JP5707707B2 - リチウムイオン二次電池用負極材、該負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用負極材、該負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用負極材、該負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池に関する。
更に詳しくは、高入出力特性を有する二次電池を必要とする電気自動車、パワーツール等の用途に好適なリチウムイオン二次電池とそれを得るためのリチウムイオン二次電池用負極材、及び該負極材を用いたリチウムイオン二次電池用負極に関する。
リチウムイオン二次電池は、他の二次電池であるニッケルカドミウム電池やニッケル水素電池、鉛蓄電池に比べて軽量で高い入出力特性を有することから、近年、電気自動車や、ハイブリッド型電気自動車用の電源といった高入出力用電源として期待されている。ハイブリッド型電気自動車用の電源としては入出力特性のバランスに優れ、かつサイクル特性や保存特性などの寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池が求められている。
一般に、リチウムイオン二次電池に用いられる負極活物質は、黒鉛系と非晶質系とに大別される。
黒鉛は炭素原子の六角網面が規則正しく積層した構造を有するもので、積層した網面の端部よりリチウムイオンの挿入脱離反応が進行し充放電を行う。
しかしながら、挿入脱離反応が端部でのみ進行するため入出力性能が低い。また、結晶性が高く表面の欠陥が少ないが故に、電解液との親和性が悪く、リチウムイオン二次電池の寿命特性が悪くなるといった問題点を有する。
一方、非晶質炭素は、六角網面の積層が不規則であるか、網目構造を有しないため、リチウムの挿入脱離反応は粒子の全表面で進行することとなり、入出力特性に優れたリチウムイオン二次電池を得られやすい(例えば、特許文献1、2参照。)。
一般に、非晶質炭素はハードカーボンとソフトカーボンの二種に大きく分類される。ハードカーボンは2500℃以上といった高温まで熱処理を行っても結晶が発達し難い炭素であり、ソフトカーボンは高温処理により高結晶性の黒鉛構造へと変化し易い炭素である。
また、非晶質炭素は、黒鉛とは対照的に、粒子表面の結晶性が低く、電解液との親和性に優れるため、これを負極材料として用いたリチウムイオン二次電池は、黒鉛を用いた場合と比較して、寿命特性で勝るといった特徴を持つ。反面、構造が不規則であるがゆえに不可逆容量が大きく、かつ比重が小さいために電極密度を高くすることが困難であり、エネルギー密度が低いという問題がある。
そこで、不可逆容量が小さく、かつエネルギー密度が大きく、入出力特性及び寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池とそれを得るための負極材料が要求されている。
特開平4−370662号公報 特開平5−307956号公報
本発明は、従来のリチウムイオン二次電池と比較して、不可逆容量が小さく、入出力特性及び寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池、並びにそれを得るためのリチウムイオン二次電池用負極材、及び該負極材を用いてなるリチウムイオン二次電池用負極を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決する手段は以下の通りである。
(1)粉末X線回折測定(XRD)の結果をリートベルト解析して求められる等方性温度因子(B値)の値が1.0Å以上8.0Å以下であり、粉末X線回折装置測定(XRD)より求められる炭素002面の面間隔d002が3.40Å以上3.70Å以下であり、かつ273Kでの二酸化炭素吸着より求められる比表面積が1.5m/g以上3.5m/g以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材。
(2)平均粒子径(50%D)が5μm以上30μm以下であり、真比重が1.80g/cm以上2.20g/cm以下であり、かつ77Kでの窒素吸着測定より求められる比表面積が0.5m/g以上25m/g以下であることを特徴とする前記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
(3)前記(1)または(2)に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を用いてなるリチウムイオン二次電池用負極。
(4)前記(3)に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いてなるリチウムイオン二次電池。
