JP4952967B2 - リチウム二次電池及びそれを用いた自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池及びそれを用いた自動車に関する。さらに詳しくは、ポータブル機器、電気自動車、ハイブリッド型電気自動車、電力貯蔵等に用いるのに好適な、高い入出力特性を発現する電池エネルギー密度が高く、かつ寿命特性、安全性に優れたリチウム二次電池とそれを用いた自動車に関する。
リチウム二次電池は、他のニッケル水素二次電池や鉛蓄電池に比べ、軽量で高い出力特性を有することから、近年、電気自動車や、ハイブリッド型電気自動車といった高出力用電源として注目されている。ハイブリッド型電気自動車の電源としては、入出力性能のバランスがとれ、かつ広いSOC(充電状態)範囲で高い入出力性能を発現し、かつその高い入出力性能を発現する電池エネルギー密度が高く、かつその高い入出力性能を長期間に渡り維持できるリチウム二次電池が求められている。
一般に、リチウム二次電池の炭素系の負極活物質は、結晶性が高い黒鉛系と結晶性が低い非晶質系炭素に大別される。黒鉛は炭素原子の六角網面が規則正しく積層した構造を有するもので、積層した六角網面の端部よりリチウムの挿入、脱離反応が進行し、六角網面の層間にリチウムが挿入される。この六角網面の層間にリチウムが挿入されることで、黒鉛は安定した電位を発現する。さらに黒鉛ではその不可逆容量がいわゆるハードカーボンなどの従来の非晶質系炭素に比べ比較的小さくすることができる。従って黒鉛系負極材料を負極活物質に用いたリチウム二次電池は、電池電圧が安定し、SOCによる入出力特性の変動が比較的小さい高エネルギー密度のリチウム二次電池を得られやすい。しかしながら、その反面、リチウムの挿入、脱離反応が六角網面の端部においてしか進行しないことから、入出力値そのものが著しく低い。さらに、結晶性が高い黒鉛表面で電解液が分解しやすいばかりでなく、リチウムが黒鉛表面に析出しやすいため、サイクル寿命特性、保存寿命特性が悪く、長期間に渡り高い入出力特性を維持しにくい課題がある。
これに対して、非晶質炭素は、六角網面の積層が不規則であるが、もしくは網面構造を有さないもので、リチウムの挿入、脱離反応は比較的多くの表面で進行することから、リチウムの挿入、脱離反応の抵抗が低く、高入出力のリチウム二次電池が得やすい。また、非晶質炭素はリチウムの挿入、脱離時や電池の保存時に電解液を分解しにくく、かつリチウムが表面に析出しくいために、サイクル寿命、保存寿命特性が良いリチウム二次電池が得られやすい。しかしながら、その反面、不可逆容量が大きく、エネルギー密度を高めることが困難であった。
従って、高い入出力性能を発現し、かつその高い入出力特性を発現する電池エネルギー密度が高く、かつ寿命特性に優れたリチウム二次電池を実現することは極めて困難な技術課題であった。
このような高い入出力性能を志向したリチウム二次電池として、例えば特許文献1には、正極にニッケルの一部を他元素で置換したニッケル酸リチウムを有し、負極に600Å≦Lc≦1000Åである黒鉛を用いたリチウム二次電池の開示がある。しかしその入出力性能、エネルギー密度及び寿命特性の点からその性能として必ずしも充分なものではなかった。
また、下記特許文献2においては、組成一般式LiMPO(M=2価元素)であるオリビン構造を有する正極を用いた、SOC25%から80%における入力と出力変動が20%以下であるリチウム二次電池の開示がある。しかし、このリチウム二次電池はその入力性能に比べ出力性能が著しく低い。また、特許文献2では、負極材料についての規定はない。
特開2000−260480号公報 特開2003−36889号公報
本発明は入出力性能のバランスがとれ、かつ高い入出力性能を発現し、かつその高い入出力性能を発現する電池エネルギー密度が高く、かつ寿命特性及び安全性に優れたリチウム二次電池とこれを使用した自動車を提供することにある。
本発明は、正極活物質を含む正極合剤を塗布してなる正極と、負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極と、セパレータからなる電極群と電解液とを有するリチウム二次電池において、前記負極活物質が、(1)平均粒径が5〜25μmであり、かつ(2)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.7〜1.3であり、かつ(3)広角X線回折で測定される結晶の層間距離d(002)が3.41〜3.70Åであり、かつ(4)c軸方向の結晶子サイズLc(002)が10Å以上、100Å未満であり、かつ(5)真比重が1.95〜2.19であり、(6)かさ密度が0.2g/cm以上、(7)窒素ガス吸着のBET法による比表面積が1.0〜12m/gの条件を同時に満たし、ニードル組織を有する炭素材料を含んでなり、且つ、負極に含まれる上記炭素材料の、負極の単位面積あたりの表面積が0.005〜0.05m /cm であるリチウム二次電池に関する。
また本発明は、正極活物質を含む正極合剤を塗布してなる正極と、負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極と、セパレータからなる電極群と電解液とを有するリチウム二次電池において、前記負極活物質が、(1)平均粒径が5〜25μmであり、かつ(2)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.7〜1.3であり、かつ(3)広角X線回折で測定される結晶の層間距離d(002)が3.41〜3.70Åであり、かつ(4)c軸方向の結晶子サイズLc(002)が10Å以上、100Å未満であり、かつ(5)真比重が1.95〜2.19であり、(6)かさ密度が0.2g/cm以上、(7)窒素ガス吸着のBET法による比表面積が1.0〜12m/gの条件を同時に満たし、ニードル組織を有する炭素材料を含んでなり、少なくとも該負極材料とポリフッ化ビニリデンを含む合剤が塗布されてなり、且つ、前記負極合剤が単位面積当りの表面積が0.002〜0.025m/cmであるリチウム二次電池に関する。
