JP4959203B2 - 発光素子及びその製造方法、並びにランプ - Google Patents

発光素子及びその製造方法、並びにランプ Download PDF

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Description

本発明は発光素子に関し、特に、高い信頼性及び優れた光取り出し効率を有する発光素子及びその製造方法、並びにランプに関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料として窒化物系半導体であるGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶をはじめ、種々の酸化物やIII−V族化合物を基板として、この基板上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
一般的なGaN系化合物半導体発光素子の構造として、サファイア単結晶基板を用いた場合、n型半導体層、発光層、p型半導体層がこの順で積層される。サファイア基板は絶縁体であるので、その素子構造は一般的に、図1に示すような、p型半導体層上に形成された正極とn型半導体層上に形成された負極が同一面上に存在する構造となる。このようなGaN系化合物半導体発光素子には、透明電極を正極に使用してp型半導体側から光を取り出すフェイスアップ方式、Agなどの高反射膜を正極に使用してサファイア基板側から光を取り出すフリップチップ方式の2種類がある。
p型半導体上に透明電極を設ける場合、従来はNi/Au等からなる金属透明電極が使用されていたが、発光素子の光取り出し効率を向上させるため、近年ではITO等の透光性導電酸化膜が産業レベルで実用化され、積極的に用いられるようになっている。
このような発光素子の出力を向上させるための指標として、外部量子効率が用いられる。この外部量子効率が高ければ、出力の高い発光素子と言うことができる。
外部量子効率は、内部量子効率と光取り出し効率を掛け合わせたものとして表される。内部量子効率とは、素子に注入した電流のエネルギーのうち、光に変換される割合である。一方。光取り出し効率とは、半導体結晶内部で発生した光のうち、外部に取り出すことができる割合である。
光取り出し効率を向上させるためには、主として2通りの方法がある。一つは、光取り出し面に形成される電極、保護膜などによる発光波長の吸収を低減させる方法が挙げられる。もう一つは、化合物半導体、電極、保護膜等、屈折率が異なる材料同士の界面で発生する反射損失を低減させる方法が挙げられる。
ここで、Ni/Au等の金属透明電極が、ITO等の透光性導電酸化膜に置き替わった理由の一つとして、透光性導電酸化膜を用いることによって発光波長の吸収を低減させることができたことが挙げられる。
屈折率が異なる材料同士の界面で発生する反射損失を低減させる方法としては、光取り出し面に凹凸加工を施す技術が挙げられ、凹凸加工を施す方法として、化合物半導体そのものに凹凸加工を施した発光素子が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載の発光素子では、半導体材料に加工を施すために半導体層に負荷を掛け、ダメージを残してしまう。このため、光取り出し効率は向上するものの、内部量子効率が低下していまい、発光強度を増加させることができないという問題がある。
また、透光性導電酸化膜に凹凸を施すことでも、発光素子の光取り出し効率を向上させることができる。この場合、透光性導電酸化膜は、本来の電流拡散層としての役割に加え、光取り出し層としての役割も担うことになる。
しかしながら、ITOの屈折率は1.9とGaN系化合物半導体の2.6に比べて小さいので、ITOとGaN系化合物半導体の界面で全反射が生じてしまい、充分に光を取り出すことができない。
酸化チタンは、波長によっても異なるが、屈折率が2.6(波長450nm)とGaN系化合物半導体とほぼ同じ屈折率を有している。酸化チタンは絶縁体であるが、近年、Nbなどを添加することにより、導電体化することが明らかとなっている(非特許文献1を参照)。
導電性を有する酸化チタンを透明電極に使用し、GaN系化合物半導体の表面には凹凸を形成せず、酸化チタンの表面に凹凸を形成することにより、発光素子の光取り出し効率を容易に向上させることができる。
特許第2836687号公報 アメリカン・インスティテュート・オブ・フィジックス(American institute of Physics)「ア・トランスペアレント・メタル:Nb−ドープ・アナテーゼ TiO2(A Transparent metal:Nb−Doped anatase TiO2)」、アプライド・フィジックス・レター{Applied Physics Letter 86,252101(2005)},(アメリカ合衆国),2005年6月20日,p252101−252103
上述のように、発光素子の透明電極に酸化チタン系導電膜を用いた発光素子では、酸化チタン系導電膜が、電流拡散層としての本来の役割に加え、光取り出し層としての役割も担うことになる。
しかしながら、酸化チタン系導電膜の表面に凹凸加工を施す場合、凹凸形状の加工制御が難しいため、酸化チタン系導電膜を必要以上にエッチングしてしまい、電流拡散特性が低下するという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、電流拡散特性、及び光取り出し効率に優れた発光素子及びその製造方法、並びにランプを提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下に関する。
[1] n型半導体層、発光層、p型半導体層、酸化チタン系導電膜層がこの順で積層された発光素子であって、前記酸化チタン系導電膜層が、粒状結晶からなる第1層と、該第1層の前記p型半導体層側に配され、柱状結晶からなる第2層とを有してなることを特徴とする発光素子。
[2] 前記第1層の、前記第2層側と反対側の面が凹凸形状とされていることを特徴とする[記載の発光素子。
[3] 前記第1層に形成された凹凸形状がエッチングによって形成された凹凸であり、前記第1層は、前記第2層に用いられる材料よりもエッチング速度が速い材料からなることを特徴とする[]に記載の発光素子。
[4] 前記第1層に形成された凹凸形状が、無秩序に形成された凹部と凸部とからなることを特徴とする[]又は[]に記載の発光素子。
[5] 前記凹部と凸部との高低差が35nm〜2000nmであることを特徴とする[]に記載の発光素子。
[6] 前記酸化チタン系導電膜の第2層が、Tiと、Ta、Nb、V、Mo、W、Sbの群から選択される少なくとも1種類以上の元素とを含む酸化物であることを特徴とする[1]〜[]の何れか1項に記載の発光素子。
[7] 前記酸化チタン系導電膜の第2層の膜厚が、35〜2000nmの範囲であることを特徴とする[1]〜[]の何れか1項に記載の発光素子。
[8] 前記酸化チタン系導電膜の第1層が、Tiと、Ta、Nb、V、Mo、W、Sbの群から選択される少なくとも1種類以上の元素とを含む酸化物であることを特徴とする[1]〜[]の何れか1項に記載の発光素子。
[9] 前記酸化チタン系導電膜の第1層の膜厚が、35〜2000nmの範囲であることを特徴とする[1]〜[]の何れか1項に記載の発光素子。
[10] 発光素子が窒化物系半導体発光素子からなることを特徴とする[1]〜[]の何れか1項に記載の発光素子。
