許を取得したスクアレンシンテターゼ阻害剤の概要が編集された(Curr.Op.Ther.Patents(1993)861〜4)。
任意のスクアレンエポキシダーゼ阻害剤を、本発明の組合せの態様において使用することができる。スクアレンエポキシダーゼ阻害剤という用語は、酵素スクアレンエポキシダーゼによって触媒されるスクアレンと分子状酸素とのスクアレン−2,3−エポキシドへの生物変換を阻害する化合物を意味する。このような阻害は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(Biochim.Biophys.Acta1984;794:466〜471)。種々のこれらの化合物は、下記に記載され参照されているが、他のスクアレンエポキシダーゼ阻害剤が、当業者には公知であろう。米国特許第5,011,859号および同第5,064,864号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、スクアレンの特定のフルオロ類似体が開示されている。欧州特許出願公開第395,768(A)号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、特定の置換アリルアミン誘導体が開示されている。PCT国際公開第WO9312069(A)号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、特定のアミノアルコール誘導体が開示されている。米国特許第5,051,534号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、特定のシクロプロピルオキシ−スクアレン誘導体が開示されている。
任意のスクアレンシクラーゼ阻害剤を、本発明の組合せの態様において第2の成分として使用し得る。スクアレンシクラーゼ阻害剤という用語は、酵素スクアレンシクラーゼによって触媒されるスクアレン−2,3−エポキシドのラノステロールへの生物変換を阻害する化合物を意味する。このような阻害は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(FEBS Lett.1989;244:347〜350)。さらに、下記に記載され参照されている化合物は、スクアレンシクラーゼ阻害剤であるが、他のスクアレンシクラーゼ阻害剤が、当業者には公知であろう。PCT国際公開第WO9410150号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、N−トリフルオロアセチル−1,2,3,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−2−アリル−5,5,8(β)−トリメチル−6(β)−イソキノリンアミンなどの特定の1,2,3,5,6,7,8,8a−オクタヒドロ−5,5,8(β)−トリメチル−6−イソキノリンアミン誘導体が開示されている。仏国特許出願公開第2697250号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、1−(1,5,9−トリメチルデシル)−β,β−ジメチル−4−ピペリジンエタノールなどの特定のβ,β−ジメチル−4−ピペリジンエタノール誘導体が開示されている。
任意の混合したスクアレンエポキシダーゼ/スクアレンシクラーゼ阻害剤を、本発明の組合せの態様において第2の成分として使用し得る。混合したスクアレンエポキシダーゼ/スクアレンシクラーゼ阻害剤という用語は、スクアレン−2,3−エポキシド中間体を介した、スクアレンのラノステロールへの生物変換を阻害する化合物を意味する。いくつかのアッセイでは、スクアレンエポキシダーゼ阻害剤およびスクアレンシクラーゼ阻害剤を区別することは不可能であるが、これらのアッセイは、当業者に認識されている。したがって、混合したスクアレンエポキシダーゼ/スクアレンシクラーゼ阻害剤による阻害は、スクアレンシクラーゼまたはスクアレンエポキシダーゼ阻害剤のための上記の標準的アッセイによって当業者によって容易に決定される。種々のこれらの化合物は、下記に記載され参照されているが、他のスクアレンエポキシダーゼ/スクアレンシクラーゼ阻害剤が、当業者には公知であろう。米国特許第5,084,461号および同第5,278,171号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、特定のアザデカリン誘導体が開示されている。EP欧州特許出願公開第468,434号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、2−(1−ピペリジル)ペンチルイソペンチルスルホキシドおよび2−(1−ピペリジル)エチルエチルスルフィドなどの、特定のピペリジルエーテルおよびチオエーテル誘導体が開示されている。PCT国際公開第WO9401404号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、1−(1−オキソペンチル−5−フェニルチオ)−4−(2−ヒドロキシ−1−メチル)−エチル)ピペリジンなどの特定のアシル−ピペリジンが開示されている。米国特許第5,102,915号(その開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている)には、特定のシクロプロピルオキシ−スクアレン誘導体が開示されている。
本発明の化合物はまた、血漿コレステロール値を低下させるように作用する天然由来の化合物と組み合わせて投与することもできる。これらの天然由来の化合物は、一般に栄養補助物質と呼ばれ、例えば、ニンニク抽出物およびナイアシンが包含される。ナイアシンの徐放性形態が、利用可能であり、Niaspanとして知られている。ナイアシンはまた、ロバスタチンなどの他の治療剤と混合することもでき、または他はHMG−CoAレダクターゼ阻害剤である。このロバスタチンとの併用療法は、ADVICOR(商標)(Kos Pharmaceuticals社)として知られている。
任意のコレステロール吸収阻害剤を、本発明のさらなる組合せの態様として使用することができる。コレステロール吸収阻害という用語は、腸内腔に含有されるコレステロールが、腸の細胞に入り、ならびに/または腸の細胞内からリンパ系および/もしくは血流に送られることを防ぐ、化合物の能力を意味する。このようなコレステロール吸収阻害活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、J.Lipid Res.(1993)34:377〜395)。コレステロール吸収阻害剤は、当業者には公知であり、例えば、PCT WO94/00480に記載されている。最近承認されたコレステロール吸収阻害剤の例は、ZETIA(商標)(エゼチミブ)(Schering−Plough社/Merck社)である。
任意のACAT阻害剤を、本発明の併用療法の態様において使用することができる。ACAT阻害剤という用語は、酵素アシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼによって食事性コレステロールの細胞内エステル化を阻害する化合物を意味する。このような阻害は、HeiderらによりJournal of Lipid Research.,24:1127(1983)に記載されている方法などの標準的アッセイによって当業者によって容易に決定される。種々のこれらの化合物は、当業者には公知であり、例えば、米国特許第5,510,379号には、特定のカルボキシスルホナートが開示されており、一方WO96/26948およびWO96/10559の両方には、ACAT阻害活性を有する尿素誘導体が開示されている。ACAT阻害剤の例には、アバシミブ(Pfizer社)、CS−505(三共社)およびエフルシミブ(Eli Lilly社およびPierre Fabre社)などの化合物が包含される。
本発明の併用療法の態様において、リパーゼ阻害剤を使用することができる。リパーゼ阻害剤は、食事性トリグリセリドまたは血漿リン脂質の遊離脂肪酸および対応するグリセリド(例えば、EL、HLなど)の代謝的開裂を阻害する化合物である。通常生理条件下で、脂肪分解は、リパーゼ酵素の活性化セリン部分のアシル化を伴う2段階の過程を介して起こる。これによって、脂肪酸−リパーゼヘミアセタール中間体の生成をもたらし、次いでこれが開裂し、ジグリセリドを放出する。さらなる脱アシル化に次いで、リパーゼ−脂肪酸中間体は開裂し、遊離リパーゼ、グリセリドおよび脂肪酸が生じる。生じた遊離脂肪酸およびモノグリセリドは、腸において胆汁酸−リン脂質ミセルに組み込まれ、これは次いで小腸の刷子縁の位置で吸収される。ミセルは、最終的にカイロミクロンとして末梢循環に入る。このようなリパーゼ阻害活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、Methods Enzymol.286:190〜231)。
膵臓リパーゼは、トリグリセリドからの脂肪酸の代謝的開裂を、1−炭素および3−炭素位置において媒介する。摂食された脂肪の代謝の主要部位は、膵臓リパーゼ(上部小腸における脂肪の分解のために必要な非常に過剰な量で通常分泌される)によって十二指腸および近位空腸中である。膵臓リパーゼは、食事性トリグリセリドの吸収に必要な主要な酵素であるため、阻害剤は、肥満症および他の関連する状態の治療に有用性を有する。このような膵臓リパーゼ阻害活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、Methods Enzymol.286:190〜231)。
胃リパーゼは、食事性脂肪の消化の約10〜40%に関与している免疫学的に特異なリパーゼである。胃リパーゼは、機械的刺激、食物の摂取、脂肪分の多い食事の存在に反応して、または交感神経作動薬によって分泌される。摂取脂肪の胃による脂肪分解は、腸における膵臓リパーゼ活性を引き起こすのに必要な脂肪酸をもたらすことにおいて生理学的に重要であり、膵不全に関連する種々の生理的および病的状態における脂肪吸収のためにも重要である。例えば、C.K.Abramsら、Gastroenterology、92,125(1987)を参照されたい。このような胃リパーゼ阻害活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、Methods Enzymol.286:190〜231)。
種々の胃および/または膵臓リパーゼ阻害剤は、当業者には公知である。好ましいリパーゼ阻害剤は、リプスタチン、テトラヒドロリプスタチン(オルリスタット)、バリラクトン、エステラスチン、エベラクトンA、およびエベラクトンBからなる群から選択される阻害剤である。化合物テトラヒドロリプスタチンが、特に好ましい。リパーゼ阻害剤、N−3−トリフルオロメチルフェニル−N’−3−クロロ−4’−トリフルオロメチルフェニル尿素、およびそれに関連する様々な尿素誘導体は、米国特許第4,405,644号に開示されている。リパーゼ阻害剤エステラシンは、米国特許第4,189,438号および同第4,242,453号に開示されている。リパーゼ阻害剤シクロ−O,O’−[(1,6−ヘキサンジイル)−ビス−(イミノカルボニル)]ジオキシム、およびそれに関連する様々なビス(イミノカルボニル)ジオキシムは、Petersenら、Liebig’s Annalen、562、205〜229(1949)に記載されているように調製することができる。
種々の膵臓リパーゼ阻害剤を、本明細書の下記に記載する。膵臓リパーゼ阻害剤であるリプスタチン、(2S,3S,5S,7Z,10Z)−5−[(S)−2−ホルムアミド−4−メチル−バレリルオキシ]−2−ヘキシル−3−ヒドロキシ−7,10−ヘキサデカン酸ラクトン、およびテトラヒドロリプスタチン(オルリスタット)、(2S,3S,5S)−5−[(S)−2−ホルムアミド−4−メチル−バレリルオキシ]−2−ヘキシル−3−ヒドロキシ−ヘキサデカン1,3酸ラクトン、ならびに様々に置換されたN−ホルミルロイシン誘導体およびその立体異性体は、米国特許第4,598,089号に開示されている。例えば、テトラヒドロリプスタチンは、例えば、米国特許第5,274,143号、同第5,420,305号、同第5,540,917号、および同第5,643,874号に記載されているように調製される。膵臓リパーゼ阻害剤であるFL−386、1−[4−(2−メチルプロピル)シクロヘキシル]−2−[(フェニルスルホニル)オキシ]−エタノン、およびそれに関連する様々に置換されたスルホナート誘導体は、米国特許第4,452,813号に開示されている。膵臓リパーゼ阻害剤であるWAY−121898、4−フェノキシフェニル−4−メチルピペリジン−1−イル−カルボキシレート、ならびに様々なカルバミン酸エステルおよびそれに関連する薬剤学的に許容できる塩は、米国特許第5,512,565号、同第5,391,571号および同第5,602,151号に開示されている。膵臓リパーゼ阻害剤であるバリラクトン、および放線菌株MG147−CF2の微生物培養によるその調製方法は、Kitaharaら、J.Antibiotics,40(11),1647〜1650(1987)に開示されている。膵臓リパーゼ阻害剤であるエベラクトンAおよびエベラクトンB、ならびに放線菌株MG7−G1の微生物培養によるその調製方法は、Umezawaら、J.Antibiotics,33、1594〜1596(1980)に記載されている。モノグリセリド形成の抑制におけるエベラクトンAおよびBの使用は、1996年6月4日に公開された特開平08−143457号に開示されている。
高コレステロール血症を含めた高脂血症用に市販されており、アテローム性動脈硬化症を予防しまたは治療するのに役立つことを目的としている他の化合物には、Welchol(登録商標)、Colestid(登録商標)、LoCholest(登録商標)およびQuestran(登録商標)などの胆汁酸捕捉剤、ならびにAtromid(登録商標)、Lopid(登録商標)およびTricor(登録商標)などのフィブル酸誘導体が包含される。
糖尿病(特に、II型)、インスリン抵抗性、耐糖能異常、代謝症候群もしくは同様のもの、またはニューロパシー、ネフロパシー、網膜症もしくは白内障などの糖尿病性合併症のいずれかを有する患者に、糖尿病を治療するために使用することができる他の薬剤(例えば、インスリン)と組み合わせて、本発明の化合物の治療有効量を投与することによって糖尿病を治療することができる。これには、本明細書に記載する抗糖尿病薬(および特定の薬剤)の類が包含される。
任意のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤を、本発明の化合物と組み合わせて第2の薬剤として使用することができる。グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤という用語は、酵素グリコーゲンホスホリラーゼにより触媒されるグリコーゲンのグルコース1−リン酸への生物変換を阻害する化合物を意味する。このようなグリコーゲンホスホリラーゼ阻害活性は、標準的アッセイによって当業者によって容易に決定される(例えば、J.Med.Chem.41(1998)2934〜2938)。種々のグリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤は、WO96/39384およびWO96/39385に記載されているものを含めて、当業者には公知である。
任意のアルドースレダクターゼ阻害剤を、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。アルドースレダクターゼ阻害剤という用語は、酵素アルドースレダクターゼによって触媒されるグルコースのソルビトールへの生物変換を阻害する化合物を意味する。アルドースレダクターゼ阻害は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、J.Malone,Diabetes,29:861〜864(1980).“Red Cell Sorbitol,an Indicator of Diabetic Control”)。6−(5−クロロ−3−メチル−ベンゾフラン−2−スルホニル)−2H−ピリダジン−3−オンを包含した米国特許第6,579,879号に記載されたものなどの種々のアルドースレダクターゼ阻害剤は、当業者には公知である。
任意のソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤を、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤という用語は、酵素ソルビトールデヒドロゲナーゼによって触媒されるソルビトールのフルクトースへの生物変換を阻害する化合物を意味する。このようなソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、Analyt.Biochem(2000)280:329〜331)。種々のソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤は公知であり、例えば、米国特許第5,728,704号および同第5,866,578号には、酵素ソルビトールデヒドロゲナーゼを阻害することによって糖尿病性合併症を治療または予防するための化合物および方法が開示されている。
任意のグルコシダーゼ阻害剤を、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。グルコシダーゼ阻害剤は、グリコシドヒドロラーゼ、例えばアミラーゼまたはマルターゼによる複合糖質の、生物が利用可能な単糖、例えばグルコースへの酵素加水分解を阻害する。特に高濃度の炭水化物の摂取後のグルコシダーゼの急速な代謝作用は、食事性高血糖の状態をもたらし、これは脂肪性または糖尿病性の対象において、インスリン分泌の増加、脂肪合成の増加、および脂肪分解の減少をもたらす。このような血糖過多の後、存在するインスリン濃度の上昇によって低血糖がしばしば起こる。さらに、胃中に残る粥状液が、胃液の生成を促進し、これが胃炎または十二指腸潰瘍の発生を起こし、または促進することが知られている。したがって、グルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物の胃の通過を加速し、腸からのグルコースの吸収を阻害するのに有用であることが知られている。さらに、炭水化物の脂肪組織の脂質への変換、それに続く食事性脂肪の脂肪組織蓄積部位への取込みが、したがって減少または遅延し、それからもたらされる有害な異常を減少または予防するという付随する利点をもたらす。このようなグルコシダーゼ阻害活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、Biochemistry(1969)8:4214)。
一般に好ましいグルコシダーゼ阻害剤には、アミラーゼ阻害剤が包含される。アミラーゼ阻害剤は、デンプンまたはグリコーゲンのマルトースへの酵素分解を阻害するグルコシダーゼ阻害剤である。このようなアミラーゼ阻害活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、Methods Enzymol.(1955)1:149)。このような酵素分解の阻害は、グルコースおよびマルトースを含めた体内に吸収され利用し得る糖類の量、ならびにそれからもたらされる付随する有害な状態を減少させるのに有益である。
種々のグルコシダーゼ阻害剤は、当業者には公知であり、その例を下記に示す。好ましいグルコシダーゼ阻害剤は、アカルボース、アジポシン、ボグリボース、ミグリトール、エミグリタート、カミグリボース、テンダミスタット、トレスタチン、プラジミシン−Qおよびサルボスタチンからなる群から選択される阻害剤である。グルコシダーゼ阻害剤であるアカルボース、およびそれに関連する様々なアミノ糖誘導体は、米国特許第4,062,950号および同第4,174,439号に各々開示されている。グルコシダーゼ阻害剤であるアジポシンは、米国特許第4,254,256号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤であるボグリボース、3,4−ジデオキシ−4−[[2−ヒドロキシ−1−(ヒドロキシメチル)エチル]アミノ]−2−C−(ヒドロキシメチル)−D−エピ−イノシトール、およびそれに関連する様々なN−置換疑似アミノ糖は、米国特許第4,701,559号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤であるミグリトール、(2R,3R,4R,5S)−1−(2−ヒドロキシエチル)−2−(ヒドロキシメチル)−3,4,5−ピペリジントリオール、およびそれに関連する様々な3,4,5−トリヒドロキシピペリジンは、米国特許第4,639,436号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤であるエミグリタート、エチルp−[2−[(2R,3R,4R,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジノ]エトキシ]−ベンゾアート、それに関連する様々な誘導体、および薬剤学的に許容できるその酸付加塩は、米国特許第5,192,772号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤であるMDL−25637、2,6−ジデオキシ−7−O−β−D−グルコピラノシル−2,6−イミノ−D−グリセロ−L−グルコヘプチトール、それに関連する様々なホモ二糖類および薬剤学的に許容できるその酸付加塩は、米国特許第4,634,765号に開示されている。グルコシダーゼ阻害剤であるカミグリボース、メチル6−デオキシ−6−[(2R,3R,4R,5S)−3,4,5−トリヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)ピペリジノ]−α−D−グルコピラノシドセスキ水和物、それに関連するデオキシ−ノジリマイシン誘導体、様々な薬剤学的に許容できるその塩、およびその調製のための合成法は、米国特許第5,157,116号および同第5,504,078号に開示されている。グリコシダーゼ阻害剤、サルボスタチンおよびそれに関連する様々な疑似糖類は、米国特許第5,091,524号に開示されている。
種々のアミラーゼ阻害剤は、当業者には公知である。アミラーゼ阻害剤、テンダミスタットおよびそれに関連する様々な環状ペプチドは、米国特許第4,451,455号に開示されている。アミラーゼ阻害剤AI−3688およびそれに関連する様々な環状ポリペプチドは、米国特許第4,623,714号に開示されている。トレスタチンA、トレスタチンBおよびトレスタチンCの混合物からなるアミラーゼ阻害剤であるトレスタチン、ならびにそれに関連する様々なトレハロース含有アミノ糖は、米国特許第4,273,765号に開示されている。
本発明の化合物と組み合わせて第2の薬剤として使用することができるさらなる抗糖尿病化合物には、例えば下記のものが包含される。ビグアニド(例えば、メトホルミン)、インスリン分泌促進剤(例えば、スルホニル尿素およびグリニド)、グリタゾン、非グリタゾンPPARγアゴニスト、PPARβアゴニスト、DPP−IV阻害剤、PDE5阻害剤、GSK−3阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、f−1,6−BPaseの阻害剤(Metabasis社/三共社)、GLP−1/類似体(エキセンディン−4としても知られているAC2993)、インスリンおよびインスリン模倣物(Merck natural products)。他の例には、PKC−β阻害剤およびAGEブレーカーが包含されるであろう。
本発明の化合物は、抗肥満薬と組み合わせて使用することができる。任意の抗肥満薬は、このような組合せ中で第2の薬剤として使用することができ、その例を本明細書において示す。このような抗肥満作用は、当業者によって当技術分野において公知の標準的アッセイによって容易に決定される。
適切な抗肥満薬には、フェニルプロパノールアミン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、フェンテルミン、β3アドレナリン作動性受容体アゴニスト、アポリポタンパク質−B分泌/ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(アポ−B/MTP)阻害剤、MCR−4アゴニスト、コレシストキニン−A(CCK−A)アゴニスト、モノアミン再取込み阻害剤(例えば、シブトラミン)、交感神経様作用薬、セロトニン作動性剤、カンナビノイド受容体(CB−1)アンタゴニスト(例えば、米国特許第5,624,941号(SR−141,716A)に記載されているリモナバント、米国特許出願公開第2004/0092520号に記載されているプリン化合物、2004年1月21日に出願された米国非仮特許出願第10/763105号に記載されているピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン化合物、ならびに2003年11月7日に出願された米国仮出願第60/518280号に記載されている二環式ピラゾリルおよびイミダゾリル化合物)、ドーパミンアゴニスト(例えば、ブロモクリプチン)、メラニン細胞刺激ホルモン受容体類似体、5HT2cアゴニスト、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、レプチン(OBタンパク質)、レプチン類似体、レプチン受容体アゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(例えば、テトラヒドロリプスタチン、すなわちオルリスタット)、ボンベシンアゴニスト、食欲抑制剤(例えば、ボンベシンアゴニスト)、ニューロペプチド−Yアンタゴニスト、チロキシン、甲状腺模倣剤、デヒドロエピアンドロステロンまたはその類似体、グルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、ウロコルチン結合タンパク質アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド−1受容体アゴニスト、繊毛様神経栄養因子(例えば、Axokine(商標))、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、ニューロメジンU受容体アゴニストなどが包含される。
リモナバント(Sanofi−Synthelabo社から入手可能な商品名Accomplia(商標)として知られるSR141716A)は、米国特許第5,624,941号に記載のように調製することができる。他の適切なCB−1アンタゴニストには、米国特許第5,747,524号、同第6,432,984号および同第6,518,264号、米国特許出願公開第US2004/0092520号、同第US2004/0157839号、同第US2004/0214855号、および同第US2004/0214838号、2004年10月22日に出願された米国特許出願第10/971599号、およびPCT特許出願第WO02/076949号、同第WO03/075660号、同第WO04/048317号、同第WO04/013120号、および同第WO04/012671号に記載されているものが包含される。