本発明よれば、従来のリチウムイオン二次電池と比較して、不可逆容量が小さく、入出力特性及び寿命特性に優れたリチウムイオン二次電池、並びにそれを得るためのリチウムイオン二次電池用負極材、及び該負極材を用いてなるリチウムイオン二次電池用負極を提供することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。まず、リチウムイオン二次電池用負極材(以下、単に「負極材」と呼ぶ場合がある。)について説明する。
<リチウムイオン二次電池用負極材>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、粉末X線回折測定(XRD)の結果をリートベルト解析して求められる等方性温度因子(B値)の値が1.0Å以上8.0Å以下であり、X線回折装置(XRD)測定より求められる炭素002面の面間隔d002が3.40Å以上3.70Å以下であり、かつ273Kでの二酸化炭素吸着より求められる比表面積が1.5m/g以上3.5m/g以下であることを特徴とする。
ここで、リートベルト解析とは、X線回折測定(XRD)より求められる回折強度から結晶の構造を解析する手法である。これによって、材料の物性と結晶の構造との関係を明らかにすることが可能となる。リートベルト解析は、XRDより得られた回折強度を、解析ソフト(例えば、Rietan−2000等)を用いることにより行うことができる。
本発明の負極材は、粉末X線回折測定(XRD)より求められる等方性温度因子(B値)の値が1.0Å以上8.0Å以下であればよいが、1.5Å以上5.0Å以下であることが好ましく、2.0Å以上5.0Åであることがより好ましい。B値が1.0Å未満では寿命特性が劣り、8.0Åを超えると出力特性が悪くなる傾向がある。 B値は、例えば、負極材への熱処理温度を高くすることで値が大きくなる傾向があり、また、負極材の平均粒子径を小さくすることで値が大きくなる傾向があり、この性質を利用して負極材のB値を上記範囲内に設定することができる。
B値は等方的な熱振動による原子変位の大きさを表すパラメータである。B値はXRD測定の実測プロファイルを、計算プロファイルで再現するために必要なパラメータの一つであり、各パラメータを最小二乗法で精密化し決定するリートベルト解析により求めることができる。
また、本発明の負極材は、XRD測定より求められる炭素002面の面間隔d002が3.40Å以上3.70Å以下であればよいが、3.40Å以上3.65Å以下であることが好ましく、3.40Å以上3.60Å以下であることがより好ましい。面間隔d002が3.40Å未満の場合、入力特性が悪くなる傾向がある。また、3.70Åを超えると、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率が減少する傾向がある。なお、炭素002面の面間隔d002は、X線(CuKα線)を炭素粒子粉末試料に照射し、回折線をゴニオメーターにより測定して得た回折プロファイルより回折角2θ=24〜26°付近に現れる炭素002面に対応した回折ピークより、ブラッグの式を用いて算出することができる。
面間隔d002は、例えば、負極材への熱処理温度を高くすることで値が小さくなる傾向があり、この性質を利用して面間隔d002を上記範囲内に設定することができる。
また、本発明の負極材は、273Kでの二酸化炭素吸着より求められる比表面積(CO比表面積)が1.5m/g以上3.5m/g以下であればよい。CO比表面積が1.5m/g未満ではリチウムイオン二次電池の入出力特性が悪くなる傾向があり、3.5m/gを超えると寿命特性が悪くなる傾向がある。なお、CO比表面積は、273Kでの二酸化炭素吸着測定より得た吸着等温線からBET法を用いて求めることができる。
CO比表面積は、例えば、負極材の平均粒子径を大きくすること、負極材への熱処理温度を高くすること、負極材の表面を改質すること等で値が小さくなる傾向があり、この性質を利用してCO比表面積を上記範囲内に設定することができる。
また、本発明の負極材は、平均粒子径(50%D)が5μm以上30μm以下であり、真比重が1.80g/cm以上2.20g/cm以下であり、かつ77Kでの窒素吸着測定より求められる比表面積が0.5m/g以上25m/g以下であることが好ましい。
本発明の負極材において、平均粒子径(50%D)は、前述の通り5μm以上30μm以下であることが好ましいが、5μm以上25μm以下であることがより好ましく、5μm以上15μm以下であることがさらに好ましい。平均粒子径が5μm未満の場合、比表面積が大きくなり、リチウムイオン二次電池の初回充放電効率が低下すると共に、粒子同士の接触が悪くなり入出力特性が低下する傾向がある。一方、平均粒子径が30μmを超える場合、電極面に凸凹が発生しやすくなり電池の短絡の原因となると共に、粒子表面から内部へのLiの拡散距離が長くなるためリチウムイオン二次電池の入出力特性が低下する傾向がある。なお、粒度分布は界面活性剤を含んだ精製水に試料を分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社島津製作所製SALD−3000J)で測定することができ、平均粒径は50%Dとして算出される。
