JP3515741B2 - 波長可変モード同期レーザ、波長変換装置、および、伝送システム - Google Patents

波長可変モード同期レーザ、波長変換装置、および、伝送システム

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JP3515741B2 JP2000229925A JP2000229925A JP3515741B2 JP 3515741 B2 JP3515741 B2 JP 3515741B2 JP 2000229925 A JP2000229925 A JP 2000229925A JP 2000229925 A JP2000229925 A JP 2000229925A JP 3515741 B2 JP3515741 B2 JP 3515741B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光情報信号の波長
を変換する、波長可変モード同期レーザ、波長変換装
置、および伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】(第1の従来例)波長多重方式を利用す
る光通信網を実現するためには、光情報信号の波長を変
換する波長変換装置が重要であり、様々な研究が行われ
ている[文献1;S.J.B. Yoo, Journ
al of Lightwave Technolog
y ]。波長変換を行う方法は、数多く存在するが、こ
こで主に説明するものは、伝送されてきた光の情報を波
長可変光源を用いて新たな波長の出力光に変換すること
に関するものである。
【0003】このような波長変換装置において、ネット
ワーク管理システムが波長選択を行う方式と伝送された
光情報信号自身が波長選択を行う方式との2種類が存在
する。
【0004】図34および図35は、各方式による波長
変換装置の一般的な構成を示す。
【0005】図34において、まず、光情報信号15を
受信器13に導くことによって、情報信号を復元する。
この情報信号で光変調器12を駆動することにより、波
長可変光源11の出力光を、波長変換された光情報信号
16として出力することができる。
【0006】波長可変光源11の出力光の波長は、情報
処理回路14を介してネットワーク管理システム17か
ら送られる制御信号によって制御される。情報処理回路
14は制御情報を処理して波長可変光源の波長を変化さ
せるために必要な電流、電圧などを出力する。
【0007】図35に示す波長変換装置の場合、制御信
号は、情報処理回路24によって、伝送中の光情報信号
から直接復元している。すなわち、光情報信号25は、
通信情報と制御情報との両方を有している。このように
情報信号に付加されている制御情報は、ヘッダ(hea
der)と呼ばれており、送信元はヘッダを用いてネッ
トワークの中継ノードに波長変換に関する情報を送信す
ることができる。
【0008】なお、図35における波長変換自体は、図
34の波長変換装置と同じであり、受信器23は受信器
13と対応し、光変調器22は光変調器12が対応して
いる。
【0009】(第2の従来例)従来の時間−波長マッピ
ングレーザは、共振器の繰り返し周波数を変化させるこ
とによって発振波長が可変される波長可変モード同期レ
ーザであり、構成が単純で、高速に波長可変が可能で、
また容易に波長選択が可能であるといういくつかの利点
がある。
【0010】図37は、上記レーザの一般的な発振特性
150を示す。
【0011】図37において、入力信号として複数のク
ロック信号のクロック周波数fi が存在し、クロック信
号がレーザに印加されることによって、繰り返し周波数
fiおよび波長λi でモード同期発振(パルス発振)が
実現される。
【0012】この場合、発振波長とクロック周波数とは
一対一の関係が存在し、クロック信号のクロック周波数
fiを選択することによって、レーザの発振波長が選択
される。
【0013】図27は、時間−波長マッピングレーザの
構成例を示す(詳細な説明についは後述する)。
【0014】図27において、レーザの共振器1−1内の
波長マッピング遅延回路1−4は、伝搬遅延(すなわち<
光路長)が波長により異なる回路のことであり、発振特
性を図38に示す。
【0015】図38において、入力波長li がN波長存
在し、各波長に固有な光路長 ΔLop t(li)とそれに対応
する伝搬遅延ΔT(li)が存在する。
【0016】すなわち、時間―波長マッピング回路に波
長 li の光を入射した際、その光は長さΔLopt(li)を伝
搬して出射され、ΔLopt(li)に対応する伝搬遅延ΔT
(li)が与えられる。光路長とは、物理的の長さΔL(li)
と屈折率 n の積であり、 ΔLop t(li) = nΔL(li)で表
せる。cが真空中の光速である場合、伝搬遅延と光路長
の関係をΔT(li)= ΔLopt(li) / cで表せる。
【0017】図27において、波長マッピング遅延回路
1−4をレーザの共振器1−1に挿入した際、レーザの共振
器全体の光路長Lopt(li)とそれに対応する基本繰り返し
周期T(li)(基本繰り返し周波数f(T) i = 1 / T(li))と
が波長により異なるようになる。
【0018】光変調器1−3を基本繰り返し周期と一致す
る周期(すなわち、繰り返し周期T(li) / m、mは正数)
で変調することにより、その周期に対応する波長 li
モード同期発振が実現される。
【0019】他の波長は変調と一致していない周期で共
振器1−1内を伝搬するため、これらの波長の発振は抑圧
される。すなわち、時間−波長マッピングレーザの発振
波長は、光変調器1−3を駆動するクロック信号の周波数
を設定することによって選択できる。
【0020】図27に示すレーザの場合、駆動部1−15
により、駆動信号1−14が発生されている。駆動部で用
いらているクロック信号発生器1−8によりクロック信号
1−9が発生される。クロック信号発生器1−8から周波数
f1, f2, ..., fNのクロック信号を得ることが可能であ
るが、その内の一つがクロック信号選択部1−7により選
択されている。
【0021】駆動信号1−14は、クロック信号1−9およ
びDCバイアス信号1−12からなっており、DCバイアス信
号1−12は光変調器1−3の動作点を設定するために必要
である。DCバイアス信号1−12はDCバイアス信号発生部1
−11により発生されており、DCバイアス信号のレベル調
整はDCバイアス信号調整部1−10により調整されてい
る。合成部1−13により、クロック信号1−9とDCバイア
ス信号1−12とが合成されている。
【0022】(第3の従来例)光伝送は、標準の伝送速
度(例えば、STM1標準では155.52 Mbps)で行われてい
るため、繰り返しが固定で伝送速度と一致しているパル
ス光源または連続的な光を出力する光源(cw光源)が
用いられている。
【0023】図21(a)は、パルス光源を用いた従来
の伝送システムで伝送される伝送信号の例を示す。光パ
ルスとデータビットに一対一の対応性が存在する。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】(第1の従来例の課
題)まず、第1の従来例の課題について説明する。
【0025】図34と図35の波長変換装置において、
波長を選択するために、情報処理回路14又は24が必
要となる。
【0026】本回路に入力される信号は、出力波長の情
報を含む制御情報である。制御信号の形式は、例えばバ
イナリー符号であるが、波長可変光源11又は21の波
長を変化させるために必要な信号は、実際に使用されて
いる光源による。
【0027】例えば、波長可変半導体レーザ(分布帰還
型半導体レーザ[文献2;H.Soda,Y.Kota
ki,H.Ishikawa,S.Yamakosh
i,andH.Imai,IEEEJ.Quantum
Electron.,vol.23,pp.1343
−1348(1992)]、分布ブラッグ反射型半導体
レーザ[文献3;K.Kondo,M.kudo,Ya
makoshi,andK.Wakao,IEEE J
ournal of Quantum Electro
nics, vol.28,pp.1343−1348
(1992)]、サンプルグレーティング半導体レーザ
[文献4;V.Jayaraman,Z.M.CHua
ng,andL.A.Coldren,IEEE Jo
urnal of Quantum Electron
ics,pp1824−1834,June(199
3))を使用した場合、素子に注入する電流および素子
の温度を変化させることによって、波長可変が実現され
ている。
【0028】従って、情報処理回路は、所望の波長を得
るために必要な注入電流と電圧などを出力する必要があ
る。
【0029】また、波長可変光源の他の例としては、多
数の異なる波長で発振する多波長光源[文献5;石川丈
二、近間輝美、特開平6−188517号公報、文献
6;R.Monnard,C.R.Doerr,C.
