JP2013213098A - 保冷用組成物 - Google Patents

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真知子 中山
Yasuhiro Tanaka
康弘 田中
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Abstract

【課題】冷却による凍結状態を変色により容易に視認可能な保冷用組成物の提供。
【解決手段】第一の染料を内包したマイクロカプセル、マイクロカプセルに内包されていない第二の染料、及び保冷剤を含有する保冷用組成物であって、前記第一の染料及び第二の染料は、互いに色彩が異なり、前記第一の染料が液晶性染料であり、前記マイクロカプセルの温度に依存した色彩の変化により、色彩が変化することを特徴とする保冷用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、凍結時の変色が容易に視認可能な保冷用組成物に関する。
保冷剤は、各種生鮮物の保管時や輸送時の保冷に幅広く利用されており、通常は、繰り返して利用される。
保冷剤の使用前には、保冷剤が対象物を保冷可能な所望の温度にまで十分に冷却され、凍結しているか、凍結状態を確認することが必要であり、それを可能とするため、保冷剤以外に着色剤を含有する保冷用組成物が種々検討されてきている。このような保冷用組成物は、例えば、これが凍結する温度など、特定の温度を境として、着色剤に由来する色彩が変化(変色)して、目的とする温度にまで冷却され、凍結しているか否か、視認可能となっている。そして、このような保冷用組成物としては、例えば、染料を含有する保冷用組成物が開示されている(特許文献1参照)。
特開2006−97984号公報
しかし、特許文献1に記載の保冷用組成物では、染料の併用により、従来の保冷剤よりも凍結状態の確認が容易であるものの、変色の度合い(色差)が小さいために、視認による使用可否の判断を容易に行えないという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、冷却による凍結状態を変色により容易に視認可能な保冷用組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、第一の染料を内包したマイクロカプセル、マイクロカプセルに内包されていない第二の染料、及び保冷剤を含有する保冷用組成物であって、前記第一の染料及び第二の染料は、互いに色彩が異なり、前記第一の染料が液晶性染料であり、前記マイクロカプセルの温度に依存した色彩の変化により、色彩が変化することを特徴とする保冷用組成物を提供する。
本発明の保冷用組成物においては、前記第一の染料を内包したマイクロカプセルが、冷却による凍結時に、−20℃以下の温度で発色するものであることが好ましい。
本発明の保冷用組成物においては、前記第一の染料を内包したマイクロカプセルの含有量が、0.15〜0.35質量%であることが好ましい。
本発明によれば、冷却による凍結状態を変色により容易に視認可能な保冷用組成物が提供される。
本発明の保冷用組成物は、第一の染料を内包したマイクロカプセル(以下、染料を内包したマイクロカプセルを「MC染料」と略記することがある)、マイクロカプセルに内包されていない第二の染料、及び保冷剤を含有する保冷用組成物であって、前記第一の染料及び第二の染料は、互いに色彩が異なり、前記第一の染料が液晶性染料であり、前記マイクロカプセルの温度に依存した色彩の変化により、色彩が変化することを特徴とする。
かかる保冷用組成物は、前記MC染料の色彩が変化(変色)する機能を利用して、保冷用組成物の色彩を変化させる(変色させる)ものであり、前記第一の染料として液晶性染料を使用することにより、上記の色彩の変化が明瞭なものである。
保冷剤は、保冷用組成物の成分として公知のものでよく、溶媒及び塩の組み合わせが例示できる。保冷用組成物が凍結する温度は、主に溶媒及び塩の組み合わせ、並びにこれらの量により決定される。
前記溶媒は、前記塩を溶解可能で、MC染料及び第二の染料を溶解又は分散可能なものであればよく、好ましいものとしては、水、アルコールが例示できる。
溶媒は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
溶媒は、水又は水を含有する混合溶媒であることが好ましい。
前記塩は、有機塩及び無機塩のいずれでもよい。
