以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
<1. 実施の形態>
図1は、本発明に係る電子メール受付システム1を備えた顧客管理システムを示す図である。顧客管理システムは、電子メール受付システム1とウェブサーバ6と複数の携帯電話9とが互いにネットワーク7を介して接続された構成となっている。
ウェブサーバ6は、商品を販売する業者又はサービスを提供する業者(以下「販売事業者」という。)によって設置され管理される。電子メール受付システム1は、問い合わせに対する応対業務を販売事業者に提供する業者(以下「応対事業者」という。)によって設置され管理される。ただし、ウェブサーバ6と電子メール受付システム1とが同一の事業者に設置され管理されてもよい。
詳細は省略するが、ウェブサーバ6には、ネットワーク7を経由して顧客に対して情報提供等を行うアプリケーションと、顧客を会員として管理する会員データベースとが設けられている。ウェブサーバ6におけるアプリケーションとは、例えば、販売事業者の携帯サイトやホームページ等を提供する。
携帯電話9は、販売事業者の顧客により操作される。携帯電話9は、通常の通話機能のほか、インターネット接続機能、電子メール機能などを有する。これにより、携帯電話9は、ネットワーク7を経由してウェブサーバ6にアクセスすることができる。
顧客は、自身の携帯電話9を用いてウェブサーバ6にアクセスし、ウェブサーバ6上の会員データベースに登録し、会員となることができる。また、同様にウェブサーバ6にアクセスすることにより、ウェブサーバ6上のアプリケーションから商品情報やサービス情報等を取得することも可能とされている。なお、当該アプリケーションによって提供される情報は、顧客が会員であるか非会員であるかによって区別されるのが一般的であるが、そのような区別がなされなくてもよい。
販売事業者に対し、苦情、質問、要望等のある顧客は、自身の携帯電話9を用いて当該苦情、質問、要望等を表現した情報(以下、「質疑情報」と総称する。)を含む電子メールを作成し、作成した電子メールを問い合わせ専用のメールアドレス宛に送信する。
なお、以下では、顧客の質疑情報を含み、問い合わせ専用のメールアドレス宛に送信された電子メールを「質問メール」と称する。また、質疑情報は、主に、質問メールの本文に記載されるが、これに限定されるものではなく、質問メールの題名や添付ファイルに含まれる情報も質疑情報に該当する。例えば、販売事業者の商品に不満のある顧客が、当該商品の写真を携帯電話9で撮影し、当該撮影した商品の画像を質問メールの添付ファイルとして送信する場合がある。
顧客は、問い合わせ専用のメールアドレスを、ウェブサーバ6や販売事業者が配布するチラシ等から取得することができるようにされている。したがって、事前に会員登録をしていない顧客であっても質問メールを送信すること自体は可能である。
携帯電話9から送信される質問メールは、ネットワーク7を介して電子メール受付システム1に送信される。すなわち、問い合わせ専用のメールアドレスとは、電子メール受付システム1(より詳細には受付サーバ2)のメールアドレスである。
なお、顧客は、携帯電話9の代わりに、電子メール送信機能を有する携帯情報端末やPCなどを用いて質問メールを作成し送信してもよい。携帯電話9を含め、質問メールを電子メール受付システム1に送信する装置を、以下、「クライアント端末」と総称する場合がある。
このように、顧客管理システムは、ウェブサーバ6によって顧客に商品情報等を提供する一方で、電子メール受付システム1によって、顧客の疑問や苦情等を電子メール(質問メール)に含まれる質疑情報として収集するシステムとして構成されている。言い換えれば、ウェブサーバ6が販売事業者の営業窓口とすれば、電子メール受付システム1は当該販売事業者の問い合わせ窓口に該当する。
なお、ネットワーク7としては公衆網やインターネット等の広域網が該当するが、これらに限定されるものではない。また、顧客管理システムを構成する携帯電話9の数は、図1に示す数(3台)に限定されるものではないし、これらの携帯電話9の構成および機能は完全に同一のものに限定されない。
図1に示すように、電子メール受付システム1は、受付サーバ2と複数の閲覧端末装置3とがLAN8を介して接続された構成を有している。そして、先述のように、電子メール受付システム1は、クライアント端末(携帯電話9を含む)から送信される電子メール(質問メール)をネットワーク7を介して受け付けるシステムとして構成されている。
