JP4959607B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に係り、特にインクと反応して色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理剤が溶解された液体を媒体に塗布するインクジェット記録装置に関する。
インク滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置では、複数色のインクを用いてカラー画像を形成すると、カラーブリードが発生するという問題がある。このようなカラーブリードは、画像の品位を低下させることから、種々の防止策が提案されている。その一つとして、あらかじめ媒体の上にインクと反応して、その色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理液を塗布し、この処理液が塗布された媒体にインクを吐出して画像を形成する方法が知られている。この方法によれば、インク滴は着弾直後に色材が凝集するため、隣接して他のインク滴が着弾しても、色材同士が混合することがなく、カラーブリードの発生を効果的に抑制することができる。
処理液の塗布は、塗布ローラ又はインクジェットヘッドを用いて行われ、周面に処理液が付与された塗布ローラを媒体に当接させて、媒体に処理液を塗布する(たとえば、特許文献1〜3)。あるいは、走行する媒体に向けてインクジェットヘッドから処理液を吐出して、媒体に処理液を塗布する(たとえば、特許文献4)。
特開2007−83180号公報 特開2007−117806号公報 特開2000−37942号公報 特開2004−291627号公報
ところで、このような処理液を用いて画像を形成する場合、その凝集又は不溶化の作用を十分に発揮させるためには、処理液に含まれる凝集促進成分又は不溶化促進成分が、媒体の上に十分に残るようにして、処理液を塗布する必要がある。そして、塗布された媒体の上に凝集促進成分又は不溶化促進成分が十分に残るようにするためには、多量の処理液を塗布する必要がある。特に、普通紙等の高い浸透性を有する媒体に塗布する場合には、より多くの処理液を塗布する必要がある。
しかしながら、多量の処理液を媒体に塗布すると、媒体がカールしたり、変形したりして、かえって画像の品位を低下させる要因となるという欠点がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、塗布された媒体の上に有効成分を十分に残すことができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、インクと反応して色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理剤が溶解された液体を塗布装置によって媒体に塗布し、前記液体が塗布された前記媒体にインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置において、前記塗布装置は、走行する前記媒体に当接されて、その外周面に付与された液体を前記媒体に塗布する塗布ローラと、前記塗布ローラの外周面に前記液体を付与する供給手段であって、前記塗布ローラの外周面に押圧当接されて、前記塗布ローラの外周面との間に密閉された空間を形成する液体保持ブロックと、前記空間に前記液体を供給する手段と、前記空間における前記塗布ローラの回転方向の上流側と下流側の各辺に設けられ、回転して前記塗布ローラの表面に残存する前記液体を前記空間内に回収するセル付きローラと、前記セル付きローラを駆動するモータと、を備える供給手段と、前記供給手段から前記塗布ローラの外周面に付与された前記液体が前記媒体に塗布されるまでの間に前記液体を濃縮させる濃縮手段と、を備え、前記塗布ローラの周速が、前記媒体の移動速度よりも遅く設定されることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、インクと反応して色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理剤が溶解された液体を塗布装置によって媒体に塗布し、前記液体が塗布された前記媒体にインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置において、前記塗布装置は、走行する前記媒体に当接されて、その外周面に付与された液体を前記媒体に塗布する塗布ローラと、前記塗布ローラの外周面に前記液体を付与する供給手段であって、前記塗布ローラの外周面に押圧当接されて、前記塗布ローラの外周面との間に密閉された空間を形成する液体保持ブロックと、前記空間に前記液体を供給する手段と、前記空間における前記塗布ローラの回転方向の上流側と下流側の各辺に設けられ、回転して前記塗布ローラの表面に残存する前記液体を前記空間内に回収する螺旋溝付きローラと、前記螺旋溝付きローラを駆動するモータと、を備える供給手段と、前記供給手段から前記塗布ローラの外周面に付与された前記液体が前記媒体に塗布されるまでの間に前記液体を濃縮させる濃縮手段と、を備え、前記塗布ローラの周速が、前記媒体の移動速度よりも遅く設定されることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
請求項に係る発明は、前記目的を達成するために、前記空間に供給される前記液体は、前記処理剤が、その溶解度の限界値よりも低い値で溶解された液体であることを特徴とする請求項又はに記載のインクジェット記録装置を提供する。
請求項に係る発明は、前記目的を達成するために、前記濃縮手段が加熱手段で構成され、前記供給手段から前記塗布ローラに供給された液体を加熱して濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、濃縮手段が加熱手段で構成され、供給手段から塗布ローラに供給された液体を加熱することにより、蒸発を促進させて濃縮させる。
請求項に係る発明は、前記目的を達成するために、前記濃縮手段が送風手段で構成され、前記供給手段から前記塗布ローラに供給された液体に風を当てて濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、濃縮手段が送風手段で構成され、供給手段から塗布ローラに供給された液体に風を当てることにより、溶媒成分の蒸発を促進させて濃縮させる。
請求項に係る発明は、前記目的を達成するために、前記濃縮手段が除湿手段で構成され、前記供給手段から前記塗布ローラに供給された液体の周囲環境を除湿して濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、濃縮手段が除湿手段で構成され、供給手段から塗布ローラに供給された液体の周囲環境を除湿することにより、溶媒成分の蒸発を促進させて濃縮させる。
請求項に係る発明は、前記目的を達成するために、前記濃縮手段は、前記処理剤の溶解度以上に前記液体を濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、液体は濃縮手段によって処理剤の溶解度以上に濃縮される。
請求項に係る発明は、前記目的を達成するために、前記濃縮手段は、溶媒成分が除去されるまで前記液体を濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、液体は濃縮手段によって、溶媒成分が除去されるまで濃縮される。すなわち、本発明によれば、有効成分が固化された状態で媒体に塗布される。