H.Joyner,M.Zirngible,and
L.W.Atulz,IEEE Photonics
Technology Letters,vol.9,
pp815−817,June(1997)]がある。
【0030】このような光源は、多数の異なる波長の半
導体レーザをアレイにして実現されており、所望の波長
に対応するレーザ素子を発振させて波長選択が行われて
いる。
【0031】この場合、情報処理回路は、適当なレーザ
を発振させるための注入電流などを出力する必要があ
る。
【0032】このように情報処理回路が必要であること
は、波長変換装置を複雑にし、コストを増加させるとい
う問題を生じる。
【0033】また、図18のような波長変換装置の場
合、制御情報は伝送された光情報信号の一部であるた
め、高速にヘッダーを復元および処理する必要がある。
このようなヘッダー処理は、特別なIC(論理回路)な
どを用いて実現されているが、このようなICの製作
は、現状では困難である。
【0034】(第2の従来例の課題)次に、第2の従来
例の課題について説明する。
【0035】図27において、従来の時間−波長マッピ
ングレーザは、波長マッピング遅延回路1−4として、波
長分散量が高い光ファイバ、又は、分布ブラッググレー
ティング(distributed Bragg grating (DBG))を用い
ている。
【0036】しかし、これら部材を用いたそれぞれの方
法には、以下に述べるような問題がある。
【0037】まず、光ファイバを用いた場合、長さ当た
りの分散量が小さいため、波長による遅延の変化を十分
大きくするために長いファイバ(数10mから数100
m)が必要になる。このため、レーザの共振器1−1を安
定にすることが困難である。また、波長可変速度が共振
器長に比例しているため、高速な波長可変が困難であ
る。
【0038】分布ブラッググレーティング(DBG)を
用いた場合、小型な構成が可能であるが、分布ブラッグ
グレーティングの反射帯域と物理的な長さが反比例して
いるため、任意の波長間隔および伝搬遅延差を得ること
が困難である。
【0039】特に、狭い波長間隔(例えば50GHz、1
00GHz間隔)を実現するためには1つの波長に対応す
るDBGの物理的な長さが5mm以上になるため、多くな波長
数を得るためにDBG全体が大変長くなるため設計が困難
である。
【0040】さらに、各方法の場合、各波長に対応する
伝搬遅延量を独立に変化させることができないため、ク
ロック信号の周波数と発振波長の対応性を任意に変化さ
せることができないという問題点がある。
【0041】(第3の従来例の課題)時間−波長マッピ
ングレーザの繰り返しが波長により変化するため、従来
の伝送システムでは繰り返しが伝送速度と一致する波長
のみでしか用いることができない。そのため繰り返しを
固定させておきながら発振波長を変化させる方法がいく
つか提案されている(K. Tamura and M. Nakazawa, Opt
ics Letters, Vol. 21,pp. 1984-1986 (1996). S. Li,
K. T. Chan, C. Lou, Electronics Letters, Vol. 34,
No. 12, p1234-1236 (1998). K. Chan and C. Shu, E
lectronics Letters, Vol. 36, No. 1, p42-43 (200
0).)。
【0042】これらの提案では、共振器長を変化させる
こと、又は光変調器を2台利用するようなことなどが必
要であるため、レーザ構成の複雑化、コストの増加、お
よび性能の劣化というような問題が生じる。
【0043】そこで、本発明の目的は、クロック信号と
対応する波長に依存しない任意の波長間隔で、かつ、各
波長が独立した伝搬遅延差を有する発振波長の出力信号
を生成し、クロック信号の周波数と発振波長の対応性を
任意に変化することが可能な波長可変モード同期レー
ザ、波長変換装置、および、伝送システムを提供するこ
とにある。
【0044】また、本発明の他の目的は、時間−波長マ
ッピングモード同期レーザの繰り返し周波数を変化させ
ながら一定の伝送速度で伝送を行う、波長可変モード同
期レーザ、波長変換装置、および、伝送システムを提供
することにある。
【0045】さらに、本発明の他の目的は、複雑な情報
処理回路を用いず簡単な回路構成で、光情報信号から制
御情報を容易に復元することが可能な、波長可変モード
同期レーザ、波長変換装置、および、伝送システムを提
供することにある。
【0046】
【課題を解決するための手段】本発明は、波長可変モー
ド同期レーザであって、所定の波長に対応するクロック
信号が入力される共振器内に、前記クロック信号と対応
する波長に依存しない任意の波長間隔で、かつ、各波長
が独立した伝搬遅延差を有する発振波長の出力信号を生
成する信号生成手段を具えることによって、波長可変モ
ード同期レーザを構成する。
【0047】ここで、前記信号生成手段は、アレイ導波
路グレーティングを有してもよい。
【0048】前記アレイ導波路グレーティングは、前記
共振器の光路長を変化させてもよい。
【0049】前記アレイ導波路グレーティングは、波長
数Nの各波長に対応する共振器の光路長を独立に変化さ
せてもよい。
【0050】前記共振器内にN×Nのミラーアレイをさら
に具え、前記ミラーアレイの反射状態を調整することに
よって各波長に対応する共振器の光路長を変化させても
よい。
【0051】前記共振器を複数個具え、光空間スイッチ
によって該複数の共振器の1つを選択してもよい。
【0052】前記共振器の出力信号の繰り返し周波数を
L としたとき、該繰り返し周波数は、fLを中心とし
てΔfLのバンド幅(ΔfL≪fL)を有し、前記クロッ
ク信号に対応した伝送信号の伝送速度をRとしたとき、 R≪fL の関係が得られ、前記伝送信号1ビットに対して複数の
パルスを対応させてもよい。
【0053】本発明は、波長可変光源を用い、伝送信号
を新たな波長の出力信号に変換する波長変換装置であっ
て、前記波長可変光源として、前記波長可変モード同期
レーザを用い、前記波長可変光源から出力される前記出
力信号を変調することによって、前記伝送信号を新たな
波長の信号に変換することによって、波長変換装置を構
成する。
【0054】ここで、前記波長可変光源から出力される
前記出力信号の波長は、前記伝送信号に含まれる制御情
報によって設定してもよい。
【0055】前記制御情報は、前記クロック信号と同じ
周波数としてもよい。
【0056】前記波長変換装置の出力端に、波長分離手
段を接続してもよい。
【0057】本発明は、レーザの繰り返し周波数を変化
させながら一定の伝送速度で伝送するシステムであっ
て、送信側の装置は、前記波長可変モード同期レーザ
と、該波長可変モード同期レーザから、繰り返し周波数
が伝送速度よりも十分高く設定され、かつ、エンベロー
プ成分が伝送情報に対応した伝送用の出力信号を出力す
る出力手段とを具え、受信側の装置は、所定のカットオ
フ周波数によって前記出力信号のエンベロープ成分を抽
出するローパスフィルタと、前記ローパスフィルタによ
って抽出されたエンベロープ成分を識別して前記伝送情
報を復元する復元手段とを具えることによって、伝送シ
ステムを構成する。
【0058】本発明は、レーザの繰り返し周波数を変化
させながら一定の伝送速度で伝送するシステムであっ
て、送信側の装置は、前記波長変換装置と、該波長変換
装置から、繰り返し周波数が伝送速度よりも十分高く設
定され、かつ、エンベロープ成分が伝送情報に対応した
伝送用の出力信号を出力する出力手段とを具え、受信側
の装置は、所定のカットオフ周波数によって前記出力信
号のエンベロープ成分を抽出するローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタによって抽出されたエンベロープ
成分を識別することによって前記伝送情報を復元する復
元手段とを具えることによって、伝送システムを構成す
る。
【0059】ここで、前記所定のカットオフ周波数をf
cut とし、前記伝送速度をRとしたとき、前記伝送用の
出力信号を受信する際に、該カットオフ周波数fcut が R <fcut < fmin であるローパスフィルタを用いて光パルス列に対応する
成分を取り除いてもよい。
【0060】前記波長可変モード同期レーザの出力側
に、多重度Kの光時間多重回路をさらに接続し、該波長
可変モード同期レーザの出力光は光時間多重回路の出力
光であり、該出力光のパルス列の平均繰り返し周波数が
KfL であり、該平均繰り返し周波数の最小周波数がK
minとしてもよい。
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0072】[第1の例]本発明の第1の実施の形態
を、図1〜図7に基づいて説明する。
【0073】(波長変換装置の構成)まず、本装置の全
体構成について説明する。
【0074】図1は、本発明に係る波長変換装置の構成
を示すものであり、伝送される光情報信号58から波長
選択を行う場合の例である。
【0075】本装置は、波長可変光源50と、光情報信
号58から情報信号を復元する受信器55と、光情報信
号58中のクロック信号CKを抽出するクロック抽出回
路56と、情報信号によって波長可変光源50の出力光
を変調する光変調器57とを具備している。
【0076】波長可変光源50は、リング型(ring
Cavity)のモード同期レーザの共振器として構
成され、波長はクロック信号CKの周波数にマッピング
されている。この波長可変光源50は、光変調器51
と、光増幅器52と、光方向性結合器53と、波長マッ
ピング用遅延回路54とを具備している。
【0077】光変調器51は、マッハツェンダー(Ma
ch−Zehnder)型のLiNbO3、変調器、電
界吸収型(EA)変調器、又は利得変調半導体光増幅器
により構成される。
【0078】光増幅器52は、半導体光増幅器又は希土
類添加導波路増幅器により構成される。
【0079】光方向性結合器53は、クロック信号CK
の周波数を変化させることによって波長が変化された出
力光Pを、共振器50内から取り出すための装置であ
る。
【0080】受信器55は、伝送速度Rの電気受信器に
より構成される。
【0081】クロック抽出回路56は、クロック周波数
帯のRFフィルタおよびRFアンプの組み合わせによっ
て構成される。
【0082】なお、波長マッピング用遅延回路54の詳
細な構成については後述する。
【0083】(波長変換装置の動作)次に、波長変換装
置の動作について説明する。
【0084】伝送される光情報信号58には、クロック
信号CKがサブキャリヤとして多重化されている。この
光情報信号58は、受信器55およびクロック抽出回路
56に入力される。
【0085】受信器55では、光情報信号58を受信し
て情報信号を復元する。復元された情報信号は、光変調
器57に入力される。
