JP4953943B2 - モードロックレーザ装置 - Google Patents

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本発明は、モードロックレーザ装置に関する。より詳細には、利得媒質により形成された光増幅ファイバを含む共振器を備えたモードロックレーザ装置に関する。
高速光計測、高速通信等の技術分野においては、非常に短いパルス幅を有するパルスレーザの応用が試みられており、このような用途で用いられる光パルスを発生する方法のひとつとしてモードロックレーザがある。下記の非特許文献1には、リング型共振器を含み、光ファイバにより形成されたモードロックレーザ装置の構造が記載される。モードロックレーザにおいては、発振したレーザに含まれる多数の縦モード相互の位相を一定に保つことにより、縦モードを規則正しく干渉させてパルス幅の短い繰り返し光パルスを発生させる。
また、下記の特許文献2および特許文献3には、リング型の共振器を有するモードロックレーザ装置において、リング型共振器の一部に光路長調整器を設けて帰還制御することが記載される。これにより、発生する光パルスの繰り返し周波数等を安定させることが記載される。
上記のようなモードロックレーザ装置において共振器を形成する環状の光ファイバには、過飽和吸収体などのモードロッカー、アイソレータ、光フィルタ、光分波器、光合波器、さらに環境変動に対して安定に動作させるためにファラデー回転素子、偏波制御素子等の複数の光素子が挿入される。このため、光ファイバにより形成された共振器の共振器長を短縮することは難しい。
一方、下記の非特許文献2、3に記載の如く、安定なモードロック発振を得る目的で、環境温度変動に対して共振器内の偏波が変動しないように、すべての素子を偏波保持型の光学素子を用いる構造、あるいは、下記の特許文献4に記載の如く、ファラデー回転素子を挿入し偏波の変動を補償する構成も提案されている。この場合、偏波保持型のエルビウムドープ光ファイバは、通常のエルビウムドープファイバと比較して高価であるなどの問題がある。
特開2002−094155号公報 特開2000−183430号公報 K.Tamura et al. "77−fs pulse generating from a structured−pulse mode−locked all−fiber ring laser", OPTICS LETTERS Vol.18, No.13, July 1, 1993, pp.1080−1082 C.Nielsen et.al., "Self−starting self−similar all−polarization maintaining Yb−doped fiber laser," Optics Express, Vol.13, No, 23, pp.9346−9351(2005) C.Krogh et.al., "All−fiber mode−locked fiber laser", Optics Letters, Vol. 32, No. 11, pp.1474−1476 (2007) M.E.Ferman et.al., "Environmentally stable Kerr−type mode−locked erbium fiber laser producing 360−fs pulses", Optics Letters, Vol. 19, No. 1, pp.43−45 (1994)
上記のようなモードロックレーザにおいて、繰返し周波数を決定する数mから数十mにおよぶ共振器長に対して光路長調整器で変化させることができる光路長はμm単位に過ぎない。このため、光路長調整器を用いてモードロックレーザの繰り返し周波数を安定化できる範囲は通常数百Hzと比較的狭い。
また、通常モードロックレーザ装置は環境温度変動、振動等に対して極めて敏感であることから、堅牢なケースに封入して、ペルチェ効果素子等により温度を高精度に安定化し、光路長調整器の制御範囲内になるように制御する。しかしながら、環境温度が短時間で大きく変化した場合、ケースの熱容量が大きいことから温度による制御は応答が遅く、急激な環境温度変動に追従して筐体の温度を一定に保つ制御を行うことは難しい。このため、ピエゾ素子を用いた光路長調整器の制御範囲を超え、位相同期回路により光パルスの繰返し周波数の安定化を行うことは困難である。
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の第1の形態として、第1ポートに入射した光を第2ポートから出射させ、第2ポートに入射した光を第3ポートから出射させ、第4ポートに入射した光を第1ポートから出射させる4ポート光サーキュレータと、励起光により励起されることにより第3ポートから出射された光を増幅して、第1ポートに入射させる第1光増幅ファイバと、第1光増幅ファイバを伝播する光の強度を周波数基準に基づいて変調させる光変調器と、第4ポートに入射させる励起光を発生する励起光源と、第2ポートに一端を結合された中継光ファイバと、中継光ファイバの他端に結合され、第2ポートから出射された光のうち予め定められた波長の光を反射して第2ポートへ再び入射させる半透明鏡と、半透明鏡を透過して出射される光パルスを外部に案内する出射ポートと、中継光ファイバの光路長を変化させるアクチュエータと、出射ポートから光パルスの一部を分岐させる光分岐器と、光分岐器により分岐された光パルスの繰り返し周波数を電気信号に変換する光電気変換器と、電気信号を所定の基準周波数と比較して差分を検出する位相比較器と、位相比較器が検出する差分が低減されるようにアクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生器とを備え、基準周波数に同期した繰り返し周波数を有する光パルスを発生するモードロックレーザ装置が提供される。
