JP4951904B2 - 精シクロペンタジエン化合物の製造方法 - Google Patents
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該製造法としては、該有機化合物を含む粗シクロペンタジエン化合物を再結晶化して、該有機化合物を主成分とする精シクロペンタジエン化合物の固体を得る方法(以下、再結晶法という場合がある)が一般的であるが(例えば非特許文献1)、該有機化合物が液体の場合は再結晶法を実施することができないという問題があった。
この問題を解決するために、例えば特許文献1においては、粗シクロペンタジエニル化合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精シクロペンタジエン化合物を得る方法(以下、クロマト法という場合がある)が提案されているが、クロマト法は、設備が煩雑となり、工業化することは必ずしも容易ではない。
(式中、R1、R2、R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のC1-20のアルキル基、置換もしくは無置換のC6-20のアリール基、置換もしくは無置換のC7-20のアラルキル基を表し、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のC1-20のアルキル基、置換もしくは無置換のC1-20のアルコキシ基、置換もしくは無置換のC6-20のアリール基、置換もしくは無置換のC6-20のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC7-20のアラルキル基、置換もしくは無置換のC7-20のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のC1-20の炭化水素基で置換されたシリル基、置換もしくは無置換のC1-20の炭化水素基で置換されたシリルオキシ基、又は置換もしくは無置換のC1-20の炭化水素基で置換されたアミノ基を表し、R11は置換もしくは無置換の炭化水素基又は三置換シリル基を表し、R1、R2、R3及びR4の隣接する基は、それぞれ任意に結合して環を形成していてもよく、R5とR6は結合して環を形成していてもよく、R7、R8、R9及びR10の隣接する基は、それぞれ任意に結合して環を形成していてもよく、シクロペンタジエンの二重結合は任意の位置をとりうる。)
本発明における粗シクロペンタジエン化合物とは炭素−金属結合を含まないシクロペンタジエン骨格を有する有機化合物を含むものであり、該有機化合物は、通常、メタロセン化合物の配位子となる有機化合物である。
粗シクロペンタジエン化合物における該有機化合物の含有量としては、通常、粗シクロペンタジエン化合物の固形分100重量部に対し、5重量部以上、好ましくは20重量部以上である。含有量が5重量部以上であると、精シクロペンタジエン化合物の製造時間が短縮される傾向にあることから好ましい。また、粗シクロペンタジエン化合物における当該有機化合物の含有量が60重量部未満であっても、本製造方法によって、精シクロペンタジエン化合物を製造することができる。
ここで、固形分とは、粗シクロペンタジエン化合物から、無機化合物、水及び有機溶媒を除いた部分である。
(式中、R1、R2、R3及びR4は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のC1-20のアルキル基、置換もしくは無置換のC6-20のアリール基、置換もしくは無置換のC7-20のアラルキル基を表し、R5、R6、R7、R8、R9及びR10は、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のC1-20のアルキル基、置換もしくは無置換のC1-20のアルコキシ基、置換もしくは無置換のC6-20のアリール基、置換もしくは無置換のC6-20のアリールオキシ基、置換もしくは無置換のC7-20のアラルキル基、置換もしくは無置換のC7-20のアラルキルオキシ基、置換もしくは無置換のC1-20の炭化水素基で置換されたシリル基、置換もしくは無置換のC1-20の炭化水素基で置換されたシリルオキシ基、又は置換もしくは無置換のC1-20の炭化水素基で置換されたアミノ基を表し、R11は置換もしくは無置換の炭化水素基又は三置換シリル基を表し、R1、R2、R3及びR4の隣接する基は、それぞれ任意に結合して環を形成していてもよく、R5とR6は結合して環を形成していてもよく、R7、R8、R9及びR10の隣接する基は、それぞれ任意に結合して環を形成していてもよく、シクロペンタジエンの二重結合は任意の位置をとりうる。)
かかるC1-20の無置換炭化水素の置換したシリル基の具体例としては、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基などのC1-20の一置換シリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基などのC1-20の炭化水素基で置換された二置換シリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などのC1-20の炭化水素基で置換された三置換シリル基、シクロトリメチレンメチルシリル基、シクロテトラメチレンメチルシリル基、シクロペンタメチレンメチルシリル基、シクロトリメチレンフェニルシリル基、シクロテトラメチレンフェニルシリル基、シクロペンタメチレンフェニルシリル基などシリル基の置換基が環を形成した環状シリル基などが例示され、好ましくはトリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基が例示される。
これらの置換シリル基を構成する炭化水素基としては、上記のような無置換炭化水素基のほかにフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたC1-20の置換炭化水素基が例示される。
