JP4950450B2 - 蓄熱性アクリル系樹脂組成物及びそれを用いた蓄熱性シート状成形体 - Google Patents

蓄熱性アクリル系樹脂組成物及びそれを用いた蓄熱性シート状成形体 Download PDF

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本発明は、蓄熱性アクリル系樹脂組成物及びそれを用いた蓄熱性シート状成形体に関し、より詳しくは、蓄熱ボード、電子機器部品用の蓄熱剤、保冷剤、保温剤等に用いることができる蓄熱性アクリル系樹脂組成物及び蓄熱性シート状成形体に関する。
従来から、電子機器の表面温度を任意の温度域に長時間保持させて熱による部品の破損防止や安定作動を確保するために蓄熱性樹脂組成物やその成形体が用いられてきた。そして、このような蓄熱性樹脂組成物やそのシート状成形体としては、蓄熱材を内包したマイクロカプセルを樹脂内に含有させた蓄熱性樹脂組成物やその成形体が種々研究開示されてきている。
例えば、特開2003−246931号公報(特許文献1)においては、潜熱蓄熱性物質を封入した、粒径分布が1μm以上5μm以下の範囲内で、かつ平均粒径が1μm以上2μm以下のマイクロカプセルが、成形物重量に対し20重量%以下の割合で練り込まれているマイクロカプセル保有成形物(成形体)が開示されている。また、特開2005−23229号公報(特許文献2)においては、蓄熱材を内包するマイクロカプセルを樹脂内に含有することを特徴とする蓄熱性樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の蓄熱性樹脂組成物やその成形体においては、製造の際に前記マイクロカプセルを高比率で含有させた場合に、樹脂等の粘度が高くなって混練りが困難となったり、更には、マイクロカプセル同士が凝集して早期に沈降してしまうためシート化が困難となる場合があり、加工適性の点で問題があった。そのため、従来の蓄熱性樹脂組成物やその成形体においては、前記マイクロカプセルを少量しか含有させることができなかった。また、特許文献1や特許文献2に記載の蓄熱性樹脂組成物やその成形体においては、樹脂として従来公知の樹脂(シリコン樹脂等)を用いていたため、柔軟性と耐熱性との双方を十分に満足できるものを得ることができなかった。
特開2003−246931号公報 特開2005−23229号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、蓄熱材を内包するマイクロカプセルを高比率で含有することを可能とし、優れた蓄熱性、柔軟性及び耐熱性を発揮することができるばかりか、繰り返し使っても十分に安定した蓄熱性を発揮することができ、しかも粘度の増加を十分に抑えて加工適性の向上を可能とする蓄熱性アクリル系樹脂組成物、並びに、それを用いた蓄熱性シート状成形体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体とグリシジル基を有する化合物とからなるマトリックスに、蓄熱材を内包するマイクロカプセルと湿潤分散剤とを所定量含有させることにより、蓄熱材を内包するマイクロカプセルを高比率で含有することができ、優れた蓄熱性を発揮することを可能とするばかりか、繰り返し使っても十分に安定した蓄熱性を発揮することができ、しかも粘度の増加を抑えて加工適性を十分に向上させることが可能な蓄熱性アクリル系樹脂組成物を得られること、並びに、その蓄熱性アクリル系樹脂組成物を用いることにより、優れた蓄熱性と、柔軟性と、耐熱性とを発揮することが可能な蓄熱性シート状成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物は、官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとする蓄熱性アクリル系樹脂組成物であって、前記アクリル系共重合体100質量部に対して、蓄熱材を内包するマイクロカプセルが1〜180質量部含有されており、且つ湿潤分散剤が0.05〜3質量部含有されていること、及び、
前記湿潤分散剤が、前記マイクロカプセルの表面に吸着されて、該表面に電荷を持たせて静電反発力により前記マイクロカプセルの凝集を防止するとともに前記表面に吸着されている前記湿潤分散剤同士の立体反発力によっても前記マイクロカプセルの凝集を防止するための湿潤分散剤であること、
特徴とするものである。
更に、本発明の蓄熱性シート状成形体としては、上記本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめてなるものであることを特徴とするものである。