[11] 前記窒化物系半導体発光素子がGaN系半導体発光素子であることを特徴とする[10]に記載の発光素子。
[12] n型半導体層、発光層、p型半導体層、酸化チタン系導電膜層をこの順で積層し、前記酸化チタン系導電膜層を、第1層と、該第1層の前記p型半導体層側に配した第2層とから形成してなる発光素子の製造方法であって、前記p型半導体層上に、電流拡散層としてなる第2層を形成する工程(1)と、次いで、前記第2層上に、光取り出し層としてなる第1層を形成する工程(2)とを備え、前記工程(1)において、第2層をスパッタによって形成し、前記工程(2)において、第1層を真空蒸着によって形成することを特徴とする発光素子の製造方法。
[13] n型半導体層、発光層、p型半導体層、酸化チタン系導電膜層をこの順で積層し、前記酸化チタン系導電膜層を、第1層と、該第1層の前記p型半導体層側に配した第2層とから形成してなる発光素子の製造方法であって、前記第1層を真空蒸着によって形成し、前記第2層をスパッタによって形成することを特徴とする発光素子の製造方法。
[14] 前記工程(1)において、第2層を、300〜800℃の雰囲気温度下で真空蒸着して形成することを特徴とする[12]に記載の発光素子の製造方法。
[15] 前記工程(1)において、前記第2層を真空蒸着して形成した後、300〜800℃の温度で熱処理することを特徴とする[14]に記載の発光素子の製造方法。
[16] 前記第1層の、前記第2層側と反対側の面に凹凸形状を形成する凹凸形成工程を備えたことを特徴とする[12]〜[15]の何れか1項に記載の発光素子の製造方法。
[17] 前記凹凸形成工程は、ウェットエッチングによって凹凸形状を形成することを特徴とする[16]に記載の発光素子の製造方法。
[18] 前記凹凸形成工程は、エッチング溶液として、フッ酸、リン酸、硫酸、塩酸、フッ酸/硝酸混合液、フッ酸/過酸化水素水混合液、フッ酸/フッ化アンモニウム混合液、珪フッ化水素酸の群から選択される少なくとも1種類以上を用いてウェットエッチングを行なうことを特徴とする[17]に記載の発光素子の製造方法。
[19] [1]〜[11]の何れか1項に記載の発光素子を備えたことを特徴とするランプ。
[20] [12]〜[18]の何れかに記載の発光素子の製造方法によって得られる発光素子を備えたことを特徴とするランプ。

本発明の発光素子によれば、酸化チタン系導電膜層が、光取り出し層としてなる第1層と、該第1層の前記p型半導体層側に配され、電流拡散層としてなる第2層とを有した構成としている。これにより、光取り出し効率を向上させるために、前記第1層の、前記第2層側と反対側の面に凹凸形状を形成した場合であっても、酸化チタン系導電膜層の電流拡散特性が低下することがない。
従って、電流拡散特性、及び光取り出し効率に優れた発光素子が得られる。
また、本発明の発光素子の製造方法によれば、上述の構成により、電流拡散特性、及び光取り出し効率に優れた発光素子を製造することができる。
また、本発明のランプは、本発明の発光素子を用いたものであるので、優れた発光特性を持つものとなる。
以下に、本発明の発光素子及びそれを用いたランプの一実施形態について、図1〜5を適宜参照しながら説明する。
但し、本発明は以下の実施形態の各々に限定されるものではなく、例えば、これら実施形態の構成要素同士を適宜組み合わせても良い。
[発光素子の全体構成]
図1は本発明の発光素子の断面を模式的に示した図である。
図1において、符号11は基板、12はn型半導体層、13は発光層、14はp型半導体層、15は酸化チタン系導電膜、16は光触媒反応防止層、17は正極、18は負極である。
本実施形態の発光素子1は、透明電極として酸化チタン系導電膜15が用いられ、該酸化チタン系導電膜15が、光取り出し層(第1層)15aと電流拡散層(第2層)15bとからなり、また、酸化チタン系導電膜15を覆うように光触媒反応防止層16が形成され、概略構成されている。
本発明の酸化チタン系導電膜15は、図1に示す例のように、上層の光取り出し層(第1層)15aと、該光取り出し層15aのp型半導体層14側に配された、下層の電流拡散層(第2層)15bとから構成され、p型半導体層14の直上、あるいはp型半導体層14上に配される図示略の金属層等を介して形成される。
また、光触媒反応防止層16は、酸化チタン系導電膜15の直上か、あるいは、酸化チタン系導電膜15との間に他の透明膜(図示略)等を介し、酸化チタン系導電膜15を覆うように形成される。
以下、本実施形態の発光素子1について詳述する。
「基板」
基板11としては、サファイア単結晶(Al;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl)、ZnO単結晶、LiAlO単結晶、LiGaO単結晶、MgO単結晶等の酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶及びZrB等のホウ化物単結晶、等の基板材料が周知である。本発明においても、これら周知の基板材料を含めて、如何なる基板材料を何ら制限なく用いることができる。これらの中でも、サファイア単結晶及びSiC単結晶が特に好ましい。
なお、基板の面方位は特に限定されない。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
「窒化物系化合物半導体」
上述の基板11上には、通常、図示略のバッファ層を介して、窒化物系化合物半導体からなるn型半導体層12、発光層13およびp型半導体層14が積層される。また、使用する基板やエピタキシャル層の成長条件によっては、バッファ層が不要である場合がある。
窒化物系化合物半導体としては、例えば一般式AlGaIn1−A(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦A<1である。)で表わされる窒化物系化合物半導体が多数知られており、本発明においても、それら周知の窒化物系化合物半導体を含めて一般式AlGaIn1−A(0≦X≦1、0≦Y≦1、0≦Z≦1で且つ、X+Y+Z=1。記号Mは窒素(N)とは別の第V族元素を表し、0≦A<1である。)で表わされる窒化ガリウム系化合物半導体を何ら制限なく用いることができる。
窒化物系化合物半導体は、Al、GaおよびIn以外に他のIII族元素を含有することができ、必要に応じてGe、Si、Mg、Ca、Zn、Be、P、As及びBなどの元素を含有することもできる。さらに、意図的に添加した元素に限らず、成膜条件等に依存して必然的に含まれる不純物、並びに原料、反応管材質に含まれる微量不純物を含む場合もある。
窒化物系化合物半導体の成長方法は特に限定されず、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)等、窒化物半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。
MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H)または窒素(N)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH)、ヒドラジン(N)などが用いられる。また、ドーパントとしては、n型にはSi原料としてモノシラン(SiH)またはジシラン(Si)を、Ge原料としてゲルマンガス(GeH)や、テトラメチルゲルマニウム((CHGe)やテトラエチルゲルマニウム((CGe)等の有機ゲルマニウム化合物を利用できる。