かかるC1-20の置換シリルオキシ基としては、例えば、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリ−n−ブチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基、tert−ブチルジメチルシリルオキシ基、ジメチルフェニルシリルオキシ基、メチルジフェニルシリルオキシ基などが例示され、好ましくはトリメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリイソプロピルシリルオキシ基等が例示される。置換されたC1-20の炭化水素基で置換されたシリルオキシ基としては、上記のような無置換C1-20の炭化水素基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭化水素基が例示される。
ては、置換もしくは無置換のC1-20の炭化水素基で置換された、飽和もしくは不飽和の炭化水素環などが例示される。その具体例としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環などのC3−8の脂肪族環式炭化水素、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などのC6−14の芳香族炭化水素などが例示される。
2−[(シクロペンタ−1,4−ジエニル)メチル]−1−メトキシベンゼン、2−[(シクロペンタ−1,4−ジエニル)メチル]−1−メトキシ−4,6−ジメチルベンゼン、2−tert−ブチル−6−[(シクロペンタ−1,4−ジエニル)メチル]−1−メトキシ−4−メチルベンゼン、6−[(シクロペンタ−1,4−ジエニル)メチル]−1−メトキシ−2−フェニルベンゼン、1−tert−ブチルジメチルシリル−3−[(シクロペンタ−1,4−ジエニル)メチル]−2−メトキシ−5−メチルベンゼン、3−[(シクロペンタ−1,4−ジエニル)メチル]−2−メトキシ−5−メチル−1−トリメチルシリルベンゼン、
また、前記例示された化合物のシクロペンタ−1,4−ジエニルをジメチルシクロペンタ−1,4−ジエニル、トリメチルシクロペンタ−1,4−ジエニル、n−ブチルシクロペンタ−1,4−ジエニル、tert−ブチルジメチルシリルシクロペンタ−1,4−ジエニル、インデニル、フルオレニルに置換した化合物も式(1)の例示化合物として挙げることができる。
さらに、前記例示された化合物の1−メトキシベンゼンを1−メトキシ−6−メチルベンゼン、1−メトキシ−4,6−ジ−tert−ブチルベンゼン、1−メトキシ−4−メチル−6−フェニルベンゼン、1−tert−ブチルジメチルシリル−2−メトキシベンゼン、2−メトキシ−1−トリメチルシリルベンゼンに置換した化合物も式(1)の例示化合物として挙げることができる。
(式中、R1〜R5は前記と同じ意味を表す。Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表し、好ましくは臭素原子である。)
で示されるハロゲン化アリール化合物(2)を有機溶媒に溶解したのち、−50〜30℃程度好ましくは、−20〜10℃程度に冷却し、該溶解液に同温度程度に冷却しながら塩基を加えて、式(2−1)で表されるアリールアニオンを調製し、
続いて、該アリールアニオンに式(3)
(式中、R6〜R11は前記と同じ意味を表す。)
で示されるフルベン化合物(3)を反応させて、式(1)で表される化合物を含む反応生成物をそのまま用いる場合などが例示される。
また、前記例示された化合物のメトキシをイソプロピルオキシ、アリロキシ、ベンジルオキシ、フェノキシに置換した化合物もハロゲン化アリール化合物(2)として例示される。
さらに前記例示された化合物のブロモをクロロ、ヨードに置換した化合物もハロゲン化アリール化合物(2)として例示される。
ハロゲン化アリール化合物(2)としては、好ましくは、1−ブロモ−2−メトキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンゼン、1−ブロモ−2−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンゼンなどである。
塩基の使用量としてはハロゲン化アリール化合物(2)1モルに対し、通常0.5〜5モルの範囲で好ましくは1〜2モルの範囲である。
0.5〜5モルの範囲内であると、粗シクロペンタジエン化合物に含まれるシクロペンタジエン骨格を有する有機化合物の含有量が向上する傾向にあることから好ましい。
ハロゲン化アリール化合物(2)に由来したフェノール性水酸基含有物は、ハロゲン化アリール化合物(2)に対して塩基を過剰に使用すると、生成量が多くなる傾向があり、塩基の使用量を低減させると未反応のハロゲン化アリール化合物(2)及びフルベン化合物(3)の2量体などの生成量が多くなる傾向がある。
本発明の製造方法により、アリールアニオンと水との反応物及びフルベン化合物(3)の2量体を容易に除去することができる。
有機溶媒を用いると、シクロペンタジエン骨格を有する有機化合物が固体でも液体であっても水及び不純物を共沸、留去させることができる。また、操作温度がシクロペンタジエン骨格を有する有機化合物の融点程度以上であると、粗シクロペンタジエン化合物が融解しているので、水のみを加えて水及び不純物を共沸、留去させることができる。
該有機化合物を主成分とする精シクロペンタジエン化合物とは、後述するメタロセン化合物を結晶化して取り出すために十分な量の該有機化合物を含有する精シクロペンタジエン化合物であるとの意味であり、具体的には、精シクロペンタジエン化合物において該有機化合物を60重量%以上にすればよい。
ここで、60重量%以上とは、精シクロペンタジエン化合物の固形分(すなわち、精シクロペンタジエン化合物から無機化合物、水及び有機溶媒を除いた全ての部分)の中で、該有機化合物が60重量%以上であることを意味する。