なお、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物によって上記目的を達成できる理由は必ずしも定かではないが、本発明者は以下のように推察する。すなわち、先ず、本発明においては、カルボキシル基を有するアクリル系共重合体とグリシジル基を有する化合物とからなるマトリックスに、所定量の蓄熱材を内包したマイクロカプセルと湿潤分散剤とを組み合わせて含有するため、前記マイクロカプセルの表面に湿潤分散剤が吸着される。これによって、前記マイクロカプセルの表面には大きな電荷を持たせることが可能となり、マイクロカプセル同士の静電反発力を高めて凝集を防止することができ、更に、前記マイクロカプセルの粒子表面に吸着されている湿潤分散剤同士の立体反発力によっても、前記マイクロカプセルの凝集が防止できる。そのため、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物においては、粘度の増加を十分に抑えて加工適性を向上させながら、前記マイクロカプセルを高比率で含有させることが可能となる。そして、前記マイクロカプセルを高比率で含有させることが可能となることにより、優れた蓄熱性と耐熱性とを発揮することが可能となるものと本発明者は推察する。また、従来用いられていたようなシリコンゴムシートやシリコンゲルシートのような高価で且つ製造時に複雑な工程が必要となるシリコン樹脂を用いることなく、前記アクリル系共重合体を主剤として用いていること、更に、前記アクリル系共重合体以外に硬化剤として前記グリシジル基を有する化合物を含有させていることから、得られた蓄熱性アクリル系樹脂組成物を硬化させる際に、架橋密度を上げることが可能となるとともにアクリル系共重合体の硬化時に気泡が発生し難くすることが可能となる。そのため、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物を用いることによって、十分な柔軟性を持つシート状成形体が得られるようになるものと本発明者は推察する。
本発明によれば、蓄熱材を内包するマイクロカプセルを高比率で含有することを可能とし、優れた蓄熱性、柔軟性及び耐熱性を発揮することができるばかりか、繰り返し使っても十分に安定した蓄熱性を発揮することができ、しかも粘度の増加を十分に抑えて加工適性の向上を可能とする蓄熱性アクリル系樹脂組成物、並びに、それを用いた蓄熱性シート状成形体を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物について説明する。すなわち、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物は、官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとする蓄熱性アクリル系樹脂組成物であって、前記アクリル系共重合体100質量部に対して、蓄熱材を内包するマイクロカプセルが1〜180質量部含有されており、且つ湿潤分散剤が0.05〜3質量部含有されていることを特徴とするものである。
本発明にかかるアクリル系共重合体は、主剤として用いられるものであり、分子中に官能基としてカルボキシル基を有するものである。このようなアクリル系共重合体のカルボキシル基は、分子末端又は分子鎖中間に存在してもよく、側鎖上又は主鎖上のどちらに存在してもよい。また、本発明にかかるアクリル系共重合体は、ランダム共重合したものであってもブロック共重合したものであってもよい。また、本発明に用いられるアクリル系共重合体の構造は単一なものに限られず、様々な繰り返し単位のアクリル系共重合体を混合したものを用いることも可能である。
また、本発明にかかるアクリル系共重合体としては、後述する2種以上のモノマーを共重合させたアクリル系共重合体の他にも、異なるアクリル系単独重合体同士を混合したもの、アクリル系単独重合体とアクリル系共重合体とを混合したもの、又はアクリル系共重合体同士を混合したものを用いることができる。
また、本発明にかかるアクリル系共重合体を構成する成分の中で、少なくとも主成分のポリマーのガラス転移温度(Tg)がDSC法により測定される値で−60℃〜−20℃であることが好ましく、全てのポリマーのガラス転移温度が−60〜−20℃であることがより好ましい。このような主成分のポリマーのガラス転移温度が高すぎると、得られる蓄熱性アクリル系樹脂組成物が硬くなる傾向にある。また、このようなアクリル系共重合体を硬化せしめて得られる蓄熱性シート状成形体の硬度としては、日本ゴム協会標準規格(SRIS)に規定されているASKER−Cによる測定で50以下であることが好ましく、40以下であることがより好ましい。
また、本発明にかかるアクリル系共重合体の分子量としてはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定によるポリスチレン換算により算出した数平均分子量が800〜20000であることが好ましく、2000〜15000であることがより好ましい。このような分子量が800未満のものでは、極低分子量体(モノマー、ダイマー、トリマー等)が重合体中に存在しやすく、硬化物とした際にブリードアウトするばかりか、硬化させる際にボイドが形成されやすくなる傾向にあり、他方、分子量が20000を超えると、重合体の流動性が低下して加工適性が低下するとともに、前記マイクロカプセルを適量添加することが難しくなって得られる蓄熱性シート状成形体の蓄熱性及び耐熱性が低下する傾向にある。
