JP6278778B2 - 保冷具 - Google Patents

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本発明は、保冷剤成分として水を含有し、冷却時の変色が容易に視認可能な保冷用組成物を供えた、保冷具に関する。
保冷具は、各種生鮮物の保管時や輸送時の保冷に幅広く利用されており、通常は、繰り返して利用される。このような保冷具は、保冷作用を有する保冷用組成物を供え、熱伝導性を有する容器中にこの保冷用組成物が封入されて、構成される。
保冷用組成物としては、保冷剤の構成成分として水及び塩を含有するものが汎用されており、塩は保冷用組成物の凝固点や融点の調節作用を有する。
一方、保冷用組成物は、その存在が保冷具の外側から容易に視認可能となるように、着色剤を含有するものが知られており、例えば、染料により着色された保冷用組成物が封入され、その封入量が外部から容易に確認可能となっている保冷具が開示されている(特許文献1参照)。
特開2006−97984号公報
しかし、特許文献1に記載の保冷具は、保冷用組成物が染料を含有していても、凍結の有無等、冷却状態を目視により確認することは困難であり、保冷可能な所望の温度にまで保冷具が十分に冷却されているか、冷却状態の視認が困難であるという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、冷却状態が目的とする状態にあるか容易に視認可能な保冷具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、水及び界面活性剤を含有し、凍結の前後において色彩が変化する保冷用組成物を供えた保冷具であって、前記界面活性剤は、分子量が110以上で、且つHLB値が6〜17のものであり、前記保冷用組成物は、前記保冷具の外側から測定したL表色系のLについて、凍結後のLから凍結前のLを引いた差が11以上となるものであることを特徴とする保冷具を提供する。
本発明の保冷具においては、前記保冷用組成物の前記界面活性剤の含有量が0.25〜5質量%であることが好ましい。
本発明によれば、冷却状態が目的とする状態にあるか容易に視認可能な保冷具が提供される。
本発明に係る保冷具は、水及び界面活性剤を含有し、凍結の前後において色彩が変化する保冷用組成物を供えた保冷具であって、前記界面活性剤は、分子量が110以上で、且つHLB値が6〜17のものであり、前記保冷用組成物は、前記保冷具の外側から測定したL表色系のLについて、凍結後のL(以下、「L1」と略記することがある)から凍結前のL(以下、「L2」と略記することがある)を引いた差(以下、「ΔL」と略記することがある)が11以上となるものであることを特徴とする。
前記保冷用組成物は、分子量及びHLB値が特定の範囲にある界面活性剤を含有していることにより、凍結前後での色彩が大きく変化する。より具体的には、凍結前は透明であるか、又は凝集物が少なくて透明度が高い前記保冷用組成物は、凍結時に顕著に白濁してΔLが大きくなる。そして、このような保冷用組成物を備えた本発明に係る保冷具は、凍結の前後で、上記のような保冷用組成物の大きな色彩の変化を外側からも視認可能なので、冷却状態が目的とする状態にあるか容易に視認可能なものである。
保冷用組成物は、保冷剤の構成成分である水以外に、凍結時に保冷用組成物を白濁させる成分である前記界面活性剤を含有する。
前記界面活性剤は、分子量が110以上のものである。前記界面活性剤の分子量の上限値は、界面活性剤が水溶性を有する限り特に限定されないが、例えば、1300とすることができる。
また、前記界面活性剤は、HLB値が6〜17のものである。なお、本明細書において「HLB値」とは、グリフィン法により算出されたものを意味する。前記界面活性剤は、HLB値が6.2以上であることが好ましく、6.5以上であることがより好ましく、このような範囲であることにより、前記界面活性剤は水とより均一に混合される。また、前記界面活性剤のHLB値が17以下であることにより、保冷用組成物の凍結時における白濁度が高くなり、凍結前後での色彩の変化が大きくなって、保冷具の冷却状態の視認が容易となる。
前記界面活性剤は、上記の条件を満たすものであれば特に限定されず、好ましいものとしては、ドデシル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩;デカン酸ナトリウム等のアルキルカルボン酸塩;N−イソプロピルアクリルアミド等のN−アルキルアクリルアミド;ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル等のポリオキシエチレンジアルキルエーテル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンモノアルキルエーテル;ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンモノアルケニルエーテル等が例示できる。