また、本発明の負極材において、真比重は、前述の通り1.80g/cm以上2.20g/cm以下であることが好ましいが、1.9g/cm以上2.2g/cm以下であることがより好ましい。真比重が1.80g/cm未満であるとリチウムイオン二次電池の体積当りの充放電容量が低下し、また初回充放電効率が減少する傾向がある。一方、真比重が2.20g/cmを超えると、リチウムイオン二次電池の寿命特性が低下する傾向がある。なお、真比重はブタノールを用いたピクノメーター法により求めることができる。
真比重は、例えば、負極材への熱処理温度を高くすることで値が小さくなる傾向があり、この性質を利用して真比重を上記範囲内に設定することができる。
また、本発明の負極材において、77Kでの窒素吸着測定より求められる比表面積は、前述の通り0.5m/g以上25m/g以下であることmが好ましいが、1.0m/g以上15m/g以下がより好ましく、1.0m/g以上10/g以下がさらに好ましい。比表面積が1.0m/g未満の場合、入力特性が低下する傾向があり、25m/gを超えた場合、リチウムイオン二次電池の初回不可逆容量が増加する傾向がある。なお、窒素吸着での比表面積は、77Kでの窒素吸着測定より得られた吸着等温線により求めることができる。
77Kでの窒素吸着測定より求められる比表面積は、例えば、負極材の平均粒子径を大きくすること、負極材への熱処理温度を高くすること、負極材の表面を改質すること等で値が小さくなる傾向があり、この性質を利用して77Kでの窒素吸着測定より求められる比表面積を上記範囲内に設定することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、前記の等方性温度因子(B値)、炭素002面の面間隔d002、二酸化炭素吸着より求められる比表面積の各値が前記規定の数値範囲内であれば特に制限はない。例えば、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材に用いられる炭素材料としては、特に制限はないが、例えば、熱可塑性樹脂、ナフタレン、アントラセン、フェナントロレン、コールタール、タールピッチ等を焼成して得られた炭素材料が挙げられる。また、これらの炭素材料の表面を改質してもよい。熱可塑性樹脂、ナフタレン、アントラセン、フェナントロレン、コールタール、タールピッチ等を焼成して得られた炭素材料は、例えば、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール等の熱硬化性樹脂などを焼成して得られた炭素材料と比較してエネルギー密度に優れる傾向がある。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材の作製方法に特に制限はないが、一例としては、熱可塑性樹脂、ナフタレン、アントラセン、フェナントロレン、コールタール、タールピッチ等を800℃以上の不活性雰囲気中でカ焼し、ついで、これをジェットミル、振動ミル、ピンミル、ハンマーミル等の既知の方法により粉砕し、5〜30μmに粒度を調整することで作製することができる。また、上記のカ焼する前に予め熱処理を施してもよい。熱処理を施す場合は、例えば、オートクレーブ等の機器により予め熱処理を施し、粗粉砕した後、上記と同様に800℃以上の活性雰囲気中でカ焼し、粉砕して粒度を調整することで得ることができる。
また、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材は、例えば、熱処理により炭素質を残す有機化合物(炭素前駆体)を炭素粒子の表面に付着させた後、焼成することで表面が改質されていてもよい。炭素粒子の表面に有機化合物を付着させる方法としては、特に制限はないが、例えば、有機化合物を溶媒に溶解、又は分散させた混合溶液に核となる炭素粒子(粉末)を分散・混合した後、溶媒を除去する湿式方式や炭素粒子と有機化合物を固体同士で混合し、その混合物に力学的エネルギーを加えることで付着させる乾式方式、CVD法などの気相方式等が挙げられる。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、既述の本発明のリチウムイオン二次電池用負極材を用いてなることを特徴とする。
例えば、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材及び有機結着材を溶剤とともに撹拌機、ボールミル、スーパーサンドミル、加圧ニーダー等の分散装置により混練し、負極材スラリーを調製し、これを集電体に塗布して負極層を形成する、または、ペースト状の負極材スラリーをシート状、ペレット状等の形状に成形し、これを集電体と一体化することで得ることができる。
