JP2015063637A - 保冷具 - Google Patents

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Nobutaka Ueda
展嵩 上田
田中 康弘
Yasuhiro Tanaka
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Abstract

【課題】凝固時の体積膨張が抑制され、保冷温度を−2〜0℃付近で安定して維持できる新規の保冷用組成物を備えた保冷具の提供。【解決手段】25℃の水に対する溶解度が40g/100mL以上であり、且つ分子量が110以上である非アルコール類と、前記非アルコール類に該当しないアルコール以外の溶媒と、を含有し、前記非アルコール類の含有量が0.6〜2.9質量%である保冷用組成物を備えたことを特徴とする保冷具。【選択図】なし

Description

本発明は、新規の保冷用組成物を備えた保冷具に関する。
保冷具は、各種生鮮物の保管時や輸送時の保冷に幅広く利用されており、通常は、繰り返して利用される。このような保冷具は、保冷作用を有する保冷用組成物を供え、熱伝導性を有する容器中にこの保冷用組成物が封入されて、構成される。
従来の保冷用組成物としては、水等の溶媒を主成分として含有し、その他に塩を含有するものが汎用されている。しかし、このような保冷用組成物、特に−2〜0℃付近の温度で保冷することを目的とした保冷用組成物には、凝固時に体積が大きく膨張するものがあり、この場合、容器が変形することで、保冷具の収納に支障が生じたり、持ち運び時に把持し難いことで落下させ易いという問題点があった。
そこで、凝固時の体積膨張を抑制する保冷用組成物が検討されており、膨張抑制剤として多価アルコールを、溶媒として水をそれぞれ含有する保冷用組成物が開示されている(特許文献1参照)。
特開平9−49675号公報
しかし、特許文献1に記載の保冷用組成物は、膨張抑制剤として水との親和性が高い多価アルコールを用いているため、水の凝固点降下が生じ、保冷温度が本来保持したい温度帯である−2〜0℃付近よりも低下してしまうという問題点があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、凝固時の体積膨張が抑制され、保冷温度を−2〜0℃付近で安定して維持できる新規の保冷用組成物を備えた保冷具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、
本発明は、25℃の水に対する溶解度が40g/100mL以上であり、且つ分子量が110以上である非アルコール類と、前記非アルコール類に該当しないアルコール以外の溶媒と、を含有し、前記非アルコール類の含有量が0.6〜2.9質量%である保冷用組成物を備えたことを特徴とする保冷具を提供する。
本発明の保冷具においては、前記非アルコール類が、ベタイン、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
本発明によれば、凝固時の体積膨張が抑制され、保冷温度を−2〜0℃付近で安定して維持できる新規の保冷用組成物を備えた保冷具が提供される。
本発明に係る保冷具は、25℃の水に対する溶解度が40g/100mL以上であり、且つ分子量が110以上である非アルコール類と、前記非アルコール類に該当しないアルコール以外の溶媒と、を含有し、前記非アルコール類の含有量が0.6〜2.9質量%である保冷用組成物を備えたことを特徴とする。
前記保冷用組成物において、非アルコール類を膨張抑制剤として用い、その水に対する溶解度、分子量及び含有量を所定の範囲に規定することで、前記保冷用組成物は凝固時の体積膨張が抑制され、保冷温度を−2〜0℃付近で安定して維持できるものとなる。そして、かかる保冷用組成物を備えた保冷具は、保冷用組成物の凝固時における変形が抑制され、収納時や持ち運び時の取り扱い性に優れ、破損も防止される。
前記保冷用組成物は前記溶媒を保冷剤の主たる成分とするものである。
保冷用組成物が凝固(凍結)する温度は、主に前記溶媒及び非アルコール類の組み合わせ、並びにこれらの量により決定される。
前記非アルコール類は、膨張抑制剤として機能するものであり、水酸基(−OH)を有しておらず、上記の物性(25℃の水に対する溶解度、分子量)を有するものであれば、特に限定されず、有機化合物及び無機化合物のいずれでもよく、水和物及び非水和物のいずれでもよく、固体及び液体のいずれでもよい。
前記非アルコール類は、25℃の水に対する溶解度が40g/100mL以上であり(25℃の100mLの水に対して40g/以上が溶解し)、50g/100mL以上であることが好ましく、60g/100mL以上であることがより好ましい。
また、前記非アルコール類の25℃の水に対する溶解度の上限値は特に限定されないが、200g/100mLであることが好ましく、180g/100mLであることがより好ましい。
前記非アルコール類は、分子量が110以上であり、113以上であることが好ましく、115以上であることがより好ましい。
