JP4950645B2 - 光学系及びそれを有する撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は光学系に関する。本発明の光学系は、例えば、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、或いは監視カメラ等の撮像装置に好適なものである。
近年、35mmフィルム用カメラ、ビデオカメラ、そしてデジタルカメラ等の撮像装置においては、より高画質の画像が得られることが要望されている。
特にデジタル一眼レフカメラでは、それに用いる撮像素子の高画素化により、撮像レンズに関して高解像度であることが求められるようになってきている。
一眼レフカメラ用の撮影レンズにおいて、撮影画角が110度程度と広画角で、しかもバックフォーカスが長い撮影レンズが知られている(特許文献1、2)。
特許文献1では、負の屈折力を有する前群と正の屈折力を有する後群により構成されるレトロフォーカス型の超広角レンズにおいて各群を適切に構成することで、画角約114°の超広画角の撮影を実現している。特許文献2では、負、正、負、正の屈折力のレンズ群より成り、各レンズ群を移動させてズーミングを行う4群構成の広画角のズームレンズを開示している。特に、第1群中のメニスカス形状の負レンズに適切な形状の非球面を用いることにより、ズーム比2で包括画角約118°の超広画角のズームレンズを達成している。
特開2005−316398号公報 特開平10−325923号公報
特許文献1に開示されている超広角レンズでは、歪曲収差と像面湾曲は比較的良好に補正されているが、撮像面の大きさに対して光学系全体が大型化する傾向がある。
特許文献2に開示されている超広角ズームレンズでは、最も物体側のレンズの両面をレンズ中心からレンズ周辺にかけて屈折力が弱くなる形状の非球面として歪曲収差を良好に補正している。しかしながら、軸外光線高さが比較的高い位置に正レンズを用いているため歪曲収差特性が周辺画角で湾曲してしまう傾向があった。
本発明は、広画角にもかかわらず画面全体にわたり諸収差を良好に補正した光学系の提供を目的とする。
本発明の光学系は、物体側から像側へ順に、像側の面が凹形状のレンズが3枚以上連続して配置されたレンズ部を含む負の屈折力の前群と、正の屈折力の後群より構成される光学系であって、前記後群はフォーカスに際して光軸上を移動し、前記レンズ部を構成する1つのレンズは像側の面に第1の非球面を有し、該第1の非球面の像側であって開口絞りよりも物体側に配置されたレンズは第2の非球面を有し、前記第1の非球面の開角をθ、前記前群の最も物体側のレンズの物体側と像側の面の曲率半径を各々R11、R12、前記前群と前記後群の焦点距離を各々ff、fb、全系の焦点距離をfwとするとき、
119°<θ<180°
3.30<(R11+R12)/(R11−R12)<6.70
1.62<|ff/fw|<7.98
2.06<fb/fw<2.65
なる条件を満足することを特徴としている。
「開角」の定義については、実施例にて詳述する。
本発明の光学系によれば、広画角にもかかわらず高い光学性能が容易に得られる。
以下、図面を用いて本発明の光学系の実施例について説明する。
図1は実施例1の光学系のレンズ断面図である。図2は実施例1の光学系の無限遠物体にフォーカスしているときの諸収差図である。
図3は実施例2の光学系のレンズ断面図である。図4は実施例2の光学系の無限遠物体にフォーカスしているときの諸収差図である。
図5は実施例3の光学系のレンズ断面図である。図6は実施例3の光学系の無限遠物体にフォーカスしているときの諸収差図である。
図7は、本発明の光学系を撮像装置としてのデジタル一眼レフカメラに適用したときの要部断面図である。
各レンズ断面図において、左方が物体側(前方)で、右片が像側(後方)である。各実施例の光学系は撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。
レンズ断面図において、LFは負の屈折力の前群である。LRは正の屈折力の後群である。無限遠物体から近距離物体へのフォーカスは、後群LRを矢印の如く物体側へ光軸上移動させて行う。SPは開口絞りである。開口絞りSPは、後群LR中に配置されており、フォーカスに際し後群LRとともに移動する。