また、本発明の第2の形態として、第1ポートに入射した光を第2ポートから出射させ、第2ポートに入射した光を第3ポートから出射させ、第4ポートに入射した光を第1ポートから出射させる4ポート光サーキュレータと、励起光により励起されることにより第3ポートから出射された光を増幅して、第1ポートに入射させる第1光増幅ファイバと、第4ポートに入射させる励起光を発生する励起光源と、第2ポートに一端を結合された中継光ファイバと、中継光ファイバの他端に結合され、第2ポートから出射された光のうち、予め定められた基準強度より強い光を反射して第2ポートへ再び入射させる可飽和吸収鏡と、過飽和吸収鏡を透過して出射される光パルスを外部に案内する出射ポートと、中継光ファイバの光路長を変化させるアクチュエータと、出射ポートから光パルスの一部を分岐させる光分岐器と、光分岐器により分岐された光パルスの繰り返し周波数を電気信号に変換する光電気変換器と、電気信号を所定の基準周波数と比較して差分を検出する位相比較器と、位相比較器が検出する差分が低減されるようにアクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生器とを備え、基準周波数に同期した繰り返し周波数を有する光パルスを発生するモードロックレーザ装置が提供される。
更に、本発明の第3の形態として、第1ポートに入射した光を第2ポートから出射させ、第2ポートに入射した光を第3ポートから出射させる3ポート光サーキュレータと、励起光により励起されることにより第3ポートから出射された光を増幅して、第1ポートに入射させる第1光増幅ファイバと、第1光増幅ファイバを伝播する光の強度を周波数基準に基づいて変調させる光変調器と、第2ポートに一端を結合された中継光ファイバと、中継光ファイバの他端に結合され、第2ポートから出射された光のうち予め定められた波長の光を反射して第2ポートへ再び入射させる反射型光フィルタと、反射型光フィルタを透過して出射される光パルスを外部に案内する出射ポートと、第2ポートを介して第1光増幅ファイバに入射される励起光を発生する励起光源と、中継光ファイバの光路長を変化させるアクチュエータと、出射ポートから光パルスの一部を分岐させる光分岐器と、光分岐器により分岐された光パルスの繰り返し周波数を電気信号に変換する光電気変換器と、電気信号を基準周波数と比較して差分を検出する位相比較器と、位相比較器が検出する差分が低減されるようにアクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生器とを備え、基準周波数に同期した繰り返し周波数を有する光パルスを発生するモードロックレーザ装置が提供される。
また更に、本発明の第4の形態として、第1ポートに入射した光を第2ポートから出射させ、第2ポートに入射した光を第3ポートから出射させる3ポート光サーキュレータと、励起光を注入されて伝播光を増幅する利得媒体により形成され、第3ポートから出射された光を第1ポートに入射させる第1光増幅ファイバと、第1光増幅ファイバを伝播する光の強度または位相を周波数基準に基づいて変調させる光変調器と、第2ポートに一端を結合された中継光ファイバと、中継光ファイバの他端に結合され、第2ポートから出射された光のうち、予め定められた基準強度より強い光を反射して第2ポートへ再び入射させる可飽和吸収鏡と、可飽和吸収鏡を透過して出射される光パルスを外部に案内する出射ポートと、第2ポートを介して第1光増幅ファイバに入射される励起光を発生する励起光源と、中継光ファイバの光路長を変化させるアクチュエータと、出射ポートから光パルスの一部を分岐させる光分岐器と、光分岐器により分岐された光パルスの繰り返し周波数を電気信号に変換する光電気変換器と、電気信号を基準周波数と比較して差分を検出する位相比較器と、位相比較器が検出する差分が低減されるようにアクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生器とを備え、基準周波数に同期した繰り返し周波数を有する光パルスを発生するモードロックレーザ装置が提供される。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。
以下、実施の形態を通じて発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決に必須であるとは限らない。
図1は、ひとつの実施形態に係るモードロックレーザ装置100の構造を示す。同図に示すように、このモードロックレーザ装置100は、4ポート光サーキュレータ110、第1光増幅ファイバ120、励起光源130、中継光ファイバ140、反射型光フィルタ150、出射ポート160、光変調器170および光分岐器210を含む光信号系と、周波数基準180、光電気変換器220、位相比較器230、ループフィルタ240、ピエゾドライバ250およびアクチュエータ260を含む電気信号系とを備える。
4ポート光サーキュレータ110は、それぞれが光の入出射ポートである第1ポート111および第2ポート112と、出射ポートである第3ポート113と、入射ポートである第4ポート114とを備える。第1ポート111に入射された光は、第2ポート112から出射される。第2ポート112に入射された光は、第3ポート113から出射される。第4ポート114から入射された光は第1ポート111から出射される。
また、第1ポート111は、第1光増幅ファイバ120を介して第3ポート113に結合される。第2ポート112には、中継光ファイバ140が結合される。第4ポート114には、励起光源130が結合される。これにより、中継光ファイバ140から第2ポート112に注入された光は、第3ポート113、第1光増幅ファイバ120および第1ポート111を経由して、再び第2ポート112へ出射される。また、第4ポート114から注入された励起光は、第1ポート111から第1光増幅ファイバ120に注入される。第1光増幅ファイバ120を経由して第3ポート113に到達した励起光は、第3ポート113において終端され、それ以上は伝播しない。
第1光増幅ファイバ120は、励起光の存在下で励起される励起成分を添加され、励起光を注入されて伝播光の光強度を増幅する。更に好ましくは、第1光増幅ファイバ120は、励起成分と、この励起成分の濃度消光を抑制する抑制成分とを共に添加された共添加光ファイバにより形成される。
具体的には、抑制成分としてのF(弗素)、Yb(イットリビウム)またはBi(ビスマス)等を添加されたホストガラスに対して、励起成分としてのEr(エルビウム)、Nb(ニオブ)等を高濃度に添加した光ファイバを例示できる。このような共添加光ファイバは、石英ガラスファイバにEr等の希土類を単独で添加した場合に比較して、濃度消光を生じることなく、10倍以上の濃度まで励起成分を添加できる。
これは、換言すれば、光増幅器としての第1光増幅ファイバ120の長さを1/10にしても同等の利得が得られることを意味する。これにより、例えば、第1光増幅ファイバ120の長さを1m以下にして、モードロックレーザ装置100を大幅に小型化でき、熱容量の小さなパッケージに挿入することが可能となるり、環境温度変動に十分追従可能な温度制御が可能となる。
