JP4956862B2 - 高分子化合物およびその製造方法と使用法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主鎖にそったπ共役系を有する新規な高分子化合物とその製造方法に関するものであり、具体的には、有機ELデバイス、有機FET(電界効果トランジスタ)デバイス等の機能性有機デバイス用の材料としての用途が期待できる高分子化合物とその製造方法に関する。また、エレクトロクロミック材料、電池用活物質としての使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、π共役高分子化合物は電気的、光学的機能材料として注目されており、例えば2次電池や有機ELデバイス、あるいは有機FETデバイス等に応用されている。例えば、2次電池には、ポリアニリンやポリチオフェン等が、有機ELデバイスには、ポリパラフェニレンビニレン(PPV)や、ポリパラフェニレン(PPP)等が、有機FETデバイスには、ポリチオフェン等が用いられている。しかしながら、これまでに開発されてきた材料の多くが電子供与性の高分子であるため、デバイスの設計が限られる、等の制約が生じている。例えば、高分子ELデバイスの領域では、現在報告されているデバイスのほとんどが電子供与性材料からなる電子輸送能力に乏しいデバイスであり、電子受容性を有しn型導電体としての特性が期待される高分子材料と組み合わせることでさらなる特性の改善が可能である。また、導電性高分子を用いたFETデバイスの領域では電子供与性のポリチオフェンベースのp型FETデバイスの報告は数多くされているが、電子受容性高分子を用いるFETデバイスはいまだ報告されておらず、電子受容性を持ちn型特性を示す高分子材料の出現が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、有機ELデバイス、有機FETデバイス等の機能性有機デバイスの機能材料としての用途が期待できる、電子受容性を有する新規なπ共役高分子化合物と、その製造方法を提供することにある。また、エレクトロクロミック材料、電池用活物質としての使用法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明によって達成される。
【0005】
(1) 下記式(1)で示される構造を主鎖内に持つ高分子化合物。
【0006】
【化4】
【0007】
[式(1)において、X1およびX2は、ピリジン環を構成する窒素を表す。R1およびR2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、置換基を表す。kは0、1または2である。Yは、5〜7員のヘテロ環を完成させるための原子または原子群を表す。]
(2) 式(1)中のYが、O、S、N=N、またはR11N−CO−NR12(但し、R11およびR12は、各々、同一でも異なるものであってもよく、水素または置換基を表す。)である上記(1)の高分子化合物。
(3) 分子量が、重量平均分子量で1000以上である上記(1)又は(2)の高分子化合物。
(4) 式(2)で示される上記(1)〜(3)のいずれかの高分子化合物。
【0008】
【化5】
【0009】
[式(2)において、X1およびX2は、ピリジン環を構成する窒素を表す。R1およびR2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、置換基を表す。kは0、1または2である。Yは、5〜7員のヘテロ環を完成させるための原子または原子群を表す。nは重合度を表し、5〜1000である。]
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかの高分子化合物を、下記式(3)で示されるジハロゲン化合物を脱ハロゲン化して重合することにより得る高分子化合物の製造方法。
【0010】
【化6】
【0011】
[式(3)において、X1およびX2は、ピリジン環を構成する窒素を表す。R1およびR2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、置換基を表す。kは0、1または2である。Yは、5〜7員のヘテロ環を完成させるための原子または原子群を表す。Z1およびZ2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、ハロゲンを表す。]
(6) 脱ハロゲン化重合が、銅またはゼロ価ニッケル化合物の存在下で行われる上記(5)の高分子化合物の製造方法。
(7) 上記(1)〜(4)のいずれかの高分子化合物を、エレクトロクロミック材料または電池用活物質として使用する高分子化合物の使用法。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明の高分子化合物は、下記式(1)で示される構造を主鎖内に持つ高分子化合物であり、電子受容性を有する新規なπ共役高分子化合物である。
【0014】
【化7】
【0015】
式(1)において、X1およびX2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、ベンゼン環を構成する炭素、またはピリジン環を構成する窒素を表す。R1およびR2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、置換基を表す。kはX1およびX2がベンゼン環を構成するときは0、1、2または3であり、ピリジン環を構成するときは0、1または2である。Yは5〜7員のヘテロ環を完成させるための原子または原子群を表す。
【0016】
式(1)について、さらに説明すると、X1およびX2は、通常、同一であり、電子受容性を発現させる上では、窒素同士の組合せが好ましい。
【0017】
R1、R2で表される置換基は、いずれであってもよく、例えばニトロ基、アミノ基等が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基等であってもよい。kは、ベンゼン環、ピリジン環のいずれの場合も0(すなわち、所定の結合以外に置換基をもたないもの)であることが好ましい。
【0018】