また、前記非アルコール類の分子量の上限値は特に限定されないが、300であることが好ましく、260であることがより好ましい。
前記非アルコール類で好ましいものとしては、上記の物性を有するベタイン、有機塩、及び無機塩等が例示できる。
前記ベタインとしては、N,N,N−トリメチルグリシン((CH)NCHCOO)等のN,N,N−トリアルキルアミノ酸が例示でき、窒素原子(N)に結合している3個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、窒素原子(N)に結合している3個のアルキル基は、すべて同じでもよいし、すべて異なっていてもよく、2個のみ同じであってもよい。窒素原子(N)に結合しているアルキル基は、炭素数が1〜3であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
前記無機塩及び有機塩を構成するカチオンとしては、アンモニウムイオン(NH )、アルキルアンモニウムイオン、金属イオン等が例示できる。
前記アルキルアンモニウムイオンは、モノアルキルアンモニウムイオン、ジアルキルアンモニウムイオン、トリアルキルアンモニウムイオン及びテトラアルキルアンモニウムイオンのいずれでもよい。そして、前記アルキルアンモニウムイオンにおいて、窒素原子に結合しているアルキル基が2個以上である場合、これら2個以上のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよく、これら2個以上のアルキル基が相互に結合して、これらアルキル基が結合している窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。アルキルアンモニウムイオンにおいて窒素原子に結合しているアルキル基は、炭素数が1〜3であることが好ましく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
前記金属イオンとしては、リチウムイオン(Li)、ナトリウムイオン(Na)、カリウムイオン(K)等のアルカリ金属のイオン;マグネシウムイオン(Mg2+)、カルシウムイオン(Ca2+)等のアルカリ土類金属のイオン;鉄イオン(Fe3+、Fe2+)、銅イオン(Cu2+、Cu)等の遷移金属のイオン;亜鉛イオン(Zn2+)、アルミニウムイオン(Al3+)等の第12族又は第13族の金属のイオン等が例示できる。
前記無機塩及び有機塩を構成するアニオンとしては、塩化物イオン(Cl)、臭化物イオン(Br)、ヨウ化物イオン(I)等のハロゲンイオン;硫酸イオン(SO 2−);硝酸イオン(NO );炭酸イオン(CO 2−);炭酸水素イオン(HCO );硫酸水素イオン(HSO );リン酸イオン(PO 3−);リン酸水素イオン(HPO 2−);リン酸二水素イオン(HPO );亜硫酸イオン(SO 2−);チオ硫酸イオン(S 2−);カルボキシ基(−C(=O)−OH)、スルホ基(−S(=O)−OH)等の酸基から水素イオン(H)が除かれてなる基を有するイオン等が例示できる。
前記無機塩で好ましいものとしては、硝酸カルシウム四水和物(Ca(NO・4HO)、硝酸カルシウム(Ca(NO))等の硝酸塩;硫酸アンモニウム((NHSO))等の硫酸塩;塩酸塩;炭酸塩;炭酸水素塩;硫酸水素塩等が例示できるが、これらに限定されない。
前記有機塩で好ましいものとしては、カルボキシ基(−C(=O)−OH)、スルホ基(−S(=O)−OH)等の酸基が塩を形成している基を有する有機化合物が例示できるが、これらに限定されない。
前記非アルコール類は、一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記非アルコール類は、ベタイン、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択される一種以上であることが好ましい。
前記保冷用組成物の前記非アルコール類の含有量は0.6〜2.9質量%であり、0.7〜2.8質量%であることが好ましく、0.7〜2.6質量%であることがより好ましく、0.8〜2.5質量%であることが特に好ましい。
非アルコール類の前記含有量が前記下限値以上であることで、保冷用組成物は凝固時の体積膨張の抑制効果が高くなり、非アルコール類の前記含有量が前記上限値以下であることで、保冷用組成物は保冷温度を−2〜0℃付近で安定して維持する保冷効果が高くなる。
前記溶媒は、アルコール以外のもの(水酸基を有しないもの)であり、且つ前記非アルコール類には該当しないものである。そして、前記溶媒は、前記非アルコール類を溶解可能なものが好ましい。
溶媒は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
溶媒は、水又は水を含有する混合溶媒であることが好ましい。前記混合溶媒の水の含有量は、90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましい。