IPは像面である。像面IPには、ビデオカメラやデジタルスチルカメラの撮影光学系として各実施例の光学系を使用する際は、CCDセンサーやCMOSセンサー等の固定撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。銀塩フィルム用のカメラの撮影光学系として使用する際は、フィルム面等の感光面が配置される。
レンズ断面図では、光学系を構成する各レンズを、iを物体側から像側へのレンズの順番としてGiで表している。第iレンズGiにおいて、*印面は、非球面形状であることを示している。
L1は、3枚以上連続して配置された、像側の面が凹形状のレンズのみによって構成されるレンズ部である。実施例1〜3では、第1レンズG1〜第3レンズG3の3枚のレンズによってレンズ部L1を構成しているが、3枚以上(例えば、4枚や5枚)で構成しても良い。
収差図において、dはd線、gはg線、ΔMはメリディオナル像面、ΔSはサジタル像面である。S.Cは正弦条件である。倍率色収差はd線を基準にg線によって表している。FNOはFナンバー、ωは半画角である。
各実施例において、レンズ部L1の各レンズのうち少なくとも1つのレンズは、像側の面が非球面形状(第1の非球面a)の非球面レンズである。そして、各実施例の光学系は、更に第1の非球面aより像側で、開口絞りSPより物体側に、非球面形状の面(第2の非球面b)を備える非球面レンズを備える。このとき第1の非球面の開角をθとするとき、
119°<θ<180° ・・・・・・(1)
なる条件を満足している。ここで、「開角」とは、光軸を含む断面内において、第1の非球面の面頂点と第1の非球面aの有効径の2つの端点とを通る円弧が該円弧の曲率中心に対して張る角を言う。
なお、各実施例において、第2の非球面bは、レンズ部L1中のレンズに設けられているが、上述の条件(第1の非球面aより像側で、開口絞りSPより物体側)を満足する面であれば、レンズ部L1を構成するレンズ以外のレンズでも良い。
第1の非球面aの非球面形状は、レンズ中心(レンズ中心部)からレンズ周辺部にいくに従って負の屈折力が弱くなる形状である。
第2の非球面bの非球面形状は、レンズ中心からレンズ周辺部にいくに従って負の屈折力が強くなる形状である。
各実施例において、レンズ部L1は、像側の面が凹形状の負レンズを物体側から像側へ順に数えて3番目まで、即ち3枚連続して配置している。これによる効果について説明する。
光学系中の軸外光線高さの高い位置に、像側の面が凸形状のレンズを配置すると、凸形状の面により強い糸巻き型の歪曲が発生する。この過剰に発生した糸巻き型の歪曲を、開口絞りSPより物体側の凹面で補正しようとすると、歪曲の絶対値は小さくできたとしても画角によって変化してしまう。それゆえ、軸外光線の高い位置に連続して配置される3枚の負レンズの像側の面を凹形状にすることで、軸外光線の急激な曲がり(屈折)を抑え、歪曲を良好に補正している。なお、像側の面が凹形状の負レンズを4枚以上にすることで、軸外光線の急激な屈折がより抑制されるのは、明らかである。
また、各実施例では、レンズ部L1を構成するレンズの像側の面、すなわち、凹形状の面の1つを、後述する条件式(1)、(5)を満足する非球面形状(第1の非球面a)としている。第1の非球面aの非球面形状は、主にレトロフォーカス型の広角レンズで発生しやすい樽型の歪曲収差を補正するためのものである。非球面形状はレンズ中心に比べてレンズ周辺部で負の屈折力が弱くなる形状とする。歪曲収差量は、3次収差領域では画角の3乗に比例するので、より画角独立性の高い補正が望ましい。補正の方法としては球面による補正でも良いが、この方法では前述のように歪曲の絶対値は小さくできたとしても画角によって変化してしまう。それ故、軸外光線高さの比較的高い位置において、非球面形状による補正が望ましい。各実施例では補正効果を最大限に発揮するために、ベース球面(参照球面)からの非球面形状の離れ量(非球面量)を大きくしている。非球面形状の球面からの離れ量を大きくするためには、非球面は物体側の面ではなく、像側の面に設ける方が有利である。これは、第1の非球面aを物体側の面とした場合、レンズ周辺部の形状を加工することが困難になるからである。