なお、閲覧端末装置3は、図1に示すように、ネットワーク7に接続される場合もある。すなわち、受付サーバ2と各閲覧端末装置3とは、互いにデータ通信が可能な状態で接続されていれば、その方式や形式、設置場所等は限定されるものではない。また、受付サーバ2は複数の装置から構成されていてもよい。さらに、電子メール受付システム1を構成する閲覧端末装置3の数は、図1に示す数(4台)に限定されるものではない。
閲覧端末装置3は、主にオペレータ(他のオペレータと区別して以下、「応対者」と称する。)によって操作される。応対者は、例えば、応対事業者の社員若しくはアルバイトまたは応対事業者から所定の応対業務を受託した者である。
閲覧端末装置3は、LAN8により受付サーバ2と接続されて応対事業者の社内に設置されるか、または、ネットワーク7により受付サーバ2に接続されて応対業務を受託した者の自宅内等に設置される。
閲覧端末装置3は、ネットワーク7またはLAN8を介して受付サーバ2にアクセスすることができる。閲覧端末装置3は、汎用のパーソナルコンピュータ(PC)等で構成されており、ウェブブラウザ(後述)がインストールされている。
電子メール受付システム1において、応対者は、閲覧端末装置3を用いて受付サーバ2にアクセスすることにより、質問メールに関する情報を閲覧することができるように構成されている。ただし、応対者は、質問メールに含まれる全ての情報を閲覧できるとは限らない(詳細は後述する)。
応対者は、閲覧端末装置3を操作して、質問メールに回答する電子メール(以下「回答メール」という。)を作成する。受付サーバ2は、作成された回答メールをネットワーク7を介して携帯電話9に返信する。
以上が、顧客管理システムの概要である。次に、電子メール受付システム1の各構成について説明する。
図2は、受付サーバ2の構成を示す図である。受付サーバ2は、各種データの演算を行うCPU20、CPU20の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM21、CPU20によって実行されるプログラム220を記憶する読み取り専用のROM22を備えている。また、受付サーバ2は、比較的大容量の記憶装置であるハードディスク23も備えている。これにより、受付サーバ2は、一般的なコンピュータとしての機能を有している。
なお、図2では、説明の便宜上、ROM22に格納されたプログラム220のみを図示しているが、CPU20によって実行されるプログラムはROM22に格納されているプログラム220に限定されるものではない。例えば、ハードディスク23に記憶されているソフトウェア(プログラム)が、適宜RAM21にロードされて、CPU20により実行されてもよい。
本実施の形態におけるハードディスク23は、応対者DB230、キャリアテーブル231、メールDB232、および、定型文DB233が作成されて記憶される記憶装置である。
応対者DB230は、電子メール受付システム1に登録されている応対者(質問メールに回答する権限を与えられたオペレータ)に関する情報を格納したデータベースである。応対者DB230は、個々の応対者ごとに1つのレコードが作成されており、当該レコードには対応する応対者を識別するための応対者コード、当該応対者の氏名、パスワード、連絡先、権限等が格納されている。
キャリアテーブル231は、メールアドレスを構成する文字列のうちキャリア(携帯電話事業者)を特定する文字列(判別文字列)と、画像ファイル名(画像データ234において個々の画像情報を識別する情報)とが互いに1つのレコードに関連づけられたテーブル構造のデータベースである。
図3は、キャリアテーブル231の構造を例示する図である。図3に示すように、キャリアテーブル231の各レコードには、個々のキャリアを識別するキャリアコードや、各キャリアコードに対応したキャリア名等を関連づけて格納しておいてもよい。また、メールアドレスにおいて、いずれのキャリアに対応する判別文字列をも存在しないもの(図3に示す例では、「other」)は、「その他」としてレコードを作成してもよい。「その他」に関連づけられるメールアドレスとしては、例えば、携帯電話9以外の一般のパーソナルコンピュータ(PC)等のメールアドレスが該当する。
メールDB232は、当該メールDB232に登録された質問メールごとに1つのレコードが作成され格納されるデータベースである。受付サーバ2の通信部26が受信した電子メールは、個々の電子メールを識別するためのメールコードと受信日時を示す情報とが付与されたうえで、メールDB232に格納(登録)される。
なお、メールDB232の各レコードには、質問メールの「メールコード」、当該質問メール自体、「受信日時」の他に、当該質問メールに対する回答メールの「メールコード」や、回答メール自体、回答日時、応対者(応対者コード)、応対の進捗を示す「状態」、質問メールの内容に応じた「分類」等の情報が格納される。