前記無機塩としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)、塩化アンモニウム(NHCl)、硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カリウム(KSO)、硫酸アンモニウム((NHSO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、硝酸カリウム(KNO)、硝酸アンモニウム(NHNO)、アンモニウムミョウバン(Al(NH)(SO)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、塩化カルシウム(CaCl)、塩化マグネシウム(MgCl)、塩素酸カリウム(KClO)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、臭化カリウム(KBr)、臭化ナトリウム(NaBr)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、チオ硫酸ナトリウム(Na)、ホウ酸(HBO)、ホウ砂(Na)、ミョウバン(AlK(SO)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム(NaI),硫酸アルミニウム(Al(SO)、硫酸ニッケル(NiSO)、硫酸マグネシウム(MgSO),リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、リン酸三ナトリウム(NaPO)等が例示できる。
前記有機塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム等のカルボン酸塩;グレタミン酸ナトリウム等のアミノ酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩等が例示できる。
前記塩は、無機塩であることが好ましい。
塩は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
保冷用組成物の塩の含有量は、1〜25質量%であることが好ましく、2.5〜24質量%であることがより好ましい。
第一の染料は、マイクロカプセルに内包されたものであり、マイクロカプセルは、壁材が構成する微小な容器である。そして、MC染料は、染料が内包されたマイクロカプセルとして、公知の構成のものでよく、市販品を使用してもよい。
MC染料は、例えば、壁材及び染料の組み合わせによって、色彩が変化する温度を調節可能である。
壁材の材質としては、スチレン、ジビニルベンゼン、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のアニオン重合性モノマーの重合体及び共重合体;ε−カプロラクタム、β−プロピオラクトン、エチレンイミン、テトラメチルシロキサン等の開環重合性モノマーの重合体及び共重合体;メラミン樹脂、ポリウレタン等の重縮合ポリマーが例示できる。前記メタクリル酸エステルとしてはメタクリル酸メチルが例示でき、前記アクリル酸エステルとしてはアクリル酸メチルが例示できる。
第一の染料は、液晶の性質を有する(液晶性)化合物からなり、液晶性を有していれば特に限定されず、赤色染料、青色染料、黄色染料、黒色染料等、いずれの染料も使用できる。
MC染料は、温度に依存(感応)して色彩が変化(変色)するものであり、特定の温度で発色又は消色するものが例示でき、冷却によって発色するもの、及び冷却によって消色するもののいずれでもよいが、冷却によって発色するものが好ましい。なお、MC染料の発色時の色彩は、第一の染料によりもたらされるものである。
MC染料は、冷却によって変色する温度と、昇温によって変色する温度とは、必ずしも一致する必要はないが、これらの温度の差が小さいもの、又はこれらの温度の差が無いものも好適である。
例えば、MC染料が冷却によって発色するものである場合には、冷却によってMC染料が発色する温度と、発色していたMC染料が昇温によって消色する温度とは、必ずしも一致する必要はなく、MC染料が冷却によって消色するものである場合には、冷却によってMC染料が消色する温度と、消色していたMC染料が昇温によって発色する温度とは、必ずしも一致する必要はない。
本発明においては、MC染料が変色する温度と、保冷用組成物が凍結する温度との間に、一定以上の差(温度差)があることが好ましく、10℃以上の差があることがより好ましい。また、MC染料が変色する温度は、保冷用組成物の過冷却温度以下であることが好ましい。このようにして、例えば、冷却時に保冷用組成物が凍結した後に、さらにこのときよりも低い温度でMC染料が変色するようにすることで、色彩の変化が生じた保冷用組成物は、即座に凍結していると判断でき、冷却による凍結状態をより容易に視認できる。ここで「過冷却」とは、例えば、保冷用組成物が急激な冷却によって、凍結すべき温度でも凍結せずに、液状のまま温度が低下している状態のことである。
