JP4952177B2 - 記憶装置 - Google Patents
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Description
ここで、DDR SRAMは、プロセッサやバスコントローラからのアドレス信号や制御信号を、システムクロックに同期してSRAM内部に取り込むとともに、クロックの立ち上がりと立ち下がりの両エッジに同期させることで、従来に比べて2倍の転送レートを実現したものである。そして、QDR SRAMは、さらにデータ入力とデータ出力とを分離し,それぞれをDDRで動作させつつ、読み出しと書き込みとを同時に行なうことで、DDR方式に比べて2倍(従来の4倍)の転送レートを実現したものである。
即ち、特許文献1には、配線長遅延があっても、ライト時、リード時とも安定してデータの送受信を行なえるようにすることを目的として、折り返し配線による比較クロックと基準クロックとの位相差が0になるようにDLL(Delay Locked Loop)回路にてリードクロックの位相を調整する方式について開示がある。
図12に示す構成においても、同様に、コントローラ101の出力ポート「K」からライトクロック、出力ポート「A/D/CNT」からライトデータがそれぞれASIC104に与えられることにより、当該ライトクロックに従ってライトデータのASIC104に対する書き込みが実行される。また、コントローラ101の出力ポート「CO」からリードクロックがASIC104に与えられることにより、ASIC104からのデータ読み出しが実行され、コントローラ101の入力ポート「DIN」にリードデータが、入力ポート「CIN」にリードクロックがそれぞれ入力される。
例えば図14に示すように、QDR SRAM102,103等のQDR標準デバイスと、FPGA105等の汎用デバイス(QDR規格外デバイス)とがQDRバス上に混在している場合を想定すると、図15に矢印111で示すように、QDR規格外デバイス105でのアドレス、リードクロック取り込み後からリードデータ出力までの遅延時間が1.5クロック(TCOは0〜500ps)以内という規格を満足できず、コントローラ101において正しくデータ読み取りを行なうことができなくなる。
なお、前記特許文献1の技術(クロック位相制御回路)は、折り返し配線の存在に伴う配線長遅延に起因したクロックの位相ずれを吸収できるに過ぎないから、これを上記QDR技術に適用したとしても、QDR標準デバイスとFPGA等の汎用デバイスからそれぞれ出力されるデータ(リードデータ)の出力タイミングを一致あるいはQDR規格内に収めることはできない。
(1)本発明の記憶装置は、リードクロックを受けてから規定の出力遅延時間内にリードデータをデータバスへ出力する規格デバイスと、リードクロックを受けてからリードデータを前記データバスへ出力するまでに前記出力遅延時間を超過する規格外デバイスと、第1のリードクロックを生成するコントローラと、該コントローラから前記第1のリードクロックを受けて該規格外デバイスへ供給するとともに、当該第1のリードクロックを前記規格外デバイスでの前記出力遅延時間に応じて遅延した第2リードクロックを生成して前記規格デバイスへ供給する遅延制御部とをそなえて構成されたことを特徴としている。
(3)また、該コントローラは、該設定レジスタに対する前記遅延量の設定を変更しながら、該規格デバイス及び該規格外デバイスから出力されたリードデータを前記データバスから正常に受信できるか否かを確認して、前記遅延量の最適化を行なう遅延量設定制御部をそなえていてもよい。
(5)また、該遅延制御部は、前記第2リードクロックの配線長と前記データバスの配線長との差分に応じて生じる遅延量を吸収すべく、前記各第2リードクロックの遅延量を個々に調整するように構成されていてもよい。
(1)コントローラから規格外デバイスに供給されるリードクロックを遅延制御部により規格外デバイスの出力遅延時間の超過時間に応じて遅延させて、規格デバイスへ供給するので、規格デバイスと規格外デバイスとのリードデータ出力タイミング(位相)を一致させることができる。したがって、規格デバイスと規格外デバイスとを混在して使用することが可能となる。その結果、規格デバイスに比して容易に回路変更が可能なFPGA等の汎用デバイスを適用できるようになり、柔軟な回路設計、製造コストの削減などを図ることが可能となる。