また、第1光ファイバの長さが1/10になることにより、環境温度変動に対する共振器内を周回する光パルスの偏波の変動を1/10程度とすることが可能となる。これにより、環境温度変動に対するモードロック動作も10倍安定となる。
励起光源130は、第1光増幅ファイバ120に含まれる励起成分を励起する特定波長の光を発生する。励起光源130としては、半導体レーザを例示できるが、これに限定されるわけではない。
更に、第1光増幅ファイバ120には光変調器170が挿入される。光変調器170は、周波数基準180に同期して伝播光の強度または位相を変調する光学素子により形成され、第1光増幅ファイバ120を伝播する光を変調する。光変調器170としては、分極反転構造を有するニオブ酸リチウムにより形成された光導波路を例示できるが、これに限定されるわけではない。
一方、4ポート光サーキュレータ110の第2ポート112には、中継光ファイバ140を介して、反射型光フィルタ150、光分岐器210および出射ポート160が順次結合される。また、中継光ファイバ140には、中継光ファイバ140における伝播光の光路長を物理的に変化させるアクチュエータ260が装着される。
アクチュエータ260は、例えば、中継光ファイバ140に対して物理的に結合された圧電材料を用いて形成できる。また、多段に設けることにより調整範囲を拡大することもできる。一方、反射型光フィルタ150は、予め定められた特定波長帯域の光を反射する。このような反射型光フィルタ150は、例えば、光ファイバにその長手方向に周期的な屈折率分布を形成したファイバブラッググレーティングにより形成できる。また、同様の機能を有する反射型光フィルタ150は、誘電体多層膜によっても形成できるが、これらに限定されるわけではない。
以上のように形成された光信号系においては、第1光増幅ファイバ120および中継光ファイバ140を含み、反射型光フィルタ150を両端とするリング型光共振器が形成される。反射型光フィルタ150は特定波長の光を選択的に反射して、それが第1光増幅ファイバ120において増幅されるので、リング型共振器においてはレーザ発振が生じる。
更に、第1光増幅ファイバ120においては、周波数基準180の発振周波数に同期して光変調器170が伝播光を変調する。ここで、変調周波数をレーザの縦モード間隔の整数倍に等しくすることにより一定間隔の光波成分が誘起され、隣接モードが等間隔で同相の発振に引き込まれる。こうして、モード同期が確立され、数ps〜数10psのパルス幅を有する光パルスが発生する。その一部は、反射型光フィルタ150を透過して光分岐器210および出射ポート160を介して外部に出射される。
ここで、出射ポート160を伝播する光パルスは、光分岐器210においてその一部が分岐され、光電気変換器220に入射される。光電気変換器220は、入射された光パルスの繰り返し周波数に応じて変化する電気信号を発生する。この電気信号は位相比較器230において周波数基準180に対して位相比較される。
位相比較器230は、電気信号および基準周波数の差分に対応する位相差信号を出力する。位相差信号は、積分回路とローパスフィルタを組み合わせて形成されたループフィルタ240において直流信号に変換される。この直流信号は、ピエゾドライバ250において直流電圧に変換され、アクチュエータ260に印加される。
アクチュエータ260は印加電圧に応じて伸縮する。これにより、物理的に結合された中継光ファイバ140を、その長さ方向に伸縮させる。中継光ファイバ140は、光信号系におけるリング型共振器の一部をなすので、アクチュエータ260の動作に応じてリング型共振器の共振器長が変化する。
更に、反射型光フィルタ150により反射された伝播光は、リング型光共振器を一巡する毎に中継光ファイバ140を2回通過する。これにより、アクチュエータ260による共振器長の調整効果が2倍になる。これら一連の電気信号系の動作により、光信号系に対する位相同期回路が形成され、光信号系において発生する光パルスの繰り返し周波数を安定化させることができる。
上記のようなモードロックレーザ装置100において、リング型共振器を形成する第1光増幅ファイバ120には光変調器170が挿入されているに過ぎないので、共振器長を短くすることができる。これにより、レーザ発振閾値が低くなると共に、リング型共振器内における光損失を低減できる。
また、第1光増幅ファイバ120として高濃度に励起成分を添加された光ファイバを用いることによりリング型共振器における利得を大きくして、共振器長を一段と短縮できる。
更に、電気信号系を含めて形成された位相同期回路による帰還制御で光パルスの繰り返し周波数を安定化させることができる。この場合も、高濃度光ファイバを用いることによる共振器長の短縮効果が有利に作用する。即ち、共振器全体の長さを短縮することにより、アクチュエータ260による光路長の変化率が共振器長に対して相対的に大きくなるので、アクチュエータによる繰り返し周波数の調整範囲が拡大される。従って、広範囲な変動に対して繰り返し周波数を安定させることができる。
なお、4ポート光サーキュレータ110、第1光増幅ファイバ120、反射型光フィルタ150、光分岐器210等のループ型共振器を形成する部材は、少なくともその一部が偏波保持機能を有することが望ましい。これにより、第1光増幅ファイバ120にアイソレータ等の光素子を挿入することなく、単一の偏波モードで発振する光パルスが発生する。従って、モードロックレーザ装置100全体の寸法を縮小することができる。また、光パルスの出力強度も安定する。
更に、例えば4ポート光サーキュレータ110に偏光子により偏波選択性をもたせることにより、他の光素子および光ファイバには、偏波保持型ではないものを用いることができる。これにより、共振器内の光パルスの偏波状態をファイバの屈曲することで変化することが可能とり、1/2波長板、1/4波長板、偏光子を含む偏波制御素子を共振器内に挿入しなくてもよいので、モードロックレーザ装置100を小型でローコストに形成できる。このように、モードロックレーザ装置100は、ローコスト且つコンパクトな構造でありながら出力する光パルスの強度および繰り返し周波数が安定する。
ただし、前記したように、濃度消光を抑制する抑制成分を含む共添加光ファイバを用いた場合は、リング型光共振器の共振器長を1桁短くすることができる。温度変化に起因する伝播光の偏波の回転は光路長に比例するので、共添加光ファイバを用いた場合は偏波の回転も1/10になる。これにより、リング型光共振器を形成する部材の偏波保持機能を省略できるので、モードロックレーザ装置100の構造を一段と簡素化できる。
