JP2005179608A - 示温保冷材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保冷材に触らずとも、保冷できる低温になっているかどうかを外観の色により瞬時に判断できる示温保冷材を提供する。
【解決手段】 不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材において、該不透水性基材の内部及び/若しくは表面に−15〜15℃の変色範囲を有する示温インキを保持してなることを特徴とする示温保冷材。
【選択図】 なし

Description

本発明は、示温保冷材に関する。更に詳しくは、冷却効果が持続しているかどうかが外観の色により瞬時に判断できる示温保冷材に関する。
従来の保冷材は不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入したものがほとんどである。保冷材は凍結させて使用する場合が多く、例えば多数のキャップ状の膨らみを有するキャップフィルムと平坦なバックフィルムとを貼り合わせたものを使用する保冷材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−124449号公報
しかしながら、従来の保冷材は触ってみないと保冷できる低温になっているかどうかわからなかった。
本発明の目的は、保冷できる低温になっているかどうかを外観の色により瞬時に判断できる示温保冷材を提供することである。
本発明者らは上記問題点を改善した示温保冷材を得るべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
即ち本発明は、不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材において、該不透水性基材の内部及び/若しくは表面に示温インキを保持してなることを特徴とする示温保冷材である。
本発明の示温保冷材は下記の効果を奏する。
(1)保冷材に触らずとも、保冷できる低温になっているかどうかを外観の色により瞬時に判断できる。
(2)保冷材の温度により外観の色が変わるのを楽しむことができる。
本発明で用いる不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる感温性保冷材において、不透水性基材、保冷用媒体としては、特に限定がなく、従来から用いられている保冷材用の不透水性基材、保冷用媒体が使用できる。
不透水性基材としては、柔軟性があり且つ不透水性のフィルムであれば、保冷用媒体が感温性色素を含有する場合以外特に制限はないが、材質としては、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポバール等及びその変性物等の合成樹脂製フィルム、これらの積層ラミネートフィルム、アルミホイル等の金属製フィルム、及び合成樹脂製フィルムと金属フィルムとの多層ラミネートフィルム等が挙げられる。柔軟性の観点から合成樹脂製フィルム、及びこの積層ラミネートフィルムが好ましい。フィルムの厚さも特に限定はないが、好ましくは0.01〜5mmであり、より好ましくは0.05〜3mmである。
保冷用媒体としては、従来公知のものが使用できるが、例えば下記(I)〜(VI)からなる群から選ばれるものが好ましい。
(I)水溶性高分子を水に溶解したゲル状物。
水溶性高分子としては、水溶性であれば重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、好ましくはMw1,000〜100万、より好ましくは2,000〜50万、特に好ましくは5,000〜20万のものである。Mwが1000以上であると、水溶液のゲル化効果が十分となり、100万以下であると水に溶解するのも容易でゲル化の時間が遅くならない。ゲル状物中の水溶性高分子の濃度は好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜8重量%である。具体的に使用できるものとして天然高分子、半合成高分子、合成高分子がある。これらの内で好ましくは半合成高分子、合成高分子である。
天然高分子としては、例えば、デンプン質(デンプン等);動物タンパク質(ゼラチン、カゼイン、コラーゲン等);動物タンパク質(大豆タンパク質、小麦タンパク質等);繊維素(木材セルロース等);海藻抽出物(寒天、カラギーナン等);植物種子粘質物(グァーガム、ローカストビーンガム等);植物樹葉粘質物(アラビアゴム、トラガントガム等);植物果実粘質物(ペクチン等);微生物生産粘質物(キサンタンガム、プルラン、カードラン、デキストラン等);植物地下茎粘質物(コンニャクマンナン等)等が挙げられる。
半合成高分子としては、セルロース誘導体[メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(以下CMCという)、メチルヒドロキシプロピルセルロース等];デンプン誘導体(可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン等);並びに、アルギン酸誘導体(アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール等)等が挙げられる。
合成高分子としては、ポリオキシアルキレン化合物(1a)、ビニル系樹脂[アクリル系樹脂(1b)、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー]、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
合成高分子の内でポリオキシアルキレン化合物(1a)としては、例えばポリエチレングリコール、多価アルコール類のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)付加物、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコール(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック及び/又はランダム共重合体)等の後記するウレタン樹脂製造に使用されるポリエーテルと同じものが挙げられる。
合成高分子の内でアクリル系樹脂(1b)としては、例えば(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸(塩)[例えばアクリル酸ソーダ等]、2−アルキル−2−アクリルアミドプロパンスルホン酸(塩)[2−アルキル−2−アクリルアミドプロパンスルホン酸ソーダ等]、(メタ)アクリロイロキシアルキルアンモニウム4級塩[例えばメタクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド等]、(メタ)アクリロイロキシアルキルジアルキルアミン塩[例えば、ジエチルアミノエチルメタクリレートの3級もしくは4級塩等]からなる群より選ばれるビニル系モノマーの少なくとも1種を構成単位とするポリマーが挙げられ、この具体例として、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(メタ)アクリル酸(塩)、(メタ)アクリル酸(塩)と(メタ)アクリルアミドとの共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミドの部分加水分解物、(メタ)アクリル酸(塩)と(メタ)アクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)もしくはビニルスルホン酸(塩)との3元共重合体、ポリ(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリロイロキシエチルトリメチルアンモニウム4級塩との共重合物等が挙げられる。上記の塩としてはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニア、トリメチルアミン等のアミン塩等が好ましい。
(II)水あるいは水を主体とした混合溶媒を吸収した吸水性樹脂のゲル状物。