請求項に係る発明は、前記目的を達成するために、前記処理剤は、インクと反応して色材を凝集又は不溶化させる機能を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、インクと反応して、インクの色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理剤が液体に溶解される。
請求項10に係る発明は、前記目的を達成するために、前記液体は、高沸点溶媒を含有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置を提供する。
本発明によれば、液体に高沸点溶媒が含有される。これにより、供給手段において、安定した状態で液体を保管することができる。
本発明によれば、塗布された媒体の上に有効成分を十分に残すことができる。
以下、添付図面に従って本発明に係るインクジェット記録装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明が適用されたインクジェット記録装置の一実施形態の概略構成を示す断面図である。
同図に示すように、本実施の形態のインクジェット記録装置10は、所定サイズに裁断された用紙(カット紙)にインク滴を吐出して画像を形成するインクジェット記録装置であり、用紙12を給紙する給紙部20と、給紙部20から給紙された用紙12にインクの色材を凝集させる機能を有する液体(処理液)を塗布する処理液塗布部(塗布装置)30と、処理液が塗布された用紙12にインク滴を吐出して画像を形成する画像形成部70と、画像が形成された用紙12を排紙する排紙部80とを備えて構成されている。
給紙部20は、用紙12がセットされる給紙カセット22と、給紙カセット22にセットされた用紙12を給送する給送ローラ24とを備えて構成されている。
給紙カセット22は、インクジェット記録装置10の本体10Aに着脱自在に設けられている。用紙12は、この給紙カセット22内に積層された状態でセットされる。
給送ローラ24は、所定位置にセットされた給紙カセット22の上方に配置されている。この給送ローラ24は、半月状に形成されており、図示しないモータに駆動されて回転する。
給紙カセット22にセットされた用紙12は、この給送ローラ24が回転することにより、上から順に一枚ずつ所定の搬送経路に向けて給紙される。
給紙部20から給紙された用紙12は、円弧状に形成された搬送路26を走行し、その途中に設けられた処理液塗布部30で処理液が塗布される。
処理液塗布部30は、インクと反応して色材を凝集させる機能を有する処理剤(凝集促進剤)が溶解された液体(処理液)を用紙12の表面(画像形成面)に塗布する。この処理液塗布部30は、図2に示すように、用紙12を支持するバックアップローラ32と、用紙12に処理液を塗布する塗布ローラ34と、塗布ローラ34に処理液を供給する処理液供給ユニット36とを備えて構成されている。
バックアップローラ32と塗布ローラ34は、用紙12の搬送路26を挟んで互いに対向して配置されている。用紙12は、このバックアップローラ32と塗布ローラ34との間を挟持されながら搬送され、その搬送過程で塗布ローラ34の表面(外周面)に供給された処理液が転写されて、画像形成面に処理液が塗布される。
バックアップローラ32は、用紙12の用紙幅以上の幅(軸方向の長さ)をもって形成されており、その両端部を図示しないフレームに軸受を介して回動自在に支持されている。このバックアップローラ32を支持するフレームは、塗布ローラ34に対して所定のストロークで進退移動自在に設けられており、図示しない付勢手段(たとえば、バネなど)によって塗布ローラ34に向けて付勢されている。
また、バックアップローラ32は、その表面(外周面)に撥液処理が施されており(たとえば、テフロン(登録商標)によるコーティングなど)、処理液が付着しにくい構成とされている。
塗布ローラ34は、バックアップローラ32の幅とほぼ同じ幅(軸方向の長さ)で形成されており、その両端部を図示しないフレームに軸受を介して回動自在に支持されている。
この塗布ローラ34を支持するフレームは、バックアップローラ32に対して進退移動自在に設けられており、図示しないアクチュエータ(たとえば、シリンダなど)に駆動されて所定の当接位置と待機位置との間を移動する。塗布ローラ34は、このフレームが当接位置に移動すると、バックアップローラ32の表面に押圧当接され、待機位置に移動すると、バックアップローラ32から離間する。
また、この塗布ローラ34を支持するフレームには、図示しないモータが搭載されており、塗布ローラ34は、このモータに駆動されて回転する。用紙12は、この塗布ローラ34が回転することにより、搬送路26に沿って搬送される。
また、この塗布ローラ34には、ヒータ(たとえば、ハロゲンヒータなど)35が内蔵されており、このヒータ35によって、表面(外周面)が所定温度にコントロールされている。
処理液供給ユニット36は、塗布ローラ34の表面(外周面)に所定の厚みをもって処理液を供給する。この処理液供給ユニット36は、塗布ローラ34との間で処理液を保持する処理液保持ブロック38と、処理液を貯留する処理液タンク40と、処理液タンク40から処理液保持ブロック38に処理液を送液する処理液供給ポンプ42とを備えて構成されている。
図3に示すように、処理液保持ブロック38は、塗布ローラ34の幅(軸方向の長さ)とほぼ同じ幅(長手方向の長さ)を有する矩形の板状に形成されており、塗布ローラ34の軸と平行に設けられている。この処理液保持ブロック38の裏面(塗布ローラ34に対向する面)には、断面が円弧状に形成された凹部44が形成されている。そして、その凹部44の縁を囲うようにして、環状の当接部材46が取り付けられている。
当接部材46は、処理液保持ブロック38の裏面から所定量突出して形成されており、塗布ローラ34の外周面に密着可能に形成されている。処理液保持ブロック38は、この当接部材46を介して塗布ローラ34の外周面に押圧当接される。
処理液保持ブロック38は、この当接部材46を介して塗布ローラ34の外周面に押圧当接されることにより、塗布ローラ34の外周面との間に密閉された空間48を形成する。すなわち、当接部材46が塗布ローラ34の外周面に押圧当接されることにより、処理液保持ブロック38の裏面に形成された凹部44が塗布ローラ34によって密閉され、密閉された空間48が形成される。
この空間48には処理液が供給され、この空間48に供給された処理液が塗布ローラ34に供給される。すなわち、この空間48に処理液を供給すると、処理液は塗布ローラ34の外周面に接触した状態で保持される。したがって、この状態で塗布ローラ34を回転させると、塗布ローラ34は、その外周面が連続的に処理液に接触する。これにより、塗布ローラ34の外周面に所定の厚みをもって連続的に処理液が供給される。
処理液保持ブロック38の表面には、この空間48を形成する凹部44に連通された処理液供給口50と処理液回収口52とが形成されている。
処理液供給口50には、処理液供給配管54が接続されており、処理液供給配管54は、処理液供給ポンプ42を介して処理液タンク40に接続されている。処理液タンク40に貯留された処理液は、処理液供給ポンプ42に送液されて、空間48に供給される。