また本発明は、負極の合剤密度が1.05〜1.40g/cmである前記のリチウム二次電池に関する。
本発明により、入出力性能のバランスがとれ、かつ、高い入出力性能を発現し、かつ、その高い入出力性能を発現する電池エネルギー密度が高く、かつ、その高い入出力性能を発現する寿命が長く、かつ、安全性に優れたリチウム二次電池が実現できる。また、これにより例えばハイブリッド型自動車用の走行駆動用電源として用いた際、高い入出力性能を有し、長期間の使用が可能な高性能なハイブリット型電気自動車が実現できる。
本発明のリチウム二次電池は、正極活物質を含む正極合剤を塗布してなる正極と、負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極と、セパレータからなる電極群と電解液とを有してなり、前記負極活物質が、(1)平均粒径が5〜25μmであり、かつ(2)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.7〜1.3であり、かつ(3)広角X線回折で測定される結晶の層間距離d(002)が3.41〜3.70Åであり、かつ(4)c軸方向の結晶子サイズLc(002)が10Å以上、100Å未満であり、かつ(5)真比重が1.95〜2.19であり、(6)かさ密度が0.2g/cm以上、(7)窒素ガス吸着のBET法による比表面積が1.0〜12m/gの条件を同時に満たし、ニードル組織を有する炭素材料を含んでなり、且つ、負極が負極に含まれる上記炭素材料の、負極の単位面積あたりの表面積が0.005〜0.05m /cm であることを特徴とする。ここで言う単位面積当りの表面積は炭素材料粉末で測定された値である。単位面積当り表面積が0.005〜0.05m/cm相当の上記炭素材料を負極活物質として含む負極合剤を塗布してなる負極を使用することで、高入出力性能、高電池エネルギー密度、寿命特性、安全性を両立させたリチウム二次電池を作製することができる。好ましい範囲としては、0.005〜0.04m/cmであり、より好ましくは、0.01〜0.035m/cm、さらに好ましくは、0.013〜0.025m/cmである。単位面積当り表面積が0.05m/cm以上相当の上記炭素材料を塗布すると作製するリチウム二次電池の寿命特性及び安全性が低下する。また、0.005m/cm未満とすると、入力特性及びエネルギー密度が低下する。



また本発明は、正極活物質を含む正極合剤を塗布してなる正極と、負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極と、セパレータからなる電極群と電解液とを有するリチウム二次電池において、前記負極活物質が、(1)平均粒径が5〜25μmであり、かつ(2)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm −1 の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm −1 の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.7〜1.3であり、かつ(3)広角X線回折で測定される結晶の層間距離d(002)が3.41〜3.70Åであり、かつ(4)c軸方向の結晶子サイズLc(002)が10Å以上、100Å未満であり、かつ(5)真比重が1.95〜2.19であり、(6)かさ密度が0.2g/cm 以上、(7)窒素ガス吸着のBET法による比表面積が1.0〜12m /gの条件を同時に満たし、ニードル組織を有する炭素材料を含んでなり、少なくとも該負極材料とポリフッ化ビニリデンを含む合剤が塗布されてなり、且つ、前記負極合剤の表面積が単位面積当り0.002〜0.025m/cmであることを特徴とする。負極合剤の単位面積当りの表面積は、0.002〜0.020m/cmが好ましく、0.010〜0.020m/cmであればより好ましく、0.010〜0.018m/cmであればさらに好ましい。前記負極合剤の単位面積当り表面積が0.025m/cm以上であるとリチウム二次電池の寿命特性及び安全性が低下する。また、0.002m/cm未満とすると、入力特性及びエネルギー密度が低下する。

負極合剤の単位面積当り表面積Sの測定は、負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極から、負極合剤を剥がしとり、該合剤重量あたりの比表面積A(m/g)を窒素ガス吸着のBET法で求める。次いで負極単位面積当りの負極合剤塗布量B(g/cm)から、S(m/cm)=A×Bで算出する。
本発明のリチウム二次電池は負極活物質として平均粒径が5〜25μmの炭素材料を用いる。平均粒径は、5〜19μmが好ましく、7〜15μmであればより好ましく、9〜15μmであればさらに好ましい。平均粒径が25μmを超えると、負極活物質の表面から内部へのリチウムの拡散距離が長くなる傾向があるばかりでなく、リチウムの挿入、脱離が行われる箇所が減少し、入出力特性は低下する傾向がある。一方、平均粒径が5μm未満になると、負極表面での電解液の分解が起こりやすくなる傾向があり、その結果入出力特性が低下する傾向があるばかりでなく、寿命特性が低下する傾向がある。なお、本発明における平均粒径は、レーザー回折粒度分布計により測定することができ、粒子が球状でない時は投影面積を円に換算した相当径を平均粒径とする。