また、各実施例では、第1の非球面aよりも像側で、かつ開口絞りSPより物体側に第2の非球面bを設けている。第2の非球面bは、第1の非球面aにより過剰にアンダー方向に倒れた像面湾曲を補正し、それに加えて過剰に糸巻き型になり過ぎた歪曲収差を補正している。非球面形状は、第1の非球面aの非球面形状と逆向き、つまりレンズ中心に比べてレンズ周辺部で負の屈折力が強くなる形状である。像面湾曲は3次収差領域では瞳半径に比例し、画角の2乗に比例する。それ故、第2の非球面bの導入位置としては軸外光線高さと軸上光線高さが共にある程度高い位置が望ましい。この条件を満足しさえすれば、第2の非球面bを配置する位置は、レンズ部L1を構成するレンズの面に限定されないことが分かる。
そして、各実施例において、第1の非球面aの開角θが前述した条件式(1)を満足するようにしている。
条件式(1)は、第1の非球面aの開角θが大きいことを示している。開角θが大きいことにより、軸外光線の入射角、射出角の変化を抑えることができる。特に、レンズ全長の短いコンパクトな光学系で高画角を満足しようとしたときに、負レンズを大きな光線の曲がりが無いようにすることで樽型の歪曲収差の発生を限りなく抑えている。
条件式(1)の上限を超えるとレンズの製造が困難となる。又、下限を超えると光学系全体が大型化し、付加できる非球面量が減少するため歪曲と像面湾曲の充分な補正が困難になる。条件式(1)は、更に以下の数値範囲とすると同理由上より好ましい。
125°<θ<160° ・・・・・・(1a)
各実施例では、以上の如く構成することで、全体としてコンパクトで少ないレンズ枚数で歪曲収差と像面湾曲を共に良好に補正した、画角が110°を越える超広角の撮影レンズを得ている。
また、各実施例においてレンズ部L1は、像側が凹面でメニスカス形状の負レンズを少なくとも2枚有している。この構成により、バックフォーカスが長いレトロフォーカス型の構成をとりつつも、歪曲収差、像面湾曲、非点収差、コマ収差等の軸外収差を良好に補正することを容易にしている。
特に、各実施例において、前群LF中の物体側から数えて連続して3枚のレンズは、像側が凹面でメニスカス形状にしている。この構成により歪曲の画角による変化が少なくなるようにしている。逆に、像側の面が凸面であった場合、その凸面はレトロフォーカス型の広角レンズで発生しやすい樽型の歪曲を補正する役割を果たすが、一方で歪曲の画角による変化が大きくなる原因となる。そこで各実施例では歪曲の補正の役割を凹面と非球面に特化して担わせることで、歪曲収差の画角による変化を小さく抑えている。
各実施例において、開口絞りSPよりも物体側に配置される全てのレンズの合成屈折力と、開口絞りSPよりも像側に配置される全てのレンズの合成屈折力は、いずれも正である。これによって光学系全体の小型化を図りつつ、広画角化を図ったときの全面全体の諸収差の発生が少なくなるようにしている。
各実施例では、次の条件を満足している。こららの条件は、各条件に対応した効果を得ることができ、全ての条件を必ず満足せねばならないという性質のものではない。もちろん、より多くの条件を同時に満足することが好ましいことは、言うまでもない。
前群LF中の最も物体側の第1レンズG1の物体側と像側の面の曲率半径を各々R11、R12とし、前群LFと後群LRの焦点距離を各々ff,fb、全系の焦点距離をfwとする。このとき、
3.30<(R11+R12)/(R11−R12)<6.70 ……(2)
1.62<|ff/fw|<7.98 ……(3)
2.06<fb/fw<2.65 ……(4)
なる条件を満足している。
但し、焦点距離fwは、光学系がズームレンズのときは、広角端における焦点距離である。
条件式(2)は、第1レンズG1のレンズ形状を規定するものである。条件式(2)を満足することにより、光学系をコンパクトにしつつも軸外収差の発生を極力抑えることが容易となる。上限を超えるとレンズの加工が困難になってくる。
又、下限を超えると、軸外収差の発生が多くなってくる。
条件式(3)、(4)は前群LFと後群LRの適正なパワー配置を規定している。
負、正の屈折力の2群構成のレトロフォーカス型の広角レンズにおいて、条件式(3)の上限を超えるとバックフォーカスを長くするのが困難になる。下限を超えると像面湾曲や非点収差等の軸外収差の補正が充分にできなってくる。
(4)式の上限を超えると後群LBのフォーカス時の移動量が大きくなるため、合焦可能な至近距離を近距離にできなくなる。下限を超えるとフォーカスに伴う収差変動を抑えることが困難になってくる。
尚、更に好ましくは条件式(2)〜(4)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
3.5<(R11+R12)/(R11−R12)<6.0 (2a)
