JP2005179608A - 示温保冷材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材において、該不透水性基材の内部及び/若しくは表面に−15〜15℃の変色範囲を有する示温インキを保持してなることを特徴とする示温保冷材。
【選択図】 なし
Description
本発明の目的は、保冷できる低温になっているかどうかを外観の色により瞬時に判断できる示温保冷材を提供することである。
即ち本発明は、不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材において、該不透水性基材の内部及び/若しくは表面に示温インキを保持してなることを特徴とする示温保冷材である。
(1)保冷材に触らずとも、保冷できる低温になっているかどうかを外観の色により瞬時に判断できる。
(2)保冷材の温度により外観の色が変わるのを楽しむことができる。
不透水性基材としては、柔軟性があり且つ不透水性のフィルムであれば、保冷用媒体が感温性色素を含有する場合以外特に制限はないが、材質としては、例えばポリエステル、ナイロン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポバール等及びその変性物等の合成樹脂製フィルム、これらの積層ラミネートフィルム、アルミホイル等の金属製フィルム、及び合成樹脂製フィルムと金属フィルムとの多層ラミネートフィルム等が挙げられる。柔軟性の観点から合成樹脂製フィルム、及びこの積層ラミネートフィルムが好ましい。フィルムの厚さも特に限定はないが、好ましくは0.01〜5mmであり、より好ましくは0.05〜3mmである。
(I)水溶性高分子を水に溶解したゲル状物。
水溶性高分子としては、水溶性であれば重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、好ましくはMw1,000〜100万、より好ましくは2,000〜50万、特に好ましくは5,000〜20万のものである。Mwが1000以上であると、水溶液のゲル化効果が十分となり、100万以下であると水に溶解するのも容易でゲル化の時間が遅くならない。ゲル状物中の水溶性高分子の濃度は好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.5〜8重量%である。具体的に使用できるものとして天然高分子、半合成高分子、合成高分子がある。これらの内で好ましくは半合成高分子、合成高分子である。
半合成高分子としては、セルロース誘導体[メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(以下CMCという)、メチルヒドロキシプロピルセルロース等];デンプン誘導体(可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン等);並びに、アルギン酸誘導体(アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコール等)等が挙げられる。
合成高分子の内でポリオキシアルキレン化合物(1a)としては、例えばポリエチレングリコール、多価アルコール類のアルキレンオキシド(エチレンオキシド、プロピレンオキシド等)付加物、ポリオキシエチレン・オキシプロピレングリコール(エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック及び/又はランダム共重合体)等の後記するウレタン樹脂製造に使用されるポリエーテルと同じものが挙げられる。
ゲル状物中の吸水性樹脂の濃度は好ましくは0.1〜10重量%であり、より好ましくは0.3〜5重量%である。吸水性樹脂としては、例えば下記の(1)〜(5)が挙げられる。
(1)デンプン又はセルロース等の多糖類(イ−1)及び/若しくは単糖類(イ−2)と水溶性単量体及び/若しくは加水分解により水溶性となる単量体から選ばれる1種以上の単量体(ロ)と、架橋剤(ハ)とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂。
(イ−1)としてはショ糖、セルロース、CMC、デンプン等が挙げられ、(イ−2)としてはペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。