Yで表される原子または原子群としては、好ましくは、O、S、N=N、R11N−CO−NR12、等が挙げられ、特に、O、N=N、R11N−CO−NR12、等が好ましい。ここで、R11およびR12は、各々、同一でも異なるものであってもよく、水素または置換基(例えば、炭素数1〜3のアルキル基)を表し、通常同一であることが好ましく、特に、水素同士の組合せが好ましい。
【0019】
本発明の高分子化合物は、式(1)で示される構造を主鎖内に有するものであれば、その構造に特に制限はなく、式(1)の構成繰り返し単位のほか、電子受容性を阻害しない範囲内で、他の構成繰り返し単位(例えば、ピリジン、ピリミジン、キノリン、ナフチリジンなどから誘導されるもの)を有するものであってもよいが、特に、式(1)で示される構造からなる高分子化合物であることが好ましい。この場合、式(1)の構成繰り返し単位が同一のホモポリマーであってもよく、式(1)の構成繰り返し単位の異なる組合せのコポリマーであってもよいが、合成の容易さや特性上、ホモポリマーであることが好ましい。
【0020】
本発明の高分子化合物の分子量は、重量平均分子量で、1000以上が好ましく、さらには3000〜50000であることが好ましい。このような分子量を持つことで、成型しやすくなり、また成形品の強度が向上する。
【0021】
本発明の高分子化合物は、特に、下記式(2)で示されるものが好ましく、なかでも、ホモポリマーが好ましい。
【0022】
【化8】
【0023】
式(2)において、X1、X2、R1、R2、k、Yは、式(1)中のものと同義のものであり、好ましいものも同様である。nは、重合度であり、5〜1000である。
【0024】
本発明の高分子化合物の好適例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。併せて、重量平均分子量Mwを示す。また、末端基はすべてHである。
【0025】
【化9】
【0026】
このような高分子化合物は、目的とする構造に応じて、下記式(3)で示されるジハロゲン化合物を出発原料とし、これらを脱ハロゲン化するとともに、重合することにより得られる。
【0027】
【化10】
【0028】
式(3)において、X1、X2、R1、R2、k、Yは、式(1)中のものと同義のものである。Z1およびZ2は、各々、同一でも異なるものであってもよく、ハロゲンを表す。
Z1、Z2で表されるハロゲンとしては、Cl、Br、I等が挙げられる。Z1およびZ2は、同一であることが好ましく、Br同士の組合せなどが好ましい。
【0029】
脱ハロゲン化および重合に際しては、脱ハロゲン化能を有する金属または金属化合物を存在させる。本発明に用いる金属または金属化合物としては、多様なものが挙げられる。まず、金属としては、還元性金属または有機ハロゲン化物のC−Cカップリング反応を起こす金属が望ましく、例えば、Li、Na、K等の1族金属、Mg、Ca等の2族金属、Ti、V、Cr、Fe、Co、Ni、Cu等の遷移金属、Zn等の12族金属、Al、Ga等の13族金属、Sn等の14族金属が挙げられる。これらの金属は、必要に応じて、他の金属または金属化合物からなる触媒を用いてもよい(Mgを用いる類似の重合において、ニッケル化合物を触媒とする例が雑誌「高分子」第46巻、68頁(1997年)中の式(1)に記載されている)。また、金属化合物としては、特に制限はないが、還元性金属化合物または有機ハロゲン化物のC−Cカップリング反応を起こさせるものが望ましく、例えばゼロ価ニッケル化合物、ゼロ価パラジウム化合物などが挙げられる。これらのゼロ価金属化合物を用いる場合、こうしたゼロ価金属化合物そのものを用いてもよいし、また2価ニッケル化合物、2価パラジウム化合物等を加え反応系中において亜鉛Znやヒドラジン等の還元剤を用いて発生させてもよい。ゼロ価ニッケル化合物を用いてC−C結合生成を伴う単独重合の形式としては、特願平6−42428号に記載の重合形成を挙げることができる。
【0030】
このようななかでも、銅またはゼロ価ニッケル化合物が好ましく、特に、ゼロ価ニッケル錯体(例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル:Ni(cod)2)の使用が好ましい。
【0031】
また、このような反応は、ジメチルホルムアミド(DMF)等の有機溶媒などを用いて、60℃程度の温度で行えばよい。
【0032】
式(2)の高分子化合物(但し、k=0)を得る場合の反応スキームを以下に示す。
【0033】
【化11】
【0034】
このようにして得られる高分子化合物は、元素分析、赤外吸収スペクトル(IR)等によって同定することができる。また、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)法によって求めたものである。
【0035】
本発明の高分子化合物は、電子受容性化合物であり、有機ELデバイスや有機FETデバイス等の電子受容性をもつ高分子材料としての用途が期待される。また、本発明の高分子化合物のうち、X1=X2=Nのものは、金属に対する高分子キレート剤としての用途も期待できる。
【0036】
また、本発明の高分子化合物は、色の変化を伴う電気化学的還元反応を示すことから、エレクトロクロミック材料として使用することができる。また、酸化還元機能を利用した電池用活物質として使用することもできる。これらの具体的な適用方法や形態については、公知のものに準じる。
【0037】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって、具体的に説明する。
実施例1(合成)
高分子化合物P−2(ポリ(ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン−3,8−ジイル))の合成
高分子化合物P−2の反応スキームを以下に示す。
【0038】
【化12】
【0039】
1)モノマーの合成
1−1)3,3−ジニトロ−2,2’−ビピリジル(2)
