JP2000319604A - 粘着シートと、その製造方法 - Google Patents

粘着シートと、その製造方法

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JP2000319604A JP11125944A JP12594499A JP2000319604A JP 2000319604 A JP2000319604 A JP 2000319604A JP 11125944 A JP11125944 A JP 11125944A JP 12594499 A JP12594499 A JP 12594499A JP 2000319604 A JP2000319604 A JP 2000319604A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 引剥し時の粘着力を均一かつ適切にする。 【解決手段】 基材用紙11の表面に点状の粘着剤の塗
布面12、12…を形成する。塗布面12、12…は、
ピッチ2〜8.4mmの仮想格子内に納め、間隙0.4〜
7.2mmに配列することにより、好適な粘着力を実現す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シールやラベ
ル、引剥し可能なフォーム用紙(連続伝票用紙)等とし
て使用可能な粘着シートと、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上質紙を基材とする粘着シート用の粘着
用紙は、一般に、粘着剤塗工メーカから粘着剤を塗布済
の印刷用紙として供給されるが、基材用紙の一部に対し
てのみ粘着剤を塗布しなければならない場合、フレキソ
印刷方式により後加工を施すことも少なくない。
【0003】従来のフレキソ印刷方式による粘着剤の塗
布加工は、基材用紙の所定部分の全面に粘着剤をベタ塗
りするのが普通である。しかしながら、これでは、基材
用紙に有害なカールや波打ちを生じることが多く、この
ような弊害を軽減するために、粘着剤の塗布面を線状に
パターン化することも一部で試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術による
ときは、線状にパターン化された粘着剤の塗布面は、版
材に形成する線状の凸部の両側に膜厚が大きなのりだま
り(糊溜り)を生じることが避けられないため、線状の
塗布面における粘着力が過大となり、線間の粘着剤が存
在しない部分との間に粘着力の極端な差異を生じる結
果、引剥し作業が困難になりがちであるという問題があ
った。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技
術の問題に鑑み、粘着剤の塗布面を適切なピッチ、間隙
の点状に配列することによって、全体として均一かつ適
切な粘着力を得ることができる粘着シートと、その製造
方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めのこの出願に係る第1発明の構成は、点状の粘着剤の
塗布面を基材用紙の表面に形成してなり、各塗布面は、
ピッチ2〜8.4mmの仮想格子内に納め、間隙0.4〜
7.2mmに配列することをその要旨とする。
【0007】第2発明の構成は、フレキソ印刷方式によ
り粘着剤の塗布面を基材用紙の表面に形成して粘着シー
トを製造するに際し、外径1〜5mmの凸部をピッチ2〜
8.4mmの仮想格子内に納めて配列する版材を介して粘
着剤を塗布することをその要旨とする。
【0008】なお、版材の凸部のまわりに生じるのりだ
まりの幅を0.1〜1.5mmにコントロールすることが
好ましい。
【0009】
【作用】かかる第1発明の構成によるときは、基材用紙
に形成する点状の粘着剤の塗布面は、ピッチ2〜8.4
mmの仮想格子内に納められ、間隙0.4〜7.2mmに配
列されている。そこで、このようにして配列する塗布面
は、全体として、均一かつ適切な粘着力を発現すること
ができ、引剥し作業が困難になるおそれがない。なお、
塗布面は、幅0.1〜1.5mmののりだまりを含むもの
とし、間隙とは、隣接する点状の塗布面間の最小間隙を
いうものとする。また、仮想格子内に納める各塗布面の
形状は、円形の他、三角形、四角形等の任意の多角形
や、+、−、×、<、>等の任意の符号形状としてもよ
いものとする。
【0010】仮想格子のピッチを2mm未満にすると、各
塗布面の間に間隙を確保することが難しくなり、粘着力
が過大となるおそれがある。また、仮想格子のピッチを
8.4mm超過とすると、各塗布面の大きさが過大となっ
たり、塗布面間の間隙が過大となったりし、全体として
均一な粘着力を実現することが難しい。一方、塗布面間
の間隙は、0.4mm未満とすることは実用上極めて困難
であり、7.2mm超過とすると、実質的に均一な粘着力
が得られない。
【0011】基材用紙は、上質紙、アート紙、キャスト
コート紙、アルミ箔紙、樹脂含浸紙、蒸着紙、転写紙等
の紙系基材の他、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニ
ルフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチック
フィルム系基材、合成紙系基材等が使用可能である。ま
た、粘着剤としては、ゴム系、アクリル系、ビニル系、
シリコーン系等の溶剤形粘着剤や、アクリル系エマルジ
ョンタイプを代表とする水系形粘着剤等を使用すること
ができる。なお、粘着剤の塗布面を保護するために、シ
リコーンコーティング処理による難粘着性の剥離紙を付
属させてもよい。
【0012】第2発明の構成によるときは、粘着剤の塗
布面は、フレキソ印刷方式の版材を介して粘着剤を塗布
することにより基材用紙の表面に形成される。そこで、
版材に形成する凸部を外径1〜5mmとし、ピッチ2〜
8.4mmの仮想格子内に納めて配列することにより、第
1発明に係る粘着シートを製造することができる。各凸
部のまわりには、のりだまりが付随して形成され、粘着
剤の塗布面を形成するからである。
【0013】のりだまりの幅を0.1〜1.5mmにコン
トロールすれば、塗布面間の間隙を確保するに必要な凸