保冷用組成物の前記界面活性剤の含有量は0.1〜6質量%であることが好ましく、0.25〜5質量%であることがより好ましい。
保冷用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内において、水及び前記界面活性剤以外に、前記界面活性剤に該当しないその他の成分を含有していてもよい。
前記その他の成分としては、水以外の溶媒、塩(前記界面活性剤以外の塩)、増粘剤、防腐剤、染料、顔料等が例示できる。
前記溶媒以外のその他の成分は、保冷用組成物において溶解可能なものが好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記溶媒は、前記界面活性剤を溶解可能なものが好ましく、アルコールが例示できる。
前記溶媒は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
保冷用組成物の前記溶媒の含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記塩は、有機塩及び無機塩のいずれでもよいが、無機塩であることが好ましい。
前記塩は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記無機塩及び有機塩を構成するカチオンとしては、アンモニウムイオン(NH )、アルキルアンモニウムイオン、金属イオン等が例示できる。
前記アルキルアンモニウムイオンは、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン及びテトラアルキルアンモニウムイオンのいずれでもよい。そして、前記アルキルアンモニウムイオンにおいて、窒素原子に結合しているアルキル基が2個以上である場合、これら2個以上のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら2個以上のアルキル基が相互に結合して、これらアルキル基が結合している窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。アルキルアンモニウムイオンにおいて窒素原子に結合しているアルキル基は、炭素数が1〜3であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
前記金属イオンとしては、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)等のアルカリ金属のイオン;マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等のアルカリ土類金属のイオン;鉄イオン(Fe3+、Fe2+)、銅イオン(Cu2+、Cu)等の遷移金属のイオン;亜鉛イオン(Zn2+)、アルミニウムイオン(Al3+)等の第12族又は第13族の金属のイオン等が例示できる。
前記無機塩及び有機塩を構成するアニオンとしては、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)等のハロゲンイオン;硫酸イオン(SO 2−);硝酸イオン(NO );炭酸イオン(CO 2−);炭酸水素イオン(HCO );硫酸水素イオン(HSO );リン酸イオン(PO 3−);リン酸水素イオン(HPO 2−);リン酸二水素イオン(HPO );亜硫酸イオン(SO 2−);チオ硫酸イオン(S 2−);カルボキシ基(−C(=O)−OH)、スルホ基(−S(=O)−OH)等の酸基から水素イオン(H)が除かれてなる基を有するイオン等が例示できる。
前記有機塩としては、酢酸ナトリウム(CHCOONa)、酢酸カリウム(CHCOOK)、安息香酸ナトリウム(CCOONa)、安息香酸カリウム(CCOOK)、ソルビン酸ナトリウム(CH−CH=CH−CH=CH−COONa)、ソルビン酸カリウム(CH−CH=CH−CH=CH−COOK)等のカルボン酸塩;グルタミン酸ナトリウム(HOOC(CHCH(NH)COONa)等のアミノ酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(CH(CH11SONa)等のベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム(CH(CH11OSONa)等のアルキル硫酸塩等が例示できる。