2−クロロ−3−ニトロピリジン(1)(10g,63.1mmol)、N,N−ジメチルホルムアミド(30cm3)、および銅ブロンズ粉末(12g)を100℃で2時間、オイルバス中で撹拌した。反応混合物を濾過し、濾過物にアンモニア水を加えた。沈殿物を濾別し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離剤CHCl3)。真空下で蒸発乾固し、薄黄色の目的物の粉末を得た(4.93g,収率64%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−2)ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(3)
3,3’−ジニトロ−2,2’−ビピリジル(2)(0.25g,1.0mmol)を水(7.2cm3)中にNa2S・9H2O(2.2g,9.2mmol)を溶解した溶液を加え、室温で4.5時間撹拌した。この溶液をクロロホルム(100cm3)で2回抽出し、抽出物を水で洗い、乾燥し、蒸発乾固した。明黄色の残渣をエタノールから再結晶し、目的物の明黄色針状結晶を得た(0.16g,収率89%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−3)3,8−ジブロモジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(4)
ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(3)(1.6g,8.6mmol)、濃HBr(70cm3)、およびBr2(41.4g,259mmol)を100℃で12時間撹拌した。室温まで冷却後、沈殿物を濾別し、水とエタノールで洗った。沈殿物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離剤エチルアセテート)。蒸発乾固により、薄黄色の目的物の粉末を得た(2.7g,収率92%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
2)高分子化合物P−2:ポリ(ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン−3,8−ジイル)、PDpyPd(8)
ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.86,3.1mmol)を室温で乾燥DMF(20cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.41g,2.6mmol)と1,5−シクロオクタジエン(1.45cm3、11.8mmol)を加えた。1時間撹拌後、3,8−ジブロモジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(4)(0.41g,1.21mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPDPyPd(0.154g,収率70%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。なお、2,2’−ビピリジンが水和物であることは一般的に知られている。
実測値:C52.23%、H4.19%、N24.37%
計算値:(C10H4N4・2.8H2O)n:C52.08%、H4.20%、N24.30%
IR(KBr法)の結果を、ジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジン(3)および3,8−ジブロモジピリド[3,2-c:2',3'-e]ピリダジンとともに図1に示す。図1からモノマーにおいて1100〜900cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
【0040】
この高分子化合物P−2(PDpyPd)のMwは、DMF溶解部分のGPC分析から求めて、3.0×103であり、固有粘度ηは0.10dLg-1(30℃、ギ酸中)であった。
実施例2(合成)
高分子化合物P−1(ポリ(ベンゾ[c]シンノリン−3,8−ジイル))の合成
高分子化合物P−1の反応スキームを以下に示す。
【0041】
【化13】
【0042】
1)モノマーの合成
1−1)4,4’−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(6)
DMF(100cm3)中の1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼン(5)(12g,43mmol)を銅ブロンズ(8.2g)とともに4時間環流させた。反応混合物を濾過し、濾過物にアンモニア水を加えた。沈殿物を濾別し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(溶離剤CHCl3/ヘキサン=1/1)。真空下で蒸発乾固し、薄黄色の目的物の粉末を得た(3.32g,収率39%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−2)3,8−ジブロモベンゾ[c]シンノリン(7)
4,4−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(6)(1.2g,3.0mmol)、ドライエーテル(50cm3)およびベンゼン(50cm3)を、ドライエーテル(70cm3)とLiAlH4の混合物に加えた。室温で2時間撹拌し、15分間ウォーターバスで温め、その後冷却した。水を加えて、過剰なLiAlH4を分解し、混合物を濾過し、濾液を蒸発させ、残渣をシリカクロマトグラフィーを使用してクロロホルムで分離精製した。真空下で溶媒を蒸発させ、薄黄色の目的物を得た(0.88g,収率88%)。元素分析、IR(KBr法)、1HNMRで同定した。
2)高分子化合物P−1:ポリ(ベンゾ[c]シンノリン−3,8−ジイル)、PBC(9)
ビス(1,5−シクロオキタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.72,2.6mmol)を室温で乾燥DMF(20cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.34g,2.2mmol)と1,5−シクロオクタジエン(1.3cm3、10.2mmol)を加えた。1時間撹拌後、3,8−ジブロモベンゾ[c]シンノリン(7)(0.35g,1.0mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPBC(0.18g,収率約100%)を得た。