使用する水の量としては、通常、粗シクロペンタジエン化合物(固形分)の1〜1000重量倍程度、好ましくは10〜100重量倍程度である。1重量倍以上であれば、不純物が多く留去される傾向があることから好ましく、1000重量部以下であれば、製造時間が短縮される傾向があることから好ましい。
水の混合方法としては、予め、粗シクロペンタジエン化合物と一括で混合させる方法、共沸・留去されている溶液の中に水を徐々に混合させる方法などが例示される。
また、共沸温度としては、通常1〜120℃の範囲である。共沸温度が100℃以上の場合、水は水蒸気の状態で粗シクロペンタジエン化合物に導入してやればよい。主成分である有機化合物の安定性の観点から、共沸温度としては、好ましくは20〜60℃程度の範囲である。
本製造方法において、不純物が十分に留去されていない場合には、水を適宜、混合させて、共沸を継続すればよい。精シクロペンタジエン化合物をメタロセン化合物の配位子として利用するためには水を含まない状態が好ましく、このために、共沸によってさらに水を留去してもよいし、水と混合しない有機溶媒で精シクロペンタジエン化合物を抽出して分液操作により精シクロペンタジエン化合物から水を除去してもよい。
有機溶媒の使用量としてはハロゲン化アリール化合物(2)に対して、通常、1〜200重量倍、好ましくは3〜50重量倍の範囲である。
有機溶媒は、粗シクロペンタジエン化合物の調製の際に、上記有機溶媒を用い、該有機溶媒をそのまま、精シクロペンタジエン化合物の製造方法に用いる方法が簡便であることから好ましい。もちろん、精シクロペンタジエン化合物の製造中に有機溶媒を追加して混合させてもよい。
(式中、R1〜R11は前記と同じ意味を表す。)
で表される有機化合物である場合、メタロセン化合物は、式(4)で表すことができる。
(式中、Mはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどの4族遷移金属元素を表し、好ましくはチタニウムである。nは1または2を表す。Yは塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表し、好ましくは、塩素原子である。R1〜R11は前記と同じ意味を表す。)
有機溶媒の使用量としては精シクロペンタジエン化合物の固形分に対して、通常、1〜200重量倍、好ましくは3〜50重量倍の範囲である。
塩基の使用量としては精シクロペンタジエン化合物に含まれる主成分の有機化合物1モルに対し、通常0.5〜5モルの範囲で好ましくは1〜2モルの範囲である。
0.5〜5モルの範囲内であると、メタロセン化合物の収率が向上する傾向にあることから好ましい。
イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(tert−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチルジメチルシリル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フルオレニル)(3−フェニル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドなどが挙げられる。
中でもイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,5−ジメチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−フェニル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、ジエチルイソプロピリデン(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドなどのメタロセン化合物が好適である。
(実施例1)
<精シクロペンタジエン化合物の製造例>
窒素雰囲気下、撹拌機を備えた2000mLの容器中で、1−ブロモ−2−メトキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンゼン169.32g(658.4mmol)をメチル−tert−ブチルエーテル約1000mLに溶かし、0℃に冷却した。そこへ、 n−BuLiのヘキサン溶液500mL(1.58M,790.1mmol)をゆっくり加え、室温で1時間撹拌を続けた。さらに、この反応液に、6,6−ジメチルフルベン64.66g(609.0mmol)を加え1時間攪拌した。反応溶液を水に加え油層を分液後、エバポレーターで濃縮して黄色のオイル状の粗シクロペンタジエン化合物(2−シクロペンタジエニル−2−(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)プロパンの含有量28.6重量%)を得た。
得られた粗シクロペンタジエン化合物に水1.5Lを加え、30torrで共沸させた。逐次水を添加し留出水量が7.5Lとなったところで常温常圧とした。トルエンを加え油層を抽出、濃縮して淡黄色の精シクロペンタジエン化合物102.99g((2−シクロペンタジエニル−2−(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)プロパンの含有量72.1重量%)を得た。
(2−シクロペンタジエニル−2−(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)プロパン 1H−NMR(CD2Cl2)のデータ
δ 1.32(s,9H)、2.19(s,6H)、6.98(s,1H)、7.11(s,1H)