ゲル状物中の吸水性樹脂の濃度は好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.3〜5重量%である。吸水性樹脂としては、例えば下記の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)デンプン又はセルロース等の多糖類(イ−1)及び/若しくは単糖類(イ−2)と水溶性単量体及び/若しくは加水分解により水溶性となる単量体から選ばれる1種以上の単量体(ロ)と、架橋剤(ハ)とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂。
(イ−1)としてはショ糖、セルロース、CMC、デンプン等が挙げられ、(イ−2)としてはペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
(ロ)としては例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、若しくはリン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体及びそれらの塩が挙げられる。カルボキシル基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば不飽和モノまたはポリ(2価〜6価)カルボン酸[(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタクリル酸をいう。以下同様の記載を用いる)、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、ソルビン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、ケイ皮酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル等]及びそれらの無水物[無水マレイン酸等]等が挙げられる。
スルホン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば、脂肪族又は芳香族ビニルスルホン酸(ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸等)、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホン酸、(メタ)アクリルアルキルスルホン酸[(メタ)アクリル酸スルホエチル等]、(メタ)アクリルアミドアルキルスルホン酸[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等]等が挙げられる。
リン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルリン酸モノエステル[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイルロキシエチルホスフェート等]等が挙げられる。
上記カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基を含有する水溶性単量体の塩[例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩等)、アミン塩もしくはアンモニウム塩等]等が挙げられる。アミド基含有モノマー[例えば(メタ)アクリルアミド等]、3級アミノ基含有モノマー[例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]、第4級アンモニウム塩基含有モノマー[例えば上記3級アミノ基含有モノマーの4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等]、エポキシ基含有モノマー[例えばグリシジル(メタ)アクリレート等]、その他モノマー[4−ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドン等]等が挙げられる。
加水分解により水溶性となる単量体としては、少なくとも1個の加水分解性基[酸無水物基、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル基、ニトリル基等]を有するラジカル重合性単量体が挙げられる。酸無水物基を有するラジカル重合性単量体としては例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の炭素数4〜20のラジカル重合性単量体、エステル基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、モノエチレン性不飽和カルボン酸の低級アルキル(C1〜C3)エステル[例えば、(メタ)アクリル酸メチル等]、モノエチレン性不飽和アルコールのエステル[例えば、酢酸ビニル等]等が挙げられる。ニトリル基を有するラジカル重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。これらは加水分解は重合時であっても重合後であってもよく、通常加水分解によって塩を形成し水溶性となる。塩としては前記の塩形成基に記載した塩と同じものがあげられる。
これらは2種以上併用してもよい。これらのうち好ましいものは、水溶性単量体である。より好ましいものは、カルボキシル基を有するラジカル重合性水溶性単量体およびその塩であり、特に好ましくは不飽和モノまたはポリカルボン酸およびその塩、最も好ましくは(メタ)アクリル酸及びその塩である。
(ハ)としては、例えば、ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する架橋剤、ラジカル重合性不飽和基と反応性官能基とを有する架橋剤、反応性官能基を2個以上有する架橋剤などが挙げられる。ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する化合物の具体例としては、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリン(ジまたはトリ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタン及びペンタエリスリトールトリアリルエーテル等が挙げられる。
(イ)、(ロ)の官能基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、且つ少なくとも1個のラジカル重合性不飽和基を有する化合物[例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、等]が挙げられる。
(イ)、(ロ)の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物の具体例としては、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等)、アルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミン等)、及びポリアミン(例えば、ポリエチレンイミン等)等が挙げられる。
これらの架橋剤は2種類以上を併用しても良い。これらのうち好ましいものは、ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する共重合性の架橋剤であり、更に好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスルトールトリアリルエーテル、トリアリルアミンである。
(イ)、(ロ)及び(ハ)の割合、吸水性樹脂の製造法は特に限定されない。吸水性樹脂の具体例としては特開昭52−25886号、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号及び特公昭55−21041号公報に記載されているものが挙げられる。
(2)上記(イ)と(ロ)とを重合させたもの(デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物等);
(3)上記(イ)の架橋物(カルボキシメチルセルロースの架橋物等);