上記有機系結着剤としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和カルボン酸エステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロヒドリン、ポリフォスファゼン、ポリアクリロニトリル等のイオン導電性の大きな高分子化合物などが挙げられる。この有機系結着剤の含有量は、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材と有機系結着剤の合計100重量部に対して1〜20重量部含有することが好ましい。
また、上記負極材スラリーには、粘度を調整するための増粘剤を添加してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼインなどを使用することができる。
また、上記負極材スラリーには、導電補助材を混合してもよい。導電補助材としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、あるいは導電性を示す酸化物や窒化物等が挙げられる。導電補助剤の使用量は、本発明の負極材の1〜15重量%程度とすればよい。
また、上記集電体の材質および形状については、特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いればよい。また、多孔性材料、たとえばポーラスメタル(発泡メタル)やカーボンペーパーなども使用可能である。
上記負極材スラリーを集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。塗布後は、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等による圧延処理を行う。また、シート状、ペレット状等の形状に成形された負極材スラリーと集電体との一体化は、例えば、ロール、プレス、もしくはこれらの組み合わせ等、公知の方法により行うことができる。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、例えば、上記本発明のリチウムイオン二次電池用負極と正極とをセパレータを介して対向して配置し、電解液を注入することにより得ることができる。
上記正極は、上記負極と同様にして、集電体表面上に正極層を形成することで得ることができる。この場合の集電体はアルミニウム、チタン、ステンレス鋼等の金属や合金を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いることができる。
上記正極層に用いる正極材料としては、特に制限はなく、例えば、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属化合物、金属酸化物、金属硫化物、または導電性高分子材料を用いればよく、特に限定されないが、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、およびこれらの複酸化物(LiCoxNiyMnzO、x+y+z=1)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、リチウムバナジウム化合物、V、V13、VO、MnO、TiO、MoV、TiS、V、VS、MoS、MoS、Cr、Cr、オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe)、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン等の導電性ポリマー、多孔質炭素等などを単独或いは混合して使用することができる。
上記セパレータとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした不織布、クロス、微孔フィルム又はそれらを組み合わせたものを使用することができる。なお、作製するリチウムイオン二次電池の正極と負極が直接接触しない構造にした場合は、セパレータを使用する必要はない。