1.62<|ff/fw|<3.50 (3a)
2.1<fb/fw<2.65 (4a)
更に条件式(4a)は、
2.1<fb/fw<2.58 (4b)
とするのが良い。
図8は本実施例の光学系で用いる非球面量の定義の説明図である。
図8においてRASは凹面を参照球面Rrとする非球面である。Roを参照球面Rrの面頂点とする。非球面RASの有効径を2Hmaxとする。光軸Laからの高さHmaxにおける参照球面の位置をHa、Hbとする。このとき参照球面Rrは、3点Ro、Ha、Hbを通過する円弧である。
そして非球面RASの参照面Rrからの非球面量DASとは光軸La方向に沿った参照面Rrと非球面RASとの差の最大値である。即ち光軸Laからの任意の高さh(h<Hmax)における参照面Rと非球面RASの光軸方向の位置座標をRh、RAShとする。
このとき、非球面量DASとは、任意の高さhにおける
AS=RASh−Rh
のうち最大値をいう。
以下、これで定義される非球面量DASを「有効径に基づく非球面量」という。
各実施例では、第a面の有効径に基づく非球面量をDAS、光学系の焦点距離をfwとするとき、

0.09<DAS/fw<0.22 ・・・・・・(5)
なる条件を満足している。
条件式(5)の上限を超えて、非球面量が多くなりすぎると、第b面による逆補正効果が不足し、像面湾曲、歪曲の画角特性が悪化する。
又、下限を超えて非球面量が少なすぎると、歪曲の補正効果が弱まり、像面湾曲、歪曲の画角特性が悪化する。この残存する歪曲を、その他の球面で補正しようとすると、像面湾曲、歪曲の画角特性が悪化する。
更に好ましくは、条件式(5)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.09<DAS/fw<0.20 ・・・・・・(5a)
次に各実施例のレンズ構成について説明する。
図1に示す実施例1、図3に示す実施例2では、いずれも第1レンズG1から第5レンズG5までで負の屈折力を有する前群LFを構成している。第6レンズG6から第11レンズG11までで正の屈折力を有する後群LRを構成している。無限遠物体から至近物体への合焦は後群LB全体を物体側へ移動することで行っている。
レンズ部L1は、像側が凹面で負の屈折力のレンズ(負レンズ)を3枚(G1〜G3)連続で配置して構成している。レンズ部L1中の第2レンズG2はメニスカス形状であり、像側の凹面をレンズ中心からレンズ周辺部にいくに従って負の屈折力が弱くなる第1の非球面aとしている。
レンズ部L1中の第3レンズG3の像側の凹面を、レンズ中心からレンズ周辺部にいくに従って負の屈折力が強くなる第2の非球面bとしている。
図5に示す実施例3では、第1レンズG1から第5レンズG5までで負の屈折力を有する前群LFを構成している。第6レンズG6から第11レンズG11までで正の屈折力を有する後群LBを構成している。無限遠物体から至近物体への合焦は後群LB全体を物体側へ移動することで行っている。
レンズ部L1は、像側が凹面で負の屈折力のレンズ(負レンズ)を3枚(G1〜G3)連続配置して、構成している。レンズ部L1中の第2レンズG2はメニスカス形状であり、像側の凹面をレンズ中心からレンズ周辺部にいくに従って負の屈折力が弱くなる第1の非球面aとしている。
そして、レンズ部L1中の第3レンズG3の像側の凹面を、レンズ中心からレンズ周辺部にいくに従って負の屈折力が強くなる第2の非球面bとしている。
実施例3においては、第1レンズG1の物体側と像の面は、いずれも非球面形状である。又、第5レンズG1の像側の面と第10レンズG10の像側の面も非球面形状である。
各実施例の光学系を、撮像素子を有する撮像装置に適用するときは、次の条件を満足するように構成するのが良い。
撮像素子の有効撮像面の対角線をIMG、最も物体側のレンズ面(第1レンズ面)から撮像面までの距離をL、バックフォーカスをSk’とする。このとき、
2.75<L/IMG<3.25 ・・・・・・(6)
0.90<Sk’/IMG<1.25 ・・・・・・(7)
なる条件を満足することである。
これらの条件式(6)、(7)は、第1の非球面aと第2の非球面bの非球面形状による歪曲の補正効果を最大限に発揮するためのものである。これらを満足することで歪曲の曲がりが少なく、大きな撮像面であるにも関わらず、レンズ全長が短く、バックフォーカスの長い、一眼レフカメラ等の撮像装置に好適な光学系を得ることができる。