(4)上記(ロ)と(ハ)との共重合体(架橋されたポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリスルホン酸塩(架橋されたスルホン化ポリスチレン等)、架橋されたポリアクリル酸塩/ポリスルホン酸塩共重合体、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物(特開昭52−14689号及び特開昭52−27455号公報に記載されているもの等)、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、架橋されたポリビニルピロリドン、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール);並びに、
(5)自己架橋性を有する上記(ロ)の重合物(自己架橋型ポリアクリル酸塩等);
が挙げられる。以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
中和塩の形態の吸水性樹脂である場合の塩の種類及び中和度については特に限定はないが、塩の種類としては好ましくはアルカリ金属塩、さらに好ましくはナトリウム塩及びカリウム塩であり、酸基に対する中和度は好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは60〜80モル%である。
以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
これらの吸水性樹脂のうち、好ましいものは、(1)、(4)として例示したもののうち、架橋されたデンプン−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、架橋ポリアクリルアミド共重合体、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリル酸エステル共重合体、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール、架橋されたN−ビニル化合物、架橋されたポリスルホン酸(塩)、架橋されたポリアクリル酸(塩)/ポリスルホン酸(塩)共重合体、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)の架橋物、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)と(メタ)アクリル酸(塩)の共重合体の架橋体であり、さらに好ましいものは、架橋されたデンプン−アクリル酸グラフト重合体の加水分解物、架橋されたアクリル酸(塩)−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたポリスルホン酸(塩)、架橋されたポリアクリル酸(塩)/ポリスルホン酸(塩)共重合体、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)の架橋物、(メタ)アクリルアミド−N−アルキル(炭素数1〜5)スルホン酸(塩)と(メタ)アクリル酸(塩)の共重合体の架橋体である。
上記(1)、(4)として例示したものの場合、架橋剤の使用量は、水溶性単量体と架橋剤の合計質量に基づいて、好ましくは0.001〜5%である。
吸水性樹脂の製造に当たり、重合方法については特に限定されず、水溶液重合法、逆相懸濁重合法、噴霧重合法、光開始重合法、放射線重合法等が例示される。
好ましい重合方法は、ラジカル重合開始剤を使用して水溶液重合する方法である。この場合のラジカル重合開始剤の種類と使用量、ラジカル重合条件についても特に限定はなく、通常と同様にできる。なお、これらの重合系に、必要により各種添加剤、連鎖移動剤(例えばチオール化合物等)等を添加しても差し支えない。
重合して得られる吸水性樹脂の含水ゲル状重合体を乾燥後、粉砕し、さらに必要により粒度調整して得られる吸収剤粒子の表面近傍を、カルボキシル基等の酸基及び/又はその塩基と反応しうる官能基を少なくとも2個有する架橋剤で表面架橋して吸水性樹脂とすることもできる。
このような表面架橋型の吸水性樹脂は、常圧下だけでなく加圧下においても吸収性能と吸収速度に優れ、かつゲル強度も大きくなるので、本発明に好適である。
表面架橋に使用する架橋剤としては、従来から使用されている公知の架橋剤が適用できる。具体的な例としては、1分子中にエポキシ基を2〜10個有するポリグリシジルエーテル化合物[エチレングリコールジグリシジルエーテル等];2価〜20価のポリオール化合物[グリセリン、エチレングリコール等];2価〜20価のポリアミン化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等);分子量200〜500,000のポリアミン系樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等)、アルキレンカーボネイト[エチレンカーボネイト等]、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、ポリイミン化合物等が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、比較的低い温度で表面架橋を行わせることができるという点で、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリアミン系樹脂及びアジリジン化合物である。
表面架橋における架橋剤の量は、架橋剤の種類、架橋させる条件、目標とする性能等により種々変化させることができるため特に限定はないが、吸水性樹脂に対して好ましくは0.001〜3重量%である。
吸水性樹脂の重量に対する吸水倍率は、好ましくは10〜1,500倍であり、より好ましくは100〜1,000倍である。又、吸水性樹脂の形状については特に限定はないが例えば、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パール状等がある。
吸水性樹脂の吸水倍率は次に示す方法により測定して得られる値とする。
<吸水性樹脂の吸水倍率>ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料(サンプル量;Xg)を入れ、これを袋ごと過剰の水に浸した。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、質量(Yg)を測定して下式より吸水倍率を求めた。[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Zg)をブランクとして差し引いた。]
吸水倍率=(Y−Z)/X
粒子の平均粒子径についても特に限定はないが、好ましくは50〜850μmであり、より好ましくは60〜400μmである。ここで平均粒子径は質量平均粒子径を意味し、質量平均粒子径は、架橋重合体の各粒度分布を横軸が粒子径、縦軸が質量基準の含有量の対数確率紙にプロットし、全体の50%を占めるところの粒子径を求める方法により測定する。
(III)上記のゲル状物に氷点降下物質(多価アルコール類、尿素、硝酸アンモニウム、食塩等及びこれらの併用)を添加した保冷用媒体。
ゲル状物中の氷点降下物質の濃度は好ましくは0.1〜50重量%であり、より好ましくは0.5〜40重量%である。
(IV)水溶解時に吸熱する物質(硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム10水塩、リン酸二アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム10水塩、チオ硫酸ナトリウム10水塩等)と上記のゲル状物よりなる二剤性保冷用媒体。ゲル状物100重量部に対して吸熱する物質の配合量は好ましくは10〜90重量部であり、より好ましくは20〜80重量部である。
(V)吸水性樹脂、水溶性高分子、水及び親水性アルコールからなるゲル状物。
ここで親水性とは水溶性及び水分散性を意味し、親水性アルコールとしては、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール及び親水性ポリエーテル[ポリエチレングリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールモノアルキルエーテル]等が好ましい。ゲル状物中の水と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは100:0.1〜10、より好ましくは100:0.5〜8である。ゲル状物中の水と親水性アルコールとの重量比は好ましくは100:1〜80、より好ましくは100:10〜65である。ゲル状物中の水溶性ポリマーと親水性アルコールとの重量比は好ましくは1:10〜60、より好ましくは1:20〜40である。ゲル状物中の吸水性樹脂と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは1:0.1〜10、より好ましくは1:0.2〜3である。詳細は特公平7−23467号公報に記載されている。