前記無機塩としては、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)等のアルカリ金属の塩化物;塩化アンモニウム(NHCl)等の塩酸塩;硫酸ナトリウム(NaSO)、硫酸カリウム(KSO)、硫酸アンモニウム((NHSO)、硫酸マグネシウム(MgSO)、硫酸アルミニウム(Al(SO)、硫酸ニッケル(NiSO)、ミョウバン(AlK(SO)、アンモニウムミョウバン(Al(NH)(SO)等の硫酸塩;硝酸ナトリウム(NaNO)、硝酸カリウム(KNO)、硝酸アンモニウム(NHNO)、硝酸カルシウム四水和物(Ca(NO・4HO)、硝酸カルシウム(Ca(NO))等の硝酸塩;炭酸カリウム(KCO)等の炭酸塩;炭酸水素カリウム(KHCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)等の炭酸水素塩;塩化カルシウム(CaCl)、塩化マグネシウム(MgCl)等のアルカリ土類金属の塩化物;リン酸二水素ナトリウム(NaHPO)、リン酸水素二ナトリウム(NaHPO)、リン酸二水素カリウム(KHPO)、リン酸水素二カリウム(KHPO)、リン酸二水素アンモニウム(NHPO)、リン酸水素二アンモニウム((NHHPO)等のリン酸水素塩;リン酸三ナトリウム(NaPO)等のリン酸塩;亜硫酸ナトリウム(NaSO)等の亜硫酸塩;塩素酸カリウム(KClO)等の塩素酸塩;過塩素酸ナトリウム(NaClO)等の過塩素酸塩;チオ硫酸ナトリウム(Na)等のチオ硫酸塩;臭化カリウム(KBr)、臭化ナトリウム(NaBr)等のアルカリ金属の臭化物;ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化ナトリウム(NaI)等のアルカリ金属のヨウ化物;ホウ砂(Na)等のホウ酸塩等が例示できる。
前記増粘剤は特に限定されず、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム等のアクリル系ポリマー(ポリアクリル酸骨格有する化合物);カルボキシメチルセルロース(CMC)等のカルボキシアルキルセルロース;グアーガム;ヒドロキシプロピルグアーガム等のヒドロキシアルキルグアーガム;ペクチン;キサンタンガム;タマリンドガム;カラギーナン;プロピレングリコール等のアルキレングリコールが例示できる。
前記増粘剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記防腐剤は特に限定されず、食品保存料、酸化防止剤が例示でき、ナトリウムピリチオン、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)、プロタミン、有機窒素硫黄系化合物等が例示できる。
前記防腐剤は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
前記染料は特に限定されず、例えば、赤色染料、青色染料、黄色染料、黒色染料等、いずれの染料も使用できる。
染料として、具体的には、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、ナフトール染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、ピラゾロン染料、スチルベン染料、ジフェニルメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、シアニン色素、タール色素等が例示できる。
染料は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよいが、通常は一種を単独で用いることが好ましい。
保冷用組成物の染料の含有量(濃度)は、質量比で2000ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることが特に好ましい。
前記顔料は特に限定されず、例えば、青色、赤色、黄色、緑色等の各色の顔料を使用できる。
青色顔料としては、フタロシアニンブルー(P.Blue 15:3)、シアニンブルー(P.Blue 15:2)、銅フタロシアニンブルー(β)、複合酸化物ブルー(P.Blue 28)等が例示できる。
赤色顔料としては、ナフトールAS系、キナクリドンレッド(P.Violet 19)、酸化鉄レッド(P.Red 101)、ナフトールレッド(P.Violet 17)等が例示できる。
黄色顔料としては、ベンズイミダゾロン(P.Yellow 154)、酸化鉄イエロー(P.Yellow 42)、モノアゾ系等が例示できる。
緑色顔料としては、フタロシアニングリーン(P.Green 7)、フタロシアニングリーン(P.Green 36)等が例示できる。
顔料は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
保冷用組成物の顔料の含有量(濃度)は、質量比で2000ppm以下であることが好ましく、500ppm以下であることがより好ましく、100ppm以下であることが特に好ましい。
保冷用組成物の、水以外の溶媒を除く前記その他の成分の総含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。前記その他の成分の総含有量が前記上限値以下であることで、保冷用組成物は、凍結前後での色彩の変化がより大きくなる。