抗肥満薬として使用するための好ましいアポリポタンパク質−B分泌/ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(アポ−B/MTP)阻害剤は、米国特許第6,720,351号に記載されているジルロタピド、米国特許第5,521,186号および同第5,929,075号に記載されている4−(4−(4−(4−((2−((4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)メチル)−2−(4−クロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−sec−ブチル−2H−1,2,4−トリアゾール−3(4H)−オン(R103757)、および米国特許第6,265,431号に記載されているインプリタピド(BAY13−9952)などの消化管選択的MTP阻害剤である。本明細書で使用する場合、「消化管選択的」という用語は、MTP阻害剤が、全身曝露と比較して胃腸の組織への曝露がより大きいことを意味する。
任意の甲状腺模倣体は、本発明の化合物と組み合わせて第2の薬剤として使用することができる。このような甲状腺模倣活性は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、Atherosclerosis(1996)126:53〜63)。種々の甲状腺模倣剤は、例えば米国特許第4,766,121号、同第4,826,876号、同第4,910,305号、同第5,061,798号、同第5,284,971号、同第5,401,772号、同第5,654,468号、および同第5,569,674号に開示されているものなど当業者には公知である。他の抗肥満薬には、米国特許第4,929,629号に記載のように調製することができるシブトラミン、ならびに米国特許第3,752,814号および同第3,752,888号に記載のように調製することができるブロモクリプチンが包含される。
本発明の化合物はまた、他の降圧剤と組み合わせて使用することもできる。任意の降圧剤は、このような組合せにおいて第2の薬剤として使用することができ、例を本明細書において示す。このような降圧作用は、当業者によって標準的アッセイによって容易に決定される(例えば、血圧測定)。
降圧剤を含有する現在市販されている製品の例には、Cardizem(登録商標)、Adalat(登録商標)、Calan(登録商標)、Cardene(登録商標)、Covera(登録商標)、Dilacor(登録商標)、DynaCirc(登録商標)、Procardia XL(登録商標)、Sular(登録商標)、Tiazac(登録商標)、Vascor(登録商標)、Verelan(登録商標)、Isoptin(登録商標)、Nimotop(登録商標)、Norvasc(登録商標)、およびPlendil(登録商標)などのカルシウムチャネル遮断剤;Accupril(登録商標)、Altace(登録商標)、Captopril(登録商標)、Lotensin(登録商標)、Mavik(登録商標)、Monopril(登録商標)、Prinivil(登録商標)、Univasc(登録商標)、Vasotec(登録商標)およびZestril(登録商標)などのアンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤が包含される。
アムロジピンおよび関連するジヒドロピリジン化合物は、強力な抗虚血剤および降圧剤として米国特許第4,572,909号(参照により本明細書中に組み込まれている)に開示されている。米国特許第4,879,303号(参照により本明細書中に組み込まれている)には、アムロジピンベンゼンスルホン酸塩(アムロジピンベシル酸塩とも称される)が開示されている。アムロジピンおよびアムロジピンベシル酸塩は、強力で長期に亘り効果が持続するカルシウムチャネル遮断剤である。それら自体として、アムロジピン、アムロジピンベシル酸塩、アムロジピンマレイン酸塩およびアムロジピンの他の薬剤学的に許容できる酸付加塩は、降圧剤および抗虚血剤として有用である。アムロジピンベシル酸塩は、Norvasc(登録商標)として現在販売されている。アムロジピンは、式
本発明の範囲内であるカルシウムチャネル遮断剤には、それだけに限らないが、米国特許第3,962,238号または米国再発行特許第30,577号に開示されているように調製することができるベプリジル、米国特許第4,567,175号に開示されているように調製することができるクレンチアゼム、米国特許第3,562号に開示されているように調製することができるジルチアゼム、米国特許第3,262,977号に開示されているように調製することができるフェンジリン、米国特許第3,261,859号に開示されているように調製することができるガロパミル、米国特許第4,808,605号に開示されているように調製することができるミベフラジル、米国特許第3,152,173号に開示されているように調製することができるプレニラミン、米国特許第4,786,635号に開示されているように調製することができるセモチアジル、米国特許第3,371,014号に開示されているように調製することができるテロジリン、米国特許第3,261,859号に開示されているように調製することができるベラパミル、米国特許第4,572,909号に開示されているように調製することができるアラニピン、米国特許第4,220,649号に開示されているように調製することができるバルニジピン、欧州特許出願公開第106,275号に開示されているように調製することができるベニジピン、米国特許第4,672,068号に開示されているように調製することができるシルニジピン、米国特許第4,885,284号に開示されているように調製することができるエホニジピン、米国特許第4,952,592号に開示されているように調製することができるエルゴジピン、米国特許第4,264,611号に開示されているように調製することができるフェロジピン、米国特許第4,466,972号に開示されているように調製することができるイスラジピン、米国特許第4,801,599号に開示されているように調製することができるラシジピン、米国特許第4,705,797号に開示されているように調製することができるレルカニジピン、米国特許第4,892,875号に開示されているように調製することができるマニジピン、米国特許第3,985,758号に開示されているように調製することができるニカルジピン、米国特許第3,485,847号に開示されているように調製することができるニフェジピン、米国特許第4,338,322号に開示されているように調製することができるニルバジピン、米国特許第3,799,934号に開示されているように調製することができるニモジピン、米国特許第4,154,839号に開示されているように調製することができるニソルジピン、米国特許第3,799,934号に開示されているように調製することができるニトレンジピン、米国特許第2,882,271号に開示されているように調製することができるシンナリジン、米国特許第3,773,939号に開示されているように調製することができるフルナリジン、米国特許第3,267,104号に開示されているように調製することができるリドフラジン、米国特許第4,663,325号に開示されているように調製することができるロメリジン、ハンガリー特許第151,865号に開示されているように調製することができるベンシクラン、独国特許第1,265,758号に開示されているように調製することができるエタフェノン、および英国特許第1,025,578号に開示されているように調製することができるペルヘキシリンが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内であるアンギオテンシン変換酵素阻害剤(ACE−阻害剤)には、それだけに限らないが、米国特許第4,248,883号に開示されているように調製することができるアラセプリル、米国特許第4,410,520号に開示されているように調製することができるベナゼプリル、米国特許第4,046,889号および同第4,105,776号に開示されているように調製することができるカプトプリル、米国特許第4,452,790号に開示されているように調製することができるセロナプリル、米国特許第4,385,051号に開示されているように調製することができるデラプリル、米国特許第4,374,829号に開示されているように調製することができるエナラプリル、米国特許第4,337,201号に開示されているように調製することができるフォシノプリル、米国特許第4,508,727号に開示されているように調製することができるイマダプリル、米国特許第4,555,502号に開示されているように調製することができるリシノプリル、ベルギー特許第893,553号に開示されているように調製することができるモベルトプリル、米国特許第4,508,729号に開示されているように調製することができるペリンドプリル、米国特許第4,344,949号に開示されているように調製することができるキナプリル、米国特許第4,587,258号に開示されているように調製することができるラミプリル、米国特許第4,470,972号に開示されているように調製することができるスピラプリル、米国特許第4,699,905号に開示されているように調製することができるテモカプリル、および米国特許第4,933,361号に開示されているように調製することができるトランドラプリルが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内であるアンギオテンシン−II受容体アンタゴニスト(A−IIアンタゴニスト)には、それだけに限らないが、米国特許第5,196,444号に開示されているように調製することができるカンデサルタン、米国特許第5,185,351号に開示されているように調製することができるエプロサルタン、米国特許第5,270,317号に開示されているように調製することができるイルベサルタン、米国特許第5,138,069号に開示されているように調製することができるロサルタン、および米国特許第5,399,578号に開示されているように調製することができるバルサルタンが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内であるβ−アドレナリン作動性受容体遮断剤(ベータ−またはβ−遮断剤)には、それだけに限らないが、米国特許第3,857,952号に開示されているように調製することができるアセブトロール、オランダ特許出願第6,605,692号に開示されているように調製することができるアルプレノロール、米国特許第4,217,305号に開示されているように調製することができるアモスラロール、米国特許第3,932,400号に開示されているように調製することができるアロチノロール、米国特許第3,663,607号または同3,836,671号に開示されているように調製することができるアテノロール、米国特許第3,853,923号に開示されているように調製することができるベフノロール、米国特許第4,252,984号に開示されているように調製することができるベタキソロール、米国特許第3,857,981号に開示されているように調製することができるベバントロール、米国特許第4,171,370号に開示されているように調製することができるビソプロロール、米国特許第4,340,541号に開示されているように調製することができるボピンドロール、米国特許第3,663,570号に開示されているように調製することができるブクモロール、米国特許第3,723,476号に開示されているように調製することができるブフェトロール、米国特許第3,929,836号に開示されているように調製することができるブフラロール、米国特許第3,940,489号および同第3,961,071号に開示されているように調製することができるブニトロロール、米国特許第3,309,406号に開示されているように調製することができるブプランドロール、仏国特許第1,390,056号に開示されているように調製することができる塩酸ブチリジン、米国特許第4,252,825号に開示されているように調製することができるブトフィロロール、独国特許第2,240,599号に開示されているように調製することができるカラゾロール、米国特許第3,910,924号に開示されているように調製することができるカルテオロール、米国特許第4,503,067号に開示されているように調製することができるカルベジロール、米国特許第4,034,009号に開示されているように調製することができるセリプロロール、米国特許第4,059,622号に開示されているように調製することができるセタモロール、独国特許第2,213,044号に開示されているように調製することができるクロラノロール、Cliftonら、Journal of Medicinal Chemistry,1982、25、670に開示されているように調製することができるジレバロール、欧州特許出願公開第41,491号に開示されているように調製することができるエパノロール、米国特許第4,045,482号に開示されているように調製することができるインデノロール、米国特許第4,012,444号に開示されているように調製することができるラベタロール、米国特許第4,463,176号に開示されているように調製することができるレボブノロール、Seemanら、Helv.Chim.Acta,1971,54,241に開示されているように調製することができるメピンドロール、チェコスロバキア特許出願第128,471号に開示されているように調製することができるメチプラノロール、米国特許第3,873,600号に開示されているように調製することができるメトプロロール、米国特許第3,501,769l号に開示されているように調製することができるモプロロール、米国特許第3,935,267号に開示されているように調製することができるナドロール、米国特許第3,819,702号に開示されているように調製することができるナドキソロール、米国特許第4,654,362号に開示されているように調製することができるネビバロール、米国特許第4,394,382号に開示されているように調製することができるニプラジロール、英国特許第1,077,603号に開示されているように調製することができるオクスプレノロール、米国特許第3,551,493号に開示されているように調製することができるペルブトロール、スイス特許第469,002号および同第472,404号に開示されているように調製することができるピンドロール、米国特許第3,408,387号に開示されているように調製することができるプラクトロール、英国特許第909,357号に開示されているように調製することができるプロネタロール、米国特許第3,337,628号および同第3,520,919号に開示されているように調製することができるプロプラノロール、Ulothら、Journal of Medicinal Chemistry,1966,9,88に開示されているように調製することができるソタロール、独国特許第2,728,641号に開示されているように調製することができるスフィナロール、米国特許第3,935,259号および同第4,038,313に開示されているように調製することができるタリンドール、米国特許第3,960,891号に開示されているように調製することができるテルタトロール、米国特許第4,129,565号に開示されているように調製することができるチリソロール、米国特許第3,655,663号に開示されているように調製することができるチモロール、米国特許第3,432,545号に開示されているように調製することができるトリプロロール、および米国特許第4,018,824号に開示されているように調製することができるキシベノロールが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内であるα−アドレナリン作動性受容体遮断剤(アルファ−またはα−遮断剤)には、それだけに限らないが、米国特許第4,217,307号に開示されているように調製することができるアモスラロール、米国特許第3,932,400号に開示されているように調製することができるアロチノロール、米国特許第4,252,721号に開示されているように調製することができるダピプラゾール、米国特許第4,188,390号に開示されているように調製することができるドキサゾシン、米国特許第3,399,192号に開示されているように調製することができるフェンスピリド、米国特許第3,527,761号に開示されているように調製することができるインドラミン、ラベトロール、米国特許第3,997,666号に開示されているように調製することができるナフトピジル、米国特許第3,228,943号に開示されているように調製することができるニセルゴリン、米国特許第3,511,836号に開示されているように調製することができるプラゾシン、米国特許第4,703,063号に開示されているように調製することができるタムスロシン、米国特許第2,161,938号に開示されているように調製することができるトラゾリン、米国特許第3,669,968号に開示されているように調製することができるトリマゾシン、および当業者には周知の方法によって自然源から単離することができるヨヒンビンが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
「血管拡張薬」という用語は、本明細書において使用される場合、脳血管拡張薬、冠血管拡張薬および末梢血管拡張薬を含むことを意味する。本発明の範囲内である脳血管拡張薬には、それだけに限らないが、ベンシクラン、シンナリジン、Kennedyら、Journal of the American Chemical Society,1955、77、250に開示されているように自然源から単離することができ、またはKennedy,Journal of Biological Chemistry,1956、222、185に開示されているように合成することができるシチコリン、米国特許第3,663,597号に開示されているように調製することができるシクランデラート、独国特許第1,910,481号に開示されているように調製することができるシクロニカート、英国特許第862,248号に開示されているように調製することができるジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、Hermannら、Journal of the American Chemical Society,1979,101,1540に開示されているように調製することができるエブルナモニン、米国特許第4,678,783号に開示されているように調製することができるファスジル、米国特許第3,818,021号に開示されているように調製することができるフェノキセジル、米国特許第3,773,939号に開示されているように調製することができるフルナリジン、米国特許第3,850,941号に開示されているように調製することができるイブジラスト、米国特許第3,509,164号に開示されているように調製することができるイフェンプロジル、米国特許第4,663,325号に開示されているように調製することができるロメリジン、米国特許第3,334,096号に開示されているように調製することができるナフロニル、Blickeら、Journal of the American Chemical Society,1942,64,1722に開示されているように調製することができるニカメタート、上記で開示されているように調製することができるニセルゴリン、米国特許第3,799,934号に開示されているように調製することができるニモジピン、Goldberg,Chem.Prod.Chem.News,1954,17,371に概説されているように調製することができるパパベリン、独国特許第860,217号に開示されているように調製することができるペンチフィリン、米国特許第3,563,997号に開示されているように調製することができるチノフェドリン、米国特許第3,770,724号に開示されているように調製することができるビンカミン、米国特許第4,035,750号に開示されているように調製することができるビンポセチン、および米国特許第2,500,444号に開示されているように調製することができるビキジルが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内である冠血管拡張薬には、それだけに限らないが、米国特許第3,010,965号に開示されているように調製することができるアモトリフェン、J.Chem.Soc.1958,2426に開示されているように調製することができるベンダゾール、米国特許第3,355,463号に開示されているように調製することができるベンフロジルヘミスクシナート、米国特許第3,012,042号に開示されているように調製することができるベンジオダロン、英国特許第740,932号に開示されているように調製することができるクロラシジン、米国特許第3,282,938号に開示されているように調製することができるクロモナール、英国特許第1,160,925号に開示されているように調製することができるクロベンフラール、当業者には周知の方法によってプロパンジオールから調製することができるクロニトラート(例えば、Annalen,1870,155,165を参照されたい)、米国特許第4,452,811号に開示されているように調製することができるクロリクロメン、米国特許第3,532,685号に開示されているように調製することができるジラゼプ、英国特許第807,826号に開示されているように調製することができるジピリダモール、独国特許第2,521,113号に開示されているように調製することができるドロプレニラミン、英国特許第803,372号および同第824,547号に開示されているように調製することができるエフロキサート、当業者には周知の方法によってエリトリトールのニトロ化によって調製することができる四硝酸エリトリチル、独国特許第1,265,758号に開示されているように調製することができるエタフェノン、米国特許第3,262,977号に開示されているように調製することができるフェンジリン、独国特許第2,020,464号に開示されているように調製することができるフロレジル、ソ連特許第115,905号に開示されているように調製することができるガングレフェン、米国特許第2,357,985号に開示されているように調製することができるヘキセストロール、米国特許第3,267,103号に開示されているように調製することができるヘキソベンジン、スウェーデン特許第168,308号に開示されているように調製することができるトシル酸イトラミン、Baxterら、Journal of the Chemical Society,1949,S30に開示されているように調製することができるケリン、米国特許第3,267,104号に開示されているように調製することができるリドフラジン、当業者には周知の方法によってマンニトールのニトロ化によって調製することができる六硝酸マンニトール、米国特許第3,119,826号に開示されているように調製することができるメジバジン、ニトログリセリン、当業者には周知の方法によってペンタエリトリトールのニトロ化によって調製することができる四硝酸ペンタエリトリトール、独国特許第638,422−3号に開示されているように調製することができるペントリニトロール、上記で開示されているように調製することができるペルヘキシリン、米国特許第3,350,400号に開示されているように調製することができるピメフィリン、米国特許第3,152,173号に開示されているように調製することができるプレニラミン、仏国特許第1,103,113号に開示されているように調製することができる硝酸プロパチル、東独国特許第55,956号に開示されているように調製することができるトラピジル、米国特許第2,769,015号に開示されているように調製することができるトリクロミル、米国特許第3,262,852号に開示されているように調製することができるトリメタジジン、当業者には周知の方法によってトリエタノールアミンのニトロ化、次いでリン酸による沈殿によって調製することができるトリン酸トロルニトラート、米国特許第2,816,118号および同第2,980,699号に開示されているように調製することができるビスナジンが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内である末梢血管拡張薬には、それだけに限らないが、米国特許第2,970,082号に開示されているように調製することができるニコチン酸アルミニウム、Corriganら、Journal of the American Chemical Society,1945,67,1894に開示されているように調製することができるバメタン、上記で開示されているように調製することができるベンシクラン、Walterら、Journal of the American Chemical Society,1941,63,2771に開示されているように調製することができるベタヒスチン、Hamburgら、Arch.Biochem.Biophys.,1958,76,252に開示されているように調製することができるブラジキニン、米国特許第4,146,643号に開示されているように調製することができるブロビンカミン、米国特許第3,542,870号に開示されているように調製することができるブフェニオド、米国特許第3,895,030号に開示されているように調製することができるブフロメジル、米国特許第3,338,899号に開示されているように調製することができるブタラミン、仏国特許第1,460,571号に開示されているように調製することができるセチエジル、独国特許第1,910,481号に開示されているように調製することができるシクロニカート、ベルギー特許第730,345号に開示されているように調製することができるシネパジド、上記で開示されているように調製することができるシンナリジン、上記で開示されているように調製することができるシクランデラート、上記で開示されているように調製することができるジクロロ酢酸ジイソプロピルアミン、英国特許第984,810号に開示されているように調製することができるエレドイシン、上記で開示されているように調製することができるフェノキセジル、上記で開示されているように調製することができるフルナリジン、米国特許第3,384,642号に開示されているように調製することができるヘプロニカート、上記で開示されているように調製することができるイフェンプロジル、米国特許第4,692,464号に開示されているように調製することができるイロプロスト、Badgettら、Journal of the American Chemical Society,1947,69,2907に開示されているように調製することができるニコチン酸イノシトール、米国特許第3,056,836号に開示されているように調製することができるイソクスプリン、Biochem.Biophys.Res.Commun.,1961,6,210に開示されているように調製することができるカリジン、独国特許第1,102,973号に開示されているように調製することができるカリクレイン、独国特許第905,738号に開示されているように調製することができるモキシシリト、上記で開示されているように調製することができるナフロニル、上記で開示されているように調製することができるニカメタート、上記で開示されているように調製することができるニセルゴリン、スイス特許第366,523号に開示されているように調製することができるニコフラノース、米国特許第2,661,372号および同第2,661,373号に開示されているように調製することができるナイリドリン、上記で開示されているように調製することができるペンチフィリン、米国特許第3,422,107号に開示されているように調製することができるペントキシフィリン、米国特許第3,299,067号に開示されているように調製することができるピリベジル、the Merck Index,Twelfth Edition,Budaveri,Ed.,New Jersey,1996,1353頁に参照されている方法のいずれかによって調製することができるプロスタグランジンE1、独国特許第2,334,404号に開示されているように調製することができるスロクチジル、米国特許第2,161,938号に開示されているように調製することができるトラゾリン、および独国特許第1,102,750号またはKorbonitsら、Acta.Pharm.Hung.,1968,38,98に開示されているように調製することができるニコチン酸キサンチノールが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内である「利尿薬」という用語には、利尿薬ベンゾチアジアジン誘導体、利尿薬有機水銀化合物、利尿薬プリン、利尿薬ステロイド、利尿薬スルホンアミド誘導体、利尿薬ウラシル、オーストリア特許第168,063号に開示されているように調製することができるアマノジン、ベルギー特許第639,386号に開示されているように調製することができるアミロリド、Tschitschibabin,Annalen,1930,479,303に開示されているように調製することができるアルブチン、オーストリア特許第168,063号に開示されているように調製することができるクロラザニル、米国特許第3,255,241号に開示されているように調製することができるエタクリン酸、米国特許第3,072,653号に開示されているように調製することができるエトゾリン、英国特許第856,409号に開示されているように調製することができるヒドラカルバジン、米国特許第3,160,641号に開示されているように調製することができるイソソルビド、マンニトール、Freudenbergら、Ber.,1957,90,957に開示されているように調製することができるメトカルコン、米国特許第4,018,890号に開示されているように調製することができるムゾリミン、上記で開示されているように調製することができるペルヘキシリン、米国特許第3,758,506号に開示されているように調製することができるチクリナフェン、米国特許第3,081,230号に開示されているように調製することができるトリアムテレン、および尿素などの他の利尿剤が包含されることを意味する。