一方、処理液回収口52には、処理液回収配管56が接続されており、処理液回収配管56は、バルブ58を介して処理液タンク40に接続されている。空間48に供給された処理液は、このバルブ58を閉じることにより、空間48内に保持され、開けることにより、処理液タンク40に回収される。
なお、処理液保持ブロック38は、塗布ローラ34を支持するフレームに取り付けられており、塗布ローラ34に対して進退移動自在に支持されている。そして、そのフレームとの間に介在させたバネ60に付勢されて、塗布ローラ34の外周面に所定の押圧力で押し付けられている。
処理液塗布部30は、以上のように構成される。用紙12は、バックアップローラ32と塗布ローラ34との間を挟持されながら搬送され、その搬送過程で塗布ローラ34の表面に供給された処理液が転写されて、画像形成面に処理液が塗布される。
ここで、上記のように、本実施の形態の塗布ローラ34は、ヒータ35が内蔵されており、このヒータ35に加熱されて、その表面温度が所定温度にコントロールされている。このため、処理液供給ユニット36から塗布ローラ34に処理液が供給されると、供給された処理液は、非加熱のローラと比べて乾燥(溶媒の蒸発)が促進される。この結果、処理液は、用紙12に塗布されるまでに濃縮され、粘度が高くなる。
そして、このように濃縮されて粘度を高くした状態で用紙12に塗布することにより、用紙12への浸透を遅くすることができ、用紙12の表面により多くの有効成分を残すことができる。
なお、塗布ローラ34は、用紙12の通過タイミングに合わせて駆動される。すなわち、通常、塗布ローラ34は、待機位置に位置しており、用紙12が塗布位置(当接位置に移動させた塗布ローラ34が、バックアップローラ32と当接する位置:この位置で処理液が塗布される。)に搬送されてくると、当接位置に移動され、その表面に処理液を塗布する。より具体的には、用紙12に設定された塗布領域(処理液を塗布する領域)の先端が、塗布位置に搬送されてくると、これに合わせて塗布位置に移動され、塗布領域の後端が塗布位置に搬送されてくると、待機位置に移動される。これにより、規定の領域に処理液を塗布することができる。また、これにより、処理液がバックアップローラ32に付着するのを防止することができる。
なお、塗布領域は、処理液による反応を確実にするため、画像形成領域(インク滴を着弾させて画像を形成する領域)よりも広く設定される。この塗布領域の幅は、塗布ローラ34に供給する処理液の供給幅によって規定され、塗布ローラ34に供給する処理液の供給幅は、処理液供給ユニット36によって形成される空間48の幅(=凹部44の幅)によって規定される。
処理液が塗布された用紙12は、画像形成部70に搬送され、その表面にインク滴が吐出されて画像が形成される。
図1に示すように、画像形成部70は、プラテン72と、第1搬送ローラ対74と、第2搬送ローラ対76と、インク吐出ユニット78とを備えて構成されている。
プラテン72は、水平に設置されている。円弧状の搬送路26を搬送された用紙12は、このプラテン72の上に載置される。
第1搬送ローラ対74と第2搬送ローラ対76は、このプラテン72の上に載置された用紙12を搬送する。
第1搬送ローラ対74は、プラテン72の搬送方向上流部に設置されている。この第1搬送ローラ対74は、駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bとで構成されている。駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bは、プラテン72を挟んで上下に対向して配置されており、それぞれその両端部を装置本体10Aに設けられた図示しない軸受に回動自在に支持されている。駆動ローラ74Aには、図示しないモータが連結されており、このモータに駆動されて回転する。円弧状の搬送路26を搬送された用紙12は、プラテン72の上に載置され、この第1搬送ローラ対74の駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bとの間に供給される。そして、この第1搬送ローラ対74の駆動ローラ74Aと従動ローラ74Bに挟持されて、プラテン72の上を搬送される。
第2搬送ローラ対76は、プラテン72の搬送方向下流部に設置されている。この第2搬送ローラ対76は、駆動ローラ76Aと従動ローラ76Bとで構成されている。駆動ローラ76Aと従動ローラ76Bは、プラテン72を挟んで上下に対向して配置されており、それぞれその両端部を装置本体10Aに設けられた図示しない軸受に回動自在に支持されている。駆動ローラ76Aには、図示しないモータが連結されており、このモータに駆動されて回転する。プラテン72の上を搬送された用紙12は、この第2搬送ローラ対76の駆動ローラ76Aと従動ローラ76Bとの間に供給される。そして、この第2搬送ローラ対76の駆動ローラ76Aと従動ローラ76Bに挟持されて、後段の排紙部80に向けて搬送される。
インク吐出ユニット78は、プラテン72の上を搬送される用紙12の上にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の4色のインク滴を吐出して、用紙12の表面にカラー画像を形成する。
このインク吐出ユニット78は、色ごとに個別にインクジェットヘッド(図示せず)を備えており、各色のインク滴は、対応するインクジェットヘッドから個別に吐出される。すなわち、シアンのインク滴はシアン用のインクジェットヘッド、マゼンタのインク滴はマゼンタ用のインクジェットヘッド、イエロのインク滴はイエロ用のインクジェットヘッド、クロのインク滴はクロ用のインクジェットヘッドから個別に吐出される。
ここで、各色のインクジェットヘッドは、それぞれフルライン型のインクジェットヘッドで構成されており、そのインク吐出面(インクを吐出する面)に形成されたノズル列(インク滴を吐出するノズル(インク吐出口)の列)からインク滴を吐出して、用紙12の表面に画像を形成する。このノズル列は、用紙12に対応した幅で形成されている。すなわち、用紙12に設定された画像形成領域の全幅をカバーできる長さで形成されている。
また、各インクジェットヘッドは、それぞれそのノズル列が、用紙12の搬送方向(副走査方向)と直交するように配置され、そのインク吐出面が、プラテン72との間に所定のクリアランスを持つように配置されている。
さらに、各インクジェットヘッドは、用紙12の搬送方向の上流側から順に所定の間隔をもって所定の色順で配置される。たとえば、用紙12の搬送方向の上流側からシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の順で各色のインクジェットヘッドに配置されている。
プラテン72の上を搬送される用紙12は、このインク吐出ユニット78の下を通過する際、各インクジェットヘッドからインク滴が吐出されて、その表面に画像が形成される。
ここで、用紙12は、その表面にあらかじめ処理液が塗布されているため、用紙12の表面にインク滴が着弾すると、その着弾したインク滴は、処理液の作用で色材が凝集する。これにより、ブリード等の発生を効果的に防止することができる。すなわち、凝集処理剤層の上にインク滴が着弾すると、そのインク滴は、飛翔エネルギーと表面エネルギーとのバランスにより、凝集処理剤層の上に所定の接触面積で着弾する。凝集反応は、インク滴が凝集処理剤上に着弾した直後に開始されるが、その反応はインク滴と凝集処理剤層との接触面から開始する。凝集反応は接触面近傍のみで起こり、インク着弾時の接触面積のまま付着力を得た状態でインク内の色材が凝集されるため、色材移動が抑止される。したがって、このインク滴に隣接して他のインク滴が着弾しても、先に着弾したインクの色材は、すでに凝集化しているので、後から着弾するインクとの間で色材同士が混合せず、ブリードが抑止される。