また、本発明では、窒素ガス吸着によるBET法で測定される比表面積が、1.0〜12m/gである炭素材料を使用する。窒素ガス吸着によるBET法で測定される比表面積は1.5〜10m/gであれば好ましく、1.5〜8m/gであればより好ましく、2.0〜6m/gであればさらに好ましい。比表面積が12m/gを超えると作製するリチウム二次電池の寿命特性が低下する傾向があり、1.0m/g未満であると入出力特性が低下する傾向がある。
また、本発明では、炭酸ガス(CO)吸着によるBET法で測定される比表面積が、0.50〜4.5m/gである炭素材料を使用することが好ましい。0.50〜4.0m/gであればより好ましく、0.50〜3.5m/gであればさらに好ましく、1.0〜3.5m/gであれば特に好ましい。炭酸ガス(CO)吸着によるBET法で測定される比表面積が0.5m/g未満であると作製するリチウム二次電池の入出力特性が低下する傾向があり、4.5m/gを超えると作製するリチウム二次電池の不可逆容量が大きくなる傾向があるばかりでなく、寿命特性が低下する傾向がある。炭酸ガス(CO)吸着によるBET法で測定される比表面積の調整は、特に制限はないが、例えば、炭素材料を熱処理する方法、力学的エネルギーを加える方法、炭素材料表面に低結晶性炭素を被覆する方法等がある。炭素材料表面に低結晶性炭素を被覆する場合は、表面に被覆する低結晶性炭素の結晶性が内側より低いことが好ましい。また被覆量としては、炭素換算で0.01〜6重量%が好ましい。低結晶性炭素の被覆は、炭素材料表面に炭素化可能な材料を付着させた後、500〜1600℃で焼成したものが好ましい。炭素材料表面に炭素化可能な材料を付着させる方法は特に制限はないが、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、天然物、タール、ピッチ等の炭素化可能な材料を溶剤に溶解又は分散した液体に炭素材料を浸漬させた後溶剤を乾燥除去する湿式法や、炭素材料粉末と炭素化可能な材料を固体同士で混合し、力学的エネルギーを加えることで付着させる乾式法等が挙げられるが、サイクル特性の点で炭素材料粉末と炭素化可能な材料を固体同士で混合し、力学的エネルギーを加えることで付着させる乾式法が好ましい。
本発明のリチウム二次電池は、負極活物質として、波長532nmのグリーンレーザー光によるラマンスペクトルのR値(ID/IG)が0.7〜1.3の炭素材料であることが必要とされる。ラマン分光スペクトルで測定される1560〜1650cm−1の範囲にあるピークは、炭素の六角網面の積層構造における面内のC−C伸縮振動によるものとされており、1300〜1400cm−1の範囲にあるピークは、積層構造の乱れ部分、積層構造の端部、非晶質炭素成分を示すものとされている。従って、1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)は、炭素材料の結晶性の尺度といえる。R値は0.8〜1.2の範囲が好ましく、0.9〜1.2の範囲であればより好ましい。R値が0.7未満であると入出力特性及び寿命特性が低下する傾向がある。一方、R値が1.3を超えると不可逆容量が低下する傾向があり、作製するリチウム二次電池のエネルギー密度が低下する傾向がある。
また、本発明では、炭素の六角網面の積層構造における面内のC−C伸縮振動に由来する1550〜1650cm−1の範囲にあるピークよりも+10〜+60cm−1範囲で高波数側にある積層構造の乱れ部分、積層構造の端部等に由来するD’ピークとGピークの強度比(ID’/IG)が、0.5未満であることが好ましく、0.3未満であればより好ましく、0.1未満であればさらに好ましく、ピークとして観測されないことが最も好ましい。D’ピークがピークとして観測されないとは、測定されたスペクトルにおいて極大値をもつ山として観測されないことを言う。本発明においてD’ピークが0.6を超えると寿命特性が低下する傾向がある。
また、本発明では1300〜1400cm−1の範囲のピークの半値幅ΔDは50〜250cm−1が好ましく、80〜250cm−1がより好ましく、100〜200cm−1がさらに好ましい。
また、本発明では、1550〜1650cm−1の範囲にあるピークの半値幅は、50〜200cm−1が好ましく、70〜180cm−1がより好ましく、80〜150cm−1がさらに好ましい。半値幅が50cm−1未満であると入出力特性が低下する傾向があり、200cm−1を超えると不可逆容量が大きくなる傾向がある。
本発明において、ラマンスペクトルで測定する上記(ID/IG)及び(ID’/IG)は、800〜1900cm−1の範囲で1本のベースラインを引き、このベースラインから、Gピーク、Dピーク、D’ピークのピークトップ強度を求め、各ピークの強度比から算出する。1300〜1400cm−1の範囲のDピークの半値幅ΔDは、上記の方法で求めたDピーク強度の1/2の高さにおけるピークの幅を求めることで得られる。
本発明では、広角X線回折で測定される結晶の層間距離d(002)が3.41〜3.70Åの炭素材料であることを必要とする。d(002)が3.41Å未満であると、寿命特性が低下する傾向があり、3.70Åを超えると不可逆容量が大きくなる傾向がある。