MBE法では、元素状のゲルマニウムもドーピング源として利用できる。p型にはMg原料としては例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)またはビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCpMg)を用いる。
n型半導体層12は、通常、下地層、nコンタクト層およびnクラッド層から構成される。nコンタクト層は下地層および/またはnクラッド層を兼ねることができる。
下地層はAlGa1―XN層(0≦x≦1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。下地層の膜厚は0.1μm以上が好ましく、より好ましくは0.5μm以上であり、1μm以上が最も好ましい。膜厚を1μm以上とすることにより、結晶性の良好なAlGa1―XN層が得られやすくなる。
下地層には、n型不純物を1×1017〜1×1019/cmの範囲内であればドープしても良いが、アンドープ(<1×1017/cm)の方が、良好な結晶性を維持する点から好ましい。n型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、GeおよびSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeである。
下地層を成長させる際の成長温度は、800〜1200℃が好ましく、1000〜1200℃の範囲に調整することがより好ましい。この温度範囲内で成長させれば、結晶性の良い下地層が得られる。また、MOCVD成長炉内の圧力は15〜40kPaに調整することが好ましい。
nコンタクト層としては、下地層と同様にAlGa1―XN層(0≦x≦1、好ましくは0≦x≦0.5、さらに好ましくは0≦x≦0.1)から構成されることが好ましい。また、n型不純物がドープされていることが好ましく、n型不純物を1×1017〜1×1019/cm、好ましくは1×1018〜1×1019/cmの濃度で含有すると、負極との良好なオーミック接触の維持、クラック発生の抑制、良好な結晶性の維持の点で好ましい。n型不純物としては、特に限定されないが、例えば、Si、Ge及びSn等が挙げられ、好ましくはSiおよびGeである。成長温度は下地層と同様である。
nコンタクト層を構成する窒化物系化合物半導体は、下地層と同一組成であることが好ましく、これらの合計の膜厚を1〜20μm、好ましくは2〜15μm、さらに好ましくは3〜12μmの範囲に設定することが好ましい。nコンタクト層と下地層との合計の膜厚がこの範囲であると、半導体の結晶性が良好に維持される。
nコンタクト層と発光層13との間には、nクラッド層を設けることが好ましい。nクラッド層を設けることにより、nコンタクト層の最表面に生じた、平坦性の悪化した箇所を埋めることできる。nクラッド層はAlGaN、GaN、GaInN等によって形成することが可能である。また、これらの構造のヘテロ接合や複数回積層した超格子構造としてもよい。GaInNとする場合には、発光層のGaInNのバンドギャップよりも大きくすることが望ましいことは言うまでもない。
nクラッド層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは0.005〜0.5μmの範囲であり、より好ましくは0.005〜0.1μmの範囲である。
また、nクラッド層のn型ドープ濃度は1×1017〜1×1020/cmの範囲が好ましく、より好ましくは1×1018〜1×1019/cmの範囲である。ドープ濃度がこの範囲であると、良好な結晶性の維持および発光素子の動作電圧低減の点で好ましい。
n型半導体層12上に積層される発光層13としては、窒化物系化合物半導体、好ましくはGa1−sInN(0<s<0.4)の窒化物系化合物半導体からなる発光層が通常用いられる。
発光層13の膜厚としては、特に限定されないが、量子効果の得られる程度の膜厚、即ち臨界膜厚が好ましく、例えば1〜10nmの範囲であり、より好ましくは2〜6nmの範囲である。膜厚が上記範囲であると、発光出力の点で好ましい。
また、発光層は、上記のような単一量子井戸(SQW)構造の他、上記Ga1−sInNを井戸層として、この井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きいAlGa1−cN(0≦c<0.3かつb>c)障壁層とからなる多重量子井戸(MQW)構造としてもよい。また、井戸層および障壁層には、不純物をドープしてもよい。
AlGa1−cN障璧層の成長温度は700℃以上が好ましく、800〜1100℃の温度で成長させると結晶性が良好になるため、より好ましい。また、GaInN井戸層は600〜900℃、好ましくは700〜900℃の温度で成長させる。すなわちMQWの結晶性を良好にするためには、層間で成長温度を変化させることが好ましい。
p型半導体層14は、通常、pクラッド層およびpコンタクト層から構成される。しかし、pコンタクト層がpクラッド層を兼ねてもよい。
pクラッド層としては、発光層のバンドギャップエネルギーより大きくなる組成であり、発光層13へのキャリアの閉じ込めができるものであれば特に限定されないが、好ましくは、AlGa1−dN(0<d≦0.4、好ましくは0.1≦d≦0.3)のものが挙げられる。pクラッド層が、このようなAlGaNからなると、発光層13へのキャリアの閉じ込めの点で好ましい。
pクラッド層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは5〜100nmである。
pクラッド層のp型ドープ濃度は、1×1018〜1×1021/cmが好ましく、より好ましくは1×1019〜1×1020/cmである。p型ドープ濃度が上記範囲であると、結晶性を低下させることなく良好なp型結晶が得られる。
pコンタクト層としては、少なくともAlGa1−eN(0≦e<0.5、好ましくは0≦e≦0.2、より好ましくは0≦e≦0.1)を含んでなる窒化物系化合物半導体層である。Al組成が上記範囲であると、良好な結晶性の維持およびpオーミック電極との良好なオーミック接触の点で好ましい。
また、p型ドーパントを1×1018〜1×1021/cmの範囲の濃度で含有していると、良好なオーミック接触の維持、クラック発生の防止、良好な結晶性の維持の点で好ましく、より好ましくは5×1019〜5×1020/cmの範囲である。
p型不純物としては、特に限定されないが、例えば、好ましくはMgが挙げられる。
pコンタクト層の膜厚は、特に限定されないが、0.01〜0.5μmが好ましく、より好ましくは0.05〜0.2μmである。膜厚がこの範囲であると、発光出力の点で好ましい。
なお、発光素子にはGaN系半導体が用いることが一般的であるが、この他に、ZnO、Ga等からなる半導体発光素子を用いることも可能である。
「酸化チタン系導電膜」
本発明の酸化チタン系導電膜は、図1に示す例(符号15参照)のように、上層の光取り出し層15aと、該光取り出し層15aの、p型半導体層14側に配された、下層の電流拡散層15bとから構成され、p型半導体層14の直上、あるいはp型半導体層14上に図示略の金属層等を介して形成される。
酸化チタン系導電膜には、Tiと、Ta、Nb、V、Mo、W、Sbから選択される少なくとも1種類の元素とを含む酸化物を用いることができる。