(VI)水不溶性で非吸水性のポリマー皮膜で表面被覆された吸水性樹脂の粒子が水溶性高分子、水及び親水性アルコールを含有する水性ゲル中に懸濁したゲル状物。
親水性ポリマー、配合量等は(V)に記載されたものと同じでよい。詳細は特公平7−81134号公報に記載されている。
これらの内で好ましくはは(V)、(VI)である。
本発明で用いられる示温インキとしては、冷却によりポジ画像叉はネガ画像の記録が得られ、それらの記録は所定の温度域に保つことにより記録維持でき、加熱又は昇温により容易に変色又は消去できるインキをいい、可逆的であれ非可逆的であれ限定はないが、好ましくは可逆的示温インキである。また、好ましくは−15 〜15℃の温度範囲で変色点又は消色点があり、より好ましくは温度範囲以下で肉眼で判別可能な着色画像が得られ、この温度範囲以上で着色が消去されるものである。特に好ましくはこの変色温度は−10〜10℃である。
可逆的示温インキとしては、無機系、液晶系、有機系のものが挙げられる。これらの内で好ましくは有機系である。
(i)無機系
金属錯体Me〔HgI4〕(Me=Ag、Hg、Cu等)を耐熱性の高いシリコン樹脂、耐光性の高いアクリル樹脂のビヒクルに分散したもの;
(ii)液晶系
サーモクロミック液晶をマイクロカプセル化してビヒクル中に分散したもの;
(iii)有機系
顕色剤、発色剤(呈色剤)、溶媒(減感剤)の三成分を内包するマイクロカプセルを作り、これを顔料としてビヒクルに分散したもの;
(イ)顕色剤
フェノール類(p−t−ブチルフェノール、p−クロルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノンモノメチルエーテル、β−ナフトール、p−オキシ安息香酸メチル、没食子酸メチル等)、カルボン酸(カプロン酸、オクチル酸、オレイン酸、ステアリン酸、乳酸、安息香酸、フェニル酢酸、没食子酸等)、スルホン酸(アルキルベンゼンスルホン酸等)、酸性リン酸エステル(メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート等のアルキルリン酸等);これらの塩(アルカリ金属、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅、鉄、チタン等の金属塩等);
(ロ)発色剤(呈色剤)
電子供与性呈色性有機化合物であり、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、ロイコオーラミン類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類が挙げられる。
具体的には、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ミヒラーヒドロール、クリスタルバイオレットカービノール、マラカイトグリーンカービノール、N−(2,3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8−メトキシ−N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−メチル−3−アミノ−6−メチル−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン。7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフルオラン、2,7−ジクロロ−3−メチル−6−n−ブチルアミノフルオラン等が含まれる。
(ハ)溶媒(減感剤)
エステル類(ステアリン酸n−ブチル、2−メチル安息香酸ステアリル、4−t−ブチル安息香酸セチル、4−シクロヘキシル安息香酸ベヘニル等)、アルコール類(ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコールなど)、アミド類(ジステアリン酸アミド等)、ケトン類(ジオクチルケトン、ベンジルステアリルケトン、フェニルオクチルケトン等)、スルフィド類(ジステアリルスルフィド等);
上記の三成分の配合量は、好ましくは重量で上記の(ロ)成分1部に対して、(イ)成分が0.1〜50部、(ハ)成分が1〜800部であり、より好ましくは(ロ)1部に対して(イ)成分が0.5〜20部、(ハ)成分が5〜200部である。これらの三成分の種類、配合量により発色温度、消色温度を上記の範囲に調節することができる。
これら三成分を配合して加熱融解したり、粉砕して用いることもできるが、好ましくは公知のマイクロカプセル化法、例えばコアセルベーション法、界面重合法、In situ重合法、噴霧乾燥法等の手法によって微小カプセルに内包させることができる。微小カプセルの粒径は、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは1〜8μmであり、バインダーを含むビヒクル中に分散させた色材により塗装等を行う。ビヒクルとしては下記のインキ用樹脂が使用できる。
示温インキ中の三成分の入ったマイクロカプセルの量は好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%である。
インキ用樹脂としては従来公知のインキ用樹脂が用いられ、不透水性基材等に密着するものが好ましいので、不透水性基材等の材質の種類に応じて選択できる。
インキ用樹脂としては、非反応型樹脂(c1)と反応型樹脂(c2)に分類することができる。
(c1)としては熱可塑性樹脂があり、具体的にはオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂及び/又はこれらの混合物、複合物からなる樹脂の群から選ばれる1種以上の樹脂が挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴムとポリオレフィンとの混合物、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−プロピレンゴムにポリオレフィンをグラフト化した重合体等が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂としては、例えば、高重合度塩化ビニル樹脂、部分架橋塩化ビニル樹脂、ニトリルゴム(NBR)、ウレタン樹脂あるいはポリエステル樹脂等と塩化ビニル樹脂とのブレンド物、ウレタン−塩化ビニル共重合体、ニトリルゴム(NBR)−塩化ビニル共重合体等が挙げられる。
エステル系樹脂としては、例えば、芳香族ポリエステル−ポリエーテルブロック共重合体、芳香族ポリエステル−脂肪族ポリエステルブロック共重合体等が挙げられる。
アミド系樹脂としては、例えば、ポリエーテル−ポリアミドブロック共重合体、ポリエステル−ポリアミドブロック共重合体等が挙げられる。
ウレタン系樹脂としては、ポリオール、ジイソシアネート、鎖延長剤をバルク重合あるいは溶液重合することにより得られる直鎖状のポリウレタンをペレット化して押し出し成形、或いは射出成形するか溶液重合により得られたポリウレタン溶液を賦形して溶液を揮発除去するか、或いは凝固浴と接触させて凝固せしめる方法により製造されている。
好ましくは不透水性基材等へ密着性がエステル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂である。また上記樹脂の重量平均分子量が好ましくは1万〜100万で且つ軟化点30℃以上のものである。この範囲の分子量であれば熱溶融して被覆が可能であり、軟化点30℃以上であれば室温でも軟化しないので取り扱いやすい。