元素分析の結果を以下に示す。なお、実測値と計算値に少々差があるのは、このポリマーの熱的安定性が高いためと考えられる。
実測値:C74.78%、H4.63%、N13.79%、Br0.0%
計算値:(C12H6N2・0.85H2O)n:C74.49%、H4.01%、N14.48%
IR(KBr法)の結果を、1,4−ジブロモ−2−ニトロベンゼン(5)、4,4’−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(6)および3,8−ジブロモベンゾ[c]シンノリン(7)とともに図1に示す。図1からモノマーにおいて1100〜900cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
【0043】
この高分子化合物P−2(PDpyPd)のMwは、DMF溶解部分のGPC分析から求めて、1.64×104であった。
実施例3(測定)
実施例1、2で得られた高分子化合物P−2(PDpyPd)、P−1(PBC)について、種々の溶媒に対する溶解性(25℃)を調べた結果を表1に示す。表1より、PDpyPdは、DMF、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリジノン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジン(DMI)のような極性有機溶媒に対しては一部溶解し、ギ酸、硫酸のような酸性溶媒に対しては良好な溶解性を示すことがわかった。これに対し、PBCは、N数が少ないためか、PDpyPdに比べて、有機溶媒、酸性溶媒のいずれに対しても溶解性が劣った。なお、表中のTHFはテトラヒドロフランである。
【0044】
【表1】
【0045】
実施例4(測定)
実施例1、2で得られた高分子化合物P−2(PDpyPd)、P−1(PBC)について、可視紫外吸収スペクトル(UV−vis)、ホトルミネッセンス(PL)のスペクトルの測定を行った。
【0046】
PDpyPdについては、DMF、HCOOH中で可視紫外吸収スペクトルを測定し、この結果を図3および表2に示した。PLは、DMF中で測定し、励起スペクトル(図中、Excitationで示す)と発光スペクトル(図中、Emissionで示す)について図5に示し、表2にλmaxを示した。
【0047】
PBCについては、DMSO、HCOOH中で可視紫外吸収スペクトルを測定し、この結果を図4および表2に示した。PLはDMSO中で測定し、励起スペクトルと発光スペクトルについて図6に示し、表2に発光のλmaxを示した。
【0048】
なお、比較のため、ポリ(1,10−フェナントロリン−3,8−ジル)、PPhenのデータと、ポリ(ジヒドロフェナントロリン−2,7−ジイル)、PH2Phのデータを表2に併記した。
【0049】
【表2】
【0050】
可視紫外吸収スペクトルについて考察すると、PBC、PH2Phについては、ビフェニル単位中にオルト水素が存在するために、立体障害が存在すると考えられ、ポリマー鎖にそって広がるπ−共役系の形成が阻害されると考えられる。このような現象は、ギ酸中のPDpyPD、PPhenがプロトン化されるため、同様に生じると考えられる。これに対し、DMSO、DMF中では、PDpyPdは、このような立体障害が存在しないと考えられ、事実、こうした有機溶媒中では吸収ピークが長波長側に移行している。
【0051】
PLについては、PDpyPdは、PBCに比べて、発光のλmaxが長波長側にある。吸収スペクトルの吸収端およびPL(λmax)から、それぞれ、計算したバンドギャップを表2に示したが、PDpyPdのバンドギャップが他に比べて0.5eV程度小さいことがわかる。
【0052】
実施例5(測定)
実施例1、2で得られた高分子化合物P−2(PDpyPd)、P−1(PBC)のサイクリック ボルタンメトリー(CV)の測定を行った。[NEt4][BF4]のCH3CN溶液(0.1mol/L)中で行い、白金プレート上のキャストフィルムを測定試料とした。結果を図7に示す。図中a)は、掃引速度が50mVs-1であり、b)、c)は100mVs-1であり、スキャニングは、a)は2.3〜−2.1V(vs.Ag+/Ag)、b)、c)は0〜−2.5V(vs.Ag+/Ag)の範囲で行った。なお、a)に示すように、電位変化に伴い、暗茶色(dark brown)から茶色(brown)の色の変化がみられた。
【0053】
図7c)より、PBCフィルムは、可逆的な酸化還元サイクルを示し、還元ピーク(Epc)、酸化ピーク(Epa)は、それぞれ、−2.02V、−1.82V(vs.Ag+/Ag)であり、これらのピークはPBCのn−ドーピングとn−脱ドーピングに対応している。一方、PDpyPdフィルムは、0〜−2.5V(vs.Ag+/Ag)のスキャニングで、n−ドーピング、n−脱ドーピングに対応するピークを1.38V、0.82V(vs.Ag+/Ag)にもつことがわかる。これらの結果から、PDpyPdはPPhen(後記表3のEpc参照)、PBCに比べて、繰り返し構成単位に2個余分にイミン窒素をもつことに起因して、より還元されやすいことがわかる。一方、PDpyPdについて−2.1〜+2.3Vの範囲で測定したCVでは、3段階の還元ピーク(−0.1V、−0.6V、−1.3Vvs.Ag+/Ag)がみられるが、−0.1Vと−0.6Vのピークは、1.9Vの酸化ピークとカップリングしており、1.9V付近のp−ドープPDpyPdのp−脱ドーピングピークに帰属されるものであることがわかった。
【0054】
以上のデータも含めて、PDpyPd、PBC、PPhen、およびPBCの原料となるモノマーであるBC、PDpyPdの原料となるモノマーであるDpyPdのCVデータを表3にまとめる。E1 0は還元電位である。
【0055】
【表3】
【0056】
実施例6(合成)
高分子化合物P−3(ポリ(ジピリド[3,2-b:2',3'-d]フラン−3,7−ジイル))の合成
高分子化合物P−3の反応スキームを以下に示す。
【0057】
【化14】
【0058】
1)モノマーの合成