【0086】クロック抽出回路56は、光情報信号58
中に多重化されたクロック信号CKを抽出する。この抽
出されたモード同期用のクロック信号CKは、波長可変
光源50のリング型として構成された共振器内の光変調
器51を駆動する。
【0087】光変調器51からは、変調された光信号が
出力され、この光信号は光増幅器52によって増幅され
る。この増幅された光信号は、方向性結合器53を介し
て、波長マッピング遅延回路54に入力される。この遅
延回路52では、入力された光信号に、波長によって異
なる伝搬遅延を与える。ここでは、その伝搬遅延の与え
られた光信号を遅延信号という。この遅延信号に基づい
てクロック信号CKの周波数を変化させることによっ
て、波長可変光源50の出力光Pの波長を変化させるこ
とができる。このようにして波長が変化された出力光P
は、光変調器57に出力される。
【0088】そして、光変調器57において、復元され
た情報信号を用いてモード同期レーザの出力光を変調す
ることによって、波長変換された光情報信号59を得る
ことができる。
【0089】このように、簡単なクロック抽出回路56
(電気フィルタおよび電気増幅器のみの構成)を使用し
て波長変換処理を実行できるため、従来の波長変換装置
が必要としていた複雑な情報処理回路を省略することが
できる。なお、このモード同期レーザの共振器は、リン
グ型(ring Cavity)として示されている
が、線形型(1inear Cavity)の構成とし
ても同様な動作を実現できる。
【0090】(モード同期発振の条件)次に、本レーザ
が安定してモード同期発振をする条件について考える。
【0091】まず、一般的には、光変調器を駆動するク
ロック信号の繰り返し周波数(クロック周波数)fc
と、光が共振器内を伝搬する時間に対応する繰り返し周
波数f fとが一致した場合(fc=ff)、安定なモード
同期発振が実現される。
【0092】fcは、電気発振器から発生されているた
め、自由に周波数の値を変化させることができる。ff
は、光がレーザの共振器内を1周伝搬する時間TLに対
応しているため、レーザの物理的な系により固定されて
いると考えられる。
【0093】TLは、共振器長がLである場合、 TL=nL/c …(1) ただし、n:屈折率 c:光速 として表される。また、ffとTLとの関係は、 ff=m/TL …(2) ただし、m(整数)>0 しかし、本発明で使用するモード同期レーザは、波長マ
ッピング・遅延回路を用いており、L(従って、TL
が発振波長λに依存しているため[L=L(λ)、TL
=TL(λ)]、ffもλに依存している。この場合、変
調器に、あるクロック周波数fcを印加した際、 fc=ff(λ) …(3) が満足される波長λで安定なモード同期発振が起こる。
他のλでは、前記の条件が満足されていないため、発振
が起きない。さらに、fcを選択することにより、λを
選択することができると考えられる。
【0094】(波長マッピング用遅延回路)ここで、波
長マッピング用遅延回路54の設計について考える。
【0095】まず、波長マッピング用遅延回路54によ
り、レーザの共振器は波長に依存しない長さLoの部分
と、波長に依存している長さΔL(λ)の部分とからな
っていると考えられる(ΔL(λ)≪Lo)。この場
合、繰り返し周波数ffは、 ff =mc/(nL(λ)) ≒(mc/(nLo))(1−ΔL(λ)/Lo) ≒fo−Δf(λ) …(4) ここで、nL(λ)/cは、伝搬遅延(秒)を表す。ま
た、fo=mc/(nLo)、Δf(λ)=mfo(Δ
L(λ)/Lo)である。
【0096】式(4)において、例えば、n=1.5、
c=3×108m/s、m=250、Lo=10mであ
る場合、fo=10GHzである。Δf=1MHzにす
るために、ΔL=1mmが必要となる。
【0097】式(4)から、各波長λに対応する繰り返
し周波数ffを計算することができ、ある波長に対応す
る周波数frのクロック信号(fc)で光変調を駆動す
ることによって、その波長を選択することができる。言
い替えると、式(4)の繰り返し周波数ffは伝搬遅延
nL(λ)/cに依存するものであり、この伝搬遅延に
基づいてクロック周波数を変化させることができる。
【0098】(波長マッピング用遅延回路の構成例)次
に、波長マッピング用遅延回路54の具体的な構成例に
ついて説明する。
【0099】図2は、波長マッピング用遅延回路54と
しての、不連続的にブラッグ反射波長が変化するDBG
(Distributed Bragg Gratin
g)の構成を示す。
【0100】波長はブラッグ波長λk(λ1〜λ7)から
決まり、各BGの位置によって遅延、すなわち繰り返し
周波数が決まる。
【0101】具体的には、波長マッピング用遅延回路5
4が7個の遅延素子54aから構成されている場合、グ
レーティングの波長をλ1〜λ7とし、グレーティングの
間の物理的な長さをΔL12,ΔL23,ΔL34,ΔL45
ΔL56,ΔL67とすると、信号が該7個の遅延素子54
aに入力して反射され出力された段階での波長λkに与
える遅延量Tk(時間)は、
【0102】
【数1】 として表すことができる。ただし、λ1に与える遅延量
1は、0とする。cは、光速である。
【0103】波長マッピング用遅延回路54を用いたモ
ード同期レーザの波長可変特性は、不連続的になる。こ
の場合、ブラッグ波長の順番を任意に設定できるため、
任意の波長・遅延マッピング特性を実現することができ
る。従って、任意のクロック波長・周波数マッピング特
性を得ることができる。
【0104】図3は、図2のDBG54を従属接続する
ことによって、図1の波長変換装置を構成した場合の例
を示す。
【0105】波長可変光源50を構成するモード同期レ
ーザ共振器は、LiNbO3の光変調器LN1と、波長
1.5μm帯の半導体光増幅器SAと、偏波依存型の光
サーキュレータ62と、光ファイバブラッググレーティ
ング(FBG)63とからなっている。
【0106】9個の異なる反射波長のFBG63を従属
接続して波長マッピング用遅延回路54を構成すること
ができる。FBG63の反射波長は、波長1543nm
から1559nmの間に波長間隔2nmの波長グリッド
上に設定されている。
【0107】隣接FBG63間の遅延差は200/9=
22.22psであり、各FBG63の長さは2,28
3mmである。10GHz帯のクロック信号を使用した
場合、クロック信号CKの周波数を増加させることによ
って、波長はλ5−λ9−λ4−λ8−λ3−λ7−λ2−λ6
−λ1の順番を繰り返して変化する。DBG63の反射
波長は、連結的に長くなっていくように設定されている
(λ1<λ2<λ3…)。
【0108】図3の動作について説明する。伝送された
光情報信号58は、受光器PDにより検出されることに
より、情報信号とクロック信号CKが同時に復元され
る。これら復元された信号は、パワースピリッタPS
(方向性結合器)により分岐され、ローパスフィルタ6
0とサブキャリアクロック抽出器61に導かれる。ロー
パスフィルタ60の出力信号は、光変調器LN2に導か
れる。サブキャリアクロック抽出器61の出力信号は、
光変調器LN1(LiNbO3)に導かれる。
【0109】ここで、ローパスフィルタ60は図1の受
信器55に相当し、サブキャリアクロック抽出器61は
図1のクロック抽出回路56に相当する。光変調器N1
は図1の光変調器51に相当し、半導体光増幅器SAは
図1の光増幅器52に相当する。また、光サーキュレー
タ62と7個の遅延素子(DBG)54aとは、波長マ
ッピング用遅延回路54を構成している。
【0110】なお、図3の共振器を構成する素子の配列
は図1の配列とは異なっているが、物理的な作用しては
何ら問題はない。また、図3では、レーザ光を取り出す
手段として、図1の光方向性結合器53を用いていない
が、これは、遅延素子54aによって進行する光を使用
しているためである。
【0111】そして、このようにしてクロック信号CK
の周波数を変化させることにより、波長が変化された波
長可変光源50からの出力光Pは、光変調器LN2に導
かれる。この光変調器LN2では、ローパスフィルタ6
0からの出力信号に基づいて、出力光Pが変調され、こ
れにより、所望とする情報信号59を得ることができ
る。なお、光変調器LN2は、図1の光変調器57に相
当する。
【0112】(実験結果)図4と図5は、伝送速度2.
5GbPsで行った波長変換の結果を示す。
【0113】入射光の波長は1550nmである。図4
は、9波長に波長変換を行ったときの出力スペクトルで
ある。図5は、入射光(GSLD:ゲインスイッチレー
ザダイオード)と波長変換後の出射光の誤り率とを測定
した結果である。この図5により、良好な誤り率特性が
得られていることがわかる。
【0114】上述したように、波長可変レーザが波長マ
ッピング用遅延回路54を用いたモード同期レーザによ
り構成されているので、共振器内の光変調器を駆動する
クロック信号の周波数を変化させることによって発振波
長がクロック周波数に一対一対応し、容易な波長選択が
可能になる。すなわち、図1において、光変調器51を
クロック信号で駆動した際、光が共振器内を伝搬する時
間と変調の繰り返し時間が一致する波長でモード同期
(安定なパルス発振)が実現される。
【0115】各波長に固有な伝搬時間を生じさせるよう
に波長マッピング用遅延回路54を設計した場合、周波
数fiのクロック信号と一致する波長λiは一つしか存
在しないようになり、他の波長のタイミングは、変調と
一致していないため発振が抑圧される。従って、波長選
択を容易に実現でき、従来の波長変換装置で複雑であっ
た波長選択回路を簡単化することができる。
【0116】(光強度)図6は、情報変調およびサブキ
ャリア変調されている光情報信号の強度−時間波形の例
を示す。このサブキャリヤから波長変換用のクロックを
抜き出すことができる。
【0117】従来の波長変換素子はCW(contin
uous wave)の波長可変光源を用いているた
め、強度−時間波形は、図6に示すような波形になる。
【0118】図1に示す波長変換装置は、伝送された光
情報信号58からクロック信号CKを直接復元するもの
である。この例では、伝送された光情報信号58の強度
波形は、図7に示すようなものとなる。
【0119】クロック抽出回路56により伝送された光
からクロック信号CKが抽出されており、このクロック
信号CKを用いてモード同期レーザを駆動することによ
って、波長選択を実現できる。クロック抽出回路56
は、電気フィルタと電気増幅器から実現できるような簡
単な回路であり、従来の波長変換素子が必要とした複雑
な情報処理回路が不要である。従って、送信側から波長
選択の制御を容易に行うことが可能である。
【0120】[第2の例]次に、本発明の第2の実施の
形態を、図8に基づいて説明する。なお、前述した第1