(3)さらに、前記遅延量設定制御部から、設定を変更しながら、該規格デバイス及び該規格外デバイスから出力されたリードデータを前記データバスから正常に受信できるか否かを確認して、前記遅延量の最適化を行なうこともできるので、常に、各デバイスに対して正常なアクセスを行なうことが可能となる。
(5)さらに、前記各第2リードクロックの遅延量を個々に調整することで、前記第2リードクロックの配線長と前記データバスの配線長との差分に応じて生じる遅延量を吸収することが可能になるので、リードクロックライン長を最適化(最短化)することができる。したがって、反射によるリードクロックの波形割れの影響をより効果的に除去することが可能となり、さらなる製品の安定性や信頼性に大きく貢献することが可能である。
〔A〕概要説明
QDR SRAM等のQDR標準デバイスとASIC等とを同一バス上に共存させる構成において、本来ASICとすべき部分に機能追加、あるいは全く別の機能を実装する必要が発生した場合、通常であればASICを新規設計することとなるが、ここにFPGA等の汎用デバイスを用いることができれば、汎用デバイス(QDR非標準(規格外)デバイス)のもつ特性から開発期間の短縮や機能追加のフレキシブル性をもたせることが可能となる。
そこで、本実施形態では、QDR SRAM等のQDR標準デバイスに対するリードクロックを操作する、即ち、例えばDLL回路により意図的に遅延させることで、QDR標準デバイスのデータ出力を遅延させて、それぞれの出力位相を合わせる。これにより、FPGA等の汎用デバイスのリードサイクル時のデータ出力の遅延超過部分をなくすことができ、本来ASIC等のQDR標準デバイスであるべき部分にFPGA等の汎用デバイスを適用することが可能となる。
図1は本発明の第1実施形態に係るQDRに準拠した記憶装置(QDRバス接続構成)の構成を示すブロック図で、この図1に示す記憶装置は、QDRバスコントローラ1と、QDR標準デバイス(規格デバイス)、即ち、リードクロックを受けてから1.5クロック+TCOという規定の出力遅延時間(QDR規格値)内にリードデータを出力するQDRメモリ(QDR SRAM)2,3と、QDR規格外デバイス、即ち、リードクロックを受けてからリードデータを出力するまでにQDR規格値を超過するFPGA等の汎用デバイス4(以下、FPGA4と表記する)とをそなえ、QDRバスコントローラ1に近い方から、QDRメモリ2,3,FPGA4の順に各デバイス2,3,4がデータバス及びクロックラインを介して接続されている。
以下、上述のごとく構成されたFPGA4における内部メモリ44のリードサイクル時の動作と各DLL回路42,47の調整方法について、図4に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
(S3)図4の(6),(7),(8)に示すように、コントローラ1から供給されるリードクロック#1(CO)の立ち上がりを基準にDLL回路42にて遅延生成したクロック(Clk-C)により、内部メモリ44から出力されたリードデータを取り込み、FPGA4からリードデータを出力する。なお、通常、内部メモリ44からのデータ出力には、別のリード用クロックによる同期方式を用いるが、データ出力を早めるために非同期方式を採用し、FF45のセットアップ時間を満足する位置にクロック(Clk-C)を調整する。
X=(1000×1012)/{(1/150×106)/(360/9)}=6
となり、セレクタ472−2は、クロック位相シフト回路471−2で6タップ分の位相シフト量を受けたクロックを選択出力すればよいことになる。
なお、上述したFPGA4には、例えば図6に示すように、図3に示したDLL設定部46(41)に対してクロック位相シフト量(つまり、DLL遅延量)に関する設定情報を与えるDLL設定レジスタ50を設けることができる。なお、この図6において、既述の符号と同一符号を付した部分は、それぞれ、既述の部分と同一若しくは同様の部分を表しており、また、図1に示す内部メモリ・制御部40の表記は省略している。