例えば、長さ10mの紫外線硬化性樹脂被覆光ファイバは、1°Cの温度変化に対して100μm程度の割合で長さが伸縮する。従って、長さ10mの光ファイバを含むリング型光共振器を有するモードロックレーザ装置の場合、発生する光パルスの繰り返し周波数は1°Cの温度変動に対して500Hz程も変化する。
一方、アクチュエータ260を成形する圧電材料は、例えば、100Vの印加電圧に対して数10μm程度しか長さが変化しない。従って、温度変化が生じた場合にアクチュエータ260を用いて光パルスの繰り返し周波数を安定化させ得る範囲は狭い。
これに対して、図1に示したモードロックレーザ装置100の構造で、第1光増幅ファイバ120を長さ1mの共添加光ファイバで形成した場合、リング型光共振器の温度変化1°C当たりの共振器長の変化は10μm程度になる。従って、圧電材料を用いたアクチュエータ260を用いて、広い温度範囲で繰り返し周波数を安定化できる。
図7は、共振器長を2.5mとして図1に示した構造で形成されたモードロックレーザ装置100を、アクチュエータ260を動作させることなく約1時間にわたって稼働させた場合の光パルスの繰り返し周波数の変化を測定した結果を示すグラフである。同図に示すように、このモードロックレーザ装置100は共振器長が短いので、温度変化1°C当たりの繰り返し周波数の変動は50Hz程度であった。この程度の変動は、既に説明した通り、アクチュエータ260を動作させて安定化することができる。
図2は、他の実施形態に係るモードロックレーザ装置101の構成を示す。なお、同図において、図1と共通の構成要素には共通の参照番号を付して重複する説明を省く。
同図に示すように、このモードロックレーザ装置101も、4ポート光サーキュレータ110、第1光増幅ファイバ120、励起光源130、中継光ファイバ140、可飽和吸収鏡190、光分岐器210および出射ポート160を含む光信号系と、周波数基準180、光電気変換器220、位相比較器230、ループフィルタ240、ピエゾドライバ250およびアクチュエータ260を含む電気信号系とを備える。
ただし、図1に示したモードロックレーザ装置100と比較すると、4ポート光サーキュレータ110の第1ポート111および第3ポート113を結合する第1光増幅ファイバ120から光変調器170が取り除かれている。また、図1に示したモードロックレーザ装置100において、中継光ファイバ140に結合されていた反射型光フィルタ150に換えて、可飽和吸収鏡190が結合される。モードロックレーザ装置100に対しては、この2点が異なり、その余の構造は等しい。
なお、可飽和吸収鏡190は、入射した光を反射し、その反射時において入射光の強度に応じて光の吸収率が変化する。具体的には、可飽和吸収鏡190は、入射光の強度が大きいほど吸収率が低くなる。すなわち、可飽和吸収鏡190は、いわゆる可飽和吸収特性を有する。更に、可飽和吸収鏡190は、発振により入射光の強度が一定の値を超えると、その超えた強度の波長の光を透過する。
一方、リング型共振器内においては、同期が成立していない多モード発振状態においても、モード間干渉による光強度分布が生じる。従って、リング型共振器端において光波が周回する場合に、強度の高い成分が一層強く増幅され、やがてモード同期が確立される。このとき、共振器内の分散を最適化することよりフェムト秒オーダの半値幅の光パルスを発生することができる。こうして、出射ポート160から光パルスが出射される。可飽和吸収鏡190としては、化合物半導体によるMQW(Multi−Quantum Well)構造によるもの、あるいはカーボンナノチューブ層等を用いたものが例示できるが、これらに限定されるわけではない。
一方、モードロックレーザ装置101において、周波数基準180、光電気変換器220、位相比較器230、ループフィルタ240、ピエゾドライバ250およびアクチュエータ260を含む電気信号系の構造と動作は、図1に示したモードロックレーザ装置100と同様になる。従って、このモードロックレーザ装置101も、出射ポート160から繰り返し周波数の安定した光パルスを出力する。
以上のような受動型のモードロックレーザ装置101は、リング型光共振器を形成する第1光増幅ファイバ120に一切の挿入物がない。従って、共振器長を一層短縮できる。これにより、レーザ発振閾値が低くなると共に、リング型共振器内における光損失を低減できる。
また、第1光増幅ファイバ120として高濃度に励起成分を添加された光ファイバを用いることによりリング型共振器における利得を大きくして、共振器長を一段と短縮できる。
更に、電気信号系を含めて形成された位相同期回路による帰還制御で光パルスの繰り返し周波数を安定化させることができる。この場合も、高濃度光ファイバを用いることによる共振器長の短縮効果が有利に作用する。即ち、共振器長を短縮することにより、アクチュエータ260による光路長の変化率が共振器長に対して相対的に大きくなるので、アクチュエータによる繰り返し周波数の調整範囲が拡大される。従って、広範囲な変動に対して繰り返し周波数を安定させることができる。
なお、このモードロックレーザ装置101においても、4ポート光サーキュレータ110、第1光増幅ファイバ120、光分岐器210等の共振器を構成する部材は、少なくともその一部が偏波保持機能を有することが望ましい。これにより、第1光増幅ファイバ120にアイソレータ等の光素子を挿入することなく、単一の偏波モードで発振する光パルスが発生する。従って、モードロックレーザ装置101全体の寸法を縮小することができる。また、光パルスの出力強度も安定する。
更に、例えば4ポート光サーキュレータ110に偏波選択性をもたせることにより、他の光素子および光ファイバには偏波保持型ではないものを用いることができる。これにより、モードロックレーザ装置100をローコストに形成できる。このように、モードロックレーザ装置100は、ローコスト且つコンパクトな構造であり、共振器内を周回する光パルスの偏波状態の環境温度変化による変動を低減でき安定なモードロック発振が可能となり、出力する光パルスの強度および繰り返し周波数が安定する。
一方、前記したように、濃度消光を抑制する抑制成分を含む共添加光ファイバを用いた場合は、リング型光共振器を形成する部材の偏波保持機能を省略できる。これにより、モードロックレーザ装置101の構造を一段と簡素化できる。