保冷用組成物は、凍結前の段階で乳化が抑制されて、白濁度が完全に又は高度に抑制されて、凍結前後での色彩の変化がより大きくなることから、油性成分の含有量が少ないほど好ましい。より具体的には、保冷用組成物の油性成分の含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%であること、すなわち油性成分を含有しないことが特に好ましい。
なお、本明細書において「油性成分」とは、常温(例えば、15〜25℃)で水と共に撹拌したときに混和せずに二層に分離する成分を意味し、典型的にはパラフィン等が例示できる。
本発明に係る保冷具は、前記保冷用組成物を供えたものであり、前記保冷用組成物は、保冷具の外側から測定したL表色系のLについて、凍結後のL(L1)から凍結前のL(L2)を引いた差ΔL(=L1−L2)が11以上、好ましくは13以上、より好ましくは15以上、特に好ましくは17以上となるものである。このようにΔLが大きいのは、凍結時に保冷用組成物が白濁することによる。このような保冷具を実現するためには、例えば、保冷具の外側からではなく、保冷用組成物の保持手段を介さずに直接Lを測定して求めたΔLが、11以上、好ましくは13以上、より好ましくは15以上、特に好ましくは17以上となるような保冷用組成物を用いたり、保冷用組成物の保持手段の透明度に応じて、ΔLを適宜調節した保冷用組成物を用いればよい。
前記保冷用組成物は、特定の界面活性剤を用いていることにより、凍結前は透明度が高いのに対し、凍結後は白濁度が高い(ΔLが大きい)ため、凍結の前後で色彩が大きく変化する。一方、「特開2004−2833号公報」には、界面活性剤を含有する保冷用組成物が記載されているが、凍結前は水分散体ですでに白濁しているものであり、凍結前後での色彩の変化は不明りょうであって、この保冷用組成物を備えた保冷具は、冷却状態が目的とする状態にあるか視認が困難なものである。
保冷用組成物は、これを構成するための各配合成分を添加及び混合することで製造できる。
各成分の配合方法は特に限定されず、保冷用組成物の凍結温度よりも高い温度において、各成分が均一に溶解又は分散するように、好ましくは各成分がすべて溶解するように任意に調節できる。
例えば、各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー、三本ロール、ニーダー又はビーズミル等を使用して混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
本発明に係る保冷具は、前記保冷用組成物を供えたものであり、例えば、液状物を封入可能な容器等の保持手段によって、保冷用組成物を保持することで構成される。
前記保持手段の材質は、保持された保冷用組成物の色彩の変化(変色)が視認可能な程度に透明性を有していれば、特に限定されず、好ましいものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド;ポリエステル等の合成樹脂が例示できる。これらの中でも、耐低温脆性、耐水性及び耐薬品性等に優れる点から、ポリオレフィンが好ましく、成形が容易で、高い強度を有する高密度ポリエチレンがより好ましい。
前記保冷用組成物は、凍結前後での色彩の変化が明りょうであり、この変色により、凍結の有無を容易に視認可能なものである。そして、保冷用組成物のこの色彩の変化が、保冷具の外側から視認可能となっており、これにより保冷具は、所望の温度にまで十分に冷却されているかが容易に視認可能となっている。
また、前記保冷用組成物は、凍結及び解凍を繰り返すなど、冷却及び昇温を繰り返しても、効果が損なわれることが無いので、これを備えた保冷具は、繰り返し利用にも適したものである。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
なお、本実施例及び比較例で使用した原料の一部を、以下に示す。
(界面活性剤)
・ドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬工業社製)
・デカン酸ナトリウム(関東化学社製)
・N−イソプロピルアクリルアミド(東京化成工業社製)
・ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル(花王社製)
・ポリオキシエチレンオレイルエーテル(花王社製)
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王社製)
・ポリエチレングリコール1000(関東化学社製)
・塩化テトラメチルアンモニウム(関東化学社製)
(添加剤)
・ノルマルパラフィン(日本石油社製)
[実施例1]
<保冷用組成物及び保冷具の製造>
保冷用組成物として、ドデシル硫酸ナトリウムの2質量%水溶液を調製し、これを透明な高密度ポリエチレン製の容器に封入して、保冷具を得た。界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムの分子量と、グリフィン法により算出したHLB値とを表1に示す。