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内である利尿薬ベンゾチアジアジン誘導体には、それだけに限らないが、英国特許第902,658号に開示されているように調製することができるアルチアジド、米国特許第3,265,573号に開示されているように調製することができるベンドロフルメチアジド、ベンズチアジド(McManusら、136th Am.Soc.Meeting(Atlantic City、1959年9月)、アブストラクト、13〜O頁)、米国特許第3,108,097号に開示されているように調製することができるベンジルヒドロクロロチアジド、英国特許第861,367号および同第885,078号に開示されているように調製することができるブチアジド、米国特許第2,809,194号および同第2,937,169号に開示されているように調製することができるクロロチアジド、米国特許第3,055,904号に開示されているように調製することができるクロルタリドン、ベルギー特許第587,225号に開示されているように調製することができるシクロペンチアジド、Whiteheadら、Journal of Organic Chemistry,1961,26,2814に開示されているように調製することができるシクロチアジド、米国特許第3,009,911号に開示されているように調製することができるエピチアジド、英国特許第861,367号に開示されているように調製することができるエチアジド、米国特許第3,870,720号に開示されているように調製することができるフェンキゾン、米国特許第3,565,911号に開示されているように調製することができるインダパミド、米国特許第3,164,588号に開示されているように調製することができるヒドロクロロチアジド、米国特許第3,254,076号に開示されているように調製することができるヒドロフルメチアジド、Closeら、Journal of the American Chemical Society,1960,82,1132に開示されているように調製することができるメチクロチアジド、仏国特許第M2790号および同第1,365,504号に開示されているように調製することができるメチクラン、米国特許第3,360,518号に開示されているように調製することができるメトラゾン、ベルギー特許第620,829号に開示されているように調製することができるパラフルチジド、米国特許第3,009,911号に開示されているように調製することができるポリチアジド、米国特許第2,976,289号に開示されているように調製することができるキネタゾン、Closeら、Journal of the American Chemical Society,1960、82、1132に開示されているように調製することができるテクロチアジド、およびdeStevensら、Experientia,1960,16,113に開示されているように調製することができるトリクロルメチアジドが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
本発明の範囲内である利尿薬スルホンアミド誘導体には、それだけに限らないが、米国特許第2,980,679号に開示されているように調製することができるアセタゾラミド、米国特許第3,188,329号に開示されているように調製することができるアンブシド、米国特許第3,665,002号に開示されているように調製することができるアゾセミド、米国特許第3,634,583号に開示されているように調製することができるブメタニド、英国特許第769,757号に開示されているように調製することができるブタゾールアミド、米国特許第2,809,194号、同第2,965,655号および同第2,965,656号に開示されているように調製することができるクロラミノフェナミド、Olivier,Rec.Trav.Chim.,1918,37,307号に開示されているように調製することができるクロフェナミド、米国特許第3,459,756号に開示されているように調製することができるクロパミド、米国特許第3,183,243号に開示されているように調製することができるクロレキソロン、英国特許第851,287号に開示されているように調製することができるジスルファミド、英国特許第795,174号に開示されているように調製することができるエトキソールアミド、米国特許第3,058,882号に開示されているように調製することができるフロセミド、米国特許第3,356,692号に開示されているように調製することができるメフルシド、米国特許第2,783,241号に開示されているように調製することができるメタゾラミド、米国特許第4,010,273号に開示されているように調製することができるピレタニド、米国特許第4,018,929号に開示されているように調製することができるトラセミド、日本特許第7305585号に開示されているように調製することができるトリパミド、および米国特許第3,567,777号に開示されているように調製することができるキシパミドが包含される。全てのこのような米国特許の開示は、参照により本明細書中に組み込まれている。
骨粗鬆症は、低い骨量および骨組織の劣化を特徴とする全身性骨疾患であり、結果として骨の脆弱性および骨折のしやすさが増大する。米国では、この症状は、2500万を超える人々が罹患し、毎年130万を超える骨折を引き起こしており、年間500,000件の脊椎骨折、250,000件の股関節骨折、および240,000件の手首骨折がこれに含まれる。股関節骨折は、骨粗鬆症の最も深刻な結果であり、患者の5〜20%が1年以内に死亡し、生存者の50%より多くが再起不能となる。
高齢者は骨粗鬆症のリスクが最も高く、したがって、この問題は人口の高齢化に伴って著しく増加することが予想される。世界中の骨折の発生率は、この先60年間に亘り3倍に増加することが予測され、ある研究によると、2050年には全世界で450万件の股関節骨折が起こるであろうことが推定されている。
女性は男性より骨粗鬆症のリスクが高い。女性は閉経後5年間に骨喪失の急激な加速を経験する。このリスクを増加させる他の要因には、喫煙、アルコール乱用、座りがちなライフスタイル、低いカルシウム摂取量が包含される。
再吸収抑制剤(例えば、プロゲスチン、ポリホスホネート、ビスホスホネート、エストロゲンアゴニスト/アンタゴニスト、エストロゲン、エストロゲン/プロゲスチンの組合せ、Premarin(登録商標)、エストロン、エストリオール、または17α−もしくは17β−エチニルエストラジオール)は、本発明の化合物と併せて使用することができることを当業者であれば理解するであろう。
例示的なプロゲスチンは、商業的供給源から入手可能であり、アルゲストンアセトフェニド、アルトレノジスト、酢酸アマジノン、酢酸アナゲストン、酢酸クロルマジノン、シンゲストール、酢酸クロゲストン、酢酸クロメゲストン、酢酸デルマジノン、デソゲストレル、ジメチステロン、ジドロゲステロン、エチネロン、二酢酸エチノジオール、エトノゲストレル、酢酸フルロゲストン、ゲスタクロン、ゲストデン、カプロン酸ゲストノロン、ゲストリノン、ハロプロゲステロン、カプロン酸ヒドロキシプロゲステロン、レボノルゲストレル、リネストレノール、メドロゲストン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メレンゲストロール、二酢酸メチノジオール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート、ノルゲストメト、ノルゲストレル、フェンプロピオン酸オキソゲストン、プロゲステロン、酢酸キンゲスタノール、キンゲストロン、およびチゲストールが包含される。
好ましいプロゲスチンは、メドロキシプロゲストロン、ノルエチンドロンおよびノルエチノドレルである。
例示的な骨吸収阻害性のポリホスホネートには、米国特許第3,683,080号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているタイプのポリホスホネートが包含される。好ましいポリホスホネートは、ジェミナルジホスホネート(ビスホスホネートとも称される)である。チルドロネート二ナトリウムは、特に好ましいポリホスホネートである。イバンドロン酸は、特に好ましいポリホスホネートである。アレンドロネートおよびレシンドロネートは、特に好ましいポリホスホネートである。ゾレドロン酸は、特に好ましいポリホスホネートである。他の好ましいポリホスホネートは、6−アミノ−1−ヒドロキシ−ヘキシリデン−ビスホスホン酸および1−ヒドロキシ−3(メチルペンチルアミノ)−プロピリデン−ビスホスホン酸である。ポリホスホネートは、酸の形態、または可溶性のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩の形態で投与することができる。ポリホスホネートの加水分解性エステルもまた包含される。具体例には、エタン−1−ヒドロキシ1,1−ジホスホン酸、メタンジホスホン酸、ペンタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、メタンジクロロジホスホン酸、メタンヒドロキシジホスホン酸、エタン−1−アミノ−1,1−ジホスホン酸、エタン−2−アミノ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−N,N−ジメチル−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、プロパン−3,3−ジメチル−3−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、フェニルアミノメタンジホスホン酸、N,N−ジメチルアミノメタンジホスホン酸、N(2−ヒドロキシエチル)アミノメタンジホスホン酸、ブタン−4−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、ペンタン−5−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、ヘキサン−6−アミノ−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸、およびその薬剤学的に許容できるエステルおよび塩が包含される。
特に、本発明の化合物は、哺乳動物のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストと混合することができる。任意のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストを、本発明の組合せの態様において使用することができる。エストロゲンアゴニスト/アンタゴニストという用語は、エストロゲン受容体と結合し、骨代謝を阻害し、かつ/または骨喪失を予防する化合物を意味する。特に、エストロゲンアゴニストは、本明細書において、哺乳動物の組織においてエストロゲン受容体部位に結合し、1種または複数の組織におけるエストロゲンの作用を模倣することのできる化合物であると定義される。エストロゲンアンタゴニストは、本明細書において、哺乳動物の組織においてエストロゲン受容体部位に結合し、1種または複数の組織におけるエストロゲンの作用を遮断することのできる化合物と定義される。このような作用は、エストロゲン受容体結合アッセイを含めた標準的アッセイ、標準的組織形態計測的方法および密度計による方法、ならびにEriksen E.F.ら、Bone Histomorphometry,Raven Press,New York,1994,1〜74頁;Grier S.J.ら、The Use of Dual−Energy X−Ray Absorptiometry In Animals,Inv.Radiol.,1996,31(1):50〜62;Wahner H.W.、およびFogelman I.,The Evaluation of Osteoporosis:Dual Energy X−Ray Absorptiometry in Clinical Practice.,Martin Dunitz Ltd.,London1994,1〜296頁)によって当業者によって容易に決定される。種々のこれらの化合物を、下記に記載し参照する。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、Willsonら、Endocrinology,1997,138,3901〜3911に開示されている3−(4−(1,2−ジフェニル−ブト−1−エニル)−フェニル)−アクリル酸である。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第4,536,516号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているタモキシフェン、すなわち(エタンアミン、2−(−4−(1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ)−N,N−ジメチル,(Z)−2−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート(1:1))および関連する化合物である。
他の関連する化合物は、米国特許第4,623,660号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されている4−ヒドロキシタモキシフェンである。
好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第4,418,068号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているラロキシフェン、すなわち(メタノン、(6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チエン−3−イル)(4−(2−(1−ピペリジニル)エトキシ)フェニル)−塩酸塩)である。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第4,996,225号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されている、トレミフェン、すなわち(エタンアミン、2−(4−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−1−ブテニル)フェノキシ)−N,N−ジメチル−,(Z)−,2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボキシレート(1:1)である。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第3,822,287号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているセントクロマン、すなわち1−(2−((4−(−メトキシ−2,2,ジメチル−3−フェニル−クロマン−4−イル)−フェノキシ)−エチル)−ピロリジンである。また好ましいのは、レボルメロキシフェンである。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第4,839,155号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているイドキシフェン、すなわち(E)−1−(2−(4−(1−(4−ヨード−フェニル)−2−フェニル−ブト−1−エニル)−フェノキシ)−エチル)−ピロリジノンである。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第5,488,058号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されている2−(4−メトキシ−フェニル)−3−[4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェノキシ]−ベンゾ[b]チオフェン−6−オールである。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第5,484,795号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されている6−(4−ヒドロキシ−フェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−ベンジル)−ナフタレン−2−オールである。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、Pfizer社に譲渡された国際特許出願公開第95/10513号において、調製方法と共に開示されている(4−(2−(2−アザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−イル)−エトキシ)−フェニル)−(6−ヒドロキシ−2−(4−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−メタノンである。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストには、化合物TSE−424(Wyeth−Ayerst Laboratories社)およびアラゾキシフェンが包含される。
他の好ましいエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストには、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,552,412号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に開示されているような化合物が包含される。そこに記載されている特に好ましい化合物は、
cis−6−(4−フルオロ−フェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール、
(−)−cis−6−フェニル−5−(4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール(ラソフォキシフェンとしても知られている)、
cis−6−フェニル−5−(4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール、
cis−1−(6’−ピロロジノエトキシ−3’−ピリジル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、
1−(4’−ピロリジノエトキシフェニル)−2−(4”−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、
cis−6−(4−ヒドロキシフェニル)−5−(4−(2−ピペリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−オール、および
1−(4’−ピロリジノールエトキシフェニル)−2−フェニル−6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンである。
他のエストロゲンアゴニスト/アンタゴニストは、米国特許第4,133,814号(その開示は参照により本明細書に組み込まれている)に記載されている。米国特許第4,133,814号には、2−フェニル−3−アロイル−ベンゾチオフェンおよび2−フェニル−3−アロイルベンゾチオフェン−1−オキシドの誘導体が開示されている。
本発明の化合物と組み合わせて第2の薬剤として使用することのできる他の抗骨粗鬆症剤には、例えば下記が包含される。副甲状腺ホルモン(PTH)(骨同化剤)、副甲状腺ホルモン(PTH)分泌促進剤(例えば、米国特許第6,132,774号を参照されたい)、特にカルシウム受容体アンタゴニスト、カルシトニン、ならびにビタミンDおよびビタミンD類似体。
任意の選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)を、本発明の化合物と組み合わせて使用することができる。選択的アンドロゲン受容体モジュレーター(SARM)は、アンドロゲン活性を有し、組織選択的作用を及ぼす化合物である。SARM化合物は、アンドロゲン受容体アゴニスト、部分アゴニスト、部分アンタゴニストまたはアンタゴニストとして機能することができる。適切なSARMの例には、酢酸シプロテロン、クロルマジノン、フルタミド、ヒドロキシフルタミド、ビカルタミド、ニルタミド、スピロノラクトン、4−(トリフルオロメチル)−2(1H)−ピロリジノ[3,2−g]キノリン誘導体、1,2−ジヒドロピリジノ[5,6−g]キノリン誘導体およびピペリジノ[3,2−g]キノリノン誘導体などの化合物が包含される。
(1b,2b)−6−クロロ−1,2−ジヒドロ−17−ヒドロキシ−3’H−シクロプロパ[1,2]プレグナ−1,4,6−トリエン−3,20−ジオンとしても知られているシプテロンは、米国特許第3,234,093号に開示されている。17−(アセチルオキシ)−6−クロロプレグナ−4,6−ジエン−3,20−ジオンとしても知られているクロルマジノンは、その酢酸塩の形態で、抗アンドロゲンとして作用し、米国特許第3,485,852号に開示されている。5,5−ジメチル−3−[4−ニト−3−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,4−イミダゾリジンジオンおよび商品名Nilandron(登録商標)としても知られているニルタミドは、米国特許第4,097,578号に開示されている。2−メチル−N−[4−ニトロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパンアミドおよび商品名Eulexin(登録商標)としても知られているフルタミドは、米国特許第3,847,988号に開示されている。4’−シアノ−a’,a’,a’−トリフルオロ−3−(4−フルオロフェニルスルホニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオノ−m−トルイジドおよび商品名Casodex(登録商標)としても知られているビカルタミドは、EP−100172に開示されている。ビクルタミドのエナンチオマーは、TuckerおよびChestertonによりJ.Med.Chem.1988,31,885〜887において論述されている。大部分の組織における公知のアンドロゲン受容体アンタゴニストであるヒドロキシフルタミドは、HofbauerらJ.Bone Miner.Res.1999,14,1330〜1337に開示されているように、骨芽細胞によるIL−6産生に対して作用するSARMとして機能することが示唆されてきた。さらなるSARMは、米国特許第6,017,924号、WO01/16108、WO01/16133、WO01/16139、WO02/00617、WO02/16310、米国特許出願公開第US2002/0099096号、米国特許出願公開第US2003/0022868号、WO03/011302およびWO03/011824に記載されてきた。上記参考文献の全ては、参照により本明細書に組み込まれている。
上記の化合物のための出発物質および試薬はまた、容易に入手でき、または有機合成の従来法を使用して当業者によって容易に合成することができる。例えば、本明細書で使用する化合物の多くは、科学的関心度および商業的需要の高い化合物に関連するか、またはそれらから誘導され、したがって多くのこのような化合物は、市販であるか、または文献に報告されているか、または文献に報告されている方法により他の通常利用可能な物質から容易に調製される。