(ロ)としては例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、若しくはリン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体及びそれらの塩が挙げられる。カルボキシル基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば不飽和モノまたはポリ(2価〜6価)カルボン酸[(メタ)アクリル酸(アクリル酸及び/又はメタクリル酸をいう。以下同様の記載を用いる)、マレイン酸、マレイン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、ソルビン酸、イタコン酸、イタコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル、ケイ皮酸、シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキル(炭素数1〜9)エステル等]及びそれらの無水物[無水マレイン酸等]等が挙げられる。
リン酸基を有するラジカル重合性水溶性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルリン酸モノエステル[2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、フェニル−2−アクリロイルロキシエチルホスフェート等]等が挙げられる。
これらは2種以上併用してもよい。これらのうち好ましいものは、水溶性単量体である。より好ましいものは、カルボキシル基を有するラジカル重合性水溶性単量体およびその塩であり、特に好ましくは不飽和モノまたはポリカルボン酸およびその塩、最も好ましくは(メタ)アクリル酸及びその塩である。
(イ)、(ロ)の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物の具体例としては、多価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン等)、アルカノールアミン(例えば、ジエタノールアミン等)、及びポリアミン(例えば、ポリエチレンイミン等)等が挙げられる。
これらの架橋剤は2種類以上を併用しても良い。これらのうち好ましいものは、ラジカル重合性不飽和基を2個以上有する共重合性の架橋剤であり、更に好ましくはN,N’−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスルトールトリアリルエーテル、トリアリルアミンである。
(イ)、(ロ)及び(ハ)の割合、吸水性樹脂の製造法は特に限定されない。吸水性樹脂の具体例としては特開昭52−25886号、特公昭53−46199号、特公昭53−46200号及び特公昭55−21041号公報に記載されているものが挙げられる。
(3)上記(イ)の架橋物(カルボキシメチルセルロースの架橋物等);
(4)上記(ロ)と(ハ)との共重合体(架橋されたポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたポリスルホン酸塩(架橋されたスルホン化ポリスチレン等)、架橋されたポリアクリル酸塩/ポリスルホン酸塩共重合体、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物(特開昭52−14689号及び特開昭52−27455号公報に記載されているもの等)、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、架橋されたポリビニルピロリドン、及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール);並びに、
(5)自己架橋性を有する上記(ロ)の重合物(自己架橋型ポリアクリル酸塩等);
が挙げられる。以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
中和塩の形態の吸水性樹脂である場合の塩の種類及び中和度については特に限定はないが、塩の種類としては好ましくはアルカリ金属塩、さらに好ましくはナトリウム塩及びカリウム塩であり、酸基に対する中和度は好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは60〜80モル%である。
以上例示した吸水性樹脂は2種以上併用してもよい。
吸水性樹脂の製造に当たり、重合方法については特に限定されず、水溶液重合法、逆相懸濁重合法、噴霧重合法、光開始重合法、放射線重合法等が例示される。
好ましい重合方法は、ラジカル重合開始剤を使用して水溶液重合する方法である。この場合のラジカル重合開始剤の種類と使用量、ラジカル重合条件についても特に限定はなく、通常と同様にできる。なお、これらの重合系に、必要により各種添加剤、連鎖移動剤(例えばチオール化合物等)等を添加しても差し支えない。
重合して得られる吸水性樹脂の含水ゲル状重合体を乾燥後、粉砕し、さらに必要により粒度調整して得られる吸収剤粒子の表面近傍を、カルボキシル基等の酸基及び/又はその塩基と反応しうる官能基を少なくとも2個有する架橋剤で表面架橋して吸水性樹脂とすることもできる。