の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符
号を付す。
【0121】図8は、波長選択を外部から行う場合の波
長変換装置の構成例である。
【0122】波長可変光源50は、前述した図1と同様
な構成であり、光変調器51と、光増幅器52と、光方
向性結合器53と、透過する光の波長によって固有な伝
搬遅延を与える波長マッピング用遅延回路54とからな
っており、全体として、モード同期レーザ共振器を構成
している。
【0123】モード同期レーザの変調に用いるクロック
信号CKは、装置内部に設けたクロック信号発生器又は
前述したように伝送された光情報信号58から得ること
が可能である。
【0124】本例では、クロック信号発生器36を使用
したときの構成であり、クロック信号CKの周波数の制
御は、ネットワーク管理システム17が行っている。ク
ロック信号発生器36としては、電圧制御型の電気RF
発信器を使用できる。
【0125】そして、モード同期用のクロック信号CK
は、ネットワーク管理システム17からクロック信号発
生器36を介して光変調器51に送られてくる。
【0126】発振波長は、クロック信号CKの周波数に
対応(マッピング)している。すなわち、クロック信号
CKの周波数を変化させることによって、波長選択が可
能となる。このクロック信号CKの周波数を変化させる
ことによって、波長可変光源50から出力される出力光
Pの波長を変化させることができる。
【0127】一方、伝送された光情報信号58からの情
報信号は、受信器55によって復元され、光変調器57
に送られる。この復元された情報信号で光変調器57を
駆動することによって、波長変換された光情報信号59
に情報を乗せることができる。
【0128】ただし、情報の伝送速度がRの場合、誤り
率が少ない通信を実現するためには、繰り返し周波数f
i≫R(2倍以上)にする必要がある。波長変換された
光情報信号59には、情報の変調および周波数fiのサ
ブキャリアクロックの変調が掛かっている。
【0129】この波長変換装置の制御情報は、クロック
信号CKの周波数であるため、従来の波長変換装置が必
要とした情報処理回路が不要になるという利点がある。
【0130】[第3の例]次に、本発明の第3の実施の
形態を、図9および図10に基づいて説明する。なお、
前述した第1の例および第2の例と同一部分について
は、その説明を省略し、同一符号を付す。
【0131】本例は、波長マッピング用遅延回路54を
実現するための他の構成例を示す。
【0132】ここでは、図9に示すように、波長マッピ
ング用遅延回路54として、アレイ導波路グレーティン
グ(AWG)80を用いて構成したものである。
【0133】AWG80は、入力端および出力端81
と、スターカプラ82と、アレイ導波路83と、スター
カプラ84と、出射面85と、波長分離出射端86と、
反射面87とから構成される。
【0134】入射端81に入射した光は、スターカプラ
82によりアレイ導波路83に入射される。アレイ導波
路83の長さL(i)は、 L(i)=L0+ΔL1(i−N/2) +ΔL2(i−N/2)2 …(6) として定義することができる。ここで、iは、図9に示
されている導波路のラベルであり、Nが導波路の本数で
ある。
【0135】アレイ導波路83から出力された光は、ス
ターカプラ84の中で干渉し、出射端85にはそれぞれ
異なった波長での光が出力される。従って、出射端85
の終点に反射面86を挿入した場合、その長さを変化さ
せることによって、異なった繰り返しに対応することが
できる。すなわち、任意な波長と遅延のマッピング特性
を得ることができる。
【0136】ΔL1とΔL2を最適な値にする方法とし
て、例えば、1.5μm帯で、波長数32、波長間隔
0.8nmのものを実現する例(材料は、SiO2)に
ついて説明する。
【0137】まず、回折次数m=nΔL1/λ0=59、
ΔL1=63μm、ΔL2=0のAWG80を設計する。
ここで、n=1.45は実効屈折率であり、λ0=15
50nmは中心波長である。Nは、例えば200に設定
できる。
【0138】出射端の長さを設定することにより、所望
な遅延特性を得られる。ただし、本回路は、レーザ共振
器に挿入して、安定な発振を得るために、AWG80の
自由スペクトル範囲(FSR)を制限することが必要で
ある。FSRは、FSR≒λ 0/mから予測できる。
【0139】また、上記の例では、ΔL2=6/N=
0.03μmに設定すると、FSRが十分制限され、安
定な発振を得られる。このような回路を用いた場合に
も、図10に示すようにクロック周波数により、不連続
的な波長可変特性が得られる。
【0140】[第4の例]次に、本発明の第4の実施の
形態を、図11および図12に基づいて説明する。な
お、前述した第1の例〜第3の例と同一部分について
は、その説明を省略し、同一符号を付す。
【0141】本例は,波長マッピング用遅延回路54を
実現するための他の構成例を示す。
【0142】波長マッピング用遅延回路54として、伝
搬遅延が波長により増加又は減少する性質を有する波長
分散媒質を用いて構成したものである。ここでは、波長
分散値が極めて大きい波長分散媒質からなり、高い分散
値を持つ光ファイバ又は連続的なチャープ(波長による
伝搬遅延の変化)を持つブラッググレーティング(Br
agg Grating(BG))によって構成する。
【0143】この場合、図11に示すような連続的な波
長による伝搬遅延の変化が生じ、図12に示すようにク
ロック周波数による波長の変化も連続的である。
【0144】波長分散値D(ps/nm/km)と光路
長の変化に対応する有効の長さの変化ΔLeffの関係
は、 ΔLeff=cDLDΔλ/n …(7) ただし、Δλ:波長間隔 LD:波長分散媒質の長さ となる。
【0145】例えば、ΔLeff=1mmをΔλ=0.8
nmで得るために、波長分散量|DLD|=6.25p
s/nmが必要になる。
【0146】[第5の例]次に、本発明の第5の実施の
形態を、図13に基づいて説明する。なお、前述した第
1の例〜第4の例と同一部分については、その説明を省
略し、同一符号を付す。
【0147】前述した例で説明した波長マッピング用遅
延回路54のマッピング特性は固定であり、固定した波
長とクロック周波数マッピング特性とを実現している。
【0148】本例は、図1および図8の波長変換装置に
用いられているモード同期レーザに、遅延量を可変でき
る遅延可変素子を挿入することによって、マッピング特
性をプログラマブル(可変できること)にするように構
成したものである。
【0149】図13は、波長可変光源50に、遅延可変
素子92が挿入されているモード同期レーザの構成例を
示す。
【0150】遅延可変素子92は、遅延量を可変できる
遅延線であり、移動式ステージ、ミラー、レンズ等から
構成される。
【0151】遅延可変素子92は、図1の波長可変光源
50内の光路上であれば、どの位置に挿入してもよい。
例えば、光変調器51と光増幅器52との間や、光方向
性結合器53と波長マッピング遅延回路54との間等の
光路上に挿入することができる。
【0152】この遅延可変素子92を用いて共振器長を
変化させた場合、クロック周波数による波長可変特性
が、クロック周波数軸上で移動されることになる。
【0153】[第6の例]次に、本発明の第6の実施の
形態を、図14に基づいて説明する。なお、前述した第
1の例〜第5の例と同一部分については、その説明を省
略し、同一符号を付す。
【0154】本例は、マッピング特性をプログラマブル
にするための他の回路構成例を示す。
【0155】図14において、本回路は、入射端および
出射端101と、光空間スイッチ102と、その光空間
スイッチ102の出射端103と、この出射端103に
接続され、多数の異なる波長と遅延のマッピング特性を
持つ複数個の波長マッピング用遅延回路104とから構
成される。
【0156】波長マッピング用遅延回路104は、図1
の波長マッピング用遅延回路54に対応する部分であ
る。光空間スイッチ102は、波長マッピング用遅延回
路104の切替制御を行うためのものである。
【0157】入射された光101は、光空間スイッチ1
02により出射端103の1つに出射される。各出射端
103に異なるマッピング特性をもつ波長マッピング用
遅延回路104が接続されているため、空間スイッチ1
02を用いて選択することにより、各波長マッピング用
遅延回路に対応するマッピング特性を得ることができ
る。
【0158】[第7の例]次に、本発明の第7の実施の
形態を、図15に基づいて説明する。なお、前述した第
1の例〜第6の例と同一部分については、その説明を省
略し、同一符号を付す。
【0159】本例は、マッピング特性をプログラマブル
にするための他の構成例を示す。
【0160】図15において、本回路は、前述したAW
G80をマイクロ・オプトメカニカル・システム(ME
MS)と組み合わせて構成される。
【0161】本回路は、入射端および出射端111と、
AWG80と、レンズ113と、マイクロ・オプトメカ
ニカル・システム(MEMS)を用いて実現したプログ
ラマブルな反射面アレイ(ミラーアレイ)114とから
構成される。86は、AWG80の波長分離出力端であ
る。
【0162】MEMSのミラーは、機械的に角度又は位
置が調整される超小型なミラーであり、角度又は位置の
制御が電気的に行われている。MEMSのミラーおよび
AWG80から構成されている可変減衰器は、プログラ
マブルな波長マッピング用遅延回路を実現できる。
【0163】本回路において、光は入射端111を介し
てAWG80に導かれる。AWG80の構成は、前述し
た例と同じであるが、AWG80の出射端86を全て同
等の長さに設定し、各出射端86から出力される光が空
間を伝搬する場合、レンズ113を用いて平行ビームに
変換する。出力される光が光導波路を伝搬する場合、レ
ンズは不要である。
【0164】出力された光は、MEMSの反射面アレイ
114に入射される。波長数がMの場合、M×KのME
MSの反射面アレイ114を使用し、KはMより大きな
整数とする。
【0165】各ミラーの反射にON(黒い箱)又はOF
Fの2つの状態のみが存在すると考え、OFFの場合に
は光が透過する。選択されているミラーの位置により、
遅延量が設定される。
【0166】ミラーによって反射された光は、AWG8
0を逆方向に伝搬し、出射端111から出力される。
【0167】このように各波長に対応するミラー列のミ
ラーを自由に選択することができるため、任意な波長お
よび遅延のマッピング特性を得ることができる。
【0168】[第8の例]次に、本発明の第8の実施の
形態を、図16に基づいて説明する。なお、前述した第
1の例〜第7の例と同一部分については、その説明を省
略し、同一符号を付す。
【0169】(波長ルータ)本例は、波長変換装置の出
力に波長分離・合波光回路を挿入した波長ルータの構成
例を示す。