定型文DB233は、定型的な質問に対する回答として、予め準備されている回答(定型文)を格納したデータベースである。定型文DB233は、定型文コードと当該定型文コードで識別される定型文(テキスト)とが1つのレコードを構成し、互いに関連づけられた構造となっている。
詳細は後述するが、予め想定される質問や、これまでに多数発生した質問に対して、応対者は定型文DB233から適切な定型文を回答として選択することによって、迅速、かつ、正確な応対が可能となる。
なお、定型文DB233を構成する各レコードは、それぞれが対応する定型文について、回答として利用可能なキャリアを識別するためのキャリアコードを格納している。例えば、株式会社Aの携帯電話9についてのみ回答として利用可能な定型文(例えば、株式会社Aの携帯電話9に限定される操作方法等)については、当該定型文のレコードに株式会社Aを示すキャリアコード「0001」が関連づけて格納され、他社のキャリアコードが格納されることはない。一方、全てのキャリアの携帯電話9に共通して回答として利用可能な定型文のレコードには全てのキャリアコードが格納される。
画像データ234は、携帯電話のキャリアに対応した画像情報(画像ファイル)の集合体である。本実施の形態におけるそれぞれの画像情報は、画像ファイル名で特定することが可能とされている。なお、本実施の形態における画像データ234には、携帯電話のキャリアに対応しない画像情報(一般PCに対応した画像情報等)も含まれている。
さらに受付サーバ2は、図2に示すように、オペレータが情報を入力するために操作する操作部24、オペレータに情報を提供する表示部25、受付サーバ2をネットワーク7に接続する通信部26、および、受付サーバ2をLAN8に接続するLANインタフェース部27を備えている。特に、通信部26は、携帯電話9により送信された電子メール(質問メール)をネットワーク7を介して受信する機能を有する。
図4は、受付サーバ2の機能ブロックをデータの流れとともに示す図である。図4に示す読出部200、キャリア判定部201、表示画面作成部202および回答作成部203は、CPU20がプログラム220を実行することにより実現される機能ブロックである。
読出部200は、メールDB232に格納されている質問メールを、適宜、読み出して、必要な情報を抽出し、キャリア判定部201、表示画面作成部202および回答作成部203に伝達する。
例えば、読出部200は、読み出した質問メールから、当該質問メールを送信したクライアント端末(携帯電話9のみならずPCやPAD等を含む)のメールアドレスを抽出して、キャリア判定部201および回答作成部203に伝達する。すなわち、読出部200は、通信部26により受信された電子メールから当該電子メールを送信した携帯電話9のアドレスを抽出する機能を有し、主に、本発明における抽出手段に相当する。
また、読出部200は、読み出した質問メールから、「題名」、「本文」、「添付ファイル」、「受信日時」といった情報を抽出して、それらの情報を表示画面作成部202に伝達する機能も有している。
また、読出部200は、同一のメールアドレスから送信された質問メールのみを選択的に読み出すことも可能である。
キャリア判定部201は、読出部200から伝達されたクライアント端末のメールアドレスからキャリアを特定する文字列を抽出し、この文字列を検索キーとしてキャリアテーブル231の「判別文字列」を検索する。このようにキャリア判定部201は、抽出した文字列に一致する判別文字列を特定することにより、当該判別文字列に関連づけられたキャリアコードと画像ファイル名とを特定する機能を有している。
すなわち、キャリア判定部201は、読出部200によって質問メールから抽出されたメールアドレスに基づいて、当該質問メールを送信した送信元(クライアント端末)のキャリアを特定するとともに、ハードディスク23に記憶されている画像データ234の中から、当該質問メールを送信した携帯電話9のキャリアに対応した画像情報を特定する機能を有する。なお、キャリア判定部201は、特定したキャリアコードと、当該キャリアコードに関連づけられた画像ファイル名とを表示画面作成部202に伝達する。
表示画面作成部202は、通信部26またはLANインタフェース部27を介して伝達される各閲覧端末装置3からの要求(応対者による操作)に応じて、メールDB232や定型文DB233、画像データ234等に格納されている情報を編集し、閲覧端末装置3において表示される表示画面(後述)を作成する。さらに、作成した表示画面に関する情報を、通信部26またはLANインタフェース部27を介して、閲覧端末装置3に向けて送信する。
このとき表示画面作成部202は、キャリア判定部201から伝達される画像ファイル名に基づいて、当該画像ファイル名で示される画像情報を、画像データ234から取得して、各質問メールに対応した画像情報として表示画面を作成し、閲覧端末装置3に向けて送信する。