条件式(6)の上限を超えると光学系の小型化が難しくなる。又、下限を変えると各レンズ群の屈折力が強くなりすぎて軸上、軸外ともに充分な収差補正が困難になる。また、条件式(7)の上限を超えると光学系の小型化が難しくなる。又、下限を超えると一眼レフカメラへ装着するための充分な長さのバックフォーカスを得るのが難しくなる。
更に好ましくは、条件式(6)、(7)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
2.90<L/IMG<3.15 (6a)
0.90<Sk’/IMG<1.10 (7a)
図9は、本実施例の光学系を撮像装置に用いたときの光学系中の非球面量の定義の説明図である。図9においてSPは開口絞りである。IDは撮像素子である。RASは凹面を参照球面Rrrとする非球面である。LPは、撮像素子IDの有効径で定まる光軸からの最大高さHIDに入射する無限遠物体からの光束の開口絞りSPの中心を通過する主光線(最軸外主光線)である。Roは参照球面Rrrの面頂点である。Rxaは主光線LPと非球面RASとの交点(入射点)である。Rxbは光軸Laに対する交点Rxa(入射点Rxa)の対称な点である。Hrは交点Rxaの光軸Laからの高さである。
ここで参照球面Rrrは、3点Ro、Rxa、Rxbを通過する円弧である。
そして、非球面RASの参照面Rrrからの非球面量DASSとは、光軸La方向に沿った、参照面Rrrと非球面RASとの差の最大値である。
即ち、光軸Laからの任意の高さh(h<Hr)における参照面Rrrと非球面RASSの光軸方向の位置座標をRhx、RAShxとする。
このとき、非球面量DASSとは、任意の高さhにおける
ASS=RAShx−Rhx
のうち最大値をいう。
以下、ここで定義される非球面量DASSを「最軸外主光線に基づく非球面量」という。
各実施例では、第a面の最軸外主光線に基づく非球面量をDASS、光学系の焦点距離をfwとするとき、
0.07<DASS/fw<0.2 ・・・・・・(8)
なる条件を満足している。
ここで、条件式(8)の上限を超えて非球面量が多くなると、第b面による逆補正効果が不足し、像面湾曲、歪曲の画角特性が悪化する。
又、条件式(8)の下限を超えて非球面量が少なくなると、歪曲の補正効果が弱まり、像面湾曲、歪曲の画角特性が悪化する。この残存する歪曲を、その他の球面で補正しようとすると、像面湾曲、歪曲の画角特性が悪化する。
更に好ましくは、条件式(8)の数値範囲を次の如く設定するのが良い。
0.08<DASS/fw<0.18 ・・・・・・(8a)
各実施例では、以上のように各群を構成することにより一眼レフカメラ用の交換レンズに好適な、包括画角が110°を超える超広画角の撮影が可能な撮影レンズを得ている。
以下に、実施例1〜3に各々対応する数値実施例1〜3を示す。各数値実施例において、iは物体側からの面の順番とすると、Riは各面の曲率半径である。Diは第i面と第(i+1)面との間の間隔である。Ni、νiはそれぞれd線を基準とした屈折率、アッベ数である。非球面形状は光軸からの高さYの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてXとするとき、
で表される。但し、Rは近軸曲率半径、A,B,C,D,E,F,G,Hはそれぞれ非球面係数である。又、非球面係数における「e−X」は「×10−X」を意味している。fは焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角を表す。*印は非球面であることを示す。又前述の各条件式と数値実施例における諸数値との関係を表1に示す。

次に、本発明の光学系を用いた一眼レフカメラシステムの実施形態を、図7を用いて説明する。図7において、10は一眼レフカメラ本体、11は本発明による光学系を搭載した交換レンズである。12は交換レンズ11を通して得られる(形成される)被写体像を記録(受光)するフィルムや撮像素子などの記録手段である。13は交換レンズ11からの被写体像を観察するファインダー光学系である。14は交換レンズ11からの被写体像を記録手段12とファインダー光学系13に切り替えて伝送するための回動するクイックリターンミラーである。ファインダーで被写体像を観察する場合は、クイックリターンミラー14を介してピント板15に結像した被写体像をペンタプリズム16で正立像としたのち、接眼光学系17で拡大して観察する。撮影時にはクイックリターンミラー14が矢印方向に回動して被写体像は記録手段12に結像して記録される。18はサブミラー、19は焦点検出装置である。このように本発明の光学系を一眼レフカメラ交換レンズ等の撮像装置に適用することにより、高い光学性能を有した撮像装置が実現できる。