また、本発明にかかるアクリル系共重合体におけるカルボキシル基の割合は、水酸化カリウム(KOH)滴定による酸価(AV)が20〜150のものであることが好ましく、50〜150のものであることがより好ましい。このような酸価が20未満では、架橋密度が低くなって得られる蓄熱性シート状成形体の耐熱性が低下する傾向にあり、他方、前記酸価が150を超えると、架橋密度が上がり過ぎて得られる蓄熱性シート状成形体の可撓性(柔軟性)が低下する傾向にある。
また、前記アクリル系共重合体の粘度は、圧力1013hPa、温度25℃の条件下で90000mPa・s以下であることが好ましい。前記粘度が90000mPa・sを超えると、重合体の流動性が低下して前記マイクロカプセルの添加、分散が困難となり加工適性が低下する傾向がある。なお、本明細書で使用する粘度は、ブルックフィールドBH型回転粘度計での測定値である。前記アクリル系共重合体の流動特性はチキソトロピック流動を示す場合、剪断速度を上げた状態で粘度が90000mPa・s以下になれば好ましく、またダイラタント流動を示す場合、剪断速度が極低剪断の時においても粘度が90000mPa・s以下となるものが好ましい。
さらに、後述のようにして蓄熱性シート状成形体を製造する際にボイドの発生をより確実に防止するという観点から、前記アクリル系共重合体としては、実質的に溶剤分を含有しないものを使用することが好ましい。
本発明にかかるアクリル系共重合体は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン及びこれらの誘導体のようなモノマーを、ラジカル重合開始剤の存在下に溶液重合法(ソリューション法、例えば乳化重合法(エマルジョン重合法)、懸濁重合法(サスペンジョン重合法)等)、又は塊状重合法(バルク法)等の重合法を用いて重合させることで得ることができる。
このような重合法としては特に制限されないが、例えば、特表昭59−6207号公報、特開昭60−215007号公報、特開平10−17640号公報、特開2000−239308公報、特開2000−128911公報、及び特開2001−40037公報に記載の重合法を参照することができる。
また、このようなアクリル系共重合体を製造する具体的な方法としては、例えば、官能基を有さないアクリル系モノマーを主体として、これに共重合可能なビニル系モノマー及びカルボキシル基を有するモノマーを同時に重合(共重合)させる方法や、カルボキシル基を有するアクリル系モノマーと他のアクリル系モノマーを共重合させる方法、アクリル系モノマーと共重合可能なモノマーを重合させ、停止反応としてカルボキシル基含有分子により末端停止反応を行う方法等を挙げることができる。
このような官能基を有さないアクリル系モノマーとしては、メチルアクリレート(アクリル酸メチル)、エチルアクリレート(アクリル酸エチル)、プロピルアクリレート(アクリル酸プロピル)、iso−プロピルアクリレート(アクリル酸−iso−プロピル)、n−ブチルアクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、iso−ブチルアクリレート(アクリル酸−iso−ブチル)、tert−ブチルアクリレート(アクリル酸−tert−ブチル)、2−エチルへキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルヘキシル)、オクチルアクリレート(アクリル酸オクチル)、iso−オクチルアクリレート(アクリル酸−iso−オクチル)、デシルアクリレート(アクリル酸デシル)、iso−デシルアクリレート(アクリル酸イソデシル)、iso−ノニルアクリレート(アクリル酸−iso−ノニル)、ネオペンチルアクリレート(アクリル酸ネオペンチル)、トリデシルアクリレート(アクリル酸トリデシル)、ラウリルアクリレート(アクリル酸ラウリル)等の、アクリル酸アルキルエステル;シクロへキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、トリシクロデシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の脂環式アルキルアクリレート;メチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)、エチルメタクリレート(メタクリル酸エチル)、プロピルメタクリレート(メタクリル酸プロピル)、iso−プロピルメタクリレート(メタクリル酸−iso−プロピル)、n−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