上記電解液としては、例えば、LiClO、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSOCF等のリチウム塩を、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、シクロペンタノン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン、3−メチル−1,3−オキサゾリジン−2−オン、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、ブチルメチルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、ブチルエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、酢酸メチル、酢酸エチル等の単体もしくは2成分以上の混合物の非水系溶剤に溶解した、いわゆる有機電解液を使用することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の構造は、特に限定されないが、通常、正極および負極と、必要に応じて設けられるセパレータとを、扁平渦巻状に巻回して巻回式極板群としたり、これらを平板状として積層して積層式極板群としたりし、これら極板群を外装体中に封入した構造とするのが一般的である。
本発明のリチウムイオン二次電池は、特に限定されないが、ペーパー型電池、ボタン型電池、コイン型電池、積層型電池、円筒型電池、角型電池などとして使用される。
以上で説明した本発明のリチウムイオン二次電池は、従来の炭素材料を負極に用いたリチウムイオン二次電池と比較して、急速充放電特性、高温サイクル特性に優れ、不可逆容量が小さく、安全性に優れる。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されることはない。
[実施例1]
(リチウムイオン二次電池用負極材の作製)
石炭系コールタールを、オートクレーブを用いて400℃で熱処理し、生コークスを得た。このコークスを粉砕した後、1200℃の不活性雰囲気中でカ焼を行い、コークス塊を得た。このコークス塊を分級機付き衝撃粉砕機を用いて50%Dが14μmになるように粉砕後、300メッシュの篩にて粗粉を除去して炭素粒子として実施例に供した。
上記で作製した炭素粒子とコールタールピッチ(軟化点98℃、炭化率50%)を、炭素粒子3500gに対して、コールタールピッチ70gの割合で混合した。上記混合物を、シリンダー内に回転翼を配置し、シリンダー内壁と回転翼の間で材料を擦り合わせることにより、材料の複合化を行う装置中に密閉した。25kWの負荷で10分間装置を運転することによりピッチ炭素複合体を作製した。
次いで窒素流通下、20℃/時間の昇温速度で900℃まで昇温し、1時間保持して炭素層被覆粒子とした。得られた炭素被覆粒子をカッターミルで解砕、300メッシュの標準篩を通し、負極材試料とした。上記実施例のリチウムイオン二次電池用負極材の物性値・電気的特性を下記の要領で測定した。測定結果を表1に示す。
〈等方性温度因子(B値)の測定〉
(1)X線回折測定用の試料作製
負極材試料500mgとエタノール300mg,セルロース系接着剤(セメダイン株式会社セメダインC)のアセトン溶液(NV:10wt%)50mgを、乳鉢中で乳棒を用いて混合した。25℃の雰囲気下、3分間混合を続けて溶媒を十分に揮発させた。
上記混合材をガラス製試料台に充填し測定に供した。測定に際し、日本分析化学会X線分析研究会懇談会編「粉末X線解析の実際-リートベルト法入門」(朝倉書店),p40-41を参照した。
(2)測定条件
X線回折装置:Geiger flex(株式会社リガク製,Bragg-Brentano光学系)
スリット(固定スリット):
発散スリット:1.0°
散乱スリット:1.0°
受光スリット:0.15mm
X線源:銅(CuKα線(波長 CuKα1:1.5406Å,CuKβ:1.5443Å))
封入管の電圧及び電流値:40kV/20mA
測定 :ステップスキャン測定により2θの値で20°〜110°の測定範囲
ステップ幅:0.04°
各ステップの計数時間:1秒
回折線は湾曲グラファイトモノクロメータにより単色化
(3)解析
解析ソフト:Rietan-2000
プロファイル関数:Thompson,Cox,Hastingの擬Voigt関数
Howardの方法で非対称化
結晶構造:六方晶グラファイト 空間群P6/mmc(No.194)
(4)解析初期値
a) ゼロ点シフト(Z),試料変位パラメータ(Ds),試料透過パラメータ(Ts)
高純度シリコン(純度:99.99%)のXRD測定、及びリートベルト解析を行い、各補正パラメータを算出した。
b) バックグラウンドパラメータ(以下の10個の数値を用いた)
149.473, -158.835, 48.9286, 48.3934,-84.7554, 84.1913, 40.7335, -134.03, 103.333, -2.27067
c) 格子定数
結晶構造を六方晶グラファイト 空間群P63/mmc(No.194)とし下記の値を使用した。
a:2.2464Å,b:2.2464Å,c:6.96Å,,α:90°,β:90°,γ:120°
d) 尺度因子の初期値:s:0.0044825
e) 非対称パラメータ(As):0.809113
f) 配向性パラメータ(r):0.5