この場合の酸化チタン系導電膜の組成としては、Ti1−x(A=Ta、Nb、V、Mo、W、Sb)とされたものを用いることが好ましい。また、この組成において、Xは1〜20at%の範囲とすることが好ましい。X=1at%未満であると、添加効果が小さく、良好な導電性が得られない。また、X=20at%を超えると、300〜550nmの波長における透過率が低下するため、発光素子の出力を低下させてしまう。さらに好ましくは、X=2〜10at%の範囲である。
酸化チタン系導電膜にTi1−xを用いる場合、酸素組成によっても導電性が変化する。好ましくは、酸素欠損状態である方が、導電性が向上する。酸素欠損状態の作り方としては、金属を用いた酸素との反応性蒸着、あるいは反応性スパッタで酸素量を調整する方法や、酸素欠損状態にある金属酸化物タブレットまたはターゲットを用いる方法、及び、酸化チタン系導電膜成膜後にNやHなどの還元性雰囲気でアニールを行う方法等、様々な方法を用いることができる。
本発明の酸化チタン系導電膜を成膜する場合は、例えば、p型半導体層14上に、電流拡散層15b(第2層)を形成する工程(1)と、次いで、電流拡散層15b上に、光取り出し層15a(第1層)を形成する工程(2)とを備えた製造方法とすることができる。
また、酸化チタン系導電膜の成膜には、蒸着法、スパッタ法、PLD法、CVD法など何れの方法も用いることができる。
蒸着法を用いる場合、Ti1−x(A=Ta、Nb、V、Mo、W、Sb)のタブレットを用いて、抵抗加熱やEB加熱等の何れの方法を用いても成膜することができる。
また、それぞれの単体金属酸化物を、別々の蒸着源として成膜することも可能である。この方法を用いることにより、組成制御が容易になる利点がある。例えば、TiOとTaをそれぞれ別々の蒸着源で成膜し、任意のTi1−xTa組成を作製することができる。
さらに、単体金属や合金金属を使用し、酸素ガスを導入して、プラズマ等を用いて反応性成膜をすることも可能である。例えば、TiとTaを別々の蒸着源で蒸発させ、プラズマでTiとTaを酸素ガスと反応させてTi1−xTa組成を作製することができる。また、密着性や緻密さを向上させるため、基板加熱やイオンアシストを用いても良い。
スパッタ法を用いる場合、Ti1−x(A=Ta、Nb、V、Mo、W、Sb)のターゲットを用いて、RF、DC等の何れの方法を用いても成膜することができる。
また、それぞれの単体金属酸化物を別々のターゲットとして成膜することも可能である。この方法を用いることにより、組成制御が容易になる利点がある。例えば、TiOとTaを、それぞれ別々のターゲットで成膜し、任意のTi1−xTa組成を作製することができる。
さらに、単体金属や合金金属を使用し、酸素ガスを導入して、反応性スパッタリング成膜をすることも可能である。例えば、TiとTaを別々のターゲットで放電させ、プラズマ中でTiとTaを酸素ガスと反応させてTi1−xTa組成を作製することができる。また、密着性や緻密さを向上させるため、基板加熱やバイアスを用いても良い。
酸化チタン系導電膜の結晶構造は特に限定されないが、アナターゼ型である方が、導電性が良好であるので好ましい。しかしながら、アナターゼ型は光触媒反応性が最も高い結晶構造であるので、光触媒反応防止層は、より緻密な膜であることが必要である。
また、GaN系半導体が発光素子に用いられる場合、該GaN系半導体発光素子の屈折率と酸化チタン系導電膜の屈折率とが同等、または、その差が0.5以内であることが、光取り出し効率を向上させる点で好ましい。
(電流拡散層)
電流拡散層15bは、電流拡散機能を有する酸化チタン系導電膜からなるものであり、p型半導体層14の直上、あるいはp型半導体層の上に図示略の金属層などを介して形成される。電流拡散層15bとp型半導体層14との間に金属層を配した場合には、発光素子の駆動電圧(Vf)を低減させることができるが、透過率が減少して出力を低下させてしまう。従って、発光素子の用途等に応じて駆動電圧(Vf)と出力のバランスを取り、電流拡散層とp型半導体層との間に金属層等を設けるかどうか適宜判断する。電流拡散層とp型半導体層との間に金属層を配する場合、該金属層の材料として、NiやNi酸化物、Pt、Pd、Ru、Rh、Re、Os等からなるものを用いることが好ましい。
電流拡散層は、電流拡散機能を果たすことが出来れば良く、如何なる方法で形成されたものであっても良い。
また、電流拡散層は、例えば、以下の2通りの方法で形成されることが好ましい。一つはスッパタ法によって成膜する方法であり、もう一つは真空蒸着法により成膜する方法である。
スパッタ法は、スパッタ時のスパッタ粒子のエネルギーが大きいことから、緻密で結晶性の高い膜を得ることができる。電流拡散層は、酸化チタン系導電膜の結晶性が高いほどエッチングされ難く、エッチング時に侵食されにくいものとなり、エッチングによって電流拡散特性が劣化しないものとなる。
真空蒸着法は、蒸着時の粒子のエネルギーがあまり大きくないため、得られる酸化チタン系導電膜からなる膜は、アモルファス状態か、あるいは結晶性が低い膜となる。
しかし、蒸着中に300℃〜800℃の温度で成膜するか、成膜後に300℃〜800℃で熱処理することにより、緻密で結晶性の高い膜を得ることができる。
なお、上記熱処理温度が300℃未満だと、結晶化を向上させる効果が小さく、800℃を越えると、窒化物系半導体素子にダメージを与えてしまう。
電流拡散層を構成する透酸化チタン系導電膜は、いずれの結晶状態も取りうるが、柱状結晶である方が、エッチングされ難く好ましい。
電流拡散層の膜厚は、薄すぎると電流拡散特性が落ちてしまい好ましくない。また、電流拡散層の膜厚が厚すぎると透過率が悪くなって出力が低下してしまう。よって、電流拡散層の膜厚は、35nm〜2000nmの範囲、より好ましくは50nm〜1000nmの範囲とし、最も好ましくは、100nm〜500nmの範囲とする。
(光取り出し層)
光取り出し層15aは、光取り出し機能を有する酸化チタン系導電膜からなり、電流拡散層15bの上に形成される。なお、光取り出し層15aは、電流拡散層15bの直上に形成されてもよいし、光取り出し層15aと電流拡散層15bとの間には、図示略の金属層等を配した構成としても構わない。
発光素子の駆動電圧(Vf)を低減させるため、上述のように、光取り出し層15aと電流拡散層15bとの間に金属層などを成膜してもよいが、発光素子の透過率が低下して出力が低減するリスクがあるので、用途に応じたバランスによって決定する必要がある。光取り出し層15aと電流拡散層15bとの間に金属層を配置する場合、該金属層の材料として、NiやNi酸化物、Pt、Pd、Ru、Rh、Re、Os等からなるものを用いることが好ましい。
光取り出し層の上面は、光取り出し効率を向上させるため、凹凸形状とされていることが好ましい。
凹凸形状を形成する方法としては、ウェットエッチング、ドライエッチング等、従来公知のエッチング方法がいずれも適用可能であるが、酸化チタン系導電膜の結晶状態により、エッチング速度が大きく変化するウェットエッチングを用いることが好ましい。なお、マスクを用いて規則的に凹凸形状を形成することも可能であるし、エッチングだけで無秩序(ランダム)に凹凸形状を形成することも可能である。
ウェットエッチングを行なう場合、エッチング液として、フッ酸、リン酸、硫酸、塩酸、フッ酸/硝酸混合液、フッ酸/過酸化水素水混合液、フッ酸/フッ化アンモニウム混合液、珪フッ化水素酸等を用いることができるが、フッ酸、フッ酸/硝酸混合液、フッ酸/過酸化水素水混合液、フッ酸/フッ化アンモニウム混合液、珪フッ化水素酸(HSiF)を用いることがより好ましい。