尚、本発明はクイックリターンミラーのない一眼レフカメラにも同様に適用することができる。
実施例1のレンズ断面図 実施例1の収差図 実施例2のレンズ断面図 実施例2の収差図 実施例3のレンズ断面図 実施例3の収差図 撮像装置の要部概略図 非球面の非球面量の説明図 非球面の非球面量の説明図
符号の説明
LF 前群
LR 後群
L1 レンズ部
SP 開口絞り
IP 像面
d d線
g g線
Fno Fナンバー
ΔS サジタル像面
ΔM メリディオナル像面
S.C 正弦条件

Claims (11)

  1. 物体側から像側へ順に、像側の面が凹形状のレンズが3枚以上連続して配置されたレンズ部を含む負の屈折力の前群と、正の屈折力の後群より構成される光学系であって、前記後群はフォーカスに際して光軸上を移動し、前記レンズ部を構成する1つのレンズは像側の面に第1の非球面を有し、該第1の非球面の像側であって開口絞りよりも物体側に配置されたレンズは第2の非球面を有し、前記第1の非球面の開角をθ、前記前群の最も物体側のレンズの物体側と像側の面の曲率半径を各々R11、R12、前記前群と前記後群の焦点距離を各々ff、fb、全系の焦点距離をfwとするとき、
    119°<θ<180°
    3.30<(R11+R12)/(R11−R12)<6.70
    1.62<|ff/fw|<7.98
    2.06<fb/fw<2.65
    なる条件を満足することを特徴とする光学系。
  2. 前記第2の非球面は、前記レンズ部を構成するレンズが有することを特徴とする請求項1の光学系。
  3. 前記第1の非球面は、レンズの中心部から周辺部にかけて負の屈折力が弱くなる形状であることを特徴とする請求項1又は2の光学系。
  4. 前記第2の非球面は、レンズの中心部から周辺部にかけて負の屈折力が強くなる形状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の光学系。
  5. 前記レンズ部は、像側が凹面でメニスカス形状の2枚の負レンズを有することを特徴とする請求項1からのいずれか1項の光学系。
  6. 前記前群の物体側から数えて3番目までのレンズは、像側が凹面でメニスカス形状の負レンズであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項の光学系。
  7. 前記光学系は、開口絞りよりも像側にレンズを有し、該開口絞りよりも物体側に配置される全てのレンズの合成屈折力と、該開口絞りよりも像側に配置される全てのレンズの合成屈折力は、いずれも正であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項の光学系。
  8. 前記第1の非球面の面頂点と前記第1の非球面の有効端部で定義される参照球面からの前記第1の非球面の非球面量をDASとするとき、
    0.09<DAS/fw<0.22
    なる条件を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項の光学系。
  9. 請求項1からのいずれか1項の光学系と、該光学系によって形成された像を受光する撮像素子を有することを特徴とする撮像装置。
  10. 前記撮像素子の撮像面の対角線長をIMG、前記光学系の最も物体側のレンズ面である第1レンズ面から前記撮像面までの距離をL、バックフォーカスをSk’とするとき、
    2.75<L/IMG<3.25
    0.90<Sk’/IMG<1.25
    なる条件を満足することを特徴とする請求項の撮像装置。
  11. 前記第1の非球面に最軸外主光線が入射するときの入射点をRxa、入射点Rxaの光軸に対して対称の点をRxbとし、該第1の非球面の面頂点と点Rxa、Rxbとで定義される参照球面からの非球面量をDASSとするとき、
    0.07<DASS/fw<0.2
    なる条件を満足することを特徴とする請求項9又は10の撮像装置。
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