g) 原子位置C1の占有率
g:1.0,x:0,y:0,z:0,B:0.8Å2
h) 原子位置C2の占有率
g:1.0,x:1/3,y:1/3,z:1/4,B:0.8Å2
以上の条件により、フィッティングの正確さを表すRwp値,S値が各々Rwp:20%以下,S値:4以下となるまで、各パラメータの最適化設定を行いフィッティングを行った。フィッティング完了時のB値を測定値として用いた。
〈炭素d002面の面間隔d002の測定法〉
リチウムイオン二次電池負極用炭素材を石英製の試料ホルダーの凹部分に充填し、測定ステージにセットした。以下の測定条件において広角X線回折装置(理学電気株式会社製)で測定を行った。
線源:CuKα線(波長=0.15418nm)
出力:40kV,20mA
サンプリング幅:0.010°
走査範囲:10〜35°
積算回数:0.5°/min
スキャンスピード:0.5°/min
得られた002回折線のピーク位置(2θ)、CuKα線の波長λとBraggの式を用いて炭素002面の面間隔d002を算出した。Braggの式は以下の通りである。
d002=λ/(2・sinθ)・・・・・・(Braggの式)
〈CO比表面積の測定方法〉
ガス吸着装置(AUTSORB−1Quantachrome社製)を用いて以下の方法で行った。リチウムイオン二次電池用負極材を石英製のサンプル管に2g秤量し、備え付けの前処理ステージで200℃、6時間、減圧下で前処理を行った。前処理後のサンプル管を測定ステージに付け替え、CO吸着測定を行った。下記の測定条件で測定を行った。
測定温度:273K
測定圧力:吸着1.0×10−5〜9.75×10−1mmHg
:脱着9.75×10−1〜2.5×10−2mmHg
得られた等温線をBET理論に適応してCO比表面積を得た。
〈平均粒子径の測定方法〉
負極材試料を界面活性剤と共に精製水中に分散させた溶液を、レーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所製SALD−3000J)の試料水槽に入れ、超音波をかけながらポンプで循環させながら、レーザー回折式で測定した。得られた粒度分布の累積50%粒径(50%D)を平均粒径とした。
〈真比重(真密度)の測定方法〉
得られたリチウムイオン二次電池用負極材を比重瓶を用いたブタノール置換法(JIS R 7212)により測定した。
〈N比表面積の測定方法〉
得られたリチウムイオン二次電池用負極材試料を200℃で2時間真空乾燥した後、ASAP−2010(島津製作所製)を用いて測定を行った。比表面積は、BET法に従って算出した。なお、測定温度は77Kであった。
(リチウムイオン二次電池用負極の作製)
作製した負極材試料90重量%に対し、N−メチル−2ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分で10重量%となるよう加えて混練してペースト状の負極材スラリーを作製した。このスラリーを厚さ40μmの電解銅箔に厚さ200μmのマスクを用い直径9.5mmとなるよう塗布し、さらに、105℃で乾燥してN−メチル−2ピロリドンを除去し、試験電極(リチウムイオン二次電池用負極)を作製した。
(評価用セルの作製)
次いで、上記試験電極、セパレータ、対極の順に積層した後、LiPFをエチレンカーボネート(EC)及びメチルエチルカーボネート(MEC)(ECとMECは体積比で3:7)の混合溶媒に1.0モル/リットルの濃度になるように溶解した電解液溶液を注入し、コイン電池(評価用セル)を作製した。対極には金属リチウムを使用し、セパレータには厚み20μmのポリエチレン微孔膜を使用した。
〈初回充放電効率の測定〉
得られたコイン電池の試料電極と対極の間に、0.2mAの定電流で0V(Vvs.Li/Li)まで充電し、次いで0Vの定電圧で電流が0.02mAになるまで充電した。次に30分の休止時間後に0.2mAの定電流で2.5V(Vvs.Li/Li)まで放電する1サイクル試験を行い、初回充放電効率を測定した。初回充放電効率は、(放電容量)/(充電容量)×100として算出した。結果を表1に示す。
〈試験電極の作製方法〉
作製した負極材試料92重量%に、N−メチル−2ピロリドンに溶解したポリフッ化ビニリデン(PVDF)を固形分で8重量%となるよう加えて混練し、ペースト状の負極材スラリーを作製した。このスラリーを厚さ40μmの圧延銅箔に単位面積当りの塗布量が4.5mg/cmとなるように塗工機を用いて塗布した後、130℃で乾燥してN−メチル−2ピロリドンを除去し、さらに、ロールプレス機により合材密度が1.2g/cmとなるように圧縮成型し、試料電極を作製した。得られた電極板をΦ14mmに打抜き試験電極とした。なお、この試験電極は、以下に示す出力特性評価及び寿命特性評価に用いる。
〈出力特性(DCR)評価〉