本発明の光取り出し層は、前記電流拡散層に用いられる材料よりもエッチング速度が速い材料からなることが好ましい。また、光取り出し層は、何れの結晶状態も取りうるが、粒状結晶である方が、エッチングされやすいので好ましい。
また、光取り出し層の形成方法としては、光取り出し層をエッチングする際のエッチング速度が、電流拡散層のエッチング速度よりも速くなるように形成できる方法を用いることが望ましい。具体的には、光取り出し層の形成方法としては、例えば真空蒸着法を用いることが、アモルファス状または結晶性の低い膜を得ることが出来るので好ましい。
光取り出し層15aの膜厚は、薄すぎると光取り出し層の上面に形成される凹凸形状を構成する凹部と凸部との高低差が小さくなってしまい充分な光取り出し効率が得られない。また、光取り出し層の膜厚が厚すぎると、透過率が悪くなって出力が低下してしまう。
この特性を満足させる、エッチング後の光取り出し層の膜厚は35nm〜2000nmの範囲であり、好ましくは50nm〜1μmの範囲であり、より好ましくは100nm〜500nmの範囲である。なお、光取り出し層の膜厚は、光取り出し層の電流拡散層側の面(下面)から凸部の頂部までの高さと定義する。
光取り出し層15a表面の凹凸形状を構成する凹部と凸部との高低差は、35nm〜2000nmの範囲が好ましく、より好ましくは50nm〜1μmの範囲であり、最も好ましくは100nm〜500nmの範囲である。
凹部と凸部との高低差が小さ過ぎると、充分な光取り出し効率が得られない。また、凹部と凸部との高低差が大き過ぎると、光取り出し層の膜厚が厚くなり、透過率が悪くなって出力が低下してしまう。なお、凹部と凸部との高低差は、凹部の底部から凸部の頂部までの高さと定義する。
(ステップカバレッジ)
酸化チタン系導電膜15上に凹凸形状を形成した場合、その上に成膜する膜のステップカバレッジが問題となる。例えば、凹凸の斜面が急過ぎたり、アスペクト比が大き過ぎたり、また、凹凸の大きさが小さ過ぎる場合、酸化チタン系導電膜上に成膜する膜が凹凸に沿って成膜されず、空隙が生じてしまうことがある。空隙が生じると、その箇所の屈折率は1となるので、光取り出し効率の低下を招いてしまう。
ステップカバレッジが向上する成膜方法としては、CVD法やスパッタ法が適している。スパッタ法によって成膜する場合、成膜面にバイアスを掛けるスパッタ電源に、高周波電源(13MHz以上、さらに好ましくは60MHz±10MHz)を用いる方法等を用いることが、より好ましい。
凹凸の形状に関しては、図4(a)に示すような矩形型の凸部では、良好なステップカバレッジが得られない。良好なステップカバレッジを得るためには、凸部の下端寸法が上端寸法より大きいことが好ましい。さらに好ましくは、下端から上端に行くにしたがって徐々に寸法が小さくなってゆく形状である。
具体的には、図4(b)に示すような斜面型の凸部、図4(c)に示すような曲面型の凸部等が好ましい例として挙げられる。斜面型の凸部の場合、基板法線に対して5度以上傾いていることが、ステップカバレッジが向上するので好ましい。但し、基板法線に対する傾きが大きすぎるとアスペクト比が取りにくくなるので、60度以下の角度とすることが好ましい。
「光触媒反応防止層」
本発明の光触媒反応防止層は、図1に示す例(符号16参照)のように、酸化チタン系導電膜15の直上か、あるいは、酸化チタン系導電膜15との間に他の透明膜等を介して形成される。
一般的に良く知られるように、酸化チタンには光触媒作用があり、水や有機物を分解する特性を有している。光触媒作用は、空気浄化、水浄化、防汚、及び抗菌等の有用な効果を発揮するものとして広く産業に用いられているが、樹脂等の有機物によって封入され、ランプを構成する発光素子においては、封入された樹脂が分解されてしまい、発光素子に対して悪影響を及ぼしてしまうという問題がある。
光触媒は、無添加の酸化チタンでは380nm以下の波長で、窒素やタングステンが添加された酸化チタンでは500nmの波長まで、光触媒作用があることが知られている。また、光触媒作用が発現するには数十μW/cm以上の光量が必要であることが知られている。従って、300〜550nmの発光波長を有する発光素子において酸化チタンを用いた場合、極めて光触媒作用が発現しやすい状況になる。さらに、GaN系発光素子において酸化チタンを用いた場合には、300μm角の素子から10mW程度の発光強度が得られることから明らかなように、1W/cmと極めて高い光量下での使用となる。
なお、発光波長が550nmの発光素子の場合、ピーク波長が550nmとなるが、多くの発光素子は一定幅の波長分布を有しているので、ピーク波長が550nmの発光素子でも500nmの波長を有していることが多い。また、ピーク波長がいくつか存在している発光素子の場合は、そのうちの何れかのピーク波長が300〜550nmの範囲に存在していると、酸化チタンの光触媒作用が発現しやすい状況となり、上述のような封入樹脂の分解等の問題が生じる虞がある。
本発明では、上述のような光触媒作用を防止するため、光触媒反応防止層16が備えられている。
光触媒反応防止層16は、側面からの光触媒作用を防止するため、酸化チタン系導電膜15の側面を覆うように形成されていることが好ましい。
さらに、図2に示す発光素子2のように、光触媒反応防止層26が、n型半導体層22、発光層23、p型半導体層24の側面、及びp型半導体層24の上面外周部を覆うようにすれば、光触媒反応防止層26とp型半導体層24界面からの水分等の浸入による光触媒作用を防止できるのでさらに好ましい。また、正極27と酸化チタン系導電膜25との接合部からの、正極27側面への光触媒作用を防止するため、図示例のように、光触媒反応防止層26が正極27上面の外周部を覆うように形成されていることが好ましい。
本発明の光触媒反応防止層は、光触媒作用を防止する役割に加え、光を透過させる性質も合わせて有する。
本発明の光触媒反応防止層は、300〜550nmの範囲の波長において、80%以上の透過率を有する透光性物質からなることが好ましい。
また、光触媒反応防止層には、絶縁性透明膜、あるいは導電性透明膜の何れも用いることができる。
光触媒反応防止層として用いる絶縁性透明膜には、絶縁性を有するとともに、300〜550nmの範囲の波長において、80%以上の透過率を有していれば、どのような物質でも使用可能であるが、酸化シリコン(例えば、SiO)、酸化アルミニウム(例えば、Al)、酸化ハフニウム(例えば、HfO)、酸化ニオブ(例えば、Nb)、酸化タンタル(例えば、Ta)、窒化シリコン(例えば、Si)、窒化アルミニウム(例えば、AlN)等を用いることが好ましい。さらにSiO、Alを用いることが、CVD成膜で緻密な膜が容易に作製できることから好ましい。CVD法でAlを成膜することにより、高温高湿下での信頼性がより向上するので、さらに好ましい。
CVDでSiOを成膜する場合は、TEOS(テトラエトキシシラン)、TMS(トリメトキシシラン)、SiHなどを原料として用いることができる。
また、CVDでAlを成膜する場合は、TMA(トリメチルアルミニウム)、DMA(ジメチルアルミニウム)、アルコキシ化合物(イソプロポキシジメチルアルミニウム、sec−ブトキシジメチルアルミニウム、イソプロポキシジエチルアルミニウム、tert−ブトキシジメチルアルミニウム)などを原料として用いることができる。
