JP4953434B2 - 皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法 - Google Patents

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本発明は、皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法の技術分野に属するものである。
一般に、人間は加齢していくに従い皮膚がたるみ、これが皺となってくる一方で、日焼け痕等に色素が溜まって染みになってくる。このような皺や染みの発生は、美容という観点から好まない人が多く、そこで整形手術をして皺や染みを取ることが試みられているが、このような手術を受けることは本人にとって大きな負担になると共に、再手術の繰り返しや手術の失敗ということも考えられ問題がある。
そこで皺取り用の絆創膏を皮膚に貼着して皺取りをすることが提唱されている(例えば特許文献1、2)。
特開2002−45232号公報 特開2004−313277号公報
ところが前記従来のものは、ストレッチ性がある基材裏面に粘着剤を塗布したものを、単に皮膚に貼着して皺取りをするだけのものであったから、皺取り効果が悪く、長期間のあいだ貼着し続けなければならないだけでなく、一旦皺延ばしができても、すぐに元通りになってしまうものであり、しかも染み取りはできないという問題があり、ここに本発明が解決せんとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、基材の一側面に粘着剤が塗布され、該粘着剤面に剥離紙が粘着されてなる絆創膏の原紙から剥離紙を剥離させた基材の粘着剤表面に、皺や染み取りに薬効があるキトサンが印刷された転写用のローラでキトサンを印刷し、粘着剤の粘着機能が残る状態でキトサンを塗布した後、前記剥離した剥離紙を再粘着させたことを特徴とする皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法である。
請求項2の発明は、粘着剤の粘着機能が残る薬剤の塗布は、薬剤が網目模様、水玉模様、縞模様に代表される隙間がある模様の印刷であることを特徴とする請求項記載の皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法である。
請求項3の発明は、薬剤が塗布された基材に剥離紙が再粘着された後、基材を各種形状に型抜きし、不要部分の基材を剥離紙から剥離したことを特徴とする請求項または記載の皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法である。
請求項4の発明は、不要部分の基材は一連状に連なっていることを特徴とする請求項記載の皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法である。
請求項の発明とすることで、絆創膏の基材に設けられる粘着剤面に、該粘着剤の粘着機能が残る状態で皺や染み取りに薬効がある薬剤が塗布されることになり、この結果、絆創膏を皺や染みがある皮膚に粘着しておくことで、薬効が働いて積極的な皺や染み取りができることになって、効果のある皺や染み取りが短期間のうちにできることになる。
請求項の発明とすることで、粘着剤の粘着機能が残る状態で皺や染み取りに薬効がある薬剤の塗布が、通常の印刷技術を使うことで簡単にできることになる。
請求項の発明とすることで、各種形状の薬剤付き基材が簡単にできることになる。
請求項の発明とすることで、不要部分の基材の剥離が連続してできることになって作業性が向上する。
次ぎに、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。図面において、1は皺および染み取り機能を有した絆創膏(粘着テープ)であって、該絆創膏1は、ストレッチ性(伸縮性)がある基材2と、該基材2の一側面に塗布される粘着剤3と、該粘着材3の表面に粘着される剥離紙4とによって構成されるが、粘着剤3の表面には皺や染み取り機能を有した薬剤、例えばキトサンを主成分とする薬剤5が、本実施の形態では網目模様として印刷により塗布されており、該塗布された薬剤5の網目間の隙間に露出する粘着剤3に剥離紙4が粘着されることで構成されている。
そしてこの絆創膏1は、剥離紙4を剥離させた状態の基材2を、皺や染みがある皮膚に粘着させておくと、粘着剤3の表面に塗布した薬剤5の薬効が積極的に働くことになって、皺や染み取り機能が早期のうちに発揮される。しかもこの皺や染み取りの効果は、薬剤5によるものであるから持続性があり、薬剤のない絆創膏を単に粘着したもののようにすぐに元状態に戻ってしまうことを回避できる。