表面架橋に使用する架橋剤としては、従来から使用されている公知の架橋剤が適用できる。具体的な例としては、1分子中にエポキシ基を2〜10個有するポリグリシジルエーテル化合物[エチレングリコールジグリシジルエーテル等];2価〜20価のポリオール化合物[グリセリン、エチレングリコール等];2価〜20価のポリアミン化合物(エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等);分子量200〜500,000のポリアミン系樹脂(ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂等)、アルキレンカーボネイト[エチレンカーボネイト等]、アジリジン化合物、オキサゾリン化合物、ポリイミン化合物等が挙げられる。
これらのうちで好ましいものは、比較的低い温度で表面架橋を行わせることができるという点で、ポリグリシジルエーテル化合物、ポリアミン系樹脂及びアジリジン化合物である。
吸水性樹脂の重量に対する吸水倍率は、好ましくは10〜1,500倍であり、より好ましくは100〜1,000倍である。又、吸水性樹脂の形状については特に限定はないが例えば、粒状、顆粒状、造粒状、リン片状、塊状、パール状等がある。
吸水性樹脂の吸水倍率は次に示す方法により測定して得られる値とする。
<吸水性樹脂の吸水倍率>ナイロン製の網袋(250メッシュ)に吸水性樹脂の試料(サンプル量;Xg)を入れ、これを袋ごと過剰の水に浸した。浸漬60分後に袋ごと空中に引き上げ、静置して15分間水切りした後、質量(Yg)を測定して下式より吸水倍率を求めた。[網袋のみを用いて上記と同様の操作を行い、この分の質量(Zg)をブランクとして差し引いた。]
吸水倍率=(Y−Z)/X
ゲル状物中の氷点降下物質の濃度は好ましくは0.1〜50重量%であり、より好ましくは0.5〜40重量%である。
ここで親水性とは水溶性及び水分散性を意味し、親水性アルコールとしては、エタノール、グリセリン、ジエチレングリコール、エチレングリコール及び親水性ポリエーテル[ポリエチレングリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)グリコールモノアルキルエーテル]等が好ましい。ゲル状物中の水と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは100:0.1〜10、より好ましくは100:0.5〜8である。ゲル状物中の水と親水性アルコールとの重量比は好ましくは100:1〜80、より好ましくは100:10〜65である。ゲル状物中の水溶性ポリマーと親水性アルコールとの重量比は好ましくは1:10〜60、より好ましくは1:20〜40である。ゲル状物中の吸水性樹脂と水溶性ポリマーとの重量比は好ましくは1:0.1〜10、より好ましくは1:0.2〜3である。詳細は特公平7−23467号公報に記載されている。
親水性ポリマー、配合量等は(V)に記載されたものと同じでよい。詳細は特公平7−81134号公報に記載されている。
これらの内で好ましくはは(V)、(VI)である。
(i)無機系
金属錯体Me〔HgI4〕(Me=Ag、Hg、Cu等)を耐熱性の高いシリコン樹脂、耐光性の高いアクリル樹脂のビヒクルに分散したもの;
(ii)液晶系
サーモクロミック液晶をマイクロカプセル化してビヒクル中に分散したもの;
顕色剤、発色剤(呈色剤)、溶媒(減感剤)の三成分を内包するマイクロカプセルを作り、これを顔料としてビヒクルに分散したもの;
(イ)顕色剤
フェノール類(p−t−ブチルフェノール、p−クロルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ハイドロキノンモノメチルエーテル、β−ナフトール、p−オキシ安息香酸メチル、没食子酸メチル等)、カルボン酸(カプロン酸、オクチル酸、オレイン酸、ステアリン酸、乳酸、安息香酸、フェニル酢酸、没食子酸等)、スルホン酸(アルキルベンゼンスルホン酸等)、酸性リン酸エステル(メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート等のアルキルリン酸等);これらの塩(アルカリ金属、亜鉛、ジルコニウム、アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅、鉄、チタン等の金属塩等);
電子供与性呈色性有機化合物であり、ジアリールフタリド類、ポリアリールカルビノール類、ロイコオーラミン類、アシルオーラミン類、アリールオーラミン類、ローダミンBラクタム類、インドリン類、スピロピラン類、フルオラン類が挙げられる。