前記保冷用組成物は、前記非アルコール類及び溶媒以外に、本発明の効果を損なわない範囲内において、これらに該当しない任意成分を含有していてもよい。前記任意成分としては、染料や、増粘剤、防腐剤等の公知の各種添加剤等が例示できる。
任意成分は一種を単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよく、二種以上を併用する場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
前記染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、ナフトール染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、ピラゾロン染料、スチルベン染料、ジフェニルメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、シアニン色素、タール色素等が例示できる。
前記増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ペクチン、キサンタンガム、タマリンドガム、カラギーナン、プロピレングリコールが例示できる。
前記防腐剤としては、食品保存料、酸化防止剤が例示でき、ナトリウムピリチオン、パラベン(パラオキシ安息香酸エステル)、プロタミン、有機窒素硫黄系化合物等が例示できる。
前記保冷用組成物の前記任意成分の総含有量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。任意成分の前記総含有量が前記上限値以下であることで、保冷用組成物は凝固時の体積膨張の抑制効果と、保冷温度を−2〜0℃付近で安定して維持する保冷効果がより高くなる。
前記保冷用組成物は、これを構成するための各配合成分を添加及び混合することで製造できる。
配合成分の添加方法及び混合方法は特に限定されず、保冷用組成物の凍結(凝固)温度よりも高い温度において、各配合成分が均一に溶解又は分散するように、任意に調節できる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法としては、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等が例示できる。
配合時の温度は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、例えば、15〜30℃とすることができる。
前記保冷用組成物は、含有成分がすべて溶解していてもよいし、一部の成分が溶解せずに分散した状態であってもよく、溶解していない成分は均一に分散していることが好ましい。
本発明に係る保冷具は、前記保冷用組成物を備えたものであり、例えば、液状物を封入可能な容器等の保持手段によって、保冷用組成物を保持することで構成される。
前記保持手段の材質は、保持された保冷用組成物を視認可能な程度に透明性を有するものが好ましく、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリアミド;ポリエステル等の合成樹脂が例示できる。これらの中でも、耐低温脆性、耐水性及び耐薬品性等に優れる点から、ポリオレフィンが好ましく、成形が容易で、高い強度を有する高密度ポリエチレンがより好ましい。
前記保冷具は、前記保冷用組成物の凝固時の体積膨張が抑制されるので、所望の形状及び大きさの保持手段を任意に選択して構成できる。
保冷用組成物は、通常、凝固時に体積が最も膨張する。本発明において、保冷用組成物の凝固時の体積膨張が抑制される理由は定かではないが、上述のように、非アルコール類として特定のものを選択し、その含有量を特定の範囲に限定することで、保冷用組成物はその凝固時の体積膨張が抑制されるのに加え、保冷温度を−2〜0℃付近で安定して維持する保冷効果も高くなる。
本発明に係る保冷具は、保冷用組成物の凝固時での体積膨張の影響を許容(吸収)し得る程度の余剰空間(隙間)が生じないように、保冷用組成物が十分に封入された状態において、凝固時での所定箇所の膨張量の測定値から算出された膨張率を、好ましくは30%未満とすることが可能である。ここで、保冷具の膨張量は、例えば、保冷用組成物が封入されてなる保冷具の二つの主面間等の対向する二面間の距離(例えば、保持手段が扁平状である場合にはその厚さ)を、同じ箇所で保冷用組成物の冷却前と保冷用組成物の凝固後とで測定し、凝固後の距離と冷却前の距離との差([保冷用組成物凝固後の保冷具の二面間の距離]−[保冷用組成物冷却前の保冷具の二面間の距離])を算出することで求められる。なお、本明細書においては、特に断りの無い限り「冷却前」とは、冷却を開始する前で常温(例えば、15〜30℃)にある段階を意味する。
また、本発明に係る保冷具は、保冷用組成物を完全に凝固させた後に25℃で放置したときの、保冷温度を−2〜0℃で維持する時間(保冷用組成物自体の温度が−2〜0℃である時間、保冷時間)を、好ましくは40分以上とすることが可能である。