なお、本例では、フルライン型のインクジェットヘッドを採用しているが、いわゆるシリアル型(シャトル型)のインクジェットヘッド(インクジェットヘッドを主走査方向に往復動作させる方式のインクジェットヘッド)で構成することもできる。
また、本例では、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)、クロ(K)の4色のインクで画像を形成しているが、使用するインク色や色数の組み合わせについては、これに限定されるものではない。必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インク等を追加して用いてもよい。たとえば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色のインクジェットヘッドの配置順序も特に限定はない。
なお、インク液としては、着色剤としての顔料、樹脂ポリマー、分散剤や界面活性剤等を含有したものが用いられる。
排紙部80は、排紙トレイ82を備えている。画像形成部70で表面にインク滴が吐出されて画像が形成された用紙12は、画像形成部70の第2搬送ローラ対76に搬送されて、排紙トレイ82に排出される。
図4は、本実施形態のインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
同図に示すように、インクジェット記録装置10は、通信インターフェース110、システムコントローラ112、画像メモリ114、給紙制御部6116、処理液塗布制御部118、画像形成制御部120等を備えている。
通信インターフェース110は、ホストコンピュータ100から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。ホストコンピュータ100から送出された画像データは、この通信インターフェース110を介してインクジェット記録装置10に取り込まれる。
画像メモリ114は、通信インターフェース110を介して入力された画像を一時的に記憶する記憶手段であり、システムコントローラ112を通じてデータの読み書きが行われる。
システムコントローラ112は、インクジェット記録装置10の各部を制御する制御部であり、CPU、ROM、RAM等を備えて構成されている。このシステムコントローラ112は、所定の制御プログラムに従ってインクジェット記録装置10の各部を制御する。ROMには、このシステムコントローラ112が実行する制御プログラムが格納されている。
給紙制御部116は、システムコントローラ112からの指令に応じて給紙部20の駆動を制御する。すなわち、給送ローラ24に接続されたモータの駆動を制御し、給紙カセット22にセットされた用紙12の給紙を制御する。
処理液塗布制御部118は、システムコントローラ112からの指令に応じて処理液塗布部30の駆動を制御する。すなわち、塗布ローラ34に接続されたモータの駆動を制御して、塗布ローラ34への処理液の供給を制御するとともに、塗布ローラ34を支持するフレームの移動を制御して、用紙12への処理液の塗布を制御する。また、処理液供給ポンプ42とバルブ58の駆動を制御して、空間48への処理液の供給、回収を制御する。
画像形成制御部120は、システムコントローラ112からの指示に従って画像形成部70の駆動を制御する。すなわち、第1搬送ローラ対74と第2搬送ローラ対76に接続されたモータの駆動を制御して、用紙12の搬送を制御するとともに、インク吐出ユニット74に備えられた各インクジェットヘッドの駆動を制御して、用紙12に所定の画像を形成する。
以上のように構成された本実施の形態のインクジェット記録装置10の作用は次のとおりである。
用紙12がセットされた給紙カセット22を装置本体10Aにセットし、給送ローラ24を回転させると、給紙カセット22の最上段に位置する用紙12が、搬送路26に向けて給送される。
給紙カセット22から給送された用紙12は、搬送路26に沿って走行する。そして、この搬送路26を走行する用紙の先端(塗布領域の先端)が、塗布位置に到達すると、塗布ローラ34を支持するフレームが駆動され、走行する用紙12の表面に塗布ローラ34が当接される。この塗布ローラ34は、あらかじめ回転駆動されており、その表面には処理液が供給されている。用紙12は、この処理液が供給された塗布ローラ34が当接されることにより、塗布ローラ34から処理液が転写されて、その表面に処理液が塗布される。
処理液が塗布された用紙12は、搬送路26からプラテン72の上に送り出される。用紙12がプラテン72の上に送り出されると、第1搬送ローラ対74と第2搬送ローラ対76とが回転駆動される。プラテン72の上に送り出された用紙12は、この第1搬送ローラ対74と第2搬送ローラ対76とによってプラテン72の上を搬送される。そして、その搬送過程でインク吐出ユニット74からインク滴が吐出され、表面に画像が形成される。
表面に画像が形成された用紙12は、第2搬送ローラ対76によって搬送され、排紙トレイ82の上に排出される。
このように、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、処理液塗布部30であらかじめ用紙12の上にインクの色材を凝集させる機能を有する処理液を塗布し、この処理液が塗布された用紙12の上にインク滴を吐出して画像を形成する。
そして、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、用紙12に処理液を塗布する際、回転する塗布ローラ34の表面に処理液を供給し、この塗布ローラ34を用紙12の表面に当接させることにより、用紙12の表面に処理液を塗布する。
ここで、この塗布ローラ34は、内蔵されたヒータ35によって加熱されているため、その表面に処理液を供給すると、供給された処理液は、乾燥(溶媒成分の蒸発)が促進され、用紙12に塗布されるまでの間に有効成分(凝集促進剤の成分)が濃縮される。
そして、このように有効成分が濃縮された状態(粘度が高くなった状態)で用紙12に塗布することにより、用紙12への浸透を抑制することができ、用紙12の表面に有効成分を多く残すことができる。
そして、このように用紙12の表面に有効成分をより多く残せることにより、インクの凝集作用を確実に発揮させることができ、カラーブリードの発生を効果的に抑止することができる。
このように、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、処理液を濃縮させて塗布することにより、良好な画像を形成することができる。
また、本実施の形態のインクジェット記録装置10では、塗布ローラ34に供給されてから用紙12に塗布されるまでの間に処理液を濃縮させているので、処理液を安定した状態で保存することができる。
また、濃縮させた状態で処理液を用紙12に塗布しているため、溶媒成分で用紙12がカール等するのも防止することができる。
なお、処理液を安定した状態で保存するためは、処理液に高沸点溶媒を含有させることが好ましい。また、凝集促進剤は、その溶解度の限界値よりも低い値で溶解させることが好ましい。