具体的には、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ミヒラーヒドロール、クリスタルバイオレットカービノール、マラカイトグリーンカービノール、N−(2,3−ジクロロフェニル)ロイコオーラミン、N−ベンゾイルオーラミン、ローダミンBラクタム、N−アセチルオーラミン、N−フェニルオーラミン、2−(フェニルイミノエタンジリデン)−3,3−ジメチルインドリン、N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、8−メトキシ−N−3,3−トリメチルインドリノベンゾスピロピラン、3−ジエチルアミノ−7−メトキシフルオラン、1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、2−メチル−3−アミノ−6−メチル−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン。7−アセトアミノ−3−ジエチルアミノフルオラン、2,7−ジクロロ−3−メチル−6−n−ブチルアミノフルオラン等が含まれる。
エステル類(ステアリン酸n−ブチル、2−メチル安息香酸ステアリル、4−t−ブチル安息香酸セチル、4−シクロヘキシル安息香酸ベヘニル等)、アルコール類(ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコールなど)、アミド類(ジステアリン酸アミド等)、ケトン類(ジオクチルケトン、ベンジルステアリルケトン、フェニルオクチルケトン等)、スルフィド類(ジステアリルスルフィド等);
これら三成分を配合して加熱融解したり、粉砕して用いることもできるが、好ましくは公知のマイクロカプセル化法、例えばコアセルベーション法、界面重合法、In situ重合法、噴霧乾燥法等の手法によって微小カプセルに内包させることができる。微小カプセルの粒径は、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは1〜8μmであり、バインダーを含むビヒクル中に分散させた色材により塗装等を行う。ビヒクルとしては下記のインキ用樹脂が使用できる。
示温インキ中の三成分の入ったマイクロカプセルの量は好ましくは10〜50重量%、より好ましくは15〜40重量%である。
インキ用樹脂としては、非反応型樹脂(c1)と反応型樹脂(c2)に分類することができる。
オレフィン系樹脂としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンゴムとポリオレフィンとの混合物、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、エチレン−プロピレンゴムにポリオレフィンをグラフト化した重合体等が挙げられる。
スチレン系樹脂としては、例えば、スチレン重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂としては、例えば、高重合度塩化ビニル樹脂、部分架橋塩化ビニル樹脂、ニトリルゴム(NBR)、ウレタン樹脂あるいはポリエステル樹脂等と塩化ビニル樹脂とのブレンド物、ウレタン−塩化ビニル共重合体、ニトリルゴム(NBR)−塩化ビニル共重合体等が挙げられる。
アミド系樹脂としては、例えば、ポリエーテル−ポリアミドブロック共重合体、ポリエステル−ポリアミドブロック共重合体等が挙げられる。
ウレタン系樹脂としては、ポリオール、ジイソシアネート、鎖延長剤をバルク重合あるいは溶液重合することにより得られる直鎖状のポリウレタンをペレット化して押し出し成形、或いは射出成形するか溶液重合により得られたポリウレタン溶液を賦形して溶液を揮発除去するか、或いは凝固浴と接触させて凝固せしめる方法により製造されている。
好ましくは不透水性基材等へ密着性がエステル系樹脂、アミド系樹脂、ウレタン系樹脂である。また上記樹脂の重量平均分子量が好ましくは1万〜100万で且つ軟化点30℃以上のものである。この範囲の分子量であれば熱溶融して被覆が可能であり、軟化点30℃以上であれば室温でも軟化しないので取り扱いやすい。
脂としてはビニル系樹脂が挙げられる。好ましくはこれらの内で密着性の面で熱硬化性樹脂のエポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、作業性の面で、電子線硬化性樹のビニル系樹脂である。
エポキシ系樹脂の硬化は特に限定しないが、まず、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、さらに必要によりエポキシ反応触媒とを混合して容器に封入し、100〜200℃、好ましくは120〜180℃で数時間反応させて得られる半硬化樹脂をさらに数時間〜10日養生することにより完全硬化樹脂が得られる。