そして、当該DLL設定レジスタ50に対するDLL遅延量の設定は、例えば図7に示すように、コントローラ1のソフトウェア10により、制御バス51を介して自動的に行なうことができる。
(S21)FPGA4のDLL遅延量として適当な初期値をDLL設定レジスタ50に設定し、
(S22)FPGA4に対して実際にライトクロック及びライトデータを与えるとともに、リードクロック#1を与えることにより、書き込み処理及び読み出し処理を実行して、正常にリードデータが受信できるか否かを確認する。
(S24)そして、ソフトウェア10は、正常にリードデータを受信できるようになるまで、上記S22及びS23の処理を繰り返し実行して、正常なアクセスが可能となるDLL遅延量の設定幅を確認し、
(S25)最終的に、当該設定幅の中心になるようにDLL遅延量をDLL設定レジスタ50に設定する。
このように、ソフトウェア10から、DLL遅延量の設定、および、ライト/リードチェックを行なうことにより、コントローラ1が正常にリードデータを受信可能なDLL遅延量の最適化を行なうことができるので、コントローラ1は、常に、各デバイス2,3,4に対して正常なアクセスを行なうことが可能となる。
図8は本発明の第2実施形態に係るQDRに準拠した記憶装置(QDRバス接続構成)の構成を示すブロック図で、この図8に示す記憶装置は、図1により既述のものとそれぞれ同一若しくは同様の、コントローラ1と、QDRメモリ(QDR SRAM)2,3と、FPGA4とをそなえて構成されている(ただし、内部メモリ・制御部40の図示は省略している)が、図3により前述したDLL回路47の4系統のクロック出力のすべてを使用して、コントローラ1,QDRメモリ2,3に対してそれぞれ独立したリードクロック#4,#3,#2を与えることができるようになっている。
そして、本例では、リードクロック#1,#2,#3,#4を各デバイス4,3,2,1に対して個別に(1対1で)接続しているので、第1実施形態と同様の作用効果が得られるほか、第1実施形態に比して、反射によるリードクロックの波形割れの影響を除去することが可能となり、製品の安定性や信頼性に大きく貢献することが可能である。
(C1)変形例の説明
なお、図8により上述したリードクロック独立配線構成では、DLL回路47で生成される各リードクロック#2,#3,#4の遅延量をDLL設定部46により個々に調整することで、リードクロック#2,#3,#4の配線長を最適化することが可能である。
例えば、リードクロック#2の遅延量は、FPGA4−QDRメモリ3間のリードデータバス13との配線長差分による遅延分をFPGA4のTCO遅延分と併せて設定し、リードクロック#3の遅延量は、FPGA4−QDRメモリ3間およびFPGA4−QDRメモリ2間のリードデータバス13との配線長差分による遅延分をFPGA4のTCO遅延分と併せて設定し、リードクロック#4の遅延量は、FPGA4−QDRメモリ3間、FPGA4−QDRメモリ2間およびQDRメモリ2−コントローラ1間のリードデータバス13との配線長差分による遅延分をFPGA4のTCO遅延分と併せて設定する。
〔D〕その他
上述した第1及び第2実施形態並びに各変形例では、いずれも、DLL回路47がFPGA4に内蔵されているが、例えば図10に示すように、FPGA4の外部に設けてもよい。ただし、QDRメモリ2,3へ供給するリードクロック#2をFPGA4へのリードクロック#1に対して遅延させる必要があるので、少なくともFGPA4から出力されるリードクロック#1をQDR標準デバイス3(2)へ供給する前に遅延させる必要がある。
〔E〕付記
(付記1)
リードクロックを受けてから規定の出力遅延時間内にリードデータをデータバスへ出力する規格デバイスと、
リードクロックを受けてからリードデータを前記データバスへ出力するまでに前記出力遅延時間を超過する規格外デバイスと、
第1のリードクロックを生成するコントローラと、