本発明の化合物またはそれらの合成における中間体の一部は、不斉炭素原子を有し、したがってエナンチオマーまたはジアステレオマーである。ジアステレオマー混合物は、それらの物理化学的差異に基づいて、それ自体公知の方法、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって、個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、例えば、キラルHPLC方法によるか、またはエナンチオマー混合物を適当な光学活性化合物(例えば、アルコール)と反応させてジアステレオマー混合物に変換し、そのジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを対応する純粋なエナンチオマーに変換(例えば、加水分解)することによって分離することができる。また、酸性もしくは塩基性部分を含有する化合物またはそれらの合成における中間体のエナンチオマー混合物は、光学的に純粋なキラル塩基または酸(例えば、1−フェニル−エチルアミン、酒石酸ジベンジルまたは酒石酸)とジアステレオマー塩を形成し、分別結晶によってジアステレオマーを分離し、次いで中和によって塩を分解し、こうして対応する純粋なエナンチオマーを得ることによって、相当する純粋なエナンチオマーに分離することができる。ジアステレオマー、エナンチオマーおよびこれらの混合物を含めた全てのこのような異性体は、本発明の化合物を含めて、本発明の化合物の全てについて本発明の一部であると考えられる。同様に、本発明の化合物の一部は、アトロプ異性体(例えば、置換されたビアリール)であり、発明の一部と考えられる。
さらに具体的には、本発明の化合物は、不斉樹脂(好ましくは、Chiralcel(商標)ADまたはOD(Chiral Technologies社、Exton、Pennsylvaniaから入手可能である))上でクロマトグラフィー(好ましくは、高圧液体クロマトグラフィー[HPLC])を用い、0〜50%のイソプロパノール(好ましくは、2〜20%)および0〜5%のアルキルアミン(好ましくは、0.1%のジエチルアミン)を含有する炭化水素(好ましくは、ヘプタンまたはヘキサン)からなる移動相を用いて、最終化合物またはその合成における中間体のラセミ体を分割することによって、鏡像異性的に濃縮された形態で得ることができる。画分を含有する生成物を濃縮することによって、所望の物質を得る。
本発明の化合物の一部は酸性であり、それらは薬剤学的に許容できるカチオンと塩を形成する。本発明の化合物の一部は塩基性であり、それらは薬剤学的に許容できるアニオンとの塩を形成する。全てのこのような塩は、本発明の範囲内であり、それらは、必要に応じて水性、非水性または部分的に水性の媒体中で、酸性および塩基性の構成要素を、通常化学量論比で結合させるなどの、従来法によって調製することができる。必要に応じて、濾過、非溶剤による沈殿に続く濾過、溶剤の蒸発、または水溶液の場合には凍結乾燥のいずれかによって、塩を回収する。この化合物は、エタノール、ヘキサンまたは水/エタノール混合物などの適当な溶媒に溶解することによって結晶形態で得ることができる。
さらに、本発明の化合物が、水和物または溶媒和物を形成する場合、それらもまた本発明の範囲内に含まれる。
本発明の化合物、そのプロドラッグ、ならびにこのような化合物およびプロドラッグの塩は全て、哺乳動物、特にヒトにおいて、コレステロールエステル転送タンパク活性を阻害する薬剤として治療用途に適合している。したがって、本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒトにおいて、血漿HDLコレステロール、その関連成分、およびそれらにより担われる機能を向上させる。それらの活性によって、これらの薬剤はまた、哺乳動物、特にヒトにおいて、トリグリセリド、VLDLコレステロール、アポ−B、LDLコレステロールおよびそれらの関連成分の血漿濃度も低下させる。さらに、これらの化合物は、LDLコレステロールおよびHDLコレステロールの等化に有用である。したがって、これらの化合物は、アテローム性動脈硬化症および心血管疾患の発生および発病率に関連することが観察される、冠動脈疾患、冠動脈心疾患、冠血管疾患、末梢血管疾患、低αリポタンパク血症、高βリポタンパク血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、家族性高コレステロール血症、低HDLおよび関連成分、LDLおよび関連成分の上昇、Lp(a)の上昇、小型高密度LDLの上昇、VLDLおよび関連成分の上昇、ならびに食後高脂血症を含めた、様々な脂質異常症を治療および補正するために有用である。
さらに、CETP欠損動物(マウス)に機能性CETP遺伝子を導入すると、HDL値が低下し(Agellon,L.B.ら:J.Biol.Chem.(1991)266:10796〜10801)、アテローム性動脈硬化症の罹患率が増加する(Marotti,K.R.ら:Nature(1993)364:73〜75)。同様に、阻害抗体でCETP活性を阻害すると、ハムスター(Evans,G.F.ら:J.of Lipid Research(1994)35:1634〜1645)およびウサギ(Whitlock,M.E.ら:J.Clin.Invest.(1989)84:129〜137)でHDLコレステロールが上昇する。CETPmRNAに対するアンチセンスオリゴデオキシヌクレオチドの静脈内注射によって血漿CETPの上昇を抑制すると、コレステロールを与えたウサギでアテローム性動脈硬化症が低減した(Sugano,M.ら:J.of Biol.Chem.(1998)273:5033〜5036)。重要なことに、遺伝子の変異のために血漿CETPが欠乏したヒト対象では、血漿HDLコレステロール値およびHDLの主要なアポタンパク質成分であるであるアポリポタンパク質A−Iが著しく上昇している。さらに、大部分は、血漿LDLコレステロールおよびアポリポタンパク質B(LDLの主要なアポリポタンパク質成分)の著しい低下を示す(Inazu,A.,Brown,M.L.,Hesler,C.B.ら:N.Engl.J.Med.(1990)323:1234〜1238)。
心臓血管疾患、脳血管疾患および末梢血管疾患の出現と、血中の、HDLコレステロール値およびHDL関連リポタンパク質濃度との逆相関、ならびにトリグリセリド、LDLコレステロール、およびそれらの関連アポリポタンパク質との正相関を考慮して、本発明の化合物、そのプロドラッグ、ならびにこのような化合物およびプロドラッグの塩は、それらの薬理作用によって、アテローム性動脈硬化症およびその関連する病態の予防、抑制および/または軽減のために有用である。これらには、心臓血管疾患(例えば、狭心症、虚血、心虚血および心筋梗塞)、心血管疾患治療による合併症(例えば、再潅流傷害および血管形成再狭窄)、高血圧症、高血圧症と関連する心血管系リスクの上昇、脳卒中、臓器移植と関連するアテローム性動脈硬化症、脳血管障害、認知機能障害(それだけに限らないが、アテローム性動脈硬化症に続発する認知症、一過性脳虚血発作、神経変性、神経欠損、およびアルツハイマー病の発生または進行の遅延が包含される)、酸化ストレスレベルの上昇、C反応性タンパク質レベルの上昇、代謝症候群およびHbA1C値の上昇が包含される。
ヒトにおいてCETP活性を阻害する薬剤は、そのHDL値の上昇と広く関連付けされる有益な効果のために、そのHDLを上昇させる能力によって、いくつかの他の疾患分野においても治療のための貴重な手段を提供する。
したがって、本発明の化合物、そのプロドラッグ、ならびにこのような化合物およびプロドラッグの塩が、コレステロールエステル転送の阻害によってリポタンパク質組成を変更し得る能力を考慮すると、それらは、糖尿病と関連する血管合併症、糖尿病と関連するリポタンパク質異常、ならびに糖尿病および血管性疾患と関連する性的機能不全の治療において有用である。高脂血症は、大部分の真性糖尿病を有する対象に存在する(Howard,B.V.1987.J.Lipid Res.28,613)。正常な脂質濃度の存在下でさえ、糖尿病を有する対象は、心血管疾患のリスクがより大きい(Kannel,W.B.、およびMcGee,D.L.1979.Diabetes Care2,120)。CETPが媒介するコレステリルエステル転送は、インスリン依存性糖尿病(Bagdade,J.D.,Subbaiah,P.V.、およびRitter,M.C.1991.Eur.J.Clin.Invest.21,161)、およびインスリン非依存性糖尿病(Bagdade.J.D.,Ritter,M.C.,Lane,J.、およびSubbaiah.1993.Atherosclerosis104,69)の両方において異常に増加することが知られている。コレステロール転送の異常な増加は、特にVLDLおよびLDLについて、よりアテローム生成的なリポタンパク質組成の変化をもたらすことが示唆されてきた(Bagdade,J.D.,Wagner,J.D.,Rudel,L.L.、およびClarkson,T.B.1995.J.Lipid Res.36,759)。これらの変化は、日常的な脂質スクリーニングの際には必ずしも観測されないであろう。したがって、本発明は、糖尿病状態の結果として血管合併症のリスク低減において有用であろう。
記載した薬剤は、肥満症および肥満症と関連する心血管系リスクの上昇の治療において有用である。ヒト(Radeau,T.,Lau,P.,Robb,M.,McDonnell,M.,Ailhaud,G.、およびMcPherson,R.,1995.Journal of Lipid Research.36(12):2552〜61)およびヒト以外の霊長類(Quinet,E.,Tall,A.,Ramakrishnan,R.、およびRudel,L.,1991.Journal of Clinical Investigation.87(5):1559〜66)の両方において、脂肪細胞中でCETPのmRNAは高レベルで発現する。脂肪性のメッセージは、脂肪の摂食と共に増大し(Martin,L.J.,Connelly,P.W.,Nancoo,D.,Wood,N.,Zhang,Z.J.,Maguire,G.,Quinet,E.,Tall,A.R.,Marcel,Y.L.、およびMcPherson,R.,1993.Journal of Lipid Research.34(3):437〜46)、機能的な転送タンパク質に翻訳され、分泌されると血漿CETP濃度に有意に寄与する。ヒト脂肪細胞には、血漿LDLおよびHDLによって大量のコレステロールがもたらされる(Fong,B.S.、およびAngel,A.,1989.Biochimica et Biophysica Acta.1004(1):53〜60)。HDLコレステリルエステルの取込みは、主にCETPに依存的である(Benoist,F.,Lau,P.,McDonnell,M.,Doelle,H.,Milne,R.、およびMcPherson,R.,1997.Journal of Biological Chemistry.272(38):23572〜7)。HDLコレステリル取込みを刺激するCETPのこの能力は、肥満した対象におけるHDLの脂肪細胞への結合の強化(Jimenez,J.G.,Fong,B.,Julien,P.,Despres,J.P.,Rotstein,L.、およびAngel,A.,1989.International Journal of Obesity.13(5):699〜709)と合わせて、CETPが、これらの対象に対して低HDL表現型を生じることにおいてだけでなく、コレステロール蓄積を促進することによって肥満症自体の進行においても役割を果たすことを示唆する。したがって、この過程を遮断するCETP活性の阻害剤は、体重減量をもたらす食事療法の有用な補助剤として役立つ。
CETP阻害剤は、グラム陰性敗血症および敗血症性ショックによる炎症の治療に有用である。例えば、グラム陰性敗血症の全身毒性は、主として、広範囲に亘る炎症反応を引き起こす内毒素、すなわち細菌の外側表面から放出されるリポ多糖(LPS)による。リポ多糖は、リポタンパク質と複合体を形成し得る(Ulevitch,R.J.,Johnston,A.R.、およびWeinstein,D.B.,1981.J.Clin.Invest.67,827〜37)。in vitro研究では、LPSのHDLへの結合が、炎症のメディエーターの産生および放出を実質的に減少させることが示された(Ulevitch,R.J.,Johhston,A.R.,1978.J.Clin.Invest.62,1313〜24)。in vivo研究では、ヒトアポ−AIを発現し、HDL値の上昇を示すトランスジェニックマウスが、敗血性ショックから保護されていることを示す(Levine,D.M.,Parker,T.S.,Donnelly,T.M.,Walsh,A.M.、およびRubin,A.L.1993.Proc.Natl.Acad.Sci.90,12040〜44)。重要なことには、内毒素を接種したヒトに再構成されたHDLを投与すると、炎症反応の減少をもたらす(Pajkrt,D.,Doran,J.E.,Koster,F.,Lerch,P.G.,Arnet,B.,van der Poll,T.,tenCate,J.W.、およびvan Deventer,S.J.H.1996.J.Exp.Med.184,1601〜08)。CETP阻害剤は、HDL値を上昇させることによって、炎症および敗血症性ショックの発生を弱める。これらの化合物はまた、内毒素血症、自己免疫疾患および他の全身性疾患の適応症、臓器または組織の移植片拒絶、ならびに癌の治療に有用であろう。
哺乳動物(例えば、男性または女性のヒト)において、上記の疾患/状態を治療する際の薬剤としての、本発明の化合物、そのプロドラッグ、ならびにこのような化合物およびプロドラッグの塩の有用性は、従来のアッセイおよび以下に記載するin vitroアッセイでの本発明の化合物の活性によって示される。(当技術分野の範囲内で適当な変更を加えた)in vivoアッセイを使用して、脂質またはトリグリセリドを制御する他の薬剤、および本発明の化合物の活性を決定することができる。このようなアッセイはまた、本発明の化合物、そのプロドラッグ、ならびにこのような化合物およびプロドラッグの塩(または本明細書に記載する他の薬剤)の活性を、相互におよび他の公知の化合物の活性と比較できる手段ともなる。これらの比較の結果は、このような疾患を治療するための、ヒトを含めた哺乳動物への投与レベルを決定するために有用である。
下記のプロトコルは、当然ながら当業者により変更することができる。
化合物の高アルファコレステロール活性は、本質的に、MortonのJ.Biol.Chem.256,11992,1981に、およびDiasのClin.Chem.34,2322,1988に以前から記載されているように、放射性標識された脂質の、リポタンパク質画分間の相対的な転送比を測定することによって、コレステリルエステル転送タンパク質の作用に対するこれらの化合物の効果を評価して決定することができる。
CETPのin vitroアッセイ
下記は、97%(全)または希釈ヒト血漿(in vitro)および動物血漿(ex vivo)におけるコレステリルエステル転送のアッセイに関する簡単な説明である。ヒト血漿中における外因性トレーサーHDLもしくはLDLから非HDLもしくはHDLリポタンパク質画分への、または動物血漿における3H−標識されたLDLからHDL画分への、3H−標識されたオレイン酸コレステリル(CO)の転送を各々測定することによって、薬物の存在下または非存在下でのCETP活性をアッセイする。標識されたヒトリポタンパク質基質を、Mortonによって記載されている方法と同様に、血漿中の内因性CETP活性を用いて、3H−COをリン脂質リポソームから血漿中の全てのリポタンパク質画分に移動させて調製する。次いで、3H−標識されたLDLおよびHDLを、各々1.019〜1.063g/mlおよび1.10〜1.21g/mlの密度範囲で連続的超遠心分離により単離する。
97%または全血漿活性アッセイでは、3H−標識されたHDLを、10〜25nmole CO/mlで血漿に加え、試料を37℃で2.5〜3時間インキュベートする。次いで、等量の20%(wt/vol)ポリエチレングリコール8000(Dias社)を加えて、非HDLリポタンパク質を沈殿させる。試料を、750g×20分で遠心分離し、HDL含有上澄み液に含有される放射能を液体シンチレーション計数によって測定する。ジメチルスルホキシド溶液として様々な量の本発明の化合物をヒト血漿に導入した後、放射性標識されたオレイン酸コレステリルを加え、阻害化合物を含有しないインキュベート物と転送された放射性標識の量を比較すると、コレステリルエステル転送阻害活性を決定することができる。
より高感度のアッセイが望ましい場合には、希釈したヒト血漿を使用するin vitroアッセイを用いる。このアッセイでは、3H−標識されたLDLを50nmole CO/mlで血漿に加え、試料を37℃で7時間インキュベートする。次いで、100mMの最終濃度までリン酸カリウムを加え、次いで20mMの最終濃度まで塩化マンガンを加えて、非HDLリポタンパク質を沈殿させる。過流撹拌の後、試料を750g×20分で遠心分離し、HDL含有上澄み液に含有されている放射能を、液体シンチレーション計数によって計測する。ジメチルスルホキシド中の溶液として様々な量の本発明の化合物を希釈したヒト血漿に導入した後、放射性標識されたオレイン酸コレステリルを加え、阻害化合物を含有しないインキュベート物と転送された放射性標識の量を比較すると、コレステリルエステル転送阻害活性を決定することができる。このアッセイは、Wallacプレートリーダーを使用して行う液体シンチレーション計数を備えるマイクロタイタープレートフォーマットで実施されるように適合させてある。
代わりに、化合物のCETP阻害活性は、マイクロタイタープレートに基づいた蛍光転送アッセイを使用して決定することができ、このアッセイでは、自己消光性コレステリルエステル類似体(Bodipy−CE)の、ヒトアポAI含有エマルジョン粒子から血漿中の内因性リポタンパク質へのCETP依存性転送をモニターする。
蛍光Bodipy−CE供与体は、真空オーブン中でPC14mg、トリオレイン1.6mg、およびBODIPY−CE3.5mgを60℃にて乾燥させ、次いでN2流下で、PBS12ml中の脂質を、(全出力の25%の設定での)プローブ超音波処理によって80℃にて2分間水和させることによって調製する。次いで、脂質混合物を45℃に冷却し、ヒトアポリポタンパク質AI(Biodesign社、Saco MEから)5mg(0.125μM)を加え、プローブが冷えるように毎分後に操作を休止しながら、再び45℃にて20分間(全出力の25%で)超音波処理する。得られたエマルジョンを3000×gで30分間遠心分離して金属プローブフラグメントを除去し、次いで臭化ナトリウムで1.12gm/mlに調節し、NaBr1.10g/ml(16ml)の溶液の下に層状に重ね、50,000×gで24時間の密度勾配超遠心分離にかけ、取り込まれないアポリポタンパク質AIおよび勾配の下部に残っている小さく比重の重いLDL粒子を除去する。勾配の底に残っているより浮力のあるエマルジョン粒子を回収し、6リットル(2交代)のPBS/0.02%アジド中で透析し、使用前に適当な濃度に希釈する。
蛍光ヒトアポリポタンパク質AIを含有する供与体粒子、こうした場合では希釈したヒト血漿中に存在するCETP供給源および受容体リポタンパク質を含有するインキュベート物における、蛍光CE類似体のCETP依存性な転送をモニターする。インキュベートされていない供与体粒子中では供与体粒子のBodipy CE蛍光がクエンチされ、Bodipy CEが受容体粒子にCETP依存性に転送されると、蛍光が増加する。
高感受性アッセイが所望である場合、2.5%血漿の384ウェルマイクロタイタープレートアッセイで、100%ジメチルスルホキシド中の化合物を試験する。clonemaster溶液移送装置を使用して、100%ジメチルスルホキシド中の化合物1マイクロリットルを、3.75%ヒト血漿(PBSで希釈)20μlを含有するウェルに加える。7.5%供与体10μl(これもPBSで希釈)を加えて、転送を開始する。混合の後、蒸発を回避するために、各プレートにテープを貼り、またはMatripressプレートスタッカー中に置き、室温で一晩(16〜20時間)インキュベートする。蛍光プレートリーダー、485/530nmフィルター、505nmダイクロイックフィルター上で蛍光を定量する。液体処理能力に応じて、血漿および蛍光供与体の中間希釈物ならびにそのような希釈物の一定分量は、必要に応じて調節することができることを留意されたい。
より低感受性のアッセイが所望である場合、化合物は、概念的には2.5%アッセイと類似した20%血漿アッセイで試験する。乾燥した96ウェルハーフエリアマイクロタイタープレートに、化合物2マイクロリットル、続いて40%ヒト血漿(PBSで希釈)48μlおよび40%供与体溶液50μlを加える。室温で3時間のインキュベート後、蛍光強度をモニターする。2.5%または20%のいずれかのアッセイの場合は、化合物によるCE転送の阻害率は、蛍光供与体と血漿を含有するが化合物を含有しないウェルとを比較することによって計算する。
CETPのin vivoアッセイ
これらの化合物のin vivoでの活性は、対照に対して、コレステリルエステル転送活性をex vivoの様々な時点で50%阻害する、またはCETPを含有する動物種においてHDLコレステロールを所与の割合上昇させるために投与する必要がある薬剤の量によって決定することができる。ヒトCETPおよびヒトアポリポタンパク質AIの両方を発現しているトランスジェニックマウス(Charles River社、Boston、MA)を使用して、化合物をin vivoで評価することができる。試験する化合物は、20%(v:v)のオリーブ油および80%のタウロコール酸ナトリウム(0.5%)を含有するエマルジョンビヒクル中で経口胃管栄養法によって投与する。投与前の血液試料が必要な場合は、投与前にマウスの後眼窩から血液を採取する。4時間〜24時間に亘る投与後の様々な時点で、動物を屠殺し、心臓穿刺によって血液を取得し、総コレステロール、HDLおよびLDLコレステロール、ならびにトリグリセリドを含めた脂質パラメーターを測定する。CETP活性は、HDLとは対照的に3H−オレイン酸コレステリル含有LDLをドナー源として使用することを除き、上記の方法と類似した方法によって決定する。脂質および転送活性について得られた値を、投与前に得られた値および/またはビヒクルのみを与えたマウスの値と比較する。
血漿脂質アッセイ
これらの化合物の活性はまた、特定の哺乳動物、例えば、ヒトに類似したCETP活性および血漿リポタンパク質プロファイルを有するマーモセットの血漿中で、血漿脂質値、例えばHDLコレステロール値、LDLコレステロール値、VLDLコレステロール値またはトリグリセリドを変化させるのに必要な薬剤量を決定することによっても実証することができる(Crookら、Arteriosclerosis10,625,1990)。成体マーモセットを、各群が、血漿総コレステロール、HDLコレステロール、および/またはLDLコレステロール濃度について同様の平均±SDを有するように投与群に割り当てる。群を割り当てた後、マーモセットに、化合物を混合飼料としてまたは胃内挿管によって1〜8日間毎日与える。対照マーモセットにはビヒクルのみを与える。血漿総コレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロールおよびHDLコレステロール値は、肘正中静脈から採血して、密度勾配遠心分離によって血漿リポタンパク質をそのサブクラスに分離し、さらに従前から記載されているように(CrookらArteriosclerosis 10,625,1990)、コレステロール濃度を測定することによって、試験中の任意の時点で決定することができる。
in vivoアテローム性動脈硬化アッセイ
化合物の抗アテローム性動脈硬化作用は、ウサギ大動脈において脂質蓄積を低減するのに必要な化合物の量によって決定することができる。雄ニュージーランド白ウサギに、0.2%コレステロールおよび10%ヤシ油を含有する飼料を4日間与える(毎日1回食餌を与える)。ウサギの耳翼辺縁静脈から採血し、これらの試料から血漿総コレステロール値を決定する。次いで、各群が、総血漿コレステロール濃度、HDLコレステロール濃度、トリグリセリド濃度および/またはコレステリルエステル転送タンパク質活性について同様の平均±SDを有するように、ウサギを投与群に割り当てる。群を割り当てた後、ウサギに、化合物を混合飼料として、またはゼラチンをベースとする糖剤の小片に載せて毎日与える。対照ウサギには、投与ビヒクル(飼料またはゼラチン糖剤)のみを与える。コレステロール/ヤシ油食は、化合物投与と共に試験を通して継続する。血漿コレステロール値およびコレステリルエステル転送タンパク質活性は、耳翼辺縁静脈から採血することによって、研究中の任意の時点で決定することができる。3〜5ヶ月後、ウサギを屠殺し、胸郭弓から腸骨動脈の分枝部までの大動脈を摘出する。動脈から外膜を除去し、動脈を縦方法に切開し、次いで、染色せずに、またはHolmanら(Lab.Invest.1958,7,42〜47)に記載されたようにスーダンIVで染色して分析する。病変表面積の割合を、Optimas Image Analyzing System(Image Processing Systems社)を用いるデンシトメトリーによって定量する。脂質蓄積の減少は、化合物を投与された群で、病変の表面積の割合が対照ウサギと比較して減少していることによって示される。
抗肥満プロトコル
CETP阻害剤が体重減量を引き起こす能力は、肥満度指数(BMI)が30kg/m2以上である肥満したヒト対象において評価することができる。HDLコレステロール値の25%以上の上昇をもたらすのに十分な阻害剤用量を投与する。BMIおよびウエスト(W)対ヒップ(H)比(WHR)として定義される体脂肪分布を、3〜6ヶ月の試験期間中モニターし、投与群での結果をプラセボ投与群の結果と比較する。
in vivo敗血症アッセイ
in vivo研究は、ヒトアポ−AIを発現し、高HDL値の上昇を示すトランスジェニックマウスが、敗血症性ショックから保護されることを示している。したがって、CETP阻害剤の敗血性ショックからの保護能は、ヒトアポ−AIおよびヒトCETPの両方の導入遺伝子を発現しているトランスジェニックマウスにおいて実証することができる(Levine,D.M.,Parker,T.S.,Donnelly,T.M.,Walsh,A.M.、およびRubin,A.L.,1993.Proc.Natl.Acad.Sci.90,12040〜44)。CETP阻害剤を適当な用量で投与してHDLを上昇させてある動物に、大腸菌由来のLPSを30mg/kgの量で腹腔内注入する。生存マウスの数をLPS注入後48時間まで決定し、(CETP阻害剤を含有しない)ビヒクルのみを投与されたマウスと比較する。
in vivo血圧アッセイ
in vivoウサギモデル
方法:雄ニュージーランド白ウサギ(3〜4kg)をペントバルビタールナトリウム(30mg/kg、静脈内)で麻酔し、耳静脈カテーテルでペントバルビタールナトリウムを連続的に注入(16mg/kg/時間)して、外科的な水準の麻酔を維持する。腹側正中頚部を切開して気管切開を行い、陽圧人工呼吸器を使用してウサギに100%酸素の人工呼吸を施す。YSI温度調節器モデル72(Yellow Springs Instruments社、Yellow Springs、MD)に接続された加温パッドを使用して、体温を38.5℃に維持する。液体で満たされたカテーテルを、(静脈内薬物投与のため)右頸静脈に入れ、動脈圧モニタリングおよび血液ガス分析のため(モデル248血液ガス分析器(Bayer Diagnostics社、Norwood、MA)を使用)右頸動脈に入れる。人工呼吸器は、血液pHおよびpCO2をウサギの通常の生理的範囲内に維持するために、必要に応じて調節する。動脈圧は、水銀血圧計を使用して予め較正し、心臓の高さに配置し、動脈カテーテルに接続したひずみゲージ変換器(Spectromed、Oxnard、CA)を使用して測定する。動脈圧の信号を500Hzでデジタル化し、Po−Ne−Mahデータ収集システム(Gould Instrument Systems、Valley View、OH)を使用して分析し、動脈圧および心拍数の平均値を得る。平均動脈圧および心拍数が安定化したときに、ベースライン値を収集する。次いで、試験化合物を、皮下(SC)ボーラスまたは静脈内(IV)注入のいずれかとして投与する。皮下(SC)投与では、試験化合物を水中の5%エタノール(5%のEtOH:95%のH2O)などの適切なビヒクルに溶解させることができ、静脈内投与では、試験化合物を0.9%生理食塩水などの適切なビヒクルに溶解させることができる。動脈圧および心拍数は、試験化合物の投与後に4時間、または試験化合物を4時間連続注入する期間中にモニターする。試験化合物の投与後または注入する間に血液を試料として採取して、試験化合物の血漿濃度を決定する。