−n−ブチル)、iso−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−iso−ブチル)、tert−ブチルメタクリレート(メタクリル酸−tert−ブチル)、2−エチルへキシルメタクリレート(メタクリル酸−2−エチルヘキシル)、オクチルメタクリレート(メタクリル酸オクチル)、iso−オクチルメタクリレート(メタクリル酸−iso−オクチル)、デシルメタクリレート(メタクリル酸デシル)、イソデシルメタクリレート(メタクリル酸イソデシル)、イソノニルメタクリレート(メタクリル酸イソノニル)、ネオペンチルメタクリレート(メタクリル酸ネオペンチル)、トリデシルメタクリレート(メタクリル酸トリデシル)、ラウリルメタクリレート(メタクリル酸ラウリル)等のメタクリル酸アルキルエステル;シクロへキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリシクロデシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等の脂環式アルキルメタクリレート等が挙げられる。
前記官能基を有さないアクリル系モノマーの中で、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルを用いることが好ましく、特にn−ブチルアクリレート(アクリル酸−n−ブチル)、2−エチルへキシルアクリレート(アクリル酸−2−エチルへキシル)を用いることが好ましい。
また、前記ビニル系モノマーとしては、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミド、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、アリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
さらに、前記官能基としてカルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸又はこれらのモノマーから誘導される官能性モノマー等が挙げられる。
なお、このようにして得られるアクリル系共重合体は、成形体、粘着剤、塗料、繊維、シーリング剤等の種々の用途に利用することができるものである。
本発明にかかる官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物は、本発明においては硬化剤としての役割を果たすものである。すなわち、前記グリシジル基を有する化合物は、前述のアクリル系共重合体のカルボキシル基と反応して硬化物を与えることができるものである。
このようなグリシジル基を有する化合物としては特に制限されず、種々のものを使用することができる。このようなグリシジル基を有する化合物としては、例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(PGPGE)、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(PETPGE)、ジグリセロールポリグリシジルエーテル(DGPGE)、グリセロールポリグリシジルエーテル(GREPGE)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、レゾルシノールジグリシジルエーテル(RESDGE)、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル(NPGDGE)、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル(HDDGE)、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(PEGDGE)、プロピレングリコールジグリシジルエーテル(PGDGE)、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(PPGDGE)、ポリブタジエンジグリシジルエーテル(PBDGE)、フタル酸ジグリシジルエーテル(DGEP)、ハロゲン化ネオペンチルグリセロールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(DGEBA)、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル(DGEBF)が挙げられ、特に好ましくは、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(TMPPGE)、ソルビトールポリグリシジルエーテル(SORPGE)等が使用される。