1−1)3,3’−ジアミノ−5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン(2)
5,5−ジブロモ−3,3’−ジニトロ−2,2’−ビピリジン(1)(4.60g,11.4mmol)を、SnCl2・2H2O(24.5g,106mmol)の濃HCl(40cm3)溶液に加え、60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却し、20%NaOH水溶液でアルカリ化し、クロロホルムで抽出した。抽出物を水洗し、MgSO4で乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤クロロホルム)で精製した。溶媒留去後、黄色の目的物の粉末が得られた(3.88g,収率99%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−2)3,7−ジブロモジピリド[3,2-b:2',3'-d]フラン(3)
3,3’−ジアミノ−5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン(2)(0.52g,1.5mmol)を80%ギ酸(2cm3)に溶解し、これに、0〜5℃で、濃硫酸(1.5cm3)のNaNO2(0.15g,12.2mmol)溶液を滴下した。この混合物をガス放出がなくなるまで、50〜60℃で撹拌し、その後、さらに90℃で10分間撹拌した。20%NaOH水溶液でアルカリ化し、クロロホルムで抽出し、無水MgSO4で乾燥した。溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離剤クロロホルム)で精製した。溶媒を留去すると、黄色の目的物の粉末が得られた(0.12g,収率25%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
2)高分子化合物P−3(ポリ(ジピリド[3,2-b:2',3'-d]フラン−3,7−ジイル))、PDpyFu(4)
ビス(1,5−シクロオキタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.25,0.91mmol)を室温で乾燥DMF(20cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.12g,0.77mmol)と1,5−シクロオクタジエン(0.43cm3、350mmol)を加えた。10分撹拌後、3,7−ジブロモジピリド[3,2-b:2',3'-d]フラン(3)(0.114g,0.35mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA(EDTA・2K+・2H2O)水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPDpyFu(0.44g,収率75%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。なお、2,2’−ビピリジンが水和物であることは一般的に知られている。
実測値:C64.11%、H3.49%、N15.14%、O14.20%
計算値:(C10H4N2O・0.95H2O)n:C64.25%、H3.18%、N14.99%、O16.69%
IR(KBr法)の結果を、3,7−ジブロモジピリド[3,2-b:2',3'-d]フランとともに図8に示す。図8からモノマーにおいて1074cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
【0059】
この高分子化合物P−3(PDpyFu)のMwは、DMF溶解部分のGPC分析から求めて、2.9×103であった。
【0060】
実施例7(測定)
実施例6で得られた高分子化合物P−3(PDpyFu)について、種々の溶媒に対する溶解性(25℃)を調べた。この結果を表4に示す。
【0061】
【表4】
【0062】
PDpyFuは、DMF、DMSO、NMPのような極性有機溶媒に対しては一部溶解し、ギ酸、硫酸のような酸性溶媒に対しては可溶であることがわかった。
【0063】
実施例8(測定)
実施例6で得られた高分子化合物P−3(PDpyFu)について、可視紫外吸収スペクトル(UV−vis)、ホトルミネッセンス(PL)のスペクトルの測定を行った。
【0064】
PDpyFuについては、DMF、HCOOH中で可視紫外吸収スペクトルを測定し、この結果を図9および表5に示した。PLは、DMF中で測定し、励起スペクトル(図中、Excitationで示す)と発光スペクトル(図中、Emissionで示す)について図10に示し、表5にλmaxを示した。なお、表5には、比較のため、PDpyFuのモノマー原料であるDpyFuと、ポリ(ピリジン−2,5−ジイル)Ppyおよびポリ(2,2’−ビピリジン−5,5’−ジイル)PBpyの可視紫外吸収スペクトルの結果を併記する。
【0065】
【表5】
【0066】
PDpyFuの可視紫外吸収スペクトルのλmaxはDMF中よりギ酸の方が長波長側となっている。ギ酸中のλmaxは、PpyやPBpyよりも長波長側にある。これは縮合フラン環によりπ−共役系が広がったためと考えられる。
【0067】
また、DMF中では、PDpyFuの原料となるモノマーDpyFuよりは、PDpyFuの方が、π−共役系の形成により、λmaxが40〜80nm長波長側に移行し、フィルム状では、有機溶媒中よりも長波長側となる。
【0068】
PLについては、DMF中のPLピークは400nmであり、0.85に至る高量子収率(吸光度0.01)の青色発光が得られる。濃硫酸中のPDpyFuは0.42のかなりの量子収率(吸光度0.05)を示す。
【0069】
実施例9(測定)
実施例6で得られた高分子化合物P−3(PDdyFu)のサイクリック ボルタンメトリー(CV)の測定を行った。[NEt4][BF4]のCH3CN溶液(0.10mol/L)中で行い、白金プレート上のキャストフィルムを測定試料とした。掃引速度は100mVs-1である。結果を図11に示す。
【0070】