また、本発明では、c軸方向の結晶子サイズLc(002)が10〜100Åである炭素材料を使用することが好ましい。Lc(002)が10Å未満であると不可逆容量が大きくなり、100Åを超えると入出力性能が低下する傾向がある。なお、本発明におけるd(002)及びLc(002)の測定は、CuKαを用いた広角X線回折により測定される(002)面回折ピークの角度(2シーター)及び半値幅より求めることができる。
また、本発明では、真比重が1.95〜2.19の炭素材料を使用することが好ましい。真比重は、2.00〜2.19の範囲であればより好ましく、2.05〜2.15の範囲であればさらに好ましい。真比重が1.95未満であると不可逆容量が大きくなる傾向があり、作製する負極合剤密度が低下しエネルギー密度が低下する傾向がある。また、真比重が2.19を超えると入出力性能が低下する傾向がある。なお、本発明における真比重の測定は、例えば、ブタノール置換法等で既知の方法により行うことができる。
また、本発明では、かさ密度が0.2g/cm以上である炭素材料を使用することが好ましい。かさ密度は0.3g/cm以上が好ましく、0.4g/cm以上であればより好ましく、0.5g/cm以上であればさらに好ましい。なお、本発明におけるかさ密度の測定は、150ccのメスシリンダに炭素材料を上部から自由落下させて100cc入れ、5cmの高さからメスシリンダを50回タッピングした後の炭素材料の体積と重量から算出する。
また、リチウム二次電池負極材料の原材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、コールタール、タールピッチ、コークスなどを800〜1900℃で焼成した炭素材料を粉砕したものを用いることが好ましい。好ましくは、石油系コークス及び/又は石炭系コークスを800〜1900℃で焼成した後、平均粒径が5〜25μmになるように粉砕したものが好ましい。焼成温度は、900〜1800℃が好ましく、1000℃〜1700℃であればより好ましく、1000〜1600℃であればさらに好ましい。焼成温度が800℃未満であると、不可逆容量が大きくなる傾向があり、1900℃を超えると寿命特性が低下する傾向がある。また、粉砕方法としては、例えば、ピンミル、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル、カッターミル等の衝撃粉砕方式、水等の液体中で粉砕する湿式粉砕、冷却しながら粉砕する凍結粉砕などによって、真比重が1.95〜2.19となるように焼成した後粉砕することが好ましい。真比重が1.95〜2.19となるように焼成した後粉砕することが好ましい。焼成前に粉砕する場合、又は、真比重が1.95未満で粉砕した後、真比重が1.95〜2.19になるように焼成した場合は、入出力特性が低下する傾向がある。
本発明では、ニードル組織を含有する炭素材料であれば好ましい。ニードル組織は、炭素材料を研磨して得られる表面を偏光顕微鏡で観察することで判定できる。ニードル組織の含有量としては30重量%以上であれば好ましく、50重量%以上であればより好ましく、70重量%以上であればさらに好ましい。ニードル組織の含有量は、前記偏光顕微鏡で観察される流れ模様組織の面積比率から算出できる。ニードル成分が30重量%未満であると入出力特性が低下する傾向がある。また、本発明の炭素材料としては、熱膨張係数が小さい石炭系ニードルコークスが、寿命特性の点で好ましい。熱膨張係数としては、3.0×10−6/℃未満が好ましく、2.0×10−6/℃未満であればより好ましく、1.5×10−6/℃未満であればさらに好ましい。
本発明では、灰分が0.02〜0.15重量%である炭素材料を使用することが好ましい。例えば原材料に天然樹脂、石炭、石油などの天然物を使用する場合、原材料中に金属元素を含む不純物を含有しているが、高純度化処理によって灰分が0.02を超え、0.15重量%以下としたものが好ましい。灰分は、0.03〜0.12重量%であればより好ましく、0.03〜0.10重量%であればさらに好ましく、0.04〜0.08重量%であれば特に好ましい。高純度化処理方法としては、例えば、酸性液体による洗浄、熱処理等があげられるが、不可逆容量の点で熱処理が好ましい。原材料に天然物を使用した場合、灰分が0.02〜0.15重量%の範囲で残存させることが好ましい。これは、例えば、灰分を0.02〜0.15重量%の範囲で残存させることで、炭素材料構造中で不可逆容量を発生させる部分を不活性化させる作用があると考えられる。灰分を0.02重量%未満にすると不可逆容量が大きくなる傾向がある。また、灰分が0.15重量%を超えると寿命特性が低下する傾向がある。また、灰分が0.15重量%を超えると寿命特性が低下する傾向がある。ここで、灰分は、試料を空気雰囲気中、加熱し灰化した後の残渣重量から、加熱し灰化する前の試料全体量に対する灰分として算出した値である。
また、本発明に用いる炭素材料としては、原材料を焼成して得られる真比重が1.95〜2.19の材料を粉砕した後、400〜1800℃で再度焼成したものであることが好ましい。再度焼成することにより、より寿命特性を向上させることができる。粉砕後の焼成温度は、500〜1600℃であればより好ましく、700〜1400℃であればさらに好ましい。粉砕後の焼成温度が400℃未満であると寿命特性向上効果が薄れる傾向があり、1800℃を超えると寿命特性が低下する傾向がある。