また、本実施の形態では、塗布ローラ34を加熱することにより、処理液を濃縮させる構成としているが、処理液を濃縮させる手段は、これに限定されるものではない。
たとえば、図5に示すように、塗布ローラ34に対向してファン90を設置し、塗布ローラ34に供給された処理液に向けて送風することにより、乾燥を促進させて、処理液を濃縮させる構成としてもよい。
また、図6に示すように、塗布ローラ34に近接して除湿装置92を設置し、塗布ローラ34に供給された処理液に向けて除湿された空気を送風することにより、乾燥を促進させて、処理液を濃縮させる構成としてもよい。
また、本実施の形態では、処理液供給ユニット36から塗布ローラ34に直接処理液を供給する構成とされているが、中間にローラを介して塗布ローラ34に処理液を供給する構成としてもよい。たとえば、図7に示すように、塗布ローラ34と同じ幅を有する中間ローラ94を塗布ローラ34の外周面に当接して設け、その中間ローラ94の外周面に処理液供給ユニット36から処理液を供給する構成とする。この場合、処理液は、まず、処理液供給ユニット36から中間ローラ94に供給され、当接部で中間ローラ94から塗布ローラ34に転写されて供給される。このように、中間にローラ94を介して塗布ローラ34に処理液を供給する構成とすることにより、処理液が処理液供給ユニット36から供給されてから用紙12に塗布されるまでの時間を長くとることができ、塗布されるまでに十分な乾燥時間を確保することができる。
なお、中間に介在させるローラの本数は、特に限定されるものではなく、設置スペース等を考慮して適宜増減させることができる。
また、この他、塗布ローラ34の径を変えることによっても、乾燥時間を調整することができる。
また、塗布ローラ34の周速を調整することによっても、乾燥時間を調整することができる。すなわち、塗布ローラ34の周速を遅くすることにより、処理液が供給されてから塗布されるまでの時間を長くすることができ、十分な乾燥時間を確保することができる。この場合、用紙12の搬送速度より塗布ローラ34の周速を遅くすることが好ましい。
このように、処理液を濃縮させる手段は、特に限定されるものではなく、設置スペースや処理液の組成等を考慮して、適宜最適な手段を用いることが好ましい。
また、処理液を濃縮させる手段は、複数組み合わせても使用してもよい。たとえば、塗布ローラ34をヒータで加熱するとともに、塗布ローラ34に供給された処理液にファンから送風された風を当てる構成としてもよいし、また、塗布ローラ34をヒータで加熱するとともに、塗布ローラ34に供給された処理液に除湿装置で除湿した風を当てる構成としてもよい。また、中間にローラを介して塗布ローラ34に処理液を供給するとともに、塗布ローラ34を加熱する構成としてもよい。このように、加熱、送風、除湿等の手段を適宜組み合わせることにより、さらに効率よく処理液を濃縮させることができる。
なお、濃縮の程度は、特に限定されるものではないが、凝集促進剤の溶解度を上回る状態(部分的析出状態)まで濃縮させることが好ましい。すなわち、処理液は、濃縮が進むほど、用紙12に塗布した際、有効成分を用紙12の表面に残すことができるので、可能な限り濃縮させることが好ましい。したがって、最終的には、溶媒成分が除去され、固化した状態で塗布されることが最も好ましいが、これに近い状態で塗布しても十分に効果を得ることができる。
また、本実施の形態では、待機中に塗布ローラ34を回転させ、塗布ローラ34の表面に連続的に処理液を供給するようにしているが、このように塗布ローラ34を用紙12に当接させずに空回しすると、塗布ローラ34の表面に凝集剤が析出し、塗布量が安定しなくなるおそれがあるので、空間48に戻る処理液を再溶解させることができるようにすることが好ましい。このような構成としては、たとえば、空間48に供給する処理液の凝集剤の溶解度を下げることが考えられる。これにより、塗布ローラ34に供給された処理液が、一周して空間48に戻った際、空間48に保持された処理液中に再溶解され、安定した処理液の供給が可能になる。
また、図8に示すように、処理液保持ブロック38にセル(窪み)付きのローラ96A、96Bを設け、このローラで塗布ローラ34の表面に残存する処理液を強制的に空間48内に回収し、再溶解させるようにしてもよい。このローラ96A、96Bは、空間48を構成する凹部44の供給側の辺と回収側の辺に設けられ、それぞれ図示しないモータに駆動されて回転する。塗布ローラ34の表面に残存する処理液は、ローラ96Aを通過する際、塗布ローラ34の表面に押圧当接されながら回転するローラ96Aによって強制的に空間48内に回収され、空間48に保持された処理液に再溶解される。これにより、より安定した状態で処理液を塗布ローラ34に供給することができる。
なお、このようなセル(窪み)付きのローラに代えて螺旋溝付きのローラを用いても同様の効果を得ることができる。
また、塗布位置の下流部にブレードを設け、ブレードで塗布ローラの表面をクリーニングするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、処理液供給ユニット36によって塗布ローラ34に処理液を供給しているが、塗布ローラ34に処理液を供給する手段は、これに限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、凝集促進機能を有する処理液を用紙に塗布する場合を例に説明したが、本発明の塗布装置を用いて塗布する液体は、これに限定されるものではない。
なお、凝集促進機能を有する処理液としては、たとえば、凝集促進剤としてマロン酸を10重量%、高沸点溶媒としてジエチレングリコールモノエチルエーテルを20重量%、界面活性剤としてオルフィンE109を1重量%含有し、残りをイオン交換水とした処理液を用いることができる。
以下、このような凝集促進機能を有する処理液(凝集処理液)、及び、インクについて説明する。
〔処理液(凝集処理剤)について〕
処理液は、インクのpHを変化させることにより、インクに含有される顔料およびポリマー微粒子を凝集させ、凝集物を生じさせるような処理液を用いることができる。
処理液の成分として、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩等の中から選ばれることが好ましい。
また、処理液の好ましい例として、多価金属塩あるいはポリアリルアミンを添加した処理液を挙げることができる。これらの化合物は、1種類で使用されてもよく、2種類以上併用されてもよい。
処理液は、インクとのpH凝集性能の観点からpHは1〜6であることが好ましく、pHは2〜5であることがより好ましく、pHは3〜5であることが特に好ましい。
処理液の中における、インクの顔料およびポリマー微粒子を凝集させる成分の添加量としては、液体の全重量に対し、0.01重量%以上20重量%以下であることが好ましい。0.01重量%以下の場合は処理液とインクが接触時に、濃度拡散が十分に進まずpH変化による凝集作用が十分に発生しないことがある。
処理液は、SP値が30以下の水溶性高沸点有機溶媒を10%以上90%以下含有する。SP値が30以下の水溶性高沸点有機溶媒としては、
たとえば、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
ジプロピレングリコール(27.2)
Figure 0004959607
Figure 0004959607
Figure 0004959607
Figure 0004959607