保冷用組成物が過冷却状態のとき、保冷用組成物の温度が、MC染料が変色する温度よりも低くなると、保冷用組成物は凍結していないにも関わらず、MC染料の変色によって色彩が変化してしまい、保冷用組成物の冷却状態を、凍結の有無に基づいて確認する場合には、その確認がしづらくなることがある。そこで、上記のように、前記温度差を大きく設定することで、保冷用組成物の凍結の有無をより容易に視認できるようになる。したがって、汎用性が高いことが想定される保冷用組成物として、凍結温度が−10〜−1℃であるものが例示できるが、このような保冷用組成物中のMC染料としては、冷却時に−20℃以下の温度で変色(発色又は消色)するものが好ましく、冷却時に−20℃以下の温度で発色するものがより好ましい。ただし、本発明の保冷用組成物は、MC染料の変色でもたらされる色彩の変化が大きいことで、優れた効果を奏するので、必ずしも、MC染料の変色温度と、保冷用組成物の凍結温度とが、特定の関係を満たす必要性はない。
MC染料の平均粒子径は0.5〜5μmであることが好ましい。
MC染料は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。ただし、通常は、一種のみでも十分な効果が得られる。
保冷用組成物のMC染料の含有量は、0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.07〜0.45質量%であることがより好ましく、0.15〜0.35質量%であることが特に好ましい。このような範囲とすることで、MC染料の変色前後での保冷用組成物の色差(ΔE)がより大きくなる(色彩がより大きく変化する)。
第二の染料は、マイクロカプセルに内包されていないものであり、第一の染料とは互いに色彩が異なるものであれば、特に限定されず、赤色染料、青色染料、黄色染料、黒色染料等、いずれの染料も使用できる。
なお、ここで「第一の染料と第二の染料とは互いに色彩が異なる」とは、第一の染料と第二の染料との間に、目視によって明確に認識できる程度の、色相の差が存在することを意味し、第一の染料と第二の染料との間の色差(ΔE)が12以上であることが好ましい。
第二の染料として、具体的には、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、ピラゾロン染料、スチルベン染料、ジフェニルメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、シアニン色素、タール色素等が例示できる。
第二の染料は一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。ただし、通常は、一種のみでも十分な効果が得られる。
保冷用組成物の第二の染料の含有量は、0.0005〜0.003質量%であることが好ましく、0.001〜0.002質量%であることがより好ましい。このような範囲とすることで、MC染料の変色前後での保冷用組成物の色差(ΔE)がより大きくなる(色彩がより大きく変化する)。
本発明においては、例えば、上記の保冷用組成物の色彩の変化が顕著である点から、第一の染料及び第二の染料のいずれか一方が青色染料で、他方が赤色染料であることが好ましい。
MC染料が冷却によって発色するものである場合、保冷用組成物は、MC染料の発色温度よりも高い温度では、主に第二の染料に由来する色彩を有し、MC染料の発色温度よりも低い温度では、主に第一の染料(MC染料)に由来する色彩を有するか、又は第一の染料及び第二の染料の両方に由来する色彩を有する。そして、MC染料の発色温度を境にして、保冷用組成物は、色彩が明瞭に変化する。MC染料及び第二の染料を併用しない場合には、このように色彩が明瞭に変化することがない。
保冷用組成物は、使用条件下で観測される(例えば、保冷用組成物を容器に封入して使用する場合には、容器を介して観測される)、MC染料の変色前後での色差(ΔE)が12以上であることが好ましく、15以上であることがより好ましく、16以上であることが特に好ましい。そして、前記色差(ΔE)の上限値は、特に限定されない。
保冷用組成物は、MC染料、第二の染料及び保冷剤以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、これらに該当しないその他の成分を含有していてもよい。前記その他の成分としては、増粘剤、防腐剤等の公知の各種添加剤が例示できる。
前記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(以下、「CMC」と略記することがある)、グアーガム、ペクチン、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、プロピレングリコールが例示できる。