また、表示画面作成部202は、閲覧端末装置3に向けて表示画面に関する情報を送信するに際して、メールDB232に格納されている各質問メールにおけるメールアドレスを、当該閲覧端末装置3に送信することを禁止する。より詳細にいえば、読出部200は、質問メールにおけるメールアドレスを表示画面作成部202に伝達しない。これにより、顧客の個人情報であるメールアドレスが、閲覧端末装置3に漏洩することを防止することができる。
後述するように、閲覧端末装置3は、顧客のメールアドレスを表示することはない。しかし、例え表示しないとしても、質問メールを閲覧端末装置3に転送する場合のように、メールアドレス自体が閲覧端末装置3に送信されてしまえば、当該メールアドレスが何らかの理由で漏洩する危険性が生じる。
本実施の形態における電子メール受付システム1では、受付サーバ2が、受け付けた質問メールのメールアドレスを閲覧端末装置3に送信しないことにより、単に表示させない場合に比べて、より確実に、メールアドレスの漏洩を防止できる。
また、表示画面作成部202は、キャリア判定部201から伝達されるキャリアコードを検索キーとして、定型文DB233を検索することにより、各質問メールのキャリアに特化した定型文を特定する。そして、特定した定型文を、応対者が選択可能な定型文として表示する表示画面を作成し、閲覧端末装置3に向けて送信する。
回答作成部203は、通信部26またはLANインタフェース部27を介して伝達される各閲覧端末装置3からの要求(応対者による操作)に応じて、質問メールに対する回答メールを作成し、クライアント端末に送信するように通信部26を制御する。
このとき、回答作成部203は、質問メールのメールコードを読出部200に伝達することにより、当該質問メールに関連づけられているメールアドレスを読出部200から取得して、当該メールアドレス宛に作成した回答メールを送信するように通信部26を制御する。
また、回答作成部203は、作成した回答メールに関する情報(回答メール自体や、応答者、回答日時等の情報)を当該質問メールに関連づけてメールDB232に格納する機能も有している。
以上が、受付サーバ2の構成および機能の説明である。次に、電子メール受付システム1を構成する閲覧端末装置3について説明する。
図5は、閲覧端末装置3の構成を示す図である。既に述べたように、閲覧端末装置3は、一般的なコンピュータとしての機能および構成を有しており、応対者が情報を閲覧するとともに、必要な情報を入力するために使用される。
具体的には、閲覧端末装置3は、様々なデータの演算を行うとともに閲覧端末装置3が備える各構成を制御するCPU30と、CPU30の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM31と、CPU30によって実行されるプログラム320を格納するROM32とを備えている。また、閲覧端末装置3は、比較的大容量の情報を記憶しておくためのハードディスク33を備えている。さらに、閲覧端末装置3は、応対者が必要な情報を入力するための操作部34と、各種情報を画面に表示する表示部35と、閲覧端末装置3をネットワーク7またはLAN8に接続する通信インタフェース部36とを備えている。
なお、図5では、説明の便宜上、ROM32に格納されたプログラム320のみを図示しているが、CPU30が実行するプログラムはROM32に格納されているプログラム320に限定されるものではない。例えば、ハードディスク33に記憶されているソフトウェア(プログラム)が、適宜RAM31にロードされて、CPU30により実行されてもよい。
また、CPU30がプログラム320等を実行することにより、閲覧端末装置3には、受付サーバ2における所定の情報を閲覧し操作するためのウェブブラウザが実現される。これにより、当該ウェブブラウザに従って応対者が操作部34を操作することによって、受付サーバ2と閲覧端末装置3との間で適宜情報の送受信が行われる。すなわち、受付サーバ2から送信される表示画面が当該ウェブブラウザによって閲覧端末装置3の表示部35に表示されるとともに、操作部34から入力された情報(例えば回答メールの内容等)が受付サーバ2に送信される。
特に、表示部35は、キャリアに対応した画像情報を表示する一方で、電子メールに含まれる当該電子メールを送信した携帯電話9のメールアドレスの表示が禁止されるが詳細は後述する。
以上が、電子メール受付システム1の構成および機能の説明である。次に、電子メール受付システム1を用いた電子メール受付方法について説明する。