(c2)は硬化性樹脂であり、常温硬化性(例えば湿気硬化性)樹脂、熱硬化性樹脂、及び電子線硬化性樹脂等があり、前二者の重量平均分子量は好ましくは300〜50万、より好ましくは1,000〜30万のオリゴマー又は高分子、後者の重量平均分子量は好ましくは100〜10万、より好ましくは200〜1万の低分子乃至オリゴマーであり、且つこれらの化合物の末端又は側鎖に官能基を有し、硬化・架橋してさらに大きな高分子となるものである。官能基としては常温又は加熱によって反応するものが挙げられ、具体的にはイソシアネート基(遊離、ブロック型)、エポキシ基、不飽和基(二重結合基等)、アミド基、ヒドロキシル基、カルボン酸基、スルホン酸基、酸無水物基、酸ハロゲン基、低級アルコキシ基、アミノ基、ジアゾニウム基、アジド基、アルデヒド基、N−メチロール基、イミノ炭酸エステル基、シラノール基、加水分解性シリル基[トリ又はジアルコキシ(炭素数1〜3)シリル基等]等が挙げられ、これらの官能基の1種以上を1分子中に2個以上有するものが好ましい。
(c2)としては、上記の(c1)に記載した樹脂と同じ種類が挙げられるが、好ましくは 、例えば、常温硬化性としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂や湿気硬化型シリコン樹 脂等が挙げられ、熱硬化性樹脂としてはホルマリン縮合系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン 系樹脂、ビニル系樹脂等が挙げられ、電子線硬化性樹
脂としてはビニル系樹脂が挙げられる。好ましくはこれらの内で密着性の面で熱硬化性樹脂のエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、作業性の面で、電子線硬化性樹のビニル系樹脂である。
エポキシ系樹脂は、末端に反応性のエポキシ基を持つ分子量数百から約一万のオリゴマーと適当な硬化剤と組み合わせ、硬化させることで製造され、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂(エポキシ当量;65〜1000)と硬化剤(ポリアミン、酸無水物、ポリイソシアネート、ポリオール、ポリメルカプタン類等)との反応(エポキシ基と各官能基との比率はモル比で1:10〜10:1)が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤(例えば、エチレンジアミン、キシリレンジアミン等の脂肪族アミン;4,4’−ジアミノビスシクロヘキシルメタン等の脂環族アミン;アニリン、ジメチルアニリン等の芳香族アミン;フタル酸無水物等のカルボン酸無水物;BF3錯体;ジシアンジアミド;イミダゾール類等)で硬化を行う。この場合にはエポキシ反応触媒(ベンジルジメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、BF3−アニリン錯体、アルミニウムイソプロポキシド等)、可塑剤、硬化促進剤を用いることができる。
エポキシ系樹脂の硬化は特に限定しないが、まず、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、さらに必要によりエポキシ反応触媒とを混合して容器に封入し、100〜200℃、好ましくは120〜180℃で数時間反応させて得られる半硬化樹脂をさらに数時間〜10日養生することにより完全硬化樹脂が得られる。
ウレタン系樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートよの反応で得られる。
ポリイソシアネートとしては分子中に2個以上、好ましくは2〜4個のイシシアネート基を有するものであり、ポリウレタンに通常使用できるものが用いられ、例えば、炭素数(NCO基中の炭素数を除く)6〜20の芳香族ポリイソシアネート[2,4−、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)等];炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート等];炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート[イソフォロンジイソシアネート等];炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレンジイソシアネート等];これらのポリイソシアネートの変性物[ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビュウレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、TDI、MDI、粗製MDI、カルボジイミド基含有変性MDIおよびこれらの2種以上の併用である。ポリオールとしては、ポリウレタンに通常使用できるものが用いられ、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひまし油(以下ポリオールと略記)、およびこれらのポリオールの中でビニルモノマーを重合させて得られる重合体ポリオールが挙げられる];水酸基とイソシアネート基との比率はモル比で好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは1:1.5〜1.5〜1、特に好ましくは1:1.2〜1.2:1である。水酸基が過剰であると末端が水酸基を有するプレポリマーであり、イソシアネート基が過剰であるとイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとなる。
ウレタン化反応には必要により硬化促進のために、ウレタン化促進触媒を配合することができる。この配合割合は、ウレタンプレポリマー全体に対して、好ましくは0〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
ウレタン化促進触媒としては、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等の錫系触媒;2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系触媒;ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩等;トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類;ジメチルアミノプロピルアミンジプロピルアミノプロピルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン等のアミン系触媒及びその有機酸塩(ギ酸塩等)等;及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。ウレタン化促進触媒の配合割合は、ウレタンプレポリマー全体に対して、好ましくは0〜10質量%以下、より好ましくは0.01〜5質量%である。
ウレタンプレポリマーの製造方法は特に限定されないが、例えば、ポリオールと過剰のポリイソシアネートとを50〜120℃、好ましくは70〜100℃の温度で反応させて末端イソシアネートのプレポリマーを作成した後、このプレポリマーと低分子量ジオールを反応させるプレポリマー法;ポリオールと低分子量ジオールとを混合したポリオールコンパウンドを、ポリイソシアネートと反応させるワンショット法等が挙げられる。
例えば、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーと低分子量ポリオール又はポリアミンとの反応、若しくは水酸基末端ウレタンプレポリマーとポリイソシアネートとの反応で塗料を得ることができる。混合比は反応する官能基のモル比で好ましくは1:0.5〜2であり、より好ましくは1:0.7〜1.5である。反応温度は好ましくは50〜180℃であり、より好ましくは80〜160℃である。反応時間は好ましくは1〜20時間である。反応チエックはイシシアネート基、水酸基等の官能基の量をイソシアネート含量滴定測定、赤外分析、NMR分析法等で測定できる。好ましくはこれらの末端官能基量が消失したときである。
ホルマリン縮合樹脂系としては、尿素樹脂(尿素とホルマリンとの反応物)、メラミン樹脂(メラミンとホルマリンとの反応物、フェノール樹脂(フェノールとホルマリンとの反応物)、レゾシノール樹脂(レゾシノールとホルマリンとの反応物等が挙げられる。尿素樹脂としては、例えばアルキル(炭素数1〜8)エーテル化メラミン樹脂、アルキル(炭素数1〜8)エーテル化ベンゾグアナミン樹脂、アルキル(炭素数1〜8)エーテル化尿素樹脂、スピログアナミン樹脂、フェニレン核に2個のトリアジン環が結合したジグアナミンのアルキル(炭素数1〜8)エーテル化樹脂及び/又はこれらの2種以上の混合物が挙げられる。これらの内好ましくはアルキルエーテル化メラミン樹脂、アルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂であり、特に好ましくはアルキルエーテル化ベンゾグアナミン樹脂である。