【0170】図16は、波長ルータの構成例を示す。本
回路は、図1又は図8と同様な構成の波長変換装置12
1と、1×Kの波長分離光回路122と、波長分離光回
路122の入射端123と、波長分離光回路122のK
本の出射端124とから構成される。なお、これら各部
品としては、例えば、AWG、バルクの回折格子、又は
誘電体多層膜フィルタ等を用いて作製することができ
る。
【0171】波長変換素子121によって波長変換され
た光は、波長分離光回路122に入射される。波長分離
光回路は、1本の入射端123と、N本の出射端124
とがある素子であり、入射された波長によって出射端1
24が選択される。
【0172】このようにクロック信号の周波数を選択す
ることによって、伝送路の切替を行うことができる。
【0173】[第9の例]次に、本発明の第9の実施の
形態を、図17〜図26に基づいて説明する。なお、前
述した各例と同一の部分についてはその説明を省略し、
同一符号を付す。
【0174】時間−波長マッピングモード同期レーザ
は、入力信号であるクロック信号をレーザに印加して、
繰り返し周波数fi を変化させることによって、発振波
長が可変される光源である。
【0175】図17は、時間−波長マッピングモード同
期レーザの構成例を示す。
【0176】図17において、時間−波長マッピングモ
ード同期レーザ201は、クロック信号を生成するクロ
ック信号生成部190と、共振器210とから構成され
る。共振器210は、光増幅器211、光変調器21
2、波長マッピング遅延回路213、およびレーザ光を
出力信号として取り出す出力部214とからなってい
る。
【0177】図18は、図17に対応するものであり、
反射面215を用いたリニア型共振器の構成例を示す。
【0178】図18において、波長マッピング遅延回路
213は、伝搬遅延(又は光路長)が波長(λ1,λ
2 ,…,λN)により異なる回路のことであり、レーザ
の共振器210に挿入した場合、共振器長が波長により
異なる。
【0179】(システム構成)本伝送システムは、図1
9に示す送信部200と、図20に示す受信部300と
によって構成される。
【0180】(送信部)図19は、図17の時間−波長
マッピングモード同期レーザ201の共振器210を備
えた送信部200の構成を示す。
【0181】図19の送信部200において、時間−波
長マッピングモード同期レーザ201の出力信号が光変
調器250に入力され、伝送速度Rのデータ信号によっ
て変調される。
【0182】時間−波長マッピングモード同期レーザ2
01の繰り返し周波数は、発振波長によって変化する
が、ここでは繰り返し周波数の範囲がfL を中心とし
て、ΔfL のバンド幅(ΔfL ≪fL )であるとす
る。
【0183】また、本発明では、光変調器250に印加
されるデータ信号の伝送速度がRであり、R<fL であ
るように設定されていることが重要な点である。
【0184】この場合、時間−波長マッピングモード同
期レーザ201の繰り返し周波数f L と伝送速度Rと
は一致していないが、データは低速に変化するエンベロ
ープとして変調されており、時間−波長マッピングモー
ド同期レーザ201から出力されたパルス列は、パルス
型のサブキャリアとして変調される。
【0185】ここで、送信部200を詳細に説明する。
【0186】まず、時間−波長マッピングモード同期レ
ーザ201の構成について説明する。光増幅器211と
して、光半導体増幅器、希土類添加光ファイバ増幅器、
又は希土類添加光導波路増幅器を用いることができる。
光半導体増幅器は、その利得飽和時間が高速であるた
め、高速な波長可変光源の実現に適している。
【0187】波長マッピング遅延回路213として、分
布ブラッググレーティング、アレイ導波路、又は波長分
散媒質からなる遅延回路を用いることができる。
【0188】光変調器212として、電界吸収型変調器
またはリシウムナイオベートマッハジェンダ型(LNM
Z)変調器を用いることができる。
【0189】ただし、変調周波数が1GHz以下である
領域では、光半導体増幅器を光変調器212として用い
ることができ(注入電流を変調する)、この場合、光増
幅器211と光変調器212とが一体化される利点があ
る。
【0190】また、本伝送システムのレーザ系をリング
型又はリニア型にすることができる。この場合にも、モ
ード同期用のクロック信号を発生する手段が必要であ
る。
【0191】(システム動作)データ変調のフォーマッ
トには複数の符号方式が可能であるが、本例では、バイ
ナリデジタル変調が用いられているものとする。データ
変調用の光変調器は、前述した時間−波長マッピングモ
ード同期レーザ201の光変調器212と同じものを用
いることができる。
【0192】システムを設計した際、予め最大の伝送速
度RMax を決定し、時間−波長マッピングモード同期レ
ーザ201を駆動するクロック信号の最低周波数fMin
=f L−ΔfL/2をRMaxよりも高く設定する。
【0193】理想的なシステムでは、fMin >RMax
満足することがエラーフリーな通信を実現するために十
分な条件になるが、現状では、fMin >2〜4RMax
設定することが必要である。例えば、RMax が2.5G
bpsである場合、fMin >5〜10GHzとなる。
【0194】このように送信された伝送信号は、伝送路
を伝搬し、図20に示す受信部300で受信される。伝
送路とは、光ファイバ、空間、又は光通信ネットワーク
などのみではなく、波長ルーティングを利用したノード
のことも含む。
【0195】(受信部)図20は、本通信システムにお
ける受信部300の構成を示す。
【0196】図19の送信部200から伝送された光信
号がO/E変換器301によって電気信号に変換され
る。この変換された電気信号には、光信号と同様に、サ
ブキャリア変調成分とエンベロープ成分とが存在する。
そして、この電気信号は、ローパスフィルタ302に入
力される。
【0197】ローパスフィルタ302では、RMax <f
cut <fMin の範囲内において−3dBのカットオフ周
波数fcut を設定することによってサブキャリア変調
成分が取り除かれ、エンベロープ成分のみが劣化せずに
残されて透過する。そして、データ識別回路303にお
いて、そのエンベロープ成分を識別することによって伝
送データが復元される。
【0198】図21(a)(b)は、上記図19および
図20に示す通信システムにおける伝送信号の例を、従
来方式と比較して示す。ここでは、バイナリーのデジタ
ルデータに関するものであり、01011010のパタ
ーンを示す。
【0199】図21(a)において、従来方式の伝送信
号の場合、伝送速度R=fL が満たされており、光パル
スとデータのビットとは1対1の対応性が存在する。
【0200】図21(b)において、本発明による方式
の伝送信号の場合、1つのビットに複数のパルスが対応
している。1ビットに対応するパルスの数は整数である
必要はない。信号のエンベロープ成分が伝送データに対
応しており、エンベロープ成分を抽出することによって
データのパターンを復元できる。
【0201】すなわち、本発明による方式では、送信側
の装置において、入力される駆動用のクロック信号と対
応する波長に依存しない任意の波長間隔で、かつ、各波
長が独立した伝搬遅延差を有する発振波長の出力信号
(繰り返し周波数fL )240が生成される。そして、
このようにして生成された出力信号240を、伝送速度
R(≪fL)のデータ信号255に基づいて光変調器2
50(図19参照)によって変調して伝送信号260を
作成して伝送を行う。
【0202】一方、受信側の装置では、その伝送信号2
60を所定のカットオフ周波数fcu t を有するローパス
フィルタ202に通過させることによって所望のエンベ
ロープ成分のみを抽出することによってデータのパター
ンを復元する。
【0203】上述したように、本発明では、時間−波長
マッピングモード同期レーザ201の繰り返し周波数f
L を伝送速度Rよりも十分高く設定して、伝送信号26
0のエンベロープ成分に伝送情報を付加し、その後、エ
ンベロープ成分を復元することによって、伝送情報を受
信することができ、これにより、レーザの繰り返し周波
数fL と伝送速度Rとを一致させることが不要となる。
【0204】(システム設計例)次に、本伝送システム
の設計例を、図22〜図26に基づいて説明する。
【0205】(送信部)図22は、ネットワーク管理シ
ステム160と接続された時間−波長マッピングモード
同期レーザ201の構成例を示す。
【0206】時間−波長マッピングモード同期レーザ2
01は、図23に示す9波長のファイバブラッググレー
ティング270を用いる。なお、図22中の番号は、図
17に対応させるものとする。
【0207】ネットワーク管理システムにおいて、周波
数調整部170によって所望の周波数の調整がなされた
後、周波数設定器180によって電気シンセサイザ19
0から出力されるクロック信号の周波数が設定され、時
間−波長マッピングレーザ201のクロック信号発生部
190に入力される。
【0208】クロック信号発生部190は、電気シンセ
サイザによって波長選択用のクロック信号が発生され
る。この場合、電気シンセサイザの周波数を設定するこ
とによって、レーザの波長が選択される。その発生した
クロック信号は、光変調器212に入力される。
【0209】光変調器212は、帯域10GHzのリチウ
ムナイオベートマッハジェンダー(LNMZ)型であ
る。光増幅器211は、半導体光増幅器である。本レー
ザの系はリング型であるため、共振器213内には、光
サーキュレータ280と、9波長の光ファイバ分布ブラ
ッググレーティング270とが用いられている。これら
光サーキュレータ280と光ファイバ分布ブラッググレ
ーティング270とから波長マッピング遅延回路が構成
される。
【0210】この光ファイバ分布ファイバブラッググレ
ーティング270を透過した光が、レーザの出力光、す
なわち出力信号240となる。
【0211】図23は、光ファイバ分布ブラッググレー
ティングの構成例を示す。
【0212】波長範囲1543−1559nmの間に波
長間隔2nmの分布ブラッググレーティングが波長が増
加する順序で配列されている。
【0213】図24は、本レーザが9波長で発振してい
るスペクトルの例を示す。本例では、レーザの繰り返し
周波数fL は、10GHzとする。
【0214】(受信部)図25は、受信部の構成例を示
す。なお、図25中の番号は、図20に対応させるもの
とする。
【0215】図25(a)において、O/E変換器30
1は、帯域25GHzのフォトディテクタからなる。こ
のフォトディテクタの出力は、帯域10GHzの電気増
幅器305により増幅される。この電気増幅器305の
出力をローパスフィルタ302としてのfcut <3GH
zの4次ベッセルフィルタに透過させることによって、
データ信号のエンベロープ成分を復元できる。