図3は、他の実施形態に係るモードロックレーザ装置200の構造を示す。同図に示すように、このモードロックレーザ装置200は、3ポート光サーキュレータ310、第1光増幅ファイバ120、励起光源130、中継光ファイバ140、反射型光フィルタ150、WDMカプラ320および光変調器170を含む光信号系と、周波数基準180、光電気変換器220、位相比較器230、ループフィルタ240、ピエゾドライバ250およびアクチュエータ260を含む電気信号系とを備える。
3ポート光サーキュレータ310は、光の入射ポートである第1ポート311、入出射ポートである第2ポート312および出射ポートである第3ポート313を備える。第1ポート311に入射された光は、第2ポート312から出射される。第2ポート312に入射された光は第3ポート313から出射される。
また、第1ポート311は、第1光増幅ファイバ120を介して第3ポート313に結合される。第2ポート312には、中継光ファイバ140が結合される。これにより、中継光ファイバ140から第2ポート312に注入された光は、第3ポート313、第1光増幅ファイバ120および第1ポート311を経由して、再び第2ポート312へ出射される。
第1光増幅ファイバ120は、励起光を注入された場合に伝播光を増幅する励起成分と、この励起成分の濃度消光を抑制する抑制成分とを共に添加された共添加光ファイバにより形成される。より具体的には、抑制成分としてのF(弗素)、Yb(イットリビウム)またはBi(ビスマス)等を添加されたホストガラスに対して、励起成分としてのEr(エルビウム)、Nb(ニオブ)等を高濃度に添加した光ファイバである。このような材料で形成された第1光増幅ファイバ120は、励起光により励起成分が励起されて、伝播光の光強度を増幅する光増幅器として作用する。
更に、第1光増幅ファイバ120には光変調器170が挿入される。光変調器170は、周波数基準180に同期して伝播光の強度または位相を変調する光学素子により形成され、第1光増幅ファイバ120を伝播する光を変調する。光変調器170としては、分極反転構造を有するニオブ酸リチウムにより形成された光導波路を例示できるが、これに限定されるわけではない。
一方、3ポート光サーキュレータ310の第2ポート312には、中継光ファイバ140を介して、反射型光フィルタ150およびWDMカプラ320が順次結合される。更に、WDMカプラ320の他端には、出射ポート160および励起光源130が並列に結合される。ここで、励起光源130は、WDMカプラ320、反射型光フィルタ150および3ポート光サーキュレータ310を介して第1光増幅ファイバ120に供給される励起光を発生する。励起光源130としては、半導体レーザを例示できるが、これに限定されるわけではない。一方、中継光ファイバ140から反射型光フィルタ150を透過して出射された光は、出射ポート160に伝播される。
また、中継光ファイバ140には、中継光ファイバ140における伝播光の光路長を物理的に変化させるアクチュエータ260が装着される。アクチュエータ260は、例えば、中継光ファイバ140に対して物理的に結合された圧電材料を用いて形成できる。一方、反射型光フィルタ150は、予め定められた特定波長帯域の光を反射する。このような反射型光フィルタ150は、例えば、光ファイバにその長手方向に周期的な屈折率分布を形成したファイバブラッググレーティングにより形成できる。また、同様の機能を有する反射型光フィルタ150は、誘電体多層膜によっても形成できるが、これらに限定されるわけではない。
以上のように形成された光信号系においては、第1光増幅ファイバ120および中継光ファイバ140を含み、反射型光フィルタ150を両端とするリング型光共振器が形成される。反射型光フィルタ150は特定波長の光を選択的に反射して、それが第1光増幅ファイバ120において増幅されるので、リング型共振器においてはレーザ発振が生じる。
更に、第1光増幅ファイバ120においては、周波数基準180の発振周波数に同期して光変調器170が伝播光を変調する。ここで、変調周波数をレーザの縦モード間隔の整数倍に等しくすることにより一定間隔の光波成分が誘起され、隣接モードが等間隔で同相の発振に引き込まれる。こうして、モード同期が確立され、数ps〜数10psのパルス幅を有する光パルスが発生する。その一部は、反射型光フィルタ150を透過してWDMカプラ320および出射ポート160を介して外部に出射される。
また、光パルスの一部は、光カプラ322で分岐されて光電気変換器220に入射される。光電気変換器220は、入射された光パルスの繰り返し周波数に応じて変化する電気信号を発生する。この電気信号は位相比較器230において周波数基準180に対して位相比較される。
位相比較器230は、電気信号および基準周波数の差分に対応する位相差信号を出力する。位相差信号は、積分回路とローパスフィルタを組み合わせて形成されたループフィルタ240において直流信号に変換される。この直流信号は、ピエゾドライバ250において直流電圧に変換され、アクチュエータ260に印加される。
アクチュエータ260は、印加電圧に応じて伸縮する。これにより、物理的に結合された中継光ファイバ140を、その長さ方向に伸縮させる。中継光ファイバ140は、光信号系におけるリング型共振器の一部をなすので、アクチュエータ260の動作に応じてリング型共振器の共振器長が変化する。これら一連の電気信号系の動作により、光信号系に対する位相同期回路が形成され、光信号系において発生する光パルスの繰り返し周波数を安定化させることができる。
上記のようなモードロックレーザ装置200において、リング型共振器を形成する第1光増幅ファイバ120には単一の光変調器170が挿入されているに過ぎないので、共振器長を短くすることができる。これにより、レーザ発振閾値が低くなると共に、リング型共振器内における光損失を低減できる。
また、第1光増幅ファイバ120として高濃度に励起成分を添加された光ファイバを用いることによりリング型共振器における利得を大きくして、共振器長を一段と短縮できる。
更に、電気信号系を含めて形成された位相同期回路による帰還制御で光パルスの繰り返し周波数を安定化させることができる。この場合も、高濃度光ファイバを用いることによる共振器長の短縮効果が有利に作用する。即ち、共振器全体の長さを短縮することにより、アクチュエータ260による光路長の変化率が共振器長に対して相対的に大きくなるので、アクチュエータによる繰り返し周波数の調整範囲が拡大される。従って、広範囲な変動に対して繰り返し周波数を安定させることができる。