ビニル系樹脂を構成するものは、不飽和基を有する分子中に1個以上有する低分子化合物乃至オリゴマーが主体である。
具体的には例えば下記のものが挙げられる。
例えば、1官能モノマーとして、炭素数2〜9のオレフィン(ブタジエン等);スチレン及びその誘導体(炭素数9〜14)(スチレン等);モノ(メタ)アクリル酸及びそのアルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステル(炭素数4〜24)((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等);分子量62〜5,000のポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル(エチレングリコール(メタ)アクリレート等;分子量62〜5,000の多官能(2〜6価)アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル(トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート等)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート等;ニトリル基含有ビニル系モノマー((メタ)アクリロニトリル等);ビニルエステル[酢酸ビニル、ジアリルフタレート等];
2官能以上のモノマーとして、ジ(メタ)アクリレート類;[ポリアルキレン(炭素数2〜4)グリコール(数平均分子量(以下Mnと略記)3,000以下]のジ(メタ)アクリレート、2価フェノールのAO(炭素数2〜4)(2〜30モル)付加物のジ(メタ)アクリレート、炭素数2〜30のアルキレングリコールのジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、炭素数6〜30の脂環式2価アルコールのジ(メタ)アクリレート等;ポリ(メタ)アクリレート類;炭素数3〜40の多価(3価〜6価またはそれ以上)アルコールのポリ(メタ)アクリレート類、ウレタン(メタ)アクリレート類、ポリエステル(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート類、エポキシ(メタ)アクリレート、;主鎖および側鎖にエチレン性不飽和基を有するブタジエン重合体[例えばポリブタジエン等];等が挙げられる。
上記のビニル系モノマーは硬化物の目的に応じて任意に配合することができる。硬化させるために、熱硬化触媒、光重合開始剤を併用することができる。熱硬化触媒、光重合開始剤のそれぞれの配合量は、ビニル系モノマーの重量に基づいて好ましくは10重量%以下である。熱硬化触媒、光重合開始剤を併用したものは、電子線以外の活性エネルギー線(熱、紫外線等)でも硬化でき、耐薬品性、耐擦傷性の優れた硬化物を得ることができる。熱により硬化させる場合の条件は、好ましくは50〜200℃、硬化性、耐汚染性、熱劣化の観点からより好ましくは80〜180℃のオーブンでの1分〜20時間の熱処理である。電子線で硬化させる場合は、公知の電子線照射装置を使用することができる。電子線の照射量は好ましくは10Mrad以下である。照射量が10Mrad以下であると硬化したコーティング膜あるいは基材(紙を主体としたもの等)が損傷を受けず、劣化する場合がない。特に紫外線により硬化させる場合の紫外線の照射量は、好ましくは50〜3,000mJ/cm2で、表面硬化性、黄変の観点からより好ましくは100〜2,500mJ/cm2である。
熱硬化触媒としては、過酸化物(第3級ブチルパーオキシベンゾエート等)、アゾ化合物(アゾビスイソブチロニトリル等)等が挙げられる。
光重合性開始剤としては、例えば、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルフォルメート、イソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノン等が挙げられる。
上記のインキ用樹脂に感温性色素を配合して示温インキを製造し、不透水性基材等に塗布して硬化させることによって本発明の保冷物用示温材が得られる。示温インキを製造する場合には感温性色素の他にも必要に応じてさらに分散剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、チクソトロピー性付与剤(増粘剤)、スリップ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等のインキに添加される添加剤を任意に配合することができる。該添加剤の総配合量はインキの重量に対して通常20重量%以下、好ましくは0.1〜6重量%である。
分散剤としては、高分子(Mn2,000〜500,000)有機系分散剤(ナフタレンスルホン酸塩のホルマリン縮合物等)、低分子(Mn2,000未満)有機系分散剤(ポリアルキレングリコール型界面活性剤、多価アルコール型界面活性剤、カルボン酸塩型界面活性剤、硫酸エステル塩型界面活性剤、スルホン酸塩型界面活性剤、リン酸エステル型界面活性剤、第1〜3級アミン塩型界面活性剤、第4級アンモニウム塩型界面活性剤等)、無機系分散剤(ポリリン酸塩、メタリン酸塩、リン酸等)が挙げられる。
消泡剤としては、低級アルコール(炭素数1〜6、例えばメタノール、ブタノール)系消泡剤;高級アルコール(炭素数8〜20、例えばオクチルアルコール)系消泡剤;脂肪酸(炭素数6〜20、例えばオレイン酸)系消泡剤;グリセリンモノラウレート等の脂肪酸エステル系消泡剤;リン酸エステル(炭素数1〜20、例えばトリブチルフォスフェート)系消泡剤;金属石けん[脂肪酸(炭素数6〜20、例えばオクチル酸、ステアリン酸、オレイン酸、トール油脂肪酸)の金属(アルカリ金属以外の金属、例えばCa)塩等]系消泡剤;その他鉱物油系消泡剤;ポリエーテル(ポリプロピレングリコール等)系消泡剤;シリコーン(ジメチルシリコーンオイル等)系消泡剤等が挙げられる。
レベリング剤としては、ポリエチレングリコール型非イオン性界面活性剤(Mn100〜2,000、例えばノニルフェノールEO付加物、ステアリン酸EO付加物);多価アルコール型非イオン性界面活性剤(炭素数3〜30、例えばソルビタンパルミチン酸モノエステル);フッ素系界面活性剤(炭素数3〜100、例えばパーフルオロアルカノールEO付加物、パーフルオロアルカンカルボン酸塩、パーフルオロアルキルベタイン);変性シリコーンオイル(アルキル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル)等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、アミノ系シランカップリング剤(炭素数6〜30、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等);エポキシ系シランカップリング剤(炭素数9〜30、例えばγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン);イソシアネート系シランカップリング剤(炭素数9〜30、例えばγ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン);ポリマー型シランカップリング剤(Mn500〜20,000、例えばポリエトキシジメチルシロキサン);カチオン型シランカップリング剤[炭素数10〜30、例えばN−(N−ベンジル−β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩]等が挙げられる。
チクソトロピー性付与剤(増粘剤)としては、無機系(ベントナイト、有機処理ベントナイト、極微細表面処理炭酸カルシウム等)及び有機系(水添ヒマシ油ワックス、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム、重合アマニ油等)が挙げられる。