光触媒反応防止層として用いる導電性透明膜には、導電性を有するとともに、300〜550nmの範囲の波長において80%以上の透過率を有していれば、どのような物質でも使用可能であるが、ITO(In−SnO)、AZO(ZnO−Al),IZO(In−ZnO),GZO(ZnO−Ga)等を用いることが好ましい。
さらに、導電性透明膜を用いた場合、光触媒反応防止層とp型半導体との導通部分が、光触媒反応防止層をなす導電性透明膜の接触部分だけ増加するので、駆動電圧(Vf)の低減に有利である。
ITO、及びIZOの屈折率は1.9、AZO、及びGZOの屈折率は2.1であるので、上述したように光取り出し効率の向上に有利である。さらに、酸化チタン系導電膜の表面に凹凸が形成されていれば、酸化チタン系導電膜と導電性透明膜との界面の全反射が低減するので、より一層、光取り出し効率が向上する。
また、光触媒反応防止層に導電性透明膜を用いた場合、発光層、n型半導体層まで覆うことは出来ないので、さらに、導電性透明膜上に絶縁性透明膜を、発光層、n型半導体層を覆うように形成しても良い。
また、光触媒反応防止層は緻密な膜であることが必要である。上記酸化シリコン膜を作製するためには、SOG(スピン・オン・グラス)等の液体塗布材料を用いる方法が用いられるが、この方法だと緻密な膜が作りにくいことと、アニールしても膜中に水分が残留してしまうことなどから、本発明の光触媒反応防止層には適さない。
光触媒反応防止層の成膜には、スパッタやCVDなどの緻密な膜ができる成膜方法を用いることができる。特に、CVDを用いた方が、より緻密な膜ができるので好ましい。
光触媒反応防止層の膜厚は、特に限定されるものではないが、10nm〜10μm(10000nm)の範囲であることが好ましい。光触媒反応防止層の膜厚が10nm未満であると、薄すぎて水分などの浸入を防ぐことができない。また、光触媒反応防止層の膜厚の上限は、特に限定されないが、生産性の点から10μmが上限と考えられる。
なお、酸化チタン系導電膜15と光触媒反応防止層16の間には、上述したように、他の透明膜等を配した構成としても良い。特に、酸化チタン系導電膜15の屈折率(屈折率2.6)と、光触媒反応防止層16の屈折率の間の数値の屈折率を有する透明膜を挟むことが、光取り出し効率を向上させる点で好ましい。
例えば、光触媒反応防止層16にSiO(屈折率1.5)、Al(屈折率1.6)を用いる場合、透明膜として、CeO(屈折率2.2)、HfO(屈折率1.9)、MgO(屈折率1.7)、ITO(屈折率1.9)、Nb(屈折率2.3)、Ta(屈折率2.2)、Y(屈折率1.9)、ZnO(屈折率2.1)、ZrO(屈折率2.1)等を使用することができる。
また、酸化チタン系導電膜の光触媒作用は、酸化チタン系導電膜に、鉄、アルミニウム、マグネシウム、ジルコニウム等添加することでも弱めることができるので、これらの元素を添加した上で、上述の光触媒反応防止層を設けた構成としても良い。
但し、上述のような光触媒作用を弱める元素の添加量は、酸化チタン系導電膜の導電性と透過性を著しく損なうことの無い範囲とする必要がある。
「正極及び負極」
正極17は、酸化チタン系導電膜15上に設けられるボンディングパッドであり、図1に示す例では、光触媒反応防止層16によって側面及び上面の周辺部が覆われている。
正極17の材料としては、Au、Al、NiおよびCu等を用いた各種構造が周知であり、これら周知の材料、構造のものを何ら制限無く用いることができる。
正極17の厚さは、100〜10μmの範囲内であることが好ましい。また、ボンディングパッドの特性上、厚さが大きい方が、ボンダビリティーが高くなるため、正極17の厚さは300nm以上とすることがより好ましい。さらに、製造コストの観点から3μm以下とすることが好ましい。
負極18は、図1に示す例のように、基板11上に、n型半導体層12、発光層13およびp型半導体層14が順次積層された窒化ガリウム系化合物半導体の前記n型半導体層12に接するように形成されるボンディングパッドである。
このため、負極18を形成する際は、発光層13およびp型半導体層14の一部を除去してn型半導体層12のnコンタクト層を露出させ、この上に負極18を形成する。
負極18の材料としては、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
[ランプの構成]
本発明の発光素子は、当業者周知の方法を用いてなんら制限無くLEDランプとして構成することができる。
図3は、本発明のランプの一例を模式的に示した断面図であり、このランプ5は、図2に示す本発明のフェイスアップ型の窒化物系半導体からなる発光素子2が砲弾型に実装されたものである。図3において、符号51、52はフレームを示し、符号53、54はワイヤー、符号55はモールドを示している。
ランプ5は、図2に示す本発明の発光素子2を用いて、従来公知の方法により製造することができる。具体的には、例えば、2本のフレーム51、52の内の一方(図3ではフレーム51)に発光素子2を樹脂等で接着し、該発光素子2の正極及び負極(図2に示す符号27、28参照)を、金等の材質からなるワイヤー53、54でそれぞれフレーム51、52に接合した後、透明な樹脂からなるモールド55で発光素子2の周辺をモールドすることにより、図3に示す砲弾型のランプを作成することができる。
なお、本発明のランプは上記の構成には限定されず、例えば、本発明の発光素子と蛍光体を有するカバーとを組み合わせることにより、白色のランプを構成することもできる。
また、本発明のランプは、一般用途の砲弾型、携帯のバックライト用途のサイドビュー型、表示器に用いられるトップビュー型等、何れの用途にも用いることができる。
本発明の発光素子は、電流拡散特性、及び光取り出し効率に優れていることから、発光特性に優れたランプを実現することが可能となる。
次に、本発明の発光素子及びそれを用いたランプを、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
[実験例1]
図2に、本実験例で作製した窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の断面模式図を示すとともに、図5に、その平面模式図を示す。
(窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の作製)
まず、複数の発光素子の基板となる、サファイア製の基板21上に、MOCVD法によりAlNからなる図示略のバッファ層を介して、窒化ガリウム系化合物半導体層を積層した。
窒化ガリウム系化合物半導体層としては、図2に示すように、厚さ8μmのアンドープGaNからなる下地層、厚さ2μmのGeドープn型GaNコンタクト層及び厚さ0.02μmのn型In0.1Ga0.9Nクラッド層がこの順序で積層されたn型半導体層22、厚さ16nmのSiドープGaN障壁層及び厚さ2.5nmのIn0.06Ga0.94N井戸層を5回積層し、最後に障壁層を設けた多重量子井戸構造の発光層23、さらに厚さ0.01μmのMgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層と厚さ0.18μmのMgドープp型Al0.02Ga0.98Nコンタクト層がこの順序で積層されたp型半導体層24からなり、各層をこの順で積層して形成した。光取り出し面は半導体側とした。
上述のようにして得られた窒化ガリウム系化合物半導体層において、n型GaNコンタクト層のキャリア濃度は1×1019cm−3であり、GaN障壁層のSiドープ量は1×1017cm−3であり、p型AlGaNコンタクト層のキャリア濃度は5×1018cm−3であり、p型AlGaNクラッド層のMgドープ量は5×1019cm−3であった。