in vivo霊長類モデル
方法:下行胸部大動脈中に皮下脈管アクセスポートを予め取り付け、特別に設計した霊長類拘束用の椅子に静かに座ることに慣れた成体の霊長類カニクイザル(6〜8kg)を使用する。全ての霊長類を、実験の前12〜18時間絶食させる。実験当日、霊長類を椅子に拘束して、水銀血圧計を使用して予め較正したひずみゲージ圧力変換器(Spectromed、Oxnard、CA)を、心臓の高さに配置し、脈管アクセスポートに接続して、動脈圧を測定する。霊長類を少なくとも1時間、椅子に慣れさせる。動脈圧の信号を500Hzでデジタル化し、実験を通して連続記録し、Po−Ne−Mahデータ収集システム(Gould Instrument Systems、Valley View、OH)を使用して分析して、平均動脈圧および心拍数の測定値を得る。霊長類が静かに座っており、平均動脈圧および心拍数が安定化したときにベースライン値を収集する。次いで、試験化合物を、水中の5%エタノール(5%のEtOH:95%のH2O)などの適切なビヒクル中の試験化合物の溶液の皮下(SC)ボーラス投与として投与する。注入の前に、0.22ミクロンフィルターで試験化合物またはビヒクルの溶液を濾過し、典型的な投与容量は0.2ml/kgとする。動脈圧および心拍数を、試験化合物の投与後に4時間連続してモニターし、データ比較(ビヒクル対試験化合物)のために、選択した時間間隔で記録する。血液試料(1.5ml)を採取して試験化合物の血漿濃度を決定し、採血した血液を直ちに0.9%滅菌食塩水と交換して、血液量を維持する。
本発明の化合物は、本発明の化合物を全身的および/または局所的に送達する任意の方法を介して投与してもよい。これらの方法には、経口経路、非経口、十二指腸経路などが包含される。一般に、本発明の化合物は経口投与されるが、例えば、経口投与が標的にとって適当でない場合、または患者が薬物を摂取できない場合では、非経口投与(例えば、静脈内、筋内、皮下または髄内)を利用することができる。
一般に、所望の治療効果(例えば、HDLの上昇)を達成するのに十分な量の本発明の化合物を使用する。
一般に、本発明の化合物の有効量は、約0.001〜100mg/kg/日の化合物、そのプロドラッグ、または前記化合物もしくは前記プロドラッグの薬剤学的に許容できる塩である。特に好ましい投与量は、約0.01〜10mg/kg/日の化合物、そのプロドラッグ、または前記化合物もしくは前記プロドラッグの薬剤学的に許容できる塩である。
CETP阻害剤と併せて使用する併用医薬品の投与量は、治療対象となる適応症に有効な量を使用する。
例えば、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤の有効投与量は、典型的には0.01〜100mg/kg/日の範囲である。一般に、PPARモジュレーターの有効投与量は、0.01〜100mg/kg/日の範囲である。
本発明の化合物は一般に、下記で説明する薬剤学的に許容できるビヒクル、希釈剤または担体と併せて、本発明の化合物の少なくとも1種を含む医薬組成物の形態で投与される。したがって、本発明の化合物は、任意の従来の経口、非経口、直腸または経皮剤形にして個々または併せて投与することができる。
経口投与では、医薬組成物は、溶液剤、懸濁剤、錠剤、ピル剤、カプセル剤、散剤等の形態を取ることができる。種々の賦形剤、例えばクエン酸ナトリウム、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムを含有する錠剤は、様々な崩壊剤、例えばデンプン、好ましくはジャガイモデンプンまたはタピオカデンプンおよびある種の複合ケイ酸塩、結合剤、例えばポリビニルピロリドン、スクロース、ゼラチンおよびアカシアと共に用いられる。さらに、滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクは、打錠する目的のために非常に有用である場合が多い。同様のタイプの固体組成物はまた、軟質および硬質ゼラチンカプセルの充填剤として用いられる。これに関して好ましい材料には、ラクトースまたは乳糖、および高分子量ポリエチレングリコールも包含される。好ましい製剤は、油、例えば、オリーブ油などの植物油、商品名Miglyol(商標)で市販されているようなトリグリセリド、または商品名Capmul(商標)で市販されているようなモノグリセリドもしくはジグリセリド中の溶液または懸濁液を、例えば、軟質ゼラチンカプセルに入れたものである。必要に応じて、長期の変質を防止するために抗酸化剤を加えてもよい。水性懸濁液および/またはエリキシル剤が経口投与のために望ましい場合には、本発明の化合物は、様々な甘味剤、香味剤、着色剤、乳化剤および/または懸濁剤、ならびに水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンなどの希釈剤、および種々の同様の組合せと組み合わせることができる。
コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤の固体アモルファス分散物および増粘ポリマーを含む医薬組成物は、国際公開第WO02/11710号および同第WO03/000238号(参照により本明細書に組み込まれている)に記載されている。コレステリルエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤の自己乳化性製剤は、国際公開第WO03/000295号(参照により本明細書に組み込まれている)に記載されている。薬剤の小結晶を賦形剤に付着させる方法は、J.Pharm.Pharmacol.1987,39:769〜773号(参照により本明細書に組み込まれている)などの文献に記載されている。
非経口投与のために、ゴマ油もしくは落花生油溶液、またはプロピレングリコール水溶液、および対応する水溶性の塩の滅菌水溶液を用いることができる。このような水溶液は、必要に応じて適切に緩衝化することができ、液体希釈剤をまず十分な食塩水またはグルコースで等張性にすることができる。これらの水溶液は、静脈内、筋内、皮下および腹腔内注射のために特に適切である。これに関しては、用いる滅菌の水性媒体は全て、当業者には周知の標準的な技術によって容易に得ることができる。
経皮的(例えば、局所的)投与のために、他の点は上記の非経口液と同様の、希釈して滅菌した水性または部分水性の溶液(通常は約0.1%〜5%の濃度)を調製する。
特定の量の活性成分を有する様々な医薬組成物の調製方法は公知であるか、またはこの開示を考慮すれば当業者には明らかであろう。例えば、医薬組成物の調製方法については、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Company,Easter,Pa.,15th Edition(1975)を参照されたい。
本発明による医薬組成物は、0.1%〜95%、好ましくは1%〜70%の本発明の化合物を含有することができる。いずれにしても、投与する組成物または製剤は、本発明による化合物を、治療される対象の疾患/状態、例えば、アテローム性動脈硬化症を治療するのに有効な量で含有するであろう。
本発明は、本明細書に記載する疾患/状態を、別個に投与することのできる活性成分と組み合わせて治療することに関する態様を有するので、本発明はまた、別個の医薬組成物をキットの形態で組み合わせることに関する。キットは、2種の別個の医薬組成物、すなわち、本発明の化合物、そのプロドラッグまたはこのような化合物またはプロドラッグの塩と、上記のような第2の化合物とを含む。キットは、別個の組成物を含有するための手段、例えば容器、分割ボトルまたは分割ホイルパケットを含む。典型的には、キットは、別個の成分の投与についての説明書を含む。キット形態は、別個の成分を異なる剤形(例えば、経口および非経口)で投与し、異なる投与間隔で投与することが好ましい場合に、または処方する医師が組合せの個々の成分の滴定を望む場合に、特に有利である。
このようなキットの例は、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは、包装産業で周知であり、医薬品の単位剤形(錠剤、カプセル剤など)の包装のために広く使用される。ブリスターパックは、好ましくは透明なプラスチック材料のホイルで覆われた、比較的堅い材料のシートから一般に構成される。包装工程中に、プラスチックホイルに凹部を形成する。凹部は包装する錠剤またはカプセル剤の大きさおよび形状を有する。次に、錠剤またはカプセル剤を凹部に入れ、比較的堅い材料のシートを、プラスチックホイルの凹部が形成された方向とは反対側のホイル面で密封する。結果として、錠剤またはカプセル剤は、プラスチックホイルとシートの間の凹部に密封される。シートの強度は、凹部を手で押すことによりシートに凹部の場所で開口部が形成されて、ブリスター包装から錠剤またはカプセル剤を取り出すことのできる強度であることが好ましい。次いで錠剤またはカプセル剤を、前記の開口部から取り出すことができる。
キット上にメモリーエイド、例えば錠剤またはカプセル剤の隣に付けた番号(これらの番号は投薬計画の日と一致し、指定された錠剤またはカプセル剤はその日に摂取すべきである)の形態で提供することが望ましい場合がある。このようなメモリーエイドの別の例は、例えばカードに印刷したカレンダーで、次の通りである。「第1週、月曜日、火曜日、・・・など・・・第2週、月曜日、火曜日、・・・」など。メモリーエイドの他の変形形態は、容易に明らかであろう。「1日用量」は、所定の日に服用すべき1個の錠剤もしくはカプセル剤または数個のピル剤もしくはカプセル剤であってよい。また、本発明の化合物の1日用量は、1個の錠剤またはカプセル剤からなるものでよく、一方、第2の化合物の1日用量は数個の錠剤またはカプセル剤からなるものでもよく、逆の場合も同じである。メモリーエイドはこれを反映すべきである。
本発明の別の特定の実施形態において、1日用量をそれらの意図された使用の順に1回分ずつ分配するように設計されたディスペンサーが提供される。好ましくは、ディスペンサーには、投薬計画の遵守をさらに容易にするようにメモリーエイドが備えられる。このようなメモリーエイドの例は、分配された1日用量の数を示す機械的計数器である。このようなメモリーエイドの別の例は、液晶読出し装置と一体となった電池式マイクロチップメモリー、または音声注意信号(これは、例えば、最後の1日用量が取り出された日付を読み上げ、かつ/または次の用量をいつ取り出すかを気付かせる)である。
本発明の化合物は、単独で、または相互にもしくは他の化合物と組み合わせて、都合のよい製剤中で一般に投与されるであろう。下記の製剤の例は、例示なものに過ぎず、本発明の範囲の限定を意図するものではない。
下記の製剤において、「活性成分」は、本発明の化合物を意味する。
製剤1:ゼラチンカプセル
下記を使用して、硬質ゼラチンカプセルを調製する。
下記の成分を使用して、錠剤製剤を調製する。
製剤2:錠剤
成分をブレンドし、圧縮して錠剤を形成する。
代わりに、各々0.25〜100mgの活性成分を含有する錠剤を、下記のように作製する。
製剤3:錠剤
活性成分、デンプンおよびセルロースを、45番メッシュU.S.ふるいにかけ、よく混合する。ポリビニルピロリドンの溶液を得られた粉末と混合し、次いでこれを14番メッシュU.S.ふるいにかける。こうして生成した顆粒を50〜60℃で乾燥させ、18番メッシュU.S.ふるいにかける。次いで、予め60番メッシュU.S.ふるいにかけたデンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを顆粒に加え、これを混合した後に打錠剤機で圧縮して錠剤を得る。
5mL用量当たり各々0.25〜100mgの活性成分を含有する懸濁剤を、下記のようにして作製する。
製剤4:懸濁剤
活性成分を45番メッシュU.S.ふるいにかけ、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびシロップと混合して滑らかなペーストを形成する。安息香酸溶液、香味料および着色剤を若干量の水で希釈し、撹拌しながら加える。次いで十分な水を加えて必要な体積にする。
下記の成分を含有するエアロゾル溶液を調製する。
製剤5:エアロゾル
活性成分を、エタノールと混合し、この混合物を噴射剤22の一部に加え、30℃に冷却し、充填装置に移す。次いで必要量をステンレススチール容器に入れ、残りの噴射剤で希釈する。次いで容器にバルブユニットを取り付ける。
下記のように、坐薬を調製する。
製剤6:坐薬
活性成分を60番メッシュU.S.ふるいにかけ、必要な最小限の熱を用いて予め溶融した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁させる。次いでこの混合物を名目2g容量の坐剤型に注ぎ、放置して冷却させる。
下記のように、静脈内製剤を調製する。
製剤7:静脈内溶液
上記の成分の溶液を、毎分約1mLの速度で患者に静脈内投与する。
下記を使用して、軟質ゼラチンカプセルを調製する。
製剤8:油状製剤を有する軟質ゼラチンカプセル
上記の活性成分は薬剤の組合せであってもよい。
一般的実験手順
下記の例は、本明細書において特許請求する化合物、組成物、および方法をどのように作製し、評価するかについて開示および当業者に説明するために示すものであり、純粋に本発明を例示するものに過ぎず、本発明者らがその発明であると考える範囲を限定するものではない。別途指示しない限り、パーセントは、成分および組成物の総重量を所与とした重量パーセントであり、温度は、℃であるかまたは周囲温度であり、圧力は、大気圧であるかまたはそれに近い。市販の試薬は、さらなる精製をせずに用いた。室温または周囲温度は、20〜25℃を意味する。全ての非水系反応は、便宜上および収率を最大化するため、窒素雰囲気下で行った。減圧濃縮とは、ロータリーエバポレーターを使用したことを意味する。本発明の化合物の名称は、Beilstein Informationssysteme GmbH(ISBN3−89536−976−4)のAutonom2.0PC−バッチバージョンによって、またはChemdraw(登録商標)Ultra、CambridgeSoft社、Cambridge MAによって作製した。表した化学構造は、一般構造または限定的な異性体のほんの例示である場合があり、化学名に記載の特定の立体化学を包含しない場合がある。実施例の一部はラセミ体で調製され、ラセミ体を個々のエナンチオマーに分離する手順を記載する。特定の場合、これらのエナンチオマーの絶対立体配置は未決定であるが、両方とも本発明の範囲内である。これらの場合、エナンチオマー構造の表示の順序は、分離のクロマトグラフィーの順序との何らの関係も示さない。
NMRスペクトルは、Varian Unity 400(Varian社、Palo Alto、CA)NMR分光計によって周囲温度で記録した。化学シフトは、外部標準(テトラメチルシラン)に対する百万分率(δ)で表す。ピーク形状は、下記のように示す。S:一重項、d:二重項、t:三重項、q:四重項、m:多重項。接頭辞のbrは幅の広い信号を示す。所与の結合定数(J)データは、得られるスペクトルのデジタル化によって±0.41Hzの最大誤差を有する。質量スペクトルは、(1)Fisons Platform II分光計もしくはMicromass MZD分光計(Micromass社、Manchester、UK)を使用した、交互の正イオンおよび陰イオンモードの大気圧化学イオン化(APCI)、または(2)Micromass MZD分光計(Micromass社、Manchester、UK)をGilson LC−MSインターフェース(Gilson Instruments社、Middleton、WI)と共に使用する、交互の正イオンおよび陰イオンモードのエレクトロスプレーイオン化、(3)エレクトロスプレーイオン化または大気圧化学イオン化を用いる単独の正イオンまたは陰イオンモニタリングモードで作動するQP−8000質量分析計(島津製作所、Kyoto、Japan)、または(4)Hewlett Packard HP5973電子衝撃四重極型質量分析計と接続したHewlett Packard HP6890ガスクロマトグラフ(Agilent Technologies社、Santa Clara、CA)によって得た。塩素または臭素含有イオンの強度を記載する場合、想定される強度比率が確認されたが(35Cl/37Cl含有イオンでは約3:1、79Br/81Br含有イオンでは1:1)、特に断りのない限り質量が小さい方のイオンのみの位置を記載する。
カラムクロマトグラフィーは、Bakerシリカゲル(40μm)(J.T.Baker社、Phillipsburg、N.J.)またはシリカゲル60(40〜63μm)(EM Sciences社、Gibbstown、N.J.)で行った。フラッシュクロマトグラフィーは、Flash12またはFlash40カラム(Biotage、Dyar Corp.、Charlottesville、VA)またはRediSepシリカカラム(Teledyne Isco、Teledyne Technologies社、Lincoln、NE)を使用したCombiFlash Companionシステムを使用して行った。放射状クロマトグラフィーは、chromatotronモデル7924T(Harrison Research社、Palo Alto、CA)を使用して行った。分取HPLC精製は、モデルSIL−10Aオートサンプラーおよびモデル8AHPLCポンプを使用する、Shimadzu10A分取HPLCシステム(島津製作所、Kyoto、Japan)で行った。
分取HPLC精製は、モデル2767インジェクター/コレクター、モデル515低流量ポンプによって調整したモデル2525高流量二連ポンプ、流れを作るためのモデル515低流量ポンプ、モデルGSスプリッター、低流量側にモデルZQ単収束四重極質量分析計、プレコレクター構造では高流量側にモデル996フォトダイオードアレイ紫外吸光検出器、およびポストコレクター構造では高流量側にモデル2487二重紫外吸光検出器を備えたWaters Fractionlynx LC/MS/UVシステム(Waters社;Milford、MA、USA)で行った。フラクショントリガーは、シングルマストリガリングで作動するエレクトロスプレー正(ESI+)イオン化モードでZQ検出器によって行う。クロマトグラフィー法は、0.05%トリフルオロ酢酸または0.1%アンモニアのどちらかによって加減したアセトニトリル−水の勾配である。酸によって加減した勾配の場合では、一般的にはWaters Symmetry C8またはC18(19×50mm;5um)を、塩基条件においては、Waters Xterra MS C8またはMS C18(19×50mm;5μm)を使用する。
マイクロ波を用いた反応は、Personal Chemistry社(Uppsala、Sweden)のEmrys OptimizerまたはBiotage社(Uppsala、Sweden)のBiotage Initiatorで行った。
旋光性は、Jasco P−1020旋光計(Jasco社、Easton、MD)を使用して決定した。
ジメチルホルムアミド(「DMF」)、テトラヒドロフラン(「THF」)、トルエン、およびジクロロメタン(「DCM」)は、Aldrich Chemical社(Milwaukee、WI)から供給された無水グレードのものであった。別段の指定がない限り、試薬は、市販品として得たものを使用した。「濃縮」および「蒸発」という用語は、45℃未満の浴温度でのロータリーエバポレーターによる1〜200mmの水銀圧力での溶媒の除去を意味する。略語「min」は「分」を表し、「h」または「hr」は「時間」を表す。略語「gm」または「g」は、グラムを表す。略語「μl」または「μL」はマイクロリットルを表す。
調製1:2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)安息香酸
n−BuLi(2.5Mテトラヒドロフラン(THF)溶液26.7mL、66.7mmol)のTHF(130mL)溶液に、−78℃にて2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(22.5mL、133.4mmol)を加えた。混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで液体窒素を使用して注意深く−100℃に低下させた。未希釈の1−ブロモ−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(15g、66.7mmol)を加えた。混合物を−100℃にて6時間維持し、砕いたばかりのドライアイスに注いだ。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。残渣溶媒を蒸発によって除去した。水(150mL)を加え、混合物をジエチルエーテル(3×50mL)で抽出した。濃塩酸(HCl)を使用して水層を酸性化し、塩化メチレン(3×50mL)で抽出した。混合した有機層を飽和塩化ナトリウム(NaCl)(75ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム(MgSO
4)で乾燥させ、濾過、濃縮して、表題化合物を白色固体(5.41g)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.7(dd,J=8.4,2.3Hz,1H)7.9(d,J=8.4Hz,1H)8.3(d,J=2.0Hz,1H)。MS(ES+)計算値:267.93、実測値:266.7(M−1)。
調製2:(2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノール
氷冷2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)安息香酸(5.16g、19mmol)のTHF(50mL)溶液に、ボラン−テトラヒドロフラン錯体(1MのTHF溶液70mL、70mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物をメタノールでクエンチした。溶媒を除去した。残渣を酢酸エチル(3×40mL)と1Mの炭酸水素ナトリウム(50mL)とに分配した。混合した有機層を飽和NaCl(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濃縮して、表題化合物を油(4.85g)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.8(s,2H)7.5(m,1H)7.7(d,J=8.2Hz,1H)7.8(d,J=1.6Hz,1H)。
調製3:1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン
(2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノール(4.7g、18mmol)の塩化メチレン(50mL)溶液に、−10℃にて四臭化炭素(CBr
4)(7.17g、21.6mmol)を加えた。得られた混合物を−10℃で15分間撹拌した。次いで、トリフェニルホスフィン(5.61g、21.4mmol)をゆっくりと一部ずつ加えた。この混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム(NH
4Cl)(50ml)と塩化メチレン(2×50mL)とに分配した。混合した有機層を飽和NaCl(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル)(3:1ヘキサン−酢酸エチルで溶出)、表題化合物を白色固体(4.01g)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.6(s,2H)7.5(dd,J=8.3,1.6Hz,1H)7.8(m,2H)。
調製4:2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
表題化合物を、J.Am.Chem.Soc.1954,76,923に記載されている手順によって調製した。
調製5:N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(4g、16.5mmol)、2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(1.96g、19.8mmol)、および分子ふるい(5−10Åビーズ)をトルエン(50mL)に混ぜた混合物を、4時間加熱還流し、その後溶媒を除去した。エタノール(50mL)および水素化ホウ素ナトリウム(1.25g、33mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で30分間撹拌し、次いで飽和NH
4Cl(50mL)と酢酸エチル(2×50mL)とに分配した。混合した有機層を飽和NaCl(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濾過、濃縮して、表題化合物を白色固体(4.7g)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.2(s,3H)4.7(s,1H)4.7(s,1H)5.0(t,J=6.0Hz,1H)7.8(s,1H)7.9(s,2H)。MS(ES
+)計算値:325.08、実測値:325.8(M+1)。
調製6:(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミン
N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(3.9g、12mmol)のTHF(50mL)溶液に、室温でカリウムtert−ブトキシド(KOtBu)(1M溶液13.2ml、13.2mmol)、次いで1−ブロモ−2−(ブロモメチル)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(4g、12.6mmol)を加えた。混合物を室温で16時間撹拌した。さらなるTHF中のKOtBu(1M溶液13.2mL、13.2mmol)を加え、混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水(50mL)と酢酸エチル(3×50mL)とに分配した。混合した有機層を飽和NaCl(50mL)で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル)(3:1ヘキサン−酢酸エチルで溶出)、表題化合物(4.72g)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.2(s,3H)4.8(s,2H)4.9(s,2H)7.4(dd,J=8.2,1.7Hz,1H)7.5(d,J=1.7Hz,1H)7.7(m,3H)7.8(s,1H)。MS(ES