図11a)に示されるように、PDpyFuフィルムは、−1.5Vと−2.2Vに還元ピークをもち、−2.0Vと−1.8V(vs.Ag+/Ag)に酸化ピークをもつ酸化還元サイクルを有する。なお、0.0〜−2.4Vのスキャニングとした。還元ピークは、PDpyFuのn−ドーピング(ドーピングレベル0.4V、0.2V)およびn−脱ドーピングに対応している。第1サイクルのドーピングレベルは0.6Vであるが、第2サイクルよりも0.2〜0.3V小さくなっている。また、図11a)に示されるように、0.0〜+2.0Vの酸化領域では、酸化ピークが1.3Vと1.6Vに存在するが、第2サイクルでは消失している。図11c)では、+2.0〜−2.4V(vs.Ag+/Ag)のスキャニングを行っているが、−2.2Vにある第2のn−ドーピングピークとその脱ドーピングピークは小さくなっている。一方、−1.5Vの第1のn−ドーピングピークは−1.9Vと−1.6Vに分離しており、これは+0.5、+1.4Vの広い酸化ピークに関係していると考えられる。
【0071】
実施例10(合成)
高分子化合物P−4(ポリ(ジベンゾ[2,1-d:1',2'-f]ジアゼピン−6−オン−3,9−ジイル))の合成
高分子化合物P−4の反応スキームを以下に示す。なお、次の実施例11の高分子化合物P−5のものも併せて示す。
【0072】
【化15】
【0073】
1)モノマーの合成
1−1)4,4’−ジブロモ−2,2’−ジニトロフェニル(2a)
実施例2の1−1)と同様にして合成した。
1−2)2,2’−ジアミノ−ジブロモビフェニル(3a)
4,4’−ジブロモ−2,2’−ジニトロビフェニル(2a)(2.8g,7.0mmol)を、SnCl2・2H2O(15g,6.5mmol)の濃HCl(30cm3)溶液に加えた。この混合物を60℃で2時間撹拌した。室温まで冷却した後、混合物を20%NaOH水溶液でアルカリ化し、クロロホルムで抽出した。抽出物を水洗し、MgSO4で乾燥した(溶融剤クロロホルム)。溶媒留去の後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。溶媒留去により青味がかった黄色の目的物の粉末が得た(2.1g,収率87%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
1−3)3,7−ジブロモジベンゾ[2,1-d:1',2'-f]ジアゼピン−6−オン(4a)
2,2’−ジアミノ−4,4’−ジブロモビフェニル(3a)(0.51g,1.5mmol)と尿素(0.30g,5.0mmol)をDMF(15cm3)に加え、12時間還流した。この混合物を冷却し、水(10cm3)で希釈した。沈殿物を濾過し、水洗し、真空下で乾燥すると、白色の目的物の粉末が得られた(0.52g,収率95%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
2)高分子化合物P−4:ポリ(ジベンゾ[2,1-d:1',2'-f]ジアゼピン−6−オン−3,9−ジイル)、PDBDAz(5a)
ビス(1,5−シクロオキタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.93g,3.4mmol)を室温で乾燥DMF(40cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.47g,3.0mmol)と1,5−シクロオクタジエン(1.7cm3、14mmol)を加えた。10分間撹拌後、3,9−ジブロモジベンゾジアゼピン−6−オン(4a)(0.50g,1.4mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA(EDT・2K+・2H2O)水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPDBDAz(0.26g,収率91%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。
実測値:C72.58%、H4.97%、N12.73%、O9.16%
計算値:(C13H8N2O・0.41H2O)n:C72.42%、H4.12%、N12.99%、O10.46%
IR(KBr法)の結果を、3,9−ジブロモジベンゾジアゼピン−6−オンとともに図12に示す。図12からモノマーにおいて1100〜900cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
【0074】
この高分子化合物P−4(PDBDAz)のMwは、DMF溶解部分のGPC分析からピーク面積で4:6の2型の曲線が得られ、これに対応して4.14×103および2.66×103と求められた。
【0075】
実施例11(合成)
高分子化合物P−5:ポリ(ジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−6−オン−3,9−ジイル)の合成
反応スキームは前述のとおりである。
1)モノマーの合成
1−1)3,3’−ジアミノ−5,5’−ジブロモ−2,2’−ビピリジン(3b)
実施例6の1−1)と同様にして合成した。
1−2)3,9−ジブロモジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−6−オン(4b)
5,5’−ジブロモ−3,3’−ジアミノ−2,2’−ビピリジン(3b)(0.18g,0.52mmol)と尿素(0.22g,3.7mmol)をDMF(5cm3)に加え、12時間還流した。この混合物を冷却し、水(10cm3)で希釈した。沈殿物を濾過し、水洗し、真空下で乾燥すると、明茶色の目的物の粉末が得られた(0.19g,収率100%)。同定は、元素分析、IR(KBr法)、1HNMRにより行った。
2)高分子化合物P−2(ポリ(ジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−3,9−ジイル))、PDpyDAz(5b)