上記試験電極、セパレータ、対極の順に積層した後、エチレンカーボネート(EC)及びメチルエチルカーボネート(MEC)(ECとMECは体積比で3:7)にビニレンカーボネート(VC)を1.5重量%添加した混合溶媒に1.0モル/リットルの濃度になるようにLiPFを溶解した電解液を注入し、コイン電池を作製した。対極には金属リチウムを使用し、セパレータには厚み20μmのポリエチレン微孔膜を使用した。作製したコイン電池において、25℃の恒温槽内で下記の測定を行った。
(1)0.3mAの定電流で0V(Vvs.Li/Li+)まで充電し、次いで、0V(Vvs.Li/Li+)の定電圧で電流が0.03mAになるまで充電した。
(2)0.3mAの定電流で1.5V(Vvs.Li/Li+)まで放電した。
(3)0.3mAの定電流で0.76mAh充電した(SOC(充電状態)50%の状態)。
(4)1.53mAの定電流で10秒間放電した。この時、放電前後の電圧差をΔV1とした。
(5)0.3mAの定電流で50秒間充電した。
(6)4.6mAの定電流で10秒間放電した。この時、放電前後の電圧差をΔV2とした。
(7)0.3mAの定電流で150秒間充電した。
(8)7.6mAの定電流で10秒間放電した。この時、放電前後の電圧差をΔV3とした。
但し、それぞれの充電と放電の間に30分間の休止時間を置いた。直流抵抗(DCR)は、(4)、(6)及び(8)それぞれの電流値(1.5mA,4.6mA,7.6mA)に対する電圧差(ΔV1〜ΔV3)をプロットした時の傾きにより算出した。但し、対極に金属リチウムを用いているため電圧が卑に変化することを充電とし、貴な方向へ変化することを放電とした。
〈寿命特性の評価〉
上記試験電極、セパレータ、対極の順に積層した後、エチレンカーボネート(EC)及びメチルエチルカーボネート(MEC)(ECとMECは体積比で3:7)の混合溶媒に1.0モル/リットルの濃度になるようにLiPFを溶解した電解液を注入し、コイン電池を作製した。対極には金属リチウムを使用し、セパレータには厚み20μmのポリエチレン微孔膜を使用した。 作製したコイン電池は、25℃の恒温槽内で下記の測定を行った。
(1)0.15mAの定電流で0V(Vvs.Li/Li+)まで充電し、次いで、0V(Vvs.Li/Li+)の定電圧で電流が0.02mAになるまで充電した。
(2)0.15mAの定電流で1.5V(Vvs.Li/Li+)まで放電した。
(3)1.5mAの定電流で0V(Vvs.Li/Li+)まで充電し、次いで、0V(Vvs.Li/Li+)の定電圧で電流が0.02mAになるまで充電した。
(4)1.5mAの定電流で1.5V(Vvs.Li/Li+)まで放電した。
(1)、(2)の操作を5回繰り返した後(1〜5サイクル)、(3)、(4)の操作を30回繰り返した(6〜35サイクル)。その際、それぞれの充電と放電の間に30分間の休止時間を置いた。寿命特性(放電容量維持率)は、(35サイクル目の放電容量)/(1サイクル目の放電容量)×100として算出した。
[実施例2]
実施例1の「リチウムイオン二次電池用負極材の作製」において、コールタールピッチの混合割合を140gに変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材を作製した。次いで、作製した負極材を用い、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極及びコイン電池の作製を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1の「リチウムイオン二次電池用負極材の作製」において、衝撃粉砕機によるコークス塊の粉砕を50%Dが10μmとなるように行ったこと、及びコールタールピッチの混合割合を140gに変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材を作製した。次いで、作製した負極材を用い、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極及びコイン電池の作製を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1の「リチウムイオン二次電池用負極材の作製」において、衝撃粉砕機によるコークス塊の粉砕を50%Dが5μmとなるように行ったこと、及びコールタールピッチの混合割合を140gに変更したこと以外は実施例1と同様にして負極材を作製した。次いで、作製した負極材を用い、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極及びコイン電池の作製を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