なお、3ポート光サーキュレータ310、第1光増幅ファイバ120、反射型光フィルタ150、WDMカプラ320等の共振器を構成する部材は、少なくともその一部が偏波保持機能を有することが望ましい。これにより、第1光増幅ファイバ120にアイソレータ等の光素子を挿入することなく、単一の偏波モードで発振する光パルスが発生する。従って、モードロックレーザ装置100全体の寸法を縮小することができる。また、光パルスの出力強度も安定する。
更に、例えば3ポート光サーキュレータ310に偏波選択性をもたせることにより、他の光素子および光ファイバには、偏波保持型ではないものを用いることができる。これにより、モードロックレーザ装置100をローコストに形成できる。このように、モードロックレーザ装置100は、ローコスト且つコンパクトな構造であり、共振器内を周回する光パルスの環境温度変動による偏波状態の変化を小さくでき、安定なモードロック発振が可能となり、出力する光パルスの強度および繰り返し周波数が安定する。
一方、前記したように、濃度消光を抑制する抑制成分を含む共添加光ファイバを用いた場合は、リング型光共振器を形成する部材の偏波保持機能を省略できる。これにより、モードロックレーザ装置200の構造を一段と簡素化できる。
図4は、図3に示したモードロックレーザ装置200の変形例であるモードロックレーザ装置201の構造を示す図である。同図に示すように、なお、図3と共通の構成要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
同図に示すように、モードロックレーザ装置201の全体的な構造は図3に示したモードロックレーザ装置200と共通であり、異なる点は、中継光ファイバ140が、励起成分を添加された光増幅機能を有する中継光ファイバ142に換えられている点にある。中継光ファイバ142は、反射型光フィルタ150に対して第1光増幅ファイバ120に近い側に位置するので、リング型共振器に含まれる。
また、WDMカプラ320を介して励起光源130から注入された励起光は、中継光ファイバ142も伝播する。従って、励起成分を添加されて第2光増幅ファイバとして機能する中継光ファイバ142も、伝播光の増幅に寄与する。これにより、リング型光共振器における利得が大きくなるので、共振器長を一層短縮できる。
図5は、図3に示したモードロックレーザ装置200の他の変形例であるモードロックレーザ装置202の構造を示す。なお、図3および図4と共通の構成要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省く。
同図に示すように、モードロックレーザ装置202においては、中継光ファイバ142に加えて、反射型光フィルタ152も光増幅機能を有する。即ち、反射型光フィルタ152は、光ファイバその長手方向に周期的な屈折率分布を形成したファイバブラッググレーティングにより形成され、更に、その光ファイバが励起成分を添加された光増幅機能を有する材料により形成される。また、WDMカプラ320を介して励起光源130から注入された励起光は、反射型光フィルタ152も伝播する。従って、反射型光フィルタ152において伝播光が反射される位置から3ポート光サーキュレータ310に近い側は、伝播光の増幅に寄与する。これにより、リング型共振器全体が光増幅機能を有することになるので、その共振器長を一層短縮できる。
なお、図4および図5に示したモードロックレーザ装置201、202において、中継光ファイバ142および反射型光フィルタ152は、抑制成分としてのF(弗素)、Yb(イットリビウム)またはBi(ビスマス)等を添加されたホストガラスに対して、励起成分としてのEr(エルビウム)、Nb(ニオブ)等を高濃度に添加した光ファイバにより形成できる。これにより、共振器長を一層短縮できる。
図6は、他の実施形態に係るモードロックレーザ装置203の構造を示す。同図に示すように、このモードロックレーザ装置203も、3ポート光サーキュレータ310、第1光増幅ファイバ120、励起光源130、中継光ファイバ140、可飽和吸収鏡190、光分岐器210および出射ポート160を含む光信号系と、周波数基準180、光電気変換器220、位相比較器230、ループフィルタ240、ピエゾドライバ250およびアクチュエータ260を含む電気信号系とを備える。
ただし、図3に示したモードロックレーザ装置200と比較すると、3ポート光サーキュレータ310の第1ポート311および第3ポート313を結合する第1光増幅ファイバ120から光変調器170が取り除かれている。また、図3に示したモードロックレーザ装置200において、中継光ファイバ140に結合されていた反射型光フィルタ150に換えて、可飽和吸収鏡190が結合される。モードロックレーザ装置200に対しては、この2点が異なり、その余の構造は等しい。
既に説明した通り、可飽和吸収鏡190は、入射した光を反射し、その反射時において入射光の強度に応じて光の吸収率が変化する。具体的には、可飽和吸収鏡190は、入射光の強度が大きいほど吸収率が低くなる。すなわち、可飽和吸収鏡190は、いわゆる可飽和吸収特性を有する。更に、可飽和吸収鏡190は、発振により入射光の強度が一定の値を超えると、その超えた強度の波長の光を透過する。一方、リング型共振器内においては、同期が成立していない多モード発振状態においても、モード間干渉による光強度分布が生じる。従って、リング型共振器端において光波が循環する場合に、強度の高い成分が一層強く増幅され、やがてモード同期が確立される。こうして、出射ポート160から光パルスが出射される。
一方、モードロックレーザ装置203において、周波数基準180、光電気変換器220、位相比較器230、ループフィルタ240、ピエゾドライバ250およびアクチュエータ260を含む電気信号系の構造と動作は、図3に示したモードロックレーザ装置200と同様である。従って、このモードロックレーザ装置203も、出射ポート160から繰り返し周波数の安定した光パルスを出力する。
以上のような受動型のモードロックレーザ装置203は、リング型光共振器を形成する第1光増幅ファイバ120に一切の挿入物がない。従って、共振器長を一層短縮できる。これにより、レーザ発振閾値が低くなると共に、リング型共振器内における光損失を低減できる。
また、第1光増幅ファイバ120として高濃度に励起成分を添加された光ファイバを用いることによりリング型共振器における利得を大きくして、共振器長を一段と短縮できる。