ポリイソシアネートとしては分子中に2個以上、好ましくは2〜4個のイシシアネート基を有するものであり、ポリウレタンに通常使用できるものが用いられ、例えば、炭素数(NCO基中の炭素数を除く)6〜20の芳香族ポリイソシアネート[2,4−、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)等];炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート[ヘキサメチレンジイソシアネート等];炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート[イソフォロンジイソシアネート等];炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート[キシリレンジイソシアネート等];これらのポリイソシアネートの変性物[ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビュウレット基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物等]およびこれらの2種以上の併用が挙げられる。これらのうち好ましいものは、TDI、MDI、粗製MDI、カルボジイミド基含有変性MDIおよびこれらの2種以上の併用である。ポリオールとしては、ポリウレタンに通常使用できるものが用いられ、例えばポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ひまし油(以下ポリオールと略記)、およびこれらのポリオールの中でビニルモノマーを重合させて得られる重合体ポリオールが挙げられる];水酸基とイソシアネート基との比率はモル比で好ましくは1:2〜2:1、より好ましくは1:1.5〜1.5〜1、特に好ましくは1:1.2〜1.2:1である。水酸基が過剰であると末端が水酸基を有するプレポリマーであり、イソシアネート基が過剰であるとイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとなる。
ウレタン化促進触媒としては、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、スタナスオクトエート等の錫系触媒;2−エチルヘキサン酸鉛、ナフテン酸鉛等の鉛系触媒;ナフテン酸コバルト等のナフテン酸金属塩等;トリエチレンジアミン、ジアザビシクロアルケン類;ジメチルアミノプロピルアミンジプロピルアミノプロピルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン等のアミン系触媒及びその有機酸塩(ギ酸塩等)等;及びこれらの2種以上の併用系が挙げられる。ウレタン化促進触媒の配合割合は、ウレタンプレポリマー全体に対して、好ましくは0〜10質量%以下、より好ましくは0.01〜5質量%である。
ウレタンプレポリマーの製造方法は特に限定されないが、例えば、ポリオールと過剰のポリイソシアネートとを50〜120℃、好ましくは70〜100℃の温度で反応させて末端イソシアネートのプレポリマーを作成した後、このプレポリマーと低分子量ジオールを反応させるプレポリマー法;ポリオールと低分子量ジオールとを混合したポリオールコンパウンドを、ポリイソシアネートと反応させるワンショット法等が挙げられる。
具体的には例えば下記のものが挙げられる。
例えば、1官能モノマーとして、炭素数2〜9のオレフィン(ブタジエン等);スチレン及びその誘導体(炭素数9〜14)(スチレン等);モノ(メタ)アクリル酸及びそのアルキルエステル又はヒドロキシアルキルエステル(炭素数4〜24)((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル等);分子量62〜5,000のポリエチレングリコール及び/又はポリプロピレングリコールの(メタ)アクリル酸エステル(エチレングリコール(メタ)アクリレート等;分子量62〜5,000の多官能(2〜6価)アルコールのモノ(メタ)アクリル酸エステル(トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート等)、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物の(メタ)アクリレート等;ニトリル基含有ビニル系モノマー((メタ)アクリロニトリル等);ビニルエステル[酢酸ビニル、ジアリルフタレート等];