+)計算値:561.02、実測値:561.7(M+1)。
調製7:2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル
(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミン(6g、10.6mmol)のDMF(20mL)溶液を、溶液を窒素ガスで10分間泡立てることによって室温で脱酸素化した。シアン化銅(CuCN)(1.14g、12.8mmol)を反応混合物に加え、170℃にて16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液で2度洗浄し、次いでブラインで洗浄した。それを硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し(シリカゲル、320g)(勾配の5〜25%酢酸エチルおよびヘキサンで溶出)、2.59g(95%)の表題化合物を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.2(s,3H)4.82(s,2H)4.9(s,2H)7.6(dd,1H)7.7(s,2H)7.8(s,2H)7.8(dd,1H)。MS(ES
+)計算値:508.1、実測値:509.2(M+1)。
調製8:2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド
2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(5.45g、10.7mmol)のジクロロメタン溶液を、アセトン/乾燥氷浴で−20℃に冷却した。この溶液に、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL−H)(11.25mmol)のトルエンの1.5M溶液7.5mLを1滴ずつ加えた。氷浴が室温に温まる間、反応混合物を4時間撹拌した。反応物を氷浴で0℃に冷却し、固形の氷(約8g)を注意深く反応混合物に加え、次いでこれを室温に温まる間12時間激しく撹拌した。ジクロロメタンを混合物に加えた。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、次いで濃縮し、黄色の油を得た。粗生成物をシリカゲル(120g)に吸収させ、順相フラッシュクロマトグラフィーによって精製し(ISCO勾配5〜25%酢酸エチル/ヘキサン)、4.4g(80%)の表題化合物を黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.2(s,3H)4.8(s,2H)5.2(s,2H)7.5(s,1H)7.7(s,2H)7.78(m,1H)7.9(dd,1H)。MS(ES
+)計算値:511.1、実測値:512.2(M+1)。
(実施例1)
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−[(ジメチルアミノ)メチル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド(0.025g、0.048mmol)のジクロロエタン(5mL)溶液に、窒素下でジメチルアミン(0.008g、0.195mmol)およびトリアセトキシホウ水素化テトラメチルアンモニウム(0.038g、0.146mmol)を加えた。反応混合物を室温で14時間撹拌した。LC−MSによって、所望の生成物の形成が示された(M+1=541.0)。反応物を水とジクロロメタンとに分配した。有機層を分離および濃縮し、次いでジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈し、分取HPLC(島津製作所、30×50 C18、Basic、30〜95%、0.1%水酸化ナトリウム(NaOH)、8分の勾配、220UV)で精製し、14.4mg(54%)の表題化合物を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ2.1(s,6H)3.4(s,2H)4.2(s,3H)4.7(s,2H)4.98(s,2H)7.3(s,1H)7.4(dd,1H)7.5(dd,1H)7.6(s,2H)7.7(s,1H)。MS(ES
+)計算値:540.4、実測値:541.0(M+1)。
(実施例2)
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−[2−(モルホリン−4−イルメチル)−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2H−テトラゾール−5−アミン
実施例1に記載の手順によって、ジクロロエタン中のモルホリン(8.5mg、0.0977mmol)を使用した。反応物を実施例1に記載されているように処理、精製し、16.6mg(58%)の表題化合物を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ2.4(s,2H)3.4(s,2H)3.6(s,2H)4.2(s,2H)4.7(s,2H)5.0(s,2H)7.4(s,1H)7.4(dd,1H)7.5(dd,1H)7.6(s,2H)7.7(s,1H)。MS(ES
+)計算値:582.4、実測値:583.0(M+1)。
(実施例3)
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−[2−(1−モルホリン−4−イル−プロピル)−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2H−テトラゾール−5−アミン
ベンゾトリアゾール(25.6mg、0.215mmol)のエタノール(2mL)溶液に、モルホリン(18.7mg、0.215mmol)を加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド(100mg、0.195mmol)のエタノール(2mL)溶液を加え、反応混合物をさらに16時間撹拌した。MSによってイミン中間体の形成が示された(MH
+=581.4)。エタノールを蒸発させ、残渣をトルエン(3mL)に溶解させた。臭化エチルマグネシウム(0.19mL、0.586mmol、3Mエーテル溶液)を加え、反応混合物を50℃で2時間加熱した。LC−MSによって、所望の生成物の形成が示された。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、続いて飽和水性NH
4Cl溶液、次いで1NのNaOH溶液で洗浄した。有機層を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、40g)(5〜30〜50%酢酸エチルおよびヘキサンの勾配で溶出)で精製し、表題化合物を透明な油91mg(76%)として得た。
1H NMR(CDCl
3)δ7.79(1H,s)、7.65(2H,s)、7.46(2H,m)、7.25(1H,s)、4.85(2H,m)、4.68(2H,s)、4.20(3H,s)、3.60(2H,m)、3.55(2H,m)、2.98(1H,m)、2.50(2H,m)、2.25(2H,m)、1.80(2H,m)、0.85(3H,t)。MS(ES
+)計算値:610.5、実測値:611.2(M+1)。
(実施例4)
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−[2−(1−モルホリン−4−イルエチル)−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2H−テトラゾール−5−アミン
ベンゾトリアゾール(12.8mg、0.1075mmol)のエタノール(2mL)溶液に、モルホリン(9.4mg、0.1075mmol)を加え、反応物を10分間撹拌した。2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド(50mg、0.0977mmol)のエタノール(1mL)溶液を、反応混合物に加え、さらにこれを16時間撹拌した。イミンフラグメントが観察された(MH
+=581.4)。中間体の親イオンは見出されなかった。エタノールを蒸発させ、粗生成物を次のステップで用いた。未精製物の半分をトルエンに溶解し、臭化メチルマグネシウム(97mL、0.2916mmol、3Mエーテル溶液)を加えた。反応混合物を2時間加熱還流した。LC−MSによって生成物の形成が示された。溶媒を反応混合物から蒸発させた。1NのNaOH溶液を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を濃縮し、残渣をDMSOに溶解して、分取HPLC(島津製作所、30×50 C18、Basic、30〜95%、0.1%NaOH、8分の勾配、220UV)で精製し、8.2mg(28%)の表題化合物を透明な油として得た。MS(ES
+)計算値:596.4、実測値:597.2(M+1)。
(実施例5)
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−[2−(2−メチル−1−モルホリン−4−イルプロピル)−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2H−テトラゾール−5−アミン
実施例4に記載の手順によって、トルエン中の粗ベンゾトリアゾール錯体(34.0mg、0.0486mmol)に、臭化イソプロピルマグネシウム(300mL、0.2916mmol、1MのTHF溶液)を加えた。反応物を実施例4に記載したように処理、精製し、4.2mg(13%)の表題化合物を透明な油として得た。MS(ES
+)計算値:624.5、実測値:625.2(M+1)。
表題化合物のエナンチオマーを、下記のように分解した。ラセミ混合物(189mg)をメタノール(2mL)に溶解し、Chiralpak ADカラム(10cm×50cm)(Chiral Tech社、Westchester、PA、USA)に注入し、ヘプタン/2−プロパノール(95:5、420mL/分)を使用して溶出した。エナンチオマー1(76.1mg、97.5%ee)は12分で溶出した。エナンチオマー2(83.5mg、94.9%ee)は18分で溶出した。
(実施例6)
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−[2−(1−ピペリジン−1−イルプロピル)−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2H−テトラゾール−5−アミン
ベンゾトリアゾール(12.8mg、0.1075mmol)のエタノール(2.5mL)溶液に、ピペリジン(9.2mg、0.1075mmol)を加え、反応物を10分間撹拌した。2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド(50mg、0.0977mmol)を、反応混合物に加え、それをさらに16時間撹拌した。イミンフラグメントが観察された(MH
+=579.4)。中間体の親イオンは見出されなかった。エタノールを蒸発させ、粗生成物を次のステップに用いた。トルエン(2mL)中の粗生成物に、臭化エチルマグネシウム(97mL、0.2916mmol、3Mエーテル溶液)を加えた。反応混合物を、50℃で2時間加熱した。LC−MSによって生成物の形成が示された。反応混合物を酢酸エチル(2mL)で希釈した。有機層を飽和水性NH
4Cl溶液、次いで1NのNaOH溶液で洗浄した。有機層を濃縮し、残渣をDMSOに溶解し、分取HPLC(島津製作所、30×50 C18、Basic、30〜95%、0.1%NaOH、8分の勾配、220UV)で精製し、表題化合物を透明な油13.8mg(23%)として得た。MS(ES
+)計算値:608.5、実測値:609.1(M+1)。
対応するアミンおよびグリニャール試薬を使用した実施例6に記載の手順によって、実施例7〜18を作製した。
(実施例19)
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−[2−{1−[メチル(ピリジン−4−イルメチル)アミノ]プロピル}−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2H−テトラゾール−5−アミン
ベンゾトリアゾール(790mg/50ml)、トリエチルアミン(0.83ml/50ml)、および調製8からのアルデヒド(3g/50ml)のエタノール溶液(0.132M)を調製した。
アミン(60mmol)のエタノール溶液に、ベンゾトリアゾール溶液(450μL、54mmol)、トリエチルアミン溶液(450μL、54mmol)、およびアルデヒド溶液(450μL、54mmol)をTECAN(モデル:Genesis RSP 150 TECAN US、Durham、NC、USA)を介して加えた。反応混合物を、室温で14時間振盪した。有機溶媒を、Genevac HT−24(Barnstead Genevac、Valley Cottage、NY、USA)上で蒸発させた。トルエン(1500μL)、次いでエーテル中の臭化エチルマグネシウム(80μL、240mmol、3M)を、TECANを介して加えた。反応混合物を80℃に2時間加熱した。反応混合物を冷却し、酢酸エチル(2ml)で希釈し、飽和水性NH4Cl(2ml)でクエンチし、次いで振盪した。水層を除去した。有機層を蒸発させた。残渣をDMSO1ml中で希釈し、濾過し、精製した。MS(ES+)計算値:645.2、実測値:646.3(M+1)。
対応するアミンおよびグリニャール試薬を使用した実施例19に記載の手順によって、化合物20〜78を作製した。
(実施例79)
N−2−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−N−2−メチルグリシンアミド
ステップA:N−[2−{1−[ベンジル(メチル)アミノ]プロピル}−5−(トリフルオロメチル)−ベンジル]−N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンの調製
2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド(200.0mg、0.391mmol)のエタノール(3.0mL)溶液に、N−メチルベンジルアミン(61μL、0.469mmol)およびベンゾトリアゾール(56mg、0.469mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、エタノールを除去し、残渣をトルエン(6.0mL)に溶解し、0℃に冷却し、塩化エチルマグネシウム(0.78mL、1.564mmol、2Mエーテル溶液)を加えた。反応物を放置して室温に温め、2時間撹拌した。反応混合物を飽和水性NH
4Clでクエンチした。エーテルを加え、混合物を5分間撹拌した。混合物に1NのNaOHを加え、pH10とした。水層をエーテルで抽出し、混合した有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、黄色い油を得た。シリカゲルクロマトグラフィーを使用して、ISCO Combiflashシステム(Teledyne ISCO社、Lincoln、NE、USA)上でジクロロメタン中の1〜3%メタノールの勾配で、粗生成物を精製し、表題化合物(242.7mg、96%収率)を淡黄色の油として得た。MS(ES
+)計算値:608.5、実測値:609.1(M+1)。
ステップB:N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−{2−[1−(メチル−アミノ)プロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2H−テトラゾール−5−アミンの調製
Parrフラスコに、炭素上の20%Pd(OH)
2(23.2mg)を加え、次いでメタノール(22mL)を加えた。この懸濁液に、N−[2−{1−[ベンジル(メチル)アミノ]−プロピル}−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(298.7mg、0.463mmol)のメタノール溶液を加えた。反応混合物を、水素下(圧力=14.7psi)にて室温で9時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、メタノールで洗浄し、減圧下で濃縮し、279.8mg(100%)の表題化合物を黄色い油として得た。MS(ES
+)計算値:608.5、実測値:609.1(M+1)。
ステップC:N−2−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−N−2−メチルグリシンアミドの調製
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−{2−[1−(メチル−アミノ)プロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2H−テトラゾール−5−アミン(40.0mg、0.0721mmol)のアセトニトリル(0.72mL)溶液に、2−ブロモアセトアミド(11.0mg、0.086mmol)を加え、反応混合物を83℃で18時間還流させた。反応混合物を濾過し、アセトニトリルで洗浄し、減圧下で濃縮した。ヘキサン中の45%アセトンを移動相として使用した分取TLCを使用して粗生成物を精製し、32.0mg(73%)の表題化合物を得た。
適当な臭化アルキルを使用し実施例79に記載した手順と類似の手順によって、化合物80〜84を作製した。
(実施例85)
N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−[2−{1−[(ピリジン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2H−テトラゾール−5−アミン
ステップA:N−[2−(1−アミノプロピル)−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンの調製
2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(調製7)(300.0mg、0.590mmol)のトルエン(1.2mL)溶液に、臭化エチルマグネシウム(0.59mL、1.77mmol、3Mエーテル溶液)を室温で一滴ずつ加え、反応混合物を2.5時間撹拌した。メタノールおよびトルエンが完全に混合するまで、反応物にメタノール(0.98mL)を一滴ずつ撹拌しながら加えることによってクエンチした。この混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(22.3mg、0.590mmol)を一度に加え、反応物を1.5時間撹拌した。泡立ちが止まるまで、10%水性クエン酸(1.5mL)溶液を室温で一滴ずつ加えた。1NのNaOH溶液で反応混合物をpH10の塩基性にした。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。カチオン交換樹脂(Waters Oasis MCX 6CC 500mg LP抽出カートリッジ、Waters社、Milford、MA、USA)を使用して粗生成物を精製し、表題化合物(278.4mg、87%収率)を黄色いガムとして得た。MS(ES
+)計算値:608.5、実測値:609.1(M+1)。
ステップB:N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−N−[2−{1−[(ピリジン−3−イルメチル)アミノ]プロピル}−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2H−テトラゾール−5−アミンの調製
N−[2−(1−アミノプロピル)−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン(60.0mg、0.01mmol)のエタノール(0.85mL)溶液に、3−ピリジンカルボキシアルデヒド(26.0mg、0.122mmol)を加え、反応混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(10.0mg、0.133mmol)を一度に加えた。反応混合物を氷浴中で2時間撹拌し、次いで室温で一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、エタノールを除去し、残渣を酢酸エチルおよび水に溶解した。水層を酢酸エチル(2×)で抽出し、混合した有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーを使用して、ISCO Combiflashシステム上でジクロロメタン中の1〜9%メタノール勾配で粗生成物を精製し、表題化合物(54.6mg、78%収率)を無色のガムとして得た。MS(ES
+)計算値:608.5、実測値:609.1(M+1)。
適当なアルデヒドを使用した実施例85に記載した手順と類似の手順に従って、化合物86を作製した。
(実施例87)
{1−[1−(2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−フェニル)−プロピル]−4−フルオロ−ピペリジン−4−イル}−メタノール
2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(調製7)(2.1g、4.1mmol)のトルエン(30mL)溶液に、臭化エチルマグネシウムのエーテル溶液(4.13mL、3M)を加え、得られた溶液をマイクロ波で60℃にて30分間加熱した。溶液を氷冷の1NのHClでクエンチし、pHを7に調節した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出し、抽出物を乾燥させた。溶媒を蒸発させ、シリカゲルで精製し、エチルケトンを得た。MS(ES
+)計算値:539.4、実測値:540.5(M+1)。
上記で得たエチルケトン(3.4g、6.3mmol)のMeOH(25mL)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.46g、12.6mmol)を0℃にて加え、得られた混合物を一晩撹拌した。溶液を濃縮し、シリカゲルで精製し、3.4グラムの所望のアルコールを得た。MS(ES+)計算値:541.4、実測値:542.5(M+1)。
上記のアルコール(2.7g、5mmol)のDCM(60mL)溶液に、トリフェニルホスフィン(5.2g、19.9mmol)、続いてN−ブロモスクシンイミド(3.54g、19.9mmol)を0℃にて加え、得られた混合物を一晩撹拌した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルで精製し、所望の臭化物(3.01g、90%)を得た。MS(ES+)計算値:604.32、実測値:605.4(M+1)。
この臭化物(0.15g、0.25mmol)のアセトニトリル(2mL)溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL、0.74mmol)、ヨウ化カリウム(0.062g、0.372mmol)、続いて4−フルオロ−4−ヒドロキシメチルピペリジン(0.105g、0.62mmol)を加えた。得られた溶液を80℃で12時間撹拌した。溶液を室温へと冷却し、濃縮した。粗生成物の精製によって、目的化合物(0.123g、75%)を得た。MS(ES+)計算値:656.57、実測値:657.7(M+1)。
実施例87に記載した手順によって、適当なアミンを使用して、実施例88〜204の化合物を作製した。
調製9:(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−[2−(2−メチル−1−モルホリン−4−イル−プロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−(5−モルホリン−4−イル−ピラジン−2−イル)−アミン
(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−[2−(2−メチル−1−モルホリン−4−イル−プロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−アミン(28mg、0.040mmol)のトルエン(0.5mL)溶液に、モルホリン(0.01、0.048mmol)、BINAP(5mg、0.004mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(6mg、0.056mmol)、およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(4mg、0.002mmol)を加えた。混合物を80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、シリカゲルのパッド上で濾過した。母液を濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)(ヘキサン中の10〜50%酢酸エチルで溶出)で精製し、表題化合物を黄色〜オレンジ色のガムとして得た(20mg、0.04mmol)。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−D)δppm 7.79(d,J=1.66Hz,1H)7.78(s,1H)7.68(s,2H)7.53(bs,2H)7.50(d,J=1.24,1H)7.30(s,1H)4.83(s,2H)4.8(d,J=17.2,1H)4.72(d,J=17.2,1H)3.85(t,J=4.98,4H)3.64(t,J=4.15Hz,4H)3.42(d,J=7.47Hz,1H)3.36(t,J=4.7Hz,4H)2.37(m,5H)0.88(d,J=6.64,3H)0.75(d,J=6.64,3H)。MS(ES
+)計算値:705.66、実測値:706.1(M+1)。
調製10:(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−[2−(2−メチル−1−モルホリン−4−イル−プロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−アミン