また、本発明では、粉砕後の焼成により、窒素ガス吸着のBET法による比表面積を低下させたものが好ましく、その低下幅としては、焼成前に対して0.3〜5m/gが好ましい。焼成後の比表面積は1.0〜10m/gが好ましい。粉砕後の焼成による比表面積の調整は、例えば、焼成時の温度、雰囲気、時間等を調整することによって適宜調整することが可能である。例えば、焼成時の雰囲気を例えば窒素ガス、アルゴンガスなどの非酸化性雰囲気とすると、比表面積を低下させることができ、一方、酸素などの酸化性ガスを含む雰囲気をすると比表面積は大きくすることができる。また、焼成温度と時間を適宜調整することで比表面積の低下幅を調整することができる。また、例えば上記炭素材料表面に炭素化可能な有機化合物を複合させたのち焼成することでも比表面積を調整でき、例えば炭素化可能な有機化合物にフェノール樹脂を使用すると比表面積が大きくなる傾向があり、ピッチ等を使用すると比表面積が小さくなる傾向があり、適宜選択することが可能である。
また、本発明では、上記の本発明で使用する炭素材料に、力学的エネルギーを印加させたものが好ましい。力学的エネルギーを印加することで、入出力特性を向上させることができる。力学的エネルギーは、例えば、衝撃力、せんだん力等の機械的エネルギーが挙げられる。本発明では、力学的エネルギー印加の前後で平均粒径の変化が小さい方が好ましく、力学的エネルギーの付加前後の平均粒径の変化を5μm未満とすることが好ましい。付加する力学的エネルギーとしては、炭素材料単位重量当り1〜35kW/kgのエネルギーを10秒から1時間付加させることが好ましい。力学的エネルギーの付加は、例えば、炭素材料を入れた容器内で回転体をモーターで100〜5000rpm程度の高速回転させることが挙げられる。粉砕を目的としたいわゆる衝撃式粉砕機では、材料の投入、排出を連続的に行うため、上記のエネルギーを上記の時間印加することはできない。本発明では、容器を密閉化することで、上記のエネルギー及び時間を印加することが可能となる。本発明の、炭素材料単位重量当りの力学的エネルギー(kW/kg)は、モーターの動力値(kW)炭素材料の重量(kg)の商とする。
また、本発明では、上記の力学的エネルギーを印加した炭素材料を再度焼成することにより、さらに寿命特性を向上させることができる。力学的エネルギーを印加後の焼成温度は、500〜1600℃であればより好ましく、700〜1400℃であればさらに好ましい。粉砕後の焼成温度が400℃未満であると寿命特性向上効果が薄れる傾向があり、1800℃を超えると寿命特性が低下する傾向ある。
また、本発明では、力学的エネルギーを印加後の焼成により、窒素ガス吸着のBET法による比表面積を低下させたものが好ましく、その低下幅としては、焼成前に対して0.3〜5m/gが好ましい。焼成後の比表面積は1.0〜10m/gが好ましい。粉砕後の焼成による比表面積の調整は、例えば、焼成時の温度、雰囲気、時間等を調整することで適宜調整することができる。例えば、焼成時の雰囲気を、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの非酸化性雰囲気とすると、比表面積を低下させることができ、一方酸素などの酸化性ガスを含む雰囲気をすると比表面積は大きくすることができる。また、焼成温度と時間を適宜調整することで比表面積の低下幅を調整することができる。
さらに本発明のリチウム二次電池の好ましい形態として、負極合剤の厚さが20μm〜45μmである。負極合剤の厚みが20μm未満であると、入出力時に少ない活物質から多量のリチウムが挿入もしくは放出されるため、入出力性能が低下する傾向がある。負極合剤の厚みが45μmを超えると、電極表面から電極内部の活物質までの電解液中のリチウム拡散距離が長くなる傾向があり、入出力特性が低下する傾向がある。
本発明のリチウム二次電池は、上記の炭素材料からなる負極活物質を集電体に塗布してなる負極と正極合剤を集電体に塗布してなる正極とをセパレータを介して対抗して配置した電極群及び電解液を電池ケースに収納することで構成される。
正極の作製には、正極活物質に例えば黒鉛、炭素、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維等の導電剤を適量加えて、さらに適当な溶媒に溶解もしくは分散させた結着剤を加えて混錬して、正極合剤スラリーを作製する。正極活物質としては層状系結晶構造を有するコバルト酸リチウムやニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウムで代表されるスピネル系複合酸化物、およびこれらの元素置換酸化物を用いることができる。結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂が好ましい。これを溶解する溶媒として、例えばN−メチル−ピロリドン(NMP)が好ましい。この正極合剤スラリーをアルミニウム等の金属箔上に塗布乾燥し、必要に応じて圧縮成型後、所望の大きさに切断して正極を作製することができる。
負極の作製には、負極活物質として上記の炭素材料を用いる。負極活物質の他に、導電剤として、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維等を適量加え、これに結着剤として、例えば、NMPに溶解したPVDFを加えて混錬して、負極スラリーを作製する。また、本発明の負極スラリーに使用する結着材としてはスチレンブタジエンゴムとセルロースなどの増粘剤を水に分散したものも使用することができる。この負極合剤スラリーを銅などの金属箔集電体上に塗布後乾燥し、必要に応じて圧縮成型し、所望の大きさに切断して、負極を作製する。作製した負極の厚み(集電体は含まない)は20μm〜45μmとすることが好ましい。また負極の密度(集電体は含まない)は1.05〜1.40g/cmが好ましく、1.0〜1.35g/cmであればより好ましく、1.15〜1.35g/cmであればさらに好ましい。負極の密度が1.05g/cm未満であると入出力特性が低下する傾向がある。負極の密度が1.40g/cmを超えると、入出力特性および寿命特性が低下する傾向がある。負極の厚み及び負極密度は、例えば、負極合剤の塗布量と圧縮成型時の圧力を調整することで所望の範囲に設定することができる。