また、本発明にかかる官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物のエポキシ当量(WPE)は80〜400の範囲にあることが好ましい。前記エポキシ当量が400を超えると前記アクリル系共重合体と反応させるために、前記化合物を多く添加することが必要となって得られる蓄熱性シート状成形体の要求性能が十分果たせない傾向にあり、他方、前記エポキシ当量が80未満であると、反応速度が速くなりすぎて蓄熱性シート状成形体の製造が困難となる傾向にある。
また、このようなグリシジル基を有する化合物としては、圧力1013hPa、温度25℃の条件下において液状のものであることが好ましい。
さらに、このようなグリシジル基を有する化合物としては、圧力1013hPa下で150℃の温度条件で10分間加熱した後の加熱重量減少値が加熱前の重量に対して3%以下となるような実質的に溶媒を含まないものであることが好ましい。このような加熱重量減少値が3%を超えると、含有されている溶媒が反応の障害となり蓄熱性シート状成形体の製造が困難となる傾向にあり、更には、含有されている溶媒が得られる蓄熱性シート状成形体の内部に気泡を発生させる原因となるためである。なお、このような加熱重量減少値は、メトラートレド株式会社製のHG53型ハロゲン水分計を用い、常圧下(1013hPa)で、試料5gを150℃の温度条件で10分間加熱した時の重量変化を測定し、加熱前後の重量比較により減少率を算出したものである。
本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物は、前記アクリル系共重合体と前記グリシジル基を有する化合物とをマトリックスとする。ここで、このようなマトリックス中における前記アクリル系樹脂組成物に対する前記グリシジル基を含有する化合物の添加量としては、前記アクリル系共重合体の酸当量100に対してエポキシ当量が80〜150の範囲内にあることが好ましい。前記エポキシ当量が80未満の場合は、蓄熱性シート状成形体の製造の際に硬化が充分に進行せず完全に固化しなくなって得られる蓄熱性シート状成形体の耐熱性が低下する傾向にあり、他方、前記エポキシ当量が150を超えると、得られる蓄熱性シート状成形体に、未反応で過剰な前記グリシジル基を含有する化合物が残留するため経時でのブリードアウトが生じるばかりか耐熱性も低下する傾向にある。
本発明にかかる蓄熱材を内包したマイクロカプセルは、皮膜の内側に蓄熱材を内包した微小な粒子である。このような蓄熱材としては特に制限されないが、単位体積当たりの蓄熱量が大きく、安全で腐食しにくく、融解と凝固を繰り返しても安定して放熱と蓄熱作用が得られるとともに、安価であるノルマルパラフィン、有機酸及びアルコール等を用いることが好ましく、n−テトラデカン、n−オクタデカン、n−ペンタコサン、ステアリン酸、セチルアルコール等を用いることがより好ましい。このような蓄熱材は、使用目的に応じて適宜選択可能であり、例えば、目的の温度範囲に融点を有する1種の蓄熱材を選択して用いたり、2種以上の蓄熱材を混合して用いたりすることも可能である。
また、前記マイクロカプセルの皮膜を形成する膜材としては特に制限されず、例えば、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアクリルアミド、エチルセルロース、ポリウレタン、アミノプラスト樹脂等が挙げられる。また、蓄熱材をマイクロカプセル化する方法としては特に制限されず、適宜公知の方法を採用することができる。
また、平均粒子径が1〜100μm(好ましくは5〜50μm)程度のマイクロカプセルを用いることが好ましい。前記平均粒子径が前記下限未満では、マトリックス中に含有せしめた際に液体の粘度が高くなり過ぎて加工適性が低下する傾向にあり、他方、前記平均粒子径が前記上限を超えると、前記マイクロカプセルが前記マトリックス中に混入し難いため均一に分散し難くなる傾向にある。
また、このような蓄熱材を内包したマイクロカプセルとしては、加工適性の観点から、熱硬化性樹脂の皮膜を有するマイクロカプセルを用いることが好ましい。なお、このような蓄熱材を内包したマイクロカプセルとしては、市販されている蓄熱材を内包したマイクロカプセルを適宜用いることができる。
本発明にかかる蓄熱材を内包したマイクロカプセルの添加量は、前述のアクリル系共重合体100質量部に対して1〜180質量部(好ましくは5〜130質量部)である。前記マイクロカプセルの添加量が1質量部未満では、得られる蓄熱性アクリル系樹脂組成物に十分な蓄熱性が得られず、他方、180質量部を超えると、得られる蓄熱性アクリル系樹脂組成物の粘度が高くなって加工適性が低下する傾向にある。