スリップ剤としては、高級脂肪酸(炭素数8〜20)エステル、例えばステアリン酸ブチル;高級脂肪酸(炭素数8〜20)アミド、例えばエチレンビスステアリン酸アミド、オレイン酸アミド;金属石けん(ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム等);高分子量炭化水素(パラフィンワックス等);ポリオレフィンワックス(Mn1,000〜30,000、例えばポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス等);シリコーン(ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル等)等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系〔2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等;アミン系(オクチルジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール等);硫黄系[ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)等];リン系[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)等]等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系〔2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等〕;トリアジン系〔2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等〕;ベンゾフェノン系〔2−ヒドロキシベンゾフェノン等〕;シュウ酸アニリド系〔2−エトキシ−2’−エチルオキザリック酸ビスアニリド等〕;サリチレート系(フェニルサリチレート等)等が挙げられる。
インキを製造する方法は、特に限定はされないが、原料混合時生じる泡を取り除き、減圧下(40mmHg以下)で行うのが望ましく、製造装置としては釜内減圧可能な万能混合機、プラネタリーミキサー等が好ましい。混合する際の温度は好ましくは0〜60℃であり、より好ましくは5〜40℃であり、特に好ましくは15〜35℃である。混合時間は好ましくは0.5〜10時間である。
インキを基材に塗工する際に、塗工に適した粘度に調整するために、必要に応じて溶剤で希釈することができる。溶剤の使用量は塗料の合計重量に基づいて好ましくは70重量%以下、より好ましくは0〜50重量%である。
また、インキの粘度は、使用時の温度で、好ましくは50〜5,000mPa・s、より好ましくは100〜3,000mPa・sである。粘度が、この範囲内にあるときは、しみこみムラや、塗料のレベリング性悪化等の問題がなく、安定して塗工することができる。
該溶剤としては、上記樹脂を溶解するものであれば特に限定されない。具体的には、芳香族炭化水素系溶剤(炭素数7〜15、例えばトルエン、キシレン、エチルベンゼン);エステル系またはエステルエーテル系溶剤(炭素数3〜10、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル等);エーテル系溶剤(炭素数3〜10例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノエチルエーテル等);ケトン系溶剤(炭素数3〜10、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);アルコール系溶剤(炭素数1〜10、例えばメタノール、エタノール、n−およびi−プロパノール等);アミド系溶剤(炭素数3〜10、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等);スルホキシド系溶剤(炭素数2〜6、例えばジメチルスルホキシドなど);水;およびこれらの2種以上の混合溶剤等が挙げられる。
塗料を塗工する場合、ロールコーター(サイズプレス、ゲートロールコーター等)、バーコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター等の塗工機を使用できる。塗工量は、好ましくは乾燥後の目付量で2〜100g/m2(厚みt=0.2〜100μm)、より好ましくは10〜50g/m2(厚みt=10〜50μm)である。塗工する際にネガ画像の上から塗装してポジ画像を印字する等の操作を行ってもよい。
溶剤で希釈して使用する場合、塗工後に乾燥するのが好ましい。乾燥はドライヤー等の熱風乾燥等によって行われる。乾燥温度はドライヤーの種類によって種々変化するが、ドライヤー内部の温度は、好ましくは30〜70℃、より好ましくは40〜60℃である。これらのインキ用樹脂と感温性色素、必要に応じて溶剤を混合して不透水性基材等に塗布して乾燥又は加熱して皮膜を形成する。乾燥又は加熱の条件は各樹脂の硬化特性及び不透水性基材の種類に応じてきめればよい。また、水系にして塗装してもよい。溶剤系、水系における樹脂の濃度は作業性等に応じて決めればよく特に限定はない。
本発明の示温保冷材は、不透水性基材の内部及び/若しくは表面に示温インキを保持してなることを特徴とするものであり、例えば、該保冷材が(i)不透水性基材の表面の一部又は全部に示温インキを塗装してなるもの、(ii) ラミネートされた不透水性基材の間の一部又は全部に示温インキを保持してなるもの、(iii) 不透水性基材そのものが示温インキを含んでいるもの、 (iv) 示温インキを塗装したシートかフィルムを不透水性基材の表面の一部又は全部に貼り付けたものが挙げられるがこれらに限定するものではなく、また実質これらと均等なものも含まれる。好ましくは作業性の面で(i)、(ii)、(iii) であり、より好ましくは(i)である。(i)(iv)の塗装する場合は、示温インキを塗装して不透水性基材等の表面に被覆膜を作る。乾燥膜厚は好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは0.5〜50μmである。
(i)の場合は、不透水性基材に塗布硬化したのち、適当な大きさに切り取り保冷用媒体を入れる袋を作るか、袋を作成したのちインキを塗布硬化するかは任意であるが、好ましくは前者である。インキを塗布する範囲は保冷材の袋を形成する不透水性基材の全部であっても一部であってもよいが、使用者が肉眼で判断できる範囲であれば特に限定はない。それは示温インキの色の種類、濃さ等によっても異なる。(iv)の場合は、別のシートかフィルムの場合は塗布硬化したのち、適当な大きさに切り取り保冷用媒体を入れた袋に貼ればよい。貼り付ける方法としては、両面粘着テープによりシート等を密着させるか、粘着剤や接着剤を使用して貼り付けてもよい。保冷材にとりつける該シート等の大きさや位置は任意でよい。粘着剤・接着剤は市販のものが適用できる。示温保冷材の大きさ、形態などは通常の保冷材と何ら変わるところはない。
上記の別のシートかフィルムとしては不透水性基材と同じであってもよいし透水・水不溶性基材でもよい。不透水性基材としては前記と同じものが挙げられる。透水・水不溶性基材の材質としては例えば綿、羊毛、絹、セルロース、パルプ等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポバール等及びその変性物等の合成樹脂又は繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維等及びこれらの混合素材、洋紙、和紙等の紙の素材が適用できる。
ここで透水性は100mlの25℃のイオン交換水が100cm2の面積を通過する時間(秒)で表すと30秒以下であり、好ましくは15秒以下であり、特に好ましくは5秒以下である。形態としては例えば編布、織布、不織布等の布;ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な孔を数多く開けたもの等のメッシュフィルム;洋紙、和紙等の紙等が挙げられる。これらの中で不織布が特に好ましい。不織布については、「不織布の基礎と応用」(日本繊維機械学会発行)に詳細に記載されている。また、熱融着法で固定する場合は熱融着繊維及び/又はフィルム等の熱融着物質を含んだものを使用するが、「熱融着不織布の実態と熱融着繊維全容」1989年4月24日発行、(株)大阪ケミカルマーケッティングセンターに詳細に記載されているものが挙げられる。