図6は、本発明に係る電子メール受付方法を示す流れ図である。なお、図6に示す工程が実行されるまでに、受付サーバ2の立ち上げと、閲覧端末装置3のログイン(受付サーバ2による認証)とが完了しているものとする。これらの工程は、例えば、従来の技術を採用することができる。
まず、携帯電話9等のクライアント端末から電子メール(質問メール)が電子メール受付システム1に向けて送信されると、受付サーバ2の通信部26が当該質問メールを受信する(ステップS11)。通信部26により受信された質問メールは、CPU20によりメールコードや受信日時等が付与されて、メールDB232に登録される(ステップS12)。
次に、ステップS11において受信された質問メールを読出部200がメールDB232から読み出し、当該質問メールの送信元のアドレスとして記録されているメールアドレスを抽出し(ステップS13)、キャリア判定部201に伝達する。この処理と並行して、読出部200は、当該質問メールに含まれる「題名」や「本文」等の質疑情報を抽出して、当該質問メールに関連づけられている「メールコード」や「受信日時」とともに表示画面作成部202に伝達する。
読出部200からメールアドレスが伝達されると、キャリア判定部201が、当該メールアドレスからキャリアを特定する文字列を抽出する。例えば、この処理は、メールアドレスを構成する文字列のうち、「@」から次の「.」までの文字列を抽出することによって実現できる。さらに、キャリア判定部201は、抽出した文字列を検索キーとしてキャリアテーブル231を参照し、当該文字列に対応するキャリアコードと画像ファイル名とを特定し(ステップS14)、表示画面作成部202に伝達する。
図3に示す例では、キャリア判定部201がメールアドレスから「@aaa.」を抽出した場合、特定されるキャリアは「株式会社A」であり、キャリアコードとしての「0001」と画像ファイル名としての「dog.jpg」が表示画面作成部202に伝達される。
次に、表示画面作成部202は、読出部200およびキャリア判定部201から伝達される情報に基づいて、表示画面を作成する(ステップS15)。作成された表示画面は、ログイン中の閲覧端末装置3に向けて送信され(ステップS16)、当該閲覧端末装置3において表示される(ステップS17)。
図7は、閲覧端末装置3の表示部35に表示される受付画面350を例示する図である。受付画面350は、閲覧端末装置3において、表示部35の表示領域の一部に割り当てられて表示される。受付画面350は、図7に示すように、複数の表示領域(表示欄)に分割されている。
分割された個々の表示領域は、処理ボタン表示欄351、受信日時表示欄352、題名表示欄353、本文表示欄354、キャリア表示欄355、担当表示欄356および状態表示欄357を構成している。なお、受付画面350に表示される各情報は、主に、メールDB232に格納されている情報である。
処理ボタン表示欄351は、各質問メールに対応した処理ボタン(アイコン)が表示される領域である。応対者がこの処理ボタンを操作すると、当該処理ボタンに対応した質問メールを処理する(当該質問メールに対して個別に応対する)画面に遷移するが、詳細は後述する。
図7に示す、受信日時表示欄352は、対応する質問メールを受信した日時を表示する領域である。ここに示す例では、電子メール受付システム1が受け付けた質問メールに関する情報は、当該質問メールを受け付けた順番に従って、受付画面350の上方から下方に向けてレイアウトされている。すなわち、ステップS11において新しい質問メールを受信するごとに、ステップS15において新たに受付画面350が再構成され、閲覧端末装置3の受付画面350の最上位に当該質問メール(最新の質問メール)に関する情報が表示される。
題名表示欄353は、対応する質問メールに「題名」として格納されていた情報を表示する領域である。図7に示す例では、「無題」の質問メールについては、空欄となっている。
本文表示欄354は、対応する質問メールの「本文」に格納されていた情報を表示する領域である。図7に示す例では、本文に何も記載されていない質問メールについては、空欄となっている。
一般には、題名表示欄353および本文表示欄354に表示される情報が、質問メールから分離された質疑情報に該当する。ただし、質疑情報はこれに限定されるものではなく、例えば、質問メールに添付されたファイル等も該当する。したがって、受付画面350に、添付ファイルの有無を示す情報や、添付ファイルの内容自体を表示するようにしてもよい。
なお、受付画面350は、電子メール受付システム1が受け付けた質問メールの一覧表であり、主に、応対者が自己の応対する質問メールを選択する画面として機能する。したがって、受付画面350に表示される情報としては、最低限、未対応の質問メールの存在が表示されるように構成されていればよく、必ずしも、受付画面350に質疑情報が表示される必要はない。