本発明のリチウム二次電池は、その形状は特に制限はないが、例えば、円筒型、角型、ラミネートパック型等があげられる。例えば、円筒型電池を作製する場合の一例としては、以下の方法がある。得られた正極と負極を正極と負極を電気的に絶縁する機構として、正極と負極の間に厚み10〜50μmの多孔質絶縁物フィルムからなるセパレータを挟み、これを円筒状に捲回して電極群を作製し、鉄、SUS、アルミ等の電池容器に挿入する。セパレータとして用いることができるものは、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の樹脂製多孔質絶縁物フィルムを用いることができる。
この電池容器に、乾燥空気中又は不活性ガス雰囲気の作業容器内で、リチウム塩を非水溶媒に溶解した非水電解液を注入し、容器を封止して電池とすることができる。
リチウム塩は、電池の充放電により電解液中を移動するリチウムイオンを供給するもので、例えばLiClO、LiCFSO、LiPF、LiBF、LiAsFなどを単独もしくは2種類以上を用いることができる。有機溶媒としては、直鎖状もしくは環状カーボネート類を主成分とすることが好ましく、これにエステル類、エーテル類等を混合することもできる。カーボネート類としては例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネートなどがあげられる。これらを単独あるいは混合した非水溶媒を用いることが好ましい。
また、角型電池を作製する場合の一例としては、以下の方法がある。正極及び負極の塗布は前記円筒型を作製する場合と同様である。角型電池を作製するためには、楕円状に捲回した電極群、又は正極、負極、セパレータを平面状に積層させた電極群を作製する。この電極群を角型状の電池容器に収納し、電解液を注入後、電池缶を密封する。
また、上記角型電池を作製するときに使用する捲回群を、アルミラミネートで密封して、ラミネートパック型電池とすることも可能である。
以下、本発明を具体的に実施例を用いて説明する。
[実施例1及び比較例1]
コールタールを熱処理して得られる石炭系生コークスを窒素ガス雰囲気で1300℃で焼成し、真比重2.12、大きさ2〜5cmのニードルコークスの塊を得た。次いでジェットミルを使用して平均粒径7.7μmに粉砕した。得られた炭素粉末50重量部と、1000℃で焼成したときの残炭率が33重量%の澱粉をあらかじめ80℃の水に溶解した水溶液を、固形分量で0.6重量部となるように混合し、80℃で1時間混練した。次ぎに105℃の乾燥機中で5時間加熱し、水を除去したのち、黒鉛ケースに入れ、窒素雰囲気で昇温速度20℃/分で1000℃まで昇温した後、1000℃で5分維持した。ついで、350メッシュの篩を通し、リチウム二次電池負極用炭素材料を得た。得られた炭素材料の、平均粒径、ラマンスペクトルで測定されるR値(ID/IG)、広角X線回折で測定されるd(002)、Lc(002)、真比重、かさ密度、窒素ガス吸着のBET法による比表面積、灰分の値を表1に示した。
<平均粒径>
得られたリチウム二次電池負極材料を界面活性剤と共に精製水中に分散させた溶液を、レーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製SALD-3000J)の試料水槽に入れ、超音波をかけながらポンプで循環させながら、レーザー回折式で測定した。得られた粒度分布の累積50%粒径を平均粒径とした。
<窒素ガス吸着比表面積>
得られたリチウム二次電池負極材料を200℃で1時間真空乾燥した後、Quantachrome社製AUTOSORB−1を用い、試料を液体窒素で冷却しながら液体窒素温度で窒素ガス吸着を多点法で測定し、BET法に従って算出した。
<炭酸ガス吸着比表面積>
得られたリチウム二次電池負極材料を200℃で1時間真空乾燥した後、Quantachrome社製AUTOSORB−1を用い、試料を氷水で冷却しながら温度273Kで二酸化炭素ガス吸着を多点法で測定し、BET法に従って算出した。
<ラマンスペクトル>
レーザーラマン分光装置(日本分光(株)製NRS−1000)を用い、得られたリチウム二次電池負極材料を20倍の対物レンズで拡大し、波長532nm、3.9mWのレーザー光を試料に照射し、CCD検出器でラマン散乱光を露光時間120秒、積算回数2回で測定した。得られたスペクトルの波数は、インデン(和光一級試薬)を前記同一条件で800〜2000cm−1の範囲を測定して得られるピークの波数とインデンの各ピークの測定した波数とインデンの波数理論値との差から求めた検量線を用いて補正した。
<真比重>
比重瓶を用いたブタノール置換法(JIS R 7212)により測定した。
<d(002)及びLc(002)>
広角X線回折装置(リガク社製 MultiFlex)を使用し、Cu−Kα線をモノクロメータで単色化し、高純度シリコンを標準物質として測定した(002)面回折ピークの角度及び半値幅から算出した。
得られた炭素材料92重量%に5重量%のアセチレンブラックとあらかじめ4重量%のPVDFをNMPに溶解した溶液を加えて混合し負極合剤スラリーを作製した。このスラリーを厚み15μmの圧延銅箔に塗布した後80℃で乾燥し、同じ手順で銅箔の両面に塗布乾燥を行った。塗布後ロールプレス機により圧縮成形し、所定の大きさに切断後、ニッケル箔製のリード片を溶接し負極を作製した。負極単位面積当りの炭素材料の表面積を、塗布クリアランスを変化させて、電池1〜電池6に供した。