更に、電気信号系を含めて形成された位相同期回路による帰還制御で光パルスの繰り返し周波数を安定化させることができる。この場合も、高濃度光ファイバを用いることによる共振器長の短縮効果が有利に作用する。即ち、共振器長を短縮することにより、アクチュエータ260による光路長の変化率が共振器長に対して相対的に大きくなるので、アクチュエータによる繰り返し周波数の調整範囲が拡大される。従って、広範囲な変動に対して繰り返し周波数を安定させることができる。
なお、このモードロックレーザ装置203においても、3ポート光サーキュレータ310、第1光増幅ファイバ120、光分岐器210等の共振器を構成する部材は、少なくともその一部が偏波保持機能を有することが望ましい。これにより、第1光増幅ファイバ120にアイソレータ等の光素子を挿入することなく、単一の偏波モードで発振する光パルスが発生する。従って、モードロックレーザ装置203全体の寸法を縮小することができることから、共振器内を周回する光パルスの偏波の変動を低減でき安定なモードロック発振が可能となり、光パルスの出力強度も安定する。
更に、例えば3ポート光サーキュレータ310に偏波選択性をもたせることにより、他の光素子および光ファイバには偏波保持型ではないものを用いることができる。これにより、モードロックレーザ装置203をローコストに形成できる。このように、モードロックレーザ装置203は、ローコスト且つコンパクトな構造でありながら、共振器内を周回する光パルスの偏波の変動を低減でき安定なモードロック発振が可能となり、出力する光パルスの強度および繰り返し周波数が安定する。
一方、前記したように、濃度消光を抑制する抑制成分を含む共添加光ファイバを用いた場合は、リング型光共振器を形成する部材の偏波保持機能を省略できる。これにより、モードロックレーザ装置202の構造を一段と簡素化できる。
また、図6に示したモードロックレーザ装置203においても、励起光が伝播する中継光ファイバ140の一部または全部を、希土類元素等を添加した第2光増幅ファイバにより形成してもよい。中継光ファイバ140はリング型共振器に含まれるので、共振器における利得を大きくしてリング型共振器の共振器長を一層短縮することができる。
また更に、第2光増幅ファイバとして、励起光を注入されて伝播光を増幅する励起成分と、この励起成分の濃度消光を抑制する抑制成分とを共に添加された共添加光ファイバにより形成してもよい。より具体的には、抑制成分としてのF(弗素)、Yb(イットリビウム)またはBi(ビスマス)等を添加されたホストガラスに対して、励起成分としてのEr(エルビウム)、Nb(ニオブ)等を高濃度に添加した光ファイバを用いることができる。このような材料で形成された第2光増幅ファイバは、それ自体の利得が大きいので、共振器長を更に短縮できる。
ここまでに説明したように、モードロックレーザ装置100、101、200、201、202、203は、第1光増幅ファイバに光素子を挿入することなくリング型光共振器を形成できるので、リング型共振器における損失を低減できると共に、共振器長を短縮できる。従って、共振器内を周回する光パルスの偏波の変動を低減でき安定なモードロック発振が可能となり、光パルスを安定化させることができる。また、光路長調整器を用いて、広範囲にわたって光パルスを安定化できるので、光パルスの繰り返し周波数を一層安定化できる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。また、上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者には明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
実施形態に係るモードロックレーザ装置100の構造を示す図である。 他の実施形態に係るモードロックレーザ装置101の構造を示す図である。 他の実施形態に係るモードロックレーザ装置200の構造を示す図である。 他の実施形態に係るモードロックレーザ装置201の構造を示す図である。 他の実施形態に係るモードロックレーザ装置202の構造を示す図である。 他の実施形態に係るモードロックレーザ装置203の構造を示す図である。 モードロックレーザ装置100を稼働させた場合に生じる光パルスの繰り返し周波数の変化を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
100、101、200、201、202、203 モードロックレーザ装置、
100、101、200、201、202 モードロックレーザ装置、
110 4ポート光サーキュレータ、
111、311 第1ポート、
112、312 第2ポート、
113、313 第3ポート、
114 第4ポート、
120 第1光増幅ファイバ、
130 励起光源、
140、142 中継光ファイバ、
150、152 反射型光フィルタ、
160 出射ポート、
170 光変調器
180 周波数基準、
190 可飽和吸収鏡、
210 光分岐器
220 光電気変換器、
230 位相比較器、
240 ループフィルタ、
250 ピエゾドライバ、
260 アクチュエータ、
310 3ポート光サーキュレータ、
320 WDMカプラ、
322 光カプラ、

Claims (11)

  1. 第1ポートに入射した光を第2ポートから出射させ、前記第2ポートに入射した光を第3ポートから出射させ、第4ポートに入射した光を前記第1ポートから出射させる4ポート光サーキュレータと、
    励起光により励起されることにより前記第3ポートから出射された光を増幅して、前記第1ポートに入射させる第1光増幅ファイバと、
    前記第1光増幅ファイバを伝播する光の強度を周波数基準に基づいて変調させる光変調器と、
    前記第4ポートに入射させる励起光を発生する励起光源と、
    前記第2ポートに一端を結合された中継光ファイバと、
    前記中継光ファイバの他端に結合され、前記第2ポートから出射された光のうち予め定められた波長の光を反射して前記第2ポートへ再び入射させる半透明鏡と、
    前記半透明鏡を透過して出射される光パルスを外部に案内する出射ポートと、
    前記中継光ファイバの光路長を変化させるアクチュエータと、
    前記出射ポートから前記光パルスの一部を分岐させる光分岐器と、
    前記光分岐器により分岐された光パルスの繰り返し周波数を電気信号に変換する光電気変換器と、