キャリア表示欄355は、キャリアに対応した画像情報を表示する領域である。このように、電子メール受付システム1における応対者は、受付画面350のキャリア表示欄355に表示される画像情報を確認すれば、一見して、当該顧客の携帯電話9のキャリアを把握することができる。
例えば、図7に示す受付画面350において最上位に表示されている質問メールに関しては、キャリア表示欄355には「キツネ」の絵画像が表示されている。したがって、応対者は、当該メールを送信した携帯電話9のキャリアが「N株式会社」であることがわかる(図3を参照)。
携帯電話9のキャリアに対応してハードディスク23に記憶される画像情報(すなわち、キャリア表示欄355に表示される画像情報)は、個々の携帯電話9のメールアドレスに応じてキャリア判定部201によって特定される画像情報である。しかし、図7から明らかなように、キャリア表示欄355に表示される画像情報は、当該画像情報を特定するために用いられたメールアドレスを特定する情報(すなわち個人を特定する情報)を含んでいない。したがって、当該画像情報を表示したとしても、顧客の個人情報であるメールアドレスが応対者に漏洩することはない。
このように、電子メール受付システム1は、メールアドレスの表示を禁止する一方で、キャリアに対応した画像情報を表示するため、メールアドレスを表示しないことによる不利益(必要な情報が応対者に開示されない不利益)は生じない。これにより、応対の質の低下や応対者の負担の増大を効果的に防止することができる。
担当表示欄356は、各質問メールを担当した応対者を示す情報(図7に示す例では、応対者の名字)を表示する領域である。応対者を示す情報は、応対者が自己の応対する質問メールを選択したときに、各自の閲覧端末装置3から送信される応対者コードに応じて、応対者DB230を検索することによって取得できる。
状態表示欄357は、各質問メールに対する応対状態を表示する領域である。例えば、状態表示欄357において「未対応」と表示されている質問メールは、未だ応対者が決定されておらず、応対がされていないことを示している。
以上が、電子メール受付方法において、新しい質問メールを受け付けたときの処理である。次に、閲覧端末装置3を用いて応対者が質問メールに応対するときの処理について説明する。
受付画面350が表示されている閲覧端末装置3において、応対者が処理ボタン表示欄351に表示されているいずれかの処理ボタンを操作すると、操作された処理ボタンに関連づけられた質問メールが当該応対者によって選択されたことを示す情報(当該質問メールのメールコード)が受付サーバ2に向けて送信される。この情報を受付サーバ2が受信すると、図6に示すように、受付サーバ2は当該応対者による質問メールの選択を受け付ける(ステップS21)。
次に、表示画面作成部202が受け付けたメールコード(選択された質問メールを示すメールコード)に応じて表示画面を作成し(ステップS22)、作成した表示画面をログイン中の閲覧端末装置3に送信する(ステップS23)。表示画面を受信した閲覧端末装置3は、当該表示画面を表示部35に表示させる(ステップS24)。
ここで、ステップS22において作成される表示画面は、メールを選択した閲覧端末装置3と、それ以外の閲覧端末装置3とでは異なる。
まず、質問メールを選択した閲覧端末装置3以外の閲覧端末装置3に対して作成される表示画面は、担当表示欄356および状態表示欄357が変化した受付画面350である。より詳細には、担当者表示欄356に当該質問メール(受け付けたメールコードにより識別される)を選択した応対者の氏名が新たに表示され、例えば、状態表示欄357における「未対応」が「予約」に変更される。
このような新たな受付画面350が再構成され、表示されることにより、メールを選択した閲覧端末装置3以外の閲覧端末装置3を操作している応対者に、他の応対者が当該質問メールを選択した(応対することにした)ことを通知することができる。
一方、質問メールを選択した閲覧端末装置3に対して、ステップS22において作成される表示画面は、当該質問メールを処理する(当該質問メールに対して個別に応対する)ためのGUIを構成する画面(以下、「個別応対画面」と称する。)である。したがって、個別応対画面とは、受付画面350において選択した質問メールに対応した画面として表示される。
表示画面作成部202は受け付けたメールコード(選択された質問メールを示す)を読出部200に伝達し、これにより読出部200が当該メールコードに応じて個別応対画面を作成するために必要な情報をメールDB232から読み出して表示画面作成部202に伝達する。