なお、上記窒化ガリウム系化合物半導体層の積層は、MOCVD法により、当該技術分野においてよく知られた通常の条件で行なった。
そして、この窒化ガリウム系化合物半導体層に、負極28を形成する領域のn型GaNコンタクト層を反応性イオンエッチング法により露出させた。この際、まず、レジストをp型半導体層24の全面に一様に塗布した後、公知のリソグラフィー技術を用いて、負極形成領域からレジストを除去した。そして、真空蒸着装置内にセットして、圧力4×10−4Pa以下で、Ni及びTiをエレクトロンビーム法により膜厚がそれぞれ約50nm及び300nmとなるように積層した。その後、リフトオフ技術により、負極形成領域以外の金属膜をレジストとともに除去した。
次いで、反応性イオンエッチング装置のエッチング室内の電極上に半導体積層基板を載置し、エッチング室を10−4Paに減圧した後、エッチングガスとしてClを供給してn型GaNコンタクト層が露出するまでエッチングした。エッチング後、反応性イオンエッチング装置より取り出し、上記エッチングマスクを硝酸およびフッ酸により除去した。
(酸化チタン系導電膜の形成)
次に、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いて、p型AlGaNコンタクト層表面の正極を形成する領域にのみ、Ti0.95Nb0.05からなる酸化チタン系導電膜を用いて、下記表1に示す条件(膜厚、成膜方法、熱処理条件)で電流拡散層を成膜した。実験例1においては、スパッタ法により、電流拡散層を200nmの膜厚で形成し、熱処理は行わなかった。
そして、上述のようにして形成した電流拡散層の結晶状態を調べ、下記表1に示した。
次いで、上記電流拡散層の上に、Ti0.95Nb0.05からなる酸化チタン系導電膜を用いて、下記表1に示す条件(膜厚、成膜方法、熱処理条件)で光取り出し層を成膜した。実験例1においては、真空蒸着法により、光取り出し層を500nmの膜厚で形成し、熱処理は行なわなかった。
そして、形成した光取り出し層の結晶状態を調べ、下記表1に示した。
(凹凸形状の形成)
次いで、光取り出し層の表面に、公知のウェットエッチング技術を用いて凹凸形状を形成した。
この際、光取り出し層の表面を、フッ酸(濃度50%)と硝酸(濃度70%)とを1:8の比率で混合した混合液を用いて、常温(25℃)で5分間エッチングすることによって凹凸形状を形成し、表1に示す膜厚(エッチング後膜厚)、及び、凹部と凸部との高低差とした。ここで形成された凹凸形状は、凸部の平均直径が0.3μm、凸部の平均高さが0.3μm、凹部と凸部との間の距離の平均値が0.8μmであり、無秩序(ランダム)な凹凸形状であった。
なお、各実験例における、光取り出し層の表面に形成した凹部と凸部との高低差は、測定装置としてAFM(AtomicForce Microscope.:DegitalInstrument社製:米国)を用いて、以下に示す測定条件で測定した。
(a)スキャン幅:10μm
(b)スキャンレート:1Hz
(c)測定回数:256
(d)モード:タッピングモード
(ボンディングパッドの形成)
次に、正極(ボンディングパッド)27および負極(ボンディングパッド)28を、以下のような手順で形成した。
まず、通常、リフトオフと呼ばれる周知の手順に則って処理し、さらに、同様の積層方法により、光取り出し層上の一部に、Auからなる第1の層、Tiからなる第2の層、Alからなる第3の層、Tiからなる第4の層、Auからなる第5の層を順に積層し、5層構造の正極を形成した。ここで、Au/Ti/Al/Ti/Auからなる各層の厚さは、それぞれ、50/20/10/100/500nmとした。
次に、負極を、上述した反応性イオンエッチング法により露出したn型GaNコンタクト層上に、以下の手順により形成した。
まず、レジストを、n型GaNコンタクト層の露出した領域全面に一様に塗布した後、公知のリソグラフィー技術を用いて、露出したn型GaNコンタクト層上の負極形成部分からレジストを除去した。そして、通常用いられる真空蒸着法により、半導体側から順に、Tiが100nm、Auが200nmの厚さとされた負極を形成した。その後、レジストを公知の方法により除去した。
(光触媒反応防止層の形成)
次に、公知のフォトリソグラフィー技術及びリフトオフ技術を用いて、正極、負極の中心部を除いて、Alからなる光触媒反応防止層をCVD法により500nm形成した。図2に示すように、光触媒反応防止層は正極側面、負極側面、および、発光層、n型半導体側面を覆うように成膜した。
(素子の分割)
このようにして、光触媒反応防止層まで形成したウエーハを、基板21裏面を研削・研磨することにより、基板21の板厚を80μmまで薄くして、レーザスクライバを用いて半導体積層側から罫書き線を入れた後、押し割って、350μm角のチップ(発光素子)に切断した。
(素子特性の評価)
上述のようにして得られたチップについて、プローブ針による通電を行い、20mAの印加電流における順方向電圧を測定し、駆動電圧(Vf)を調べ、下記表1に示した。
また、得られたチップをTO−18缶パッケージに実装し、テスターによって印加電流20mAにおける発光出力を計測し、下記表1に示した。
また、得られたチップの発光面の発光分布を調べた。その結果、正極上の全面で発光しているのが確認できた。
また、電流拡散層、及び光取り出し層の成膜を、表1に示す条件で実施した以外は、実験例1と同様にして、実験例2〜17の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子ランプを作製し、同様の評価を行なった。
各実験例の作製条件及び素子特性の一覧を表1に示す。
Figure 0004959203
(評価結果)
表1に示すように、電流拡散層をスパッタにより成膜し、光取り出し層を真空蒸着により成膜した実験例1〜9の発光素子は、印加電流20mAにおける発光出力が、全サンプルにおいて12.4mW以上であり、高い発光出力が得られた。また、実験例1〜9の発光素子は、駆動電圧(Vf)が、全サンプルにおいて3.6V以下と、充分に低い駆動電圧(Vf)であった。
これにより、電流拡散層をスパッタにより成膜し、光取り出し層を真空蒸着により成膜した実験例1〜9の発光素子は、ウェットエッチングによって光取り出し層の表面に凹凸形状を形成した場合でも、電流拡散層に対するダメージがほとんど無いことが確認できた。
これに対し、電流拡散層及び光取り出し層の両方をスパッタで成膜した実験例11の発光素子では、上記条件にて光取り出し層表面のウェットエッチングを行なったものの、凹凸形状の高低差が30nmと、ほとんどエッチングされなかった。
この結果、駆動電圧(Vf)は3.4Vと低く抑えられているものの、発光出力が10.9mWと低いものとなり、電流拡散層の電流拡散作用が機能している一方、光取り出し層の光取り出し作用が充分に機能していないことが明らかとなった。
また、電流拡散層及び光取り出し層の両方を真空蒸着で成膜した実験例12の発光素子では、ウェットエッチングによって多くの電流拡散層が除去されたため、駆動電圧(Vf)が4.3Vと高くなり、また、発光出力が8.7mWと非常に低いものとなり、良好な結果が得られなかった。
これにより、実験例12の発光素子は、電流拡散層及び光取り出し層ともに充分に機能していないことが明らかとなった。