窒素雰囲気下、撹拌機を備えた500mLの容器中に上記反応で得られた精シクロペンタジエン化合物 14.13gをトルエン143mLで希釈し、0℃に冷却した。そこへn−BuLiのヘキサン溶液31.6mL(1.58M,50.0mmol)をゆっくり加え、その後室温にて1時間攪拌した。続いて、得られた溶液を−50℃に冷却したのち、TiCl411.37g(6.0mmol)を含むトルエン溶液(11.4mL)を加えたのち、60℃で2時間攪拌した。不溶物をろ別し、ろ液を濃縮、ヘキサンを加え析出した固体をろ取することにより、メタロセン化合物であるイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを95重量%含む黄色固体を得た。1−ブロモ−2−メトキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンゼン基準での収率は44%であった。
メタロセン化合物の1H−NMR(CD2Cl2)のデータ
δ 1.48(s,9H)、1.71(s,6H)、2.26(s,3H)、3.26(s,3H)、6.07〜6.62(m,5H)、7.22〜7.28(m、2H)
50℃、エチレン圧0.60MPaにおいてトリイソブチルアルミニウム(1.5mmol)、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(0.02mmol)および実施例1で得たイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド(10μmol)存在下、エチレン、スチレン、およびジメタノオクタヒドロナフタレンを共重合させた。重合の結果、η=1.08dl/g、Tg=124.2のポリオレフィンをチタン1mol当たり、1時間当たり、7.08×105g製造した。
<2−シクロペンタジエニル−2−(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)プロパンの製造例>
実施例1に準じて製造した粗シクロペンタジエン化合物をシリカゲルカラム(ワコーゲルC−100)を通し、ヘキサンで展開し、留分の溶媒を除去することによって、ほぼ純粋な2−シクロペンタジエニル−2−(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)プロパンを淡黄色のオイル状の状態で 3.0g(収率15.0%)を得た。
比較例1で得られたほぼ純粋な2−シクロペンタジエニル−2−(3−tert−ブチル−2−メトキシ−5−メチルフェニル)プロパンを用いる以外には、実施例1に準じて、メタロセン化合物であるイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドを95重量%含む黄色固体を得た。1−ブロモ−2−メトキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンゼン基準での収率は34%であった。
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライドとして比較例1で得られたものを用いる以外は、参考例1と同様にして、η=1.04dl/g、Tg=129.3のポリオレフィンをチタン1mol当たり、1時間当たり、6.15×105g製造した。
本発明のメタロセン化合物の製造方法によれば、再結晶法やクロマト法によって得られたシクロペンタジエン化合物と同様にメタロセン化合物を製造することができる。
さらに、かくして得られたメタロセン化合物をオレフィン重合触媒として用いると、再結晶法やクロマト法によって得られたシクロペンタジエン化合物に由来するメタロセン化合物を重合触媒として用いて得られたポリオレフィンとほぼ同等程度の性能を有するポリオレフィンを得ることができる。
Claims (8)
- 1−ブロモ−2−メトキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンゼンまたは
1−ブロモ−2−メトキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンゼンであるハロゲン化アリール化合物にアルキルリチウム化合物を加えて調製されるアリールアニオンと、
6,6−ジメチルフルベン、6,6−ジエチルフルベン、3,6,6−トリメチルフルベン、3−メチル−6,6−ジエチルフルベンまたは1−イソプロピリデンインデンであるフルベン化合物とを反応させて得られる、シクロペンタジエン骨格を有する有機化合物を含む粗シクロペンタジエン化合物を融解させた溶液又は該粗シクロペンタジエン化合物を有機溶媒に溶解させた溶液に、水を含有させ、水及び不純物を共沸、留去させて、該有機化合物を主成分とする精シクロペンタジエン化合物を調製することを特徴とする精シクロペンタジエン化合物の製造方法。 - ハロゲン化アリール化合物が、1−ブロモ−2−メトキシ−3−tert−ブチル−5−メチルベンゼンであることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- フルベン化合物が、6,6−ジメチルフルベンまたは6,6−ジエチルフルベンであることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
- 精シクロペンタジエン化合物におけるシクロペンタジエン骨格を有する有機化合物の含有量が60重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
- 有機溶媒が非プロトン性溶媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
- 共沸を減圧下〜常圧下、1〜120℃にて実施することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により精シクロペンタジエン化合物を製造して、該シクロペンタジエン化合物に塩基及び4族遷移金属ハロゲン化物を反応させることを特徴とするメタロセン化合物の製造方法。
- 請求項7に記載の製造方法によりメタロセン化合物を製造して、該メタロセン化合物をオレフィン重合触媒として用いることを特徴とするポリオレフィンの製造方法。
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