次に、粘着剤3の表面に薬剤5を塗布手法について説明するが、薬剤5として塗布したい模様、本実施の形態では網目模様の版を作成し、この版を用いてまず転写用のローラ6の表面に印刷するものであり、このため薬剤5としては、転写用インクの性状に近いもの、例えばキトサンをワセリンに混ぜて形成した軟膏状(ペースト状)になっているものを用いることが好ましい。該ローラ6に印刷された薬剤5を前記粘着剤3の表面に転写印刷することになる。
この場合の概略図を図2に示すが、このものにおいて、ストレッチ性がある基材2に剥離紙4が粘着された傷用の絆創膏の原紙7を引き出したものについて、基材2から剥離紙4を剥離させた該基材2の粘着剤3面に、前記ローラ6に印刷された薬剤5を印刷し、しかる後、前記剥離した剥離紙4を薬剤5が印刷された粘着剤3面に再粘着させれることで形成することができ、その後、基材2あるいは絆創膏全体を所定の形状にカットする等して製造することができる。
このように薬剤が塗布された絆創膏1は、絆創膏原紙7から剥離紙4を剥離させた状態で薬剤5を印刷により塗布することができるから、その製造が簡単である。しかも薬剤の塗布が網目模様となって隙間があり、この隙間からは予め塗布されている粘着剤3が露出することになって粘着機能が残り、この結果、薬剤塗布後、前記原紙7から剥離した剥離紙4を、再び粘着剤3面に粘着させることになって再利用するかたちで使用者のもとに提供されることになる。
尚、本発明は前記実施の形態に限定されるものでないことは勿論であって、薬剤としては皺や染み取り機能があるものであればキトサンに限定されるものではなく、また薬剤の塗布としては網目模様に限定されず、縞模様、水玉模様等の隙間がある模様を必要において適宜採用することができる。
さらにまた、本発明を実施するにあたり、前記実施の形態では基材2および剥離紙4が同一の形状にカットされたものとしたが、これに限定されるものではなく、例えば図3に示すように、頬、鼻脇、目尻等の皺や染み取りをしたい個所に合わせた各種形状にカットされた基材2が一枚状の剥離紙4に粘着されたものとすることができ、このようにした場合には、皺や染み取りをしたい個所に適合した形状のものを提供できることになる。
そしてこのような基材2のカットは、図5に示すように、前述の薬剤5を塗布した基材2に剥離紙4を再粘着させた後、基材2のみを必要形状に型抜き2bをし、不要な基材2aを剥離紙4から剥離することで製造できるが、この場合に、不要な基材2aを一連状に連なるものとしておけば、不要な基材2aは連続して剥離できることになって作業性が向上する。
またこの場合において、図3に示すように基材2が粘着されていない部分の剥離紙4にカットすることができるようミシン目4aを入れておくことで、必要な部分、あるいは既に使用して不要となった部分のみをカットできることになって利便性が向上する。
さらにまた、図4に示すように、剥離紙4について、基材2の粘着部分を通る状態でカット4bをしておくことで、基材2を剥離する場合に、剥離紙4から基材2を爪で引っ掻くようにして剥離するのではなく、剥離紙4を基材2から離すようにして剥離する操作ができることになって、基材2が折れ曲がって粘着しあうような不具合を回避できることになる。
絆創膏の断面図である。 薬剤塗布工程を示す概略図である。 ミシン目がある絆創膏の正面図である。 剥離紙にカットがある絆創膏の正面図である。 不要な基材を剥離している工程を示す概略斜視図である。
符号の説明
1 皺および染み取り機能を有した絆創膏
2 基材2
3 粘着剤
4 剥離紙
5 薬剤
6 ローラ
7 原紙

Claims (4)

  1. 基材の一側面に粘着剤が塗布され、該粘着剤面に剥離紙が粘着されてなる絆創膏の原紙から剥離紙を剥離させた基材の粘着剤表面に、皺や染み取りに薬効があるキトサンが印刷された転写用のローラでキトサンを印刷し、粘着剤の粘着機能が残る状態でキトサンを塗布した後、前記剥離した剥離紙を再粘着させたことを特徴とする皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法。
  2. 粘着剤の粘着機能が残る薬剤の塗布は、薬剤が網目模様、水玉模様、縞模様に代表される隙間がある模様の印刷であることを特徴とする請求項記載の皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法。
  3. 薬剤が塗布された基材に剥離紙が再粘着された後、基材を各種形状に型抜きし、不要部分の基材を剥離紙から剥離したことを特徴とする請求項または記載の皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法。
  4. 不要部分の基材は一連状に連なっていることを特徴とする請求項記載の皮膚の皺や染み取り機能を有した絆創膏の製造方法。
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