光重合性開始剤としては、例えば、ベンゾインアルキルエーテル、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルフォルメート、イソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノン等が挙げられる。
消泡剤としては、低級アルコール(炭素数1〜6、例えばメタノール、ブタノール)系消泡剤;高級アルコール(炭素数8〜20、例えばオクチルアルコール)系消泡剤;脂肪酸(炭素数6〜20、例えばオレイン酸)系消泡剤;グリセリンモノラウレート等の脂肪酸エステル系消泡剤;リン酸エステル(炭素数1〜20、例えばトリブチルフォスフェート)系消泡剤;金属石けん[脂肪酸(炭素数6〜20、例えばオクチル酸、ステアリン酸、オレイン酸、トール油脂肪酸)の金属(アルカリ金属以外の金属、例えばCa)塩等]系消泡剤;その他鉱物油系消泡剤;ポリエーテル(ポリプロピレングリコール等)系消泡剤;シリコーン(ジメチルシリコーンオイル等)系消泡剤等が挙げられる。
チクソトロピー性付与剤(増粘剤)としては、無機系(ベントナイト、有機処理ベントナイト、極微細表面処理炭酸カルシウム等)及び有機系(水添ヒマシ油ワックス、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸アルミニウム、重合アマニ油等)が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系〔2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等;アミン系(オクチルジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール等);硫黄系[ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)等];リン系[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)等]等が挙げられる。
また、インキの粘度は、使用時の温度で、好ましくは50〜5,000mPa・s、より好ましくは100〜3,000mPa・sである。粘度が、この範囲内にあるときは、しみこみムラや、塗料のレベリング性悪化等の問題がなく、安定して塗工することができる。
塗料を塗工する場合、ロールコーター(サイズプレス、ゲートロールコーター等)、バーコーター、グラビアコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター等の塗工機を使用できる。塗工量は、好ましくは乾燥後の目付量で2〜100g/m2(厚みt=0.2〜100μm)、より好ましくは10〜50g/m2(厚みt=10〜50μm)である。塗工する際にネガ画像の上から塗装してポジ画像を印字する等の操作を行ってもよい。
ここで透水性は100mlの25℃のイオン交換水が100cm2の面積を通過する時間(秒)で表すと30秒以下であり、好ましくは15秒以下であり、特に好ましくは5秒以下である。形態としては例えば編布、織布、不織布等の布;ポリエチレン、ポリプロピレン等のシートに微細な孔を数多く開けたもの等のメッシュフィルム;洋紙、和紙等の紙等が挙げられる。これらの中で不織布が特に好ましい。不織布については、「不織布の基礎と応用」(日本繊維機械学会発行)に詳細に記載されている。また、熱融着法で固定する場合は熱融着繊維及び/又はフィルム等の熱融着物質を含んだものを使用するが、「熱融着不織布の実態と熱融着繊維全容」1989年4月24日発行、(株)大阪ケミカルマーケッティングセンターに詳細に記載されているものが挙げられる。
(iii) の不透水性基材や別のシートかフィルムそのものに示温インキを含ませる場合には、示温インキを不透水性基材、又は別のシートかフィルムを形成する際に練り込みを行う。その際の示温インキの不透水性基材等に対する配合量は(i)の樹脂に対する場合と同じでよい。
また、必要により、保冷用媒体中に前記の防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を添加してもよい。添加量は保冷材全体に対して好ましくは10重量%以下である。
[示温インキ(I)の製造]
熱変色マイクロカプセルA 30 部
ネオマーBA−641 50 部
ネオマーTA−401 20 部
イルガキュア184 4 部
アエロジル200 1 部
酢酸エチル 20 部
上記配合物を25℃下、プラネタリーミキサーで60分混合し示温インキ(I)を製造した。
ネオマーBA−641(ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル付加物のジアクリレート:三洋化成工業社製)
ネオマーTA−401(トリメチロールプロパンのエチレンオキシド3モル付加物のトイアクリレート:三洋化成工業社製)