(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−[2−(2−メチル−1−モルホリン−4−イル−プロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−アミン(94mg、0.198mmol)を充填したフラスコに、THF(2mL)、次いでカリウムt−ブトキシド(28mg、0.249mmol)を加えた。4分後に、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジルブロミド(0.05mL;0.272mol)を加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで希釈した。混合物を2NのHClで洗浄した。水層を1NのNaOHで塩基性化し、酢酸エチル(2×)で抽出した。有機層を混合し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)(ヘキサン中の10〜40%酢酸エチルで溶出)で精製し、表題化合物(111mg、0.159mmol)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−D)δppm 8.23(d,J=1.24Hz,1H)7.82(s,1H)7.66(s,2H)7.59(s,1H)7.56(s,2H)7.18(s,1H)4.9(s,2H)4.85(d,J=17.43,1H)4.78(d,J=17.01,1H)3.64(t,J=3.74,3.73,4H)3.37(d,J=7.05,1H)2.41〜2.32(m,5H)0.88(d,J=6.64Hz,3H)0.77(d,J=6.64Hz,3H)。
MS(ES):計算値:699.46、実測値:699.4(M、
79Br同位体)。
(実施例205)
(5−ブロモ−ピラジン−2−イル)−[2−(1−モルホリン−4−イル−プロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンジル]−アミン
2−(2−メチル−1−モルホリン−4−イル−プロピル)−5−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド(126mg、0.418mmol)のTHF(0.5mL)溶液に、2−アミノ−5−ブロモピラジン(81mg、0.465mmol)、次いでチタンイソプロポキシド(0.2μL;0.675mmol)を加えた。得られた混合物を70℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、MeOH(0.5mL)で希釈した。これに、水素化ホウ素ナトリウム(20mg、0.528mmol)を加えた。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。酢酸エチルおよび水を加え、15分間撹拌した。反応物をセライトおよびシリカゲルのパッド上に注いだ。母液を水(2×)およびブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル)(10〜50%酢酸エチル/ヘキサンで溶出)で精製し、表題化合物(97mg、0.205mmol)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−D)δ ppm 8.08(d,J=1.65,1H)7.64(s,1H)7.56(s,1H)7.51(d,J=8.71Hz,1H)7.47(d,J=7.88Hz,1H)4.72(bs,1H)、4.6(m,2H)3.62(s,4H)3.48(d,J=7.46Hz,1H)2.40(m,2H)2.3(m,3H)0.88(d,J=6.64Hz,3H)0.71(d,J=6.64,3H)。
MS(ES
+)計算値:473.342、実測値:473.3(M、
79Br同位体)。
(実施例206)
(1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}アゼチジン−3−カルボニトリル)
1−[1−(2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピル]−アゼチジン−3−オール(実施例14)(0.26mg、0.43mmol)の1,2−ジクロロエタン(DCE)(5mL)溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.15mL)を加え、混合物を氷浴中で冷却し、次いでメタンスルホニル塩化物(40μL)を加えた。得られた溶液を1時間撹拌し、水およびDCEで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ、蒸発させて、粗メシラートを得て、これを次のステップで精製せずに使用した。粗メシラートをジメチルスルホキシド(DMSO)(5mL)に溶解し、シアン化ナトリウム(NaCN)(0.055g、1.1mMol)をそれに加えた。混合物を80℃で18時間加熱し、酢酸エチル(EtOAc)および水で希釈した。有機層を分離し、ブラインで完全に洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物を得た。(0.24g、65%)
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.80(s,1H)、7.65(s,2H)、7.60(s,1H)、7.50(m,1H)、7.30(s,1H)、4.95(dd,2H)、4.45(dd,2H)、4.20(s,3H)、3.6(brs,1H)、3.5 9t,1H)、3.2(m,1H)、3.17(m,1H)、3.0(t,1H)、1.90(m,1H)、0.95(t,3H)、0.75(t,3H)。MS(ES
+)計算値:619.53、実測値:620.4(M+1)。
(実施例207)
(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(3,3−ジフルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)
1−[1−(2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピル]−アゼチジン−3−オール(実施例14)(0.468mg、0.76mMol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、Dess−martin試薬(0.65g、1.1mMol)を加え、溶液を1時間撹拌した。反応物を飽和亜硫酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウム溶液(各5mL)でクエンチし、10分間撹拌した。混合物をクロロホルムで抽出し、有機抽出物を乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、対応するケトン(0.31g、65%)を得た。ケトンのジクロロメタン(10mL)溶液に、0℃でDeoxofluor[(CH
3OCH
2CH
2)
2NSF
3](0.2mL、1.1mMol)を加え、混合物を2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、(0.21g、68%)の目的化合物を得た。
1HNMR(400MHz.,CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.65(s,2H)、7.60(s,1H)、7.50(m,1H)、7.30(s,1H)、5.10(d,1H)、4.85(d,1H)、5.63(d,1H)、4.50(br,1H)、4.0(m,1H)、3.63(br,1H)、3.25(td,4H)、1.90(m,1H)、0.95(t,3H)、0.75(t,3H)。MS(ES
+)計算値:630.50、実測値:631.3(M+1)。
(実施例208)
(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)
1−[1−(2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−フェニル)−2−メチル−プロピル]−アゼチジン−3−オール(実施例14)(0.056g、0.09mMol)のジクロロメタン(1mL)溶液に、0℃でDeoxofluor(18μL)を加え、溶液を1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(30mg、53%)を得た。
1HNMR(400MHz.,CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.65(s,2H)、7.55(s,1H)、7.45(d,1H)、7.25(s,1H)、5.0(tq,2H)、4.65(dd,2H)、4.2、(s,3H)、3.55(m,2H)、3.25(五重線,1H)、3.0、(md,1H)、2.65、(md,1H)、1.85、(m,1H)、0.75(dd,3H)。MS(ES
+)計算値:612.51、実測値:613.3(M+1)。
(実施例209)
(1−{1−[2−({[3,−5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−3−(シアノメチル)アゼチジン−3−カルボン酸
実施例87に記載の手順によって、エチル−3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシレートを使用して、エチル1−(1−(2−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ)メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロピル)−3−(クロロメチル)アゼチジン−3−カルボキシレートを調製した。この化合物をDMSO中のシアン化ナトリウム(2当量)で処理し、対応するシアノエステルを得て、標準状態下でけん化し、表題化合物を得た。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.65(s,2H)、7.60(s,1H)、7.50(m,1H)、7.30(s,1H)、5.17(d,1H)、4.95(s,1H)、4.76(br,1H)、4.20(m,2H)、4.20(s,3H)、3.80(br,1H)、3015(m,1H)、2.0(m,1H)、1.80(m,1H)、0.65(t,3H)。MS(ES
+)計算値:663.54、実測値:664.5(M+1)。
(実施例210)
(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−{1−[3−(エトキシメチル)−3−フルオロアゼチジン−1−イル]−2−メチルプロピル}−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)
実施例5に記載の手順によって、1−(1−(2−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ)メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)−2−メチルプロピル)−3−((ヒドロキシメトキシ)メチル)アゼチジン−3−オールを、対応するアルデヒドおよびアゼチジンから調製した。実施例208の手順と同様の手順を使用して、Deoxofluorを使用してこの化合物をフッ素化した。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.65(s,2H)、7.55(s,1H)、7.45(d,1H)、7.25(s,1H)、4.90(dd,2H)、4.50(m,2H)、4.20(s,3H)、3.80(m,6H)、3.05、(m,2H)、2.70(m,1)、1.90(m,1H)、1.20(t,3H)、0.70(dd,6H)。MS(ES
+)計算値:670.59、実測値:671.6(M+1)。
(実施例211)
(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(4−フルオロピペリジン−1−イル)−2−メチルプロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
実施例5に記載の手順によって、(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−メチルプロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを、4−ヒドロキシピペリジンから調製した。このアルコール(0.51mg、0.8mMol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、0℃でDeoxofluor(0.19g、0.88mMol)を加え、溶液を1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(0.41g、81%)を得た。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.60(s,2H)、7.50(d,1H)、7.40(s,1H)、7.22(s,1H)、4.90(d,1H)、4.65(dd,2H)、4.50(brd,2H)、4.20(s,3H)、3.40(d,1H)、2.50(m,2H)、2.20(m,3H)、1.80(m,3H)、0.9(d,3H)、0.6(d,3H)。MS(ES
+)計算値:640.57、実測値:641.6(M+1)。
(実施例212)
(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−2−メチルプロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
実施例5に記載の手順によって、(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(4−ヒドロキシピペリジン−1−イル)−2−メチルプロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを、4−ヒドロキシピペリジンから調製した。このアルコール(0.083g、0.13mMol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、Dess−Martin試薬(0.114g、0.268mMol)を0℃で加え、得られた溶液を室温で3時間撹拌した。反応物を飽和亜硫酸ナトリウムおよび炭酸ナトリウム溶液(各5mL)でクエンチし、10分間撹拌した。混合物を、クロロホルムで抽出し、有機抽出物を乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、対応するケトン(0.0.52g、62%)を得た。ケトン(0.263g、0.42mMol)のジクロロメタン(5mL)溶液に、0℃でDeoxofluor(0.17mL、0.92mMol)を加え、混合物を2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、目的化合物(0.258g、92%)を得た。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.60(s,1H)、7.55(d,1H)、7.40(d,1H)、7.25(s,1H)、4.95(d,1H)、4.70(q,2H)、4.60(d,1H)、4.20(s,3H0,3.80(d,1H)、2.50(br,4H)、2.20(s,1H)、1.90(m,4H)、1.90(d,3H)、0.80(d,3H)。MS(ES
+)計算値:658.56、実測値:659.6(M+1)。
(実施例213)
(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−{(1R)−1−[4−(エトキシメチル)−4−フルオロピペリジン−1−イル]−2−メチルプロピル}−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)
実施例5に記載の手順によって、(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−{(1R)−1−[4−(エトキシメチル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル]−2−メチルプロピル}−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)を、対応するアルデヒドおよび4−(エトキシメチル)−4−ヒドロキシピペリジンから82%の収率で調製した(2mMolスケール)。実施例211に記載した手順を使用して、得られたアルコールをフッ素化した。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(m,2H)、7.60(d,2H)、7.50(dd,2H)、5.20(d,1H)、4.80(dd,2H)、4.70(m,2H)、4.50(d,1H)、4.45(d,1H)、4.25(d,1H)、4.20(s,3H)、3.50(m,3H)、3.30(d,1H)、2.75、(d,1H)、2.55(d,1H)、2.20(t,2H)、2.10(t,1H)、1.75(m,2H)、1.15、(t,3H)、0.90(d,3H)、0.60(d,3H)。MS(ES
+)計算値:698.65、実測値:699.7(M+1)。この化合物を、キラルクロマトグラフィーにかけ、(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−[2−{(1R)−1−[4−(エトキシメチル)−4−フルオロピペリジン−1−イル]−2−メチルプロピル}−5−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)を得た。この化合物をそのメシラート塩に変換し、これをトルエン/ヘキサンから結晶化した。MP95℃。
単結晶X線分析
代表的な結晶を調べ、1Åデータセット(最大sinθ/λ=0.5)を、Bruker APEX II/R回折計で収集した。絶対配置の決定を容易にするためにFriedel対を収集した。原子散乱因子は、The International Tables for Crystallography(International Tables for Crystallography,Vol.C,pp.219,500,Kluwer Academic Publishers,1992)から採用した。SHELXTL(バージョン5.1、Bruker AXS、1997)システムによって、全ての結晶計算を円滑化した。全ての回折計データを室温で収集した。適切な結晶、データ収集、および精密化を表213−1に要約する。
試験的構造を直接法によって得た。この試験的構造を常法に従い一定の程度まで精密化した。構造には非対称単位毎に2個の塩分子が含有された。全部で、6個のCF3基があったが、全てが不規則であった。CF3基毎に6個のフッ素原子を使用することによって、不規則性を適合させた。6個を、対応する集団を有する2つの理想化した群に配置し、これを精密化した。差マップによって、結晶化の2個のトルエン分子が明らかになった。これらの基は不規則であり、理想化しなければならなかった。精密化によって、トルエン分子が非常に大きな熱パラメーターを有することを示され、完全な占有率で存在しないという疑いが生じた。水素位置を可能な限り計算した。差フーリエ技術によってメチル水素の位置決めをし、次いで理想化した。窒素上の水素を差フーリエ技術によって位置決めし、精密化した。水素パラメーターを構造因子計算に加えたが、精密化しなかった。最小二乗精密化の最終サイクルにおいて計算したシフトは、全て相当する標準偏差の0.1未満であった。最終的なR指標は、6.17%であった。最終的な差フーリエによって、欠落または誤配置の電子密度がないことが明らかになった。
SHELXTLプロッティングパッケージ(図1)を使用して、精密化した構造をプロットした。Flackの方法(H.D.Flack,Acta Crystallogr.,A39,876,1983)によって、絶対配置を決定した。座標、異方性温度因子、距離および角度は、捕捉材料として利用することができる(表213−1〜213−5)。
(実施例214)
(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−2−メチルプロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)
この化合物を、上記で、実施例212で説明した手順を使用して、3−ヒドロキシピロリジンおよび対応するアルデヒドから調製した。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.60(s,2H)、7.50(d,1H)、7.40(s,1H)、7.22(s,1H)、4.92(m,1H)、4.80(m,3H)、4.20(s,3H)、2.80(m,2H)、2.60(m,2H)、2.20(m,2H)、1.20(m,2H)、0.8(brd,6H)。MS(ES
+)計算値:644.53、実測値:645.5(M+1)。
(実施例215)
(1R)−{−1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−カルボン酸
2−{[(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミノ]−メチル}−4−トリフルオロメチル−ベンズアルデヒド(13.87g、27.1mMol)のエタノール(200mL)溶液に、4−ヒドロキシメチルピペリジン(3.75g、32.5mMol)を加えた。反応混合物を、30分間撹拌し、ベンゾトリゾール(3.88g、32.5mMol)を加え、混合物を一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をトルエンで2度共沸させた。次いで、残渣を無水トルエン100mlに溶解させ、窒素ガス下に置き、氷浴中で冷却した。この溶液に、塩化イソプロピルマグネシウム/エーテルの2M溶液54.2mlを加えた。反応物を0℃で1時間撹拌し、次いで室温に温めた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和塩化アンモニウムで注意深くクエンチし、混合物を酢酸エチルで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた
。残渣を酢酸エチルに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウムで3度洗浄し、次いで飽和炭酸二ナトリウムで5度洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗生成物(14.44g)を得た。この物質を、キラルクロマトグラフィーで精製し、2種の対応するエナンチオマーを得た。
窒素ガス下で無水DCM60mlに塩化オキサリル1.02mlを溶解した。溶液をドライアイス/アセトン浴中で冷却し、1.66mlのDMSOで処理した。反応物を−78℃で10分間撹拌し、ジクロロメタン120ml中の((R)−1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−イル)メタノール5.07gm(7.7mMol)を15分に亘り一滴ずつ加えた。−78℃にて10分間撹拌した後、反応物を8.12mlのジイソプロピルエチルアミンで処理した。反応物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温に温めた。室温にて1時間後、TLCは反応の完了を示した。反応物を水で洗浄し、2回のジクロロメタン逆洗液と混合した。有機物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。得られたアルデヒドをさらに精製せずに次のステップに用いた。
粗アルデヒドを、窒素ガス下で無水ジメチルホルムアミド10mlに溶解した。この溶液に、5.41gmのオキソンを加えた。反応物を室温で6時間撹拌した。混合物を、100mlの水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。残渣を、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、4.1gの生成物(75%)を得た。1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.60(s,2H)、7.50(d,1H)、7.40(s,1H)、7.22(s,1H)、5.0(d,1H)、4.80(m,2H)、4.50(m,3H)、4.20(s,3H)、3.55(m,2H)、3.0(m,2H)、2.70(brm,2H)、2.50(brm,4H)、2.20(brm,4H)、0.8(d,6H)、MS(ES+)計算値:666.59、実測値:667.5(M+1)。
(実施例216)
(R)−1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−カルボキサミド
(R)−1−{−1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−カルボン酸(0.510g、0.76mMol)のTHF(5mL)溶液に、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.21g、0.99mMol)および炭酸アンモニウム(0.078g、0.99mMol)を0℃で加えた。この溶液に、ピリジン(0.037mL)を加え、混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和炭酸水素ナトリウムに注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出物を、硫酸水素ナトリウムの飽和溶液およびブラインで洗浄した。有機抽出物を乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、生成物(0.314g、65%)を得た。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.60(d,2H)、7.50(m,1H)、(7.20,m,1H)、7.25(d,1H)、5.20(m,2H)、4.90(d,1H)、4.70(dd,2H)、4.50(dd,1H)、4.20(s,3H)、3.60(d,1H)、3.0(m,1H)、2.80(m,1H)、2.20(m,1H)、1.80(m,2H)、1.70(m,4H)、0.8(d,3H)、0.6(d,3H)。MS(ES
+)計算値:665.60、実測値:666.7(M+1)。
(実施例217)
(R)−1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−カルボニトリル
(R)−1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−カルボキサミドのTHF(92mL)溶液に、0℃でトリフルオロ酢酸(0.125mL)を加え、混合物を2時間撹拌した。反応混合物を室温に温め、酢酸エチルで希釈し、炭酸水素ナトリウムで洗浄した。有機抽出物を乾燥させ、減圧下で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、所要のニトリル(0.19g、85%)を得た。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.80(s,1H)、7.60(d,2H)、7.50(m,1H)、(7.20,m,1H)、7.25(d,1H)、4.90(d,1H)、4.70(dd,2H)、4.50(d,2H)、4.20(s,3H)、3.55(d,2H)、3.60(m,2H)、2.40 )m,1H)、2.10(m,3H)、1.20(m,1H)、0.80(d,3H)、0.5(d,3H)。MS(ES