本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物は、前記マトリックス中に前記蓄熱材を内包したマイクロカプセルに加えて湿潤分散剤を含有するものである。本発明の湿潤分散剤としては、前記アクリル系共重合体との相溶性を向上させることが可能な官能基と、前記蓄熱材を内包したマイクロカプセルに吸着することが可能な官能基とを有している湿潤分散剤を好適に用いることができる。このような湿潤分散剤を用いない場合は、前記蓄熱材を内包したマイクロカプセルの粒子同士が相互に衝突して凝集してしまう。そして、このような凝集が起こった場合には、見掛けの粒子径が大きくなるため早期に沈降(あるいは浮上)し、分離を起こしてしまうことからシート化が困難となり、加工適性が低下する。
本発明においては、前記マトリックス中に、前記蓄熱材を内包したマイクロカプセルに加えて湿潤分散剤を含有するため、前記マイクロカプセル表面に湿潤分散剤が吸着され、それにより大きな電荷を持たせることができ、前記マイクロカプセル同士の静電反発力を高めて凝集を防止できる。さらに、本発明においては、前記マイクロカプセル粒子表面に吸着されている湿潤分散剤同士の立体反発力によっても、マイクロカプセルの凝集が防止できる。
このような湿潤分散剤としては、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマー、多価アルコール有機酸エステル、特殊アルコール有機酸エステル、ウレタン変性アクリルコポリマー、高分子量ポリエステル、ポリカルボン酸共重合体、アリルアルコールと無水マレイン酸とスチレン共重合物とポリオキシアルキレンモノアルキルエーテルとのグラフト化物、ポリアクリル酸アンモニウム塩、アクリル共重合物アンモニウム塩、シリコン系ポリマーエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
このような湿潤分散剤の中でも、前記マイクロカプセルに吸着して、前記マイクロカプセルと前記アクリル系共重合体との相溶性をより向上させることが可能となるという観点から、硼酸基及び/又は燐酸基を有する飽和ポリエステル系コポリマーを用いることが好ましい。
本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物における湿潤分散剤の添加量は、前記アクリル系共重合体100質量部に対して、0.05〜3.0質量部(好ましくは0.1〜2.0質量部)である。湿潤分散剤の添加量が0.05質量部未満では、前記マトリックスと蓄熱材を内包したマイクロカプセルとの相溶性が低くなって混練りが困難となり、加工適性が低下する。また、湿潤分散剤の添加量が3.0質量部を超えると得られる蓄熱性アクリル系樹脂組成物の増粘、ゲル化が起こり、前記組成物の硬化性が低下してシートの製造が困難となる。
本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物は、主剤として前記アクリル系共重合体と、硬化剤として前記グリシジル基を有する化合物とからなるマトリックスに、蓄熱材を内包したマイクロカプセル及び湿潤分散剤を含有させて製造することができる。具体的には、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物は、各成分を各々前述の添加量となるように計量して配合し、混合攪拌することで製造することができる。このような混合攪拌の方法は特に制限されるものではなく、重合体の組成、粘度、金属水酸化物粉の種類、各成分の添加量により適宜選定することができ、具体的には、ディゾルバーミキサー、ホモミキサー等の攪拌機を用いる方法が挙げられる。
また、前述のようにして混合攪拌された各配合物の混合物に対し、必要に応じて未分散の蓄熱カプセル等の固まりを除去するために濾過を行ってもよい。このような濾過を行うことで、より均質な蓄熱性アクリル系樹脂組成物が得られ、蓄熱性シート状成形体の製造を効率良く行うことが可能となる。さらに、前述のような混合攪拌で液中に生じた気泡は減圧下で脱泡を行うことが好ましい。このような脱泡を行うことで、得られる蓄熱性アクリル系樹脂組成物を用いて製造される蓄熱性シート状成形体に気泡が生じることを防止することが可能となる。
なお、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物においては、力学的特性、耐熱性の向上等を目的として無機系の充填剤を添加してもよく、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム等を添加することが好ましい。更に、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物においては、前記充填剤以外にも、蓄熱性アクリル系樹脂組成物を成形して得られる成形体の要求性能に応じて、触媒、難燃剤、酸化防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤等を適宜添加することが可能である。
次に、本発明の蓄熱性シート状成形体につき説明する。すなわち、本発明の蓄熱性シート状成形体は、前述の本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめて得られるものである。