ビス(1,5−シクロオキタジエン)ニッケル(0)、Ni(cod)2(0.28,1.0mmol)を室温で乾燥DMF(15cm3)中に加えて溶液とし、これに、2,2’−ビピリジル(0.14g,0.9mmol)と1,5−シクロオクタジエン(0.51cm3、4.1mmol)を加えた。10分間撹拌後、3,9−ジブロモジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−6−オン(4b)(0.15g,0.41mmol)を反応系に加えた。その混合物を60〜70℃で48時間反応させた。室温まで冷却後、混合物をアンモニア水(500cm3)に加え、1晩撹拌した。濾別した粉末を温EDTA(EDTA・2K+・2H2O)水溶液、温水、希アンモニア水、メタノールで洗い、100℃で15時間真空乾燥し、目的物のPDPyDAz(0.025g,収率30%)を得た。元素分析の結果を以下に示す。なお、2,2’−ビピリジンが水和物であることは一般的に知られている。
実測値:C56.42%、H3.95%、N23.56%、O17.05%
計算値:(C11H6N4O・1.4H2O)n:C56.12%、H3.77%、N23.80%、O16.31%
IR(KBr法)の結果を、3,9−ジブロモジピリド[3,2-d:2',3'-f]ジアゼピン−6−オンとともに図13に示す。図13からモノマーにおいて1100〜900cm-1付近のν(C−Br)のシャープなピークがポリマー化により消失していることがわかる。
【0076】
この高分子化合物P−5(PDpyDAz)のMwは、DMF溶解部分のGPC分析から求めて、2.9×103であった。
【0077】
実施例12(測定)
実施例10、11で得られた高分子化合物P−4(PDBDAz)、P−5(PDpyDAz)について、種々の溶媒に対する溶解性(25℃)を調べた。この結果を表6に示す。
【0078】
【表6】
【0079】
表6から明らかなように、極性有機溶媒(DMF、DMSO、NMP、DMI)、酸性溶媒(ギ酸、硫酸)のいずれに対しても一部溶解する程度であるが、PDpyDAzは、2個のイミン窒素に起因して、極性有機溶媒、酸性溶媒のいずれに対しても良好な溶解性を示す。
【0080】
実施例13(測定)
実施例10、11で得られた高分子化合物P−4(PDBDAz)、P−5(PDpyDAz)について、可視紫外吸収スペクトル(UV−vis)、ホトルミネッセンス(PL)のスペクトルの測定を行った。
【0081】
PDBDAzについては、DMF、HCOOH中で可視紫外吸収スペクトルを測定し、この結果を図14および表7に示した。PLは、DMF中で測定し、励起スペクトル(図中、Excitationで示す)と発光スペクトル(図中、Emissionで示す)について図17に示した。
【0082】
PDpyDAzについては、DMSO、HCOOH中あるいはフィルム(Film)状で可視紫外吸収スペクトルを測定し、この結果を図15および表7に示した。PLはDMF中で測定し、励起スペクトルと発光スペクトルについて図18に示した。
【0083】
なお、比較のため、PDBDAzの原料となるモノマーのDBrDBDAz、PDpyDAzの原料となるモノマーのDBrDpyAzの可視紫外吸収スペクトルのλmaxを表7に併記した。
【0084】
【表7】
【0085】
可視紫外吸収スペクトルについて述べる。PDBDAzでは、DMF中よりHCOOH中の方がλmaxが短波長側になっているのに対し、PDpyDAzではHCOOH中の方がλmaxが長波長側になっている。このような傾向は各モノマーにおいても同様である。これは、PDpyDAzでは、2個のイミン窒素と尿素単位が単一系に存在するため、HCOOH中では、図16に示されるように、有機溶媒中と同様のAタイプの水素結合に加えて、イミン窒素の水素化による新たな分子間水素結合が生成し、ポリマー鎖の平面性が増して、π−共役系が拡大するためと考えられる。したがって、対応するモノマーの溶媒の違いによる長波長化よりも大きくなっている。また、ポリ(ピリジン−2,5−ジイル)やポリ(2,2’−ビピリジン−5,5’−ジイル)のように、尿素単位を持たない高分子化合物ではHCCO中の長波長化はみられない。また、フィルムでの測定も、有機溶媒と比べて、長波長化はさほどでもない。
【0086】
PLについては、PDBDAzのPLピークは455nm、PDpyDAzのPLピークは480nmであり、量子収率は、PDBDAzが0.51、PDpyDAzが0.34であった。
【0087】
実施例14(測定)
実施例1、2で得られた高分子化合物P−4(PDBDAz)、P−5(PDpyDAz)のサイクリック ボルタンメトリー(CV)の測定を行った。[NEt4][BF4]のCH3CN溶液(0.1mol/L)中で行い、白金プレート上のキャストフィルムを測定試料とした。掃引速度は100mVs-1である。結果を各々図19、20に示す。
【0088】
まず、図19a)に示されるように、PDBDAzフィルムは0.0〜−2.0V(vs.Ag+/Ag)の範囲でスキャンさせたとき、還元ピークを−1.4V、酸化ピークを−1.1Vに持つ可逆的な酸化還元サイクルを示し、各ピークはPDBDAzのn−ドーピングとn−脱ドーピングに各々対応する。第1のサイクルのドーピングレベルは1.0Vであるが、第2のサイクルでは0.5〜0.6Vに減少する。
【0089】
図19b)に示されるように、0V〜+1.5Vの酸化側では、酸化ピークは0.4Vと1.2Vに存在し、おそらく、各々、アミン窒素とPPP(ポリパラフェニレン)骨格によると考えられる。第2のサイクルからは、これらのピークはほとんど消失する。
【0090】
図19c)に示されるように、+1.5〜−2.0Vの範囲でスキャンすると、図19a)と同位置の0.5〜0.6Vのドーピングレベルとともに、n−ドーピングとn−脱ドーピングに対応する可逆的酸化還元ピークがみられる。しかしながら、1.2Vの酸化ピークは依然として不可逆的である。
【0091】
また、図20a)に示されるように、PDpyDAzフィルムは0.0〜−1.7V(vs.Ag+/Ag)の範囲でスキャンさせたとき、還元ピークを−1.4V、酸化ピークを−1.1Vに持つ可逆的な酸化還元サイクルを示し、各ピークはPDpyDAzのn−ドーピングとn−脱ドーピングに各々対応する。第1のサイクルのドーピングレベルは0.4Vであるが、第2のサイクルでは0.2〜0.3Vに減少する。
【0092】
図20b)に示されるように、0V〜+1.0Vの酸化側では、酸化ピークは0.4Vと1.2Vに存在し、おそらく、各々、アミン窒素とポリピリジン骨格によると考えられる。第2のサイクルからは、これらのピークはほとんど消失する。