+)計算値:647.59、実測値:648.6(M+1)。
(実施例218)
1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−イル)酢酸
この化合物を、2−(ピペリジン−4−イル)エタノールを使用して、1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−カルボン酸のために上記で説明した手順を使用して調製した。
1HNMR(400MHz.CDCl
3)δ7.80(s,1H)、7.60(s,2H)、7.50(d,1H)、7.40(s,1H)、7.22(s,1H)、4.90(dd,2H)、4.70(m,2H)、4.50(m,1H)、4.20(s,3H)、4.10(m,1H)、3.5(m,2H)、3.0(m,2H)、2.70(m,2H)、2.3(m,2H)、1.20(d,2H)、1.90(m,2H)、1.60(m,2H)、0.8(d,3H)、0.60(d,3H)。MS(ES
+)計算値:680.61、実測値:681.6(M+1)。
(実施例219)
1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−4−フルオロピペリジン−4−カルボン酸
メチル1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロピル}−4−フルオロピペリジン−4−カルボキシレート(実施例204)(0.23g、0.33mMol)のメタノール溶液に、1Nの水酸化ナトリウム(1.8mL)を加え、溶液を100℃で30分間マイクロ波にかけた。反応混合物を水で希釈し、pHを3に調節し、ジクロロメタンで抽出した。有機抽出物を乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(0.9g、40%)を得た。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.90(t,1H)、7.80(s,1H)、7.60(m,37.15(m,1H)、4.70(dd,4H)、4.6(m,2H)、4.40 m,2H)、4.10(s,3H)、3.80(m,1H)、2.90(m,1H)、3.60(m,2H)、2.40(m,2H)、2.15(m,1H)、2.10(m,2H)、1.9(m,1H)、0.5(t,3H)。MS(ES
+)計算値:670.55、実測値:671.4(M+1)。
(実施例220)
2−(1−(1−(2−(((3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ)メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル)プロピル)ピペリジン−4−イル)アセトアミド
この化合物を、1−{1−[2−({[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル](2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)アミノ}メチル)−4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−メチルプロピル}ピペリジン−4−カルボン酸(実施例215)の手順と同様の手順を使用して調製した。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.90(m,2H)、7.60(m,2H0,7.25(s,1H)、7.20(s,1H)、4.80(q,2H)、4.65(q,2H)、4.20(s,3H)、4.10(br,1H)、3.60(br,1H)、2.90(br,1H)、2.50(br,1H)、2.30(m,2H)、1.80(m,6H)、1.50(t,3H)MS(ES
+)計算値:652.56、実測値:653.5(M+1)。
(実施例221)
(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)プロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)
この化合物を、(N−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル]−N−{2−[1−(3−フルオロアゼチジン−1−イル)−2−メチルプロピル]−5−(トリフルオロメチル)ベンジル}−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン)(実施例208)の手順と同様の手順を使用して調製した。
1HNMR(400MHz.CDCl3)δ7.75(s,1H)、7.65、(s,2H)、7.55(m,1H)、7.45(d,1H)、5.10(五重線,1H)、4.90(d,2H)、4.70(dd,4H)、4.20(s,3H)、3.60(五重線,1H)3.55(m,1H)、3.30(五重線,1H)、3.05(五重線のd,1H)2.80(五重線のd 1H)、1.65(m,1H)、1.55(m,1H)、0.6(t,3H)。
13CNMR(100MHz.CDCl3)δ169.14、104.14、135.84、132.32、132.00、129.64、128.26、124.83、124.65、121.90、82.8、80.8、60.79、60.59、60.53、60.32、51.63、49.73、39.72、26.84、9.50。MS(ES
+)計算値:598.48、実測値:599.4(M+1)。
調製11:(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミン
ステップA:2:2−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンジルアミンメタンスルホン酸塩の調製
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
4)(225g、5.96mol)、次いでTHF(6.8L、無水)を22Lフラスコに充填した。混合物を氷水浴中で冷却した。トリフルオロ酢酸(TFA)(518ml)をTHF(1.4L)に加え、この溶液もまた氷水浴中で冷却した。TFA溶液をNaBH
4懸濁液に2.5時間に亘り加えた。氷水浴を除去し、得られた混合物を周囲温度で2時間撹拌した。2−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンゾニトリル(678g、2.71mol)をTHF(1.2L)に溶解した。TFA/NaBH
4混合物を再び氷水浴中で冷却し、ニトリル溶液を1.5時間に亘り加えた。混合物を放置して周囲温度にし、その間16時間撹拌した。一定分量をLC分析することによって、反応の完了を明らかにした。混合物を氷浴中で冷却し、メタノール(2L)を1時間に亘り加えた。揮発性物質を減圧下で除去し、酢酸エチル(4L)を加えた。この混合物を酒石酸ナトリウム−カリウム(1Kg)を含有する水(3L)で洗浄した。水層を酢酸エチル(2L)で洗浄し、混合した有機物をブライン(2L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をTHF(3L)に溶解し、氷水浴中で冷却した。メタンスルホン酸(195ml)を加え、混合物を2時間撹拌した。得られた固体を濾過し、減圧下で乾燥させた(676g、71%収率)。
1H−NMR(CD
3OD)δ7.92(d,8.3Hz,1H)、7.87(s,1H)、7.65(d,8.3Hz,1H)、4.34(s,2H)、2.66(s,3H)。質量スペクトル(ESI):M+1=255.9。
ステップB:(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−ブロモ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−アミンの調製
メチルtert−ブチルエーテル(4.3L)中のステップAからの生成物(640g)に、1Nの水酸化ナトリウム(3.4L)を加えた。2層の透明層が形成するまで混合物を撹拌した。有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、遊離アミン(460g)を得た。遊離アミン(460g、1.81mol)を1,1−ジクロロエテン(4.3L)中に入れ、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド(438g、1.81mol)を加えた。混合物を氷水浴中で冷却し、NaBH(CH
3CO
2)
3(767g、3.62mol)を加えた。混合物を16時間撹拌し、この時点でLC分析によって反応が完了したことが明らかとなった。pH8となるまで飽和炭酸カリウム水溶液を加えた。水(1L)を加え、溶解していない塩を濾過した。層を分離し、水層を1,1−ジクロロエテン(2L)で洗浄した。混合した有機物をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した(880gの生成物、>95%収率)。
1H−NMR(HCl塩)(CD
3OD)δ8.23(s,2H)、8.09(s,1H)、7.98(s,1H)、7.93(d,8.3Hz,1H)、7.67(d,8.3Hz,1H)、4.61(s,2H)、4.56(s,2H)。質量スペクトル(ESI):M+1=480.1。
ステップC:(2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)シアナミドの調製
エタノール(4.6L)中のステップB(873g、1.82mol)の生成物に、酢酸ナトリウム(452g、5.46mol)を加えた。得られた混合物を20分間撹拌し、次いで臭化シアン(386g、3.64mol)を加えた。この混合物を2時間撹拌すると、LC分析によって明らかとなったようにこの時点で反応が完了した。水(4L)を加え、揮発性物質を減圧下で除去した。トルエン(4L)を加え、2層の透明層が形成するまで混合物を撹拌した。層を分離し、水層をトルエン(2L)で洗浄した。混合した有機物をブライン(1L)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した(910g収量)。
1H−NMR(CDCl
3)δ7.83(s,1H)、7.71(m,3H)、7.54(d,1.7Hz,1H)、7.46(dd,2.1Hz,8.3Hz,1H)、4.38(s,2H)、4.34(s,2H)。質量スペクトル(ESI):M+1=505.0。
ステップD:N−(2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル)−N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2H−テトラゾール−5−アミンの調製
メチルtert−ブチルエーテル(9L)中のステップC(909g、1.80mol)の生成物に、トリエチルアミン(2.5L、18mol)、次いでトリメチルシリルアジド(415g、3.60mol)を加えた。得られた混合物を50℃にて8時間加熱した。一定分量をHPLCによって検査すると、出発物質はまだ存在した。混合物を冷却し、トリメチルシリルアジド(50g)を加えた。混合物を再び50℃に加熱し、3時間撹拌した。冷却後、1Nの水酸化ナトリウム(9L)を加えた。層を分離した(エタノール150mlを加え、分離を促進した)。洗液が酸性となるまで有機物を10%水性クエン酸溶液(8L、次いで2L)で洗浄した。有機物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた固体は静置するとすぐに白色となった(976g、99%収率)。
1H−NMR(CD
3OD)δ7.47(m,3H)、7.64(d,8.3Hz,1H)、7.44(d,2.1Hz,1H)、7.38(dd,2.1Hz,8.3Hz,1H)、4.88(s,2H)、4.86(s,2H)。質量スペクトル(ESI):M+1=548.0。
ステップE:N−(2−ブロモ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル)−N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンの調製
2−メチルTHF(9L)中のステップDからの生成物(500g、0.912mol)に、炭酸ナトリウム(386g、3.65mol)、ジメチルホルムアミド(4L)、および硫酸ジメチル(156ml、1.7当量)を加えた。得られた混合物を50℃に16時間加熱すると、この時点でLC分析によって完了が明らかとなった。冷却後、水(9L)を加え、層を分離した。有機層を濃縮水酸化アンモニウム(6.5L)で洗浄した。ブラインを加え、層分離を促進した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をヘキサン中で加熱し、熱いまま濾過し、白色固体(229g)を得た。母液を他のバッチからの母液(460gテトラゾール)と混合し、Biotage(登録商標)150Mシステム(Uppsala、Sweden)上で精製した(ヘキサン中の5〜10%酢酸エチルで溶出)。表題化合物を白色固体(729g、74%収率)として単離した。
1H−NMR(CDCl
3)δ7.71(s,1H)、7.62(m,3H)、7.41(d,1.7Hz,1H)、7.34(dd,2.1Hz,8.3Hz,1H)、4.80(s,2H)、4.78(s,2H)、4.18(s,3H)。質量スペクトル(ESI):M+1=562.0。
調製12:(3,5−ビス−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−クロロ−5−トリフルオロメチル−ベンジル)−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−アミン
ステップA:N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジリデン)(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン
Dean Startトラップを備えた100mL丸底フラスコに、トルエン50mL、2−クロロ−5−トリフルオロメチルベンジルアミン5.0gmおよび3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンズアルデヒド5.8gmおよびパラトルエンスルホンアミド50mgを充填した。水が蒸留されなくなるまで反応物を約3時間加熱し、次いで周囲温度に冷却し、溶媒を真空下で除去した。次のステップでさらなる精製をせずに、粗生成物を直接使用した。10.0gm。
ステップB:N−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)メタンアミン
ステップAからの化合物のエタノール溶液に、4gmの水素化ホウ素ナトリウムを加え、反応物を周囲温度で一晩撹拌した。反応物を水100mLおよびメチルtert−ブチルエーテル100mLで希釈したメタノール50mLでクエンチした。層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、油に濃縮した。所望のアミン10gmを回収し、これをステップでさらなる精製をせずに使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3)7.84(s,2H)、7.77(s,1H)、7.66(s,1H)、7.48(s,2H)、7.47(s,4H)、13C NMR(400MHz,CDCl3)δ142.6、183.3、130.4、128.4、127.1、127.0、125.6、121.4、52.4。
ステップC:(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)シアナミド
ステップBからの化合物(10gm)、酢酸ナトリウム5.6gm、エタノール100mLの混合物に、15分に亘りジクロロメタン中の臭化シアン3M15.5mLを加えた。反応混合物を周囲温度で反応完了まで撹拌した。反応が完了したと判断された場合、それをトルエン200mLおよび水酸化ナトリウム200mLで希釈した。層を分離し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、油に濃縮した。
7.8gm(74%収率)。生成物を次のステップでさらなる精製をせずに使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3)7.84(s,2H)、7.56(s,3H)、7.66(m,4H)、7.48(s,2H)、4.39(s,2H)、4.36(s,2H)。
ステップD:N−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル)−N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−1H−テトラゾール−5−アミン
ステップCからの化合物5gm、50mLの2−メチルTHF5mL、トリエタノールアミン、およびトリメチルシリルアジド2.5mLの溶液を、反応完了まで50℃で加熱した。反応が完了したと判断されたときに、反応混合物を冷却し、1Nの水酸化ナトリウム50mLを加えた。層を分離し、有機層を10%クエン酸50mLで洗浄した。有機層を濃縮し、ヘキサンで粉砕し、所望の化合物4.6を得た。85%収率。1H NMR(400MHz,CDCl3)7.84(s,2H)、7.74(m,3H)、4.90(s,4H)C,H,N,計算値、(実測値)42.92(42.98)、2.20(1.97)、13.90(13.54)。
ステップE:N−(2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)ベンジル)−N−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンジル)−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
ステップDからの化合物2.5gm、炭酸ナトリウム2.0gm、2−メチルTHF50mLおよびDMF2.5mLの懸濁液に、硫酸ジメチル1.0gmを加えた。反応が完了したと判断されるまで反応混合物を40℃で加熱した。反応が完了したと判断されたときに、反応混合物を室温に冷却し、5%水酸化アンモニウム12.4mLを加えた。混合物を30分間周囲温度で撹拌した。有機層を除去し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、油に濃縮し、所望のメチル化テトラゾール2.2gmを回収した。88%収率。1H NMR(400MHz,CDCl3)7.70(s,1H)、7.64(s,2H)、7.25(s,1H)、7.24(2,2H)、4.21、(s,2H)、4.20(s,2H)。C,H,N 計算値(実測値)44.07(44.10)2.53(2.13)、13.53(13.41)。
調製13:5−アミノ−2−メチル2H−テトラゾール
ステップA:ジベンジルシアナミド
オーバーヘッド撹拌器を備えた乾燥した2L丸底フラスコに、酢酸ナトリウム(120gm)、1ジベンジルアミン(100gm)およびエタノール600mLを充填した。この懸濁液に、室温で塩化メチレン中の臭化シアンの3M溶液を30分に亘り加えた(340mL)。反応完了がHPLCによって観察されるまで懸濁液を周囲温度で撹拌した。反応混合物をトルエン1Lで希釈し、1Nの水酸化ナトリウムを15分に亘り加えた。反応混合物を1時間撹拌し、層を分離した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、油に濃縮し、これは静置するとすぐに固体化した。1:1のIPE/ヘプタンの混合物2Lからの再結晶によって、101g(89%)の生成物を得た。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)7.42〜7.15(m,10H)、1.31(s,4H)。
13C NMR(400MHz,CD
3OD)δ135.1、128.8、128.7、128.5、118.0、54.6。C,H,N 計算値(実測値)81.05(80.71)、6.35(6.52)、12.60(12.65)。
ステップB:N、N−ジベンジル−1H−テトラゾール−5−アミン
ステップAからの生成物(50g)をトルエン500mLに溶解し、トリエチルアミン150mLおよびトリメチルシリルアジド(60mL)を一滴ずつ15分間に亘って加えた。反応混合物を50℃に加熱し、HPLCによって示されるように反応が完了するまでこの温度に維持した。室温に冷却した後に、1Mの水酸化ナトリウム500mLおよび塩化メチレン500mLを加えた。二相性溶液を1時間撹拌し、層を分離した。下層の有機層を濃縮し、酢酸エチルで再溶解した。次いで、酢酸エチル層を10%クエン酸200mLで処理し、30〜60分間撹拌した。層を分離し、生成物層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、油に濃縮した。油をIPEから結晶化し、46gm(77%)の生成物を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)7.38〜7.24(m,10H)、4.60(s,4H)。13C NMR(400MHz,CDCl3)δ159.2、136.3、129.1、128.4、55.0。C,H,N 計算値(実測値)67.90(67.73)、5.70(5.53)、26.40(26.01)。
ステップC:N,N−ジベンジル−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
ステップBからの生成物(25g)を、2−メチルTHF250mLおよびDMF25mLに溶解した。これに、炭酸ナトリウム(40gm)および硫酸ジメチル(18mL)を15分間に亘り加えた。反応混合物を45℃に加熱し、HPLCによって示されるように反応が完了するまでこの温度を維持した。室温に冷却した後に、5%塩化アンモニウム250mLを加え、二相性溶液を少なくとも30分撹拌した。次いで、層を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、油(26gm)に濃縮した。油のHPLC分析によって、2−メチルと1−メチルとの位置異性体の9:1の混合物が示された。2種の異性体をフラッシュクロマトグラフィーによって分離し、9:1ヘキサン/EtOAcで溶出し、21.2gm(77%)の所望の2−メチル誘導体N,N−ジベンジル−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンを得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)7.34〜7.22(m,10H)、4.61(s,4H)。13C NMR(400MHz,CDCl3)δ159.2、136.3、129.1、128.4、55.0 1−メチル誘導体N,N−ジベンジル−1−メチル−1H−テトラゾール−5−アミンの1H NMR(400MHz,CDCl3)7.34〜7.22(m,10H)、4.63(s,4H)、4.15(s,3H)13C NMR(400MHz,CDCl3)δ170、137.6、128.7、128.2、127.6、51.3、39.6および1.6g(10%)。ジエチルエーテルからの遅い蒸発による再結晶によって、良好なX線品質の結晶を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)7.34〜7.22(m,10H)、4.47(s,4H)、3.74(s 3H)13C NMR(400MHz,CDCl3)δ159.2、136.3、129.1、128.4、55.0。
ステップD:2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン
清潔なステンレス鋼リアクターに、水酸化パラジウム(1g)、ステップCからのN,N−ジベンジル−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミン10gm(10g)およびエタノール(100mL)を加えた。反応物を水素で充填し、50℃に加熱し、50psi水素の圧力で16時間維持した。水素の取込みが止まったときに、反応物を窒素でパージし、触媒を濾過によって除去した。パッドをエタノール25mLで洗浄し、濾液と混合し、オフホワイトの固体となるまで濃縮し、2.7gm(73%)の生成物を得た。イソプロパノールからの再結晶によって分析試料を調製した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)5.94(s 2H)、4.03(s 3H)13C NMR(400MHz,DMSO−d6 δ167.8、40.52、C,H,N 計算値(実測値)68.79(68.54)、6.13(6.41)、25.07(24.83)。
代わりに、位置異性体の混合物を用いて、清潔なステンレス鋼リアクターに、水酸化パラジウム(1.4g)、ステップCからのN,N−ジベンジル−2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンとN,N−ジベンジル−1−メチル−1H−テトラゾール−5−アミンとの9:1の混合物14g、およびエタノール(140mL)を加えた。反応物を水素で充填し、50℃に加熱し、50psi水素の圧力で16時間維持した。水素の取込みが止まったときに、反応物を窒素でパージし、触媒を濾過によって除去した。パッドをエタノール50mLで洗浄し、濾液と混合し、濃縮して、オフホワイトの固体5.1gm(1−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンと2−メチル−2H−テトラゾール−5−アミンとの定量混合物)を得た。未精製の反応混合物を、塩化メチレンに溶解し、望ましくない異性体を濾過して除去した。塩化メチレン層をイソプロパノールと置き換えて、3.8gmの所望の生成物を得た。
本出願を通して、様々な刊行物が引用されている。これらの刊行物の開示は、全体として全ての目的のために参照により本出願に組み込まれている。
本発明の範囲または趣旨を逸脱することなく本発明において様々な改変および変形を行い得ることは当業者であれば明らかであろう。本明細書に開示されている本発明の明細および実施を考慮すれば、本発明の他の実施形態は、当業者であれば明らかであろう。明細および実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は添付の特許請求の範囲により示されることを意図している。