(ii)のラミネートされた不透水性基材の間の一部又は全部に示温インキを保持してなるものについては、同種又は異種の不透水性基材の一部又は全部に示温インキを入れて積層するものであり、示温インキのみを間に入れてもよいし、上記示温インキ中に入れて塗装したものでもよい。好ましくは塗装したものである。
(iii) の不透水性基材や別のシートかフィルムそのものに示温インキを含ませる場合には、示温インキを不透水性基材、又は別のシートかフィルムを形成する際に練り込みを行う。その際の示温インキの不透水性基材等に対する配合量は(i)の樹脂に対する場合と同じでよい。
示温保冷材は前記の保冷用媒体を別の容器で混合作成した後、不透水性基材からなる容器に入れてもよいし、不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体の構成原料を入れてから混合して、示温保冷材を作成してもよい。また、保冷用媒体を不透水溶性基材からなる容器内に投入し示温保冷材を作成した後、水中に投入し膨潤させて使用するのが好ましい。すなわち、示温保冷材は吸水性樹脂、水及び必要により溶剤を万能混合機等で混合して容易に得ることができるし、容器中で混合して得ることもできる。混合時間、温度は特に限定はない。
また、必要により、保冷用媒体中に前記の防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。添加量は保冷材全体に対して好ましくは10重量%以下である。
この様にして製造された本発明の示温保冷材を冷却すると示温保冷材の温度は示温インキの変色点(−15〜15℃)以下になり着色画像が現れる。冷凍庫から取り出せば室温で表面の温度が上昇するが、感温性色素の変色点領域以上の温度になると変色又は消色するので、肉眼により瞬時に保冷効果が維持されている温度かどうか判断することができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下部は重量部を示す。
以下の示温インキ(I)〜(III)を製造した。
[示温インキ(I)の製造]
熱変色マイクロカプセルA 30 部
ネオマーBA−641 50 部
ネオマーTA−401 20 部
イルガキュア184 4 部
アエロジル200 1 部
酢酸エチル 20 部

上記配合物を25℃下、プラネタリーミキサーで60分混合し示温インキ(I)を製造した。
熱変色マイクロカプセルA(ラクトン系ロイコ染料の発色剤を使用し青色の発色温度と消色温度の範囲が−5〜15℃であるマイクロカプセル)
ネオマーBA−641(ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル付加物のジアクリレート:三洋化成工業社製)
ネオマーTA−401(トリメチロールプロパンのエチレンオキシド3モル付加物のトイアクリレート:三洋化成工業社製)
イルガキュア184(光重合開始剤:チバガイギー社製)
アエロジル200(チクソトロピー性付与剤:日本エアロジル社製)
[示温インキ(II)]
熱変色マイクロカプセルA 30 部
サンプレンIB−465 70 部
アエロジル200 1 部

上記配合物を25℃下、プラネタリーミキサーで60分混合し主剤を製造した。
これに使用時にコロネートL(イソシアネート重合体:日本ポリウレタン社製)15部及びトルエン20部を均一に混合したものを示温インキ(II)とする。
サンプレンIB−465(水酸基末端ポリウレタンプレポリマー:三洋化成工業社製)
[示温インキ(III)]
熱変色マイクロカプセルB 23 部
ポリゾールEVA P−8 52 部
アルギン酸ナトリウム 3 部
水 22 部
上記配合物を25℃下、プラネタリーミキサーで60分混合し示温インキ(III)を製造した。
熱変色マイクロカプセルB(フルオラン系ロイコ染料の発色剤を使用しマゼンタの発色温度と消色温度の範囲が−5〜15℃であるマイクロカプセル)
ポリゾールEVA P−8(エチレン−酢ビ共重合体エマルション:昭和高分子社製)
[実施例1]
18cm、長さ25cm、厚み15μmのナイロンシートに示温インキ(I)を「
冷蔵中」と記載したネガ画像(10cm×20cm)を通してプリントし、電子線5Mrad照射した。膜厚20μmであった。「冷蔵中」の着色されていないポジ画像1個を得た。これを2枚作成しシートを重ねて三方をヒートシールでシールしてその袋内に吸水性樹脂サンフレッシュST−500D(10g)、カルボキシメチルセルロース(5g)及び水(985g)を入れ、残った一方の開口部をヒートシールしてよく振って内容物をゲル(保冷用媒体)とし本発明の示温保冷材(A)を作成した。
サンフレッシュST−500D:ポリアクリル酸架橋型吸水性樹脂、吸水倍率400倍、粒径106〜850μm、三洋化成工業社製
[実施例2]
裏面に粘着剤が塗布され離形紙で貼り合わされた18cm、長さ25cm、厚み0.06mmの紙のシート(シール)に示温インキ(II)を「冷蔵中」(10cm×20cm)と記載したネガ画像を通してプリントし105℃で60分硬化して「冷蔵中」の着色されていないポジ画像2個を得た。膜厚20μmであった。
この画像2個(10cm×20cm)を切り取った。実施例1の塗装されてい
ない袋を作成し、実施例1と同様のゲルを袋内に作成した。その上から切り取った「冷蔵中」のラベルを離形紙を剥がして保冷材の両面に貼り付けて本発明の示温保冷材(B)を作成した。
[実施例3]
実施例1において、示温インキ(I)に代えて示温インキ(III)を使用して、
「冷蔵中」(10cm×20cm)と記載したネガ画像を通してプリントし、80℃で60分乾燥して「冷蔵中」の着色されていないポジ画像を得た。膜厚15μmであった。これを2枚作成した。このシートの画像の上に同じ大きさのポリエステルシートをラミネートして、「冷蔵中」の着色されていないポジ画像のラミネートシート2枚を得た。このシートを重ねて三方をヒートシールでシールしてその袋内に
実施例1と同様のゲルを作成して本発明の示温保冷材(C)を作成した。
示温保冷材の試験方法を次に示す。
<示温材の効果確認試験>
上記示温保冷材(A)〜(C)を、−25℃、24時間で完全に凍結させた。この保冷材を室温に放置した後、1時間毎に示温材の表示を肉眼で確認した。その結果を表1に示した。
本発明の示温保冷材は、内容物の保冷状態を保冷材の色により肉眼で瞬時に判断できるので、輸送の場合はもちろんそれ以外にも保冷状態を確認する場合にも有効に使用できる。
輸送以外の場合とは、例えば、保冷枕、首・背骨・腰・ふくらはぎ・おでこ・脇の下・脚等の保冷具、額の冷却シート、運動後の筋肉・関節等の冷却マットや保冷サポーター、冷却アイマスク、夏時の清涼座布団(特に車用)・布団、清涼ヘルメット、靴のクール下敷き、清涼スカーフ・バンダナ、消防用の防火服の内張り・炎天下作業時の作業衣や手袋・またはそれに付属の保冷具、車椅子使用時の冷却座布団と背もたれ等の人体保冷用;犬・猫等の動物用保冷マット(クールマット)・保冷タオル;肉・魚・野菜・花等の生鮮物の鮮度保持材;ケーキ・菓子等の保冷剤;ペットボトル・ビール等の携帯用保冷ケース(袋状);血液・検体等の保冷剤、葬儀用保冷剤等が挙げられる。

Claims (4)

  1. 不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材において、該不透水性基材の内部及び/若しくは表面に示温インキを保持してなることを特徴とする示温保冷材。
  2. 前記示温インキが−15〜15℃の変色範囲を有するものである請求項1記載の示温保冷材。
  3. 前記示温保冷材が、(i)不透水性基材の表面の一部又は全部に示温インキを塗装してなるもの、(ii) ラミネートされた不透水性基材の間の一部又は全部に示温インキを保持してなるもの、(iii) 不透水性基材そのものが示温インキを含んでいるもの、 (iv) 示温インキを塗装したシートかフィルムを不透水性基材の表面の一部又は全部に貼り付けたものからなる群からえらばれるものである請求項1又は2記載の示温保冷材。
  4. 前記保冷材の表面積が200cm2を超えてなるものである請求項1〜3の何れか記載の示温保冷材。


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