【0093】
図20c)に示されるように、+1.0〜−1.7Vの範囲でスキャンすると、図20b)と同位置の0.4Vと0.1Vにアミノ基による酸化ピークとそのドーピングピークがみられた。n−ドーピングとn−脱ドーピングに対応するピークは、各々、−1.1Vと+0.1Vのピークを与えるように正方向に移行している。
【0094】
実施例15(酸化還元特性)
実施例1、2、6、10、11で合成した高分子化合物(ポリマー)も含めて、以下の高分子化合物の酸化還元特性を比較した。
【0095】
【化16】
【0096】
既述のものも含めて、上記ポリマーとその原料となるモノマーのE1 0(還元電位)とEpc、Epaを表8に示す。ポリマーは、前述のとおり、フィルム状で、モノマーは溶液としてサイクリックボルタンメトリー(CV)から求めたものである。
【0097】
【表8】
【0098】
還元ピーク(n−ドーピング)と酸化ピーク(n−脱ドーピング)の電位の平均値はE1 0と考えられる。
【0099】
MOPAC(パラメーターAM1)によるLUMO(最低空軌道)のエネルギーレベルの計算値である繰り返し構成単位(モノマー単位)のEA(電子親和力)を表9に示す。MOPAC計算はCACheシステムを使用して行った。
【0100】
【表9】
【0101】
図21に、類似の3種のポリマーについて、モノマー単位のEAに対するポリマーのE1 0の関係を示す。図21から、E1 0とEAとに直線関係があることがわかる(E1 0=ρ1・EA+a1、ρ1=2.37、a1=−4.11V)。
【0102】
図22に、図21と同様のポリマーについて、モノマー単位のE1 0に対するポリマーのE1 0の関係を示す。図22から、直線関係を示すことがわかり、E1 0(ポリマー)=ρ2・E1 0(モノマー)+a2、ρ2=2.07、a2=2.19V)の関係を示す。この結果から、還元能力はモノマー単位の電子受容能力に依存することがわかる。しかし、このほかのポリマーでは、構造上の違いによるためか、直線性は示さなかった。
【0103】
次に、表10に示すポリマーとモノマー単位のIP(イオン化ポテンシャル)をUPS(紫外分光法)の測定から求めた。この値を表10に示す。
【0104】
【表10】
【0105】
図23に、ポリマーIP(IPP)のモノマー単位に対するIP(IPM)の関係を示したが、直線関係を示すことがわかる(IPP=ρ3・IPM+a3、ρ3=2.299、a3=−6.77V)。
【0106】
表10のポリマーのIPは、HOMO(最高被占軌道)に対応するものである。一方、可視紫外吸収スペクトルの吸収端およびホトルミネッセンスのλmaxはバンドギャップに対応している。ポリマーのバンド構造は、HOMOエネルギーレベルと可視紫外吸収スペクトルの吸収端から計算されたバンドギャップから得られる。ポリマーのEA、IP、吸収端から計算したバンドギャップを表11に示す。また、バンド構造を図24に示す。
【0107】
【表11】
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、電子受容性の新規なπ共役高分子化合物が得られる。これらは、有機ELデバイスや有機FETデバイス等の高分子機能材料としての用途が期待できる。また、エレクトロクロミック材料や電池用活物質として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子化合物とその原料モノマーのIRスペクトル図である。
【図2】本発明の高分子化合物とその原料モノマーのIRスペクトル図である。
【図3】本発明の高分子化合物の可視紫外吸収スペクトル図である。
【図4】本発明の高分子化合物の可視紫外吸収スペクトル図である。
【図5】本発明の高分子化合物のホトルミネッセンスのスペクトル図である。
【図6】本発明の高分子化合物のホトルミネッセンスのスペクトル図である。
【図7】本発明の高分子化合物のサイクリックボルタンメトリー図である。
【図8】本発明の高分子化合物とその原料モノマーのIRスペクトル図である。
【図9】本発明の高分子化合物の可視紫外吸収スペクトル図である。
【図10】本発明の高分子化合物のホトルミネッセンスのスペクトル図である。
【図11】本発明の高分子化合物のサイクリックボルタンメトリー図である。
【図12】本発明の高分子化合物とその原料モノマーのIRスペクトル図である。
【図13】本発明の高分子化合物とその原料モノマーのIRスペクトル図である。
【図14】本発明の高分子化合物の可視紫外吸収スペクトル図である。
【図15】本発明の高分子化合物の可視紫外吸収スペクトル図である。
【図16】本発明の高分子化合物の水素結合の様子を示す模式図である。
【図17】本発明の高分子化合物のホトルミネッセンスのスペクトル図である。
【図18】本発明の高分子化合物のホトルミネッセンスのスペクトル図である。
【図19】本発明の高分子化合物のサイクリックボルタンメトリー図である。
【図20】本発明の高分子化合物のサイクリックボルタンメトリー図である。
【図21】ポリマーのE1 0に対するモノマー単位のEAの関係を示すグラフである。
【図22】ポリマーのE1 0に対するモノマー単位のE1 0の関係を示すグラフである。
【図23】ポリマーのIPに対するモノマー単位のIPの関係を示すグラフである。
【図24】ポリマーのエネルギーバンド構造を示す模式図である。
Claims (7)
- 式(1)中のYが、O、S、N=N、またはR11N−CO−NR12(但し、R11およびR12は、各々、同一でも異なるものであってもよく、水素または置換基を表す。)である請求項1の高分子化合物。
- 分子量が、重量平均分子量で1000以上である請求項1又は2の高分子化合物。
- 脱ハロゲン化重合が、銅またはゼロ価ニッケル化合物の存在下で行われる請求項5の高分子化合物の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかの高分子化合物を、エレクトロクロミック材料または電池用活物質として使用する高分子化合物の使用法。
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