イルガキュア184(光重合開始剤:チバガイギー社製)
アエロジル200(チクソトロピー性付与剤:日本エアロジル社製)
熱変色マイクロカプセルA 30 部
サンプレンIB−465 70 部
アエロジル200 1 部
上記配合物を25℃下、プラネタリーミキサーで60分混合し主剤を製造した。
これに使用時にコロネートL(イソシアネート重合体:日本ポリウレタン社製)15部及びトルエン20部を均一に混合したものを示温インキ(II)とする。
熱変色マイクロカプセルB 23 部
ポリゾールEVA P−8 52 部
アルギン酸ナトリウム 3 部
水 22 部
上記配合物を25℃下、プラネタリーミキサーで60分混合し示温インキ(III)を製造した。
ポリゾールEVA P−8(エチレン−酢ビ共重合体エマルション:昭和高分子社製)
18cm、長さ25cm、厚み15μmのナイロンシートに示温インキ(I)を「
冷蔵中」と記載したネガ画像(10cm×20cm)を通してプリントし、電子線5Mrad照射した。膜厚20μmであった。「冷蔵中」の着色されていないポジ画像1個を得た。これを2枚作成しシートを重ねて三方をヒートシールでシールしてその袋内に吸水性樹脂サンフレッシュST−500D(10g)、カルボキシメチルセルロース(5g)及び水(985g)を入れ、残った一方の開口部をヒートシールしてよく振って内容物をゲル(保冷用媒体)とし本発明の示温保冷材(A)を作成した。
サンフレッシュST−500D:ポリアクリル酸架橋型吸水性樹脂、吸水倍率400倍、粒径106〜850μm、三洋化成工業社製
裏面に粘着剤が塗布され離形紙で貼り合わされた18cm、長さ25cm、厚み0.06mmの紙のシート(シール)に示温インキ(II)を「冷蔵中」(10cm×20cm)と記載したネガ画像を通してプリントし105℃で60分硬化して「冷蔵中」の着色されていないポジ画像2個を得た。膜厚20μmであった。
この画像2個(10cm×20cm)を切り取った。実施例1の塗装されてい
ない袋を作成し、実施例1と同様のゲルを袋内に作成した。その上から切り取った「冷蔵中」のラベルを離形紙を剥がして保冷材の両面に貼り付けて本発明の示温保冷材(B)を作成した。
実施例1において、示温インキ(I)に代えて示温インキ(III)を使用して、
「冷蔵中」(10cm×20cm)と記載したネガ画像を通してプリントし、80℃で60分乾燥して「冷蔵中」の着色されていないポジ画像を得た。膜厚15μmであった。これを2枚作成した。このシートの画像の上に同じ大きさのポリエステルシートをラミネートして、「冷蔵中」の着色されていないポジ画像のラミネートシート2枚を得た。このシートを重ねて三方をヒートシールでシールしてその袋内に
実施例1と同様のゲルを作成して本発明の示温保冷材(C)を作成した。
<示温材の効果確認試験>
上記示温保冷材(A)〜(C)を、−25℃、24時間で完全に凍結させた。この保冷材を室温に放置した後、1時間毎に示温材の表示を肉眼で確認した。その結果を表1に示した。
輸送以外の場合とは、例えば、保冷枕、首・背骨・腰・ふくらはぎ・おでこ・脇の下・脚等の保冷具、額の冷却シート、運動後の筋肉・関節等の冷却マットや保冷サポーター、冷却アイマスク、夏時の清涼座布団(特に車用)・布団、清涼ヘルメット、靴のクール下敷き、清涼スカーフ・バンダナ、消防用の防火服の内張り・炎天下作業時の作業衣や手袋・またはそれに付属の保冷具、車椅子使用時の冷却座布団と背もたれ等の人体保冷用;犬・猫等の動物用保冷マット(クールマット)・保冷タオル;肉・魚・野菜・花等の生鮮物の鮮度保持材;ケーキ・菓子等の保冷剤;ペットボトル・ビール等の携帯用保冷ケース(袋状);血液・検体等の保冷剤、葬儀用保冷剤等が挙げられる。
Claims (4)
- 不透水性基材からなる容器内に保冷用媒体を封入してなる保冷材において、該不透水性基材の内部及び/若しくは表面に示温インキを保持してなることを特徴とする示温保冷材。
- 前記示温インキが−15〜15℃の変色範囲を有するものである請求項1記載の示温保冷材。
- 前記示温保冷材が、(i)不透水性基材の表面の一部又は全部に示温インキを塗装してなるもの、(ii) ラミネートされた不透水性基材の間の一部又は全部に示温インキを保持してなるもの、(iii) 不透水性基材そのものが示温インキを含んでいるもの、 (iv) 示温インキを塗装したシートかフィルムを不透水性基材の表面の一部又は全部に貼り付けたものからなる群からえらばれるものである請求項1又は2記載の示温保冷材。
- 前記保冷材の表面積が200cm2を超えてなるものである請求項1〜3の何れか記載の示温保冷材。
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