<保冷具の評価>
(ΔLの算出)
得られた保冷具について、その容器の上から色差測定器をあて、封入されている保冷用組成物の凍結前のL(L2)の値を測定した。L(L2)の値は、色差測定器(エックスライト社製「X−rite 530」)を用いて測定した。
次いで、この保冷具を−30℃の凍結庫内で冷却した。この間、保冷用組成物は、−30℃よりも高い温度で凍結すると同時に色彩が変化した。そして、保冷用組成物の凍結直後のL(L1)の値を凍結前の場合と同様に測定した
次いで、保冷用組成物の凍結後のLから凍結前のLを引いた差(L1−L2=ΔL)を算出した。これらの結果を表1に示す。
<保冷用組成物及び保冷具の製造、保冷具の評価>
[実施例2〜13]
界面活性剤の種類と、その保冷用組成物での濃度を、表1に示すとおりとした点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造及び評価した。結果を表1に示す。
[実施例14]
保冷用組成物として、デカン酸ナトリウムを2質量%の濃度で含有し、さらに硫酸ナトリウム及び硫酸カリウムをそれぞれ5質量%の濃度で含有する水溶液を調製し、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造及び評価した。結果を表2に示す。
[実施例15]
保冷用組成物として、デカン酸ナトリウムを2質量%の濃度で含有し、さらにリン酸二水素カリウム(リン酸一カリウム)を10質量%の濃度で含有する水溶液を調製し、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造及び評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
ドデシル硫酸ナトリウムの2質量%水溶液に代えて水を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造及び評価した。結果を表2に示す。
[比較例2〜4]
界面活性剤の種類と、その保冷用組成物での濃度を、表2に示すとおりとした点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造及び評価した。結果を表2に示す。
[比較例5]
保冷用組成物として、ドデシル硫酸ナトリウムを2質量%の濃度で含有し、さらにノルマルパラフィンを35質量%の濃度で含有する分散液を調製し、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造及び評価した。結果を表2に示す。
Figure 0006278778
Figure 0006278778
上記結果から明らかなように、保冷用組成物において、分子量及びHLB値が特定の範囲にある界面活性剤を用いた実施例1〜15の保冷具は、ΔLが大きく、凍結前は透明であった保冷用組成物が凍結後は顕著に白濁し、凍結前後で色彩が大きく変化し、冷却状態の視認が容易であった。特に、実施例14〜15の保冷具は、保冷用組成物が塩を含有していることにより、凍結後の白濁度が高く、凍結前後で色彩が特に大きく変化していた。
これに対して、保冷用組成物において、分子量が小さい界面活性剤を用いた比較例2、及びHLB値が大きい界面活性剤を用いた比較例3の保冷具は、いずれもΔLが小さく、凍結前は透明であった保冷用組成物は凍結後も白濁度が小さく、凍結前後での色彩の変化が不明りょうであり、冷却状態の視認が困難であって、実用性を有しないものであった。
一方、比較例4の保冷具は、保冷用組成物の界面活性剤の含有量が少な過ぎたことにより、保冷用組成物は凍結後の白濁度が実施例1〜15よりも小さかった。
また、比較例5の保冷具は、保冷用組成物が油性成分を含有し、凍結前に乳化していることで白濁度が高く、凍結前後での色彩の変化が不明りょうであり(ΔLが小さく)、冷却状態の視認が困難であって、実用性を有しないものであった。
また、比較例1の保冷具は、保冷用組成物が界面活性剤を含有していないことにより、凍結後もほとんど白濁せず、凍結前後での色彩の変化が不明りょうであり(ΔLが小さく)、冷却状態の視認が困難であって、実用性を有しないものであった。
本発明は、各種生鮮物用の保冷具として利用可能である。

Claims (2)

  1. 水及び界面活性剤を含有し、凍結の前後において色彩が変化する保冷用組成物を供えた保冷具であって、
    前記界面活性剤は、分子量が110以上で、且つHLB値が6〜17のものであり、
    前記保冷用組成物は、前記保冷具の外側から測定したL表色系のLについて、凍結後のLから凍結前のLを引いた差が11以上となるものであることを特徴とする保冷具。
  2. 前記保冷用組成物の前記界面活性剤の含有量が0.25〜5質量%であることを特徴とする請求項1に記載の保冷具。
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