該コントローラから前記第1のリードクロックを受けて該規格外デバイスへ供給するとともに、当該第1のリードクロックを前記規格外デバイスでの前記出力遅延時間に応じて遅延した第2リードクロックを生成して前記規格デバイスへ供給する遅延制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、記憶装置。
該遅延制御部での前記第1のリードクロックの遅延量を設定するための設定レジスタをさらにそなえたことを特徴とする、付記1記載の記憶装置。
(付記3)
該コントローラが、
該設定レジスタに対する前記遅延量の設定を変更しながら、該規格デバイス及び該規格外デバイスから出力されたリードデータを前記データバスから正常に受信できるか否かを確認して、前記遅延量の最適化を行なう遅延量設定制御部をそなえたことを特徴とする、付記2記載の記憶装置。
複数の該規格デバイスが、前記データバスを介して直列に接続されるとともに、
該遅延制御部が、
複数の前記第2リードクロックを生成して前記各規格デバイスのリードクロックとして個別に供給するように構成されたことを特徴とする、付記1記載の記憶装置。
該遅延制御部が、
前記第2リードクロックの配線長と前記データバスの配線長との差分に応じて生じる遅延量を吸収すべく、前記各第2リードクロックの遅延量を個々に調整するように構成されたことを特徴とする、付記4記載の記憶装置。
該遅延制御部が、該規格外デバイス内に設けられたことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の記憶装置。
(付記7)
該遅延制御部が、該規格外デバイス外に設けられたことを特徴とする、付記1〜5のいずれか1項に記載の記憶装置。
2,3 QDR SRAM(QDR標準デバイス:規格デバイス)
4 FPGA(QDR規格外デバイス)
10 ソフトウェア(遅延量設定制御部)
11 ライトクロックライン(伝達経路)
12 ライトデータバス(伝達経路)
13 リードデータバス(伝達経路)
14,14a,14b,14c,14d リードクロックライン(伝達経路)
40 内部メモリ・制御部
41,46 DLL設定部
42,47 DLL回路
471−1〜471−4 クロック位相シフト回路(タップ遅延回路)
472−1〜472−4 セレクタ
43,45 FF回路
48 バッファ
50 DLL設定レジスタ
51 制御バス
Claims (5)
- リードクロックを受けてから規定の出力遅延時間内にリードデータをデータバスへ出力する規格デバイスと、
リードクロックを受けてからリードデータを前記データバスへ出力するまでに前記出力遅延時間を超過する規格外デバイスと、
第1のリードクロックを生成するコントローラと、
該コントローラから前記第1のリードクロックを受けて該規格外デバイスへ供給するとともに、当該第1のリードクロックを前記規格外デバイスでの前記出力遅延時間に応じて遅延した第2リードクロックを生成して前記規格デバイスへ供給する遅延制御部とをそなえて構成されたことを特徴とする、記憶装置。 - 該遅延制御部での前記第1のリードクロックの遅延量を設定するための設定レジスタをさらにそなえたことを特徴とする、請求項1記載の記憶装置。
- 該コントローラが、
該設定レジスタに対する前記遅延量の設定を変更しながら、該規格デバイス及び該規格外デバイスから出力されたリードデータを前記データバスから正常に受信できるか否かを確認して、前記遅延量の最適化を行なう遅延量設定制御部をそなえたことを特徴とする、請求項2記載の記憶装置。 - 複数の該規格デバイスが、前記データバスを介して直列に接続されるとともに、
該遅延制御部が、
複数の前記第2リードクロックを生成して前記各規格デバイスのリードクロックとして個別に供給するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の記憶装置。 - 該遅延制御部が、
前記第2リードクロックの配線長と前記データバスの配線長との差分に応じて生じる遅延量を吸収すべく、前記各第2リードクロックの遅延量を個々に調整するように構成されたことを特徴とする、請求項4記載の記憶装置。
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