前記防腐剤としては、食品保存料、酸化防止剤が例示でき、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、プロタミン、有機窒素硫黄系化合物等が例示できる。
保冷用組成物は、MC染料、第二の染料及び保冷剤の総含有量が90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよい。必須成分の含有量が下限値以上であることで、対象物の保冷効果がより向上する。
保冷用組成物は、これを構成するための各配合成分を添加及び混合することで製造できる。
配合成分の添加方法及び混合方法は特に限定されず、保冷用組成物の凍結温度よりも高い温度において、各配合成分が均一に溶解又は分散するように、任意に調節できる。
保冷用組成物は、通常、容器に封入されて使用される。
前記容器の材質は、封入された保冷用組成物の色彩の変化(変色)が視認可能な程度に透明性を有していれば、特に限定されず、好ましいものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド;ポリエステル等の合成樹脂が例示できる。これらの中でも、耐低温脆性、耐水性及び耐薬品性等に優れる点から、ポリオレフィンが好ましく、成形が容易で、高い強度を有する高密度ポリエチレンがより好ましい。
本発明の保冷用組成物は、MC染料と第二の染料とを併用することで、MC染料の変色に伴う色彩の変化が明瞭であり、この変色により、対象物を保冷可能な所望の温度にまで十分に冷却され、凍結しているか、冷却による凍結状態の視認が容易なものである。
また、本発明の保冷用組成物は、冷却による凍結及び昇温による解凍を繰り返しても、効果が損なわれることが無いので、繰り返し利用にも適したものである。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
なお、本実施例及び比較例で使用した原料を、以下に示す。
(MC染料)
・第一の染料として青色液晶性染料が内包されたMC染料(ミクロン社製、冷却時の発
・顕色剤及び青色ロイコ染料を内包したMC染料(記録素材総合研究所製)
色開始温度:−12.4℃、発色完了温度:−21.6℃)
(第二の染料)
・赤色102号(ダイワ化成社製)
(増粘剤)
・カルボキシメチルセルロース(関東化学社製)
(防腐剤)
・有機窒素硫黄系化合物(パーマケム・アジア社製「トップサイド630」)
青色液晶性染料が内包されたMC染料の平均粒子径は1.38μmであり、青色ロイコ染料が内包されたMC染料の平均粒子径は1.78μmであった。これら平均粒子径は、Beckman Coulter Multisizer3を用いて測定した値である。なお、青色液晶性染料が内包されたMC染料は、体積100%平均径が1.47μm、中位径が1.38μmであり、青色ロイコ染料が内包されたMC染料は、体積100%平均径が2.31μm、中位径が1.78μmであった。
[実施例1]
<保冷用組成物の製造>
室温(20〜25℃)において、硫酸ナトリウム(3質量部)、カルボキシメチルセルロース(1質量部)、有機窒素硫黄系化合物(0.1質量部)、水(95.9質量部)を添加及び混合して、各配合成分を溶解させて水溶液とした後、この水溶液に第二の染料として赤色102号を混合し、さらに、青色液晶性染料が内包されたMC染料を混合して、攪拌し、保冷用組成物を得た。このとき、表1に示すように、赤色102号の配合量は、得られた保冷用組成物中での含有量が0.002質量%となるように調節し、MC染料の配合量は、得られた保冷用組成物中での含有量が0.3質量%となるように調節した。得られた保冷用組成物は、さらに高密度ポリエチレン製の容器に封入した。
<保冷用組成物の評価>
(色差(ΔE))
得られた容器入りの保冷用組成物を−25℃の凍結庫内で冷却し、凍結させた。この間、保冷用組成物は、凍結してから色彩が変化した。すなわち、MC染料の発色温度は、保冷用組成物の凍結温度よりも低かった。そして、冷却前の保冷用組成物、すなわち、色彩が変化する前で且つ凍結前の保冷用組成物(以下、「変色前の保冷用組成物」と略記する)と、色彩が変化した直後の保冷用組成物(以下、「変色後の保冷用組成物」と略記する)について、色差測定器「X−rite 530」(エックスライト社製)を使用してL、a、bを測定した。L、a、bは、容器の上から保冷用組成物に色差測定器をあてて測定した。
そして、得られたL、a、bの測定値から、下記式(I)にしたがって、変色前後での保冷用組成物の色差(ΔE)を算出した。結果を表1に示す。
(色差(ΔE)の算出)
ΔE=[(L1−L2+(a1−a2+(b1−b21/2 ・・・・(I)
(式中、L1は変色後の保冷用組成物のLの値であり、L2は変色前の保冷用組成物のLの値であり、a1は変色後の保冷用組成物のaの値であり、a2は変色前の保冷用組成物のaの値であり、b1は変色後の保冷用組成物のbの値であり、b2は変色前の保冷用組成物のbの値であり、L1、a1及びb1は同時期の値であり、L2、a2及びb2は同時期の値である。)