    前記電気信号を所定の基準周波数と比較して差分を検出する位相比較器と、
    前記位相比較器が検出する差分が低減されるように前記アクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生器と
    を備え、前記基準周波数に同期した繰り返し周波数を有する光パルスを発生するモードロックレーザ装置。
  2. 前記第1光増幅ファイバは、励起光を注入されて伝播光を増幅する励起成分と、前記励起成分の濃度消光を抑制する抑制成分とを共に添加された共添加光ファイバである請求項1に記載のモードロックレーザ装置。
  3. 第1ポートに入射した光を第2ポートから出射させ、前記第2ポートに入射した光を第3ポートから出射させ、第4ポートに入射した光を前記第1ポートから出射させる4ポート光サーキュレータと、
    励起光により励起されることにより前記第3ポートから出射された光を増幅して、前記第1ポートに入射させる第1光増幅ファイバと、
    前記第4ポートに入射させる励起光を発生する励起光源と、
    前記第2ポートに一端を結合された中継光ファイバと、
    前記中継光ファイバの他端に結合され、前記第2ポートから出射された光のうち、予め定められた基準強度より強い光を反射して前記第2ポートへ再び入射させる可飽和吸収鏡と、
    前記可飽和吸収鏡を透過して出射される光パルスを外部に案内する出射ポートと、
    前記中継光ファイバの光路長を変化させるアクチュエータと、
    前記出射ポートから前記光パルスの一部を分岐させる光分岐器と、
    前記光分岐器により分岐された光パルスの繰り返し周波数を電気信号に変換する光電気変換器と、
    前記電気信号を所定の基準周波数と比較して差分を検出する位相比較器と、
    前記位相比較器が検出する差分が低減されるように前記アクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生器と
    を備え、前記基準周波数に同期した繰り返し周波数を有する光パルスを発生するモードロックレーザ装置。
  4. 前記第1光増幅ファイバは、励起光を注入されて伝播光を増幅する励起成分と、前記励起成分の濃度消光を抑制する抑制成分とを共に添加された共添加光ファイバである請求項3に記載のモードロックレーザ装置。
  5. 第1ポートに入射した光を第2ポートから出射させ、前記第2ポートに入射した光を第3ポートから出射させる3ポート光サーキュレータと、
    励起光により励起されることにより前記第3ポートから出射された光を増幅して、前記第1ポートに入射させる第1光増幅ファイバと、
    前記第1光増幅ファイバを伝播する光の強度を周波数基準に基づいて変調させる光変調器と、
    前記第2ポートに一端を結合された中継光ファイバと、
    前記中継光ファイバの他端に結合され、前記第2ポートから出射された光のうち予め定められた波長の光を反射して前記第2ポートへ再び入射させる反射型光フィルタと、
    前記反射型光フィルタを透過して出射される光パルスを外部に案内する出射ポートと、
    前記第2ポートを介して前記第1光増幅ファイバに入射される前記励起光を発生する励起光源と、
    前記中継光ファイバの光路長を変化させるアクチュエータと、
    前記出射ポートから前記光パルスの一部を分岐させる光分岐器と、
    前記光分岐器により分岐された光パルスの繰り返し周波数を電気信号に変換する光電気変換器と、
    前記電気信号を前記周波数基準と比較して差分を検出する位相比較器と、
    前記位相比較器が検出する差分が低減されるように前記アクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生器と
    を備え、前記基準周波数に同期した繰り返し周波数を有する光パルスを発生するモードロックレーザ装置。
  6. 励起光を注入されて伝播光を増幅する励起成分と、前記励起成分の濃度消光を抑制する抑制成分とを共に添加された共添加光ファイバである請求項5に記載のモードロックレーザ装置。
  7. 前記中継光ファイバは、前記励起光を注入されて伝播光を増幅する第2光増幅ファイバを含む請求項5に記載のモードロックレーザ装置。
  8. 前記反射型光フィルタは、前記励起光を注入されて伝播光を増幅する第2光増幅ファイバを含む請求項5に記載のモードロックレーザ装置。
  9. 第1ポートに入射した光を第2ポートから出射させ、前記第2ポートに入射した光を第3ポートから出射させる3ポート光サーキュレータと、
    励起光を注入されて伝播光を増幅する利得媒体により形成され、前記第3ポートから出射された光を前記第1ポートに入射させる第1光増幅ファイバと、
    前記第1光増幅ファイバを伝播する光の強度または位相を周波数基準に基づいて変調させる光変調器と、
    前記第2ポートに一端を結合された中継光ファイバと、
    前記中継光ファイバの他端に結合され、前記第2ポートから出射された光のうち、予め定められた基準強度より強い光を反射して前記第2ポートへ再び入射させる可飽和吸収鏡と、
    前記可飽和吸収鏡を透過して出射される光パルスを外部に案内する出射ポートと、
    前記第2ポートを介して前記第1光増幅ファイバに入射される前記励起光を発生する励起光源と、
    前記中継光ファイバの光路長を変化させるアクチュエータと、
    前記出射ポートから前記光パルスの一部を分岐させる光分岐器と、
    前記光分岐器により分岐された光パルスの繰り返し周波数を電気信号に変換する光電気変換器と、
    前記電気信号を前記周波数基準と比較して差分を検出する位相比較器と、
    前記位相比較器が検出する差分が低減されるように前記アクチュエータを駆動する駆動信号を発生する駆動信号発生器と
    を備え、前記基準周波数に同期した繰り返し周波数を有する光パルスを発生するモードロックレーザ装置。
  10. 励起光を注入されて伝播光を増幅する励起成分と、前記励起成分の濃度消光を抑制する抑制成分とを共に添加された共添加光ファイバである請求項9に記載のモードロックレーザ装置。
  11. 前記中継光ファイバは、前記励起光を注入されて伝播光を増幅する第2光増幅ファイバを含む請求項9に記載のモードロックレーザ装置。
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