部の外径を適切に設定することができ、実現し得る粘着
力を最適に設定することができる。なお、のりだまりの
幅は、版材に形成する凸部の外径の他、使用する粘着剤
の粘度、基材用紙による粘着剤の受容性、版材の硬度、
版材に加える圧胴の線圧力等のパラメータを設定してコ
ントロールすることができる。たとえば、版材の凸部の
外径を1mmとすると、各凸部のまわりに幅0.1〜0.
3mmののりだまりを付随して形成することができ、凸部
の外径を5mmとすると、幅0.5〜1.5mmののりだま
りを形成することができる。ただし、粘着剤は、基材用
紙として上質紙を使用する場合、アクリル樹脂系の水性
エマルジョンタイプを使用することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の
形態を説明する。
【0015】粘着シート10は、基材用紙11の表面に
点状の粘着剤の塗布面12、12…を形成してなる(図
1、図2)。なお、粘着シート10には、塗布面12、
12…を保護するために、剥離紙13が付属されてい
る。
【0016】基材用紙11上において、塗布面12、1
2…は、それぞれ縦横のピッチp=2〜8.4mmの仮想
格子B内に納め(図3)、しかも、隣接する塗布面1
2、12の間隙d=0.4〜7.2mmに設定されてい
る。ただし、各塗布面12は、図示しないフレキソ印刷
用の版材の凸部Aの外周に付随して生じる幅w=0.1
〜1.5mmののりだまり12aを含むものとする(図
4)。
【0017】かかる粘着シート10は、たとえば剥離紙
13を図1、図3の矢印K1 方向に剥離するとき、剥離
紙13の剥離線(剥離紙13が基材用紙11から離れつ
つある直線部分をいう、以下同じ)13aが粘着剤の塗
布面12、12…によって細かく分断されている。そこ
で、剥離紙13の剥離中の粘着力は、塗布面12、12
…の大きさや、間隙dを適切に設定することにより、任
意に設定することができる上、剥離中の粘着力の変化幅
も、十分小さく抑えることができる。
【0018】なお、剥離紙13は、仮想格子Bに対して
45°方向(図3の矢印K1 方向)に剥離することが好
ましく、仮想格子Bと平行方向(同図の矢印K2 方向)
に剥離すると、剥離中の粘着力の変動幅が大きくなる傾
向となる。しかしながら、実際に問題となるのは、剥離
紙13を剥離する際の粘着力ではなく、剥離紙13を取
り除き、塗布面12、12…を介して基材用紙11を他
の被着体に貼り付けた後、基材用紙11を被着体から剥
離する場合の粘着力である。よって、基材用紙11の剥
離方向を指定可能な場合は、剥離中の基材用紙11の剥
離線が塗布面12、12…によって適切に分断され、剥
離中の粘着力が最適となるように、基材用紙11の剥離
方向に対する仮想格子Bの傾きを適宜設定することが好
ましい。ただし、基材用紙11の粘着力は、塗布面1
2、12…の大きさや間隙dに加えて、粘着剤の種類
や、被着体の表面状態等によっても大きな影響を受ける
から、これらのパラメータについても、綿密な試行の
上、適切に設定することが必要である。
【0019】基材用紙11上の塗布面12、12…は、
フレキソ印刷方式により、簡単に形成することができ
る。ただし、このとき使用する版材は、塗布面12、1
2…に対応する凸部A、A…を有するものとする(図
4)。すなわち、凸部A、A…は、外径1〜5mmとし、
ピッチp=2〜8.4mmの仮想格子B内に納めて版材の
表面に配列すればよい。ただし、フレキソ印刷時のパラ
メータは、各凸部Aのまわりに形成されるのりだまり1
2aの幅w=0.1〜1.5mmとなるようにコントロー
ルするものとする。
【0020】以上の説明において、塗布面12、12…
の大きさや形状は、基材用紙11上において、必ずしも
均一でなくてもよい。すなわち、塗布面12、12…
は、大きさが異なるものや、形状が異なるもの、大き
さ、形状の双方が異なるものを適宜混在させてもよい。
また、各塗布面12は、隣接する他の塗布面12との間
隙dを確保することができる限り、仮想格子Bの各格子
内の中央に配置するに代えて、各格子内の任意の位置に
偏在させてもよく、その偏在の態様は、基材用紙11上
において、均一であってもよく、不均一であってもよ
い。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、この出願に係る第
1発明によれば、基材用紙に形成する点状の粘着剤の塗
布面をピッチ2〜8.4mmの仮想格子内に納め、間隙
0.4〜7.2mmに配列することによって、引剥し時に
おいて基材用紙の剥離線が塗布面によって細かく分断さ
れるから、全体として均一かつ適切な粘着力を容易に実
現することができるという優れた効果がある。
【0022】第2発明によれば、フレキソ印刷方式によ
り、第1発明に係る粘着シートを容易に製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 全体斜視説明図
【図2】 要部拡大断面図
【図3】 要部平面説明図
【図4】 図3の要部拡大説明図
【符号の説明】
A…凸部 B…仮想格子 p…ピッチ d…間隙 w…幅 10…粘着シート 11…基材用紙 12…塗布面 12a…のりだまり

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 点状の粘着剤の塗布面を基材用紙の表面
    に形成してなり、前記各塗布面は、ピッチ2〜8.4mm
    の仮想格子内に納め、間隙0.4〜7.2mmに配列する
    ことを特徴とする粘着シート。
  2. 【請求項2】 フレキソ印刷方式により粘着剤の塗布面
    を基材用紙の表面に形成して粘着シートを製造するに際
    し、外径1〜5mmの凸部をピッチ2〜8.4mmの仮想格
    子内に納めて配列する版材を介して粘着剤を塗布するこ
    とを特徴とする粘着シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 版材の凸部のまわりに生じるのりだまり
    の幅を0.1〜1.5mmにコントロールすることを特徴
    とする請求項2記載の粘着シートの製造方法。
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