このような蓄熱性アクリル系樹脂組成物をシート状に成形し且つ硬化せしめる方法としては、特に制限されず、適宜公知の方法を用いることが可能である。このような方法としては、例えば、基材となるフィルム(ポリエステルフィルム等)の上に前記蓄熱性アクリル系樹脂組成物をコーティングし、160〜200℃の温度条件下で5〜15分間加熱することによって硬化させる方法を挙げることができる。
このような本発明の蓄熱性シート状成形体の厚さとしては、0.5mm〜3mmであることが好ましく、1.0mm〜2.0mmであることがより好ましい。前記厚さが0.5mm未満では、十分な蓄熱性を達成できない傾向にあり、他方、前記厚さが3mmを超えると、蓄熱性は向上するが、電子機器部品等の使用目的にそぐわない製品となってしまう傾向にある。
このような蓄熱性シート状成形体は、必要に応じて切断することが可能であり、任意の形状にすることにより蓄熱が必要な部位に容易に貼着させることが可能である。
また、このような蓄熱性シート状成形体の蓄熱量としては、10J/g〜100J/gであることが好ましい。前記蓄熱量が10J/g未満では、例えば厚さ1mm×タテ10mm×ヨコ10mmのシートを製造して熱を発生する部品に貼付した場合の蓄熱性能が約0.2cal/枚(約0.3℃)であり、蓄熱性シート状成形体としての蓄熱性が不十分となる傾向にある。一方、前記蓄熱量が100J/gを超えると、例えば厚さ1mm×タテ10mm×ヨコ10mmのシートを製造して熱を発生する部品に貼付した場合の蓄熱性能が約2.3cal/枚(約3.3℃)となり、十分な蓄熱性が得られるものの、そのシート状成形体を得る際に用いられる蓄熱性アクリル系樹脂組成物中に含有させるマイクロカプセルの添加量が多くなりすぎて、シート化が困難になる傾向にある。
このような蓄熱性シート状成形体としては、このような蓄熱性シート状成形体が用いられる電子機器の性能や寿命、更には誤作動の防止等の観点からみて、環境温度+20℃の範囲内で使用されることが多い。そのためこのような蓄熱性シート状成形体の蓄熱性能としては、10〜70℃の範囲内で機能を発現するものが好ましく、30〜60℃の範囲内で機能を発現するものがより好ましい。
このような蓄熱性シート状成形体の用途としては特に制限されないが、携帯電話、パソコン、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ、テレビ、DVD、カーナビゲーション等の電子機器における発熱を伴う部品等に適用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7及び比較例1〜7)
先ず、表1に示すカルボキシル基を有するアクリル系共重合体、表3に示す蓄熱材を含有するマイクロカプセル及び比較用蓄熱材、及び表4に示す湿潤分散剤を、それぞれ表5及び表6に示す割合で配合して混合攪拌した後、減圧下において十分に脱泡し、次いで、表2に示す1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物を、表5及び表6に示す割合で配合して再度混合攪拌し、減圧下において脱泡して蓄熱性アクリル系樹脂組成物を得た。
次に、このようにして得られた蓄熱性アクリル系樹脂組成物を用い、これを表面がシリコン離型処理されているポリエステルフィルムの上にコーティングした後、180℃のオーブン中で10分間加熱することにより硬化させ、その後、常温にて24時間放置することにより養生して蓄熱性シート状成形体を得た。
このようにして得られた各蓄熱性シート状成形体について、以下のような評価を行った。
<蓄熱性の試験>
(i)1回目の融解ピーク温度、及び融解熱量
実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた蓄熱性シート状成形体の融解を1回行い、DSC6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて走査により1回目の融解ピーク温度(℃)、融解熱量(J/g)をそれぞれ測定した。このような測定の結果、蓄熱量が10〜70℃の間で10〜100(J/g)となる蓄熱性シート状成形体を合格とし、それ以外のものを不合格とした。なお、蓄熱材を含有するマイクロカプセル又は比較用蓄熱材が凝集して蓄熱性の評価において不合格となる部分が存在する蓄熱性シート状成形体に関しては、不合格として判定した。結果を表5及び表6に示す。
(ii)2回目の融解ピーク温度
実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた蓄熱性シート状成形体を繰り返し融解、凝固させた場合における融解ピーク温度の変化を確認するために、先ず、各蓄熱性シート状成形体の融解、凝固を2回行い、DSC6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて走査により2回目の融解ピーク温度を測定した。そして、得られた2回目の融解熱量と、1回目の融解熱量とを比較して、その温度の増減を評価した。評価基準は下記の通りである。結果を表5及び表6に示す。