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
[実施例1]
<保冷用組成物の製造>
表1に示すように、濃度が2.0質量%であるN,N,N−トリメチルグリシン水溶液を調製し、保冷用組成物とした。
なお、表1中、「溶解度(g/100mL)」とは、25℃の100mLの水に対する溶解度を意味し、「含有量(質量%)」とは、保冷用組成物における含有量を意味する。
<保冷具の製造(1)>
容量が1000gの扁平状の容器中に、得られた保冷用組成物を封入して、保冷具とした。このとき、容器中には、保冷用組成物の封入操作に伴う、不可避の微小な隙間(保冷用組成物で満たされていない空間)が残存したが、この隙間は、以下の保冷用組成物の評価において、保冷具の膨張量への影響を無視できる程度の大きさであった。これは、後述する「保冷具の製造(2)」、並びに以降の実施例及び比較例でも同じである。
<保冷用組成物の膨張抑制能の評価>
得られた保冷具(保冷用組成物)を冷凍庫内の所定箇所に置き、−40℃まで冷却してこの温度で24時間保存し、保冷用組成物が完全に凝固した後の保冷具(保冷用組成物)の膨張量を測定した。保冷具の膨張量は、保冷具の同じ箇所(厚さが最大となる箇所)において、保冷用組成物凝固後の保冷具の厚さと、冷却前の保冷具の厚さとの差([保冷用組成物凝固後の保冷具の厚さ]−[冷却前の保冷具の厚さ])から求めた。そして、この膨張量の値から、保冷用組成物凝固後の保冷具の膨張率([保冷具の膨張量]/[冷却前の保冷具の厚さ]×100)(%)を求めた。結果を表1に示す。
<保冷具の製造(2)>
容量が500gの扁平状の容器中に、得られた保冷用組成物を封入して、保冷具とした。
<保冷用組成物の保冷性能の評価>
得られた保冷具(保冷用組成物)を小型環境試験機内の所定箇所に置き、−25℃まで冷却してこの温度で5時間保存することにより、保冷用組成物を完全に凝固させた後、この保冷具(保冷用組成物)を25℃で放置して、保冷温度を−2〜0℃に維持できる時間(−2〜0℃での保冷時間)(分)を測定した。結果を表2に示す。
[実施例2]
表1に示すように、N,N,N−トリメチルグリシン水溶液の濃度を、2.0質量%に代えて2.5質量%とした点以外は、実施例1と同じ方法で保冷用組成物及び保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
表1に示すように、N,N,N−トリメチルグリシン水溶液の濃度を、2.0質量%に代えて1.0質量%とした点以外は、実施例1と同じ方法で保冷用組成物及び保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表1に示す。
[実施例4]
表1に示すように、N,N,N−トリメチルグリシン水溶液の濃度を、2.0質量%に代えて0.8質量%とした点以外は、実施例1と同じ方法で保冷用組成物及び保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表1に示す。
[実施例5]
表1に示すように、濃度が2.0質量%である硝酸カルシウム四水和物の水溶液を調製し、保冷用組成物とした。表1に示す本実施例の「含有量(質量%)」は、硝酸カルシウムの無水物(Ca(NO)ではなく、四水和物(Ca(NO・4HO)としての含有量である。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表1に示す。
[実施例6]
表1に示すように、濃度が2.0質量%である硫酸アンモニウム水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
表2に示すように、保冷用組成物に代えて水を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷剤としての水を評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
表2に示すように、濃度が2.0質量%であるプロピレングリコール水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
なお、プロピレングリコールは水との混和性を有するため、表1に溶解度の値は記載していない。
[比較例3]
表2に示すように、濃度が1.0質量%であるプロピレングリコール水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例4]
表2に示すように、濃度が2.0質量%であるエタノール水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
なお、エタノールは水と任意に混合するため、表1に溶解度の値は記載していない。
[比較例5]
表2に示すように、濃度が1.0質量%であるエタノール水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例6]