Figure 0004959607
nCO(AO)−H (AO=EO or POで比率は1:1) (20.1)EO=エチレンオキシ
nCO(AO)10−H (同上) (18.8)
HO(A‘O)40−H (A’O=EO or POで比率はEO:PO=1:3) (18.7)
HO(A‘O)55−H (A”O=EO or POで比率はEO:PO=5:6) (18.8)
HO(PO)H (24.7)
HO(PO)H (21.2)
1,2ヘキサンジオール (27.4)
なお、カッコ内の数値はSP値を示している。
また、SP値が低い溶剤のうち、下記の構造が含まれていることが好ましい。
Figure 0004959607
等が挙げられる。なお、ここでいう水溶性高沸点有機溶媒のSP値(溶解度パラメーター)とは、分子凝集エネルギーの平方根で表される値で、R.F.Fedors,Polymer Engineering Science,14,p147(1974)に記載の方法で計算することができる。単位は(MPa)1/2であり、25℃における値を指す。
これらの水溶性高沸点有機溶媒は、水、その他有機溶媒と共に単独若しくは複数を混合して用いることができる。
処理液には、定着性および耐擦性を向上させるため、樹脂成分をさらに含有してもよい。
樹脂成分としては、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、ビニル系、スチレン系等が考えられる。定着性向上といった機能を充分に発現させるには、比較的高分子のポリマーを高濃度1重量%〜20重量%に添加することが必要である。しかし、上記材料を液体に溶解させて添加しようとすると高粘度化し、吐出性が低下する。適切な材料を高濃度に添加し、かつ粘度上昇を抑えるには、ラテックスとして添加する手段が有効である。ラテックス材料としては、アクリル酸アルキル共重合体、カルボキシ変性SBR(スチレン−ブタジエンラテックス)、SIR(スチレン−イソプレン)ラテックス、MBR(メタクリル酸メチル−ブタジエンラテックス)、NBR(アクリロニトリル−ブタジエンラテックス)、等が考えられる。ラテックスのガラス転移点Tgはプロセス上、定着時に影響の強い値で、常温保存時の安定性と加熱後の転写性を両立するために、50℃以上120℃以下であることが好ましい。さらに最低造膜温度MFTはプロセス上、定着時に影響の強い値で、低温で充分な定着を得る為に100℃以下、さらに好ましくは50℃以下である。
インクと逆極性のポリマー微粒子を処理液に含ませ、インク中の顔料及びポリマー微粒子と凝集させることによってさらに凝集性を高めてもよい。
また、インクに含まれるポリマー微粒子成分に対応した硬化剤を処理液に含有し、二液が接触後、インク成分中の樹脂エマルジョンが凝集するとともに架橋又は重合するようにして、凝集性を高めてもよい。
処理液は、界面活性剤を含有することができる。
界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
さらに、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
処理液の表面張力は、10〜50mN/mであることが好ましく、また、中間転写媒体上でのぬれ性と液滴の微液滴化および吐出性の両立の観点から、15〜45mN/mであることが更に好ましい。
処理液の粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましい。
その他、必要に応じてpH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線、吸収剤等も添加することができる。
〔インクについて〕
インクは、溶媒不溶性材料として、色材(着色剤)である顔料やポリマー微粒子などを含有する水性顔料インクを用いることができる。
溶媒不溶性材料の濃度は、吐出に適切な粘度20mPa・s以下を考慮して1wt%以上20wt%以下であることが好ましい。より好ましくは画像の光学濃度を得るために4wt%以上の顔料濃度である。
インクの表面張力は、吐出安定性を考慮して20mN/m以上40mN/mであることが好ましい。
インクに使用される色材は、顔料あるいは染料と顔料とを混合して用いることができる。処理液との接触時における凝集性の観点から、インク中で分散状態にある顔料の方がより効果的に凝集するため好ましい。顔料の中でも、分散剤により分散されている顔料、自己分散顔料、樹脂により顔料表面を被覆された顔料(マイクロカプセル顔料)、及び高分子グラフト顔料が特に好ましい。また、顔料凝集性の観点から、解離度の小さいカルボキシル基によって修飾されている形態がより好ましい。
マイクロカプセル顔料の樹脂は、限定されるものではないが、水に対して自己分散能又は溶解能を有し、かつアニオン性基(酸性)を有する高分子の化合物であるのが好ましい。この樹脂は、通常、数平均分子量が1,000〜100,000範囲程度のものが好ましく、3、000〜50、000範囲程度のものが特に好ましい。また、この樹脂は有機溶剤に溶解して溶液となるものが好ましい。樹脂の数平均分子量がこの範囲であることにより、顔料における被覆膜として、又はインク組成物における塗膜としての機能を十分に発揮することができる。
前記樹脂は、自己分散能あるいは溶解するものであっても、又はその機能が何らかの手段によって付加されたものであってもよい。たとえば、有機アミンやアルカリ金属を用いて中和することにより、カルボキシル基、スルホン酸基、またはホスホン酸基等のアニオン性基を導入されてなる樹脂であってもよい。また、同種または異種の一又は二以上のアニオン性基が導入された樹脂であってもよい。本発明にあっては、塩基をもって中和されて、カルボキシル基が導入された樹脂が好ましくは用いられる。
顔料としては、特に限定はされないが、具体例としては、オレンジまたはイエロー用の顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185等が挙げられる。 レッドまたはマゼンタ用の顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、たとえば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
着色インク液には、処理液と反応する成分として、着色剤を含まないポリマー微粒子を添加することが好ましい。ポリマー微粒子は、処理液との反応によりインクの増粘作用、凝集作用を強め、画像品位の向上させることができる。特に、アニオン性のポリマー微粒子をインクに含有せしめることにより、安全性の高いインクが得られる。
処理液と反応して、増粘・凝集作用を起こすポリマー微粒子をインクに用いることにより、画像の品位を高めることができると同時に、ポリマー微粒子の種類によっては、ポリマー微粒子が記録媒体で皮膜を形成し、画像の耐擦性、耐水性をも向上させる効果を有する。
ポリマーインクでの分散方法はエマルジョンに限定するものではなく、溶解していても、コロイダルディスパージョン状態で存在していてもよい。
ポリマー微粒子は、乳化剤を用いてポリマー微粒子を分散させたものであっても、また、乳化剤を用いないで分散させたものであってもよい。乳化剤としては、通常、低分子量の界面活性剤が用いられているが、高分子量の界面活性剤を乳化剤として用いることもできる。外殻がアクリル酸、メタクリル酸などにより構成されたカプセル型のポリマー微粒子(粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェルタイプのポリマー微粒子)を用いることも好ましい。