〔評価基準〕
◎:2回目の融解熱量が1回目の融解熱量の100〜90%であった
○:2回目の融解熱量が1回目の融解熱量の90〜50%であった
△:2回目の融解熱量が1回目の融解熱量の50〜30%であった
×:2回目の融解熱量が1回目の融解熱量の30〜0%であった。
<耐熱性の試験>
先ず、実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた蓄熱性シート状成形体の硬度を測定した。次に、各蓄熱性シート状成形体を100℃のオーブン中に500時間置いた後、その蓄熱性シート状成形体を取り出して硬度を測定した。このようにして得られた結果から、100℃のオーブン中に500時間置く前と後の硬度を比較して各蓄熱性シート状成形体の硬度変化率を求め、耐熱性を評価した。評価基準は下記の通りである。結果を表5及び表6に示す。
〔評価基準〕
◎:硬度変化率が20%以下であった
○:硬度変化率が21〜50%以下であった
△:硬度変化率が51〜80%以下であった
×:硬度変化率が81%以上であった。
<加工性の試験>
実施例1〜7及び比較例1〜7で得られた蓄熱性シート状成形体について、製造過程における加工適性の評価を行った。すなわち、各蓄熱性シート状成形体を製造する過程で得られた各蓄熱性アクリル系樹脂組成物について、ラボスターラーを用いて混練りが容易であるか否かを観測して加工適性の評価を行った。評価基準は下記の通りである。結果を表5及び表6に示す。
〔評価基準〕
◎:粘度が低く混練りが可能であり、シート化も容易であった
○:粘度がやや高いが混練りが可能であり、シート化も容易であった
△:粘度が高く混練りがやや困難であり、シート化もやや困難であった
×:粘度が高く混練りが困難であり、シート化も困難であった。
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表5及び表6の結果からも明らかなように、実施例1〜7で得られた本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物及び蓄熱性シート状成形体においては、優れた蓄熱性及び耐熱性を発揮し、しかも繰り返し使っても十分に安定した蓄熱性を発揮することができることが確認された。また、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物(実施例1〜7)は、いずれも柔軟性が高く、電子部品等の凹凸面に対する密着性に優れたシートである。更に、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物(実施例1〜7)においては、粘度の増加が十分に抑えられ、十分に高い加工適性を有することが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、蓄熱材を内包するマイクロカプセルを高比率で含有することを可能とし、優れた蓄熱性、柔軟性及び耐熱性を発揮することができるばかりか、繰り返し使っても十分に安定した蓄熱性を発揮することができ、しかも粘度の増加を十分に抑えて加工適性の向上を可能とする蓄熱性アクリル系樹脂組成物を提供することが可能となる。
したがって、本発明の蓄熱性アクリル系樹脂組成物を用いて得た本発明の蓄熱性シート状成形体は、蓄熱性、柔軟性及び耐熱性に優れるため、携帯電話等の電子機器に用いられる電子部品の蓄熱用のシート等として有用である。

Claims (2)

  1. 官能基としてカルボキシル基を有するアクリル系共重合体と、官能基として1分子中に2個以上のグリシジル基を有する化合物とをマトリックスとする蓄熱性アクリル系樹脂組成物であって、前記アクリル系共重合体100質量部に対して、蓄熱材を内包するマイクロカプセルが1〜180質量部含有されており、且つ湿潤分散剤が0.05〜3質量部含有されていること、及び、
    前記湿潤分散剤が、前記マイクロカプセルの表面に吸着されて、該表面に電荷を持たせて静電反発力により前記マイクロカプセルの凝集を防止するとともに前記表面に吸着されている前記湿潤分散剤同士の立体反発力によっても前記マイクロカプセルの凝集を防止するための湿潤分散剤であること、
    特徴とする蓄熱性アクリル系樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の蓄熱性アクリル系樹脂組成物をシート状に成形及び硬化せしめてなるものであることを特徴とする蓄熱性シート状成形体。
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