ついで正極を作製した。正極活物質として平均粒径7μmのコバルト酸リチウム85.5重量%に、導電剤として平均粒径3μmの鱗片状黒鉛8重量%と、1.5重量%のアセチレンブラックと、あらかじめ結着剤として5重量%のPVDFをNMPに溶解した溶液とを加えて混合し正極合剤スラリーを作製した。このスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布した後80℃で乾燥し、同じ手順でアルミニウム箔の両面に塗布乾燥を行った。その後ロールプレス機により圧縮成形し、所定の大きさに切断し、電流を取り出すためのアルミニウム箔製のリード片を溶接し正極を作製した。なお、正極合剤の正極単位面積当りの塗布量は、(正極単位面積当りの合剤塗布量)/(負極単位面積当りの合剤塗布量)が1.65〜1.75になるように調整した。
図1に示すように、作製した正極と負極を用いて長さ65mm、径18mmの円筒型電池を作製した。作製した正極11と負極12とを厚み25μmの微多孔性ポリプロピレン製セパレータ13を挟み捲回して電極群を作製し、電極群の重量を測定した。電極群をSUS製の電池缶14に挿入し、負極リード片15を缶底に溶接し、正極電流端子を兼ねる密閉蓋部16に正極リード片17を溶接した。電池缶内に電解液を注入した後に、正極端子がとりつけられた密閉ふた部16をパッキン18を介して電池缶14にかしめて密閉して円筒型リチウム二次電池とした。電解液は、EC、DMC、DECの体積比1:1:1の混合溶媒に1モル/リットルのLiPFを溶解させたものを用いた。
次に作製したリチウム二次電池の容量密度と入出力密度を以下のようにして測定した。
まず、電池の定格容量を測定した。作製したリチウム二次電池について20℃で充電と放電を3回繰り返し、3回目の放電容量を電池の定格容量と定めた。充電条件は、0.33C相当の充電電流で上限電圧4.1Vで4時間の定電流定電圧充電とした。放電条件は0.33C相当の放電電流で下限電圧3.0Vの定電流放電とした。
次いで出力を測定した。まず0.33C相当の電流で上限電圧4.1Vで4時間の定電流定電圧充電を行い、SOC100%の状態とした。次いで、定格容量の20%の電気量を放電して、SOC80%の状態とした。次いで、放電電流を1Cで10秒間放電し、放電前の開回路電圧(V(D)0)と放電10秒目電圧(V(D)10)を測定し、両者の差(V(D)0−V(D)10)である電圧降下(ΔV(D))を求めた。この後、放電した電気量に相当する充電を行い、順次放電電流を5C、10Cと変化させ同様に電圧降下(ΔV)を求めた。放電電流に対する電圧降下(ΔV(D))を外挿し、10秒間で放電終止電圧3.0Vに到達すると仮定した場合の最大電流値(I(D)MAX)を求め、I(D)MAXに3.0Vを乗じたものをSOC80%における出力とした。同時に、SOC60%、SOC40%、SOC20%の出力を順次測定した。
次に、入力を測定した。上記出力測定後、0.33C相当の放電電流で下限電圧3.0Vの定電流放電し、SOC0%の状態とした。次に、定格容量の20%の電気量を充電し、SOC20%の状態とした。次いで、充電電流を1Cで10秒間充電し、充電前の開回路電圧(V(C)0)と充電10秒目の電圧(V(C)10)を測定し、両者の差(V(C)10−V(C)0)である電圧上昇(ΔV(C))を求めた。この後、充電した電気量に相当する放電を行い、順次充電電流を5C、10Cと変化させ同様に電圧上昇(ΔV(C))を求めた。充電電流値に対する電圧上昇(ΔV(C))を外挿し、10秒間で充電終止電圧4.1Vに到達すると仮定した場合の最大電流値(I(C)MAX)を求め、I(C)MAXに4.1Vを乗じたものをSOC20%における入力とした。同様に、SOC40%、SOC60%、SOC80%の入力を順次測定した。
以上測定した、電極群の重量、電池の定格容量と各SOCにおける入力と出力を基に、入力密度及び出力密度がともに2000W/kg以上となる容量密度を算出した。縦軸に、各SOCにおける出力の電極群重量の商である出力密度と、各SOCにおける入力の電極群重量の商である入力密度をとる。横軸に容量の電極群重量の商である容量密度をとる。定格容量における容量密度をSOC100%として、各SOCにおける容量密度を算出し、各SOCにおける入力密度と出力密度の値をプロットし、容量密度に対する入力密度と出力密度の関係を得た。最後にこの関係から入力密度及び出力密度がともに2000W/kg以上となる容量密度を算出した。表1にその結果を示した。
次に寿命特性を測定した。上記出力及び入力測定後、0.33C相当の放電電流で、下限電圧3.0Vの定電流放電し、SOC0%の状態とした。引き続き、0.33C相当の電流値で定格容量の50%の電気量を充電し、SOC50%の状態の電池とした。この電池に10C相当の電流値で10秒間充電、次いで10C相当の電流値で10秒間放電を50℃で連続で行う高温高負荷パルス充放電サイクルを5万サイクル行った。5万サイクル後、10C相当の電流値で10秒間の放電を20℃で行い、前記と同様の方法で、電圧降下(ΔV(D))を求め、該電圧降下(ΔV(D))と放電電流値の商で求められる直流抵抗値を5万サイクル前後で比較し、その上昇率を測定した。
その結果を表1に示した。