分散手法として、低分子量の界面活性剤を用いていないポリマー微粒子は、高分子量の界面活性剤を用いたポリマー微粒子、乳化剤を使用しないポリマー微粒子を含めてソープフリーラテックスと呼ばれている。たとえば上記に記述した、スルホン酸基、カルボン酸基等の水に可溶な基を有するポリマー(可溶化基がグラフト結合しているポリマー、可溶化基を持つ単量体と不溶性の部分を持つ単量体とから得られるブロックポリマー)を乳化剤として用いたポリマー微粒子もこれに含まれる。特に、ソープフリーラテックスを用いることが好ましく、ソープフリーラテックスは従来の乳化剤を用いて重合したポリマー微粒子にくらべ、乳化剤がポリマー微粒子の反応凝集や造膜を阻害したり、遊離した乳化剤がポリマー微粒子の造膜後に表面に移動し、顔料とポリマー微粒子の混合した凝集体と記録媒体との接着性を低下させる懸念がない。
インクにポリマー微粒子として添加する樹脂成分としては、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
ポリマー微粒子への高速凝集性付与の観点から、解離度の小さいカルボン酸基を有するものがより好ましい。カルボン酸基はpH変化によって影響を受けやすいので、分散状態が変化しやすく、凝集性が高い。
ポリマー微粒子のpH変化に対する分散状態の変化は、アクリル酸エステルなどのカルボン酸基を有する、ポリマー微粒子中の構成成分の含有割合によって調整することができ、分散剤として用いるアニオン性の界面活性剤によっても調整可能である。
ポリマー微粒子の樹脂成分は、親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。疎水性部分を有することで、ポリマー微粒子の内側に疎水部分が配向し、外側に親水部分が効率よく外側に配向され、液体のpH変化に対する分散状態の変化がより大きくなる効果があり、凝集がより効率よく行われる。
酸ポリマーはカルボン酸系の酸ポリマーが好ましく用いられる。
カルボン酸のpKaは概ね3〜4であるため、pH5であれば酸ポリマーはほとんど解離した状態であるので、電化反発により、分散安定性を有し、凝集を起こさない。これ以下であると、非解離状態となり、電化反発が失われ、凝集を起こす。
市販のポリマー微粒子の例としては、ジョンクリル537、7640(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、ジョンソンポリマー株式会社製)、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、ジュリマーET−410、FC−30(アクリル系樹脂エマルジョン、日本純薬株式会社製)、アロンHD−5、A−104(アクリル系樹脂エマルジョン、東亞合成株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、ザイクセンL(アクリル系樹脂エマルジョン、住友精化株式会社製)などが挙げられるが、これに限定するものではない。
顔料に対するポリマー微粒子添加量の重量比率は2:1から1:10が好ましい、より好ましくは1:1から1:3である。顔料に対するポリマー微粒子添加量の重量比率は2:1より少ないと、樹脂の融着による凝集体の凝集力が効果的に向上しない。また、添加量が1:10より多くてもインクの粘度が高くなりすぎ、吐出性などが悪化する。
インクに添加するポリマー微粒子の分子量は融着したときの付着力を鑑みて、5,000以上が好ましい。5,000未満だと、凝集したときのインク凝集体の内部凝集力向上や記録媒体に画像の定着性に効果が不足し、また画質改善効果が不足する。
ポリマー微粒子の体積平均粒子径は、10nm〜1μmの範囲が好ましく、10〜500nmの範囲がより好ましく、20〜200nmの範囲が更に好ましく、50〜200nmの範囲が特に好ましい。10nm以下では、凝集しても画質の改善効果、転写性の向上に効果があまり期待できない。1μm以上では、インクのヘッドからの吐出性や保存安定性が悪化するおそれがある。また、ポリマー粒子の体積平均粒子径分布に関しては、特に制限は無く、広い体積平均粒子径分布を持つもの、又は単分散の体積平均粒子径分布を持つもの、いずれでもよい。
また、ポリマー微粒子を、インク内に2種以上混合して含有させて使用してもよい。
インクに添加するpH調整剤としては中和剤として、有機塩基、無機アルカリ塩基を用いることができる。pH調整剤はインクジェット用インクの保存安定性を向上させる目的で、該インクジェット用インクがpH6〜10となるように添加するのが好ましい。
インクは、乾燥によってインクジェットヘッドのノズルが詰まるのを防止する目的から、SP値が30以下の水溶性高沸点有機溶媒を10wt%〜90wt%含有する。さらに、上述の水溶性高沸点有機溶媒を10%〜30%の範囲で含有させることで、着弾干渉、画像変形、小ドットの白抜け再現性が特に好ましく、更には形成した画像の光堅牢性も良好となる。
このような水溶性高沸点有機溶媒には、湿潤剤及び浸透剤が含まれる。SP値が30以下の水溶性高沸点有機溶媒としては、処理液の場合と同様に、
たとえば、
ジエチレングリコールモノエチルエーテル(22.4)
ジエチレングリコールモノブチルエーテル(21.5)
トリエチレングリコールモノブチルエーテル(21.1)
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(21.3)
ジプロピレングリコール(27.2)
Figure 0004959607
Figure 0004959607
Figure 0004959607
Figure 0004959607
Figure 0004959607
nCO(AO)−H (AO=EO or POで比率は1:1) (20.1)EO=エチレンオキシ
nCO(AO)10−H (同上) (18.8)
HO(A‘O)40−H (A’O=EO or POで比率はEO:PO=1:3) (18.7)
HO(A‘O)55−H (A”O=EO or POで比率はEO:PO=5:6) (18.8)
HO(PO)H (24.7)
HO(PO)H (21.2)
1,2ヘキサンジオール (27.4)
なお、カッコ内の数値はSP値を示している。
また、SP値が低い溶剤のうち、下記の構造が含まれていることが好ましい。
Figure 0004959607
等が挙げられる。
インクには、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤の例としては、炭化水素系では脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。
更に、特開昭59−157636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。また、特開2003−322926号、特開2004−325707号、特開2004−309806号の各公報に記載されているようなフッ素(フッ化アルキル系)系、シリコーン系の界面活性剤も用いることができる。これら表面張力調整剤は消泡剤としても使用することができ、フッ素系、シリコーン系化合物やEDTAに代表されるキレート剤等も使用することができる。
表面張力を下げて固体状又は半固溶状の凝集処理層上でのぬれ性を高め、拡がり率を増加させることができる。