表2に示すように、N,N,N−トリメチルグリシン水溶液の濃度を、2.0質量%に代えて0.5質量%とした点以外は、実施例1と同じ方法で保冷用組成物及び保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例7]
表2に示すように、N,N,N−トリメチルグリシン水溶液の濃度を、2.0質量%に代えて3.0質量%とした点以外は、実施例1と同じ方法で保冷用組成物及び保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例8]
表2に示すように、濃度が2.0質量%である尿素水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例9]
表2に示すように、濃度が2.0質量%である塩化アンモニウム水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例10]
表2に示すように、濃度が2.0質量%である硝酸カリウム水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例11]
表2に示すように、濃度が2.0質量%であるグリシン水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例12]
表2に示すように、濃度が2.0質量%であるリン酸三ナトリウム十二水和物の水溶液を調製し、保冷用組成物とした。表2に示す本比較例の「含有量(質量%)」は、リン酸三ナトリウムの十二水和物(NaPO・12HO)としての含有量である。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例13]
表2に示すように、濃度が2.0質量%である硫酸カリウム水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例14]
表2に示すように、濃度が2.0質量%であるスクロース水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例15]
表2に示すように、濃度が0.5質量%であるD−ソルビトール水溶液を調製し、保冷用組成物とした。そして、この保冷用組成物を用いた点以外は、実施例1と同じ方法で保冷用組成物及び保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
[比較例16]
表2に示すように、D−ソルビトール水溶液の濃度を、0.5質量%に代えて3.0質量%とした点以外は、比較例15と同じ方法で保冷用組成物及び保冷具を製造し、保冷用組成物を評価した。結果を表2に示す。
なお、上記各実施例及び比較例においては、前記膨張率が30%未満である場合を膨張抑制能が合格と判定し、前記保冷時間が40分以上である場合を保冷性能が合格と判定した。そして、膨張抑制能及び保冷性能がいずれも合格である場合を総合評価が合格(○)と判定し、膨張抑制能及び保冷性能の少なくとも一方が合格でない場合を総合評価が不合格(×)と判定した。
Figure 2015063637
Figure 2015063637
上記結果から明らかなように、非アルコール類であり、25℃の水に対する溶解度(g/100mL)、分子量、保冷用組成物における含有量(質量%)がそれぞれ所定の範囲にある膨張抑制剤を用いたことにより、実施例1〜6の保冷用組成物は、凝固時の体積膨張が顕著に抑制され、且つ−2〜0℃での保冷時間が長く、膨張抑制能及び保冷性能のいずれにも優れていた。
これに対して、膨張抑制剤としてアルコール類(単糖及び二糖を含む)を用いた比較例2〜5及び14〜16、膨張抑制剤として分子量が小さいものを用いた比較例8、膨張抑制剤として溶解度が小さいものを用いた比較例9、12及び13、膨張抑制剤として分子量及び溶解度が共に小さいものを用いた比較例10及び11のそれぞれの保冷用組成物は、膨張抑制能及び保冷性能の少なくとも一方が劣っていた。
一方、膨張抑制剤として、実施例1〜4と同じものを用いた比較例6及び7の保冷用組成物のうち、比較例6の保冷用組成物は、膨張抑制剤の含有量が少ないことにより膨張抑制能が劣り、比較例7の保冷用組成物は、膨張抑制剤の含有量が多いことにより保冷性能が劣っていた。
膨張抑制剤を用いなかった比較例1の保冷剤は、膨張抑制能が劣っていた。
本発明は、各種生鮮物用の保冷具として利用可能である。

Claims (2)

  1. 25℃の水に対する溶解度が40g/100mL以上であり、且つ分子量が110以上である非アルコール類と、前記非アルコール類に該当しないアルコール以外の溶媒と、を含有し、前記非アルコール類の含有量が0.6〜2.9質量%である保冷用組成物を備えたことを特徴とする保冷具。
  2. 前記非アルコール類が、ベタイン、硝酸塩及び硫酸塩からなる群から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1に記載の保冷具。
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