次ぎに安全性を測定した。上記の方法で作製した円筒型リチウム二次電池を、20℃で、充電0.33C相当の充電電流で上限電圧4.1Vで4時間の定電流定電圧充電し、放電は0.33C相当の放電電流で下限電圧3.0Vの定電流放電した。この充放電を3回繰り返した後、再度充電0.33C相当の充電電流で上限電圧4.1Vで4時間の定電流定電圧充電を行った。この電池を温度30℃の容器内で、横向き配置して固定し、上部より直径約3mmの釘を差して電池状態を確認することで安全性評価を行った。その結果を表1に示した。
[実施例2、実施例3及び比較例2]
コールタールを熱処理して得られる石炭系生コークスを窒素ガス雰囲気で1300℃で焼成し、真比重2.11、大きさ2〜5cmのニードルコークスの塊を得た。ついで分級機構の付いた衝撃式粉砕機で平均粒径13.3μmに粉砕した。得られた炭素粉末を黒鉛ケースに入れ、窒素雰囲気で昇温速度20℃/分で1000℃まで昇温した後、1000℃で5分維持した。ついで、350メッシュの篩を通し、リチウム二次電池負極用炭素材料を得た。得られた炭素材料の物性値を表1に示した。また、得られたリチウム二次電池負極用炭素材料を使用して、実施例1と同様の方法でリチウム二次電池(電池7〜電池11)を作製し、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示した。
[比較例3]
コールタールを熱処理して得られる石炭系生コークスを窒素ガス雰囲気で1300℃で焼成し、真比重2.11、大きさ2〜5cmのニードルコークスの塊を得た。ついで分級機構の付いた衝撃式粉砕機で平均粒径27.2μmに粉砕したのち、350メッシュの篩を通し、リチウム二次電池負極用炭素材料を得た。得られた炭素材料の物性値を表1に示した。また、得られたリチウム二次電池負極用炭素材料を使用して、実施例1と同様の方法でリチウム二次電池(電池12)を作製し、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示した。
[実施例4及び比較例4]
コールタールを熱処理して得られる石炭系生コークスを窒素ガス雰囲気で1300℃で焼成し、真比重2.12、大きさ2〜5cmのニードルコークスの塊を得た。次いで得られた塊を黒鉛ケースに入れ、窒素雰囲気で昇温速度10℃/分で2900℃まで昇温した後、2900℃で30分維持した。次ぎに、塊をハンマーで解砕したのち、衝撃式粉砕機で粉砕後、300メッシュの篩を通し、平均粒径12.1μmのリチウム二次電池負極用炭素材料を得た。得られた炭素材料の物性値を表1に示した。また、得られたリチウム二次電池負極用炭素材料を使用して、実施例1と同様の方法でリチウム二次電池(電池13〜電池15)を作製し、実施例1と同様の測定を行った。その結果を表1に示した。
Figure 0004952967
表1に示されるように、負極用炭素材料を用いたリチウム二次電池は、入出力密度が2000W/kg以上となる容量密度が大きい。また、高温負荷パルスサイクル試験における直流抵抗上昇率が小さく抑えられ、寿命特性、安全性に優れ、リチウム二次電池を駆動用電源して使用してなる自動車として好適であることが示された。
本発明の円筒型リチウム二次電池の一例を示す概略図である。
符号の説明
11 正極
12 負極
13 セパレータ
14 電池缶
15 負極リード片
16 ふた
17 正極リード片
18 パッキン
19 絶縁板

Claims (3)

  1. 正極活物質を含む正極合剤を塗布してなる正極と、負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極と、セパレータからなる電極群と電解液とを有するリチウム二次電池において、前記負極活物質が、(1)平均粒径が5〜25μmであり、かつ(2)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.7〜1.3であり、かつ(3)広角X線回折で測定される結晶の層間距離d(002)が3.41〜3.70Åであり、かつ(4)c軸方向の結晶子サイズLc(002)が10Å以上、100Å未満であり、かつ(5)真比重が1.95〜2.19であり、(6)かさ密度が0.2g/cm以上、(7)窒素ガス吸着のBET法による比表面積が1.0〜12m/gの条件を同時に満たし、ニードル組織を有する炭素材料を含んでなり、かつ、負極に含まれる上記炭素材料の、負極の単位面積あたりの表面積が0.005〜0.05m /cm であることを特徴とするリチウム二次電池。
  2. 正極活物質を含む正極合剤を塗布してなる正極と、負極活物質を含む負極合剤を塗布してなる負極と、セパレータからなる電極群と電解液とを有するリチウム二次電池において、前記負極活物質が、(1)平均粒径が5〜25μmであり、かつ(2)ラマン分光スペクトルで測定される1300〜1400cm−1の範囲にあるピーク強度(ID)と1560〜1650cm−1の範囲にあるピーク強度(IG)の強度比であるR値(ID/IG)が0.7〜1.3であり、かつ(3)広角X線回折で測定される結晶の層間距離d(002)が3.41〜3.70Åであり、かつ(4)c軸方向の結晶子サイズLc(002)が10Å以上、100Å未満であり、かつ(5)真比重が1.95〜2.19であり、(6)かさ密度が0.2g/cm以上、(7)窒素ガス吸着のBET法による比表面積が1.0〜12m/gの条件を同時に満たし、ニードル組織を有する炭素材料を含んでなり、少なくとも該負極材料とポリフッ化ビニリデンを含む合剤が塗布されてなり、且つ、前記負極合剤が単位面積当りの表面積が0.002〜0.025m/cmであることを特徴とするリチウム二次電池。
  3. 負極の合剤密度が1.05〜1.40g/cmである請求項1又は請求項2に記載のリチウム二次電池。
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