(色彩の変化)
上記のΔE算出時において、変色前後での保冷用組成物の色彩の変化を、下記基準にしたがって目視で評価した。結果を表1に示す。
◎:変色前後での色彩の変化が極めて大きく、冷却による凍結状態の視認がとりわけ容易である。
○:変色前後での色彩の変化が大きく、冷却による凍結状態の視認が極めて容易である。
△:変色前後での色彩の変化が明瞭であり、冷却による凍結状態の視認が容易である。
×:変色前後での色彩の変化が不明瞭であり、冷却による凍結状態の視認が困難である。
(退色)
得られた保冷用組成物を、60℃で3時間、16時間及び24時間静置した試料を一つずつ調製し、次いで、これらを−25℃まで冷却して凍結させ、凍結時の退色の有無を確認した。結果を表1に示す。
[実施例2]
表1に示すように、MC染料の含有量を0.3質量%に代えて0.2質量%としたこと以外は、実施例1と同様に、保冷用組成物を製造及び評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
表1に示すように、MC染料の含有量を0.3質量%に代えて0.4質量%としたこと以外は、実施例1と同様に、保冷用組成物を製造及び評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
表1に示すように、MC染料の含有量を0.3質量%に代えて0.1質量%としたこと以外は、実施例1と同様に、保冷用組成物を製造及び評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
表1に示すように、含有量が0.3質量%となるように、青色液晶性染料を内包したMC染料を配合するのに代えて、含有量が0.3質量%となるように、青色ロイコ染料を内包したMC染料を配合したこと以外は、実施例1と同様に、保冷用組成物を製造及び評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
表1に示すように、MC染料を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様に、保冷用組成物を製造及び評価した。結果を表1に示す。
なお表1中、MC染料の欄の「−」は、その成分が未配合であることを意味し、評価結果の欄の「−」は、その項目が未評価であることを意味する。
Figure 2013213098
上記結果から明らかなように、青色液晶性染料を内包したMC染料を含有する実施例1〜4の保冷用組成物は、変色前後での色彩の変化が明瞭であり、冷却による凍結状態の視認が容易であった。特に、実施例1及び2の保冷用組成物は、MC染料の含有量が特定の範囲内であることにより、変色前後での色彩の変化が大きく、冷却による凍結状態の視認が極めて容易であった。そして、例えば、実施例1の保冷用組成物は、退色が全く見られず、繰り返し利用に適したものであった。MC染料として同じものを使用した実施例2〜4の保冷用組成物も、同様に退色が抑制される。このように、実施例1〜4の保冷用組成物は、実用性に優れたものであった。
これに対し、比較例1の保冷用組成物は、変色前後での色彩の変化が明瞭であり、冷却による凍結状態の視認が容易であったが、青色液晶性染料ではなく青色ロイコ染料を内包したMC染料を含有することにより、退色が顕著で、実用性に劣るものであった。また、比較例2の保冷用組成物は、MC染料を含有していないことにより、変色前後での色彩の変化が不明瞭であり、冷却による凍結状態の視認が困難であって、実用性を有しないものであった。
本発明は、各種生鮮物用又は医薬検体用の保冷用組成物として利用可能である。

Claims (3)

  1. 第一の染料を内包したマイクロカプセル、マイクロカプセルに内包されていない第二の染料、及び保冷剤を含有する保冷用組成物であって、
    前記第一の染料及び第二の染料は、互いに色彩が異なり、
    前記第一の染料が液晶性染料であり、
    前記マイクロカプセルの温度に依存した色彩の変化により、色彩が変化することを特徴とする保冷用組成物。
  2. 前記第一の染料を内包したマイクロカプセルが、冷却による凍結時に、−20℃以下の温度で発色するものであることを特徴とする請求項1に記載の保冷用組成物。
  3. 前記第一の染料を内包したマイクロカプセルの含有量が、0.15〜0.35質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の保冷用組成物。
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