また、光取り出し層に形成された凹凸の高低差が2200nmと、本発明で規定する範囲を超えている実験例17の発光素子では、発光出力が9.6mWと低くなっており、良好な素子特性が得られなかった。
また、電流拡散層を蒸着によって成膜した後、500℃の温度で10分間の熱処理を行なった実験例10の発光素子は、駆動電圧(Vf)が3.3V、発光出力が13.7mWであり、電流拡散層をスパッタで形成した実験例1〜9の発光素子と同様、高い出力が得られた。
また、電流拡散層の膜厚が50nm〜1000nmの範囲とされた実験例1〜10の発光素子では、全てのサンプルのVfが3.6V以下であり、膜厚が30nmと薄く形成された実験例13の発光素子が4.0Vであるのに比べ、低い駆動電圧となっていることが明らかである。
さらに、電流拡散層の膜厚が上記範囲とされた実験例1〜10の発光素子では、全てのサンプルの発光出力が12.4mW以上となり、膜厚が2500nmと非常に厚く形成された実験例14の発光素子が10.7mWであるのに比べ、高い発光出力となっていることが明らかである。
また、光取り出し層のエッチング後の膜厚が50〜1000nmの範囲とされた実験例1〜実験例10の発光素子では、上述したように、発光出力が全て12.4mW以上であり、膜厚が10nmと薄く形成された実験例15の発光素子が11.2mWであるのに比べ、高い発光出力となっていることが明らかである。
さらに、光取り出し層のエッチング後の膜厚が上記範囲とされた実験例1〜10の発光素子では、光取り出し層の光透過率が高いため、エッチング後の膜厚が2400nmと非常に厚く形成された実験例16が10.8mWであるのに比べ、高い発光出力となっていることが明らかである。
以上の結果により、本発明の発光素子が、電流拡散特性、及び光取り出し効率に優れ、高い素子特性を有していることが明らかである。
本発明の発光素子の一例を模式的に説明する図であり、断面構造を示す概略図である。 本発明の発光素子の他例を模式的に説明する図であり、断面構造を示す概略図である。 本発明のランプの一例を模式的に説明する図であり、断面構造を示す概略図である。 本発明の発光素子を模式的に説明する図であり、図2に示す発光素子の部分断面構造の一例を示す概略図である。 本発明の発光素子を模式的に説明する図であり、図2に示す発光素子の平面構造を示す概略図である。
符号の説明
1、2…発光素子、5…ランプ、11、21…基板、12、22…n型半導体層、13、23…発光層、14、24…p型半導体層、15、25…酸化チタン系導電膜、15a、25a…光取り出し層、15b、25b…電流拡散層、16、26…光触媒反応防止層、17…正極、18…負極

Claims (20)

  1. n型半導体層、発光層、p型半導体層、酸化チタン系導電膜層がこの順で積層された発光素子であって、
    前記酸化チタン系導電膜層が、粒状結晶からなる第1層と、該第1層の前記p型半導体層側に配され、柱状結晶からなる第2層とを有してなることを特徴とする発光素子。
  2. 前記第1層の、前記第2層側と反対側の面が凹凸形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記第1層に形成された凹凸形状がエッチングによって形成された凹凸であり、前記第1層は、前記第2層に用いられる材料よりもエッチング速度が速い材料からなることを特徴とする請求項に記載の発光素子。
  4. 前記第1層に形成された凹凸形状が、無秩序に形成された凹部と凸部とからなることを特徴とする請求項又はに記載の発光素子。
  5. 前記凹部と凸部との高低差が35nm〜2000nmであることを特徴とする請求項に記載の発光素子。
  6. 前記酸化チタン系導電膜の第2層が、Tiと、Ta、Nb、V、Mo、W、Sbの群から選択される少なくとも1種類以上の元素とを含む酸化物であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の発光素子。
  7. 前記酸化チタン系導電膜の第2層の膜厚が、35〜2000nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の発光素子。
  8. 前記酸化チタン系導電膜の第1層が、Tiと、Ta、Nb、V、Mo、W、Sbの群から選択される少なくとも1種類以上の元素とを含む酸化物であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の発光素子。
  9. 前記酸化チタン系導電膜の第1層の膜厚が、35〜2000nmの範囲であることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の発光素子。
  10. 発光素子が窒化物系半導体発光素子からなることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載の発光素子。
  11. 前記窒化物系半導体発光素子がGaN系半導体発光素子であることを特徴とする請求項10に記載の発光素子。
  12. n型半導体層、発光層、p型半導体層、酸化チタン系導電膜層をこの順で積層し、前記酸化チタン系導電膜層を、第1層と、該第1層の前記p型半導体層側に配した第2層とから形成してなる発光素子の製造方法であって、
    前記p型半導体層上に、電流拡散層としてなる第2層を形成する工程(1)と、
    次いで、前記第2層上に、光取り出し層としてなる第1層を形成する工程(2)とを備え、
    前記工程(1)において、第2層をスパッタによって形成し、前記工程(2)において、第1層を真空蒸着によって形成することを特徴とする発光素子の製造方法。
  13. n型半導体層、発光層、p型半導体層、酸化チタン系導電膜層をこの順で積層し、前記酸化チタン系導電膜層を、第1層と、該第1層の前記p型半導体層側に配した第2層とから形成してなる発光素子の製造方法であって、
    前記第1層を真空蒸着によって形成し、前記第2層をスパッタによって形成することを特徴とする発光素子の製造方法。
  14. 前記工程(1)において、第2層を、300〜800℃の雰囲気温度下で真空蒸着して形成することを特徴とする請求項12に記載の発光素子の製造方法。
  15. 前記工程(1)において、前記第2層を真空蒸着して形成した後、300〜800℃の温度で熱処理することを特徴とする請求項14に記載の発光素子の製造方法。
  16. 前記第1層の、前記第2層側と反対側の面に凹凸形状を形成する凹凸形成工程を備えたことを特徴とする請求項1215の何れか1項に記載の発光素子の製造方法。
  17. 前記凹凸形成工程は、ウェットエッチングによって凹凸形状を形成することを特徴とする請求項16に記載の発光素子の製造方法。
  18. 前記凹凸形成工程は、エッチング溶液として、フッ酸、リン酸、硫酸、塩酸、フッ酸/硝酸混合液、フッ酸/過酸化水素水混合液、フッ酸/フッ化アンモニウム混合液、珪フッ化水素酸の群から選択される少なくとも1種類以上を用いてウェットエッチングを行なうことを特徴とする請求項17に記載の発光素子の製造方法。
  19. 請求項1〜11の何れか1項に記載の発光素子を備えたことを特徴とするランプ。
  20. 請求項1218の何れかに記載の発光素子の製造方法によって得られる発光素子を備えたことを特徴とするランプ。
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