【0216】図25(b)および(c)の波形は、ロー
パスフィルタ302によってエンベロープ成分が復元さ
れる前後の波形を示す。
【0217】図26は、波長1553nm、1555n
m、1559nmで、長さ100kmの光ファイバ内で
伝送実験を行った結果を示す。このグラフから、エラー
フリーな動作を示していることがわかる。なお、図26
中、横軸が受信電力(dBm)、縦軸がBER値を示
す。
【0218】[第10の例]次に、本発明の第10の実
施の形態を、図27〜図30に基づいて説明する。
【0219】(時間−波長マッピングモード同期レー
ザ)図27は、時間−波長マッピングモード同期レーザ
の構成例を示す。
【0220】図27において、時間−波長マッピングモ
ード同期レーザは、駆動部1−15と、共振器1−1とから
構成される。
【0221】(共振器)共振器1−1の構成について説明
する。
【0222】共振器1−1は、光増幅器1−2と、光変調器
1−3と、波長マッピング遅延回路1−4と、光をレーザか
ら取り出す出力部1−5とからなっている。
【0223】光増幅器1−2としては、例えば半導体光増
幅器又は希土類添加ガラス導波路を用いることができ
る。半導体光増幅器の場合、利得飽和時間が高速である
ため高速な波長可変が可能になる。
【0224】光変調器1−3としては、例えばリチウムナ
イオベートマッハツェンダー型(lithium−niobate Mac
h−Zehnder (LNMZ))変調器又は電界吸収型(electro−
absorption (EA))変調器を用いることができる。
【0225】また、繰り返し周波数が低い領域(例え
ば、5GHz以下)では、半導体光増幅器の注入電流を
変調することによって、光変調器1−3を実現できる。こ
の場合、光増幅器1−2と光変調器1−3とが一体化される
利点がある。
【0226】出力部1−5としては、例えば光方向性結合
器又は共振器1−2内で用いられる反射面から透過される
光を用いることができる。
【0227】(駆動部)駆動部1−15の構成について説明
する。
【0228】クロック信号選択部1−7およびクロック信
号発生器1−8として、例えば電気RF発振器を用いるこ
とができる。共振器1−1内に用いられている部品を接続
するためには光導波路を用いることができる。
【0229】光導波路とは、例えば光ファイバ、ガラス
基板上の導波路、又は半導体基板上の導波路のことであ
り、ガラス又は半導体基板を用いた場合、集積化した時
間−波長マッピングレーザを容易に実現できる。
【0230】(波長マッピング遅延回路)図28は、N
波長のアレイ導波路グレーティング波長分離多重器(以
下、AWGという)2−0を用いた波長マッピング遅延回路1
−4の構成例を示す。
【0231】入力導波路2−2に入射された光2−1は、ス
ターカプラ2−3により、導波路のアレイ2−4に入射され
る。導波路のアレイ2−4はM本の導波路から構成されて
おり、導波路一本の長さがLiであって隣接する導波路 i
および j の間に長さの差 dLij が存在する。
【0232】導波路のアレイ2−4の出力側にはスターカ
プラ2−5があり、スターカプラ2−5の中で導波路のアレ
イから出射された光が干渉し、空間的に分散される。ス
ターカプラ2−5の出力側には、N本の導波路2−6があ
り、空間的な波長分散により導波路 k に波長 lk が入
射される。
【0233】N本の導波路2−6から波長分離された光2
−7が出射され、これにより、各波長の光に異なる伝搬
遅延Di 2−8が与えられる。このようにして遅延された
それぞれの波長の光が波長多重部2−9により多重され、
出力端から出力光2−10が出力されることによって、波
長マッピング遅延回路1−4が実現される。
【0234】(他の波長マッピング遅延回路)図29又
は図30は、AWG 2−0を用いた波長マッピング遅延回路
1−4の構成例を示す。
【0235】図29の構成では、N本の導波路3−6の終
端部分に反射面(ミラー)3−7が挿入されている。N本
の導波路3−6に入射された光はミラーにより反射され、
AWG2−0を逆方向に伝搬する。入力導波路3−2から入力
光3−1と逆方向に伝搬した方向で、出力光3−8が出力さ
れる。
【0236】N本の導波路3−6それぞれの長さdLIに差
を与えることによって、各波長に異なる伝搬遅延Di = 2
ndLi/cが与えられ(nが屈折率、cが光速)、波長マッ
ピング遅延回路1−4が実現される。これにより、異なる
伝搬遅延を与えることができる。
【0237】図30は、伝搬遅延を与える方法の他の構
成例を示す。
【0238】図30の構成ではAWG として、AWG 4−2と
AWG4−4とが2台用いられている。AWG 4−2により、入
力光4−1がN本の導波路4−3に波長分離される。波長分
離された光は、AWG4−4により波長多重され、出力4−5
が出力される。
【0239】N本の導波路4−3それぞれの長さdLIに差
を与えることによって、各波長に異なる伝搬遅延Di = n
dLI/cが与えられ、波長マッピング遅延回路1−4が実現
される。
【0240】(設計例)ここで、時間−波長マッピング
レーザを正常に動作させるための設計方法を、図27に
基づいて説明する。
【0241】図27において、まず、波長liによる共振
器全体の光路長を Lopt(li) で表せる。共振器1−1の光
路長とは、共振器1−1を構成する各部分の物理的な長さ
Laおよび屈折率naの積naLaを積分した長さを意味して
おり、dLiにより波長依存性が実現されている。
【0242】レーザの基本繰り返し周波数f(li)とL
opt(li)の関係をf(li) = c / Lopt(li)で表すことがで
き、ここでcは光速を示している。光変調器1−3を周波
数f(li)またはf(li)の正数m倍のクロック信号で変調し
た際、レーザにモード同期が掛かり波長li、繰り返し周
波数f(li)の光パルス列が発生し、出力部1−5により出
力される。mが高調波次数であり、m = 1の場合が基本モ
ード同期、m > 1の場合が高調波モード同期である。
【0243】Lopt(li)の設計において、クロック信号周
波数fiに対して、複数の波長で同時発振が起きられない
ように設定する必要がある。同時発振を避けるための設
計条件の1つをここで述べる。
【0244】まず、AWG 2−0の波長特性が波長領域で周
期的に繰り返されることを考慮する。波長特性の繰り返
し周期がAWG 2−0の自由スペクトル範囲(free spectra
l range (FSR))であり、FSR〜l0/Pで表せる。ここでP
がAWG 2−0の回折次数であり、dLijが一定(すなわちi,
jに依存しなくてdLで表せる)である場合、P = ndL/l0
で表せる。nは屈折率である。
【0245】異なる波長帯の同時発振を抑圧する1つの
方法は、FSRをレーザに用いられている光増幅器の増幅
帯域より広く設定することである。この場合、レーザの
利得帯域内に存在する波長帯のみで発振が起きる。
【0246】さらに、別の1つの方法は、dLijをチャー
ピングさせる方法である(C.R.Doerr, M.Zirngibl, C.
H.Joyner, IEEE Photon. Technol. Lett., vol.8, pp.5
00-502, April 1996)。チャーピングとは、dLijが一定
ではなく、iによりdLijが序々に増加または減少するこ
とを意味している。
【0247】この場合、AWG 2−0が低損失で動作する波
長帯が1つしか存在しなくなるようにでき、隣接する波
長帯の損失を大きくすることができる。損失が大きい波
長帯ではレーザ発振が起きなくなり、異なる波長帯の同
時発振を抑圧できる。
【0248】続いて、同じ波長帯の中で複数の波長が同
時発振できないように設計する方法を述べる。
【0249】まず、Lopt(li) ≠ Lopt(lj) (i ≠ j)が1
つの必要な条件である。すなわち、各波長に対応する共
振器長が異なることが必要であり、dLi ≠ dLj (i ≠
j)になるように波長マッピング遅延回路1−4を設計する
ことにより実現できる。
【0250】ただし、この条件のみでは異なる高調波次
数で複数な波長が同時発振する可能性がある。このよう
な同時発振を避けるためには、まずLopt(li)の最短値が
Lopt(min)、最長値がLopt(max)であると考える。
【0251】Lopt(min)とLopt(max)に対応する基本繰り
返し周波数がf(min) = c / Lopt(min)とf(max) = c/
Lopt(max)であり、Lopt(min) < Lopt(max)であるためf
(min) > f(max)である。レーザを高調波次数m0でモード
同期動作をさせた場合、(m0+1) f(max) > m0f(min) お
よび(m0−1) f(min)< m0 f(max)の条件を同時に満足さ
せることによって、異なる高調波次数で同時発振が起き
なくなる。
【0252】例えば、中心繰り返し周波数10 GHzで高調
波次数m = 10で動作するレーザを石英ガラス基板上に設
計する例について考える。
【0253】中心繰り返し周波数に対応する周期が100
psであり、真空中で長さ3 cmの伝搬距離に対応する。m
= 10であることから共振器を一周伝搬する真空中の距離
がm× 3 = 30 cmであることが分かる。石英ガラスの屈
折率1−45を考慮した場合、真空中の距離30 cmは約20.6
9 cmの物理的な長さに対応する。
【0254】さらに、リニア型共振器を用いることを仮
定した場合、光が共振器 1−1を往復するためレーザの
物理的な長さが半分になる(10.34 cm)。このようなレ
ーザには、図30に示す波長マッピング遅延回路 1−4
を用いることが適していると考えられる。
【0255】続いて、波長マッピング遅延回路 1−4
は、真空中の長さ30 cmを中心として共振器 1−1の光路
長を±dL変化させると考える。
【0256】この場合、Lopt(max) = 30 cm + dLであ
り、Lopt(min) = 30 cm − dLである。上記で述べた条
件により、11/ Lopt(max) > 10/ Lopt(min) および1
0/ Lo pt(max) >9/ Lopt(min)を満足する必要があ
り、dL < 30/ 21 = 1.43 cmになる。
【0257】dLは真空中の長さであるため、石英ガラス
上の物理的な長さが9.9 mmであり、リニア型共振器の場
合4.9 mmである。図30に示す波長マッピング遅延回路
1−4を用いた場合、dLiを4.9 mm未満にしておく必要が
あることを意味している。
【0258】(可変式伝搬遅延:その1)図32は、可
変式な伝搬遅延を与える方法の1例を示す。
【0259】本構成は、前述した図29の構成とほぼ同
じであるが、ここでは、メカニカルに反射条件を調整で
きる小型のミラーのN×Nのアレイ5−7(MEMS)をN本の