図8は、閲覧端末装置3の表示部35が表示する個別応対画面360を例示する図である。個別応対画面360は、閲覧端末装置3において、処理ボタン表示欄351の処理ボタンが操作されたときに、受付画面350に代わって表示部35の表示領域の一部に割り当てられて表示される。個別応対画面360は、図8に示すように、複数の表示領域(表示欄)に分割されている。
分割された個々の表示領域は、過去に同じ顧客から受け付けて応対した質問メールに関する履歴を表示する履歴表示欄361と、今から応対する質問メール(受付画面350において選択した質問メール)に関する情報を表示する詳細内容表示欄362と、キャリアに対応した画像情報を表示するキャリア表示欄363とを構成している。
詳細内容表示欄362には、回答作成欄364と、定型文表示欄365とが設けられている。回答作成欄364とは、応対者が作成する回答メールの本文となる情報を入力する欄である。すなわち、応対者は、詳細内容表示欄362に表示されている質問メールの質疑情報(主に、「題名」と「本文」)を確認しながら、操作部34を操作することにより回答作成欄364を編集して回答メールを作成することができる。
定型文表示欄365は、予め予想される質問に対して電子メール受付システム1(受付サーバ2)において用意されている定型文を一覧表にして表示する欄である。表示画面作成部202は、定型文表示欄365に表示させる定型文を、キャリア判定部201から伝達されたキャリアコードを検索キーとして定型文DB233から取得する。
図8では、質問メールの送信元のメールアドレスに応じて、キャリア判定部201によって特定されるキャリアコードが「0001」である場合を示している。この場合、表示画面作成部202は、キャリアコード「0001」に関連づけられた定型文のみを定型文DB233から取得して、個別応対画面360を作成する。これにより、図8に示す例では、キャリアコード「0001」で示されるキャリア「株式会社A」に適合した定型文のみが定型文表示欄365に表示され、他のキャリアに特化した定型文は表示されない。
これにより、応対者は、顧客の携帯電話9のキャリアに応じた定型文を確実に選択することができ、誤って、他のキャリア向けの定型文を選択することを防止できる。
また、従来の定型文は、このような選択ミスを防止するために、キャリアに限定されない一般的な内容(汎用性の高い内容)とする傾向が強かった。そして、キャリアに応じた丁寧な回答は応対者がその都度作成しなければならなかった。しかし、質問メールに応じてキャリアを特定し、当該キャリアに応じた定型文のみを回答として選択可能とすることにより、キャリアに応じたきめ細かい回答を定型文として作成しておいても選択ミスを防止することができるため、汎用性を意識せず、主に使用頻度を考慮して定型文を作成することができる。
なお、汎用性の高い定型文(例えば全てのキャリアに対応可能な定型文)については、定型文DBにおいて、全てのキャリアコードに関連づけておけば、特定のキャリアに限定されることなく、個別応対画面360において選択可能とすることができる。
また、本実施の形態における電子メール受付システム1では、図8に示すように、閲覧端末装置3の個別応対画面360に、キャリア表示欄363が設けられている。これにより、応対者が個別の質問メールに応対しているときに表示される画面(すなわち個別応対画面360)に、当該質問メールを送信した携帯電話9のキャリアに対応した画像情報が表示される。したがって、応対者は応対しながら、当該キャリアを確認することができる。
図6に戻って、個別応対画面360が表示されると、当該応対者は、回答作成欄364を完成させ、当該質問メールに対する応対が完了した旨を操作部34を操作して閲覧端末装置3に入力する。これにより、当該閲覧端末装置3から、受付サーバ2に回答に関する情報が送信される。なお、図示の都合上、図6において、回答の作成が完了するまでの間、ステップS25が繰り返され、電子メール受付システム1が待機状態になっているかのように示しているが、もちろん、この間も、他の閲覧端末装置3に対する処理や、質問メールの受付処理等は並行して行われている。
応対が完了し(ステップS25においてYes)、回答を作成した閲覧端末装置3から当該回答に関する情報を受信すると、受付サーバ2の回答作成部203が当該情報に基づいて回答メールを作成する。
また、回答作成部203は、読出部200に当該回答に対応した質問メールのメールコードを伝達する。これによって、読出部200が当該メールコードに関連づけられた質問メールをメールDB232から読み出し、当該質問メールに含まれている送信元のメールアドレスを抽出して回答作成部203に伝達する。
読出部200からメールアドレスを取得すると、回答作成部203は、作成した回答メールを当該メールアドレスに送信するように通信部26を制御する。これにより、通信部26が当該回答メールをクライアント端末に返信する(ステップS26)。