石炭系コールタールを、オートクレーブを用いて400℃で熱処理し、生コークスを得た。このコークスを粉砕した後、1200℃の不活性雰囲気中でカ焼を行い、コークス塊を得た。このコークス塊を分級機付き衝撃粉砕機を用い50%Dが14μmになるように粉砕後、300メッシュの篩にて粗粉を除去してリチウムイオン二次電池用負極材とした。次いで、作製した負極材を用い、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極及びコイン電池の作製を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1の炭素粒子を窒素流通下、20℃/時間の昇温速度で900℃まで昇温し、1時間保持し、得られた炭素粒子を300メッシュの篩にて粗粉を除去してリチウムイオン二次電池用負極材とした。次いで、作製した負極材を用い、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極及びコイン電池の作製を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例3]
球状化天然黒鉛とコールタールピッチ(軟化点98℃、炭化率50%)を、球状化天然黒鉛4300gに対して、コールタールピッチ172gの割合で混合した。上記混合物を、シリンダー内に回転翼を配置し、シリンダー内壁と回転翼の間で材料を擦り合わせることにより、材料の複合化を行う装置中に密閉した。25kWの負荷で5分間装置を運転することによりピッチ黒鉛複合体を作製した。
次いで、窒素流通下、20℃/時間の昇温速度で900℃まで昇温し、1時間保持して炭素層被覆黒鉛粒子とした。得られた炭素被覆黒鉛粒子をカッターミルで解砕、300メッシュの標準篩を通し、リチウムイオン二次電池用負極材とした。次いで、作製した負極材を用い、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極及びコイン電池の作製を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
[比較例4]
ストレートノボラック樹脂に、硬化剤としてヘキサミンを加え、180℃に加熱したホットプレート上で混合を行いながら硬化処理を行った。この硬化樹脂を200℃のオーブン中にて5時間加熱処理することにより、完全に硬化処理を終わらせた。続いて、この樹脂をハンマーで粗砕した後、分級機付きの衝撃粉砕機を用いて粉砕した。
次いで、得られた粉砕樹脂を、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/時で1200℃まで昇温、続いて1200℃で1時間保持することによって炭素粉末を得た。この炭素粉末を300メッシュの篩を用いて粗粉を除去してリチウムイオン二次電池用負極材とした。次いで、作製した負極材を用い、実施例1と同様にして、リチウムイオン二次電池用負極及びコイン電池の作製を行い、同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005707707
表1から明らかなように、実施例1〜4のリチウムイオン二次電池用負極材を用いたリチウムイオン二次電池は、高い充放電効率を維持しながら、寿命特性、入出力特性に優れる。
以上より、本発明のリチウムイオン二次電池用負極材を適用した負極を有するリチウムイオン二次電池は、充放電効率、寿命特性および入出力特性、ならびにこれらのバランスに優れる。

Claims (4)

  1. 炭素粒子の表面を炭素層で被覆した炭素材料からなるリチウムイオン二次電池用負極材であって、
    粉末X線回折測定(XRD)の結果をリートベルト解析して求められる等方性温度因子(B値)の値が2.94以上4.61以下であり、粉末X線回折装置測定(XRD)より求められる炭素002面の面間隔d002が3.40Å以上3.70Å以下であり、かつ273Kでの二酸化炭素吸着より求められる比表面積が1.5m/g以上3.5m/g以下であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極材。
  2. 平均粒子径(50%D)が5μm以上30μm以下であり、真比重が1.80g/cm以上2.20g/cm以下であり、かつ77Kでの窒素吸着測定より求められる比表面積が0.5m/g以上25m/g以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用負極材。
  3. 請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池用負極材を用いてなるリチウムイオン二次電池用負極。
  4. 請求項3に記載のリチウムイオン二次電池用負極を用いてなるリチウムイオン二次電池。
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