インクの表面張力は、中間転写方式によって記録を行う際の中間転写媒体上でのぬれ性と液滴の微液滴化および吐出性の両立の観点からは、15〜45mN/mであることが更に好ましい。
インクの粘度は、1.0〜20.0cPであることが好ましい。
その他必要に応じ、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、紫外線吸収剤、等も添加することができる。
なお、上記実施の形態では、凝集促進機能を有する処理液を用紙に塗布する場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。所定の機能を有する処理剤が溶解された液体を媒体に塗布する塗布装置全般に適用することができる。
また、上記実施の形態では、本発明に係る塗布装置をインクジェット記録装置に用いた例で説明したが、本発明に係る塗布装置は、他の装置にも適用することができる。
また、上記実施の形態では、用紙に処理液を塗布する場合を例に説明したが、処理液を塗布する対象(媒体)は、特に限定されるものではない。普通紙、インク受容層を備えた記録媒体、あるいは加工紙などの表裏方向に通気性のある記録シート、OHP等の非通気性の柔軟媒体である樹脂シート等、種々の媒体を対象にすることができる。なお、特に有効に作用するのは、高浸透性を有する媒体であり、このような媒体に凝集処理液を塗布する場合に本発明は最大の効果を発揮する。
また、上記実施の形態では、用紙の片面にのみ画像を形成するインクジェット記録装置に本発明を適用した場合を例に説明したが、用紙の両面に画像を形成するインクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
本発明が適用されたインクジェット記録装置の一実施形態の概略構成を示す断面図 処理液塗布部の概略構成図 処理液保持ブロックの底面図 本実施形態のインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図 処理液塗布部の他の実施の形態の概略構成図 処理液塗布部の他の実施の形態の概略構成図 処理液塗布部の他の実施の形態の概略構成図 処理液塗布部の他の実施の形態の概略構成図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、12…用紙、20…給紙部、30…処理液塗布部、32…バックアップローラ、34…塗布ローラ、35…ヒータ、36…処理液供給ユニット、38…処理液保持ブロック、40…処理液タンク、42…処理液供給ポンプ、44…凹部、46…当接部材、48…空間、50…処理液供給口、52…処理液回収口、54…処理液供給配管、56…処理液回収配管、58…バルブ、60…バネ、70…画像形成部、72…プラテン、78…インク吐出ユニット、80…排紙部、90…ファン、92…除湿装置、94A、94B…ローラ

Claims (10)

  1. インクと反応して色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理剤が溶解された液体を塗布装置によって媒体に塗布し、前記液体が塗布された前記媒体にインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置において、
    前記塗布装置は、
    走行する前記媒体に当接されて、その外周面に付与された液体を前記媒体に塗布する塗布ローラと、
    前記塗布ローラの外周面に前記液体を付与する供給手段であって、前記塗布ローラの外周面に押圧当接されて、前記塗布ローラの外周面との間に密閉された空間を形成する液体保持ブロックと、前記空間に前記液体を供給する手段と、前記空間における前記塗布ローラの回転方向の上流側と下流側の各辺に設けられ、回転して前記塗布ローラの表面に残存する前記液体を前記空間内に回収するセル付きローラと、前記セル付きローラを駆動するモータと、を備える供給手段と、
    前記供給手段から前記塗布ローラの外周面に付与された前記液体が前記媒体に塗布されるまでの間に前記液体を濃縮させる濃縮手段と、
    を備え、前記塗布ローラの周速が、前記媒体の移動速度よりも遅く設定されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. インクと反応して色材を凝集又は不溶化させる機能を有する処理剤が溶解された液体を塗布装置によって媒体に塗布し、前記液体が塗布された前記媒体にインクジェットヘッドからインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置において、
    前記塗布装置は、
    走行する前記媒体に当接されて、その外周面に付与された液体を前記媒体に塗布する塗布ローラと、
    前記塗布ローラの外周面に前記液体を付与する供給手段であって、前記塗布ローラの外周面に押圧当接されて、前記塗布ローラの外周面との間に密閉された空間を形成する液体保持ブロックと、前記空間に前記液体を供給する手段と、前記空間における前記塗布ローラの回転方向の上流側と下流側の各辺に設けられ、回転して前記塗布ローラの表面に残存する前記液体を前記空間内に回収する螺旋溝付きローラと、前記螺旋溝付きローラを駆動するモータと、を備える供給手段と、
    前記供給手段から前記塗布ローラの外周面に付与された前記液体が前記媒体に塗布されるまでの間に前記液体を濃縮させる濃縮手段と、
    を備え、前記塗布ローラの周速が、前記媒体の移動速度よりも遅く設定されることを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 前記空間に供給される前記液体は、前記処理剤が、その溶解度の限界値よりも低い値で溶解された液体であることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記濃縮手段が加熱手段で構成され、前記供給手段から前記塗布ローラに供給された液体を加熱して濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記濃縮手段が送風手段で構成され、前記供給手段から前記塗布ローラに供給された液体に風を当てて濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記濃縮手段が除湿手段で構成され、前記供給手段から前記塗布ローラに供給された液体の周囲環境を除湿して濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記濃縮手段は、前記処理剤の溶解度以上に前記液体を濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記濃縮手段は、溶媒成分が除去されるまで前記液体を濃縮させることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記処理剤は、インクと反応して色材を凝集又は不溶化させる機能を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記液体は、高沸点溶媒を含有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
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