さらに、回答作成部203は、作成した回答メールをメールDB232に登録して保存する(ステップS27)。
以上のように、本実施の形態における電子メール受付システム1は、携帯電話9のキャリアに対応した画像データ234を記憶するハードディスク23と、携帯電話9により送信された電子メールをネットワーク7を介して受信する通信部26と、通信部26により受信された電子メールから当該電子メールを送信した携帯電話9のメールアドレス(送信元アドレス)を抽出する読出部200と、読出部200によって電子メールから抽出されたメールアドレスに基づいて、ハードディスク23に記憶されている画像データ234の中から、当該電子メールを送信した携帯電話9のキャリアに対応した画像情報を特定するキャリア判定部201と、キャリア判定部201により特定された画像情報を表示する一方で、電子メールに含まれる当該電子メールを送信した携帯電話9のメールアドレスの表示が禁止される表示部35とを備えることにより、個人情報であるメールアドレスが表示されなくても、オペレータが顧客の携帯電話のキャリアを容易に判断できる。
また、電子メール受付システム1は、キャリア判定部201を備える受付サーバ2と、表示部35を備える閲覧端末装置3とを備え、抽出手段により抽出されたメールアドレスの閲覧端末装置3への送信が禁止されることにより、応対するオペレータが使用する閲覧端末装置に、顧客のアドレスが送信されないため、オペレータへのアドレスの漏洩をより確実に防止できる。
ハードディスク23は、携帯電話9のキャリアに対応した定型文を記憶しており、キャリア判定部201および表示画面作成部202は、読出部200によって電子メールから抽出されたメールアドレスに基づいて、ハードディスク23に記憶されている定型文の中から、当該電子メールを送信した携帯電話9のキャリアに対応した定型文を特定し、表示部35は、ハードディスク23に記憶されている定型文のうちキャリア判定部201および表示画面作成部202により特定された定型文のみを表示することにより、キャリアに応じた定型文のみが表示されるため、応対者の選択ミスを防止することができる。
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、電子メール受付システム1は受付サーバ2と複数の閲覧端末装置3によって構成されると説明したが、電子メール受付システム1は受付サーバ2および閲覧端末装置3の機能を兼ね備えた1台のコンピュータにより実現されていてもよい。
また、キャリア表示欄355に表示する画像情報は、例えば、キャリアの名称からなる文字画像であってもよい。ただし、一般に文字画像は応対者に読む動作を要求するものであるうえに、キャリアの名称として互いに近似した名称が複数の携帯電話事業者によって使用された場合には混同を生じる可能性もある。したがって、上記実施の形態に示したように容易に識別できる画像情報(絵図画像情報)とすることが好ましい。
また、当該画像情報として、各キャリアが市場において使用している商標やマーク、マスコットキャラクタ等を表現した絵図画像情報が採用されてもよい。一般に、キャリアは各自の商標等を市場で広く広告しているため、応対者は、このような商標等と各キャリアとの関連づけをすでに覚えていることが期待される。その場合、応対者は画像情報とキャリアとの関連づけを改めて覚える必要がなく、応対者に対する初期教育が軽減されるという利点がある。
また、当該画像情報は、何らかの機能と連動したアイコン画像としてキャリア表示欄355に表示されてもよい。例えば、当該画像情報を操作した場合には、当該画像情報と関連づけられたキャリアに特化した注意書きや応対マニュアル、価格表、機種一覧等の2次情報(応対に必要となる情報)が、別途、画面に表示されるように構成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、受付画面350のキャリア表示欄355と、個別応対画面360のキャリア表示欄363とを設け、いずれの画面においてもキャリアに対応した画像情報を表示させるように構成していたが、もちろん、いずれか一方に表示するのみでもよい。
また、上記実施の形態に示した各機能ブロックはソフトウェア(プログラム)により実現されると説明したが、上記機能ブロックの一部または全部を専用の論理回路(ハードウェア)により実現してもよい。
さらに、上記に示した各工程は、あくまでも例示であって、同様の効果が得られるならば、適宜、内容や順序が変更されてもよい。例えば、図6において、回答メールの返信(ステップS26)と、回答メールの保存(ステップS27)とは順序が入れ替わってもよいし、同時並行的に処理されてもよい。