導波路5−6の出力側で用いている。
【0260】1本の導波路5−6の出力側にミラーがN個
並んでおり、各ミラーに光を反射する又は透過する2つ
の状態が存在する。1本の導波路5−6に対応するN個の
ミラーの内の1個を反射する状態に設定した場合、その
導波路5−6から出力された光が反射され、導波路5−6に
戻される。
【0261】戻された光はAWG 5−0を逆方向に伝搬し、
入出力用導波路から出力される。反射するミラーを選択
することによって伝搬遅延量Diを調整することができ、
波長liとDiの対応性が可変式になる。
【0262】例えば、図32に示すミラーアレイ5−7に
おいて、黒のミラーが反射状態に設定されており、白の
ミラーが透過状態に設定されている。反射状態に設定す
るミラーの位置により、長さdLiが設定されることが分
かる。波長liとDiの対応性を可変式にすることによっ
て、クロック信号の周波数fiと波長liの対応性が可変式
になる。
【0263】(可変式伝搬遅延:その2)図33は、可
変式な伝搬遅延を与える方法の他の構成例を示す。
【0264】図33において、図29又は図30に示す
複数の波長マッピング遅延回路1−9を備えており、光空
間スイッチ400を用いてその内の1つの波長マッピン
グ遅延回路1−4を選択する。
【0265】それぞれの波長マッピング遅延回路1−4の
特性が異なると考える。選択された波長マッピング遅延
回路1−4による発振特性を得られ、クロック信号の周波
数fiと波長liとの対応性が可変式になる。
【0266】石英導波路7−0にエルビウムを添加して波
長1.48μmまたは0.98μmの光で励起し、さらにInGaAs
Pの半導体光増幅器を用いることによって、光通信に重
要な1.55 mm帯で発振するレーザを実現することができ
る。
【0267】[第11の例]次に、本発明の第11の実
施の形態を、図31に基づいて説明する。
【0268】本例では、半導体基板上に集積化したレー
ザの構成例について説明する。
【0269】図31において、レーザの共振器7−12は
リニア型であり、前述した図29又は図30に示した波
長マッピング遅延回路 1−4を用いることができる。共
振器7−12の全体が、半導体基板上に集積されている。
【0270】光変調器7−2として、電界吸収型光変調器
を用いる。光増幅器7−3として半導体光増幅器を用い
る。
【0271】ただし、変調周波数の領域が低い場合(例
えば5GHz以下)、半導体光増幅器の注入電流を変調す
ることによって、光変調器7−2を実現できる。この場
合、光変調器7−2と光増幅器7−3が同一構成になる。
【0272】光変調器7−2の駆動信号7−11は、駆動部7
−10により発生される。駆動部7−10において、駆動信
号発生器は、周波数が可変式なRF発振器およびDC電源を
用いている。駆動信号7−11には、周波数fiのクロック
信号およびDCバイアス信号が含まれる。
【0273】出力光7−9は、共振器7−12の片側を終端
するミラー7−1を透過した光から得ている。共振器7−1
2のもう片側は反射部7−8により終端されており、反射
部7−8は固定のミラーまたはMEMSのミラーアレイである
と考えられる。InGaAsP系の基板を用いることによっ
て、光通信に重要な 1.55 mm波長帯で発振するレーザを
実現できる。
【0274】[第12の例]次に、本発明の第12の実
施の形態を、図32〜図33に基づいて説明する。
【0275】ここでは、石英ガラス基板上に集積化した
レーザの例について説明する。基本的な構成は、前述し
た第11の実施の形態と同じであるため、図31を用い
て説明する。
【0276】図31において、共振器7−12の全体が石
英ガラス板の上に集積されている。光変調器7−2とし
て、電界吸収変調器又はLNMZ変調器を用いることがで
き、ハイブリッド構造により基板上に乗せる。
【0277】光増幅器7−3としては、半導体光増幅器を
用いることができ、ハイブリッド構造により基板上に乗
せる。
【0278】変調周波数の領域が低い場合(例えば5GH
z以下)、半導体光増幅器の注入電流を変調することに
よって、光変調器7−2を実現できる。この場合、光変調
器7−2と光増幅器7−3とは同一構成になる。
【0279】さらに、光増幅器7−3として、石英導波路
7−0を希土類添加することができる。この部分を励起す
ることによって、光増幅器7−3を実現できる。
【0280】光変調器7−2の駆動信号7−11は、駆動部7
−10により発生される。駆動信号発生器は、周波数が可
変式なRF発振器およびDC電源を用いており、駆動信号7
−11には周波数fiのクロック信号およびDCバイアス信号
が含まれていると考えられる。
【0281】出力光7−9は、共振器7−12の片側を終端
するミラー7−1を透過した光から得ている。共振器7−1
2のもう片側には反射部7−8により終端されており、反
射部7−8として固定のミラー(図29参照)又は図32
に示すMEMSのミラーアレイを用いることができる。
【0282】[第13の例]次に、本発明の第13の実
施の形態を、図34に基づいて説明する。
【0283】本例は、送信部に用いられている光源とし
て、時間−波長マッピングレーザを構成する共振器1−1
の出力端に、光時間多重回路6−11からなる光源をさら
に接続した場合の例である。
【0284】なお、共振器1−1を含む時間−波長マッピ
ングレーザの構成は、前述した第10の実施の形態で説
明した図27の構成と同一であるため、ここでの説明は
省略する。
【0285】以下、光時間多重回路6−11の構成例につ
いて説明する。
【0286】時間−波長マッピングレーザの共振器1−
1の繰り返し周波数がfi(繰り返し周期Ti = 1/fi
であり、該レーザの出力光が光時間多重回路6−11に入
力されている。
【0287】光時間多重回路6−11を実現する方法はさ
まざま存在するが、ここで示す例は光方向性結合器およ
び光導波路を用いる。入力された光パルス列は、1× K
の光方向性結合器6−7によりK本の導波路6−8に分離さ
れる。それぞれの導波路の長さが異なり、長さに対応す
る伝搬遅延が kTc / Kである。
【0288】ここで、整数kは、0≦ k< Kを満足し、
導波路6−8の内の1本に対応するラベルである。また、
Tcは中心繰り返し周期である。
【0289】遅延された光パルス列それぞれがK×1の
光方向性結合器6−9により合成されることによって、平
均繰り返し周波数Kfiの光パルス列6−10が出力され
る。この場合、Tcが固定であるがTiが変化するため、Ti
= Tcのみの場合に光時間多重回路により繰り返し周波
数が正数倍になる。このため、繰り返し周波数の平均値
で考える必要がある。
【0290】図34に示す構成により、時間−波長マッ
ピングレーザの共振器1−11の繰り返し周波数と同程度
又はその周波数より高い伝送速度の伝送が可能になる。
【0291】最大な伝送速度Rmax に対して、光源の平
均繰り返し周波数がKfi ≫ Rmaxを満足するように設
定し、光伝送信号を受信した際、カットオフ周波数 f
cut がRm ax < fcut < Kfiを満足するローパスフィル
タを用いることにより、伝送が実現できる。
【0292】ただし、最大な多重度mに制限があり、時
間―波長マッピングレーザの繰り返し周期が Ti = 1/f
i、パルス幅がTpである場合、K < TI/Tpを満足さ
せる必要がある。
【0293】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定の波長に対応するクロック信号が入力される共振器
内に、該クロック信号と対応する波長に依存しない任意
の波長間隔で、かつ、各波長が独立した伝搬遅延差を有
する発振波長の出力信号を生成するアレイ導波路グレー
ティング等の信号生成手段を設けたので、波長を異なる
導波に分離し、各波長に与える伝搬遅延を独立に設定す
ることができ、これにより、狭い波長間隔で数多くの波
長で動作する波長マッピング遅延回路および時間−波長
マッピングモード同期レーザを作製することができる。
【0294】また、本発明によれば、上記信号生成手段
を設けたので、各波長に対応する共振器長を独立に調整
することが可能となり、モード同期周波数と発振波長と
の対応性を可変式にし、任意のモード同期周波数と発振
波長との組み合わせが可能な送受信伝送システムを得る
ことができる。
【0295】また、本発明によれば、伝送信号を伝送情
報および所望の波長に対応するクロック信号と同じ周波
数の制御信号から生成し、制御信号を抽出して時間−波
長マッピングモード同期レーザを駆動するクロック信号
として用いることによって、複雑の情報処理回路を不要
とする波長変換装置を得ることができる。
【0296】また、本発明によれば、時間−波長マッピ
ングモード同期レーザを用いた送信装置または波長変換
装置から出力される光パルス列の繰り返し周波数fを伝
送速度Rより十分高く設定し(f≫R)、伝送信号のエ
ンベロープ成分を伝送情報に対応させ、受信装置ではロ
ーパスフィルタを用いてエンベロープ成分を抽出し、エ
ンベロープ成分を識別することによって伝送情報を復元
する伝送システムを用いることによって、時間−波長マ
ッピングモード同期レーザから出力される光パルス列の
繰り返しを変化させながら一定の伝送速度で動作する伝
送システムを得ることができる。
【0297】
【0298】
【0299】
【0300】
【0301】
【0302】
【0303】
【0304】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である波長変換装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】従属接続された分布ブラッググレーティングの
構成を示す構成図である。
【図3】図2の分布ブラッググレーティングを用いて構
成された波長変換装置の実験系の構成を示すブロック図
である。
【図4】出力スペクトルおよびサブキャリアクロック信
号の周波数による波長可変特性(不連続的に変化するマ
ッピング特性)を示す特性図である。
【図5】伝送された光情報信号と波長変換された光情報
信号の誤り率測定の結果を示す特性図である。
【図6】サブキャリヤ変調されたバイナリー振幅符号の
光信号を示す特性図である。
【図7】通常のバイナリー振幅符号の光信号を示す特性
図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態である波長変換装置
の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態である、不連続的に
変化するマッピング特性をもつAWGの構成を示すブロ
ック図である。
【図10】クロック周波数による波長可変特性(不連続
的に変化するマッピング特性)を示す特性図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態である、波長分散
媒質の波長マッピング用遅延回路の連続的に変化するマ
ッピング特性(すなわち、波長により連続的に変化する
遅延特性)を示す特性図である。
【図12】波長分散媒質の波長マッピング用遅延回路の
マッピング特性(すなわち、クロック周波数により連続
的に変化する出力波長)を示す特性図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態であるプログラマ
ブルな波長変換装置の構成例を示すブロック図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態である空間スイッ
チを用いたプログラマブルな波長変換装置の構成例を示
すブロック図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態であるマイクロオ
プトメカニカルシステムのミラーを用いたプログラマブ
ルな波長変換装置の構成例を示すブロック図である。
【図16】本発明の第8の実施の形態である波長変換装
置およびルータの構成例を示すブロック図である。
【図17】本発明の第9の実施の形態である、時間−波
長マッピングモード同期レーザの構成例を示すブロック
図である。
【図18】図17に対応するものであり、反射面を用い
たリニア型共振器の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明に係る伝送システムにおける送信部の
構成を示すブロック図である。
【図20】図19の送信部に対応した受信部の構成を示
すブロック図である。
【図21】本発明による伝送方式を従来の伝送方式と比
較して示す説明図である。
【図22】図17のレーザに対応した伝送システムの送
信部の設計例を示すブロック図である。
【図23】分布ブラッググレーティングの設定例を示す
説明図である。
【図24】9波長で発振しているスペクトルの例を示す
説明図である。
【図25】(a)は伝送システムの受信部の設計例を示
すブロック図、(b)および(c)はローパス処理前後
の波形を示す説明図である。
【図26】光ファイバ内での伝送実験例を示す特性図で
ある。
【図27】本発明の第10の実施の形態である、時間−
波長マッピングモード同期レーザの構成例を示すブロッ
ク図である。
【図28】波長マッピング遅延回路の構成例を示すブロ
ック図である。
【図29】異なる伝搬遅延を与える他の波長マッピング
遅延回路の構成例を示すブロック図である。
【図30】異なる伝搬遅延を与える他の波長マッピング
遅延回路の構成例を示すブロック図である。
【図31】本発明の第11の実施の形態である、時間−
波長マッピングモード同期レーザの構成例を示すブロッ
ク図である。
【図32】本発明の第12の実施の形態である、可変式
伝搬遅延を付与する時間−波長マッピングモード同期レ
ーザの構成例を示すブロック図である。
【図33】他の可変式伝搬遅延を付与する時間−波長マ
ッピングモード同期レーザの構成例を示すブロック図で
ある。
【図34】本発明の第13の実施の形態である、光時間
多重回路を備えた時間−波長マッピングモード同期レー
ザの構成例を示すブロック図である。
【図35】従来の波長変換装置の構成例を示すブロック
図である。
【図36】従来の他の波長変換装置の構成例を示すブロ
ック図である。
【図37】従来の時間−波長マッピングモード同期レー
ザの発振特性を示す説明図である。
【図38】従来の波長マッピング遅延回路の発振特性を
示す説明図である。
【符号の説明】
1−1 共振器 1−2 光増幅器 1−3 光変調器 1−4 波長マッピング遅延回路 1−5 出力部 1−6 出力光 1−7 クロック信号選択部 1−8 クロック信号発生器 6−7 光方向性結合器 6−8 導波路 6−9 光方向性結合器 6−10 光パルス列 6−11 光時間多重回路 50 波長変換装置 51 光変調器 52 光増幅器 53 光方向性結合器 54 波長マッピング遅延回路 55 受信器 56 クロック抽出回路 57 光変調器 59 光情報信号 190 クロック信号発生部 200 送信部 201 時間−波長マッピングモード同期レーザ 210 共振器 211 光増幅器 212 光変調器 213 波長マッピング遅延回路 214 出力部 215 ミラー 240 出力信号 250 光り変調器 260 伝送信号 270 分布ブラッググレーティング 280 光りサーキュレータ 300 受信部 301 O/E変換器 302 ローパスフィルタ 303 データ識別回路
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04B 10/152 H04J 14/00 14/02 (56)参考文献 特開 平10−65249(JP,A) 特開 平8−195519(JP,A) 特開 平9−74240(JP,A) 特開 平6−252482(JP,A) 特開 平7−15062(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30 G02F 2/02 H04B 10/04

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長可変モード同期レーザであって、 所定の波長に対応するクロック信号が入力される共振器
    内に、 前記クロック信号と対応する波長に依存しない任意の波
    長間隔で、かつ、各波長が独立した伝搬遅延差を有する
    発振波長の出力信号を生成する信号生成手段を具えたこ
    とを特徴とする波長可変モード同期レーザ。
  2. 【請求項2】 前記信号生成手段は、 アレイ導波路グレーティングを有することを特徴とする
    請求項1記載の波長可変モード同期レーザ。
  3. 【請求項3】 前記アレイ導波路グレーティングは、前
    記共振器の光路長を変化させることを特徴とする請求項
    1又は2記載の波長可変モード同期レーザ。
  4. 【請求項4】 前記アレイ導波路グレーティングは、波
    長数Nの各波長に対応する共振器の光路長を独立に変化
    させることを特徴とする請求項1又は2記載の波長可変
    モード同期レーザ。
  5. 【請求項5】 前記共振器内にN×Nのミラーアレイをさ
    らに具え、 前記ミラーアレイの反射状態を調整することによって各
    波長に対応する共振器の光路長を変化させることを特徴
    とする請求項4記載の波長可変モード同期レーザ。
  6. 【請求項6】 前記共振器を複数個具え、光空間スイッ
    チによって該複数の共振器の1つが選択されることを特
    徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の波長可変
    モード同期レーザ。
  7. 【請求項7】 前記共振器の出力信号の繰り返し周波数
    をfLとしたとき、該繰り返し周波数は、fLを中心とし
    てΔfLのバンド幅(ΔfL≪fL)を有し、 前記クロック信号に対応した伝送信号の伝送速度をRと
    したとき、 R≪fL の関係が得られ、 前記伝送信号1ビットに対して複数のパルスを対応させ
    たことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載
    の波長可変モード同期レーザ。
  8. 【請求項8】 波長可変光源を用い、伝送信号を新たな
    波長の出力信号に変換する波長変換装置であって、 前記波長可変光源として、請求項1ないし7のいずれか
    に記載の波長可変モード同期レーザを用い、 前記波長可変光源から出力される前記出力信号を変調す
    ることによって、前記伝送信号を新たな波長の信号に変
    換することを特徴とする波長変換装置。
  9. 【請求項9】 前記波長可変光源から出力される前記出
    力信号の波長は、前記伝送信号に含まれる制御情報によ
    って設定されることを特徴とする請求項8記載の波長変
    換装置。
  10. 【請求項10】 前記制御情報は、前記クロック信号と
    同じ周波数であることを特徴とする請求項9記載の波長
    変換装置。
  11. 【請求項11】 請求項8ないし10のいずれかに記載
    の波長変換装置の出力端に、波長分離手段を接続したこ
    とを特徴とする波長ルータ。
  12. 【請求項12】 レーザの繰り返し周波数を変化させな
    がら一定の伝送速度で伝送するシステムであって、 送信側の装置は、 請求項1ないし7のいずれかに記載の波長可変モード同
    期レーザと、 前記波長可変モード同期レーザから、繰り返し周波数が
    伝送速度よりも十分高く設定され、かつ、エンベロープ
    成分が伝送情報に対応した伝送用の出力信号を出力する
    出力手段とを具え、 受信側の装置は、 所定のカットオフ周波数によって前記出力信号のエンベ
    ロープ成分を抽出するローパスフィルタと、 前記ローパスフィルタによって抽出されたエンベロープ
    成分を識別して前記伝送情報を復元する復元手段とを具
    えたことを特徴とする伝送システム。
  13. 【請求項13】 レーザの繰り返し周波数を変化させな
    がら一定の伝送速度で伝送するシステムであって、 送信側の装置は、 請求項8ないし10のいずれかに記載の波長変換装置
    と、 前記波長変換装置から、繰り返し周波数が伝送速度より
    も十分高く設定され、かつ、エンベロープ成分が伝送情
    報に対応した伝送用の出力信号を出力する出力手段とを
    具え、 受信側の装置は、 所定のカットオフ周波数によって前記出力信号のエンベ
    ロープ成分を抽出するローパスフィルタと、 前記ローパスフィルタによって抽出されたエンベロープ
    成分を識別することによって前記伝送情報を復元する復
    元手段とを具えたことを特徴とする伝送システム。
  14. 【請求項14】 前記所定のカットオフ周波数をfcut
    とし、前記伝送速度をRとしたとき、 前記伝送用の出力信号を受信する際に、該カットオフ周
    波数fcut が R <fcut < fmin であるローパスフィルタを用いて光パルス列に対応する
    成分を取り除くことを特徴とする請求項12又は13記
    載の伝送システム。
  15. 【請求項15】 前記波長可変モード同期レーザの出力
    側に、多重度Kの光時間多重回路をさらに接続し、 該波長可変モード同期レーザの出力光は光時間多重回路
    の出力光であり、 該出力光のパルス列の平均繰り返し周波数がKfL であ
    り、 該平均繰り返し周波数の最小周波数がKfminであるこ
    とを特徴とする請求項14記載の伝送システム。
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